JP2019008151A - 光ファイバ側方入出力装置及び光ファイバ側方入出力装置における光ファイバの把持方法 - Google Patents

光ファイバ側方入出力装置及び光ファイバ側方入出力装置における光ファイバの把持方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバに曲げを付与する曲げ部の移動方向と平行な方向に光ファイバを位置決めすることができる光ファイバ側方入出力装置を提供する。【解決手段】光ファイバの長手方向と交差する曲げ方向に移動して、光ファイバに曲げを付与する曲げ部と、曲げ部によって光ファイバに曲げを付与する際に、光ファイバを把持する把持部20とを備える光ファイバ側方入出力装置であって、把持部は、曲げ部の移動方向と平行な方向に光ファイバを挟み込んで把持する。【選択図】図5

Description

本発明は、光ファイバ側方入出力装置及び光ファイバ側方入出力装置における光ファイバの把持方法に関する。
光ファイバ通信網の光線路保守において、既設の光ファイバに曲げを付与し、この曲げ部位の側方にプローブの先端部を対向させることで、曲げが付与された光ファイバの側方からプローブに対して光信号を入出力させる光ファイバ側方入出力技術が提案されている。
このような光ファイバ側方入出力技術に関連して、特許文献1〜3には、円弧状の曲面を有する押圧面と、押圧面と同じ曲率を有するガイド面とで光ファイバを挟み込むことにより、曲率に応じて光ファイバに曲げを付与する光ファイバ曲げ付与装置が開示されている。
特開2016−080448号公報 特開2016−080799号公報 特開2016−080800号公報
特許文献1〜3に記載の光ファイバ曲げ付与装置は、光ファイバに曲げを付与する際に、光ファイバを押さえるクランプガイドを有する。このクランプガイドにより、光ファイバ曲げ付与装置にセットされた光ファイバを横方向(光ファイバの長手方向及び曲げ方向と直交する方向)に押さえつけ、光ファイバの位置がずれないようにすることができる。
既設の光ファイバでは、単心の光ファイバの他、幅方向に複数の光ファイバを並列させた光ファイバテープが使用されることがある。光ファイバテープのテープ面に垂直な方向に曲げを付与する際、前述の特許文献1〜3に記載のクランプガイドでは、光ファイバテープをテープ幅方向に押さえつけることになり、光ファイバテープを構成する光ファイバ個々の曲げ方向(光ファイバに曲げを付与する曲げ部の移動方向)での位置決めをすることが困難であった。また、単心の光ファイバにおいても、光ファイバに曲げを付与する曲げ部の移動方向での位置決めが必要になることがあった。
本発明は、光ファイバに曲げを付与する曲げ部の移動方向と平行な方向に光ファイバを位置決めすることができる光ファイバ側方入出力装置を提供することを目的とする。
本発明の幾つかの実施形態は、光ファイバの長手方向と交差する曲げ方向に移動して、前記光ファイバに曲げを付与する曲げ部と、前記曲げ部によって前記光ファイバに曲げを付与する際に、前記光ファイバを把持する把持部とを備える光ファイバ側方入出力装置であって、前記把持部は、前記曲げ部の移動方向と平行な方向に前記光ファイバを挟み込んで把持することを特徴とする光ファイバ側方入出力装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
本発明の幾つかの実施形態によれば、光ファイバに曲げを付与する曲げ部の移動方向と平行な方向に光ファイバを位置決めすることができる。
図1Aは、第1実施形態の光ファイバ側方入出力装置1の正面図である。図1Bは、第1実施形態の光ファイバ側方入出力装置1の右側面図である。 図2は、第1実施形態の光ファイバ側方入出力装置1による光ファイバ側方入出力作業のフロー図である。 図3は、第1実施形態の光ファイバ側方入出力装置1において光ファイバテープ60に曲げが付与された状態を示す図である。 図4は、第1実施形態の光ファイバ側方入出力装置1においてプローブ40の移動方向を説明する図である。 図5は、把持部20の正面図である。 図6A〜図6Dは、把持部20による光ファイバテープ60の把持の手順を示す図である。 図7は、プローブ駆動部50の分解斜視図である。 図8は、テープ幅方向駆動部52の背面図である。 図9は、垂直方向駆動部53の正面図である。
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
