JP2004323641A - 機能性材料およびそれを用いた用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性、抗菌性および揮発性有機化合物の放散量を低減する作用を有する機能性材料を提供する。
【解決手段】花崗岩系、長石系、雲母系および沸石系の鉱物・岩石の少なくとも1種を主成分とし、さらにドロマイトと炭酸リチウムとを少量含有してなる機能性材料。
【選択図】 なし
【解決手段】花崗岩系、長石系、雲母系および沸石系の鉱物・岩石の少なくとも1種を主成分とし、さらにドロマイトと炭酸リチウムとを少量含有してなる機能性材料。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周辺雰囲気のマイナスイオン数を増加させる作用(本明細書中、単にマイナスイオン数増加作用ともいう)および揮発性有機化合物の放散量を低減する作用(本明細書中、単に揮発性有機化合物低減作用ともいう)、好ましくは上記特性のほかに遠赤外線を放射する作用(本明細書中、単に遠赤外線作用ともいう)、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得る、新規な機能性材料およびそれを用いた各種用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、滝などでのレナード効果により発生するマイナスイオンが人体に好影響を及ぼすことがわかってから、生活環境、特に住環境中にマイナスイオンを取り入れようとする動きが活発になってきている。マイナスイオンとは、マイナスの電気を帯びているイオンである。空気中のマイナスイオンを大きさで区分すると、小イオンと大イオンに分類される。小イオンは電子が核になって10〜30個ほどの周囲の気体分子を引き寄せて結合体(クラスター)となったものであり、寿命(ライフタイム)は通常100秒前後である。小イオンの移動度は2.1mm/秒程度の比較的高速であることから生体に付着され易く、人体に好影響を及ぼし易いといえる。大イオンとは電子や小イオンが塵や埃などの微粒子に付着したものや小イオンが再結合したものである。小イオンと同じ形態であるが、質量は小イオンの1000倍程度と重く移動度は0.01〜0.005mm/程度と遅く、大イオンは小イオンに比べて生体に付着しにくく、人体に好影響を及ぼすことはできるが、小イオンに比べて影響が小さい。また、付着微粒子が重いほど降下しやすく、空気の浄化作用に利用されるようになっている。
【0003】
例えば、コロナ放電によりマイナスイオンを発生させて、エアコンなどの送風と共に室内にマイナスイオンを送り出すことが提案されているが、こうしたコロナ放電により発生されたマイナスイオンのライフタイムは短く、マイナスイオンが室内に満たされることは無く、極狭い空間にしか作用できないため、人体への好影響は十分に確認できないものであるほか、ランニングコストが必要となるなど高コストであり、エアコンを作動させなければマイナスイオン効果は得られず、エアコン作動中の極限られた領域にしかマイナスイオン効果が得られないため、その効果は極めて限定的である。
【0004】
また、レナード効果を利用してマイナスイオンを発生させる方法が考えられているが、超音波霧化装置等を利用して室内に霧のような水蒸気を発生させる必要があり、室内が結露したり、肌や衣類のベトツキ感による不快感を招くほか、梅雨など湿度が高い季節では、さらにカビや細菌などの発生を助長し、こうしたカビや細菌等もいっしょに室内を漂うことになり、却って人体に悪影響を及ぼす問題もある。また、こうしたレナード効果によるマイナスイオンのライフタイムも比較的短く、人体への好影響は十分に確認できないものであるほか、ランニングコストが必要となるなど高コストであり、超音波霧化装置等を作動させなければマイナスイオン効果は得られず、超音波霧化装置等作動中の極限られた領域にしかマイナスイオン効果が得られないため、その効果は極めて限定的である。
【0005】
さらに、マイナスイオンを発生するものとして電気石やトルマリンなどの天然資源を使ったものが数多く提案されている。例えば、電気石、ガーネット、バリウム、ジルコニウム、シリカ、ストロンチウム、カルシウム、燐、硫黄、塩素、又はイットリウム、ランタン、セリウム、ネオジム希土類元素を含む鉱物の1種又は2種以上の混合物からなるマイナスイオン発生鉱物と導電性物質と導電性物質拡散材とを合成樹脂に添加したことを特徴とするマイナスイオン発生合成樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これによれば、導電性物質とマイナスイオン発生鉱物と称される電気石等とが混入されたプラスチック材料が固化成形される。ここで、マイナスイオン発生鉱物と称される電気石等は自発分極する極性結晶体であり、結晶の両端にプラス極、マイナス極が自発的に生じて電位差が生成される。この電位が導電性物質を利用してプラスチック表面に導出され、プラスチック表面に接する空気中の水分子が電気分解される。この結果、マイナスイオンが生成されるとある。
【0006】
しかしながら、マイナスイオン発生鉱物と称される電気石等による周辺空気中のマイナスイオン数の増減を財団法人電力中央研究所に依頼して測定したところ、電気石等のマイナスイオン発生鉱物自身にはマイナスイオン数を増加させる作用は認められなかった。また、電気石等のマイナスイオン発生鉱物に水を吹き付けて、上記特許文献1でいう水の電気分解反応を促進させてみたが、結果は変わらなかった。さらに、電気石等のマイナスイオン発生鉱物をプラスチックフィルムで被覆して同様の実験を行ったが、やはり結果は変わらなかった。
【0007】
建物の高気密化や化学物質を放散する建材、内装材の使用などにより、新築、改築後の住宅やビルにおいて、化学物質による室内空気汚染により、居住者の様々な体調不良が生じている状態が、数多く報告されている。症状が多様で、症状発生の仕組みをはじめ、未解明な部分が多く、また様々な複合要因が考えられることから、シックハウス症候群と呼ばれる。このシックハウス症候群は、欧米のオフィスで1940年代ぐらいからシックビルデング症候群の名で知られていた。日本では住宅で発生するケースが多いためシックハウス症候群と呼ばれている(あるいは室内空気汚染、化学物質過敏症などとも呼ばれている)。
【0008】
特に、住まいが高断熱・高気密化し、エアコンや新しい建材の普及によって快適になる一方で、シックハウス症候群が顕在化し、いわば健康住宅への関心が高まっている。その多くは、合板類、ビニル壁紙、フローリング下地材等の建材の接着剤や塗料、防蟻剤などに含有されている、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、クロルピリホスなどの化学物質(揮発性有機化合物)との関連が指摘されている。特に、建材や家具の接着剤や塗料、防腐剤等などに幅広く使われており、シックハウス症候群の主原因とみられているのがホルムアルデヒドである。ホルムアルデヒドは、反応性、熱安定性に優れ、経済的なことから塗料や建材、家具、内装材(壁紙等)の接着剤にごく一般的に用いられてきた物質である。しかしながら、これらの物質は、刺激臭のある無色の気体で、空気中に放散しやすく、空気中の濃度が高くなると、目やのどに刺激を与え涙が出たり、空気と一緒に吸い込むことで浮腫炎症など様々な症状を起こす。具体的には、シックハウス症候群の診断基準として、眼球結膜、鼻粘膜、のど、唇などの粘膜への刺激、乾燥、皮膚の異常、集中力の減速、頭痛、息苦しさ、過敏症、めまい、吐き気等の症状が単独、併発してあらわれる。そのため、新居への引越し、改築などでこれらの症状があらわれた場合、シックハウス症候群の可能性が考えられる。
【0009】
一般的にシックハウス症候群の最大の予防は、有害な化学物質を室内等に持ち込まないことである。そのため、こうした揮発性有機化合物を使用しない建材や家具の開発が進められているが、こうしや揮発性有機化合物を使わない建材や家具等は今だ見出されていないのが実情である。したがって、現状では、新居に越したり、新しい家具を購入した場合は、これらに含まれている揮発性有機化合物を発散させたうえ換気等をしているのが現況であるが、これらの揮発性有機化合物の放散は遅く、換気後も放散が続くため、十分な対策となり得ていないのが実情である。
【0010】
さらに、ここにきて新築の建物で発生するシックハウス症候群が社会問題となる中、厚生労働省は、学校やホテル、百貨店の新築時や大規模改修時に、原因の一つとされる化学物質であるホルムアルデヒドの測定を義務づけ、国の指針値(1m3中0.08ppm以下)を上回るような場合、改善策をとらせるとしている。厚生労働省によると、化学物質を多く含む新建材を多く用いたり、気密性の高い建物が増えたりしたことを背景に、新築されたばかりの学校、ホテル、百貨店で生徒や従業員、宿泊客や来店客が健康被害を訴えるケースが相次いでいるのを受け、建物の新築や大規模な改修の際に、使用前に室内空気中のホルムアルデヒド濃度を測定させ、国の指針値を上回るような場合、改善策をとらせるものである。トルエンやキシレンなどシックハウス症候群との関連が指摘される化学物質はほかにもあるが、建材や家具に最も広く使われていることから、今回はホルムアルデヒドだけに絞ったことが報道されている。さらに、ビルの配管内で繁殖し、感染すれば肺炎を引き起こすレジオネラ菌による健康被害を防ぐため、ビル衛生管理法の関連政令と省令を抜本的に改正するものであり、こうした細菌に対する抗菌性と揮発性有機化合物の放散量を低減する作用を有する機能性材料およびこれを用いた建材等が嘱望されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−348483号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、既存のマイナスイオン発生鉱物と称される電気石等に変わる新たな周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用を有する新規な機能性材料およびその用途を提供することにある。
【0013】
また、本発明の目的は、シックハウス症候群との関連が指摘されるホルムアルデヒドを初めとする揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用を有する新規な機能性材料およびその用途を提供するものである。
【0014】
さらに、本発明の目的は、建物や乗物内での健康被害を防止し、さらにはストレスを緩和し、健康増進、さらには褥瘡防止・治癒など健康回復につながるように、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性をバランス良く発現することのできる、新規な機能性材料およびその用途を提供することにある。
【0015】
さらにまた、本発明の目的は、花粉症などのアレルギー疾患の改善につながるように、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性をバランス良く発現することのできる、新規な機能性材料およびその用途を提供することにある。
【0016】
さらにまた、本発明の目的は、食料品の鮮度保持、品質保持、安全性向上につながるように、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性をバランス良く発現することのできる、新規な機能性材料およびその用途を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく、新たな機能性材料およびその用途に関し、鋭意検討した結果、従来言われている電気石などとは全く異なるごく限られた鉱物・岩石等に限り周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、遠赤外線作用および揮発性有機化合物の放散量を低減する作用、さらには防カビ性、脱臭性、抗菌性を有することを見出し、かかる知見に基づき特性の異なる材料を適当に組み合わせることで、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0018】
すなわち、本発明の目的は、下記(1)〜(43)に記載の機能性材料およびそれを用いた用途により達成されるものである。
【0019】
(1) 花崗岩系、長石系、雲母系および沸石系鉱物・岩石の少なくとも1種を含有することを特徴とするマイナスイオン数増加作用および揮発性有機化合物低減作用を有する機能性材料。
【0020】
(2) 前記花崗岩系、長石系、雲母系および沸石系鉱物・岩石の合計含有量が、機能性材料全量に対して5質量%以上の範囲であることを特徴とする上記(1)に記載の機能性材料。
【0021】
(3) ドロマイトをさらに含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の機能性材料。
【0022】
(4) 前記ドロマイトの含有量が、機能性材料全量に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(3)に記載の機能性材料。
【0023】
(5) リチウム化合物をさらに含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の機能性材料。
【0024】
(6) 前記リチウム化合物が、炭酸リチウムであることを特徴とする上記(5)に記載の機能性材料
(7) 前記リチウム化合物の含有量が、機能性材料全量に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(5)または(6)に記載の機能性材料。
【0025】
(8) 角閃石系鉱物・岩石をさらに含有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の機能性材料。
【0026】
(9) 前記角閃石系鉱物・岩石の含有量が、機能性材料全量に対して3質量%以上の範囲であることを特徴とする上記(8)に記載の機能性材料。
【0027】
(10) 粒径が5μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の機能性材料。
【0028】
(11) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性皮革。
【0029】
(12) 前記機能性材料の含有量が、皮革全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(11)に記載の機能性皮革。
【0030】
(13) 前記機能性材料が、3〜7g/m2の範囲で含有されていることを特徴とする上記(11)に記載の機能性皮革。
【0031】
(14) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性木材。
【0032】
(15) 前記機能性材料が、3〜7g/m2の範囲で含有されていることを特徴とする上記(14)に記載の機能性木材。
【0033】
(16) 前記機能性材料の含有量が、木材全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(14)に記載の機能性木材。
【0034】
(17) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性紙・パルプ。
【0035】
(18) 前記機能性材料の含有量が、紙・パルプ全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(17)に記載の機能性紙・パルプ。
【0036】
(19) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性繊維。
【0037】
(20) 前記機能性材料の含有量が、繊維全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(19)に記載の機能性繊維。
【0038】
(21) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性塗料。
【0039】
(22) 前記機能性材料の含有量が、塗料全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(21)に記載の機能性塗料。
【0040】
(23) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性樹脂。
【0041】
(24) 前記機能性材料の含有量が、樹脂全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(23)に記載の機能性樹脂。
【0042】
(25) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性フィルム。
【0043】
(26) 前記機能性材料の含有量が、フィルム全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(25)に記載の機能性フィルム。
【0044】
(27) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性セラミックス。
【0045】
(28) 前記機能性材料の含有量が、前記セラミックス全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(27)に記載の機能性セラミックス。
【0046】
(29) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性壁紙。
【0047】
(30) 前記機能性材料の含有量が、壁紙全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(29)に記載の機能性壁紙。
【0048】
(31) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性薬剤。
【0049】
(32) 前記薬剤が、接着剤、粘着剤、防蟻剤、木材保存剤および防腐剤よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種であることを特徴とする上記(31)に記載の機能性薬剤。
【0050】
(33) 前記機能性材料の含有量が、薬剤全体に対して3〜5質量%の範囲であることを特徴とする上記(31)または(32)に記載の機能性薬剤。
【0051】
(34) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性置物。
【0052】
(35) 前記機能性材料の含有量が、置物全体に対して95〜100質量%の範囲であることを特徴とする上記(34)に記載の機能性置物。
【0053】
(36) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性タイル。
【0054】
(37) 前記機能性材料の含有量が、タイル全体に対して95〜100質量%の範囲であることを特徴とする上記(36)に記載の機能性タイル。
【0055】
(38) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性床材。
【0056】
(39) 前記機能性材料の含有量が、床材全体に対して3〜100質量%の範囲であることを特徴とする上記(38)に記載の機能性床材。
【0057】
(40) 前記機能性材料が、3〜100g/m2の範囲で含有されていることを特徴とする上記(38)または(39)に記載の機能性床材。
【0058】
(41) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性マスク。
【0059】
(42) 前記機能性材料の含有量が、マスク全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(41)に記載の機能性マスク。
【0060】
(43) 前記機能性材料が、3〜100g/m2の範囲で含有されていることを特徴とする上記(41)または(42)に記載の機能性マスク。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき、機能性材料と、それを用いた用途に分けて説明する。
【0062】
(1)機能性材料
本発明の機能性材料は、花崗岩系、長石系、雲母系および沸石系鉱物・岩石の少なくとも1種の鉱物・岩石を含有することを特徴とするものである。これにより、周辺雰囲気のマイナスイオン数を増加させる作用、遠赤外線を放射する作用および揮発性有機化合物の放散量を低減する作用とった特性を有効に発現し得るものである。好ましくは、ドロマイトおよび/またはリチウム化合物を更に含有することが望ましい。これにより、上記特性に加えて防カビ性、脱臭性、抗菌性といった特性を更に付加することができる。そのため、該機能性材料を生活関連資材や住宅関連資材や乗物関連資材に利用することにより、シックハウス症候群の発症を予防し、マイナスイオン効果や遠赤外線効果を受けることができる快適な生活環境を提供することができるものである。また、本発明の機能性材料、特に主成分である上記各種鉱物・岩石に起因するマイナスイオンのライフタイムは比較的長いため、離れた場所でも十分にその影響が及ぶため、生活環境全体にマイナスイオン効果を与えることもできる(図1参照のこと)。そのため、生活環境の中でストレス等を受けやすい環境のほか、ストレスから開放される住空間において、恒久的にマイナスイオン数増加作用を発現させることができ、人の持つ自然治癒能力を高め、ストレス等を緩和でき健康の増進につなげることができる(実施例参照のこと)。
【0063】
また、本発明の機能性材料、特に主成分である上記各種鉱物・岩石のマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、更には遠赤外線作用のメカニズムは明らかではなく、今後の研究により理論的な作用メカニズムの解明が待たれる。ただ一つ言える事は、本発明者が財団法人電力中央研究所に依頼して行った実験の中で、鉱物・岩石を樹脂フィルムなどで密封した場合にも、その外部の空気中のマイナスイオン数を増加させることが確認されたため、該鉱物・岩石の表面での触媒作用や水の電気分解反応だけに留まらず、さらに別の作用メカニズムも働いていることが確認された。一方、表面に生じる電位により水を電気分解してマイナスイオンを発生させるとされる電気石やトルマリン単独では、樹脂フィルムなどで密封の有無に関わらず、周辺雰囲気のマイナスイオン数を増加させることも揮発性有機化合物を低減することもできないことが確認された。
【0064】
本発明の機能性材料の各成分特性を下記表1に表示する。
【0065】
【表1】
【0066】
ここで、本明細書中の(遠赤外線の)放射率ε(%)は、赤外法(分光器;日本分光工業株式会社製)により仮想黒体と試料(20×30×2mmの板状に加工したもの)の放射率を比較することにより求めた。より詳しくは、試料の表面温度を所定の温度(100℃)にし、仮想黒体との比較放射率を計測し求めたものである。
【0067】
本明細書中のマイナスイオン数(ヶ/cm3)は、財団法人 電力中央研究所にてマイナスイオン計測機械(株式会社ダン科学製;空気イオンカウンタ−MODEL:83−1001B−MkII)を使用してマイナスイオン数を計測し、併せて試料のない状態でのバックグランド(BG)を計測して求めたものである。
【0068】
本明細書中の防カビ性は、JIS−Z−2911〈カビ抵抗試験方法〉に従って行った。具体的には、培養:試料、試験片をそれぞれの規定にしたがって処理し規定のカビを接種した後、規定の条件に保って培養した。接種:試料、試験片にカビを接種するには、胞子懸湯液を噴霧器、ピペットで、試料、試験片の表面に均等にまきかけた。また、試験結果の表示は、培養の結果試料、試験片の表面に生じた菌糸の発育状態を肉眼で調べ、下記の判定法により1〜3の評価に分けた。
【0069】
カビ抵抗性(防カビ性)の評価;
3:試料、試験片の接種した部分に菌糸の発育が認められない。
【0070】
2:試料、試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は全面積の1/3を超えない。
【0071】
1:試料、試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は全面積の1/3を超える。
【0072】
本明細書中の脱臭率(%)は、テドラーバッグ内に試料1g及び臭いガス600mlを投入し3時間経過後のガス濃度の変化を測定し、下記式により脱臭率を求めた。なお、ガス種には、アルカリ性系ガスとしてアンモニア、酸性系ガスとして硫化水素を使用した。尚、ガス濃度は、アンモニアは、吸光光度法ないし電位差計を用い、硫化水素は、ガスクロマトグラフ分析計ないし炎光光度検出器を用いて行った。
【0073】
【数1】
【0074】
本明細書中の抗菌率(%)は、日本防菌防黴学会で認定されている測定法を用いるものとする。すなわち、菌類(球菌;ブドウ球菌、桿菌;大腸菌)に対する抗菌率に関しては、▲1▼粉末形態や成形品等の試料についてはシェーク法により測定し、▲2▼フィルム形態については、加圧法により測定するものとする。これらの測定法の概要を以下に簡単に説明する。
【0075】
シェーク法;粉末形態や成形品等の試料等に適用し得る抗菌力評価方法であって、リン酸緩衝液中に試料と、供試菌とを共存させ、一定の時間(例えば、0.5時間)振とう後に生残菌数を測定するものである。すなわち、水溶液中に分散させた試料と供試菌とを振とうにより強制的に接触作用させて効果を確認する方法である。
【0076】
加圧法;フィルム形態等の製品に好適に適用し得る抗菌力評価方法であって、所定の大きさ(例えば、25×25mm)のサンプルを1%ペプトン水溶液に供試菌を懸濁したものを適量(例えば、0.050ml)塗布する(サンプル1枚当たり1.0×106CFU接種)。次に、殺菌したポリエチレンフィルム(30×30mm)を密着させ適当な温度(例えば、30℃)と湿度(加湿状態)を保ち24時間後、適量のSCDLP培地(例えば、10ml)で菌液を洗い出し適宜希釈を行い平板混釈法(SCDLP寒天培地 培養32℃48時間)により生菌数を測定するものである。
【0077】
本明細書中の揮発性有機化合物低減濃度(ppm)は、シックハウス症候群の原因とされる総揮発性有機化合物(VOCs)の主な物質であるホルムアルデヒド、キシレン、アセトン及び塩素ガスにつき、試料による濃度低減効果を測定した。まず始めにホルムアルデヒド、キシレン、アセトン、塩素含有の各薬剤(接着剤など)をそれぞれ容器(デシケータ)の底部に適当量入れ、常温で30分間放置後、容器内からガス成分を採取し、ホルムアルデヒド、キシレン、アセトン及び塩素ガス濃度をガスクロマトグラフィを用いてそれぞれ測定した。いずれもJISやJASで定める許容濃度よりも約20%高い濃度(シックハウス症候群が発症しやすい濃度)となる薬剤量を算出する。次に、ホルムアルデヒド、キシレン、アセトンおよび塩素含有の各薬剤を同様の容器(デシケータ)の底部に算出により得られた分量を入れ、該容器(デシケータ)の適当な位置に試料を載置したフィルタを置き(フィルム上に載置困難な塗料はフィルム上に塗布した。)、常温で30分間放置後、容器内からガス成分を採取し、ホルムアルデヒド、キシレン、アセトン、塩素ガス濃度をガスクロマトグラフィを用いてそれぞれ測定し、試料による揮発性有機化合物低減濃度(ppm)とした。なお、表中の<>内の数値は、JISやJASで定める許容濃度を示す。
【0078】
上記機能性材料の主成分の1つである花崗岩系鉱物・岩石は、上記表1(平均粒径3μmの花崗斑岩粉末の例を示す)に示すとおり、放射率、マイナスイオン数、揮発性有機化合物の低減効果がいずれも高く、マイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用および揮発性有機化合物低減作用を有する。また、他の成分と混合して機能性材料にした場合や該機能性材料を各種用途に利用した場合でも、後述するように、当該成分の持つ特性を損なうことなく、優れたマイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用および揮発性有機化合物低減作用を発現できる。また、花崗岩系鉱物・岩石は安定した鉱物・岩石であるため、各種用途に利用した場合でも長期間その効力を維持できる。
【0079】
上記花崗岩系の鉱物・岩石としては、花崗岩、閃緑岩、流紋岩、斑糲岩、安山岩、玄武岩、花崗斑岩が挙げられる。
【0080】
上記機能性材料の主成分の1つである長石系鉱物・岩石は、上記表1(平均粒径3μmの正長石粉末の例を示す)に示すとおり、放射率、マイナスイオン数、揮発性有機化合物の低減効果、脱臭率がいずれも高く、防カビ性も比較的高い。そのため、優れたマイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用、揮発性有機化合物低減作用、脱臭作用を有するほか、比較的高い防カビ性を持つ。また、他の成分と混合して機能性材料にした場合や該機能性材料を各種用途に利用した場合でも、後述するように、当該成分の持つ特性を損なうことなく、優れたマイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用、揮発性有機化合物低減作用および脱臭作用と比較的高い防カビ特性を発現できる。また、長石系鉱物・岩石は安定した鉱物・岩石であるため、各種用途に利用した場合でも長期間その効力を維持できる。
【0081】
上記長石系の鉱物・岩石としては、正長石、微斜長石、重土長石が挙げられる。
【0082】
上記機能性材料の主成分の1つである雲母系鉱物・岩石は、上記表1(平均粒径3μmの白雲母粉末の例を示す)に示すとおり、放射率、マイナスイオン数、揮発性有機化合物の低減効果がいずれも高く、防カビ性および脱臭率も比較的高い。そのため、優れたマイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用、揮発性有機化合物低減作用を有するほか、比較的高い防カビ作用および脱臭作用を持つ。また、他の成分と混合して機能性材料にした場合や該機能性材料を各種用途に利用した場合でも、後述するように、当該成分の持つ特性を損なうことなく、優れたマイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用、揮発性有機化合物低減作用と比較的高い防カビ特性および脱臭作用を発現できる。また、雲母系鉱物・岩石も安定した鉱物・岩石であるため、各種用途に利用した場合でも長期間その効力を維持できる。
【0083】
上記雲母系の鉱物・岩石としては、白雲母、セラドン石、金雲母、黒雲母、鱗雲母、チンワルド雲母、イライト、バニスタ石、ガンコイル石が挙げられる。
【0084】
