JP3643027B2 - 回転式大型調理容器の電磁誘導加熱方法とその装置 - Google Patents

回転式大型調理容器の電磁誘導加熱方法とその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は主に業務用となる回転式大型調理容器の電磁誘導加熱方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、加熱コイルの1個を使用して、鍋やホットプレートなどの導電性調理容器を電磁誘導加熱する場合、その加熱用インバーターの電力を調理容器へ効率良く吸収させるために必要な加熱コイルの太さと巻き数は理論的に決まっており、その加熱コイルのリッツ線径が約5mm、同じく巻き数が約20〜24回であるとされている関係上、実用的な好ましい一例として、現在最も入手しやすい安価な出力5KW程度の加熱用インバーターを使えるようにするためには、その加熱コイルの巻き径を大きくとも約240mmとして、調理容器の底面へ臨ませる必要がある。
【0003】
換言すれば、その調理容器が業務用として、上記加熱コイルの巻き径−約240mmよりも過大な大型品となる場合には、インダクタンスとの関係上巻き数を増すことができないため、その調理容器の大型化に応じて1個の加熱コイルを荒く大きな巻き径に粗巻きする必要があり、それだけ大出力の高価な加熱用インバーターを使わざるを得なくなる。そうすると、その1台の使用では大型調理容器の加熱温度を部分的に調整して、底面全体の均一に保てない問題が起るのである。
【0004】
そこで、大型調理容器の電磁誘導加熱上、その加熱コイルの複数個を全体的な同芯ドーナツ形態に配列設置することにより、上記出力5KW程度の安価な加熱用インバーターを使えるようにすることが考えられるが、このような配列形態では巻き径の小さな中心側加熱コイルと、巻き径の大きな周辺側加熱コイルとの隣り合う相互間に、狭くとも約60mmのクリヤランスを確保して、その磁界の影響し合うことを防ぐ必要があり、そのクリヤランスが調理容器に対する加熱ムラの原因となるほか、上記加熱コイルによる調理容器の加熱温度は、その調理容器における中心からの距離(半径)の2乗に反比例して低下し、図27に示すような関数(Y=a×1/r2 但し、rは半径、aは0でない比例定数である)の温度分布曲線を描くこととなるため、特別の対策を講じない限り、大型調理容器の底面全体を均一に加熱することができない。
【0005】
その対策として、特開平10−335056号と特開平8−69867号が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平10−335056号発明の構成では、その鍋(3)と鉄板(4)との何れにあっても、各複数区分域(1)のほぼ全面に亘って電磁誘導加熱用巻線(2)が巻回されており、その各区分域(1)の巻線(2)に対する加熱用インバーターの周波数は同一でなければならないので、その加熱用インバーターが1台に限られることになって、上記した問題を生ずるほか、鍋(3)や鉄板(4)が大型品である場合には、大出力の高価な加熱用インバーターを要することにもなる。
【0007】
又、隣接区分域(1)(1)における境界線(6)の両側では、電流の方向(a)(a)を同一に定めるため、巻線(2)の配線(2’)(2’)を平行に配列する必要があり、その各区分域(1)における巻線(2)の巻回パターンが著しく特殊化されるので、容易に製造することができず、未だ量産効果に劣る問題もある。
【0008】
他方、特開平8−69867号発明の構成では、水を混入する炊飯器であればともかく、野菜や米飯、麺類などの炒め調理器として適用した場合、電磁誘導加熱コイル(5)における外部コイル(51)と内部コイル(52)との相互が、40mm〜60mmだけ離隔された配列状態にある関係上、磁界の影響し合うことを抑制できるとしても、その相互間隙(クリヤランス)が加熱容器に対する加熱ムラの原因となる。
【0009】
又、外部コイル(51)を内部コイル(52)に比して、1〜3倍多く巻くようになっており、その巻き数比が最少の1倍である場合には、中心(内部)からの距離(半径)が遠くなればなる程、有効な熱伝導率が低下することになる関係上、大型加熱容器(1)の周辺(外部)を中心(内部)との均一に加熱することができない。
【0010】
同じく巻き数比が最多の3倍である場合には、それだけ外部コイル(51)による加熱面積も大きくなるため、インダクタンスが巻き数の2乗に比例して増大することを考慮すると、大出力の高価な加熱用インバーターが必要となる。
【0011】
この点、電磁誘導加熱コイル(5)のリッツ線径を上記の実用的に好ましい約5mmと仮定して、特開平8−69867号発明の実施例と図4(C)に記載された巻数(N)やクリヤランス(H2)の数値に基き計算すると、外部コイル(51)の巻き径は310mmとなり、その外部コイル(51)の加熱面積に対応する極めて大出力の高価な加熱用インバーターが必要であって、内部コイル(52)の加熱面積に応じた別個な加熱用インバーターも必要であるため、その2台を制御することにより、大型加熱容器(1)の加熱温度を均一に保たなければならない。
【0012】
何れにしても、上記公知発明は固定状態に据え付け使用される鍋やホットプレートなどの調理容器を対象とするものである点で、本発明と根本的に相違する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような諸問題に鑑み、実用的に安価な小出力の加熱用インバーターの1台では対応し難い程の大型で、しかも回転使用される調理容器を対象として、その底面全体の均一に電磁誘導加熱するための方法と装置を提供しようとするものである。
