JP2019003976A - 貫通電極基板、光学素子、撮像モジュール、撮像装置 - Google Patents

貫通電極基板、光学素子、撮像モジュール、撮像装置 Download PDF

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敦子 千吉良
修司 川口
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文裕 荒川
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雄大 山下
美生 牧野
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【課題】クロストークを低減できる貫通電極基板、及び、これを備える光学素子、撮像モジュール、撮像装置を提供する。【解決手段】貫通電極基板14は、透光性を有する本体部143と、本体部143に設けられた透光領域141と、透光領域141以外の領域に設けられ、両表面を貫通する複数の貫通孔146と、貫通孔146内に設けられ貫通電極147と、透光領域141内であって両表面の少なくとも一方の面にパターン状に形成され、遮光性を有する遮光パターン部144とを備えるものとした。【選択図】図3

Description

本発明は、貫通電極基板と、これを備える光学素子、撮像モジュール、撮像装置に関するものである。
従来、スマートフォンやタブレット等の携帯端末に備えられるカメラにおいては、画質の向上等、様々に開発が行われている(例えば、特許文献1参照)。特に、スマートフォン等の携帯端末においては、薄型化が進んでおり、携帯端末に備えられるカメラ(以下、携帯端末用カメラという)においても、薄型化が図られている。
また、ライトフィールドカメラと呼ばれる、撮影後に焦点距離や被写界深度を変更できるカメラが開発され、近年広まっている(例えば、特許文献2参照)。このライトフィールドカメラは、イメージセンサ上に配置されたマイクロレンズアレイにより、入射光を分割して複数の方向の光を撮影することにより、撮影後に光の入射方向や強度に基づいて所定の画像処理を行って、画像の焦点距離や被写界深度を変更することができる。
携帯端末用カメラは、高画質な画像を撮影するために、レンズ収差の補正等が必要である。そのため、携帯端末用カメラでは、複数枚のレンズにより構成される撮像レンズが用いられている。しかし、このような撮像レンズは、複数枚のレンズにより構成されているため、全体としてのカメラの厚さ(約5〜7mm)の約80%(約4mm)を撮像レンズが占めることとなる。
そのため、携帯端末用カメラにおいて、高画質な画像の撮影と薄型化との両立が、大きな課題となっている。また、携帯端末用カメラについては、上述のライトフィールドカメラのように、撮影後に画像の焦点距離や被写界深度を変更する性能を備えることへの要求もあり、さらなる性能の向上も求められている。
ライトフィールドカメラでは、イメージセンサ上に配置される各マイクロレンズアレイの各レンズからの光(像)が、受光面(受光領域)上で重ならないようにするために、前述のような撮像レンズや、各レンズに対応した隔壁を有する隔壁シート等が必要となっている。
前述のように撮像レンズは、複数枚のレンズにより構成されるため、大型であり、ライトフィールドカメラの小型化、薄型化が困難であった。また、隔壁シートを配置する場合には、隔壁とマイクロレンズアレイとの位置合わせが困難であり、隔壁シートを配置することによって光軸方向の寸法がさらに大きくなり、小型化、薄型化が困難となるという問題があった。
このような課題を解決するために、本願出願人は、特許文献3に示す撮像モジュール、撮像装置を提案している。
特開2015−99345号公報 特表2015−520992号公報 特開2017−46296号公報
ライトフィールドカメラや、特許文献3に示す撮像モジュール等において、各マイクロレンズ等からの光(像)が、イメージセンサの受光面上で重なると、被写体面上で異なる位置と角度を有する光が同一の画素に入射するクロストークという現象が生じ、光の入射方向や強度を分解できなくなり、画質が低下するという問題があった。
本発明の課題は、クロストークを低減できる貫通電極基板、及び、これを備える光学素子、撮像モジュール、撮像装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、第1表面(143a)と、前記第1表面に対向する第2表面(143b)とを有し、透光性を有する本体部(143)と、前記本体部に設けられた透光領域(141,441)と、前記透光領域以外の領域(142,442)に設けられ、前記第1表面及び前記第2表面を貫通する複数の貫通孔(146)と、前記貫通孔内に設けられ貫通電極(147)と、前記透光領域内であって前記第1表面及び前記第2表面の少なくとも一方の面にパターン状に形成され、遮光性を有する遮光パターン部(144)と、を備える貫通電極基板(14,44)である。
第2の発明は、第1の発明の貫通電極基板において、前記遮光パターン部(144)は、光を吸収して遮光する機能を有すること、を特徴とする貫通電極基板(14,44)である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の貫通電極基板において、前記遮光パターン部(144)は、顔料又は染料のいずれかを含有する樹脂組成物により形成されていること、を特徴とする貫通電極基板(14,44)である。
第4の発明は、第1の発明又は第2の発明の貫通電極基板において、前記遮光パターン部(144)は、金属又は金属酸化物により形成されていること、を特徴とする貫通電極基板(14,44)である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの貫通電極基板において、前記第1表面(143a)及び前記第2表面(143b)の前記透光領域(141,441)以外の領域(142,442)の少なくとも一部には、光を吸収して遮光する遮光層(145)が形成されていること、を特徴とする貫通電極基板(14,44)である。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかの貫通電極基板(14,44)と、集光作用を有するレンズシート(11,12)を少なくとも一枚備える光学機能部(13)と、を備える光学素子(14,45)である。
第7の発明は、第6の発明の光学素子において、前記レンズシート(11,12)は、シート面に沿って配列され、一方の面側に凸状又は凹状の単位レンズ形状(112,122)を有する光透過部(111,121)と、前記光透過部の配列方向において、前記光透過部と交互に配列され、前記レンズシートの厚み方向に沿って延びる光吸収部(113,123)と、を有し、該光学素子の厚み方向に平行な方向から見て、前記遮光パターン部(144)は、前記光吸収部と位置が一致していること、を特徴とする光学素子(14,45)である。
第8の発明は、第6の発明又は第7の発明の光学素子において、前記貫通電極基板(44)は、少なくとも一方の面に凹部(448)を有し、前記凹部は、底面に前記光学機能部(13)を配置し、前記光学機能部の厚み方向の少なくとも一部をその内部に配置可能であること、を特徴とする光学素子(45)である。
第9の発明は、第8の発明の光学素子において、前記凹部(448)の側面部(448b)には、光を吸収して遮蔽する遮光膜(448c)が形成されていること、を特徴とする光学素子(45)である。
第10の発明は、第6の発明から第9の発明までのいずれかの光学素子(15,45)と、前記光学素子の出光側に配置され、入射する光を電気信号に変換する複数の画素(162)が配列された受光領域(161)を有する撮像素子部(16)と、を備え、前記撮像素子部は、前記貫通電極基板(14,44)と電気的に接続されていること、を特徴とする撮像モジュール(10,40)である。
第11の発明は、第10の発明の撮像モジュールにおいて、前記貫通電極基板(14,44)は、少なくとも一方の面に、他部材との位置を合わせるためのアライメントマーク(14c)を備えること、を特徴とする撮像モジュール(10,40)である。
第12の発明は、第10の発明又は第11の発明の撮像モジュール(10,40)を備える撮像装置(1)である。
本発明によれば、クロストークを低減できる貫通電極基板、及び、これを備える光学素子、撮像モジュール、撮像装置を提供することができる。
第1実施形態のカメラ1を説明する図である。 第1実施形態の撮像モジュール10を説明する図である。 第1実施形態の貫通電極基板14を説明する図である。 第1実施形態のレンズ部13を説明する図である。 第1実施形態のレンズ部13の第1レンズシート11を説明する図である。 第1実施形態のレンズ部13の第2レンズシート12を説明する図である。 イメージセンサ16の受光領域161上での結像の様子等を説明する図である。 遮光パターン部144の機能について説明する図である。 第2実施形態の撮像モジュール40を説明する図である。 第2実施形態の貫通電極基板44を説明する図である。 光学素子部15の変形形態を説明する図である。 撮像モジュール10の変形形態を説明する図である。 撮像モジュール10の変形形態を説明する図である。 図13に示す撮像モジュール10の変形形態に用いられるレンズ部73を説明する図である。 図13に示す撮像モジュール10の変形形態に用いられるレンズ部73を説明する図である。 レンズ部73の別の形態を説明する図である。 第1レンズシート11の変形形態を説明する図である。 レンズ部13の変形形態を説明する図である。 第1レンズシート11の変形形態を説明する図である。 レンズ部13の変形形態を説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
また、本明細書中において、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、本明細書中において、シート面とは、シート状の部材において、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。なお、板面、フィルム面についても同様で有るとする。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のカメラ1を説明する図である。
図1を含め、以下に示す各図において、理解を容易にするために、XYZ直交座標系を適宜設けて示している。この座標系では、撮影者が、カメラ1を基本的な姿勢で支持し、光軸Oを水平として画像を撮影するとき、水平方向(左右方向)をX方向、鉛直方向(上下方向)をY方向とし、光軸Oの軸方向をZ方向とし、撮影者側から見て左側(被写体側から見て右側)に向かう方向を+X方向、鉛直方向上側に向かう方向を+Y方向、光軸O方向をZ方向とし、被写体側に向かう方向を+Z方向とする。また、Z方向は、撮像モジュール10の厚み方向に相当する。