上記機能性材料の主成分の1つである沸石系鉱物・岩石は、上記表1(平均粒径3μmのモルデン沸石粉末の例を示す)に示すとおり、マイナスイオン数、揮発性有機化合物の低減効果がいずれも高く、防カビ性および脱臭率も比較的高い。そのため、優れたマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用を有するほか、比較的高い防カビ性および脱臭作用を持つ。また、他の成分と混合して機能性材料にした場合や該機能性材料を各種用途に利用した場合でも、後述するように、当該成分の持つ特性を損なうことなく、優れたマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用と比較的高い防カビ特性および脱臭作用を発現できる。また、沸石系鉱物・岩石も安定した鉱物・岩石であるため、各種用途に利用した場合でも長期間その効力を維持できる。
【0085】
上記沸石系の鉱物・岩石としては、モルデン沸石、灰十字沸石、斜プチロル沸石、マリオン沸石が挙げられる。
【0086】
また、これらの鉱物・岩石の合計含有量は、使用目的によっても異なることから一義的に決定することはできないが、機能性材料全量に対して3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10〜95質量%、さらに好ましくは20〜95質量%、特に好ましくは40〜90質量%の範囲である。3質量%未満の場合には、使用用途によっては、十分なマイナスイオン効果、遠赤外線効果、揮発性有機化合物低減効果を発現できないおそれがある。なお、上限値は、特に制限されるべきものではなく、機能性材料の全量を上記鉱物・岩石の中から適宜選択して、あるいは組み合わせて構成してもよい。ただし、更に高い遠赤外線効果、防カビ性、脱臭性、抗菌性が求められるような用途によっては、これらの特性に優れるドロマイトや炭酸リチウム等を配合して用いるのがより望ましい(下記表2参照のこと。)。
【0087】
これらの鉱物・岩石の組み合わせは任意であり、適当に1種または2種以上を併用してもよい。したがって、2種以上を用いる場合には、個々の含有量については、特に制限されるものではない。これは、上記表1に示すように、これらの鉱物・岩石の周辺雰囲気のマイナスイオン数を増加させる作用および揮発性有機化合物の放散量を低減する作用の特性値が近いため、自由に組み合わせることができるものである。したがって、特性の他、色調やコストなど勘案して最適な組み合わせを決定すればよい。
【0088】
上記機能性材料の成分の1つであるドロマイトは、上記表1(平均粒径3μmの焼成ドロマイト粉末の例を示す)に示すとおり、防カビ性、抗菌率、脱臭率、揮発性有機化合物の低減効果がいずれも高く、防カビ作用、抗菌性、脱臭性および揮発性有機化合物低減作用を有する。また、他の成分と混合して機能性材料にした場合や該機能性材料を各種用途に利用した場合でも、後述するように、当該成分の持つ特性を損なうことなく、優れた防カビ作用、抗菌性、脱臭性および揮発性有機化合物低減作用を発現できる。また、ドロマイトも安定した鉱物・岩石であるため、各種用途に利用した場合でも長期間その効力を維持できる。
【0089】
本発明に用いることのできるドロマイトには、未焼成のもの(未焼成ドロマイト)および焼成したもの(焼成ドロマイト)の少なくとも1種が含まれるものである。よって、特に断らない場合にはドロマイトには、これら未焼成ドロマイトおよび焼成ドロマイトの少なくとも1種が含まれるものである。これらドロマイトは、抗菌活性に優れ、さらに揮発性有機化合物低減効果が高く、さらに防カビ特性に優れ、高い脱臭率をも有するものである。さらに極めて安価であり、安全性に優れ、触媒的に母材原料の樹脂等を劣化させることもなく、耐光性、耐熱性にも優れるものである。好ましくは未焼成ドロマイトを900〜1200℃、特には1000〜1100℃の温度で焼成してなる焼成ドロマイトを含有するものが望ましい。
【0090】
上記ドロマイトの含有量は、機能性材料全体に対して、通常3〜20質量%、好ましくは3〜7質量%、より好ましくは3〜6質量%、特に好ましくは5〜6質量%の範囲である。ドロマイトの含有量が3質量%未満の場合には、ドロマイトの持つ揮発性有機化合物低減作用、防カビ特性、脱臭性および抗菌性を有効かつ効果的に発揮させるのが困難な場合がある。またこうした機能性材料を利用した各種製品等を廃棄、焼却する際にダイオキシン類の発生を十分に抑制するのが困難な場合がある。また、他の有効成分である上記岩石・鉱物やリチウム化合物や角閃石等との併用に際し、相乗的な効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、ドロマイトの含有量が20質量%、好ましくは7質量%を超える場合には、他の有効成分である上記岩石・鉱物やリチウム化合物や角閃石等の含有量が制限されるため、これらの持つ特性を十分に発現させるのが困難となる場合がある。
【0091】
上記機能性材料の成分の1つであるリチウム化合物は、上記表1(平均粒径3μmの炭酸リチウム粉末の例を示す)に示すとおり、防カビ性、抗菌率、脱臭率、揮発性有機化合物の低減効果がいずれも高く、防カビ作用、抗菌性、脱臭性および揮発性有機化合物低減作用を有する。また、他の成分と混合して機能性材料にした場合や該機能性材料を各種用途に利用した場合でも、後述するように、当該成分の持つ特性を損なうことなく、優れた防カビ作用、抗菌性、脱臭性および揮発性有機化合物低減作用を発現できる。
【0092】
ここで、リチウムは地球上に広く分布しており、鉱物、岩石、土壌および自然水中に微量存在する。特に主要鉱石はリチア雲母、リチア輝石、ペンタライトなどである。現在、リチウム鉱の原鉱として用いられているものは、ウロコ雲母、リシア輝石、ペタル石、ユークリプタイト、ベニウンモ、チンワルドウンモ、マナンドナイト、トリフィル石、リシオフィライト、アンブリゴ石(LiAl(FePO4 ))、フレモンタイト、シックラー石などである。こうしたリチウムを含有する鉱物は、燐酸、砒酸、バナジン酸ないし珪酸塩等を含む鉱物である。下記表2にリチウムを含有する鉱物をはじめとするリチウム化合物を示す。
【0093】
【表2】
【0094】
よって、本発明に用いることのできるリチウム化合物には、こうしたリチウムを含有する鉱物、該鉱物から所定の加工工程を経て製造された燐酸リチウム、珪酸リチウム、炭酸リチウムなどのほか、天然の鹹水から製造(回収)された炭酸リチウムなどのリチウム化合物も含まれるものである。好ましくはリチウム化合物中に占めるリチウム含量比率が大きなものである。具体的にはリチウムを含有する鉱物ないし鹹水から所定の加工工程を経て製造された炭酸リチウム、燐酸リチウム、珪酸リチウムなどである。上記リチウム化合物のなかでも、これら炭酸リチウム、燐酸リチウム、珪酸リチウム、とりわけ炭酸リチウムはリチウム電池の大量生産に伴い原料資材も安価なものとなっており、また安全性に優れ、触媒的にプラスチック等に使用した場合でも母材の樹脂等を劣化させることもなく、耐光性、耐熱性にも優れたものである。
【0095】
こうしたリチウム化合物の製造方法に関しては、特に制限されるものではなく、従来公知の製造技術を適当に利用することで得ることができる。
【0096】
上記リチウム化合物の含有量は、機能性材料全体に対して、通常3〜20質量%、好ましくは3〜7質量%、より好ましくは3〜6質量%、さらに好ましくは5〜6質量%の範囲である。ドロマイトの含有量が3質量%未満の場合には、リチウム化合物の持つ揮発性有機化合物低減作用、防カビ特性、脱臭性および抗菌性を有効かつ効果的に発揮させるのが困難な場合がある。またこうした機能性材料を利用した各種製品等を廃棄、焼却する際にダイオキシン類の発生を十分に抑制するのが困難な場合がある。また、他の有効成分である上記岩石・鉱物やドロマイトや角閃石等との併用に際し、相乗的な効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、リチウム化合物の含有量が20質量%、好ましくは7質量%を超える場合には、他の有効成分である上記岩石・鉱物やドロマイトや角閃石等の含有量が制限されるため、これらの持つ特性を十分に発現させるのが困難となる場合がある。
【0097】
上記焼成ドロマイトおよび/またはリチウム化合物を配合した機能性材料を各種用途に利用したもの、例えば、皮革、木材、樹脂、紙・パルプ、塗料、建材、内装材、壁紙、家具等では、使用済みのこれら製品等を廃棄物として焼却した際に、周辺に塩素化合物が存在する一般的な都市ゴミ等の焼却処理の環境下においても、焼成ドロマイトおよび/またはリチウム化合物を含有する各種製品と塩化物(食塩やポリ塩化ビニル樹脂材など)との熱化学反応によりダイオキシン類および塩化水素ガス(酸性雨の原因でもあり、急性毒性を持つ)が発生するのを効果的に抑制することができるものである。このことは、現在問題になっている塩化物(例えば、食塩やポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等)を焼却するような場合に、ダイオキシン類および塩化水素ガスの発生を効果的に抑制することができるものである。こうしたダイオキシン類の生成機構は十分に解明されていないが、少なくとも焼成ドロマイトおよび/またはリチウム化合物が関与することで、毒性の高いダイオキシン類および塩化水素ガスの生成が妨げられるものと考える。本発明者は、焼成ドロマイトおよび/またはリチウム化合物がダイオキシン類ないしその前駆体の発生の一因となっている塩素(ないし塩化水素ガス)と直接的に熱化学反応して、あるいは塩素(ないし塩化水素ガス)との熱化学反応に触媒的に作用してダイオキシン類やその前駆体以外の安定な化合物にすることによってダイオキシン類の発生を抑制することができると推論するものである。
【0098】
さらに、上記機能性材料には、必要に応じて角閃石系鉱物・岩石を含有してもよい。該角閃石系鉱物・岩石は、放射率、マイナスイオン数がいずれも高く、マイナスイオン数増加作用および遠赤外線作用を有する。また、他の成分と混合して機能性材料にした場合や該機能性材料を各種用途に利用した場合でも、後述するように、当該成分の持つ特性を損なうことなく、優れたマイナスイオン数増加作用および遠赤外線作用を発現できる。また、角閃石系鉱物・岩石は安定した鉱物・岩石であるため、各種用途に利用した場合でも長期間その効力を維持できる。
【0099】
上記角閃石系鉱物・岩石としては、角閃石、直閃石などが挙げられる。
【0100】
上記角閃石系鉱物・岩石を使用する場合の含有量としては、機能性材料全体に対して、3質量%以上、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは15〜75質量%、さらに好ましくは20〜60質量%、特に好ましくは40〜50質量%の範囲である。角閃石系鉱物・岩石の含有量が3質量%未満の場合には、角閃石系鉱物・岩石の持つマイナスイオン数増加作用および遠赤外線作用を有効かつ効果的に発揮させるのが困難な場合がある。一方、角閃石の含有量の上限は特に制限されないが、80質量%を超える場合には、他の有効成分である上記各種鉱物・岩石やドロマイト、リチウム化合物等の含有量が制限されるため、角閃石が持ち合わせていない高い揮発性有機化合物低減作用、防カビ性、抗菌性、脱臭性を十分に補填することが困難となる場合があり、マイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用、揮発性有機化合物低減作用、防カビ特性、抗菌率および脱臭率といった特性をバランスよく、効果的に発揮するのが困難な場合がある。そのため、揮発性有機化合物低減作用、防カビ性、脱臭性、抗菌性が求められるような用途によっては、こうした特性を有する上記各種鉱物・岩石やドロマイト、リチウム化合物等と組み合わせて用いるのが望ましい(下記表3参照のこと。)。
【0101】
上記機能性材料の成分としては、上記表1には例示していないが、この他にもシリカ、酸化チタン、マグネシア、石英閃緑石、千枚石、凝灰石、酸化カルシウム、石灰石、ジルコニア系鉱物、電気石、カミントン閃石、チロディ閃石、ガリュネル閃石、透内石、藍内石、クロス閃石、リーベック閃石、ケルスート閃石、緑内石などを必要に応じて適宜適量使用してもよい。これらの配合量は、本発明の機能性材料の効果を損なわない範囲内において、これら任意の成分が有する機能が十分に発現し得る範囲内で適宜決定すればよく、特に制限されるべきものではない。更に従来公知の各種添加剤、例えば、抗菌剤、脱臭剤、防カビ剤などを含むものも本発明に含まれるものである。これらの添加剤の含有量も、各添加剤が有する機能が十分に発現し得る範囲内で適宜決定すればよく、特に制限されるべきものではない。
【0102】
なお、本発明の機能性材料の各成分含有量を示したが、これらは如何なる組み合わせであれ、機能性材料全体の総和は、100質量%である。
【0103】
また、本発明の機能性材料の形態としては、特に制限されるものではなく、機能性材料を利用する各種用途の形態に応じて適宜決定すればよく、無定形状、特に多くの製品に利用しやすい(特に、下記範囲の平均粒径を有する)粉末形態であればよいが、例えば、球状、棒状(角柱状、円柱状)、円錐状、板状、円筒状、楕円体状、ペレット状(直径または一辺が1〜30mm、好ましくは2〜15mmぐらいの球形、円柱形または角柱形に造粒した成形材料)等の形態を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。具体的には、(1)樹脂(ゴム・エラストマー)、木材、皮革、紙・パルプ、繊維、塗料等に含有、含浸、圧入、混練、混合、混入、注入、挿入等等して用いるような場合;(2)樹脂(ゴム・エラストマー)、木材、皮革、紙・パルプ、繊維等の表面に担持、固着、圧着、接着、塗着、嵌着等して用いるような場合;(3)樹脂(ゴム・エラストマー)、木材、皮革、紙・パルプ、繊維、塗料等の一部を構成するようにフィルム、シート等に成形加工して用いるような場合;(4)樹脂(ゴム・エラストマー)、木材、皮革、紙・パルプ、繊維に使用する接着剤、増粘剤、防蟻剤、可塑剤、防腐剤、脱臭剤、塗料などとして用いるような場合など、により異なるものであり、例えば、微粉末状、粉末状、粒状(球状)、棒状(角柱状、円柱状)、円錐状、板状、円筒状、楕円状、ペレット状(球形状、円柱形状または角柱形状に造粒した成形材料)、無定形状等の形態を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0104】
また、本発明に用いられる機能性材料の大きさ(粒度)は、機能性材料を利用する各種用途の形態に応じて適宜決定されるものであり、特に制限されるものではない。例えば、粉末形態の機能性材料を用いる場合に、その平均粒径も、機能性材料を利用する各種用途の形態に応じて適宜決定すればよく、特に制限されるものではないが、通常200μm以下、好ましくは74μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは5μm以下、特に好ましくは3μm以下、さらにより好ましくは1.5μm以下である。これは、本発明者が、財団法人電力中央研究所に依頼して、平均粒径(200μm、100μm、10μm)とマイナスイオン数増加作用を検討した結果、平均粒径が小さくなるほど、周辺雰囲気中のマイナスイオン数が若干増加する傾向を示したことから、粉末形態で使用する場合には、より細かい微粒子を使用するのが、若干ではあるが、より大きなマイナスイオン効果を得られる点で優れていることが判明したためである。なお、本発明の機能性材料の平均粒径が200μm、好ましくは74μmを超える場合、例えば、塊状物(機能性置物として単独で利用できる)であってもでも、十分なマイナスイオン効果、遠赤外線効果、揮発性有機化合物低減効果、更には防カビ性、抗菌性、脱臭性は得られるものの、これらを含有する機能性材料をフィルム、紙、皮革、繊維、木材などの各種用途に使用する場合などでは、その粒度によってはフィルムや皮革などの性能に影響を及ぼす場合がある。なお、本発明の機能性材料の平均粒径の下限値は特に制限されない。ただし、加工性、生産コスト、取り扱い性等の観点から平均粒径は3μm程度であれば極めて良好である。
【0105】
より具体的には、機能性材料を利用する各種用途を上記(1)の形態で用いる場合、例えば、樹脂(ゴム・エラストマー)、紙・パルプ、繊維、塗料等などに混練、混合、混入等したり、合板等の原料木材や皮革に含浸、圧入、(減圧)注入、挿入、含浸、充填等したりする場合には、機能性材料の平均粒径は、通常0.5〜74μm、好ましくは3〜74μm、より好ましくは3〜15μm、さらに好ましくは3〜10μmの範囲である。機能性材料の平均粒径が74μmを越える場合には、樹脂(ゴム・エラストマー)、木材、皮革、紙・パルプ、繊維、塗料等に含有等させるのが困難となるおそれがある。一方、0.5μm未満の場合には、機能性材料の微粉末化が困難であり、製造コストが嵩むほか、取り扱い時に飛散するなどの問題を招くおそれがある。
【0106】
機能性材料を上記(2)の実施態様で用いる場合、例えば、樹脂(ゴム・エラストマー)、木材、皮革、紙・パルプ、繊維等の表面に担持、固着、圧着、接着、塗着、嵌着などする場合には、機能性材料の平均粒径は、通常0.5〜5.0μm、好ましくは0.5〜3.0μm、より好ましくは0.5〜1.0μmの範囲である。上記使用例の場合に機能性材料の平均粒径が5.0μmを越える場合には、表面への担持が困難となる。一方、0.5μm未満の場合には、機能性材料の微粉末化が困難であり、製造コストが嵩むほか、取り扱い時に飛散するなどの問題を招くおそれがある。
【0107】
機能性材料を上記(3)の実施態様で用いる場合、例えば、フィルムやシート状に成形加工すべく、これらの原料に適当な樹脂やバインダー等を加えるなどして加圧や加熱成形して用いる場合には、機能性材料の平均粒径は、通常1.0〜74μm、好ましくは3〜74μm、より好ましく3〜50μm、さらに好ましくは3〜15μmの範囲である。機能性材料の平均粒径が74μmを越える場合には、建材や内装材の一部を構成するように板状等に成形加工するのが困難となるおそれがある。一方、1.0μm未満の場合には、機能性材料の微粉末化が困難であり、製造コストが嵩むほか、取り扱い時に飛散するなどの問題を招くおそれがある。
【0108】
機能性材料を上記(4)の実施態様で用いる場合には、既存の無機系充填剤等の微粉末と同程度であればよく、機能性材料の平均粒径は、通常0.1〜5.0μm、好ましくは0.5〜3.0μm、より好ましくは0.5〜1.0μmの範囲である。機能性材料の平均粒径が5.0μmを越える場合には、例えば、接着剤の場合には、接着強度の低下や接着剤中への添加混合が困難となるなど本来的な機能が低下するおそれがある。一方、0.1μm未満の場合には、機能性材料の微粉末化が困難であり、製造コストが嵩むほか、取り扱い時に飛散するなどの問題を招くおそれがある。
【0109】
本発明の機能性材料の代表的な配合例を表3に示すと共に、これら配合例での放射率、マイナスイオン発生数、吸収・分解率、防カビ特性、脱臭性および抗菌性を測定し、これらの測定結果を下記表4に示す。
【0110】
本発明の機能性材料の特性として、マイナスイオン数は、周辺環境により変動するが、概ね下記表4に示すように、バックグランド(BG)の値よりも500ヶ/cm3以上、好ましくは1000ヶ/cm3以上以上、より好ましくは1200ヶ/cm3以上、さらに好ましくは1500ヶ/cm3以上、あるいは、バックグランドの値の1.5倍以上、好ましくは2倍以上、より好ましくは2.2倍以上、特に好ましくは2.5倍以上であり、揮発性有機化合物低減効果が、JISおよびJASの許容濃度以下、好ましくはJISおよびJASの許容濃度の75%以下、より好ましくはJISおよびJASの許容濃度の50%以下(いずれもJISないしJASの許容濃度の2倍の雰囲気に対する揮発性有機化合物低減効果とする)という高い値を有するのが望ましく、さらに放射率、脱臭率および抗菌率がいずれも80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、防カビ性評価が3である、という高い値を有するのが望ましい。かかる特性を有することにより、機能性材料として単体で使用することもできるし、これらの機能性材料を所定の比率で混合して使用することもできる。
【0111】
【表3】
【0112】
【表4】
【0113】
上記表4に示すように、これらの特性を有する所定の比率に各成分を組み合わせることによって各成分が持っている特性をバランスよく高めることができる。
【0114】
本発明の機能性材料の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の無機材料の生産技術等を幅広く適用できるものであり、例えば、原料の鉱物・岩石等を粉砕、分級等して適当な粒度に調整された各成分を混合装置等で適量添加混合して製造することができる。
【0115】
(2)機能性材料の用途
本発明の機能性材料の用途としては、特に制限されるべきものではなく、これらの機能が求められるすべての分野の製品や部品などに極めて広範に適用することができる。
【0116】
これは、本発明の機能性材料は、皮革、木材、紙・パルプ、樹脂(ゴム・エラストマーを含む)材、繊維、塗料、薬剤などに添加混合や注入させても、また製品等の表面にコーティングしたり貼り付けたりしても、或いは単独で使用しても、その周辺雰囲気(主に周辺空気中)のマイナスイオン数を増加させる作用や遠赤外線作用や揮発性有機化合物低減作用を損なうことがないため、各種製品等に幅広く適用できる。特に本発明の機能性材料は、適当な樹脂フィルムで密封して外気(周辺雰囲気)と遮断した状態でも、その周辺雰囲気のマイナスイオン数を測定した結果、こうした樹脂フィルムで密封する前と殆ど変わることなく、マイナスイオン数を増加させる作用が確認された結果による。この点は、従来の電気石やトルマリンを添加した樹脂材では、樹脂材中に大量の導電性物質と導電性物質拡散材を加えて該樹脂材表面に電位を導出させ、プラスチック表面に接する空気中の水分子が電気分解されるというマイナスイオン発生メカニズムとは全く異なるメカニズムを取るものである。
【0117】
また、本発明の機能性材料は比較的安価かつ安定的に入手できるものであり、使用形態も微粉末にして樹脂(ゴム・エラストマー)、紙・パルプ、木材、皮革、繊維、塗料、薬剤などに添加混合や注入、あるいは製品等の表面に担持させることもできれば、機能性材料を適当な製品(例えば、置物やタイル、アクセサリー等)に加工したり、焼成することもできるなど、製品本来の機能に、マイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用および揮発性有機化合物低減作用、更には防カビ性、抗菌性、脱臭性という新たな付加価値を持たせることもできる。そのため、利用者が特に意識することなく、日常生活の中でマイナスイオン効果、遠赤外線効果および揮発性有機化合物低減効果、更には防カビ性、抗菌性、脱臭性を享受することができる。
【0118】
本発明の機能性材料の用途製品や部品等としては、その優れたマイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用および揮発性有機化合物低減作用、更には防カビ性、抗菌性、脱臭性を有効に利用すべく、こうした作用効果が求められる樹脂(プラスチック・ゴム・エラストマーを含むものである)などの各種製品や部品(包装・梱包材を含む)などに幅広く使用することができる。以下に幾つかの例を示すが、本発明がこれらに制限されるべきものでないことは言うまでもない。
【0119】
具体的には、上記機能性材料を有してなる皮革(機能性皮革という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、皮革全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。あるいは機能性材料が、皮革に3〜100g/m2、好ましくは3〜20g/m2、より好ましくは3〜7g/m2、特に好ましくは4〜6g/m2の範囲で含有されていることが望ましい。ここでいう皮革としては、皮革自身の他、その加工品・製品や部品を含む。また、天然皮革および合成皮革のいずれであってもよい。例えば、皮革製の衣類、ベルト、財布、靴等が挙げられる。また、皮革は、例えば、牛皮革、羊皮革、合成皮革等が挙げられる。また、皮革に機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、天然皮革には減圧注入法を利用して混入(含有)させることができる。合成皮革では、合成皮革原料に添加混合することで含有させることができる。本発明の機能性皮革では、後述する実施例に示すように、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった本発明の各種特性をバランスよく発現することができ、ストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活を送ることができる。特にこうした機能性皮革は、起きている間、身に付けるものであることから、ストレスなどにさらされるときにその効果を遺憾なく発現できるため、ストレスなどを溜め込むことがなく、健康を損なうことなく健康増進に大幅に寄与することができる。また、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0120】
上記機能性材料を有してなる木材(機能性木材という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、木材全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。あるいは機能性材料が、木材に3〜100g/m2、好ましくは3〜20g/m2、より好ましくは3〜7g/m2、特に好ましくは4〜6g/m2の範囲で含有されていることが望ましい。ここでいう木材としては、木材自身の他、その加工品・製品(合板を含む)や部品を含む。例えば、床材、壁材、天井材、ドアなどの建材、箪笥、衣装ケース、食器棚、食卓、テーブル、勉強机、椅子、本棚、本箱、ラック、家電製品用ラック、ベッド、スピーカやウッドデッキ等の木材製家電機器などの家具・調度類、木箱等が挙げられる。また、木材に機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、減圧注入法を利用して混入(含有)させることができる。本発明の機能性木材では、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。また、用途(果物輸送用木箱など)によっては、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)や周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用により、食料品の鮮度保持、品質保持、安全性を向上することができ、さらにカビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、食料品の長期間の鮮度保持効果を高めることができるなど、野菜、果物、ご飯や弁当などの加工品、鮮魚、生鮮肉類などに幅広く適用し得るものである。さらに用途(木製ベッドなど)によっては、建物や乗物内での健康被害を防止し、さらにはストレスを緩和し、健康増進、さらには褥瘡防止・治癒など健康回復につながるものであり、こうした木製ベットなどでは、寝たきり患者の苦痛を緩和するのに極めて有用である。また、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0121】
上記機能性材料を有してなる紙・パルプ(機能性紙・パルプという)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、紙・パルプ全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。ここでいう紙・パルプとしては、紙・パルプ自身の他、その加工品・製品や部品を含む。例えば、本、用紙、コピー紙、包装紙、紙製容器(牛乳パック、菓子容器など)、紙おむつ(幼児用、成人用)、新聞紙、トイレットペーパー、ダンボール箱、緩衝材などが挙げられる。また、紙・パルプに機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、パルプ原料に添加混合ないし担持することで含有させることができる。本発明の機能性紙・パルプでは、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。また、用途(牛乳パックや紙製の果物緩衝材など)によっては、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)や周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用により、食料品の鮮度保持、品質保持、安全性を向上することができ、さらにカビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、食料品の長期間の鮮度保持効果を高めることができるなど、野菜、果物、ご飯や弁当などの加工品、鮮魚、生鮮肉類などに幅広く適用し得るものである。さらに用途(成人用紙おむつなど)によっては、建物や乗物内での健康被害を防止し、さらにはストレスを緩和し、健康増進、さらには褥瘡防止・治癒など健康回復につながるものであり、特に寝具や寝装具などでは、寝たきり患者の苦痛を緩和するのに極めて有用である。また、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0122】
上記機能性材料を有してなる繊維(機能性繊維という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、繊維全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。あるいは、また、機能性材料が、繊維に3〜100g/m2、好ましくは3〜20g/m2、より好ましくは3〜7g/m2、特に好ましくは4〜6g/m2の範囲で含有(混入、担持、付着、塗布・コーティング、含浸、注入等のいずれの形態であってもよい)されていることが望ましい。ここでいう繊維としては、繊維自身のほか、その加工品・製品や部品を含む。また、天然繊維および合成繊維のいずれであってもよい。例えば、寝具(寝巻き、パジャマ、腹巻、浴衣、丹前など)、寝装具(ベット、ベットカバー、クッション、マットレス、掛け布団、敷布団、毛布、枕、シーツ、電気毛布、電気コタツのカバーや敷布など)、座布団、カーテン、カーペット・絨毯の合成または天然繊維製の床材、畳(わら製の畳床にイグサで織った畳表をのせ、縁(ヘリ)を付けたものであり、こうした天然のわらやイグサおよび合成樹脂製のわらやイグサなども繊維に含めるものとし、これらの繊維に本発明の機能性材料を含浸、担持、塗布・コーティング、付着、混入等させてもよい。)、自動車などの乗り物の座席シート、座席カバー、布製座部等を有する椅子などの住宅・乗り物関連繊維製品;布製バッグ、衣類全般、帽子、手袋、マフラー、靴下、靴、マスク(花粉対策用マスクを含む)などが挙げられる。また、繊維に機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、天然繊維には減圧注入法を利用して混入(含有)させることができる。合成繊維では、合成繊維原料(母材樹脂)に添加混合することで含有させることができる。本発明の機能性繊維では、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。また、用途(ドリップ防止用不織布シートなど)によっては、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)や周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用により、食料品の鮮度保持、品質保持、安全性を向上することができ、さらにカビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、食料品の長期間の鮮度保持効果を高めることができるなど、野菜、果物、ご飯や弁当などの加工品、鮮魚、生鮮肉類などに幅広く適用し得るものである。さらに用途(寝具や寝装具や座席カバー)によっては、建物や乗物内での健康被害を防止し、さらにはストレスを緩和し、健康増進、さらには褥瘡防止・治癒など健康回復につながるものであり、特に寝具や寝装具などでは、寝たきり患者の苦痛を緩和するのに極めて有用である。また、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0123】
