JP2018154791A - 封止用樹脂組成物、半導体装置および車載用電子制御ユニット - Google Patents

封止用樹脂組成物、半導体装置および車載用電子制御ユニット Download PDF

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剛志 加々良
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Abstract

【課題】密着性が高く、装置の信頼性を向上でき、速硬化性のある封止用樹脂組成物の提供。【解決手段】(A)マレイミド化合物と、(B)トリアジン骨格で表されるアミノ基含有複素環化合物と、(C)熱硬化性樹脂(ただし、成分(A)に該当するものを除く。)と、を含む封止用樹脂組成物であって、前記(B)トリアジン骨格で表わされるアミノ基含有複素環化合物の含有量が、封止用樹脂組成物全体に対し、0.02〜1重量%含まれ、前記(C)熱硬化性樹脂(ただし、成分(A)に該当するものは除く。)の含有量が、封止用樹脂組成物全体に対して2〜20重量%含まれる封止用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、封止用樹脂組成物、半導体装置および車載用電子制御ユニットに関する。
半導体素子を封止するために用いられる樹脂組成物について、様々な検討がなされている。このような技術としては、たとえば特許文献1、特許文献2に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、エポキシ樹脂を含有する封止材用樹脂組成物に関する技術が開示されている。具体的には、エポキシ樹脂、酸無水物、アミン化合物及びフェノール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種、有機基含有シルセスキオキサン、シリカ及び複合金属水酸化物を含有してなり、かつ、該エポキシ樹脂、酸無水物、アミン化合物及びフェノール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種は融点が100℃以上である封止材用樹脂組成物が記載されている。
一方、特許文献2には、ウェハーの反りを十分に抑制することができ、成形性に優れた半導体封止用樹脂組成物として、特定構造を有するビスマレイミド化合物、アリル化合物、及び重合開始剤を含有する半導体封止用樹脂組成物が開示されている。
また、近年、車載用電子制御ユニットとして、電子部品等を搭載した基板を封止樹脂により封止したものが検討されている。このような技術としては、たとえば特許文献3に記載のものが挙げられる。
特許文献3は、スルーホールが設けられた配線基板と、配線基板に実装された電子部品と、配線基板が搭載された金属ベースと、金属ベースに取り付けられて配線基板と外部とを電気的に接続するコネクタとを備え、配線基板の前面と金属ベースの一部とが熱硬化性樹脂により一体的に封止成形された樹脂封止型電子制御装置に関する技術である。
特開2014−028928号公報 特開2014−001289号公報 特開2009−147014号公報
封止用樹脂組成物は、上述のように、半導体素子や、電子部品等が搭載された配線基板等を封止する封止材を形成するために用いられる。
ここで、通常、半導体装置を構成するにあたっては、この半導体素子を銅等の金属製のワイヤを用い、他の金属部材とボンディングし、電気的な接続を図ることとなる。ここで、半導体装置を長期間使用する場合、この金属と封止材との密着性が十分なものでないと、半導体装置の信頼性を損なわれてしまうという懸念が生じる。
とりわけ、近年では、SiC、GaN、Ga23、またはダイヤモンドのようなワイドバンドギャップ材料を使用したパワー半導体素子を備える半導体装置が提案されている。
このようなパワー半導体素子は、使用時における発熱も大きいため、半導体装置使用時における信頼性の低下を招きやすいという傾向もあり、半導体封止用樹脂組成物の密着性をより高い水準とすることが求められている。
また、前述のような車載用電子制御ユニットについては、エンジンルームなどに配置され、高温条件に曝されることが多く、この場合、配線基板と封止樹脂との密着性が低下するという懸念がある。
また、半導体装置を製造するにあたり、高い生産性が求められており、半導体装置の製造においては、硬化速度が速く生産時間が短縮できる封止用樹脂組成物、いわゆる速硬化性のある封止用樹脂組成物が強く望まれている。
このような背景から、本発明では、密着性が高く、装置の信頼性を向上させることができ、速硬化性のある封止用樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明によれば、以下の成分(A)、(B)および(C)を含むものであって、前記(B)一般式(1)で表されるアミノ基含有複素環化合物の含有量が、封止用樹脂組成物全体に対し、0.02〜1重量%含まれ、
前記(C)熱硬化性樹脂(ただし、成分(A)に該当するものは除く。)の含有量が、封止用樹脂組成物全体に対して2〜20重量%含む封止用樹脂組成物が提供される。
(A)マレイミド化合物
(B)一般式(1)で表されるアミノ基含有複素環化合物
(C)熱硬化性樹脂(ただし、成分(A)に該当するものを除く。)
