JP2019004734A - 亜麻仁を原料とする新規食品及び、その製造方法 - Google Patents

亜麻仁を原料とする新規食品及び、その製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】亜麻仁を原料とし、シアン化合物の含有量が低減されている新規食品及び、その製造方法と、亜麻仁におけるシアン化合物含有量低減方法。【解決手段】水に所定時間浸漬することで休眠状態から前発芽状態にした亜麻仁、又は、搾油後の亜麻仁の搾り粕を水に所定時間浸漬したものを、所定時間蒸す工程と、蒸した後に放冷し、種麹菌を接種して、30℃〜40℃の温度条件で製麹する工程とを備えている亜麻仁を原料とする新規食品の製造方法と、これにより製造した新規食品、これによる亜麻仁におけるシアン化合物含有量低減方法。【選択図】なし。

Description

この発明は、亜麻(学名:Linum usitatissimum)の種である亜麻仁を原料とする新規食品及び、その製造方法と、亜麻仁におけるシアン化合物含有量低減方法に関する。
亜麻は、世界各地で栽培されてきた有用な植物である。ヨーロッパでは大航海と産業革命で綿(コットン)が一般的になるまでは、植物性の繊維としてはもっぱら亜麻(リネン)であった。現在では価格面等から綿や化学繊維に置き換えられていることが多いが、ホテルなどで使用されるリネン・ルームという名称や、洗濯業のリネン・サプライという言葉に亜麻(リネン)の名前が残っている。亜麻の繊維は、丈夫で美しい光沢を持ち、そして吸湿性と発散性に優れていて、雑菌も繁殖しにくいから清潔であるという特長もある。また乾燥した寒冷地でも育つので殺虫剤はあまり使用せずに済む。一説には綿花の栽培が世界で使用されている殺虫剤の16%を占めるといわれており、農薬をあまり使用せずに済む亜麻は地球環境に優しい、エコロジカルな作物でもある。
亜麻の種を亜麻仁(Flax Seed)という。亜麻仁は45%前後もの油脂分を含み、その約6割がn-3系不飽和高脂肪酸である、α-リノレン酸(ALA)という必須脂肪酸である。α-リノレン酸は体内において、青魚にも含まれているEPA・DHAに生成される。オメガ3脂肪酸はオメガ6脂肪酸と同様に、体内では合成できない細胞膜の材料として必須の栄養成分である。
現代の日本人は、摂取の比率がオメガ6脂肪酸(コーン油・ナタネ油・綿実油等)に偏り過ぎてバランスが崩れ、それが交感神経優位のストレス過敏が原因である生活習慣病を誘発しているともいわれている。そこで、オメガ3脂肪酸を十分に摂取することは、生活習慣病を予防・改善する効果があるとされている(厚労省:日本人の食事摂取基準)。
亜麻仁の栄養の組成には更にすばらしい特徴がある。下記の表1は亜麻仁と大豆の組成の単純な比較(100g)である。表1において、亜麻仁は本発明の原料に用いたものを特許出願人が分析した値、大豆は「五訂日本食品標準成分表」に掲載されている米国産大豆についての分析値である。
亜麻仁は、脂肪が4割、蛋白質2割、食物繊維が3割もある。そして糖分はほとんど含まれていない。そのまま用いれば究極のダイエット食品であるともいえるものである。
亜麻仁には、油脂以外にもポリフェノールの一種であるリグナン(植物エストロゲン)が豊富に含まれており、油分が多い植物ゆえの本来の抗酸化物質をも備えている。ゆえに生活習慣病や認知症への対策としては理想的な栄養組成の食材であり、実際に欧米において、亜麻仁は人気ある食材として定着している。しかし日本では未だに馴染のある食材とは言えない。
