JP2018531881A - 抗菌性金属を含有する無機粒子 - Google Patents

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Abstract

粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物、前記組成物を作製する方法、コーティング組成物又はポリマー物品における、前記組成物の使用、1種又は複数の微生物の成長を阻害するための、前記組成物の使用、ならびに例えば、液体から1種又は複数の微生物を排除するための、前記組成物の使用。

Description

本発明は、一般的に、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物に関する。詳細な実施形態では、本発明は、炭酸カルシウム及び抗菌性金属、例えば銀を含む組成物に関する。本発明は、1種もしくは複数の病原菌又は微生物(microbe)を排除する、又は1種もしくは複数の病原菌の成長を阻害するためのこれらの組成物の使用にさらに関する。例えば、本発明は、ポリマー物品、コーティング組成物、表面鉱化した基材、精製系及び動物飼料におけるこれらの組成物の使用に関する。本発明は、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む前記組成物を調製する方法にも関する。
粒子状無機鉱物は、広範な用途に使用される。例えば、粒子状無機鉱物は、多数の材料、例えば接着剤、シーラント、ガラス、セラミック、フィルム、ゴム、塗料、紙及びプラスチックにおいて、フィラー又は増量剤として使用され得る。粒子状無機鉱物は、有利な性質、例えば色彩、不透明度、光沢、レオロジー、硬度、化学的耐性、耐熱性及び熱伝導性を示し得る。粒子状無機鉱物は、組成物における別の成分の量を減少させるため、例えば、組成物の毒性及び/又はコストを低下させるためにも使用され得る。
粒子状無機鉱物は、乾燥鉱物として、又は水性懸濁液中で保存、販売及び運搬されることが多い。粒子状無機鉱物は、意図されている用途で使用される数日又は数週間前まで保持されることが多い。粒子状無機鉱物は、有効な性質を得ること、又は維持することを補助する様々な添加剤と組み合わせてよい。添加剤も、粒子状無機鉱物が組み込まれている材料及び生成物のこうした有効な性質を付与することを補助する。
粒子状無機鉱物には、一定期間にわたって増加する病原菌、例えば細菌の混入が発生することがある。これは、例えば、変色又は悪臭を引き起こすことにより、粒子状無機鉱物の性質に悪影響を与える恐れがある。粒子状無機鉱物が組み込まれている追加の材料及び生成物にも混入を引き起こす恐れがある。したがって、粒子状無機鉱物を含む組成物中の病原菌の数を減少させる(例えば排除する)こと、及び/又はこうした組成物中の病原菌の成長の制限を抑制することが望ましい。
本発明の第一の態様では、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物が提供される。
ある実施形態では、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の粒子内に組み込まれている。したがって、本発明のさらなる態様では、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物であって、抗菌性金属が粒子状無機鉱物の粒子内に組み込まれている、組成物が提供される。
ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、細孔(pore)を含まない炭酸カルシウムである。したがって、本発明のさらなる態様では、炭酸カルシウム及び抗菌性金属を含む組成物であって、炭酸カルシウムが細孔を含まない、組成物が提供される。ある実施形態では、炭酸カルシウムは、抗菌性金属が堆積し得る細孔を含まない。ある実施形態では、炭酸カルシウムは、サンゴ砂ではなく、及び/又はサンゴ砂に由来しない。したがって、本発明のさらなる態様では、サンゴ砂ではなく、及び/又はサンゴ砂に由来しない炭酸カルシウム、及び抗菌性金属を含む組成物が提供される。
ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、沈降炭酸カルシウム(PCC)である。したがって、本発明のさらなる態様では、PCC及び抗菌性金属を含む組成物が提供される。
ある実施形態では、抗菌性金属は、抗菌性金属化合物の粒子の形態として組成物中に提供される。したがって、本発明のさらなる態様では、粒子状無機鉱物の粒子及び抗菌性金属化合物の粒子を含む組成物が提供される。
ある実施形態では、組成物は、水性懸濁液であり、抗菌性金属は溶液中である。したがって、本発明のさらなる態様では、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む水性懸濁液であって、抗菌性金属が溶液中である、水性懸濁液が提供される。ある実施形態では、抗菌性金属は、抗菌性金属イオンである。ある実施形態では、抗菌性金属の一部は、粒子状無機鉱物の表面に吸着していてもよい。ある実施形態では、抗菌性金属の一部は、抗菌性金属化合物を形成してもよく、これは、粒子状無機鉱物の表面に吸着していてもよい。
ある実施形態では、抗菌性金属(例えば抗菌性金属化合物)は、粒子状無機鉱物の表面に存在する(例えば吸着している)。したがって、本発明のさらなる態様では、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属(例えば抗菌性金属化合物)を含む組成物であって、抗菌性金属(例えば抗菌性金属化合物)が粒子状無機鉱物の表面に存在する(例えば吸着している)、組成物が提供される。組成物が水性懸濁液である場合、抗菌性金属の一部は、例えば抗菌性金属イオンとして、例として溶液中であってよい。
ある実施形態では、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の粒子内に組み込まれており、粒子状無機鉱物の粒子は、その構造内に包埋されている銀ナノ粒子を含まない。したがって、本発明のさらなる態様では、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物であって、抗菌性金属が粒子状無機鉱物の粒子内に組み込まれており、粒子状無機鉱物の粒子が、その構造内に包埋されている銀ナノ粒子を含まない、組成物が提供される。
ある実施形態では、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の粒子内に組み込まれており、粒子状無機鉱物の粒子内の抗菌性金属の粒子のサイズは、50nmを超える。したがって、本発明のさらなる態様では、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物であって、抗菌性金属が粒子状無機鉱物の粒子内に組み込まれており、粒子状無機鉱物の粒子内の抗菌性金属の粒子のサイズが50nmを超える、組成物が提供される。
本発明のさらなる態様では、本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液を作製する方法が提供される。この方法は、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を組み合わせる工程を含む。組成物が水性懸濁液である場合、この方法は、粒子状無機鉱物、抗菌性金属及び水を組み合わせる工程を含む。ある実施形態では、この方法は、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を組み合わせて、粒子状無機鉱物の粒子内の抗菌性金属を組み込む工程を含む。
本発明のさらなる態様では、抗菌性金属の存在下で合成粒子状無機鉱物を調製する工程を含む、本発明のいずれかの態様の組成物を作製する方法が提供される。ある実施形態では、この方法は、抗菌性金属の存在下で、沈降炭酸カルシウム(PCC)を調製する工程を含む。
本発明のさらなる態様では、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属化合物を組み合わせる工程を含む、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物を作製する方法が提供される。ある実施形態では、この方法は、粒子状無機鉱物の粒子及び抗菌性金属化合物の粒子を組み合わせる工程を含む。
本発明のさらなる態様では、1種又は複数の病原菌を排除する、又はその数を減少させるための、本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液の使用が提供される。ある実施形態では、組成物は、粒子状無機鉱物を含む組成物から、1種又は複数の病原菌を排除する、又はその数を減少させるために使用され得る。
本発明のさらなる態様では、1種又は複数の病原菌の成長を阻害するための、本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液の使用が提供され得る。ある実施形態では、組成物は、粒子状無機鉱物を含む組成物中の、1種又は複数の病原菌の成長を阻害するために使用され得る。
本発明のさらなる態様では、本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液の、コーティング組成物における使用であって、コーティング組成物がポリマー性結合剤を含む、使用が提供される。ある実施形態では、組成物又は水性懸濁液は、コーティング組成物中の1種又は複数の病原菌を排除するため、又はその数を減少させるため、又は成長を阻害するために使用される。
本発明のさらなる態様では、ポリマー性結合剤、及び本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液を含む、コーティング組成物が提供される。
本発明のさらなる態様では、本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液の、ポリマー添加剤としての使用が提供される。ある実施形態では、組成物又は水性懸濁液は、ポリマー中の1種又は複数の病原菌を排除する、又はその数を減少させる、又はその成長を阻害するために使用される。
本発明のさらなる態様では、ポリマー及び本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液を含むポリマー物品が提供される。
本発明のさらなる態様では、本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液の精製系における使用が提供される。さらなる態様では、液体から1種又は複数の病原菌を実質的に除去する、例えば除去するための、本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液の使用が提供される。
本発明のさらなる態様では、本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液の、動物飼料、例えばニワトリ飼料における使用が提供される。さらなる態様では、動物用製品における1種又は複数の病原菌を排除する、又はその数を減少させる、又はその成長を阻害するための、本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液の、動物飼料における使用が提供される。
本発明のさらなる態様では、本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液を含む、動物飼料組成物が提供される。
本発明のさらなる態様では、本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液の、表面鉱化した基材における使用が提供される。ある実施形態では、本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液は、基材の表面領域に包埋されており、及び/又は基材の表面に付着している。
本発明のさらなる態様では、表面鉱化した基材であって、その表面領域に包埋されており、及び/又はその表面に付着している、本発明のいずれかの態様の組成物又は水性懸濁液を含む基材が提供される。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、粒子状無機鉱物は、細孔を含まない。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、抗菌性金属(例えば抗菌性金属化合物)が堆積する、又は堆積し得る細孔を含まない。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、粒子状無機鉱物は、アルカリ土類金属炭酸塩、タルク、雲母、ゼオライト及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、アルカリ土類金属炭酸塩である。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、炭酸カルシウムである。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、沈降炭酸カルシウム(PCC)である。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、合成粒子状無機鉱物である。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、合成炭酸カルシウム(例えばPCC)、合成タルク、合成雲母又は合成ゼオライトである。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、サンゴ砂ではなく、サンゴ砂に由来しないアルカリ土類金属炭酸塩である。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、方解石である。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、合成方解石(例えば沈降方解石)である。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、ヴァテライトではない。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、カオリンである。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、粒子状無機鉱物は、少なくとも約10の勾配係数(steepness factor)を有する。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、少なくとも約20の勾配係数を有する。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、約10〜約90の範囲の勾配係数を有する。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、粒子状無機鉱物の粒子の少なくとも約90%が、5μmより小さい。ある実施形態では、粒子状無機鉱物の粒子の少なくとも約50%が、2μmより小さい。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、組成物は、水性スラリーである。ある実施形態では、水性スラリーは、少なくとも約50質量%の固形分含量を有する。ある実施形態では、水性スラリーは、少なくとも約60質量%の固形分含量を有する。ある実施形態では、水性スラリーは、約1200mPa.秒以下のブルックフィールド粘度を有する。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、抗菌性金属は、銀、コバルト、ニッケル、銅、鉄、水銀、鉛、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、ビスマス、金、アルミニウム、マグネシウム、ニオブ、ケイ素、タンタル、ハフニウム、ランタン、タングステン、カルシウム、チタン、バナジウム、セリウム、ストロンチウム、スズ、リチウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。ある実施形態では、抗菌性金属は、銀である。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の約0.1質量%〜約10質量%の範囲の量で組成物中に存在する。ある実施形態では、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の約0.2質量%〜約5質量%の範囲の量で組成物中に存在する。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の粒子内に組み込まれている。ある実施形態では、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物に化学的に結合して、例えば、抗菌性金属化合物を形成している。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、アルカリ土類金属炭酸塩であり、抗菌性金属は、抗菌性金属炭酸塩である。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、タルク、雲母及びゼオライトの1つ又は複数であり、抗菌性金属は、抗菌性金属ケイ酸塩である。ある実施形態では、抗菌性金属(例えば抗菌性金属化合物)は、ファンデルワールス力、ロンドン分散力、双極子−双極子相互作用、水素結合及びデバイ力の1つ又は複数により、粒子状無機鉱物に物理的に結合している。
