JP2018531298A6 - Ncc膜およびこれをベースにした製品 - Google Patents

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NCCベースの材料が、酸素および湿気の侵入を防ぐ優れたバリア材料として提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、概してナノ結晶セルロース(NCC)の使用およびそれから製造される製品を企図している。
キシログルカンは、植物の細胞壁や種子に見られる広く分布したヘミセルロース多糖類である。細胞壁において、キシログルカンは、水素結合を介してセルロースミクロフィブリルと結合し、セルロース−キシログルカンネットワークを形成する。キシログルカンは、タマリンドの樹木の種子から商業的に入手される。タマリンドの種子から抽出されるキシログルカンは、1,6−α−D−キシロピラノシル側鎖で部分的に置換された1,4−β−D−グルカン主鎖を有し、その一部がさらに1,2−α−Dガラクトピラノシル残基で置換されている多糖類である。キシログルカンは、セルロースに対して高い自然親和性を有し、紙の強度増強剤として知られている。
キシログルカンは、約1%の低濃度で製紙のウェットエンドに添加することができ、生産された紙の機械的特性を改善する。商業的なキシログルカンは、種々の供給源から得ることができ、また、純粋な形態で得ることもできる。種子から得られる市販のキシログルカンは、タマリンドカーネルパウダー(TKP)と呼ばれ、廃棄物とみなされている。TKPは、キシログルカンの他、タンパク質、脂質、繊維および灰分も含む。
疎水性溶媒/ポリマー中にナノ結晶を分散させるためには、ナノ結晶セルロース(NCC)の化学修飾が必要である。NCCを修飾してセルロースナノ結晶の疎水性の表面をより多く生成する数多くの異なるアプローチが存在するが、そのようなアプローチには、NCCの硫酸半エステルと第4級アンモニウム塩または脂肪アミンとの間の静電相互作用、酢酸からより疎水性の酸までの有機酸を用いた酸触媒フィッシャーエステル化、気相または溶媒中で有機アミンを使用したNCCのシリル化が含まれる。また、有機酸誘導体も疎水性誘導体として使用することができ、それには、塩基触媒作用により形成される無水物または酸塩化物が含まれる。
背景刊行物
[1]米国特許出願第20140065406号
[2]米国特許出願第20150017432号
[3]米国特許出願第20110283918号
[4]Belbekhouche,Sabrina,et al.“Water sorption behavior and gas barrier properties of cellulose whiskers and microfibrils films.”Carbohydrate Polymers 83.4(2011):1740−1748.
[5]Cerclier,Carole,et al.“Elaboration of spin−coated cellulose−xyloglucan multilayered thin films.”Langmuir 26.22(2010):17248−17255.
[6]Jean,Bruno,et al.“Non−Electrostatic Building of Biomimetic Cellulose−Xyloglucan Multilayers.”Langmuir 25.7(2008):3920−3923.
[7]Cerclier,Carole V.,et al.“Xyloglucan−cellulose nanocrystal multilayered films:effect of film architecture on enzymatic hydrolysis.”Biomacromolecules 14.10(2013):3599−3609.
[8]Gu,Jin,and Jeffrey M. Catchmark.“Roles of xyloglucan and pectin on the mechanical properties of bacterial cellulose composite films.”Cellulose 21.1(2014):275−289.
[9]Saxena,Amit,et al.“High oxygen nanocomposite barrier films based on xylan and nanocrystalline cellulose.”Nano−Micro Letters 2.4(2010):235−241.
[10]Cellulose Chem.Technol.,48(3−4),199−207(2014).
[11]BioResources,7(1),1068−1083(2012).
[12]米国特許第5,608,050号
物理的バリア、膜または材料糸およびシートは、例えば製品の内容物を攻撃して劣化させる外部の物質から保護する包装材料として使用することができる。改良されたバリア特性を有する包装材料の探求は、とりわけ食品の分解性プロセスに打ち勝ち、それらの取引および流通をより効率的で費用対効果の高いものにする必要性によって推進されている。新しい包装材料の登場は、外部の物質(特に酸素のようなガス、水蒸気)、脂肪、化学物質、臭いおよび香りから包装内容物を永続的に保護し、パッケージからガス、水蒸気および香りが逃げるのを防ぐための探求に密接に関連している。
バリアで最も一般的に侵入を阻止される主要な2つの外部物質は、湿気とガスである。良好な湿気バリアは、プラスチックによって比較的容易に達成することができる。ガスに対するバリアは、より複雑な課題である。
酸素バリア能力あるいは蒸気及びガス不透過性は、非常に特有で区別可能な膜の特性である。本明細書で実証されるように、プラスチック膜(例えば、BOPP)をコーティングした本発明に係る薄いNCC層(1−2μm)は、酸素透過率を3桁低下させた。NCCコーティングのバリア能力は、EVOHのものと同等であるが、本発明のNCCコーティングの利点は、適用を簡素化して分解性を低下させる点でEVOHバリアの利点を上回る。
既存の材料を、例えばガス物質による透過を防止するためのバリアとして強化しようとする場合、既存の包装材料の表面コーティングが最も資源効率的な方法となり得る。本発明の製品は、表面コーティングの材料として使用するのに適しており、PVdCのようなその他の既知の材料に対するバイオベースのリサイクル可能な代替物として示唆されている。本発明の材料は、溶液またはその他の液体分散液から、紙、金属箔またはプラスチックのような任意の種類の基材に適用することができる。コーティングが非常に薄くて、完成した全膜厚の5%未満である場合、基材は単一層材料と見なすことができる。
本発明の配合物は、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)およびポリエステル(PET)などのプラスチックフィルムに対する水性コーティングとして適用することができる。本発明の材料を含むコーティングは、膜のバリア性を高め、酸素や、風味および香りのようなその他の作用物質の膜透過性を減少させ、それにより包装内部に収容される食品の保存期間を延ばすことができる。
専用のコーティングプロセスで適用される液体高バリア材料の大部分とは異なり、本発明の配合物は、フレキソ、グラビアまたはリソグラフィ・コーティングプロセスのようなフレキシブル包装業界で一般的に使用されるインラインロールツーロール法によって適用することができる。
