JP2019009089A - 電子ビーム表面改質装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被照射体に形成されている穴の側面に低エネルギ密度の電子ビームを照射して表面を改質することが困難である。【解決手段】真空チャンバ1の中に照射穴7Aが形成されている被照射体7が設置される。カソード電極5Eを照射穴7Aの側面に対向配置する。カソード電極5Eは、照射穴7Aの少なくとも側面に対向する基体50Aの面の全面にわたって多数の金属突起50Gを有する。カソード電5Eと照射穴7Aの側面との間に導電性メッシュ5Gを配設する。導電性メッシュ5Gは、被照射体7と部分的に接触して被照射体7と同電位にされる。【選択図】図1

Description

本発明は、被照射体に低エネルギ密度の電子ビームを照射して被照射体の表面を改質する電子ビーム表面改質装置に関する。特に、被照射体に形成されている穴の側面を改質することができる電子ビーム表面改質装置に関する。
一般的に直径数十mmφ以上の電子柱を形成し、低エネルギ密度の大面積の電子ビームを被照射体の表面に照射する電子ビーム表面改質装置が知られている。直径数mmφ未満の電子柱の電子ビームを走査する、いわゆるスポット照射に比べて大面積の電子柱を得ることができる電子ビーム表面改質装置は、特許文献1に代表的に開示されているように、カソード電極とコレクタ電極とを鉛直線上に配置し、カソード電極とコレクタ電極との間に円環形状のアノード電極とソレノイドを設けている。
このような電子ビーム表面改質装置においては、アノードで生成されるプラズマによって電子が励起され、ソレノイドで形成される磁場によって電子が集束し加速して、大量の電子が照射エネルギを保持した状態でカソードから遠く離れたコレクタまで到達する。このとき、電子は、カソードとコレクタとの間において、直線距離で最短の経路を移動しようとする。そのため、被照射体の被照射面に穴が形成されている場合は、多くの電子が穴の入口の周囲、とりわけエッジに集中し、残りの殆どの電子が穴の底面に衝突して、電子が衝突した部位が改質される。以下、被照射体の被照射面に形成されている穴を単に照射穴という。
このようなことから、電子ビーム表面改質装置においては、照射穴の底面と側面を含めた全面にわたって均一に電子ビームを照射することが困難である。もっとも、照射穴の側面に全く電子が衝突しないというわけではない。例えば、底面が平坦な円形であって深さと直径との比が1対1である比較的浅い照射穴の場合は、十数回以上繰返し電子ビームを照射することによって、照射穴の側面を改質できることが判明している。ただし、電子ビームの照射回数が多すぎると、照射穴のエッジが損耗して照射穴の原形が失われることがあるので、照射穴の側面を改質することが難しいことに変わりがない。
特許文献2は、照射穴の反転形状を有する電極をアノードとして、アノード電極と照射穴との間にプラズマ空間を形成し、電子を励起することによって照射穴の側面に電子ビームを照射することができる表面改質装置を開示している。また、特許文献3は、外周面に複数の金属突起を有するアノード電極を筒形状の被照射体の中空空間に配置してプラズマを生成し、電子を励起することによって筒形状の被照射体の内面に電子ビームを照射することができる表面改質装置を開示している。
特開2006−344387号公報 特開2010−100904号公報 特許5187876号公報
カソード電極を照射穴の側面に対向配置して電子ビームを照射する方法においては、被照射面の面質を低下させるスパークを発生させないために、カソード電極と照射穴の側面とを十分に離しておくとともに、表面が滑らかでスパークが発生しにくい形のカソード電極を使用する。そのため、電子の量が少ないので、カソード電極をアノード電極としてカソード電極と照射穴との間にプラズマ空間を形成してから電子ビームを照射するようにしている。
したがって、照射穴がより大きい場合、または深い場合は、相対的に電子の量が少なく、照射エネルギが不足するから、照射効率が低い。照射効率が低いと、被照射面の表面を改質できるまでに電子ビームを照射する回数がより多くなるので、照射穴のエッジを損耗させるおそれがある。また、照射穴の形状または深さによっては、依然として、照射穴の側面を改質することができない。