ある実施形態では、抗菌性金属(例えば抗菌性金属化合物)は、粒子状無機鉱物の粒子全体に分散し、例えば均等に分散している。ある実施形態では、抗菌性金属(例えば抗菌性金属化合物)は、粒子状無機鉱物の粒子の核に位置している。
ある実施形態では、抗菌性金属化合物の粒子は、粒子状無機鉱物の粒子に、例えば、ファンデルワールス力、ロンドン分散力、双極子−双極子相互作用、水素結合及びデバイ力の1つ又は複数により、化学的又は物理的に結合している。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、組成物又は水性懸濁液は、1種又は複数の病原菌に対する毒性効果を有する。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、組成物は、殺生物剤を実質的に有さない、又は有さない。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、組成物は、病原菌を実質的に有さない、又は有さない。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、抗菌性金属は、金属塩である、又はそれとして示される。ある実施形態では、抗菌性金属は、金属ハロゲン化物もしくは金属硝酸塩である、又はそれとして示される。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、粒子状無機鉱物は合成であり、抗菌性金属は、合成粒子状無機鉱物の調製中に粒子状無機鉱物と組み合わせられる。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、粒子状無機鉱物は、合成であり、抗菌性金属化合物は、合成粒子状無機鉱物の調製中に形成される。
本発明のいずれかの態様のある実施形態では、組成物又は水性懸濁液は、例えば、液体又は気体中における1種又は複数の病原菌を排除する、又はその数を減少させる、又はその成長を阻害するために、液体又は気体の精製に使用される。ある実施形態では、液体は水である。ある実施形態では、気体は空気である。ある実施形態では、組成物又は水性懸濁液は、水又は空気を動物(例えばヒト)の消費に適させるために使用される。
本発明の明記されている態様の任意の詳細な1つ又は複数に関連して示される詳細、例及び好ましいものは、本発明のすべての態様に等しく適用される。すべての考えられる変形に関して、本明細書に記載されている実施形態、例及び好ましいもののいずれの組合せも、本明細書において別段指示がない限り、又は文脈に明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
粒子状無機鉱物の組成物
本明細書では、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物が提供される。本明細書に記載されている実施形態、及びそれらのすべての組み合わせは、本発明のすべての態様に等しく適用可能である。
これらの組成物中の抗菌性金属が存在することで、例えば、組成物中に存在する任意の病原菌に対する毒性効果が示され得る。例えば、抗菌性金属は、例えば、1日、又は2日間、又は3日間、又は4日間、又は5日間、又は6日間、又は7日間、又は14日間、又は21日間、又は28日間の期間にわたり、粒子状無機鉱物を含む組成物中の病原菌の数を減少させ得る。例えば、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物を含む組成物から病原菌を実質的に排除し得る(例えば完全に排除する)。例えば、抗菌性金属は、1日、又は2日間、又は3日間、又は4日間、又は5日間、又は6日間、又は7日間、又は14日間、又は21日間、又は28日間の期間にわたり、粒子状無機鉱物を含む組成物から、病原菌を実質的に排除し得る(例えば完全に排除する)。あるいは、又はさらに、抗菌性金属は、例えば1日、又は2日間、又は3日間、又は4日間、又は5日間、又は6日間、又は7日間、又は14日間、又は21日間、又は28日間の期間にわたり、組成物中の1種又は複数の病原菌の成長/増殖を抑制し得る、又は、組成物中の1種又は複数の病原菌の成長/増殖の速度を低下させ得る(すなわち成長/増殖を阻害する)。組成物中の抗菌性金属が存在することにより、例えば、粒子状無機鉱物組成物が組み込まれている生成物中もしくは上に存在する任意の病原菌に対する毒性効果を有し得、あるいは、例えば、粒子状無機鉱物組成物を含む粒子状無機鉱物組成物及び/又は生成物が適用される材料中もしくは上に存在する任意の病原菌に対する毒性効果を有し得る。
抗菌性金属の、組成物中に存在する任意の病原菌に対する毒性効果は、例えば、相対的に低い濃度でさえ、金属イオンのウイルス及び生細胞に対して毒性効果となる、微量毒性効果(oligondynamic toxic effect)のためであり得る。細胞タンパク質の金属イオンに対する親和性の高さは、細胞内にイオンが蓄積する効果のため、細胞死を引き起こし得る。例えば、銀は、スルフヒドリル基と結合して、硫化銀を形成することにより酵素が不活化され得、及び/又は、銀イオンのスルフヒドリルへの結合傾向により、細胞膜が攪乱され得る。
病原菌という用語は、例えば、原核及び真核微生物、例えば、藻、カビ、胞子、細菌、ウイルス、古細菌、原生生物、真菌、酵母を含む。こうした組成物中の抗菌性金属は、例えば、こうしたタイプの病原菌の1つ又は複数のいずれかに対して毒性効果を有し得る。例えば、抗菌性金属は、こうしたタイプの病原菌のすべてに対して、毒性効果を有し得る。例えば、抗菌性金属は、すべての病原菌に対して毒性効果を有する。
抗菌性金属は、例えば、1つ又は複数の細菌に対して毒性効果を有し得る。例えば、抗菌性金属は、ブドウ球菌属(Staphylococci)、小球菌(Micrococci)、Escherichia、大腸菌(Escherichia coli)、Pseudomonas、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、Pseudomonas vesicularis、Stenotrophomonas maltophilia、肺炎桿菌(Klebsiella pneumonia)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、表皮ブドウ球菌(S. edidermis)、Lactobacillus buchneri、PS aeuginosa、霊菌(Serratia marcescens)、Listeria monocytogenes、枯草菌(B subtilis)、セレウス菌(B cereus)、C albicans、C parapsilosis、C bordinii、Sacc cerevisae、Sacc rouxii、桃色酵母、odium sp.、Aspergillus flavus、Aspergillus fumigates、クロコウジカビ(Aspergillus niger)、Aspergillus glaugus、Penicillium notatum、Cladosporium herbarum、Trichothecium ciride、acternaria alternate、クワ暗斑病菌(Myrothecium verruccaria)、Verticillium psalliotae、桿菌(Bacilli)、サルモネラ菌(Salmonella)、赤痢菌(Shigella)、pionibacterium、レンサ球菌(Streptococci)、Cprumebacterium、Treponema、Fusobacterium、Bifidobacterium、乳酸菌(Lactobacillus)、Actinomyces、Candida、Malazessia、Aspergillus、好熱性細菌(Thermus sp.)、Propionibacterium sp.、Rhodococcus sp.、Panninobacter sp.、Caulobacter sp.、Brevundimonas sp.、Asticcacaulis sp.、Sphingomonas sp.、Rhizobium sp.、Ensifer sp.、Bradyrhizobium sp.、Tepidimonas sp.、Tepidicella sp.、Aquabacterium sp.、Pelomonas sp.、Alcaligenis sp.、Achromobacter sp.、Ralstonia sp.、Limnobacter sp.、Massilia sp.、Hydrogenophaga sp.、Acidovorax sp.、Curvibacter sp.、Delftia sp.、Rhodoferax sp.、Alishewanella sp.、Stenotrophomonas sp.、Dokdonella sp.、Methylosinus sp.、Hyphomicrobium sp.、Methylosulfomonas sp.、Methylobacteria sp.、Pseudomonas sp.、Pseudomonas putida、Pseudomonas mendocina、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas alcaligenes、Pseudomonas pseudoalcaligenes、Pseudomonas entomophila、Pseudomonas syringae、Methylobacterium extorquens、Methylobacterium radiotolerants、Methylobacterium dichloromethanicum、Methylobacterium organophilu及びHyphomicrobium zavarziniの1つ又は複数に対して毒性効果を有し得る。例えば、抗菌性金属は、こうしたタイプの細菌すべてに対して毒性効果を有し得る。例えば、抗菌性金属は、すべての細菌に対して毒性効果を有し得る。
したがって、粒子状無機鉱物を含む組成物は、病原菌を実質的に有さない。この組成物は、全体の生菌数が、ミリリットル当たり約1000コロニー形成単位(cfu)以下、例えば約800cfu/ml以下、例えば約500cfu/ml以下、例えば約100cfu/ml以下、例えば約10cfu/ml以下である場合、病原菌を「実質的に有さない」とみなされる。
組成物の全体の生菌数は、約0cfu/ml〜約1,000,000cfu/mlの範囲であり得る。例えば、組成物の全体の生菌数は、約10cfu/ml〜約1,000,000cfu/ml、例えば約100cfu/ml〜約500,000cfu/ml、例えば約100cfu/ml〜約100,000cfu/mlの範囲であり得る。組成物全体の生菌数は、約0cfu/ml〜約10,000cfu/ml、例えば約10cfu/ml〜約10,000cfu/ml、例えば約0cfu/ml〜約1000cfu/ml、例えば約10cfu/ml〜約1000cfu/ml、例えば約10cfu/ml〜約100cfu/mlの範囲であり得る。
組成物の病原菌レベル、例えば全体の生菌数は、成長培地、例えばペトリフィルム又はディップスライド(dipslide)を使用して測定され得る。試験中の材料(例えば無機粒子材料の水性懸濁液)は、緩衝液で希釈され、一定量の希釈液が成長培地(例えばペトリフィルム)に置かれる。これを48時間インキュベートし、その後、(例えば細菌の)コロニーの数を計数する。各コロニーは、単一の病原菌(例えば細菌)又はコロニー形成単位(cfu)から発達している。したがって、希釈係数で乗じたコロニーの数は、スラリー1グラム又はミリリットル当たりの元のコロニー形成単位の数に等しい。
例えば、組成物の全体の生菌数は、以下により測定できる:
− 組成物が水性スラリーである場合、容器を激しく振とうすることで組成物を完全に混合する;
− 試料の必要な質量又は体積を測定する。例えば、結果がg当たりのコロニー形成単位(cfu/g)として記録される場合、緩衝液を含有する容器を、秤に置き、秤をゼロにセットする。およそ1gのスラリーを容器中で秤量し、その質量を0.1g以内で記録する。容器の内容物は、激しく振とうすることにより混合する。結果がml当たりのコロニー形成単位(cfu/ml)として記録される場合、1mlのスラリーは、緩衝液を含有する容器に添加され得る。容器の内容物は、激しく振とうすることにより混合する;
− 希釈した試料を、成長培地に均等に分散する。プレートは、少なくとも1分間静置したままにして、ゲルを固化させてよい;
− 成長培地(例えばペトリフィルムプレート)の内容物を、30℃±2℃にて48時間±2時間、インキュベートする;
− 成長培地(例えばペトリフィルム)におけるコロニーの数を計数する;
− 成長培地(例えばペトリフィルム)におけるコロニーの数を希釈係数で乗じ、成長培地に置いた試料の質量又は体積で割ることにより、試料の全体の生菌数を計算する。例えば:
Figure 2018531881
組成物全体の生菌数は、調製した直後に測定できる(ゼロ時間における全体の生菌数)。組成物全体の生菌数は、調製の1日後、調製の3日後、調製の5日後又は調製の7日後に測定できる。組成物の全体の生菌数は、調製の1週間後まで、調製の2週間後まで、調製の3週間後まで、調製の4週間後まで、調製の5週間後まで又は調製の6週間後まで測定できる。
抗菌性金属は、例えば、組成物中の病原菌の成長速度を低下させる(例えば阻害する)ことができる。あるいは、又はさらに、抗菌性金属は、例えば、組成物から、病原菌の合計数を低下させる(例えば排除する)ことができる。例えば、一定期間後に、本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、抗菌性金属を伴わない同一の組成物の病原菌含有量未満の病原菌含有量を有し得る。例えば、一定期間後に、本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、抗菌性金属を伴わない同一の組成物の病原菌含有量より、少なくとも約20%少ない病原菌含有量を有し得る。例えば、一定期間後に、本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、抗菌性金属を伴わない同一の組成物の病原菌含有量より、少なくとも約30%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約90%少ない、病原菌含有量を有し得る。例えば、一定期間後に、本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、抗菌性金属を伴わない同一の組成物の病原菌含有量より、最大約100%、又は最大約98%、又は最大約95%、又は最大約92%未満少ない、病原菌含有量を有し得る。
期間は、例えば、調製直後、調製の1日後、調製の3日後、調製の5日後又は調製の7日後であってよい。期間は、例えば、調製の1週間後まで、調製の2週間後まで、調製の3週間後まで、調製の4週間後まで、調製の5週間後まで又は調製の6週間後までであってよい。
本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物が組み込まれている、又は適用されている任意の生成物は、粒子状無機鉱物組成物に関連して上で特定されている病原菌含有量も有する。
抗菌性金属の毒性効果により、例えば、さらなる殺生物剤を減少させた量で、又はなしで、粒子状無機鉱物を含む組成物を調製できる。これは、例えば、調節目的及び/又はコスト目的で有利である。
殺生物剤は、例えば、アルデヒド放出殺生物剤、アルデヒドベース殺生物剤、フェノール性殺生物剤、イソチアゾリン殺生物剤又はそれらの任意の混合物であってよい。殺生物剤は、ホルムアルデヒド、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、アセトアルデヒド、グリオキサル、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、2−プロペナール、フタル酸ジアルデヒド及びそれらの混合物の1つ又は複数から選択され得、また、ある実施形態では、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ベンジルアルコールモノ(ポリ)−ヘミホルマール、エチレングリコールヘミホルマール(EGHF)、[1,2−エタンジイルビス(オキシ)]−ビス−メタノール、テトラヒドロ−1,3,4,6−テトラキス(ヒドロキシルメチル)イミダゾ[4,5−d]イミダゾール−2,5(1H,3H)−ジオン(一般的に、テトラメチロールアセチレン二尿素、TMADとも呼ばれる)、オルトフェニルフェノール(OPP)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)、5−クロロ−2−メチル−2H−イソチアゾリン−3−オン(CIT)、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(BIT)、又はそれらの混合物である。殺生物剤は、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)及び1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(BIT)の組合せであってよい。殺生物剤は、例えば、アミノアルコール、例えばエタノールアミン及びジメチルエタノールアミンであってよい、又は、それを含む。殺生物剤は、例えば、アルカノールアミン、例えば2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)であってよい、又はそれを含む。