本発明に係るNCC配合物は、様々な方法によって基材に塗布することができ、通常は、移動するウェブを回転するアプリケータロールと接触させることにより材料を適用するロールコーティングによって塗布することができる。アプリケータロールは、別のロールまたは浴の何れかの適切な供給源からコーティングを受け取り、それを基材ウェブに移動させる。次のステップでは、コーティングの懸濁水を乾燥室で蒸発させ、そこで粒子を合体させてコーティングをさらに固化させる。
理論に拘泥するつもりはないが、液晶NCCが乾燥時に高度に規則的な分子構造を得る際に、硬質なロッド状粒子が互いに平行に整列することにより凝集し、それにより、水素結合により促進される、高い機械特性およびバリア特性を有する自己強化構造を形成する。
乾燥プロセスの長さは、コーティングされた基材をさらに処理または反復することができる時期を決定する。コーティングの初期性能特性の進展を促進することにより、生産性が向上し、より低いエネルギー消費でより速くコーティングラインを稼働させることが可能になる。
本明細書に開示の技術の発明者等は、
−単一の材料、混合物またはブレンドとしての均質層、
−押出または積層された多層構造体、
−基材の表面上にコーティングされたバリア
という3つの主な方法で一般に使用されるバリア材料を開発した。
本発明のバリア材料は、改良された機械的、物理的および化学的特性をNCC材料に付与する1またはそれ以上のその他の材料と任意に組み合わせた、結晶ナノセルローズ(CNC)としても知られている修飾または未修飾のナノ結晶セルロース(NCC)に基づくシートまたは膜である。膜、コーティングおよび材料シートなどの本発明に係る製品は、物理的バリアまたは機能的バリアとして使用することができ、よって様々な用途での使用が見い出される。
ナノ結晶セルロース(NCC)は、セルロースから生成された繊維であり、このNCCは、典型的には高純度の単結晶である。それらは、隣接する原子の結合力に等しい機械的強度を有する一般的な種類の材料を構成する。結果として得られる高度に規則的な構造は、非常に高い強度をもたらすだけでなく、電気的、光学的、磁気的、強磁性、誘電性、導電性、さらには超電導特性においても著しい変化をもたらす。NCCの引張強度特性は、現在の大容積の補強材の引張強度特性を遥かに上回り、達成可能な最高の複合強度の処理を可能にする。
いくつかの実施形態では、NCCが、少なくとも50%の結晶化度を有することを特徴とする。さらなる実施形態では、NCCが単結晶である。
いくつかの実施形態では、様々な起源のセルロースから粒子(例えば、フィブリル、またはその他の場合には結晶材料)として生成されるNCCが、少なくとも約100nmの長さに選択される。その他の実施形態では、それらが最大で約1,000μmの長さである。その他の実施形態では、NCC粒子は、長さが約100nm−1,000μm、長さが約100nm−900μm、長さが約100nm−600μm、または長さが約100nm−500μmである。
いくつかの実施形態では、NCC粒子は、長さが約100nm−1,000nm、長さが約100nm−900nm、長さが約100nm−800nm、長さが約100nm−600nm、長さが約100nm−500nm、長さが約100nm−400nm、長さが約100nm−300nm、または長さが約100nm−200nmである。
NCC材料の厚さは、約5nmと50nmとの間で変動し得る。
NCCのフィブリルは、10以上のアスペクト比(長さ対直径比)を有するように選択することができる。いくつかの実施形態では、アスペクト比が67−100である。
いくつかの実施形態では、NCCは、長さが約100nm−400nm、厚さが約5nm−30nmとなるように選択される。
NCCは、市販されているものを使用するようにしても、あるいは、引用により本明細書中に援用される国際公開第2012/014213号またはその対応米国特許出願に記載の方法のような既知の方法論に従って調製するようにしてもよい。
本明細書中で使用される本発明のNCC材料または本発明に従って使用されるNCC材料は、NCCエステル、例えばNCCアセテート;架橋NCC;NCCジアルデヒド;少なくとも1種のヘミセルロース、例えばキシログルカンと組み合わされたNCC;少なくとも1種のヘミセルロース、例えばキシログルカンと組み合わせたNCCエステルから選択される。
第1の態様では、本発明に係るNCC材料が提供される。
別の態様では、本発明に係るNCC材料を含む配合物または組成物が提供される。
さらなる態様では、本発明に係る少なくとも1種の材料を含むか、または当該材料からなる膜およびコーティングが提供される。
別の態様では、本発明に係る少なくとも1種の膜およびコーティングを含む製品が提供される。
また、本発明に係る少なくとも1種の膜を含む多層積層構造体も提供される。
いくつかの実施形態では、本発明のNCC材料がNCCエステルである。このため、本発明は、NCCエステル、それを含む配合物、その調製方法およびそれから作られる製品を提供する。
セルロースアセテートを製造する工業的方法は、触媒としての硫酸とともに、酢酸と無水酢酸との混合物を使用する。反応は、不均一法で、または有機溶媒を用いて化学修飾を増加させることによって行うことができる。修飾されたセルロースを有機溶媒に溶解させるためには、修飾量および置換度を高くする必要がある。通常、アセトンに可溶なセルロースエステルを得るためには、置換度(DS)、すなわち各単糖ユニット上のアセチル基の平均数が2を超える必要がある(表1)。セルロースを疎水性有機溶媒に溶解させるためには、DSは大凡2と3の間である必要がある。
Figure 2018531298
このようなDS値の場合、必要とされる無水酢酸の量はセルロースの重量の少なくとも3倍であり、必要な硫酸の量はセルロースの乾燥重量を基準にして6%−20%とすべきである。これは、以下の表2に要約されており、各書誌源への参照を提供している。
Figure 2018531298
化学修飾中の反応媒体内のNCCの分散は、均質に修飾されたナノ結晶を得るために重要であり、ナノ結晶は有機溶媒中に分散させることができる。水、DMSO、さらにはイオン液体も、NCCを分散することが知られている。しかしながら、水はフィッシャーエステル化法のために選択される溶媒ではなく、DMSOは無水物または塩化アセチルとともに使用される溶媒ではなく、そのような溶媒の使用は反応剤の破壊および酸化反応につながる。イオン性液体は高価であり、その沸点が高いためにリサイクルが問題となる。
このため、NCCのエステル化のための改良されたシステムを提供しようとする場合、セルロースエステルを形成するために利用される方法は、純粋なまたは実質的に純粋な形態の、改善された特性を有するNCCエステルを得るように、簡単に変更することはできない。本技術の発明者等は、フィッシャーエステル化法を用いる場合、高温の酢酸はNCCを分散させることができるが、均質性に乏しい着色NCCが得られるため、反応が有効ではないことを見出した。このため、先に要約したように、既存のプロセスに関連する欠陥を解決するには、異なるアプローチが必要であった。
本明細書に開示された発明の発明者等は、疎水性NCC(NCCエステル)の工業生産のために容易にスケールアップすることができるだけでなく、そのような疎水性NCCを、元のNCCと同等またはそれに匹敵する、高収率、純度および構造で提供するような異なるアプローチを開発した。本発明の方法は、概して、少量の無水酢酸の使用を企図しており、それは、セルロースアセテートの合成に利用可能な公知の方法において使用される無水酢酸の量と比較して遥かに少ない(表2)。本発明によれば、触媒としての硫酸などの酸の存在下で、無水酢酸または任意のその他の適切な酸無水物をセルロースナノ結晶のヒドロキシル基と直接反応させる。反応を完了するために必要な温度および時間は大幅に低減される。この方法の重要な要素は、無水酢酸および硫酸の量を可能な限り低く保つことである。より多くの量の不純物が導入されると、結晶構造の特性に望ましくない変化がもたらされる。
