JP2019006905A - 封止材用樹脂組成物及びこれを用いた電子装置 - Google Patents

封止材用樹脂組成物及びこれを用いた電子装置 Download PDF

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Abstract

【課題】封止用樹脂組成物の電子装置への充填性、封止用樹脂組成物を硬化させた成形体の均一性といった成形性に優れた封止用樹脂組成物の提供。【解決手段】エポキシ樹脂と、硬化剤と、充填材と、式(10)〜(12)で表される特定構造等のシラン化合物とを含む封止用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、封止材用樹脂組成物及びこれを用いた電子装置に関する。
電子装置の製造に用いられるモールドアンダーフィル用封止材においては、流動性の向上を目的として様々な技術が開発されている。この種の技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が挙げられる。特許文献1によれば、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを用いて表面処理したフィラーを、樹脂材料と混合した場合、シェアレートの広い範囲において小さい粘度を実現できることが記載されている。また、特許文献1によれば、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを用いて表面処理したフィラーを用いて樹脂組成物を作製した場合、フィラーの凝集性の低減に対して有効であることが記載されている。
特開2015−140389号公報
本発明者は、封止用樹脂組成物を用いて、半導体パッケージを封止する場合の成形性について検討した。その結果、上記特許文献1に記載のモールドアンダーフィル用封止材は、成形性の観点で、更なる改善の余地があると考えた。
近年、フリップチップタイプの半導体パッケージの封止に用いられる封止用樹脂組成物の分野においては、パッケージと、基板との隙間のギャップを小さくすることが求められている。本発明者が検討した結果、特許文献1に記載のモールドアンダーフィル材は、封止用樹脂組成物の電子装置への充填性、封止用樹脂組成物を硬化させた成形体の均一性といった成形性の観点で更なる改善の余地があった。
本願発明者が、成形性が低下する原因について検討した結果、封止用樹脂組成物中において充填材の自己凝集が発生し、パッケージと基板との隙間における詰まりが生じていることが判明した。さらに、成形過程において封止用樹脂組成物の粘度が不均一になることで、金型へ封止用樹脂組成物を充填する際、封止用樹脂組成物の流動性が低下することが判明した。以上より、本発明は、封止用樹脂組成物の電子装置への充填性、封止用樹脂組成物を硬化させた成形体の均一性といった成形性に優れた封止用樹脂組成物を提供することを課題とするものである。
本発明者は、封止用樹脂組成物の成形性を向上するために、封止用樹脂組成物の原料について検討した。その結果、封止用樹脂組成物中に、特定の構造のシラン化合物を含むと成形性の向上に良い作用効果が得られることを見出した。
まず、本発明者は、シラン化合物に窒素原子を導入することで2級または3級アミンとすることを考えた。これは、シラン化合物の立体配座を、窒素原子の立体配座である三角錐型を骨格として、充填材と化学的に結合する有機基を配置することが有効であると考えたためである。さらには、窒素原子と結合する3つの有機基のうち、1つを、活性水素を有する有機基とし、2つを、末端にメトキシ基またはエトキシ基を有する有機基とした。以上より、本発明者が、特定の構造のシラン化合物を採用することで、成形性に良い効果が得られることを見出し、本発明は完成した。
本発明によれば、
エポキシ樹脂と、
硬化剤と、
充填材と、
下記一般式(1)で表されるシラン化合物と、
を含む封止材用樹脂組成物が提供される。
Figure 2019006905
(上記一般式(1)中、Xは、下記一般式(X1)または(X2)を表す。
及びRはそれぞれ独立して炭素数1以上10以下の有機基を表す。
Aはそれぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基を表す。Aは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。Aのうち少なくとも一つはメトキシ基またはエトキシ基である。
Bはそれぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基を表す。Bは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。Bのうち少なくとも一つはメトキシ基またはエトキシ基である。)
Figure 2019006905
(上記一般式(X1)中、
は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
は独立して水素原子又は活性水素を有する炭素数1以上10以下の有機基を表す。)
Figure 2019006905
(上記一般式(X2)中、
は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
はそれぞれ独立して水素原子又は活性水素を有する炭素数1以上10以下の有機基を表す。Rは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。
は炭素数1以上10以下の有機基を表す。)
また、本発明によれば、
電子素子と、
前記電子素子を封止する成形体と、を備えており、
前記成形体として、請求項1から7のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物が用いられる、電子装置が提供される。
本発明によれば、充填材の分散性に優れ、電子装置への充填性、金型への充填性、封止用樹脂組成物を硬化させた成形体の均一性といった成形性を向上させた封止用樹脂組成物を提供できる。
本実施形態に係る電子装置の一例の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、充填材と、下記一般式(1)で表される特定の構造のシラン化合物と、を含む。
Figure 2019006905
(上記一般式(1)中、Xは、下記一般式(X1)または(X2)を表す。
及びRはそれぞれ独立して炭素数1以上10以下の有機基を表す。
Aはそれぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基を表す。Aは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。Aのうち少なくとも一つはメトキシ基またはエトキシ基である。
Bはそれぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基を表す。Bは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。Bのうち少なくとも一つはメトキシ基またはエトキシ基である。)
Figure 2019006905
(上記一般式(X1)中、
は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
は独立して水素原子又は活性水素を有する炭素数1以上10以下の有機基を表す。)
Figure 2019006905
(上記一般式(X2)中、
は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
はそれぞれ独立して水素原子又は活性水素を有する炭素数1以上10以下の有機基を表す。Rは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。
は炭素数1以上10以下の有機基を表す。)
本発明者は、種々の実験結果より、上記一般式(1)で表されるシラン化合物が、充填材の分散性を向上させることを見出した。すなわち、シラン化合物に窒素原子を導入し、2級または3級アミンとすることを考えた。そして、上記シラン化合物の構造として、窒素原子と結合する有機基のうち、2つが、末端にメトキシ基またはエトキシ基を有する有機基であり、1つが、活性水素を有する有機基とすることが有効であることを見出した。
上記一般式(1)で表されるシラン化合物を含む封止用樹脂組成物では、従来のシラン化合物を含む場合と比べて、充填材の分散性が向上する。これにより、充填材の自己凝集による詰まり、及び、成形過程における封止用樹脂組成物の粘度不均一を防ぐことができる。これにより、封止用樹脂組成物の成形性を向上することができる。
本実施形態にかかる封止用樹脂組成物において、充填材の分散性が向上する理由は、詳細なメカニズムは定かではないが、以下のように推測される。