上記機能性材料を有してなる塗料、インク、トナー液、染料・顔料液などの液体(機能性塗料、機能性インク、機能性トナー液、染料・顔料液などの機能性液体という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、塗料、インク、トナー液、染料・顔料液などの液体全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。ここでいう塗料、インク、トナー液、染料・顔料液などの液体としては、塗料、インク、トナー液、染料・顔料液などの液体自身の他、その加工品(塗膜)・製品(塗装品)や部品(塗装部品)等を含む。例えば、家庭用塗料、工業用塗料(自動車塗装用塗料、船底塗料など)、電化製品の筐体などの鋼板塗装用塗料、家具などの塗装用塗料等の各種塗料、水性インク、油性インク等の各種インク、各種トナー液等が挙げられる。また、塗料、インク、トナー液、染料・顔料液などの液体に機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、塗料、インク、トナー液、染料・顔料液などの液体原料に添加混合することで含有させることができる。本発明の機能性塗料、機能性インク、機能性トナー液、染料・顔料液などの機能性液体では、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。また、用途(例えば、船底塗料など)によっては、船底にフジつぼなどの貝やコケ類などが付着するのを防止することができ、航行速度の低下を防止でき、船底の掃除の回数を大幅に削減でき、船舶の維持管理コストを大幅に低減できる。さらに、本発明の機能性樹脂は特に海洋汚染の原因となる物質を含まないため、環境汚染の問題もない。また、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0124】
上記機能性材料を有してなる樹脂(機能性樹脂という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、樹脂全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。ここでいう樹脂としては、樹脂自身の他、プラスチック、ゴム・エラストマーを含む。またそれらの加工品・製品や部品を含む。また、ゴムには天然ゴムおよび合成ゴムの両方を含む。例えば、食品トレー、ペットボトル、食料品包装容器、ドリップ防止シートなどの食品関連樹脂品;各種包装用フィルム;プリンタ、複写機、ファクシミリ、電話機などの樹脂製の事務・業務用品;テレビ、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、エアコン、音響機器などの家庭用電化製品やその筐体;ユニットバス;携帯電話の筐体、果物用の農業用緩衝材(フルーツキャップ)、パソコン本体やモニタやキーボードやマウスの筐体やマウスパット;壁紙やカーペット基材などの建物の樹脂製内装材;乗り物(自動車、電車、飛行機、船舶等)の各種内装材等が挙げられる。また、樹脂に機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、樹脂原料(母材樹脂)に添加混合することで含有させることができる。本発明の機能性樹脂では、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。また、用途によっては、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)や周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用により、食料品の鮮度保持、品質保持、安全性を向上することができ、さらにカビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、食料品の長期間の鮮度保持効果を高めることができるなど、野菜、果物、ご飯や弁当などの加工品、鮮魚、生鮮肉類などに幅広く適用し得るものである。さらに用途によっては、建物や乗物内での健康被害を防止し、さらにはストレスを緩和し、健康増進、さらには褥瘡防止・治癒など健康回復につながるものであり、寝たきり患者の苦痛を緩和するのに極めて有用である。また、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0125】
上記機能性材料を有してなるフィルム(機能性フィルムという)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、フィルム全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。ここでいうフィルムとしては、ここでいうフィルムとしては、フィルム自身の他、その加工品・製品や部品を含む。また、他の材料との積層材やラミネート加工品を含む。例えば、一般包装用ラップフィルム、一般包装用フィルム、買い物袋、各種テープ基材、ガラス強化フィルム、食料品用包装フィルム、食料品用包装ラップフィルム、他の材料とのラミネートや積層材の菓子袋や菓子用包装材等が挙げられる。また、フィルムに機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、フィルム原料(母材樹脂)に添加混合することで含有させることができる。本発明の機能性フィルムでは、後述する実施例に示すように、各種特性をバランスよく発現することができる。特に遠赤外線作用(=高い放射率を有する)や周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用により、食料品の鮮度保持、品質保持、安全性を向上することができ、さらにカビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、食料品の長期間の鮮度保持効果を高めることができるなど、野菜、果物、ご飯や弁当などの加工品、鮮魚、生鮮肉類などに幅広く適用し得るものである。さらに、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0126】
上記機能性材料を有してなるセラミックス(機能性セラミックス)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、セラミックス全体に対して3質量%以上であればよく、用途によって大きく異なるものであり、セメントやコンクリート等の充填材として少量使用する用途では、3〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。一方、置物やタイル等略全量を機能性材料でまかない得る場合には、3質量%以上、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、さらに好ましくは95〜100質量%の範囲であることが望ましい。ここでいうセラミックスとしては、セラミックス自身の他、その加工品・製品や部品を含む。さらにセメントやコンクリートもセラミックスに含まれるものとする。例えば、浴槽や台所などのタイル、便器、陶磁器製の食器、置物、テーブル、さらにはセメントやコンクリート施工住宅やマンションで、特にセメントやコンクリートを打ちっぱなしで住宅の内壁にセメントやコンクリートが露出しているもの等が挙げられる。また、セラミックスに機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、セラミックス原料に添加混合し、適当に成形し、乾燥、焼結(か焼)することで含有させることができる。本発明の機能性セラミックスでは、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。
【0127】
上記機能性材料を有してなる壁紙(機能性壁紙という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、壁紙全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。また、紙製壁紙および樹脂製壁紙のいずれであってもよい。また、壁紙に機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、壁紙原料(パルプないし母材樹脂)に添加混合することで含有させることができる。本発明の機能性壁紙では、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。さらに、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。さらに、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0128】
上記機能性材料を有してなる薬剤(機能性薬剤という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、薬剤全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜5質量%、特に好ましくは3〜4質量%の範囲であることが望ましい。薬剤としては、例えば、接着剤、粘着剤、防蟻剤、木材保存剤、防腐剤等が挙げられる。また、薬剤に機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、薬剤原料に添加混合することで含有させることができる。本発明の機能性薬剤では、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。さらに、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0129】
上記機能性材料を有してなる置物(機能性置物という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、置物全体に対して、例えば、上記機能性セラミックスを利用する場合には、3質量%以上、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、さらに好ましくは95〜100質量%の範囲であるし、上記機能性木材、機能性樹脂等を利用する場合には、2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。置物としては、上記機能性セラミックス、機能性木材、機能性樹脂等の製品が含まれるほか、機能性材料を切削、研磨などの加工したもの、機能性材料を成形し、焼成したものも含まれるものである。例えば、置き時計、みやげものなどの置物、文鎮などが挙げられる。本発明の機能性置物では、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。さらに、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0130】
上記機能性材料を有してなるタイル(機能性タイルという)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、タイル全体に対して3質量%以上、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、さらに好ましくは95〜100質量%の範囲であることが望ましい。タイルとしては、上記機能性セラミックスの製品が含まれるほか、機能性材料を切削、研磨などの加工したもの、機能性材料を成形し、焼成したものも含まれるものである。例えば、台所、洗面台、風呂場(ユニットバスを含む)、便所などに貼られるタイルなどが挙げられる。本発明の機能性タイルでは、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性を効果的に発現でき、例えば、風呂場などではストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、温浴効果をより一層高めることができ、台所などでは、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから清潔な水周りを提供することができるなど、快適な生活空間を提供することができる。
【0131】
上記機能性材料を有してなる床材(機能性床材という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、床材全体に対して、例えば、上記機能性セラミックスを利用する場合には、3質量%以上、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、さらに好ましくは95〜100質量%の範囲であるし、上記機能性木材、機能性樹脂等を利用する場合には、2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。あるいは機能性材料が、床材に、例えば、上記機能性セラミックスを利用する場合には、3〜100g/m2以上、好ましくは25〜100g/m2、より好ましくは50〜100g/m2、さらに好ましくは75〜100g/m2の範囲であるし、上記機能性木材、機能性樹脂、機能性繊維等を利用する場合には、3〜100g/m2、好ましくは3〜20g/m2、より好ましくは3〜7g/m2、特に好ましくは4〜6g/m2の範囲で含有されていることが望ましい。床材としては、上記機能性繊維や機能性木材や機能性樹脂や機能性セラミックスの製品が含まれるほか、機能性材料を切削、研磨などの加工したもの、機能性材料を成形し、焼成したものも含まれるものである。例えば、建材用のフローリングなどの木材(合板を含む)製床材、建材用のフロアカーペットや絨毯などの繊維製床材、建材用のフロアクッションマットなどの樹脂製床材、建材用のタイル張りあるいはセメントやコンクリートの打ちっぱなしなどのセラミックス製床材等が挙げられる。本発明の機能性床材では、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。さらに、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0132】
上記機能性材料を有してなるマスク(機能性マスクという)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、マスク全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。あるいは、また、機能性材料が、繊維に3〜100g/m2、好ましくは3〜20g/m2、より好ましくは3〜7g/m2、特に好ましくは4〜6g/m2の範囲で含有(混入、担持、付着、塗布・コーティング、含浸、注入等のいずれの形態であってもよい)されていることが望ましい。マスクとしては、上記機能性繊維を用いてマスクを作製したものが含まれるほか、既存の布材を用いたマスクの内側に機能性材料を塗着したものも含まれるものである。例えば、建材用のフローリングなどの木材(合板を含む)製床材、建材用のフロアカーペットや絨毯などの繊維製床材、建材用のフロアクッションマットなどの樹脂製床材、建材用のタイル張りあるいはセメントやコンクリートの打ちっぱなしなどのセラミックス製床材等が挙げられる。本発明の機能性マスクでは、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、花粉症で最もつらい症状とされる鼻水、3番目、4番目につらい症状とされるくしゃみ、鼻詰まりの各症状を抑える事ができるものである。これは、既存マスク機能でも花粉の侵入を抑えることができるほか、該機能性材料にも吸着させることもでき、花粉の侵入防止効果があるほか、これら機能性材料が、ストレスや緊張をほぐし、血液の循環をよくするため、鼻水や鼻詰まりなどの症状の緩和に極めて有効に作用すると考えられる。さらに、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0133】
以上が、本発明の機能性材料を有する用途品の具体例であるが、本発明はこれらに何ら制限されるべきものではない。
【0134】
こうした用途品の母材原料としては、特に制限されるものではなく、その用途、例えば、プラスチック(樹脂)、ゴム・エラストマー、紙・パルプ、繊維、木材、皮革、塗料などにより異なるものであり一義的に規定することはできないものであり、あらゆる種類の樹脂、ゴム(エラストマーを含む)、紙・パルプ、木材、皮革等を単独若しくは適当に組み合わせて母材原料とすることができるものである。さらにアルミニウム等の金属材料、ガラス等の無機材料、などの不燃性の母材原料(基材)等と組み合わせることもできる。すなわち、本発明では、該母材原料に機能性材料および他の添加剤(副資材)を配合し成形加工して得られる樹脂(プラスチック、ゴム、エラストマー)や紙・パルプなどの一次加工品やこれらの二次加工品があり、こうした製品において、本発明の作用効果を十分に発揮することができるものである。すなわち、本発明の機能性材料では、接触でも非接触でもマイナスイオン数増加作用などの諸特性を奏することができるため、樹脂やパルプ等中に混入されていても本発明の作用効果が損なわれることがないものである。さらに、木材や皮革などに真空(減圧)注入法等により機能性材料を加えた製品においも、本発明の作用効果を十分に発揮することができるものである。特に、汎用性のある樹脂を母材原料とするプラスチックの成形加工品が幅広い分野に適用でき、またあらゆる形態に成形加工できる利点を有する。
【0135】
また、本発明者は、機能性材料中の鉱物・岩石につき、乾燥状態及び水で濡らした状態で実験を行った結果、鉱物・岩石を水で濡らした状態の方が、乾燥状態よりもマイナスイオン発生数が増大することを見出したものである。したがって、例えば、生活環境下での水周り、例えば、台所の水道の蛇口や流し台、風呂場のタイルや浴槽や洗面台などへの利用が極めて有効であるほか、加湿器などの水蒸気吹出口などに本発明の機能性材料を混入した樹脂部品を利用することで、より大きなマイナスイオン効果を得ることができるものである。
【0136】
また、本発明の機能性材料を用いた製品に使用される樹脂(ゴム/エラストマー)等の母材原料としては、特に制限されるものではなく、従来既知の母材原料として用いられている樹脂、ゴムのほか、紙・パルプなどを使用することができる。こうした母材原料の一部(代表的な例)を示すならば、例えば、ポリテトラクロロエチレン、ポリジメチルシロキサン(シリコン)、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリエチレン、水素添加ポリブタジエン、ポリブタジエン/スチレン(85/15、75/25、60/40)、ポリイソブチレン、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ポリブチルアクリレート、ポリエチレルヘキシルメタクリレート、ポリエトキシメチルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリスチレン、ポリ−p−キシリレン、ポリサルファイド、ポリスチレンジビニルベンゼン、ポリメチルメタクリレート、ポリブタジエン/アクリロニトリル(75/25)、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素系プラスチック、ポリメチルアクリレート、エポキシ樹脂、ポリウレタン、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、プロピオン酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリビニルクロルアセテート、ポリエチレングリコールテレフタレート(テトロン)、セルロースジアセテート、セルロースジニトレート、ポリメチレノキサイド(デルリン)、フェノール樹脂、ポリビニルデンクロライド(サラン)、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−11、ナイロン−12などのポリアミド(ナイロン類)、ポリメタアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ジエン系プラスチック、ポリウレタン系プラスチック、耐熱性高分子(芳香族ポリアミド、ポリフェニレン、ポリキシリレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、芳香族ヘテロ環ポリマー、はしご型ポリマーなど)、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのホルムアルデヒド樹脂、アクロレイン系樹脂、トリアジン系樹脂、天然ゴム系プラスチック、セルロース系プラスチック、タンパク質系プラスチック、デンプンからのプラスチック等の天然プラスチック、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、アクリロニトリル−アクリル酸メチル共重合体(ゴム変成品)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロエチレン−トリフルオロエチレン共重合体(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、アイオノマー、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル酸メチルなどのエチレン共重合体、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエーテルスルホン、ポリウレタンエラストマー、ポリビニルアルコール、塩化ビニル−アセテート共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、チオコールゴム、ネオプレン、各種紙・パルプ、木材等が挙げられる。これらの母材原料は、単独(共重合体を含む)で用いてもよいし、2種以上を併用したものであってもよい。さらに、吸水性である織布、不織布およびアルミ箔などに母材原料を張り合わせることによって、それぞれの素材の特性(吸水性、耐水・耐油性、熱・光反射性、ガスバリヤー性など)をさらに生かすことができるので、多くの分野で用いることができる。
【0137】
製品中への機能性材料の含有量としては、製品の性能(機械的強度や加工性など)を損なうことなく、新たに機能性材料の持つマイナスイオン発生作用を有効かつ効果的に付与できる量であればよく、母材原料や用途などによっても異なるため一義的に規定することはできない。よって、使用に際し簡単な予備実験などにより最適な値を決定すればよく、例えば、樹脂原料を使ったフィルム等では、製品の総重量を基準として通常1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは3〜10質量%、さらに好ましくは2〜5質量%の範囲であるが、母材原料や用途などにより最適な範囲は変わることはことは上記した通りである。該機能性材料の含有量が1質量%未満の場合には、製品に機能性材料の持つマイナスイオン発生作用を有効かつ効果的に発現させることが困難となる場合がある。一方、機能性材料の含有量が20質量%を超える場合には、製品の性能(機械的強度や加工性など)を損なうおそれがある。
【0138】
また、本発明の機能性材料を用いた各種製品には、必要に応じて、それぞれの用途に適した従来既知の各種添加剤を用いる事ができる。例えば、従来公知の抗菌・防カビ剤、可塑剤、安定剤(酸化防止剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、滑剤、硬化剤、触媒、充填剤、帯電防止剤、着色剤(顔料等)、増量剤、結晶調節剤、補強材、難燃化剤、架橋剤、発泡剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、オゾン劣化防止剤などがそれぞれの性能(機能)が十分に発現し得る範囲内で適宜含有されていてもよい。
【0139】
本発明の本発明の機能性材料を用いた各種製品の使用形態としては、特に制限されるものではなく、その用途に応じたあらゆる形態に適用することができるものであり、1例を示せば、▲1▼フィルム形態(例えば、食品包装等、各種包装材など)、▲2▼成形加工形態(例えば、食品容器、まな板、台所用品、風呂場用品等の日用品、冷蔵庫、洗濯機、携帯端末(電話器)、浄水器、エアコンなどの電化製品や部品など、具体的には、板状、棒状など用途に適した形状)、▲3▼複合形態(例えば、壁紙、床材などの家庭内装材、シーリング材等の建材、各種タンク、パイプ等の水処理材料などのように本発明の機能性材料ないしその用途品と他の材料との貼り合わせや、積層(ラミネート)などの組み合わせなどで、具体的には、ラミネートフィルム、積層板等の形状など)など、▲4▼繊維形態(例えば、衣類、靴下、カーペット、寝具などの繊維製品など)、▲5▼紙・パルプ形態など、あらゆる形態にすることができる。
【0140】
次に、本発明の機能性材料を含有してなる各種製品の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来既知のプラスチック、ゴム、紙などの製造技術を適用する事ができるものであり、上記に例示したような母材原料の樹脂やゴム、パルプなどに、機能性材料、さらには上記に説明した各種添加剤を必要に応じて配合してなる配合材料を用いて成形加工するものである。(1)かかる配合操作は、目的とする製品の形態に応じて適宜選択されるべきものであり、▲1▼母材原料、機能性材料及び他の添加剤(副資材)を適量づつ配合し、これに必要に応じて適当な溶剤を用いて液状混合し、更に必要に応じて含浸、乾燥、粉砕、造粒操作を単独で行って、あるいは2以上の操作を順次行って、ペースト、溶液、プリプレグ、樹脂含浸塗布紙、プリミックス、粉末、ペレットなどの形態の配合材料を形成しても良いし、▲2▼母材原料、機能性材料及び他の添加剤(副資材)を適量づつ配合し、これに必要に応じて適当な溶剤を用いて固(粉)状混合し混練し、さらに必要に応じて粉砕または造粒して、混練物、粉末、ペレットなど形態の配合材料を形成しても良い。これらに配合の際、機能性材料及び他の添加剤を高濃度に含有するマスターバッチを作製し、その後、用途に応じて所望の濃度になるように均一に混合ないし混練処理しても良い。(2)また、その後の、成形・加工方法も、目的とする製品の形態に応じて適宜選択されるべきものであり、各種配合材料に適した成形加工法、例えば、スラッシュ成形(ペースト)、ディップ成形(ペースト)、注型(溶液)、発泡加工・発泡成形(溶液、ペレット)、積層成形(プリプレグ、樹脂含浸塗布紙、シート;配合材料である混練物を、さらにカレンダ加工または押出成形して得られる配合材料の形態の1つ)、粉末成形(粉末)、圧縮成形(プリミックス、粉末、ペレット)、トランスファ成形(粉末、ペレット)、射出成形(ペレット)、カレンダ加工(混練物)、押出成形(さらにブロー成形することもある)(混練物)、真空成形(シート)を利用すれば良い。さらに、こうした成形品は、適当な処理によって加工できる。例えば、印刷適性の改良、放射線によるポリマーの架橋、真空蒸着を用いた成形品表面への金属薄膜コーティング等を挙げることができるなど、従来公知の様々な成形加工法を適用することができる。また、これら樹脂加工品である容器、フィルム、シート等の成形加工品以外にも、繊維、塗料、接着剤、木材および木材加工品、皮革などに関しても、従来既知の製造方法を適宜利用して製造することができる。さらに、木材や皮革等については、後述する機能性木材の製造方法を適用することが望ましい。すなわち、真空装置内部に対象となる木材や皮革原料を入れておき、減圧させることで、これらの原料内も減圧されるので、この時点ないし常圧に戻す際に機能性材料を適当な溶液に均一に分散させたものを噴霧することで、こうした減圧された原料表面に機能性材料を注入するとした技術などが例示できる。
【0141】
【実施例】
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。
【0142】
実施例1
本発明の機能性材料の主成分の各鉱物・岩石の粉体および塊状物の状態で発生しているマイナスイオン数を測定した。ここで、粉体には、粒径10〜50μmのものを使用した。また、塊状物には、一辺25mmの立方体を使用した。粉体と塊状物は、いずれも同じ質量(約35〜40g)に調整して実験を行った。また測定方法は、既に説明した通りである。上記実験により得られた結果を下記表5に示す。
【0143】
【表5】
【0144】
また、電気石、トルマリンについても同様の実験を行ったが、バックグランド値と同等であり、マイナスイオン数増加作用は認められなかった。
【0145】
このことから、本発明に係る機能性材料の主成分の鉱物・岩石では、バックグランド値を差し引いて、約1000〜1500ケ/cm3のマイナスイオン数の増加が確認された。この程度のマイナスイオン数の増加が認められれば、人体に好影響を与えることができる。
【0146】
実施例2
羊製の皮革に真空注入法により、表3の機能性材料No.1及び2(平均粒径3μmものを使用した)の含有量が5質量%になるように含浸させて、機能性皮革を作製した。得られた機能性皮革につき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表6に示す。
【0147】
【表6】
【0148】
