JP2019026715A - 一括封止用エポキシ樹脂組成物、電子装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この点、上述した特許文献1に記載の技術について本発明者が検討したところ、封止樹脂層を軽量化しつつ充分な強度を担保するという点で改善の余地があった。
配線基板と、
前記配線基板の少なくとも一方の面に実装される複数の電子部品と、
複数の前記電子部品および前記配線基板を一括封止する封止材と、
を備える電子装置
を構成する前記封止材の形成に用いられる封止用エポキシ樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
無機充填材(C)と、
を含み、
前記無機充填材(C)が中空無機粒子を含む、一括封止用エポキシ樹脂組成物が提供される。
配線基板と、
前記配線基板の少なくとも一方の面に、前記配線基板との間にギャップを有する形態で実装される複数の電子部品と、
前記ギャップ、複数の前記電子部品、および前記配線基板を一括封止する封止材と、
を備え、
前記封止材は、前記本発明における一括封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物であり、前記ギャップには前記硬化物が充填されている、電子装置が提供される。
複数の電子部品を配線基板の少なくとも一方の面に実装する実装工程と、
前記本発明における一括封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、前記複数の電子部品と前記配線基板との間に形成されたギャップ、複数の前記電子部品、および前記配線基板を一括封止する封止工程と、
を含む、電子装置の製造方法が提供される。
また、本明細書中、以下、一括封止用エポキシ樹脂組成物を単に封止用エポキシ樹脂組成物とも呼ぶ。
図1は、本発明における実施形態の電子装置100の構成の一例を示す断面図である。図2は、本発明における実施形態の電子装置100の構成の一例を示す断面図である。図3は、図1に示す領域Aの断面拡大図である。なお、図1および図2は電子装置100を示す模式図であり、本実施形態における電子装置100の構成は図1および図2に示すものに限られない。
そして、本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物は、電子装置100を構成する封止材107の形成に用いられる封止用エポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、硬化剤(B)と、無機充填材(C)と、を含み、無機充填材(C)が中空無機粒子を含む。
なお、図1〜図3において、ギャップ103に封止材107が100%充填されている態様を示しているが、実際にはギャップ103の一部に封止材107が充填されていればよく、100%充填されている構成に限定されない。
また、実装される電子部品105のパッケージについては、複数の電子部品105の少なくとも一つはQFP(Quad Flat Package)型であってもよい。
配線基板101としては、たとえば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂にガラス繊維や無機フィラー等を配合した樹脂プリント基板(ガラスエポキシ(FR4)基板など)、ポリイミドまたは液晶ポリマーからなるフレキシブル基板、セラミック基板、金属基板などが用いられる。
配線基板101の厚みは、たとえば、1.0mm以上3.0mm以下である。
また、上記充填率は、好ましくは95%以下であり、より好ましくは90%以下、さらに好ましくは85%以下である。こうすれば、電子装置100を軽量化しつつ、電子部品105と配線基板101との接着性を向上させて、冷熱サイクル時に配線基板101から電子部品105が剥離してしまうのを抑制できる。
ここで、上記硬化物の充填率は、たとえば、封止用エポキシ樹脂組成物の粘度を調整することにより調整することができる。
また、上記硬化物の充填率は、超音波探査装置(SAT)の透過法や、断面研磨サンプルの観察により測定することができる。中でも超音波探査装置(SAT)の透過法は、非破壊で測定できる点で好ましい。
本実施形態において、電子装置100の製造方法は、複数の電子部品105を配線基板101の少なくとも一方の面110に実装する実装工程と、本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、複数の電子部品105と配線基板101との間に形成されたギャップ103、複数の電子部品105、および配線基板101を一括封止する封止工程と、を含む。
たとえば、複数の電子部品105は、Sn/Pb共晶はんだ、Sn/Ag/Cu系鉛フリーはんだ等を用い、配線基板101を200〜260℃のリフロー炉内を通過させることにより、配線基板101の両面、あるいは片面に実装される。
本実施形態におけるトランスファー成形は、たとえば、金型およびプランジャを用いて樹脂封止をおこなう。金型により封止用エポキシ樹脂組成物の充填空間が画定される。金型に電子部品105を実装した配線基板101を配置し、封止用エポキシ樹脂組成物を充填することにより樹脂封止をおこなう。
(一括封止用エポキシ樹脂組成物)
本実施形態において、一括封止用エポキシ樹脂組成物は、一括封止に用いられるエポキシ樹脂組成物であり、電子装置100を構成する封止材107の形成に用いられ、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、硬化剤(B)と、無機充填材(C)と、を含む。以下、各成分について説明する。
熱硬化性樹脂(A)は、硬化性、保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、および耐薬品性に優れる観点から、エポキシ樹脂(A1)を含む。また、熱硬化性樹脂(A)に含まれる他の樹脂の具体例として、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、またはマレイミド樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂(A1)としては、たとえばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、ジアミノジフェニルメタン型グリシジルアミン、アミノフェノール型グリシジルアミンのような芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂;トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂;アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂;ナフトール型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂;フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、またはビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシド、アリサイクリックジエポキシ−アジペイド等の脂環式エポキシ等の脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂(A)は1種のエポキシ樹脂を含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