Figure 2018154791
(式(1)中、Raは独立して水素原子、炭素数1以上12以下の有機基、水酸基、アミノ基またはカルボキシル基である。)
本発明によれば、
半導体素子と、
上記の封止用樹脂組成物の硬化物と、
を備える半導体装置が提供される。
また、本発明によれば、
配線基板と、
前記配線基板の少なくとも一面に搭載された複数の電子部品と、
上記の封止用樹脂組成物を硬化することにより形成され、かつ前記電子部品を封止する封止樹脂と、
を備える車載用電子制御ユニットが提供される。
本発明によれば、密着性が高く、装置の信頼性を向上させることができる速硬化性の封止用樹脂組成物を提供することができる。
本実施形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る車載用電子制御ユニットの一例を示す断面模式図である。
以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
まず、本実施形態に係る封止用樹脂組成物について説明する。
本実施形態の封止用樹脂組成物は、以下の(A)マレイミド化合物と、
(B)一般式(1)で表されるアミノ基含有複素環化合物と、
(C)熱硬化性樹脂(ただし、前記(A)マレイミド化合物は除く。)と、
を含む封止用樹脂組成物であって、前記(B)一般式(1)で表わされるアミノ基含有複素環化合物の含有量が、封止用樹脂組成物全体に対し、0.02〜1重量%含まれ、
前記(C)熱硬化性樹脂(ただし、前記(A)マレイミド化合物は除く。)の含有量が、封止用樹脂組成物全体に対して2〜20重量%含まれることを特徴とする。
Figure 2018154791
(式(1)中、Raは独立して水素原子、炭素数1以上12以下の有機基、水酸基、アミノ基またはカルボキシル基である。)
本実施形態の封止用樹脂組成物は、密着性が高く、装置としての信頼性を向上させることができる。また、速硬化性を示し、生産効率が高いことから、半導体素子を封止する用途あるいは配線基板を封止する用途に好ましく用いられる。
以下、本実施形態における封止用樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
((A)マレイミド化合物)
本実施形態の封止用樹脂組成物は、(A)マレイミド化合物を含む。
この(A)マレイミド化合物は、マレイミド基を2つ以上有する化合物である。
(A)マレイミド化合物は、たとえば下記式(2)に示す化合物を含むことができる。これにより、ガラス転移温度を高めることができ、封止材としての高温長期保管特性をより効果的に向上させることができる。
Figure 2018154791
(式(2)中、n1は0以上10以下の整数であり、X1はそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基、下記式(2a)で表される基、式「−SO2−」で表される基、「−CO−」で表される基、酸素原子または単結合であり、R1はそれぞれ独立に炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、aはそれぞれ独立に0以上4以下の整数であり、bはそれぞれ独立に0以上3以下の整数である。)
Figure 2018154791
(式(2a)中、Yは芳香族環を有する炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、n2は0以上の整数である。)
なお、本実施形態において、前述の式(2a)のn2の上限値は、たとえば20とすることができる。
また、(A)マレイミド化合物としては、たとえば、以下の化合物を好ましく用いることができる。
Figure 2018154791
本実施形態において、封止用樹脂組成物中における(A)マレイミド化合物の含有量は、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して、5質量%以上であることが好ましく、8質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがとくに好ましい。(A)マレイミド化合物の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止材としての耐熱性を効果的に向上させることができ、また、半導体装置等の耐湿信頼性や耐リフロー性を向上させることができる。
また、(A)マレイミド化合物の含有量は、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがとくに好ましい。(A)マレイミド化合物の含有量を上記上限値以下とすることにより、封止用樹脂組成物としての流動性を向上させることができる。
((B)アミノ基含有複素環化合物)
本実施形態の封止用樹脂組成物は、以下の一般式(1)で表されるアミノ基含有複素環化合物を含む。
Figure 2018154791
(式(1)中、Raは独立して水素原子、炭素数1以上12以下の有機基、水酸基、アミノ基またはカルボキシル基である。)
式(1)において、この複素環を構成する炭素原子のすべては、基「Ra」またはアミノ基で置換されている。
式(1)において、アミノ基が結合していることにより、金属や基板に対する封止材の密着性をより向上させることができる。