組成物中に存在する殺生物剤の量は、例えば、0ppm〜約2000ppm、例えば約5ppm〜約2000ppm、例えば約10ppm〜約2000ppm、例えば約50ppm〜約2000ppm、例えば約50ppm〜約1500ppm、例えば約50ppm〜約1000ppmの範囲であってよい。1つ又は複数の殺生物剤は、約50ppm〜約800ppm、又は約50ppm〜約650ppm、又は約50ppm〜約500ppm又は約50ppm〜約400ppmの範囲の量で組成物中に存在してよい。組成物は、例えば、約1000ppm以下の殺生物剤、例えば約800ppm以下、又は約600ppm以下、又は約500ppm以下、又は約400ppm以下、又は約300ppm以下、又は約200ppm以下、又は約100ppm以下、又は約50ppm以下、又は約10ppm以下の殺生物剤を含む場合、殺生物剤を「実質的に有さない」とみなすことができる。組成物は、例えば、殺生物剤を有さない。
組成物は、例えば、水性懸濁液であってよい。水性懸濁液の固形分含量は、例えば、組成物の約50質量%以上であってよい。例えば、組成物の固形分含量は、組成物の約55質量%又は60質量%以上であってよい。例えば、組成物の固形分含量は、組成物の約60質量%〜約85質量%、例えば約66質量%〜約82質量%、例えば約70質量%〜約80質量%の範囲であり得る。例えば、組成物の固形分含量は、組成物の約73質量%〜約79質量%であってよく、例えば組成物の固形分含量は、組成物の約76質量%であってよい。水性懸濁液の固形分含量は、水性懸濁液が乾燥した後で、含有する湿度がゼロのままである材料の質量百分率である。あるいは、組成物は、約5質量%未満の水、又は約4質量%未満の水、又は約3質量%未満の水、又は約2質量%未満の水、又は約1質量%未満の水を含む、乾燥鉱物組成物であってよい。
組成物は、例えば、約1200mPa.秒以下の粘度を有し得る。例えば、組成物は、約1100mPa.秒以下、例えば約1000mPa.秒以下、例えば約900mPa.秒以下、例えば約800mPa.秒以下、例えば約700mPa.秒以下、例えば約600mPa.秒以下、例えば約500mPa.秒以下の粘度を有し得る。例えば、組成物は、約100mPa.秒〜約1200mPa.秒、例えば約100mPa.秒〜約1000mPa.秒、例えば約100mPa.秒〜約800mPa.秒、例えば約100〜約600mPa.秒、例えば約100〜約500mPa.秒、例えば約100〜約400mPa.秒の範囲の粘度を有し得る。
特に指定のない限り、粘度は、Brookfield R.V.粘度計、又はスピンドルを含む他の類似した機器を使用して測定される。およそ200mlの試料を容器中で測定する。試料の温度は、22℃に調整する。清浄な乾燥したスピンドルを、容器内の中心位置で、試料中に浸す。速度を10rpmにセットし、粘度計のスイッチを入れる。次いで、速度を100rpmに増加させ、スピンドルを60秒±2秒間回転させる。次いで、粘度計の測定値を書き留める。
無機粒子材料
水性懸濁液として得ることが可能な任意の粒子状無機鉱物は、本発明の実施形態において使用され得る。適切な粒子状無機鉱物は、アルカリ土類金属炭酸塩(例えばドロマイト、すなわちCaMg(CO32)、金属硫酸塩(例えば石膏)、金属ケイ酸塩(例えばケイ酸カルシウム、例として珪藻土(DE)に由来するケイ酸カルシウム、ケイ酸カルシウム水和物、バーミキュライト)、金属酸化物(例えば酸化亜鉛、酸化鉄、クロミア、三酸化アンチモン又はシリカ)、珪藻土(DE)(例えば少なくとも約90%SiO2を含む)、パーライト、金属水酸化物(例えば水酸化マグネシウム)、珪灰石(例えば高アスペクト比の珪灰石)、ボーキサイト、タルク(例えばフレンチチョーク)、雲母、酸化亜鉛(例えば亜鉛白又は亜鉛華)、チタニア、二酸化チタン(例えば、鋭錐石又は金紅石)、硫化亜鉛、炭酸カルシウム(例えば沈降炭酸カルシウム(PCC)、例えば石灰、大理石及び/もしくはチョークから得られる重質炭酸カルシウム(GCC)、又は表面改質炭酸カルシウム)、硫酸バリウム(例えば重晶石、沈降硫酸バリウム(blanc fixe)又はプロセスホワイト)、硫酸カルシウム、アルミナ水和物(alumina hydrate)(例えば、アルミナ三水和物、軽質アルミナ水和物、レーキホワイト又はアルミナホワイト(transparent white))、クレイ(例えばカオリン(例えばエアフロートカオリンクレイ、水洗浄カオリンクレイ、デラミネーテッドカオリンクレイ(delaminated kaolin clay))、か焼カオリン、チャイナクレイ、ベントナイト又はイライトクレイ(例えばガムベライト(gumbelite)、加水雲母、加水白雲母、白雲母、絹雲母))、ゼオライト(例えば天然の及び合成ゼオライト)、活性炭、カーボンブラック、非晶質シリカ、緑泥石、長石、グラファイト、ハント石(huntite)、ハイドロマグネサイト、ハイドロタルサイト(hydrotacite)、マグネシア、菱苦土石(炭酸マグネシウム)、磁鉄鉱、霞石閃長岩、橄欖石、スードベーマイト(psuedoboehmite)、プロフィライト(prophylite)、ターキッシュパウダー(Turkish powder)、石粉、軽石、サンゴ砂、シリカ(例えば粉砕シリカ、ノボキュライトシリカ(novoculite silica)、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、非晶質ヒュームドシリカ)、アルミノケイ酸塩、鉱物粉末(例えばフライアッシュ、樹皮灰、ボトムアッシュ、ペットコークアッシュ(pet coke ash)、シリカヒューム、凝縮シリカヒューム、籾殻灰、スラグ、火山灰、凝灰岩、天然ポゾラン)ならびにそれらの組合せの1つ又は複数から選択され得る。粒子状無機鉱物は、列挙されている材料のいずれか1つ又は複数から選択され得る。粒子状無機鉱物は、列挙されている材料の任意の組合せの混和物も含み得る。粒子状無機鉱物は、例えば、アルカリ土類金属炭酸塩、カオリン、タルク、雲母、ゼオライト及びそれらの組み合わせから選択され得る。例えば、粒子状無機鉱物は、炭酸カルシウムであってよい。例えば、粒子状無機鉱物は、沈降炭酸カルシウムであってよい。例えば、粒子状無機鉱物は、カオリンであってよい。以下では、本発明の実施形態は、炭酸カルシウム又はカオリンについて論じられる傾向を示すことがある。しかし、本発明は、そのような実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
粒子状無機鉱物は、例えば、合成であってよい。粒子状無機鉱物は、例えば、沈降炭酸カルシウム(PCC)、合成タルク、合成雲母、合成ゼオライト又はそれらの組み合わせであってよい。
粒子状無機鉱物は、例えば、多孔性でなくてよい。例えば、粒子状無機鉱物は、抗菌性金属が堆積する、又は、堆積し得る細孔を含まなくてよい。
例えば、粒子状無機鉱物は、約0.1〜約50m2/gの範囲の表面積を有し得る。例えば、粒子状無機鉱物は、約0.5〜約50m2/g又は約1〜約50m2/gの範囲の表面積を有し得る。例えば、粒子状無機鉱物は、約2〜約45m2/g、例えば約5〜約40m2/gの範囲の表面積を有し得る。Micromeriticsにより製造されたTRISTARを使用して、Brunauer Emmett and Teller(B.E.T.)法により、粉末又は造粒物の比表面積を判定する。比表面積は、試験試料に単分子層として吸着している窒素気体の量を測定することにより判定される。吸着は、吸着物質のほぼ沸点の温度にて実行する。これは、液体窒素を含有するデュワー瓶中の試験試料を浸すことにより達成される。こうした特定の条件下で、気体の分子により覆われている面積が正確にわかる。したがって、試験材料の面積は、吸着している分子の数を測定することにより判定される。
粒子状無機鉱物は、例えば、サンゴ砂ではなく、又はサンゴ砂に由来しない。
本発明の実施形態に使用される粒子状無機鉱物が、天然に発生する供給源から得られる場合、一部の鉱物不純物が、粉砕された材料を不可避的に汚染することになる恐れがある。例えば、天然に発生する炭酸カルシウムは、他の鉱物を伴って発生する。しかし、一般に、本発明の実施形態に使用される粒子状無機鉱物は、5質量%未満、好ましくは1質量%未満の他の鉱物不純物を含有する。
炭酸カルシウムは、本発明の実施形態に関連する使用に特に適している。炭酸カルシウムの例は、重質炭酸カルシウム(GCC)、沈降炭酸カルシウム(PCC)、ドロマイト及び表面改質炭酸カルシウムを含む。炭酸カルシウムは、例えば、方解石であってよい。炭酸カルシウムは、例えば、合成方解石又は沈降方解石であってよい。炭酸カルシウムは、例えば、ヴァテライトでなくてよい。
本発明の実施形態に使用される粒子炭酸カルシウムは、粉砕して天然供給源から得ることができ、又は、沈殿させて合成的に調製することができ(PCC)、又は2つの、すなわち天然由来の粉砕した材料及び合成沈降材料の混合物を組み合わせることができる。PCCも粉砕してよい。
重質炭酸カルシウム(GCC)は、典型的には、鉱物供給源、例えばチョーク、大理石又は石灰を粉砕することにより得られ、これに、望ましい程度の粉末度を有する生成物を得るために、粒径分類工程が続くことがある。粒子状固体材料は、自原的に(autogenously)、すなわち、固体材料の粒子そのものの間の摩耗により、あるいは、粉砕される炭酸カルシウムからの異なる材料の粒子を含む粒子粉砕媒体の存在下で、粉砕されていてよい。
炭酸カルシウムの湿式粉砕は、炭酸カルシウムの水性懸濁液の形成を伴い、これは、次いで、適切な分散剤の存在下で粉砕してもよい。炭酸カルシウムの湿式粉砕に関するさらなる情報のために、例えばEP−A−614948(その内容は、参照により全体が組み込まれる)を参照できる。
PCCは、本発明の実施形態における粒子状炭酸カルシウムの供給源として使用され得、当業界で利用可能な公知の方法のいずれかにより生成できる。TAPPI Monograph Series No 30, "Paper Coating Pigments", pages 34-35は、その内容が参照により本明細書に組み込まれ、製紙産業で使用するための生成物の調製における使用に適しているが、本発明の実施形態にも関連して使用できる、沈降炭酸カルシウムを調製するための3つの主な商用プロセスについて記載している。全3つのプロセスでは、石灰を最初にか焼して、生石灰を生成し、次いで、生石灰を水中で消和して(slated)、水酸化カルシウム又は乳状石灰を得る。最初のプロセスでは、乳状石灰は、二酸化炭素気体で直接炭酸化される。このプロセスは、副生成物が形成されない利点を有し、炭酸カルシウム生成物の性質及び純度を比較的調整しやすい。第2のプロセスでは、乳状石灰を、ソーダ灰と接触させて、複分解により、炭酸カルシウムの沈殿物及び水酸化ナトリウムの溶液を生成する。水酸化ナトリウムは、このプロセスが商業的に魅力的となる場合は、炭酸カルシウムから実質的に完全に分離されるべきである。第3の主な商用のプロセスは、乳状石灰は、最初に、塩化アンモニウムと接触させて、塩化カルシウム溶液及びアンモニア気体を得る。次いで、塩化カルシウム溶液を、ソーダ灰と接触させて、複分解により、沈降炭酸カルシウム及び塩化ナトリウムの溶液を生成する。
あるいは、PCCは、石膏(硫酸カルシウム)と炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウムを反応させることにより作製される。
あるいは、PCCは、塩化カルシウムと炭酸ナトリウム又は炭酸アンモニウムを反応させることにより作製される。
PCCを作製するためのプロセスにより、きわめて純粋な炭酸カルシウ結晶及び水が生じる。結晶は、使用される特定の反応プロセスに応じて、多彩な異なる形状及びサイズで生成してよい。PCC結晶の3つの主な形態は、アラレ石型(aragonite)、菱面体型及び偏三角面体型(scalenohedra)であり、その混合物を含むすべてが、本発明の実施形態における使用に適している。炭酸カルシウム、例えばGCC又はPCCは、表面改質してもよい。炭酸カルシウムは、コーティングされていてよい。コーティングは、シラン又はその任意の塩、例えば有機シランからなってよく、それから本質的になってよく、又はそれを含んでよい。炭酸カルシウムは、脂肪酸又はその塩でコーティングされていてよい。例えば、炭酸カルシウムは、ステアリン酸塩でコーティングされていてよい。コーティングのレベルは、コーティングされている粒子状鉱物添加剤の合計質量に対して約0.1〜約10質量%、例えば約0.1〜約3質量%、例えば約0.5又は0.6又は0.7又は0.8〜約2.0質量%、例えば約1.5質量%であってよい。本明細書で使用される「コーティング」という用語は、広範に理解されるべきであり、例えば、均一なコーティング、又は粒子全体の表面積をカバーするコーティングに限定されない。表面の個別の領域がコーティングで改質されている粒子は、本発明のある実施形態の用語の範疇でコーティングされていると理解される。
粒子状無機鉱物は、粒子の少なくとも約90%が、5μmより小さくなるような粒径分布を有し得る。例えば、粒子状無機鉱物の粒子の少なくとも約91%、又は少なくとも約92%、又は少なくとも約93%、又は少なくとも約94%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約96%、又は少なくとも約97%、又は少なくとも約98%、又は少なくとも約99%が、5μmより小さくてよい。例えば、粒子状無機鉱物の粒子の約90%〜約99%、又は約92%〜約98%が、5μmより小さくてよい。
粒子状無機鉱物は、粒子の少なくとも約50%が、2μmより小さくなるような粒径分布を有し得る。例えば、粒子の少なくとも約55%、少なくとも約60%、又は少なくとも約65%が、2μmより小さくてよい。粒子状無機鉱物は、例えば、粒子の少なくとも約70%が、2μmより小さくなるような粒径分布を有し得る。例えば、粒子状無機鉱物の粒子の少なくとも約72%、又は少なくとも約75%、又は少なくとも約78%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約82%、又は少なくとも約85%、又は少なくとも約88%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%が、2μmより小さくてよい。例えば、粒子状無機鉱物の粒子の約50%〜約95%、又は約60%〜約95%、又は約70%〜約95%が、2μmより小さくてよい。
粒子状無機鉱物は、例えば、約0.2μm〜約3μmの範囲のd50を有し得る。例えば、粒子状無機鉱物は、約0.2μm〜約2.5μm、又は約0.2μm〜約2μm、又は約0.2μm〜約1.5μmの範囲のd50を有し得る。例えば、粒子状無機鉱物は、約0.5μm〜約3μm、又は約0.5μm〜約2.5μm、又は約0.5μm〜約2μm、又は約0.5μm〜約1.5μmの範囲のd50を有し得る。
粒子状無機鉱物は、少なくとも約10の勾配係数を有し得る。例えば、粒子状無機鉱物は、少なくとも約20、又は少なくとも約25、又は少なくとも約30、又は少なくとも約35の勾配係数を有し得る。粒子状無機鉱物は、例えば約10〜約90の範囲の勾配係数を有し得る。例えば、粒子状無機鉱物は、約10〜約80、又は約10〜約70、又は約10〜約60、又は約10〜約50の範囲の勾配係数を有し得る。例えば、粒子状無機鉱物は、約20〜約90、又は約20〜約80、又は約20〜約70、又は約20〜約60、又は約20〜約50、又は約20〜約40の範囲の勾配係数を有し得る。
勾配係数は、d30球相当径(粒子の30質量%がより微細である)対d70球相当径(粒子の70質量%がより微細である)の比に100を乗じたものと定義される。
特に指定のない限り、粒子状無機鉱物についての本明細書で言及されている粒径特性は、Micromeritics Instruments Corporation、Norcross、Georgia、USA(電話:+17706623620;ウェブサイト:www.micromeritics.com)により供給されたSedigraph 5100という、本明細書では「Micromeritics Sedigraph 5100 ユニット」と呼ばれる機械を使用して、粒子フィラー又は材料を、水性媒体に十分に分散した状態で沈渣させることにより、周知の手段で測定される通りである。そのような機械は、当技術分野で「球相当径」(e.s.d)と呼ばれる所定のe.s.d値未満のサイズを有する粒子の累積質量百分率の測定値及びプロットを示す。平均粒径d50は、d50値未満の球相当径を有する粒子が50質量%存在する場合における、このようにして判定される粒子のe.s.dの値である。d98、90及びd10は、d98、d90又はd10値未満の球相当径を有する粒子が、それぞれ98質量%、90質量%及び10質量%存在する場合における、このようにして判定される粒子のe.s.dの値である。
抗菌性金属
