JP6750230B2 - 撮像モジュール、撮像装置 - Google Patents
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また、携帯端末用カメラに対する、画質や撮影機能の向上等は、常に要求されることである。
前述のように撮像レンズは、複数枚のレンズにより構成されるため、大型であり、ライトフィールドカメラの小型化、薄型化が困難であった。また、隔壁シートを配置する場合には、隔壁とマイクロレンズアレイとの位置合わせが困難であるという問題があった。
第1の発明は、撮像モジュール(10)において撮像素子部(14)よりも光の入射側に配置されるレンズシート(11)であって、柱状であってシート面に沿って一方向に配列され、一方の面側に凸状の単位レンズ形状(112)を有する光透過部(111)と、前記光透過部と交互に配列され、前記光透過部の長手方向に延在し、該レンズシートの厚み方向に沿って、前記単位レンズ形状側の面(11a)から反対側である該レンズシートの裏面(11b)側へ延びる光吸収部(113)とを備え、前記光吸収部には、前記単位レンズ形状側の面に、該レンズシートの裏面側へ窪む凹部(113a)が設けられていること、を特徴とするレンズシートである。
第2の発明は、第1の発明のレンズシート(11)において、前記凹部(113a)は、前記光透過部(111)の長手方向に延在していること、を特徴とするレンズシートである。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明のレンズシート(11)において、前記凹部(113a)は、前記光吸収部(113)の配列方向に平行であって該レンズシートの厚み方向に平行な断面における断面形状が湾曲していること、を特徴とするレンズシートである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかのレンズシート(11)において、前記凹部(113a)は、前記光吸収部(113)の配列方向に平行であって該レンズシートの厚み方向に平行な断面における断面形状が円弧状に形成されており、その曲率半径rが0.5μm≦r≦30μmに形成されていること、を特徴とするレンズシートである。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかのレンズシート(11)において、前記光透過部(111)の屈折率N1と前記光吸収部(113)の屈折率N2とは、N1≦N2を満たすこと、を特徴とするレンズシートである。
第6の発明は、入射する光を電気信号に変換する複数の画素が2次元配列された撮像素子部(14)と、前記撮像素子部よりも光の入射側に配置され、第1の発明から第5の発明までのいずれかのレンズシート(11、12)を2枚備えるレンズシートユニット(13)とを備え、前記レンズシートユニットにおいて、光軸方向から見て、一方の前記レンズシート(11)の前記光透過部(111)の配列方向と、他方の前記レンズシート(12)の前記光透過部(121)の配列方向とは交差していること、を特徴とする撮像モジュール(10)である。
第7の発明は、第6の発明の撮像モジュール(10)において、光軸方向から見て、一方の前記レンズシート(11)の前記光透過部(111)の配列方向と、他方の前記レンズシート(12)の前記光透過部(121)の配列方向とが交差する交差角度αは、80°≦α≦100°を満たすこと、を特徴とする撮像モジュールである。
第8の発明は、第6の発明又は第7の発明の撮像モジュール(10)を備える撮像装置(1)である。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、シート面とは、各シート状の部材において、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。
図1は、本実施形態のカメラ1を説明する図である。
図2は、本実施形態の撮像モジュール10を説明する図である。
図1を含め、以下に示す各図において、理解を容易にするために、XYZ直交座標系を適宜設けて示している。この座標系では、撮影者が、撮像装置を基本的な姿勢で支持し、光軸Oを水平として画像を撮影するとき、水平方向(左右方向)をX方向、鉛直方向(上下方向)をY方向とし、光軸O方向をZ方向とし、撮影者側から見て左側(被写体側から見て右側)に向かう方向を+X方向、鉛直方向上側に向かう方向を+Y方向、被写体側に向かう方向を+Z方向とする。
カメラ1は、図1に示すように、開口部20を有する筐体30内に、撮像モジュール10を備えている。また、このカメラ1は、不図示の制御部、記憶部、シャッタ部、シャッタ駆動部等を備えている。