硬化剤(B)は、熱硬化性樹脂(A)に含まれるエポキシ樹脂(A1)を三次元架橋させるために用いられるものである。硬化剤(B)の具体例としては、ナフテン酸コバルト等のナフテン酸塩、またはフェノール樹脂が挙げられる。
このうち、フェノール樹脂硬化剤は、一分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を限定するものではない。
フェノール樹脂硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;トリフェノールメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格および/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物;ヒドロキシベンズアルデヒドとホルムアルデヒドとフェノールの反応生成物を主とするフェノール樹脂;下記一般式(12A)で表されるフェノール樹脂等が挙げられる。
無機充填材(C)としては、たとえば溶融破砕シリカおよび溶融球状シリカ等の溶融シリカ、結晶シリカ、球状シリカ等のシリカ粒子;ソーダ石灰ホウ珪酸ガラス質、アルミナ、カオリン、タルク、クレイ、マイカ、ロックウール、ウォラストナイト、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスファイバー、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミ、カーボンブラック、グラファイト、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム等のシリカ以外の無機材料の粒子;セルロース、アラミド、木材、フェノール樹脂成形材料やエポキシ樹脂成形材料の硬化物を粉砕した粉砕粉等が挙げられる。これらの中でも、球状シリカ、溶融球状シリカおよびソーダ石灰ホウ珪酸ガラス質からなる群から選択される1種以上が好ましい。
また、無機充填材(C)の含有量は、封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、好ましくは85質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下であり、さらに好ましくは75質量%以下であり、さらにまた好ましくは65質量%以下である。こうすると、得られる封止用エポキシ樹脂組成物は良好な流動性を有するとともに、良好な成形性を備える。したがって、電子装置100の製造安定性が高まり、歩留まりおよび長期信頼性のバランスに優れた電子装置100が得られる。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤は、エポキシ樹脂(A1)のエポキシ基と硬化剤(B)の水酸基との反応を促進するものであればよく、一般に使用される硬化促進剤を用いることができる。
これらのうち、硬化性の観点からはリン原子含有化合物が好ましく、流動性と硬化性のバランスの観点からは、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等の潜伏性を有する硬化促進剤がより好ましい。流動性という点を考慮するとテトラ置換ホスホニウム化合物がことさら好ましく、また耐半田性の観点では、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物がことさら好ましく、また潜伏的硬化性という点を考慮すると、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物がことさら好ましい。また、連続成形性の観点では、テトラ置換ホスホニウム化合物が好ましい。また、コスト面を考えると、有機ホスフィン、窒素原子含有化合物も好適に用いられる。
また、充分な流動性を得る観点から、硬化促進剤の含有量は、封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。
また、樹脂成分との親和性が高まるため、封止用エポキシ樹脂組成物を用いて形成される封止材107の強度を向上させることができる。
エポキシシランとしては、たとえばγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
アミノシランとしては、たとえばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどの1級アミノシラン;N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−6−(アミノヘキシル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−(トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ベンゼンジメタナンなどの2級アミノシランが挙げられる。
また、アミノシランの1級アミノ部位をケトンまたはアルデヒドを反応させて保護した潜在性アミノシランカップリング剤として用いてもよい。
ウレイドシランとしては、たとえばγ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられる。
メルカプトシランとしては、たとえばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランのほか、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドのような熱分解することによってメルカプトシランカップリング剤と同様の機能を発現するシランカップリング剤など、が挙げられる。
また、これらのシランカップリング剤は予め加水分解反応させたものを配合してもよい。
