JP2019005429A - 食材炒め装置及び食材炒め方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の食材炒め装置1は、上方が開放されるようにハーフパイプ状に形成され且つその長手方向の中心軸線C1を中心に揺動可能であり、炒め処理される食材が投入されるパン6と、このパンの外周側に固定されてパンを加熱する加熱部4と、パン内に回転可能に設けられて、パンが揺動して加熱部によって加熱されている状態でパン内の食材を撹拌する撹拌部8と、を有し、加熱部は、電磁誘導加熱用のコイル12をそれぞれ含む複数のコイルユニット10を備え、各コイルユニットは、パンの長手方向である第1方向Xに互いに密接して配置され、かつ、隣り合うコイルユニット同士の互いに第1方向に対向する端面10a,10a同士が、その平面視において第1方向に対して垂直な第2方向Yに対して傾斜して配置されている。
【選択図】図5
Description
また、各IHコイルユニットに内蔵されている各IHコイルについては、渦巻き状に形成され、その外縁形状が平面視で概ね長円形状となっている。
しかしながら、各IHコイルユニット同士が密接して配置されていても、各IHコイルユニット同士の境界部分や隣り合うIHコイルの外縁の曲がり部分同士の間において、伝熱抵抗となるスペースが形成されることになるため、パン部全体において加熱斑が生じるおそれがあるという課題がある。
したがって、隣り合うIHコイル同士の間において、伝熱抵抗となるスペースが形成されることになるため、回転ドラム全体において加熱斑が生じるおそれがあるという課題がある。
このように構成された本発明においては、パン部内の食材を炒め処理する際、パン部が長手方向の中心軸線を中心に揺動しながら、加熱部の複数のコイルユニットの各電磁誘導加熱用のコイルによりパン部が加熱されると共に、撹拌部によりパン部内の食材が攪拌される。
この際、複数のコイルユニットのそれぞれが、パン部の長手方向である第1方向に互いに密接して配置されており、かつ、隣り合うコイルユニット同士の互いに第1方向に対向する端面同士が、その平面視において第1方向に対して垂直な第2方向に対して傾斜して配置されている。これにより、各コイルユニット同士の境界部分付近のパン部の熱斑を効果的に抑制することができ、パン部内の食材を均一に効率良く加熱することができる。
このように構成された本発明においては、コイルユニットの平面視の形状が、対角が直角以外となる概ね平行四辺形であるため、隣り合うコイルユニット同士をほとんど隙間なく効果的に密接して配置することができる。
したがって、隣り合うコイルユニット同士の各電磁誘導加熱用のコイル同士についても可能な限り近接させることができるため、各コイルユニット同士の境界部分付近のパン部の熱斑をより効果的に抑制することができる。
このように構成された本発明においては、第1片側コイルユニット及び第2片側コイルユニットのそれぞれにおいて加熱温度の設定を独立に行うことができるため、炒め処理時のパン部の温度調整等の温度管理を行い易くすることができる。
また、第1片側コイルユニット及び第2片側コイルユニットの互いに第2方向に対向する端面同士が互いに密接した状態で配置されているため、第1片側コイルユニット及び第2片側コイルユニット同士の境界部分付近のパン部の熱斑をより効果的に抑制することができる。
このように構成された本発明においては、パン部内の食材を炒め処理する際に、パン部が揺動している状態において、各コイルユニット同士の境界部分付近のパン部の熱斑をさらにより効果的に抑制することができる。
このように構成された本発明においては、第1片側コイルユニットのそれぞれを同一の第1コイルユニットで共通化することができると共に、第2片側コイルユニットのそれぞれを同一の第2コイルユニットで共通化することができる。
したがって、加熱部の各コイルユニットについて、種類を抑えつつ、組立性を向上させることができ、製造コストを抑制することができる。また、保守又は点検等のメンテナンス性を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、第1片側コイルユニットの第1コイルユニット及び第2片側コイルユニットの第2コイルユニットが互いに同一であるため、加熱部の各コイルユニットについて、種類を抑えつつ、組立性をさらに向上させることができ、製造コストをさらに抑制することができる。また、保守又は点検等のメンテナンス性をさらに向上させることができる。