【0014】
つまり、その主に業務用となる回転式大型調理容器の電磁誘導加熱方法として、回転使用される食材収納用大型調理容器の部分的な加熱区域を分担する電磁誘導加熱コイルの複数個を、その調理容器における回転中心線からの距離が徐々に相違変化し且つ加熱コイル同志の隣り合う相互間に磁界が影響し合わぬ必要な一定のクリヤランスを保つ点在分布状態として、上記調理容器の底面へ悉く臨ませると共に、
【0015】
その調理容器に収納された食材の加熱温度又は調理容器における底面の加熱温度を検知して、その検知温度をコンピユーターにより食材の加熱に必要な目標の設定温度と比較した結果に基き、上記加熱区域の加熱温度が調理容器の底面全体として均一となるように、その各加熱コイルへ供給する高周波電流を調整制御することを特徴とする。
【0016】
又、同じく電磁誘導加熱装置として、その構成上据付け台へ回転駆動自在に軸受けされた食材収納用の大型調理容器と、
【0017】
上記調理容器の部分的な加熱区域を分担すべく、その調理容器における回転中心線からの距離が徐々に相違変化し且つ隣り合う相互間に磁界が影響し合わぬ必要な一定のクリヤランスを保つ点在分布状態として、上記調理容器の底面へ悉く臨むように振り分け設置された複数個の電磁誘導加熱コイルから成る電磁誘導加熱器と、
【0018】
その電磁誘導加熱器の各加熱コイルによる部分的な加熱区域の加熱温度を上記調理容器の回転使用中に検知すべく、その各加熱区域へ臨むように対応設置された複数個の温度センサーと、
【0019】
その各温度センサーにより検知した上記加熱区域の加熱温度を、予じめ設定されている食材の加熱に必要な目標の加熱温度と比較演算して、上記電磁誘導加熱コイルの対応する加熱用インバーターを制御するためのマイクロコンピユーターとを備え、
【0020】
そのコンピユーターによる比較結果の出力信号に基き、各加熱用インバーターから電磁誘導加熱コイルへ供給する高周波電流を調整して、上記加熱区域の加熱温度が調理容器の底面全体として均一となるように保つことを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基いて本発明の詳細を説明すると、その回転式大型調理容器の電磁誘導加熱装置を示した図1〜7において、(1)は作業床への据付け台、(2a)(2b)はその据付け台(1)から一体的に立設された左右一対の軸受ボックス、(3)はその両軸受ボックス(2a)(2b)の左右相互間に介在する調理容器用駆動ボックスであって、正面視のほぼU字型に枠組み一体化されており、その駆動ボックス(3)自身が上記据付け台(1)の両軸受ボックス(2a)(2b)へ、次の通り転倒できるように軸受けされている。
【0022】
つまり、(4a)(4b)は上記駆動ボックス(3)から横向き一体的に張り出す水平な左右一対の回動支軸であって、両軸受ボックス(2a)(2b)内のピローブロック(5a)(5b)により軸受けされている。しかも、その何れか一方(図示の実施形態では前方から見て右側)の回動支軸(4b)からはこれの軸受ボックス(2b)内に向かって、一定長さの回動アーム(6)が一体的に張り出している。
【0023】
(7)はこれと同じ一方(右側)の軸受ボックス(2b)内へ、取付枢軸(8)を介して揺動できるように設置された竪型の転倒作動シリンダーであり、そのピストンロッド(9)の上端部が水平な枢支ピン(10)によって、上記回動アーム(6)の張り出し先端部と連結されている。
【0024】
そのため、転倒作動シリンダー(7)のピストンロッド(9)が上昇作動されると、上記調理容器用駆動ボックス(3)は図2の鎖線で示す如く、その水平な両回動支軸(4a)(4b)の廻りに転倒して、食材収納用調理容器(A)を調理済み食材の取り出し容易な前下がり傾斜姿勢に保つことができる。(11)は上記軸受ボックス(2b)から見やすく立設された制御パネルである。
【0025】
上記調理容器(A)はその駆動ボックス(3)のU字型をなす枠内へ、図1、3のような上方から嵌め込み設置された関係状態にある。しかも、その調理容器(A)における胴面の上段位置からは、径大なリング状の係合フランジ(12)が一体的に張り出されていると共に、同じく胴面の下段位置にはベースバンド(13)を介して、無端なチェン(14)が巻き付け状態に固定一体化されている。
【0026】
(15a)(15b)は上記駆動ボックス(3)の上端部に取り付け固定された左右一対の調理容器受けであって、調理容器(A)の胴面に向かって開口するほぼコ字型をなしており、そのコ字型の内部へ垂直軸線廻りの遊転自在に軸支された拘束ローラー(16a)(16b)の複数づつが、上記調理容器(A)の胴面から張り出している係合フランジ(12)の外周面と係合するようになっている。
【0027】
又、(17a)(17b)は同じく調理容器受け(15a)(15b)のコ字型開口縁部へ、何れも水平軸線廻りの遊転自在に軸支された挟持ローラーの上下一対づつであり、これらによって上記調理容器(A)の係合フランジ(12)を挟持している。
【0028】
そして、このような調理容器受け(15a)(15b)からの言わば吊り持ち状態にある調理容器(A)が、上記駆動ボックス(3)の内部へ組み込まれた回転駆動機構(B)により、その垂直な中心線(O−O)の廻りに水平回転されるようになっているのである。
【0029】
即ち、その調理容器用回転駆動機構(B)の明らかな図3において、(18)は上記駆動ボックス(3)内の水平な底面に固定設置された駆動モーター、(19)はこれと並列する減速機であって、入力プーリー(20)と出力スプロケットホイール(21)とを具備しており、上記駆動ボックス(3)内の垂直な仕切り壁(22)に取り付け固定されている。
