JP2019005708A - 固体燃料の混合判定方法および固体燃料粉砕装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、複数の石炭炭種の銘柄と配合割合を入力し、複数の石炭炭種を混合した混合炭の発熱量等の性状項目値を算出することが開示されている。
特許文献2には、石炭原料の比熱等のデータから粉砕設備における入口温度または出口温度を演算し、演算した入口温度が基準入口温度より高い場合あるいは演算した出口温度が基準出口温度より低い場合に粉砕設備を安定して運転できないと判定することが開示されている。
本発明の一態様にかかる固体燃料の混合判定方法は、固体燃料粉砕装置で混合して粉砕される第1固体燃料および第2固体燃料の混合可否を判定する方法であって、前記第1固体燃料のハードグローブ粉砕性指数および全水分量を入力する工程と、前記第2固体燃料のハードグローブ粉砕性指数および全水分量を入力する工程と、前記第1固体燃料のハードグローブ粉砕性指数と前記第2固体燃料のハードグローブ粉砕性指数との差の絶対値が第1所定値以上であり、かつ前記第2固体燃料の全水分量と前記第1固体燃料の全水分量との差の絶対値が第2所定値以上である場合に、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料の混合が不可であると判定する判定工程と、を備える。
このようにすることで、3種の固体燃料を混合する際に、これらの固体燃料の混合可否を適切に判定することが可能となる。
以下、本発明の第1実施形態に係る固体燃料粉砕装置および固体燃料の混合判定方法について、図面を参照して説明する。本実施形態の固体燃料粉砕装置100は、一例として石炭等の固体燃料を粉砕し、微粉燃料(微粉炭燃料)を生成してボイラ200のバーナ部220へ供給する装置である。
本実施形態の固体燃料粉砕装置100は、ミル(粉砕部)10と、給炭機(燃料供給部)20と、送風部30と、温度検出部40と、制御部(判定部)50とを備えている。
なお、本実施形態では、上方とは鉛直上側の方向を、上部や上面などの“上”とは鉛直上側の部分を示している。
ハウジング11は、鉛直方向に延びる円筒状に形成されるとともに、回転テーブル12とローラ13と分級部16と、燃料供給部17とを収容する筐体である。
回転テーブル12の外周側の複数箇所には、一次空気流路100aから流入する一次空気をハウジング11内の回転テーブル12の上方の空間に流出させる吹出口(図示略)が設けられている。吹出口の上方にはベーン(図示略)が設置されており、吹出口から吹き出した一次空気に旋回力を与える。ベーンにより旋回力が与えられた一次空気は、旋回する速度成分を有する気流となって回転テーブル12上で粉砕された固体燃料をハウジング11内の上方の分級部16へ導く。なお、一次空気に混合した固体燃料の粉砕物のうち、所定粒径より大きいものは分級部16により分級されて、または、分級部16まで到達することなく、落下して回転テーブル12に戻される。
図1では、ローラ13が1つのみ示されているが、回転テーブル12の上面を押圧するように、周方向に一定の間隔を空けて、複数のローラ13が配置される。例えば、外周部上に120°の角度間隔を空けて、3つのローラ13が配置される。この場合、3つのローラ13が回転テーブル12の上面と接する部分(押圧する部分)は、回転テーブル12の中心からの距離が等距離となる。
分級部16は、ローラ13により粉砕された固体燃料を所定粒径(例えば、70〜100μm)より大きいもの(以下、所定粒径を超える粉砕された固体燃料を「粗粉燃料」という。)と所定粒径以下のもの(以下、所定粒径以下の粉砕された固体燃料を「微粉燃料」という。)に分級する装置である。分級部16は、例えば外形が円錐台形状とされ、略円筒形状のハウジング11の円筒軸に沿ってハウジング11内の上方に取り付けられ、外周側に複数の分級羽根を備えている。分級部16は、モータ18により駆動力を与えられ、ハウジング11の円筒軸を中心に回転する。
分級部16によって分級された微粉燃料は、出口19から供給流路100bへ排出される。供給流路100bへ流出した微粉燃料は、ボイラ200のバーナ部220へ供給される。
送風部30は、ハウジング11へ送風される一次空気を適切な温度に調整するために、熱ガス送風機30aと、冷ガス送風機30bと、熱ガスダンパ30cと、冷ガスダンパ30dとを備えている。