その大きな理由の一つは、亜麻仁には、一般的に100〜200ppmのシアン化合物が含まれているからである。植物はその捕食者から身を守るためにか程度の差こそあれ、シアン化合物を含んでいる。梅の実やキャッサバイモは顕著な例である。例えば、特許出願人が亜麻仁油の搾油用にロシアのシベリアから日本国内へ輸入した亜麻仁の登録分析機関での分析では、シアン化合物として100ppmであった(分析方法:ピリジンピラゾロン吸光光度法)。
シアン化合物10ppm以上のものは日本の現行の食品衛生法では食品として流通できないとされている。それゆえに亜麻仁そのものを食品・食材として日本国内に輸入することは認められておらず、搾油目的に限ってのみ亜麻仁を日本国内へ輸入することが認められている。何故ならばシアン化合物は水溶性ゆえに、搾油された油脂に数ppmも溶け込むことは起こり得ないからである。
しかし厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課よりの平成20年9月3日付の事務連絡によると、国内における調理・加工等により、最終製品においてシアン化合物の摂取量が低減されることが確認された別添の事例云々とある。つまり安全で確実な加工の方法が確立できれば、亜麻仁を日本国内に輸入し、亜麻仁の製品を販売できる可能性は残されていると解釈することができる。
これまでにも、亜麻仁を含有する加工食品及びその製造方法(特許文献1)、亜麻仁の食品化、飼料化を目的とした亜麻仁の加熱処理方法(特許文献2)が提案されたことがある。
特許第3572790号公報 特許第5763429号公報
亜麻仁を原料とし、シアン化合物の含有量が低減されている新規食品及び、その製造方法、亜麻仁におけるシアン化合物含有量低減方法を提案することを目的にしている。
[1]
水に所定時間浸漬することで休眠状態から前発芽状態にした亜麻仁、又は、搾油後の亜麻仁の搾り粕を水に所定時間浸漬したものを、所定時間蒸す工程と、蒸した後に放冷し、種麹菌を接種して、30℃〜40℃の温度条件で製麹する工程とを備えている亜麻仁を原料とする新規食品の製造方法。
[2]
水に所定時間浸漬することで休眠状態から前発芽状態にした亜麻仁、又は、搾油後の亜麻仁の搾り粕を水に所定時間浸漬したものを、所定時間蒸した後、放冷し、種麹菌を接種して、30℃〜40℃の温度条件で製麹した亜麻仁を原料とする新規食品。
[3]
水に所定時間浸漬することで休眠状態から前発芽状態にした亜麻仁、又は、搾油後の亜麻仁の搾り粕を水に所定時間浸漬したものを、所定時間蒸す工程と、蒸した後に放冷し、種麹菌を接種して、30℃〜40℃の温度条件で製麹する工程とを備えている亜麻仁におけるシアン化合物含有量を低減させる方法。
この発明によれば、亜麻仁、又は、搾油後の亜麻仁の搾り粕を原料とし、シアン化合物の含有量が低減されている新規食品及び、その製造方法、亜麻仁におけるシアン化合物含有量低減方法を提供することができる。
この発明において原料に使用する亜麻仁について行った発芽試験の結果を表す参考写真。 発芽率90%以上の亜麻仁から搾油した搾り粕を用いて新規食品を製造する方法の一実施形態におけるいくつかの工程を表す参考写真であって、(a)水に所定時間浸漬した状態を表す参考写真、(b)蒸し工程を終えた状態を表す参考写真、(c)蒸し工程後、放冷して種麹菌を散布した状態を表す参考写真、(d)麹化が完了した状態を表す参考写真。 発芽率90%以上の亜麻仁を水に浸漬して休眠状態から前発芽状態にしたものを用いて新規食品を製造する方法の一実施形態におけるいくつかの工程を表す参考写真であって、(a)は亜麻仁を水に所定時間浸漬した状態を表す参考写真、(b)、(c)は蒸し工程を終えた亜麻仁に種麹菌を散布して麹化を進行させている状態を表す参考写真。 (a)、(b)は、本発明の実施形態で製造した亜麻仁を原料とする新規食品(「亜麻麹」)を原料として、更に、二次発酵・熟成を行っている状態を表す参考写真。
