以下、本開示の実施形態に係るイメージセンサモジュールの構成及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
<第1実施形態>
[イメージセンサモジュール100の概略構成]
図1〜図9を用いて、本実施形態に係るイメージセンサモジュール100の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るイメージセンサモジュール100の構成を説明する断面図である。図2は、本実施形態に係るイメージセンサモジュール100の構成を説明する分解断面図である。まず、イメージセンサモジュール100を構成する各ユニットについて、図2の分解断面図を用いて説明する。本実施形態に係るイメージセンサモジュール100は、インターポーザ基板102、イメージセンサ104、レンズユニット106、放熱部材134、第1ケース136と、カバー138、及び永久磁石140を備える。
インターポーザ基板102は、第1面102a及び第2面102bを有する。第2面102bは第1面102aとは反対側の面である。インターポーザ基板102は、第1面102aと第2面102bとを貫通する複数の貫通孔108を有する。複数の貫通孔108の各々は、その目的が異なるものを含む。本実施形態においては、複数の貫通孔108の各々の目的によって3種に分類される。以下の説明においては、それらを区別する場合には、第1貫通孔108a、第2貫通孔108b、又は第3貫通孔108cという。
詳細は後述するが、第1貫通孔108aは、後述する受光面104aを囲むように設けられている。第1貫通孔108aの内部には、遮光性を有する遮光壁111が配置される。遮光壁111は、第1面102aから第2面102bまで貫通して配置されている。遮光壁111として、例えばニッケル(Ni)、鉛(Pb)、金(Au)、銅(Cu)等を用いることができる。
遮光壁111として、上記の金属の他に黒色樹脂を用いることができる。黒色樹脂として、感光性樹脂組成物、光重合開始剤、顔料及び溶媒を含む材料を用いることができる。これらの組成を適宜合わせることで、黒色樹脂組成物が得られる。感光性樹脂組成物として、ネガ型の感光性樹脂組成物、アクリル系モノマー、オリゴマー、ポリマー、光開始剤、溶媒及び顔料を含む感光性樹脂組成物を用いることができる。顔料として、カーボンブラック、酸化チタンや酸窒化チタン等のチタンブラック、酸化鉄等の金属酸化物、及び有機顔料等を用いることができる。
上記の他にも、黒色樹脂として、非感光性樹脂組成物に、顔料を分散させた材料を用いることができる。非感光性樹脂組成物として、例えばポリイミド樹脂を用いることができる。顔料として、カーボンブラックを分散させたものを用いることができる。また、アニリンブラック、アセチレンブラック、フタロシアニンブラック、チタンブラック等を顔料として分散してもよい。
第2貫通孔108bは、第1貫通孔108aの外側の領域に設けられる。第2貫通孔108bの内部には、イメージセンサ104と外部回路(図示せず)とを電気的に接続するための貫通電極110が配置される。なお、貫通電極110の第1面102a側には半田ボール116が配置される。貫通電極110及び半田ボール116は接触している。
第3貫通孔108cは、第2貫通孔108bのさらに外側の領域に設けられる。第3貫通孔108cは、レンズユニット106をインターポーザ基板102に配置する際のアライメントとして用いられる。具体的には、レンズユニット106に設けられた支柱118を、第2面102b側からインターポーザ基板102の第3貫通孔108cの内部に挿入することで、インターポーザ基板102に対してレンズユニット106が位置合わせされる。
第1貫通孔108a、第2貫通孔108b、及び第3貫通孔108cは同一工程で形成することができ、遮光壁111及び貫通電極110は同一工程で形成することができる。
インターポーザ基板102として透光性を有する基板が用いられる。透光性を有する基板として、例えばガラス基板を用いることができる。ガラス基板として、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダガラス、チタン含有シリケートガラス等を用いることができる。インターポーザ基板102として、上記の他にサファイア基板、炭化シリコン(SiC)基板、アルミナ(Al2O3)基板、窒化アルミ(AlN)基板、酸化ジリコニア(ZrO2)基板等を用いることができる。インターポーザ基板102として、上記に列挙した基板のうちのいずれかの組み合わせで積層された基板を用いてもよい。
インターポーザ基板102は、赤外線を吸収する成分を含む。インターポーザ基板102は、赤外線を吸収する成分として、例えば近赤外領域の波長の光を吸収する酸化銅(CuO)を含む。インターポーザ基板102が赤外線を吸収する成分を含むことで、従来必要であった赤外線カットフィルタを省略することができる。
このような性質を有するインターポーザ基板102の材料の一例として、リン酸塩ガラスや弗リン酸塩ガラスに酸化銅(CuO)を添加したガラスを用いることができる。具体的には、インターポーザ基板102として、P2O5、Al2O3、SiO2、B2O3、及びCuOを含む基板を用いることができる。上記の材料を用いたインターポーザ基板102は、可視光領域である400nm以上520nm以下の波長領域の光を透過させ、近赤外域である550nm以上950nm以下の波長領域の光を効果的に吸収する。これによって、インターポーザ基板102は、赤外線カットフィルタの機能を有する。
インターポーザ基板102に対するCuOの含有量は0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましい。CuOの含有量が0.1重量%未満の場合、インターポーザ基板102が十分に近赤外域を吸収することができず、10重量%超の場合、CuOが還元されてインターポーザ基板102の物性が不安定になる。
インターポーザ基板102に含有されるP2O5はガラスの骨格の一部を構成する成分である。P2O5の含有量は35重量%以上60重量%以下であることが好ましい。P2O5の含有量が35重量%未満ではインターポーザ基板102のガラス化が困難であり、60重量%超ではインターポーザ基板102の耐候性が低下する。特に、P2O5の含有量が40重量%以上50重量%以下の場合、インターポーザ基板102がより安定してガラス化するため、より高い耐候性を得ることができる。
インターポーザ基板102に含有されるAl2O3は、ガラスの構造を補強し、インターポーザ基板102の耐候性及び耐水性を向上させる。Al2O3の含有量は10重量%以上30重量%以下であることが好ましい。Al2O3が10重量%未満では、インターポーザ基板102の十分な耐候性と耐水性が得られず、30重量%超ではインターポーザ基板102が失透しやすくなる。特に、Al2O3の含有量が15重量%以上25重量%以下の場合、インターポーザ基板102の耐候性及び耐水性がさらに向上し、より安定してインターポーザ基板102をガラス化することができる。更に、Al2O3/P2O5の重量比を0.3以上0.55以下にすることが好ましい。この比が0.3未満ではインターポーザ基板102の耐候性が低下し、0.55超ではインターポーザ基板102の安定性が低下する。
