JP2019007439A - エアブロー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】消音性能が高いサイレンサを装備しているにもかかわらず小型なエアブロー装置を提供する。【解決手段】モータと、ブロワと、吸込み側サイレンサと、吐出側サイレンサ14と、これらを囲む防音壁とを備える。吸込み側サイレンサと吐出側サイレンサ14とのうち少なくとも一方は、空気室55を有するサイレンサ本体51と、直線状に延びる複数の多孔管(第1〜第3の多孔管61〜63)が長手方向とは交差する方向に並べられて構成された吸音部52と、U字状の穴66を有する方向転換部53,54と、空気室55内に充填された吸音材71とを備えている。全ての多孔管は、方向転換部53,54を介して直列に接続されている。【選択図】図7

Description

本発明は、空気が流れる通路にサイレンサを備えたエアブロー装置に関する。
従来、洗浄機により洗浄された被洗浄物に付着している水滴を吹き飛ばしたり、工作機械によって加工された被加工物に付着している切粉を吹き飛ばすにあたっては、エアブロー装置から送られた高圧空気を被洗浄物や被加工物に吹き付けて行うことが多い。従来のエアブロー装置としては、例えば特許文献1〜3に記載されているものがある。
特許文献1に記載されたエアブロー装置は、ベースプレートと、このベースプレートの上に設置されたモータおよびルーツ式ブロワと、ベースプレートと協働して筐体を構成する防音カバーとを備えている。モータとブロワは、水平方向に並べられている。ブロワは、モータによって駆動されることにより、吸込み口側のサイレンサから空気を吸込み、吐出口からタンクにエアを吐出する。タンクにはハンドガンのホースが接続されている。
特許文献2に記載されたエアブロー装置は、モータとルーツブロワとが上下方向に並ぶ構成が採られている。モータは、ベースプレートに設置され、ルーツブロワは、モータを跨ぐようにベースプレート上に設置された据付台の上に搭載されている。ルーツブロワの上部には吸込み口が開口し、この吸込み口にはサイレンサが接続されている。
モータとルーツブロワは、それぞれ回転軸が水平方向を指向する状態で設置されている。
モータの回転軸およびルーツブロワの回転軸は、それぞれプーリが設けられ、これらのプーリに巻掛けられたベルトによって一体に回転するように接続されている。このエアブロー装置は、モータおよびルーツブロワを含めて全ての部品を囲む防音カバーを備えている。この防音カバーには、外気を導入するための導入口が開口しているとともに、ルーツブロワの吐出口に接続された吐出部が貫通している。
特許文献3に記載されたエアブロー装置は、ブロワと、このブロワの上部に設けられている平坦なベースに搭載されたモータとを備えている。ブロワとモータは、回転軸が水平方向を指向する状態で設置されている。これらの回転軸は、それぞれプーリが設けられており、これらのプーリに巻掛けられたベルトによって一体に回転するように接続されている。
ブロワの吸込み口は、ブロワの水平方向の一側部に設けられ、吐出口は、ブロワの水平方向の他側部に設けられている。吸込み口と吐出口には、それぞれサイレンサが接続されている。これらのサイレンサの内部には吸音材からなる仕切壁が設けられている。この仕切壁は、空気が流れる方向に対して垂直に配置されている。サイレンサに流入した空気は、仕切壁に当たり、流れる方向が変えられる。
また、特許文献3に示すエアブロー装置は、ベルトの張力を調整するための調整機構を有している。この調整機構は、モータをボルトによって水平方向に押してブロワに対するモータの水平方向の位置を変えたり、モータとブロワとの間にスペーサやくさびを介装してモータの上下方向の位置を変える構成が採られている。
実用新案登録第3125489号公報 特開2009−228628号公報 実開昭54−129806号公報
特許文献1に示すエアブロー装置では、モータとルーツ式ブロワとが水平方向に並ぶために、設置するうえで専有面積が大きくなり、コンパクト化が困難である。
特許文献2に示すエアブロー装置では、モータとルーツブロワとが上下方向に並ぶために設置する際の専有面積を小さくすることができるが、小型化を実現しながら更に消音性能を高くすることは難しいという問題がある。