このため、本発明は、NCCエステル、例えばアセテートを製造する方法を提供し、この方法は、NCCエステルの形成を可能にする条件において、(時に触媒量の)少なくとも1種の酸の存在下で、NCCをエステル源(例えば、酢酸および/または無水酢酸)で処理するステップを備える。
いくつかの実施形態では、ある実施形態において触媒量で利用される少なくとも1種の酸が、鉱酸および有機酸のなかから選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の酸が、HCl、HPO、HSO、過塩素酸などの鉱酸である。その他の実施形態では、少なくとも1種の酸が、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸などの有機酸である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の酸が鉱酸である。いくつかの実施形態では、鉱酸がHCl、HPOまたはHSOである。いくつかの実施形態では、鉱酸がHSOである。
本発明の方法において使用される少なくとも1種の酸の量は、とりわけ、使用される具体的な条件、選択された酸または酸の組合せ、エステル、例えば、酢酸源およびその他のパラメータに応じて変化し得る。いくつかの実施形態では、使用される酸の量が、反応におけるセルロースの量と比較して0.01%−10%(wt)である。いくつかの実施形態では、酸の量が、0.01%−9%、0.01%−8%、0.01%−7%、0.01%−6%、0.01%−5%、0.01%−4%、0.01%−3%、0.01%−2%、0.01%−1%、0.1%−10%、0.1%−9%、0.1%−8%、0.1%−7%、0.1%−6%、0.1%−5%、0.1%−4%、0.1%−3%、0.1%−2%、または0.1%−1%である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の酸の量が、NCCの量と比較して、0.1%−5%である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の酸が硫酸であり、その量が、上述した量か、またはNCCの量と比較して、0.1%−5%である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の酸が硫酸であり、その量が、上述した量か、またはNCCの量と比較して0.1%−1%の間である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の酸が硫酸であり、その量が、上述した量か、またはNCCの量と比較して0.5%−1%である。
いくつかの実施形態では、エステル源が、NCCのヒドロキシル基との反応の際にエステルを生じるような物質のなかから選択される。このため、エステル源は、少なくとも1種の酸無水物、少なくとも1種のカルボン酸、少なくとも1種のカルボン酸塩および少なくとも1種のハロゲン化アシルのなかから選択される物質である。
いくつかの実施形態では、エステル源が、少なくとも1種の酸無水物および/または少なくとも1種のカルボン酸である。いくつかの実施形態では、エステル源が、少なくとも1種の酸無水物または少なくとも1種のカルボン酸である。いくつかの実施形態では、エステル源が、少なくとも1種の酸無水物と少なくとも1種のカルボン酸との組み合わせである。
このため、本発明は、NCCエステルを製造する方法を提供し、当該方法が、NCCエステルの生成を可能にする条件において、少なくとも1種の酸の存在下で、NCCを少なくとも1種の酸無水物で処理するステップを含み、少なくとも1種の酸がNCCの量に対して0.01%−10%(wt)である。
また、本発明は、NCCエステルを製造する方法を提供し、当該方法が、NCCエステルの生成を可能にする条件において、少なくとも1種の酸の存在下で、NCCを少なくとも1種のカルボン酸で処理するステップを含み、少なくとも1種の酸がNCCの量に対して0.01%−10%(wt)である。
さらに、本発明は、NCCエステルを製造する方法を提供し、当該方法が、NCCエステルの生成を可能にする条件において、少なくとも1種の酸の存在下で、NCCを少なくとも1種の酸無水物および少なくとも1種のカルボン酸で処理するステップを含み、少なくとも1種の酸がNCCの量に対して0.01%−10%(wt)である。
NCCエステルの生成を可能にする条件は、とりわけ、変換されるNCCの量、望ましい変換度およびその他のパラメータに基づいて変化し得る。いくつかの実施形態では、上記方法が周囲圧力で実施される。その他の実施形態では、反応混合物の温度が、対応するアセテートへのNCCの変換を完了させるのに十分な時間維持される。いくつかの実施形態では、上記温度が50−110℃である。いくつかの実施形態では、上記温度が110℃未満である。その他の実施形態では、上記温度が、50−110℃、50−100℃、50−90℃、50−80℃、50−70℃、60−110℃、60−100℃、60−90℃、60−80℃、60−70℃、70−110℃、70−100℃、70−90℃、70−80℃、80−110℃、80−100℃、または80−90℃である。
反応は、完了するのに十分な時間行われる。いくつかの実施形態では、反応が数分間から数時間の間行われる。
このため、本発明は、NCCエステルを製造する方法を提供し、当該方法が、40−110℃の温度で、少なくとも1種の酸の存在下でNCCを少なくとも1種のエステル源、例えば無水物で処理するステップを含み、少なくとも1種の酸がNCCの量に対して0.01%−10%(wt)である。
いくつかの実施形態では、NCCエステルを製造する方法が、40−110℃の温度で、少なくとも1種の酸の存在下で、NCCを少なくとも2種のエステル源で処理することを含み、少なくとも1種の酸がNCCの量に対して0.01%−10%(wt)である。
いくつかの実施形態では、少なくとも2種のエステル源が、2またはそれ以上の異なる酸無水物および2またはそれ以上の異なるカルボン酸、またはそれらの混合物のなかから選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも2種のエステル源が、少なくとも1種の無水物および少なくとも1種のカルボン酸を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の無水物が無水酢酸である。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のカルボン酸が酢酸である。いくつかの実施形態では、少なくとも2種のエステル源が、無水酢酸および酢酸を含む。
いくつかの実施形態では、NCCエステルを製造する方法が、40−110℃の温度で、少なくとも1種の酸の存在下で、NCCを酢酸および無水酢酸で処理するステップを含む。
いくつかの実施形態では、NCCエステルを製造する方法が、NCCを酢酸および無水酢酸で処理するステップを含み、NCCに対する酢酸の比が(1NCCに対して)5〜20であり、NCCに対する無水酢酸の比が(1NCCに対して)0.5〜2である。
いくつかの実施形態では、エステル源が、少なくとも1種の酸無水物であるか、またはそれを含む。酸無水物の例には、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ブタン酸、無水ペンタン酸、無水ヘキサン酸、無水ヘプタン酸、無水オクタン酸、高級無水物同族体および置換酸無水物が含まれる。いくつかの実施形態では、酸無水物が無水酢酸である。その他の実施形態では、少なくとも1種の酸無水物が酢酸とは異なる。