一次空気の流量は、熱ガス送風機30aが送風する一次空気の流量と冷ガス送風機30bが送風する一次空気の流量の合計の流量となり、一次空気の温度は、熱ガス送風機30aが送風する一次空気と冷ガス送風機30bが送風する一次空気の混合比率で決まり、制御部50によって制御される。
ボイラ200は、火炉210とバーナ部220とを備えている。
ボイラ200の各熱交換器への給水は、エコノマイザ(図示略)において加熱された後に、蒸発器(図示略)および過熱器(図示略)によって更に加熱されて高温高圧の蒸気が生成され、蒸気タービン(図示略)へと送られて発電機(図示略)を回転駆動して発電が行われる。
性状の異なる複数種の固体燃料を混合して粉砕して微粉燃料とする場合、固体燃料を粉砕する固体燃料粉砕装置の内部で発火が発生しないように適切に管理することが求められる。そして、発明者らは、複数種の固体燃料の混合について、粉砕容易性を示す指標であるハードグローブ粉砕性指数(HGI:Hardgrove Grindability Index)の差および全水分量の差に着目して試験を行ったところ、これらの差が大きくなる場合に発火のおそれが高くなるという新たな知見を得た。
また、全水分量は、固体燃料に含まれる水分の重量割合を示す値である。全水分量の測定方法は、JIS M 8820の石炭類及びコークス類のロットの全水分測定方法に記載されている。
その結果、第1固体燃料のHGIから第2固体燃料のHGIを減算した差分(HGIの差の絶対値)が第1所定値Th1以上であり、かつ第2固体燃料の全水分量から第1固体燃料の全水分量を減算した差分(全水分量の差の絶対値)が第2所定値Th2以上である場合に、混合燃料の粉砕中に発火に至るおそれが高いということが分かった。
図2は、第1固体燃料と第1固体燃料よりもHGIが低く、全水分量が多い第2固体燃料の2種の固体燃料を混合して混合燃料とする場合に、固体燃料粉砕装置100のミル10の内部における微粉燃料の粒子の凝集状態を示す図である。
図2に示すように、第1固体燃料を粉砕した第1微粉燃料C1は、HGIが高いため第2微粉燃料C2よりも小さい粒径に粉砕され、粒径の大きい方の第2固体燃料の第2微粉燃料C2が発生している。また、固体燃料粉砕装置の内で粉砕された微粉燃料C1,C2が、搬送用の加熱された一次空気により乾燥される。この場合、粒径の大きい方の第2固体燃料の第2微粉燃料C2の乾燥不良が発生し、第2微粉燃料C2は、第1微粉燃料C1よりも全水分量が多いため外周面に水分Wが付着している。
本実施形態においては、固体燃料粉砕装置100で燃料として用いる予定の第1固体燃料および第2固体燃料のHGIを、予め測定装置(図示略)により測定しておくものとする。また、固体燃料粉砕装置100で燃料として用いる予定の第1固体燃料および第2固体燃料の全水分量を、予め測定装置(図示略)により測定しておくものとする。ここで、第1固体燃料は、第2固体燃料よりもHGIが高く、かつ全水分量が低いものとする。
ステップS402において、制御部50は、予め測定により取得している第2固体燃料のHGIおよび全水分量の値を、入力部(図示略)を介して入力する。
制御部50は、ステップS405またはステップS406の処理を実行すると、図4に示す2種の固体燃料を混合して粉砕することの可否を判定する処理を終了させる。
本実施形態の固体燃料の混合判定方法によれば、第1固体燃料のHGIと第2固体燃料のHGIとの差の絶対値が第1所定値Th1以上である場合、粉砕された一方の固体燃料(本実施形態では第1固体燃料)の粒径が粉砕された他方の固体燃料(本実施形態では第2固体燃料)の粒径よりも十分に小さくなる。また、第2固体燃料の全水分量と第2固体燃料の全水分量との差の絶対値が第2所定値Th2以上である場合、第2固体燃料の全水分量が第1固体燃料の全水分量よりも十分に多くなる。この場合、粒径の小さい第1固体燃料の微粉燃料が第2固体燃料の微粉燃料に付着した水分に引き付けられ、粒径の大きい第2固体燃料の微粉燃料の周囲に第1固体燃料の微粉燃料が付着する。そして、粒径の大きい第2固体燃料の微粉燃料の周囲に、粒径の小さい第1固体燃料の微粉燃料が凝集した凝集体が、固体燃料粉砕装置のミルの内部に滞留または付着し、一次空気の熱によって加熱される。第1固体燃料の微粉燃料は粒径が小さく全水分量が少ないため、一次空気の加熱によって発火に至る可能性がある。
次に、本発明の第2実施形態に係る固体燃料粉砕装置および固体燃料の混合判定方法について、図面を参照して説明する。