【0030】
又、(23)は上記駆動モーター(18)の出力プーリー(24)と、その減速機(19)の入力プーリー(20)との向かい合う相互間に巻き掛けられた伝動ベルト、(25)は上記駆動ボックス(3)内の垂直な側面へ上下一対のピローブロック(26)を介して、垂直な設置状態に軸受けされた回転伝動軸であり、その下端部に嵌め付け一体化された入力スプロケットホイール(27)と、上記減速機(19)の出力スプロケットホイール(21)との向かい合う相互間には、伝動チェン(28)が巻き掛けられている。
【0031】
そして、同じく回転伝動軸(25)の上端部に嵌め付け一体化された径大な出力スプロケットホイール(29)が、上記調理容器(A)の胴面に付属一体化されているチェン(14)と噛合する状態にある。そのため、上記駆動モーター(18)からの動力を受けて、調理容器(A)が水平回転されることになる。その回転速度は、例えば約10rpmである。
【0032】
上記食材収納用調理容器(A)は図示のような直径−約655mm、深さ−約380mmを備えた銅製ボール鍋から成り、その底面に磁性体である鉄粉などの発熱被膜(30)が溶着一体化されることによって、導電性が与えられている。但し、その導電性を有する調理容器(A)である限り、鉄とステンレスとのクラッド容器やステンレスとアルミとのクラッド容器などを採用しても良く、その底面のフラットな浅いホットプレートとして具体化することも可能である。
【0033】
(C)はこのような大型調理容器(A)の電磁誘導加熱器を総称しており、これは後述する汎用性の平面形態に密巻きされた加熱コイル(31)(32)(33)の複数個(図示の実施形態では点在分布する合計3個)から成る。
【0034】
(34)は上記加熱器(C)の支持フレームであって、調理容器(A)の底面に臨む大きさのほぼ受皿型をなし、これから一体的に起立する受け枠(35)へ、上方から加熱器(C)の加熱コイル(31)(32)(33)が設置されると共に、その複数個の加熱コイル(31)(32)(33)に共通する支持フレーム(34)の下面が、複数の昇降調整脚(36)と水平調整座(37)を介して、上記駆動ボックス(3)に固定支持されている
【0035】
上記加熱器(C)の加熱コイル(31)(32)(33)が悉く調理容器(A)の底面へ正しく臨むこととなるように、その共通する支持フレーム(34)の取付高さと位置を、昇降調整脚(36)と水平調整座(37)により位置決め調整できるようになっているのである。
【0036】
(38)は上記調理容器(A)の胴面に付属するチェン(14)のベースバンド(13)から一体的に垂下されたカバースカートであり、その下端部の二叉フォーク(39)が調理容器(A)の水平回転中、上記支持フレーム(34)の開口上端部へ遊合することによって、加熱器(C)における加熱コイル(31)(32)(33)の防水作用や防塵作用を営なむ。
【0037】
電磁誘導加熱器コイル(C)の加熱コイル(31)(32)(33)が悉く平坦状に密巻きされた形態の汎用品であることを上記したが、その複数個は特に調理容器(A)との対応位置関係上、図5〜7のように、その調理容器(A)における回転中心線(O−O)からの距離(半径)が徐々に相違変化する点在分布状態として、上記支持フレーム(34)に並列設置されており、その複数個の加熱コイル(31)(32)(33)によって大型調理容器(A)の底面全体を加熱できるようになっている。
【0038】
即ち、その加熱コイル(31)(32)(33)の全体的な配列パターンを模式化して示した図8〜11(底面図)と図12(展開側面図)から明白な如く、先ず第1加熱コイル(31)は調理容器(A)の底面における中心部付近の加熱を分担するものとして、その調理容器(A)の回転中心線(O−O)から最も近い距離(半径)(R1)を保つ偏心位置に臨まされている。(r)はその第1加熱コイル(31)自身の巻き半径である。
【0039】
上記調理容器(A)はその回転中心線(O−O)の廻りに水平回転される関係上、第1加熱コイル(31)自身の巻き半径(r)と上記回転中心線(O−O)からの距離(半径)(R1)との合計が2倍された寸法を直径(D1)とする円形な第1加熱区域(Z1)分だけ、その回転中の調理容器(A)における底面の中心部付近が第1加熱コイル(31)によって加熱されることとなる。
【0040】
次に、第2加熱コイル(32)は同じく調理容器(A)の底面における中間部の加熱を分担するものとして、その調理容器(A)の回転中心線(O−O)から上記第1加熱コイル(31)よりも遠い距離(半径)(R2)を保つ位置に配設されており、やはり調理容器(A)は水平回転されるため、第2加熱コイル(32)自身の巻き径を一定帯幅(D2)とする比較的径小なドーナツ型の第2加熱区域(Z2)分だけ、その調理容器(A)における底面の中間部が第2加熱コイル(32)によって加熱される。
【0041】
又、第3加熱コイル(33)は調理容器(A)の底面における周辺部の加熱を分担するものとして、その調理容器(A)の回転中心線(O−O)から上記第2加熱コイル(32)よりも更に遠い距離(半径)(R3)を隔てた位置にあり、同じく調理容器(A)の水平回転中、第3加熱コイル(33)自身の巻き径を一定帯幅(D3)とする比較的径大なドーナツ型の第3加熱区域(Z3)分だけ、その調理容器(A)における底面の周辺部が第3加熱コイル(33)によって加熱されることとなる。
【0042】