表6の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られた皮革(機能性皮革)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性皮革は、機能性材料を含浸させる前と同じ白色のままであり、手触り感覚、しなやかさ、加工性などには何ら影響せず、元の皮革と同等であり何ら違和感もないことが確認できた。また、製品として使用される際に加えられる引っ張りやねじり等の負荷を加えても、機能性皮革から機能性材料が脱落することはなく、極めて好適に含浸できていることも確認できた。
【0149】
実施例3
市販の木材(建材や家具用の楢の壁板材や家具用板材を使用した)に真空減圧法により、表3の機能性材料No.1及び2(平均粒径3μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように含浸させて、機能性木材を作製した。得られた機能性木材につき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表7に示す。
【0150】
【表7】
【0151】
表7の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られた木材(機能性木材)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性木材は、機能性材料を含浸させる前と同じ外観(色ないし木目)のままであり、手触り感覚、加工性などには何ら影響せず、元の木材と同等であり何ら違和感もないことが確認できた。また、製品(建材や家具など)を組み立てる際の切削や釘撃ちによる振動や衝撃などの負荷を加えても、機能性木材から機能性材料が脱落することはなく、極めて好適に含浸できていることも確認できた。
【0152】
実施例4
母材樹脂(アクリル樹脂(PA)を使用した。)に、表3の機能性材料No.1〜6(平均粒径3μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように添加混合した樹脂原料を用いて、紡糸して、PA製の繊維(機能性繊維)を作製した。得られた機能性繊維につき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表8に示す。表8の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られた繊維(機能性繊維)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性繊維は、機能性材料を含有させずに紡糸して作製した繊維と同じ色のままであり、手触り感覚、加工性(織物加工、編物加工、組物加工、嵩高処理など)などには何ら影響せず、機能性材料を含有させずに紡糸して作製した繊維と同等であり何ら違和感もないことが確認できた。また、製品(衣類などの織物、編物、組物、不織布など)を縫製する際あるいは着用中や洗濯等の際の引張りや捩れなどの負荷を加えても、機能性繊維から機能性材料が脱落することはなく、極めて好適に含有できていることも確認できた。
【0153】
【表8】
【0154】
上記機能性繊維製の布で機能性寝具(ベットマットカバーの裏布地および表布地)に加工し、また該機能性繊維に用いた機能性材料(ただし、粒度は下記のものを使用した)を用いて褥瘡防止・治癒用マット(機能性マット)を作製した。
【0155】
褥瘡防止・治癒用マットの構造は、以下の通りとした。
【0156】
・マットの寸法:1000×2000mm
・マットの中心材:立体織りハニカム構造とした。
【0157】
・裏布地、表布地:機能性寝具(ベットマットカバー)とした。
【0158】
・機能性セラミックス:粒度が1〜3mmサイズ(ないし325メッシュサイズ)のものを用い、マットの略全面に250g/m2となるように用いた。これは、裏布地、表布地とは、別にマットの中心材と表布地の間に機能性セラミックス(後述する実施例7と同様にして作製したもの(粒度のみを変えている))を使用した。
【0159】
褥瘡防止・治癒用マットの製造は、裏布地上に中心材を置き、中心材の表面に機能性材料を塗工し、機能性セラミックスを塗工した中心材表面上に表布地を被覆し、中心材とその外の布地とを適当な大きさに区画して縫合し、区画された中心材とその外の布地との間に機能性セラミックスが具備されるようにして作成したものである。
【0160】
この機能性ベットマット褥瘡(床ずれ)防止・治癒寝具としての有用性が確認できた。すなわち、機能性寝具を用いた被検者ごとに使用前の患部の褥瘡の症状を診断した結果、半月〜4ヶ月程度で褥瘡の症状がなくなり、健康な状態に治癒(自然治癒)することが確認できた。
【0161】
【表9】
【0162】
上記表9の褥瘡の症状;
1度:表皮の損傷・皮膚の紅斑と硬結がある;
2度:全層皮膚損傷がある;
3度:損傷が深在性筋膜に及ぶ深さであるが、筋膜・骨膜に達しない;
4度:筋肉・骨・関節に及ぶ深さである。閉鎖性が深層の筋膜にみられる。
【0163】
この褥瘡の症状は、本発明の機能性材料を利用した褥瘡防止・治癒用マット(機能性マット)を使用した被検者ごとに本機能性マット使用前の患部の褥瘡の症状を診断して結果である。また、作用効果の欄の「治癒」とは、褥瘡の症状がなくなり、健康な状態に治癒(自然治癒)したことを表わす。すなわち、本機能性マット使用期間経過後の患部の褥瘡の症状を診断した結果、いずれも褥瘡の症状がそれぞれ1〜4度に分類されていたものを、治癒することができた。
【0164】
実施例5
一般的な塗料は、無機・有機顔料、バインダー(基体樹脂、架橋剤を含む)、溶剤、添加剤(分散安定剤など)、表面処理剤等が混合されてなるものである。本発明では、市販の屋内用塗料に、表3の機能性材料No.1〜3(平均粒径3μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように添加混合して作製した。得られた機能性塗料を基板(鋼板を使用した)に塗布乾燥して塗膜を形成した。かかる塗膜につき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表10に示す。表10の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られた塗料(機能性塗料)による塗膜では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性塗料は、機能性材料を含有する前の塗料と同じ色のままであり、また塗膜に関しても同様であり、表面光沢、手触り感覚、塗工性などには影響せず、機能性材料を含有しない塗料と同等であり何ら違和感もないことが確認できた。また、一般的な塗料には、上記したように無機系の顔料も数多く使われており、こうした無機材料と同様に本発明の機能性材料も塗料液中に分散させることができるものであり、使用前に機能性材料のみが分離することはなく、極めて好適に含有できていることも確認できた。また、塗膜についても、機能性材料によるブツや変色などの不具合は見られず、極めて好適に含有できていることも確認できた。
【0165】
【表10】
【0166】
実施例6
母材樹脂(ポリエチレン樹脂(PE)を使用した。)に、表3の機能性材料No.1〜5(平均粒径5μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように添加混合した樹脂原料を用いて、厚さ50μmのPE製フィルム(機能性フィルム)を作製した。得られた機能性フィルムにつき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表11に示す。表11の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られたフィルム(機能性フィルム)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性フィルムは、機能性材料を含有させずに作製したフィルムと同じ無色透明に近いものが得られた。なお、機能性材料の粒度を小さくしていくことで、透明性が向上することは他の無機系添加剤を用いる場合と同様であることが確認できた。機能性材料によるフィルムの加工性などは用いる延伸ローラなどの材質や強度は、既存の装置でも特に影響を受けず、得られた機能性フィルムの利便性や特性も、機能性材料を含有させずに作製したフィルムと略同等であり何ら問題は生じないことが確認できた。また、製品(ラップフィルムや菓子などの包装用フィルムなど)として利用する際の引張りなどの負荷を加えても、機能性フィルムが破れやすかったり、傷つき易いなどの問題は無く、好適に含有できていることも確認できた。
【0167】
【表11】
【0168】
また、上記機能性フィルムと同様の機能性材料1を同量含有する樹脂原料を用いて発泡PE製のフルーツキャップ(機能性樹脂のフルーツキャップ)、発泡ポリスチレン製の食品用トレイ(機能性樹脂の容器)、ドリップ防止シート(機能性樹脂の不織布シート)を作製し、上記機能性フィルムと組み合わせるなどして、生鮮食品(野菜では胡瓜、果物では桃、鮮魚では鯖切り身、畜産生肉はスライスした牛肉を使用した。)の鮮度保持実験を行った。
【0169】
(1)野菜
上記機能性フィルム1と機能性材料を含まないフィルムをそれぞれ用いて、新鮮な野菜を包装し、その後の野菜の経時的な変化を下記表12に示す鮮度表示表に従って判定し、その結果を下記表13に示す。表13中の経時時間ごとの鮮度表示指数は、下記表12の鮮度保持表の判定基準に従って行い、10個のサンプルが最大数を占める指数とした。新鮮な野菜には、胡瓜を用い、各々10個をサンプルとした。
【0170】
(2)果物
果物用の農業用緩衝材(通称;フルーツキャップ;果実などの保護ないし緩衝に用いられる発泡ポリエチレン製ネット)として、機能性材料1を5質量%配合してなる発泡PE製のフルーツキャップ(機能性樹脂のキャップ)と、機能性材料を含まない発泡PE製のフルーツキャップを用いて、果実をフルーツキャップに収納し、その後の果実の経時的な変化を下記表12に示す鮮度表示表に従って判定し、その結果を下記表14に示す。表14中の経時時間ごとの鮮度表示指数は、10個のサンプルが最大数を占める指数とした。新鮮な果実には、桃を用い、各々10個をサンプルとした。
【0171】
(3)鮮魚
機能性材料1を5質量%配合してなる発泡ポリスチレン製の食品用トレイ(機能性樹脂の容器)を用いて、鮮魚(鯖切り身)を該食品用トレイ(機能性樹脂の容器)に入れ、これらを機能性フィルム1で包装し、その後の鮮魚の切り身のpH値の経時的な変化を測定した。同様に機能性材料を含まないフィルムおよび発泡ポリスチレン製の食品用トレイを用いて、鮮魚の切り身のpH値の経時的な変化を測定した。新鮮な鮮魚には、即殺後に加工・調理を行った鯖の切り身を用い、各々10個をサンプルとした。得られた結果を下記表15に示す。なお、pHは、切り身をミキサーでペースト状にし、このペースト状物のpHをpH測定器で測定した。
【0172】
(4)生肉
上記(3)と同様の機能性フィルム1と食品用トレイ(機能性樹脂の容器)、更に機能性材料1を5質量%担持したドリップ防止シート(機能性樹脂の不織布シート)を用いて、牛肉をドリップ防止シートを敷いた食品用トレイに入れ、これを機能性フィルムで包装し、その後の牛肉の経時的な質量変化率(%)を測定した。同様に機能性材料を含まないフィルム、食品用トレイおよびドリップ防止シートを用いて、牛肉の経時的な質量変化率(%)を測定した。新鮮な肉類には、牛肉(スライスした肉)を用い、各々10サンプル用意した。得られた結果を下記表16に示す。なお、牛肉の質量変化率は、スライスして包装した直後の質量(M1)を基準に、その後、経時的に測定した質量(M2)とした場合、(M1−M2)/M1×100として求めた。なお、時間経過に伴い牛肉の鮮度劣化に伴いドリップがでてくるため、これを取り除いて質量を測定した。
【0173】
【表12】
【0174】
【表13】
【0175】
【表14】
【0176】
【表15】
【0177】
【表16】
【0178】
上記表12〜16の結果から明らかなように、本発明の機能性材料を含有する機能性フィルムや機能性樹脂のキャップや食品トレーやドリップ防止シートを用いたものでは、機能性材料を添加しなかったフィルムや食品トレーやドリップ防止シートに対して長期保存が可能であることが確認できた。すなわち、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることで、鮮度保持材としても有効かつ効果的に利用することができることが確認できた。これは、本発明の機能性樹脂の製品である機能性フィルムや機能性樹脂の容器(食品トレー)やフルーツキャップやドリップ防止シート等では、マイナスイオン数を増加させる作用効果に加えて、抗菌性、脱臭性、防カビ性を有することによって、生鮮食品中の酵素の分解作用などが抑制されると共に、菌類の増殖を抑制し得るので鮮度が長期に保持されるものと考える。
【0179】
実施例7
表3の機能性材料No.1〜3(平均粒径3μmものを使用した)の配合量が5質量%となるように、結合剤として粘土鉱物(洗面台や便器に用いられるもの;シリカとアルミナを主成分とするもの)と、スラリー粘度調整剤として水とを加えて混合し、所定の形状に成形後、600℃で2時間、か焼して、1kgの機能性置物(機能性固体)をそれぞれ作製した。形状は、任意の形状に加工できるが、ここでは便宜上、最も簡単な立方体に成型した。得られた機能性置物につき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表17に示す。表17の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られた置物(機能性置物)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。
【0180】
【表17】
【0181】
また、洗面台や便器等に用いる粘土鉱物に本発明の機能性材料を添加混合して上記と同様にか焼することで、機能性セラミックスの洗面台や便器等を得ることもできる。こうした場合でも、既存の洗面台や便器等と同様の上薬を用いてか焼することができ、機能性材料を添加しないものと同じ外観のままであり、手触り感覚、加工性などには何ら影響せず、何ら違和感もないことが確認できた。また、製品(洗面台や便器)を組み立てる際や使用時の振動や衝撃などの負荷を加えても、機能性セラミックスがひび割れ易かったり、割れやすいなどの問題は無く、好適に含有できていることも確認できた。
【0182】
実施例8
壁紙用のパルプ材料に、表3の機能性材料No.1〜3(平均粒径3μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように添加混合したパルプ原料を用いて、紙製の壁紙(機能性壁紙)を作製した。得られた機能性壁紙につき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表18に示す。表18の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られた壁紙(機能性壁紙)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性壁紙は、機能性材料を含有させずに作製した壁紙と同じ色のままであり、手触り感覚、加工性などには何ら影響せず、機能性材料を含有させずに作製した壁紙と同等であり何ら違和感もないことが確認できた。また、機能性壁紙を施工する際に、シックハウス症候群の原因物質である揮発性有機化合物の1つであるホルムアルデヒドを含有する接着剤を用いて行い、周辺空気中のホルムアルデヒドの濃度を調べてみた。この場合にも、機能性材料を含有しない壁紙の場合には、JISやJASの許容濃度を上回る濃度が検出されたが、機能性壁紙では、表18に示す揮発性有機化合物低減作用により、JISやJASの許容濃度よりも格段に低い濃度しか検出されず、その有用性が確認できた。また、施工などでの負荷を加えても、機能性壁紙から機能性材料が脱落することはなく、極めて好適に含有できていることも確認できた。
【0183】
【表18】
【0184】
さらに、上記機能性置物1によるマイナスイオンの周辺雰囲気に及ぼす平面的作用効果と立体的作用効果の実験を行った。詳しくは、上記機能性置物1(1つが1kg)の数(=量及び表面積)を変えてみたところ、住宅やマンションの通常の広さ部屋(4.5畳、6畳及び8畳)全体に常にマイナスイオンが行き渡るようにすることができる数を調べた。これは、マイナスイオンのライフタイム及び移動度の関係から、部屋の隅に機能性置物をおいた場合に、その部屋全体にマイナスイオンが到達する、すなわち、その部屋にいる人にマイナスイオンが作用することができる条件と調べたものである。得られた結果を図1に示す。図1に示すように、機能性置物の数(=量及び表面積)を増やすことで、より広い範囲がカバーできることがわかった。このことから、人が直接身につけたり、すぐそばに置かなくても、ある程度の距離を隔てても有効に作用しえることが確認できた。これは、本発明の機能性材料に起因するマイナスイオンのライフタイムが長く、移動度も速いため、離れた場所でも十分にその影響が及ぶため、生活環境全体にマイナスイオン効果を与えることもできるためと考える。
【0185】
このことから、生活環境の中でストレス等を受けやすい環境(仕事場や学校など)のほか、ストレスから開放される住空間(マイホームなど)において、恒久的にマイナスイオン作用を発現させることで、人の持つ自然治癒能力を高め、ストレス等を緩和でき健康の増進につなげることができる。また、遠赤外線作用および揮発性有機化合物低減作用についてもマイナスイオン数増加作用と同様のことがいえる。また、本発明の機能性材料は、置物に限らず各種製品に適用できるため、衣類や寝具、建材など身近な製品に適用することも、ストレスやシックハウスの予防効果が得られるなど、健康の維持・増進につなげることができる。
【0186】
なお、母材樹脂(ポリエチレン)に、表3の機能性材料No.1〜3(平均粒径3μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように添加混合した樹脂原料を用いて、樹脂(PE)製の壁紙(機能性壁紙)を作製してみたが、この場合にも、紙製の壁紙と略同等の効果が得られることが確認できた。
【0187】
実施例9
表3の機能性材料No.1〜3(平均粒径3μmものを使用した)の配合量が5質量%となるように、結合剤として粘土鉱物(タイルに用いられるもの;シリカとアルミナを主成分とするもの)と、スラリー粘度調整剤として水とを加えて混合し、所定の形状に成形後、600℃で2時間、か焼して、機能性タイル(機能性固体)をそれぞれ作製した。形状は、任意の形状に加工できるが、ここでは便宜上、最も簡単な250mm角の正方形に成型した。得られた機能性タイルにつき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表19に示す。表19の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られたタイル(機能性タイル)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。
【0188】
【表19】
【0189】
また、タイルは、既存のタイルと同様の上薬を用いてか焼することができ、機能性材料を添加しないものと同じ外観のままであり、手触り感覚、加工性などには何ら影響せず、何ら違和感もないことが確認できた。また、製品(タイル)を組み立てる際や使用時の振動や衝撃などの負荷を加えても、機能性タイルがひび割れ易かったり、割れやすいなどの問題は無く、好適に含有できていることも確認できた。
【0190】
実施例10
市販の床材(フローリング用の床材;合板を使用した)に真空減圧法により、表3の機能性材料No.1〜3(平均粒径3μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように含浸させて、機能性床材を作製した。得られた機能性床材につき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表20に示す。
【0191】
【表20】
【0192】
表20の結果から、機能性床材を適量含有させることで、得られた床材(機能性床材材)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性床材は、機能性材料を含浸させる前と同じ外観(色ないし木目)のままであり、手触り感覚、加工性などには何ら影響せず、元の床材と同等であり何ら違和感もないことが確認できた。また、床材を貼り付ける(敷き詰める)際の釘撃ちによる振動や衝撃などの負荷を加えても、機能性床材から機能性材料が脱落することはなく、極めて好適に含浸できていることも確認できた。
【0193】
実施例11
複数枚の布材やガーゼを貼り合わせている市販のマスクにつき、これらを張り合わせる前に、1枚の布材の片面(貼り合わせ面)に、表3の機能性材料No.1〜3(平均粒径3μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように接着剤を加えて、スプレー塗布し、乾燥させた後、これらの布材を貼り合わせてマスクを(機能性マスク)を作製した。得られた機能性マスクにつき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表21に示す。
【0194】
【表21】
【0195】
表21の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られたマスク(機能性マスク)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性マスクの外観は、機能性材料を含有させずに作製したマスクと同じ色のままであり、手触り感覚、装着感などには何ら影響せず、機能性材料を含有させずに作製したマスクと同等であり何ら違和感もないことが確認できた。また、マスクの使用中や洗濯等の際の引張りや捩れなどの負荷を加えても、機能性マスクから機能性材料が脱落することはなく、極めて好適に含有できていることも確認できた。
【0196】
また、花粉症の被検者に市販マスクと機能性マスクにつき、使用してもらって、花粉症による鼻水、くしゃみ、鼻詰まり等の症状につき調べた結果、市販マスクに比べて機能性マスクでは、こうした症状が大幅に抑えられることが確認できた。
【0197】
【発明の効果】
本発明の機能性材料は、花崗岩系、長石系、雲母系および沸石系の鉱物・岩石の少なくとも1種を主成分とし、さらに好ましくはドロマイトおよび/または炭酸リチウムを少量含有してなるものである。そのため、仕事(苛酷な労働)や受験勉強などによる精神的,肉体的ストレス、電子機器や携帯電話等からの電磁波などにより生体内のイオンバランスが崩れている現代人の健康回復(イオンバランスの回復、詳しくは、マイナスイオンは、生体に対する作用効果として、血漿のセロトニン、ドーパミンを低下させ、拡張期血圧を低下させ、交感神経を抑制し、反応時間を短縮するなどの特性を有しており、身体の癒し、さらには褥瘡(床ずれ)防止・治癒)、花粉症に有用である周辺空気中(すなわち、生活空間内)のマイナスイオン数を増加させる作用、自動車排気ガス等による大気汚染、生活空間内の化学物質等の汚染によるシックハウス症候群やアトピー性皮膚炎にも寄与し得る揮発性有機化合物の放散量を低減する作用、血行促進、褥瘡(床ずれ)防止・治癒、花粉症などに有用な遠赤外線作用、更には、食料品や生活用品などの鮮度保持や安全性向上などに有用である防カビ性、脱臭性および抗菌性を有するため、生活用品や内装建材(壁紙やカーペット等の内装材やインテリア等)など生活空間内にある各種製品への添加剤等をはじめとして、幅広い分野において利用することのできるものである。
【0198】
また、一般的にシックハウス症候群の原因物質である総揮発性化合物(TVOCs)の多くは電気的にプラスに帯電しているため、本発明のマイナスイオン数増加作用により、増加したマイナスイオンがプラスの揮発性化合物と電気的吸引力により結合し、電気的な中和現象が発生することによって、揮発性化合物が分解されるほか、大イオンとの結合によりより重くなり空気中に浮遊できず沈降させてしまう働きによっても空気浄化、揮発性有機化合物の低減にも大いに寄与し得るものといえる。
【0199】
また、本発明の機能性材料およびこれを用いた各種用途(製品)は、マイナスイオン数増加作用、(遠赤外線作用)および揮発性有機化合物低減作用を有する特定の鉱物・岩石、さらには遠赤外線作用、防カビ性、抗菌性、脱臭性を有する特定の無機材料(ドロマイト、炭酸リチウムなど)を、使用用途に応じて所定の粉体(粒度)に加工して原料母材(樹脂(ゴム・エラストマーを含む)、木材、皮革、紙・パルプ、セラミックス、塗料用樹脂基体など)に所定比率で添加混入や減圧注入等した製品、例えば、塗料、木材製品(床材、壁材などの建材、家具)、繊維製品(衣類、寝具など)、樹脂製品(包装フィルム、食品トレーなどの容器、建築や自動車などの壁紙、床材、影材、カーぺット、シートなどの内装材、空気清浄機のフィルターなど)、セラミックス製品(便座、タイル、空気清浄機の空気浄化用のセラミックス造粒体)に加工することによって、悪化した現状の生活環境を改善することができる画期的なものである。
【0200】
本発明の機能性材料では、安価に供給される天然鉱物原料を微粉化し、適当な化学的処理による簡単な操作で製造し得るものである。よって、複雑な加工処理を施すことなく比較的安価に製造することができる。
【0201】
さらに、本発明の機能性材料を用いてなる製品、例えば、樹脂製品、塗料、接着剤、ゴム・エラストマーや繊維などでは、加工時の加熱及び加圧、使用の際に置かれる環境(光、水等)に耐え、しかも樹脂や繊維製品の基本性能を損なう事なく、従来の無機充填材料など(例えば、広く使用されている炭酸カルシウムなど)と同様にして母材原料の樹脂成分などに対して所定の比率で添加混合(マスターバッチ法や紡糸時に配合)する操作を行うだけでよく、既存の製造技術をそのまま適用できるので、新たに製造装置を揃えなくともよく、比較的安価に製造することができる。また、従来と同様にあらゆる形態(繊維、フィルム、塗膜、成型品等の諸形態)に加工でき、かつ安全性(加工、使用、廃棄の全ての段階における安全性)の極めて高いものにできる。このような製品としては、例えば、皮革製品、例えば、コートなど、木材製品、例えば、床材、天井材、壁材などの建材、家具・調度類など、紙・パルプ製品、例えば、壁紙(紙製)、本、トイレットペーパ、紙おむつなど、セラミックス製品、例えば、タイル、置物、流し台、台所、風呂場、便器など、樹脂製品やフィルム製品、例えば、食品包装、食品用容器、まな板、台所用品、風呂場用品等の日用・家庭用品、冷蔵庫、洗濯機、携帯端末(電話器)、浄水器、エアコン等の電化製品、壁紙(樹脂製)、床材などの家庭内装材、シーリング剤等の建材、繊維製品、例えば、靴下、カーペット、寝具、マスクなど、さらにこれらを組み合わせたものや建設機械、農業資材、工業用品など、本発明の各種作用が要求されている製品に幅広く使用できる画期的な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】機能性置物によるマイナスイオンの作用効果の及ぼす範囲を測定した結果を表す図面であり、図1(a)は、機能性置物を部屋(4.5畳〜8畳)の隅に横(平面的)に1〜3個並べて、該置物から最も離れた部屋の隅でのマイナスイオンを計測した値を示すものであり、図1(b)は、機能性置物を部屋(4.5畳〜8畳)の隅に縦(立体的)に積み上げて、該置物から最も離れた部屋の隅のH2の高さでのマイナスイオンを計測した値を示すものである(なお、いずれもバックグランド(BG)値は1000ヶ/cm3である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、周辺雰囲気のマイナスイオン数を増加させる作用(本明細書中、単にマイナスイオン数増加作用ともいう)および揮発性有機化合物の放散量を低減する作用(本明細書中、単に揮発性有機化合物低減作用ともいう)、好ましくは上記特性のほかに遠赤外線を放射する作用(本明細書中、単に遠赤外線作用ともいう)、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得る、新規な機能性材料およびそれを用いた各種用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、滝などでのレナード効果により発生するマイナスイオンが人体に好影響を及ぼすことがわかってから、生活環境、特に住環境中にマイナスイオンを取り入れようとする動きが活発になってきている。マイナスイオンとは、マイナスの電気を帯びているイオンである。空気中のマイナスイオンを大きさで区分すると、小イオンと大イオンに分類される。小イオンは電子が核になって10〜30個ほどの周囲の気体分子を引き寄せて結合体(クラスター)となったものであり、寿命(ライフタイム)は通常100秒前後である。小イオンの移動度は2.1mm/秒程度の比較的高速であることから生体に付着され易く、人体に好影響を及ぼし易いといえる。大イオンとは電子や小イオンが塵や埃などの微粒子に付着したものや小イオンが再結合したものである。小イオンと同じ形態であるが、質量は小イオンの1000倍程度と重く移動度は0.01〜0.005mm/程度と遅く、大イオンは小イオンに比べて生体に付着しにくく、人体に好影響を及ぼすことはできるが、小イオンに比べて影響が小さい。また、付着微粒子が重いほど降下しやすく、空気の浄化作用に利用されるようになっている。
【0003】
例えば、コロナ放電によりマイナスイオンを発生させて、エアコンなどの送風と共に室内にマイナスイオンを送り出すことが提案されているが、こうしたコロナ放電により発生されたマイナスイオンのライフタイムは短く、マイナスイオンが室内に満たされることは無く、極狭い空間にしか作用できないため、人体への好影響は十分に確認できないものであるほか、ランニングコストが必要となるなど高コストであり、エアコンを作動させなければマイナスイオン効果は得られず、エアコン作動中の極限られた領域にしかマイナスイオン効果が得られないため、その効果は極めて限定的である。
【0004】
また、レナード効果を利用してマイナスイオンを発生させる方法が考えられているが、超音波霧化装置等を利用して室内に霧のような水蒸気を発生させる必要があり、室内が結露したり、肌や衣類のベトツキ感による不快感を招くほか、梅雨など湿度が高い季節では、さらにカビや細菌などの発生を助長し、こうしたカビや細菌等もいっしょに室内を漂うことになり、却って人体に悪影響を及ぼす問題もある。また、こうしたレナード効果によるマイナスイオンのライフタイムも比較的短く、人体への好影響は十分に確認できないものであるほか、ランニングコストが必要となるなど高コストであり、超音波霧化装置等を作動させなければマイナスイオン効果は得られず、超音波霧化装置等作動中の極限られた領域にしかマイナスイオン効果が得られないため、その効果は極めて限定的である。
【0005】
