JP2019026715A - 一括封止用エポキシ樹脂組成物、電子装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化および強度のバランスに優れる電子装置を提供する。【解決手段】配線基板と、配線基板の少なくとも一方の面に実装される複数の電子部品と、複数の電子部品および配線基板を一括封止する封止材と、を備える電子装置を構成する封止材の形成に用いられる封止用エポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、硬化剤(B)と、無機充填材(C)と、を含み、無機充填材(C)が中空無機粒子を含む、一括封止用エポキシ樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、一括封止用エポキシ樹脂組成物、電子装置およびその製造方法に関する。
半導体パッケージ等の電子装置において、半導体素子を一括封止する技術として、特許文献1(特開2015−53341号公報)に記載のものがある。同文献には、基板の半導体素子搭載面、あるいはウエハの半導体素子形成面を一括封止するための封止材積層複合体が硬化又は半硬化の支持基材用樹脂からなる支持基材と、支持基材の片面上に形成された未硬化の熱硬化性樹脂からなる未硬化樹脂層とを有するものであり、支持基材用樹脂が無機中空フィラー又は熱により膨張可能な未膨張の、あるいは既膨張の有機樹脂製微小中空フィラーを含有することが記載されている。そして、このような構成とすることにより、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面あるいは半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面をウエハレベルで一括封止でき、大径や薄型のウエハや金属等の大径基板を封止した場合であっても、基板やウエハの反り、基板からの半導体素子の剥離を抑制でき、かつ封止後には支持基材を容易に除去可能であり、耐熱性や耐湿性等の封止性能に優れた封止材積層複合体を提供することができるとされている。
特開2015−53341号公報
近年では、半導体パッケージの薄型化または軽量化に伴い、封止樹脂層についても軽量化が求められる。
この点、上述した特許文献1に記載の技術について本発明者が検討したところ、封止樹脂層を軽量化しつつ充分な強度を担保するという点で改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、軽量化および強度のバランスに優れる電子装置を実現するための技術を提供する。
本発明によれば、
配線基板と、
前記配線基板の少なくとも一方の面に実装される複数の電子部品と、
複数の前記電子部品および前記配線基板を一括封止する封止材と、
を備える電子装置
を構成する前記封止材の形成に用いられる封止用エポキシ樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
無機充填材(C)と、
を含み、
前記無機充填材(C)が中空無機粒子を含む、一括封止用エポキシ樹脂組成物が提供される。
本発明によれば、
配線基板と、
前記配線基板の少なくとも一方の面に、前記配線基板との間にギャップを有する形態で実装される複数の電子部品と、
前記ギャップ、複数の前記電子部品、および前記配線基板を一括封止する封止材と、
を備え、
前記封止材は、前記本発明における一括封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物であり、前記ギャップには前記硬化物が充填されている、電子装置が提供される。
また、本発明によれば、
複数の電子部品を配線基板の少なくとも一方の面に実装する実装工程と、
前記本発明における一括封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、前記複数の電子部品と前記配線基板との間に形成されたギャップ、複数の前記電子部品、および前記配線基板を一括封止する封止工程と、
を含む、電子装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、軽量化および強度のバランスに優れる電子装置を提供することができる。
本実施形態における電子装置の構成を示す断面図である。 本実施形態における電子装置の構成を示す断面図である。 本実施形態における電子装置の構成を示す断面図である。
以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは必ずしも一致していない。また、数値範囲の「A〜B」は断りがなければ、「A以上B以下」を表す。
また、本明細書中、以下、一括封止用エポキシ樹脂組成物を単に封止用エポキシ樹脂組成物とも呼ぶ。
(電子装置)
図1は、本発明における実施形態の電子装置100の構成の一例を示す断面図である。図2は、本発明における実施形態の電子装置100の構成の一例を示す断面図である。図3は、図1に示す領域Aの断面拡大図である。なお、図1および図2は電子装置100を示す模式図であり、本実施形態における電子装置100の構成は図1および図2に示すものに限られない。
電子装置100は、配線基板101と、配線基板101の少なくとも一方の面110に実装される複数の電子部品105と、複数の電子部品105および配線基板101を一括封止する封止材107と、を備える。
そして、本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物は、電子装置100を構成する封止材107の形成に用いられる封止用エポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、硬化剤(B)と、無機充填材(C)と、を含み、無機充填材(C)が中空無機粒子を含む。
電子装置100において、電子部品105は、好ましくは配線基板101との間にギャップ103を有する形態で実装される。このとき、封止材107は、ギャップ103(高さW)、複数の電子部品105および配線基板101を一括封止する。ギャップ103には本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物である封止材107が充填されている。
なお、図1〜図3において、ギャップ103に封止材107が100%充填されている態様を示しているが、実際にはギャップ103の一部に封止材107が充填されていればよく、100%充填されている構成に限定されない。
電子装置100は、たとえばエレクトロニックコントロールユニット(ECU)に用いられ、好ましくはエンジンコントロールユニットに用いられる。さらに具体的には、電子装置100は、ハイブリッド車、燃料電池車および電気自動車などの自動車に搭載するエレクトロニックコントロールユニット、さらに具体的にはエンジンコントロールユニットであってもよい。
配線基板101に実装される電子部品105としては、たとえば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子、セラミックコンデンサ、チップ抵抗、マイクロコンピュータなどが挙げられる。
また、実装される電子部品105のパッケージについては、複数の電子部品105の少なくとも一つはQFP(Quad Flat Package)型であってもよい。
配線基板101は、少なくとも1層以上(たとえば4層)の配線層を有しており、その大きさは、たとえば、1.6mmt(厚さ)×60mm×60mmである。
配線基板101としては、たとえば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂にガラス繊維や無機フィラー等を配合した樹脂プリント基板(ガラスエポキシ(FR4)基板など)、ポリイミドまたは液晶ポリマーからなるフレキシブル基板、セラミック基板、金属基板などが用いられる。