次いで、得られた混合物をミキサーから取り出し、エージング処理を行い、カップリング反応を促進させる。エージング処理は、たとえば、20±5℃の条件下で、7日間以上放置することによりおこなわれる。このような条件でおこなうことにより、無機充填材粒子の表面にカップリング剤を均一に結合させることができる。その後、ふるいにかけ、粗大粒子を除去することにより、カップリング処理が施された無機充填材(C)が得られる。
このような表面処理無機充填材粒子を用いることにより、無機充填材粒子と樹脂成分との界面接着強度を向上させることができる。さらには、封止材107中のマイクロクラックの発生を抑制することができる。
また、同様の観点から、カップリング剤の含有量は、封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、1質量%以下であることが好ましく、0.8質量%以下であることがより好ましく、0.6質量%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の製造は、たとえば次のようにおこなわれる。まず、熱硬化性樹脂(A)、硬化剤(B)および無機充填材(C)、ならびに好ましくはその他の添加剤などを、所定量配合する。そして、配合したものを、たとえばミキサー、ジェットミル、ボールミルなどを用いて常温で均一に粉砕、混合する。次いで、加熱ロール、ニーダーまたは押出機などの混練機を用いて、90〜120℃程度まで封止用エポキシ樹脂組成物を加温しながら溶融し混練をおこなう。ここで、混練時条件、たとえば回転数、温度等を適切に調整することにより、無機充填材(C)として用いられる中空無機粒子の破損等を抑制し、所望の比重の封止用エポキシ樹脂組成物を安定的に得ることができる。
次いで、混練後の封止用エポキシ樹脂組成物を冷却、粉砕し、顆粒または粉末状の固形の封止用エポキシ樹脂組成物を得る。これらの製造工程における条件を適宜調整することにより、所望の分散度や流動性などを有する封止用エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の粉末または顆粒の粒度は、打錠時に充填不良をおこし、タブレットの質量のバラツキが大きくなることを抑制する観点から、好ましくは1mm以上であり、また、好ましくは5mm以下である。
一方、封止用エポキシ樹脂組成物の良好な充填性を得ることにより、製造安定性に優れた電子装置100を実現する観点から、上記高化式粘度は好ましくは50Pa・s以下であり、より好ましくは30Pa・s以下であり、さらに好ましくは15Pa・s以下である。
また、本実施の形態においては、たとえば、エポキシ樹脂、硬化剤の軟化点を下げる、潜伏性の硬化促進剤を用いる、充填材として溶融球状シリカを用いるなどにより、上記高化式粘度を低減することができる。
また、本実施形態においては、たとえば、充填材として溶融球状シリカを用いる、エポキシ樹脂、硬化剤の軟化点を下げる、硬化促進剤の量を減らすなどにより、上記スパイラルフローを増加することができる。
また、電子装置100の軽量化および強度のバランスを向上させる観点から、好ましくは、封止用エポキシ樹脂組成物の上記比重が上記範囲であるとともに、硬化物の25℃以上ガラス転移温度以下での線膨張係数α1が5ppm/℃以上25ppm/℃以下である。
本実施形態における封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の25℃における曲げ弾性率は、応力緩和による信頼性向上の観点から、好ましくは20GPa以下であり、より好ましくは15GPa以下、さらに好ましくは13GPa以下、さらにより好ましくは10GPa以下である。
また、上記曲げ弾性率は、耐久性に優れた電子装置100を得る観点から、好ましくは2GPa以上であり、より好ましくは4GPa以上、さらに好ましくは5GPa以上である。
また、本実施の形態においては、たとえば、低応力剤の添加量を増やす、充填材の配合量を減らすなどにより、上記曲げ弾性率を低減することができる。
また、上記曲げ弾性率は、耐久性に優れた電子装置100を得る観点から、好ましくは0.1GPa以上であり、より好ましくは0.5GPa以上である。
また、本実施の形態においては、たとえば、充填材の配合量を増やすことにより、上記線膨張係数(α1)を低減することができる。
また、本実施の形態においては、たとえば、充填材の配合量を増やすことにより、上記線膨張係数(α2)を低減することができる。
また、本実施の形態においては、たとえば、充填材の表面にカップリング剤を処理することにより、上記曲げ強度を増加することができる。
たとえば、図1〜図3では、半導体素子が基板に実装され封止される態様を例に説明したが、半導体素子が金属フレーム上に形成されて封止されてもよい。
(封止用樹脂組成物の調製)
各実施例、および各比較例のそれぞれについて、以下のように封止用樹脂組成物を調製した。
まず、表1に示す各成分をミキサーにより混合した。次いで、得られた混合物を、80℃で5分間ロール混練した後、冷却、粉砕して粉粒体である封止用樹脂組成物を得た。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(EOCN−1020−55、日本化薬社製)
エポキシ樹脂2:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(YDCN−800−62、新日鉄住金化学社製)
(充填材)
充填材1:中空無機粒子(iM30K、3M社製、ソーダ石灰ホウ珪酸ガラス質、平均粒径:16μm、比表面積5.0m2/g、比重0.60g/cm3)
充填材2:中空無機粒子(ソーダ石灰ホウ珪酸ガラス質、平均粒径:8μm、比表面積1.1m2/g、比重1.28g/cm3)
充填材3:球状シリカ(SO−C2、アドマテックス社製、平均粒径:0.5μm、比表面積6.0m2/g、比重2.27g/cm3)
充填材4:球状シリカ(SO−C5、アドマテックス社製、平均粒径:1.5μm、比表面積4.0m2/g、比重2.27g/cm3)
充填材5:溶融球状シリカ(FB−950FC、デンカ社製、平均粒径:22μm、比表面積1.5m2/g、比重2.21g/cm3)
(硬化剤)
硬化剤1:ノボラック型フェノール樹脂(PR−HF−3、住友ベークライト社製)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:トリフェニルホスフィン(PP−360ビフン、ケイ・アイ化成社製)
(低応力剤)
低応力剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(FZ−3730、東レ・ダウコーニング社製)
(着色剤)
着色剤:カーボンブラック(カーボン#5、三菱化学社製)
(カップリング剤)