カメラ1は、被写体を撮像することができる撮像装置である。カメラ1は、図1に示すように、開口部31を有する筐体30内に、撮像モジュール10を備えている。
このカメラ1は、スマートフォン等の携帯電話やタブレット端末等の携帯端末に用いられる撮像装置であり、この筐体30は、携帯端末本体の筐体に相当する。カメラ1は、筐体30内に、さらに不図示の制御部、記憶部等を備えている。
開口部31は、被写体側からの光を、カメラ1内の撮像モジュール10へ取り込む開口である。
図2は、第1実施形態の撮像モジュール10を説明する図である。図2(a)は、撮像モジュール10の光軸O方向(Z方向)及び上下方向(Y方向)に平行な断面を示し、図2(b)は、撮像モジュール10の光軸O方向(Z方向)及び左右方向(X方向)に平行な断面を示している。
本実施形態の撮像モジュール10は、光軸O方向に沿って被写体側(入光側、+Z側)から順に、カバーシート17、赤外線遮蔽シート18、光学素子部15、イメージセンサ16等を備えている。光学素子部15は、被写体側(入光側、+Z側)から順に、貫通電極基板14、レンズ部13を備えている。
撮像モジュール10は、前述の制御部からの出力信号により、レンズ部13によってイメージセンサ16の被写体側(+Z側)の面に設けられた受光領域161上に結像した像を撮像する。
本実施形態では、理解を容易にするために、一例として、貫通電極基板14、レンズ部13、イメージセンサ16の受光領域161は、光軸O方向(Z方向)から見て正方形形状である例を示すが、これに限らず、長方形形状等としてもよい。また、本実施形態では、光軸O方向(Z方向)から見た貫通電極基板14、レンズ部13、イメージセンサ16の受光領域161の幾何学的中心において、これらのシート面又は板面等と光軸Oとは直交している。
なお、本実施形態の撮像モジュール10は、一例として、カバーシート17、赤外線遮蔽シート18、光学素子部15(貫通電極基板14、レンズ部13)、イメージセンサ16等を備える例を示した。しかし、これに限らず、撮像モジュール10としては、少なくとも、光学素子部15(貫通電極基板14、レンズ部13)、イメージセンサ16を備えるものとしてよい。
カバーシート17は、透光性を有するガラス又は樹脂により形成されたシート状の部材であり、筐体30の開口部31を塞ぐように配置されている。
このカバーシート17は、カメラ1及び撮像モジュール10内への埃やゴミ等の異物の侵入を防止する機能を有している。被写体側からの光は、このカバーシート17を透過して、撮像モジュール10へ入射する。
赤外線遮蔽シート18は、所定の波長域の赤外線を遮蔽し、これ以外の波長域の光を透過する機能を有するシート状の部材である。本実施形態の赤外線遮蔽シート18は、特に、波長が700〜1100nmの領域である近赤外線を遮蔽し、これ以外の波長域の光を透過する機能を有している。この赤外線遮蔽シート18は、所定の波長域(700〜1100nm)の赤外線を吸収することにより遮蔽する機能を有するシートとしてもよいし、所定の波長域の赤外線を反射することにより遮蔽する機能を有するシートとしていてもよい。
赤外線遮蔽シート18は、ガラス製又は樹脂製のシート状の部材の一方の面に、上述のような赤外線遮蔽機能を有する層を形成した形態としてもよいし、赤外線遮蔽機能を発揮する材料を含有するガラス又は樹脂をシート状に形成した形態としてもよい。
このような赤外線遮蔽シート18をイメージセンサ16よりも被写体側(+Z側)に設けることにより、ノイズを発生させて画質の劣化を招く赤外線(特に、近赤外線)を遮蔽することができ、カメラ1及び撮像モジュール10の撮影する画質の向上を図ることができる。
本実施形態では、カバーシート17及び赤外線遮蔽シート18は、一体に積層され、不図示の支持部材によって周縁部を支持され、光軸O方向(Z方向)において所定の位置で固定されている。このような支持部材に関しては、遮光性を有することが迷光を低減し、画質を向上させる観点から好ましい。
なお、これに限らず、例えば、カバーシート17と赤外線遮蔽シート18との間や、赤外線遮蔽シート18と貫通電極基板14との間に、光軸O方向(Z方向)おいて、わずかに空間が設けられた(Z方向に離間した)形態とし、不図示の支持部材で支持される形態としてもよい。
図3は、第1実施形態の貫通電極基板14を説明する図である。図3(a)は、貫通電極基板14を光軸O方向(Z方向)から見た平面図である。図3(b)は、図3(a)に示す矢印A1−A2に沿った貫通電極基板14の断面図である。
貫通電極基板14は、図1や図2に示すように、レンズ部13よりも被写体側(入光側、+Z側)に配置されている。
貫通電極基板14は、透光性を有する本体部143と、本体部143の両表面143a,143b間を貫通する複数の貫通孔146と、この貫通孔146内に設けられた貫通電極147とを備える。
この貫通電極基板14は、光を透過する透光領域141を備え、この透光領域141以外の領域に貫通孔146及び貫通電極147や、電気信号を伝達する不図示の配線パターンや端子等が形成された配線領域142が配列されている。本実施形態では、透光領域141は光軸O方向から見て正方形形状であって、その四辺の外周側に貫通孔146及び貫通電極147が複数配列されている。
この貫通電極基板14の両面14a,14b(即ち、本体部143の両面143a,143b)は、互いに平行であり、光軸O方向に対して直交する。
本体部143は、透光性を有し、対向する2つの平面を表面143a,143bとして有する部材である。本体部143は、絶縁性が十分に確保でき、かつ、高い透光性を得られる材料が好ましく、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス、ソーダライムガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等により形成された可撓性を有しない板状又はシート状の部材や、ポリエチレンテレフタレートやポリイミド(PI)等により形成された柔軟性、可撓性を有するシート状やフィルム状の部材を用いてもよい。なお、本体部143をガラスにより形成する場合には、ガラス中のNaやKがガラス表面に溶出してイメージセンサ16の端子部等を腐食させる可能性が原理的にないという点から、無アルカリガラスを用いることが好適である。
本実施形態の本体部143は、絶縁性及び透光性の確保に加えて、高い剛性を有するという観点から、無アルカリガラスにより形成された板状の部材を用いている。ガラス製の本体部143として備える貫通電極基板14は、従来使用されているエポキシ等の有機材料により本体部が形成された配線基板に比べて、透光性を有し、かつ、剛性や耐熱性が高く、表面の平滑性が高いという特徴を有する。
透光領域141は、貫通電極147や配線パターン等が設けられていない領域であり、光軸O方向(Z方向)から見て、その外形の大きさが後述するレンズ部13の外形と同じ又はレンズ部13の外形よりも大きい。従って、光軸O方向(Z方向)から見たとき、レンズ部13は、透光領域141内に位置している。
この透光領域141の被写体側(+Z側)の面14a上には、赤外線遮蔽シート18が積層されて配置されている。
また、透光領域141の像側(−Z側)の面14b上には、レンズ部13の第1レンズシート11が配置されている。本実施形態では、透光領域141の像側(−Z側)の面14bと第1レンズシート11の被写体側(+Z)側の面とが対面するように配置され、透光性を有する接合層19aにより接合されている。
透光領域141には、光を吸収する機能を有する遮光パターン部144が、両面14a,14b(本体部143の両面143a,143b)に形成されている。
遮光パターン部144は、線状であってY方向に延在し、X方向に配列される遮光パターン144aと、線状であってX方向に延在し、Y方向に配列される遮光パターン144bとにより格子状に形成されている。
この遮光パターン部144は、光軸O方向(Z方向)から見て、後述するレンズ部13の各レンズシートに形成された光吸収部113,123とその位置が一致している。即ち、本実施形態では、光軸O方向(Z方向)から見て、光吸収部113と遮光パターン144aとの位置が一致し、光吸収部123と遮光パターン144bとの位置が一致している。
なお、本実施形態では、図3において、遮光パターン144a,144bは、同じ線幅である例を示したが、異なっていてもよい。また、遮光パターン144a,144bの線幅は、対応する光吸収部113,123の幅D2と同じとしてもよいし、異なっていてもよい。各遮光パターン144a,144bが一致する光吸収部113,123が設けられた第1レンズシート11,第2レンズシート12と貫通電極基板14との光軸O方向(Z方向)における距離等に応じて、遮光パターン144a,144bの線幅は適宜設定してよい。
また、遮光パターン部144は、貫通電極基板14(本体部143)の少なくとも一方の面の透光領域141内に形成される形態としてもよい。貫通電極基板14(本体部143)の片面に遮光パターン部144を形成する場合には、貫通電極基板14のレンズ部13側(本実施形態では像側,−Z側)の面に設けることが、後述するクロストークを低減する観点から好ましい。
また、遮光パターン部144は、貫通電極基板14(本体部143)の一方の面の透光領域141内に遮光パターン144aが形成され、他方の面の透光領域141内に遮光パターン144bが形成される形態としてもよい。遮光パターン部144が設けられる面については、レンズ部13の貫通電極基板14に対する位置等に応じて適宜選択してよい。
遮光パターン部144は、例えば、顔料又は染料を含有する樹脂組成物を硬化した樹脂膜により形成されている形態としてもよいし、金属又は金属酸化物の薄膜により形成されている形態としてよい。このような金属又は金属酸化物としては、クロム、モリブデン、タンタル、チタン、ジルコニウム等やこれらの酸化物等が好適である。
遮光パターン部144を樹脂膜により形成する場合、この樹脂膜に含まれる顔料は、例えば、PR254(ピグメントレッド254)、PR177(ピグメントレッド177)、PR242(ピグメントレッド242)、PY150(ピグメントイエロー150)、PY139(ピグメントイエロー139)、PY138(ピグメントイエロー138)、PO36(ピグメントオレンジ36)、PG36(ピグメントグリーン36)、PG58(ピグメントグリーン58)、PG7(ピグメントグリーン7)、PB15:6(ピグメントブルー15:6)、PB15:3(ピグメントブルー15:3)、PB15:4(ピグメントブルー15:4)、PV23(ピグメントバイオレット23)、カーボンブラック、チタンブラックを1種又は2種以上混合したものが好適である。また、樹脂膜に含まれる染料としては、トリアリルメタン系染料、アゾ染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料等が好適である。
このような遮光パターン部144は、フォトリソグラフィ法、インクジェット法や印刷法等により形成される。
