JP2019000078A - 根菜掘り取り機 - Google Patents

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Abstract

【課題】掘り取り体にて上昇させた根菜の周囲に付着している土壌を多く取り除き、補助作業者が根菜を引き抜く労力を大きく低減する長いも等の根菜掘り取り機を提供する。【解決手段】掘り取り体3を根菜Aの下方部に通過させて掘り上げる根菜掘り取り機であって、掘り取り体3の上面は前方から後方に至るに従って上昇する傾斜面を有するベルトコンベア3aを備え、ベルトコンベア3a後端部には、ベルトコンベア3aの傾斜面を延長するように後方側に延設され、ベルトコンベア3aと略同一の幅を有した延長板4が設けられていて、延長板4は、進行方向と直交する方向の左右端が上下に回動すると共に、左右に往復動することを特徴とし、根菜の露出面積を大きく増やすことで、補助作業者が根菜を引き抜く労力を大きく低減できる長いも等の根菜掘り取り機である。【選択図】 図5

Description

本発明は、トラクタに装着されて使用される農作業機であり、牽引される機枠に取付けられ、前端部に後部が上方へ傾斜した刃部を有し、該刃部の後部に駆動される無端コンベアベルトを設けた掘り取り体を、植えつけられた長いも等の下方部を通過させ長いも等の根菜を浮き上がらせて掘り取る長いも等の根菜の掘り取り機の改良に関するものである。
長いも等の根菜の掘り取り機は、根菜を損傷することが無く効率よくスムーズに掘り取ることが要求されている。従来、このような掘り取り機械として、特開2000−139151号公報(特許文献1)の「根菜等の掘取り機」、特開2008−29230号公報(特許文献2)の「長いも掘取り装置」が開示されている。
特許文献1に開示された「根菜等の掘取り機」は、「トラクタに取付けられる基枠と、基枠に支持バーを介して支持バーに対して前方部が後方部より下方に位置するように設置され、先端には刃部を有し、前後に亙って掛け渡されるコンベヤベルトを設けられると共に、コンベヤベルトを駆動可能な駆動プーリを設けられる堀取り体とからなり、駆動プーリは、コンベヤベルト上面を後方に向けて回転する方向にのみ空転可能であることを特徴とする根菜等の堀取り機」である。また、特許文献2に開示された「長いも掘取り装置」は、「トラクタの後部に連結されて牽引される基枠の下部に取り付けられ、前部が刃部を形成し、後部が上方に傾斜した無端パワーベルトコンベアから成る掘り取り刃体を有する長いも堀取り装置において、前記無端パワーベルトコンベアの後部に振動板を上下に揺動する振動板揺動機構を連設して成り、前記掘り取り刃体により掘り起こした長いもに付着する栽培土を振り落とすようにしたことを特徴とする長いも掘取り装置。」である。
特開2000−139151号公報 特開2008−29230号公報
刃部の後部に駆動される傾斜した無端ベルトコンベアを設けた掘り取り体を、植え付けられた長いも等の根菜の下方部を通過させ、長いも等の根菜を浮き上がらせて掘り取る長いも等の根菜の掘り取り機は、根菜を損傷することが無くスムーズに掘り取ることが要求される。また、掘り取り体によって上昇させた根菜をスムーズに補助作業者が抜き取れるようにすることにより作業効率が向上する。
このため、特許文献1の根菜等の掘取り機は、進行方向後方側に駆動される無端ベルトコンベアを設けている。また、特許文献2の長いも掘取り装置は、無端ベルトコンベアの後部に振動板を上下に揺動する振動板揺動機構を設けて、長いもに付着した土塊を振り落とすように構成されているが、土壌の条件によっては、有効に長いも等の根菜の周囲の土壌が崩れずに根菜が引き抜けなかったり、振動板揺動機構の後端から根菜が土壌と共に急激に落下して根菜に損傷を与えたりして、効率が良い作業が行えないという問題があった。