従来のエアブロー装置に用いられるサイレンサとしては、縦型や横型の吸音型サイレンサが知られている。この種のサイレンサは、吸込み側サイレンサの吸込みエアの通路や吐出側サイレンサの吐出エアの通路の一部を有孔パイプで構成し、この有孔パイプの周囲に吸音材を充填して形成されている。このサイレンサにおいて、消音効果を高くするためには、有孔パイプを長くすることが有効である。このため、このサイレンサで高い消音効果を得るためには、サイレンサが大型になる。
特許文献2に示すエアブロー装置にこの種のサイレンサを装備して高い消音効果を得るためには、大型のサイレンサを収容できるように大型の防音カバーを使用しなければならず、装置全体が大型化してしまう。
特許文献3に示すエアブロー装置では、サイレンサを空気が流れるときの抵抗が大きいから、ブロワを駆動するモータの消費電力が多くなる。このため、このエアブロー装置において小型のモータを使用することは難しいという問題があった。
また、特許文献3に示すエアブロー装置は、ベルトの張力を調整するためにモータの位置を変える構成が採られているために、モータの周囲にモータの移動代となるスペースが必要である。このため、このエアブロー装置の消音性能の更なる向上を図るために防音カバーを使用する場合は、モータとの干渉を避けるために防音カバーを大きく形成しなければならない。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、消音性能が高いサイレンサを装備しているにもかかわらず小型なエアブロー装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係るエアブロー装置は、モータと、前記モータによって駆動されるブロワと、前記ブロワに吸い込まれる空気が通る吸込み側サイレンサと、前記ブロワから吐出された空気が通る吐出側サイレンサと、前記モータ、前記ブロワ、前記吸込み側サイレンサおよび前記吐出側サイレンサを囲む防音壁とを備え、前記吸込み側サイレンサと前記吐出側サイレンサとのうち少なくとも一方は、内部に空気室が形成されたサイレンサ本体と、前記空気室に設けられ、直線状に延びる複数の多孔管が長手方向とは交差する方向に並べられて構成された吸音部と、U字状の穴を有し、前記複数の多孔管のうち2本の多孔管の端部どうしを接続してこれらの多孔管と協働してU字状の空気通路を形成する方向転換部と、前記空気室内であって前記空気通路の外に充填された吸音材とを備え、全ての前記多孔管が前記方向転換部を介して直列に接続されている吸音型サイレンサであることを特徴とするものである。
本発明は、前記エアブロー装置において、さらに、前記モータの回転を前記ブロワに伝達する伝動装置を備え、前記伝動装置は、前記モータの出力軸と一体に回転する駆動側プーリと、前記ブロワの回転軸と一体に回転する従動側プーリと、前記駆動側プーリと前記従動側プーリとに巻掛けられたベルトと、前記ベルトを押圧しながら回転するテンションプーリを有し、前記ベルトの張力を調整するテンショナーとを備えていてもよい。
本発明は、前記エアブロー装置において、前記従動側プーリは、電磁クラッチのロータであってもよい。
本発明は、前記エアブロー装置において、さらに、前記ブロワの下方に配置されたベースプレートを備え、前記ブロワは、前記ベースプレートに防振ゴムを介して搭載され、前記モータは、前記ブロワに支持されていてもよい。
本発明に係るエアブロー装置に装備されている吸音型サイレンサによれば、空気が複数の多孔管を通ることにより消音される。複数の多孔管は、長手方向とは交差する方向に並んでいる。このため、多孔管の長手方向における吸音部の長さが多孔管1本分であるにもかかわらず、消音が行われる部分の全長であるサイレンサ長は、全ての多孔管の長さを加えた長さになる。
したがって、本発明によれば、消音性能が高いサイレンサを装備しているにもかかわらず小型なエアブロー装置を提供することができる。
本発明に係るエアブロー装置の斜視図である。 本発明に係るエアブロー装置の斜視図である。 本発明に係るエアブロー装置の正面図である。 本発明に係るエアブロー装置の左側面図である。 本発明に係るエアブロー装置の右側面図である。 吐出側サイレンサの平面図である。 図6におけるVII-VII線断面図である。 サイレンサ本体の蓋を外した状態を示す斜視図である。 サイレンサ本体と多孔管の斜視図である。 別の実施例による吐出側サイレンサの斜視図である。 別の実施例による吐出側サイレンサのケースの一部を破断して示す斜視図である。 別の実施例による吐出側サイレンサの分解斜視図である。
以下、本発明に係るエアブロー装置の一実施の形態を図1〜図9によって詳細に説明する。