しかも、上記第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)の隣り合う相互間には、磁界の影響し合うことを防ぐために必要な一定のクリヤランス(S1)(S2)(例えば約60mm〜100mm)が確保されている。この点、図5〜12では電気配線系統を極力短かく簡素化するために、上記第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)を調理容器(A)との対応位置関係上、その底面の約半部へ片寄り集中的に配設しているが、上記クリヤランス(S1)(S2)が確保される限り、その複数個の加熱コイル(31)(32)(33)を自由に振り分け配置することができる。
【0043】
又、図8〜12は模式図であるため、第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)をほぼ同じ大きさの円形として簡略に示しているが、その第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)の巻き径が悉く同一であることを意味していない。その巻き径の悉く同一であっても、大小相違させても良い。尚、第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)の合計3個を図示しているが、あくまでも一例であるに過ぎず、その設置個数は調理容器(A)の大きさに応じて、図13、14のような2個や4個以上に増減される。
【0044】
何れにしても、本発明の電磁誘導加熱方法では複数個の加熱コイル(31)(32)(33)が大型調理容器(A)の加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)を分担するようになっているため、その大型調理容器(A)を1個の加熱コイルによって電磁誘導加熱する方法と異なり、大出力の高価な加熱用インバーターが不要であって、比較的小出力(例えば約5KW〜15KW)の安価な汎用インバーターを使いつつ、その大型調理容器(A)の広大な底面全体を加熱できることになる。
【0045】
但し、図8〜11の模式化した底面図から示唆されるように、上記第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)により分担した第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱面積は、冒頭に述べた複数個の加熱コイルを全体的な同芯ドーナツ形態として配列設置した従来技術と変らず、調理容器(A)の回転中心線(O−O)から遠ざかる程に増大し、その加熱温度が回転中心線(O−O)からの距離(半径)の2乗に反比例して低下する関係上、図15〜18の温度分布曲線から明白なように、上記第2、3加熱区域(Z2)(Z3)の加熱温度は第1加熱区域(Z1)のそれよりも順次に低下する結果となる。
【0046】
そこで、本発明では図11、12と対応する制御回路を示した図19から明白なように、上記第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱温度をその対応設置した第1〜3温度センサー(40)(41)(42)により検知すると共に、その検知温度をマイクロコンピユーター(M)によって、予じめ設定されている食材の加熱に必要な目標温度(例えば約180℃〜250℃)と比較演算し、その比較結果の出力信号に基き、上記第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)の対応する第1〜3加熱用インバーター(43)(44)(45)を制御して、これから各加熱コイル(31)(32)(33)へ供給する高周波電流(例えば約25KHZ〜50KHZ)を調整することにより、上記第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱温度ムラを無くし、大型調理容器(A)の底面全体を均一な加熱温度に保つのである。
【0047】
この点、図8〜12はあくまでも模式図として、第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)をほぼ同じ大きさの円形に示しているが、その第1〜3加熱用インバーター(43)(44)(45)の出力までも悉く同一であることを意味していない。そのインバーター(43)(44)(45)の出力に大小差があっても、図19の制御回路に従って調理容器(A)の底面全体を均一な加熱温度に維持制御することができる。
【0048】
特に、図11、19と対応する図20、21の第1変形実施形態から示唆される如く、上記第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)における加熱面積の大小に応じて、その受け持ち分担する加熱コイル(31)(32a)(32b)(33a)(33b)(33c)の設置個数を比例的に増減することも可能である。
【0049】
つまり、例えば調理容器(A)における底面の中心部付近を占める第1加熱区域(Z1)には第1加熱コイル(31)の1個を、同じく中間部の第2加熱区域(Z2)には第2、3加熱コイル(32a)(32b)の2個を、更に周辺部の第3加熱区域(Z3)には第4〜6加熱コイル(33a)(33b)(33c)の3個を各々点在分布させる。これらの隣り合う相互間に、磁界の影響し合わぬ必要な一定のクリヤランス(図示符号省略)が確保されることは、言うまでもない。
【0050】
そうすれば、その第1〜6加熱コイル(31)(32a)(32b)(33a)(33b)(33c)の巻き径を悉く同一に設定することが容易となり、これらと対応する第1〜6加熱用インバーター(43)(44a)(44b)(45a)(45b)(45c)としても、そのすべて同じ例えば出力5KW程度の安価な汎用品を使うことができ、図21の制御回路に基いてやはり大型調理容器(A)の底面全体を均一な加熱温度に保てるほか、その加熱速度の促進にも役立つと言える。