その他の無水物を使用して、官能基をNCC表面に付加することができる。例えば、重合性無水物を利用することができる。いくつかの実施形態では、重合性無水物が、アクリレート基などの少なくとも1種の重合可能な基を含み、基が、1またはそれ以上の炭素−炭素二重結合または三重結合などを含む。例えば、メタクリル酸NCC表面を提供するためにメタクリル酸無水物を利用することができ、無水コハク酸および無水マレイン酸は同様にNCC表面上へのカルボキシル基の付加をもたらす。
また、本発明は、NCCアセテートなどのNCCエステルおよびそれを含む配合物も提供する。
NCCエステルは、NCCの1またはそれ以上のヒドロキシル基上に形成されたエステル基によって特徴付けられる。エステル化の程度は、所望の特性を満たすように調整することができる。いくつかの実施形態では、100%のNCCヒドロキシル基がエステル化される。その他の実施形態では、ヒドロキシル基の少なくとも10%がエステル化される。その他の実施形態では、ヒドロキシル基の少なくとも10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90または95%がエステル化される。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル基の90,91,92,93,94,95,96,97,98または99%がエステル化される。
本発明のエステル化NCCは、3Dおよび実質的に(非常に薄い)2D材料、例えば薄膜を含む様々な形態に形成することができる。本発明の材料および膜は、当該技術分野のものと明確に区別可能である。NCCエステル膜は、溶媒(水、エタノール、アセトン、酢酸エチル、塩化メチレン、トルエン、ヘキサンなど)に再分散することはできず、透明で柔軟性がある。本発明のNCCエステルから製造された膜は、そのような溶媒と接触したときに破壊されず、あるいは損傷を受けることはないため、最高の保護層およびコーティング材料として使用することができる。
エタノールのような有機溶媒中の本発明のNCCエステルの配合物は、例えば摩擦を低減させる目的で様々な表面にコーティングすることができるように形成された。配合物は、典型的には、0.1−5%(重量%)のNCCエステルを含有した。いくつかの実施形態では、溶液中のNCCエステルの量が0.1−0.5%であった。いくつかの実施形態では、NCCエステルの量が、0.2−0.5%、0.3−0.5%、0.4−0.5%、0.1−1%、0.2−1%、0.3−1%、0.4−1%、0.5−1%、0.6−1%、0.7−1%、0.8−1%または0.9−1%の間であった。いくつかの実施形態では、そのような溶液がエタノール溶液であり、NCCエステルがNCCアセテートである。
このため、本発明のNCCアセテートは、以下の1またはそれ以上を有するものとして特徴づけることができる。
1.薄膜化することができる。
2.(乾燥して膜を形成した後は)水性または有機溶媒に不溶性である。
3.膜に成形したときに完全に透明な製品を提供する。
4.薄膜として柔軟性がある。
5.この材料で作られた膜が、ガスバリア性、例えば酸素ガスバリア性を示す。
6.様々な材料(例えば、プラスチック)上のコーティングとして使用することができる。
7.発泡体の内部で使用することができる。
8.特定の有機溶媒(メタノール、アセトン、MEK、DCM)に分散させることができる。
9.モノマー溶液(例えば、アクリルモノマー)に分散させることができる。
10.ある種のポリマー(例えば、PMMA)に分散させることができる。
さらに企図されるのは、本発明の方法に従って製造されたNCCアセテートである。
NCCアセテートは、湿気の多い環境でのより良い性能のために、発泡体およびエーロゲルの製造において、あるいはマトリックスが親水性でない複合材料の補強成分として、さらに利用することができる。
NCCアセテートは、本明細書でさらに詳述するように、本発明のその他のNCCエステルとして、多層積層構造体に形成することができる。
特定の用途では、効果的なバリア特性を達成する膜およびバリア構造を提供するために、NCC配合物は、高濃度のNCC、例えばいくつかの実施形態では、8%を超える(少なくとも8%の)濃度を有する必要がある。通常、NCC分散液は、水中に最大5%、または通常3%までの低い固形分を含有するため、固形分を増加させる能力は、添加剤の添加に依存する。本発明者等は、NCCとキシログルカンのようなヘミセルロースとを組み合わせることによって、そのような溶液中の固体の量を増加させるのに成功した。そのような配合物が形成されたときに、固形分は2倍または3倍となって10%またはそれ以上となった。
可溶性デンプン、低分子量PVOH、および水溶性セルロース誘導体のようなその他の低分子多糖類のなかから選択されるその他の相溶性物質とNCCを組み合わせることにより、固形分を10%またはそれ以上に増加させることも同様に達成することができる。コーティング濃度を10%以上に増加させることで、例えば塗布後の乾燥期間の短縮により、それから作られるバリア材料の処理時間が短縮された。
いくつかの実施形態では、本発明のNCC材料が、少なくとも1種のヘミセルロース、例えばキシログルカンと組み合わせたNCCまたはNCCエステルである。
いくつかの実施形態では、配合物が、本明細書に開示されるような修飾NCCまたは未修飾NCCと、少なくとも1種のヘミセルロース、例えばキシログルカンを含む。
NCCと、少なくとも1種のヘミセルロース、例えばキシログルカンを含む配合物は、少なくとも1種の添加剤、例えば、セルロースまたはセルロースパルプ、またはセルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテート)、ナノセルロース材料(例えば、NFC)、ポリマー(例えば、PEG、PVA)、保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸)、洗剤(例えば、CTAB、SDS)、可塑剤(例えば、グリセロール、ポリカルボキシレートエーテル)などと組み合わせることができる。
このため、本発明は、NCCと、ヘミセルロース、可溶性デンプン、多糖類およびセルロース誘導体のなかから選択される少なくとも1種の物質とを含む配合物をさらに提供する。
いくつかの実施形態では、配合物が、NCCと、少なくとも1種の物質とを含み、少なくとも1種の物質が、NCC重量の20倍までの量のヘミセルロース、NCC重量の20倍までの量の可溶性デンプン、NCC重量の40倍までの量の多糖類、およびNCC重量の20倍までの量のセルロース誘導体のなかから選択される。
いくつかの実施形態では、配合物が水性であるか、水を含むか、水を主成分とする。
いくつかの実施形態では、配合物が、修飾NCC(例えば、NCCエステル)または未修飾NCCと、少なくとも1種のヘミセルロースとを含む。
いくつかの実施形態では、配合物が、修飾NCCまたは未修飾NCCと、少なくとも1種のヘミセルロースとを含み、NCCおよび少なくとも1種のヘミセルロースの合計量が少なくとも10重量%である。いくつかの実施形態では、NCCと少なくとも1種のヘミセルロースの比が、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2および1:1である。
いくつかの実施形態では、配合物が、修飾NCCまたは未修飾NCCと、少なくとも1種のヘミセルロースとを含み、NCCの量が2−9%であり、少なくとも1種のヘミセルロースの量が1−8重量%である。