貫通孔146は、本体部143の両表面143a,143bを厚み方向に貫通する孔であり、透光領域141の外側に複数配列されている。この貫通孔は、レーザー照射やエッチング等により形成される。
貫通電極147は、貫通電極基板14の両面の配線パターンを導通する部分であり、銅、アルミニウム、タングステン、チタン、タンタル等の高融点化合物を主成分として含有する材料により形成されている。また、貫通電極147は、充填めっき、スパッタリング、蒸着等の各種方法により形成される。
配線領域142の不図示の配線パターンは、例えば、銅箔等の金属箔を積層してエッチングしたり、銅等の金属をスパッタ加工、蒸着加工、めっき加工したり、金属ナノペースト等の導電性ペーストを塗布したりする等により形成できる。
貫通電極基板14の両面14a,14b(本体部143の両面143a,143b)の配線領域142等には、配線パターン間を絶縁させるための絶縁性を有する樹脂層等が配線パターン間に適宜設けられている。また、配線パターンを保護する目的で、絶縁性を有する樹脂等により、配線パターン上(特に、被写体側の面14aの配線パターン上)にカバー膜145が設けられている。
本実施形態のカバー膜145は、光吸収性を有しており、本体部143の両面の配線領域パターン上に形成されている。このようなカバー膜145は、例えば、前述の遮光パターン部144に用いられるような黒色等の暗色系の顔料又は染料を含有する樹脂により形成可能である。
開口部31からカメラ1の筐体30内に入光した光は、貫通電極基板14の透光領域141を透過してレンズ部13へ入光する。この際、カバー膜145が光吸収性を有していると、本体部143内に侵入する不要な光を吸収することができ、迷光がレンズ部13内等で生じて画質の低下を招くことを抑制できる。
なお、カバー膜145が透光性を有する場合は、このカバー膜145の上にさらに不図示の光吸収性層を形成してもよい。また、本体部143は、透光性を有するので、貫通孔146の内周面に、光を吸収する不図示の光吸収層を形成した後、貫通電極147を形成し、迷光の低減を図ってもよい。
貫通電極基板14の像側(−Z側)の配線領域142に設けられた不図示の端子は、後述するイメージセンサ16の被写体側の面の非受光領域に設けられた不図示の端子と、半田等の導電性を有する接合部材19cによって接合され、電気的に接続されている。
さらに、貫通電極基板14の配線領域142に設けられた別の不図示の端子は、不図示のフレキシブルプリント基板等に電気的に接続され、このフレキシブルプリント基板を介して制御部等が設けられた電子回路基板(マザーボード)に電気的に接続されている。
貫通電極基板14は、少なくとも一方の面の配線領域142の一部に、アライメントマーク14cを備えていてもよい。
このアライメントマーク14cは、後述するレンズ部13の第1レンズシート11を貫通電極基板14の面14bに接合したり、後述するイメージセンサ16との接続及び接合を行う際に用いられるマークであり、これにより、第1レンズシート11と貫通電極基板14との貼合精度を向上させたり、イメージセンサ16と貫通電極基板14との接続及び整合位置の精度を向上させることができ、撮像モジュール10及びカメラ1の組み立て精度を向上させたり、作業効率の向上を図ったりすることができる。
このアライメントマーク14cの形状や色等は、適宜設定してよい。
貫通電極基板14の本体部143の屈折率(透光領域141の屈折率)は、後述する第1レンズシート11の光透過部111との屈折率差ができる限り小さいことが好ましい。
なお、本実施形態では、貫通電極基板14は、配線パターンが形成された配線領域142を備える例を挙げて説明したが、これに限らず、貫通電極基板14上に電子部品等を配置して、回路パターンをその両面14a,14bに備える形態としてもよい。
貫通電極基板14の厚さは、0.2〜1.0mm程度が好ましく、本実施形態では、例えば、0.4mmである。
図4は、第1実施形態のレンズ部13を説明する図である。図4(a)では、レンズ部13の第1レンズシート11及び第2レンズシート12の斜視図を示している。図4(b)では、光軸O方向(Z方向)から見た第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R1及び第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R2を示している。なお、図4(a)では、理解を容易にするために、第1レンズシート11と第2レンズシート12とは、光軸O方向(Z方向)に大きく離間させて示している。
図5は、第1実施形態のレンズ部13の第1レンズシート11を説明する図である。
図6は、第1実施形態のレンズ部13の第2レンズシート12を説明する図である。
図5では、第1レンズシート11の光透過部111の配列方向(Y方向)及び第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)に平行な断面の一部を拡大して示している。図6では、第2レンズシート12の光透過部121の配列方向(X方向)及び第2レンズシート12の厚み方向(Z方向)に平行な断面の一部を拡大して示している。
レンズ部13は、光軸O方向(Z方向)において、貫通電極基板14の像側(イメージセンサ側、出光側、−Z側)に配置されている光学機能部である。
レンズ部13は、光軸O方向(Z方向)に沿って被写体側(+Z側)から順に、第1レンズシート11と、第2レンズシート12とを備えている。
第1レンズシート11は、シート面に沿って一方向に延在し、延在方向に交差(直交)する方向に複数配列された光透過部111と、光透過部111の配列方向において、光透過部111と交互に配置される光吸収部113とを備えている。
また、第1レンズシート11は、第1の面11aとこれに対向する第2の面11bとを有している。本実施形態では、第1の面11aが像側(−Z側)に位置し、第2の面11bが被写体側(+Z側)に位置している。
光透過部111は、光を透過する部分であり、第1の面11a側に、凸形状の単位レンズ形状112を有している。従って、第1レンズシート11の第1の面11aには、単位レンズ形状112が複数形成されている。
本実施形態の第1レンズシート11では、光透過部111は、その配列方向R1が上下方向(Y方向)に平行であり、その長手方向(延在方向、稜線方向)が左右方向(X方向)に平行となっている。
単位レンズ形状112は、凸形状である。本実施形態では、第1レンズシート11の単位レンズ形状122は、像側(−Z側)に凸となっている。また、単位レンズ形状112は、光透過部111の配列方向R1(Y方向)及び第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)に平行な断面における断面形状が円の一部形状となっている。単位レンズ形状112は、この断面形状が光透過部111の長手方向に沿って延在している。
単位レンズ形状112の表面には、反射防止機能を有する不図示の反射防止層が形成されている。この反射防止層は、反射防止機能を有する材料(例えば、フッ化マグネシウム(MgF)、二酸化ケイ素(SiO)、フッ素系光学用コーティング剤等)を所定の膜厚でコーティングする等により形成される。
光透過部111の第2の面11b側には、光透過部111がシート面(XY面)に平行な方向に連続しているランド部114が形成されている。ランド部114は、その厚みが可能な限り薄い方が好ましく、ランド部114の厚さが0であること(即ち、ランド部114が存在しない形態)が、迷光や後述のクロストーク等を抑制し、高画質の画像を提供する観点から理想的である。
第1レンズシート11の第2の面11b(本実施形態では、被写体側(+Z側)の面)は、略平面状となっている。
光透過部111は、光透過性を有する樹脂により形成され、その屈折率N1は、約1.38〜1.60である。
このような光透過部111は、例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を用いて、紫外線成形法等により形成されている。
なお、これに限らず、光透過部111は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。また、光透過部111は、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等の熱可塑性樹脂等を用いて熱溶融押出成形法等により形成されてもよい。また、光透過部111は、樹脂に限らず、ガラスにより形成されてもよい。
光吸収部113は、光を吸収する作用を有する部分である。本実施形態の光吸収部113は、第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)に沿って、単位レンズ形状112が形成されている第1の面11a側から反対側の第2の面11b側へ延びる壁状の部分である。また、光吸収部113は、光透過部111の長手方向(X方向)に沿って延在している。この光吸収部113の第1の面11a側の端部は、単位レンズ形状112間に位置している。
光吸収部113は、その配列方向(Y方向)及び第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)に平行な断面における断面形状が楔形形状、もしくは、矩形形状である。ここでいう楔形形状とは、一方の端部の幅が広く、他方に向けて次第に幅が狭くなる形状をいい、三角形形状や台形形状等を含む。
本実施形態の光吸収部113は、その配列方向及び第1レンズシート11の厚み方向に平行な断面での断面形状が等脚台形形状であり、第1の面11a側端部の寸法が第2の面11b側端部の寸法に比べて大きい。これに限らず、光吸収部113は、その配列方向及び第1レンズシート11の厚み方向に平行な断面での断面形状が、第2の面11b側端部を頂点とする三角形形状としてもよい。
光吸収部113は、光透過部111内を進む光のうち、隣接する他の光透過部111側へ向かうような迷光を吸収する機能を有する。
光吸収部113の屈折率N2は、約1.48〜1.60である。また、光吸収部113の屈折率N2は、光透過部111の屈折率N1に対して、N2≧N1となっていることが好ましい。これは、光吸収部113と光透過部111との界面で、光が全反射する等して、不要な光がイメージセンサ16に到達することを防ぐためである。
このような光吸収部113は、カーボンブラック等の光吸収性を有する材料(以下、光吸収材という)や、光吸収材を含有した樹脂等により形成される。
光吸収部113に用いられる光吸収材は、可視光領域の光を吸収する機能を有する粒子状等の部材が好適である。このような部材としては、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、顔料や染料、顔料や染料で着色された樹脂粒子等が挙げられる。