より多くの電子を得るために、金属突起を多数有する形状のカソード電極を使用した場合は、スパークが発生しやすくなり、放電痕による面質の低下によって表面の仕上げ自体をなし得ないおそれがある。特に、カソード電極をアノード電極として使用する場合は、プラズマを生成するときでもスパークが発生しやすくなる。
本発明は、上記課題に鑑みて、比較的簡単な構成で照射穴の側面に効率よく電子ビームを照射して照射穴の側面を改質することができる電子ビーム表面改質装置を提供することを主たる目的とする。本発明の電子ビーム表面改質装置が有するいくつかの有利な点は、発明の実施の形態の説明において、その都度、詳しく説明される。
本発明の電子ビーム表面改質装置は、上記課題を解決するために、真空チャンバ(1)の中に設置された被照射体(7)に形成されている照射穴(7A)の少なくとも側面に対向する基体(50A)の面の全面にわたって多数の金属突起(50B)を有する柱形状のカソード電極(5E)と、少なくともカソード電極(5E)と照射穴(7A)の側面との間に配設され被照射体(7)と部分的に接触して被照射体(7)と同電位にされた導電性メッシュ(5G)と、を備えるようにされる。
括弧内の符号は、図面に示されている符号と一致する。ただし、上記符号は、説明の便宜上付されたものであって、本発明を図面に示される実施の形態の電子ビーム表面改質装置に限定することを意図するものではない。
本発明の電子ビーム表面改質装置は、多数の金属突起を有して大量の電子を放出させることができるカソード電極を照射穴の側面に近接して配置するので、プラズマ空間が存在しなくても十分な照射エネルギで電子ビームを照射することができる。その結果、プラズマを生成する期間がないので、照射効率が向上する。また、アノード電極が不要であるので、構成が比較的簡単である。
このとき、カソードとコレクタとの間に高電圧を印加するのに対してカソード電極と被照射体との距離が近接しているので、スパークが発生するが、カソード電極と被照射体に接触する導電性メッシュとの間に放電ギャップが形成されるので、放電にともなう比較的強いエネルギを保持する電子は、導電性メッシュを通って被照射体に移動し、比較的弱いエネルギを保持する電子は、導電性メッシュの間を抜けて照射穴の側面に衝突する。
そのため、カソード電極から放出される大量の電子のうち、表面改質に有効な弱いエネルギを保持する電子だけが照射穴の側面に衝突して照射穴の側面を改質し、スパークによって面質が低下することがない。カソード電極から放出される電子の量に対して導電性メッシュを抜ける電子の数は減少するものの、照射穴の側面の面質が低下したり、照射穴のエッジを損傷するおそれがないので、電子ビームを繰返し照射することができる。その結果、失敗する確率が極めて低く、表面改質工程の全体として照射効率が向上する。
本発明の電子ビーム表面改質装置を示す右側面の断面図である。 本発明のカソード電極と導電性メッシュとを示す照射穴の図である。
図1は、本発明の電子ビーム表面改質装置の望ましい実施の形態を模式的に示す。図1における付属装置の位置は、実際の電子ビーム表面改質装置の配置と異なる。図1は、真空チャンバ1における被照射体7を出し入れするための開口を閉鎖する密閉扉1Bが設けられている面を正面として、電子ビーム表面改質装置を右側面の方向から見たときの断面図である。
電子ビーム表面改質装置は、真空チャンバ1と、移動装置2と、真空装置3と、稀ガス供給装置4と、電子ビーム発生装置5と、浄化装置6と、を含んでなる。被照射体7は、移動装置2の上に取り付けられて固定されている。図1に示される電子ビーム表面改質装置においては、被照射体7には、底面が平坦で円形の照射穴7Aが形成されている。
真空チャンバ1は、被照射体7を収容する手段である。真空チャンバ1は、基台1の上に設置されている。真空チャンバ1は、電子ビーム表面改質装置の前面で被照射体7を出し入れするために開口している。真空チャンバ1には、開口を閉鎖する密閉扉1Bが設けられている。密閉扉1Bを閉鎖することによって、真空チャンバ1を密閉することができる。
移動装置2は、水平1軸方向と、その水平1軸方向に直交する他の水平1軸方向と、鉛直方向と、に被照射体7を移動させる手段である。移動装置2は、水平1軸方向に往復移動できる移動体10と、その水平1軸方向に直交する他の水平1軸方向に往復移動できる移動体20と、上下方向に往復移動できる昇降装置30と、を備える。昇降装置30の上に被照射体7を載置できる取付台であるテーブル40が載置されている。