配線基板101の厚みは、たとえば、1.0mm以上3.0mm以下である。
本実施形態において、電子装置100は、図2に示すように、配線基板101の少なくとも一方の面110に外部機器と電気的に接続する外部接続部品109がさらに実装されていてもよい。このとき、封止材107は、外部接続部品109の少なくとも一部をさらに一括封止していることが好ましい。これにより、外部接続部品109の接続信頼性を向上できる。
外部接続部品109の材料としては、たとえば、錫、金、ニッケル、亜鉛等でめっきが施された銅、鉄、あるいはそれらの合金が用いられる。
本実施形態における電子装置100においては、封止材107により、ギャップ103、複数の電子部品105、および配線基板101が一括封止されている。これにより、電子部品105と配線基板101との接着性が向上し、冷熱サイクル時に配線基板101から電子部品105が剥離してしまうのを抑制できる。その結果、電子装置100の長期信頼性を向上できる。
また、本実施形態における電子装置100は、ギャップ103の体積をaとし、ギャップに充填された本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物(封止材107)の占有体積をbとしたとき、(b/a×100)で算出される上記硬化物の充填率をたとえば以下のようにすることができる。すなわち、上記充填率は、好ましくは5%以上であり、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%である。こうすることにより、電子部品105と配線基板101との接着性が向上し、これらの剥がれやクラックの発生を抑制することができる。
また、上記充填率は、好ましくは95%以下であり、より好ましくは90%以下、さらに好ましくは85%以下である。こうすれば、電子装置100を軽量化しつつ、電子部品105と配線基板101との接着性を向上させて、冷熱サイクル時に配線基板101から電子部品105が剥離してしまうのを抑制できる。
ここで、上記硬化物の充填率は、たとえば、封止用エポキシ樹脂組成物の粘度を調整することにより調整することができる。
また、上記硬化物の充填率は、超音波探査装置(SAT)の透過法や、断面研磨サンプルの観察により測定することができる。中でも超音波探査装置(SAT)の透過法は、非破壊で測定できる点で好ましい。
次に、電子装置100の製造方法を説明する。
本実施形態において、電子装置100の製造方法は、複数の電子部品105を配線基板101の少なくとも一方の面110に実装する実装工程と、本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、複数の電子部品105と配線基板101との間に形成されたギャップ103、複数の電子部品105、および配線基板101を一括封止する封止工程と、を含む。
まず、配線基板101の少なくとも一方の面110に複数の電子部品105を実装する。
たとえば、複数の電子部品105は、Sn/Pb共晶はんだ、Sn/Ag/Cu系鉛フリーはんだ等を用い、配線基板101を200〜260℃のリフロー炉内を通過させることにより、配線基板101の両面、あるいは片面に実装される。
また、配線基板101の少なくとも一方の面110に、外部機器と電気的に接続する外部接続部品109を実装する工程をさらに含んでもよい。外部接続部品109は、たとえば、はんだ付け、あるいはプレスフィット等の方法で配線基板101に実装される。
次に、本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、複数の電子部品105と配線基板101との間に形成されたギャップ、複数の電子部品105、配線基板101および必要に応じて外部接続部品109を一括封止する。
一括封止する封止工程では、たとえば、本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物を用いたトランスファー成形により一括封止することができる。
つづいて、本実施形態におけるトランスファー成形について説明する。
本実施形態におけるトランスファー成形は、たとえば、金型およびプランジャを用いて樹脂封止をおこなう。金型により封止用エポキシ樹脂組成物の充填空間が画定される。金型に電子部品105を実装した配線基板101を配置し、封止用エポキシ樹脂組成物を充填することにより樹脂封止をおこなう。
具体的には、まず、電子部品105を実装した配線基板101を、予め定めた温度(たとえば、150〜190℃)にした金型内に配置する。次に、プランジャにより封止用エポキシ樹脂組成物を予め定めた成形圧力(たとえば、3〜10MPa)で金型内(充填空間)に注入充填し、たとえば、60〜150秒間の樹脂封止成形をおこなう。その後、必要に応じて硬化処理(たとえば、150〜190℃、2〜6時間)をおこなう。これにより、電子装置100が得られる。
本実施形態の電子装置100は、たとえば、ハイブリッド車、燃料電池車および電気自動車などの自動車に搭載することができる。
次に、本実施形態における一括封止用エポキシ樹脂組成物について、詳細に説明する。
(一括封止用エポキシ樹脂組成物)
本実施形態において、一括封止用エポキシ樹脂組成物は、一括封止に用いられるエポキシ樹脂組成物であり、電子装置100を構成する封止材107の形成に用いられ、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、硬化剤(B)と、無機充填材(C)と、を含む。以下、各成分について説明する。
(熱硬化性樹脂(A))
熱硬化性樹脂(A)は、硬化性、保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、および耐薬品性に優れる観点から、エポキシ樹脂(A1)を含む。また、熱硬化性樹脂(A)に含まれる他の樹脂の具体例として、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、またはマレイミド樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂(A1)としては、一分子中にエポキシ基を2個以上有するものであれば分子量や構造は限定されるものではない。
エポキシ樹脂(A1)としては、たとえばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、ジアミノジフェニルメタン型グリシジルアミン、アミノフェノール型グリシジルアミンのような芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂;トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂;アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂;ナフトール型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂;フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、またはビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシド、アリサイクリックジエポキシ−アジペイド等の脂環式エポキシ等の脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂(A)は1種のエポキシ樹脂を含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
エポキシ樹脂(A1)としては、芳香族環にグリシジルエーテル構造またはグリシジルアミン構造が結合した構造を含むものが、耐熱性、機械特性、および耐湿性の観点から好ましい。
また、フェノール樹脂としては、たとえばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。