インターポーザ基板102に含有されるSiO2はガラスの骨格の一部を構成する成分であり、インターポーザ基板102に十分な耐候性と耐水性を持たせる。SiO2の含有量は1.5重量%以上15重量%以下であることが好ましい。SiO2が1.5重量%未満ではインターポーザ基板102の十分な耐候性と耐水性が得られず、15重量%超ではインターポーザ基板102が失透しやすくなる。特に、SiO2の含有量が2.5重量%以上10重量%以下の場合、インターポーザ基板102の耐候性及び耐水性がさらに向上し、より安定してにインターポーザ基板102をガラス化することができる。
インターポーザ基板102に含有されるB2O3は、ガラスの構造を補強し、インターポーザ基板102のガラス化を容易にする成分である。B2O3の含有量は3重量%以上15重量%以下であることが好ましい。B2O3が3重量%未満ではインターポーザ基板102がガラス化しにくく、15重量%超ではインターポーザ基板102の耐候性が低下する。
上記成分に加えて、インターポーザ基板102がよりガラス化しやすくなるために、インターポーザ基板102はMgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Li2O、Na2O、K2O、As2O3、Sb2O3、及びSnO2を総量で30重量%含有してもよい。
これらのうち、インターポーザ基板102が、0重量%以上20重量%以下の範囲でMgO、CaO、SrO、BaO、及びZnOを含むことで、インターポーザ基板102の溶解温度が下がり、インターポーザ基板102がガラス化しやすくする。しかし、上記の材料の含有量が20重量%超の場合、インターポーザ基板102の耐候性が低下する。
インターポーザ基板102が、0重量%以上10重量%以下の範囲でLi2O、Na2O、及びK2Oを含むことで、インターポーザ基板102の溶解温度が下がり、インターポーザ基板102がガラス化しやすくする。しかし、上記の材料の含有量が10重量%超の場合、インターポーザ基板102の耐候性が低下する。
インターポーザ基板102が、0重量%以上5重量%以下の範囲でAs2O3、Sb2O3、及びSnO2を含むことで、インターポーザ基板102に含まれるCuOが還元しにくくなり、インターポーザ基板102の分光特性が目的の特性からずれることを防止する効果を有する。しかし、上記の材料の含有量が5重量%を超えてもその効果は向上しない。
上記のように、インターポーザ基板102が透光性を有することで、被写体で反射した光が、インターポーザ基板102の下方に配置されるイメージセンサ104の受光面104aに入射する。なお、インターポーザ基板102が赤外線を吸収する成分を含むため、被写体で反射した光のうち赤外線はインターポーザ基板102に吸収され、イメージセンサ104にはほとんど到達しない。
インターポーザ基板102の両表面は、レンズユニット106及びイメージセンサ104などの光学系の組み立て基準面としての機能を有する。ここで、イメージセンサ104の受光面104aの法線と、レンズユニット106に配置された撮像レンズ群120の光軸とを高精度で一致させることが好ましい。そのため、インターポーザ基板102としては、両表面の平坦性が高く、かつ、両表面の平行度が高い基板を用いることが望ましい。
イメージセンサ104は、インターポーザ基板102の第1面102aに対向する位置に配置される。イメージセンサ104は、複数の第2貫通孔108b中の電極を介して、外部回路(図示せず)に接続される。また、イメージセンサ104は、インターポーザ基板102側に受光面104aを有する。受光面104aには、複数の光電変換素子が行列状に配置される。本実施形態では、光電変換素子としてCMOSイメージセンサが用いられる。ただし、光電変換素子としてCCDイメージセンサ等が用いられてもよい。本実施形態に用いられるCMOSイメージセンサ及び受光面104aの周囲に配置された回路については、後で詳しく説明する。
レンズユニット106は、インターポーザ基板102の第2面102bに対向する位置に配置される。
レンズユニット106は、支柱118、撮像レンズ群120、第2ケース122、第3ケース124、透明樹脂基板126、コイル130、及びバネ132を含んでいる。第3ケース124は、脚部124a及び第3ケース下部124bを含む。脚部124aと第3ケース下部124bとの間にはスペース124cが設けられている。
撮像レンズ群120は、複数のレンズによって構成され、被写体によって反射されてイメージセンサモジュール100に入射した光を、イメージセンサ104の受光面104a上に結像させる。
第2ケース122は、撮像レンズ群120を支持する。本実施形態においては、第2ケース122は、撮像レンズ群120を内装している。第2ケース122は円筒形の形状を有し、第2ケース122の円筒内壁が撮像レンズ群120の周囲を支持している。また、第2ケース122の円筒外壁には、コイル130が巻き付けられている。コイル130は、撮像レンズ群120の位置を制御するために設けられている。コイル130に供給される電流によって誘発される磁場と永久磁石140との相互作用により、撮像レンズ群120の位置が制御される。
第3ケース124は、複数のバネ132を介して第2ケース122接続され、第2ケース122を内装している。つまり、第2ケース122は、第3ケース124に対して揺動可能に配置される。第3ケース124は、四角柱状の形状を有している。
脚部124aは、第3ケース124の第3ケース下部124bの内側に設けられている。第3ケース下部124bは、第3ケース124から支柱118を越えて第3ケース124の内側に延びている。脚部124aは、内側に延びた第3ケース124に接続され、インターポーザ基板102に向かって延びている。脚部124aは、平面視において遮光壁111と重畳する位置に配置されている。脚部124aには遮光性を有する材料が用いられる。なお、脚部124aと第3ケース124の第3ケース下部124bとの間にはスペース124cが設けられている。スペース124cは、平面視において貫通電極110と重畳する位置に設けられている。スペース124cは、貫通電極110に接続された第2面102b側の配線と第3ケース124との干渉を避けるために設けられている。脚部124aは平面視において受光面104aを囲むように設けられている。換言すると、脚部124aの平面視における形状は、受光面104aを囲む枠状である。