真空装置3は、密閉された真空チャンバ1の中を減圧して気圧0.1Pa以下の実質真空にする手段である。真空装置3は、真空ポンプによって真空チャンバ1の中の空気を抜く、いわゆる真空引きをして、真空チャンバ1の中を減圧する。真空ポンプは、第1のポンプ3Aと第2のポンプ3Bとでなる。具体的に、第1のポンプ3Aは、スクロールポンプまたはロータリポンプ、第2のポンプ3Bは、ターボ分子ポンプまたは油拡散ポンプが適する。
真空チャンバ1の中の空気を抜いた後は、流量調整弁3C,3Dを閉じて真空チャンバ1の中を真空に近い状態に保持する。真空ポンプは、電子ビームを照射している間稼働しており、真空チャンバ1の排気をして真空チャンバ1の中の減圧状態を維持している。
稀ガス供給装置4は、真空チャンバ1の中に稀ガスを供給する手段である。稀ガスは、プラズマの発生を促す。稀ガスは、長周期表第18族元素であるヘリウム,ネオン,アルゴン,クリプトン,キセノン,ラドンを示す。本発明では、稀ガスと窒素ガスのような化学反応性の低い気体とを含めて不活性ガスという。
本発明においては、照射穴7Aの側面に電子ビームを照射するときには、プラズマの生成を促す必要がないので、真空チャンバ1の中の気圧が0.1Pa以下であって、残留ガスに含まれる酸素濃度が0.3%未満であるならば、プラズマの発生を促す稀ガスである必要はなく、例えば、窒素ガスを使用することができる。実施の形態の電子ビーム表面改質装置においては、照射穴7Aが形成されていない被照射体7の平坦な表面を改質するときは、依然としてプラズマを生成する必要があるので、アルゴンガスを使用している。
稀ガス供給装置4は、具体的に、液化アルゴンを封入したボンベ4Aと、真空チャンバ1に接続する配管4Bと、ボンベ4Aを開放するバルブ4Cと、を含んでなる。実施の形態の電子ビーム表面改質装置は、チャンバ1の中の気圧を0.03Pa以上0.1Pa以下の範囲で減圧状態を維持することができるように設計されている。
電子ビーム発生装置5は、電子銃である円板形状のカソード電極5Aと、プラズマを生成する円環形状のアノード電極5Bと、被照射体7に通電するコレクタ5Cと、磁場を形成するソレノイド5Dと、電子銃であって円柱形状のカソード電極5Eと、を含んでなる。コレクタ5Cは、実質的にテーブル40である。テーブル40は、グランドライン5Fによって真空チャンバ1にアースしている。
カソード電極5Aとアノード電極5Bは、被照射体7における被照射面が概ね平坦であるときに使用される。また、照射穴7Aが浅く、照射穴7Aの側面に対して垂直の方向から電子ビームを照射しても照射穴7Aの側面を十分に改質できる場合は、カソード電極5Aとアノード電極5Bを使用して電子ビームを照射することができる。カソード電極5Eは、被照射体7に形成された照射穴7Aの側面に電子ビームを照射するときに使用される。
カソード電極5Aと、照射穴7Aの側面に電子ビームを照射するためのカソード電極5Eとは、同時に使用されることはなく、被照射体7における被照射面の形状に対応して、カソード電極5Aとカソード電極5Eとを相互に交換し合って真空チャンバ1の中に取り付けられる。カソード電極5Eを使用するときは、カソード電極5Eと被照射体7との間に導電性メッシュ5Gが設置される。
電子ビーム発生用電源装置5Hは、カソード電極5Aとテーブル40に通電する被照射体7との間に電子ビームを発生させるための電圧パルスを印加する高圧電源を含む。プラズマ発生用電源装置5Jは、カソード電極5Aとアノード電極5Bとの間に設けられ、円環形状のアノード電極5Bの円環内にプラズマを発生させる電圧を供給する。プラズマ発生用電源装置5Jは、アノードスイッチを含んでいる。スイッチ5Kは、電源の接続を切り換える。
カソード電極5Aは、所定の断面積を有する断面円形の基板にチタンの多数の針状突起が設けられてなる。本発明の電子ビーム表面改質装置の電子ビーム発生装置5においては、カソード電極5Aが多数の電子銃を有していると見做すことができる。断面積が比較的大きいカソード電極5Aによって、直径が大きくてエネルギ密度がより小さい電子の粒子線束を発生させることができる。そのため、一度の照射において広範囲に均一に被照射面に電子ビームを衝突させることができ、表面から数μm程度の極浅い深さで材料を変質させる。