この理由は定かなものではないが、アミノ基(−NH2)と複素環を構成する炭素原子が直結することにより、アミノ基の備える窒素原子の非共有電子対からの複素環への電子の流れ込みがある。これに起因し、複素環上の電子密度を適切なものに調整することができることが考えられる。
また、式(1)において、Raを構成する炭素数1以上12以下の有機基としては、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基に代表されるアルキル基やフェニル基、トリル基のようなアリール基が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基に代表されるアルキル基が好ましく、メチル基であることがより好ましい。
また、一般式(1)で表されるアミノ基含有複素環化合物は入手容易性が高く、また、金属等への密着性が高いことから、本実施形態の封止用樹脂組成物に用いることができる。
本実施形態において、封止用樹脂組成物中における(B)アミノ基含有複素環化合物の含有量は、封止用樹脂組成物全体に対して、0.02質量%以上であり、0.04質量%以上であることがより好ましく、0.06質量%以上であることがとくに好ましい。(B)アミノ基含有複素環化合物の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止材としての密着性を効果的に向上させることができ、また、成形時の速硬化性があり、装置の耐湿信頼性や耐熱特性を向上させることができる。
また、(B)アミノ基含有複素環化合物の含有量は、封止用樹脂組成物全体に対して1質量%以下であり、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以下であることがとくに好ましい。(B)アミノ基含有複素環化合物の含有量を上記上限値以下とすることにより、封止用樹脂組成物としての硬化性を高くすることができる。
((C)熱硬化性樹脂)
本実施形態の封止用樹脂組成物は、前述の(A)マレイミド化合物以外にも熱硬化性樹脂を含む。
このような熱硬化性樹脂としては、エポキシ化合物(エポキシ樹脂)、ベンゾオキサジン化合物、フェノール樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、およびベンゾシクロブテン樹脂等が挙げられる。
上記の中でも、本実施形態においては、封止用樹脂組成物として、(C−1)エポキシ化合物を含ませることが好ましい。
これにより、樹脂組成物としての流動性と硬化性をバランスよく向上させることができる。
(C−1)エポキシ化合物としては、たとえばビフェニル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂から選択される一種類または二種類以上を含むことができる。
エポキシ化合物を含ませる場合、別途、硬化剤を含ませることができる。これにより、封止用樹脂組成物の硬化性を一段と向上させることができる。硬化剤としては、フェノール樹脂系硬化剤、アミン系硬化剤、および酸無水物系硬化剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。
なかでも、フェノール樹脂系硬化剤、およびアミン系硬化剤のうちの少なくとも一方を含むことが好ましく、フェノール樹脂系硬化剤を少なくとも含むことがとくに好ましい。
なお、本明細書中においては、この硬化剤もエポキシ化合物と架橋してネットワークを形成するため、この硬化剤そのものも「熱硬化性樹脂」の一部であるものとして扱う。
フェノール樹脂系硬化剤は、とくに限定されないが、たとえばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック等のノボラック型樹脂;ポリビニルフェノール;トリスメタンフェノール型樹脂等の多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物;レゾール型フェノール樹脂等から選択される一種または二種以上を含むことができる。
アミン系硬化剤は、とくに限定されないが、たとえばジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)等の脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)等の芳香族ポリアミン、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)などの3級アミン化合物、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含む他のアミン化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。
酸無水物系硬化剤としては、たとえばヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物から選択される一種または二種以上を含むことができる。