図1に示すエアブロー装置1は、4個のキャスター2を有するフレーム3と、このフレーム3の上方を囲む箱型の防音壁4と、この防音壁4の中に収容されたエアブロー装置本体5とによって構成されている。なお、このエアブロー装置1を操作するためのスイッチや制御盤などは図示を省略している。
フレーム3は、4本のフレーム部材3a〜3dを平面視において長方形状に組み合わせて構成されている。隣り合うフレーム部材3a〜3dどうしは、ブラケット(図示せず)で互いに固定されている。このフレーム3の底面には、図示してはいないが、外気の導入口となる開口した部分を有する底板が固定されている。底板の開口した部分には、吸込みフィルターが装着されている。キャスター2は、底板におけるフレーム3の四隅となる部位に固定されている。フレーム3の上面にはベースプレート6が固定されている。ベースプレート6は、平面視において長方形状に形成されており、フレーム3の長手方向の中央部に配置されている。このベースプレート6の中央部にはプレスによって打ち抜かれた穴6aが形成されている。
防音壁4は、前壁4aと、左側壁4b(図1参照)と、右側壁4c(図2参照)と、後壁4d(図4および図5参照)と、上壁4eとを備えている。
エアブロー装置本体5は、ベースプレート6に載せられたブロワ11と、このブロワ11の上に位置するモータ12と、このモータ12の上方に位置する吸込み側サイレンサ13と、ブロワ11およびモータ12の側方に位置する吐出側サイレンサ14とを備えている。モータ12の動作は、後述する制御装置18によって制御される。
ブロワ11は、ルーツ型のものである。このブロワ11は、図4に示すように、水平方向に延びる回転軸15を有している。回転軸15の一端部には、電磁クラッチ16が設けられている。以下においては、便宜上、ブロワ11の回転軸15の軸線Cと平行な方向を前後方向とし、この前後方向とは直交する水平方向を左右方向とする。また、電磁クラッチ16が位置する回転軸15の前後方向の一端側を前側とするとともに他端側を後側とし、回転軸15を前側から見て左側をエアブロー装置1の左側とし、これとは反対側を右側とする。
電磁クラッチ16は、回転軸14と同一軸線上に位置する従動側プーリ17を備えており、後述する制御装置18に電気的に接続されている。
従動側プーリ17は、ブロア11のフロント側ハウジング21(図4および図5参照)に形成された円筒部(図示せず)に軸受(図示せず)を介して回転自在に支持されている。この実施の形態においては、この従動側プーリが本発明でいう「ロータ」に相当する。電磁クラッチ16は、アーマチュア16a(図4および図5参照)を従動側プーリ17に磁気吸着することにより、この従動側プーリ17の回転が回転軸15に伝達される連結形態と、この回転の伝達が遮断される遮断形態とを切替えるものである。従動側プーリ17の外周部には複数の溝17a(図1参照)が形成されている。
制御装置18は、図1に示すように、防音壁4の中に取付けられており、上壁4eに露出するモータ起動用スイッチ18aと、クラッチ切替スイッチ18bと、非常停止スイッチ18cとを備えている。なお、制御装置18は、図1のみに描き、他の図においては図示を省略した。この制御装置18は、モータ起動用スイッチ18aが「ON」位置に操作されたときにモータ12を起動させて予め定めた回転速度で回転させる。なお、モータ12の起動時は、電磁クラッチ16が遮断状態である。このため、モータ12の起動時はブロワ11は停止状態に保たれる。
制御装置18は、モータ起動用スイッチ18aがON状態であるときにクラッチ切替スイッチ18bが「連結」位置に操作されることにより、電磁クラッチ16を連結状態にする。このため、クラッチ切替スイッチ18bが操作された直後にブロワ11が所定の回転速度で回転し、空気を吐出する。このため、クラッチ切替スイッチ18bを操作した直後にブロワ11から瞬間的に吹き出すようになるから、空気を例えば間欠的に吹き出させるようなことも簡単に行うことができる。また、制御装置18は、電磁クラッチ16の連結、遮断の状態に応じてモータ12の消費電力を変える構成を採ることができる。すなわち、電磁クラッチ16が連結状態に切替えられたときにブロワ11の負荷に応じたトルクが発生するようにモータ12の動作を制御する構成を採ることができるし、電磁クラッチ16が遮断状態に切替えられた後にモータ12の消費電力が少なくなるようにモータ12の動作を制御する構成を採ることができる。