カソード電極5Aは、密閉された真空チャンバ1の中の上側に固定される。カソード電極5Aの上側の密閉空間の1Cの中には、カソードのギャップスイッチが存在する。カソード電極5Aをチャンバ1の上側に配置することによって、カソード電極5Aを鉛直方向に所定距離離れて真空チャンバ1の中の下側に設けられているテーブル40の上に被照射体7を設置することができる。そのため、被照射体7に断面積の大きい電子ビームを重力方向に直線的にばらつきなく照射することができる。
アノード電極5Bは、カソード電極5Aの断面積よりも大きい内径を有するリング形状を有している。例えば、カソード電極5Aの直径が60mmφのときで、アノード電極5Bの内径が210mmφである。アノード電極5Bは、円環内に比較的存在期間の短いプラズマを生成する。プラズマの電離層は、カソード電極5Aから放出される電子を捕捉して集束する。
浄化装置6は、被照射体7の被照射面から生じた滓を含む真空チャンバ1の中の汚れたガスを強制的に排出する。浄化装置6は、液化窒素ガスを封入したボンベ6Aと、真空チャンバ1に接続する配管6Bと、ボンベ6Aを開放するバルブ6Cと、を含んでなる。窒素ガスは、真空チャンバ1の中から汚れたアルゴンガスを追い出して真空チャンバ1の中を清浄にする。実施の形態の電子ビーム表面改質装置においては、照射穴7Aの側面に電子ビームを照射するときは、プラズマを発生させる必要がないので、稀ガス供給装置4から供給されるアルゴンガスに代えて浄化装置6から窒素ガスを供給するようにすることができる。
図2は、図1に示される被照射体7と、カソード電極5Eと、導電性メッシュ5Gと、を模式的に示す。図2に示される照射穴7Aは、底面が円形で平坦であって側面が垂直な形状である。図2において、被照射体7は、照射穴7Aの側面と底面を見ることができるように、照射穴7Aの中央から切断した断面図で示されている。
カソード電極5Eは、被照射体7に形成されている照射穴7Aの少なくとも側面に対向する基体50Aの外周面の領域全面にわたって多数の金属突起50Bをおおよそ均等に設けてなる。金属突起50Bは、電子を放出しやすく損耗の小さい材質であることが望まれる。実施の形態の電子ビーム表面改質装置のカソード電極5Eの金属突起50Bの材質は、チタンである。
照射穴7Aの断面形状とサイズに合わせて複数の種類のカソード電極5Eが準備される。カソード電極5Eは、電子の放出を誘発する金属突起50Bを有し、照射穴7Aの側面との間に幅広い電子線束を得ることができる限りにおいて、任意の形態を有する。例えば、基体50Aの水平方向の断面形状が多角形であってよい。また、例えば、基体50Aの外周面の半周にだけ金属突起50Bを設けるようにしてよい。あるいは、金属突起50Bは、図2に示される金属製のブラシの金属毛のような形状の代わりに剣山の針のような形状であってよい。
カソード電極5Eの金属突起50Bから電子が放出されるので、金属突起50Aの数は、可能な限り多いほうが有利である。また、金属突起50Bは、可能な限り均等に設けられることが望ましい。照射穴7Aの特定の照射面に狙って電子ビームを照射したいときには、移動装置2によって被照射体7を水平方向に移動させて、カソード電極5Eと特定の被照射面との距離をより短くして、特定の被照射面に対して電子ビームを放出しやすくするようにすることができる。
カソード電極5Eは、図1に示されるカソード保持体5Mの電極保持部位からカソード電極5Aを取り外してカソード電極5Aと交換でその電極保持部位に取り付けられる。カソード保持体5Mは、例えば、複数の円筒体を重なるように嵌装してなる図示しない支柱の伸縮機構を備えており、支柱を被照射体7の方向に延伸することによって、カソード電極5Eを照射穴7Aの高さまで下げて照射穴7Aに対向配置させることができる。
カソード保持体5Mの電極取付部位にソケット端子が設けられており、電極取付部位に取り付けるだけで、カソード電極5Eは、配線作業なしに通電する。カソード電極5Eには、カソード電極5Aと同じギャップスイッチによって電子ビーム発生用電源装置5Hから供給される電圧が印加される。
カソード保持体5Mよりも長い支柱を有するカソード保持体5Lを真空チャンバ1の上側に取り付けることによっても、カソード電極5Eを照射穴7Aの側面に対向配置させることができる。具体的に、カソード電極5Eは、図1に示されるカソード保持体5Lの電極保持部位に取り付けられており、カソード保持体5Mを真空チャンバ1の上側から外した位置にそのままカソード保持体5Lを取付固定することによって、配線作業なしに通電させることができる。カソード極5Eには、カソード電極5Aと同じギャップスイッチによって電子ビーム発生用電源装置5Hから供給される電圧が印加される。