このように構成された本発明においては、第1片側コイルユニットの第1コイルユニット及び第2片側コイルユニットの第2コイルユニットが互いに異なるコイルユニットであるため、異なる各コイルユニット毎に加熱温度の設定を独立に行うことができる。よって、炒め処理時のパン部の温度調整等の温度管理を細やかに行うことができる。
このように構成された本発明においては、複数のコイルユニットのそれぞれが、平面視においてパン部の長手方向の中心軸線を中心に第2方向の両側領域に亘って形成されているため、コイルユニットの個数を抑制することができる。
したがって、加熱部の各コイルユニットについて、部品点数を抑えつつ、組立性を向上させることができ、製造コストを抑制することができる。また、保守又は点検等のメンテナンス性を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、複数のコイルユニットの各コイルユニットが同一であるため、加熱部の各コイルユニットについて、種類を抑えつつ、組立性をさらに向上させることができ、製造コストをさらに抑制することができる。また、保守又は点検等のメンテナンス性をさらに向上させることができる。
このように構成された本発明においては、パン部内の食材を炒め処理する際、パン部が長手方向の中心軸線を中心に第1最大揺動位置と第2最大揺動位置との間で左右非対称に揺動することができる。
したがって、パン部内の食材を効率良く加熱することができる。
上記パン部は、上記羽根部が上記回転軸部と共に第1回転方向に回転して上記パン部内の食材を下方から上方に掻き取っている状態では、水平状態である初期位置から上記第1回転方向に上記第1最大揺動位置まで第1最大揺動角度で揺動可能であり、その後、上記第1回転方向とは反対の第2回転方向に揺動して、上記初期位置から上記第2最大揺動位置まで第2最大揺動角度で揺動可能に構成されている。
このように構成された本発明においては、パン部内の食材を炒め処理する際、羽根部が回転軸部と共に第1回転方向に回転してパン部内の食材を下方から上方に掻き取っている状態では、パン部は、水平状態である初期位置から第1回転方向に第1最大揺動位置まで第1最大揺動角度で揺動することができる。その後、パン部は、第1回転方向とは反対の第2回転方向に揺動して、初期位置から第2最大揺動位置まで第2最大揺動角度で揺動することができる。
これらにより、パン部内の食材を炒め処理する際には、羽根部がパン部内の食材を効率良く掻き取ることができ、撹拌部がパン部内の食材を攪拌する効率を向上させることができる。
また、パン部内の食材を効率良く攪拌することができるため、食材の加熱斑を効果的に抑制することができる。
このように構成された本発明においては、羽根部が回転軸部と共に第1回転方向に回転してパン部内の食材を下方から上方に掻き上げている状態では、パン部が初期位置から第1最大揺動位置まで第1回転方向に揺動し、第2最大揺動角度よりも大きい第1揺動角度で揺動することができる。
したがって、パン部内の食材を炒め処理する際に、羽根部がパン部内の食材をさらに効率良く掻き取ることができ、撹拌部がパン部内の食材を攪拌する効率をさらに向上させることができる。
また、パン部内の食材をさらに効率良く攪拌することができるため、食材の加熱むらをより効果的に抑制することができる。
このように構成された本発明においては、複数のコイルユニットの各々の設定温度について、炒め処理の対象の食材又はパン部の目標の設定温度に応じて調整することができるため、炒め処理時のパン部や食材の温度管理を細やかに行うことができる。
このように構成された本発明においては、パン部内の食材を炒め処理する際、加熱工程において、複数のコイルユニットのそれぞれについてパン部の長手方向である第1方向に互いに密接させた状態でパン部を加熱し、かつ、隣り合うコイルユニットの互いに第1方向に対向する端面について、第1方向に対して垂直な第2方向に対して傾斜させた状態でパン部を加熱することができる。
したがって、加熱工程において、各コイルユニット同士の境界部分付近のパン部の熱斑を効果的に抑制することができ、パン部内の食材を均一に効率良く加熱することができる。