開口部20は、被写体側からの光を、カメラ1の撮像モジュール10へ取り込む開口である。この開口部20には、撮像モジュール10への埃やゴミ等の異物の侵入を防止する等の観点から、開口部20を覆うようにカバーガラス21が配置されている。
レンズシートユニット13及びイメージセンサ14は、矩形状の平板状の部材であり、その幾何学的中心に光軸Oが直交している。
図4は、本実施形態の第1レンズシート11を説明する図である。図4(a)は第1レンズシート11の光透過部111の配列方向及び第1レンズシート11の厚み方向に平行な断面(YZ断面)の一部を拡大して示し、図4(b)では、図4(a)に示す断面の一部をさらに拡大して示している。
図5は、本実施形態の第2レンズシート12を説明する図である。図5(a)は第2レンズシート12の光透過部121の配列方向及び第2レンズシート12の厚み方向に平行な断面(XZ断面)の一部を拡大して示し、図5(b)では、図5(a)に示す断面の一部をさらに拡大して示している。
レンズシートユニット13は、第1レンズシート11及び第2レンズシート12が一体に積層されて不図示の支持部材により支持されており、イメージセンサ14に対する左右方向(X方向)、上下方向(Y方向)、光軸O方向(Z方向)における位置等が決められている。
光透過部111は、光を透過する透明部分であり、被写体側(+Z側)に、凸形状の単位レンズ形状112を有している。第1レンズシート11の被写体側(+Z側)の面は、単位レンズ形状112が複数配列されたレンズ形状面11aとなっている。また、第1レンズシート11のイメージセンサ14側(−Z側)の面(レンズ形状面11aとは反対側の面)である裏面11bは、略平面状となっている。
光透過部111の裏面11b側(イメージセンサ14側、−Z側)には、シート面に平行な方向に連続しているランド部114が形成されており、各光透過部111がランド部114に接合されている。
このランド部114は、光透過部111と同様に、光を透過する透明部分である。ランド部114は、その厚みができる限り薄い方が好ましく、ランド部114の厚さが0であること(即ち、ランド部114が存在しない形態)が、迷光等を防止し、高画質の画像を提供する観点から理想的である。なお、本実施形態のランド部114は、光透過部111と一体に形成されている。
本実施形態の光透過部111は、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を用いて、紫外線成形法等により形成されている。
なお、これに限らず、光透過部111は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。また、光透過部111は、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等の熱可塑性樹脂等を用いて熱溶融押出成形法等により形成されてもよいし、ガラスにより形成されてもよい。
本実施形態では、第1レンズシート11のレンズ形状面11aは、レンズシートユニット13への光の入射面である。従って、レンズ形状面11aに反射防止層を形成することによって、第1レンズシート11と空気との界面となるレンズ形状面11aにおける反射を抑制し、入射光量の増加を図っている。
光吸収部113は、図4に示すように、その配列方向及び第1レンズシート11の厚み方向に平行な断面における断面形状が楔形形状、もしくは、矩形形状である。ここでいう楔形形状とは、一方の端部の幅が広く、他方に向けて次第に幅が狭くなる形状をいい、三角形形状や台形形状等を含む形状をいう。
この光吸収部113は、カーボンブラック等の光吸収性を有する材料(以下、光吸収材という)や、光吸収材を含有した樹脂等により形成される。
光吸収部113に用いられる光吸収材は、可視光領域の光を吸収する機能を有する粒子状等の部材が好適である。このような部材としては、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、顔料や染料、顔料や染料で着色された樹脂粒子等が挙げられる。
光吸収材としては、カーボンブラック等と上記のような着色された樹脂粒子とを組み合わせて用いてもよい。
光吸収材を含有する樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
本実施形態の光吸収部113は、カーボンブラックを含有するアクリル系樹脂により形成されている。