クラッチ切替スイッチ18bは、制御装置18の他に、図示してはいないが、例えばワークの乾燥ラインに設けることができる。この乾燥ラインは、被乾燥物であるワークをコンベアによって搬送する装置である。この場合は、クラッチ切替スイッチ18がコンベア上のワークを検知することによりブロワ11から吐出された空気がコンベア上のワークに吹き付けられる構成が採られる。
また、制御装置18は、非常停止スイッチ18cが操作されたときにモータ12を停止させるとともに電磁クラッチ16を遮断状態にする。
ブロワ11の前端部には、フロント側ハウジング21が設けられ、ブロワ11の後端部には、リア側ハウジング22が設けられている。これらのハウジング21,22の下端部には、図1および図2に示すように、左右方向に延びるブラケット23,24が固定用ボルト25によって固定されている。これらのブラケット23,24は、角棒状に形成されており、左右方向の両端部に取付けられた防振ゴム26を介してベースプレート6に取付けられている。
また、フロント側ハウジング21およびリア側ハウジング22の上端部には、モータ取付台となるベース27(図1参照)が固定用ボルト28によって固定されている。
ブロワ11の左側部(回転軸15の軸線に対して直交する水平方向の一方の側部)には吸込み部31が設けられている。この吸込み部31は、空気吸込み管32を介して後述する吸込み側サイレンサ13に接続されている。
ブロワ11の右側部(回転軸15の軸線に対して直交する水平方向の他方の側部)には吐出部33が設けられている。この吐出部33は、空気導入管34を介して後述する吐出側サイレンサ14に接続されている。
モータ12は、出力軸41がブロワ11の回転軸15と平行になる状態でブロワ11の上に配置されている。このモータ12は、出力軸41と同一軸線上に位置する円筒状のハウジング42を有し、このハウジング42に設けられているモータブラケット43によってブロワ11側のベース27に固定されている。モータブラケット43は、ベース27に固定用ボルト44によって固定されている。
モータ12の出力軸41の前端部には駆動側プーリ45が取付けられている。この駆動側プーリ45は、ブロワ11の従動側プーリ17と協働して伝動装置46を構成するものである。伝動装置46は、モータ12の回転をブロワ11に伝達するもので、図3に示すように、モータ12の出力軸41と一体に回転する駆動側プーリ45と、電磁クラッチ16の連結状態においてブロワ11の回転軸15と一体に回転する従動側プーリ17と、駆動側プーリ45と従動側プーリ17とに巻掛けられたベルト47と、ベルト47を押圧しながら回転するテンションプーリ48を有するテンショナー49とを備えている。
テンションプーリ48は、ベルト47における駆動側プーリ45と従動側プーリ17との間の部位に押し付けられている。テンショナー49は、ベルト47の張力を調整するためのもので、ベルト47を押圧しながら回転するテンションプーリ48と、このテンションプーリ48を回転自在に支持する支持機構(図示せず)とを備えている。支持機構は、テンションプーリ48が支持される位置(テンションプーリ48がベルト47を押す量)を変更可能に構成されており、ブロワ11側のベース27に設けられている。ブロワ11の回転数を変更する場合には、従動側プーリ17や駆動側プーリ45が径の異なるものと交換される。このような場合は、テンションプーリ48の位置を変えてベルト47の張力が調整される。
吸込み側サイレンサ13は、図1〜図3に示すように、モータ12の上方で左右方向に延びる円柱状に形成されており、一方の端部(左側端部)が空気吸込み管32によってブロワ11の吸込み部31に接続されている。この実施の形態による吸込み側サイレンサ13は、左右方向の両端部に位置するカバー部13a,13bと、これらのカバー部13a,13cによって挟まれた円筒状の吸音部13cとを有している。
吸音部13cは、詳細には図示してはいないが、円筒状に形成された吸音材の外周部をパンチングプレートで覆った構造ものを用いることができる。
吸音部13cの長手方向の中央部は、吸音部13cから上方に延びる支持用ブラケット50を介して防音壁4の上壁4eに支持されている。吸込み側サイレンサ13がこのように防音壁4に支持されていることにより、ブロワ11やモータ12の振動で吸込み側サイレンサ13が振れることを防ぐことができる。
また、吸込み側サイレンサ13は、図3に示すように、空気吸込み管32がモータ12に可及的接近するように、モータ12より左右方向の他方(右方向)に突出する状態で設置されている。