いくつかの実施形態では、ヘミセルロースが、グルクロンオキシラン、アラビノキシラン、グルコマンナン、ガラクトグルカンマンおよびキシログルカンのなかから選択される。いくつかの実施形態では、ヘミセルロースがキシログルカンである。
いくつかの実施形態では、ヘミセルロースがキシランではない。
いくつかの実施形態では、キシログルカンが、タマリンドカーネルパウダー(TKP)であるか、またはタマリンドカーネルパウダー(TKP)に由来する。いくつかの実施形態では、TKPが、本明細書中に開示されるように得られる。一般に、タマリンドカーネルパウダー中のキシログルカンレベルは、約20%−50%である。タマリンドカーネルパウダーは、そのまま使用することができ、あるいは、存在する可能性のあるタンパク質および脂質を除去するために、使用前に予備精製して使用することができる。
いくつかの実施形態では、20%−50%のキシログルカンを含有するTKPをそのまま使用した。このTKPで作られた溶液は完全に透明ではなく、4%の水溶液の粘度は4,000−7,000cPであった。この等級のTKPは、例えば、要求されるキシログルカンレベルが20%−100%である発泡体用途に用いられた。
いくつかの実施形態では、45%−70%のキシログルカンを含有するセミクリーンTKPを使用した。このTKPで作られた溶液は完全に透明であり、4%の水溶液の粘度は2,000−4,000cPであった。この等級のTKPは、例えば、発泡体用途に、さらには必要なキシログルカンレベルが45%−100%である膜およびコーティングを形成するためにも使用された。
その他の実施形態では、70%を超えるキシログルカンを含有するクリーンTKPを使用した。このTKPで作られた溶液は完全に透明であり、4%の水溶液の粘度は2,000cP未満であった。この等級のTKPは、例えば、発泡体用途に、さらには必要なキシログルカンレベルが70%−100%である微細膜およびコーティングにも用いられた。
このため、いくつかの実施形態では、TKPが、そのキシログルカン含有量に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、TKPが、20−50%のキシログルカン、20−100%のキシログルカン、45−70%のキシログルカン、45−100%のキシログルカン、70−100%のキシログルカン、20%を超えるキシログルカン、40%を超えるキシログルカン、50%を超えるキシログルカン、60%を超えるキシログルカン、70%を超えるキシログルカン、80%を超えるキシログルカンまたは90%を超えるキシログルカンを含むように選択される。
本発明はさらに、規定の基材上の膜またはコーティングの形成または構築に使用するための配合物を提供し、当該配合物がNCCおよびキシログルカンを含む。
ヘミセルロースは、代替的または追加的に、セルロース繊維と組み合わせて使用することができる。木材パルプの形態のようなセルロース繊維は、水素結合を形成する傾向が強く、それが凝集を引き起こす(Klemm,D.,Schmauder,H.−P.,Heinze,T.2005.Cellulose.Biopolymers Online.Chapter 6)。その結果、製紙に使用される繊維分散液は低濃度に限定される。紙のような均質な製品を生成するために、繊維/水懸濁液が約1%(w/v)濃度までさらに希釈される。
例えば、TKP由来のキシログルカンのようなヘミセルロースは、特に、パルプと比較して高いヘミセルロースレベルが使用された場合に、パルプとともに、発泡に適したよく分散した混合物を形成することが分かった。セルロースの乾燥重量と比較して10−30%のヘミセルロースレベルは、発泡に適した高粘度を有する均一なパルプ混合物を達成した。このため、ヘミセルロースの使用は、安定したパルプ製品の生成を可能にし、凝集の減少を証明している。実際に、例えば数パーセントの低濃度のヘミセルロースにおいては、セルロースが均一に分散せず、凝集したセルロースの塊が現れた。
安定した凝集物を含まないセルロース分散液を形成する能力は、ヘミセルロースがセルロース繊維のマトリックスとして働いて、水中で3%(w/v)以上のセルロースの均一な分散液を作るという事実から生じると考えられる。これらの懸濁液は、発泡のためにさらに操作または使用することができる。
このため、本発明はさらに、セルロース繊維および少なくとも1種のヘミセルロースの水性分散液であって、セルロースの乾燥重量と比較して少なくとも3%(w/v)のセルロースおよび10−30%の少なくとも1種のヘミセルロースを含む水性分散液を提供する。
別の態様では、セルロース繊維および少なくとも1種のヘミセルロースを含む発泡体材料が提供される。
別の態様では、本発明は、セルロース繊維および少なくとも1種のヘミセルロースを含有する発泡体材料を含むか、またはその発泡体材料から構成される、乾燥または半乾燥生成物を提供する。
本発明はさらに、セルロース系発泡体材料を形成する方法における少なくとも1種のヘミセルロースの使用を提供する。
セルロース繊維は、公知の任意の種類のものとすることができる。非限定的な例には、広葉樹および針葉樹などの木材パルプ、機械パルプ、サーモメカニカルパルプまたは溶解パルプが含まれる。更なる非限定的な例は、製紙廃棄物からのセルロース繊維であり、CaCO、インク残渣またはその他の不純物のような不純物を含み得る。使用することができるセルロース繊維のその他の非限定的な例としては、亜麻、ジュート、麻および綿が挙げられる。
ヘミセルロース、例えばキシログルカンと、セルロースまたは一般的にパルプを含む分散液は、発泡体材料を形成するために、さらに操作または使用することができる。発泡プロセスは、一般に、混合しながらの、ヘミセルロース、例えばキシログルカン溶液中のセルロース繊維の分散を含む。パルプ−キシログルカン混合物には、例えば、NCC(またはCNC)またはナノフィブリル化セルロース(CNF)のような種々の添加物を添加することができる。これらのナノセルロースは、それらの充填レベルに応じて最終発泡体の強度特性をさらに高めるために使用することができる。
このため、代替的には、NCCと、本明細書に記載の少なくとも1種のヘミセルロース、例えばキシログルカンとを含む配合物は、セルロースまたはパルプと組み合わせて発泡体材料を形成することができる。いくつかの実施形態では、ヘミセルロースがキシランではない。
水溶性難燃剤、例えば無機リン酸塩、ホウ酸、ホウ砂、アミン塩、有機アミンおよび金属水酸化物を使用することもできる。発泡体の機械的特性を高めるために、発泡プロセスにセルロース架橋剤を添加することもできる。
発泡は、混合物中に気泡を閉じ込めるために、少なくとも1種の界面活性剤の存在下で、混合の助けを借りて達成することができる。界面活性剤は、陰イオン性(SDS)、陽イオン性(CTAB)または中性のPEGに基づく界面活性剤(TWEEN)とすることができる。洗濯、食器洗浄および衛生用の市販の洗剤も使用することができる。発泡体の体積は、界面活性剤/洗剤の量および/または混合速度によって調整することができる。発泡体の体積は、発泡体中の固体量が分かっている場合には、発泡体の最終密度も決めることとなる。
その後、発泡体を特定の寸法の容器に加えることができる。その後、ヘミセルロース、例えばキシログルカンを沈殿させて、大部分の水を除去するために、発泡体を、水と混和するエタノールまたはその他の有機溶媒中で冷凍および解凍することができる。その後、エタノール浸漬発泡体を100℃以上の高温でオーブン乾燥して、低密度の発泡体を得ることができる。
代替的には、発泡後に、120℃以上の温度で直接オーブン乾燥することによって水を除去することもできる。異なる方法では、乾燥は、水と混和する有機溶媒中に直接発泡体を置いてキシログルカンを沈殿させ、発泡体から水を抽出し、それを有機溶媒と交換することを含む。その後、加熱により有機溶媒を除去することができる。