光吸収材として顔料や染料で着色された樹脂粒子を用いる場合には、その樹脂粒子は、アクリル系樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、PE(ポリエチレン)樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂等により形成されたものが用いられる。
また、光吸収材としては、カーボンブラック等と上記のような着色された樹脂粒子とを組み合わせて用いてもよい。
このような光吸収材を含有する樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
本実施形態の光吸収部113は、例えば、カーボンブラックを含有するアクリル系樹脂により形成されている。
光吸収部113は、例えば、光透過部111を形成した後に、光透過部111間の光吸収部113が形成される溝状の部分に、第1の面11a側の面側から光吸収部113を形成する材料を塗布し、ワイピング等で光透過部111間の溝状の部分に光吸収部113を充填した後、硬化させる等により形成される。
また、光吸収部113を形成する材料は、光透過部111間の溝状の部分に、例えば、真空充填により充填してもよいし、毛細管現象を利用して充填してもよい。
第1レンズシート11の各部の寸法は、以下の通りである。
光透過部111(単位レンズ形状112)の配列ピッチPは、約10〜230μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状112の曲率半径Rは、約10〜180μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状112のレンズ開口幅D1(光透過部111の配列方向において、光吸収部113の最も第1の面11a側の端部と光透過部111との境界となる点t1〜点t2間の寸法)は、約10〜200μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状112のレンズ高さH1(第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)において、光吸収部113の第1の面11a側の面から単位レンズ形状112の最も凸となる点(頂点)t3までの寸法)は、約2〜40μmとすることが好ましい。
光吸収部113の第1の面11a側の幅D2(光透過部111及び光吸収部113の配列方向における、光吸収部113の最も第1の面11a側端部の寸法)は、約1〜30μmとすることが好ましい。
光吸収部113の高さH2(第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)における光吸収部113の寸法)は、約20〜470μmとすることが好ましい。
光吸収部113と光透過部111との界面がシート面の法線方向(Z方向)となす角度θは、0〜10°程度とすることが好ましい。
ランド厚D3は、ランド部114の厚さ(第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)において、光吸収部113の第2の面11b側先端から第2の面11bまでの寸法)である。このランド厚D3は、約1〜50μmとすることが、迷光や、所定の光透過部111(単位レンズ形状112)に入射した光が、隣接する他の光透過部111(単位レンズ形状112)側へ光が進んでしまうことを抑制する観点から好ましい。
第1レンズシート11の総厚T(第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)における第2の面11bから単位レンズ形状112の頂点となる点t3までの寸法)は、約30〜480μmとすることが好ましい。
第1レンズシート11は、上記寸法範囲で形成されることによって、その焦点距離が約24〜300μm(空気中の換算値)となる。
第2レンズシート12は、第1レンズシート11の像側(イメージセンサ側、出光側、−Z側)に位置するレンズシートである。
第2レンズシート12は、前述の第1レンズシート11と略同様の形状であり、単位レンズ形状122を有する光透過部121、光吸収部123等を有している。また、第2レンズシート12は、第1の面12aと、これに対向する第2の面12bとを有している。
この第2レンズシート12は、光透過部121(単位レンズ形状122)及び光吸収部123の配列方向R2が、前述の第1レンズシート11とは異なっている。また、本実施形態の第2レンズシート12では、第1の面12aは、被写体側(+Z側)に位置し、第2の面12bは、イメージセンサ側(−Z側)に位置している点が、第1レンズシート11とは異なる。
第2レンズシート12では、図4(b)に示すように、光透過部121及び光吸収部123の配列方向R2は、光軸O方向(Z方向)から見て、第1レンズシート11の光透過部111及び光吸収部113の配列方向R1と交差し、角度αをなしている。本実施形態では、この角度α=90°である。即ち、第2レンズシート12の光透過部121(単位レンズ形状122)及び光吸収部123は、長手方向(稜線方向)が上下方向(Y方向)に平行であり、左右方向(X方向)に平行に配列されている。
第2レンズシート12は、第1レンズシート11と同様の材料を用いて形成することができる。
また、第2レンズシート12は、第2の面12bが、透光性を有する接合層19bを介してイメージセンサ16の受光領域161上に接合されている。
本実施形態の第1レンズシート11と第2レンズシート12とは、互いのシート面が平行となるように配置され、光軸O方向(Z方向)において単位レンズ形状112の頂点t3と単位レンズ形状122の頂点t3との間には、わずかに空気層が存在している状態となっている。即ち、第1レンズシート11と第2レンズシート12とは、光軸O方向(Z方向)にわずかに離間しており、接していない。単位レンズ形状112の頂点t3と単位レンズ形状122の頂点t3との間のZ方向における寸法は、可能な限り小さいことが好ましい。
なお、これに限らず、第1レンズシート11と第2レンズシート12とは、光軸O方向(Z方向)において単位レンズ形状112,122の頂点(点t3)で互いに接した状態で積層されて配置される形態としてもよい。
このような第1レンズシート11及び第2レンズシート12を備える本実施形態のレンズ部13の厚さは、例えば、約0.20mmである。
レンズ部13に入射した光は、単位レンズ形状112,122により、後述するイメージセンサ16の被写体側の面に設けられた受光領域161上が焦点となるように集光される。即ち、単位レンズ形状112,122の曲率半径R、光透過部111,121の屈折率N1等は、イメージセンサ16の受光領域161上が焦点となるように設定されている。
接合層19a,19bは、透光性を有する粘着剤又は接着剤により形成された層である。
接合層19aは、貫通電極基板14とレンズ部13の第1レンズシート11との間に設けられ、これらを一体に接合している。このような形態とすることにより、第1レンズシート11と貫通電極基板14との光学密着を抑制することができる。また、ガラス製の本体部143を備える貫通電極基板14を用いた場合には、第1レンズシート11をこれよりも剛性の高い貫通電極基板14と接合することにより、第1レンズシート11の反りやたわみ等の変形を抑制できる。
接合層19bは、第2レンズシート12とイメージセンサ16との間に設けられ、これらをそれぞれ一体に接合している。このような形態とすることにより、第2レンズシート12とイメージセンサ16との光学密着を抑制することができる。また、ガラス製の本体部143を備える貫通電極基板14を用いた場合には、第2レンズシート12をこれよりも剛性の高いイメージセンサ16と接合することにより、第2レンズシート12の反りやたわみ等の変形を抑制できる。
接合層19a,19bの屈折率は、貫通電極基板14の透光領域141の本体部143の屈折率及び光透過部111,121の屈折率N1との屈折率差が可能な限り小さいことが好ましい。
また、イメージセンサ16の駆動時の発熱によるレンズ部13の反り等の変形を抑制する観点から、接合層19a,19b(特に、接合層19b)は、耐熱性を有することが好ましい。
このような接合層19a,19bとしては、エポキシ樹脂製、ウレタン樹脂製等の粘着剤、接着剤が好適である。
なお、この接合層19a,19bは、その屈折率が光透過部111,121の屈折率N1よりも小さいものも適用可能であり、その場合、例えば、シリコーン系粘着剤が適用可能である。
イメージセンサ16は、貫通電極基板14及びレンズ部13よりも像側(筐体30内部側、出光側、−Z側)に設けられており、被写体側(+Z側)の面に設けられた受光領域161で受光した光を電気信号に変換して出力する部分である。
イメージセンサ16は、略平板状であり、被写体側(+Z側)の面に、光を受光可能な受光領域161を有している。また、イメージセンサ16において、光軸O方向から見て、被写体側(+Z側)の面の受光領域161の外側は、光を受光しない非受光領域となっている。
イメージセンサ16は、非受光領域に、不図示の端子部を有しており、本実施形態では、この端子部が貫通電極基板14の像側(−Z側)の面14bの配線領域142に設けられた不図示の端子部と導電性を有する半田等の接合部材19cにより電気的に接続されている。
また、この接合部材19cにより、イメージセンサ16と貫通電極基板14とは、接合されており、これにより、第1レンズシート11と第2レンズシート12との光軸O方向(Z方向)における位置が決められ、固定されている。
なお、貫通電極基板14とイメージセンサ16とは、貫通電極基板14の被写体側(+Z側)の面14aに設けられた不図示の端子部とイメージセンサ16の非受光領域に設けられた不図示の端子部とが電気的に接続されている形態としてもよい。
本実施形態では、貫通電極基板14とイメージセンサ16とは、フリップチップボンディング法を用いて実装されている。なお、これに限らず、貫通電極基板14とイメージセンサ16とは、ワイヤーボンディング法等の他の方法により実装されていてもよい。
イメージセンサ16は、受光領域161に複数の画素162(後述する図7(a)参照)が2次元方向に配列されており、各画素162は、その画素162に入射した光の強度を検出可能である。本実施形態では、イメージセンサ16の画素162は、受光領域161において、左右方向及び上下方向(X方向及びY方向)に複数配列されている。
このようなイメージセンサ16としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等が好適に用いられる。本実施形態のイメージセンサ16は、CMOSが用いられている。
本実施形態では、まず、貫通電極基板14と第1レンズシート11とを接合層19aによって接合し、イメージセンサ16と第2レンズシート12とを接合層19bによって接合する。そして、貫通電極基板14とイメージセンサ16とを半田等の接合部材19cで接続及び接合し、適宜、赤外線遮蔽シート18やカバーシート17を貫通電極基板14の第1レンズシート11が接合された面とは反対側の面14a上に一体に積層し、撮像モジュール10を作製する。そして、撮像モジュール10を筐体30内の所定の位置に配置して固定し、カメラ1を作製する。