本実施形態において、封止用エポキシ樹脂組成物中の熱硬化性樹脂(A)の含有量は、硬化性、硬化物の耐熱性および耐湿性を向上させる観点から、封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは7質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である。
また、封止用エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂(A1)の含有量は、硬化性、保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、および耐薬品性を向上させる観点から、熱硬化性樹脂(A)100質量%に対して、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、また、100質量%以下である。
(硬化剤(B))
硬化剤(B)は、熱硬化性樹脂(A)に含まれるエポキシ樹脂(A1)を三次元架橋させるために用いられるものである。硬化剤(B)の具体例としては、ナフテン酸コバルト等のナフテン酸塩、またはフェノール樹脂が挙げられる。
このうち、フェノール樹脂硬化剤は、一分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を限定するものではない。
フェノール樹脂硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;トリフェノールメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格および/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物;ヒドロキシベンズアルデヒドとホルムアルデヒドとフェノールの反応生成物を主とするフェノール樹脂;下記一般式(12A)で表されるフェノール樹脂等が挙げられる。
Figure 2019026715
(上記一般式(12A)中、2つのYは、それぞれ互いに独立して、下記式(12B)または下記式(12C)で表されるヒドロキシフェニル基を表し、Xは、下記式(12D)または下記式(12E)で表されるヒドロキシフェニレン基を表す。)
Figure 2019026715
これらは、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、ノボラック型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトール型フェノール樹脂、およびヒドロキシベンズアルデヒドとホルムアルデヒドとフェノールの反応生成物を主とするフェノール樹脂からなる群から選択される1種または2種以上を含むことが好ましい。このようなフェノール樹脂硬化剤を用いることにより、耐燃性、耐湿性、電気特性、硬化性、および保存安定性等のバランスが良好となる。また、好ましい硬化性を得る観点から、フェノール樹脂硬化剤の水酸基当量は、たとえば90g/eq以上250g/eq以下とすることができる。
さらに、フェノール樹脂硬化剤と併用できる硬化剤としては、たとえば重付加型の硬化剤、触媒型の硬化剤、縮合型の硬化剤等を挙げることができる。
重付加型の硬化剤の具体例として、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレンジアミン(MXDA)等の脂肪族ポリアミン;ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)等の芳香族ポリアミン;ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジド等を含むポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物;無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物などを含む酸無水物;ノボラック型フェノール樹脂、フェノールポリマー等のポリフェノール化合物;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテル等のポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネート等のイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂等の有機酸類等が挙げられる。
触媒型の硬化剤の具体例として、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)等の3級アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)等のイミダゾール化合物;BF3錯体等のルイス酸等が挙げられる。
縮合型の硬化剤の具体例として、レゾール樹脂、メチロール基含有尿素樹脂のような尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂のようなメラミン樹脂等が挙げられる。
フェノール樹脂硬化剤とこのような他の硬化剤とを併用する場合において、フェノール樹脂硬化剤の含有量は、耐燃性を保持しつつ、良好な流動性を発現させる観点から、全硬化剤(B)に対して、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。また、良好な硬化性を得る観点から、フェノール樹脂硬化剤の含有量は、好ましくは全硬化剤(B)に対して、たとえば100質量%以下であり、好ましくは80質量%以下である。
封止用エポキシ樹脂組成物に対する硬化剤(B)の含有量は、良好な硬化性を得る観点から、封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、好ましくは0.8質量%以上であり、より好ましくは1.5質量%以上であり、また、好ましくは12質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である。
なお、硬化剤(B)としてのフェノール樹脂と熱硬化性樹脂(A)としてのエポキシ樹脂(A1)とは、得られる封止用エポキシ樹脂組成物を成形する際、十分な硬化特性を得る観点から、全熱硬化性樹脂(A)中のエポキシ基数(EP)と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基数(OH)との当量比((EP)/(OH))が、0.8以上1.3以下となるように配合されることが好ましい。ただし、エポキシ樹脂と反応し得るフェノール樹脂以外の樹脂を併用する場合は、適宜当量比を調整すればよい。
(無機充填材(C))
無機充填材(C)としては、たとえば溶融破砕シリカおよび溶融球状シリカ等の溶融シリカ、結晶シリカ、球状シリカ等のシリカ粒子;ソーダ石灰ホウ珪酸ガラス質、アルミナ、カオリン、タルク、クレイ、マイカ、ロックウール、ウォラストナイト、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスファイバー、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミ、カーボンブラック、グラファイト、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム等のシリカ以外の無機材料の粒子;セルロース、アラミド、木材、フェノール樹脂成形材料やエポキシ樹脂成形材料の硬化物を粉砕した粉砕粉等が挙げられる。これらの中でも、球状シリカ、溶融球状シリカおよびソーダ石灰ホウ珪酸ガラス質からなる群から選択される1種以上が好ましい。