さらに、マイナスイオンを発生するものとして電気石やトルマリンなどの天然資源を使ったものが数多く提案されている。例えば、電気石、ガーネット、バリウム、ジルコニウム、シリカ、ストロンチウム、カルシウム、燐、硫黄、塩素、又はイットリウム、ランタン、セリウム、ネオジム希土類元素を含む鉱物の1種又は2種以上の混合物からなるマイナスイオン発生鉱物と導電性物質と導電性物質拡散材とを合成樹脂に添加したことを特徴とするマイナスイオン発生合成樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これによれば、導電性物質とマイナスイオン発生鉱物と称される電気石等とが混入されたプラスチック材料が固化成形される。ここで、マイナスイオン発生鉱物と称される電気石等は自発分極する極性結晶体であり、結晶の両端にプラス極、マイナス極が自発的に生じて電位差が生成される。この電位が導電性物質を利用してプラスチック表面に導出され、プラスチック表面に接する空気中の水分子が電気分解される。この結果、マイナスイオンが生成されるとある。
【0006】
しかしながら、マイナスイオン発生鉱物と称される電気石等による周辺空気中のマイナスイオン数の増減を財団法人電力中央研究所に依頼して測定したところ、電気石等のマイナスイオン発生鉱物自身にはマイナスイオン数を増加させる作用は認められなかった。また、電気石等のマイナスイオン発生鉱物に水を吹き付けて、上記特許文献1でいう水の電気分解反応を促進させてみたが、結果は変わらなかった。さらに、電気石等のマイナスイオン発生鉱物をプラスチックフィルムで被覆して同様の実験を行ったが、やはり結果は変わらなかった。
【0007】
建物の高気密化や化学物質を放散する建材、内装材の使用などにより、新築、改築後の住宅やビルにおいて、化学物質による室内空気汚染により、居住者の様々な体調不良が生じている状態が、数多く報告されている。症状が多様で、症状発生の仕組みをはじめ、未解明な部分が多く、また様々な複合要因が考えられることから、シックハウス症候群と呼ばれる。このシックハウス症候群は、欧米のオフィスで1940年代ぐらいからシックビルデング症候群の名で知られていた。日本では住宅で発生するケースが多いためシックハウス症候群と呼ばれている(あるいは室内空気汚染、化学物質過敏症などとも呼ばれている)。
【0008】
特に、住まいが高断熱・高気密化し、エアコンや新しい建材の普及によって快適になる一方で、シックハウス症候群が顕在化し、いわば健康住宅への関心が高まっている。その多くは、合板類、ビニル壁紙、フローリング下地材等の建材の接着剤や塗料、防蟻剤などに含有されている、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、クロルピリホスなどの化学物質(揮発性有機化合物)との関連が指摘されている。特に、建材や家具の接着剤や塗料、防腐剤等などに幅広く使われており、シックハウス症候群の主原因とみられているのがホルムアルデヒドである。ホルムアルデヒドは、反応性、熱安定性に優れ、経済的なことから塗料や建材、家具、内装材(壁紙等)の接着剤にごく一般的に用いられてきた物質である。しかしながら、これらの物質は、刺激臭のある無色の気体で、空気中に放散しやすく、空気中の濃度が高くなると、目やのどに刺激を与え涙が出たり、空気と一緒に吸い込むことで浮腫炎症など様々な症状を起こす。具体的には、シックハウス症候群の診断基準として、眼球結膜、鼻粘膜、のど、唇などの粘膜への刺激、乾燥、皮膚の異常、集中力の減速、頭痛、息苦しさ、過敏症、めまい、吐き気等の症状が単独、併発してあらわれる。そのため、新居への引越し、改築などでこれらの症状があらわれた場合、シックハウス症候群の可能性が考えられる。
【0009】
一般的にシックハウス症候群の最大の予防は、有害な化学物質を室内等に持ち込まないことである。そのため、こうした揮発性有機化合物を使用しない建材や家具の開発が進められているが、こうしや揮発性有機化合物を使わない建材や家具等は今だ見出されていないのが実情である。したがって、現状では、新居に越したり、新しい家具を購入した場合は、これらに含まれている揮発性有機化合物を発散させたうえ換気等をしているのが現況であるが、これらの揮発性有機化合物の放散は遅く、換気後も放散が続くため、十分な対策となり得ていないのが実情である。
【0010】
さらに、ここにきて新築の建物で発生するシックハウス症候群が社会問題となる中、厚生労働省は、学校やホテル、百貨店の新築時や大規模改修時に、原因の一つとされる化学物質であるホルムアルデヒドの測定を義務づけ、国の指針値(1m3中0.08ppm以下)を上回るような場合、改善策をとらせるとしている。厚生労働省によると、化学物質を多く含む新建材を多く用いたり、気密性の高い建物が増えたりしたことを背景に、新築されたばかりの学校、ホテル、百貨店で生徒や従業員、宿泊客や来店客が健康被害を訴えるケースが相次いでいるのを受け、建物の新築や大規模な改修の際に、使用前に室内空気中のホルムアルデヒド濃度を測定させ、国の指針値を上回るような場合、改善策をとらせるものである。トルエンやキシレンなどシックハウス症候群との関連が指摘される化学物質はほかにもあるが、建材や家具に最も広く使われていることから、今回はホルムアルデヒドだけに絞ったことが報道されている。さらに、ビルの配管内で繁殖し、感染すれば肺炎を引き起こすレジオネラ菌による健康被害を防ぐため、ビル衛生管理法の関連政令と省令を抜本的に改正するものであり、こうした細菌に対する抗菌性と揮発性有機化合物の放散量を低減する作用を有する機能性材料およびこれを用いた建材等が嘱望されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−348483号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、既存のマイナスイオン発生鉱物と称される電気石等に変わる新たな周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用を有する新規な機能性材料およびその用途を提供することにある。
【0013】
また、本発明の目的は、シックハウス症候群との関連が指摘されるホルムアルデヒドを初めとする揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用を有する新規な機能性材料およびその用途を提供するものである。
【0014】
さらに、本発明の目的は、建物や乗物内での健康被害を防止し、さらにはストレスを緩和し、健康増進、さらには褥瘡防止・治癒など健康回復につながるように、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性をバランス良く発現することのできる、新規な機能性材料およびその用途を提供することにある。
【0015】
さらにまた、本発明の目的は、花粉症などのアレルギー疾患の改善につながるように、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性をバランス良く発現することのできる、新規な機能性材料およびその用途を提供することにある。
【0016】
さらにまた、本発明の目的は、食料品の鮮度保持、品質保持、安全性向上につながるように、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性をバランス良く発現することのできる、新規な機能性材料およびその用途を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく、新たな機能性材料およびその用途に関し、鋭意検討した結果、従来言われている電気石などとは全く異なるごく限られた鉱物・岩石等に限り周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、遠赤外線作用および揮発性有機化合物の放散量を低減する作用、さらには防カビ性、脱臭性、抗菌性を有することを見出し、かかる知見に基づき特性の異なる材料を適当に組み合わせることで、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0018】
すなわち、本発明の目的は、下記(1)〜(43)に記載の機能性材料およびそれを用いた用途により達成されるものである。
【0019】
(1) 花崗岩系、長石系、雲母系および沸石系鉱物・岩石の少なくとも1種を含有することを特徴とするマイナスイオン数増加作用および揮発性有機化合物低減作用を有する機能性材料。
【0020】
(2) 前記花崗岩系、長石系、雲母系および沸石系鉱物・岩石の合計含有量が、機能性材料全量に対して5質量%以上の範囲であることを特徴とする上記(1)に記載の機能性材料。
【0021】
(3) ドロマイトをさらに含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の機能性材料。
【0022】
(4) 前記ドロマイトの含有量が、機能性材料全量に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(3)に記載の機能性材料。
【0023】
(5) リチウム化合物をさらに含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の機能性材料。
【0024】
(6) 前記リチウム化合物が、炭酸リチウムであることを特徴とする上記(5)に記載の機能性材料
(7) 前記リチウム化合物の含有量が、機能性材料全量に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(5)または(6)に記載の機能性材料。
【0025】
(8) 角閃石系鉱物・岩石をさらに含有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の機能性材料。
【0026】
(9) 前記角閃石系鉱物・岩石の含有量が、機能性材料全量に対して3質量%以上の範囲であることを特徴とする上記(8)に記載の機能性材料。
【0027】
(10) 粒径が5μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の機能性材料。
【0028】
(11) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性皮革。
【0029】
(12) 前記機能性材料の含有量が、皮革全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(11)に記載の機能性皮革。
【0030】
(13) 前記機能性材料が、3〜7g/m2の範囲で含有されていることを特徴とする上記(11)に記載の機能性皮革。
【0031】
(14) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性木材。
【0032】
(15) 前記機能性材料が、3〜7g/m2の範囲で含有されていることを特徴とする上記(14)に記載の機能性木材。
【0033】
(16) 前記機能性材料の含有量が、木材全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(14)に記載の機能性木材。
【0034】
(17) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性紙・パルプ。
【0035】
(18) 前記機能性材料の含有量が、紙・パルプ全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(17)に記載の機能性紙・パルプ。
【0036】
(19) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性繊維。
【0037】
(20) 前記機能性材料の含有量が、繊維全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(19)に記載の機能性繊維。
【0038】
(21) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性塗料。
【0039】
(22) 前記機能性材料の含有量が、塗料全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(21)に記載の機能性塗料。
【0040】
(23) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性樹脂。
【0041】
(24) 前記機能性材料の含有量が、樹脂全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(23)に記載の機能性樹脂。
【0042】
(25) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性フィルム。
【0043】
(26) 前記機能性材料の含有量が、フィルム全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(25)に記載の機能性フィルム。
【0044】
(27) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性セラミックス。
【0045】
(28) 前記機能性材料の含有量が、前記セラミックス全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(27)に記載の機能性セラミックス。
【0046】
(29) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性壁紙。
【0047】
(30) 前記機能性材料の含有量が、壁紙全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(29)に記載の機能性壁紙。
【0048】
(31) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性薬剤。
【0049】
(32) 前記薬剤が、接着剤、粘着剤、防蟻剤、木材保存剤および防腐剤よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種であることを特徴とする上記(31)に記載の機能性薬剤。
【0050】
(33) 前記機能性材料の含有量が、薬剤全体に対して3〜5質量%の範囲であることを特徴とする上記(31)または(32)に記載の機能性薬剤。
【0051】
(34) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性置物。
【0052】
(35) 前記機能性材料の含有量が、置物全体に対して95〜100質量%の範囲であることを特徴とする上記(34)に記載の機能性置物。
【0053】
(36) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性タイル。
【0054】
(37) 前記機能性材料の含有量が、タイル全体に対して95〜100質量%の範囲であることを特徴とする上記(36)に記載の機能性タイル。
【0055】
(38) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性床材。
【0056】
(39) 前記機能性材料の含有量が、床材全体に対して3〜100質量%の範囲であることを特徴とする上記(38)に記載の機能性床材。
【0057】
(40) 前記機能性材料が、3〜100g/m2の範囲で含有されていることを特徴とする上記(38)または(39)に記載の機能性床材。
【0058】
(41) 上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性マスク。
【0059】
(42) 前記機能性材料の含有量が、マスク全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする上記(41)に記載の機能性マスク。
【0060】
(43) 前記機能性材料が、3〜100g/m2の範囲で含有されていることを特徴とする上記(41)または(42)に記載の機能性マスク。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき、機能性材料と、それを用いた用途に分けて説明する。
【0062】
(1)機能性材料
本発明の機能性材料は、花崗岩系、長石系、雲母系および沸石系鉱物・岩石の少なくとも1種の鉱物・岩石を含有することを特徴とするものである。これにより、周辺雰囲気のマイナスイオン数を増加させる作用、遠赤外線を放射する作用および揮発性有機化合物の放散量を低減する作用とった特性を有効に発現し得るものである。好ましくは、ドロマイトおよび/またはリチウム化合物を更に含有することが望ましい。これにより、上記特性に加えて防カビ性、脱臭性、抗菌性といった特性を更に付加することができる。そのため、該機能性材料を生活関連資材や住宅関連資材や乗物関連資材に利用することにより、シックハウス症候群の発症を予防し、マイナスイオン効果や遠赤外線効果を受けることができる快適な生活環境を提供することができるものである。また、本発明の機能性材料、特に主成分である上記各種鉱物・岩石に起因するマイナスイオンのライフタイムは比較的長いため、離れた場所でも十分にその影響が及ぶため、生活環境全体にマイナスイオン効果を与えることもできる(図1参照のこと)。そのため、生活環境の中でストレス等を受けやすい環境のほか、ストレスから開放される住空間において、恒久的にマイナスイオン数増加作用を発現させることができ、人の持つ自然治癒能力を高め、ストレス等を緩和でき健康の増進につなげることができる(実施例参照のこと)。
【0063】
また、本発明の機能性材料、特に主成分である上記各種鉱物・岩石のマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、更には遠赤外線作用のメカニズムは明らかではなく、今後の研究により理論的な作用メカニズムの解明が待たれる。ただ一つ言える事は、本発明者が財団法人電力中央研究所に依頼して行った実験の中で、鉱物・岩石を樹脂フィルムなどで密封した場合にも、その外部の空気中のマイナスイオン数を増加させることが確認されたため、該鉱物・岩石の表面での触媒作用や水の電気分解反応だけに留まらず、さらに別の作用メカニズムも働いていることが確認された。一方、表面に生じる電位により水を電気分解してマイナスイオンを発生させるとされる電気石やトルマリン単独では、樹脂フィルムなどで密封の有無に関わらず、周辺雰囲気のマイナスイオン数を増加させることも揮発性有機化合物を低減することもできないことが確認された。
【0064】
本発明の機能性材料の各成分特性を下記表1に表示する。
【0065】
【表1】
【0066】
ここで、本明細書中の(遠赤外線の)放射率ε(%)は、赤外法(分光器;日本分光工業株式会社製)により仮想黒体と試料(20×30×2mmの板状に加工したもの)の放射率を比較することにより求めた。より詳しくは、試料の表面温度を所定の温度(100℃)にし、仮想黒体との比較放射率を計測し求めたものである。
【0067】
本明細書中のマイナスイオン数(ヶ/cm3)は、財団法人 電力中央研究所にてマイナスイオン計測機械(株式会社ダン科学製;空気イオンカウンタ−MODEL:83−1001B−MkII)を使用してマイナスイオン数を計測し、併せて試料のない状態でのバックグランド(BG)を計測して求めたものである。
【0068】
本明細書中の防カビ性は、JIS−Z−2911〈カビ抵抗試験方法〉に従って行った。具体的には、培養:試料、試験片をそれぞれの規定にしたがって処理し規定のカビを接種した後、規定の条件に保って培養した。接種:試料、試験片にカビを接種するには、胞子懸湯液を噴霧器、ピペットで、試料、試験片の表面に均等にまきかけた。また、試験結果の表示は、培養の結果試料、試験片の表面に生じた菌糸の発育状態を肉眼で調べ、下記の判定法により1〜3の評価に分けた。
【0069】
カビ抵抗性(防カビ性)の評価;
3:試料、試験片の接種した部分に菌糸の発育が認められない。
【0070】
2:試料、試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は全面積の1/3を超えない。
【0071】
1:試料、試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は全面積の1/3を超える。
【0072】
本明細書中の脱臭率(%)は、テドラーバッグ内に試料1g及び臭いガス600mlを投入し3時間経過後のガス濃度の変化を測定し、下記式により脱臭率を求めた。なお、ガス種には、アルカリ性系ガスとしてアンモニア、酸性系ガスとして硫化水素を使用した。尚、ガス濃度は、アンモニアは、吸光光度法ないし電位差計を用い、硫化水素は、ガスクロマトグラフ分析計ないし炎光光度検出器を用いて行った。
【0073】
【数1】
【0074】
本明細書中の抗菌率(%)は、日本防菌防黴学会で認定されている測定法を用いるものとする。すなわち、菌類(球菌;ブドウ球菌、桿菌;大腸菌)に対する抗菌率に関しては、▲1▼粉末形態や成形品等の試料についてはシェーク法により測定し、▲2▼フィルム形態については、加圧法により測定するものとする。これらの測定法の概要を以下に簡単に説明する。
【0075】
シェーク法;粉末形態や成形品等の試料等に適用し得る抗菌力評価方法であって、リン酸緩衝液中に試料と、供試菌とを共存させ、一定の時間(例えば、0.5時間)振とう後に生残菌数を測定するものである。すなわち、水溶液中に分散させた試料と供試菌とを振とうにより強制的に接触作用させて効果を確認する方法である。
【0076】
加圧法;フィルム形態等の製品に好適に適用し得る抗菌力評価方法であって、所定の大きさ(例えば、25×25mm)のサンプルを1%ペプトン水溶液に供試菌を懸濁したものを適量(例えば、0.050ml)塗布する(サンプル1枚当たり1.0×106CFU接種)。次に、殺菌したポリエチレンフィルム(30×30mm)を密着させ適当な温度(例えば、30℃)と湿度(加湿状態)を保ち24時間後、適量のSCDLP培地(例えば、10ml)で菌液を洗い出し適宜希釈を行い平板混釈法(SCDLP寒天培地 培養32℃48時間)により生菌数を測定するものである。
【0077】
本明細書中の揮発性有機化合物低減濃度(ppm)は、シックハウス症候群の原因とされる総揮発性有機化合物(VOCs)の主な物質であるホルムアルデヒド、キシレン、アセトン及び塩素ガスにつき、試料による濃度低減効果を測定した。まず始めにホルムアルデヒド、キシレン、アセトン、塩素含有の各薬剤(接着剤など)をそれぞれ容器(デシケータ)の底部に適当量入れ、常温で30分間放置後、容器内からガス成分を採取し、ホルムアルデヒド、キシレン、アセトン及び塩素ガス濃度をガスクロマトグラフィを用いてそれぞれ測定した。いずれもJISやJASで定める許容濃度よりも約20%高い濃度(シックハウス症候群が発症しやすい濃度)となる薬剤量を算出する。次に、ホルムアルデヒド、キシレン、アセトンおよび塩素含有の各薬剤を同様の容器(デシケータ)の底部に算出により得られた分量を入れ、該容器(デシケータ)の適当な位置に試料を載置したフィルタを置き(フィルム上に載置困難な塗料はフィルム上に塗布した。)、常温で30分間放置後、容器内からガス成分を採取し、ホルムアルデヒド、キシレン、アセトン、塩素ガス濃度をガスクロマトグラフィを用いてそれぞれ測定し、試料による揮発性有機化合物低減濃度(ppm)とした。なお、表中の<>内の数値は、JISやJASで定める許容濃度を示す。
【0078】
上記機能性材料の主成分の1つである花崗岩系鉱物・岩石は、上記表1(平均粒径3μmの花崗斑岩粉末の例を示す)に示すとおり、放射率、マイナスイオン数、揮発性有機化合物の低減効果がいずれも高く、マイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用および揮発性有機化合物低減作用を有する。また、他の成分と混合して機能性材料にした場合や該機能性材料を各種用途に利用した場合でも、後述するように、当該成分の持つ特性を損なうことなく、優れたマイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用および揮発性有機化合物低減作用を発現できる。また、花崗岩系鉱物・岩石は安定した鉱物・岩石であるため、各種用途に利用した場合でも長期間その効力を維持できる。
【0079】
上記花崗岩系の鉱物・岩石としては、花崗岩、閃緑岩、流紋岩、斑糲岩、安山岩、玄武岩、花崗斑岩が挙げられる。
【0080】
上記機能性材料の主成分の1つである長石系鉱物・岩石は、上記表1(平均粒径3μmの正長石粉末の例を示す)に示すとおり、放射率、マイナスイオン数、揮発性有機化合物の低減効果、脱臭率がいずれも高く、防カビ性も比較的高い。そのため、優れたマイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用、揮発性有機化合物低減作用、脱臭作用を有するほか、比較的高い防カビ性を持つ。また、他の成分と混合して機能性材料にした場合や該機能性材料を各種用途に利用した場合でも、後述するように、当該成分の持つ特性を損なうことなく、優れたマイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用、揮発性有機化合物低減作用および脱臭作用と比較的高い防カビ特性を発現できる。また、長石系鉱物・岩石は安定した鉱物・岩石であるため、各種用途に利用した場合でも長期間その効力を維持できる。
【0081】
上記長石系の鉱物・岩石としては、正長石、微斜長石、重土長石が挙げられる。
【0082】
上記機能性材料の主成分の1つである雲母系鉱物・岩石は、上記表1(平均粒径3μmの白雲母粉末の例を示す)に示すとおり、放射率、マイナスイオン数、揮発性有機化合物の低減効果がいずれも高く、防カビ性および脱臭率も比較的高い。そのため、優れたマイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用、揮発性有機化合物低減作用を有するほか、比較的高い防カビ作用および脱臭作用を持つ。また、他の成分と混合して機能性材料にした場合や該機能性材料を各種用途に利用した場合でも、後述するように、当該成分の持つ特性を損なうことなく、優れたマイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用、揮発性有機化合物低減作用と比較的高い防カビ特性および脱臭作用を発現できる。また、雲母系鉱物・岩石も安定した鉱物・岩石であるため、各種用途に利用した場合でも長期間その効力を維持できる。
【0083】
上記雲母系の鉱物・岩石としては、白雲母、セラドン石、金雲母、黒雲母、鱗雲母、チンワルド雲母、イライト、バニスタ石、ガンコイル石が挙げられる。
【0084】
上記機能性材料の主成分の1つである沸石系鉱物・岩石は、上記表1(平均粒径3μmのモルデン沸石粉末の例を示す)に示すとおり、マイナスイオン数、揮発性有機化合物の低減効果がいずれも高く、防カビ性および脱臭率も比較的高い。そのため、優れたマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用を有するほか、比較的高い防カビ性および脱臭作用を持つ。また、他の成分と混合して機能性材料にした場合や該機能性材料を各種用途に利用した場合でも、後述するように、当該成分の持つ特性を損なうことなく、優れたマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用と比較的高い防カビ特性および脱臭作用を発現できる。また、沸石系鉱物・岩石も安定した鉱物・岩石であるため、各種用途に利用した場合でも長期間その効力を維持できる。
【0085】
上記沸石系の鉱物・岩石としては、モルデン沸石、灰十字沸石、斜プチロル沸石、マリオン沸石が挙げられる。
【0086】
また、これらの鉱物・岩石の合計含有量は、使用目的によっても異なることから一義的に決定することはできないが、機能性材料全量に対して3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10〜95質量%、さらに好ましくは20〜95質量%、特に好ましくは40〜90質量%の範囲である。3質量%未満の場合には、使用用途によっては、十分なマイナスイオン効果、遠赤外線効果、揮発性有機化合物低減効果を発現できないおそれがある。なお、上限値は、特に制限されるべきものではなく、機能性材料の全量を上記鉱物・岩石の中から適宜選択して、あるいは組み合わせて構成してもよい。ただし、更に高い遠赤外線効果、防カビ性、脱臭性、抗菌性が求められるような用途によっては、これらの特性に優れるドロマイトや炭酸リチウム等を配合して用いるのがより望ましい(下記表2参照のこと。)。
【0087】
これらの鉱物・岩石の組み合わせは任意であり、適当に1種または2種以上を併用してもよい。したがって、2種以上を用いる場合には、個々の含有量については、特に制限されるものではない。これは、上記表1に示すように、これらの鉱物・岩石の周辺雰囲気のマイナスイオン数を増加させる作用および揮発性有機化合物の放散量を低減する作用の特性値が近いため、自由に組み合わせることができるものである。したがって、特性の他、色調やコストなど勘案して最適な組み合わせを決定すればよい。
【0088】
上記機能性材料の成分の1つであるドロマイトは、上記表1(平均粒径3μmの焼成ドロマイト粉末の例を示す)に示すとおり、防カビ性、抗菌率、脱臭率、揮発性有機化合物の低減効果がいずれも高く、防カビ作用、抗菌性、脱臭性および揮発性有機化合物低減作用を有する。また、他の成分と混合して機能性材料にした場合や該機能性材料を各種用途に利用した場合でも、後述するように、当該成分の持つ特性を損なうことなく、優れた防カビ作用、抗菌性、脱臭性および揮発性有機化合物低減作用を発現できる。また、ドロマイトも安定した鉱物・岩石であるため、各種用途に利用した場合でも長期間その効力を維持できる。
【0089】
本発明に用いることのできるドロマイトには、未焼成のもの(未焼成ドロマイト)および焼成したもの(焼成ドロマイト)の少なくとも1種が含まれるものである。よって、特に断らない場合にはドロマイトには、これら未焼成ドロマイトおよび焼成ドロマイトの少なくとも1種が含まれるものである。これらドロマイトは、抗菌活性に優れ、さらに揮発性有機化合物低減効果が高く、さらに防カビ特性に優れ、高い脱臭率をも有するものである。さらに極めて安価であり、安全性に優れ、触媒的に母材原料の樹脂等を劣化させることもなく、耐光性、耐熱性にも優れるものである。好ましくは未焼成ドロマイトを900〜1200℃、特には1000〜1100℃の温度で焼成してなる焼成ドロマイトを含有するものが望ましい。
【0090】