図6は、レンズ形状面側の面が平坦に形成された光吸収部を有するレンズシート11’を説明する図である。
図6に示すように、光吸収部113’のレンズ形状面側の面が平坦面113a’に形成されている場合、被写体側から入射した光の一部は、光吸収部113’により吸収されるが、その他の光は、光吸収部113’のレンズ形状面11a側の平坦面113a’において、第1レンズシート11’よりも被写体側に配置されるカバーガラスへと反射してしまう場合がある。その反射した光の一部は、カバーガラスにおいて反射して、再び第1レンズシート11’へと入射してしまい、イメージセンサで撮像した画像にゴースト(二重像)が生じてしまう可能性がある。
本実施形態の光吸収部113に設けられた凹部113aは、光透過部111の配列方向(Y方向)に平行であって、第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)に平行な方向における断面(YZ断面)の断面形状が湾曲している。より具体的には、図4に示すように、凹部113aは、前記断面(YZ断面)における形状が、裏面11b側に窪んだ円の一部形状(円弧状、半円状)に形成されており、光透過部111の長手方向(X方向)に沿うようにして延在している。このように凹部113aが円弧状に形成されることによって、凹部113aは、入射した光をより効率よく分散させることができる。
仮に、曲率半径rが、0.5μm未満である場合、凹部113aの窪んだ形状が小さくなりすぎてしまい、そのような凹部を作製するのが困難となるので、望ましくない。また、曲率半径rが30μmよりも大きい場合、光吸収部113のレンズ形状面11a側の面が平坦に近くなってしまい、分散される光の量が低下し、上述のゴーストの抑制効果が低下してしまうので、望ましくない。
光透過部111(単位レンズ形状112)の配列ピッチPは、約20〜230μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状112の曲率半径Rは、約10〜180μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状112のレンズ開口幅D1は、光透過部111の配列方向において、光透過部111のレンズ形状面11a側の寸法(単位レンズ形状112と、光透過部111の側面M1、M4との境界となる点t1及び点t2間の寸法)であり、約20〜200μmとすることが好ましい。
光透過部111の総厚さTは、第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)において、光透過部111の裏面11bから点t3までの寸法であり、約30〜480μmである。
光吸収部113の高さH2は、第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)における光吸収部113の寸法であり、約20〜470μmとすることが好ましい。
第1レンズシート11は、上記寸法範囲で形成されることによって、その焦点距離が約24〜300μm(空気中の換算値)となる。
第2レンズシート12は、前述の第1レンズシート11と同様の形状であり、単位レンズ形状122を有する光透過部121、光吸収部123、凹部123a等を有しているが、光透過部121及び光吸収部123の配列方向が、第1レンズシート11とは相違している。
また、図3(b)に示すように、第2レンズシート12では、光透過部121及び光吸収部123の配列方向R12は、光軸O方向(Z方向)から見て、第1レンズシート11の光透過部111及び光吸収部113の配列方向R11と交差し、交差角度αをなしている。本実施形態では、この交差角度α=90°であり、第2レンズシート12の光透過部121(単位レンズ形状122)は、配列方向が左右方向(X方向)であり、長手方向が上下方向(Y方向)に延在している。
第2レンズシート12は、第1レンズシート11と同様の材料を用いて形成される。
第1レンズシート11の製造方法の一例は、以下の通りである。
まず、図7(a)に示すように、PET樹脂製等の基材用のシート状の部材(以下、基材層という)51を用意し、図7(b)に示すように、その片面にメラミン樹脂やアクリル樹脂等を塗布して硬化させ、剥離層52を形成する。
次に、図7(d)に示すように、光透過部111間の溝部分に、光吸収部113を形成する材料(光吸収材を含有した液状のバインダ)をワイピング(スキージング)して充填し、硬化させて、光吸収部113を形成する。
この凹部113aは、光透過部111に対するドクター刃の押し付け力を変更したり、ワイピング処理の回数を変更したり、ドクターの材質及び形状を変更したり、光吸収部113を形成する材料の粘度を調整したりすることによって、光吸収部113と一体に形成される。