別の態様では、本発明は、NCCジアルデヒド、少なくとも1種のヘミセルロースおよび少なくとも1種の架橋剤の架橋により形成された架橋NCC材料を提供する。
いくつかの実施形態では、NCCジアルデヒドが予め調製される。いくつかの実施形態では、NCCジアルデヒドがインサイチュで調製され、よって、少なくとも1種のヘミセルロースおよび少なくとも1種の架橋剤の存在下で、NCCおよび少なくとも1種の酸化剤を反応させることによって架橋NCCを形成することができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種のヘミセルロースが、本明細書で定義されるTKPである。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のヘミセルロースがキシログルカンである。いくつかの実施形態では、少なくとも1種のヘミセルロースが純粋なキシログルカンである。
いくつかの実施形態では、セルロース、セルロースパルプ、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテート)、少なくとも1種の追加のナノセルロース材料(例えば、NFC)、少なくとも1種の発泡体材料(例えば、洗浄材料)、少なくとも1種の界面活性剤、少なくとも1種のポリマー(例えば、PEG、PVA)、少なくとも1種の保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸)、少なくとも1種の洗剤(例えば、CTAB、SDS)、少なくとも1種の可塑剤(例えば、グリセロール、ポリカルボキシレートエーテル)、少なくとも1種の液体キャリアおよび少なくとも1種の充填剤などから選択される少なくとも1種の添加剤の存在下で、架橋がさらに行われる。
少なくとも1種の架橋剤は、NCCのアルデヒド基に化学的に結合することができる2またはそれ以上の反応性末端を含む材料から選択される。いくつかの実施形態では、架橋が、ポリアミン(3またはそれ以上のアミン基)、または有機アミン、立体障害アミンおよびアミン塩のなかから選択されるジアミン分子によって達成される。いくつかの実施形態では、ジアミンがヒドラジドである。
そのような架橋材料の非限定的な例には、カルバジン酸アミド、N−エチルカルバジン酸アミド、N−エチル−N−プロピルカルバジン酸アミド、N−カプリル−N−ラウリルカルバジン酸アミド、カルバジン酸t−ブチル、カルバジン酸エチル、カルバジン酸メチル、カルバジン酸フェニル、カルバジン酸ミリスチル、安息香酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、オキサミン酸ヒドラジド、フェニル酢酸ヒドラジド、パルミチン酸ヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジドおよびアジピン酸ジヒドラジドなどが含まれる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の架橋剤がアジピン酸ジヒドラジドである。
少なくとも1種の酸化剤は、NCCを対応するアルデヒドまたはジアルデヒドに酸化することができるように選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の酸化剤が、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸、o−ヨードキシ安息香酸、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム、過酸化尿素、TEMPO誘導試薬および組成物、クロロクロム酸ピリジニウムおよび過マンガン酸塩材料などから選択される。
いくつかの実施形態では、酸化剤が過ヨウ素酸ナトリウムまたは過ヨウ素酸である。
いくつかの実施形態では、架橋プロセスが、NCCの複数のヒドロキシル基を対応するアルデヒドへの酸化を可能にする条件において、少なくとも1種の酸化剤の存在下で、少なくとも1種のヘミセルロース、例えばキシログルカンとNCCとを混合するステップと、その後に少なくとも1種の架橋剤を添加するステップとを含む。
いくつかの実施形態では、架橋プロセスが、代替的に、予め調製されたNCCアルデヒドまたはジアルデヒド(Yang,Xuan,and Emily D.Cranston.“Chemically cross−linked cellulose nanocrystal aerogels with shape recovery and superabsorbent properties.”Chemistry of Materials 26.20(2014):6016−6025)を少なくとも1種のヘミセルロースおよび少なくとも1種の架橋剤と混合し、それによってヘミセルロースとのNCCアルデヒドの架橋を引き起こすステップを含む。
いくつかの実施形態では、特定の用途において、架橋プロセスが、NCC酸化の完了前(対応するアルデヒドへの酸化がインサイチュで達成される場合)または架橋プロセスの完了前に導入された規定の少なくとも1種の添加剤の存在下で行われる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の添加剤が、セルロースパルプまたはセルロース誘導体である。セルロースパルプまたはセルロース誘導体が少なくとも1種の酸化剤の存在下で反応混合物に添加される場合、セルロースパルプまたはセルロース誘導体の酸化も起こり、それによってセルロース材料とNCCとの架橋も達成される。
架橋されたNCCは、本明細書に開示される製品、例えば発泡体の調製のために使用される。
さらに、本発明は、本発明のNCC材料を含む膜および固体生成物を提供し、前記膜または生成物が、材料の浸透を制御(最小化または低減)するために、あるいは、表面疎水性を調節し、表面摩擦を調節し、材料の1またはそれ以上のその他の機械的または物理的または化学的特性を変更するために、基材の表面領域に任意選択的に形成される。
いくつかの実施形態では、本発明のNCC材料を、連続シートまたは材料膜の形状のバリア材料内に形成することができる。当該技術分野で知られているように、バリアは、規定の温度および圧力で24時間の間に材料が通過させる湿気またはガスの量の一般的な尺度によって定義される。標準的な尺度は、相対湿度0%で測定した、大気圧、24時間あたり、1mあたり、厚さ1μm、20℃における、立方センチメートルで表される酸素透過率(OTR)である。本発明に係るNCC配合物の適用によって形成された本発明に係るバリアは、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)のOTRを1,500から1(cc/m・day・atm)に低下させることが示されている。
バリアシートとして使用される自立膜の形成は、NCC材料に対する低い接着性を有する基材(例えば、ガラス)上でのNCC材料の乾燥を含む。乾燥後、形成された膜を基材から分離(剥離)することができる。そのような膜/シートの厚さは、10μmよりも大きくすることができる。より薄いシートを得ることもできる。NCC材料のコーティングの形成には、NCCへの良好な接着を伴う基材上へのNCCの拡散と、その後の乾燥が含まれる。形成されたコーティングは、基材から分離することができず、自立膜にすることはできない。その厚さは少なくとも20nmとすることができる。