【0051】
何れにしても、上記第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱温度を検知する第1〜3温度センサー(40)(41)(42)は、サーモパイルやサーミスターなどの非接触式赤外線センサーから成るものとして、上記電磁誘導加熱器(C)と干渉しない位置・方向から、調理容器(A)における底面の加熱受け持ち面積を分担する第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の適当個所へ臨ませれば良い。
【0052】
その場合、図1〜19に示した基本実施形態では、調理容器(A)の底面に占める上記第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)と対応する複数個の第1〜3温度センサー(40)(41)(42)を、その第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の各個へ臨ませているが、図22の別な制御回路から示唆される如く、同様な非接触式温度センサー(40a)の1個を調理容器(A)の底面へ臨むように設置して、その底面の加熱温度を検知するか、又は白金測温抵抗体などの接触式温度センサー(40a)を採用し、これを調理容器(A)内の食材と接触させることにより、その食材の加熱温度を検知するように定めて、やはり複数個の第1〜3加熱用インバーター(43)(44)(45)から対応する第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)へ供給する高周波電流を調整制御し、その第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)が分担する第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱温度を、上記調理容器(A)の底面全体として均一となるように維持しても良い。
【0053】
尚、図19、21、22の制御回路ではマイクロコンピユーター(M)の温度調整ユニット(46)のみに符号を記入しているが、そのコンピユーター(M)がCPU(中央処理装置)やROM、RAMなども具備していることは勿論である。
【0054】
図23は上記制御の結果として得られた温度分布特性を示しており、その第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)による第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の温度分布は、理論上全体的な鋸歯型を描くことになり、その第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の隣り合う相互間では、図23の符号(H)で示すような加熱温度差が発生するけれども、その加熱温度差(H)は調理容器(A)自身の熱伝導性により吸収されるため、実際上食材の加熱ムラや焦げ付きなどを起すおそれはなく、このことは調理容器(A)自身を厚肉化する程、一層効果的となる。
【0055】
上記第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)を振り分け配置するに当っては、その調理容器(A)における底面の加熱受け持ち面積を分担する第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の隣り合う相互間が、図11、12のような一定帯幅(W1)(W2)だけオーバーラップすることとなる関係状態に設定することが好ましい。そうすれば、上記加熱温度差(H)を無くすことに役立ち、第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)の隣り合う相互間に必要なクリヤランス(S1)(S2)を確保しつつも、大型調理容器(A)の底面全体を均一な加熱温度に保ちやすくなるからである。
【0056】
このような第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)を互いにオーバーラップさせる配置構成に代えて、上記第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)の各個を図24の第2変形実施形態に示す如く、その第1加熱区域(Z1)の直径(D1)や第2、3加熱区域(Z2)(Z3)の帯幅(D2)(D3)が狭小(短軸)となる細長いほぼ弓形や楕円形に巻いても良い。そうすれば、上記加熱温度差(H)の解消にやはり役立つからである。
【0057】
その第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)の各個を上記弓形や楕円形に巻く際、その設置方向性を図25のように任意の傾斜角度だけ変えることもでき、そうすれば第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の隣り合う相互間を一定帯幅(W1)(W2)だけオーバーラップさせることが容易となり、第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)を制約なく配列設置できるばかりでなく、特にその第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)における弓形や楕円形の短軸による狭小化と、第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)がオーバーラップし合うこととの有機的な組合せによって、図26から示唆される如く、上記加熱温度差(H)を完全に解消できる実益がある。