前提として、充填材と化学的に結合する有機基は、該有機基同士でも結合する。これにより、複数の充填材と化学的に結合する有機基を有するシラン化合物の分子は、充填材と、遊離しているシラン化合物の分子と結合してしまう。従来のシラン化合物は、立体配座を制御しておらず、複数の充填材と化学的に結合する有機基同士は互いにランダムな方向を向いていた。これにより、充填材と化学的に結合する有機基は、充填材及び遊離しているシラン化合物の分子とランダムに結合する。したがって、充填材同士がシラン化合物を介して凝集し、凝集体を形成することで、凝集体が成形性の低下を引き起こしていた。
一方、本実施形態にかかる上記シラン化合物の分子の立体配座は、窒素原子を骨格としたものであり、窒素と結合する3つの有機基を三角錐型に配置したものである。そして、上記3つの有機基のうち、2つが、末端にメトキシ基またはエトキシ基を有する有機基であり、1つが、活性水素を有する有機基である。ここで、上記メトキシ基またはエトキシ基を有する有機基は、充填材と化学的に結合する有機基である。また、上記活性水素を有する有機基は、エポキシ樹脂と化学的に結合する有機基である。
三角錐型の立体配座に配置された、2つの末端にメトキシ基またはエトキシ基を有する有機基は、1つの末端のメトキシ基またはエトキシ基が充填材と結合した場合、立体配座に由来する分子軌道の制約から、もう1つの末端のメトキシ基またはエトキシ基が充填材と結合しやすくなる。このような分子軌道の制約がある充填材と結合する有機基は、互いにランダムな方向を向いている従来のシラン化合物における有機基と比べて、遊離シラン化合物と結合する確率が低いと考えられる。
したがって、本実施形態にかかる封止用樹脂組成物では、上記一般式(1)で表されるシラン化合物を含むことで、充填材同士がシラン化合物を介して凝集することを防ぎ、充填材の分散性を向上できると推測される。
なお、本実施形態にかかる上記シラン化合物の窒素原子を含む骨格は、上記一般式(X1)で表されるモノアミンタイプの骨格、または、上記一般式(X2)で表されるジアミンタイプの骨格が挙げられる。上記一般式(X1)または上記一般式(X2)で表される骨格を有することで、充填材同士がシラン化合物を介して凝集することを防ぎ、充填材の分散性を向上できる。
以下、本実施形態に係る封止用樹脂組成物を構成する各成分について詳述する。
本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、充填材と、上記一般式(1)で表される特定のシラン化合物とを含む。
(エポキシ樹脂)
本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は限定されない。
エポキシ樹脂としては、具体的にはビフェニル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等に例示されるトリスフェノール型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種類または二種類以上を含む。
これらの中でも、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂及び多官能エポキシ樹脂からなる群から選択される一種類または二種類以上を含むことが好ましく、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂及び多官能エポキシ樹脂を含むことがさらに好ましい。多官能エポキシ樹脂としては、例えば、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。これにより、シラン化合物と、エポキシ樹脂とが結合しやすくなる。そして、他のエポキシ樹脂を用いる場合と比べて、シランカップリング同士が結合する可能性が下がると推測される。したがって、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上することができる。
本実施形態において、封止用樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量の下限値は、封止用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、例えば、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。これにより、成形時における流動性を向上させることができる。このため、充填性や成形安定性の向上を図ることができる。
また、封止用樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量の上限値は、封止用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、例えば、15質量%以下であることが好ましく、14質量%以下であることがより好ましく、13質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上させることができる。
なお、本実施形態において、封止用樹脂組成物の全固形分とは、溶媒を除く原料成分の合計のことを示す。
(硬化剤)
本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、硬化剤を含む。封止用樹脂組成物に含まれる硬化剤としては、具体的には、重付加型の硬化剤、触媒型の硬化剤、および縮合型の硬化剤などが挙げられる。
上記重付加型の硬化剤としては、具体的には、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン;ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミン;ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどのポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物;無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などの酸無水物;ノボラック型フェノール樹脂、ポリビニルフェノール、アラルキル型フェノール樹脂などのフェノール樹脂系硬化剤;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などが挙げられる。重付加型の硬化剤としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記触媒型の硬化剤としては、具体的には、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)などの3級アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)などのイミダゾール化合物;BF3錯体などのルイス酸などが挙げられる。触媒型の硬化剤としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記縮合型の硬化剤としては、具体的には、レゾール型フェノール樹脂;メチロール基含有尿素樹脂などの尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂などのメラミン樹脂などが挙げられる。縮合型の硬化剤としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記硬化剤の中でも、フェノール樹脂系硬化剤を含むことが好ましい。
フェノール樹脂系硬化剤としては、一分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量、分子構造は限定されない。
硬化剤として用いられるフェノール樹脂系硬化剤は、たとえば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;ポリビニルフェノール;トリフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂などの多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル型フェノール樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF、等のビスフェノール化合物からなる群から選択される一種類または二種類以上を含む。
これらの中でも、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上させる観点から、