無機充填材(C)の比重は、電子装置100の強度を高める観点から、好ましくは0.4g/cm3以上であり、より好ましくは0.8g/cm3以上である。また、電子装置100を軽量化する観点から、無機充填材(C)の比重は、好ましくは2.1g/cm3以下であり、より好ましくは1.8g/cm3以下、さらに好ましくは1.5g/cm3以下である。
無機充填材(C)のレーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準粒度分布における平均粒子径d50は、ギャップ103の充填性を向上させる観点から、好ましくは0.01μm以上であり、より好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは1μm以上であり、また、好ましくは75μm以下であり、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。ここで、平均粒子径d50は、レーザー回折型測定装置RODOS SR型(SYMPATEC HEROS&RODOS)での体積換算平均粒子径である。
また、本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物において、無機充填材(C)は、平均粒子径d50が異なる2種以上を含むことができる。これにより、流動性および充填性の向上とバリ抑制の両立が可能となる。
また、無機充填材(C)がシリカ粒子を含むとき、あらかじめ乾燥させてシリカ粒子表面に付着した水分を除去しておくことが好ましい。シリカ粒子の表面に付着した水分を取り除いておくと、後述するカップリング剤処理の際、粒子表面にカップリング剤を均一に結合させることができる。
無機充填材(C)の含有量は、得られる封止用エポキシ樹脂組成物の硬化に伴う吸湿量の増加や、強度の低下を低減する観点から、封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、たとえば30質量%以上であり、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
また、無機充填材(C)の含有量は、封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、好ましくは85質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下であり、さらに好ましくは75質量%以下であり、さらにまた好ましくは65質量%以下である。こうすると、得られる封止用エポキシ樹脂組成物は良好な流動性を有するとともに、良好な成形性を備える。したがって、電子装置100の製造安定性が高まり、歩留まりおよび長期信頼性のバランスに優れた電子装置100が得られる。
無機充填材(C)全体に対する中空無機粒子の含有率は、電子装置100の軽量化の観点から、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、さらにより好ましくは50質量%以上である。また、無機充填材(C)全体に対する中空無機粒子の含有率は100質量%以下であり、電子装置100の強度を高める観点からは、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。
(その他の成分)
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤は、エポキシ樹脂(A1)のエポキシ基と硬化剤(B)の水酸基との反応を促進するものであればよく、一般に使用される硬化促進剤を用いることができる。
硬化促進剤の具体例としては、有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、イミダゾールなどのアミジン系化合物、ベンジルジメチルアミンなどの3級アミンや上記化合物の4級オニウム塩であるアミジニウム塩、アンモニウム塩などに代表される窒素原子含有化合物が挙げられる。
これらのうち、硬化性の観点からはリン原子含有化合物が好ましく、流動性と硬化性のバランスの観点からは、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等の潜伏性を有する硬化促進剤がより好ましい。流動性という点を考慮するとテトラ置換ホスホニウム化合物がことさら好ましく、また耐半田性の観点では、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物がことさら好ましく、また潜伏的硬化性という点を考慮すると、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物がことさら好ましい。また、連続成形性の観点では、テトラ置換ホスホニウム化合物が好ましい。また、コスト面を考えると、有機ホスフィン、窒素原子含有化合物も好適に用いられる。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物で用いることができる有機ホスフィンとしては、たとえばエチルホスフィン、フェニルホスフィン等の第1ホスフィン;ジメチルホスフィン、ジフェニルホスフィン等の第2ホスフィン;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の第3ホスフィンが挙げられ、好ましくは第3ホスフィンであり、より好ましくはトリメチルホスフィンである。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物に用いることができる硬化促進剤の含有量は、充分な硬化性を得る観点から、封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上である。
また、充分な流動性を得る観点から、硬化促進剤の含有量は、封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。
また、封止用エポキシ樹脂組成物はさらにカップリング剤を含んでもよい。たとえば、無機充填材(C)には、予めカップリング剤による表面処理がおこなわれていてもよい。これにより、無機充填材の凝集を抑制し、良好な流動性を得ることができる。したがって、ギャップ103への封止用エポキシ樹脂組成物の充填性を向上させることが可能となる。
また、樹脂成分との親和性が高まるため、封止用エポキシ樹脂組成物を用いて形成される封止材107の強度を向上させることができる。
カップリング剤としては、たとえばエポキシシラン、アミノシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
エポキシシランとしては、たとえばγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
アミノシランとしては、たとえばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどの1級アミノシラン;N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−6−(アミノヘキシル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−(トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ベンゼンジメタナンなどの2級アミノシランが挙げられる。
また、アミノシランの1級アミノ部位をケトンまたはアルデヒドを反応させて保護した潜在性アミノシランカップリング剤として用いてもよい。
ウレイドシランとしては、たとえばγ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられる。
メルカプトシランとしては、たとえばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランのほか、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドのような熱分解することによってメルカプトシランカップリング剤と同様の機能を発現するシランカップリング剤など、が挙げられる。