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態による食材炒め装置の基本構成について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による食材炒め装置全体を示す概略図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態による食材炒め装置1は、米飯類や麺類等の澱粉を含有する食材、及び/又は、野菜類や肉類等の食材について炒め処理することにより、炒飯、焼きそば、香味野菜等の炒め料理を工業的に行うものである。
また、図1に示すように、本実施形態の食材炒め装置1は、下方から上方に向かって、固定架台2、加熱装置4、パン6、及び、攪拌装置8をそれぞれ備えている。
まず、固定架台2は、設置面Aに固定されている。また、固定架台2は、加熱装置4の下部を固定支持していると共に、加熱装置4の上方側でパン6を揺動可能に支持している。
さらに、図1に示すように、固定架台2は、その底部の後端高さ位置が前端高さ位置よりも高くなるように、設置面Aに対して比較的緩やかな傾斜角度αで固定されている。
これにより、固定架台2により支持された状態の加熱装置4及びパン6についても、設置面Aに対して全体的に比較的緩やかな傾斜角度αで後方から前方に向かって下り傾斜した姿勢となっている。
また、図1に示すように、食材炒め装置1においては、作業者Uにより後方領域B側の上方から食材がパン6内に投入されるようになっている。その後、パン6が加熱装置4により加熱されながら揺動すると同時に、パン6内の食材が攪拌装置8によって攪拌されることにより炒め処理が行われるようになっている。
そして、炒め処理された最終製品は、前方領域Fから取り出し可能となっている。
まず、図2は、本発明の第1実施形態による食材炒め装置のパン及び加熱装置を前方斜め上方から見た斜視図である。つぎに、図3は、本発明の第1実施形態による食材炒め装置の前方側から見た側面図である。また、図4は、図2に示す本発明の第1実施形態による食材炒め装置において、パン及び攪拌装置を取り外した状態の斜視図である。さらに、図5は、本発明の第1実施形態による食材炒め装置におけるパン及び攪拌装置を取り外した状態の平面図である。
図1〜図3に示すように、パン6は、熱伝導率を考慮し、板厚が11mm〜13mmのステンレス等の金属材料で一体に形成されている。
また、パン6は、その上方が開放されるようにハーフパイプ状に形成されており、その横断面が概ね半円形状に形成されている。これにより、パン6は、炒め処理される食材が投入されるパン部として機能するようになっている。
まず、図2〜図5に示すように、加熱装置4は、パン6の外周下側に固定されてパン6を加熱する加熱部として機能するものである。この加熱装置4は、パン6の下側に設けられた複数のIHコイルユニット10を備えている。
また、図6及び図7に示すよう、複数のIHコイルユニット10のそれぞれには、渦巻き状に形成されたIHコイル12が内蔵されている。
さらに、図3及び図7に示すように、各IHコイルユニット10及びIHコイル12のそれぞれの上面の曲率半径ρ1,ρ2は、パン6の下側の外周面(曲がり面)の曲率ρ3と互いにほぼ一致している。
しかしながら、パン6の外周面は、加熱装置4の各IHコイルユニット10の表面とは接触しておらず、各IHコイルユニット10がパン6の外周面の径方向に僅かな隙間を介してパン6と対向するように配置されている。
また、各IHコイル12で発生する磁力線が各IHコイルユニット10と対向するパン6の底面を通過することにより、電気抵抗による熱が発生するようになっている。そして、パン6が中心軸線C1を中心に揺動しながら、加熱されるようになっている。
この攪拌装置8は、具体的な構成として、パン6内に回転可能にそれぞれ設けられた回転軸部である回転軸14と、羽根部である複数の羽根16とを備えている。
また、図1〜図3に示すように、攪拌装置8の回転軸14は、パン6の長手方向(第1方向)の中心軸線C1に沿って延びるように設けられている。この回転軸14は、その両端側が固定架台2の一部によって支持されており、パン6の揺動とは独立にモータ(図示せず)等によって回転可能となっている。