本実施形態において、封止用樹脂組成物中における(C)熱硬化性樹脂の含有量(ただし、(A)に該当するものを除く。)は、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して、2質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましく、6質量%以上であることがとくに好ましい。(C)熱硬化性樹脂の含有量を上記下限値以上とすることにより、樹脂組成物としての流動性と硬化性をバランスよく向上させることができる。
また、(C)熱硬化性樹脂の含有量(ただし、(A)に該当するものを除く。)は、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して20質量%以下であることが好ましく、18質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることがとくに好ましい。(C)熱硬化性樹脂の含有量を上記上限値以下とすることにより、封止用樹脂組成物としてのハンドリングを向上させることができる。
なお、この(C)熱硬化性樹脂の含有量に関し、エポキシ化合物を用いる場合は、このエポキシ化合物に対応する硬化剤も合算した値として定義することができる。
((D)無機充填材)
本実施形態の封止用樹脂組成物は、(D)無機充填材を含むことができる。これにより、封止用樹脂組成物から得られる封止材の剛性を一段と向上させることができる。
この(D)無機充填材は、たとえば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、シリカ、炭酸カルシウム、炭化ホウ素、クレー、マイカ、タルク、ワラストナイト、ガラスビーズ、ミルドカーボン、グラファイト等から選択される1種以上が用いられる。
この中でも、シリカを用いることが好ましく、溶融球状シリカ、溶融破砕シリカ、および結晶シリカから選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、封止用樹脂組成物の充填性や、封止材の高温長期保管特性等を向上させる観点からは、溶融球状シリカを含むことがより好ましい。
このシリカは、たとえばSiO2の含有量が99.8質量%以上であることが好ましい。このような純度の高いシリカを使用することによって、金属不純物等のイオン性不純物量を低減させつつ、良好な耐熱性や機械特性を有する封止材を実現することが容易となる。封止材の高温長期保管特性をより効果的に向上させる観点からは、シリカにおけるSiO2の含有量が99.9質量%以上であることが好ましい。
本実施形態において、封止用樹脂組成物中における(D)無機充填材の含有量は、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して、60質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがとくに好ましい。(D)無機充填材の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止材としての剛性を効果的に向上させることができる。
また、(D)無機充填材の含有量は、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して85質量%以下であることが好ましく、83質量%以下であることがより好ましく、80質量%以下であることがとくに好ましい。(D)無機充填材の含有量を上記上限値以下とすることにより、装置等の信頼性について一段と向上を図ることができる。
((E)硬化促進剤)
本実施形態の封止用樹脂組成物は、たとえば(E)硬化促進剤を含むことができる。(E)硬化促進剤は、(A)マレイミド化合物または(C)熱硬化性樹脂の硬化を促進させるものであればよい。
本実施形態において、(E)硬化促進剤は、たとえば有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、ベンジルジメチルアミン等が例示されるアミジンや3級アミン、前記アミジンやアミンの4級塩等の窒素原子含有化合物から選択される1種類または2種類以上を含むことができる。
本実施形態において、封止用樹脂組成物中における(E)硬化促進剤の含有量は、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、0.03質量%以上であることがより好ましく、0.05質量%以上であることがとくに好ましい。(E)硬化促進剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、樹脂組成物の硬化性を効果的に向上させることができる。
また、(E)硬化促進剤の含有量は、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがとくに好ましい。(E)硬化促進剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、封止用樹脂組成物のハンドリングを向上させることができる。
((F)シランカップリング剤)
本実施形態の封止用樹脂組成物は、たとえば(F)シランカップリング剤を含むことができる。
これにより、封止用樹脂組成物の密着性のさらなる向上を図ることができる。