また、これらのシランカップリング剤は予め加水分解反応させたものを配合してもよい。
カップリング剤としては、連続成形性の観点では、メルカプトシランが好ましい。流動性の観点では、メルカプトシランおよびアミノシランが好ましく、メルカプトシランおよび2級アミノシランがより好ましい。密着性という観点ではエポキシシランが好ましい。
このような無機充填材(C)の表面処理に使用するカップリング剤の種類を適宜選択し、またはカップリング剤の配合量を適宜調整することにより、封止用エポキシ樹脂組成物の流動性および封止材107の強度等を制御することができる。
無機充填材(C)へのカップリング処理は、たとえば次のようにおこなうことができる。まず、ミキサーを用いて無機充填材(C)とカップリング剤を混合攪拌する。ミキサーとしては、たとえばリボンブレンダーを用いることができる。このとき、ミキサー内の湿度を50%以下に設定しておくのが好ましい。このような噴霧環境に調整することにより、無機充填材粒子の表面に水分が再付着するのを抑制することができる。さらに、噴霧中のカップリング剤に水分が混入し、カップリング剤同士が反応してしまうのを抑制することができる。
次いで、得られた混合物をミキサーから取り出し、エージング処理を行い、カップリング反応を促進させる。エージング処理は、たとえば、20±5℃の条件下で、7日間以上放置することによりおこなわれる。このような条件でおこなうことにより、無機充填材粒子の表面にカップリング剤を均一に結合させることができる。その後、ふるいにかけ、粗大粒子を除去することにより、カップリング処理が施された無機充填材(C)が得られる。
このような表面処理無機充填材粒子を用いることにより、無機充填材粒子と樹脂成分との界面接着強度を向上させることができる。さらには、封止材107中のマイクロクラックの発生を抑制することができる。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物に用いることができるカップリング剤の含有量は、エポキシ樹脂(A1)と無機充填材(C)との界面強度の低下を抑制して良好な耐振動性を得る観点から、封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。
また、同様の観点から、カップリング剤の含有量は、封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、1質量%以下であることが好ましく、0.8質量%以下であることがより好ましく、0.6質量%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物では、前述した成分以外に、ハイドロタルサイト類またはマグネシウム、アルミニウム、ビスマス、チタン、ジルコニウムから選ばれる元素の含水酸化物などのイオン捕捉剤;カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタンなどの着色剤;カルナバワックスなどの天然ワックス、ポリエチレンワックスなどの合成ワックス、ステアリン酸やステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸およびその金属塩類若しくはパラフィンなどの離型剤;ポリブタジエン化合物、アクリロニトリルブタジエン共重合化合物、シリコーンオイル、シリコーンゴムなどのシリコーン化合物などの低応力剤;チアゾリン、ジアゾール、トリアゾール、トリアジン、ピリミジン等の密着付与剤;金属水酸化物等の無機難燃剤を適宜配合してもよい。
このうち、着色剤の含有量は、本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、好ましくは0.01質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上0.8質量%以下である。こうすることにより、色が付いた不純物を除去する工程が不要となり、作業性が向上する。したがって、歩留まりに優れた電子装置100が実現される。
低応力剤の含有量は、本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、好ましくは0.01質量%以上3質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上2質量%以下である。これにより、得られる封止材107の応力緩和能を向上させることができる。そうすると、配線基板101および電子部品105との熱膨張係数の差に起因する剥がれやクラックの発生を抑制することができる。
(封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法)
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の製造は、たとえば次のようにおこなわれる。まず、熱硬化性樹脂(A)、硬化剤(B)および無機充填材(C)、ならびに好ましくはその他の添加剤などを、所定量配合する。そして、配合したものを、たとえばミキサー、ジェットミル、ボールミルなどを用いて常温で均一に粉砕、混合する。次いで、加熱ロール、ニーダーまたは押出機などの混練機を用いて、90〜120℃程度まで封止用エポキシ樹脂組成物を加温しながら溶融し混練をおこなう。ここで、混練時条件、たとえば回転数、温度等を適切に調整することにより、無機充填材(C)として用いられる中空無機粒子の破損等を抑制し、所望の比重の封止用エポキシ樹脂組成物を安定的に得ることができる。
次いで、混練後の封止用エポキシ樹脂組成物を冷却、粉砕し、顆粒または粉末状の固形の封止用エポキシ樹脂組成物を得る。これらの製造工程における条件を適宜調整することにより、所望の分散度や流動性などを有する封止用エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の粉末または顆粒の粒度は、打錠時に充填不良をおこし、タブレットの質量のバラツキが大きくなることを抑制する観点から、好ましくは1mm以上であり、また、好ましくは5mm以下である。
さらに、得られた封止用エポキシ樹脂組成物の粉末または顆粒を打錠成形することによりタブレットを得ることができる。打錠成形に用いる装置としては、単発式または多連ロータリー式の打錠機を用いることができる。タブレットの形状は、円柱状であることが好ましい。打錠機のオス型、メス型および環境の温度に制限はないが、封止用エポキシ樹脂組成物の粘度上昇およびこれによる流動性の低下を抑制する観点から、35℃以下が好ましい。打錠圧力は、十分な凝集力を確保して輸送中のタブレットの破壊を抑制する観点から、好ましくは400×104Pa以上である。また、打錠圧力は、タブレット打錠直後に破壊が生じることを抑制する観点から、好ましくは3000×104Pa以下である。打錠機のオス型、メス型の金型の材質、表面処理に限定はなく、公知の材質のものを使用することができる。表面処理の例としては、たとえば放電加工、離型剤のコーティング、メッキ処理、研磨などを挙げることができる。
以上により、本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物が得られる。以下、封止用エポキシ樹脂組成物およびその硬化物(封止材107)の物性をさらに具体的に説明する。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の、高化式粘度測定装置を用いて測定温度175℃、荷重40kgで測定した際の高化式粘度は、成形時の巻き込みなどによるボイドの発生を抑制する観点から、好ましくは2Pa・s以上であり、より好ましくは5Pa・s以上、さらに好ましくは7Pa・s以上である。