上記ドロマイトの含有量は、機能性材料全体に対して、通常3〜20質量%、好ましくは3〜7質量%、より好ましくは3〜6質量%、特に好ましくは5〜6質量%の範囲である。ドロマイトの含有量が3質量%未満の場合には、ドロマイトの持つ揮発性有機化合物低減作用、防カビ特性、脱臭性および抗菌性を有効かつ効果的に発揮させるのが困難な場合がある。またこうした機能性材料を利用した各種製品等を廃棄、焼却する際にダイオキシン類の発生を十分に抑制するのが困難な場合がある。また、他の有効成分である上記岩石・鉱物やリチウム化合物や角閃石等との併用に際し、相乗的な効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、ドロマイトの含有量が20質量%、好ましくは7質量%を超える場合には、他の有効成分である上記岩石・鉱物やリチウム化合物や角閃石等の含有量が制限されるため、これらの持つ特性を十分に発現させるのが困難となる場合がある。
【0091】
上記機能性材料の成分の1つであるリチウム化合物は、上記表1(平均粒径3μmの炭酸リチウム粉末の例を示す)に示すとおり、防カビ性、抗菌率、脱臭率、揮発性有機化合物の低減効果がいずれも高く、防カビ作用、抗菌性、脱臭性および揮発性有機化合物低減作用を有する。また、他の成分と混合して機能性材料にした場合や該機能性材料を各種用途に利用した場合でも、後述するように、当該成分の持つ特性を損なうことなく、優れた防カビ作用、抗菌性、脱臭性および揮発性有機化合物低減作用を発現できる。
【0092】
ここで、リチウムは地球上に広く分布しており、鉱物、岩石、土壌および自然水中に微量存在する。特に主要鉱石はリチア雲母、リチア輝石、ペンタライトなどである。現在、リチウム鉱の原鉱として用いられているものは、ウロコ雲母、リシア輝石、ペタル石、ユークリプタイト、ベニウンモ、チンワルドウンモ、マナンドナイト、トリフィル石、リシオフィライト、アンブリゴ石(LiAl(FePO4 ))、フレモンタイト、シックラー石などである。こうしたリチウムを含有する鉱物は、燐酸、砒酸、バナジン酸ないし珪酸塩等を含む鉱物である。下記表2にリチウムを含有する鉱物をはじめとするリチウム化合物を示す。
【0093】
【表2】
【0094】
よって、本発明に用いることのできるリチウム化合物には、こうしたリチウムを含有する鉱物、該鉱物から所定の加工工程を経て製造された燐酸リチウム、珪酸リチウム、炭酸リチウムなどのほか、天然の鹹水から製造(回収)された炭酸リチウムなどのリチウム化合物も含まれるものである。好ましくはリチウム化合物中に占めるリチウム含量比率が大きなものである。具体的にはリチウムを含有する鉱物ないし鹹水から所定の加工工程を経て製造された炭酸リチウム、燐酸リチウム、珪酸リチウムなどである。上記リチウム化合物のなかでも、これら炭酸リチウム、燐酸リチウム、珪酸リチウム、とりわけ炭酸リチウムはリチウム電池の大量生産に伴い原料資材も安価なものとなっており、また安全性に優れ、触媒的にプラスチック等に使用した場合でも母材の樹脂等を劣化させることもなく、耐光性、耐熱性にも優れたものである。
【0095】
こうしたリチウム化合物の製造方法に関しては、特に制限されるものではなく、従来公知の製造技術を適当に利用することで得ることができる。
【0096】
上記リチウム化合物の含有量は、機能性材料全体に対して、通常3〜20質量%、好ましくは3〜7質量%、より好ましくは3〜6質量%、さらに好ましくは5〜6質量%の範囲である。ドロマイトの含有量が3質量%未満の場合には、リチウム化合物の持つ揮発性有機化合物低減作用、防カビ特性、脱臭性および抗菌性を有効かつ効果的に発揮させるのが困難な場合がある。またこうした機能性材料を利用した各種製品等を廃棄、焼却する際にダイオキシン類の発生を十分に抑制するのが困難な場合がある。また、他の有効成分である上記岩石・鉱物やドロマイトや角閃石等との併用に際し、相乗的な効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、リチウム化合物の含有量が20質量%、好ましくは7質量%を超える場合には、他の有効成分である上記岩石・鉱物やドロマイトや角閃石等の含有量が制限されるため、これらの持つ特性を十分に発現させるのが困難となる場合がある。
【0097】
上記焼成ドロマイトおよび/またはリチウム化合物を配合した機能性材料を各種用途に利用したもの、例えば、皮革、木材、樹脂、紙・パルプ、塗料、建材、内装材、壁紙、家具等では、使用済みのこれら製品等を廃棄物として焼却した際に、周辺に塩素化合物が存在する一般的な都市ゴミ等の焼却処理の環境下においても、焼成ドロマイトおよび/またはリチウム化合物を含有する各種製品と塩化物(食塩やポリ塩化ビニル樹脂材など)との熱化学反応によりダイオキシン類および塩化水素ガス(酸性雨の原因でもあり、急性毒性を持つ)が発生するのを効果的に抑制することができるものである。このことは、現在問題になっている塩化物(例えば、食塩やポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等)を焼却するような場合に、ダイオキシン類および塩化水素ガスの発生を効果的に抑制することができるものである。こうしたダイオキシン類の生成機構は十分に解明されていないが、少なくとも焼成ドロマイトおよび/またはリチウム化合物が関与することで、毒性の高いダイオキシン類および塩化水素ガスの生成が妨げられるものと考える。本発明者は、焼成ドロマイトおよび/またはリチウム化合物がダイオキシン類ないしその前駆体の発生の一因となっている塩素(ないし塩化水素ガス)と直接的に熱化学反応して、あるいは塩素(ないし塩化水素ガス)との熱化学反応に触媒的に作用してダイオキシン類やその前駆体以外の安定な化合物にすることによってダイオキシン類の発生を抑制することができると推論するものである。
【0098】
さらに、上記機能性材料には、必要に応じて角閃石系鉱物・岩石を含有してもよい。該角閃石系鉱物・岩石は、放射率、マイナスイオン数がいずれも高く、マイナスイオン数増加作用および遠赤外線作用を有する。また、他の成分と混合して機能性材料にした場合や該機能性材料を各種用途に利用した場合でも、後述するように、当該成分の持つ特性を損なうことなく、優れたマイナスイオン数増加作用および遠赤外線作用を発現できる。また、角閃石系鉱物・岩石は安定した鉱物・岩石であるため、各種用途に利用した場合でも長期間その効力を維持できる。
【0099】
上記角閃石系鉱物・岩石としては、角閃石、直閃石などが挙げられる。
【0100】
上記角閃石系鉱物・岩石を使用する場合の含有量としては、機能性材料全体に対して、3質量%以上、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは15〜75質量%、さらに好ましくは20〜60質量%、特に好ましくは40〜50質量%の範囲である。角閃石系鉱物・岩石の含有量が3質量%未満の場合には、角閃石系鉱物・岩石の持つマイナスイオン数増加作用および遠赤外線作用を有効かつ効果的に発揮させるのが困難な場合がある。一方、角閃石の含有量の上限は特に制限されないが、80質量%を超える場合には、他の有効成分である上記各種鉱物・岩石やドロマイト、リチウム化合物等の含有量が制限されるため、角閃石が持ち合わせていない高い揮発性有機化合物低減作用、防カビ性、抗菌性、脱臭性を十分に補填することが困難となる場合があり、マイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用、揮発性有機化合物低減作用、防カビ特性、抗菌率および脱臭率といった特性をバランスよく、効果的に発揮するのが困難な場合がある。そのため、揮発性有機化合物低減作用、防カビ性、脱臭性、抗菌性が求められるような用途によっては、こうした特性を有する上記各種鉱物・岩石やドロマイト、リチウム化合物等と組み合わせて用いるのが望ましい(下記表3参照のこと。)。
【0101】
上記機能性材料の成分としては、上記表1には例示していないが、この他にもシリカ、酸化チタン、マグネシア、石英閃緑石、千枚石、凝灰石、酸化カルシウム、石灰石、ジルコニア系鉱物、電気石、カミントン閃石、チロディ閃石、ガリュネル閃石、透内石、藍内石、クロス閃石、リーベック閃石、ケルスート閃石、緑内石などを必要に応じて適宜適量使用してもよい。これらの配合量は、本発明の機能性材料の効果を損なわない範囲内において、これら任意の成分が有する機能が十分に発現し得る範囲内で適宜決定すればよく、特に制限されるべきものではない。更に従来公知の各種添加剤、例えば、抗菌剤、脱臭剤、防カビ剤などを含むものも本発明に含まれるものである。これらの添加剤の含有量も、各添加剤が有する機能が十分に発現し得る範囲内で適宜決定すればよく、特に制限されるべきものではない。
【0102】
なお、本発明の機能性材料の各成分含有量を示したが、これらは如何なる組み合わせであれ、機能性材料全体の総和は、100質量%である。
【0103】
また、本発明の機能性材料の形態としては、特に制限されるものではなく、機能性材料を利用する各種用途の形態に応じて適宜決定すればよく、無定形状、特に多くの製品に利用しやすい(特に、下記範囲の平均粒径を有する)粉末形態であればよいが、例えば、球状、棒状(角柱状、円柱状)、円錐状、板状、円筒状、楕円体状、ペレット状(直径または一辺が1〜30mm、好ましくは2〜15mmぐらいの球形、円柱形または角柱形に造粒した成形材料)等の形態を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。具体的には、(1)樹脂(ゴム・エラストマー)、木材、皮革、紙・パルプ、繊維、塗料等に含有、含浸、圧入、混練、混合、混入、注入、挿入等等して用いるような場合;(2)樹脂(ゴム・エラストマー)、木材、皮革、紙・パルプ、繊維等の表面に担持、固着、圧着、接着、塗着、嵌着等して用いるような場合;(3)樹脂(ゴム・エラストマー)、木材、皮革、紙・パルプ、繊維、塗料等の一部を構成するようにフィルム、シート等に成形加工して用いるような場合;(4)樹脂(ゴム・エラストマー)、木材、皮革、紙・パルプ、繊維に使用する接着剤、増粘剤、防蟻剤、可塑剤、防腐剤、脱臭剤、塗料などとして用いるような場合など、により異なるものであり、例えば、微粉末状、粉末状、粒状(球状)、棒状(角柱状、円柱状)、円錐状、板状、円筒状、楕円状、ペレット状(球形状、円柱形状または角柱形状に造粒した成形材料)、無定形状等の形態を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0104】
また、本発明に用いられる機能性材料の大きさ(粒度)は、機能性材料を利用する各種用途の形態に応じて適宜決定されるものであり、特に制限されるものではない。例えば、粉末形態の機能性材料を用いる場合に、その平均粒径も、機能性材料を利用する各種用途の形態に応じて適宜決定すればよく、特に制限されるものではないが、通常200μm以下、好ましくは74μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは5μm以下、特に好ましくは3μm以下、さらにより好ましくは1.5μm以下である。これは、本発明者が、財団法人電力中央研究所に依頼して、平均粒径(200μm、100μm、10μm)とマイナスイオン数増加作用を検討した結果、平均粒径が小さくなるほど、周辺雰囲気中のマイナスイオン数が若干増加する傾向を示したことから、粉末形態で使用する場合には、より細かい微粒子を使用するのが、若干ではあるが、より大きなマイナスイオン効果を得られる点で優れていることが判明したためである。なお、本発明の機能性材料の平均粒径が200μm、好ましくは74μmを超える場合、例えば、塊状物(機能性置物として単独で利用できる)であってもでも、十分なマイナスイオン効果、遠赤外線効果、揮発性有機化合物低減効果、更には防カビ性、抗菌性、脱臭性は得られるものの、これらを含有する機能性材料をフィルム、紙、皮革、繊維、木材などの各種用途に使用する場合などでは、その粒度によってはフィルムや皮革などの性能に影響を及ぼす場合がある。なお、本発明の機能性材料の平均粒径の下限値は特に制限されない。ただし、加工性、生産コスト、取り扱い性等の観点から平均粒径は3μm程度であれば極めて良好である。
【0105】
より具体的には、機能性材料を利用する各種用途を上記(1)の形態で用いる場合、例えば、樹脂(ゴム・エラストマー)、紙・パルプ、繊維、塗料等などに混練、混合、混入等したり、合板等の原料木材や皮革に含浸、圧入、(減圧)注入、挿入、含浸、充填等したりする場合には、機能性材料の平均粒径は、通常0.5〜74μm、好ましくは3〜74μm、より好ましくは3〜15μm、さらに好ましくは3〜10μmの範囲である。機能性材料の平均粒径が74μmを越える場合には、樹脂(ゴム・エラストマー)、木材、皮革、紙・パルプ、繊維、塗料等に含有等させるのが困難となるおそれがある。一方、0.5μm未満の場合には、機能性材料の微粉末化が困難であり、製造コストが嵩むほか、取り扱い時に飛散するなどの問題を招くおそれがある。
【0106】
機能性材料を上記(2)の実施態様で用いる場合、例えば、樹脂(ゴム・エラストマー)、木材、皮革、紙・パルプ、繊維等の表面に担持、固着、圧着、接着、塗着、嵌着などする場合には、機能性材料の平均粒径は、通常0.5〜5.0μm、好ましくは0.5〜3.0μm、より好ましくは0.5〜1.0μmの範囲である。上記使用例の場合に機能性材料の平均粒径が5.0μmを越える場合には、表面への担持が困難となる。一方、0.5μm未満の場合には、機能性材料の微粉末化が困難であり、製造コストが嵩むほか、取り扱い時に飛散するなどの問題を招くおそれがある。
【0107】
機能性材料を上記(3)の実施態様で用いる場合、例えば、フィルムやシート状に成形加工すべく、これらの原料に適当な樹脂やバインダー等を加えるなどして加圧や加熱成形して用いる場合には、機能性材料の平均粒径は、通常1.0〜74μm、好ましくは3〜74μm、より好ましく3〜50μm、さらに好ましくは3〜15μmの範囲である。機能性材料の平均粒径が74μmを越える場合には、建材や内装材の一部を構成するように板状等に成形加工するのが困難となるおそれがある。一方、1.0μm未満の場合には、機能性材料の微粉末化が困難であり、製造コストが嵩むほか、取り扱い時に飛散するなどの問題を招くおそれがある。
【0108】
機能性材料を上記(4)の実施態様で用いる場合には、既存の無機系充填剤等の微粉末と同程度であればよく、機能性材料の平均粒径は、通常0.1〜5.0μm、好ましくは0.5〜3.0μm、より好ましくは0.5〜1.0μmの範囲である。機能性材料の平均粒径が5.0μmを越える場合には、例えば、接着剤の場合には、接着強度の低下や接着剤中への添加混合が困難となるなど本来的な機能が低下するおそれがある。一方、0.1μm未満の場合には、機能性材料の微粉末化が困難であり、製造コストが嵩むほか、取り扱い時に飛散するなどの問題を招くおそれがある。
【0109】
本発明の機能性材料の代表的な配合例を表3に示すと共に、これら配合例での放射率、マイナスイオン発生数、吸収・分解率、防カビ特性、脱臭性および抗菌性を測定し、これらの測定結果を下記表4に示す。
【0110】
本発明の機能性材料の特性として、マイナスイオン数は、周辺環境により変動するが、概ね下記表4に示すように、バックグランド(BG)の値よりも500ヶ/cm3以上、好ましくは1000ヶ/cm3以上以上、より好ましくは1200ヶ/cm3以上、さらに好ましくは1500ヶ/cm3以上、あるいは、バックグランドの値の1.5倍以上、好ましくは2倍以上、より好ましくは2.2倍以上、特に好ましくは2.5倍以上であり、揮発性有機化合物低減効果が、JISおよびJASの許容濃度以下、好ましくはJISおよびJASの許容濃度の75%以下、より好ましくはJISおよびJASの許容濃度の50%以下(いずれもJISないしJASの許容濃度の2倍の雰囲気に対する揮発性有機化合物低減効果とする)という高い値を有するのが望ましく、さらに放射率、脱臭率および抗菌率がいずれも80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、防カビ性評価が3である、という高い値を有するのが望ましい。かかる特性を有することにより、機能性材料として単体で使用することもできるし、これらの機能性材料を所定の比率で混合して使用することもできる。
【0111】
【表3】
【0112】
【表4】
【0113】
上記表4に示すように、これらの特性を有する所定の比率に各成分を組み合わせることによって各成分が持っている特性をバランスよく高めることができる。
【0114】
本発明の機能性材料の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の無機材料の生産技術等を幅広く適用できるものであり、例えば、原料の鉱物・岩石等を粉砕、分級等して適当な粒度に調整された各成分を混合装置等で適量添加混合して製造することができる。
【0115】
(2)機能性材料の用途
本発明の機能性材料の用途としては、特に制限されるべきものではなく、これらの機能が求められるすべての分野の製品や部品などに極めて広範に適用することができる。
【0116】
これは、本発明の機能性材料は、皮革、木材、紙・パルプ、樹脂(ゴム・エラストマーを含む)材、繊維、塗料、薬剤などに添加混合や注入させても、また製品等の表面にコーティングしたり貼り付けたりしても、或いは単独で使用しても、その周辺雰囲気(主に周辺空気中)のマイナスイオン数を増加させる作用や遠赤外線作用や揮発性有機化合物低減作用を損なうことがないため、各種製品等に幅広く適用できる。特に本発明の機能性材料は、適当な樹脂フィルムで密封して外気(周辺雰囲気)と遮断した状態でも、その周辺雰囲気のマイナスイオン数を測定した結果、こうした樹脂フィルムで密封する前と殆ど変わることなく、マイナスイオン数を増加させる作用が確認された結果による。この点は、従来の電気石やトルマリンを添加した樹脂材では、樹脂材中に大量の導電性物質と導電性物質拡散材を加えて該樹脂材表面に電位を導出させ、プラスチック表面に接する空気中の水分子が電気分解されるというマイナスイオン発生メカニズムとは全く異なるメカニズムを取るものである。
【0117】
また、本発明の機能性材料は比較的安価かつ安定的に入手できるものであり、使用形態も微粉末にして樹脂(ゴム・エラストマー)、紙・パルプ、木材、皮革、繊維、塗料、薬剤などに添加混合や注入、あるいは製品等の表面に担持させることもできれば、機能性材料を適当な製品(例えば、置物やタイル、アクセサリー等)に加工したり、焼成することもできるなど、製品本来の機能に、マイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用および揮発性有機化合物低減作用、更には防カビ性、抗菌性、脱臭性という新たな付加価値を持たせることもできる。そのため、利用者が特に意識することなく、日常生活の中でマイナスイオン効果、遠赤外線効果および揮発性有機化合物低減効果、更には防カビ性、抗菌性、脱臭性を享受することができる。
【0118】
本発明の機能性材料の用途製品や部品等としては、その優れたマイナスイオン数増加作用、遠赤外線作用および揮発性有機化合物低減作用、更には防カビ性、抗菌性、脱臭性を有効に利用すべく、こうした作用効果が求められる樹脂(プラスチック・ゴム・エラストマーを含むものである)などの各種製品や部品(包装・梱包材を含む)などに幅広く使用することができる。以下に幾つかの例を示すが、本発明がこれらに制限されるべきものでないことは言うまでもない。
【0119】
具体的には、上記機能性材料を有してなる皮革(機能性皮革という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、皮革全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。あるいは機能性材料が、皮革に3〜100g/m2、好ましくは3〜20g/m2、より好ましくは3〜7g/m2、特に好ましくは4〜6g/m2の範囲で含有されていることが望ましい。ここでいう皮革としては、皮革自身の他、その加工品・製品や部品を含む。また、天然皮革および合成皮革のいずれであってもよい。例えば、皮革製の衣類、ベルト、財布、靴等が挙げられる。また、皮革は、例えば、牛皮革、羊皮革、合成皮革等が挙げられる。また、皮革に機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、天然皮革には減圧注入法を利用して混入(含有)させることができる。合成皮革では、合成皮革原料に添加混合することで含有させることができる。本発明の機能性皮革では、後述する実施例に示すように、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった本発明の各種特性をバランスよく発現することができ、ストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活を送ることができる。特にこうした機能性皮革は、起きている間、身に付けるものであることから、ストレスなどにさらされるときにその効果を遺憾なく発現できるため、ストレスなどを溜め込むことがなく、健康を損なうことなく健康増進に大幅に寄与することができる。また、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0120】
上記機能性材料を有してなる木材(機能性木材という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、木材全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。あるいは機能性材料が、木材に3〜100g/m2、好ましくは3〜20g/m2、より好ましくは3〜7g/m2、特に好ましくは4〜6g/m2の範囲で含有されていることが望ましい。ここでいう木材としては、木材自身の他、その加工品・製品(合板を含む)や部品を含む。例えば、床材、壁材、天井材、ドアなどの建材、箪笥、衣装ケース、食器棚、食卓、テーブル、勉強机、椅子、本棚、本箱、ラック、家電製品用ラック、ベッド、スピーカやウッドデッキ等の木材製家電機器などの家具・調度類、木箱等が挙げられる。また、木材に機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、減圧注入法を利用して混入(含有)させることができる。本発明の機能性木材では、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。また、用途(果物輸送用木箱など)によっては、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)や周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用により、食料品の鮮度保持、品質保持、安全性を向上することができ、さらにカビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、食料品の長期間の鮮度保持効果を高めることができるなど、野菜、果物、ご飯や弁当などの加工品、鮮魚、生鮮肉類などに幅広く適用し得るものである。さらに用途(木製ベッドなど)によっては、建物や乗物内での健康被害を防止し、さらにはストレスを緩和し、健康増進、さらには褥瘡防止・治癒など健康回復につながるものであり、こうした木製ベットなどでは、寝たきり患者の苦痛を緩和するのに極めて有用である。また、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0121】
上記機能性材料を有してなる紙・パルプ(機能性紙・パルプという)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、紙・パルプ全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。ここでいう紙・パルプとしては、紙・パルプ自身の他、その加工品・製品や部品を含む。例えば、本、用紙、コピー紙、包装紙、紙製容器(牛乳パック、菓子容器など)、紙おむつ(幼児用、成人用)、新聞紙、トイレットペーパー、ダンボール箱、緩衝材などが挙げられる。また、紙・パルプに機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、パルプ原料に添加混合ないし担持することで含有させることができる。本発明の機能性紙・パルプでは、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。また、用途(牛乳パックや紙製の果物緩衝材など)によっては、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)や周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用により、食料品の鮮度保持、品質保持、安全性を向上することができ、さらにカビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、食料品の長期間の鮮度保持効果を高めることができるなど、野菜、果物、ご飯や弁当などの加工品、鮮魚、生鮮肉類などに幅広く適用し得るものである。さらに用途(成人用紙おむつなど)によっては、建物や乗物内での健康被害を防止し、さらにはストレスを緩和し、健康増進、さらには褥瘡防止・治癒など健康回復につながるものであり、特に寝具や寝装具などでは、寝たきり患者の苦痛を緩和するのに極めて有用である。また、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0122】
上記機能性材料を有してなる繊維(機能性繊維という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、繊維全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。あるいは、また、機能性材料が、繊維に3〜100g/m2、好ましくは3〜20g/m2、より好ましくは3〜7g/m2、特に好ましくは4〜6g/m2の範囲で含有(混入、担持、付着、塗布・コーティング、含浸、注入等のいずれの形態であってもよい)されていることが望ましい。ここでいう繊維としては、繊維自身のほか、その加工品・製品や部品を含む。また、天然繊維および合成繊維のいずれであってもよい。例えば、寝具(寝巻き、パジャマ、腹巻、浴衣、丹前など)、寝装具(ベット、ベットカバー、クッション、マットレス、掛け布団、敷布団、毛布、枕、シーツ、電気毛布、電気コタツのカバーや敷布など)、座布団、カーテン、カーペット・絨毯の合成または天然繊維製の床材、畳(わら製の畳床にイグサで織った畳表をのせ、縁(ヘリ)を付けたものであり、こうした天然のわらやイグサおよび合成樹脂製のわらやイグサなども繊維に含めるものとし、これらの繊維に本発明の機能性材料を含浸、担持、塗布・コーティング、付着、混入等させてもよい。)、自動車などの乗り物の座席シート、座席カバー、布製座部等を有する椅子などの住宅・乗り物関連繊維製品;布製バッグ、衣類全般、帽子、手袋、マフラー、靴下、靴、マスク(花粉対策用マスクを含む)などが挙げられる。また、繊維に機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、天然繊維には減圧注入法を利用して混入(含有)させることができる。合成繊維では、合成繊維原料(母材樹脂)に添加混合することで含有させることができる。本発明の機能性繊維では、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。また、用途(ドリップ防止用不織布シートなど)によっては、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)や周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用により、食料品の鮮度保持、品質保持、安全性を向上することができ、さらにカビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、食料品の長期間の鮮度保持効果を高めることができるなど、野菜、果物、ご飯や弁当などの加工品、鮮魚、生鮮肉類などに幅広く適用し得るものである。さらに用途(寝具や寝装具や座席カバー)によっては、建物や乗物内での健康被害を防止し、さらにはストレスを緩和し、健康増進、さらには褥瘡防止・治癒など健康回復につながるものであり、特に寝具や寝装具などでは、寝たきり患者の苦痛を緩和するのに極めて有用である。また、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0123】
上記機能性材料を有してなる塗料、インク、トナー液、染料・顔料液などの液体(機能性塗料、機能性インク、機能性トナー液、染料・顔料液などの機能性液体という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、塗料、インク、トナー液、染料・顔料液などの液体全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。ここでいう塗料、インク、トナー液、染料・顔料液などの液体としては、塗料、インク、トナー液、染料・顔料液などの液体自身の他、その加工品(塗膜)・製品(塗装品)や部品(塗装部品)等を含む。例えば、家庭用塗料、工業用塗料(自動車塗装用塗料、船底塗料など)、電化製品の筐体などの鋼板塗装用塗料、家具などの塗装用塗料等の各種塗料、水性インク、油性インク等の各種インク、各種トナー液等が挙げられる。また、塗料、インク、トナー液、染料・顔料液などの液体に機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、塗料、インク、トナー液、染料・顔料液などの液体原料に添加混合することで含有させることができる。本発明の機能性塗料、機能性インク、機能性トナー液、染料・顔料液などの機能性液体では、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。また、用途(例えば、船底塗料など)によっては、船底にフジつぼなどの貝やコケ類などが付着するのを防止することができ、航行速度の低下を防止でき、船底の掃除の回数を大幅に削減でき、船舶の維持管理コストを大幅に低減できる。さらに、本発明の機能性樹脂は特に海洋汚染の原因となる物質を含まないため、環境汚染の問題もない。また、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0124】