いくつかの例では、バリアコーティングのために使用される基材は、非極性材料で構成されているか、または非極性材料を含む。そのような場合には、基材が水性材料に適合しない場合があるため、NCCベースの膜を形成する前に、表面をコロナ、プラズマ等で処理することにより基材表面を表面処理することができる。表面を適切な表面エネルギー(典型的には少なくとも42ダイン)に調整した後、NCCベースの配合物を塗布して所望のNCCベースのコーティングまたは膜を得ることができる。
さらに、本発明は、3またはそれ以上の材料層を含む多層構造体を提供し、前記3またはそれ以上の材料層のうちの少なくとも一つが、本発明に係るNCCを含むか、本発明に係るNCCにより構成される。
すなわち、本発明は、基材または最上層または最下層と、少なくとも1種の材料の1またはそれ以上のコーティング、層または膜とを有する多層または積層構造体に関し、コーティング、層または膜の少なくとも一つが、本発明の少なくとも1種のNCCを含むか、本発明の少なくとも1種のNCCにより構成される。
NCC材料の少なくとも1の層、コーティングまたは膜は、基材と直接接触するものであっても、基材上に配置された何れか1つの層、コーティングまたは膜と接触するものであってもよい。
多層構造体の何れかの層の厚さは、5−1,000nm、5−100nm、5−50nm、5−30nm、5−20nm、50−900nm、100−700nm、または200−500nmである。
多層構造体の1またはそれ以上の膜または層の数(例えば、2,3,4,5,6,7,8,9,10またはそれ以上)および構成は、変更することができ、また、多層構造体が要求される特性を満たすように材料が選択されるのであれば、何れか一つの材料組成、機械的性質、物理的性質、化学的性質または任意のその他の特性に何らかの形で限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、多層構造体が、少なくとも1種のNCC層から構成され、その層の厚さが約5−20nmである。
いくつかの実施形態では、多層が、基材と、NCC材料の1つの層と、異なる材料の少なくとも1つの最上層とを含む。いくつかの実施形態では、異なる材料の少なくとも1つの最上層が、NCC材料層の上面に配置され、それによって積層またはサンドイッチ多層を形成する。
本明細書に開示された主題をよりよく理解し、実際にどのように実施することができるのかを例示するために、実施形態を添付の図面を参照して非限定的な例として以下に説明する。
図1は、濃度0.0001%のエタノール中のNCCアセテートのAFM画像である。NCC結晶が観察されており、これはNCC結晶が破壊されなかったことを示唆している。 図2は、NACアセテート膜のXRDである。結果は表3に要約されている。 図3A−図3Cは、溶媒投入後の膜表面のSEM画像であり、図3Aは親水性NCC、図3Bはエタノールからの疎水性NCC、図3Cは塩化メチレンからの疎水性NCCをそれぞれ示している。 図4A−図4Cは、溶媒投入された膜の断面のSEM画像であり、図4Aは親水性NCC、図4Bはエタノールからの疎水性NCC、図4Cは塩化メチレンからの疎水性NCCをそれぞれ示している。 図5A−図5Cは、溶媒投入された膜の断面のSEM画像であり、図5Aは親水性NCC、図5Bはエタノールからの疎水性NCC、図5Cは塩化メチレンからの疎水性NCCをそれぞれ示している。 図6は、NCCと比較したNCCアセテートのFTIR分析を提供している。1734cm−1のピークはエステル結合のカルボニル基を表している。3336cm−1のピークはヒドロキシル基を表し、アセチル化反応後に減少している。 図7は、OTR測定値を示している。
実施例1:NCCアセテートの調製
3gの乾燥NCCを30mLの酢酸と80℃で混合した。白色の液体懸濁液が得られたら、3mLの無水酢酸を添加した。1滴の濃硫酸を添加した(約30mg)。これはNCCの乾燥重量と比較して1%の硫酸に相当する。完全に透明な粘性懸濁液が得られるまで(約1時間)、混合物を80℃で撹拌した。反応液を冷却し、エタノール3mLを加えて残留無水酢酸を急冷した。
実施例2:NCCアセテートの調製
5gの乾燥NCCを100mlの酢酸と80℃で混合した。均質な白色の懸濁液が得られたら、5mLの無水酢酸を添加した。約50mgの硫酸を添加した。これはNCCの乾燥重量と比較して1%の硫酸に相当する。完全に透明な粘性懸濁液が得られるまで(約1時間)、混合物を80℃で撹拌した。反応液を冷却し、エタノール3mLを加えて残留無水酢酸を急冷した。反応中により多くの酢酸(より低いNCC濃度)を使用することにより、より良好な攪拌およびより良好な懸濁液の均質性を実現することができ、より均一な生成物とのより制御された反応をもたらすことができる。
実施例3:NCCメタクリレートの調製
5gの乾燥NCCを100mLの酢酸と80℃で混合した。均質で白色の液体懸濁液が得られたら、50mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を添加した(NCC乾燥重量と比較して1%)。5mLの無水メタクリル酸を添加した。約50mgの硫酸を添加した。これはNCCの乾燥重量と比較して1%の硫酸に相当する。混合物を、より透明で僅かに黄色の粘性懸濁液が得られるまで(約1時間)、80℃で撹拌した。反応液を冷却し、エタノール3mLを加えて残留無水酢酸を急冷した。
実施例4:ジアルデヒド−NCC発泡体の調整
水中のNCC5gを過ヨウ素酸ナトリウム5gと混合し、40℃で3時間撹拌し、続いて2mlのエチレングリコールを添加した。懸濁液を水に対して1日間透析した。水中の生成物(DA−NCC)1gをアジピン酸ジヒドラジド0.01gと混合して粒子の架橋を開始させた。懸濁液を室温で10分間保持し、続いて凍結させ、エタノールへの溶媒交換および乾燥を行った。これにより架橋NCC発泡体が得られた。
実施例5:単離および精製、様々な手順
オプション1:反応混合物中の酢酸を、加熱中に減圧下での蒸発によって部分的に除去した。完全な乾燥の結果、非分散サンプルが得られた。部分乾燥によりゲルが得られ、これを、超音波処理によりエタノールまたはアセトンの何れかにさらに分散させた。
オプション2:酢酸を、例えばトルエンなどの共溶媒の添加により除去し、残りの酢酸を共蒸発により除去した。
オプション3:反応混合物中のNCCを水中に沈殿させ、ペレットを遠心分離によって回収した。ペレットにエタノールまたはアセトンを添加し、続いて超音波処理により分散NCCを得た。
オプション4:反応混合物中のNCCを氷冷酢酸エチルまたはより疎水性の溶媒中で沈殿させた。沈殿物を濾過またはデカンテーションにより回収した。アセトンまたはエタノールを濾液に添加し、超音波処理後、濃度1−3%の透明な懸濁液を得た。上清中の酢酸エチルを酢酸から回収し、酢酸を再利用することができた。
オプション5:反応混合物中のNCCを低温のエタノール中で沈殿させ、ペレットを遠心分離により回収した。さらに洗浄した後、残留酢酸を除去するために、アセトンを添加した後、超音波処理により分散NCCを得た。
実施例6:NCC−アセテート膜
エタノールまたはアセトン中のNCCを分散させ、ペトリ皿および溶媒キャスティングに移した。膜は偏光下で複屈折を示し、それらは疎水性であり、水または有機溶媒のいずれにも分散しなかった。図1−図6および表3および表4を参照されたい。
図示のように、NCCアセテートは、未修飾NCC(図3−図5)と同様に膜に自己組織化した。SEMを用いて観察されるように、形成された膜のナノ構造は、未修飾NCC形成膜と同様であった。XRD(図2)を使用することにより、親水性NCCと比較してNCCアセテート中の結晶化度がいくらか低下したが、粒子の結晶構造はそのまま残っていることが示された。