吐出側サイレンサ14は、図3および図5に示すように、ブロワ11の吐出部33に空気導入管34を介して接続されており、モータ12およびブロワ11より左右方向の他方(右方)であって吸込み側サイレンサ13の下方に配置されている。空気導入管34は、ブロワ11の吐出部33から右方に延びて上方に向けて曲がる形状に形成されている。
この実施の形態による吐出側サイレンサ14は、図6〜図9に示すように、箱体からなるサイレンサ本体51と、このサイレンサ本体51の中に設けられた吸音部52と、サイレンサ本体51の上部と下部とにそれぞれ設けられた方向転換部53,54とによって構成されている。サイレンサ本体51の内部には空気室55が形成されている。
サイレンサ本体51は、直方体の前面と右側面との境界部分となる一つの角部分を平坦面に変えたような形状に形成されている。平坦面となる部分は、図8に示すように、長方形状に開口し、サイレンサ本体51内の空気室55とサイレンサ本体51の外とを連通している。この開口部56は、蓋体57(図3および図5参照)が複数の取付用ボルト58によって取付けられ、この蓋体57によって閉塞される。取付用ボルト58は、蓋体57を貫通し、開口部56の貫通穴56aに挿通されてサイレンサ本体51の内側のナット(図示せず)に螺着されている。このナットは、サイレンサ本体51に例えば溶接されて固定されている。
サイレンサ本体51の上壁51aと下壁51bには、図9に示すように、それぞれ3つの貫通穴59が形成されている。また、下壁51bには、図5に示すように、支柱60の上端が取付けられている。支柱は、図示していない底板に立てて設けられ、サイレンサ本体51を支えている。
吸音部52は、上述した貫通穴59に挿通されて上下方向に延びる第1〜第3の多孔管61〜63によって構成されている。この実施の形態による第1〜第3の多孔管61〜63は、図9に示すように、周面に多数の貫通孔64が形成されたパンチングパイプである。この直線状に延びる第1〜第3の多孔管61〜63が3つの貫通穴59にそれぞれ挿通されることによって、第1〜第3の多孔管61〜63が長手方向とは交差する方向に並べられることになる。この実施の形態による第1の多孔管61は、サイレンサ本体51の左側の前端部に配置され、第2の多孔管62は、サイレンサ本体51の左側の後端部に配置されている。第3の多孔管63は、サイレンサ本体51の右側の後端部に配置されている。
これらの第1〜第3の多孔管61〜63の両端部は、図7に示すように、それぞれサイレンサ本体51の貫通穴59の開口部分に溶接されている。図7は、各部材の構成を理解し易いように、各部材の厚みを実際より厚くして描いてある。第1の多孔管61の下端には空気導入管34の上端が溶接されている。また、第3の多孔管63の上端には空気導出管65の下端が溶接されている。この空気導出管65は、サイレンサ本体51の上壁51aに溶接されてサイレンサ本体51から上方に延び、防音壁4の上壁4eを貫通して上方に突出している。この空気導出管65の下流端には、図示してはいないが、特許文献1に開示されているようなハンドガンや、製造ラインに配置されるブローノズルなどが接続されている。ハンドガンを使用する場合は、電磁クラッチ16の動作を切替えるクラッチ切替スイッチ18bをハンドガンに設けることができる。このように構成することにより、作業者が手元で電磁クラッチ16の連結、遮断を切替えることができる。このため、不使用時に電磁クラッチ16を簡単に遮断状態にすることができ、ブロワ11が不必要に回転して無駄な電力が消費されることを防ぐことができる。
第1の多孔管61と第2の多孔管62の上端どうしは、後述する上側の方向転換部53を介して互いに連通されている。第2の多孔管62と第3の多孔管63の下端どうしは、後述する下側の方向転換部54を介して互いに連通されている。
方向転換部53,54は、2本の多孔管の端部どうしを接続するものである。この実施の形態による方向転換部53,54は、U字状に形成された導管によって構成されている。この導管の中には、U字状に延びる穴66が形成されている。この穴66の中心線と直交する方向の断面形状は円形である。穴66の穴壁面66aは、平滑に形成されている。ここでいう「平滑」とは、空気が流れる際の抵抗となるような穴や凹部あるいは突部などによって粗面に形成されてはいないことを意味する。
第1および第2の多孔管61,62の上端どうしを接続する上側の方向転換部53は、サイレンサ本体51の上壁51aに溶接され、第1および第2の多孔管61,62と協働して上方に向けて凸になるU字状の空気通路67を形成している。