このことから本発明の目的は、ベルトコンベアにて上昇させた根菜の周囲に付着している土壌を効率良く崩して、根菜を損傷させることなく、補助作業者が根菜を引き抜く労力を大きく低減する長いも等の根菜掘り取り機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、掘り取り体を長いも等の根菜の下方部に通過させて長いも等の根菜を浮き上がらせて掘り上げる長いも等の根菜掘り取り機であって、前記掘り取り体は、前部に備えられた後ろ上がり傾斜の刃部と、該刃部後端部から後方側に延びて上面は前方から後方に至るに従って上昇する傾斜面を有するベルトコンベア部を備え、該ベルトコンベア部後端部には、ベルトコンベアの傾斜面を延長するように後方側に延設され、ベルトコンベアと略同一の幅を有した延長板が設けられていて、該延長板は、進行方向と直交する方向の左右端が上下に回動すると共に、左右に往復動することを特徴とした長いも等の根菜掘り取り機である。
また、上記課題を解決するために、請求項2に係る発明は、前記延長板の作動は油圧モータによって駆動され、油圧モータの出力軸には偏心軸が設けられていて、該偏心軸と前記延長板は少なくとも1つの連結アームを介して連動されていることを特徴とした請求項1記載の長いも等の根菜掘り取り機である。
この発明によれば、ベルトコンベアの後端部に設けた延長板の左右端の上下振動によって、ベルトコンベアにて上昇させた根菜の周囲に付着している多くの土壌を徐々に落下させて、延長板の後端部から急激に根菜が落下して根菜が損傷することを防ぎ、根菜を土壌から露出させる。さらに、前記延長板の左右への往復動によって、従来の延長板の上下振動では取りきれない根菜の周囲に付着している土壌を徐々に振り払い落下させることで、根菜が土壌から露出される面積が大きく増え、圃場作業者が根菜を容易に把持でき、根菜を引き抜く労力を大きく低減するものである。また、上下振動と左右への往復動も加えることで、確実に根菜の周囲から土壌を崩し落とせるため、土質や圃場の条件に限定されることなく掘り取り作業が行える長いも等の根菜掘り取り機を提供できる。
本発明の実施例の根菜掘り取り機の作業状態の進行方向左側の側面図である。 本発明の実施例の根菜掘り取り機の作業状態の平面図である。 本発明の実施例の根菜掘り取り機の作業状態の後面図である。 本発明のベルトコンベア部及び延長板部の駆動部を断面した要部平面図である。 図4におけるB−B断面図である。 図5におけるC−C断面図である。 図5におけるD−D断面図である。 第2の実施例の図4におけるB−B断面図である。 図8におけるC−C断面図である。 図8におけるD−D断面図である。 第3の実施例の図4におけるB−B断面図である。 図11におけるC−C断面図である。 図11におけるD−D断面図である。
実施の一形態を、図1乃至図13に基づいて説明する。走行作業車両であるトラクタ(図示せず)の後部には昇降リンクである3点リンク機構が設けられていて、本発明の根菜掘り取り機前方部の装着部と昇降自在に連結されると共に、トラクタ側から出力される動力によって駆動される。本例の説明においては、図1に示す左側を進行方向前方側として説明する。
図1乃至図3に示す機体を保持する機枠1は、板状体を相互に左右対向させた状態に形成する。そして、機枠1の前方先端には板状体相互間に固定され左右先端部にロアリンクピン1fを設けた丸棒状フレームが板状体を連結固定し、さらに機枠1の後端にはブラケット1bを上方へ向け突設する。
機枠1の前方部には、マストフレーム1aが設けられている。マストフレーム1aは板状体からなり、左右対向させた状態に機枠1に連結されている。マストフレーム1aの下端である基部は、機枠1の前記ロアリンクピン1fを設けた丸棒状フレーム近傍に前後回動自在に回動軸1cによって保持されていて、マストフレーム1aの上部先端前方にはトップリンクピン1eを左右方向水平に設けている。また、マストフレーム1aの後方は油圧シリンダ1dの一端と連結され、油圧シリンダ1dの他端は機枠1の後部に設けたブラケット1bと連結される。そして、トップリンクピン1eと前記機枠1に設けたロアリンクピン1fによってトラクタの昇降リンクである3点リンク機構に取り付けられる。従って、油圧シリンダ1dを伸縮させることで、前記回動軸1cを中心に機枠1の後方側を上下に回動することが可能となる。油圧シリンダ1dを縮めると後述する掘削部2及び掘り取り体3が後方に回動して上昇し移動状態となる。