【0058】
尚、図示の実施形態では垂直な中心線(O−O)の廻りに水平回転される調理容器(A)を説明したが、その一定角度だけ傾斜した中心線の廻りに回転使用される調理容器(A)や、更には食材を加熱するのみならず、その食材を攪拌する羽根などが差し込み使用される調理容器(A)についても、本発明を広く適用実施できることは勿論である。
【0059】
本発明は主に業務用の回転式大型調理容器(A)を対象としており、その電磁誘導加熱方法を図1〜19の基本実施形態に基いて説明すると、食材が収納された調理容器(A)をその回転駆動機構(B)の駆動モーター(18)によって垂直な中心線(O−O)の廻りに水平回転させると共に、上記調理容器(A)の底面を電磁誘導加熱器(C)により加熱する。
【0060】
つまり、調理容器(A)の底面における第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)を分担する電磁誘導加熱器(C)の第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)へ、その対応的な第1〜3加熱用インバーター(43)(44)(45)から高周波電流を供給して、上記調理容器(A)の底面と交差する磁束を発生させれば、その底面に渦電流が流れ、これが通路となる調理容器(A)の抵抗によって電力損失を生じ、その発生したジュール熱により底面を加熱することとなる。
【0061】
その過程では、上記第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱温度を対応位置する第1〜3温度センサー(40)(41)(42)により検知して、その検知温度が予じめ設定されている食材の加熱に必要な目標温度よりも高いか低いかを、マイクロコンピユーター(M)により比較演算し、その比較結果の出力信号に基き、温度調整ユニット(46)から第1〜3加熱用インバーター(43)(44)(45)を制御することにより、第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)への高周波電流を増減調整して、その第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)が分担する上記第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱温度を、調理容器(A)の底面全体として均一となるように保ち、食材の加熱ムラや焦げ付きを防ぐのである。
【0062】
茲に、本発明の対象とする調理容器(A)は固定状態に据え付け使用されるものでなく、回転使用されるようになっている大型品であるため、その広大な底面を見掛け上複数個の第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)に区分して、その各区分の加熱を第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)へ部分的に分担させることができ、その部分的な第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱温度を高低調整し得る結果、ありふれた平坦状に密巻きされた形態の汎用性第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)や、例えば約5KW〜15KW程度の比較的小出力な第1〜3加熱用インバーター(43)(44)(45)を使いつつも、大型調理容器(A)の広大な底面全体を均一に加熱できることとなり、著しく便利である。
【0063】
その場合、電磁誘導加熱器(C)による調理容器(A)の加熱温度は、その底面の中心部から周辺部へ遠ざかるに連れて、その距離(回転半径)の2乗に反比例して低下することとなるが、複数個の加熱コイルを同芯ドーナツ形態に配列設置した従来技術と異なり、本発明ではその大型調理容器(A)における底面の周辺部をも、小出力の安価な加熱用インバーター(44)(45)によって、同じく底面の中心部と均一な加熱温度に維持制御することができる。
【0064】
殊更、図20、21に基いて説明した通り、第1〜3加熱コイル(31)(32)(33)が分担する第1〜3加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱面積に応じて、その調理容器(A)における底面の中心部付近を占める第1加熱区域(Z1)から、同じく底面の周辺部を占める第3加熱区域(Z3)へ行く程、その加熱コイル(31)(32)(33)の設置個数を徐々に増加させるならば、可及的に巻き径が小さく且つ平坦状に密巻きされた汎用形態の悉く同じ加熱コイル(31)(32)(33)と、小出力の安価な加熱用インバーター(43)(44)(45)を使うことも容易となり、ますます実益大である。
【0065】