ノボラック型フェノール樹脂、多官能型フェノール樹脂及びフェノールアラルキル樹脂からなる群から選択される一種類または二種類以上を含むことがより好ましく、多官能型フェノール樹脂またはフェノールアラルキル樹脂を含むことが更に好ましい。これにより、シラン化合物と、硬化剤との極性を近付けることができ、封止用樹脂組成物中におけるシラン化合物の分散性を向上させることにできる。したがって、シラン化合物と結合する充填材の分散性を向上させることができる。
本実施形態において、封止用樹脂組成物中の硬化剤の含有量の上限値は、封止用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、例えば、9質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、成形時における流動性を向上させることができる。このため、充填性や成形安定性の向上を図ることができる。
また、封止用樹脂組成物中の硬化剤の含有量の下限値は、封止用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、例えば、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、1.5質量%以上であることがさらに好ましい。これにより、良好な硬化性を発揮させることができ、良い成形性を発現することができる。
(充填材)
本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、充填材を含む。
充填材としては、具体的には、無機充填材、有機充填材などが挙げられる。充填材としては、上記具体例のうち、無機充填材を含むことが好ましい。
上記無機充填材としては、具体的には、合成球状シリカ、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶性シリカ、2次凝集シリカ、微粉シリカなどのシリカ;アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化チタン、炭化ケイ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、チタンホワイトなどの金属化合物;タルク;クレー;マイカ;ガラス繊維などが挙げられる。無機充填材としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。無機充填材としては、上記具体例のうち、合成球状シリカ、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶性シリカ、2次凝集シリカ、微粉シリカなどのシリカを用いることが好ましく、合成球状シリカまたは溶融球状シリカを用いることがより好ましい。これにより、封止樹脂組成物中における充填材の分散性を向上することができる。
上記有機充填材としては、具体的には、オルガノシリコーンパウダー、ポリエチレンパウダーなどが挙げられる。有機充填材としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
封止用樹脂組成物中の充填材の含有量の下限値は、封止用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、例えば、70質量%以上であることが好ましく、73質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがさらに好ましい。これにより、封止用樹脂組成物の成形時における流動性や充填性をより効果的に向上させることが可能となる。また、封止用樹脂組成物の物性を充填材の物性に近づけることができ、機械的強度、熱的特性などの物性を向上させることができる。
また、封止用樹脂組成物中の充填材の含有量の上限値は、封止用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、例えば、90質量%以下であることが好ましく、88質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、充填材の凝集を防ぎ、充填材の分散性を向上させることができる。
本実施形態において、充填材の体積基準の累積50%粒径(D50)の下限値は、例えば、1.0μm以上であることが好ましく、2.0μm以上であることがより好ましい。これにより、生産性を向上させ、封止用樹脂組成物の成形時における粘度不均一を防ぐことができ、成形性を向上させることができる。
また、充填材の体積基準の累積50%粒径(D50)の上限値は、例えば、10.0μm以下であることが好ましく、8.0μm以下であることがより好ましい。これにより、成形時におけるゲート詰まりが生じることを確実に抑制できる。
なお、充填材の体積基準の累積50%粒径(D50)は、例えば、市販のレーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、島津製作所社製、SALD−7000)を用いて粒子の粒度分布を体積基準で測定し、算出することができる。
(シラン化合物)
本実施形態の封止用樹脂組成物は、シラン化合物を含む。
本実施形態に係るシラン化合物は、下記一般式(1)で示される化合物を含む。
Figure 2019006905
(上記一般式(1)中、Xは、下記一般式(X1)または(X2)を表す。
及びRはそれぞれ独立して炭素数1以上10以下の有機基を表す。
Aはそれぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基を表す。Aは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。Aのうち少なくとも一つはメトキシ基またはエトキシ基である。
Bはそれぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基を表す。Bは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。Bのうち少なくとも一つはメトキシ基またはエトキシ基である。)
本実施形態に係るシラン化合物の一般式は、上記一般式(1)であることが好ましく、下記一般式(2)であることがより好ましく、下記一般式(3)であることが更に好ましい。これにより、詳細なメカニズムは明らかではないが、窒素原子と結合する活性水素を有する有機基と、末端のメトキシ基及びエトキシ基との間の長さを、シラン化合物と、エポキシ樹脂及び充填材とが結合するために適切な長さに調整することができると推測される。したがって、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上することができる。
Figure 2019006905
(上記一般式(2)中、Rは、炭素数1以上10以下の有機基を表す。
Aはそれぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基を表す。Aは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。Aのうち少なくとも一つはメトキシ基またはエトキシ基である。
Bはそれぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基を表す。Bは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。Bのうち少なくとも一つはメトキシ基またはエトキシ基である。)
Figure 2019006905
(上記一般式(3)中、Aはそれぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基を表す。Aは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。Aのうち少なくとも一つはメトキシ基またはエトキシ基である。
Bはそれぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基を表す。Bは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。Bのうち少なくとも一つはメトキシ基またはエトキシ基である。)
上記一般式(1)におけるXは、下記一般式(X1)または下記一般式(X2)で表される。これらの中でも、Xは下記一般式(X1)で表されることが好ましい。これにより、充填材の分散性を向上できる。
Figure 2019006905
(上記一般式(X1)中、
は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
は独立して水素原子又は活性水素を有する炭素数1以上10以下の有機基を表す。)
Figure 2019006905
(上記一般式(X2)中、
は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