抗菌性金属は、1種又は複数の病原菌に対する毒性効果を有する任意の金属であってよい。毒性効果は、例えば、抗菌性金属が組成物中の病原菌の排除又は減少を引き起こすことを意味し得る、又は、抗菌性金属が、1種又は複数の病原菌成長/増殖速度を抑制する、もしくは低下させることを意味し得る。これは、上に記載した生成物の全体の生菌数を測定することにより判定できる。抗菌性金属は、例えば、銀、コバルト、ニッケル、銅、鉄、水銀、鉛、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、ビスマス、金、アルミニウム、マグネシウム、ニオブ、ケイ素、タンタル、ハフニウム、ランタン、タングステン、カルシウム、チタン、バナジウム、セリウム、ストロンチウム、スズ、リチウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。抗菌性金属は、例えば、銀であってよい。以下で、本発明は、銀の観点から論じられていることがある。しかし、本発明は、それ自体に限定されると解釈されるべきではない。
抗菌性金属は、例えば、元素金属、金属イオン、金属を含む化合物(例えば金属塩もしくは金属酸化物)又はそれらの組み合わせであってよい。抗菌性金属化合物の例は、ハロゲン化物(例えばハロゲン化銀、例えば塩化銀)、酸化物(例えば酸化銀)、ケイ酸塩(例えばケイ酸銀(例えば、シルバーメタシリケート(silver metasilicate)(Ag2SiO3)及びオルトケイ酸銀(silver orthosilicate)(Ag4SiO4))、塩(例えば銀塩、例えばハロゲン化銀、硝酸銀、硫酸銀、カルボン酸銀(例えば、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、クエン酸銀、乳酸銀及びサリチル酸銀))、過酸化水素/抗菌性金属(例えば過酸化水素/銀、例えばAccepta(商標)Advanced Chemical Technologiesから入手できるAccepta 8102)、酸化銅、銅塩(例えば、硫化銅、硝酸銅、炭酸銅、硫酸銅、ハロゲン化銅及びカルボン酸銅)、酸化亜鉛及び亜鉛塩(例えば、硫化亜鉛、ケイ酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、ジンクグルコネート(zinc gulconate)、乳酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、ヨウ素酸亜鉛及びヨウ化亜鉛)を含むが、それらに限定されない。ある実施形態では、抗菌性金属は、銀、銅、マグネシウム、アルミニウム、ニオブ、ケイ素、タンタル、ジルコニウム、コバルト、ハフニウム、ランタン、タングステン、カルシウム、チタン、バナジウム、セリウム、ストロンチウム、スズ及び亜鉛の1つ又は複数である。
ある実施形態では、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物を作製するためのプロセスの副生成物として作製され得る、又は、抗菌性金属と粒子状無機鉱物を反応させることにより作製され得る抗菌性金属化合物である。ある実施形態では、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物のアニオンと同一のアニオンを有する抗菌性金属化合物である。例えば、粒子状無機鉱物が、アルカリ土類金属炭酸塩である場合、抗菌性金属は、抗菌性金属炭酸塩であってよい。例えば、粒子状無機鉱物は、タルク、雲母又はゼオライトである場合、抗菌性金属は、抗菌性金属ケイ酸塩であってよい。
抗菌性金属は、例えば、粒子状無機鉱物の約0.01質量%〜約10質量%、又は粒子状無機鉱物の約0.1質量%〜約10質量%の範囲の量で組成物中に存在し得る。例えば、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の約0.01質量%〜約9質量%、又は約0.1質量%〜約9質量%、又は約0.1質量%〜約8質量%、又は約0.1質量%〜約7質量%、又は約0.1質量%〜約6質量%、又は約0.1質量%〜約5質量%、又は約0.1質量%〜約4質量%、又は約0.1質量%〜約3質量%、又は約0.1質量%〜約2質量%、又は約0.1質量%〜約1%の範囲の量で組成物中に存在し得る。例えば、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の約0.2質量%〜約10質量%、又は約0.2質量%〜約9質量%、又は約0.2質量%〜約8質量%、又は約0.2質量%〜約7質量%、又は約0.2質量%〜約6質量%、又は約0.2質量%〜約5質量%、又は約0.2質量%〜約4質量%、又は約0.2質量%〜約3質量%、又は約0.2質量%〜約2質量%、又は約0.2質量%〜約1質量%の範囲の量で組成物中に存在し得る。例えば、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の約0.5質量%〜約10質量%、又は約0.5質量%〜約9質量%、又は約0.5質量%〜約8質量%、又は約0.5質量%〜約7質量%、又は約0.5質量%〜約6質量%、又は約0.5質量%〜約5質量%、又は約0.5質量%〜約4質量%、又は約0.5質量%〜約3質量%、又は約0.5質量%〜約2質量%、又は約0.5質量%〜約1質量%の範囲の量で組成物中に存在し得る。抗菌性金属は、例えば、病原菌に毒性であるが、動物、例えばヒトには毒性ではない量で用意され得る。これは、例えば、使用できる殺生物剤のタイプ及び量の観点から、使用される組成物、詳細には製品、例えば食品包装生製品が厳密に規制され得る場合に有利なことがある。組成物中の抗菌性金属の量は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)分光法により判定できる。
抗菌性金属は、例えば、粒子状無機鉱物の粒子の構造内に包埋されていなくてよい。抗菌性金属は、例えば、粒子状無機鉱物の粒子の構造内に包埋されている銀ナノ粒子でなくてよい。抗菌性金属は、例えば、銀(例えば銀元素又は銀塩)コロイドでなくてよい。
抗菌性金属は、例えば、約50nm超のサイズを有する粒子として存在してよい。例えば、抗菌性金属は、約100nm以上、又は約200nm以上、又は約300nm以上、又は約400nm以上、又は約500nm以上、又は約600nm以上、又は約700nm以上、又は約800nm以上、又は約900nm以上、又は以上約1μmのサイズを有する粒子であってよい。例えば、抗菌性金属は、最大約100μm、又は最大約50μm、又は最大約10μmのサイズを有する粒子であってよい。
抗菌性金属は、例えば、粒子状無機鉱物(例えば無機鉱物粒子の内部で、又は表面で)と結び付くことがある。例えば、抗菌性金属は、組成物の液体媒体(例えば水性媒体)を伴う溶液中でなくてよく、又は懸濁液中でなくてよい。
ある実施形態では、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の表面に存在し得る。ある実施形態では、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の表面に吸着していてもよく、又は粒子状無機鉱物の表面に包埋されていてもよい。ある実施形態では、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の表面に化学的に結合していてもよい(例えば、粒子状無機鉱物が、アルカリ土類金属炭酸塩である場合、抗菌性金属は、表面に化学的に結合して抗菌性金属炭酸塩を形成していてもよく、又は粒子状無機鉱物が、タルク、雲母及び/又はゼオライトである場合、抗菌性金属は、表面に化学的に結合して抗菌性金属ケイ酸塩を形成していてもよい)。
ある実施形態では、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の粒子内に組み込まれている。これは、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の粒子の表面にあるだけでなく、抗菌性金属の少なくとも一部(例えばすべて)が粒子の周辺に曝露していない(すなわちそれと接触してない)ことを意味する。しかし、これは、抗菌性金属の一部が、粒子状無機鉱物の粒子の表面(例えば、コーティングの一部として、又は粒子状無機鉱物の粒子の表面(すなわち粒子状無機鉱物の粒子の部分的に内部であり部分的に外側に包埋されている))にも存在すること、又は、溶液もしくは懸濁液中に存在することを除外しない。抗菌性金属は、例えば、粒子状無機鉱物の粒子内の粒子状無機鉱物に物理的及び/又は化学的に結合していてもよい。
抗菌性金属は、粒子状無機鉱物に化学的に結合していてもよい。例えば、抗菌性金属は、共有、金属及びイオン(例えばカチオン)結合の1つ又は複数により、粒子状無機鉱物に化学的に結合していてもよい。例えば、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物に化学的に結合して抗菌性金属化合物を形成していてもよい。抗菌性金属化合物は、例えば、粒子状無機鉱物と同一のアニオンを有し得る。例えば、粒子状無機鉱物は、アルカリ土類金属炭酸塩であってよく、抗菌性金属は、アルカリ土類金属炭酸塩に結合して抗菌性炭酸塩を形成していてもよい。例えば、粒子状無機鉱物は、炭酸カルシウムであってよく、抗菌性金属は、炭酸カルシウムに結合して、抗菌性金属炭酸塩を形成していてもよい。例えば、粒子状無機鉱物は、珪藻土、タルク、雲母又はゼオライトの1つ又は複数であってよく、抗菌性金属は、珪藻土、タルク、雲母及び/又はゼオライトに結合して抗菌性金属ケイ酸塩を形成していてもよい。抗菌性金属(例えば抗菌性金属化合物、例えば抗菌性金属炭酸塩又はケイ酸塩)は、例えば、粒子状無機鉱物の結晶構造/マトリックスの一部であってよい。
抗菌性金属(例えば抗菌性金属化合物)は、粒子状無機鉱物に物理的に結合していてもよい。例えば、抗菌性金属は、ファンデルワールス力、ロンドン分散力、双極子−双極子相互作用、水素結合及びデバイ力(誘起双極子力)の1つ又は複数により、粒子状無機鉱物に物理的に結合していてもよい。例えば、抗菌性金属(例えば抗菌性メタル(meta)化合物)の粒子又は別個の領域は、粒子状無機鉱物の粒子又は別個の領域に物理的に結び付いて、凝集物を形成していてもよく、これは、例えば、粒子状無機鉱物の粒子について本明細書に記載されているものと、同一の粒径分布の特徴を有し得る。
抗菌性金属が、粒子状無機鉱物の粒子内に組み込まれている場合、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の粒子全体に分散していてもよく、例えば、粒子状無機鉱物の粒子全体に均等に分散して、例として規則的なパターンの抗菌性金属を形成していてもよい。抗菌性金属と粒子状無機鉱物の間の化学結合により形成され得る、又は粒子状無機鉱物を作製するためのプロセスの副生成物として形成され得る抗菌性金属化合物(例えば抗菌性金属化合物の領域又は粒子)は、粒子状無機鉱物の粒子全体に均等に分散していてもよい。
あるいは、抗菌性金属化合物は、粒子状無機鉱物の粒子中に不均等に分散していてもよい。例えば、抗菌性金属、例えば抗菌性金属化合物は、粒子状無機鉱物の粒子の核に位置していてもよい。例えば、粒子状無機鉱物は、抗菌性金属(例えば抗菌性金属化合物)の表面に形成されていてもよい(例えば沈降していてもよい)。例えば、アルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウムは、抗菌性金属(例えば抗菌性金属化合物)に沈降していてもよい。
抗菌性金属(例えば抗菌性金属化合物)が、粒子状無機鉱物の粒子の核に位置している場合、粒子状無機鉱物は、抗菌性金属の核又は抗菌性金属化合物の核に、化学的又は物理的に結合していてもよい。抗菌性金属化合物の核が形成される場合、抗菌性金属化合物のアニオンは、粒子状無機鉱物のアニオンと同一であってよい。抗菌性金属化合物の核が形成される場合、抗菌性金属化合物は、抗菌性金属を粒子状無機鉱物に結合させることにより、又は粒子状無機鉱物を作製するプロセスの副生成物として、形成されていてもよい。抗菌性金属化合物の核を取り巻く粒子状無機鉱物は、例えば、抗菌性金属化合物を形成するために使用される粒子状無機鉱物と同一であっても異なっていてもよい。
ある実施形態では、組成物は、粒子状無機鉱物の粒子及び抗菌性金属化合物の粒子(すなわち粒子状無機鉱物及び抗菌性金属化合物の混合物)を含む。抗菌性金属化合物のアニオンは、例えば、粒子状無機鉱物のアニオンと同一であってよい。例えば、粒子状無機鉱物は、アルカリ土類金属炭酸塩であってよく、抗菌性金属化合物は、抗菌性金属炭酸塩であってよい。例えば、粒子状無機鉱物は、タルク、雲母及び/又はゼオライトであってよく、抗菌性金属化合物は、抗菌性金属ケイ酸塩であってよい。抗菌性化合物は、例えば、粒子状無機鉱物と抗菌性金属を反応させることにより形成され得る、もしくは形成される、又は、この鉱物を作製する方法の副生成物として形成され得る、もしくは形成される抗菌性化合物であってよい。例えば、粒子状無機鉱物は、アルカリ土類金属炭酸塩であってよく、抗菌性金属化合物は、抗菌性金属炭酸塩であってよい。例えば、粒子状無機鉱物は、タルク、雲母又はゼオライトの1つ又は複数であってよく、抗菌性金属化合物は、抗菌性金属ケイ酸塩であってよい。粒子状無機鉱物及び抗菌性金属化合物の粒子は、例えば、凝集物に物理的に結合して形成してよい。凝集物は、例えば、粒子状無機鉱物の粒子について本明細書に記載されているものと、同一の粒径分布を有し得る。
あるいは、又はさらに、抗菌性金属は、組成物の液体媒体(例えば水性媒体)中の溶液中又は懸濁液中であってよい。例えば、抗菌性金属イオンは、液体(例えば水性)媒体中の溶液中又は懸濁液中であってよい。
理論に束縛されることを望むものではないが、組成物は、抗菌性金属が粒子状無機鉱物の粒子の表面にある場合、又はその中に組み込まれている場合、抗菌性金属イオン(例えば銀イオン)を周辺環境中に(例えば溶液中に)放出し、これにより抗菌効果が得られると考えられる。組成物の化学的性質及び構造は、抗菌性金属イオンが溶液中に放出される速度に影響を与え得ると考えられる。
さらなる添加剤
組成物(例えば水性懸濁液)は、他の添加剤をさらに含んでもよい。例えば、組成物(例えば水性懸濁液)は、組成物(例えば水性懸濁液)のpHに影響を与える1つもしくは複数のさらなる任意の添加剤、1つもしくは複数の分散剤、1つもしくは複数の増粘剤、及び/又は、1つもしくは複数の沈殿防止剤をさらに含み得る。
粒子状無機鉱物(例えば炭酸カルシウム、例えばPCC)及び抗菌性金属を含む、本明細書で開示されている組成物は、例えば、1つ又は複数の他の粒子状無機鉱物、例えば、上で、又は以下で列挙されている任意の粒子状無機鉱物とさらに組み合わせてよい。適切な粒子状無機鉱物は、以下の1つ又は複数から選択され得る:アルカリ土類金属炭酸塩(例えばドロマイト、すなわちCaMg(CO32)、金属硫酸塩(例えば石膏)、金属ケイ酸塩、金属酸化物(例えば酸化鉄、クロミア、三酸化アンチモン又はシリカ)、金属水酸化物、珪灰石、ボーキサイト、タルク(例えばフレンチチョーク)、雲母、酸化亜鉛(例えば亜鉛白又は亜鉛華)、二酸化チタン(例えば、鋭錐石又は金紅石)、硫化亜鉛、炭酸カルシウム(例えば沈降炭酸カルシウム(PCC)、例えば石灰、大理石及び/もしくはチョークから得られる重質炭酸カルシウム(GCC)、又は表面改質炭酸カルシウム)、硫酸バリウム(例えば重晶石、沈降硫酸バリウム又はプロセスホワイト)、アルミナ水和物(例えば、アルミナ三水和物、軽質アルミナ水和物、レーキホワイト又はアルミナホワイト)、クレイ(例えばカオリン、か焼カオリン、チャイナクレイ又はベントナイト)、ゼオライトならびにそれらの組み合わせ。
粒子状無機鉱物組成物を作製する方法
本明細書では、本明細書で開示されている組成物のいずれか1つを作製する方法がさらに示され、考えられるすべての組合せにおけるそのすべての実施形態を含む。
この方法は、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を組み合わせる工程を含む。組成物が水性スラリーである場合、この方法は、粒子状無機鉱物、抗菌性金属及び水を組み合わせる工程を含む。組成物が、粒子状無機鉱物の粒子及び抗菌性金属化合物の粒子を含む場合、この方法は、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属化合物を組み合わせる工程を含み得る。組み合わせる工程は、例えば、混合する工程であってよく、又はそれを含んでよい。
ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、スラリーの形態であり、スラリーは、抗菌性金属と組み合わせられる(例えば混合される)。例えば、粒子状無機鉱物は、抗菌性金属(例えば銀、例えば塩化銀の形態で)と混合されるカオリンスラリーであってよく、これは、例えば溶液中であってよい。抗菌性金属は、例えば、カチオン付着により、鉱物の粒子の表面に結び付くようになる。
ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、乾燥鉱物の形態であり、乾燥鉱物は、抗菌性金属と組み合わせられる(例えば混合される)。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、抗菌性金属(例えば銀、例えば塩化銀の形態で)と混合される乾燥カオリンの形態であってよく、これは、例えば溶液中であってよい。次いで、この混合物は、例えば、乾燥させて、抗菌性金属と添加されていることがあるいかなる水も除去してよい。抗菌性金属は、例えば、カチオン付着により、鉱物の粒子の表面に結び付くようになる。
ある実施形態では、乾燥粒子状無機鉱物及び乾燥抗菌性金属は、共に混和されて、抗菌性組成物を形成する。例えば、粒子状無機鉱物は、カオリンであってよい。例えば、抗菌性金属は、銀(例えば塩化銀の形態で)であってよい。
ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、合成鉱物であり(すなわち、天然供給源から得られず)、抗菌性金属は、その合成前、最中又は後に粒子状無機鉱物と組み合わせられる。ある実施形態では、粒子状無機鉱物は、沈降炭酸カルシウム、合成タルク、合成雲母又は合成ゼオライトであり、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物と、沈降炭酸カルシウム、合成タルク、合成雲母又は合成ゼオライトの、それぞれの合成前、最中又は後に組み合わせられる。これにより、例えば、粒子状無機鉱物の粒子内に組み込まれている抗菌性金属(例えば抗菌性金属化合物)を有する粒子状無機鉱物の粒子の形成が引き起こされ得る。
したがって、本明細書では、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物を作製する方法であって、抗菌性金属の存在下で、合成粒子状無機鉱物を作製する工程を含む方法がさらに提供される。例えば、本明細書では、抗菌性金属の存在下で、沈降炭酸カルシウム又は合成タルクを作製する方法が提供される。例えば、抗菌性金属の存在下で、粒子状無機鉱物を形成する工程を含む、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物を作製する方法が提供される。例えば、抗菌性金属(例えば抗菌性金属塩、例えば抗菌性金属ハロゲン化物)の存在下で、消石灰と二酸化炭素を反応させる工程を含む組成物を作製する方法が提供される。抗菌性金属は、例えば、粒子状無機鉱物を作製する方法の1つ又は複数の工程中に添加され得る。例えば、抗菌性金属は、沈降プロセスの様々な段階で完全に、又は徐々に添加され得る。
合成鉱物(例えば沈降炭酸カルシウム)は、上記の方法のいずれかを含む、当業界で公知の任意の方法により形成され得、抗菌性金属は、この方法の少なくとも1つの工程で添加される。
例えば、合成炭酸塩(例えば炭酸カルシウム)は、
a)金属供給源(例えばアルカリ土類金属炭酸塩、例えば石灰)をか焼する工程;
b)か焼した生成物を水で消和して、例えば水酸化カルシウム又は乳状石灰を得る工程;
c)消和した生成物を、二酸化炭素又は炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム)の供給源と接触させる工程
により形成され得、抗菌性金属は、工程a)、b)及びc)の少なくとも1つに添加される。
ある実施形態では、工程b)の生成物、例えば乳状石灰は、最初に、塩化アンモニウムと接触させて、塩化カルシウム溶液及びアンモニア気体を得る。次いで、塩化カルシウム溶液を炭酸ナトリウム(例えばソーダ灰)と接触させて、炭酸カルシウムを生成する。
抗菌性金属は、例えば、工程b)又は工程c)中に添加され得る。これにより、例えば、溶液中にイオン性抗菌性金属(例えばイオン性銀)を存在させることができる。その結果、抗菌性金属イオン(例えばイオン性抗菌性金属)は、炭酸化されて、抗菌性金属(例えば銀)炭酸塩を形成する。
工程b)及び/又は c)は、例えば、酸の存在下で実行され得る。酸は、例えば、クエン酸であってよい。
工程b)及び/又はc)は、例えば、約30℃〜約150℃の範囲の温度にて実行され得る。例えば、工程b)及び/又はc)は、約35℃〜約100℃、例えば約40℃〜約80℃、例えば約45℃〜約75℃、例えば約50℃〜約70℃、例えば約50℃〜約60℃の範囲の温度にて実行され得る。例えば、工程b)及び/又はc)は、約55℃の温度にて実行され得る。
例えば、合成炭酸塩は、抗菌性金属の存在下で、石膏(硫酸カルシウム)と、炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウムを反応させることにより形成され得る。
例えば、合成炭酸塩は、抗菌性金属の存在下で、塩化カルシウムと、炭酸ナトリウム又は炭酸アンモニウムを反応させることにより形成され得る。
本明細書に記載されている方法に使用される抗菌性金属は、元素金属、金属イオンもしくは金属を含む化合物(例えば金属塩)、又はそれらの任意の組み合わせであってよい。例えば、抗菌性金属は、抗菌性金属塩であってよい。例えば、抗菌性金属は、金属ハロゲン化物(例えば塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物、アスタチン化物(astatide))、抗菌性金属酢酸塩、抗菌性金属クエン酸塩、抗菌性金属硝酸塩、抗菌性金属亜硝酸塩、抗菌性金属リン酸塩及び抗菌性金属硫酸塩であってよい。例えば、抗菌性金属は、抗菌性金属ハロゲン化物又は抗菌性金属硝酸塩であってよい。例えば、抗菌性金属は、抗菌性金属塩化物であってよい。本明細書に記載されている方法に使用される抗菌性金属は、例えば、抗菌性金属コロイド(例えば、抗菌性元素金属コロイド又は抗菌性金属塩コロイド)でなくてよい。本明細書に記載されている方法に使用される抗菌性金属は、例えば、ナノ粒子抗菌性金属コロイドでなくてよい。
抗菌性金属が、抗菌性金属化合物の形態で得られる場合、組成物中に望ましい質量%の抗菌性金属を得るために、さらに大きい質量%の化合物が必要とされることがある。例えば、抗菌性金属化合物は、粒子状無機鉱物の約0.01〜約15質量%、又は約0.1〜約15質量%の範囲の量で使用され得る。抗菌性金属は、粒子状無機鉱物の約0.1〜約10質量%の範囲の量で最終組成物に存在し得る。
抗菌性金属は、例えば、粒子状無機鉱物を作製するためのプロセスの反応物の1つと反応して、抗菌性金属化合物を形成し得る。抗菌性金属化合物は、例えば、粒子状無機鉱物の粒子内に、及び/又は粒子状無機鉱物の表面に、及び/又は、粒子状無機鉱物に物理的に結合して、もしくは結合しないで、凝集物を形成し得る)抗菌性金属化合物の粒子として存在し得る。例えば、粒子状無機鉱物が、沈降炭酸カルシウムである場合、抗菌性金属炭酸塩は、抗菌性金属と炭酸塩反応物の反応により形成され得る。抗菌性金属が、抗菌性金属化合物粒子の形態で組成物中に存在する場合、抗菌性金属化合物は、例えば、粒子状無機鉱物の生成中に(例えば副生成物として)形成されなくてよい。例えば、抗菌性金属化合物は、粒子状無機鉱物とは独立して得られる、又は示される。
抗菌性金属は、例えば、粒子状無機鉱物と反応して、粒子状無機鉱物の粒子内に、及び/又は粒子状無機鉱物の表面に、及び/又は、粒子状無機鉱物に物理的に結合して、もしくは結合しないで、凝集物を形成する抗菌性金属化合物の粒子として存在する抗菌性金属化合物を形成し得る。
生じた粒子状無機鉱物組成物(すなわち、粒子状無機鉱物、例えばPCC及び抗菌性金属又は抗菌性金属化合物を含む)は、例えば、濾過及び/又は乾燥及び/又は摩砕及び/又はスクリーニング及び/又は脱水(例えば熱的又は機械的脱水により)して、高固形分スラリーを得ることができる。生じた粒子状無機鉱物組成物は、例えば、本明細書に記載されているようにコーティング(例えば1つ又は複数の脂肪酸で)されていてよい。
粒子状無機鉱物組成物の使用
本明細書では、粒子状無機鉱物を含む組成物における抗菌性添加剤としての抗菌性金属の使用が提供される。「抗菌性」という用語は、抗菌性金属が、1種又は複数の病原菌の成長を抑制するように、もしくは阻害(例えば成長の速度を低下させる)するように作用し、及び/又は抗菌性金属が、組成物から病原菌を減少させるように、又は実質的に排除するように、例えば排除するように作用することを意味し得る。これは、一定期間にわたって、例えば1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後又は7日後に判定され得る。これは、組成物の全体の生菌数を測定することにより判定され得る。
粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、例えば、1種又は複数の病原菌の成長を抑制又は阻害するために使用され得る。例えば、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、病原菌の数を減少させるために、又は、それを実質的に排除する、例えば排除するために、例えば1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後又は7日後に使用され得る。組成物は、例えば、それが組み込まれている任意の製品に、抗菌性を付与し得る。組成物は、例えば、任意の材料に対する抗菌効果を有し得、組成物はその材料の内部又はその上に適用されている。
粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、例えば、ポリマー組成物中の添加剤又はフィラーに使用され得る。例えば、組成物は、コーティング組成物中に(例えばそれ自体で、又は他の鉱物と)組み込まれ得、このコーティング組成物は、例えば、ポリマー性結合剤及び組成物を含み得る。コーティング組成物は、例えば、紙(ボール紙、例えば、白ボール紙及びライナー紙、段ボール紙、板紙、コーティングボール紙を含むあらゆる形態の紙)、プラスチック及び/又は金属基材をコーティングする、又はそれらに充填するために使用され得る。例えば、コーティング組成物は、包装に使用、例えば食品の包装に使用する基材をコーティングするために使用され得る。組成物は、例えば、個人用手入れ用品(personal grooming item)、例えばヘアストレートナ又はカーリングアイロンのコーティングに使用され得る。粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、例えば、接着剤及び/又はシーラント、及び/又はゴム、及び/又は目地材、及び/又は床敷物、及び/又は壁装材、及び/又は天井張り、及び/又は屋根コーティング、及び/又は包装、及び/又は個人用ケア用品(例えば化粧品、足用パウダー)、及び/又は塗料、及び/又はコーティング、及び/又は機械加工液に使用され得る。粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、例えば、衣服及び/又は靴用の繊維製品に使用され得る。
したがって、本明細書では、ポリマー、ならびに本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物を含むポリマー組成物(例えばポリマー物品)が提供される。例えば、ポリマー性結合剤、ならびに本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物を含むコーティング組成物が提供される。例えば、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物を含む、接着剤、及び/又はシーラント、及び/又はゴム、及び/又は目地剤(joint compound)、及び/又は床敷物、及び/又は壁装材、及び/又は天井張り、及び/又は屋根コーティング、及び/又は包装、及び/又は個人用ケア用品(例えば化粧品、足用パウダー)、及び/又は塗料、及び/又はコーティング組成物、及び/又は機械加工液が提供される。例えば、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物を含む繊維製品(textile)材料が提供される。
本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、例えば、精製又は濾過(例えば能動的濾過)系に使用され得る。例えば、組成物は、空気又は水の精製又は濾過(例えば能動的濾過)系に使用され得る。こうした組成物の使用は、例えば、空気又は水を動物、例えばヒトの消費に適するものとすることができる。
粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、例えば、農業に使用され得る。例えば、本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、1種又は複数の病原菌から植物(例えば作物)を保護するために使用され得る。
粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、例えば、油田用途に使用され得る。例えば、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、坑井又は掘削流体に使用され得る。
粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、例えば、機械加工液、例えば冷却液、潤滑剤、切削油及び金属加工油剤に使用され得る。
粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、例えば、個人用ケア又は個人用衛生製品に使用され得る。例えば、組成物は、化粧品(例えばメーキャップ、保湿剤)、整髪料、脱毛製品、ボディソープ、ボディパウダー、例えば足用パウダー、デオドラント及び制汗剤又は口腔衛生製品(例えば歯磨剤)に使用され得る。
本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、例えば、動物飼料に使用され得る。したがって、本明細書では、本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物を含む動物飼料組成物が提供される。動物飼料は、例えば、動物、例えば動物性製品(例えば肉、乳、卵)中の病原菌の成長を阻害し得、又は病原菌の数を減少させ得る。これにより、例えば、動物製品(例えば肉、乳、卵)の保存可能期間を延長することができる。粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物の、動物飼料中への組み込みにより、例えば、経時的に色が変化し、その結果保存可能期間を指し示すことができる特殊な色彩を有する動物性製品が得られる。例えば、動物飼料は、淡青色/灰色の卵殻を用いることがある。動物飼料は、例えば、ニワトリ飼料、ウシ飼料、ヤギ飼料、ヒツジ飼料、ウマ飼料、ブタ飼料、シカ飼料、ウサギ飼料、ネコ飼料又はイヌ飼料であり得る。
本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、例えば、表面鉱化した基材を形成するために使用され得る。つまり、本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、基材の表面領域中に包埋して、及び/又は基材の表面に付着して、表面鉱化した基材を形成していてもよい。「表面鉱化した」は、適切な条件下で、抗菌能力を有する無機粒子材料を基材の表面に適用することで、基材の表面領域に包埋されている、又は(例えば静電相互作用により)基材の表面に付着している抗菌能力を有する無機粒子材料(すなわち鉱物)を有することが可能な基材を意味する。したがって、本明細書では、表面鉱化した基材であって、前記基材の表面領域中に包埋されており、及び/又は基材の表面に付着している、本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物を有する基材を含む、表面鉱化した基材が提供される。
本明細書で使用されている、「表面領域」という用語は、基材の表面から基材本体中へと伸長する領域を意味する。この領域は、例えば基材の厚さの10%まで、例えば基材の厚さの9%まで、又は8%まで、又は7%まで、又は6%まで、又は5%まで、又は4%まで、又は3%まで、又は2%まで、又は1%までを含む。ある実施形態では、表面領域の範囲は、組成物の少なくともの一部が、基材の表面に部分的には包埋されているがすべては包埋されていないようにする。ある実施形態では、表面領域は、約20μm以下、例えば、約15μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下、又は約2μm以下、又は約1μm以下の距離(すなわち、測定点において表面に垂直に測定して)まで、表面から基材本体中へと伸長する領域である。
粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、表面領域に部分的に又は完全に包埋されていてよい。「部分的に」は、無機粒子の一部及び/又はその個々の粒子が基材のマトリックス材料、例えばポリマーで完全に覆われていないことを意味する。ある実施形態では、無機粒子材料及び/又はその個々の粒子の少なくとも一部は、外部環境に曝露するように、表面領域に部分的に包埋されている。ある実施形態では、無機粒子及び/又は個々の粒子の少なくとも一部は、基材の表面への適用後の外部環境に少なくとも部分的に曝露するようなサイズである。抗菌能力を有する無機粒子材料が、基材の表面に部分的に包埋されており、及び/又は付着している実施形態では、無機粒子材料の全体の表面積の大部分(すなわち、少なくとも50%)が、基材の表面への適用後の外部環境に曝露し得る。
疑義を避けるために付言すると、基材の表面領域に包埋されており、又は基材の表面に付着している粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、基材の表面上の位置に適用されるコーティング、又はコーティング層、又はフィルム層内に含まれない。さらに、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、硬化可能な、又は他のタイプのコーティング中の組成物の分散体(例えば、液体又は流体分散体)を作製することにより、コーティングとして調製されず、次いで、これが基材の表面に適用される。ある実施形態では、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、流体として調製されず、次いで、これが基材の表面に適用される。
有利には、ある実施形態では、基材は、基材の製造中、例えば、ポリマー基材の押出後に表面鉱化する。