光ファイバの長手方向と交差する曲げ方向に移動して、前記光ファイバに曲げを付与する曲げ部と、前記曲げ部によって前記光ファイバに曲げを付与する際に、前記光ファイバを把持する把持部とを備える光ファイバ側方入出力装置であって、前記把持部は、前記曲げ部の移動方向と平行な方向に前記光ファイバを挟み込んで把持することを特徴とする光ファイバ側方入出力装置が明らかとなる。このような光ファイバ側方入出力装置によれば、光ファイバに曲げを付与する曲げ部の移動方向と平行な方向に光ファイバを位置決めすることができる。
前記光ファイバは、複数の光ファイバを幅方向に並列させた光ファイバテープであり、前記把持部は、前記光ファイバテープのテープ面に垂直な方向に前記光ファイバテープを挟み込んで把持することが望ましい。これにより、光ファイバテープに曲げを付与する曲げ部の移動方向と平行な方向に光ファイバテープを位置決めすることができる。
前記把持部は、前記光ファイバを配置するガイド台を備えるガイド部材と、前記ガイド台に配置された前記光ファイバを押さえる押さえ部材とを有することが望ましい。これにより、光ファイバに曲げを付与する曲げ部の移動方向と平行な方向に光ファイバを位置決めすることができる。
前記押さえ部材は、前記長手方向に複数の押さえ本体を有し、前記押さえ本体には、前記光ファイバを前記把持部に挿入する側にテーパ面を有する凸部が形成されていることが望ましい。これにより、光ファイバを当該テーパ面に押し当てることで、光ファイバを把持部に容易に挿入することができる。
前記押さえ部材は、前記押さえ本体を前記ガイド台側に付勢するスプリングを有することが望ましい。これにより、押さえ本体がガイド台に配置された光ファイバを押さえつけることができる。
前記押さえ部材は、前記長手方向に複数の押さえ本体を有し、前記ガイド台は、前記複数の押さえ本体に対して前記長手方向の外側に向けて突出することが望ましい。これにより、安定して光ファイバを把持することができる。
前記ガイド台には、前記光ファイバを前記把持部に挿入する側にテーパ面を有する凸部が形成されていることが望ましい。これにより、光ファイバを当該テーパ面に押し当てることで、光ファイバを把持部に容易に挿入することができる。
光ファイバの長手方向と交差する曲げ方向に移動して、前記光ファイバに曲げを付与する曲げ部と、前記曲げ部によって前記光ファイバに曲げを付与する際に、前記光ファイバを把持する把持部とを備える光ファイバ側方入出力装置における光ファイバの把持方法であって、前記光ファイバを前記把持部に挿入すること、前記把持部は、前記曲げ部の移動方向と平行な方向に前記光ファイバを挟み込んで把持することを特徴とする光ファイバ側方入出力装置における光ファイバの把持方法が明らかとなる。このような光ファイバ側方入出力装置における光ファイバの把持方法によれば、光ファイバに曲げを付与する曲げ部の移動方向と平行な方向に光ファイバを位置決めすることができる。
===第1実施形態===
<光ファイバ側方入出力装置1の基本的構成>
図1Aは、第1実施形態の光ファイバ側方入出力装置1の正面図である。図1Bは、第1実施形態の光ファイバ側方入出力装置1の右側面図である。図2は、第1実施形態の光ファイバ側方入出力装置1による光ファイバ側方入出力作業のフロー図である。
光ファイバ側方入出力装置1は、既設の光ファイバに曲げを付与し、曲げが付与された光ファイバの側方から対向するプローブに対して光信号を入出力させる装置である。光ファイバ側方入出力装置1は、例えば、OLTとONUとの間を通信する光信号を取り出す作業等で使用される。光ファイバ側方入出力装置1は、把持部20と、曲げ部30と、プローブ駆動部50とを有する。なお、把持部20については図5及び図6で、曲げ部30については図3及び図4で、プローブ駆動部50については図7〜図9でそれぞれ詳述する。そこで、以下の説明では、まず、図1A及び図1Bに示す光ファイバ側方入出力装置1の基本的な構成と、図2に示す光ファイバ側方入出力装置1による光ファイバ側方入出力作業を説明する。
なお、本実施形態の光ファイバ側方入出力装置1では、対象とする既設の光ファイバとして、光ファイバテープを使用する場合を説明する。本実施形態で説明する光ファイバテープは、4本の光ファイバを幅方向に並列させている(図6Dを参照)。以下、この光ファイバテープにおける光ファイバの並列方向を「テープ幅方向」、又は単に「幅方向」と称することがある。また、光ファイバテープを構成する光ファイバの光軸方向を「長手方向」と称することがある。さらに、光ファイバテープにおいて「長手方向」及び「テープ幅方向」で定められる面のことを「テープ面」と称することがある。光ファイバテープを構成する個々の光ファイバのことを単に「光ファイバ」と称することがある。