機枠1には、掘削部2とビーム1gが下方に延設され左右一組ずつ設けられている。掘削部2は、ビーム1gの前方側に位置し、掘り上げる長いも等の根菜Aの左右側方の土壌を掘削するものである。ビーム1gの下方端部には後述する掘り取り体3が備えられている。
掘削部2は、機枠1に下方へ向けて設けられる。掘削部2は、根菜掘り取り機を掘り取り作業状態にしたときに、土中に位置し、掘り上げる長いも等の根菜Aの左右側方の土壌を掘削し根菜Aとその周囲の土壌を持ち上げやすくする。掘削部2は、ブーム2aとその周囲に巻架された掘削チェーン20からなる。掘削チェーン20は、ローラーチェーン2eとその外周に複数取り付けられた掘削刃2fによって構成されている掘削チェーン20は、ブーム2aの機枠1側の基部に設けた駆動スプロケット2bと他端部に設けたテンションスプロケット2cとブーム2aの中間部の前方に張り出して設けたアイドラスプロケット2dに側面視三角状に巻架されている。ブーム2aは進行方向左右に対向して夫々上端を機枠1の後方側に固定される。従って、掘削チェーン20は対向する各ブーム2aに設けられ、掘り取り作業時には、対向するブーム2a間に掘り取り対象である長いも等の根菜Aを位置させて、掛け渡された掘削チェーン20を上下に駆動することで、掘り取り対象である根菜Aの左右側方の土壌を上下にかき分け膨軟にすることができる。ブーム2a先端側は長さ方向に伸縮可能で、掘削チェーン20の張り調整が行える。また、掘り取り作業中に土中から露出する掘削部2の上方部は、掘削部カバー7によって覆われている。さらに、左右側方と後方に丸パイプで成形されたサイドガード7aとリヤガード7bが設けられていて、掘削部2の可動部への作業者の接触や巻き込まれによる事故の安全上の防止がされている。
掘削部2の掘削チェーン20後方には、掘削チェーン20に近接してビーム1gが機枠1後方側から下方に延設され左右に対向して設けられ、前方視において掘削チェーン20後方に重合した位置に設けられる。ビーム1gの下端部は掘削チェーン20下端部近傍まで延設されている。ビーム1gは、上下に長い帯板状で板厚端縁が進行方向を向いた状態で機枠1に上方部を固定されている。すなわち、前記ブーム2aとビーム1gは位置関係が固定されている。
ビーム1gの下端部には、掘り取り体3が取り付けられている掘り取り体3は、前部に後ろ上がり傾斜の刃部3dを備え、該刃部後端部から後方側に延びて上面は前方から後方に至るに従って上昇する傾斜面を有する掘り取り体本体であるベルトコンベア3aと、該ベルトコンベア3a後端部に設けられ、ベルトコンベア3aの幅と約同一の平面部を有した前記ベルトコンベア3aの傾斜面を延長するように作用する延長板4を備えている。
掘り取り体3は、前記左右に位置するビーム1gの間に設けられ、ビーム1gに刃部3d近傍を固着して取り付けられている。掘り取り作業時の掘り取り体3は、掘り取り対象である長いも等の根菜Aの下方部を通過して、掘削部2によって掘削され左右側部の土が膨軟になった内側の根菜A周辺の土壌と根菜Aをベルトコンベア3aの傾斜面に載せて移動させ、根菜Aを上方に浮き上がらせるものである。
刃部3dは、鋼板製でベルトコンベア3aの幅と略同じに設けられ、根菜Aの下方部の土中をトラクタの進行によって切削していく。
前記ベルトコンベア3aは、後方端側に側面視径が大きい駆動ローラ3bを位置させ、刃部3d側の前端部から後方側に駆動ローラ3bより径が小さいサポートローラを複数配置して、ベルトを巻き付けベルコンベア3aの上面が後ろ上がりの傾斜となるように構成されている。ベルトコンベア3aは、駆動ローラ3bを掘り取り体3内に設けたコンベア駆動油圧モータ3eによってローラ駆動ギヤケース3cを介して回転駆動され、ベルトコンベア3aの上面の傾斜面が前方側から後方側に移動するように駆動される。ベルトコンベア3aの駆動ローラ3bとベルトコンベア3aを支えるサポートローラは、ベルトコンベア3aの左右に立設しているコンベア側板3fにより回転自在に保持されている。