はそれぞれ独立して水素原子又は活性水素を有する炭素数1以上10以下の有機基を表す。Rは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。
は炭素数1以上10以下の有機基を表す。)
上記一般式(X1)、一般式(X2)におけるRは、水素原子または活性水素を有する炭素数1以上10以下の有機基であり、水素または活性水素を有する炭素数1以上7以下の有機基であることが好ましく、水素または活性水素を有する炭素数1以上5以下の有機基であることがさらに好ましく、水素または活性水素を有する炭素数1以上3以下の有機基であることが一層好ましく、水素であることがことさら好ましい。これにより、シラン化合物を介した、充填材と、エポキシ樹脂との親和性を向上させることができる。したがって、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上させることができる。
上記一般式(X1)、一般式(X2)におけるRの活性水素を有する炭素数1以上10以下の有機基は、活性水素を有する官能基を含む。この活性水素を含む有機基は、1級または2級アミノ基、カルボキシル基、ビニル基、グリシジル基及びメルカプト基からなる群より選択される1種または2種以上であることが好ましい。これらの中でも、1級または2級アミノ基、カルボキシル基、ビニル基からなる群より選択される1種または2種以上であるが好ましく、1級または2級アミノ基であることがより好ましい。これにより、エポキシ樹脂中と充填材との間に、シラン化合物を介して架橋構造を形成し、封止用樹脂組成物中における充填材の分散性を向上させることができる。
上記一般式(X1)、一般式(X2)におけるRの具体例としては、アミノエチル基、アミノプロピル基などの1級または2級アミノ基を有する有機基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基などのカルボキシル基を有する有機基;ビニルエチル基、ビニルプロピル基などのビニル基を有する有機基等が挙げられる。これらの中でもアミノエチル基またはアミノプロピル基であることが好ましい。これにより、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上させることができる。
上記一般式(X1)、一般式(X2)におけるRは、炭素数1以上10以下の有機基であり、炭素数1以上7以下の有機基であることが好ましく、炭素数1以上5以下の有機基であることがさらに好ましく、炭素数1以上3以下の有機基であることが一層好ましく、炭素数2である有機基がことさら好ましい。これにより、シラン化合物の立体配座を好適に制御し、シラン化合物を介した充填材と、エポキシ樹脂との親和性を向上させることができる。したがって、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上させることができる。
上記一般式(X1)、一般式(X2)におけるRXの炭素数1以上10以下具体例としては、アルキレン基などが挙げられる。アルキレン基としては、例えば、直鎖形状のアルキレン基でもよく、分岐鎖形状のアルキレン基でもよい。
直鎖形状のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デカニレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などが挙げられる。
分岐鎖形状のアルキレン基としては、−C(CH−、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−などのアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−などのアルキルエチレン基などが挙げられる。
としては、上記具体例のうち、直鎖形状のアルキレン基であることが好ましい。これにより、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上させることができる。
上記式(1)におけるR、Rは、それぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基であり、炭素数1以上7以下の有機基であることが好ましく、炭素数1以上5以下の有機基であることがさらに好ましく、炭素数1以上3以下の有機基であることが一層好ましい。これにより、充填材と化学的に結合する有機基と、窒素原子との距離を短くすることができると推測される。そして、上記距離が短くなることによって、充填材と化学的に結合する有機基が、遊離しているシラン化合物の分子と結合する確率を減らすことができると推測される。したがって、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上させることができる。
上記一般式(1)におけるR、Rの炭素数1以上10以下の有機基の具体例としては、アルキレン基などが挙げられる。アルキレン基としては、例えば、直鎖形状のアルキレン基でもよく、分岐鎖形状のアルキレン基でもよい。
直鎖形状のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デカニレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などが挙げられる。
分岐鎖形状のアルキレン基としては、−C(CH−、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−などのアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−などのアルキルエチレン基などが挙げられる。
、Rとしては、上記具体例のうち、直鎖形状のアルキレン基であることが好ましい。これにより、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上させることができる。
上記一般式(1)におけるAは、それぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基であり、炭素数1以上7以下の有機基であることが好ましく、炭素数1以上5以下の有機基であることがさらに好ましく、炭素数1以上3以下の有機基であることが一層好ましい。これにより、充填材と結合する有機基周辺のエネルギー的な制約が低減すると推測される。したがって、シラン化合物と、充填材との結合する確率を上げ、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上させることができる。
上記一般式(1)におけるAの炭素数1以上10以下の有機基の具体例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルカリル基及びシクロアルキル基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。アルケニル基としては、アリル基、ペンテニル基、ビニル基などが挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基などが挙げられる。アルキリデン基としては、メチリデン基、およびエチリデン基などが挙げられる。アリール基としては、トリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、およびフェネチル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基などが挙げられる。アルカリル基としては、トリル基、キシリル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、アダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基であることが好ましい。さらに、アルコキシ基のうち、メトキシ基、エトキシ基であることが好ましい。これにより、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上させることができる。
上記一般式(1)におけるAのうち少なくとも一つはメトキシ基またはエトキシ基であることが好ましく、Aのうち2つまたは3つがメトキシ基またはエトキシ基であることが好ましく、Aの全てがメトキシ基またはエトキシ基であることが好ましい。メトキシ基またはエトキシ基は、充填材と化学的に結合する有機基である。そして、詳細なメカニズムは定かではないが、本実施形態にかかるシラン化合物のような三角錐型の立体配座を有する場合、充填材と化学的に結合する有機基が多いほど充填材の表面におけるシラン化合物の密度を向上させることができると推測される。これにより、充填材と、エポキシ樹脂との親和性が向上し、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上させることができる。