(F)シランカップリング剤は、たとえば(F)シランカップリング剤により表面処理が施された(D)無機充填材を多成分と混合することにより封止用樹脂組成物中に含ませることができる。一方で、(D)無機充填材に対して上記表面処理を行わず、各成分とともに(F)シランカップリング剤をミキサー等へ投入し、これを混合することによって(F)シランカップリング剤を封止用樹脂組成物中に含ませてもよい。
(F)シランカップリング剤としては、たとえばエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン等の各種シラン系化合物を用いることができる。
これらを例示すると、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルーブチリデン)プロピルアミンの加水分解物等のシラン系カップリング剤が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、封止用樹脂組成物中における(F)シランカップリング剤の含有量は、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、0.03質量%以上であることがより好ましく、0.05質量%以上であることがとくに好ましい。(F)シランカップリング剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、樹脂組成物の流動性と密着性を効果的に向上させることができる。
また、(F)シランカップリング剤の含有量は、たとえば封止用樹脂組成物全体に対して5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがとくに好ましい。(F)シランカップリング剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、封止用樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。
(他の成分)
本実施形態の封止用樹脂組成物には、さらに必要に応じて、ハイドロタルサイト類および多価金属酸性塩等の無機イオン交換体に例示されるイオン捕捉剤;シリコーンゴム等の低応力材;カルナバワックス等の天然ワックス、合成ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等の離型剤;カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、ホスファゼン等の難燃剤;酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合してもよい。これらの配合量は任意である。
本実施形態の封止用樹脂組成物は、たとえば前述の各成分を、公知の手段で混合し、さらにロール、ニーダーまたは押出機等の混練機で溶融混練し、冷却した後に粉砕することで得ることができる。さらには、これらをタブレット状に打錠成形したものを封止用樹脂組成物として用いることもできる。
このような打錠成形した組成物とすることにより、トランスファー成形、射出成形、および圧縮成形等の公知の成型方法を用いて封止成形することが容易となる。
本実施形態の封止用樹脂組成物は以下の特性を満たすことが好ましい。
すなわち、本実施形態の封止用樹脂組成物を175℃、180秒の条件で硬化させた硬化物のガラス転移温度は、250℃以上であることが好ましく、255℃以上であることがより好ましく、260℃以上であることがさらに好ましい。
このようにすることで、装置としての耐熱性を向上させ、信頼性を一段と向上させることができる。
また、この封止用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度は、とくに限定されないが、たとえば350℃以下である。
また、本実施形態の封止用樹脂組成物を、銅板上で175℃、180秒の条件で硬化させた硬化物を得た際に、銅板と硬化物とのダイシェア強度DS1が8MPa以上となることが好ましく、このダイシェア強度DS1が8.5MPa以上となることがより好ましく、9MPa以上となることがさらに好ましい。
このように設定することで、装置を構成する金属部材等との密着性が向上され、装置の信頼性を一段と向上させることができる。
このダイシェア強度DS1の上限値は特に限定されないが、たとえば、30MPa以下である。
なお、このダイシェア強度DS1は、たとえば以下のようにして測定することができる。
すなわち、低圧トランスファー成形機(山城精機社製、「AV−600−50−TF」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力10MPa、硬化時間180秒の条件で、9×29mmの短冊状の試験用銅リードフレーム上に3.6mmφ×3mmの密着強度試験片を10個成形する。この試験片について、自動ダイシェア測定装置(ノードソン・アドバンスド・テクノロジー社製、DAGE4000型)を用いて、室温にてダイシェア強度を測定する。
また、本実施形態の封止用樹脂組成物を、銅板上で175℃、180秒の条件で硬化させた硬化物を得、さらに、250℃で3時間加熱した際、銅板と硬化物とのダイシェア強度DS2が6MPa以上となることが好ましく、このダイシェア強度DS2が7MPa以上となることがより好ましく、8MPa以上となることがさらに好ましい。