さらに、攪拌装置8の各羽根16は、図2では省略されているが、図3に示すように、回転軸14に固定されている。これにより、回転軸14が第1回転方向R1又は第2回転方向R2のいずれかに回転すると、各羽根16が回転軸14と一体的に回転し、パン6の揺動とは独立に回転可能となっている。
特に、羽根16は、その先端部が差し向けられている方向と同一方向である第1回転方向R1に回転している状態では、パン6内の表面に対して相対的に摺動し、羽根16の先端部がパン6内の表面上の食材を掻き取り可能となっている。
すなわち、羽根16に関する種類や形態、個数、配列の順序や組み合わせについては、あくまでも一例に過ぎず、適宜修正や変更が可能である。
また、本実施形態では、パン6の長手方向(第1方向)の中心軸線C1及び攪拌装置8の回転軸14の中心軸線の両者が互いに一致している形態について説明している。しかしながら、両者の中心軸線同士が互いに一致しない他の形態であってもよく、例えば、両者の中心軸線同士が互いに一定距離で平行となる形態や、両者の中心軸線同士の距離が軸線方向の位置に応じて異なる形態であってもよい。
そして、パン6は、その後、第1回転方向R1とは反対の第2回転方向R2に揺動して、初期位置P0から第2最大揺動位置P2まで第2最大揺動角度θ2で揺動可能となっている。
なお、第1最大揺動角度θ1については、12度〜18度に設定されていることが好ましく、14度〜16度に設定されていることが最も好ましい。
また、第2最大揺動角度θ2については、8度〜12度に設定されていることが好ましく、9度〜11度に設定されていることが最も好ましい。
図3に示すように、これらの第1最大揺動角度θ1及び第2最大揺動角度θ2が互いに異なる角度で設定されていることにより、パン6は、その長手方向の中心軸線C1を中心に互いに左右非対称に揺動可能となっている。
また、図5及び図6に示す平面視において、隣り合う各IHコイルユニット10同士の互いに第1方向Xに対向する第1端面10a,10a同士は、パン6の長手方向(第1方向X)に対して垂直なパン6の横幅方向(第2方向Y)(及びパン6の横断面)に対して傾斜角度βで傾斜して配置されている。
ここで、各IHコイルユニットの第1方向Xの第1端面10aの傾斜角度βについては、20度〜30度に設定されていることが好ましく、22度〜28度に設定されていることが最も好ましい。
すなわち、この平行四辺形の対角γ,δは、直角以外(γ≠90度、δ≠90度、γ+δ=180度)の角度に設定されている。
ここで、対角γ又は対角βのいずれか一方の角度については、60度〜70度に設定されていることが好ましく、62度〜68度に設定されていることが最も好ましい。
そして、図3及び図5に示すように、複数の第1片側IHコイルユニット10A及び複数の第2片側IHコイルユニット10Bの互いに第2方向Yに対向する第2端面10b,10b同士は、互いに密接した状態で配置されている。
これらにより、第1片側IHコイルユニット10A及び第2片側IHコイルユニット10Bのそれぞれにおいて、加熱温度の設定を独立に行うことができるようになっている。
同様に、図4及び図5に示すように、複数の第2片側IHコイルユニット10Bの各コイルユニット(第2コイルユニット)についても、同一のIHコイルユニット10からなる。
すなわち、複数の第1片側IHコイルユニット10A及び複数の第2片側IHコイルユニット10Bの各IHコイルユニット10のすべてが、同一のIHコイルユニットとなっている。
また、図5及び図6に示すように、第2端面10b,10b同士のオフセット距離L1は、第2端面10bの第1方向Xの幅L2よりも小さく設定されている(L1<L2)。
これにより、各IHコイルユニット10の設定温度については、炒め処理の対象の食材又はパン6の目標の設定温度に応じて、温度検出手段が検出した温度を考慮しつつ、調整可能となっている。
まず、本発明の第1実施形態による食材炒め装置1のパン6の内面に食用油が引かれた状態でパン6を揺動させる工程(揺動工程)が開始される。
この揺動工程と同時又はその前後において、加熱装置4が作動し、各IHコイルユニット10によりパン6を加熱する工程(加熱工程)が開始される。
そして、揺動して加熱された状態のパン6内に対して、作業者Uは、後方領域B側の上方から食材を投入する。
同時に、攪拌装置8が作動し、攪拌装置8の羽根パン16がパン6内の食材を撹拌する工程(攪拌工程)が開始され、本格的な炒め処理が実行される。