表面鉱化した基材は、基材の表面に、本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物を適用する工程を含む方法により、作製することができ、基材は、組成物を包埋可能な表面領域、及び/又は組成物が付着可能な表面を有し、組成物は、さらなる加工の際に基材の表面領域に包埋されるようになり、及び/又は基材の表面に付着するようになる。
基材がポリマー基材、例えば、プラスチック基材である実施形態では、本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、基材の製造中に、又はポリマー基材の形成後に、例えば、圧縮成型、注入成型(molding)、熱成形、カレンダ加工及び押出を含む、任意の適切なプラスチックの成形(shaping)作業中に、適用され得る。
そのような実施形態では、本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、基材の表面に適用され得るが、表面は、軟化状態である。例えば、圧縮成型、注入成型又は押出プロセスでは、組成物は、成型/押出の後であるが、成型された/押し出された部品が完全に冷却する前に、適用され得る。言い換えれば、基材の表面領域の温度は、組成物が表面領域に包埋されるようになり、又は少なくとも表面に付着するようになる温度である。例えば、基材の表面領域は、基材が形成されるポリマー材料の融点の温度、又はそれより上の温度であってよい。積層又は層状基材では、ポリマー材料の最表層、表面層が、基材の最内の1つ又は複数の層より低い溶融温度を有し得るので、最内層が実質的に固体で留まる一方、最表層の表面領域が表面鉱化している操作窓が得られる。例えば、冷却することによる、及び/又は(例えば、ローラを使用して)表面に圧力をかけることによる基材のさらなる加工により、組成物が「固定される(locks−in)」。
他の実施形態では、成型された/押し出された部品は、十分に冷却し、次いで、表面領域を「再軟化」するように、例えば、溶融するように、表面部に熱が加えられ、次いで、本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物が、表面に適用される。さらに、又はあるいは、組成物は、表面を軟化又は再軟化する必要がない、成型された/押し出された部品の表面に、例えば、基材の表面と組成物の間における静電的付着により、付着され得る。ある実施形態では、組成物は、表面に静電的に、例えば、静電ピニング法により付着している。さらに、ある実施形態では、組成物は、陽性もしくは陰性に荷電し得、又は修飾され得、その結果、組成物が陽性もしくは陰性に荷電する一方で、基材は逆に荷電する(又は修飾され、その結果逆に荷電する)。これにより、適用された場合に、組成物の均一な分散を向上でき、包埋する工程の前に組成物の表面への接着も向上できる。
ある実施形態では、基材は、熱成形フィルムであり、本明細書に記載されている粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、熱成形プロセスでポリマーフィルムの表面に適用される。そのような、包装体を製造するプロセスは、通常、フィルムロール、例えば、指標付けしたフィルムロールを使用して実行されるが、典型的には、半連続プロセスに限らず、プロセスの一端で投入されるフィルムロール及び熱成形容器、例えば、プロセスの末端で製造されるトレイを用いて実行される。トレイは、通常、フィルムからのダイカットであり、プロセスの終わりに積み重ねられる。ある実施形態では、プロセスは、連続プロセスである。他の実施形態では、プロセスは、バッチプロセスであってよい。
熱成形プロセスにおける典型的な工程は、以下である:1)フィルムを加熱位置に指標付けする、2)(例えばIRにより)フィルムを加熱する、3)成型全体を指標付けする、4)プレストレッチする、5)真空にする、又は超過圧力をかける、6)冷却する、7)ダイカット全体を指標付けする、8)ダイカットする、9)排出させ積み重ねる、及び10)マトリックス廃棄物を指標付けして巻き戻す。
ある実施形態では、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、加熱前、例えば、上記の工程1)と2)の間で、熱成形フィルムに適用される(これは、IR処理により実行できるが、他の加熱技術を使用してよい)。あるいは、組成物は、フィルム加熱後に、例えば、工程2)と3)の間で適用され得る。組成物の適用は、マスキングを伴って、もしくは伴わずに行って、又は、オートメーション化(例えば、コンピュータ化)コントロールを使用して行って、ある場所における組成物の落下を抑制又は改良することができる。そのようなプロセスの利点は、熱成形生成物が形成されると、表面鉱化が望ましい場所、例えば、トレイの基体に存在し、シーリング又はフィルムの明澄度を干渉しないことが可能ということである。さらに、又はあるいは、組成物は、プラスチック基材に静電ピニングできる。熱成形プロセスは、型の隅の領域中に熱成形フィルムを真空又は超過圧力でストレッチングさせる前に、望ましい場所(例えば、トレイの基体)に圧力をかける(また、温度をさらに上げてもよい)プレストレッチャーで完了でき、この圧力により、組成物の基材の表面領域中への包埋が促進される。
フィルムがプリントされるある実施形態では、次いで、プリント後に表面鉱化プロセスが実行され得、プリントに見当が合わされ得る(すなわち、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、基材の定義されている場所で位置させ、見当が合うように適用される)。組成物の望ましい場所への適用の見当を合わせるために、アイマーク又はエレクトリックアイが使用され得る。この手法により、組成物は、既にプリントが存在する場所の裏だけではなく表側にも適用され、又は、積層フィルムで被包される。この手法では、組成物は、プリントにより隠れているフィルムの明澄度に悪影響を与えないことが可能である。
ある実施形態では、無機粒子材料及び抗菌性金属を含む組成物は、それ自体が適用前に加熱されているが、これは、熱が、熱成形フィルムに、又は注入された/押し出された基材に、直接適用されることを必要としない、又は少なくともさほど必要としないことを意味する。組成物は、ポリマー基材の表面との接点における包埋を促進するために、ポリマーの溶融温度を超える温度まで加熱する必要があり得る。他の適用方法と同様に、適用後に圧力をかけて(例えば、熱成形プロセスに使用されているプレストレッチャーにより、又は、加熱してもよいローラを使用して)、組成物の基材の表面領域中への包埋をさらに向上させることができる。
粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物の、紙製品、繊維製品及び不織布などに対する適用は、形成プロセス中に、ポリマー基材の上記の実施形態と同様に、多くの手法で適用され得る。例えば、不織布の製造中、組成物は、例えば、組成物を突出した繊維に噴霧する、もしくは吹き付けることにより、又は、突出した繊維を組成物中に引き入れることにより、最終結合工程の前、最中又は後に適用され得る。紙製品は、類似したプロセスにより、例えば、紙の製造中に、組成物を突出した繊維に(例えば、噴霧、吹き付け又は引き込みにより)適用し、続いて仕上げ工程、例えばカレンダ加工又はスーパーカレンダ加工工程を行って、組成物の、紙ウエブの表面領域中における包埋を向上させることにより作製することができる。
上記の方法のいずれかに従って、粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物は、適切な適用手段により適用され得る。ある実施形態では、組成物は、噴霧及び/又は重力式適用により、例えば、オフセットスプレー/パウダースプレーもしくは重力式フィーダ、又はそれらの組み合わせ(例えば、組成物を基材の表面に適用する噴霧器を働かせる重力式フィーダ)を使用して、適用される。現在の製造装置は、噴霧器を組み込むことで、また、重力式フィーダも組み込んでよいことで、本明細書に記載されている方法の実行に比較的容易に適合できる。
表面鉱化した基材の使用は、例えば、生鮮食品(例えば未調理の肉)用の包装に、又は包装として使用するための基材の抗菌活性を改善できる。これにより、例えば、生鮮食品の保存可能期間又は消費者へのアピールが改善できる。
表面領域に包埋されており、及び/又は基材の表面に付着している粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物の全量は、一般的に、表面鉱化した基材の全体の質量に対して約5質量%以下である。ある実施形態では、表面領域に包埋されており、及び/又は基材の表面に付着している粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物の全量は、表面鉱化した基材の全体の質量の約4質量%以下、又は約3質量%以下、又は約2質量%以下、又は約1.5質量%以下、又は約1質量%以下、又は約0.5質量%以下、又は約0.25質量%以下、又は約0.1質量%以下である。
表面鉱化した基材の表面領域における、及び/又は、表面鉱化した基材の表面に付着している粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物の量は、表面鉱化した基材を灰化することにより判定され得る。
ある実施形態では、表面鉱化した基材は、表面領域における、及び/又はその表面に付着しているもの以外の一定量の無機粒子材料、例えば、基材の化合中に組み込まれる一定量の無機粒子を含む。ある実施形態では、表面鉱化した基材は、表面領域における、及び/又はその表面に付着しているもの以外の無機粒子材料を一切含有しない。
ある実施形態では、基材は、例えばプラスチックが加工されている、又は加工されていることがあるポリマー基材であり、建造物及び構築物、日用品及び家庭用品、電気パーツ及び電子パーツ、コーティング及び積層板、輸送及びレクリエーション、食品に接触する物品及び水に接触する物品、フィルム、共押出フィルム、ならびに自動車外装及び内装パーツのための物品から選択される物品である。
ある実施形態では、基材は、脂肪族及び芳香族ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸ならびに高性能樹脂及び繊維用液晶ポリマー;ポリエステルブロックコポリマー;脂肪族及び芳香族ポリアミド、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン1212、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;共重合ポリアミド;ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン及びそれらのコポリマー;ビニルポリマー、例えばポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂及びアクリル樹脂;エチレン及び酢酸ビニルのコポリマー;フルオロカーボンポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン及びポリフッ化ビニル;ポリウレタン;セグメント化ポリウレタンエラストマー、スパンデックス又はエラステーン(elastane)エラストマー;ポリエーテル、例えばポリアセタール;ポリケトン、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及びポリエーテルケトンケトン(PEKK);ポリエーテル及びポリエステルブロックポリマー;ポリスルフィド;ポリスルホン:ポリシロキサン、例えばポリジメチルシロキサン;ポリカーボネート;熱硬化性合成ポリマー、例えばフェノール−ホルムアルデヒドコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルウレタン尿素及びポリエステルウレタン尿素;天然ポリマー、例えばセルロース系材料、綿及び羊毛と;再生又は半合成ポリマー、例えばレーヨン、銅アンモニアレーヨン、アセテートレーヨン、トリアセテートレーヨン、再構成シルク及びポリサッカリドから選択されるポリマーである。コポリマー、ターポリマー及び列挙されているポリマー化学種の混和も検討される。
ある実施形態では、ポリマーの少なくとも一部がリサイクルしたポリマー、例えば、リサイクルした使用済みポリマー廃棄物である。ある実施形態では、熱可塑性ポリマーの実質的にすべてがリサイクルされる。ある実施形態では、リサイクルしたポリマーは、ポリマー廃棄物、例えば、使用済みポリマー廃棄物、工業利用後のポリマー廃棄物、及び/又は農業利用後のポリマー廃棄物に由来する。ある実施形態では、ポリマーは、リサイクルした使用済みポリマー廃棄物である。
ある実施形態では、基材は、ポリマーフィルム又は積層板である、例えば、ポリマーフィルム、又は、食品グレードの包装用、例えば、生鮮食品、例として以下に限定されないが、未調理の肉、例えば鳥肉、例として鶏肉、及び調理済みの肉の包装用容器及び/もしくはトレイ及び/もしくはフィルムに加工できるフィルムである。ある実施形態では、ポリマー容器又はトレイは、ポリプロピレン又はPETから形成される。そのような容器及びトレイは、ポリエチレン又はポリエステル積層板の可撓性フィルムでシーリングできる。ある実施形態では、基材は、生鮮食品用の容器又はトレイに加工できる熱成形フィルムである。以下に論じるように、有利には、熱成形プロセス中に、表面鉱化が実行され得る。
ある実施形態では、基材は、セルロースベース基材、例えば、紙製品又は繊維製品である。
ある実施形態では、基材は、不織布基材である。表面鉱化した不織布基材は、製品単体、又は衣料品、家財道具、ヘルスケア、エンジニアリング、産業財及び消費財の構成要素としての使用を含む。不織布製品は、ソレーション(solation)ガウン、手術用ガウン、手術用ドレープ及びカバー、手術用マスク、手術着(surgical scrub suits)、手術帽、おむつストック(diaperstock)、生理処理用品及び他の吸収材料(例えば、清拭用ワイプ、ベビー用ワイプ)、一次及び二次カーペット用裏地(carpet backing,primary and secondary)、複合材、帆船ラミネート(marine sail laminate)、テーブルカバーラミネート、チョップドストランドマット、機械刺繍用裏地/安定剤、絶縁、家電機器に対する音響絶縁、自動車用部品及び壁パネル、枕、クッション、マットレスコア及び室内装飾用詰め物、キルト又は掛け布団の中綿、消費者用及び医療用フェイスマスク、封筒、防水シート、テント及び輸送(製材、鋼鉄)ラッピング、使い捨て衣類(フットカバー、カバーオール)、耐候性ハウスラップと、クリーンルーム用ワイプを含む。ある実施形態では、不織布基材は、家庭用に適しているワイプ、例えば、清拭用ワイプ、ベビー用ワイプである。
模範的な用途は、動物飼料、化粧品配合物、塗料、インク、ホームケア製品、動物用ケア製品、建築材料、紙製品、生地製品(例えば繊維製品)、個人用及び職場用の衛生製品、コンタクトレンズ、クロマトグラフィー材料、医療設備、局所保護剤、医薬製剤、とりわけ皮膚科学的製剤、ラッカー、コーティング、ポリマーならびにプラスチックを含むが、それらに限定されない。さらなる模範的な用途は、接着剤及びシーラント、抗菌クレンザ、石鹸、消毒剤、屋内及び屋外使用のための防汚及び抗菌塗料、防汚船舶コーティング、畜産、抗菌壁紙、抗菌仕上げ材及び漆喰、抗菌活性を有する人口装具及び骨セメント、歯科充填材、歯科プロテーゼ、胃腸感染に対する製剤、活性炭、猫用抗菌敷砂、空調(例えばフィルタ及びダクト)、空気膨張式構築物(例えばエアホール)、農業用及びマルチ用フィルム、多目的接着剤、器具及び設備、器具用接着剤及びシーラント、エプロン、人工皮革、人工植物、人工木材及びプラスチック製材、Astroturf、自動車パーツ、自動車及びトラック用室内装飾材料、天幕、バッグ、包帯、バリア生地、浴室付属物、浴槽、浴室用セメント、寝具、飲料販売機、胸当て、ボート、ボートカバー、ブックカバー、ボトル、ブラシ毛、ブラシの柄、箒、建築部材(例えば壁、壁材、床、コンクリート、羽目板、ルーフィング、こけら板、金物、カーペット掃除機、天井板、ならびに商用及び工業的応用)、ケーブル被覆材、帽子(例えばハット)、板紙、カーペット及びカーペット下張り、キャスター用車輪、猫用敷砂、臨床温度計、コート、コンパクトディスク、折り畳み可能な幌、調理器具、冷房、冷却塔、冷却水、カウンター及びテーブル天板、コンベヤベルト、カウンター天板、クレジットカード、クレート(crate)(食品及び非食品の両方に使用)、カップ、通貨、カーテン、クッションパッド、まな板、甲板材料(decking)、皿、ふきん、食器洗浄機部品、潜水用具又はシュノーケル、排水溝パイプ、掛け布、ドライフィルム塗料、運動用具、屠殺場又はクリーム製造所又は酪農品(diaries)用器具、ジム、サウナ又はマッサージ用器具、ファンブレード、繊維充填材、フィルタ、建具、フェンス、床敷物、床及びカーペットバッキング(baking)、フローリング、発泡体(例えばクッション、マットレス)、食品調理機器、食品及び飲料加工器具、食品及び飲料の容器、貯蔵庫及びバッグ、食品取扱器具、食品包装、食品及び食肉用木箱、食品トレイ及びカバー、食品ラップ、履物(例えばブーツ、スポーツ用品及び道具を含む)、果物及び野菜用ブラシ、果物用木箱、家具、ごみ袋(garbage bag)、ごみ入れ、ガーメントバッグ、ガスケット、汎用容器、グローブ、ガウン(医療用及び消費者用)、グリーストラップ、固定式温室、温室用フィルム、グラウト及び目地材、暖房、換気及び空調、病院の外面及び医療機器の消毒、ホース、製氷器及びトレイ、缶入塗料、失禁ケア製品、屋内用家具及び屋外用家具、工業用器具、エアベッド、ワイヤ及びケーブル用絶縁材、絶縁材、下着、ジャケットライナー、雑役器具(janitorial equipment)、台所及び浴室用金物、台所の流し及び据付品、キッチンタオル、積層板及びタイルの接着剤、据置バタリー、救命胴衣、ライナー、マット、マットレスカバーパッド及び充填材、マットレス接着剤、医療用及び歯科用衣料品、金属加工油剤、鉱物スラリー、移動住宅、移動トイレ、モップ、貨幣、天然繊維及び合成繊維及び生地、不織生地、油田、上着、包装材、パレット、紙製品(例えばワイプ、ティッシュペーパ、壁装材、タオル、ブックカバー、マルチ)、枕カバー、パイプ、パイプシーラント及び絶縁物質、漆喰、プラスチック、プラスチックフィルム、皿及び台所用品、遊具、配管用品及び据付品(例えば便座を含む)、配管接着剤及びシーラント、プールライナー、プロセス容器、保護カバー、レクリエーション水域、樹脂、冷蔵庫用部品、屋根板、膜組織、こけら板及び雨押え、ロープ、ラグマット、販売カウンター、帆、衛生管、シーラ、浴室用、台所用又はガラス用シール材、シート及びブランケット、靴、靴用インソール、シャワーカーテン、シャワー槽、住宅用羽目板、サイレージラップ、サイロ、流し、サイフォン、スカイライト、寝袋、寝間着、靴下及びメリヤス、スポンジ、スプリンクラ、スポーツウェア及びスポーツ用品、貯蔵容器、スタッコ、サンルーフ、サンシェード、合成ラテックスポリマー、ナプキン、タンク、テープ、防水シート、電話ボックス又は公衆電話、テント及び他のアウトドア用品、ティッキング(例えば、マットレス、枕用)、タイル、タイル用グラウト、歯ブラシの柄及びブラシ毛、トイレットペーパ及びハンカチ、トイレットブロック及び洗浄機(toilet block and cleaner)、タオル、歯ブラシ用タンブラー、玩具、上着及び衣類のトリム、トランクライナー、管材料、傘、ユニフォーム、肌着、室内装飾材料、集塵袋、壁装材及び床敷物、壁紙、ごみ袋(waste bag)、水タンク、ごみ容器、水処理、水及び氷の取扱設備及びフィルタ、ウェットスーツ、ワイプ、ワイヤ及びケーブル、木材と木粉充填プラスチックを含むが、それらに限定されない。