図1に示すように、脚部124aは、遮光性接着剤125を介して遮光壁111に接続されている。脚部124aと遮光壁111とを遮光性接着剤125を用いて接続することで、脚部124aと遮光壁111との間から遮光壁111の外側の領域に光が漏れることを抑制することができる。遮光性接着剤125として、エポキシ系、アクリル系、シリコ−ン系、チオ−ル系などの有機材料の樹脂成分のものにおいて、反射率抑制材としてカ−ボンブラック等の顔料を添加して黒系の着色を施したものを用いることができる。接着剤の硬化方法としては、熱硬化あるいは紫外線硬化が可能なものであってもよく、常温で乾燥できるものであってもよい。なお、遮光性接着剤125を介さずに、脚部124aと遮光壁111とが直接接触していてもよい。
複数の支柱118は、レンズユニット106に設けられている。複数の支柱118の各々は、インターポーザ基板102の複数の第3貫通孔108cに挿入される。これによって、レンズユニット106をインターポーザ基板102の第2面102bに着脱可能に配置することができる。
支柱118の本数は、レンズユニット106をインターポーザ基板102に安定して配置するため、3本以上であることが好ましい。複数の支柱118は、平面視において直線上に位置しないように配置され、受光面104aの光電変換素子と重畳しないように配置される。支柱118は、レンズユニット106がインターポーザ基板102に安定して配置されるのに十分な径を有する。
複数の支柱118のうち、2本の支柱118は導電性を有し、コイル130の両端に接続されている。これら2本の支柱118を介してコイル130に電流が供給され、撮像レンズ群120の位置が制御される。このような構成を有することで、支柱118がレンズユニット106とインターポーザ基板102とのアライメント、及びコイル130に接続される配線の2つの機能を有する。
透明樹脂基板126は、透光性を有し、撮像レンズ群120に対向する位置に配置される。透明樹脂基板126は撮像レンズ群120及び第3ケース124の一部を外部から視認可能に設けられる。透明樹脂基板126は、第3ケース124に接続されている。
放熱部材134は、イメージセンサ104の受光面104aとは反対の面に配置される。放熱部材134は、イメージセンサ104よりも熱伝導率が高く、イメージセンサ104で発生した熱を他の部材に伝達することで、イメージセンサ104の温度上昇を抑制する。これによって、イメージセンサ104の自己発熱による誤動作等を抑制することができ、イメージセンサ104の動作を安定化させることができる。
第1ケース136は凹部137を有する。凹部137内にイメージセンサ104及び放熱部材134が配置され、第1ケース136とインターポーザ基板102とが固定される。カバー138は、第3ケース124の外側に配置される。カバー138は第3ケース124の上面に接する。カバー138の材質としては、金属、セラミック等を用いることができる。
永久磁石140は第3ケース124の側面とカバー138の側面との間に配置される。永久磁石140は、コイル130を囲むように配置されている。本実施形態においては、第2ケース122の4個の側面の各々に、1個の永久磁石140が配置されている。なお、図1及び図2に示す永久磁石140のレイアウトは一例であって、これに限られるものではない。
図3は、図1のA−A’断面図である。図3には、撮像レンズ群120に含まれる複数のレンズのうち1のレンズ(以下、レンズ120という)、第2ケース122の側壁、コイル130、複数のバネ132、第3ケース124、永久磁石140、及びカバー138の側壁が示されている。以下の説明における各部材の形状は、いずれも平面視における形状を意味する。円状のレンズ120の周囲に円状の第2ケース122が配置されている。第2ケース122の周囲に円状のコイル130が配置されている。第2ケース122の周囲に、第2ケース122から間隙を隔てて矩形の第3ケース124が配置されている。バネ132は、第2ケース122と第3ケース124との間において、第2ケース122及び第3ケース124のそれぞれに接続されている。ばね132は矩形の第3ケース124の角部にそれぞれ接続されている。第3ケース124の周囲に、第3ケース124から間隔を隔てて矩形のカバー138が配置されている。永久磁石140は第3ケース124とカバー138との間において、第3ケース124及びカバー138のそれぞれに接続されている。永久磁石140は矩形の第3ケース124の辺部にそれぞれ接続されている。
図4は、図1のB−B’断面図である。図4には、受光面104aの周縁部、支柱118、第3ケース124、脚部124a、第3ケース下部124b、スペース124c、及びカバー138の側壁が示されている。以下の説明における各部材の形状は、いずれも平面視において矩形である。受光面104aの周縁部に対応する位置に脚部124aが配置されている。脚部124aの周囲に、脚部124aからスペース124cを隔てて第3ケース下部124bが配置されている。第3ケース下部124bの周囲に第3ケース124が配置されている。第3ケース下部124bと第3ケース124との間に支柱118が配置されている。支柱118は、第3ケース下部124bの角部にそれぞれ配置されている。第3ケース124の側壁の周囲に、第3ケース124から間隔を隔ててカバー138が配置されている。上記のように、脚部124aは矩形の枠形状であり、受光面104aを囲んでいる。
本実施形態に係るイメージセンサモジュール100は、インターポーザ基板102が赤外線カットフィルタの機能を有するため、インターポーザ基板102に加えて赤外線カットフィルタを別途設ける必要が無い。これによって、イメージセンサモジュール100を低背化することができる。
[インターポーザ基板102の構成]
次いで、本実施形態に係るイメージセンサモジュール100のインターポーザ基板102の構成について更に詳細に説明する。図5は、本実施形態に係るインターポーザ基板の構成を説明する斜視図である。図6は、本実施形態に係るインターポーザ基板の構成を説明する平面図である。なお、図5及び図6では、説明の便宜上、第1貫通孔108aにだけ遮光壁111が配置され、第2貫通孔108bおよび第3貫通孔108cには、それぞれ充填物が配置されていない状態を示した。
本実施形態においては、第1貫通孔108aに配置された遮光壁111は、平面視において矩形の受光面104aの辺部に対応して配置されている。なお、第1貫通孔108aが連続して受光面104aを囲む形状にすると、第1貫通孔108aを形成する際に、第1貫通孔108aよりも内側の領域のインターポーザ基板102が抜け落ちてしまう。したがって、第1貫通孔108a(又は遮光壁111)の内側の領域と外側の領域とが連続している必要がある。本実施形態では、矩形の受光面104aの角部において、上記の内側領域と外側領域とが連続している。換言すると、第1貫通孔108a(又は遮光壁111)には間隙111cが設けられている。さらに換言すると、第1貫通孔108a(又は遮光壁111)は複数配置され、隣接する第1貫通孔108a(又は遮光壁111)は間隙111cを隔てて配置されている。
第2貫通孔108bは、矩形の受光面104aの辺部に沿って複数配置されている。各々の辺部において、第2貫通孔108bは2列設けられている。それぞれの列の第2貫通孔108bは各辺部の延長方向において、異なる位置に設けられている。つまり、複数の第2貫通孔108bはジグザグ形状に配置されている。