なお、第2レンズシート12は、上記の第1レンズシート11の製造方法と同様に形成される。すなわち、第2レンズシート12は、光透過部121の形成後、ワイピング等により光吸収部123及び凹部123aを形成し、所定の大きさに裁断して、剥離層52ごと基材層51を剥離し、単位レンズ形状122の表面等に反射防止層を形成する等して、形成される。
例えば、基材層51及び剥離層52は、基材層に予め剥離層が形成されている汎用の部材を使用してもよい。また、基材層51は、上記の材料に限らず、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂等を用いて形成してもよいし、剥離層52は、上記の材料に限らず、シリコーン系材料やフッ素化合物系材料等を用いて形成してもよい。
また、例えば、基材層51が剥離層52を有しておらず、光透過部111、121及び光吸収部113、123を形成後に、基材層51に相当する部分を削る等により、第1レンズシート11及び第2レンズシート12を形成してもよい。
また、例えば、光吸収部113、123は、光透過部111間の溝部分に光吸収部113、123を形成する材料を、真空充填等により充填して形成されるようにしてもよいし、毛細管現象を利用した充填方法により形成されるようにしてもよい。
接合層15は、粘着剤又は接着剤により形成され、光透過性を有している。この接合層15の屈折率N3は、第2レンズシート12の光透過部121の屈折率N1と等しいことが好ましい。
また、イメージセンサ14は、駆動時に発熱し、約40℃前後まで表面温度が上昇する。そのため、イメージセンサ14の発熱によるレンズシートユニット13の反り等の変形を抑制する観点から、接合層15は、耐熱性を有することが好ましい。
このような接合層15としては、エポキシ樹脂製、ウレタン樹脂製等の粘着剤、接着剤が好適である。
なお、接合層15は、その屈折率N3が光透過部121の屈折率N1よりも小さいものも適用可能である。このような接合層15としては、例えば、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。
また、第1レンズシート11と第2レンズシート12とは、単位レンズ形状112、122がその頂点(点t3)で互いに接した状態、又は、近接した状態で配置されており、第1レンズシート11と第2レンズシート12との間の隙間部分には、空気が存在する形態となっている。
イメージセンサ14を構成する複数の画素は、イメージセンサ14の受光面である被写体側の表面に、2次元方向に配列されている。本実施形態では、イメージセンサ14の画素は、左右方向及び上下方向(X方向及びY方向)に複数配列されているものとする。
このようなイメージセンサ14としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等が好適に用いられる。
本実施形態では、このイメージセンサ14として、CMOSが用いられている。
そして、イメージセンサ14の受光面上には、この疑似的なマイクロレンズにより結像された像が、それぞれ重なることなく形成される。
撮影時、撮像モジュール10により得られた、各画素が検出した入射光の強度及び入射方向の情報は、記憶部に記憶され、また、制御部により各種演算等が行われることにより、その焦点距離や被写界深度等を変更した(リフォーカス処理を行った)画像データとして生成可能である。
一般的に、ライトフィールドカメラでは、マイクロレンズアレイの1つのマイクロレンズに対して所定の領域内に位置する複数個の画素141(画素群)が対応している。そして、それぞれのマイクロレンズによる像が、例えば、図8(a)に示すように、対応する領域内に投影されることが重要である。
このとき、例えば、図8(b)に示すように、各マイクロレンズの像が隣の領域に投影され、像が重なると、被写体面上で異なる位置と角度を有する光が同一の画素に入射するクロストークという現象が生じ、光の入射方向や強度を分解できなくなる。これを解消するために、従来のライトフィールドカメラでは、マイクロレンズアレイよりも被写体側に設けられた撮像レンズの絞りを利用したり、マイクロレンズアレイの単位レンズに対応した隔壁を有する隔壁シートをマイクロレンズアレイのイメージセンサ側等に別体で用意したりする必要があった。