そのため、炊飯器のような水を混入使用しない調理としての野菜、焼き飯、麺類などの炒め調理を初め、クリームや餡、ジャム、カレールー、チョコレート、グラタン、シチューなどの煮練り攪拌調理に用いて、特に有効であると言える。尚、調理し終えた食材は大型調理容器(A)の転倒作動により、その調理容器(A)から安全にすばやく取り出すことができ、調理容器(A)の清掃作業性にも役立つ。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明では回転使用される食材収納用大型調理容器(A)の部分的な加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)を分担する電磁誘導加熱コイル(31)(32)(33)の複数個を、その調理容器(A)における回転中心線(O−O)からの距離(R1)(R2)(R3)が徐々に相違変化し且つ加熱コイル(31)(32)(33)同志の隣り合う相互間に磁界が影響し合わぬ必要な一定のクリヤランス(S1)(S2)を保つ点在分布状態として、上記調理容器(A)の底面へ悉く臨ませると共に、
【0067】
その調理容器(A)に収納された食材の加熱温度又は調理容器(A)における底面の加熱温度を検知して、その検知温度をコンピユーター(M)により食材の加熱に必要な目標の設定温度と比較した結果に基き、上記加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱温度が調理容器(A)の底面全体として均一となるように、その各加熱コイル(31)(32)(33)へ供給する高周波電流を調整制御するようになっているため、冒頭に述べた従来技術の課題を抜本的に解決することができ、大型調理容器(A)の広大な底面全体を安価な小出力の加熱用インバーター(43)(44)(45)により、食材の加熱ムラや焦げ付きなどのおそれなく、均一に電磁誘導加熱し得る効果がある。
【0068】
そして、請求項2〜5の方法を採用するならば、上記効果をますます昂めることができ、実用性に著しく優れる。
【0069】
又、上記方法を実施するための電磁誘導加熱装置として、請求項6に記載の構成を採用するならば、その大型調理容器(A)の底面における部分的な加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱温度が、その各個の対応する温度センサー(40)(41)(42)によって検知されるようになっていることとも相俟ち、その加熱温度の部分的な調整制御を容易・確実に行なえる効果がある。
【0070】
殊更、請求項7の構成を採用するならば、電気配線系統を短かく簡素化でき、電磁誘導加熱装置の全体としても合理的に仕上げ得るため、ますます実用向きとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁誘導加熱装置の全体概略正面図である。
【図2】図1の拡大側面図である。
【図3】調理容器の回転駆動機構を拡大して示す正面断面図である。
【図4】図3の軸受ボックスを抽出して示す側面図である。
【図5】図3の電磁誘導加熱器を抽出して示す拡大断面図である。
【図6】調理容器と電磁誘導加熱コイルとの位置関係を示す平面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】調理容器に対する第1加熱コイルの配列パターンを示す底面模式図である。
【図9】調理容器に対する第2加熱コイルの配列パターンを示す底面模式図である。
【図10】調理容器に対する第3加熱コイルの配列パターンを示す底面模式図である。
【図11】図8〜10の合成状態として、第1〜3加熱コイルの全体的な配列パターンを示す底面模式図である。
【図12】図11の展開側面模式図である。
【図13】図6と対応する変形実施形態を示す平面図である。
【図14】図13の側面図である。
【図15】第1加熱コイルによる第1加熱区域の加熱温度分布曲線を示すグラフである。
【図16】第2加熱コイルによる第2加熱区域の加熱温度分布曲線を示すグラフである。
【図17】第3加熱コイルによる第3加熱区域の加熱温度分布曲線を示すグラフである。
【図18】図15〜17を合成した全体的な加熱温度分布曲線を示すグラフである。
【図19】図11、12に対応する第1〜3加熱用インバーターの制御回路図である。
【図20】図11と対応する変形実施形態を示す平面図である。
【図21】図20に対応する第1〜6加熱用インバーターの制御回路図である。
【図22】図19と対応する変形実施形態の制御回路図である。
【図23】第1〜3加熱コイルによる第1〜3加熱区域の調整制御された加熱温度分布曲線を示すグラフである。
【図24】図11と対応する別な変形実施形態を示す平面図である。
【図25】図11と対応する更に別な変形実施形態を示す平面図である。
【図26】図23と対応する別な加熱温度分布曲線を示すグラフである。
【図27】電磁誘導加熱コイルによる調理容器の一般的な加熱温度分布曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
(1)・据付け台
(3)・調理容器用駆動ボックス
(7)・転倒作動シリンダー
(14)・チェン
(15a)(15b)・調理容器受け
(16a)(16b)・拘束ローラー
(17a)(17b)・挟持ローラー
(18)・駆動モーター
(30)・発熱被膜
(31)・第1加熱コイル
(32)・第2加熱コイル
(33)・第3加熱コイル
(34)・支持フレーム
(35)・受け枠
(36)・昇降調整脚
(37)・水平調整座
(40)・第1温度センサー
(41)・第2温度センサー
(42)・第3温度センサー
(43)・第1加熱用インバーター
(44)・第2加熱用インバーター
(45)・第3加熱用インバーター
(46)・温度調整ユニット
(A)・調理容器
(B)・回転駆動機構
(C)・電磁誘導加熱器
(M)・マイクロコンピユーター
(S1)(S2)・クリヤランス
(Z1)・第1加熱区域
(Z2)・第2加熱区域
(Z3)・第3加熱区域
(O−O)・調理容器の回転中心線
(W1)(W2)・オーバーラップ幅
(D1)(D2)(D3)・第1〜3加熱区域の帯幅