以下の説明では、図に示すように各方向を定義する。すなわち、光ファイバ側方入出力装置1の曲げ部30において、凹型部材32に対する凸型部材31の移動方向を「上下方向」とし、凸型部材31の側を「上」とし、逆側(凹型部材32の側)を「下」とする(図3を参照)。また、光ファイバ側方入出力装置1の把持部20のガイド台221が延在する方向を「左右方向」とし、上から下を見たときの右側を「右」とし、逆側を「左」とする。(図5を参照)。また、上下方向及び左右方向に垂直な方向を「前後方向」とし、作業者が把持部20に対して光ファイバテープ60を挿入する側を「前」とし、逆側を「後」とする(図6A〜図6Dを参照)。
図1A及び図1Bに示す光ファイバ側方入出力装置1では、筐体10に対して上方カバー11と、下方カバー12が取り付けられている。そして、筐体10、上方カバー11及び下方カバー12で囲まれた内部空間に、把持部20、曲げ部30及びプローブ駆動部50が収容されている。また、光ファイバ側方入出力装置1による光ファイバ側方入出力作業を行う際に作業者が操作する部分については、筐体10、上方カバー11及び下方カバー12で囲まれた内部空間から外側に突出している。例えば、把持部20を構成するガイド部材22(ガイド台221)の一部や、プローブ駆動部50において、プローブの駆動を調節するためのマイクロメータ521・531及び駆動ロック522・532等である。また、曲げ部閉レバー34及び曲げ部開ボタン35は、曲げ部30(凸型部材31)の移動を操作するための部材である。さらに、プローブコード41は、光ファイバ側方入出力装置1へのプローブの入出力部分である。
<光ファイバ側方入出力作業>
次に、光ファイバ側方入出力装置1による光ファイバ側方入出力作業の手順を説明する。まず、作業者は、既設の光ファイバ(図1A及び図1Bに示す光ファイバテープ60)を光ファイバ側方入出力装置1の把持部20により把持する(S101)。これにより、光ファイバテープ60は、光ファイバ側方入出力装置1に対して固定されるので、曲げ部30により曲げを付与された際に、光ファイバテープ60の位置がずれないようにすることができる。把持部20の詳細については、後述する。図1Aに示すように、把持部20によって把持された状態の光ファイバテープ60は、ガイド台221上で左右方向に固定されている。
次に、作業者は、把持部20によって把持された光ファイバテープ60に対して曲げを付与する(S102)。これにより、光ファイバテープ60は、曲げが付与された光ファイバテープ60の側方からプローブに対して光信号を入出力することができる。
図3は、第1実施形態の光ファイバ側方入出力装置1において光ファイバテープ60に曲げが付与された状態を示す図である。なお、図3においては、上方カバー11及び下方カバー12と、把持部20の一部の構成の図示を省略している。曲げ部30は、光ファイバテープ60に対して曲げを付与する部材である。曲げ部30は、凸型部材31と、凹型部材32と、押圧支持部33とを有する。
凸型部材31は、凹型部材32との間で光ファイバテープ60を挟み込むことにより光ファイバテープ60に対して曲げを付与する部材である。凸型部材31は、下側に凸の円弧状の曲面が形成された押圧面を有している。凸型部材31は、上部において押圧支持部33と接続している。
凹型部材32は、凸型部材31との間で光ファイバテープ60を挟み込むことにより光ファイバテープ60に対して曲げを付与する部材である。凹型部材32は、上側に凹の円弧状の曲面が形成された押圧面を有している。凸型部材31の押圧面と、凹型部材32の押圧面とは同じ曲率の円弧で形成されている。これにより、凸型部材31と凹型部材32との間で挟み込まれた光ファイバテープ60は、当該曲率に応じた曲げが付与されることになる。なお、凹型部材32は、後述するプローブ40に対して光信号を入出力させる際に、光信号が透過可能なように透明な樹脂によって形成されている。
なお、図3において図示していないが、光ファイバテープ60に対して曲げを付与する前は、凸型部材31と凹型部材32とは上下方向に離間して配置されている(初期状態)。曲げが付与される前、把持部20により把持された光ファイバテープ60は、凸型部材31と凹型部材32との間に配置されている。また、光ファイバテープ60は、長手方向が左右方向と平行な方向に、テープ幅方向が前後方向と平行な方向に把持されている。
光ファイバテープ60は、把持部20によって前述した通りに把持された状態のまま、凸型部材31が凹型部材32に対して下方に移動することにより、光ファイバテープ60が凸型部材31と凹型部材32との間で挟み込まれる(クランプ状態)。すなわち、曲げ部30(凸型部材31及び凹型部材32)は、光ファイバテープ60の長手方向(左右方向)と交差する曲げ方向(上下方向)に移動して、光ファイバテープ60に曲げを付与することになる。