これにより、光吸収部113のレンズ形状面11a側の面と、カバーガラス21とで反射し、再度、第1レンズシート11へ入射してしまう光の量を低減させるとともに、光吸収部123のレンズ形状面12a側の面と、第1レンズシート11の裏面11bとで反射し、再度、第2レンズシート12へ入射してしまう光の量を低減させることができ、撮像した画像にゴーストが生じてしまうのを大幅に抑制することができる。
また、凹部113a、123aは、それぞれの曲率半径rが0.5μm≦r≦30μmの範囲で形成されているので、より効率よく光を分散させるとともに、凹部の形成を容易に行うことができる。
さらに、従来のライトフィールドカメラは、撮像レンズや、マイクロレンズアレイとは別体の光線分割用の隔壁シート等が必要である。しかし、本実施形態によれば、いずれも不要であるので、ライトフィールドカメラとしても、薄型化及び軽量化、生産コストの低減等を図ることができる。
以下に、レンズシートユニット13の別な形態について説明する。
<各レンズシートのレンズ形状面11a,12aの向きについて>
図9は、第1レンズシート11のレンズ形状面11a、第2レンズシート12のレンズ形状面12aの向きを説明する図である。なお、図9の各図では、理解を容易にするために、レンズシートユニット13を構成する第1レンズシート11及び第2レンズシート12のみを示し、接合層15等は省略して示している。また、図9の各図において、第1レンズシート11及び第2レンズシート12は、Z方向において離間している形態を示しているが、実際には、接している若しくは近接している。
図9の各図に示すように、レンズシートユニット13の第1レンズシート11及び第2レンズシート12は、そのレンズ形状面11a、12aが被写体側(+Z側)であるか、イメージセンサ14側(−Z側)であるかは、適宜選択することができる。
また、レンズシートユニット13は、図9(b)に示すように、第1レンズシート11が、そのレンズ形状面11aが被写体側(+Z側)となるように配置され、第2レンズシート12が、そのレンズ形状面12aがイメージセンサ側(−Z側)となるように配置されていてもよい。
また、図9(b)に示すように第2レンズシート12のレンズ形状面12aがイメージセンサ14側(−Z側)に位置する場合、接合層15は、その屈折率N3が第2レンズシート12の光透過部121の屈折率N1よりも小さいものとすることが好ましい。このような接合層15としては、シリコーン系粘着剤等が好適である。
このような形態のレンズシートユニット13を使用した場合にも、良好な画質で撮像することができる。
レンズシートユニット13において、第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R11を左右方向(X方向)とし、第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R12を上下方向(Y方向)としてもよい。
また、図3(b)に示すように、第1レンズシート11の光透過部111(単位レンズ形状112)の配列方向R11と、第2レンズシート12の光透過部121(単位レンズ形状122)の配列方向R12とがなす交差角度αは、90°±10°の範囲、即ち、80°≦α≦100°の範囲内であれば、レンズシートユニット13として所望される光学的機能は維持される。従って、交差角度αは、90°に限定されず、80°≦α≦100°の範囲内としてもよい。
図10は、第1レンズシート11及び第2レンズシート12の他の層構成の一例を示す図である。図10(a)は、第1レンズシート11の他の層構成を示す図であり、前述の図4(a)に対応する図である。図10(b)は、第2レンズシート12の他の層構成を示す図であり、前述の図5(a)に対応する図である。
図10(a)に示すように、第1レンズシート11は、裏面12b側に基材層51が一体に積層された形態としてもよい。同様に、図10(b)に示すように、第2レンズシート12は、光透過部121の裏面12b側に基材層51が一体に積層された形態としてもよい。
撮像モジュール10は、レンズシートユニット13とイメージセンサ14とを接合する接合層15を備えず、第2レンズシート12がイメージセンサ14の受光面上に接して配置され、レンズシートユニット13の第1レンズシート11及び第2レンズシート12、イメージセンサ14は、それぞれ不図示の支持部材で支持され、所定の位置で固定される形態としてもよい。
このとき、図2、図3及び図9(a)に示す形態のように、第2レンズシート12のイメージセンサ14側(−Z側)の面が、単位レンズ形状122が形成されていない裏面12bである場合、イメージセンサ14の受光面の傷つきを防止したり、イメージセンサ14と第2レンズシート12との光学密着を防止したりする観点から、裏面12bを微細凹凸形状が形成されたマット面とすることが好ましい。