ここで、図4(b)に示すように、第1レンズシート11、第2レンズシート12は、光軸O方向(Z方向)から見た場合に、光透過部111(単位レンズ形状112)の配列方向R1と光透過部121(単位レンズ形状122)の配列方向R2とが角度α=90°をなすように配置されている。また、第1レンズシート11、第2レンズシート12は、光透過部111,121間に光吸収部113,123が形成されている。
従って、レンズ部13は、光学的には、マイクロレンズが2次元方向(X方向及びY方向)に配置され、各マイクロレンズ間に遮光壁が形成された状態に略等しい。
また、前述のように、光軸O方向から見て、光吸収部113,123の位置と、遮光パターン144a,144bは、一致している。
被写体からの光は、開口部31から撮像モジュール10内に入射し、カバーシート17及び赤外線遮蔽シート18を透過し、貫通電極基板14の透光領域141を透過してレンズ部13に入射する。
そして、被写体からの光は、第1レンズシート11の単位レンズ形状112により、その配列方向であるY方向(上下方向)において集光され、また、第2レンズシート12の単位レンズ形状122により、その配列方向であるX方向(左右方向)において集光される。また、光透過部111,121内を光軸O方向に対して大きな角度をなす方向へ進む光の少なくとも一部は、光吸収部113,123に入射して吸収される。そして、レンズ部13を透過した光は、イメージセンサ16の受光領域161上で結像する。
図7は、イメージセンサ16の受光領域161上での結像の様子等を説明する図である。
前述のように、レンズ部13は、光学的には、マイクロレンズが2次元方向(X方向及びY方向)に配置され、各マイクロレンズ間に遮光壁が形成された状態に等しい。
従って、本実施形態では、図7(a)に示すように、イメージセンサ16の受光領域161上には、この疑似的な各マイクロレンズにより結像された各像Zが、それぞれ重なることなく形成される。
本実施形態では、この疑似的なマイクロレンズの1つ1つのレンズに対して、イメージセンサ16の複数の画素群(図7(a)においては、X方向に4行、Y方向に4列の計16個の画素162)が対応するように配置されている。そして、撮影時には、各画素162には、対応する疑似的なマイクロレンズにより分割された光が入射し、各画素162により、その画素162に入射した光の強度が検出される。また、各画素162と、その画素に入射した光が透過した単位レンズ形状112,122のXY平面上の位置(XY平面上の疑似的なマイクロレンズの位置)との関係から、その画素162に入射した光の入射方向が検出可能となる。
撮影時に撮像モジュール10により得られた、各画素162が検出した入射光の強度及び入射方向の情報は、カメラ1の不図示の記憶部に記憶される。そして、不図示の制御部により各種演算等が行われることにより、撮影後に、その焦点距離や被写界深度等を変更した(リフォーカス処理を行った)画像データとして生成可能である。
一般的に、ライトフィールドカメラにおいて、マイクロレンズアレイの1つのマイクロレンズには、イメージセンサの所定の領域内に位置する複数個の画素(画素群)が対応している。そして、それぞれのマイクロレンズによる像が、対応する領域内に投影されることが重要である。
このとき、例えば、図7(b)に示すように、各マイクロレンズの像が隣の領域等にも投影され、像Zが重なると、被写体面上で異なる位置と角度を有する光が同一の画素162に入射するクロストークという現象が生じ、光の入射方向や強度を分解できなくなる。
これを解消するために、従来のライトフィールドカメラでは、マイクロレンズアレイよりも被写体側に設けられた撮像レンズの絞りを利用したり、マイクロレンズアレイの各単位レンズに対応した隔壁を有する隔壁シートをマイクロレンズアレイのイメージセンサ側等に別体で用意したりする必要があった。
しかし、本実施形態では、光吸収部113,123が、光透過部111,121間に形成され、各レンズシートの厚み方向(Z方向)に延びているので、撮像レンズや隔壁シート等を用いることなく、かつ、図7(a)に示すようにクロストークを生じさせることなく、単位レンズ形状112,122により集光された光を、イメージセンサ16の対応する領域の画素162に入射させることができる。これにより、画素162は、入射光の強度と入射方向の情報を高精度で出力することができる。
従って、本実施形態の撮像モジュール10及びカメラ1は、撮影後に、その焦点距離や被写界深度等を変更可能であり、焦点距離や被写界深度を変更可能である。また、本実施形態の撮像モジュール10及びカメラ1は、パンフォーカスでの撮影画像も形成可能である。
図8は、遮光パターン部144の機能について説明する図である。
図8(a)は、本実施形態の光学素子部15を示し、図8(b)は、比較例の光学素子部15Bを示す図である。なお、図8では、貫通電極基板14,14Bについては簡略化して示している。
比較例の光学素子部15Bが備える貫通電極基板14Bは、遮光パターン部144を備えていない以外は、本実施形態の貫通電極基板14と同様の形状である。
図8(b)に示すように、比較例では、光軸O方向に対して角度をなす方向から光学素子部15Bに入射した光等、一部の光L1が、設計上入射すべき単位レンズ形状112に入射せず、隣接する別の単位レンズ形状112に入射し、レンズ部13を透過してイメージセンサ16の受光領域161に到達する。このような光L1は、クロストークを生じさせ、光の入射方向や強度の分解精度を大幅に低下させ、画像のぼけ等画質の低下を生じさせる。
これに対して、本実施形態では、図8(a)に示すように、前述のような光L1は、遮光パターン部144に入射して吸収される。これにより、クロストークをさらに大幅に低減でき、イメージセンサ16の画素162が入射光の強度と入射方向とを高精度で出力でき、光の入射方向や強度を精度よく分解でき、測距精度が向上し、焦点距離や被写界深度を変更しても高い画質の画像が得られる。
また、本実施形態によれば、従来の撮像モジュールやカメラで必要であった複数枚の光学レンズからなる撮像レンズが不要であるので、撮像モジュール10及びカメラ1の大幅な薄型化、軽量化を図ることができる。また、撮像レンズやこれを保持するレンズホルダー等が不要となるので、撮像モジュール10及びカメラ1の生産コストを低減できる。さらに、カメラ1が搭載される携帯端末本体等の薄型化を妨げることがなく、意匠性の向上にも寄与できる。
また、本実施形態によれば、貫通電極基板14は、透光領域141を有し、イメージセンサ16及びレンズ部13を貫通電極基板14よりも像側(筐体30内部側、−Z側)に配置することができるので、従来の携帯端末用カメラに比べて、貫通電極基板14よりも被写体側(+Z側)の領域の厚みを大幅に薄くすることができ、かつ、貫通電極基板14よりも筐体30内部側(−Z側)のスペース(バックスペース)を有効利用することができる。
また、本実施形態の貫通電極基板14は、ガラス製の板状の部材を本体部143としており、従来のエポキシ等の有機材料により形成された本体部を有する有機材料系貫通電極基板に比べて高い剛性を有する。従って、本実施形態によれば、第1レンズシート11及び第2レンズシート12は、各レンズシートよりも高い剛性を有する貫通電極基板14及びイメージセンサ16にそれぞれ接合されるので、各レンズシートの反りやたわみ等の変形を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、貫通電極基板14とイメージセンサ16とは、接合部材19cによって接合されており、2枚のレンズシート間の距離を、所望の値に容易に設定し、維持することができ、2枚のレンズシートの間の距離を安定させ、画質の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、貫通電極基板14は、従来の有機材料系貫通電極基板に比べて、耐熱性が高く、寸法の安定性が高いことに加え、表面の平滑性も高く、より細密な配線パターンを形成できる。従って、配線基板として配線領域の省スペース化を図ることができ、撮像モジュール10及びカメラ1の薄型化、小型化等を実現できる。
また、本実施形態によれば、イメージセンサ16と貫通電極基板14とをフリップチップボンディング法等を用いて接続でき、更なる省スペース化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、従来のライトフィールドカメラで必要であった、光線分割用の隔壁シート等が不要となり、小型化が困難であったライトフィールドカメラの薄型化及び軽量化、生産コストの低減等を図ることができる。
また、本実施形態によれば、第1レンズシート11,第2レンズシート12内に、光透過部111,121(単位レンズ形状112,122)に対応して光吸収部113,123が一体に形成されているので、従来のライトフィールドカメラで必要であった隔壁シート及びマイクロレンズアレイが不要となり、また、マイクロレンズアレイと隔壁シートとの高精度の位置合わせも不要となる。
従って、マイクロレンズアレイと隔壁シートとの位置合わせ精度ずれによる歩留りの低下を抑制できる。また、位置合わせが不要となるので、ハンドリングが容易となり、撮像モジュール10及びカメラ1の製造が容易に行え、さらに、生産コストを低減できる。
また、本実施形態によれば、光透過部111,121のレンズ開口幅D1を小さくしてX方向及びY方向に配列される単位レンズ形状112,122を増やすことも容易であり、かつ、光吸収部113,123が一体に形成されるので、レンズ部13による疑似的なマイクロレンズをより細密化することができ、画像の空間解像度を容易に向上させることができる。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態の撮像モジュール40を説明する図である。図9は、図2(a)に示す第1実施形態の撮像モジュール10の断面に相当する撮像モジュール40の断面図を示している。
図10は、第2実施形態の貫通電極基板44を説明する図である。図10(a)は、光軸O方向から見た貫通電極基板44の平面図であり、図10(b)は、図10(a)に示す矢印B1−B2に沿った断面図である。
第2実施形態の撮像モジュール40は、貫通電極基板44が片面に凹部448を有している点が、前述の第1実施形態の撮像モジュール10とは異なる以外は、第1実施形態の撮像モジュール10と同様の形態である。従って、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の撮像モジュール40は、光軸O方向(Z方向)に沿って、被写体側(+Z側)から順に、カバーシート17、赤外線遮蔽シート18、貫通電極基板44及びレンズ部13を備える光学素子部15、イメージセンサ16等を備えている。この撮像モジュール40は、前述の第1実施形態に示すカメラ1に適用される。