一方、封止用エポキシ樹脂組成物の良好な充填性を得ることにより、製造安定性に優れた電子装置100を実現する観点から、上記高化式粘度は好ましくは50Pa・s以下であり、より好ましくは30Pa・s以下であり、さらに好ましくは15Pa・s以下である。
また、本実施の形態においては、たとえば、エポキシ樹脂、硬化剤の軟化点を下げる、潜伏性の硬化促進剤を用いる、充填材として溶融球状シリカを用いるなどにより、上記高化式粘度を低減することができる。
封止用エポキシ樹脂組成物のスパイラルフローは、充填性、殊に垂直方向への充填性を向上させる観点から、たとえば45cm以上であり、50cm以上であることが好ましく、60cm以上であることがより好ましく、80cm以上であることがさらに好ましい。また、製造安定性に優れた電子装置100を得る観点から、上記スパイラルフローは、たとえば300cm以下であり、200cm以下が好ましく、150cm以下がより好ましく、100cm以下が殊更好ましい。
また、本実施形態においては、たとえば、充填材として溶融球状シリカを用いる、エポキシ樹脂、硬化剤の軟化点を下げる、硬化促進剤の量を減らすなどにより、上記スパイラルフローを増加することができる。
封止用エポキシ樹脂組成物を金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で注入成形した後、175℃、4時間の条件で後硬化して得られる硬化物の25℃における比重は、電子装置100の信頼性を高める観点から、好ましくは0.8g/cm3以上であり、より好ましくは1.0g/cm3以上、さらに好ましくは1.2g/cm3以上である。一方、電子装置100を軽量化する観点から、上記硬化物の25℃における比重は、好ましくは1.7g/cm3以下であり、より好ましくは1.4g/cm3以下、さらに好ましくは1.2g/cm3以下、よりいっそう好ましくは1.0g/cm3以下である。
また、電子装置100の軽量化および強度のバランスを向上させる観点から、好ましくは、封止用エポキシ樹脂組成物の上記比重が上記範囲であるとともに、硬化物の25℃以上ガラス転移温度以下での線膨張係数α1が5ppm/℃以上25ppm/℃以下である。
以下に述べる封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の物性においても、硬化物を得る条件は、硬化物の比重について前述した条件である。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の25℃における曲げ弾性率は、応力緩和による信頼性向上の観点から、好ましくは20GPa以下であり、より好ましくは15GPa以下、さらに好ましくは13GPa以下、さらにより好ましくは10GPa以下である。
また、上記曲げ弾性率は、耐久性に優れた電子装置100を得る観点から、好ましくは2GPa以上であり、より好ましくは4GPa以上、さらに好ましくは5GPa以上である。
また、本実施の形態においては、たとえば、低応力剤の添加量を増やす、充填材の配合量を減らすなどにより、上記曲げ弾性率を低減することができる。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の260℃における曲げ弾性率は、応力緩和による信頼性向上の観点から、好ましくは10GPa以下であり、より好ましくは5GPa以下である。
また、上記曲げ弾性率は、耐久性に優れた電子装置100を得る観点から、好ましくは0.1GPa以上であり、より好ましくは0.5GPa以上である。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の、25℃以上ガラス転移温度(Tg)以下の領域における線膨張係数(α1)は、好ましくは5ppm/℃以上であり、より好ましくは10ppm/℃以上であり、また、たとえば40ppm/℃以下であり、好ましくは25ppm/℃以下であり、より好ましくは20ppm/℃以下である。これにより、電子装置100との熱膨張差が小さくかつ電子部品105の抜け落ちが防止できるため、耐久性に優れた電子装置100が実現される。
また、本実施の形態においては、たとえば、充填材の配合量を増やすことにより、上記線膨張係数(α1)を低減することができる。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の、ガラス転移温度(Tg)を超える領域における線膨張係数(α2)は、好ましくは10ppm/℃以上であり、より好ましくは20ppm/℃以上であり、また、好ましくは100ppm/℃以下であり、より好ましくは80ppm/℃以下である。これにより、電子装置100との熱膨張差が小さくかつ電子部品105の抜け落ちが防止できるため、耐久性に優れた電子装置100が実現される。
また、本実施の形態においては、たとえば、充填材の配合量を増やすことにより、上記線膨張係数(α2)を低減することができる。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物のJIS K6911に準拠した方法にて測定される成形収縮率(アフターキュア後)は、たとえば0.01%以上であってよい。また、電子装置100の信頼性を向上させる観点から、上記成形収縮率は好ましくは5.0%以下であり、より好ましくは2.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の1MHz、室温(25℃)における比誘電率は、電子装置100の信頼性を向上させる観点から、好ましくは1.0以上であり、より好ましくは2.0以上である。また、電子装置100の信頼性を向上させる観点から、上記比誘電率は、好ましくは5.0以下であり、より好ましくは4.0以下である。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の1MHz、室温(25℃)における誘電正接は、電子装置100の信頼性を向上させる観点から、好ましくは0.005以上であり、より好ましくは0.01以上である。また、電子装置100の信頼性を向上させる観点から、上記誘電正接は、好ましくは0.04以下であり、より好ましくは0.03以下である。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の25℃における曲げ強度は、クラックの発生を抑制して信頼性を向上させる観点から、60MPa以上であることが好ましく、70MPa以上であることがより好ましい。また、耐久性に優れた電子装置100を得る観点から、上記曲げ強度は、200MPa以下が好ましく、150MPa以下がより好ましい。
また、本実施の形態においては、たとえば、充填材の表面にカップリング剤を処理することにより、上記曲げ強度を増加することができる。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の260℃における曲げ強度は、クラックの発生を抑制して信頼性を向上させる観点から、1MPa以上であることが好ましく、2MPa以上であることがより好ましい。また、耐久性に優れた電子装置100を得る観点から、上記曲げ強度は、50MPa以下が好ましく、20MPa以下がより好ましい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本実施形態を、実施例および比較例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
たとえば、図1〜図3では、半導体素子が基板に実装され封止される態様を例に説明したが、半導体素子が金属フレーム上に形成されて封止されてもよい。
(実施例1〜6、比較例1および2)
(封止用樹脂組成物の調製)
各実施例、および各比較例のそれぞれについて、以下のように封止用樹脂組成物を調製した。
まず、表1に示す各成分をミキサーにより混合した。次いで、得られた混合物を、80℃で5分間ロール混練した後、冷却、粉砕して粉粒体である封止用樹脂組成物を得た。