図4において掘り取り体3のベルトコンベア3aの駆動部を説明する。掘り取り体3の左右のコンベア側板3fの中央部にはコンベア駆動油圧モータ3eが設けられてベルトコンベア3aを駆動する。ベルトコンベア3aの後端部に位置する駆動ローラ3bが左右に2個設けられ、その中間部にローラ駆動ギヤケース3cが前記コンベア駆動油圧モータ3eを取り付けて設けられていて、コンベア駆動油圧モータ3eが駆動されるとベルトコンベア3aが駆動する。
ベルトコンベア3a後端部の駆動ローラ3b後方には、延長板4が設けられ、該延長板4は、前記コンベア側板3f後方部左右に架け渡され取り付けられている延長板保持ブラケット5に回動かつ左右方向への往復動が可能に保持されている。
図4乃至図7において本発明の一例の延長板を説明する。
延長板4はベルトコンベア3aの幅と略同一でベルトコンベア3aの傾斜面を延長するように設けた平面部4aを有し、該平面部4aの略中央部には平面部4aと垂直になるように延長板支持部材4bが固着され、該延長板支持部材4bの平面部は進行方向と平行に向けられている。さらに、該延長板支持部材4bの幅の略中央付近の下方部に軸受4dが挿入されたボス4cが固着されていて、前記軸受4dにはシャフト41が挿入されている。
該シャフト41の両端に軸受42が挿入され、シャフト41の端面には軸受42が抜け落ちないようにナットで抜け止めをしている。
前記シャフト41の両端に設けられた軸受42が、後述する延長板保持ブラケット5に固着されたレール5dの溝に夫々転動可能に嵌められることにより、延長板4はレール5dの溝に沿って進行方向の左右水平に往復動が可能になると同時に、軸受42で支持されたシャフト41を中心にして回動可能になる。
延長板保持ブラケット5は、コンベア側板3fの左右に架け渡されるように取り付けられ、前記延長板保持ブラケット5は、前後に平行に2板設けられた前方支持板5bと後方支持板5cで構成される。前記前方支持板5bと後方支持板5cの夫々の内側面に、凹状の溝が進行方向に対し左右方向に形成されたレール5dが、互いの溝形成面が平行に向かい合うように固着されている。
延長板保持ブラケット5の後方支持板5cの後方面右側部には、延長板4を駆動させるための延長板駆動油圧モータ43が固着して設けてあり、該延長板駆動油圧モータ43は進行方向と平行に向けられ、延長板駆動油圧モータ43の出力軸43aは前方に向けられている。前記延長板駆動油圧モータ43の出力軸43aには2つの偏心部を設けた偏心軸44が固着されている。
該偏心軸44は延長板駆動油圧モータ43側の第1偏心部44aと、該第1偏心部44aに隣接され回転位相角をずらした位置に設けられた第2偏心部44bを有し、それぞれの偏心部は前記延長板駆動油圧モータ43の出力軸43aの回転中心から半径方向にずらした位置にピン部材が固着されている。
延長板駆動油圧モータ43の出力軸43aに固着された偏心軸44が回転することにより、第1偏心部44aと第2偏心部44bが偏心回転する。偏心軸44の延長板駆動油圧モータ43と反対側の軸端部は、延長板保持ブラケット5の前方支持板5bに設けられた偏心軸支持軸受5eに挿入して支持されている。
延長板駆動油圧モータ43の出力軸43aに固着された偏心軸44の延長板駆動油圧モータ43側の第1偏心部44aには、延長板4を進行方向と直交する方向の左右に往復動させるための往復動用連結アーム45の一端が回動可能なように挿入されている。一方、往復動用連結アーム45の他端には筒状部材が固着され、該筒状部材の内径に、延長板4の延長板支持部材4bのボス4c内の軸受4dに設けられたシャフト41を挿入することによって、延長板4は偏心軸44の第1偏心部44aと連結され、進行方向の左右水平方向への往復動が可能となる。
さらに軸方向の移動規制用の筒状のスペーサ46を、往復動用連結アーム45に固着された筒状部材とで延長板4の延長板支持部材4bのボス4cに入れられた軸受4dを挟むように挿入することで、前記延長板4が前記シャフト41の軸方向に動かなくなり、偏心軸44と延長板4の前後方向の位置関係を一定に保つことができる。
延長板駆動油圧モータ43に接続された偏心軸44の第1偏心部44aに隣接した第2偏心部44bには、延長板4を上下に回動させるための回動用連結アーム47の一端が回動可能なように挿入されている。一方、回動用連結アーム47の他端は、延長板4の延長板支持部材4bの進行方向右側の下方部に後方に向けて固着されたピン4eに挿入されることにより、延長板4は第2偏心部44bと連結され、シャフト41を中心にして回動が可能となる。