上記機能性材料を有してなる樹脂(機能性樹脂という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、樹脂全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。ここでいう樹脂としては、樹脂自身の他、プラスチック、ゴム・エラストマーを含む。またそれらの加工品・製品や部品を含む。また、ゴムには天然ゴムおよび合成ゴムの両方を含む。例えば、食品トレー、ペットボトル、食料品包装容器、ドリップ防止シートなどの食品関連樹脂品;各種包装用フィルム;プリンタ、複写機、ファクシミリ、電話機などの樹脂製の事務・業務用品;テレビ、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、エアコン、音響機器などの家庭用電化製品やその筐体;ユニットバス;携帯電話の筐体、果物用の農業用緩衝材(フルーツキャップ)、パソコン本体やモニタやキーボードやマウスの筐体やマウスパット;壁紙やカーペット基材などの建物の樹脂製内装材;乗り物(自動車、電車、飛行機、船舶等)の各種内装材等が挙げられる。また、樹脂に機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、樹脂原料(母材樹脂)に添加混合することで含有させることができる。本発明の機能性樹脂では、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。また、用途によっては、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)や周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用により、食料品の鮮度保持、品質保持、安全性を向上することができ、さらにカビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、食料品の長期間の鮮度保持効果を高めることができるなど、野菜、果物、ご飯や弁当などの加工品、鮮魚、生鮮肉類などに幅広く適用し得るものである。さらに用途によっては、建物や乗物内での健康被害を防止し、さらにはストレスを緩和し、健康増進、さらには褥瘡防止・治癒など健康回復につながるものであり、寝たきり患者の苦痛を緩和するのに極めて有用である。また、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0125】
上記機能性材料を有してなるフィルム(機能性フィルムという)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、フィルム全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。ここでいうフィルムとしては、ここでいうフィルムとしては、フィルム自身の他、その加工品・製品や部品を含む。また、他の材料との積層材やラミネート加工品を含む。例えば、一般包装用ラップフィルム、一般包装用フィルム、買い物袋、各種テープ基材、ガラス強化フィルム、食料品用包装フィルム、食料品用包装ラップフィルム、他の材料とのラミネートや積層材の菓子袋や菓子用包装材等が挙げられる。また、フィルムに機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、フィルム原料(母材樹脂)に添加混合することで含有させることができる。本発明の機能性フィルムでは、後述する実施例に示すように、各種特性をバランスよく発現することができる。特に遠赤外線作用(=高い放射率を有する)や周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用により、食料品の鮮度保持、品質保持、安全性を向上することができ、さらにカビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、食料品の長期間の鮮度保持効果を高めることができるなど、野菜、果物、ご飯や弁当などの加工品、鮮魚、生鮮肉類などに幅広く適用し得るものである。さらに、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0126】
上記機能性材料を有してなるセラミックス(機能性セラミックス)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、セラミックス全体に対して3質量%以上であればよく、用途によって大きく異なるものであり、セメントやコンクリート等の充填材として少量使用する用途では、3〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。一方、置物やタイル等略全量を機能性材料でまかない得る場合には、3質量%以上、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、さらに好ましくは95〜100質量%の範囲であることが望ましい。ここでいうセラミックスとしては、セラミックス自身の他、その加工品・製品や部品を含む。さらにセメントやコンクリートもセラミックスに含まれるものとする。例えば、浴槽や台所などのタイル、便器、陶磁器製の食器、置物、テーブル、さらにはセメントやコンクリート施工住宅やマンションで、特にセメントやコンクリートを打ちっぱなしで住宅の内壁にセメントやコンクリートが露出しているもの等が挙げられる。また、セラミックスに機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、セラミックス原料に添加混合し、適当に成形し、乾燥、焼結(か焼)することで含有させることができる。本発明の機能性セラミックスでは、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。
【0127】
上記機能性材料を有してなる壁紙(機能性壁紙という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、壁紙全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。また、紙製壁紙および樹脂製壁紙のいずれであってもよい。また、壁紙に機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、壁紙原料(パルプないし母材樹脂)に添加混合することで含有させることができる。本発明の機能性壁紙では、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。さらに、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。さらに、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0128】
上記機能性材料を有してなる薬剤(機能性薬剤という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、薬剤全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜5質量%、特に好ましくは3〜4質量%の範囲であることが望ましい。薬剤としては、例えば、接着剤、粘着剤、防蟻剤、木材保存剤、防腐剤等が挙げられる。また、薬剤に機能性材料を含有させる方法も従来公知の各種製造技術が適用できるものであり、特に制限されるものではなく、例えば、薬剤原料に添加混合することで含有させることができる。本発明の機能性薬剤では、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。さらに、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0129】
上記機能性材料を有してなる置物(機能性置物という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、置物全体に対して、例えば、上記機能性セラミックスを利用する場合には、3質量%以上、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、さらに好ましくは95〜100質量%の範囲であるし、上記機能性木材、機能性樹脂等を利用する場合には、2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。置物としては、上記機能性セラミックス、機能性木材、機能性樹脂等の製品が含まれるほか、機能性材料を切削、研磨などの加工したもの、機能性材料を成形し、焼成したものも含まれるものである。例えば、置き時計、みやげものなどの置物、文鎮などが挙げられる。本発明の機能性置物では、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。さらに、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0130】
上記機能性材料を有してなるタイル(機能性タイルという)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、タイル全体に対して3質量%以上、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、さらに好ましくは95〜100質量%の範囲であることが望ましい。タイルとしては、上記機能性セラミックスの製品が含まれるほか、機能性材料を切削、研磨などの加工したもの、機能性材料を成形し、焼成したものも含まれるものである。例えば、台所、洗面台、風呂場(ユニットバスを含む)、便所などに貼られるタイルなどが挙げられる。本発明の機能性タイルでは、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性を効果的に発現でき、例えば、風呂場などではストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、温浴効果をより一層高めることができ、台所などでは、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから清潔な水周りを提供することができるなど、快適な生活空間を提供することができる。
【0131】
上記機能性材料を有してなる床材(機能性床材という)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、床材全体に対して、例えば、上記機能性セラミックスを利用する場合には、3質量%以上、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、さらに好ましくは95〜100質量%の範囲であるし、上記機能性木材、機能性樹脂等を利用する場合には、2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。あるいは機能性材料が、床材に、例えば、上記機能性セラミックスを利用する場合には、3〜100g/m2以上、好ましくは25〜100g/m2、より好ましくは50〜100g/m2、さらに好ましくは75〜100g/m2の範囲であるし、上記機能性木材、機能性樹脂、機能性繊維等を利用する場合には、3〜100g/m2、好ましくは3〜20g/m2、より好ましくは3〜7g/m2、特に好ましくは4〜6g/m2の範囲で含有されていることが望ましい。床材としては、上記機能性繊維や機能性木材や機能性樹脂や機能性セラミックスの製品が含まれるほか、機能性材料を切削、研磨などの加工したもの、機能性材料を成形し、焼成したものも含まれるものである。例えば、建材用のフローリングなどの木材(合板を含む)製床材、建材用のフロアカーペットや絨毯などの繊維製床材、建材用のフロアクッションマットなどの樹脂製床材、建材用のタイル張りあるいはセメントやコンクリートの打ちっぱなしなどのセラミックス製床材等が挙げられる。本発明の機能性床材では、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、揮発性有機化合物(有害物質)の放散量を低減する作用によりシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の濃度を大幅に低減することができ、これらの症状を大幅に緩和することができるほか、遠赤外線作用(=高い放射率を有する)、周辺空気中のマイナスイオン数を増加させる作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性によるストレスや緊張をほぐし、血液の循環を促進し、カビや細菌の繁殖を抑え、消臭効果もあることから、快適な生活環境を提供することができ、健康回復・増進に大幅に寄与することができる。さらに、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0132】
上記機能性材料を有してなるマスク(機能性マスクという)が挙げられる。この場合、機能性材料の含有量は、マスク全体に対して2〜20質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の範囲であることが望ましい。あるいは、また、機能性材料が、繊維に3〜100g/m2、好ましくは3〜20g/m2、より好ましくは3〜7g/m2、特に好ましくは4〜6g/m2の範囲で含有(混入、担持、付着、塗布・コーティング、含浸、注入等のいずれの形態であってもよい)されていることが望ましい。マスクとしては、上記機能性繊維を用いてマスクを作製したものが含まれるほか、既存の布材を用いたマスクの内側に機能性材料を塗着したものも含まれるものである。例えば、建材用のフローリングなどの木材(合板を含む)製床材、建材用のフロアカーペットや絨毯などの繊維製床材、建材用のフロアクッションマットなどの樹脂製床材、建材用のタイル張りあるいはセメントやコンクリートの打ちっぱなしなどのセラミックス製床材等が挙げられる。本発明の機能性マスクでは、後述する実施例に示すように、本発明の各種特性をバランスよく発現することができるため、花粉症で最もつらい症状とされる鼻水、3番目、4番目につらい症状とされるくしゃみ、鼻詰まりの各症状を抑える事ができるものである。これは、既存マスク機能でも花粉の侵入を抑えることができるほか、該機能性材料にも吸着させることもでき、花粉の侵入防止効果があるほか、これら機能性材料が、ストレスや緊張をほぐし、血液の循環をよくするため、鼻水や鼻詰まりなどの症状の緩和に極めて有効に作用すると考えられる。さらに、これらがごみとなった場合には、焼却によるダイオキシン類などの発生抑制にも十分に寄与しえるものである。
【0133】
以上が、本発明の機能性材料を有する用途品の具体例であるが、本発明はこれらに何ら制限されるべきものではない。
【0134】
こうした用途品の母材原料としては、特に制限されるものではなく、その用途、例えば、プラスチック(樹脂)、ゴム・エラストマー、紙・パルプ、繊維、木材、皮革、塗料などにより異なるものであり一義的に規定することはできないものであり、あらゆる種類の樹脂、ゴム(エラストマーを含む)、紙・パルプ、木材、皮革等を単独若しくは適当に組み合わせて母材原料とすることができるものである。さらにアルミニウム等の金属材料、ガラス等の無機材料、などの不燃性の母材原料(基材)等と組み合わせることもできる。すなわち、本発明では、該母材原料に機能性材料および他の添加剤(副資材)を配合し成形加工して得られる樹脂(プラスチック、ゴム、エラストマー)や紙・パルプなどの一次加工品やこれらの二次加工品があり、こうした製品において、本発明の作用効果を十分に発揮することができるものである。すなわち、本発明の機能性材料では、接触でも非接触でもマイナスイオン数増加作用などの諸特性を奏することができるため、樹脂やパルプ等中に混入されていても本発明の作用効果が損なわれることがないものである。さらに、木材や皮革などに真空(減圧)注入法等により機能性材料を加えた製品においも、本発明の作用効果を十分に発揮することができるものである。特に、汎用性のある樹脂を母材原料とするプラスチックの成形加工品が幅広い分野に適用でき、またあらゆる形態に成形加工できる利点を有する。
【0135】
また、本発明者は、機能性材料中の鉱物・岩石につき、乾燥状態及び水で濡らした状態で実験を行った結果、鉱物・岩石を水で濡らした状態の方が、乾燥状態よりもマイナスイオン発生数が増大することを見出したものである。したがって、例えば、生活環境下での水周り、例えば、台所の水道の蛇口や流し台、風呂場のタイルや浴槽や洗面台などへの利用が極めて有効であるほか、加湿器などの水蒸気吹出口などに本発明の機能性材料を混入した樹脂部品を利用することで、より大きなマイナスイオン効果を得ることができるものである。
【0136】
また、本発明の機能性材料を用いた製品に使用される樹脂(ゴム/エラストマー)等の母材原料としては、特に制限されるものではなく、従来既知の母材原料として用いられている樹脂、ゴムのほか、紙・パルプなどを使用することができる。こうした母材原料の一部(代表的な例)を示すならば、例えば、ポリテトラクロロエチレン、ポリジメチルシロキサン(シリコン)、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリエチレン、水素添加ポリブタジエン、ポリブタジエン/スチレン(85/15、75/25、60/40)、ポリイソブチレン、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ポリブチルアクリレート、ポリエチレルヘキシルメタクリレート、ポリエトキシメチルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリスチレン、ポリ−p−キシリレン、ポリサルファイド、ポリスチレンジビニルベンゼン、ポリメチルメタクリレート、ポリブタジエン/アクリロニトリル(75/25)、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素系プラスチック、ポリメチルアクリレート、エポキシ樹脂、ポリウレタン、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、プロピオン酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリビニルクロルアセテート、ポリエチレングリコールテレフタレート(テトロン)、セルロースジアセテート、セルロースジニトレート、ポリメチレノキサイド(デルリン)、フェノール樹脂、ポリビニルデンクロライド(サラン)、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−11、ナイロン−12などのポリアミド(ナイロン類)、ポリメタアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ジエン系プラスチック、ポリウレタン系プラスチック、耐熱性高分子(芳香族ポリアミド、ポリフェニレン、ポリキシリレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、芳香族ヘテロ環ポリマー、はしご型ポリマーなど)、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのホルムアルデヒド樹脂、アクロレイン系樹脂、トリアジン系樹脂、天然ゴム系プラスチック、セルロース系プラスチック、タンパク質系プラスチック、デンプンからのプラスチック等の天然プラスチック、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、アクリロニトリル−アクリル酸メチル共重合体(ゴム変成品)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロエチレン−トリフルオロエチレン共重合体(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、アイオノマー、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル酸メチルなどのエチレン共重合体、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエーテルスルホン、ポリウレタンエラストマー、ポリビニルアルコール、塩化ビニル−アセテート共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、チオコールゴム、ネオプレン、各種紙・パルプ、木材等が挙げられる。これらの母材原料は、単独(共重合体を含む)で用いてもよいし、2種以上を併用したものであってもよい。さらに、吸水性である織布、不織布およびアルミ箔などに母材原料を張り合わせることによって、それぞれの素材の特性(吸水性、耐水・耐油性、熱・光反射性、ガスバリヤー性など)をさらに生かすことができるので、多くの分野で用いることができる。
【0137】
製品中への機能性材料の含有量としては、製品の性能(機械的強度や加工性など)を損なうことなく、新たに機能性材料の持つマイナスイオン発生作用を有効かつ効果的に付与できる量であればよく、母材原料や用途などによっても異なるため一義的に規定することはできない。よって、使用に際し簡単な予備実験などにより最適な値を決定すればよく、例えば、樹脂原料を使ったフィルム等では、製品の総重量を基準として通常1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは3〜10質量%、さらに好ましくは2〜5質量%の範囲であるが、母材原料や用途などにより最適な範囲は変わることはことは上記した通りである。該機能性材料の含有量が1質量%未満の場合には、製品に機能性材料の持つマイナスイオン発生作用を有効かつ効果的に発現させることが困難となる場合がある。一方、機能性材料の含有量が20質量%を超える場合には、製品の性能(機械的強度や加工性など)を損なうおそれがある。
【0138】
また、本発明の機能性材料を用いた各種製品には、必要に応じて、それぞれの用途に適した従来既知の各種添加剤を用いる事ができる。例えば、従来公知の抗菌・防カビ剤、可塑剤、安定剤(酸化防止剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、滑剤、硬化剤、触媒、充填剤、帯電防止剤、着色剤(顔料等)、増量剤、結晶調節剤、補強材、難燃化剤、架橋剤、発泡剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、オゾン劣化防止剤などがそれぞれの性能(機能)が十分に発現し得る範囲内で適宜含有されていてもよい。
【0139】
本発明の本発明の機能性材料を用いた各種製品の使用形態としては、特に制限されるものではなく、その用途に応じたあらゆる形態に適用することができるものであり、1例を示せば、▲1▼フィルム形態(例えば、食品包装等、各種包装材など)、▲2▼成形加工形態(例えば、食品容器、まな板、台所用品、風呂場用品等の日用品、冷蔵庫、洗濯機、携帯端末(電話器)、浄水器、エアコンなどの電化製品や部品など、具体的には、板状、棒状など用途に適した形状)、▲3▼複合形態(例えば、壁紙、床材などの家庭内装材、シーリング材等の建材、各種タンク、パイプ等の水処理材料などのように本発明の機能性材料ないしその用途品と他の材料との貼り合わせや、積層(ラミネート)などの組み合わせなどで、具体的には、ラミネートフィルム、積層板等の形状など)など、▲4▼繊維形態(例えば、衣類、靴下、カーペット、寝具などの繊維製品など)、▲5▼紙・パルプ形態など、あらゆる形態にすることができる。
【0140】
次に、本発明の機能性材料を含有してなる各種製品の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来既知のプラスチック、ゴム、紙などの製造技術を適用する事ができるものであり、上記に例示したような母材原料の樹脂やゴム、パルプなどに、機能性材料、さらには上記に説明した各種添加剤を必要に応じて配合してなる配合材料を用いて成形加工するものである。(1)かかる配合操作は、目的とする製品の形態に応じて適宜選択されるべきものであり、▲1▼母材原料、機能性材料及び他の添加剤(副資材)を適量づつ配合し、これに必要に応じて適当な溶剤を用いて液状混合し、更に必要に応じて含浸、乾燥、粉砕、造粒操作を単独で行って、あるいは2以上の操作を順次行って、ペースト、溶液、プリプレグ、樹脂含浸塗布紙、プリミックス、粉末、ペレットなどの形態の配合材料を形成しても良いし、▲2▼母材原料、機能性材料及び他の添加剤(副資材)を適量づつ配合し、これに必要に応じて適当な溶剤を用いて固(粉)状混合し混練し、さらに必要に応じて粉砕または造粒して、混練物、粉末、ペレットなど形態の配合材料を形成しても良い。これらに配合の際、機能性材料及び他の添加剤を高濃度に含有するマスターバッチを作製し、その後、用途に応じて所望の濃度になるように均一に混合ないし混練処理しても良い。(2)また、その後の、成形・加工方法も、目的とする製品の形態に応じて適宜選択されるべきものであり、各種配合材料に適した成形加工法、例えば、スラッシュ成形(ペースト)、ディップ成形(ペースト)、注型(溶液)、発泡加工・発泡成形(溶液、ペレット)、積層成形(プリプレグ、樹脂含浸塗布紙、シート;配合材料である混練物を、さらにカレンダ加工または押出成形して得られる配合材料の形態の1つ)、粉末成形(粉末)、圧縮成形(プリミックス、粉末、ペレット)、トランスファ成形(粉末、ペレット)、射出成形(ペレット)、カレンダ加工(混練物)、押出成形(さらにブロー成形することもある)(混練物)、真空成形(シート)を利用すれば良い。さらに、こうした成形品は、適当な処理によって加工できる。例えば、印刷適性の改良、放射線によるポリマーの架橋、真空蒸着を用いた成形品表面への金属薄膜コーティング等を挙げることができるなど、従来公知の様々な成形加工法を適用することができる。また、これら樹脂加工品である容器、フィルム、シート等の成形加工品以外にも、繊維、塗料、接着剤、木材および木材加工品、皮革などに関しても、従来既知の製造方法を適宜利用して製造することができる。さらに、木材や皮革等については、後述する機能性木材の製造方法を適用することが望ましい。すなわち、真空装置内部に対象となる木材や皮革原料を入れておき、減圧させることで、これらの原料内も減圧されるので、この時点ないし常圧に戻す際に機能性材料を適当な溶液に均一に分散させたものを噴霧することで、こうした減圧された原料表面に機能性材料を注入するとした技術などが例示できる。
【0141】
【実施例】
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。
【0142】
実施例1
本発明の機能性材料の主成分の各鉱物・岩石の粉体および塊状物の状態で発生しているマイナスイオン数を測定した。ここで、粉体には、粒径10〜50μmのものを使用した。また、塊状物には、一辺25mmの立方体を使用した。粉体と塊状物は、いずれも同じ質量(約35〜40g)に調整して実験を行った。また測定方法は、既に説明した通りである。上記実験により得られた結果を下記表5に示す。
【0143】
【表5】
【0144】
また、電気石、トルマリンについても同様の実験を行ったが、バックグランド値と同等であり、マイナスイオン数増加作用は認められなかった。
【0145】
このことから、本発明に係る機能性材料の主成分の鉱物・岩石では、バックグランド値を差し引いて、約1000〜1500ケ/cm3のマイナスイオン数の増加が確認された。この程度のマイナスイオン数の増加が認められれば、人体に好影響を与えることができる。
【0146】
実施例2
羊製の皮革に真空注入法により、表3の機能性材料No.1及び2(平均粒径3μmものを使用した)の含有量が5質量%になるように含浸させて、機能性皮革を作製した。得られた機能性皮革につき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表6に示す。
【0147】
【表6】
【0148】
表6の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られた皮革(機能性皮革)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性皮革は、機能性材料を含浸させる前と同じ白色のままであり、手触り感覚、しなやかさ、加工性などには何ら影響せず、元の皮革と同等であり何ら違和感もないことが確認できた。また、製品として使用される際に加えられる引っ張りやねじり等の負荷を加えても、機能性皮革から機能性材料が脱落することはなく、極めて好適に含浸できていることも確認できた。
【0149】
実施例3
市販の木材(建材や家具用の楢の壁板材や家具用板材を使用した)に真空減圧法により、表3の機能性材料No.1及び2(平均粒径3μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように含浸させて、機能性木材を作製した。得られた機能性木材につき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表7に示す。
【0150】
【表7】
【0151】
表7の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られた木材(機能性木材)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性木材は、機能性材料を含浸させる前と同じ外観(色ないし木目)のままであり、手触り感覚、加工性などには何ら影響せず、元の木材と同等であり何ら違和感もないことが確認できた。また、製品(建材や家具など)を組み立てる際の切削や釘撃ちによる振動や衝撃などの負荷を加えても、機能性木材から機能性材料が脱落することはなく、極めて好適に含浸できていることも確認できた。
【0152】
実施例4
母材樹脂(アクリル樹脂(PA)を使用した。)に、表3の機能性材料No.1〜6(平均粒径3μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように添加混合した樹脂原料を用いて、紡糸して、PA製の繊維(機能性繊維)を作製した。得られた機能性繊維につき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表8に示す。表8の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られた繊維(機能性繊維)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性繊維は、機能性材料を含有させずに紡糸して作製した繊維と同じ色のままであり、手触り感覚、加工性(織物加工、編物加工、組物加工、嵩高処理など)などには何ら影響せず、機能性材料を含有させずに紡糸して作製した繊維と同等であり何ら違和感もないことが確認できた。また、製品(衣類などの織物、編物、組物、不織布など)を縫製する際あるいは着用中や洗濯等の際の引張りや捩れなどの負荷を加えても、機能性繊維から機能性材料が脱落することはなく、極めて好適に含有できていることも確認できた。
【0153】
【表8】
【0154】
上記機能性繊維製の布で機能性寝具(ベットマットカバーの裏布地および表布地)に加工し、また該機能性繊維に用いた機能性材料(ただし、粒度は下記のものを使用した)を用いて褥瘡防止・治癒用マット(機能性マット)を作製した。
【0155】
褥瘡防止・治癒用マットの構造は、以下の通りとした。
【0156】
・マットの寸法:1000×2000mm
・マットの中心材:立体織りハニカム構造とした。
【0157】
・裏布地、表布地:機能性寝具(ベットマットカバー)とした。
【0158】
