JP2019002143A - 柱と梁との接合部の補強構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】接合部降伏に伴う損傷を抑制することができる柱と梁との接合部の補強構造を提供する。【解決手段】柱Pと梁Bとの接合部10の補強構造1は、梁Bに梁Bの幅方向に沿って形成された貫通孔Bhと、貫通孔Bhに挿通された緊張材3と、柱Pから梁B側に延び梁Bと離間して配置されるとともに、緊張材3の両端部がそれぞれ定着された一対の支圧材2と、を備え、貫通孔Bhは梁Bの高さ方向の略中央に形成されていることを特徴とする。【選択図】図3
Description
本発明は、柱と梁との接合部の補強構造に関するものである。
一般的に、鉄筋コンクリート構造物の柱梁構造においては、柱梁接合部につながる柱及び梁の曲げ強度について、梁が柱よりも低い強度となるように設計し、梁曲げ降伏型の全体崩壊モードとなるように設計されている。しかし、柱と梁との強度差が十分に確保されていないと、柱梁接合部において正面視対角線に沿ってひび割れが生じ、ひび割れた部分が互いに回転する接合部降伏という現象が生じる。このように柱梁接合部の損傷が顕著になるとともに、柱梁構造が不安定さを増すことが、近年の研究によって明らかとなっている。特に、接合部降伏では柱梁接合部のひび割れの中央部分で割れ(隙間)が拡大し、その後、繰返し荷重の作用により柱梁接合部のコンクリートが剥落するという様相を呈する虞がある。現存する鉄筋コンクリート構造物では、このような破壊現象を防止する設計はされていないため、補強工事を行うことが望まれている。
そこで、鉄筋コンクリート構造物の柱梁接合部について、大地震等に抗するための補強構造が提案されている。例えば、柱梁接合部及びこの近傍の柱、梁を貫通する複数の補強棒と、柱梁接合部の外周に設けられたコンクリートと、を備え、補強棒がコンクリートに埋設されたものが提案されている(下記の特許文献1参照)。また、梁を貫通する複数の貫通ボルトと、柱梁接合部を取り囲むように設けられた鉄骨ピースと、を備え、貫通ボルトが鉄骨ピースに螺合されたものも提案されている(下記の特許文献2参照)。
しかしながら、上記の特許文献1,2の補強構造では、柱梁接合部のコンクリートに生じる損傷の拡大を抑制することはできるものの、梁等の構造体に貫通される補強棒や貫通ボルトには緊張力が導入されていないため、損傷自体を抑制することはできないという問題点がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、接合部降伏に伴う損傷を抑制することができる柱と梁との接合部の補強構造を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る柱と梁との接合部の補強構造は、鉄筋コンクリート造における柱と梁との接合部の補強構造であって、前記梁に該梁の幅方向に沿って形成された貫通孔と、該貫通孔に挿通された緊張材と、前記柱から梁側に延び該梁と離間して配置されるとともに、前記緊張材の両端部がそれぞれ定着された一対の支圧材と、を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明に係る柱と梁との接合部の補強構造は、鉄筋コンクリート造における柱と梁との接合部の補強構造であって、前記梁に該梁の幅方向に沿って形成された貫通孔と、該貫通孔に挿通された緊張材と、前記柱から梁側に延び該梁と離間して配置されるとともに、前記緊張材の両端部がそれぞれ定着された一対の支圧材と、を備えることを特徴とする。
このように構成された柱と梁との接合部の補強構造では、緊張材を緊張させることで、接合部に設けられた支圧材を介して、接合部に圧縮力が作用する。一般に、支圧材が梁に定着されていると緊張材の引張力の反力が梁だけに作用する。しかし、本発明では、支圧材は梁と離間して配置されているため、接合部に圧縮力を確実に作用させることができる。よって、接合部に作用する圧縮力により、接合部降伏に伴う損傷が抑制される。
また、本発明に係る柱と梁との接合部の補強構造は、前記貫通孔は前記梁の高さ方向の略中央に形成されていることが好ましい。
このように構成された柱と梁との接合部の補強構造では、貫通孔は梁の高さ方向の略中央に形成されている。よって、梁内の鉄筋等と干渉することなく、貫通孔を形成し、貫通孔内に緊張材を配置することができる。