第2実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとする。
それに対して第2実施形態は、第1固体燃料、第2固体燃料に加え、第1固体燃料よりもHGIが低い第3固体燃料の3種の固体燃料を混合して混合燃料とする場合に、第1固体燃料、第2固体燃料、および第3固体燃料を混合して粉砕することの可否を判定するものである。
ステップS502において、制御部50は、予め測定により取得している第2固体燃料のHGIおよび全水分量の値を、入力部(図示略)を介して入力する。
ステップS503において、制御部50は、予め測定により取得している第3固体燃料のHGIおよび全水分量の値を、入力部(図示略)を介して入力する。
制御部50は、ステップS507、ステップS508、またはステップS511の処理を実行すると、図5に示す3種の固体燃料の混合可否を判定する処理を終了させる。
11 ハウジング
12 回転テーブル
13 ローラ
14 駆動部
15 駆動軸
16 分級部
17 燃料供給部
18 モータ
19 出口
20 給炭機(燃料供給部)
30 送風部
30a 熱ガス送風機
30b 冷ガス送風機
30c 熱ガスダンパ
30d 冷ガスダンパ
40 温度検出部
50 制御部(判定部)
100 固体燃料粉砕装置
100a 一次空気流路
100b 供給流路
200 ボイラ
210 火炉
220 バーナ部
C1 第1微粉燃料
C2 第2微粉燃料
W 水分
Claims (6)
- 固体燃料粉砕装置で混合して粉砕される第1固体燃料および第2固体燃料の混合可否を判定する固体燃料の混合判定方法であって、
前記第1固体燃料のハードグローブ粉砕性指数および全水分量を入力する工程と、
前記第2固体燃料のハードグローブ粉砕性指数および全水分量を入力する工程と、
前記第1固体燃料のハードグローブ粉砕性指数と前記第2固体燃料のハードグローブ粉砕性指数との差の絶対値が第1所定値以上であり、かつ前記第2固体燃料の全水分量と前記第1固体燃料の全水分量との差の絶対値が第2所定値以上である場合に、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料の混合が不可であると判定する判定工程と、を備える固体燃料の混合判定方法。 - 前記第1所定値が15以上かつ20以下であり、前記第2所定値が15重量%以上かつ20重量%以下である請求項1に記載の固体燃料の混合判定方法。
- 第3固体燃料のハードグローブ粉砕性指数および全水分量を入力する工程を備え、
前記判定工程は、前記第1固体燃料、前記第2固体燃料、および前記第3固体燃料からハードグローブ粉砕性指数の差の絶対値が大きい2種を選択し、該選択された2種のハードグローブ粉砕性指数の差の絶対値が前記第1所定値以上であり、かつ前記選択された2種の全水分量の差の絶対値が前記第2所定値以上である場合に、前記第1固体燃料、前記第2固体燃料、および前記第3固体燃料の混合が不可であると判定する請求項1または2に記載の固体燃料の混合判定方法。 - 第1固体燃料のハードグローブ粉砕性指数と第2固体燃料のハードグローブ粉砕性指数との差の絶対値が第1所定値より小さい、または前記第2固体燃料の全水分量と前記第1固体燃料の全水分量との差の絶対値が第2所定値より小さい場合に、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料とを混合して粉砕する粉砕部を備える固体燃料粉砕装置。
- 前記第1固体燃料のハードグローブ粉砕性指数と前記第2固体燃料のハードグローブ粉砕性指数との差の絶対値が前記第1所定値以上であり、かつ前記第2固体燃料の全水分量と前記第1固体燃料の全水分量との差の絶対値が前記第2所定値以上である場合に、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料の混合が不可であると判定する判定部と、備え、
前記粉砕部は、前記判定部が前記第1固体燃料と前記第2固体燃料の混合が不可であると判定しない場合に、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料とを混合して粉砕する請求項4に記載の固体燃料粉砕装置。 - 前記第1所定値が15以上かつ20以下であり、前記第2所定値が15重量%以上かつ20重量%以下である請求項4または請求項5に記載の固体燃料粉砕装置。
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