第2および第3の多孔管62,63の下端どうしを接続する下側の方向転換部54は、サイレンサ本体51の下壁51bに溶接され、第2および第3の多孔管62,63と協働して下方に向けて凸になるU字状の空気通路68を形成している。
このように第1〜第3の多孔管61〜63に方向転換部53,54が接続されることにより、第1〜第3の多孔管61〜63が方向転換部53,54を介して直列に接続される。
サイレンサ本体内の空気室55であって第1〜第3の多孔管61〜63と方向転換部53,54とによって形成された空気通路67,68の外には、吸音材71が充填されている。吸音材71の材料としては、不織布、グラスウール、ロックウールなどを用いることができる。この吸音材71は、サイレンサ本体51の蓋体57を外した状態でサイレンサ本体51の開口部56からサイレンサ本体51内に詰め込まれる。
第1〜第3の多孔管61〜63の周囲が吸音材71で覆われることにより、吐出側サイレンサ14はいわゆる吸音型サイレンサになる。
このように構成された吸音型サイレンサからなる吐出側サイレンサ14を備えたエアブロー装置1においては、ブロワ11がモータ12によって駆動されて作動することにより、防音壁4内の空気が吸込み側サイレンサ13に吸込まれ、空気吸込み管32を通ってブロワ11に吸込まれる。空気を吸込む際に生じる騒音は、吸込み側サイレンサ13によって低減される。防音壁4内には、図示していない空気入口から大気中の空気が流入する。
また、ブロワ11が作動すると、吐出部33に空気が吐出される。この空気は、空気導入管34を通って吐出側サイレンサ14の第1の多孔管61に下方から流入し、第1の多孔管61内を上方に向けて流れる。そして、この空気は、上側の方向転換部53で流れる方向が変えられて第2の多孔管62の上端内に流入し、この第2の多孔管62の下端から下側の方向転換部54を通って第3の多孔管63に流入する。このように第3の多孔管63に送られた空気は、空気導出管65を通って図示していないハンドガンやブローノズルなどに供給される。
ブロワ11はルーツブロワであり、吸入、吐出が所定の周期で繰り返されるために、吐出された空気の脈動が生じる。この脈動は、騒音が生じる原因の一つである。この実施の形態による吐出側サイレンサ14は、吐出空気が第1〜第3の多孔管61〜63を通るときに空気の一部が第1〜第3の多孔管61〜63の多数の貫通孔64を通って第1〜第3の多孔管61〜63の外に出る。この漏れ出た空気の騒音の元となるエネルギーは、この空気が吸音材71に接触することにより低減される。また、漏れ出た空気が他の多孔管に入ることもあり、このような場合には脈動の干渉が発生し、騒音が低減される。このため、この実施の形態によるエアブロー装置1においては、ブロワ11から吐出された空気が第1〜第3の多孔管61〜63を通過することにより消音され、吐出空気の騒音が消されるか、著しく低減される。
第1〜第3の多孔管61〜63は、長手方向とは交差する方向に並んでいる。このため、多孔管の長手方向における吸音部52の長さが多孔管1本分であるにもかかわらず、消音が行われる部分の全長であるサイレンサ長は、第1〜第3の多孔管61〜63の各々の長さを加算した長さになる。
また、方向転換部53,54の穴壁面66aが平滑に形成されているために、第1〜第3の多孔管61〜63どうしの間で空気の流れる方向が変わるときの抵抗が可及的小さくなる。このため、空気抵抗が小さくなるからモータ12の消費電力を少なく抑えることができ、モータ12として小型のモータを使用することが可能になる。
したがって、この実施の形態によれば、消音性能が高い吐出側サイレンサ14を装備しているにもかかわらず小型なエアブロー装置を提供することができる。
この実施の形態においては、モータ12の回転をブロワ11に伝達する伝動装置46を備えている。この伝動装置46は、モータ12の回転軸15と一体に回転する駆動側プーリ45と、ブロワ11の回転軸15と一体に回転する従動側プーリ17と、駆動側プーリ45と従動側プーリ17とに巻掛けられたベルト47と、ベルト47を押圧しながら回転してベルト47の張力を調整するテンションプーリ48を有するテンショナー49などを備えている。
このように構成されたエアブロー装置1によれば、ベルト47の張力の調整をテンションプーリ48によって行うことができるから、ベルト47の張力調整を行うに当たってブロワ11に対するモータ12の位置を変える必要はない。したがって、モータ12の周囲に移動代に相当するスペースを確保しなくてよいから、内部構造の省スペース化を実現でき、エアブロー装置1の外形を更に小さくすることが可能になる。