同時に、パン6は、長手方向の中心軸線C1を中心に第1最大揺動位置P1と第2最大揺動位置P2との間で左右非対称に揺動する。
より具体的には、パン6は、水平状態である初期位置P0から第1回転方向R1に第1最大揺動位置P1まで第1最大揺動角度θ1で揺動する。その後、パン6は、第1回転方向R1とは反対の第2回転方向R2に揺動して、初期位置P0から第2最大揺動位置P2まで第2最大揺動角度θ2で揺動する。
したがって、加熱工程において、各IHコイルユニット10同士の境界部分付近のパン6の熱斑を効果的に抑制することができ、パン6内の食材を均一に効率良く加熱することができる。
そして、炒め処理された最終製品は、パン6の前方領域Fから取り出される。
一方、図9Aは、従来の食材炒め装置におけるパンの温度測定に用いられる温度センサを付属するIHコイルユニットの部分を示す平面概略図である。また、図9Bは、従来の食材炒め装置のパンの温度に関する測定結果(温度測定値、温度のばらつき)の一例(比較例)である。
まず、図8Aに示すように、本発明の第1実施形態による食材炒め装置1のパン6の温度測定においては、装置1の後方領域B側に配置されてパン6の外周面と対向する4つのIHコイルユニット10にそれぞれ設けられた4つの温度センサ18a,18b,18c,18dを使用した。
また、パン6については、その長手方向の中心軸線C1を中心に左右非対称に揺動させた状態で温度測定を行った。
そして、図8Bに示すように、各温度センサ18a,18b,18c,18dの測定結果として、各測定温度(No.1〜No.4)、温度の平均値(Ave)、標準偏差(σ)、変動係数(CV)がそれぞれ得られた。
また、従来の食材炒め装置500のパンについては、その長手方向の中心軸線C1を中心に対称に揺動させると共に、前後方向にも揺動させた状態で温度測定を行った。
そして、図9Bに示すように、各温度センサ518a,518b,518c,518dの測定結果として、各測定温度(No.1〜No.4)、温度の平均値(Ave)、標準偏差(σ)、変動係数(CV)がそれぞれ得られた。
また、各IHコイルユニット510には、平面視で概ね長円形状のIHコイル512が内蔵されている。
さらに、図9Aに示すように、従来の食材炒め装置500においては、各IHコイルユニット510が、パン(図示せず)の長手方向(第1方向X)及び横幅方向(第2方向Y)に互いに所定間隔を置いて配置されている。
また、図9Aに示すように、各IHコイルユニット510同士の互いに第1方向Xに対向する第1端面510a,510a同士は、第2方向Yと平行であり、第2方向Yに対して傾斜していない。
さらに、図9Aに示すように、各IHコイルユニット510の第2方向Yに互いに対向する第2端面510b,510b同士は、上述した本発明の第1実施形態とは異なり、パン(図示せず)の長手方向(第1方向X)に互いにオフセットされていない。
また、図8Bに示す本実施形態の食材炒め装置1のパン6の温度の標準偏差σについては、図9Bに示す従来の食材炒め装置500のパンの温度の標準偏差σよりも小さい値となっている。
さらに、図8Bに示す本実施形態の食材炒め装置1のパン6の温度の変動係数CVについても、図9Bに示す従来の食材炒め装置500のパンの温度の変動係数CVよりも小さい値となっている。
これらの結果、本実施形態の食材炒め装置1の方が、従来の食材炒め装置500よりも高い平均加熱温度で、かつ、ばらつきが少ない状態で、パンを効率良く加熱することができていることが確認できた。
この際、複数のIHコイルユニット10のそれぞれが、パン6の長手方向である第1方向Xに互いに密接して配置されている。加えて、隣り合うIHコイルユニット10同士の互いに第1方向Xに対向する第1端面10a同士が、その平面視において第1方向Xに対して垂直な第2方向Yに対して傾斜角度βで傾斜して配置されている(図5参照)。
これにより、各IHコイルユニット10同士の境界部分付近におけるパン6の熱斑を効果的に抑制することができ、パン6内の食材を均一に効率良く加熱することができる。
したがって、隣り合うIHコイルユニット10同士の各IHコイル12同士についても可能な限り近接させることができる。よって、各IHコイルユニット10同士の境界部分付近におけるパン6の熱斑をより効果的に抑制することができる。
また、第1片側IHコイルユニット10A及び第2片側IHコイルユニット10B同士の境界部分付近のパン6の熱斑をより効果的に抑制することができる。