押圧支持部33は、凸型部材31を下方に押すことにより、凸型部材31を凹型部材32に対して下方に移動させる部材である。押圧支持部33は、下部において凸型部材31と接しており、不図示のマグネットの引力を利用して、凸型部材31を下方に押すことができる。すなわち、押圧支持部33は、マグネットの引力によりマグネット同士が引き合う動作に連動するように設けられている。
また、押圧支持部33は、クランプ状態から初期状態に戻す為に、マグネットの斥力を利用して、凸型部材31を上方に引き上げることができる。すなわち、押圧支持部33は、マグネットの引力によりマグネット同士が離れ合う動作に連動するように設けられている。したがって、曲げ部30(凸型部材31及び凹型部材32)の移動、すなわち初期状態とクランプ状態の切り替えは、マグネットの斥力と引力とを反転させることにより行ってもよい。但し、曲げ部30の移動はマグネットを利用するものでなくてもよい。
引き続き、図2における光ファイバ側方入出力装置1による光ファイバ側方入出力作業を説明する。作業者は、光ファイバテープ60に対して曲げを付与した後、プローブの位置の調整を行う(S103及びS104)。具体的には、作業者は、光ファイバテープ60を構成する光ファイバのうち、光信号を入出力する対象の光ファイバに対して、プローブの先端部の位置決めを行う。プローブの先端部の位置決めは、光ファイバ側方入出力装置1のプローブ駆動部50によって、光信号を入出力する対象の光ファイバに対してプローブを移動させ、固定させることにより行う。これにより、本実施形態の光ファイバ側方入出力装置1は、光ファイバテープ60を構成する光ファイバのうち、光信号を入出力する任意の光ファイバに対して、プローブの位置決めを行うことができる。プローブ駆動部50の詳細については、後述する。
図4は、第1実施形態の光ファイバ側方入出力装置1においてプローブ40の移動方向を説明する図である。図4において示されるのは、曲げ部30(凸型部材31及び凹型部材32)が、光ファイバテープ60を挟み込むことにより、光ファイバテープ60に対して曲げが付与された状態である。また、光ファイバテープ60の曲げが付与された部分の側方に、プローブ40の先端部が対向するように設けられている。前述したように、凹型部材32は、光が透過可能なように透明な樹脂によって形成されている。これにより、曲げが付与された光ファイバテープ60の側方からプローブに対して光が入出力可能となっている(図4に示す矢印方向)。
ところで、光ファイバテープ60は、幅方向に並列させた複数(本実施形態では4本)の光ファイバにより構成されている。このため、光ファイバテープ60を構成する光ファイバのうち、光信号を入出力する対象の光ファイバに対して、プローブ40の先端部を正確に対向させる必要がある。このため、作業者は、光ファイバテープ60を構成する光ファイバのうち、光信号を入出力する対象の光ファイバに対して、プローブ40を移動させ、固定させることによりプローブ40の位置決めをする必要がある。
以下の説明では、プローブ40の移動方向の説明のために、図4に示すように各方向を定義する。すなわち、上下方向に対して角度θだけ傾いたプローブ40において、プローブ40の光軸方向に平行な方向を「X軸方向」とし、光ファイバテープ60の曲げが付与された部分から見てプローブ40の側を「+X方向」とし、逆側を「−X方向」とする。また、光ファイバテープ60のテープ幅方向及びプローブ40の光軸方向に垂直な方向を「Y軸方向」とし、プローブ40から見て凸型部材31の側を「+Y方向」とし、逆側を「−Y方向」とする。また、光ファイバテープ60のテープ幅方向に平行な方向を「Z軸方向」とし、紙面の表から裏の側を「+Z方向」とし、逆側を「−Z方向」とする。
まず、作業者は、Z軸方向、すなわち光ファイバテープ60を構成する光ファイバの並列方向において、プローブ40の位置の調整を行う(S103)。これにより、光ファイバテープ60を構成する光ファイバのうち、光信号を入出力する対象の光ファイバの位置に対して、プローブ40の位置を定めることができる。作業者は、対象の光ファイバからプローブ40に入力された光の光強度を測定する。そして、作業者は+Z方向及び−Z方向の双方向にプローブ40を移動させながら、光強度が最大となるプローブ40の位置を探す。そして、光強度が最大となるプローブ40の位置でプローブ40を固定することにより、位置決めをすることができる。