表1中の各成分の詳細は下記のとおりである。また、表1中に示す各成分の配合割合は、樹脂組成物全体に対する配合割合(質量部)を示している。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(EOCN−1020−55、日本化薬社製)
エポキシ樹脂2:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(YDCN−800−62、新日鉄住金化学社製)
(充填材)
充填材1:中空無機粒子(iM30K、3M社製、ソーダ石灰ホウ珪酸ガラス質、平均粒径:16μm、比表面積5.0m2/g、比重0.60g/cm3
充填材2:中空無機粒子(ソーダ石灰ホウ珪酸ガラス質、平均粒径:8μm、比表面積1.1m2/g、比重1.28g/cm3
充填材3:球状シリカ(SO−C2、アドマテックス社製、平均粒径:0.5μm、比表面積6.0m2/g、比重2.27g/cm3
充填材4:球状シリカ(SO−C5、アドマテックス社製、平均粒径:1.5μm、比表面積4.0m2/g、比重2.27g/cm3
充填材5:溶融球状シリカ(FB−950FC、デンカ社製、平均粒径:22μm、比表面積1.5m2/g、比重2.21g/cm3
(硬化剤)
硬化剤1:ノボラック型フェノール樹脂(PR−HF−3、住友ベークライト社製)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:トリフェニルホスフィン(PP−360ビフン、ケイ・アイ化成社製)
(低応力剤)
低応力剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(FZ−3730、東レ・ダウコーニング社製)
(着色剤)
着色剤:カーボンブラック(カーボン#5、三菱化学社製)
(カップリング剤)
カップリング剤1:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(CF−4083、東レ・ダウコーニング社製)
カップリング剤2:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(S810、チッソ社製)
カップリング剤3:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPS−M、チッソ社製)
(評価方法)
(スパイラルフロー)
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、「KTS−30」)を用いて、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒間の条件で、各例の樹脂組成物を注入、硬化させ、スパイラルフローを測定した。スパイラルフローの単位はcmである。
(硬化物の25℃および260℃における曲げ弾性率)
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、「KTS−30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で、各樹脂組成物を注入成形して、直径50mm、厚さ3mmの円盤状の成形品を得た。次に、得られた成形品を、175℃、4時間の条件で後硬化(ポストキュア)して、各熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる試験片を得た。次に、動的粘弾性装置(TAインスツルメント社製、「RSA3」)を用いて、−30〜300℃まで、昇温速度5℃/分、周波数10Hzで測定し、得られた試験片の25℃および260℃における弾性率を、それぞれ読み取ることで求めた。なお、曲げ弾性率の単位は、GPaであり、25℃において2GPa以上であるものを合格とした。
(硬化物の比重)
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、KTS−30)を用いて、金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で、各熱硬化性樹脂組成物を注入成形し、直径50mm、厚さ3mmの円盤状の成形品を得た。次に、得られた成形品を、175℃、4時間の条件で後硬化(ポストキュア)して、各熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる試験片を得た。次に、JIS K6911に準拠した方法で得られた試験片の比重(25℃)を測定した。なお、比重の単位は、g/cm3である。
(無機充填材の比重)
比重瓶法密度測定装置(島津製作所社製、Accupyc 1330)を用いて、無機充填材の比重を測定した。なお、比重の単位は、g/cm3である。
(封止用エポキシ樹脂組成物の高化式粘度)
高化式フローテスタ(島津製作所社製、CFT−500C)を用いて、温度175℃、荷重40kgf(ピストン面積1cm2)、ダイ穴直径0.50mm、ダイ長さ1.00mmの試験条件で高化式粘度を測定した。なお、高化式粘度の単位は、Pa・sである。
(硬化物のα1、α2)
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、KTS−30)を用いて、金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で、各熱硬化性樹脂組成物を注入成形し、長さ10mm×幅4mm×厚さ4mmの成形品を得た。次に、得られた成形品を、175℃、4時間の条件で後硬化(ポストキュア)して、各熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる試験片を得た。次いで、熱膨張計(セイコーインスツルメント社製、TMA‐120)を用い、測定温度範囲25℃〜320℃、昇温速度5℃/分の条件で得られた試験片を昇温し、硬化物の25℃以上Tg以下における線膨張係数α1、硬化物のTg以上320℃以下における線膨張係数α2を測定した。なお、α1およびα2の単位は、ppmである。
(硬化物の成形収縮率(アフターキュア後))
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、KTS−30)を用いて、金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で、各熱硬化性樹脂組成物を注入成形し、直径90mm×厚さ5mmの成形品を得た。次に、得られた成形品を、175℃、4時間の条件で後硬化(ポストキュア)して、各熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる試験片を得た。次に、JIS K6911に準拠した方法で得られた試験片の成形収縮率を測定した。なお、成形収縮率の単位は、%である。
(硬化物の比誘電率、誘電正接)
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、KTS−30)を用いて、金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で、各熱硬化性樹脂組成物を注入成形し、直径50mm×厚さ3mmの成形品を得た。次に、得られた成形品を、175℃、4時間の条件で後硬化(ポストキュア)して、各熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる試験片を得た。次に、YOKOGAWA−HEWLETT PACKARD社製Q−METER 4342Aにより、1MHz、室温(25℃)における比誘電率および誘電正接を測定した。
(硬化物の25℃および260℃における曲げ強度)