したがって、パン6内の食材を炒め処理する際に、パン6が揺動している状態において、各IHコイルユニット10同士の境界部分付近のパン6の熱斑をさらにより効果的に抑制することができる。
したがって、第1片側IHコイルユニット10Aのそれぞれを同一の第1IHコイルユニット10で共通化することができると共に、第2片側IHコイルユニット10Bのそれぞれを同一の第2IHコイルユニット10で共通化することができる。
さらに、第1片側IHコイルユニット10Aの第1IHコイルユニット10及び第2片側IHコイルユニット10Bの第2コイルユニット10同士についても、互いに同一である。
よって、加熱装置4の各IHコイルユニット10A,10Bについて、種類を抑えつつ、組立性をさらに向上させることができ、製造コストをさらに抑制することができる。また、保守又は点検等のメンテナンス性をさらに向上させることができる。
したがって、パン6内の食材を炒め処理する際、パン6が長手方向の中心軸線C1を中心に第1最大揺動位置P1と第2最大揺動位置P2との間で左右非対称に揺動することができる。よって、パン6内の食材を効率良く加熱することができる。
これらにより、パン6内の食材を炒め処理する際には、羽根16がパン6内の食材を効率良く掻き取ることができ、撹拌装置8がパン6内の食材を攪拌する効率を向上させることができる。また、パン6内の食材を効率良く攪拌することができるため、食材の加熱斑を効果的に抑制することができる。
したがって、パン6内の食材を炒め処理する際に、羽根16がパン6内の食材をさらに効率良く掻き取ることができる。よって、撹拌装置8がパン6内の食材を攪拌する効率をさらに向上させることができる。
また、パン6内の食材をさらに効率良く攪拌することができるため、食材の加熱むらをより効果的に抑制することができる。
図10は、本発明の第2実施形態による食材炒め装置におけるパン及び攪拌装置を取り外した状態の概略平面図である。
なお、図10に示す本発明の第2実施形態による食材炒め装置100においては、上述した本発明の第1実施形態による食材炒め装置1と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
まず、本発明の第2実施形態による食材炒め装置100では、パン6や攪拌装置8が上述した第1実施形態の食材炒め装置1と同一であり、加熱装置104のみが、上述した第1実施形態の食材炒め装置1の加熱装置4と異なっている。
また、加熱装置104における複数の第1片側IHコイルユニット110Aの各コイルユニット(第1コイルユニット)は、同一のIHコイルユニット110からなる。
しかしながら、これら複数の第1片側IHコイルユニット110Aの各IHコイルユニット110は、複数の第2片側IHコイルユニット10Bの各IHコイルユニット10とは互いに異なっている。
そして、図10に示すように、これらの第1片側IHコイルユニット110A及び第2片側IHコイルユニット10Bは、平面視において、互いにパン6の中心軸線C1に対して左右方向(第2方向Y)に対称に配置されている。
したがって、図10に示すように、第1片側IHコイルユニット110Aの各IHコイルユニット110に内蔵されている各IHコイル112、及び、第2片側IHコイルユニット10Bの各IHコイルユニット10に内蔵されている各IHコイル12についても、平面視において、互いにパン6の中心軸線C1に対して左右方向(第2方向Y)に対称に配置されている。
また、図10に示す平面視において、隣り合う各IHコイルユニット110同士の互いに第1方向Xに対向する第1端面110a,110a同士は、パン6の長手方向(第1方向X)に対して垂直な第2方向Y及びパン6の横断面に対して傾斜角度βで傾斜して配置されている。
これらにより、第1片側IHコイルユニット110A及び第2片側IHコイルユニット10Bのそれぞれにおいて、加熱温度の設定を独立に行うことができるようになっている。
したがって、異なる各IHコイルユニット110,10毎に加熱温度の設定を独立に行うことができる。よって、炒め処理時のパン6の温度調整等の温度管理を細やかに行うことができる。
図11は、本発明の第3実施形態による食材炒め装置におけるパン及び攪拌装置を取り外した状態の概略平面図である。