ある適用分野では、向上させた殺生物又は抗菌活性がいくつかの加工段階で有用になり得る。一実施形態において、本発明による組成物は、マスターバッチの形態で一定期間保存され得、マスターバッチに微生物が混入する実質的な危険性がない。当業者は、そのようなマスターバッチは、公知のマスターバッチと同じように、又は今後発見される加工法で加工できると認識する。処理したマスターバッチは、例えば、建造物及び構築物、日用品及び家庭用品、電気パーツ及び電子パーツ、衣料品、繊維製品及び生地、コーティング及び積層板、輸送及びレクリエーション、接着剤、シーラント及びグラウト、食品に接触する物品及び水に接触する物品(例えば、プラスチックボトル及びボトルキャップ)、フィルム、共押出フィルム、ならびに自動車外装及び内装パーツに有用なことがある。
本発明による組成物を含む物品又は表面鉱化した基材が製造できる模範的なプラスチック及びポリマーは、合成、天然及び半合成有機ポリマーを含む。ポリマーの例は:脂肪族及び芳香族ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸ならびに高性能樹脂及び繊維用液晶ポリマー;ポリエステルブロックコポリマー;脂肪族及び芳香族ポリアミド、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン1212、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;共重合ポリアミド;ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン及びそれらのコポリマー;ビニルポリマー、例えばポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂及びアクリル樹脂;エチレン及び酢酸ビニルのコポリマー;フルオロカーボンポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン及びポリフッ化ビニル;ポリウレタン;セグメント化ポリウレタンエラストマー、スパンデックス又はエラステーンエラストマー;ポリエーテル、例えばポリアセタール;ポリケトン、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及びポリエーテルケトンケトン(PEKK);ポリエーテル及びポリエステルブロックポリマー;ポリスルフィド;ポリスルホン:ポリシロキサン、例えばポリジメチルシロキサン;ポリカーボネート;熱硬化性合成ポリマー、例えばフェノール−ホルムアルデヒドコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルウレタン尿素及びポリエステルウレタン尿素;天然ポリマー、例えばセルロース系材料、綿及び羊毛と;再生又は半合成ポリマー、例えばレーヨン、銅アンモニアレーヨン、アセテートレーヨン、トリアセテートレーヨン、再構成シルク及びポリサッカリドを含むが、それらに限定されない。コポリマー、ターポリマー及び列挙されているポリマー化学種の混和も検討される。
以下の番号付けされたパラグラフは、本発明の詳細な実施形態を定義する:
1.粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物であって、抗菌性金属が粒子状無機鉱物の粒子内に組み込まれており、及び/又は抗菌性金属が粒子状無機鉱物の表面に存在する、組成物。
2.粒子状無機鉱物が、少なくとも約10の勾配係数を有する、パラグラフ1の組成物。
3.粒子状無機鉱物が、約10〜約90の範囲の勾配係数を有する、パラグラフ1又は2の組成物。
4.粒子状無機鉱物が、細孔を含まない、例えば、抗菌性金属が堆積し得る細孔を含まない、パラグラフ1から3のいずれか1つの組成物。
5.粒子状無機鉱物が、アルカリ土類金属炭酸塩、カオリン、タルク、雲母、ゼオライト及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、パラグラフ1から4のいずれか1つの組成物。
6.粒子状無機鉱物が、炭酸カルシウム、例えば沈降炭酸カルシウム(PCC)である、パラグラフ1から5のいずれか1つの組成物。
7.粒子状無機鉱物が、サンゴ砂ではなく、及び/又はサンゴ砂に由来しない、パラグラフ1から6のいずれか1つの組成物。
8.粒子状無機鉱物が、合成であり、例えば、合成炭酸カルシウム(例えばPCC)、合成タルク、合成雲母、合成ゼオライト又はそれらの組み合わせである、パラグラフ1から7のいずれか1つの組成物。
9.粒子状無機鉱物の粒子の少なくとも約90%が、5μmより小さい、パラグラフ1から8のいずれか1つの組成物。
10.粒子状無機鉱物の粒子の少なくとも約50%が、2μmより小さい、パラグラフ1から9のいずれか1つの組成物。
11.水性スラリーである、パラグラフ1から10のいずれか1つの組成物。
12.水性スラリーが、少なくとも約50質量%、例えば少なくとも約60質量%の固形分含量を有する、パラグラフ11の組成物。
13.水性スラリーが、約1200mPa.秒以下のブルックフィールド粘度を有する、パラグラフ11又は12の組成物。
14.抗菌性金属が、銀、コバルト、ニッケル、銅、鉄、水銀、鉛、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、ビスマス、金、アルミニウム、マグネシウム、ニオブ、ケイ素、タンタル、ハフニウム、ランタン、タングステン、カルシウム、チタン、バナジウム、セリウム、ストロンチウム、スズ、リチウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、例えば抗菌性金属が銀である、パラグラフ1から13のいずれか1つの組成物。
15.抗菌性金属が、粒子状無機鉱物の約0.1質量%〜約10質量%、例えば0.2質量%〜約5質量%の範囲の量で組成物中に存在する、パラグラフ1から14のいずれか1つの組成物。
16.抗菌性金属が、粒子状無機鉱物に化学的に結合している、パラグラフ1から17のいずれか1つの組成物。
17.粒子状無機鉱物が、アルカリ土類金属炭酸塩であり、又はそれを含み、抗菌性金属が、粒子状無機鉱物に結合して、抗菌性金属炭酸塩を形成する、パラグラフ16の組成物。
18.粒子状無機鉱物が、タルク、雲母もしくはゼオライトの1つもしくは複数であり、又はそれらを含み、抗菌性金属は、粒子状無機鉱物に結合して、抗菌性金属ケイ酸塩を形成する、パラグラフ16の組成物。
19.抗菌性金属が、粒子状無機鉱物に物理的に結合している、パラグラフ1から18のいずれか1つの組成物。
20.抗菌性金属が、ファンデルワールス力、ロンドン分散力、双極子−双極子相互作用、水素結合及びデバイ力(誘起双極子)の1つ又は複数により、粒子状無機鉱物に物理的に結合している、パラグラフ19の組成物。
21.抗菌性金属が、粒子状無機鉱物の粒子全体に分散している、例えば、全体に均等に分散している、パラグラフ1から20のいずれか1つの組成物。
22.抗菌性金属が、粒子状無機鉱物の粒子の核に位置している、パラグラフ1から21のいずれか1つの組成物。
23.1種又は複数の病原菌に対する毒性効果を有する、パラグラフ1から22のいずれか1つの組成物。
24.殺生物剤を実質的に有さない、例えば有さない、パラグラフ1から23のいずれか1つの組成物。
25.病原菌を実質的に有さない、例えば有さない、パラグラフ1から24のいずれか1つの組成物。
26.炭酸カルシウム及び抗菌性金属を含む組成物であって、炭酸カルシウムが、細孔を含まない、例えば抗菌性金属が堆積している細孔を含まず、及び/又は炭酸カルシウムが、サンゴ砂ではなく、及び/又はサンゴ砂に由来しない、組成物。
27.炭酸カルシウムが、サンゴ砂ではなく、及び/又はサンゴ砂に由来せず、及び/又は炭酸カルシウムが、細孔を含まない、例えば抗菌性金属が堆積している細孔を含まない、パラグラフ26の組成物。
28.炭酸カルシウムが、合成であり、例えば沈降炭酸カルシウムである、パラグラフ26又は27の組成物。
29.炭酸カルシウムが、少なくとも約10、例えば少なくとも約20の勾配係数を有する、パラグラフ26から28のいずれか1つの組成物。
30.炭酸カルシウムが、約10〜約90の範囲の勾配係数を有する、パラグラフ26から29のいずれか1つの組成物。
31.炭酸カルシウム粒子の少なくとも約90%が、5μmより小さい、パラグラフ26から30のいずれか1つの組成物。
32.炭酸カルシウム粒子の少なくとも約50%が、2μmより小さい、パラグラフ26から31のいずれか1つの組成物。
33.水性スラリーである、パラグラフ26から32のいずれか1つの組成物。
34.水性スラリーが、少なくとも約50質量%、例えば少なくとも約60質量%の固形分含量を有する、パラグラフ33の組成物。
35.水性スラリーが、約1200mPa.秒以下のブルックフィールド粘度を有する、パラグラフ33又は34の組成物。
36.抗菌性金属が、銀、コバルト、ニッケル、銅、鉄、水銀、鉛、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、ビスマス、金、アルミニウム、マグネシウム、ニオブ、ケイ素、タンタル、ハフニウム、ランタン、タングステン、カルシウム、チタン、バナジウム、セリウム、ストロンチウム、スズ、リチウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、例えば抗菌性金属が銀である、パラグラフ26から35のいずれか1つの組成物。
37.抗菌性金属が、炭酸カルシウムの約0.1質量%〜約10質量%、例えば0.2質量%〜約5質量%の範囲の量で組成物中に存在する、パラグラフ26から36のいずれか1つの組成物
38.抗菌性金属が、炭酸カルシウムの粒子内に組み込まれる、パラグラフ26から37のいずれか1つの組成物。
39.抗菌性金属が、炭酸カルシウムに化学的に結合している、パラグラフ26から38のいずれか1つの組成物。
40.抗菌性金属が、炭酸カルシウムに化学的に結合して抗菌性金属炭酸塩を形成している、パラグラフ39の組成物。
41.抗菌性金属が、炭酸カルシウムに物理的に結合している、パラグラフ27から40のいずれか1つの組成物。
42.抗菌性金属が、ファンデルワールス力、ロンドン分散力、双極子−双極子相互作用、水素結合及びデバイ力(誘起双極子)の1つ又は複数により炭酸カルシウムに物理的に結合している、パラグラフ41の組成物。
43.抗菌性金属(例えば抗菌性金属炭酸塩)が、粒子状無機鉱物の粒子全体に分散し、例えば均等に分散している、パラグラフ27から42のいずれか1つの組成物。
44.抗菌性金属(例えば抗菌性金属炭酸塩)が、粒子状無機鉱物の粒子の核に位置している、パラグラフ27から43のいずれか1つの組成物。
45.1種又は複数の病原菌に対する毒性効果を有する、パラグラフ27から44のいずれか1つの組成物。
46.殺生物剤を実質的に有さない、例えば有さない、パラグラフ27から45のいずれか1つの組成物。
47.病原菌を実質的に有さない、例えば有さない、パラグラフ27から46のいずれか1つの組成物。
48.沈降炭酸カルシウム及び抗菌性金属を含む組成物。
49.沈降炭酸カルシウムが、少なくとも約10、例えば少なくとも約20の勾配係数を有する、パラグラフ48の組成物。
50.沈降炭酸カルシウムが、約10〜約90の範囲の勾配係数を有する、パラグラフ48又は49の組成物。
51.沈降炭酸カルシウム粒子の少なくとも約90%が、5μmより小さい、パラグラフ48から50のいずれか1つの組成物。
52.沈降炭酸カルシウム粒子の少なくとも約50%が、2μmより小さい、パラグラフ48から51のいずれか1つの組成物。
53.水性スラリーである、パラグラフ48から52のいずれか1つの組成物。
54.水性スラリーが、少なくとも約50質量%、例えば少なくとも約60質量%の固形分含量を有する、パラグラフ53の組成物。
55.水性スラリーが、約1200mPa.秒以下のブルックフィールド粘度を有する、パラグラフ53又は54の組成物。
56.抗菌性金属が、銀、コバルト、ニッケル、銅、鉄、水銀、鉛、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、ビスマス、金、アルミニウム、マグネシウム、ニオブ、ケイ素、タンタル、ハフニウム、ランタン、タングステン、カルシウム、チタン、バナジウム、セリウム、ストロンチウム、スズ、リチウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、例えば抗菌性金属が銀である、パラグラフ48から55のいずれか1つの組成物。
57.抗菌性金属が、沈降炭酸カルシウムの約0.1質量%〜約10質量%、例えば0.2質量%〜約5質量%の範囲の量で組成物中に存在する、パラグラフ48から56のいずれか1つの組成物。
58.抗菌性金属が、沈降炭酸カルシウムの粒子内に組み込まれている、パラグラフ48から57のいずれか1つの組成物。
59.抗菌性金属が、沈降炭酸カルシウムに化学的に結合している、パラグラフ48から58のいずれか1つの組成物。
60.抗菌性金属が、沈降炭酸カルシウムに化学的に結合して、例えば抗菌性金属炭酸塩を形成している、パラグラフ59の組成物。
61.抗菌性金属が、沈降炭酸カルシウムに物理的に結合している、パラグラフ48から60のいずれか1つの組成物。
62.抗菌性金属が、ファンデルワールス力、ロンドン分散力、双極子−双極子相互作用、水素結合及びデバイ力(誘起双極子)の1つ又は複数により沈降炭酸カルシウムに物理的に結合している、パラグラフ61の組成物。
63.1種又は複数の病原菌に対する毒性効果を有する、パラグラフ48から62のいずれか1つの組成物。
64.殺生物剤を実質的に有さない、例えば有さない、パラグラフ48から63のいずれか1つの組成物。
65.病原菌を実質的に有さない、例えば有さない、パラグラフ48から64のいずれか1つの組成物。
66.粒子状無機鉱物の粒子及び抗菌性金属化合物の粒子を含む組成物。
67.粒子状無機鉱物及び/又は抗菌性金属化合物の粒子が、少なくとも約10、例えば少なくとも約20の勾配係数を有する、パラグラフ66の組成物。
68.粒子状無機鉱物及び/又は抗菌性金属化合物の粒子が、約10〜約90の範囲の勾配係数を有する、パラグラフ66又は67の組成物。
69.粒子状無機鉱物が、細孔を含まない、例えば、抗菌性金属が堆積し得る細孔を含まない、パラグラフ66から68のいずれか1つの組成物。
70.粒子状無機鉱物が、アルカリ土類金属炭酸塩、タルク、雲母、ゼオライト及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、パラグラフ66から69のいずれか1つの組成物。
71.粒子状無機鉱物が、炭酸カルシウム、例えば沈降炭酸カルシウム(PCC)である、パラグラフ66から70のいずれか1つの組成物。
72.粒子状無機鉱物が、サンゴ砂ではなく、及び/又はサンゴ砂に由来しない、パラグラフ66から71のいずれか1つの組成物。
73.粒子状無機鉱物が、合成であり、例えば、合成炭酸カルシウム(例えばPCC)、合成タルク、合成雲母、合成ゼオライト又はそれらの組み合わせである、パラグラフ66から72のいずれか1つの組成物。
74.粒子状無機鉱物の粒子、及び/又は抗菌性金属化合物の粒子の少なくとも約90%が、5μmより小さい、パラグラフ66から73のいずれか1つの組成物。