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、KTS−30)を用いて、金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で、各熱硬化性樹脂組成物を注入成形し、長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの成形品を得た。次に、得られた成形品を、175℃、4時間の条件で後硬化(ポストキュア)して、各熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる試験片を得た。次に、260℃の雰囲気下、JIS K6911に準拠した方法で得られた試験片の曲げ強度を測定した。なお、曲げ強度の単位は、MPaである。
Figure 2019026715
表1より、実施例1〜6では、いずれも、硬化物の25℃における曲げ弾性率を充分な大きさとしつつ、硬化物の比重を低減することができた。このため、実施例1〜6で得られた硬化物は、強度と軽量化のバランスの点で好ましかった。
100 電子装置
101 配線基板
103 ギャップ
105 電子部品
107 封止材
109 外部接続部品
110 一方の面

Claims (18)

  1. 配線基板と、
    前記配線基板の少なくとも一方の面に実装される複数の電子部品と、
    複数の前記電子部品および前記配線基板を一括封止する封止材と、
    を備える電子装置
    を構成する前記封止材の形成に用いられる封止用エポキシ樹脂組成物であって、
    エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、
    硬化剤(B)と、
    無機充填材(C)と、
    を含み、
    前記無機充填材(C)が中空無機粒子を含む、一括封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
    前記電子装置において、前記電子部品が前記配線基板との間にギャップを有する形態で実装され、
    前記封止材が、前記ギャップ、複数の前記電子部品、および前記配線基板を一括封止し、
    前記ギャップに前記封止材が充填されている、一括封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
    前記配線基板の少なくとも一方の面には、外部機器と電気的に接続する外部接続部品がさらに実装されている、一括封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
    前記電子装置がエレクトロニックコントロールユニットに用いられる、一括封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
    前記封止用エポキシ樹脂組成物を金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で注入成形した後、175℃、4時間の条件で後硬化して得られる硬化物の25℃における比重が0.8g/cm3以上1.7g/cm3以下である、一括封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
    前記無機充填材(C)の比重が、0.4g/cm3以上2.1g/cm3以下である、一括封止用エポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
    前記封止用エポキシ樹脂組成物を金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で注入成形した後、175℃、4時間の条件で後硬化して得られる硬化物の25℃における比重が0.8g/cm3以上1.7g/cm3以下であり、
    前記硬化物の25℃以上ガラス転移温度以下での線膨張係数α1が5ppm/℃以上25ppm/℃以下である、一括封止用エポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至7いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
    前記無機充填材(C)の含有量が、当該一括封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、40質量%以上85質量%以下である、一括封止用エポキシ樹脂組成物。
  9. 請求項1乃至8いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
    前記無機充填材(C)全体に対する前記中空無機粒子の含有率が、20質量%以上100質量%以下である、一括封止用エポキシ樹脂組成物。
  10. 請求項1乃至9いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
    前記硬化剤(B)が、ノボラック型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトール型フェノール樹脂、およびヒドロキシベンズアルデヒドとホルムアルデヒドとフェノールの反応生成物を主とするフェノール樹脂からなる群から選択される1種または2種以上を含む、一括封止用エポキシ樹脂組成物。
  11. 請求項1乃至10いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
    当該一括封止用エポキシ樹脂組成物の、高化式粘度測定装置を用いて測定温度175℃、荷重40kgで測定した際の高化式粘度が2Pa・s以上50Pa・s以下である、一括封止用エポキシ樹脂組成物。
  12. 当該一括封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の25℃における曲げ弾性率が5GPa以上20GPa以下である、一括封止用エポキシ樹脂組成物。
  13. 配線基板と、
    前記配線基板の少なくとも一方の面に、前記配線基板との間にギャップを有する形態で実装される複数の電子部品と、
    前記ギャップ、複数の前記電子部品、および前記配線基板を一括封止する封止材と、
    を備え、
    前記封止材は、請求項1乃至12いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物であり、前記ギャップには前記硬化物が充填されている、電子装置。
  14. 請求項13に記載の電子装置において、
    前記配線基板の少なくとも一方の面には、外部機器と電気的に接続する外部接続部品がさらに実装されており、
    前記封止材は、前記外部接続部品の少なくとも一部をさらに一括封止している、電子装置。
  15. 請求項13または14に記載の電子装置において、
    前記ギャップの体積をaとし、前記ギャップに充填された前記硬化物の占有体積をbとしたとき、
    (b/a×100)で算出される前記硬化物の充填率が5%以上95%以下である、電子装置。
  16. 請求項13乃至15いずれか1項に記載の電子装置において、
    当該電子装置がエレクトロニックコントロールユニットに用いられる、電子装置。
  17. 複数の電子部品を配線基板の少なくとも一方の面に実装する実装工程と、
    請求項1乃至12いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、前記複数の電子部品と前記配線基板との間に形成されたギャップ、複数の前記電子部品、および前記配線基板を一括封止する封止工程と、
    を含む、電子装置の製造方法。
  18. 請求項17に記載の電子装置の製造方法において、
    前記封止工程では、前記一括封止用エポキシ樹脂組成物を用いたトランスファー成形により一括封止する、電子装置の製造方法。
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