第2実施形態の貫通電極基板44は、前述の第1実施形態に示す貫通電極基板14と同様の形態であるが、像側(−Z側)の面44bに凹部448が形成されている点が異なる。
本実施形態の凹部448は、光軸O方向から見た形状(外形)が矩形形状であり、その底面448aは、貫通電極基板44の被写体側の面44aに平行である。なお、これに限らず、凹部448の外形は、例えば角部分が丸く形成された略矩形形状や他の多角形形状、円形形状や楕円形状、長円形状等としてもよい。
底面448aは、光軸O方向から見て、透光領域441を含み、底面448aの透光領域441内に接合層19aによって第1レンズシート11が接合されており、底面448aの外形は、第1レンズシート11よりも大きい。
また、貫通電極基板44には、光軸O方向(Z方向)から見て、凹部448よりも外側に凹部448を囲むように、周縁部449が設けられている。周縁部449における貫通電極基板44の厚さd2は、凹部448の底面448aにおける貫通電極基板44の厚さd1よりも大きい。
本実施形態では、貫通電極基板44の周縁部449の像側に設けられた不図示の端子と、イメージセンサ16の非受光領域に設けられた端子とが半田等の接合部材19c等により電気的に接続され、接合されている。
凹部448の深さd3は、本実施形態では、レンズ部13厚みより大きく、凹部448内にレンズ部13(第1レンズシート11及び第2レンズシート12)が配置される形態を示している。しかし、これに限らず、凹部448における貫通電極基板44の厚みd1を確保し、貫通電極基板44の剛性を確保できるならば、その深さd3は、限定されない。例えば、凹部448内にレンズ部13の一部である第1レンズシート11のみが位置し、第2レンズシート12は凹部448より像側に位置する形態等としてもよい。
凹部448における貫通電極基板44の厚みd1は、貫通電極基板44としての剛性を十分に確保する観点から0.1mm以上とすることが好ましい。
また、周縁部449での貫通電極基板44の厚さd2は、0.4mm程度であり、凹部448の深さd3は0.1〜0.2mm程度である。しかし、これに限らず、貫通電極基板44としての剛性を十分に確保できるのであれば、周縁部449での貫通電極基板44の厚みd2を大きくしたり、凹部448の深さd3をより深くしたりしてもよい。
凹部448の側面448bは、図9や図10(b)では、2つの面からなる折れ面状である例を示したが、これに限らず、外周側へ凸となる曲面状としてもよいし、光軸O方向に平行な平面状としてもよいし、光軸O方向に対して角度をなし、像側(−Z側)へ向かうにつれて外側へ向かうように傾斜した平面状等としてもよい。
この側面448bには、遮光パターン部144を形成する材料等により形成された不図示の遮光膜448cが形成されている。この遮光膜448cは、光を吸収する作用を有し、これにより、レンズ部13へ侵入する迷光を低減して画質を向上させることができる。
このような凹部448を備える貫通電極基板44としては、貫通電極基板としての剛性を確保する観点から、本体部443がガラスにより形成されることが好ましい。
そして、凹部448は、貫通電極基板44の本体部443を形成するガラス製の平板状の部材を、所定の形状及び深さにエッチングすることにより形成することができる。なお、凹部448の形成方法は、これに限らず、例えば、サンドブラスト法により形成してもよい。
本実施形態によれば、第1実施形態において示した効果に加えて、レンズ部13の少なくとも一部(本実施形態では、レンズ部13全体)を貫通電極基板44の凹部448内に配置することができるので、貫通電極基板44としての剛性を十分確保しながら、撮像モジュール40及びカメラ1のさらなる薄型化を実現することができる。
また、本実施形態によれば、凹部448の側面448bには遮光膜448cが形成されているので、例えば、カメラ1の筐体内に侵入し、レンズ部13の外周側等から入射する迷光を吸収でき、画像のぼけ等の画質の低下を抑制できる。
また、本実施形態によれば、貫通電極基板44に接合された第1レンズシート11と、イメージセンサ16に接合された第2レンズシート12との距離を、凹部448の深さd3や周縁部449の厚みd2を制御することで所望の値に容易に設定して維持することができ、2つのレンズシートの間の距離を安定させ、画質の向上を図ることができる。
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態において、レンズ部13は、貫通電極基板14,44よりも像側(−Z側)に位置する例を示したが、レンズ部13の位置は、これに限定されない。
図11は、光学素子部15の変形形態を説明する図である。図11では、理解を容易にするために、貫通電極基板14及びレンズ部13は、その形状を簡略化して示している。
図11(a)に示すように、レンズ部13は、貫通電極基板14の被写体側(+Z側)に位置する形態としてもよい。このとき、貫通電極基板14の透光領域141の被写体側の面上に第2レンズシート12が配置され、この第2レンズシート12被写体側に第1レンズシート11が配置される。第2レンズシート12と貫通電極基板14とは、前述の接合層19a,19bのような透光性を有する接合層で接合されていてもよい。
また、このような形態であって、貫通電極基板14の片面の透光領域141に遮光パターン部144が形成される場合には、レンズ部13側の面に形成されることが好ましい。
また、図11(b)に示すように、レンズ部13の2枚のレンズシートの間に貫通電極基板14が位置する形態としてもよい。このとき、貫通電極基板14の透光領域141の被写体側(+Z側)の面上に第1レンズシート11が配置され、透光領域141の像側(−Z側)の面上に第2レンズシート12が配置される。なお、第1レンズシート11と貫通電極基板14、第2レンズシート12と貫通電極基板14とは前述の接合層19a,19bのような、透光性を有する接合層で接合されていてもよい。
なお、上述の説明では、第1実施形態に示した貫通電極基板14を例に挙げて説明したが、これに限らず、第2実施形態に示した貫通電極基板44にもこの変形形態は適用可能である。レンズ部13を貫通電極基板44よりも被写体側に配置する場合には、凹部448は、貫通電極基板44の被写体側に設けることが好ましい。このとき、周縁部449の被写体側の面が、例えば赤外線遮蔽シート18等と接合される形態としてもよい。
また、各実施形態において、光学素子部15,45は、貫通電極基板14,44が2枚以上配置され、1枚の貫通電極基板の片面に1枚のレンズシートが貼合される形態としてもよい。なお、貫通電極基板を2枚以上用いる場合には、少なくとも一枚がイメージセンサ16等と導通していればよい。
(2)各実施形態において、第1レンズシート11は、貫通電極基板14,44とは別体であり、貫通電極基板14,44の透光領域141,441上に、接合層19aにより接合される形態を示したが、これに限らず、例えば、第1レンズシート11を貫通電極基板14,44の透光領域141,441上に、樹脂を塗布し、成形型を押し当てて紫外線を照射する等して形成してもよい。
このような形態とすることにより、貫通電極基板14,44と第1レンズシート11との貼合精度を向上させることができ、光学素子部15,45、撮像モジュール10,40、カメラ1としての精度を高めることができる。また、このような形態とすることにより、貫通電極基板14,44と第1レンズシート11との層間での反射等を抑制してレンズ部13への入射光量の増加を図ることができ、かつ、撮像モジュール10,40の厚さを低減することができる。
(3)各実施形態において、第2レンズシート12は、貫通電極基板14,44と接合される形態としてもよい。
図12は、撮像モジュール10の変形形態を説明する図である。なお、図12では、理解を容易にするために、撮像モジュール10における光学素子部15及びイメージセンサ16のみを示し、カバーシート17等は省略している。
図12に示すように、第2レンズシート12が接合層19fによって貫通電極基板14と接合され、光軸O方向の位置が決められる形態としてもよい。
このような形態とする場合、図12に示すように、第2レンズシート12は、第1レンズシート11よりも少なくとも一部が外周側に大きく突出して形成され、その突出した部分に接合層19fが設けられ、貫通電極基板14と接合される。なお、第2レンズシート12は、光軸O方向から見て、第1レンズシート11よりも一部が大きい形態としてもよいし、全体的に大きな形態としてもよい。
このような形態とすることにより、光学素子部15としてレンズ部13の2枚のレンズシートと貫通電極基板14とを一体に形成でき、撮像モジュール10組み立て時の貼合精度をさらに向上させることができる。
なお、第1実施形態を例に挙げて説明したが、これに限らず、第2実施形態においても、上記変形形態は適用可能である。
(4)各実施形態において、赤外線遮蔽シート18を備えず、赤外線を遮蔽する機能を有する赤外線遮蔽層を、貫通電極基板14,44の一方の面(本体部143,443の一方の面)、カバーシート17の一方の面、各レンズシートの第2の面11b,12bの何れかに、一体に形成する形態としてもよい。また、例えば、カバーシート17全体が所定の領域(700〜1100nm)の波長域の赤外線を遮蔽する材料を含有する材料により形成される等して、赤外線を遮蔽する機能を有していてもよい。
このような形態とすることにより、撮像モジュールのさらなる薄型化を実現することができる。
(5)各実施形態において、カバーシート17と赤外線遮蔽シート18と貫通電極基板14とは、各部材間に、前述の接合層19a,19bのような透光性を有する接合層を有し、一体に接合された形態としてもよい。このような形態として、これらの部材を支持する支持部材が不要となることにより、撮像モジュール10,40及びカメラの軽量化、小型化を実現できる。
(6)各実施形態において、貫通電極基板14,44の透光領域141,441は、板面の法線方向(光軸O方向、Z方向)から見て、貫通電極基板14,44の中央に形成され、その周囲に配線領域142,442が形成される形態を示したが、これに限らず、透光領域141,441がレンズ部13及びイメージセンサ16の受光領域161に対応するならば、透光領域141,441及び配線領域142,442の位置や形状等は特に限定しない。
(7)各実施形態において、レンズ部13の第1レンズシート11と貫通電極基板14,44とを接合する接合層19aを備えず、第1レンズシート11及び貫通電極基板14,44は、不図示の支持部材で支持され、光軸O方向において所定の位置で保持される形態としてもよい。このような支持部材は、黒色等の暗色に形成され、光を吸収する機能を有することが迷光を低減し、画質の低下を抑制する観点から好ましい。
このとき、光学密着等を防止する観点から、第1レンズシート11と貫通電極基板14,44との間に不図示のスペーサを配置する等してもよい。
(8)各実施形態において、光透過部111,121と、光吸収部113,123との界面は、複数の平面からなる折れ面状となっていてもよいし、複数の平面と曲面とが複数組み合わされている形態としてもよい。