第3貫通孔108cは、矩形のインターポーザ基板102の角部に配置されている。第3貫通孔108cの径は第2貫通孔108bの径よりも大きい。
第2貫通孔108b及び第3貫通孔108cの平面視における形状は円形に限定されない。例えば、矩形、楕円形、又は多角形など、さまざまな形状を採用することができる。
第2貫通孔108b及び第3貫通孔108cの個数及びレイアウト等については上記の構成に限られるものではない。第2貫通孔108bの個数は、イメージセンサモジュール100と外部回路とを接続する配線を形成するために必要な個数以上であればよい。平面視における複数の第2貫通孔108bのレイアウトは、受光面104aに配置される複数の光電変換素子と重畳しなければよい。
図5及び図6に示す第3貫通孔108cの数は4個であるが、この数に限定されない。例えば、第3貫通孔108cは3個であってもよく、5個以上であってもよい。第2貫通孔108bと同様に、平面視における複数の第3貫通孔108cのレイアウトは、受光面104aに配置される複数の光電変換素子と重畳しなければよい。つまり、図5及び図6では、第3貫通孔108cは第2貫通孔108bよりもインターポーザ基板102の外側領域に配置されているが、第2貫通孔108bよりも内側領域に配置されてもよい。第3貫通孔108cの径については、支柱118を挿入するために十分な大きさであればよい。支柱118は、レンズユニット106をインターポーザ基板102に安定して配置するために十分な強度を有していればよい。
なお、上記の説明では、第1貫通孔108aに間隙111cが設けられた構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、第1貫通孔108aの内側領域のインターポーザ基板102が抜け落ちなければ、第1貫通孔108aが連続して受光面104aを囲む形状であってもよい。例えば、まず対向する辺の第1貫通孔108aを形成し、そこに遮光壁111を形成する。続いて、対向する遮光壁111の間の領域に第1貫通孔108aを形成し、そこに遮光壁111を形成することで、第1貫通孔108aの内側領域のインターポーザ基板102が抜け落ちることなく、連続して受光面104aを囲む形状の第1貫通孔108aを形成することができる。
[イメージセンサ104の構成]
受光面104aに配置された光電変換素子として用いられるCMOSイメージセンサについて、図7を用いて説明する。図7は、本開示の実施形態に係るイメージセンサの詳細を説明する断面図である。図7に示すように、CMOSイメージセンサはフォトダイオード148、配線層150、カラーフィルタ152、マイクロレンズ154、及び平坦化層156を有する。
フォトダイオード148は、入射した光を電荷に変換する。フォトダイオード148に光が入射すると、入射した光の一部がフォトダイオード148のPN接合部近傍で電子・正孔対を生成する。このとき、フォトダイオード148に逆バイアスを印加しておくことによって、生成されたキャリア対の情報を電流として取り出すことができる。配線層150は、フォトダイオード148の上方に配置される。配線層150は、フォトダイオード148で生成されたキャリア対の信号を検出するための配線及びトランジスタ等の素子を有している。これらの配線や素子等は、フォトダイオード148に効率的に外光を取り込むため、フォトダイオード148の上部を避けて配置されている。
カラーフィルタ152は、フォトダイオード148に入射する光の色を選択する。複数のCMOSイメージセンサの各々は、少なくともRGBの3色のいずれかの色を透過するカラーフィルタ152を有している。マイクロレンズ154は、入射した光をフォトダイオード148に集光する。平坦化層156は、平坦化層156の下方に配置された構造物によって形成された段差を緩和し、マイクロレンズ154の配置面を平坦化する。
[インターポーザ基板102周辺の構成]
図8は、本実施形態に係るイメージセンサモジュールのインターポーザ基板を説明する断面図である。図9は、本実施形態に係るイメージセンサモジュールのインターポーザ基板を説明する上面図である。第1貫通孔108aの内部には遮光壁111が配置されている。第2貫通孔108bの内部には貫通電極110が配置されている。第3貫通孔108cの内部には支柱118が配置されている。貫通電極110の第1面102a側には半田ボール116が配置される。貫通電極110の第2面102b側には配線142が配置される。
複数の貫通電極110は、第1面102a側に配置された半田ボール116を介して、イメージセンサ104の受光面104aの周囲に配置された配線(図示せず)と接続される。つまり、イメージセンサ104は、インターポーザ基板102に対してフリップチップ接続される。
複数の貫通電極110は、第2面102b側に配置された配線142と接続されている。つまり、配線142は、複数の貫通電極110を介してイメージセンサ104の受光面104aの周囲に配置された配線(図示せず)と接続される。配線142は、接続端子145を介してFPC(Flexible Printed Circuit)144等の外部回路に接続される。なお、図9の上面図においては、一部の貫通電極110から引き出された配線142のみが示されており、他の貫通電極110から引き出される配線142は省略して示されている。
[貫通孔108並びに貫通電極110及び遮光壁111の形成方法]
貫通孔108並びに貫通電極110及び遮光壁111を形成する方法について説明する。貫通孔108(第1貫通孔108a、第2貫通孔108b、又は第3貫通孔108c)は同一工程で形成することができる。貫通孔108は、レーザ照射、ウェットエッチング、ドライエッチング等を用いて形成することができる。レーザ照射に用いるレーザとして、エキシマレーザ、Nd:YAGレーザ(基本波(波長:1064nm)、第2高調波(波長:532nm)、第3高調波(波長:355nm)等を用いることができる)、又はフェムト秒レーザ等を用いることができる。ウェットエッチングに用いる薬液として、フッ化水素(HF)、硫酸(H2SO4)、硝酸(HNO3)、塩酸(HCl)のいずれか、又はこれらのうちの混合物を用いた薬液を用いることができる。また、上記のレーザ照射とウェットエッチングを適宜組み合わせることもできる。つまり、レーザ照射によってインターポーザ基板102の貫通孔形成領域に変質層を形成し、HFに浸漬することによって当該変質層をエッチングすることができる。ドライエッチングとしては、プラズマを用いたRIE(Reactive Ion Etching)法、ボッシュプロセスを用いたDRIE(Deep RIE)法、又はサンドブラスト法等を用いることができる。上記では、貫通孔108を全て同一工程で形成する方法を例示したが、第1貫通孔108a、第2貫通孔108b、及び第3貫通孔108cのうち少なくとも1つの貫通孔180を他の貫通孔180とは異なる工程で形成してもよい。