カップリング剤1:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(CF−4083、東レ・ダウコーニング社製)
カップリング剤2:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(S810、チッソ社製)
カップリング剤3:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPS−M、チッソ社製)
(スパイラルフロー)
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、「KTS−30」)を用いて、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒間の条件で、各例の樹脂組成物を注入、硬化させ、スパイラルフローを測定した。スパイラルフローの単位はcmである。
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、「KTS−30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で、各樹脂組成物を注入成形して、直径50mm、厚さ3mmの円盤状の成形品を得た。次に、得られた成形品を、175℃、4時間の条件で後硬化(ポストキュア)して、各熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる試験片を得た。次に、動的粘弾性装置(TAインスツルメント社製、「RSA3」)を用いて、−30〜300℃まで、昇温速度5℃/分、周波数10Hzで測定し、得られた試験片の25℃および260℃における弾性率を、それぞれ読み取ることで求めた。なお、曲げ弾性率の単位は、GPaであり、25℃において2GPa以上であるものを合格とした。
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、KTS−30)を用いて、金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で、各熱硬化性樹脂組成物を注入成形し、直径50mm、厚さ3mmの円盤状の成形品を得た。次に、得られた成形品を、175℃、4時間の条件で後硬化(ポストキュア)して、各熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる試験片を得た。次に、JIS K6911に準拠した方法で得られた試験片の比重(25℃)を測定した。なお、比重の単位は、g/cm3である。
比重瓶法密度測定装置(島津製作所社製、Accupyc 1330)を用いて、無機充填材の比重を測定した。なお、比重の単位は、g/cm3である。
高化式フローテスタ(島津製作所社製、CFT−500C)を用いて、温度175℃、荷重40kgf(ピストン面積1cm2)、ダイ穴直径0.50mm、ダイ長さ1.00mmの試験条件で高化式粘度を測定した。なお、高化式粘度の単位は、Pa・sである。
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、KTS−30)を用いて、金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で、各熱硬化性樹脂組成物を注入成形し、長さ10mm×幅4mm×厚さ4mmの成形品を得た。次に、得られた成形品を、175℃、4時間の条件で後硬化(ポストキュア)して、各熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる試験片を得た。次いで、熱膨張計(セイコーインスツルメント社製、TMA‐120)を用い、測定温度範囲25℃〜320℃、昇温速度5℃/分の条件で得られた試験片を昇温し、硬化物の25℃以上Tg以下における線膨張係数α1、硬化物のTg以上320℃以下における線膨張係数α2を測定した。なお、α1およびα2の単位は、ppmである。
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、KTS−30)を用いて、金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で、各熱硬化性樹脂組成物を注入成形し、直径90mm×厚さ5mmの成形品を得た。次に、得られた成形品を、175℃、4時間の条件で後硬化(ポストキュア)して、各熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる試験片を得た。次に、JIS K6911に準拠した方法で得られた試験片の成形収縮率を測定した。なお、成形収縮率の単位は、%である。
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、KTS−30)を用いて、金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で、各熱硬化性樹脂組成物を注入成形し、直径50mm×厚さ3mmの成形品を得た。次に、得られた成形品を、175℃、4時間の条件で後硬化(ポストキュア)して、各熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる試験片を得た。次に、YOKOGAWA−HEWLETT PACKARD社製Q−METER 4342Aにより、1MHz、室温(25℃)における比誘電率および誘電正接を測定した。
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、KTS−30)を用いて、金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で、各熱硬化性樹脂組成物を注入成形し、長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの成形品を得た。次に、得られた成形品を、175℃、4時間の条件で後硬化(ポストキュア)して、各熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる試験片を得た。次に、260℃の雰囲気下、JIS K6911に準拠した方法で得られた試験片の曲げ強度を測定した。なお、曲げ強度の単位は、MPaである。
101 配線基板
103 ギャップ
105 電子部品
107 封止材
109 外部接続部品
110 一方の面
Claims (18)
- 配線基板と、
前記配線基板の少なくとも一方の面に実装される複数の電子部品と、
複数の前記電子部品および前記配線基板を一括封止する封止材と、
を備える電子装置
を構成する前記封止材の形成に用いられる封止用エポキシ樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