また、各実施形態において、第1レンズシート11の第1の面11aと第2レンズシート12の第1の面12aのZ方向(光軸O方向)における位置は、適宜選択して配置してよい。
また、各実施形態において、第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R1を左右方向(X方向)とし、第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R2を上下方向(Y方向)としてもよい。
また、各実施形態において、第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R1と、第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R2とがなす角度αは、80°〜100°の範囲内としてもよい。角度αがこの範囲内であれば、レンズ部13として所望される光学的機能は維持される。
(9)各実施形態において、レンズ部13は、第1レンズシート11及び第2レンズシート12の2枚のレンズシートを備える形態を示したが、これに限らず、例えば、下記に示すようなレンズシートを1枚備える形態としてもよい。
図13は、撮像モジュール10の変形形態を説明する図である。図13では、理解を容易にするために、撮像モジュール10のうち、貫通電極基板14、レンズ部73、イメージセンサ16等を示している。
図14及び図15は、図13に示す撮像モジュール10の変形形態に用いられるレンズ部73を説明する図である。図14は、レンズ部73を像側(−Z側)から見た正面図である。図15(a)は、図14に示す矢印C1−C2に沿ったレンズ部73の断面(YZ断面)の一部を拡大した拡大図であり、図15(b)は、図14に示す矢印D1−D2に沿ったレンズ部73の断面(XZ断面)の一部を拡大した拡大図である。
このレンズ部73は、1枚のレンズシート71により形成されている。
レンズシート71は、光軸O方向(Z方向)において、貫通電極基板14の像側(−Z側)に配置され、その被写体側(+Z側)の面が平面状であり、接合層19aにより貫通電極基板14の透光領域141の像側(−Z側)の面に接合されている。
レンズシート71は、図14及び図15に示すように、シート面に沿ってX方向及びY方向に等間隔に配列される複数の光透過部711と、互いに隣り合う光透過部711間に、各光透過部711を囲むようにして設けられる光吸収部713とを備えた、いわゆるマイクロレンズアレイシートである。このレンズシート71では、光透過部711は、正方格子状に配置されている。
光透過部711は、第1の面71a側(この形態では、像側(−Z側))に、凸形状の単位レンズ形状712を有している。また、レンズシート71の第2の面71b(この形態では、被写体側(+Z側)の面)は、略平面状となっている。
単位レンズ形状712は、略半球状の形状に形成されており、鉛直方向(Y方向)及び左右方向(X方向)に対称な形状に形成されている。即ち、単位レンズ形状712は、YZ断面における断面形状とXZ断面における断面形状とが、円の一部形状(円弧形状)となっている。また、単位レンズ形状712(光透過部711)は、レンズシート71のシート面の法線方向(光軸O方向、Z方向)から見た形状が円形状に形成されている。ここで、略半球状とは、半球だけでなく、球の一部形状や回転楕円体の一部形状を含む形状をいう。
単位レンズ形状712の表面には、不図示の反射防止層が形成されている。
光透過部711の第2の面71b側には、シート面(XY面)に平行な方向に連続しているランド部714が形成されている。
このランド部714は、第1実施形態等に示した第1レンズシート11及び第2レンズシート12と同様に、その厚みが可能な限り薄い方が好ましく、ランド部714の厚さが0であること(即ち、ランド部714が存在しない形態)が、迷光等を防止し、高画質の画像を提供する観点から理想的である。
光吸収部713は、互いに隣り合う光透過部711間に、各光透過部711を囲むようにして設けられている。光吸収部713は、レンズシート71の厚み方向(Z方向)に沿って、単位レンズ形状712が形成された第1の面71aから反対側の第2の面71b側に延びるようにして形成されている。
光吸収部713は、図15に示すように、レンズシート71の厚み方向(Z方向)に平行な断面における断面形状が楔形形状、又は、矩形形状に形成されている。
この形態での光吸収部713は、図14及び図15に示すように、レンズシート71の厚み方向(Z方向)に平行な面における断面形状が等脚台形形状であり、第1の面71a側端部の寸法が第2の面71b側端部の寸法に比べて大きい。なお、これに限らず、光吸収部713は、厚み方向(Z方向)に平行な面における断面形状が、第2の面71b側を頂点とする三角形形状としてもよい。
このような形態とした場合にも、前述の図7(a)に示すように、クロストークを生じさせることなく、単位レンズ形状712により集光された光を、イメージセンサ16の対応する領域の複数の画素162(画素群)に入射させることができる。これにより、画素162は、入射光の強度と入射方向の情報を高精度で出力することができ、高画質の撮像が可能な撮像モジュール及びカメラとすることができる。
また、このような形態とすることにより、レンズ部の厚みをさらに低減することができ、撮像モジュール及びカメラの薄型化、軽量化、生産コストの低減等を実現することができる。
また、上記の例に限らず、レンズ部は、単位レンズ形状712(光透過部711)は、光軸O方向(Z方向)から見て、六方格子状や、長方格子状等に配置されるようにしてもよい。
また、以下の図16(a)に示すように、単位レンズ形状712(光透過部711)は、レンズシート71のシート面の法線方向(Z方向,光軸O方向)から見た形状が矩形状(正方形状)に形成されるようにしてもよい。
図16は、レンズ部73の別の形態を説明する図である。図16(a)は、レンズ部73であるレンズシート71を、その厚み方向(Z方向)の像側(−Z側)から見た正面図である。図16(b)は、図16(a)に示す矢印E1−E2に沿った断面を示す図(YZ断面図)であり、図16(c)は、図16(a)に示す矢印F1−F2に沿った断面を示す図(XZ断面図)である。
この場合、単位レンズ形状712は、像側(−Z側)に膨らんだ略四角錐形状に形成される。具体的には、単位レンズ形状712は、図16(b),(c)に示すように、四角錐形状の角部(頂部や稜線)が面取りされ、曲面状に形成された形態となる。
このような形態としても、前述の図14及び図15に示した半球状の単位レンズ形状712と同様の効果を奏することができる。また、この形態では、シート面の法線方向から見た光透過部711(単位レンズ形状712)の形状を矩形状にすることで、図14及び図15に示す形態に比べて、レンズシート71に対する光の入射面積を増やすことができ、光の利用効率を向上させることができる。
なお、単位レンズ形状712(光透過部711)は、レンズシート71のシート面の法線方向(Z方向)から見た形状が多角形状となる略多角錐形状に形成され、その略多角錐形状がシート面の像側(−Z側)に膨らみ、角部(頂部や稜線)が面取りされた形態となるようにしてもよい。
また、レンズシート71は、第2の面71bが像側に位置し、第1の面71aが接合層19aによって貫通電極基板14に接合される形態としてもよい。この場合、単位レンズ形状712の集光作用を発揮する観点から、接合層19aは、その屈折率が光透過部711の屈折率N1よりも小さいものとすることが好ましい。
また、レンズ部73は、貫通電極基板14の被写体側に設けられる形態としてもよい。このとき、レンズシート71が貫通電極基板14と接合される面は、第1の面71aでも第2の面71bでもどちらを選択してもよい。
また、レンズシート71とイメージセンサ16との間に、不図示の各種レンズシートをさらに配置した形態としてもよく、例えば、レンズシート71よりも像側(−Z側)に、レンズシート71と同様な形状を有する不図示のレンズシートを配置してもよい。このような形態は、例えば、レンズの収差の補正等が必要な場合に有効である。
この不図示のレンズシートについては、単位レンズ形状が設けられる第1の面の光軸O方向における位置や、各部の寸法等は、レンズシート71と同様としてもよいし、相違してもよい。
また、単位レンズ形状712の配列ピッチPやレンズ開口径D1、曲率半径R等は、レンズシート71の垂直方向(Y方向)と左右方向(X方向)とにおいて同様である例を示したが、これに限定されるものでなく、垂直方向と左右方向で各寸法が相違するようにしてもよい。
なお、撮像モジュール10を例に挙げて説明したが、これに限らず、撮像モジュール40においても上記変形形態は適用可能である。
(10)各実施形態において、光吸収部113,123は、第2の面11b,12b側から第1の面11a,12a側へ厚み方向に沿って形成される形態としてもよい。
図17は、第1レンズシート11の変形形態を説明する図である。
図17に示すように、第1レンズシート11を、光吸収部113が第2の面11b側から第1の面11a側へ厚み方向に沿って形成される形態とする場合、ランド部114が第1の面11a側に位置し、単位レンズ形状112は連続して配列され、第2の面11bに光吸収部113の第2の面11b側端部が位置している。
このような形態とすることにより、単位レンズ形状112の谷底部分に光吸収部113を形成する材料が付着する等して単位レンズ形状112のレンズ開口幅D1が狭まり、光量が低下することを防止できる。
なお、第2レンズシート12や、前述の変形形態(9)に示したレンズシート71についても同様に、光吸収部123,713が第2の面12b,71b側から第1の面12a,71a側へ延びる形態としてもよい。
(11)各実施形態において、単位レンズ形状112,122は、凸形状である例を示したがこれに限らず、凹形状としてもよい。
図18は、レンズ部13の変形形態を説明する図である。
図18に示すように、単位レンズ形状112,122は、その配列方向及び厚み方向に平行な断面形状が凹形状であり、円の一部形状等である形態としてもよい。このような形態とする場合には、図18に示すように、光吸収部113,123は第2の面11b,12b側から第1の面11a,12a側へ厚み方向(Z方向)に沿って延びる形態とすることが好ましい。
また、このとき、第1レンズシート11と第2レンズシート12との間に、光透過部111,121よりも屈折率が高い樹脂層719が充填され、この樹脂層719により第1レンズシート11と第2レンズシート12とが接合される形態とすることが好ましい。
(12)各実施形態において、単位レンズ形状112,122の配列ピッチPやレンズ開口幅D1、曲率半径R、光透過部111,121の屈折率N1、光吸収部113,123の屈折率N2、光吸収部113,123の高さH2等は、第1レンズシート11と第2レンズシート12とで異なっていてもよい。