次に、貫通孔108に形成する貫通電極110及び遮光壁111の形成方法について説明する。貫通電極110及び遮光壁111は同一工程で形成することができる。貫通電極110及び遮光壁111を形成する方法として、例えば、充填めっき、スパッタリング、蒸着、コンフォーマルめっき法等の方法を用いることができる。なお、コンフォーマルめっき法とは、貫通孔180の側壁部分にめっき層を形成することで中空構造の貫通電極110及び遮光壁111を形成する方法である。上記では、貫通電極110及び遮光壁111を同一工程で形成する方法を例示したが、貫通電極110及び遮光壁111をそれぞれ異なる工程で形成してもよい。
<第1実施形態の変形例>
図10〜図14を用いて、第1実施形態の変形例について説明する。変形例では、貫通孔180及び遮光壁111のレイアウト並びに貫通電極110及び遮光壁111の断面構造の変形例について説明する。
[貫通孔180及び遮光壁111のレイアウト]
図10〜図13は、本開示の実施形態の変形例に係るインターポーザ基板の構成を説明する平面図である。図10〜図13では、図6と同様に、第1貫通孔108aにだけ遮光壁111が配置され、第2貫通孔108bおよび第3貫通孔108cには、それぞれ充填物が配置されていない状態を示した。
図10は図6と類似しているが、第3貫通孔108cがインターポーザ基板102の角部ではなく、第2貫通孔108bとほぼ同じ位置に設けられている点において、図6とは相違する。図10では、第3貫通孔108cが複数の第2貫通孔108bが設けられた領域とは異なる領域に設けられたレイアウトを例示したが、このレイアウトに限定されない。例えば、複数の第2貫通孔108bが設けられた領域内に第3貫通孔108cが設けられていてもよい。換言すると、第3貫通孔108cは隣接する第2貫通孔108bの間に配置されてもよい。
図11(a)は図6と類似しているが、図6ではインターポーザ基板102の矩形の長辺方向に間隙111cが設けられているのに対して、図11(a)ではインターポーザ基板102の矩形の短辺方向に間隙111cが設けられている点において、図11(a)は図6と相違する。換言すると、図6では、当該矩形の短辺方向に延在する一対の遮光壁111によって挟まれた領域に、当該矩形の長辺方向に延在する一対の遮光壁111が配置されているが、図11(a)では、当該矩形の長辺方向に延在する一対の遮光壁111によって挟まれた領域に、当該矩形の短辺方向に延在する一対の遮光壁111が配置されている点において、図11(a)は図6と相違する。
図11(b)は図6と類似しているが、第1遮光壁111aの外側に第2遮光壁111bを有する点において図11(b)は図6と相違する。第2遮光壁111bは、間隙111cに対応して設けられる。第2遮光壁111bは、隣接する第1遮光壁111aの間の間隙111cから遮光壁111の外側領域に光が漏れることを抑制する。換言すると、第2遮光壁111bは、受光面104aに対応する領域と受光面104aの外側領域との間の光の出入りを抑制する。具体的には、第1遮光壁111aによって囲まれた領域のどこから見ても、間隙111cからは第2遮光壁111bだけが見えるように、間隙111cの位置に対応して第2遮光壁111bが配置される。受光面104aと受光面104aの外側領域との間の光の出入りが抑制されることで、迷光に起因するフレアをさらに抑制することができる。
図11(c)は図11(a)と類似しているが、間隙111cの位置に対応して第2遮光壁111bが配置される点において、図11(a)と相違する。図11(c)の構成も図11(b)の構成と同様に、受光面104aに対応する領域と受光面104aの外側領域との間の光の出入りが抑制されることで、迷光に起因するフレアをさらに抑制することができる。
図12(a)は図11(b)と類似しているが、第1遮光壁111aの間隙111cが矩形の受光面104aのうち2つの角部に設けられており、その2つの間隙111cに対応する位置に第2遮光壁111bが配置されている点において、図11(b)と相違する。上記のように、間隙111cが4つの角部のうち一部の角部にだけ設けられることで、受光面104aと受光面104aの外側領域との間の光の出入りをさらに抑制することができる。したがって、迷光に起因するフレアをさらに抑制することができる。
なお、図12(a)では、左上及び右上の角部に間隙111c及び第2遮光壁111bが設けられた構成を例示したが、この構成に限定されず、間隙111c及び第2遮光壁111bはどの角部に設けられていてもよい。また、図12(a)では、4つの角部のうち2つの角部に間隙111c及び第2遮光壁111bが設けられた構成を例示したが、角部の数は3つであってもよく、後述するように1つであってもよい。
図12(b)は図12(a)と類似しているが、第1遮光壁111aの間隙111cが矩形の受光面104aの辺部に設けられており、その2つの間隙111cに対応する位置に第2遮光壁111bが配置されている点において、図12(a)と相違する。上記のように、間隙111c及び第2遮光壁111bが設けられる位置は、角部に限定されず、辺部であってもよい。
図13(a)は図11(b)と類似しているが、第1遮光壁111aの間隙111cが矩形の受光面104aのうち1つの角部に設けられており、その2つの間隙111cに対応する位置に第2遮光壁111bが配置されている点において、図11(b)と相違する。上記のように、間隙111cが4つの角部のうち一部の角部にだけ設けられることで、受光面104aと受光面104aの外側領域との間の光の出入りをさらに抑制することができる。したがって、迷光に起因するフレアをさらに抑制することができる。なお、図13(a)では、左上の角部だけに間隙111c及び第2遮光壁111bが設けられた構成を例示したが、この構成に限定されず、間隙111c及び第2遮光壁111bはどの角部に設けられていてもよい。
図13(b)は図13(a)と類似しているが、第1遮光壁111aの間隙111cが矩形の受光面104aの辺部に設けられており、その2つの間隙111cに対応する位置に第2遮光壁111bが配置されている点、及び第2遮光壁111bが第1遮光壁111aよりも内側、つまり受光面104a側に配置されている点において、図13(a)と相違する。上記のように、間隙111c及び第2遮光壁111bが設けられる位置は、角部に限定されず、辺部であってもよい。また、第2遮光壁111bが設けられる位置は第1遮光壁111aの内側であってもよい。この特徴は、図13(b)に限定されるものではなく、他の実施形態に適用することもできる。
[貫通電極110及び遮光壁111の断面構造]
図14は、本開示の実施形態の変形例に係るインターポーザ基板に形成される貫通電極及び遮光壁を説明する断面図及び上面図である。図14では、図8に示す貫通電極110及び遮光壁111を代表して貫通電極110の詳細な断面構造が示されている。
図14の上段に示された(a1)〜(e1)は、図8に示す貫通電極110の詳細な断面構造であり、下段に示された(a2)〜(e2)は、各々の貫通電極110の上面図である。なお、図8の貫通電極110は、図14の(a1)及び(a2)である。