なお、図11に示す本発明の第3実施形態による食材炒め装置200においては、上述した本発明の第1、2実施形態による食材炒め装置1,100と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
まず、本発明の第3実施形態による食材炒め装置200では、パン6や攪拌装置8が上述した第1、2実施形態の食材炒め装置1,100と同一であり、加熱装置204のみが、上述した第1、2実施形態の食材炒め装置1の加熱装置4,104と異なっている。
すなわち、本実施形態の食材炒め装置200の加熱装置204のIHコイルユニット210は、上述した第1、第2実施形態による食材炒め装置1,100の加熱装置4,104のIHコイルユニット10,110に比べて、第2方向Yの幅が広いIHコイルユニットとなっている。
さらに、図11に示す平面視において、隣り合う各IHコイルユニット210同士の互いに第1方向Xに対向する第1端面210a,210a同士は、パン6の長手方向(第1方向X)に対して垂直な第2方向Y及びパン6の横断面に対して傾斜角度βで傾斜して配置されている。
また、複数のIHコイルユニット210の各IHコイルユニットが同一であるため、加熱装置204の各IHコイルユニット210について、種類を抑えつつ、組立性をさらに向上させることができ、製造コストをさらに抑制することができる。さらに、保守又は点検等のメンテナンス性を向上させることもできる。
2 固定架台
4 加熱装置(加熱部)
6 パン(パン部)
8 攪拌装置(撹拌部)
10 IHコイルユニット(コイルユニット、第1コイルユニット、第2コイルユニット)
10A 第1片側IHコイルユニット
10B 第2片側IHコイルユニット
10a 第1端面
10b 第2端面
12 IHコイル(電磁誘導加熱用のコイル)
14 回転軸(回転軸部)
16 羽根(羽根部)
18a 温度センサ
18b 温度センサ
18c 温度センサ
18d 温度センサ
100 本発明の第2実施形態による食材炒め装置
110 IHコイルユニット(コイルユニット、第1コイルユニット)
110A 第1片側IHコイルユニット
110a 第1端面
110b 第2端面
112 IHコイル(電磁誘導加熱用のコイル)
200 本発明の第2実施形態による食材炒め装置
210 IHコイルユニット(コイルユニット、第1コイルユニット)
210a 第1端面
212 IHコイル(電磁誘導加熱用のコイル)
500 従来の食材炒め装置
510 IHコイルユニット
510a 第1端面
512 IHコイル
518a 温度センサ
518b 温度センサ
518c 温度センサ
518d 温度センサ
A 設置面
A1 領域
A2 領域
B 食材炒め装置の後方領域
C1 パンの長手方向(第1方向)の中心軸線
CV 変動係数
F 食材炒め装置の前方領域
L1 オフセット距離
L2 コイルユニットの第2端面の第1方向の幅
L101 オフセット距離
P0 初期位置
P1 第1最大揺動位置
P2 第2最大揺動位置
R1 第1回転方向
R2 第2回転方向
U 作業者
X 第1方向
Y 第2方向
α 設置面に対する固定架台の傾斜角度
β IHコイルユニットの第1端面の傾斜角度
γ 対角
δ 対角
σ 標準偏差
ρ1 曲率半径
ρ2 曲率半径
ρ3 曲率半径
Claims (14)
- 食材を炒め処理する食材炒め装置であって、
上方が開放されるようにハーフパイプ状に形成され且つその長手方向の中心軸線を中心に揺動可能であり、炒め処理される食材が投入されるパン部と、
このパン部の外周側に固定されて上記パン部を加熱する加熱部と、
上記パン部内に回転可能に設けられて、上記パン部が揺動して上記加熱部によって加熱されている状態で上記パン部内の食材を撹拌する撹拌部と、を有し、
上記加熱部は、電磁誘導加熱用のコイルをそれぞれ含む複数のコイルユニットを備え、
これらの複数のコイルユニットのそれぞれは、上記パン部の長手方向である第1方向に互いに密接して配置され、かつ、隣り合う上記コイルユニット同士の互いに上記第1方向に対向する端面同士が、その平面視において上記第1方向に対して垂直な第2方向に対して傾斜して配置されていることを特徴とする食材炒め装置。 - 上記コイルユニットの平面視の形状は、対角が直角以外となる概ね平行四辺形である請求項1記載の食材炒め装置。