本願の発明者は、休眠中の発芽可能(発芽率90%以上)の亜麻仁(搾油前又は搾油粕も含む)のシアン化合物濃度を10ppm以下にする手法について様々な加工方法にて実験し、公認された分析機関での検査を依頼して、その消滅・分解方法を模索してきた。
その結果、亜麻仁に麹菌 (Aspergillus Oryzae) を接種し、麹化する工程により、シアン化合物が著しく分解され、最終的に食品衛生法の規定に抵触することなく、食品として流通できる規格をクリアできることを実験で確認できた。
Aspergillus Oryzaeに代表される麹菌(類)により、穀物(米・オオムギ)や豆類(大豆)を麹化し、発酵食品とすることは日本ではそれこそ神代の昔から知られ、行われていた。現代でも味噌・醤油や日本酒から焼酎、漬物までこの方法は日本の各地で独特の発達を遂げ、人々の食生活を豊かにし、栄養面でも多大の貢献をしている。
亜麻仁という植物が本格的に日本に移入されたのは明治初年である。その当時の一貫した脱亜入欧の政策により、その繊維(リネン)も、種子(亜麻仁)もヨーロッパの産業・文化を支えている有用植物であることに着目され、冷涼な気候に適応するゆえ北海道殖産の目的で日本に導入された。
昭和30年頃までは北海道を中心に、栃木県などでも夏用の服地や、蚊帳に使用する繊維採取が目的ではあるが、広く一般に栽培されていた。
このように、亜麻仁は明治期になって初めて日本に登場したが、今日の食品衛生法の禁止規定もあり、食品として輸入することは困難ゆえに、搾油した亜麻仁油以外で、亜麻仁の種として一般に食用に供されることは、日本国内ではほとんど例を見ない。
一方、欧米諸国では亜麻仁は特に近年の20年間の内に、必須脂肪酸のn−3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)のα−リノレン酸(ALA)を多量に含み、天然の抗酸化物質や植物性女性ホルモンにも富んでいる食品として注目を浴び、健康食品としても人気が高まっている食材である。
同様に、欧米の食生活・食文化においては、アジアに特徴的な麹菌のよる発酵文化には、これまでほとんど馴染みも経験もなかったことから、亜麻仁を麹化することは、おそらく誰も試みたことはなかったものと思われる。少なくとも、亜麻仁を前発芽状態(発芽したスプラウトではなく、その前段階のもの)において食品原料とすること。そして如何なる形態であれ、亜麻仁を麹菌により発酵させた食品は知られていない。
亜麻は冷涼・乾燥の厳しい気候でも育つ有数の植物であるが、乾燥下においていったん水分に恵まれると、それを長時間維持して発芽をするために、種子(亜麻仁)の表面はアラビノガラクタン、多糖類の物質でおおわれている。 水に浸かると卵白のような粘り気の膜で種(亜麻仁)が厚く覆われることになる。
本願発明者は、亜麻仁(搾油前の休眠状態、搾油後の粕、前発芽状態にあるか否かを問わない)に十分な水を加えて鍋で数十分煮ると、種子表面層のネバネバの物質(アラビノガラクタン、多糖類)が鍋の中に溶出し、加熱によってやがて白いクラゲ状の塊となるが、そのことで、種子表面層からはネバネバの物質(アラビノガラクタン、多糖類)が十分に取り除かれることにより、煮出された亜麻仁(種子)は、洗われて、さらさらの状態になることを見出した。
そこで、亜麻仁を数十分間、十分な水で煮込むことで得られた、さらさら状態の種子と、白いクラゲの塊のような、ネバネバの物質の固まりとに分離された、この2種類(さらさら状態の種子と、当該種子を覆っていた白いクラゲの塊のようなネバネバの物質)のそれぞれについてシアン化合物を含め、食品成分7項目を同時に検査した。