前述のように延長板駆動油圧モータ43を駆動源とし偏心軸44を介することで、延長板4自体の左右水平方向への往復動と延長板4の左右端の上下振動を同時に実行できるようにしたものである。
延長板4の左右端の上下振動によって、ベルトコンベア3aの斜面によって根菜Aと共に上昇させられた土壌を徐々に延長板側方の下方に落下させることで、延長板4の後端に至った土壌が急激に崩れ落ちることを防ぎ、根菜Aの上部を露出させる。
同時に延長板4の左右水平方向への往復動で、延長板4の左右端の上下振動で落としきれずに残った根菜Aの下方部周囲に付着した土壌を、延長板4の左右側方に徐々に振り落とすことで、根菜Aの露出面積が増大し、補助作業者が根菜Aを容易に掴み易くなる。
延長板4の左右端の上下振動と左右往復動により、根菜Aに付着する土壌が大きく減少し、根菜Aに付着している土壌が急激に崩れ落ちないため、補助作業者は根菜Aに力を入れずに楽に引き抜くことが可能になると共に、土壌と共に根菜Aが下方に落下して根菜Aを損傷させてしまうことを防ぐ。
本例においては、前述したような構成であるが、図8乃至図10に示す第2の実施例および、図11乃至図12に示す第3の実施例のように構成してもよい。なお、前述との相違点のみを述べて、前述と同様の形態は同一の符号を用いて説明を省略する。
図8乃至図10を用いて第2実施例を説明する。延長板保持ブラケット5の後方支持板5cの後方面右側部に設けられた延長板駆動油圧モータ43の出力軸43aには1つの偏心部44a’を設けた偏心軸44’が固着されている。該偏心部は前記延長板駆動油圧モータ43の出力軸43aの回転中心から半径方向にずらした位置にピン部材が固着されていて、延長板駆動油圧モータ43の出力軸43aに固着された偏心軸44’が回転することにより、偏心部44a’が偏心回転する。偏心軸44’の延長板駆動油圧モータ43と反対側の軸端部は、延長板保持ブラケット5の前方支持板5bに設けられた偏心軸支持軸受5eに挿入して支持されている。
偏心部44a’には、連結アーム45’の一端が回動可能なように挿入されている。一方、連結アーム45’の他端には筒状部材が固着され、さらに該筒状部材は延長板支持部材4bが固着されている。すなわち、延長板4と連結アーム45’は一体となり、固着されている。前記連結アーム45’に固着された筒状部材の内径にシャフト41を挿入し、さらにシャフト41の両端に軸受42を挿入し、ナットで抜け止めを行い、前記軸受42が前方支持板5bと後方支持板5cに固着されたレール5dに形成された溝に嵌められている。
これにより、延長板駆動油圧モータ43の回転は、偏心軸44’を介して延長板4の左右端の上下振動と、進行方向の左右水平方向への往復動が可能となり、掘り取り体3で上昇させた土壌を延長板4の上下振動と左右往復動で崩し落とし、根菜Aを露出させて、圃場作業者が根菜を掴み掘り取りが可能になる。
図11乃至図12を用いて第3の実施例を説明する。延長板保持ブラケット5の後方支持板5cの後方面右側部に設けられた延長板駆動油圧モータ43の出力軸43aには1つの偏心部44a’を設けた偏心軸44’が固着されていて、延長板駆動油圧モータ43と反対側の軸端部は、延長板保持ブラケット5の前方支持板5bに設けられた偏心軸支持軸受5eに挿入して支持されている。
偏心部44a’には、連結アーム45’’の一端が回動可能なように挿入され、該連結アーム45’’の他端にはピン部材が固着されている。延長板4の延長板支持部材4b’’の下方の延長板支持部材4b’’に垂直に固着された回動支点ボス4g’’があり、該回動支点ボス4g’’は前方支持板5bと後方支持板5cに挟まれるように位置し、該回動支点ボス4g’’の内径と前方支持板5bに設けた孔と後方支持板5cに設けた孔にシャフト41’’を挿入することにより1軸で固定される。さらに延長板支持部材4b’’の回動支点ボス4g’’より上方部に固着されたボス4f’’に揺動軸受48が挿入され、該揺動軸受48には前記連結アーム45’’の他端のピン部材が挿入されることにより、偏心軸44’と延長板4が連結される。