(R1)(R2)(R3)・調理容器における回転中心線からの距離(半径)

Claims (7)

  1. 回転使用される食材収納用大型調理容器(A)の部分的な加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)を分担する電磁誘導加熱コイル(31)(32)(33)の複数個を、その調理容器(A)における回転中心線(O−O)からの距離(R1)(R2)(R3)が徐々に相違変化し且つ加熱コイル(31)(32)(33)同志の隣り合う相互間に磁界が影響し合わぬ必要な一定のクリヤランス(S1)(S2)を保つ点在分布状態として、上記調理容器(A)の底面へ悉く臨ませると共に、
    その調理容器(A)に収納された食材の加熱温度又は調理容器(A)における底面の加熱温度を検知して、その検知温度をコンピユーター(M)により食材の加熱に必要な目標の設定温度と比較した結果に基き、上記加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱温度が調理容器(A)の底面全体として均一となるように、その各加熱コイル(31)(32)(33)へ供給する高周波電流を調整制御することを特徴とする回転式大型調理容器の電磁誘導加熱方法。
  2. 複数個の電磁誘導加熱コイル(31)(32)(33)を、その各個の分担する加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の隣り合う相互が一定の帯幅(W1)(W2)だけオーバーラップすることとなる関係状態に点在分布させたことを特徴とする請求項1記載の回転式大型調理容器の電磁誘導加熱方法。
  3. 複数個の電磁誘導加熱コイル(31)(32)(33)を何れも、その各個の分担する加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の一定な帯幅(D1)(D2)(D3)が短軸となる細長いほぼ楕円形又は弓形に巻いたことを特徴とする請求項1記載の回転式大型調理容器の電磁誘導加熱方法。
  4. 各加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)が占める加熱面積の大小に応じて、その受け持ち分担する電磁誘導加熱コイル(31)(32)(33)の設置個数を比例的に増減させたことを特徴とする請求項1記載の回転式大型調理容器の電磁誘導加熱方法。
  5. 調理容器(A)における底面の加熱温度検知用温度センサー(40)(41)(42)を複数個として、その調理容器(A)の部分的な加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)へ臨むように対応設置したことを特徴とする請求項1記載の回転式大型調理容器の電磁誘導加熱方法。
  6. 据付け台(1)へ回転駆動自在に軸受けされた食材収納用の大型調理容器(A)と、
    上記調理容器(A)の部分的な加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)を分担すべく、その調理容器(A)における回転中心線(O−O)からの距離(R1)(R2)(R3)が徐々に相違変化し且つ隣り合う相互間に磁界が影響し合わぬ必要な一定のクリヤランス(S1)(S2)を保つ点在分布状態として、上記調理容器(A)の底面へ悉く臨むように振り分け設置された複数個の電磁誘導加熱コイル(31)(32)(33)から成る電磁誘導加熱器(C)と、
    その電磁誘導加熱器(C)の各加熱コイル(31)(32)(33)による部分的な加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱温度を上記調理容器(A)の回転使用中に検知すべく、その各加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)へ臨むように対応設置された複数個の温度センサー(40)(41)(42)と、
    その各温度センサー(40)(41)(42)により検知した上記加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱温度を、予じめ設定されている食材の加熱に必要な目標の加熱温度と比較演算して、上記電磁誘導加熱コイル(31)(32)(33)の対応する加熱用インバーター(43)(44)(45)を制御するためのマイクロコンピユーター(M)とを備え、
    そのコンピユーター(M)による比較結果の出力信号に基き、各加熱用インバーター(43)(44)(45)から電磁誘導加熱コイル(31)(32)(33)へ供給する高周波電流を調整して、上記加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱温度が調理容器(A)の底面全体として均一となるように保つことを特徴とする回転式大型調理容器の電磁誘導加熱装置。
  7. 電磁誘導加熱器(C)の加熱コイル(31)(32)(33)を悉く平坦状に密巻きされた形態の汎用品として、調理容器(A)における底面の約半部へ片寄り集中的に配列設置すると共に、
    その加熱コイル(31)(32)(33)による加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の加熱温度検知用温度センサー(40)(41)(42)を、上記電磁誘導加熱器(C)と干渉しない位置・方向から加熱区域(Z1)(Z2)(Z3)の適当個所へ臨ませたことを特徴とする請求項6記載の回転式大型調理容器の電磁誘導加熱装置。
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