このように設定することで、たとえば、半導体装置として発熱の大きい素子を用いた場合や、より高温条件に曝される装置を作製する場合であっても、一段と高い信頼性を確保することができる。
このダイシェア強度DS2の上限値は特に限定されないが、たとえば、30MPa以下である。
なお、このダイシェア強度DS2は、前述のダイシェア強度DS1の測定における密着強度試験片を成形した後に、250℃3時間の条件で硬化したサンプルについて、室温にてダイシェア強度を測定することで求めることができる。
また、本実施形態の封止用樹脂組成物は、175℃における測定開始後200秒のキュラストトルク値が200kgf/cm以上であることが好ましく、220kgf/cm以上であることがより好ましい。
このように設定することにより、硬化速度に長けた樹脂組成物を実現することができる。
以上のような特性は、本実施形態の封止用樹脂組成物を構成する各成分の種類、配合量を適切に調整することに達成することができる。
次に、半導体装置について説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体装置100の一例を示す断面図である。本実施形態に係る半導体装置100は、基板30上に搭載された半導体素子20と、半導体素子20を封止する封止材50と、を備えている。半導体素子20は、たとえば、SiC、GaN、Ga23、またはダイヤモンドにより形成されたパワー半導体素子である。また、封止材50は、本実施形態に係る半導体封止用樹脂組成物を硬化して得られる硬化物により構成されている。
本実施形態に係る半導体装置100において、半導体素子20は、上述したようにSiC、GaN、Ga23、またはダイヤモンドにより形成されたパワー半導体素子であり、200℃以上という高温で動作することができる。このような高温環境での長時間使用においても、本実施形態に係る半導体封止用樹脂組成物を用いて形成した封止材50は、十分な密着性を示すことができる。このため、半導体装置100の信頼性を向上させることが可能となる。なお、半導体素子20は、たとえば入力電力が1.7W以上であるパワー半導体素子とすることができる。
図1においては、基板30が回路基板である場合が例示されている。この場合、図1に示すように、基板30のうちの半導体素子20を搭載する一面とは反対側の他面には、たとえば複数の半田ボール60が形成される。半導体素子20は、たとえば基板30上に搭載され、かつワイヤ40を介して基板30と電気的に接続される。一方で、半導体素子20は、基板30に対してフリップチップ実装されていてもよい。
ここで、ワイヤ40は、たとえば銅で構成される。
封止材50は、たとえば半導体素子20のうちの基板30と対向する一面とは反対側の他面を覆うように半導体素子20を封止する。図1に示す例においては、半導体素子20の上記他面と側面を覆うように封止材50が形成されている。封止材50は、たとえば半導体封止用樹脂組成物をトランスファー成形法または圧縮成形法等の公知の方法を用いて封止成形することにより形成することができる。
図2は、本実施形態に係る半導体装置100の一例を示す断面図であって、図1とは異なる例を示すものである。図2に示す半導体装置100は、基板30としてリードフレームを使用している。この場合、半導体素子20は、たとえば基板30のうちのダイパッド32上に搭載され、かつワイヤ40を介してアウターリード34へ電気的に接続される。半導体素子20は、図1に示す例と同様に、SiC、GaN、Ga23、またはダイヤモンドにより形成されたパワー半導体素子である。また、封止材50は、図1に示す例と同様にして、本実施形態に係る半導体封止用樹脂組成物を用いて形成される。
次に、車載用電子制御ユニット10の製造方法について図3に基づいて説明する。
本実施形態に係る車載用電子制御ユニット10は、たとえば以下のように作製される。まず、配線基板12の少なくとも一面上に複数の電子部品16を搭載する。次いで、複数の電子部品16を、封止用樹脂組成物を用いて封止成形する。封止用樹脂組成物としては、上記に例示したものを用いることができる。
以下、車載用電子制御ユニット10の製造方法について詳述する。
まず、配線基板12の少なくとも一面上に複数の電子部品16を搭載する。本実施形態においては、たとえば複数の電子部品16を、配線基板12の一面と、当該一面とは反対の他面と、のそれぞれに搭載することができる。これにより、図3に示すような、配線基板12の両面に電子部品16が搭載された車載用電子制御ユニット10を形成することが可能となる。一方で、配線基板12の一面のみに電子部品16を搭載し、他面には電子部品16が搭載されなくともよい。なお、配線基板12および電子部品16としては、本技術分野において通常用いられるものを適用することができる。
なお、配線基板12は、図3に示すように、配線基板12は、たとえば平板状の形状を有している。本実施形態においては、たとえばポリイミド等の有機材料により形成された有機基板を配線基板12として採用することができる。配線基板12は、たとえば配線基板12を貫通して一面と他面を接続するスルーホール120を有していてもよい。この場合、配線基板12のうちの一面に設けられた配線と、他面に設けられた配線と、がスルーホール120内に設けられた導体パターンを介して電気的に接続される。