これにより、延長板駆動油圧モータ43の回転は、偏心軸44’を介して延長板4を回動支点シャフト41’’を中心に回動させることができ、延長板4の左右端を上下動させると同時に、延長板4の平面部4aの左右方向の中央付近部を左右の往復動をするものであり、掘り取り体3で上昇させた土壌を延長板4の上下振動と左右往復動で崩し落とし、根菜Aを露出させて、圃場作業者が根菜を掴み掘り取りが可能になる。
延長板4を保持する延長板支持ブラケット5は、ベルトコンベア3aの傾斜面に対し延長板4の平面部4aの角度を上下に変更するように取り付け可能で、コンベア側板3fに対する延長板支持ブラケット5の取り付け支持板5aのボルト取り付け孔部が長穴となっていて角度を変更して固定可能となっている。
図1乃至図3に示す左右のビーム1gの中間位置の上方部の後方側には、土崩し手段8が設けられている。土崩し手段8は、掘り取り体3によって上昇してきた根菜Aと土壌から土壌を左右に払い崩して根菜Aの上端部を露出させるためのものである。土崩し手段8は、進行方向に複数の丸棒状のかき分け棒が間隔を置いて直線状に並べられ、上方部を中心に下方部が進行方向と直交する方向に揺動して、土壌を払い崩す。
図1に示す機枠1中央部にはトラクタからの動力が入力される入力ギヤケース6bが設けられている。入力ギヤケース6b前方には入力軸6cが前方に向け突設されていて、トラクタのPTO軸(図示せず)と入力軸6cをユニバーサルジョイント等で連結してトラクタからの動力が入力される。入力ギヤケース6bには、入力軸6cと直交する方向の左右に出力軸が突設されていて、駆動スプロケット2bがそれぞれ固着されている。駆動スプロケット2bには、掘削部2の掘削チェーン20が巻架されていて、入力軸6cに入力された動力によって掘削チェーン20が駆動される。また、入力ギヤケース6bの上部には、油圧ポンプ6aが設けられ、入力軸6cに固着したスプロケットと油圧ポンプ6aの入力軸に固着したスプロケットとにローラーチェーンが巻架され油圧ポンプ6aが駆動される。油圧ポンプ6aで発生した油圧は、配管を通じて図4に示す、掘り取り体3内のコンベア駆動油圧モータ3eと延長板駆動油圧モータ43に送られそれぞれの油圧モータが駆動される。コンベア駆動油圧モータ3eが駆動されると、掘り取り体3のベルトコンベア3aの駆動ローラ3bが回転してベルトコンベア3aが作動する。また、延長板駆動油圧モータ43が駆動されると、延長板4が揺動する。入力ギヤケース6bの後方には土崩し手段8を駆動する出力部が設けられ、土崩し手段8を駆動する。機枠1を回動させる油圧シリンダ1dはトラクタ側にバルブを設けトラクタ側の油圧によって作動させる。
図1に示す状態は、掘り取り作業状態の姿勢を示したもので、本例の場合、掘り取り体3は地下1.2mくらいの深さに位置する。トラクタによって掘り取り機を移動等させる場合は、油圧シリンダ1dを縮ませることによって、回動軸1cを中心に機枠1後方側が図1の状態から反時計方向に回動する。これによって、機枠1後方側に固定された掘削部2下方部と掘り取り体3は回動して上昇する。さらに、トラクタの昇降リンクである3点リンク機構を上昇させると、掘削部2の下方部及び掘り取り体3が地上より上に位置して装着されたトラクタ等によって移動させることができる。
本発明の実施例の長いも等の根菜掘り取り機によって掘り取り作業を行う方法を説明する。機枠1の前方左右に設けたロアリンクピン1fをトラクタの3点リンク機構のロアリンクに連結し、機枠1前方上方部に設けたマストフレーム1aの前方側に位置するトップリンクピン1eをトラクタの3点リンク機構のトップリンクに連結して掘り取り機をトラクタに装着する。トラクタのPTO軸と入力ギヤケース6bの入力軸6cにユニバーサルジョイント等の動力伝達軸を連結してトラクタからの動力を入力できる状態にする。