また、接合層15を設けない場合、第2レンズシート12とイメージセンサ14との間にスペーサを配置する等して、イメージセンサ14と第2レンズシート12との光学密着やイメージセンサ14の受光面の傷付き等を防止してもよい。
図11は、光吸収部113の他の形態を示す図である。図11の各図は、それぞれ図4(b)に対応する図である。なお、以下の説明において、第1レンズシート11の光吸収部113について説明するが、第2レンズシート12の光吸収部123についても同様である。
上述の説明では、光吸収部113に設けられた凹部113aは、光透過部111の配列方向(Y方向)に平行であって、第1レンズシート11の厚み方向(Z方向)に平行な断面(YZ断面)における断面形状が、円の一部形状(円弧状、半円状)に形成される例を示したが、これに限定されるものでない。
また、図11(b)に示すように、光透過部111の配列方向に複数の凹部113aが形成されるようにしてもよい。この場合、光吸収部113のレンズ形状面11a側の面が波状(例えば、正弦波状)に形成されるようにしてもよい。
更に、光吸収部113には、凹部113aの代わりに、図11(c)に示すように、光吸収部113のレンズ形状面11a側の面に、被写体側に膨らんだ凸部113bが形成されるようにしてもよい。
上記いずれの形態においても、光吸収部113のレンズ形状面11a側の面において反射する光を分散させることができ、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)上述の実施形態において、光吸収部113、123に設けられた凹部113a、123aは、光透過部111、121の長手方向に沿うようにして延在している例を示したが、これに限定されるものでなく、例えば、光透過部111、121の長手方向に複数に分離して設けられるようにしてもよい。
なお、この場合、夜間撮影時において撮像モジュール10に入射する赤外光が遮蔽されてしまうのを防ぐために、カメラ1には、赤外線遮蔽層を光軸O上から退避させる退避機構等を設ける必要がある。
また、赤外線遮蔽層は、例えば、第1レンズシート11の裏面11b側に配置されるが、これに限定されるものでなく、レンズシートユニット13内であって、イメージセンサ14よりも被写体側であれば、特にその位置を限定されるものでない。
また、赤外線遮蔽層は、赤外線を反射することにより遮蔽する場合、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、ITO、ATO等のスパッタリング膜、蒸着膜等(高屈折率層と低屈折率層の多層誘電膜等)により形成される。
図12は、レンズシートユニット13の変形形態を示す図である。
変形形態のレンズシートユニット13は、図12に示すように、1枚のシート状の基材層131の両面に、単位レンズ形状112、122を有する光透過部111、121及び光吸収部113、123が形成されている。これは、基材層131の両面に前述の第1レンズシート11及び第2レンズシート12を一体に成形した形状に等しい。
この基材層131は、樹脂製のシート状の部材であり、光透過性を有している。このような基材層131としては、赤外線吸収剤等を含有するPET樹脂製のシート状の部材等が挙げられる。
また、この基材層131の厚さは、可能な範囲で薄いことが、迷光を抑制し、クロストークを低減して、各画素に入射する光の強度や入射方向の精度を向上させる観点から好ましい。
このとき、例えば、3枚目のレンズシート(以下、第3レンズシートという)は、第1レンズシート11及び第2レンズシート12と同様の形状のレンズシートであり、その光透過部の配列方向が、第1レンズシート11及び第2レンズシート12の光透過部111,121の配列方向に対して、45°±10°をなしているものとすることが好ましい。
また、第3レンズシートのレンズ形状面は、被写体側(+Z側)であっても、イメージセンサ14側(−Z側)であってもよい。
また、第4レンズシートのレンズ形状面は、被写体側(+Z側)であっても、イメージセンサ14側(−Z側)であってもよい。
前述の実施形態では、図13(a)に示すように、イメージセンサ14の画素が光軸O方向(Z方向)に対して直交する2方向G1,G2(Y方向及びX方向)に配列され、第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R11は、画素の配列方向の1つの方向G1(Y方向)に平行であり、第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R12は、画素の配列方向のもう1つの方向G2(X方向)に平行である例を示した。