・機能性セラミックス:粒度が1〜3mmサイズ(ないし325メッシュサイズ)のものを用い、マットの略全面に250g/m2となるように用いた。これは、裏布地、表布地とは、別にマットの中心材と表布地の間に機能性セラミックス(後述する実施例7と同様にして作製したもの(粒度のみを変えている))を使用した。
【0159】
褥瘡防止・治癒用マットの製造は、裏布地上に中心材を置き、中心材の表面に機能性材料を塗工し、機能性セラミックスを塗工した中心材表面上に表布地を被覆し、中心材とその外の布地とを適当な大きさに区画して縫合し、区画された中心材とその外の布地との間に機能性セラミックスが具備されるようにして作成したものである。
【0160】
この機能性ベットマット褥瘡(床ずれ)防止・治癒寝具としての有用性が確認できた。すなわち、機能性寝具を用いた被検者ごとに使用前の患部の褥瘡の症状を診断した結果、半月〜4ヶ月程度で褥瘡の症状がなくなり、健康な状態に治癒(自然治癒)することが確認できた。
【0161】
【表9】
【0162】
上記表9の褥瘡の症状;
1度:表皮の損傷・皮膚の紅斑と硬結がある;
2度:全層皮膚損傷がある;
3度:損傷が深在性筋膜に及ぶ深さであるが、筋膜・骨膜に達しない;
4度:筋肉・骨・関節に及ぶ深さである。閉鎖性が深層の筋膜にみられる。
【0163】
この褥瘡の症状は、本発明の機能性材料を利用した褥瘡防止・治癒用マット(機能性マット)を使用した被検者ごとに本機能性マット使用前の患部の褥瘡の症状を診断して結果である。また、作用効果の欄の「治癒」とは、褥瘡の症状がなくなり、健康な状態に治癒(自然治癒)したことを表わす。すなわち、本機能性マット使用期間経過後の患部の褥瘡の症状を診断した結果、いずれも褥瘡の症状がそれぞれ1〜4度に分類されていたものを、治癒することができた。
【0164】
実施例5
一般的な塗料は、無機・有機顔料、バインダー(基体樹脂、架橋剤を含む)、溶剤、添加剤(分散安定剤など)、表面処理剤等が混合されてなるものである。本発明では、市販の屋内用塗料に、表3の機能性材料No.1〜3(平均粒径3μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように添加混合して作製した。得られた機能性塗料を基板(鋼板を使用した)に塗布乾燥して塗膜を形成した。かかる塗膜につき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表10に示す。表10の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られた塗料(機能性塗料)による塗膜では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性塗料は、機能性材料を含有する前の塗料と同じ色のままであり、また塗膜に関しても同様であり、表面光沢、手触り感覚、塗工性などには影響せず、機能性材料を含有しない塗料と同等であり何ら違和感もないことが確認できた。また、一般的な塗料には、上記したように無機系の顔料も数多く使われており、こうした無機材料と同様に本発明の機能性材料も塗料液中に分散させることができるものであり、使用前に機能性材料のみが分離することはなく、極めて好適に含有できていることも確認できた。また、塗膜についても、機能性材料によるブツや変色などの不具合は見られず、極めて好適に含有できていることも確認できた。
【0165】
【表10】
【0166】
実施例6
母材樹脂(ポリエチレン樹脂(PE)を使用した。)に、表3の機能性材料No.1〜5(平均粒径5μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように添加混合した樹脂原料を用いて、厚さ50μmのPE製フィルム(機能性フィルム)を作製した。得られた機能性フィルムにつき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表11に示す。表11の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られたフィルム(機能性フィルム)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性フィルムは、機能性材料を含有させずに作製したフィルムと同じ無色透明に近いものが得られた。なお、機能性材料の粒度を小さくしていくことで、透明性が向上することは他の無機系添加剤を用いる場合と同様であることが確認できた。機能性材料によるフィルムの加工性などは用いる延伸ローラなどの材質や強度は、既存の装置でも特に影響を受けず、得られた機能性フィルムの利便性や特性も、機能性材料を含有させずに作製したフィルムと略同等であり何ら問題は生じないことが確認できた。また、製品(ラップフィルムや菓子などの包装用フィルムなど)として利用する際の引張りなどの負荷を加えても、機能性フィルムが破れやすかったり、傷つき易いなどの問題は無く、好適に含有できていることも確認できた。
【0167】
【表11】
【0168】
また、上記機能性フィルムと同様の機能性材料1を同量含有する樹脂原料を用いて発泡PE製のフルーツキャップ(機能性樹脂のフルーツキャップ)、発泡ポリスチレン製の食品用トレイ(機能性樹脂の容器)、ドリップ防止シート(機能性樹脂の不織布シート)を作製し、上記機能性フィルムと組み合わせるなどして、生鮮食品(野菜では胡瓜、果物では桃、鮮魚では鯖切り身、畜産生肉はスライスした牛肉を使用した。)の鮮度保持実験を行った。
【0169】
(1)野菜
上記機能性フィルム1と機能性材料を含まないフィルムをそれぞれ用いて、新鮮な野菜を包装し、その後の野菜の経時的な変化を下記表12に示す鮮度表示表に従って判定し、その結果を下記表13に示す。表13中の経時時間ごとの鮮度表示指数は、下記表12の鮮度保持表の判定基準に従って行い、10個のサンプルが最大数を占める指数とした。新鮮な野菜には、胡瓜を用い、各々10個をサンプルとした。
【0170】
(2)果物
果物用の農業用緩衝材(通称;フルーツキャップ;果実などの保護ないし緩衝に用いられる発泡ポリエチレン製ネット)として、機能性材料1を5質量%配合してなる発泡PE製のフルーツキャップ(機能性樹脂のキャップ)と、機能性材料を含まない発泡PE製のフルーツキャップを用いて、果実をフルーツキャップに収納し、その後の果実の経時的な変化を下記表12に示す鮮度表示表に従って判定し、その結果を下記表14に示す。表14中の経時時間ごとの鮮度表示指数は、10個のサンプルが最大数を占める指数とした。新鮮な果実には、桃を用い、各々10個をサンプルとした。
【0171】
(3)鮮魚
機能性材料1を5質量%配合してなる発泡ポリスチレン製の食品用トレイ(機能性樹脂の容器)を用いて、鮮魚(鯖切り身)を該食品用トレイ(機能性樹脂の容器)に入れ、これらを機能性フィルム1で包装し、その後の鮮魚の切り身のpH値の経時的な変化を測定した。同様に機能性材料を含まないフィルムおよび発泡ポリスチレン製の食品用トレイを用いて、鮮魚の切り身のpH値の経時的な変化を測定した。新鮮な鮮魚には、即殺後に加工・調理を行った鯖の切り身を用い、各々10個をサンプルとした。得られた結果を下記表15に示す。なお、pHは、切り身をミキサーでペースト状にし、このペースト状物のpHをpH測定器で測定した。
【0172】
(4)生肉
上記(3)と同様の機能性フィルム1と食品用トレイ(機能性樹脂の容器)、更に機能性材料1を5質量%担持したドリップ防止シート(機能性樹脂の不織布シート)を用いて、牛肉をドリップ防止シートを敷いた食品用トレイに入れ、これを機能性フィルムで包装し、その後の牛肉の経時的な質量変化率(%)を測定した。同様に機能性材料を含まないフィルム、食品用トレイおよびドリップ防止シートを用いて、牛肉の経時的な質量変化率(%)を測定した。新鮮な肉類には、牛肉(スライスした肉)を用い、各々10サンプル用意した。得られた結果を下記表16に示す。なお、牛肉の質量変化率は、スライスして包装した直後の質量(M1)を基準に、その後、経時的に測定した質量(M2)とした場合、(M1−M2)/M1×100として求めた。なお、時間経過に伴い牛肉の鮮度劣化に伴いドリップがでてくるため、これを取り除いて質量を測定した。
【0173】
【表12】
【0174】
【表13】
【0175】
【表14】
【0176】
【表15】
【0177】
【表16】
【0178】
上記表12〜16の結果から明らかなように、本発明の機能性材料を含有する機能性フィルムや機能性樹脂のキャップや食品トレーやドリップ防止シートを用いたものでは、機能性材料を添加しなかったフィルムや食品トレーやドリップ防止シートに対して長期保存が可能であることが確認できた。すなわち、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることで、鮮度保持材としても有効かつ効果的に利用することができることが確認できた。これは、本発明の機能性樹脂の製品である機能性フィルムや機能性樹脂の容器(食品トレー)やフルーツキャップやドリップ防止シート等では、マイナスイオン数を増加させる作用効果に加えて、抗菌性、脱臭性、防カビ性を有することによって、生鮮食品中の酵素の分解作用などが抑制されると共に、菌類の増殖を抑制し得るので鮮度が長期に保持されるものと考える。
【0179】
実施例7
表3の機能性材料No.1〜3(平均粒径3μmものを使用した)の配合量が5質量%となるように、結合剤として粘土鉱物(洗面台や便器に用いられるもの;シリカとアルミナを主成分とするもの)と、スラリー粘度調整剤として水とを加えて混合し、所定の形状に成形後、600℃で2時間、か焼して、1kgの機能性置物(機能性固体)をそれぞれ作製した。形状は、任意の形状に加工できるが、ここでは便宜上、最も簡単な立方体に成型した。得られた機能性置物につき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表17に示す。表17の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られた置物(機能性置物)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。
【0180】
【表17】
【0181】
また、洗面台や便器等に用いる粘土鉱物に本発明の機能性材料を添加混合して上記と同様にか焼することで、機能性セラミックスの洗面台や便器等を得ることもできる。こうした場合でも、既存の洗面台や便器等と同様の上薬を用いてか焼することができ、機能性材料を添加しないものと同じ外観のままであり、手触り感覚、加工性などには何ら影響せず、何ら違和感もないことが確認できた。また、製品(洗面台や便器)を組み立てる際や使用時の振動や衝撃などの負荷を加えても、機能性セラミックスがひび割れ易かったり、割れやすいなどの問題は無く、好適に含有できていることも確認できた。
【0182】
実施例8
壁紙用のパルプ材料に、表3の機能性材料No.1〜3(平均粒径3μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように添加混合したパルプ原料を用いて、紙製の壁紙(機能性壁紙)を作製した。得られた機能性壁紙につき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表18に示す。表18の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られた壁紙(機能性壁紙)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性壁紙は、機能性材料を含有させずに作製した壁紙と同じ色のままであり、手触り感覚、加工性などには何ら影響せず、機能性材料を含有させずに作製した壁紙と同等であり何ら違和感もないことが確認できた。また、機能性壁紙を施工する際に、シックハウス症候群の原因物質である揮発性有機化合物の1つであるホルムアルデヒドを含有する接着剤を用いて行い、周辺空気中のホルムアルデヒドの濃度を調べてみた。この場合にも、機能性材料を含有しない壁紙の場合には、JISやJASの許容濃度を上回る濃度が検出されたが、機能性壁紙では、表18に示す揮発性有機化合物低減作用により、JISやJASの許容濃度よりも格段に低い濃度しか検出されず、その有用性が確認できた。また、施工などでの負荷を加えても、機能性壁紙から機能性材料が脱落することはなく、極めて好適に含有できていることも確認できた。
【0183】
【表18】
【0184】
さらに、上記機能性置物1によるマイナスイオンの周辺雰囲気に及ぼす平面的作用効果と立体的作用効果の実験を行った。詳しくは、上記機能性置物1(1つが1kg)の数(=量及び表面積)を変えてみたところ、住宅やマンションの通常の広さ部屋(4.5畳、6畳及び8畳)全体に常にマイナスイオンが行き渡るようにすることができる数を調べた。これは、マイナスイオンのライフタイム及び移動度の関係から、部屋の隅に機能性置物をおいた場合に、その部屋全体にマイナスイオンが到達する、すなわち、その部屋にいる人にマイナスイオンが作用することができる条件と調べたものである。得られた結果を図1に示す。図1に示すように、機能性置物の数(=量及び表面積)を増やすことで、より広い範囲がカバーできることがわかった。このことから、人が直接身につけたり、すぐそばに置かなくても、ある程度の距離を隔てても有効に作用しえることが確認できた。これは、本発明の機能性材料に起因するマイナスイオンのライフタイムが長く、移動度も速いため、離れた場所でも十分にその影響が及ぶため、生活環境全体にマイナスイオン効果を与えることもできるためと考える。
【0185】
このことから、生活環境の中でストレス等を受けやすい環境(仕事場や学校など)のほか、ストレスから開放される住空間(マイホームなど)において、恒久的にマイナスイオン作用を発現させることで、人の持つ自然治癒能力を高め、ストレス等を緩和でき健康の増進につなげることができる。また、遠赤外線作用および揮発性有機化合物低減作用についてもマイナスイオン数増加作用と同様のことがいえる。また、本発明の機能性材料は、置物に限らず各種製品に適用できるため、衣類や寝具、建材など身近な製品に適用することも、ストレスやシックハウスの予防効果が得られるなど、健康の維持・増進につなげることができる。
【0186】
なお、母材樹脂(ポリエチレン)に、表3の機能性材料No.1〜3(平均粒径3μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように添加混合した樹脂原料を用いて、樹脂(PE)製の壁紙(機能性壁紙)を作製してみたが、この場合にも、紙製の壁紙と略同等の効果が得られることが確認できた。
【0187】
実施例9
表3の機能性材料No.1〜3(平均粒径3μmものを使用した)の配合量が5質量%となるように、結合剤として粘土鉱物(タイルに用いられるもの;シリカとアルミナを主成分とするもの)と、スラリー粘度調整剤として水とを加えて混合し、所定の形状に成形後、600℃で2時間、か焼して、機能性タイル(機能性固体)をそれぞれ作製した。形状は、任意の形状に加工できるが、ここでは便宜上、最も簡単な250mm角の正方形に成型した。得られた機能性タイルにつき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表19に示す。表19の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られたタイル(機能性タイル)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。
【0188】
【表19】
【0189】
また、タイルは、既存のタイルと同様の上薬を用いてか焼することができ、機能性材料を添加しないものと同じ外観のままであり、手触り感覚、加工性などには何ら影響せず、何ら違和感もないことが確認できた。また、製品(タイル)を組み立てる際や使用時の振動や衝撃などの負荷を加えても、機能性タイルがひび割れ易かったり、割れやすいなどの問題は無く、好適に含有できていることも確認できた。
【0190】
実施例10
市販の床材(フローリング用の床材;合板を使用した)に真空減圧法により、表3の機能性材料No.1〜3(平均粒径3μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように含浸させて、機能性床材を作製した。得られた機能性床材につき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表20に示す。
【0191】
【表20】
【0192】
表20の結果から、機能性床材を適量含有させることで、得られた床材(機能性床材材)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性床材は、機能性材料を含浸させる前と同じ外観(色ないし木目)のままであり、手触り感覚、加工性などには何ら影響せず、元の床材と同等であり何ら違和感もないことが確認できた。また、床材を貼り付ける(敷き詰める)際の釘撃ちによる振動や衝撃などの負荷を加えても、機能性床材から機能性材料が脱落することはなく、極めて好適に含浸できていることも確認できた。
【0193】
実施例11
複数枚の布材やガーゼを貼り合わせている市販のマスクにつき、これらを張り合わせる前に、1枚の布材の片面(貼り合わせ面)に、表3の機能性材料No.1〜3(平均粒径3μmものを使用した)の含有量がそれぞれ5質量%になるように接着剤を加えて、スプレー塗布し、乾燥させた後、これらの布材を貼り合わせてマスクを(機能性マスク)を作製した。得られた機能性マスクにつき、放射率、マイナスイオン数、防カビ性、脱臭性、抗菌性、総揮発性有機化合物低減濃度を測定した。得られた結果を下記表21に示す。
【0194】
【表21】
【0195】
表21の結果から、機能性材料を適量含有させることで、得られたマスク(機能性マスク)では、従来にない高いマイナスイオン数増加作用、揮発性有機化合物低減作用、遠赤外線作用、防カビ性、脱臭性および抗菌性といった諸特性を発現し得ることが確かめられた。また、得られた機能性マスクの外観は、機能性材料を含有させずに作製したマスクと同じ色のままであり、手触り感覚、装着感などには何ら影響せず、機能性材料を含有させずに作製したマスクと同等であり何ら違和感もないことが確認できた。また、マスクの使用中や洗濯等の際の引張りや捩れなどの負荷を加えても、機能性マスクから機能性材料が脱落することはなく、極めて好適に含有できていることも確認できた。
【0196】
また、花粉症の被検者に市販マスクと機能性マスクにつき、使用してもらって、花粉症による鼻水、くしゃみ、鼻詰まり等の症状につき調べた結果、市販マスクに比べて機能性マスクでは、こうした症状が大幅に抑えられることが確認できた。
【0197】
【発明の効果】
本発明の機能性材料は、花崗岩系、長石系、雲母系および沸石系の鉱物・岩石の少なくとも1種を主成分とし、さらに好ましくはドロマイトおよび/または炭酸リチウムを少量含有してなるものである。そのため、仕事(苛酷な労働)や受験勉強などによる精神的,肉体的ストレス、電子機器や携帯電話等からの電磁波などにより生体内のイオンバランスが崩れている現代人の健康回復(イオンバランスの回復、詳しくは、マイナスイオンは、生体に対する作用効果として、血漿のセロトニン、ドーパミンを低下させ、拡張期血圧を低下させ、交感神経を抑制し、反応時間を短縮するなどの特性を有しており、身体の癒し、さらには褥瘡(床ずれ)防止・治癒)、花粉症に有用である周辺空気中(すなわち、生活空間内)のマイナスイオン数を増加させる作用、自動車排気ガス等による大気汚染、生活空間内の化学物質等の汚染によるシックハウス症候群やアトピー性皮膚炎にも寄与し得る揮発性有機化合物の放散量を低減する作用、血行促進、褥瘡(床ずれ)防止・治癒、花粉症などに有用な遠赤外線作用、更には、食料品や生活用品などの鮮度保持や安全性向上などに有用である防カビ性、脱臭性および抗菌性を有するため、生活用品や内装建材(壁紙やカーペット等の内装材やインテリア等)など生活空間内にある各種製品への添加剤等をはじめとして、幅広い分野において利用することのできるものである。
【0198】
また、一般的にシックハウス症候群の原因物質である総揮発性化合物(TVOCs)の多くは電気的にプラスに帯電しているため、本発明のマイナスイオン数増加作用により、増加したマイナスイオンがプラスの揮発性化合物と電気的吸引力により結合し、電気的な中和現象が発生することによって、揮発性化合物が分解されるほか、大イオンとの結合によりより重くなり空気中に浮遊できず沈降させてしまう働きによっても空気浄化、揮発性有機化合物の低減にも大いに寄与し得るものといえる。
【0199】
また、本発明の機能性材料およびこれを用いた各種用途(製品)は、マイナスイオン数増加作用、(遠赤外線作用)および揮発性有機化合物低減作用を有する特定の鉱物・岩石、さらには遠赤外線作用、防カビ性、抗菌性、脱臭性を有する特定の無機材料(ドロマイト、炭酸リチウムなど)を、使用用途に応じて所定の粉体(粒度)に加工して原料母材(樹脂(ゴム・エラストマーを含む)、木材、皮革、紙・パルプ、セラミックス、塗料用樹脂基体など)に所定比率で添加混入や減圧注入等した製品、例えば、塗料、木材製品(床材、壁材などの建材、家具)、繊維製品(衣類、寝具など)、樹脂製品(包装フィルム、食品トレーなどの容器、建築や自動車などの壁紙、床材、影材、カーぺット、シートなどの内装材、空気清浄機のフィルターなど)、セラミックス製品(便座、タイル、空気清浄機の空気浄化用のセラミックス造粒体)に加工することによって、悪化した現状の生活環境を改善することができる画期的なものである。
【0200】
本発明の機能性材料では、安価に供給される天然鉱物原料を微粉化し、適当な化学的処理による簡単な操作で製造し得るものである。よって、複雑な加工処理を施すことなく比較的安価に製造することができる。
【0201】
さらに、本発明の機能性材料を用いてなる製品、例えば、樹脂製品、塗料、接着剤、ゴム・エラストマーや繊維などでは、加工時の加熱及び加圧、使用の際に置かれる環境(光、水等)に耐え、しかも樹脂や繊維製品の基本性能を損なう事なく、従来の無機充填材料など(例えば、広く使用されている炭酸カルシウムなど)と同様にして母材原料の樹脂成分などに対して所定の比率で添加混合(マスターバッチ法や紡糸時に配合)する操作を行うだけでよく、既存の製造技術をそのまま適用できるので、新たに製造装置を揃えなくともよく、比較的安価に製造することができる。また、従来と同様にあらゆる形態(繊維、フィルム、塗膜、成型品等の諸形態)に加工でき、かつ安全性(加工、使用、廃棄の全ての段階における安全性)の極めて高いものにできる。このような製品としては、例えば、皮革製品、例えば、コートなど、木材製品、例えば、床材、天井材、壁材などの建材、家具・調度類など、紙・パルプ製品、例えば、壁紙(紙製)、本、トイレットペーパ、紙おむつなど、セラミックス製品、例えば、タイル、置物、流し台、台所、風呂場、便器など、樹脂製品やフィルム製品、例えば、食品包装、食品用容器、まな板、台所用品、風呂場用品等の日用・家庭用品、冷蔵庫、洗濯機、携帯端末(電話器)、浄水器、エアコン等の電化製品、壁紙(樹脂製)、床材などの家庭内装材、シーリング剤等の建材、繊維製品、例えば、靴下、カーペット、寝具、マスクなど、さらにこれらを組み合わせたものや建設機械、農業資材、工業用品など、本発明の各種作用が要求されている製品に幅広く使用できる画期的な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】機能性置物によるマイナスイオンの作用効果の及ぼす範囲を測定した結果を表す図面であり、図1(a)は、機能性置物を部屋(4.5畳〜8畳)の隅に横(平面的)に1〜3個並べて、該置物から最も離れた部屋の隅でのマイナスイオンを計測した値を示すものであり、図1(b)は、機能性置物を部屋(4.5畳〜8畳)の隅に縦(立体的)に積み上げて、該置物から最も離れた部屋の隅のH2の高さでのマイナスイオンを計測した値を示すものである(なお、いずれもバックグランド(BG)値は1000ヶ/cm3である。
Claims (43)
- 花崗岩系、長石系、雲母系および沸石系鉱物・岩石の少なくとも1種を含有することを特徴とするマイナスイオン数増加作用および揮発性有機化合物低減作用を有する機能性材料。
- 前記花崗岩系、長石系、雲母系および沸石系鉱物・岩石の合計含有量が、機能性材料全量に対して5質量%以上の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の機能性材料。
- ドロマイトをさらに含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の機能性材料。
- 前記ドロマイトの含有量が、機能性材料全量に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の機能性材料。
- リチウム化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性材料。
- 前記リチウム化合物が、炭酸リチウムであることを特徴とする請求項5に記載の機能性材料
- 前記リチウム化合物の含有量が、機能性材料全量に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする請求項5または6に記載の機能性材料。
- 角閃石系鉱物・岩石をさらに含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の機能性材料。
- 前記角閃石系鉱物・岩石の含有量が、機能性材料全量に対して3質量%以上の範囲であることを特徴とする請求項8に記載の機能性材料。
- 粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の機能性材料。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性皮革。
- 前記機能性材料の含有量が、皮革全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする請求項11に記載の機能性皮革。
- 前記機能性材料が、3〜7g/m2の範囲で含有されていることを特徴とする請求項11に記載の機能性皮革。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性木材。
- 前記機能性材料が、3〜7g/m2の範囲で含有されていることを特徴とする請求項14に記載の機能性木材。
- 前記機能性材料の含有量が、木材全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする請求項14に記載の機能性木材。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性紙・パルプ。
- 前記機能性材料の含有量が、紙・パルプ全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする請求項17に記載の機能性紙・パルプ。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性繊維。
- 前記機能性材料の含有量が、繊維全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする請求項19に記載の機能性繊維。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性塗料。
- 前記機能性材料の含有量が、塗料全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする請求項21に記載の機能性塗料。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性樹脂。
- 前記機能性材料の含有量が、樹脂全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする請求項23に記載の機能性樹脂。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性フィルム。
- 前記機能性材料の含有量が、フィルム全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする請求項25に記載の機能性フィルム。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性セラミックス。
- 前記機能性材料の含有量が、セラミックス全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする請求項27に記載の機能性セラミックス。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性壁紙。
- 前記機能性材料の含有量が、壁紙全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする請求項29に記載の機能性壁紙。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性薬剤。
- 前記薬剤が、接着剤、粘着剤、防蟻剤、木材保存剤および防腐剤よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種であることを特徴とする請求項31に記載の機能性薬剤。
- 前記機能性材料の含有量が、薬剤全体に対して3〜5質量%の範囲であることを特徴とする請求項31または32に記載の機能性薬剤。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性置物。
- 前記機能性材料の含有量が、置物全体に対して95〜100質量%の範囲であることを特徴とする請求項34に記載の機能性置物。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性タイル。
- 前記機能性材料の含有量が、タイル全体に対して95〜100質量%の範囲であることを特徴とする請求項36に記載の機能性タイル。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性床材。
- 前記機能性材料の含有量が、床材全体に対して3〜100質量%の範囲であることを特徴とする請求項38に記載の機能性床材。
- 前記機能性材料が、3〜100g/m2の範囲で含有されていることを特徴とする請求項38または39に記載の機能性床材。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性材料を有してなることを特徴とする機能性マスク。
- 前記機能性材料の含有量が、マスク全体に対して3〜7質量%の範囲であることを特徴とする請求項41に記載の機能性マスク。
- 前記機能性材料が、3〜100g/m2の範囲で含有されていることを特徴とする請求項41または42に記載の機能性マスク。
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