この実施の形態によるエアブロー装置1の従動側プーリ17は、電磁クラッチ16のロータである。このため、電磁クラッチ16が遮断状態になることによりモータ12が空転するようになり、空気が必要でないときにモータ12の負荷を少なくして消費電力を低減することができる。また、モータ12が回転している状態で電磁クラッチ16が連結状態になることにより、ブロワ11が急速に運転状態になるから、応答性が高いエアブロー装置を提供することができる 。
この実施の形態によるエアブロー装置1は、ブロワ11の下方に配置されたベースプレート6を備えている。ブロワ11は、このベースプレート6に防振ゴム26を介して搭載されている。モータ12は、ブロワ11に支持されている。
このため、ブロワ11とモータ12の重量を防振ゴム26によって支えることができ、ブロワ11とモータ12の振動が防音壁4に伝達されることを防ぐことができる。防振ゴム26は、ブロワ11とモータ12の総重量を支えるに足りる性能のもの(最適なものであって、大きな重量を支える必要がないもの)を使用できる。このため、ブロワ11とモータ12の振動が効率よく減衰されるから、振動により生じる騒音が小さいエアブロー装置を提供することができる。
この実施の形態によるエアブロー装置1のモータ12は、ブロワ11の上に配置されている。ブロワ11は、水平方向に延びる回転軸15を有し、かつ回転軸15の軸線Cに対して直交する水平方向の一方の側部(左側部)に吸込み部31を有するとともに他方の側部(右側部)に吐出部33を有している。吸込み側サイレンサ13は、モータ12の上方に配置されるともに、モータ12より水平方向の他方(右方)に突出している。吐出側サイレンサ14は、吸音型サイレンサによって構成され、ブロワ11およびモータ12より水平方向の他方(右方)であって吸込み側サイレンサ13の下方に配置されている。
このように構成されたエアブロー装置1によれば、吸込み側サイレンサ13の下方に形成されるデッドスペースに吐出側サイレンサ14を配置することができる。したがって、吐出側サイレンサ14をコンパクトに装備することができるから、より一層小さいエアブロー装置を提供することができる。
上述した実施の形態においては、本発明を吐出側サイレンサ14に適用する例を示した。しかし、実施の形態で示した吐出側サイレンサ14と同等の構成の吸音型サイレンサを吸込み側サイレンサ13の代わりにブロワ11の吸込み部31に接続することができるし、吸込み側サイレンサ13と吐出側サイレンサ14の両方を実施の形態で示した吐出側サイレンサ14と同一の吸音型サイレンサとすることもできる。
上述した実施の形態による吐出側サイレンサ14は第1〜第3の多孔管61〜63を使用する例を示したが、多孔管の本数は、2本以上であれば適宜変更することができる。
また、吐出側サイレンサ14の方向転換部53,54は、U字状の管体によって構成する他に、例えば鋳造によって形成された角柱状の通路形成部材によって構成することができる。この通路形成部材の中のU字状の穴は、例えば中子を使用して鋳造の過程で形成することができる。
<吐出側サイレンサの他の実施例>
吐出側サイレンサは、図10〜図12に示すように構成することができる。図10〜図12において、図1〜図9によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図10に示す吐出側サイレンサ81は、上下2分割式のサイレンサ本体82を備えている。このサイレンサ本体82は、上方に向けて開放する箱状の下ケース83と、下方に向けて開放する箱蓋状の上ケース84とを組み合わせて全体が直方体となるように構成されている。下ケース83と上ケース84とは、開口部どうしが重ねられて複数のボルト82aによって結合されている。
このサイレンサ本体82内には、図11および図12に示すように、第1〜第3の多孔管61〜63と、方向転換部53,54と、吸音材71とが収容されている。
下ケース83の底壁83aの下面には、空気導入管34が下方に突出する状態で固定用ボルト85(図12参照)によって取付けられている。底壁83aの上面には、第1の多孔管61の下端部が嵌合しているとともに、下側の方向転換部54が固定用ボルト(図示せず)によって取付けられている。第1の多孔管61の下端部は、底壁83aを介して空気導入管34に接続されている。