無機充填材(C)と、
を含み、
前記無機充填材(C)が中空無機粒子を含む、一括封止用エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
前記電子装置において、前記電子部品が前記配線基板との間にギャップを有する形態で実装され、
前記封止材が、前記ギャップ、複数の前記電子部品、および前記配線基板を一括封止し、
前記ギャップに前記封止材が充填されている、一括封止用エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
前記配線基板の少なくとも一方の面には、外部機器と電気的に接続する外部接続部品がさらに実装されている、一括封止用エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1乃至3いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
前記電子装置がエレクトロニックコントロールユニットに用いられる、一括封止用エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1乃至4いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
前記封止用エポキシ樹脂組成物を金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で注入成形した後、175℃、4時間の条件で後硬化して得られる硬化物の25℃における比重が0.8g/cm3以上1.7g/cm3以下である、一括封止用エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1乃至5いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
前記無機充填材(C)の比重が、0.4g/cm3以上2.1g/cm3以下である、一括封止用エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1乃至6いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
前記封止用エポキシ樹脂組成物を金型温度175℃、注入圧力8.3MPa、硬化時間2分の条件で注入成形した後、175℃、4時間の条件で後硬化して得られる硬化物の25℃における比重が0.8g/cm3以上1.7g/cm3以下であり、
前記硬化物の25℃以上ガラス転移温度以下での線膨張係数α1が5ppm/℃以上25ppm/℃以下である、一括封止用エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1乃至7いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
前記無機充填材(C)の含有量が、当該一括封止用エポキシ樹脂組成物の合計値100質量%に対して、40質量%以上85質量%以下である、一括封止用エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1乃至8いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
前記無機充填材(C)全体に対する前記中空無機粒子の含有率が、20質量%以上100質量%以下である、一括封止用エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1乃至9いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
前記硬化剤(B)が、ノボラック型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトール型フェノール樹脂、およびヒドロキシベンズアルデヒドとホルムアルデヒドとフェノールの反応生成物を主とするフェノール樹脂からなる群から選択される1種または2種以上を含む、一括封止用エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1乃至10いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物において、
当該一括封止用エポキシ樹脂組成物の、高化式粘度測定装置を用いて測定温度175℃、荷重40kgで測定した際の高化式粘度が2Pa・s以上50Pa・s以下である、一括封止用エポキシ樹脂組成物。 - 当該一括封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の25℃における曲げ弾性率が5GPa以上20GPa以下である、一括封止用エポキシ樹脂組成物。
- 配線基板と、
前記配線基板の少なくとも一方の面に、前記配線基板との間にギャップを有する形態で実装される複数の電子部品と、
前記ギャップ、複数の前記電子部品、および前記配線基板を一括封止する封止材と、
を備え、
前記封止材は、請求項1乃至12いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物であり、前記ギャップには前記硬化物が充填されている、電子装置。 - 請求項13に記載の電子装置において、
前記配線基板の少なくとも一方の面には、外部機器と電気的に接続する外部接続部品がさらに実装されており、
前記封止材は、前記外部接続部品の少なくとも一部をさらに一括封止している、電子装置。 - 請求項13または14に記載の電子装置において、
前記ギャップの体積をaとし、前記ギャップに充填された前記硬化物の占有体積をbとしたとき、
(b/a×100)で算出される前記硬化物の充填率が5%以上95%以下である、電子装置。 - 請求項13乃至15いずれか1項に記載の電子装置において、
当該電子装置がエレクトロニックコントロールユニットに用いられる、電子装置。 - 複数の電子部品を配線基板の少なくとも一方の面に実装する実装工程と、
請求項1乃至12いずれか1項に記載の一括封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、前記複数の電子部品と前記配線基板との間に形成されたギャップ、複数の前記電子部品、および前記配線基板を一括封止する封止工程と、
を含む、電子装置の製造方法。 - 請求項17に記載の電子装置の製造方法において、
前記封止工程では、前記一括封止用エポキシ樹脂組成物を用いたトランスファー成形により一括封止する、電子装置の製造方法。
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