図14(a1)及び(a2)は、充填めっき法によって形成された貫通電極110−1である。貫通電極110−1は第2貫通孔108bの内部を充填している。つまり、第2貫通孔108bの内部は貫通電極110−1によって満たされている。貫通電極110−1は例えば以下の方法で形成される。第2貫通孔108bが形成されたインターポーザ基板102の一方側からシード層を成膜する。電解めっき法によってシード層上にめっき層を成長させ、第2貫通孔108bの一方の開口端を塞ぐ。めっき層によって第2貫通孔108bの一方の開口端が塞がれることから、蓋めっきを形成する、ということもできる。蓋めっきを形成するめっき法を蓋めっき法という。そして、蓋めっきをシードとした電解めっき法により、めっき層を成長させ、第2貫通孔108bの内部をめっき層で充填させる。なお、上記のめっき層は第2貫通孔108bの内部だけでなくインターポーザ基板102の表面にも形成されるが、インターポーザ基板102の表面に形成されためっき層はCMP(Chamical Mechanical Polishing)などの平坦化処理によって除去される。
図14(b1)及び図14(b2)は、スパッタリング又は蒸着によって形成された貫通電極110−2である。貫通電極110−2は第2貫通孔108bの側壁に配置されており、貫通電極110−2の内側には空洞が設けられている。つまり、貫通電極110−2は中空構造である。貫通電極110−2は例えば以下の方法で形成される。第2貫通孔108bの一方の開口端側から、スパッタリング又は蒸着によって金属層を成膜し、貫通孔108の側壁の一部に金属層を形成する。第2貫通孔108bの一方の開口端側から成膜を行うと、第2貫通孔108bの他方の開口端側の側壁に金属層が成膜されない場合がある。そこで、第2貫通孔108bの他方の開口端側から、スパッタリング又は蒸着によって金属層を成膜し、貫通孔108の側壁のうち金属層が成膜されていない又は膜厚が薄い箇所に金属層を形成する。なお、上記の金属層は第2貫通孔108bの内部だけでなくインターポーザ基板102の表面にも形成されるが、インターポーザ基板102の表面に形成された金属層はCMPなどの平坦化処理によって除去される。スパッタリング又は蒸着の他に、無電解めっき法によって第2貫通孔108bの側壁に金属層を形成することもできる。
図14(c1)及び図14(c2)は、コンフォーマルめっき法によって形成された貫通電極110−3である。貫通電極110−3は第2貫通孔108bの側壁に配置されており、貫通電極110−3の内側には空洞が設けられている。つまり、貫通電極110−3は中空構造である。貫通電極110−3は例えば以下の方法で形成される。上記のスパッタリング、蒸着、又は無電解めっきによって第2貫通孔108bの側壁に形成された金属層をシード層として、電解めっき法によってめっき層を成長させる。電界めっき法によって形成されるめっき層は第2貫通孔108bを充填せずに、第2貫通孔108bの内部に空洞が設けられるように形成される。上記のような中空構造のめっき層を形成する方法をコンフォーマルめっき法という。図14(b1)及び図14(b2)に示す状態からめっき層を形成する場合、インターポーザ基板102の表面にはめっき層は形成されない。しかし、第2貫通孔108bの開口端部付近の金属層をシードとして形成されためっき層は、インターポーザ基板102の表面から外部に突出した形状になる場合がある。当該突出部はCMPなどの平坦化処理によって除去される。
図14(d1)及び(d2)は、上記のコンフォーマルめっき法によって形成された貫通電極110−4の内側が充填材146−4によって充填された構造である。充填材146−4として、樹脂材料を用いることができる。樹脂材料として、遮光性を有する黒色樹脂を用いることができる。貫通電極110−4及び充填材146−4は例えば以下の方法で形成される。貫通電極110−4は、図14(c1)及び(c2)に示す方法によって形成される。貫通電極110−4の中空部に充填材146−4を形成する。充填材146−4は、塗布法、ディップ法、およびインクジェット法によって形成することができる。
充填材146−4のその他の形成方法について以下に説明する。真空中又は減圧雰囲気中で貫通電極110−4の中空部を密閉するようにインターポーザ基板102の両面に樹脂フィルムを貼り付ける。樹脂フィルムが貼り付けられた状態で、インターポーザ基板102を大気圧雰囲気中に晒すことで、中空部の開口端付近に貼り付けられていた樹脂フィルムが大気圧によって中空部の内側に押し込まれる。このようにして充填材146−4を中空部に形成してもよい。なお、上記の方法を用いる場合、中空部の一方の開口端を他の部材で覆えば、インターポーザ基板102の片方の面だけに樹脂フィルムを貼り付けて充填材146−4を中空部に形成することもできる。
貫通電極110−4は導電性を有する必要があるため、金属層を含む必要がある。一方、遮光壁111は導電性を有する必要がないため、金属層を含まなくてもよい。上記の方法で貫通電極110−4を形成する場合、遮光壁111には金属層を形成せず、充填材146−4だけを形成してもよい。つまり、貫通電極110−4と遮光壁111とが異なる断面構造を有していてもよい。
図14(e1)及び(e2)は、蓋めっき法によって形成された貫通電極110−5の内側が充填材146−5によって充填された構造である。充填材146−5として、図14(d1)及び(d2)で説明した充填材146−4と同じ材料を用いることができる。貫通電極110−5充填材146−5は例えば以下の方法で形成される。図14(a1)及び(a2)で説明した蓋めっき法によって貫通電極110−5を形成する。そして、第2貫通孔108bの貫通電極110−5によって塞がれた側とは逆側から、図14(d1)及び(d2)で説明した方法で充填材146−5を形成する。上記と同様に、遮光壁111には充填材146−5だけを形成してもよい。
以上、本実施形態の変形例に係るイメージセンサモジュール100の構成、及びインターポーザ基板102について説明した。本実施形態の変形例に係るイメージセンサモジュール100のインターポーザ基板102が赤外線カットフィルタの機能を有するため、インターポーザ基板102に加えて赤外線カットフィルタを別途設ける必要が無い。これによって、イメージセンサモジュール100を低背化することができる。
<第2実施形態>
図15及び図16を用いて、本実施形態に係るイメージセンサモジュール200の構成について詳細に説明する。図15は、本実施形態に係るイメージセンサモジュール200の構成を説明する断面図である。図16は、本実施形態に係るイメージセンサモジュール200のインターポーザ基板102を説明する断面図である。
本実施形態に係るイメージセンサモジュール200は、第1実施形態に係るイメージセンサモジュール100と比較すると、インターポーザ基板102と、レンズユニット106の構成が異なっている。