なお、この検査に限って試料は、搾油後の亜麻仁を使用した。搾油前の亜麻仁(種子)には通常45%程の脂質分が含まれるのであるが、搾油工程で使用されるコールド・プレス(低温圧搾)法にて、油脂分を原料の重量の20%程度を絞り出している。そこで、さらさら状になった亜麻仁に残留している脂質は4.9%とあるが、乾燥重量比(水分・灰分調整後の数値)は27.1%と、妥当な数値であることが見てとれる。ちなみに、本願発明者が測定した、搾油前の休眠中の亜麻仁の脂質の乾燥重量比は、後述の表4のごとく50%程もある。
さらさら状態の種子についての検査結果は表2の通りであった。
種子を覆っているネバネバの物質(アラビノガラクタン、多糖類)についての検査結果は表3の通りであった。
搾油前の亜麻仁(種子)、すなわち、休眠中の亜麻仁(種子)原料についての検査結果は表4の通りであった。
上記の検査結果より、亜麻仁に十分な水を加えて数十分蒸した後のさらさら状の種子の部分のシアン化合物は9.9ppmで、種子を覆っている白いクラゲの塊のようなネバネバの物質(アラビノガラクタン、多糖類)の部分のシアン化合物は13ppmであった。ネバネバの物質を取り除いた後の、さらさら状態の種子の部分は水分が81.2g/100g、灰分が2.7gであるので、水分・灰分数値調整後の種子の部分のシアン化合物は54.7ppmとなる。
一方、種子を覆っている白いクラゲの塊のようなネバネバの物質は水分96.6g/100g、灰分0.3gあるので、水分を除いた白いクラゲの塊のようなネバネバの物質(多糖類)の部分のシアン化合物は、419ppmとなる。
前述したように、亜麻仁には一般的に100〜200ppmのシアン化合物が含まれている。 上述した検査結果から、亜麻仁に含まれているシアン化合物のほとんどは、亜麻仁(種子)の外側の多糖質の層の部分に集中して存在することが認められた。
このことから亜麻仁のシアン化化合物を除去する目的だけならば、多量の水にて煮沸することにより、あるいは、亜麻仁の外側の層を取り除くべく、種子を精米するかのように、乾燥のまま物理的な摩擦等の工程を掛けることで、シアン化合物をかなり低減することが可能であるかと考えられる。
しかし、亜麻仁の外側の層は水溶性・非水溶性の食物繊維に富んでいるだけではなく、免疫賦活や腸内環境を整える作用があるといわれるアラビノガラクタンをも豊富に含んでいるので、シアン化化合物の低減あるいは除去という目的だけのために、この有用な部分を除去するのはとても勿体ないことでもある。
このような検討に基づいて発明者は本願発明を完成させたものである。
この実施形態の亜麻仁を原料とする新規食品の製造方法は、
水に所定時間浸漬することで休眠状態から前発芽状態にした亜麻仁、又は、搾油後の亜麻仁の搾り粕を水に所定時間浸漬したものを、所定時間蒸す工程と、
蒸した後に放冷し、種麹菌を接種して、30℃〜40℃の温度条件で製麹する工程とを備えているものである。
この実施形態の製造方法で製造した新規食品(亜麻麹)におけるシアン化合物の含有量は10ppm未満である。
この実施形態の亜麻仁を原料とする新規食品は、
水に所定時間浸漬することで休眠状態から前発芽状態にした亜麻仁、又は、搾油後の亜麻仁を水に所定時間浸漬したものを、所定時間蒸した後、放冷し、種麹菌を接種して、30℃〜40℃の温度条件で製麹したものである。
この実施形態の新規食品(亜麻麹)におけるシアン化合物の含有量は10ppm未満である。
この実施形態の亜麻仁におけるシアン化合物含有量を低減させる方法は、
水に所定時間浸漬することで休眠状態から前発芽状態にした亜麻仁、又は、搾油後の亜麻仁を水に所定時間浸漬したものを、所定時間蒸す工程と、蒸した後に放冷し、種麹菌を接種して、30℃〜40℃の温度条件で製麹する工程とを備えているものである。