次に、複数の電子部品16を、封止用樹脂組成物を用いて封止成形する。これにより、電子部品16を封止する封止樹脂14が形成されることとなる。本実施形態においては、たとえば電子部品16とともに配線基板12を封止するように封止用樹脂組成物の成形が行われる。図3に例示される車載用電子制御ユニット10は、たとえば配線基板12の一面および他面、ならびに配線基板12に搭載された電子部品16を封止用樹脂組成物によって封止成形することにより得ることができる。また、本実施形態においては、複数の電子部品16とともに配線基板12の一部または全部が封止用樹脂組成物を用いて封止される。図3に例示される車載用電子制御ユニット10は、たとえば接続端子18が露出するように、配線基板12のうちの接続端子18を封止せずに他の部分全体を封止するように封止用樹脂組成物の成形を行うことにより得られる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
次に、本発明の実施例について説明する。
(封止用樹脂組成物の調製)
各実施例、および各比較例のそれぞれについて、以下のように封止用樹脂組成物を調製した。
まず、無機充填材1に対して、表1に示す配合量のシランカップリング剤1により表面処理を施した。
次いで、表1に示す配合に従い、各成分をミキサーにより混合した。次いで、得られた混合物をロール混練した後、冷却、粉砕して粉粒体である封止用樹脂組成物を得た。表1中における各成分の詳細は下記のとおりである。また、表1中に示す各成分の配合割合は、樹脂組成物全体に対する配合割合(質量%)を示している。
(A)マレイミド化合物
マレイミド化合物1:下記式(3)に示すマレイミド基を二つ以上有する化合物(大和化成工業株式会社製「BMI−2300」)
Figure 2018154791
(B)アミノ基含有複素環化合物
複素環化合物1:2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン(東京化成株式会社製「D2227」)
(C)熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂1:ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製「NC−3000L」)
熱硬化性樹脂2:トリスメタンフェノール型樹脂(明和化成株式会社製「MEH−7500」)
(その他硬化剤)
フェノール樹脂系硬化剤:4,4'−ジアミノジフェニルスルホン(東京化成株式会社製「D0089」)
(D)無機充填材
無機充填材:溶融球状シリカ(平均粒径:15μm)
(E)硬化促進剤
硬化促進剤:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製「2PZ−PW」)
(F)シランカップリング剤
シランカップリング剤1:フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製「CF−4083」)
カーボンブラック:三菱化学株式会社製カーボンブラック#5
なお、得られた封止用樹脂組成物は以下の項目に基づき、評価を行った。
(ダイシェア強度1)
低圧トランスファー成形機(山城精機社製、「AV−600−50−TF」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力10MPa、硬化時間180秒の条件で、9×29mmの短冊状の試験用銅リードフレーム上に3.6mmφ×3mmの密着強度試験片を1水準当たり10個成形した。続いて、自動ダイシェア測定装置(ノードソン・アドバンスド・テクノロジー社製、DAGE4000型)を用いて、室温にて試験片とフレームとのダイシェア強度を測定した。10個の試験片のダイシェア強度の平均値を表1に示す。
(ダイシェア強度2)
低圧トランスファー成形機(山城精機社製、「AV−600−50−TF」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力10MPa、硬化時間180秒の条件で、9×29mmの短冊状の試験用銅リードフレーム上に3.6mmφ×3mmの密着強度試験片を1水準当たり10個成形した。250℃で3時間硬化させた後、自動ダイシェア測定装置(ノードソン・アドバンスド・テクノロジー社製、DAGE4000型)を用いて、室温にて試験片とフレームとのせん断強度を室温測定した。10個の試験片のダイシェア強度の平均値を表1に示す。
(キュラストトルク)
キュラストメータ(株式会社オリエンテック製、JSRキュラストメータIVPS型)を用い、金型温度175℃、加熱開始200秒後のトルクを求めた。表1には、単位をkgf/cmとしてこの値を示した。
(ガラス転移温度)
各実施例および各比較例について、得られた封止用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を、次のように測定した。
前述の(ダイシェア強度1)の試験で用いた硬化物について、熱機械分析装置(セイコー電子工業(株)製、TMA100)を用いて、測定温度範囲0℃〜320℃、昇温速度5℃/分の条件下で測定を行い、ガラス転移温度を得た。
表1中におけるガラス転移温度の単位は℃である。
(温度サイクル試験)