第1実施形態においてレンズユニット106に設けられていた脚部124aは、本実施形態においては設けられていない。図15のイメージセンサモジュール200は脚部124aが設けられていないため、第3ケース124の高さを小さくすることができる。その結果、イメージセンサモジュール200をさらに低背化することができる。この場合、支柱118を第3ケース124の内部に差し込むように配置することができる。
本実施形態に係るインターポーザ基板102の第2面102b側には、イメージセンサ104の受光面104aを露出する開口部が設けられた光吸収層112が配置されている。光吸収層112の開口端部は、平面視において遮光壁111と重畳する。光吸収層112は平面視において貫通電極110と重畳する領域に配置され、インターポーザ基板102の外周端部まで延在している。なお、光吸収層112は少なくとも遮光壁111から第3ケース124までの領域に配置されていればよい。光吸収層112として、遮光壁111と同様に、黒色樹脂を用いることができる。
黒色樹脂として、感光性樹脂組成物、光重合開始剤、顔料及び溶媒を含む材料を用いることができる。これらの組成を適宜合わせることで、黒色樹脂組成物が得られる。感光性樹脂組成物として、ネガ型の感光性樹脂組成物、アクリル系モノマー、オリゴマー、ポリマー、光開始剤、溶媒及び顔料を含む感光性樹脂組成物を用いることができる。顔料として、カーボンブラック、酸化チタンや酸窒化チタン等のチタンブラック、酸化鉄等の金属酸化物、及び有機顔料等を用いることができる。
上記の他にも、黒色樹脂として、非感光性樹脂組成物に、顔料を分散させた材料を用いることができる。非感光性樹脂組成物として、例えばポリイミド樹脂を用いることができる。顔料として、カーボンブラックを分散させたものを用いることができる。また、アニリンブラック、アセチレンブラック、フタロシアニンブラック、チタンブラック等を顔料として分散してもよい。
遮光壁111として、上記の黒色樹脂の他に、例えばNi、Pb、Au、Cu等を用いることができる。光吸収層112として金属層を用いる場合、配線142間の短絡を防止するために、光吸収層112がパターニングされることが好ましい。又は、光吸収層112として、貫通孔108の内壁だけに金属層を形成し、第2面102bには後述する黒色樹脂を形成してもよい。
図16を用いて、インターポーザ基板102の詳細な構造を説明する。図16に示すように、光吸収層112はインターポーザ基板102に接して配置されている。光吸収層112は貫通電極110、配線142、及び支柱118と、インターポーザ基板102と、の間に配置されている。一方、光吸収層112は遮光壁111上に配置されている。なお、遮光壁111及び光吸収層112は別個の部材で示されているが、遮光壁111及び光吸収層112は同じ部材で連続していてもよい。光吸収層112は遮光壁111とインターポーザ基板102との間に配置されていてもよい。光吸収層112は貫通電極110及び配線142の上方に配置されていてもよい。
このような構成を有することによって、外部から入射した光が遮光壁111の外側の領域においてインターポーザ基板102の内部に入り込むことを抑制することができる。この構成により、インターポーザ基板102の内部に入り込んだ光が、例えば貫通電極110によって乱反射し、迷光として受光面104aに到達することを抑制することができる。したがって、迷光に起因するフレアの発生を抑制することができる。
光吸収層112は、例えば以下の方法で形成される。ここでは、光吸収層112として黒色樹脂を用いた場合について説明する。第1貫通孔108aの内側の領域を覆うレジストマスクを第2面102bに形成する。レジストマスク上からインターポーザ基板102の全面に黒色樹脂を塗布する。レジストマスク上に黒色樹脂が形成された状態で、剥離液によってレジストマスクを剥離することで、レジストマスク上の黒色樹脂をリフトオフさせる。このようにして、第1貫通孔108aの内側の領域を開口する黒色樹脂(光吸収層112)を形成することができる。なお、黒色樹脂を塗布する際に、貫通孔108に塗布された黒色樹脂は貫通孔108を通過して下方に流れ落ちるため、黒色樹脂が貫通孔108を充填することはない。ただし、黒色樹脂を貫通孔108の内部に充填する場合は、貫通孔108の下方に蓋を形成した状態で黒色樹脂を塗布すればよい。
以下に、光吸収層112として金属層を用いた場合について説明する。複数の貫通孔108が形成されたインターポーザ基板102に、遮光壁111及び光吸収層112を順次形成する。光吸収層112の形成は、遮光壁111の内側の領域を覆うレジストマスクを第2面102bに形成し、無電解めっき法によって行われる。無電解めっき法は、めっき成長の前処理として第2面102bに触媒を吸着させ、インターポーザ基板102をめっき液に浸漬させることで行われる。レジストマスクで覆われた領域にはめっき層は形成されない。したがって、めっき層は遮光壁111の内側の領域を開口するように形成される。
なお、遮光壁111及び光吸収層112は順次形成されてもよく、同一工程で形成されてもよい。遮光壁111及び光吸収層112を同一工程で形成する場合、第2貫通孔108b及び第3貫通孔108cの内部における構造と同様に、遮光壁111は中空構造である。なお、光吸収層112をパターニングする場合は、配線142を形成する前にパターニングしてもよく、配線142のパターニングと同じ工程でパターニングしてもよく、配線142を形成した後にパターニングしてもよい。
上記のように、黒色樹脂又は金属層を用いた光吸収層112が形成された後に、貫通孔108を介してインターポーザ基板102の第1面102aと第2面102bとを導通する貫通電極110を形成する。貫通電極110を形成する方法としては、第1実施形態において説明した方法を用いればよい。
以上、本実施形態に係るイメージセンサモジュール200について説明した。本実施形態によれば、第1実施形態に係るイメージセンサモジュール100のレンズユニット106に設けられた脚部124aを要しないため、さらに低背化されたイメージセンサモジュール200を提供することができる。
<第3実施形態>
図17を用いて、本実施形態に係るイメージセンサモジュールの構成について詳細に説明する。図17は、本実施形態に係るイメージセンサモジュールのインターポーザ基板102を説明する断面図である。本実施形態に係るイメージセンサモジュールは、第2実施形態に係るイメージセンサモジュール200と比較すると、インターポーザ基板102の構成が異なっている。
本実施形態に係るイメージセンサモジュールは、第2貫通孔108bに配置された貫通電極110、及び第3貫通孔108cに配置された支柱118の第1面102a側の端部が、第1面102aよりもイメージセンサ104側に位置する。換言すると、上記の貫通電極110及び支柱118の第1面102a側の端部が、インターポーザ基板102から下方に突出している。
図17に示した破線Pは、インターポーザ基板102の第2面102bと平行な平面を示している。上記の貫通電極110及び支柱118の第1面102a側の端部は、破線P上に位置している。つまり、上記の貫通電極110及び支柱118の第1面102a側の端部は、インターポーザ基板102の第2面102bと平行な平面上に位置している。なお、支柱118の第1面102a側の端部は破線P上に位置していなくてもよい。