この実施形態の亜麻仁におけるシアン化合物含有量を低減させる方法を施したものにおけるシアン化合物含有量は10ppm未満である。
前記において、原料として用いている亜麻仁は、製造、等の加工処理を施すべく受け入れる際の検査で休眠中の発芽可能の亜麻仁(種子)である。
図1は、この原料としている亜麻仁(種子)について行った発芽試験の結果を示す参考写真である。発明者の検討によれば、本発明において原料として用いている亜麻仁の発芽率は90%以上であった。良好な環境で貯蔵された亜麻仁は、そのほとんどが発芽可能であるゆえに、発芽率は90%以上になると認められた。
この実施形態では、発芽率90%以上という、ほとんどが発芽可能である亜麻仁を原料として用い、前記亜麻仁を水に所定時間浸漬することで休眠状態から前発芽状態になっているもの。あるいは、亜麻仁の重量の20%程度に相当する油脂分を絞り出す目的で、従来から搾油工程に採用されているコールド・プレス(低温圧搾)法による搾油工程を前記亜麻仁(発芽率90%以上という、ほとんどが発芽可能である亜麻仁)原料に施した後の、亜麻仁の搾り粕に対して、その後の蒸し工程、放冷、種麹菌接種、製麹工程を行っている。
搾油前の、生きた亜麻仁の原料を、水に、所定の時間、浸漬することで、休眠状態を解除し、前発芽(pregermination)状態にすることができる。休眠状態を解除し、前発芽状態にすることで酵素などの生理活性が飛躍的に高まる。植物栄養学では「発芽の際の吸水とともに、成長に必要なあらゆる代謝活動が開始される。その際に形成される複数の物質が、種子の時には存在しなかったにもかかわらず、食品としての栄養になる」とされている。
このことは食品原料として、発芽が可能ということは休眠中であれ生きていることであり、つまり生きているのだから新鮮であり、栄養、衛生、安全、省エネ、エコロジー面でもとても優れている。
このように、本実施形態では、90%以上が発芽可能である亜麻仁を原料とし、前記原料を、水に所定時間浸漬することで休眠状態から前発芽状態にしたもの、又は、前記原料に対してコールド・プレス(低温圧搾)法による搾油処理を施した後の、搾油後の亜麻仁を水に所定時間浸漬したものから新規食品を製造し、これらを処理することで亜麻仁におけるシアン化合物含有量を低減させている。
90%以上が発芽可能であるという高い発芽率の亜麻仁を低温搾油すると、高品質の亜麻仁油が得られるが、その絞り粕も脂質が約半減するだけで、蛋白質や食物繊維、セサミンの一般名のリグナンやポリフェノール類が依然として豊富に含まれている。搾油前の亜麻仁であるか、低温搾油した後の亜麻仁粕であるかの違いがあるだけで、原料としては、ほぼ同様のものとして使用できる。
前記において、発芽率90%以上という、ほとんどが発芽可能である亜麻仁を水に所定時間浸漬することで休眠状態から前発芽状態にする工程では、水温15〜20℃の水に、亜麻仁を、夏場ならば8時間程、冬場ならば24時間程を目途に浸漬する。(工場の気温と亜麻仁の休眠中の状態により、実際に浸漬してみて、萌え状態である前発芽段階を確認する)
また、発芽率90%以上という、ほとんどが発芽可能である亜麻仁にたいして、亜麻仁の重量の20%程度に相当する油脂分をコールド・プレス(低温圧搾)法にて搾油工程を施した後の亜麻仁の搾り粕については、水温15℃〜20℃の水に、所定時間浸漬することで亜麻仁の殻の膨潤を確認できて、外観は前発芽状態に到達する。水に浸漬することで夏場ならば2時間程度、冬場ならば8時間程にて同様の変化が得られる。搾油工程を経た後の亜麻仁の搾り粕を水に浸漬を行う実施形態では、搾油工程の直後に、時間を置かずに浸漬を開始するのが、酸化などが極力防止でき、食品加工にあたって望ましい。