掘り取りする長いも等の根菜Aが植えられている畝をトラクタに跨がせた状態に位置させ、すなわち、掘削部2の左右の掘削チェーン20の中央部に根菜Aがあるように位置させて、掘削部2及び掘り取り体3のベルトコンベア3aを駆動させる。そして、トラクタ側に設けたバルブを操作して油圧シリンダ1dを伸ばしていくと、機枠1が図1に示す状態の時計方向に回動して、これに固定された掘削部2と掘り取り体3が地中に入り込んでいく。掘り取り体3の前方の刃部3dを所定の掘り取り根菜Aの下方部に位置させたら、トラクタを前進させて掘り取り作業を開始する。
トラクタが前進することにより、掘削部2によって根菜Aの左右側方を掘削して土壌を膨軟にしていく、そして、その後方に位置する掘り取り体3のベルトコンベア3aの傾斜面に、左右の掘削チェーン20の内側に位置する土壌が載せられ根菜Aと共に後方に移動する。移動することにより根菜Aと土壌はベルトコンベア3aの傾斜面に沿って上方に浮き上げられる。浮き上がった土壌が掘り取り体3後端部に取り付けられた延長板4に移動すると、延長板4の左右端の上下回動の振動により、ベルトコンベア3aによって根菜Aと共に上昇させられた土壌を、徐々に延長板4の左右端側から掘り取り体3の下方に落下させる。さらに、延長板4自体の左右水平方向への往復動で、持ち上げられた根菜Aの周囲に付着した土壌を延長板4の左右側方に振り落とすことで、根菜Aを土壌から露出させ、補助作業者が根菜Aを掴み抜き取ることによって、掘り取りをすることができる。
本例の場合、掘り取り体3の前方に掘削部2を設けているが、必ずしも掘削部2を設けた掘り取り機でなくても本発明は実施できる。さらに、本例の場合、駆動されたベルトコンベア3aを設けているが、必ずしも駆動されたベルトコンベア3aを設けた根菜掘り取り機でなくても本発明は実施できる。
この発明は、トラクタ等の走行機後方に装着されて長いも等の根菜を掘り取るための掘り取り機に適用できる。
1 機枠
1a マストフレーム
1b ブラケット
1c 回動軸
1d 油圧シリンダ
1e トップリンクピン
1f ロアリンクピン
1g ビーム
2 掘削部
20 掘削チェーン
2a ブーム
2b 駆動スプロケット
2c テンションスプロケット
2d アイドラスプロケット
2e ローラーチェーン
2f 掘削刃
3 掘り取り体
3a ベルトコンベア
3b 駆動ローラ
3c ローラ駆動ギヤケース
3d 刃部
3e 油圧モータ
3f コンベア側板
4 延長板
4a 平面部
4b 延長板支持部材
4c ボス
4d 軸受
4e ピン
4f’’ ボス
4g’’ 回動支点ボス
41 シャフト
41’’ 回動支点シャフト
42 軸受
43 延長板駆動用油圧モータ
43a 出力軸
44 偏心軸
44’ 偏心軸
44a 第1偏心部
44a’ 偏心部
44b 第2偏心部
45 往復動用連結アーム
45’ 連結アーム
45’’ 連結アーム
46 スペーサ
47 回動用連結アーム
48 揺動軸受
5 延長板保持ブラケット
5a 取り付け支持板
5b 前方支持板
5c 後方支持板
5d レール
5e 偏心軸支持軸受
6a 油圧ポンプ
6b 入力ギヤケース
6c 入力軸
7 掘削部カバー
7a サイドガード
7b リヤガード
8 土崩し手段
A 根菜

Claims (2)

  1. 掘り取り体を長いも等の根菜の下方部に通過させて長いも等の根菜を浮き上がらせて掘り上げる長いも等の根菜掘り取り機であって、
    前記掘り取り体は、前部に備えられた後ろ上がり傾斜の刃部と、該刃部後端部から後方側に延びて上面は前方から後方に至るに従って上昇する傾斜面を有するベルトコンベア部を備え、
    該ベルトコンベア部後端部には、ベルトコンベアの傾斜面を延長するように後方側に延設され、ベルトコンベアと略同一の幅を有した延長板が設けられていて、
    該延長板は、進行方向と直交する方向の左右端が上下に回動すると共に、延長板自体が進行方向に対して左右に往復動することを特徴とした長いも等の根菜掘り取り機。
  2. 前記延長板の作動は油圧モータによって駆動され、油圧モータの出力軸には偏心軸が設けられていて、該偏心軸と前記延長板は少なくとも1つの連結アームを介して連動されていることを特徴とした請求項1記載の長いも等の根菜掘り取り機。
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