本発明に係る柱と梁との接合部の補強構造によれば、接合部降伏に伴う損傷を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る柱と梁との接合部の補強構造について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る柱と梁との接合部の補強構造が採用された建築物の一部を模式的に示した正面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る柱と梁との接合部の補強構造を示す正面図である。図3は、本発明の一実施形態に係る柱と梁との接合部の補強構造を示す平断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る柱Pと梁Bとの接合部10の補強構造(以下、単に、「補強構造」と称する)1は、既存の鉄筋コンクリート造の建築物において、柱Pと梁Bとの接合部10を補強するものである。本実施形態では、図3に示すように、柱Pから3方に梁Bが延びている構成、つまり柱Pに対して梁Bとの接合部10が3箇所に設けられた構成を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る柱と梁との接合部の補強構造が採用された建築物の一部を模式的に示した正面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る柱と梁との接合部の補強構造を示す正面図である。図3は、本発明の一実施形態に係る柱と梁との接合部の補強構造を示す平断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る柱Pと梁Bとの接合部10の補強構造(以下、単に、「補強構造」と称する)1は、既存の鉄筋コンクリート造の建築物において、柱Pと梁Bとの接合部10を補強するものである。本実施形態では、図3に示すように、柱Pから3方に梁Bが延びている構成、つまり柱Pに対して梁Bとの接合部10が3箇所に設けられた構成を例に挙げて説明する。
図2及び図3に示すように、補強構造1は、支圧ピース(支圧材)2と、梁Bに貫通されたPC鋼棒(緊張材)3と、を備えている。
支圧ピース2は、柱Pの各角部P1に沿って設けられている。支圧ピース2は、取付部21と、定着部22と、を有している。取付部21は、平面視略直角に形成され、各面23,24が、それぞれ柱Pの角部P1を形成する一の面Pa及び他の面Pbに沿って配置されている。定着部22は、平面視略直角に形成され、各面25,26が、取付部21の各面23,24の延長線上に配置されている。換言すると、定着部22は、柱Pの角部P1を形成する一の面Paに設けられた梁B側及び他の面Pbに設けられた梁B側に延びている。定着部22の面25,26は、それぞれ対応する梁Bの外面Bf,Bgと離間して配置されている。本実施形態では、支圧ピース2は、例えば鋼材により形成されている。支圧ピース2は、後述するPC鋼棒3に作用する緊張力により柱Pの角部P1に押圧され、取り付けられている。
各梁Bには、梁Bの幅方向(梁Bの高さ方向と直交し且つ梁Bの延在方向と直交する方向)に沿って貫通孔Bhが形成されている。各貫通孔Bhは、梁Bの高さH(図2参照)の略中央または略中央近傍に形成されている。各貫通孔Bhは、柱Pの対応する外面Pa,Pbから30〜100mm程度離間して形成されている。
貫通孔Bhには、緊張材としてPC鋼棒3が挿通されている。なお、緊張材としてPC鋼棒3の他に、高強度鉄筋やCFRPロッド(炭素繊維をロッド状に加工した補強材)、炭素繊維ケーブルを採用することができる。貫通孔BhとPC鋼棒3との隙間を埋めるように、グラウト材(不図示)が充填されている。PC鋼棒3の端部は、支圧ピース2にナット39で定着されている。
上記の補強構造1は、柱Pに対して、梁Bとの接合部10が3箇所に設けられている。また、柱Pに対して梁Bが設けられていない面には、柱Pの両角部P1に支圧ピース2がそれぞれ設けられ、各支圧ピース2にPC鋼棒3の各端部がナット39で定着されている。
次に、既存の建築物に対して、上記の補強構造1を施工する施工方法に説明する。
まず、梁Bにおいて、PC鋼棒3を設置する箇所に、貫通孔Bhを形成する。貫通孔Bhは、ドリルで行ってもよいし、ダイヤモンドコアドリル等の低騒音の機器を使用すれば、建築物を使用しながら補強を行うことができる。