なお、原料の亜麻仁を搾油前に水に浸漬する、あるいは搾油後に浸漬する、いずれの場合であっても、水への浸漬工程によって亜麻仁の表面(多糖質)が水にふやけて、膨潤し、透明な層を作っていることが認められる程度になるまで水への浸漬を行うことが望ましい。
前記において、水への浸漬工程の後に行う蒸し工程は、100℃〜110℃の温度で、30分〜40分行う。この蒸し工程では、上述した水への浸漬工程後に亜麻仁の表面に認められた透明だった層が、光沢を帯び、ネバネバ質に変化した状態になるまで蒸し工程を行うことが望ましい。
前記において、種麹菌としては、市販されている、食品製造に用いられる種麹(Aspergillosis oryzae)であればいずれも使用可能である。接種する種麹菌の量は、製麹を可能にする分量であれば特に制限はない。
本発明の主原料である亜麻仁(種子)は生命力が強く、良好に貯蔵されている限り休眠状態で生きており、10年経過してもそのほとんどが発芽する。このことは冷凍や缶詰等の長期保存の加工設備や技術に頼らずとも、亜麻仁が有する栄養成分を保管中に酸化や腐敗で損なうことなく、本発明の技術による加工の直前まで、亜麻仁の原料は生命力に溢れた状態が保たれていることを意味する。
本技術による加工の対象となる原料は、休眠中の発芽可能(90%以上)の亜麻仁(種子)とするゆえに、食品原料としていつでも新鮮であり、栄養、衛生、安全、省エネ、エコロジー面からも理想的で最適であると言える。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は上述した実施の形態、以下の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
(亜麻仁の搾油後の搾り粕を用いた新規食品)
発芽率90%以上であることを確認できている亜麻仁を原料に用いた。
この亜麻仁に対して、コールド・プレス(低温圧搾)法により、亜麻仁の重量の20%程度に相当する油脂分を絞り出している。
前記搾油工程後の亜麻仁の搾り粕:3合(約500g)を軽く撹拌しながら水道水に3時間浸漬させた。亜麻仁の表面(多糖質)が水にふやけて、膨潤し、透明な層を作っていることが認められた(図2(a))。
これを水切りし、40分間、蒸し器で蒸した。亜麻仁表面の、透明だった層が、蒸す工程で、光沢を帯び、ネバネバ質に変化していた(図2(b))。
蒸し工程後、放冷し、40℃になったところで種麹4g程を上から均等になるように掛けて撹拌し、卸したてのリネンの布に、亜麻仁の粒(緩やかな団子状)を延べた。上下から極力に空気に触れるよう、亜麻仁が2〜3粒になるよう薄目に延べた(図2(c))。
使用した種麹(Aspergillosis oryzae)は京都の株式会社菱六製の種麹(長白菌)である。
その後、品温を30〜35度に保ち、12時間おきに天地返しをした。20時間目頃から、栗を茹でるような臭いを確認でき、36時間で麹化が完了した(図2(d))。
こうして、亜麻仁の搾り粕を原料とする新規食品(搾り粕亜麻麹)を製造することができた。
この実施例で製造した亜麻仁の搾油後の搾り粕を用いた新規食品(搾り粕亜麻麹)にシアン化合物がどの程度含まれているかを、上記と同様に、公認された分析機関での分析してもらったところ、シアン化合物2.7ppmであった(分析方法:ピリジンピラゾロン吸光光度法)。
そこで、この実施例で採用した工程によって亜麻仁におけるシアン化合物含有量10ppm未満に低減させ得ることを確認できた。
(亜麻仁を用いた新規食品)
発芽率90%以上であることを確認できている亜麻仁を原料に用いた。
亜麻仁:3合(約500g)を軽く撹拌しながら水道水に8時間浸漬して発芽を促し、前発芽状態にする。亜麻仁の表面(多糖質)が水にふやけて、膨潤し、透明な層を作っていることが認められた(図3(a))。