次に、作業者は、Y軸方向において、プローブ40の位置の調整を行う(S104)。Z軸方向のプローブ40の位置の調整と同様に、作業者は、対象の光ファイバからプローブ40に入力された光の光強度を測定する。そして、作業者は+Y方向及び−Y方向の双方向にプローブ40を移動させながら、光強度が最大となるプローブ40の位置を探す。そして、光強度が最大となるプローブ40の位置でプローブ40を固定することにより、位置決めをすることができる。
光ファイバテープ60を構成する光ファイバ毎に、Y軸方向におけるプローブ40の適切な対向位置が異なることがある。これは、光ファイバテープを構成する光ファイバのY軸上の位置が光ファイバ毎に異なることがあるからである。また、異なる色を付した複数の光ファイバにより構成される光ファイバテープのような場合には、光ファイバ中を伝送される光の屈折率が光ファイバ毎に異なる等の影響があり、曲げが付与された部分における入出力の位置が異なることがあるからである。このため、プローブ40のY軸方向の位置調整を行うことにより、光信号を入出力する対象の光ファイバに対して、プローブ40の位置を定めることができる。
なお、プローブ40のX軸方向の位置の調整の重要度はY軸方向及びZ軸方向と比較して低い。X軸方向にずれが多少発生しても、光ファイバテープ60に曲げが付与された部分からプローブ40への入出力の影響が少ないからである。但し、プローブ40のX軸方向の位置の調整を行ってもよい。
前述の通り、Z軸方向及びY軸方向のプローブ40の位置の調整を行うことにより、光ファイバテープ60に曲げが付与された部分から入出力される光の光軸に対して、プローブ40が調心されることになる。
<把持部20>
図5は、把持部20の正面図である。図6A〜図6Dは、把持部20による光ファイバテープ60の把持の手順を示す図である。把持部20は、押さえ部材21と、ガイド部材22とを有する。本実施形態の把持部20では、ガイド部材22に配置した光ファイバテープ60を、上側から押さえ部材21が押さえることによって把持する。
押さえ部材21は、スプリング211と、スプリング支持部212と、押さえ本体213とを有する。スプリング211はスプリング支持部212を下側に付勢するばね部材である。押さえ本体213は、略直方体状に形成された部材であり、上側においてスプリング支持部212と接触している。したがって、押さえ本体213は、スプリング211の付勢力によってスプリング支持部212を介して下側に付勢されている。押さえ部材21は、左右方向に配置された2つの押さえ本体213を有している。したがって、光ファイバテープ60は、長手方向(左右方向)の2か所で押さえ部材21により押さえつけられて(把持されて)いることになる。なお、スプリング支持部212と、2つの押さえ本体213は、一体的に形成されてもよい。また、光ファイバテープ60は、2つ以上の押さえ本体213を有することにより、長手方向(左右方向)の2か所以上で把持されてもよい。
押さえ本体213は、下側に突出する押さえ凸部213Bが形成されている(図6D参照)。さらに、押さえ本体213には、前方に押さえテーパ面213A、後方に押さえ押圧面213Cが形成されている。押圧面213Cは、光ファイバテープ60を把持する際に光ファイバテープ60を下側に押圧する。
ガイド部材22は、ガイド台221と、ガイド壁222とを有する。ガイド台221は、光ファイバテープ60を載置する部材である。ガイド台221は、前述の2つの押さえ本体213に対して左右方向(光ファイバテープ60の長手方向)の外側に向けて突出している。これにより、安定して光ファイバテープ60を把持することができる。ガイド台221の左右両端には、上側に突出するガイド側凸部221Bが形成されている。さらに、ガイド側凸部221Bには、前方にガイドテーパ面221A、後方にガイド面221Cが形成されている。ガイド面221Cは、光ファイバテープ60を把持する際に光ファイバテープ60が載置される面である。ガイド壁222は、ガイド台221の後側端面に立設され、光ファイバテープ60を後方から支持する部材である。
次に、図6A〜図6Dを参照して、光ファイバテープ60の把持部20による把持の手順を説明する。なお、図6Dは、図6Bのる押さえ凸部213B及びガイド側凸部221Bの部分を拡大した図である。作業者は、光ファイバテープ60の長手方向が左右方向に向くように、光ファイバテープ60に左右方向に張力をかけながら手に持つ。次に、作業者は、光ファイバテープ60に左右方向に張力をかけたまま、押さえ部材21とガイド部材22の間に差し込むように移動させる(図6Aを参照)。
押さえ部材21とガイド部材22の間は、押さえテーパ面213Aとガイドテーパ面221Aにより、光ファイバテープ60を誘い込む形状となっている(図6Dを参照)。これにより、光ファイバテープ60を押さえ部材21とガイド部材22の間に差し込み易くなっている。