上記一般式(1)におけるBは、それぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基であり、炭素数1以上7以下の有機基であることが好ましく、炭素数1以上5以下の有機基であることがさらに好ましく、炭素数1以上3以下の有機基であることが一層好ましい。これにより、充填材と結合する有機基周辺における分子軌道の障害が低減すると推測される。したがって、シラン化合物と、充填材との結合する確率を上げ、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上させることができる。
上記一般式(1)におけるBの炭素数1以上10以下の有機基の具体例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルカリル基及びシクロアルキル基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。アルケニル基としては、アリル基、ペンテニル基、ビニル基などが挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基などが挙げられる。アルキリデン基としては、メチリデン基、およびエチリデン基などが挙げられる。アリール基としては、トリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、およびフェネチル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基などが挙げられる。アルカリル基としては、トリル基、キシリル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、アダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基であることが好ましい。さらに、アルコキシ基のうち、メトキシ基、エトキシ基であることが好ましい。これにより、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上させることができる。
上記一般式(1)におけるBのうち少なくとも一つはメトキシ基またはエトキシ基であることが好ましく、Bのうち2つまたは3つがメトキシ基またはエトキシ基であることが好ましく、Bの全てがメトキシ基またはエトキシ基であることが好ましい。メトキシ基またはエトキシ基は、充填材と化学的に結合する有機基である。そして、詳細なメカニズムは定かではないが、本実施形態にかかるシラン化合物のような三角錐型の立体配座を有する場合、充填材と化学的に結合する有機基が多いほど充填材の表面におけるシラン化合物密度を向上させることができると推測される。これにより、充填材と、エポキシ樹脂との親和性が向上し、封止用樹脂組成物における充填材の分散性を向上させることができる。
本実施形態に係る上記一般式(1)で示されるシラン化合物としては、限定されるものではないが、具体的には、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン及びN,N'−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンなどを挙げることができる。上記一般式(1)で示されるシラン化合物としては、上記具体例のうち、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミンを用いることが好ましい。
封止用樹脂組成物中のシラン化合物の含有量の下限値としては、封止用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、例えば、0.01質量%以上が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。シラン化合物の含有量の下限値が上記範囲内であれば、充填材が凝集体を形成せず、充填材の良好な分散を実現することができる。
また、封止用樹脂組成物中のシラン化合物の含有量の上限値としては、封止用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、例えば、1.0質量%以下が好ましく、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.6質量%以下、殊更好ましくは0.4質量%以下である。シラン化合物の含有量の上限値が上記範囲内であれば、シラン化合物の架橋によって、充填材が凝集体を形成しにくくなり、充填材の良好な分散を実現することができる。
封止用樹脂組成物中のシラン化合物の含有量の下限値としては、エポキシ樹脂100質量%に対して、例えば、0.01質量%以上が好ましく、0.15質量%以上がより好ましい。これにより、充填材表面のシラン化合物と、エポキシ樹脂とが架橋構造を形成しやすくなり、充填材の良好な分散を実現することができる。
また、封止用樹脂組成物中のシラン化合物の含有量の上限値としては、例えば、エポキシ樹脂100質量%に対して0.10質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましい。これにより、充填材表面のシラン化合物同士が架橋構造を形成しにくくなり、充填材の良好な分散を実現することができる。
封止用樹脂組成物中のシラン化合物の含有量の下限値としては、充填材100質量%に対して、例えば、0.05質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上である。これにより、充填材表面にシラン化合物界面を形成することができ、充填材の良好な分散を実現することができる。
また、封止用樹脂組成物中のシラン化合物の含有量の上限値としては、充填材100質量%に対して、例えば、0.5質量%以下が好ましく、0.4質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましい。これにより、シラン化合物の架橋がしにくくなり、表面処理された充填材が凝集体を形成しにくいため、充填材の良好な分散を実現することができる。
(その他の成分)
封止用樹脂組成物中には、必要に応じて、硬化促進剤、シランカップリング剤、離型剤、難燃剤、イオン捕捉剤、着色剤及び低応力剤等の各種添加剤のうち一種または二種以上を配合することができる。
以下、代表成分について詳細を説明する。
(硬化促進剤)
硬化促進剤は、エポキシ樹脂及び硬化剤の硬化反応を促進させるものであれば限定されず、エポキシ樹脂及び硬化剤の種類に応じて選択できる。
硬化促進剤としては、具体的には、有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(2P4MZ)、2−フェニルイミダゾール(2PZ)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール(2P4MHZ)、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(1B2PZ)などのイミダゾール化合物;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、ベンジルジメチルアミン等が例示されるアミジンや3級アミン;上記アミジンまたは上記3級アミンの4級アンモニウム塩等の窒素原子含有化合物などが挙げられる。硬化促進剤としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤としては、上述したシラン化合物と共に、上述したシラン化合物とは異なる構造のシランカップリング剤を併用してもよい。
上述したシラン化合物とは異なる構造のシランカップリング剤としては、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン;p−スチリルトリメトキシシランなどのスチリルシラン;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのメタクリルシラン;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン;N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン;イソシアヌレートシラン;アルキルシラン;3−ウレイドプロピルトリアルコキシシランなどのウレイドシラン;3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネートシラン;チタン系化合物;アルミニウムキレート類;アルミニウム/ジルコニウム系化合物などが挙げられる。シランカップリング剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