これを水切りし、蒸し器で、40分間、蒸した。亜麻仁表面の、透明だった層が、蒸し工程で、光沢を帯び、ネバネバ質に変化していた。
蒸し工程後、ステンレス・ボウルに収容して放冷し、40℃になったところで種麹4g程を上から均等になるように掛けて撹拌し、湿らせた杉板二枚に、亜麻仁の粒(緩やかな団子状)を延べた(図3(b)、(c))
使用した種麹(Aspergillosis oryzae)は京都の株式会社菱六製の種麹(長白菌)である。
その後、品温を30〜35度に保ち、12時間おきに天地返しをした。20時間目頃から、栗を茹でるような臭いを確認でき、36時間で麹化が完了した。
こうして、亜麻仁を原料とする新規食品(亜麻麹)を製造することができた。
この実施例で製造した、搾油前の亜麻仁を用いた新規食品(亜麻麹)にシアン化合物がどの程度含まれているかを、上記と同様に、公認された分析機関での分析してもらったところ、シアン化合物1.9ppmであった(分析方法:ピリジンピラゾロン吸光光度法)
そこで、この実施例で採用した工程によって亜麻仁におけるシアン化合物含有量10ppm未満に低減させ得ることを確認できた。
(比較例)
蒸し工程を行わない以外は実施例2と同様にした。
すなわち、ロシア連邦から日本国内に輸入した亜麻仁(搾油前でほとんどが発芽可能、すなわち発芽率90%以上の種子)3合(約500g)を軽く撹拌しながら水道水に6時間浸漬させた。
実施例2の場合と同じく、亜麻仁の表面(多糖質)が水にふやけて、膨潤し、亜麻仁自体は先端が膨らみ萌えだして前発芽状態となり、表面には透明な層を作っていることが認められた。
これを水切りし、ステンレス・ボウルに収容し、実施例1、2で使用した種麹(Aspergillosis oryzae)(京都の株式会社菱六製の種麹(長白菌))4g程を上から均等になるように掛けて撹拌した。
これを、湿らせた杉板二枚に、亜麻仁の粒を延べた。その後、品温を30〜35度に保った。
30時間経過しても麹化の特徴は見られなかった。
蒸し工程を加えていない生の亜麻仁に麹菌が果たして働くのかどうか、麹化はせずとも麹菌 (Aspergillus Oryzae)がシアン化合物に対して影響を及ぼすのかを判別するために、前記と同様に、公認された分析機関での分析してもらったところ、シアン化合物70ppmであった(分析方法:ピリジンピラゾロン吸光光度法)。
実施例2と同様に、実施例2で使用したのと同じ亜麻仁15合(原料亜麻仁の重量約2.5キロ)を用い、実施例2と同様の工程で新規食品(亜麻麹)を製造したところ、重量1.9kgであった。加工工程で、歩留まりの減少や水溶性成分が溶出した、等の減損があった。
亜麻麹1.9kgを家庭用の梅酒瓶に入れ、水を少しずつ適当なところまで入れて、内容量を4.1kgとした。塩分10%を目途に、天塩(ミネラル塩)450gを足して、数時間ごとに撹拌して、亜麻仁原料の新規食品(亜麻味噌)とするべくゲル化させて、調理紙で中蓋をし、蓋をして熟成させた(図4(a)、(b))。
熟成開始後10日経過した時点で観察したところ、思わぬ風味と臭いと食感の食品になっていた。外観・見た目がチョウザメの魚卵のキャビアに似ており、「GREEN CAVIA」とでも評せるようなものと思われた。
このような風味、臭いとなったのは、亜麻仁の豊富な脂肪酸(魚油のEPA/DHAと同様のオメガ−3)の熟成によるためではないかと思われた。
この実施例3で製造した、本発明に係る「『亜麻仁を原料とする新規食品』(亜麻麹)の次の発酵・熟成品(亜麻麹味噌)」についての検査結果は表5の通りであった。
亜麻仁は上述のように栄養的に独特の成分を含み、非常に有用である。また、幾多の学術論文にもあるように、成人・生活習慣病の予防・緩和にとても有効とみなされている。