低圧トランスファー成形機(アピックヤマダ社製「MSL−06M」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力10MPa、硬化時間180秒でTO−220(パッケージサイズは114mm×30mm、厚み1.3mm、チップは未搭載、リードフレームはCu製)を成形し、250℃で3時間硬化させることでテスト用の半導体装置を作製した。封止したテスト用半導体装置を、−40℃〜250℃で3サイクル繰り返し、パッケージクラックや部材間剥離の有無を判定した(不良数/サンプル数)。
結果を以下の表1にまとめる。
Figure 2018154791



表1に示されるように、アミノ基含有複素環化合物を用いた各実施例の封止用樹脂組成物は、半導体装置に適用した際に、温度サイクル試験および硬化速度(キュラストトルク)において良好な結果を与えた。
一方、アミノ基含有複素環化合物の添加量が規程の範囲外である比較例1、2および3、また、熱硬化性樹脂(ただし、成分(A)に該当するものを除く。)の含有量が規程の範囲外である比較例4および5においては、各実施例に比較して温度サイクル試験の結果および硬化速度の結果に劣った。また、アミノ基含有複素環化合物の添加量が規程の範囲外である比較例3においては、温度サイクル試験の結果に劣った。
以上のことから、アミノ基含有複素環化合物を用いて封止用樹脂組成物を得ることにより、これを適用した装置は高い生産性で製造することができ、さらには、装置の信頼性を向上させることができるといえる。



10 車載用電子制御ユニット
12 配線基板
14 封止樹脂
16 電子部品
18 接続端子
20 半導体素子
30 基板
32 ダイパッド
34 アウターリード
40 ワイヤ
50 封止材
60 半田ボール
100 半導体装置
120 スルーホール

Claims (8)

  1. (A)マレイミド化合物と、
    (B)一般式(1)で表されるアミノ基含有複素環化合物と、
    (C)熱硬化性樹脂(ただし、前記(A)マレイミド化合物は除く。)と、
    を含む封止用樹脂組成物であって、
    前記(B)一般式(1)で表わされるアミノ基含有複素環化合物の含有量が、封止用樹脂組成物全体に対し、0.02〜1重量%含まれ、
    前記(C)熱硬化性樹脂(ただし、前記(A)マレイミド化合物は除く。)の含有量が、封止用樹脂組成物全体に対して2〜20重量%含まれることを特徴とする封止用樹脂組成物。
    Figure 2018154791
    (式(1)中、Raは独立して水素原子、炭素数1以上12以下の有機基、水酸基、アミノ基またはカルボキシル基である。)
  2. 請求項1に記載の封止用樹脂組成物であって、前記(A)マレイミド化合物は下記式(2)により示されるマレイミド化合物である、封止用樹脂組成物。
    Figure 2018154791

    (式(2)中、n1は0以上10以下の整数であり、X1はそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基、下記式(2a)で表される基、式「−SO2−」で表される基、「−CO−」で表される基、酸素原子または単結合であり、R1はそれぞれ独立に炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、aはそれぞれ独立に0以上4以下の整数であり、bはそれぞれ独立に0以上3以下の整数である。)
    Figure 2018154791
    (式(2a)中、Yは芳香族環を有する炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、n2は0以上の整数である。)
  3. 請求項1又は2に記載の封止用樹脂組成物であって、前記(C)熱硬化性樹脂は、エポキシ化合物を含む、封止用樹脂組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物であって、
    さらに(D)無機充填材を含む、封止用樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物であって、
    前記封止用樹脂組成物を175℃、180秒の条件で硬化させた硬化物のガラス転移温度が、250℃以上350℃以下である、封止用樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物であって、
    前記封止用樹脂組成物を、銅板上で175℃、180秒の条件で硬化させた硬化物を得た際に、前記銅板と前記硬化物とのダイシェア強度DS1が8MPa以上となる、封止用樹脂組成物。
  7. 半導体素子と、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物と、を備える半導体装置。
  8. 配線基板と、前記配線基板の少なくとも一面に搭載された複数の電子部品と、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の封止用樹脂組成物を硬化することにより形成され、かつ前記電子部品を封止する封止樹脂と、を備える車載用電子制御ユニット。
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