まず、梁Bにおいて、PC鋼棒3を設置する箇所に、貫通孔Bhを形成する。貫通孔Bhは、ドリルで行ってもよいし、ダイヤモンドコアドリル等の低騒音の機器を使用すれば、建築物を使用しながら補強を行うことができる。
貫通孔Bhに、PC鋼棒3を挿通する。柱Pの角部P1に沿って支圧ピース2を設置し、PC鋼棒3に緊張力を導入する。緊張力の導入は、小型のジャッキを使用したり、電動または手動のレンチによりナット39を回転させたりして行う。
ここで、支圧ピース2に孔を開けておき、PC鋼棒3が緊張するまでの間、コンクリート釘(不図示)等で支圧ピース2を柱Pの角部P1に仮固定しておくと、作業がしやすい。
PC鋼棒3を緊張させた後は、貫通孔BhとPC鋼棒3との隙間にグラウトを注入して、梁Bの欠損を埋めることができる。
このように構成された補強構造1では、PC鋼棒3を緊張させることで、接合部10の角部P1に設けられた支圧ピース2を介して、接合部10に圧縮力が作用する。一般に、支圧ピースが梁に定着されているとPC鋼棒の引張力の反力が梁だけに作用する。しかし、本発明では、支圧ピース2は梁Bの外面Bf,Bgと間隔を有して配置されているため、接合部10に圧縮力を確実に作用させることができる。よって、接合部10に作用する圧縮力により、大地震時に接合部降伏に伴う損傷が抑制され、建物物の継続使用が可能となる。
また、貫通孔Bhは梁Bの高さ方向の略中央に形成されている。よって、梁B内の鉄筋等(不図示)と干渉することなく、貫通孔Bhを形成し、貫通孔Bh内にPC鋼棒3を配置することができる。
なお、上述した実施の形態において示した組立手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、支圧ピース2のナット39の外側にカバーを設けることで、万が一PC鋼棒3が破断した場合にPC鋼棒3が飛び出すことを防止することができる。
また、上記に示す実施形態では、柱Pにおける梁Bが設けられていない面(図3に示す紙面上方の面)は損傷しやすいため、当該面に沿ってPC鋼棒3が設けられている。しかし、本発明はこれに限られず、梁Bの主筋本数等の設計条件によっては、柱Pにおける梁Bが設けられていない面に沿ってPC鋼棒3を設けなくてもよい。
1…補強構造
2…支圧ピース(支圧材)
3…PC鋼棒(緊張材)
10…接合部
21…取付部
22…定着部
39…ナット
B…梁
Bh…貫通孔
P…柱
P1…角部
2…支圧ピース(支圧材)
3…PC鋼棒(緊張材)
10…接合部
21…取付部
22…定着部
39…ナット
B…梁
Bh…貫通孔
P…柱
P1…角部
Claims (2)
- 鉄筋コンクリート造における柱と梁との接合部の補強構造であって、
前記梁に該梁の幅方向に沿って形成された貫通孔と、
該貫通孔に挿通された緊張材と、
前記柱から梁側に延び該梁と離間して配置されるとともに、前記緊張材の両端部がそれぞれ定着された一対の支圧材と、を備えることを特徴とする柱と梁との接合部の補強構造。 - 前記貫通孔は前記梁の高さ方向の略中央に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の柱と梁との接合部の補強構造。
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JP2017115295A JP2019002143A (ja) | 2017-06-12 | 2017-06-12 | 柱と梁との接合部の補強構造 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000352111A (ja) * | 1999-06-14 | 2000-12-19 | East Japan Railway Co | コンクリート部材補強鉄筋用定着部材 |
CN2723551Y (zh) * | 2004-07-13 | 2005-09-07 | 建研科技股份有限公司 | 一种框架梁柱节点加固装置 |
CN202509791U (zh) * | 2012-02-21 | 2012-10-31 | 北京工业大学 | 钢筋混凝土圆柱框架空间节点核芯区pc钢棒加固装置 |
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2017
- 2017-06-12 JP JP2017115295A patent/JP2019002143A/ja active Pending
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