本発明によれば、食品衛生法に抵触する高い濃度のシアン化合物を、麹化することで分解でき、またその方法で食べやすく、安全でおいしく加工することで、全く新たな発酵食品の需要が生まれると考えられる。
これから高齢化社会を迎えるにあたって、世の中にも貢献できるものと思われる。
さらにこの亜麻仁の麹化(「亜麻麹」の製造)の発酵過程にて、独特の栄養素を生産する。例えば、ビタミンB1(エネルギー生産、疲労回復)、B2(肌の新陳代謝、脂質分解)、B6(免疫力、動脈硬化の予防、神経細胞の興奮抑制)、H(ビオチオン、アトピー性皮膚炎、糖尿病、抜け毛)、パントテン酸(抗ストレス、解毒)などの効果が証明されている。
実際に、本発明の実施形態で原料とした「表4」の休眠中の生きている亜麻仁の検査結果及び、実施例2で得られた「亜麻麹」を更に、実施例3で説明したように二次発酵・熟成させたもの(熟成開始後二ケ月経過時)の「亜麻麹味噌」の検査結果をそれぞれ、水分・灰分調整しての数値を比較検討すると次の表6の通りであった。
水分・灰分調整した実施例1、2で製造の「亜麻麹」を原料として、更に、実施例3で一例を説明したように、二次発酵・熟成を図ると、亜麻仁の豊富な脂肪酸の熟成によるせいか、思わぬ風味と臭いと食感の製品ができた。チョウザメの魚卵のキャビアに似ているところから「GREEN CAVIA」と評せるようなものと思われた。これは植物性発酵食品に親しんでいるアジア諸国だけではなく、乳・肉製品などの発酵に馴染んでいる欧米人にも受け入れられる可能性のある食品になり得ると期待できる。
表6のそれぞれの項目の数値を比較すると(亜麻麹味噌の数値については水分・灰分を調整)、熱量と脂質はほぼ同じで変わることはない。しかし亜麻仁が原料から麹化と二次発酵・熟成に変化する過程で、炭水化物が31%から25%に減少し、反対にたんぱく質は20%から26%に有意に増大している。
これは麹菌が繁殖する発酵と熟成の過程で、食物繊維やネバネバ物質の(アラビノガラクタン、多糖類)等の炭水化物をもとに、多量の酵素(タンパク質)を生産し、それ等の酵素が働いてアミノ酸や脂肪酸への分解、亜麻仁の固い殻が柔らかく食しやすくなるのを助け、旨み噛み心地など独特の食感とともに、ビタミン類などの栄養素を作り出す機能が生まれたのではないかと思われる。少なくとも、上記の栄養組成の分析結果の数値の変化から、そのような説明が可能であると思われる。

Claims (3)

  1. 水に所定時間浸漬することで休眠状態から前発芽状態にした亜麻仁、又は、搾油後の亜麻仁の搾り粕を水に所定時間浸漬したものを、所定時間蒸す工程と、蒸した後に放冷し、種麹菌を接種して、30℃〜40℃の温度条件で製麹する工程とを備えている亜麻仁を原料とする新規食品の製造方法。
  2. 水に所定時間浸漬することで休眠状態から前発芽状態にした亜麻仁、又は、搾油後の亜麻仁の搾り粕を水に所定時間浸漬したものを、所定時間蒸した後、放冷し、種麹菌を接種して、30℃〜40℃の温度条件で製麹した亜麻仁を原料とする新規食品。
  3. 水に所定時間浸漬することで休眠状態から前発芽状態にした亜麻仁、又は、搾油後の亜麻仁の搾り粕を水に所定時間浸漬したものを、所定時間蒸す工程と、蒸した後に放冷し、種麹菌を接種して、30℃〜40℃の温度条件で製麹する工程とを備えている亜麻仁におけるシアン化合物含有量を低減させる方法。
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CN114468146A (zh) * 2022-04-02 2022-05-13 长沙学院 一种以麻类作物为原料的新型宠物饲料及其制备工艺

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