- 上記複数のコイルユニットは、その平面視において上記パン部の長手方向の中心軸線を中心に上記第2方向の両側領域に分割して配置された複数の第1片側コイルユニット及び複数の第2片側コイルユニットからなり、これらの複数の第1片側コイルユニット及び複数の第2片側コイルユニットの互いに上記第2方向に対向する端面同士は、互いに密接した状態で配置されている請求項1又は2に記載の食材炒め装置。
- 上記複数の第1片側コイルユニット及び上記複数の第2片側コイルユニットにおける上記第2方向に互いに対向する端面同士は、上記パン部の長手方向に互いにずらされるように配置されている請求項3記載の食材炒め装置。
- 上記複数の第1片側コイルユニットのそれぞれは、同一の第1コイルユニットからなり、上記複数の第2片側コイルユニットのそれぞれは、同一の第2コイルユニットからなる請求項3又は4に記載の食材炒め装置。
- 上記第1コイルユニット及び上記第2コイルユニットは、互いに同一のコイルユニットである請求項5記載の食材炒め装置。
- 上記第1コイルユニット及び上記第2コイルユニットは、互いに異なるコイルユニットである請求項5記載の食材炒め装置。
- 上記複数のコイルユニットのそれぞれは、その平面視において上記パン部の長手方向の中心軸線を中心に上記第2方向の両側領域に亘って形成されている請求項1又は2に記載の食材炒め装置。
- 上記複数のコイルユニットのそれぞれは、互いに同一のコイルユニットである請求項8記載の食材炒め装置。
- 上記パン部は、その長手方向の中心軸線を中心に互いに左右非対称に位置決めされた第1最大揺動位置と第2最大揺動位置との間で揺動可能に構成されている請求項1乃至9の何れか1項に記載の食材炒め装置。
- 上記撹拌部は、上記第1方向に延びるように設けられた回転軸部と、この回転軸部と共に回転することにより上記パン部内の食材を掻き取り可能である羽根部と、を備え、
上記パン部は、上記羽根部が上記回転軸部と共に第1回転方向に回転して上記パン部内の食材を下方から上方に掻き取っている状態では、水平状態である初期位置から上記第1回転方向に上記第1最大揺動位置まで第1最大揺動角度で揺動可能であり、その後、上記第1回転方向とは反対の第2回転方向に揺動して、上記初期位置から上記第2最大揺動位置まで第2最大揺動角度で揺動可能に構成されている請求項10記載の食材炒め装置。 - 上記第1最大揺動角度は、上記第2最大揺動角度よりも大きく設定されている請求項11記載の食材炒め装置。
- 上記複数のコイルユニットは、各々の設定温度が炒め処理の対象の食材又は上記パン部の目標の設定温度に応じて調整可能に構成されている請求項1乃至12の何れか1項に記載の食材炒め装置。
- 食材を炒め処理する食材炒め方法であって、
上方が開放されたハーフパイプ状のパン部について、その長手方向の中心軸線を中心に非対称に揺動させる揺動工程と、
上記パン部が揺動している状態で、電磁誘導加熱用のコイルを備えた複数のコイルユニットにより上記パン部を加熱する加熱工程と、
上記パン部内の食材を撹拌する攪拌工程と、を有し、
上記加熱工程は、上記複数のコイルユニットのそれぞれについて上記パン部の長手方向である第1方向に互いに密接させた状態で上記パン部を加熱し、かつ、隣り合う上記コイルユニットの互いに上記第1方向に対向する端面について、上記第1方向に対して垂直な第2方向に対して傾斜させた状態で上記パン部を加熱することを特徴とする食材炒め方法。
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JP2017125904A JP6928868B2 (ja) | 2017-06-28 | 2017-06-28 | 食材炒め装置及び食材炒め方法 |
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CN114847749A (zh) * | 2020-10-30 | 2022-08-05 | 添可智能科技有限公司 | 调料盒控制方法及设备 |
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2017
- 2017-06-28 JP JP2017125904A patent/JP6928868B2/ja active Active
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