カソード保持体5Mの支柱を被照射体7Aの方向に延伸させるとき、またはカソード保持体5Lを真空チャンバ1の上側に取付固定するときは、カソード保持体5Mまたはカソード保持体5Lの支柱は、何れもアノード電極5Bの円環内を貫通するので、アノード電極5Bを取り外す必要はない。なお、照射穴7Aの深さに合わせてカソード保持体5Lの長さを調整できるようにしておくと、予め準備しておかなければならないカソード保持体5Lの数を少なくすることができる。
実施の形態の電子ビーム表面改質装置におけるカソード電極5Eは、電子を放出する金属突起50Bを大量に有するとともに、カソード電極5Eと照射穴7Aの側面との距離が短いので、電子を励起するプラズマの電離層が存在しなくても、十分な照射エネルギの電子ビームを照射できるので、アノード電極が不要である。そのため、プラズマを生成するときに、アノードを照射穴7Aの側面に近接して設ける必要がなく、電子ビーム発生装置5の構成が比較的簡単である。また、プラズマを生成する期間がないので、1回の電子ビームの照射に要する時間を短縮でき、照射効率が向上する。
実施の形態の電子ビーム表面改質装置において、少なくともカソード電極5Eと照射穴7Aの側面との間に導電性メッシュ5Gを配設する。導電性メッシュ5Gは、被照射体7と部分的に接触して被照射体7と同電位にされている。導電性メッシュ5Gは、基本的に、カソード電極5Eの金属突起50Bと接触して短絡しないように、金属突起50Bを取り囲むように設けられる。導電性メッシュ5Gの材質は、磁場を生成しない非磁性体であるとともに、熱によって損傷しにくいステンレスあるいはチタンであることが望ましい。
カソード電極5Eと被照射体7との間の距離が短いと、カソード電極5Eに高電圧を印加したときに、カソード電極5Eと被照射体7との間で絶縁破壊が起こり、スパークしてしまって、電子ビームを照射することが困難になる。導電性メッシュ5Gは、被照射体7と接触して被照射体7と同電位であるため、カソード電極5Eと導電性メッシュ5Gとの間に放電が発生し、放電にともなう強いエネルギを保持する電子は、導電性メッシュ5Gを通り抜けて被照射体7に至り、金属突起50Bから飛び出た弱いエネルギを保持する電子だけが照射穴7Aの側面に衝突して、電子ビームの照射が確実に行なわれる。
正確な実験によって照射穴7Aの面質を測定していないが、理論上、円筒形状のステンレス製の導電性メッシュの場合で、メッシュのサイズが1mm−12mmで、メッシュを形成する線の直径が0.1mmφ−1mmφであるなら、数μmの深さで要求される面質に側面を仕上げることができるものと推定する。
以上に説明された実施の形態の電子ビーム表面改質装置は、すでにいくつかの例が示されているが、本発明の技術思想に反しない範囲で、変形が可能である。例えば、カソード電極を半球形状の基体に多数の金属突起を均等に設けた態様として、半球形状の照射穴の全面に電子ビームを照射させることができる。また、実施の形態の電子ビーム表面改質装置のように、公知の電子ビーム表面改質装置と組み合わせることができる。
本発明の電子ビーム表面改質装置は、基本的には、導電性の材料の表面を改質することができ、金型、あるいは金属、セラミックス、プラスチックスの部品のような工業製品の表面改質に広範に有効である。特に、リブを含めて深い照射穴が形成されている被照射体の表面改質することが期待できる。本発明は、工業製品の品質の向上と発展に貢献する。
1 真空チャンバ
1C 密閉空間
2 移動装置
3 真空装置
4 稀ガス発生装置
5 電子ビーム発生装置
5A カソード電極
5B アノード電極
5C コレクタ
5D ソレノイド
5E カソード電極
5F グランドライン
5G 導電性メッシュ
5H 電子ビーム発生用電源装置
5J プラズマ発生用電源装置
5K スイッチ
6 浄化装置
7 被照射体
7A 照射穴
40 テーブル
50A 基体
50B 金属突起

Claims (1)

  1. 真空チャンバの中に設置された被照射体に形成されている照射穴の少なくとも側面に対向する基体の面の全面にわたって多数の金属突起を有するカソード電極と、少なくとも前記カソード電極と前記照射穴の側面との間に配設され前記被照射体と部分的に接触して前記被照射体と同電位にされた導電性メッシュと、を備える電子ビーム表面改質装置。
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