75.粒子状無機鉱物の粒子、及び/又は抗菌性金属化合物の粒子の少なくとも約50%が、2μmより小さい、パラグラフ66から74のいずれか1つの組成物。
76.水性スラリーである、パラグラフ66から75のいずれか1つの組成物。
77.水性スラリーが、少なくとも約50質量%、例えば少なくとも約60質量%の固形分含量を有する、パラグラフ76の組成物。
78.水性スラリーが、約1200mPa.秒以下のブルックフィールド粘度を有する、パラグラフ76又は77の組成物。
79.抗菌性金属が、銀、コバルト、ニッケル、銅、鉄、水銀、鉛、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、ビスマス、金、アルミニウム、マグネシウム、ニオブ、ケイ素、タンタル、ハフニウム、ランタン、タングステン、カルシウム、チタン、バナジウム、セリウム、ストロンチウム、スズ、リチウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、例えば抗菌性金属が銀である、パラグラフ66から78のいずれか1つの組成物。
80.抗菌性金属が、粒子状無機鉱物の約0.1質量%〜約10質量%、例えば0.2質量%〜約5質量%の範囲の量で組成物中に存在する、パラグラフ66から79のいずれか1つの組成物。
81.抗菌性金属化合物が、粒子状無機鉱物を作製するプロセスの副生成物として作製され得る化合物である、パラグラフ66から80のいずれか1つの組成物。
82.粒子状無機鉱物が、アルカリ土類金属炭酸塩であり、又はそれを含み、抗菌性金属化合物が抗菌性金属炭酸塩である、パラグラフ66から81のいずれか1つの組成物。
83.粒子状無機鉱物が、タルク、雲母及びゼオライトの1つもしくは複数であり、又はそれを含み、抗菌性金属化合物が抗菌性金属ケイ酸塩である、パラグラフ66から81のいずれか1つの組成物。
84.抗菌性金属化合物の粒子が、粒子状無機鉱物の粒子に物理的に結合して、凝集物を形成する、パラグラフ66から83のいずれか1つの組成物。
85.抗菌性金属化合物の粒子が、ファンデルワールス力、ロンドン分散力、双極子−双極子相互作用、水素結合及びデバイ力(誘起双極子)の1つ又は複数により粒子状無機鉱物の粒子に物理的に結合している、パラグラフ84の組成物。
86.抗菌性金属化合物の粒子が、凝集物全体に分散している、例えば均等に分散している、パラグラフ84又は85の組成物。
87.抗菌性金属化合物の粒子が、凝集物の核に位置している、パラグラフ84又は86の組成物。
88.1種又は複数の病原菌に対する毒性効果を有する、パラグラフ66から87のいずれか1つの組成物。
89.殺生物剤を実質的に有さない、例えば有さない、パラグラフ66から88のいずれか1つの組成物。
90.病原菌を実質的に有さない、例えば有さない、パラグラフ66から89のいずれか1つの組成物。
91.粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を組み合わせる工程を含む、パラグラフ1から65のいずれか1つの組成物を作製する方法。
92.粒子状無機鉱物が、合成粒子状無機鉱物であり、抗菌性金属が、合成粒子状無機鉱物の調製中に粒子状無機鉱物と組み合わせられる、パラグラフ91の方法。
93.抗菌性金属が、金属塩の形態である、パラグラフ91又は92の方法。
94.抗菌性金属が、金属ハロゲン化物、例えば金属塩化物又は金属硝酸塩の形態である、パラグラフ91から93のいずれか1つの方法。
95.抗菌性金属の存在下で、沈降炭酸カルシウム(PCC)を調製する工程を含む、パラグラフ48から65のいずれか1つの組成物を作製する方法。
96.抗菌性金属が金属塩である、パラグラフ95の方法。
97.抗菌性金属が、金属ハロゲン化物、例えば金属塩化物又は金属硝酸塩である、パラグラフ95又は96の方法。
98.粒子状無機鉱物及び抗菌性金属化合物を組み合わせる工程を含む、パラグラフ66から90のいずれか1つの組成物を作製する方法。
99.粒子状無機鉱物が、合成粒子状無機鉱物であり、抗菌性金属化合物が、合成粒子状無機鉱物の調製中に形成される、パラグラフ98の方法。
100.抗菌性金属化合物が、粒子状無機鉱物と抗菌性金属の反応に起因し得る化合物である、又は粒子状無機鉱物を形成するためのプロセスの副生成物である、パラグラフ97又は99のいずれか1つの方法。
101.粒子状無機鉱物が、アルカリ土類金属炭酸塩であり、又はそれを含み、抗菌性金属化合物が、抗菌性金属炭酸塩である、パラグラフ97から100のいずれか1つの方法。
102.粒子状無機鉱物が、タルク、雲母及びゼオライトの1つもしくは複数であり、又はそれらを含み、抗菌性金属化合物が抗菌性金属ケイ酸塩である、パラグラフ97から100のいずれか1つの方法。
103.1種もしくは複数の病原菌の成長を阻害する、又は1種もしくは複数の病原菌の数を減少させる、又はそれを実質的に排除する、例えば排除する、パラグラフ1から90のいずれか1つの組成物の使用。
104.ポリマー性結合剤及びパラグラフ1から90のいずれか1つの組成物を含むコーティング組成物。
105.ポリマー性結合剤を含むコーティング組成物における、パラグラフ1から90、及び104のいずれか1つの組成物の使用。
106.コーティング組成物が適用されている/適用されることが意図される基材において、及び/又はコーティング組成物中で、及び/又はコーティング組成物上で、コーティング組成物が、1種又は複数の病原菌の成長を阻害する、パラグラフ105の使用。
107.液体から1種又は複数の病原菌を実質的に除去する、例えば除去する、パラグラフ1から90、及び104のいずれか1つの組成物の使用。
108.液体が水である、パラグラフ107の使用。
109.1種又は複数の病原菌が、動物、例えばヒトの消費に適させるために水から除去される、パラグラフ108の使用。
110.ポリマー添加剤としての、パラグラフ1から90、及び104のいずれか1つの組成物の使用。
111.ポリマー、ならびにパラグラフ1から90、及び104のいずれか1つの組成物を含む、ポリマー物品。
研究室規模の反応器中で、消石灰とクエン酸を55℃にて使用して、二酸化炭素気体を添加することにより、沈降炭酸カルシウムを作った。炭酸化の20分後、塩化銀又は硝酸銀を添加して、0.3質量%、0.6質量%及び3質量%の銀を含む沈降炭酸カルシウムを形成した。出来上がったPCC中において0.3質量%の銀(分子量107.87)を得るためには、出来上がったPCC1kg当たり4.72gの硝酸銀(分子量169.87)が必要とされる(0.47%)。
完全に炭酸化した後で、XRF Protrace及び、硝酸試験法を使用した湿式化学分析により、組成物の銀の合計を測定した。スクリーニングしたPCCは、例えば輝度、表面積、SEMに関する通常の試験を施すことができる。
公知の高度に汚染した炭酸塩スラリーを利用することにより、また、一定量の抗菌PCC(50〜5000ppm)をそれ自体、又は、他の殺生物性物質、例えば過酸化水素と組み合わせて添加することにより、この抗菌PCC材料を抗菌活性について試験した。48時間、1週間、2週間、3週間及び4週間のインキュベーション後、従来のディプスライド/ペトリフィルムを使用して、上に記載されているように細菌レベルを測定した。さらに、抗菌PCC材料を、公知の汚染されていない炭酸塩スラリーに添加し、炭酸塩スラリーに、炭酸カルシウムスラリーと共に典型的な細菌株(例えばPseudomonas taetrolens、Pseudomonas stutzeri、Marinilabilia salmonicator、Caldimonas manganoxidans、Pseudomonas fluorens、Pseudomonas putida、セレウス菌、緑膿菌、Alkaliphilus transvaalenis、Alicyclobacillus acidocadarum、Pseudomonas tolaasii、Clostridium argentiense、Edwardsiella tarda、Clostridium thermopalmarium、Polynuclobacter necessaries、Comamonas aquatica、Tissierella creatinini、Azotobacter chroococcum、Pseudomonas mossellii、Methylobacterium brachiatum)を播種した。抗菌PCC材料は、抗菌活性を所有することが見出された。

Claims (46)

  1. 粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を含む組成物であって、抗菌性金属が、粒子状無機鉱物の粒子内に組み込まれており、粒子状無機鉱物の粒子が、その構造内に包埋されている銀ナノ粒子を含まず、及び/又は粒子状無機鉱物の粒子内の抗菌性金属の粒子のサイズが、50nmを超える、又は100nmを超える、組成物。
  2. 粒子状無機鉱物が、少なくとも約10、例えば少なくとも約20、例えば約10〜約90の範囲の勾配係数を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 粒子状無機鉱物が、細孔を含まない、例えば、抗菌性金属が堆積し得る細孔を含まない、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 粒子状無機鉱物が、アルカリ土類金属炭酸塩、タルク、雲母、ゼオライト及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 粒子状無機鉱物が、炭酸カルシウム、例えば沈降炭酸カルシウム(PCC)である、請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 粒子状無機鉱物が、方解石である、請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 粒子状無機鉱物が、サンゴ砂ではなく、及び/又はサンゴ砂に由来しない、請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 粒子状無機鉱物が、合成であり、例えば、合成炭酸カルシウム(例えばPCC)、合成タルク、合成雲母、合成ゼオライト又はそれらの組み合わせである、請求項1から7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 粒子状無機鉱物の粒子の少なくとも約90%が、5μmより小さい、請求項1から8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 粒子状無機鉱物の粒子の少なくとも約50%が、2μmより小さい、請求項1から9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 水性スラリーである、請求項1から10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 水性スラリーが、少なくとも約50質量%、例えば少なくとも約60質量%の固形分含量を有する、請求項11に記載の組成物。
  13. 水性スラリーが、約1200mPa.秒以下のブルックフィールド粘度を有する、請求項11又は12に記載の組成物。
  14. 抗菌性金属が、銀、コバルト、ニッケル、銅、鉄、水銀、鉛、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、ビスマス、金、アルミニウム、マグネシウム、ニオブ、ケイ素、タンタル、ハフニウム、ランタン、タングステン、カルシウム、チタン、バナジウム、セリウム、ストロンチウム、スズ、リチウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、例えば抗菌性金属が銀である、請求項1から13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 抗菌性金属が、粒子状無機鉱物の約0.1質量%〜約10質量%、例えば0.2質量%〜約5質量%の範囲の量で組成物中に存在する、請求項1から14のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 抗菌性金属が、粒子状無機鉱物に化学的に結合している、請求項1から17のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 粒子状無機鉱物が、アルカリ土類金属炭酸塩であり、又はそれを含み、抗菌性金属が、粒子状無機鉱物に結合して抗菌性金属炭酸塩を形成している、請求項16に記載の組成物。
  18. 粒子状無機鉱物が、タルク、雲母もしくはゼオライトの1つもしくは複数であり、又はそれを含み、抗菌性金属が、粒子状無機鉱物に結合して抗菌性金属ケイ酸塩を形成している、請求項16に記載の組成物。
  19. 抗菌性金属が、粒子状無機鉱物に物理的に結合している、請求項1から18のいずれか1項に記載の組成物。
  20. 抗菌性金属が、ファンデルワールス力、ロンドン分散力、双極子−双極子相互作用、水素結合及びデバイ力(誘起双極子)の1つ又は複数により、粒子状無機鉱物に物理的に結合している、請求項19に記載の組成物。
  21. 抗菌性金属が、粒子状無機鉱物の粒子全体に分散している、例えば全体に均等に分散している、請求項1から20のいずれか1項に記載の組成物。
  22. 抗菌性金属が、粒子状無機鉱物の粒子の核に位置している、請求項1から21のいずれか1項に記載の組成物。
  23. 1種又は複数の微生物に対する毒性効果を有する、請求項1から22のいずれか1項に記載の組成物。
  24. 殺生物剤を実質的に有さない、例えば有さない、請求項1から23のいずれか1項に記載の組成物。
  25. 微生物を実質的に有さない、例えば有さない、請求項1から24のいずれか1項に記載の組成物。
  26. 粒子状無機鉱物及び抗菌性金属を組み合わせる工程を含む、請求項1から25のいずれか1項に記載の組成物を作製する方法。
  27. 粒子状無機鉱物が、合成粒子状無機鉱物であり、抗菌性金属が、合成粒子状無機鉱物の調製中に、粒子状無機鉱物と組み合わせられる、請求項26に記載の方法。
  28. 抗菌性金属が、金属塩の形態である、請求項26又は27に記載の方法。
  29. 抗菌性金属が、金属ハロゲン化物、例えば金属塩化物又は金属硝酸塩の形態である、請求項26から28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 抗菌性金属の存在下で、沈降炭酸カルシウム(PCC)を調製する工程を含む、請求項1から25のいずれか1項に記載の組成物を作製する方法。
  31. 抗菌性金属が金属塩である、請求項30に記載の方法。
  32. 抗菌性金属が、金属ハロゲン化物、例えば金属塩化物又は金属硝酸塩である、請求項30又は31に記載の方法。
  33. 抗菌性金属塩(例えば抗菌性金属ハロゲン化物)の存在下で、消石灰と二酸化炭素気体を反応させる工程を含む、請求項30から32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 1種又は複数の微生物の成長を阻害する、又は1種又は複数の微生物の数を減少させる、又はそれを実質的に排除する、例えば排除する、請求項1から25のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  35. ポリマー性結合剤及び請求項1から25のいずれか1項に記載の組成物を含む、コーティング組成物。
  36. ポリマー性結合剤を含むコーティング組成物における、請求項1から25、及び35のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  37. コーティング組成物が適用されている/適用されることが意図される基材において、及び/又はコーティング組成物中で、及び/又はコーティング組成物上で、コーティング組成物が、1種又は複数の微生物の成長を阻害する、請求項36に記載の使用。
  38. 液体から1種又は複数の微生物を実質的に除去する、例えば除去する、請求項1から25、及び35のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  39. 液体が水である、請求項38に記載の使用。
  40. 1種又は複数の微生物が、動物、例えばヒトの消費に適させるために水から除去される、請求項39に記載の使用。
  41. ポリマー添加剤としての、請求項1から25、及び35のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  42. ポリマー、ならびに請求項1から25、及び35のいずれか1項に記載の組成物を含む、ポリマー物品。
  43. 動物飼料における、請求項1から25、及び35のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  44. 請求項1から25、及び35のいずれか1項に記載の組成物を含む、動物飼料。
  45. 基材の表面領域に包埋して、又は基材の表面に付着させて、表面鉱化した基材を形成するための、請求項1から25、及び35のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  46. 表面鉱化した基材であって、基材の表面領域に包埋されており、及び/又は基材の表面に付着している、請求項1から25、及び35のいずれか1項に記載の組成物を含む、基材。
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