(13)各実施形態において、レンズ部13は、第1レンズシート11と第2レンズシート12とが、例えば、第1レンズシート11及び第2レンズシート12の有効部分(光が透過する領域)以外の領域や、光学的に影響の小さい領域(例えば、四隅の角部分)や、第1レンズシート11及び第2レンズシート12の周縁部等に外側へ凸となるように設けられた領域等に形成された接合層により一体に接合された形態としてもよい。このとき、接合層は、上述のような位置に設けることが、良好な画像を得る観点から好ましい。
(14)各実施形態において、第1レンズシート11及び第2レンズシート12は、ランド部114,124よりも第2の面11b,12b側にさらに基材層を備える形態としてもよい。以下、第1レンズシート11を例に挙げて説明するが、第2レンズシート12においても同様である。
図19は、第1レンズシート11の変形形態を説明する図である。
基材層115は、光透過性を有する樹脂製のシート状の部材であり、光透過部111を紫外線成形等で形成する際に、基材(ベース)となる部材である。
第1レンズシート11は、クロストーク等を抑制する観点から、光吸収部113の第2の面側端部から第2の面11bまでの厚みD4が小さい方が好ましい。従って、表面に剥離性を有する基材層115を用い、基材層115上に光透過部111及び光吸収部113を成形後に、この基材層115を剥離することが好ましい。しかし、クロストーク等が十分抑制できる程度に基材層115が薄い場合等には、図21に示すように、基材層115を積層した形態のままとしてもよい。
また、基材層115が剥離性を有していない場合には、基材層115に相当する部分を削る等により、光吸収部113の第2の面側端部から第2の面11bまでの厚みを薄くしてもよい。
なお、このような基材層115を有する場合には、光吸収部113の第2の面側先端から第2の面11bまでの寸法D4を可能な範囲で小さくすることが、迷光やクロストーク等を抑制する観点から好ましい。
このような基材層115を備える形態とすることにより、第1レンズシート11のハンドリングが容易になる。
(15)各実施形態において、レンズ部13は、図20に示すようなレンズシート77を備える形態としてもよい。
図20は、レンズ部13の変形形態を説明する図である。
レンズシート77は、基材層771の両面に、単位レンズ形状112,122を有する光透過部111,121及び光吸収部113,123が形成されている。このレンズシート77は、第1レンズシート11と第2レンズシート12とが、基材層771の両面にそれぞれ一体に形成された形態に等しい。
この基材層771は、樹脂製のシート状の部材であり、光透過性を有している。このような基材層771としては、PET樹脂やトリアセチルセルロース(TAC)製のシート状の部材等が挙げられる。また、基材層771の厚さは、可能な範囲で薄いことが、迷光を抑制し、クロストークを低減して、各画素に入射する光の強度や光の入射方向の精度を向上させる観点から好ましい。
また、基材層771は、その屈折率が光透過部111,121の屈折率N1に等しい、もしくは、光透過部111,121と可能な限り屈折率差が小さいことが好ましい。
(16)レンズ部13は、3枚以上のレンズシートが光軸O方向(Z方向)に沿って配列された形態としてもよい。
例えば、不図示の3枚目のレンズシート(以下、第3レンズシートという)は、第1レンズシート11及び第2レンズシート12と同様の形状のレンズシートであり、その光透過部の配列方向が、第1レンズシート11及び第2レンズシート12の光透過部111,121の配列方向R1,R2に対して、それぞれ45°±10°をなしているものとすることが好ましい。第3レンズシートの第1の面は、被写体側(+Z側)であっても、イメージセンサ側(−Z側)であってもよい。
さらに、第1レンズシート11及び第2レンズシート12と同様の形状のレンズシートである4枚目のレンズシート(第4レンズシート)をレンズ部13に配置する場合には、その光透過部の配列方向が、第1レンズシート11及び第2レンズシート12の光透過部111,121の配列方向R1,R2に対して、それぞれ45°±10°をなし、第3レンズシートの光透過部の配列方向に対してそれぞれ90°±10°をなしているものとすることが好ましい。第4レンズシートの第1の面は、被写体側(+Z側)であっても、イメージセンサ側(−Z側)であってもよい。
なお、レンズ部13内において、第3レンズシート、第4レンズシートの光軸O方向(Z方向)の位置については、特に限定しない。
(17)各実施形態において、単位レンズ形状112,122は、例えば、光透過部111,121の配列方向及び各レンズシートの厚さ方向(Z方向)における断面形状が、所望する光学性能等に応じて、シート面に長軸が直交する楕円の一部形状や、多角形形状等としてもよいし、頂部が円弧等の曲線であり、単位レンズ形状の谷部側が直線からなる形状としてもよい。
(18)各実施形態において、第1レンズシート11及び第2レンズシート12には、その表裏面(第1の面11a,12aと第2の面11b,12b)を区別しやすくするために、表裏判別用の切欠きを設けてもよい。
(19)各実施形態において、カメラ1は、スマートフォン等の携帯端末用カメラである例を示したが、これに限らず、例えば、デジタルカメラ等としてもよいし、PC(Personal Computer)内蔵型又は外付型のPC用カメラや、インターフォン用カメラ、車載用カメラ等としてもよいし、携帯型ゲーム機用カメラ等としてもよい。
(20)各実施形態において、イメージセンサ16の受光領域161の大きさは、撮像モジュール10が用いられるカメラ1の大きさや、所望する画質やカメラ性能等に応じて、適宜採用してよい。
イメージセンサ16の受光領域161の大きさは、例えば、スマートフォン等の携帯端末に搭載される場合には横×縦のサイズが、4.8×3.6mmや4.4×3.3mm等、カメラ(主にコンパクトデジタルカメラ)等に搭載される場合には、6.2×4.7mm、7.5×5.6mm等が挙げられる。
また、例えば、23.6×15.8mm、36×24mm、43.8×32.8mm等の大きな受光領域161を有するイメージセンサ16を使用することにより、ノイズの低減や取得する焦点距離や被写界深度等の情報の精度や情報量の向上を図り、画質のさらなる向上や、カメラ1の性能向上を図ってもよい。また、このような大きな受光領域を有するイメージセンサ16を備えたカメラにおいても、薄型化、軽量化等を実現することができる。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態等によって限定されることはない。
1 カメラ
10,40 撮像モジュール
11 第1レンズシート
12 第2レンズシート
111,121 光透過部
112,122 単位レンズ形状
113,123 光吸収部
13 レンズ部
14,44 貫通電極基板
141,441 透光領域
142,442 配線領域
143 本体部
144 遮光パターン部
145 カバー層
15 光学素子部
16 イメージセンサ
161 受光領域
17 カバーシート
18 赤外線遮蔽シート
19a,19b 接合層
19c 接合部材

Claims (12)

  1. 第1表面と、前記第1表面に対向する第2表面とを有し、透光性を有する本体部と、
    前記本体部に設けられた透光領域と、
    前記透光領域以外の領域に設けられ、前記第1表面及び前記第2表面を貫通する複数の貫通孔と、
    前記貫通孔内に設けられ貫通電極と、
    前記透光領域内であって前記第1表面及び前記第2表面の少なくとも一方の面にパターン状に形成され、遮光性を有する遮光パターン部と、
    を備える貫通電極基板。
  2. 請求項1に記載の前記貫通電極基板において、
    前記遮光パターン部は、光を吸収して遮光する機能を有すること、
    を特徴とする貫通電極基板。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の前記貫通電極基板において、
    前記遮光パターン部は、顔料又は染料のいずれかを含有する樹脂により形成されていること、
    を特徴とする貫通電極基板。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の前記貫通電極基板において、
    前記遮光パターン部は、金属又は金属酸化物により形成されていること、
    を特徴とする貫通電極基板。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の貫通電極基板において、
    前記第1表面及び前記第2表面の前記透光領域以外の領域の少なくとも一部には、光を吸収して遮光する遮光層が形成されていること、
    を特徴とする貫通電極基板。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の貫通電極基板と、
    集光作用を有するレンズシートを少なくとも一枚備える光学機能部と、
    を備える光学素子。
  7. 請求項6に記載の光学素子において、
    前記レンズシートは、
    シート面に沿って配列され、一方の面側に凸状又は凹状の単位レンズ形状を有する光透過部と、
    前記光透過部の配列方向において、前記光透過部と交互に配列され、前記レンズシートの厚み方向に沿って延びる光吸収部と、
    を有し、
    該光学素子の厚み方向に平行な方向から見て、前記遮光パターン部は、前記光吸収部と位置が一致していること、
    を特徴とする光学素子。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の光学素子において、
    前記貫通電極基板は、少なくとも一方の面に凹部を有し、
    前記凹部は、底面に前記光学機能部を配置し、前記光学機能部の厚み方向の少なくとも一部をその内部に配置可能であること、
    を特徴とする光学素子。
  9. 請求項8に記載の光学素子において、
    前記凹部の側面部には、光を吸収して遮蔽する遮光膜が形成されていること、
    を特徴とする光学素子。
  10. 請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載の光学素子と、
    前記光学素子の出光側に配置され、入射する光を電気信号に変換する複数の画素が配列された受光領域を有する撮像素子部と、
    を備え、
    前記撮像素子部は、前記貫通電極基板と電気的に接続されていること、
    を特徴とする撮像モジュール。
  11. 請求項10に記載の撮像モジュールにおいて、
    前記貫通電極基板は、少なくとも一方の面に、他部材との位置を決めるアライメントマークを備えること、
    を特徴とする撮像モジュール。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の撮像モジュールを備える撮像装置。
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