作業者が光ファイバテープ60をさらに後方に押し込むと、光ファイバテープ60と押さえテーパ面213Aとが当接し、押さえ本体213が持ち上がる方向に力がかかる。前述したように、押さえ本体213は、スプリング211の付勢力によってスプリング支持部212を介して下側に付勢されている。このため、作業者が光ファイバテープ60をさらに後方に押し込むことで、押さえ本体213がスプリング211の付勢力に抗して持ち上がり、さらには押さえ凸部213Bとガイド側凸部221Bとの間を張力のかかった光ファイバテープ60が通過できるようになる。(図6B及び図6Dを参照)。
作業者が光ファイバテープ60をさらに後方に押し込むと、光ファイバテープ60は、押さえ押圧面213Cとガイド面221Cとで挟まれた空間に収容される。押さえ本体213は、スプリング211の付勢力によって再び下方に移動し、光ファイバテープ60が押さえ押圧面213Cとガイド面221Cに挟み込まれる。すなわち、光ファイバテープ60は、押圧面213Cとガイド面221Cとにより、上下方向(光ファイバテープ60の曲げ方向)において挟み込まれて把持される。言い換えれば、光ファイバテープ60は、曲げ部30(凸型部材31及び凹型部材32)の移動方向と平行な方向に挟み込まれて把持される。これにより、光ファイバテープ60に曲げを付与する曲げ部30の移動方向と平行な方向に光ファイバを位置決めすることができる。
なお、ガイド面221Cの前後方向の長さは、光ファイバテープ60のテープ幅方向の長さと略同一である。これにより、光ファイバテープ60は、ガイド壁222と、ガイド側凸部221Bの後方面により、前後方向に位置決めされる。
<プローブ駆動部50>
図7は、プローブ駆動部50の分解斜視図である。図8は、テープ幅方向駆動部52の背面図である。図9は、垂直方向駆動部53の正面図である。
プローブ駆動部50は、プローブ40をY軸方向及びZ軸方向に移動させる部材である。なお、プローブ40は、プローブ台51に設置されており、プローブ駆動部50は、プローブ台51を移動させることにより、間接的にプローブ40を移動させる。本実施形態の説明においては、プローブ台51を介してプローブ40を移動させることを、単に「プローブ40を移動させる」と称することがある。但し、プローブ台51は無くてもよく、プローブ40がプローブ駆動部50(例えば垂直スライド部56)に直接取り付け可能であってもよい。
プローブ駆動部50は、テープ幅方向駆動部52と、垂直方向駆動部53とを有する。テープ幅方向駆動部52は、プローブ40をZ軸方向(テープ幅方向)に移動させる部材である。垂直方向駆動部53は、プローブ40をY軸方向(テープ幅方向及びプローブ40の光軸方向に垂直な方向)に移動させる部材である。
図7に示すように、テープ幅方向駆動部52は、プローブ台51及び垂直方向駆動部53をZ軸方向における可動側(例えばスライドユニット523の可動面523A)に取り付けることにより、プローブ台51及び垂直方向駆動部53をZ軸方向に往復移動可能にしている。さらに、垂直方向駆動部53は、プローブ台51をY軸方向における可動側(垂直スライド部56の可動面)に取り付けることにより、プローブ台51をY軸方向に往復移動可能にしている。すなわち、垂直方向駆動部53(Y軸方向調整)がテープ幅方向駆動部52(Z軸方向調整)に設置されことにより、Z軸方向においてプローブ40の位置の調整を行った後に、Y軸方向においてプローブ40の位置の調整を行うことができる。そして、Z軸方向及びY軸方向のプローブ40の位置の調整を行うことにより、光ファイバテープ60に曲げが付与された部分から入出力される光の光軸に対して、プローブ40を調心することができる。
・テープ幅方向駆動部52
テープ幅方向駆動部52は、マイクロメータ521と、駆動ロック522と、スライドユニット523とを有する。マイクロメータ521は、プローブ台51及び垂直方向駆動部53が接続されているテープ幅方向可動部54をZ軸方向に移動させる際の調節部材である。作業者は、マイクロメータ521を時計回り(又は反時計回り)に回転させることで、マイクロメータ521の先端部分の突出長さを微調節することができ、マイクロメータ521の先端部分に当接したテープ幅方向可動部54のZ軸上の位置を微調節することができる。なお、可動面523A(テープ幅方向可動部54)は付勢ばね525により+Z方向に付勢されている。このため、マイクロメータ521の先端部分の突出長さを長くすることで、テープ幅方向可動部54を−Z方向に移動できる一方、マイクロメータ521の先端部分の突出長さを短くすることで、テープ幅方向可動部54を付勢ばね525の付勢力を利用して+Z方向に移動できる。