下側の方向転換部54は、鋳造によって所定の形状に形成されており、下方に延びる柱状部86を有している。この柱状部86が底壁82aに取付けられている。この下側の方向転換部54内に設けられているU字状の穴66の穴壁面は、平滑に形成されている。
下側の方向転換部54の一端部(上流側端部)には、第2の多孔管62の下端部が嵌合し、他端部には、第3の多孔管63の下端部が嵌合している。
上ケース84の上壁84aの下面には、第3の多孔管63の上端部が嵌合しているとともに、上側の方向転換部53が固定用ボルト87によって取付けられている。この実施の形態による上側の方向転換部53は、鋳造によって所定の形状に形成されており、上方に延びる柱状部88を有している。この柱状部88が上壁84aに取付けられている。この上側の方向転換部53内に設けられているU字状の穴66の穴壁面は、平滑に形成されている。
上壁84の上面には、円環状の取付座89が設けられている。この取付座86は、第3の多孔管63と対応する位置に配置されている。この取付座86には、空気導出管65が図示していないボルトによって取付けられる。
サイレンサ本体82内に設けられる吸音材71は、図12に示すように、所定の厚みで板状に形成されている。サイレンサ本体82内には、複数の吸音材71が上下方向に重ねられた状態で収容されている。これらの吸音材71には、第1〜第3の多孔管61〜63が挿通される貫通穴91と、下側の方向転換部54が挿入される第1の長穴92と、上側の方向転換部53が挿入される第2の長穴93などが形成されている。
図10〜図12に示す吐出側サイレンサ81は、方向転換部53,54がサイレンサ本体82の中に収容されて吸音材71で覆われているから、図1〜図9に示す吐出側サイレンサ14と較べると消音性が高くなる。
1…エアブロー装置、4…防音壁、6…ベースプレート、11…ブロワ、12…モータ、13…吸込み側サイレンサ、14,81…吐出側サイレンサ、15…回転軸、17…従動側プーリ、26…防振ゴム、31…吸込み部、33…吐出部、45…駆動側プーリ、46…伝動装置、47…ベルト、48…テンションプーリ、49…テンショナー、51,82…サイレンサ本体、52…吸音部、53,54…方向転換部、55…空気室、61〜63…第1〜第3の多孔管、66…穴、66a…穴壁面、71…吸音材、C…軸線。

Claims (4)

  1. モータと、
    前記モータによって駆動されるブロワと、
    前記ブロワに吸い込まれる空気が通る吸込み側サイレンサと、
    前記ブロワから吐出された空気が通る吐出側サイレンサと、
    前記モータ、前記ブロワ、前記吸込み側サイレンサおよび前記吐出側サイレンサを囲む防音壁とを備え、
    前記吸込み側サイレンサと前記吐出側サイレンサとのうち少なくとも一方は、
    内部に空気室が形成されたサイレンサ本体と、
    前記空気室に設けられ、直線状に延びる複数の多孔管が長手方向とは交差する方向に並べられて構成された吸音部と、
    U字状の穴を有し、前記複数の多孔管のうち2本の多孔管の端部どうしを接続してこれらの多孔管と協働してU字状の空気通路を形成する方向転換部と、
    前記空気室内であって前記空気通路の外に充填された吸音材とを備え、
    全ての前記多孔管が前記方向転換部を介して直列に接続されている吸音型サイレンサであることを特徴とするエアブロー装置。
  2. 請求項1記載のエアブロー装置において、
    さらに、前記モータの回転を前記ブロワに伝達する伝動装置を備え、
    前記伝動装置は、
    前記モータの出力軸と一体に回転する駆動側プーリと、
    前記ブロワの回転軸と一体に回転する従動側プーリと、
    前記駆動側プーリと前記従動側プーリとに巻掛けられたベルトと、
    前記ベルトを押圧しながら回転するテンションプーリを有し、前記ベルトの張力を調整するテンショナーとを備えていることを特徴とするエアブロー装置。
  3. 請求項2記載のエアブロー装置において、
    前記従動側プーリは、電磁クラッチのロータであることを特徴とするエアブロー装置。
  4. 請求項2または請求項3記載のエアブロー装置において、
    さらに、前記ブロワの下方に配置されたベースプレートを備え、
    前記ブロワは、前記ベースプレートに防振ゴムを介して搭載され、
    前記モータは、前記ブロワに支持されていることを特徴とするエアブロー装置。
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