(離型剤)
離型剤としては限定されず、封止用樹脂組成物に用いられる公知の離型剤を用いることができる。
離型剤としては、たとえばカルナバワックス等の天然ワックス、モンタン酸エステルワックスや酸化ポリエチレンワックス等の合成ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸およびその金属塩類、ならびにパラフィンから選択される1種類または2種類以上を含むことができる。
(難燃剤)
難燃剤としては限定されず、封止用樹脂組成物に用いられる公知の難燃剤を用いることができる。
難燃剤としては、具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、ホスファゼンなどを挙げることができる。難燃剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
(着色剤)
着色剤としては限定されず、封止用樹脂組成物に用いられる公知の着色剤を用いることができる。
着色剤としては、具体的には、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタンなどを挙げることができる。着色剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
(イオン捕捉剤)
本実施形態に係る封止用樹脂組成物はイオン捕捉剤を含む。イオン捕捉剤としては、封止用樹脂組成物中の陰イオン性の不純物を吸着する陰イオン捕捉剤であれば、封止用樹脂組成物中の他の成分に応じて、公知のイオン捕捉剤を用いることができる。なお、イオン捕捉剤は中和剤として用いられることもある。
イオン捕捉剤としては、具体的には、ハイドロタルサイト類、ゼオライト、ハイドロタルサイト類またはマグネシウム、アルミニウム、ビスマス、チタン、ジルコニウムから選ばれる元素の含水酸化物から選択される1種類または2種類以上を含むことができる。
(低応力剤)
低応力剤としては限定されず、封止用樹脂組成物に用いられる公知の低応力剤を用いることができる。
低応力剤としては、具体的には、シリコーンオイル、シリコーンゴム等のシリコーン化合物;ポリブタジエン化合物;アクリロニトリル−ブタジエン共重合化合物などを挙げることができる。低応力剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
次に、本実施形態に係る封止用樹脂組成物の製造方法について説明する。
本実施形態に係る封止用樹脂組成物の製造方法は、限定されないが、充填材の表面を、シラン化合物によって表面処理する表面処理工程と、次いで、シラン化合物と充填材のなじみを向上させる熟成工程と、次いで、表面処理が施された上記充填材を、その他の成分と混合する混合工程とによって行われることが好ましい。
上記表面処理工程は、たとえばミキサー内の充填材に対して噴霧器を用いてシラン化合物を噴霧しながら充填材を撹拌することにより行われる。噴霧器としては、たとえば二流体ノズル等を備えた微細な液滴を噴霧し得る装置を用いることができる。このような噴霧器を使用することにより、充填材表面がより均一にシラン化合物で処理されるため好ましい。
上記熟成工程は、シラン化合物により表面処理を施した充填材を、25℃以上60℃以下の温度で2時間以上10時間以下静置することによって行われる。詳細なメカニズムは定かではないが、熟成工程により、充填材とシラン化合物のなじみが向上すると推測される。そして、なじみが向上することによって、充填材と結合したシランカップシング剤同士が架橋しにくくなると推測される。これにより、混合工程において、封止用樹脂組成物中で、シラン化合物を介して充填材の凝集体が形成される確率が低減し、充填材の分散性を向上させることができる。したがって、このような封止用樹脂組成物は、充填材の凝集体が形成されにくいものとなる。
熟成工程は、充填材の分散性を向上させ、上記粘度、ゲルタイム及びスパイラルフローといった指標の値を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
上記混合工程は、シラン化合物により表面処理した充填材と、他の成分とを公知の方法で混合することによって行われる。
混合後、さらにロール、ニーダーまたは押出機等の混練機で溶融混練し、冷却した後に粉砕した顆粒状のものや、粉砕後にタブレット状に打錠成型したもの、また必要に応じて、上記粉砕したものを篩分したもの、遠心製粉法、ホットカット法などで適宜分散度や流動性等を調整した造粒方法により製造した顆粒状のもの等を封止用樹脂組成物として用いることができる。
本実施形態にかかる封止用樹脂組成物は、110℃、0.2rad/sで測定した粘度η1の上限値が、例えば、1×10Pa・s以下であることが好ましく、1×10Pa・s以下であることがより好ましい。これにより、封止用樹脂組成物のモールド成形時に、保持圧力によって充填を進行させることができる。
また、本実施形態にかかる封止用樹脂組成物は粘度η1の下限値が、例えば、1×10Pa・s以上であることが好ましく、1×10Pa・s以上であることがより好ましい。これにより、封止用樹脂組成物のモールド成形時に、初期注入圧力の設定が容易になる。したがって、成形体の均一性や安定性を向上させることができる。
なお、粘度η1の測定は、例えば、アレス型レオメーター(Reometric Scientific社製、ARES−2KSTD−FCO−STD)により行うことができる。
本実施形態にかかる封止用樹脂組成物について、110℃、回転周波数500rad/sで測定した粘度η2の上限値が、例えば、1×10Pa・s以下であることが好ましく、1×10Pa・s以下であることがより好ましい。これにより、封止用樹脂組成物のモールド成形時に、封止用樹脂組成物の流動性の低下を抑制できる。
本実施形態にかかる封止用樹脂組成物について、110℃、回転周波数500rad/sで測定した粘度η2の下限値が、例えば、1×10Pa・s以上であることが好ましく、1×10Pa・s以上であることがより好ましい。これにより、封止用樹脂組成物のモールド成形時に、成形体の均一性や安定性を向上させることができる。
なお、粘度η2の測定は、例えば、アレス型レオメーター(例えば、Reometric Scientific社製、ARES−2KSTD−FCO−STD)により行うことができる。
上記粘度η1と、粘度η2から、下式により算出されるチキソ係数TIの上限値は、例えば、6.0×10-3以下であることが好ましく、5.7×10-3以下であることがより好ましく、5.5×10-3以下であることが更に好ましい。チキソ係数が上記数値範囲にあること、すなわち、せん断応力が加わった封止用樹脂組成物の粘度が適切に低下する事で、封止用樹脂組成物の流動性の低下を防ぐことができる。したがって、封止用樹脂組成物の硬化物である成形体の均一性、安定性を向上させることができる。
また、チキソ係数TIの下限値は、例えば、1.0×10-4以上としてもよく、1.0×10-3以上としてもよい。
(チキソ係数TI)=(粘度η2)/(粘度η1)
封止用樹脂組成物は、スパイラルフロー流動長は限定されず、電子装置の形状に応じて設定することができる。
スパイラルフロー流動長の上限値は、例えば、250cm以下であることが好ましく、200cm以下であることがより好ましい。これにより、封止樹脂組成物の流動性が高すぎることによる、成形時のバリ、ヒケ及びハナタレといった成形不良の発生、金型の汚れを防ぐことができる。
また、スパイラルフロー流動長の下限値は、120cm以上であることが好ましく、150cm以上であることがより好ましい。これにより、封止用樹脂組成物を成形する際、流動性を向上させることにより、充填性をより効果的に向上させることができる。
なお、スパイラルフロー測定は、たとえば低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製「KTS−15」)を用いて、ANSI/ASTM D 3123−72に準じたスパイラルフロー測定用の金型に金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で封止用樹脂組成物を注入し、流動長を測定することにより行うことができる。
本実施形態に係る封止用樹脂組成物のゲルタイムの上限値は、例えば、90秒以下であることが好ましく、50秒以下であることがより好ましく、48秒以下であることがさらに好ましい。これにより、成形サイクルを向上することができる。また、ゲルタイムの下限値は、限定されないが、例えば30秒以上とすることができる。