駆動ロック522は、シム524を介して、テープ幅方向可動部54の位置を固定する部材である(図8参照)。作業者は、駆動ロック522を回転させて、駆動ロック522の先端を突出させることにより、シム534を介して、テープ幅方向可動部54を押さえつけることで移動を規制する。したがって、駆動ロック522により、テープ幅方向可動部54に接続されているプローブ台51及び垂直方向駆動部53のZ軸方向の位置を固定することができる。
スライドユニット523は、固定側部材に対して可動側部材が直線的に往復移動可能に取り付けられたスライドユニットである。プローブ台51及び垂直方向駆動部53が接続されているテープ幅方向可動部54がスライドユニット523の可動面523A(可動側部材)に取り付けられることで、プローブ台51及び垂直方向駆動部53をZ軸方向に往復移動可能にしている。なお、本実施形態では、一つのスライドユニット523の可動面523Aとは異なる角度(図7においては直交する向き)に配置された他の可動面523Aを有する別のスライドユニット523が設けられている。これにより、プローブ40のZ軸方向における移動時(テープ幅方向可動部54のZ軸方向における往復移動時)のがたつきを抑制することができる。
・垂直方向駆動部53
垂直方向駆動部53は、マイクロメータ531と、駆動ロック532と、回転部材537と、垂直スライド部534と、ストッパー535とを有する(図9を参照)。
マイクロメータ531は、プローブ台51が接続されている垂直スライド部534をY軸方向に移動させる際の調節部材である。作業者は、マイクロメータ531を時計回り(又は反時計回り)に回転させることで、マイクロメータ531の先端部分の突出長さを微調節することができ、マイクロメータ531の先端部分に当接した回転部材537を介して、垂直スライド部534のY軸上の位置を微調節することができる。なお、垂直スライド部534は付勢ばね536により−Y方向に付勢されている。このため、マイクロメータ531の先端部分の突出長さを長くすることで、垂直スライド部534を+Y方向に移動できる一方、マイクロメータ531の先端部分の突出長さを短くすることで、垂直スライド部534を付勢ばね536の付勢力を利用して−Y方向に移動できる。
駆動ロック532は、シム538を介して、垂直スライド部534の位置を固定する部材である。作業者は、駆動ロック532を回転させて、駆動ロック532の先端を突出させることにより、シム538を介して、垂直スライド部534を−X方向に押さえつけることで移動を規制する。したがって、駆動ロック532により、垂直スライド部534に接続されているプローブ台51のY軸方向の位置を固定することができる。
垂直スライド部534は、固定側部材に対して可動側部材が直線的に往復移動可能に取り付けられたスライドユニットである。プローブ台51が垂直スライド部534の可動面(可動側部材)に取り付けられることで、プローブ台51をY軸方向に往復移動可能にしている。
ストッパー535は、+Y方向(光ファイバテープに曲げが付与された部分に近い側)の移動範囲を制限する部材である。ストッパー535は、ボルト及びナットにより構成されている。ストッパー535は、垂直スライド部534の+Y側端面がボルトの先端に当接し、これ以上垂直スライド部534が+Y方向に移動できないように設けられている。ストッパー535は、ボルトに対するナットの締め付け位置を調整することにより、+Y方向の移動範囲を調整することができる。これにより、プローブ40の先端が曲げ部30(例えば凸型部材31)に対して接触し、破損してしまうことを抑制することができる。但し、ストッパー535は、なくてもよい。
===その他の実施形態===
前述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
<光信号を入出力する対象となる光ファイバについて>
前述の実施形態では、光信号を入出力する対象となる光ファイバについて、幅方向に複数の光ファイバを並列させた光ファイバテープの側方入出力装置として説明されていたが、光ファイバテープではなく、単心の光ファイバであってもよい。これにより、単心の光ファイバであっても、把持部20によって垂直方向(Y軸方向)の位置決めの精度を高めることができる。また、プローブ駆動部50によって、Z軸方向及びY軸方向のプローブ40の位置の調整を行うことが可能となる。
<光ファイバの曲げ付与装置>