インターポーザ基板102とイメージセンサ104とのフリップチップ接続において、両者は突出した複数の貫通電極110のみで接続される。つまり、インターポーザ基板102の第1面102aとイメージセンサ104とは接触しない。
インターポーザ基板102とイメージセンサ104とが面接触する場合、両者を接続する際に、両者の間に発生した気泡や、両者間の摩擦などの影響によって、位置合わせが困難になる場合がある。しかし、本実施形態では、上記のような構成を有することによって、イメージセンサ104とインターポーザ基板102が高精度で平行に配置され、製造工程における両者の位置合わせが容易になる。
本実施形態に係るイメージセンサモジュールのインターポーザ基板102の形成方法の一例について説明する。前述した方法を用いて、貫通孔108の側壁に光吸収層112及び貫通電極110を形成する。貫通電極110の第1面102a側の端部を保護し、第1面102a側からエッチングすることで、インターポーザ基板102のみを薄板化する。したがって、貫通電極110の第1面102a側の端部の位置は、インターポーザ基板102の薄板化前の第1面102aと同じ位置に維持される。
以上の工程によって、図17に示すインターポーザ基板102を形成することができる。これによって、貫通電極110の第1面102a側の端部の位置を同一平面上にすることができる。この方法によれば、フリップチップ接続に用いる半田ボール116を必要としない。
<第4実施形態>
図18を用いて、本実施形態に係るイメージセンサモジュールの構成について詳細に説明する。図18は、本実施形態に係るイメージセンサモジュールのインターポーザ基板102を説明する断面図である。本実施形態に係るイメージセンサモジュールは、第2実施形態に係るイメージセンサモジュール200と比較すると、インターポーザ基板102の構成が異なっている。
図18に示すインターポーザ基板102は図17に示すインターポーザ基板102に類似しているが、、第1面102a側の貫通電極110が設けられた領域において、インターポーザ基板102の一部が第1面102a側の方向に突出した凸部を有している点で、図17に示すインターポーザ基板102とは相違する。
図18に示した破線Pは、インターポーザ基板102の第2面102bと平行な平面を示している。上記の貫通電極110及び支柱118の第1面102a側の端部は、破線P上に位置している。つまり、上記の貫通電極110及び支柱118の第1面102a側の端部は、インターポーザ基板102の第2面102bと平行な平面上に位置している。なお、支柱118の第1面102a側の端部は破線P上に位置していなくてもよい。
インターポーザ基板102とイメージセンサ104とのフリップチップ接続において、両者は突出した複数の貫通電極110を含む凸部を介して接続される。つまり、インターポーザ基板102の第1面102aと受光面104aとは接触しない。換言すると、インターポーザ基板102の第1面102aと受光面104aとの間には間隙が形成される。
このような構成を有することによって、イメージセンサ104とインターポーザ基板102が高精度で平行に配置され、製造工程における両者の位置合わせが容易になる。また、貫通電極110がインターポーザ基板102によって側方から支持されているため、貫通電極110の機械的強度が向上する。
本実施形態に係るイメージセンサモジュールのインターポーザ基板102の形成方法の一例について説明する。前述した方法を用いて、貫通孔108の側壁に光吸収層112及び貫通電極110を形成する。ここで、貫通電極110は、その端部が第1面102aと同じ位置になるように充填され、貫通電極110の第1面102a側の端部及び第1面102aが可能な限り平坦となるように形成することが望ましい。貫通電極110の第1面102a側の端部、及び貫通電極110の周囲の第1面102aを保護するレジストマスクを形成し、第1面102a側からエッチングすることで、レジストマスクから露出されたインターポーザ基板102を薄板化する。
以上の工程によって、図18に示すインターポーザ基板102を形成することができる。これによって、貫通電極110の第1面102a側の端部、及びインターポーザ基板102の一部の位置を同一平面上にすることができるこの方法によれば、フリップチップ接続に用いる半田ボール116を必要としない。また、貫通電極110がインターポーザ基板102によって側方から支持されているため、貫通電極110が形成されたインターポーザ基板102の機械的強度が向上する。
図19及び図20は、本開示の実施形態に係るイメージセンサモジュールが搭載されることができる応用製品の例を示す図である。上記のように製造されたイメージセンサモジュールは、様々な応用製品に搭載される。例えば、ノート型パーソナルコンピュータ1000、タブレット端末2000、携帯電話3000、スマートフォン4000、デジタルビデオカメラ5000、デジタルカメラ6000等に搭載される。また、本開示の実施形態に係るイメージセンサモジュール300a及び300bが2個搭載されたデュアルカメラを有するスマートフォン4100等にも適用することができる。この例では、スマートフォン4100の背面にデュアルカメラが備えられた態様を示している。従来のような、一つの撮像素子のみから成るスマートフォンに搭載されるカメラは、撮像素子のサイズの制約に起因して被写界深度が非常に深くなってしまうという課題があった。そこで、二つの撮像素子を有するデュアルカメラをスマートフォンに搭載することによって、異なる二つの条件で画像を記録して撮影後に合成し、例えば一眼レフカメラと同等の被写界深度の調整が可能になる。更に、イメージセンサモジュール300a及び300bは2個に限られず、3個以上搭載されてもよい。ここで、複数のイメージセンサモジュールは、図示のスマートフォン4100のような横方向に一列に並べられた態様に限らず、縦方向に並べられてもよく、不規則な配置であってもよい。また、複数のイメージセンサモジュールの間隔に制限は無く、スマートフォンの両サイド近傍に配置されてもよく、対角近傍に配置されてもよい。更に、本開示の実施形態に係るイメージセンサモジュール300は、腕時計にも搭載されてもよい。腕時計7000は、竜頭7010の近傍にイメージセンサモジュール300が搭載される態様を示している。腕時計7100は、バンドの近傍(12時の方向)にイメージセンサモジュール300が搭載される態様を示している。腕時計7200は、表示パネルにイメージセンサモジュール300が搭載される態様を示している。そして、腕時計7300のように、腕時計7000の配置と反対の側面、つまり竜頭7010が配置された側面と反対側の側面にイメージセンサモジュール300が搭載されてもよい。
なお、本開示は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。