なお、ゲルタイムの測定は、175℃に制御された熱板上に、0.5gの封止用樹脂組成物を載せ、スパチュラで約1回/sec.のストロークで練り、封止用樹脂組成物が熱により溶解してから硬化するまでの時間を測定することにより行うことができる。
以下に、本実施形態に係る封止用樹脂組成物の硬化物を用いた電子装置の製造方法について説明する。
本実施形態に係る電子装置は、電子素子と、電子素子を封止する成形体と、を備えており、成形体として、上述した封止用樹脂組成物の硬化物が用いられる。
上述した封止用樹脂組成物は、電子装置における電子素子の封止に用いられる。
電子装置としては、例えば、半導体装置などが挙げられる。また、電子素子としては、例えば半導体素子(半導体チップ)などが挙げられる。
本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、フリップチップBGAパッケージ等のフリップチップ実装方式の電子装置に対して好適に用いられる。
フリップチップ実装方式の電子装置は、電子素子のパッドに半田バンプを搭載し、この半田バンプを基板のランドに接続させて実装し、封止用樹脂組成物をトランスファーモールド法、コンプレッションモールド法又はインジェクションモールド法で成形し、封止用樹脂組成物を硬化させた成形体とすることで得られる。
このようにして得られたフリップチップ実装方式の半導体装置は、基板と基板上に半田バンプを介して電気的に接続された電子素子とを有しており、封止用樹脂組成物で構成される成形体により、電子素子が封止されている。封止用樹脂組成物を用いて電子素子を封止する際、封止用樹脂組成物は基板と半導体素子との間の隙間にも充填される。これにより、硬化体により電子装置の強度が向上し、信頼性の高い電子装置が得られる。また、液状のアンダーフィル材を用いずとも、半導体素子と基板との間に半導体封止用エポキシ樹脂を充填でき、トランスファーモールド法等により1つの工程で成形することが可能である。
本実施形態に係る封止用樹脂組成物を用いた電子装置は、電子素子と基板とのギャップ高さ(垂直距離)が、例えば、100μm以下でもよく、80μm以下でもよく、60μm以下でもよく、40μm以下でもよく、30μm以下でもよい。このようにギャップ高さが小さい場合であっても充填率をよく向上させることができる。これは、充填材の分散性が向上し、充填材がシラン化合物を介して凝集体をしないため、凝集体による詰まりを抑制できるためであると考えられる。
また、本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、電子素子と基板とのギャップ高さ(垂直距離)の下限値が、例えば、25μm以上であれば好適に充填することができる。
なお、本実施形態において、ギャップ高さとは電子装置と基板との隙間のことであり、電子装置の厚みは勘案しない。
本実施形態に係る電子装置100の一例を図1に示す。
電子装置100は、基板10と、基板10上に搭載された電子素子20と、電子素子20を封止する成形体50と、を有するものであり、前記成形体として、上記封止用樹脂組成物の硬化物が用いられる。
なお、図1に示す電子装置100は、電子素子20と基板10とが半田バンプ30を介して電気的に接続されたものであるが、これに限定されるものではない。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1で用いた成分について、以下の表1に示す。
(封止用樹脂組成物の調製)
まず、表1に示された配合量の各成分のうち、充填材及びシラン化合物を準備した。次いで、上記充填材をミキサーに投入し、充填材に対して噴霧器を用いてシラン化合物を噴霧しながら充填材を撹拌した。ミキサーを回転数4800rpmで3分間運転した後、排出し、シラン化合物で表面処理された充填材を得た。次いで、上記シラン化合物で表面処理された充填材を、25℃で3時間静置する熟成工程を行った。熟成工程後、上記シラン化合物で表面処理された充填材と、表1に示された配合量の各成分のうち充填材及びシラン化合物以外の成分と、を常温でミキサーを用いて混合した後、70〜100℃でロール混練し、混練物を得た。次いで、前記混練物を冷却した後、これを粉砕して封止用樹脂組成物を得た。なお、表1中の配合量の単位は、質量部である。
(実施例2)
表1に示すように、各成分及び各成分の配合量を変更した以外は、実施例1と同様に、封止用樹脂組成物を作製した。
(比較例1)
表1に示すように、各成分及び各成分の配合量を変更した以外は、実施例1と同様に、封止用樹脂組成物を作製した。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:下記式(5)で示されるビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC3000、軟化点57℃)
エポキシ樹脂2:下記式(6)で示される多官能フェノール樹脂と、下記式(7)で示されるフェノール類について、下記式(6)で示される多官能フェノール樹脂/下記式(7)で示されるフェノール類が重量比で4となるように混合してグリシジルエーテル化したもの(三菱ケミカル社製、エピコートYL6677)
なお、下記式(6)で示される多官能フェノール樹脂がグリシジルエーテル化すると、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂となる。また、下記式(7)で示されるフェノール類がグリシジルエーテル化すると、ビフェニル型エポキシ樹脂となる。すなわち、エポキシ樹脂2は、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂の混合物である。
Figure 2019006905
Figure 2019006905
Figure 2019006905
(硬化剤)
硬化剤1:下記式(8)で示されるビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(日本化薬社製 GPH65)
硬化剤2:下記式(9)で示されるトリフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂(エア・ウオーター社製、商品名HE910−20、軟化点88℃)
Figure 2019006905
Figure 2019006905
(充填材)
充填材1:合成球状シリカ(アドマテックス社製、SO−E6、D50:2.0μm)
(シラン化合物)
シラン化合物1:下記式(10)で示されるビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A―1170)
シラン化合物2:下記式(11)で示されるビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、Y―11699)
シラン化合物3:下記式(12)で示されるN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−573)
Figure 2019006905
Figure 2019006905
Figure 2019006905
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:下記式(13)で表わされるホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物
なお硬化促進剤1は合成したものを用いた。合成方法について詳細を説明する。
メタノール1800gを入れたフラスコに、フェニルトリメトキシシラン249.5g、2,3−ジヒドロキシナフタレン384.0gを加えて溶かし、次に室温攪拌下28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液231.5gを滴下した。次いで、フラスコにテトラフェニルホスホニウムブロマイド503.0gをメタノール600gに溶かした溶液を室温攪拌下滴下し、結晶を析出させた。析出させた結晶を濾過、水洗、真空乾燥し、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物の桃白色結晶である上記硬化促進剤1を得た。
Figure 2019006905
(着色剤)
着色剤1:カーボンブラック(三菱化学社製、MA−600)
(低応力剤)
低応力剤1:アクリロニトリル−ブタジエン共重合体化合物(PTIジャパン社製、CTBN1008SP)
(離型剤)
離型剤1:モンタン酸エステルワックス(クラリアント・ジャパン製、リコルブ WE 4)
(スパイラルフロー)
実施例および比較例の封止用樹脂組成物についてスパイラルフローを測定した。それぞれ、低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、KTS−15)をインサート成形に転用して、ANSI/ASTM D 3123−72に準じたスパイラルフロー測定用金型に、175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で封止用樹脂組成物を注入し、流動長を測定した。なお、表1中におけるスパイラルフローの単位はcmである。