前述の実施形態では、光ファイバに対して曲げを付与することによってプローブに対して光ファイバ側方入出力を行う光ファイバ側方入出力装置について説明されていたが、それ以外の装置に適用されてもよい。例えば、光ファイバに曲げを付与することによって当該曲げ部から光を漏洩させ、漏洩した光を検出素子によって受光して光の強度を測定する光強度測定装置や、光ファイバの上流側から入射させた心線対照用光信号を光ファイバ外に漏洩させ、漏洩した対照用光信号を検出する心線対照用光信号受光装置等に適用することができる。例えば光強度測定装置に適用した場合、プローブ40は検出素子として、プローブ駆動部50は検出素子駆動部として適用される。
1 光ファイバ側方入出力装置、
10 筐体、
11 上方カバー、12 下方カバー、
20 把持部、
21 押さえ部材、
211 スプリング、212 スプリング支持部、
213 押さえ本体、
213A 押さえテーパ面、213B 押さえ凸部、213C 押さえ押圧面、
22 ガイド部材、
221 ガイド台、
221A ガイドテーパ面、221B ガイド側凸部、221C ガイド面、
222 ガイド壁、
30 曲げ部、
31 凸型部材、32 凹型部材、33 押圧支持部、
34 曲げ部閉レバー、35 曲げ部開ボタン、
40 プローブ、41 プローブコード、
50 プローブ駆動部、
51 プローブ台、
52 テープ幅方向駆動部、
521 マイクロメータ、522 駆動ロック、
523 スライドユニット、523A 可動面 524 シム 525 付勢ばね
53 垂直方向駆動部、
531 マイクロメータ、532 駆動ロック、
534 垂直スライド部、535 ストッパー、
536 付勢ばね、537 回転部材、シム 538 シム
54 テープ幅方向可動部
60 光ファイバテープ

Claims (8)

  1. 光ファイバの長手方向と交差する曲げ方向に移動して、前記光ファイバに曲げを付与する曲げ部と、
    前記曲げ部によって前記光ファイバに曲げを付与する際に、前記光ファイバを把持する把持部と
    を備える光ファイバ側方入出力装置であって、
    前記把持部は、前記曲げ部の移動方向と平行な方向に前記光ファイバを挟み込んで把持する
    ことを特徴とする光ファイバ側方入出力装置。
  2. 請求項1に記載の光ファイバ側方入出力装置であって、
    前記光ファイバは、複数の光ファイバを幅方向に並列させた光ファイバテープであり、
    前記把持部は、前記光ファイバテープのテープ面に垂直な方向に前記光ファイバテープを挟み込んで把持する
    ことを特徴とする光ファイバ側方入出力装置。
  3. 請求項1又は2に記載の光ファイバ側方入出力装置であって、
    前記把持部は、
    前記光ファイバを配置するガイド台を備えるガイド部材と、
    前記ガイド台に配置された前記光ファイバを押さえる押さえ部材と
    を有することを特徴とする光ファイバ側方入出力装置。
  4. 請求項3に記載の光ファイバ側方入出力装置であって、
    前記押さえ部材は、前記長手方向に複数の押さえ本体を有し、
    前記押さえ本体には、前記光ファイバを前記把持部に挿入する側にテーパ面を有する凸部が形成されている
    ことを特徴とする光ファイバ側方入出力装置。
  5. 請求項4に記載の光ファイバ側方入出力装置であって、
    前記押さえ部材は、前記押さえ本体を前記ガイド台側に付勢するスプリングを有する
    ことを特徴とする光ファイバ側方入出力装置。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の光ファイバ側方入出力装置であって、
    前記押さえ部材は、前記長手方向に複数の押さえ本体を有し、
    前記ガイド台は、前記複数の押さえ本体に対して前記長手方向の外側に向けて突出する
    ことを特徴とする光ファイバ側方入出力装置。
  7. 請求項3〜6のいずれかに記載の光ファイバ側方入出力装置であって、
    前記ガイド台には、前記光ファイバを前記把持部に挿入する側にテーパ面を有する凸部が形成されている
    ことを特徴とする光ファイバ側方入出力装置。
  8. 光ファイバの長手方向と交差する曲げ方向に移動して、前記光ファイバに曲げを付与する曲げ部と、前記曲げ部によって前記光ファイバに曲げを付与する際に、前記光ファイバを把持する把持部とを備える光ファイバ側方入出力装置における光ファイバの把持方法であって、
    前記光ファイバを前記把持部に挿入すること、
    前記把持部は、前記曲げ部の移動方向と平行な方向に前記光ファイバを挟み込んで把持すること
    を特徴とする光ファイバ側方入出力装置における光ファイバの把持方法。
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