このとき、光軸O方向(Z方向)から見て、第1レンズシート11の光透過部111の配列方向R11と画素の配列方向の1つの方向G1となす角度βと、第2レンズシート12の光透過部121の配列方向R12が画素の配列方向のもう1つの方向G2となす角度γとは、いずれも0°である。
なお、図13(b)では、画素の配列方向G1,G2は、Y方向及びX方向に平行である例を示しているが、これに限らず、光透過部111,121の配列方向R11,R12がY方向及びX方向に平行であり、画素の配列方向G1,G2とそれぞれ角度β,γをなす形態としてもよいし、画素の配列方向G1,G2及び光透過部111,121の配列方向R11,R12が、角度β,γをなし、かつ、いずれもY方向及びX方向に平行でない形態としてもよい。
また、レンズシートユニット13の配置や組み立てを容易にするために、アライメントマークを第1レンズシート11及び第2レンズシート12に設けてもよい。
また、例えば、23.6×15.8mm、36×24mm、43.8×32.8mm等の大きな受光面を有するイメージセンサ14を使用することにより、ノイズの低減や取得する焦点距離や被写界深度等の情報の精度や情報量の向上を図り、画質のさらなる向上や、カメラの性能向上を図ってもよい。
10 撮像モジュール
11 第1レンズシート
111 光透過部
112 単位レンズ形状
113 光吸収部
113a 凹部
12 第2レンズシート
121 光透過部
122 単位レンズ形状
123 光吸収部
123a 凹部
13 レンズシートユニット
14 イメージセンサ
20 開口部
30 筐体
Claims (7)
- 入射する光を電気信号に変換する複数の画素が2次元配列された撮像素子部と、
前記撮像素子部よりも光の入射側に配置され、カバーグラスよりも前記撮像素子部側に配置されるレンズシートを2枚備えるレンズシートユニットとを備え、
前記レンズシートは、
柱状であってシート面に沿って一方向に配列され、一方の面側に凸状の単位レンズ形状を有する光透過部と、
前記光透過部と交互に配列され、前記光透過部の長手方向に延在し、前記レンズシートの厚み方向に沿って、前記単位レンズ形状側の面から反対側である前記レンズシートの裏面側へ延びる光吸収部とを備え、
前記光吸収部には、前記単位レンズ形状側の面に、前記レンズシートの裏面側へ窪む凹部が設けられており、
前記光吸収部の配列方向における幅は、1μm以上30μm以下であって、前記凹部の曲率半径は、0.5μm以上30μm以下であり、
前記レンズシートユニットにおいて、光軸方向から見て、一方の前記レンズシートの前記光透過部の配列方向と、他方の前記レンズシートの前記光透過部の配列方向とは交差していること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1に記載の撮像モジュールにおいて、
前記凹部は、前記光透過部の長手方向に延在していること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1又は請求項2に記載の撮像モジュールにおいて、
前記凹部は、前記光吸収部の配列方向に平行であって前記レンズシートの厚み方向に平行な断面における断面形状が湾曲していること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、
前記凹部は、前記光吸収部の配列方向に平行であって前記レンズシートの厚み方向に平行な断面における断面形状が円弧状に形成されており、その曲率半径rが0.5μm≦r≦30μmに形成されていること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、
前記光透過部の屈折率N1と前記光吸収部の屈折率N2とは、N1≦N2を満たすこと、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の撮像モジュールにおいて、
光軸方向から見て、一方の前記レンズシートの前記光透過部の配列方向と、他方の前記レンズシートの前記光透過部の配列方向とが交差する交差角度αは、80°≦α≦100°を満たすこと、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項6までのいずれかに記載の撮像モジュールを備える撮像装置。
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