ここで、スパイラルフローは流動性のパラメータであり、数値が大きい方が、流動性が良好である。
(ゲルタイム)
実施例および比較例の封止用樹脂組成物についてゲルタイムを測定した。175℃に制御された熱板上に、封止用樹脂組成物を載せ、スパチュラで約1回/sec.のストロークで練る。封止用樹脂組成物が熱により溶解してから硬化するまでの時間を測定し、ゲルタイムとした。表1中におけるゲルタイムの単位は秒である。
(粘度、チキソ係数)
実施例および比較例の封止用樹脂組成物について粘度を測定し、チキソ係数を算出した。
測定にはアレス型レオメーター(Reometric Scientific社製、ARES−2KSTD−FCO−STD)を用いた。温度110℃、回転周波数0.2rad/sで測定した粘度をη1、温度110℃、回転周波数500rad/sで測定した粘度をη2とした。また、下記式より、チキソ係数TIを算出した。
(チキソ係数TI)=η2/η1
<電子装置の作製>
15mm×15mmのプリント配線基板上に、10mm×10mm×250μmのフリップチップ型パッケージを配置し、次いで、ピーク温度240℃、ピーク温度時間10秒で熱処理することによって、半田バンプを溶融し、フリップチップ型パッケージと、プリント配線基板とを接合させた。
ここで、フリップチップ型パッケージと、基板との間のギャップ高さ(垂直距離)を測定した。具体的には、レーザー変位計によって、パッケージと基板との間の段差の距離を測定し、該段差の距離からパッケージの厚みを減じた値をギャップ高さとした。搭載後における基板及びパッケージのギャップは30μmであった。
次いで、上記で得られたパッケージを搭載した基板を金型内に配置し、成形機(TOWA社製、Y1Eマニュアルプレス)を用いて、金型温度175℃、注入圧力7.0MPa、18秒の条件で、得られた封止用エポキシ樹脂組成物を金型内に注入し成形した。次いで、175℃、180秒間硬化処理をおこない電子装置を作製した。
(充填率)
超音波探査装置(SAT)の透過法により、上記電子装置における、パッケージと基板との間のギャップ(ギャップ高さ:30μm)に対する封止用樹脂組成物の硬化物の充填率を算出した。
具体的には、SATで得られた画像を、硬化物が充填されている部分及びされていない部分に二値化し、硬化物が充填された部分の面積S1及び硬化物が充填されていない面積S2を算出した。次いで、下記式より充填率を算出した。
(式) 充填率[%]=100×S1/(S1+S2)
Figure 2019006905
表1に示すように、各実施例の封止用樹脂組成物は、各比較例の封止用樹脂組成物と比べて、成形速度に影響を及ぼさない範囲でスパイラルフローが低下した。これにより、封止樹脂組成物の流動性が高すぎることによる、成形不良の発生、金型の汚れを防ぐことが確認された。さらに、適切な流動性を備えることにより、金型への充填性をより効果的に向上させることができることが確認された。
また、各実施例の封止用樹脂組成物は、各比較例の封止用樹脂組成物と比べて、ゲルタイムが低下し、成形サイクルを向上できることが確認された。
さらに、各実施例の封止用樹脂組成物を用いて電子装置を作製した場合、各比較例の封止用樹脂組成物を用いた場合と比べて、充填率を向上できる、すなわち、電子装置への充填性を向上できることが確認された。
また、表1に示すように、各実施例の封止用樹脂組成物は、各比較例の封止用樹脂組成物と比べて、η1及びη2が高いことが確認された。この粘度の値は、充填材の分散性を反映したものと考えられる。すなわち、各実施例の封止用樹脂組成物では、各比較例の封止用樹脂組成物と比べて、充填材の分散性が向上したことが確認された。
したがって、各実施例の封止用樹脂組成物は、各比較例の封止用樹脂組成物と比べて、充填材の分散性が向上する。これにより、充填材の自己凝集による詰まりが生じず、成形過程における粘度を均一に保ち、また、成形サイクルを向上することで、成形体の均一性といった成形性を向上できることが確認された。
以上、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 基板
20 電子素子
30 半田バンプ
50 成形体
100 電子装置

Claims (8)

  1. エポキシ樹脂と、
    硬化剤と、
    充填材と、
    下記一般式(1)で表されるシラン化合物と、
    を含む封止材用樹脂組成物。
    Figure 2019006905
    (上記一般式(1)中、Xは、下記一般式(X1)または(X2)を表す。
    及びRはそれぞれ独立して炭素数1以上10以下の有機基を表す。
    Aはそれぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基を表す。Aは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。Aのうち少なくとも一つはメトキシ基またはエトキシ基である。
    Bはそれぞれ独立して、炭素数1以上10以下の有機基を表す。Bは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。Bのうち少なくとも一つはメトキシ基またはエトキシ基である。)
    Figure 2019006905
    (上記一般式(X1)中、
    は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
    は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
    は独立して水素原子又は活性水素を有する炭素数1以上10以下の有機基を表す。)
    Figure 2019006905
    (上記一般式(X2)中、
    は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
    は上記一般式(1)のRと結合することを表し、
    はそれぞれ独立して水素原子又は活性水素を有する炭素数1以上10以下の有機基を表す。Rは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。
    は炭素数1以上10以下の有機基を表す。)
  2. 請求項1に記載の封止材用樹脂組成物であって、
    下記条件で測定されるチキソ係数TIが、6.0×10-3以下である封止材用樹脂組成物。
    (条件)
    レオメーターを用い、110℃、回転周波数0.2rad/sで測定した粘度をη1、110℃、回転数500rad/sで測定した粘度をη2としたときに、η2/η1をチキソ係数TIとする。
  3. 請求項1または2に記載の封止材用樹脂組成物であって、
    前記シラン化合物の含有量が、前記封止材用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、0.01質量%以上1.0質量%以下である封止材用樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の封止材用樹脂組成物であって、
    前記充填材の含有量が、前記封止材用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、70質量%以上90質量%以下である封止材用樹脂組成物。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の封止材用樹脂組成物であって、
    前記充填材の体積基準の累積50%粒径D50が1.0μm以上10.0μm以下である封止材用樹脂組成物。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の封止材用樹脂組成物であって、
    前記封止材用樹脂組成物のゲルタイムが30秒以上90秒以下である封止材用樹脂組成物。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の封止材用樹脂組成物であって、
    前記封止材用樹脂組成物のスパイラルフローが120cm以上250cm以下である封止材用樹脂組成物。
  8. 電子素子と、
    前記電子素子を封止する成形体と、を備えており、
    前記成形体として、請求項1から7のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物が用いられる、電子装置。
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