また、膜のFTIR分析(図6)は、化学修飾の明確な証拠を示しており、すなわち、エステル結合のカルボニル基に起因する1723cm−1にピークの出現を伴う一方で、3336cm−1のピークが僅かに減少し、ヒドロキシル基の一部がアセチル基に修飾されているが、結晶中のヒドロキシル基の大部分が残っていることを示している。表4に示すように、NCCアセテートの接触角は、未修飾NCCの膜についての〜30°から、NCCアセテートの膜についての〜60°へと2倍になり、これは、アセチル化が材料の親水性を減少させることを示唆している。
Figure 2018531298
Figure 2018531298
実施例7:セルロースパルプおよびキシログルカンから作られた発泡体
強混合中に、20gのTKP(タマリンドカーネルパウダー)を1Lの水に70−80℃で溶解した。溶液が得られた後、混合物を冷却し、パルプ50gを加え、混合物を2−3時間放置してパルプを湿潤させる。その後、この混合物をキッチンエイドを用いて強力な機械的攪拌に2時間供して、パルプの混合物のような同種の高粘度ゲルを確保する。50%水中の市販の洗剤5mLを加え、混合物を混合中にある体積まで発泡させる。発泡体を120℃で一晩乾燥させる。
実施例8:TKP(70%を超えるキシログルカン含量)の洗浄
強力な機械的混合中に、TKP(タマリンドカーネルパウダー)20gを70−80℃で1Lの水に溶解する。すべてのキシログルカンが溶解したら、混合物を室温に冷却する。5000RPMで10分間の遠心分離によって固体不純物(変性タンパク質、繊維および灰分)を除去し、キシログルカンを含む上清を回収する(この時点で、材料はセミクリーン、45%−70%Xg含有量である)。2Lのエタノールを溶液に加え、Xgの沈殿をもたらす。ペレットをエタノールで洗浄した後、乾燥する。
実施例9:セルロースパルプおよびキシログルカンから作られた発泡体
強混合中に、TKP(タマリンドカーネルパウダー)20gを1Lの水に70−80℃で溶解した。溶液が得られた後、混合物を冷却し、パルプ50gを加え、混合物を2−3時間放置してパルプを湿潤させる。その後、混合物を2時間機械的に強く撹拌して、パルプの混合物のような同種の高粘度ゲルを確保する。50%水中の市販の洗剤5mLを加え、混合物をある体積まで発泡させる。その後、発泡体を容器に加え、−20℃で凍結させる。凍結は、一方向または2方向から行うことができる。凍結した発泡体を3Lのエタノール中で4−5時間で解凍して、キシログルカンを沈殿させ、水を除去する。解凍後、エタノールを3Lの新鮮なエタノールと置き換え、発泡体を一晩撹拌して残りの水を除去する。エタノールを除去し、発泡体にわずかな圧力を加えながら110℃で5時間発泡体を乾燥させて、均一な乾燥および直線状の発泡体パネルを確保した。
実施例10:セルロースパルプ、NCCおよびキシログルカンから作られた発泡体
強力な機械的混合中に、TKP(タマリンドカーネルパウダー)20gを70−80℃で1Lの水に溶解する。すべてのキシログルカンが溶解したら、混合物を室温に冷却する。5000RPMで10分間の遠心分離によって固体不純物(変性タンパク質、脂質および灰分)を除去し、キシログルカンを含む上清を回収する。
精製されたキシログルカンに50gのパルプを加え、混合物を2−3時間放置してパルプを湿潤させる。その後、混合物をキッチンエイドを用いて強力な機械的攪拌に1−3時間供して、パルプの混合物のような同種の高粘度ゲルを確保する。
攪拌しながらキシログルカンとパルプの混合物に3%のNCC懸濁液167ml(乾燥重量5g)を添加する。
水中の50%の市販洗剤2mlを加え、混合物をある体積まで発泡させる。次いで、発泡体を容器に加え、−20℃で凍結させる。凍結は、一方向または2方向から行うことができる。凍結した発泡体を3Lのエタノール中で4−5時間で解凍して、キシログルカンを沈殿させ、水を除去する。解凍後、エタノールを3Lの新鮮なエタノールと置き換え、発泡体を一晩撹拌して残りの水を除去する。エタノールを除去し、発泡体にわずかな圧力を加えながら110℃で5時間発泡体を乾燥させて、均一な乾燥および直線状の発泡体パネルを確保した。
実施例11:酸化セルロースパルプ、NCCおよびキシログルカンから作られた架橋発泡体
強力な機械的混合中に、TKP(タマリンドカーネルパウダー)20gを70−80℃で1Lの水に溶解する。すべてのキシログルカンが溶解したら、混合物を室温に冷却する。5000RPMで10分間の遠心分離によって固体不純物(変性タンパク質、脂質および灰分)を除去し、キシログルカンを含む上清を回収する。
精製されたキシログルカンに50gのパルプを加え、混合物を2−3時間放置してパルプを湿潤させる。その後、混合物をキッチンエイドを用いて強力な機械的攪拌に1−3時間供して、パルプの混合物のような同種の高粘度ゲルを確保する。
攪拌しながらキシログルカンとパルプの混合物に3%のNCC懸濁液167ml(乾燥重量5g)を添加する。
過ヨウ素酸ナトリウム20gを混合物に加える。撹拌を2時間続ける。5mlのエチレングリコールを混合物に添加する。2gのアジピン酸ジヒドラジドを混合物に加え、15分間さらに撹拌を続ける。
水中の50%の市販洗剤2mlを加え、混合物をある体積まで発泡させる。その後、発泡体を容器に加え、−20℃で凍結させる。凍結は、一方向または2方向から行うことができる。凍結した発泡体を3Lのエタノール中で4−5時間で解凍して、キシログルカンを沈殿させ、水を除去する。解凍後、エタノールを3Lの新鮮なエタノールと置き換え、発泡体を一晩撹拌して残りの水を除去する。エタノールを除去し、発泡体にわずかな圧力を加えながら110℃で5時間発泡体を乾燥させて、均一な乾燥および直線状の発泡体パネルを確保した。
実施例12:NCCおよびキシログルカンの膜
バリアコーティングのために使用される基材のいくつかは非極性であり、そのため水性材料に適合しない。石油系脂肪族ポリマーのような非極性基材に対しては、表面処理が必要である(コロナ、プラズマ等)。表面を適当な表面エネルギー(典型的には少なくとも42ダイン)に調整した後、NCCコーティングを施す。
pH5.0の水中の2%NCC分散液を8%XG(またはその他の充填剤)と混合した。A4サイズで厚さ30μmのBOPP膜をK202コントロールコータ(RK Printcoat Instruments)上に置いた。4−500μmの湿潤膜堆積、好ましくは50−100μmの湿潤膜堆積のメータバーアプリケータをコントロールコータに取り付けて、締め付けた。ピペットを用いて、混合物5mlのラインを、メータバーに接触させずに、メータバーに最も近いBOPP膜の上部に塗布した。スピードレベル3で順方向モードで機械を作動させた。膜を室温および湿度で1時間乾燥させた。
図7に示すように、NCCの適用により、BOPPのOTRは1500から1(cc/m・day・atm)に減少した。BOPP膜自体のOTRは〜1500cc/m・day・atmであった。BOPPをNCCで被覆した後、OTRは1cc/m・day・atmへと著しく減少した。NCC懸濁液(2%NCC+8%添加剤)にキシログルカン、デンプンおよびPVOHを添加すると、懸濁液の固形分(10%)が増加し、OTR値はNCCコーティング単独のものと同様であった。
理論に拘泥するつもりはないが、アセチル化後、NCC粒子はNCCアセテート粒子に修飾される。粒子の表面上のヒドロキシル基の一部は、アセチル基に置換される。この修飾は、未修飾NCCとは異なり、NCCアセテートをエタノール、アセトン、DCM、MEKなどの有機溶媒に分散させる能力をもたらす。さらに、NCCアセテートは、非親水性ポリマー溶液の内部で、または有機溶媒中で、非親水性ポリマーと混合(例えば、アセトン中のセルロースアセテートと混合)することができる。さらに、有機溶媒中のNCCアセテートは、複屈折、透明膜への自己組織化、表面被覆能力および酸素バリア能力など、未修飾NCCの水中特性を維持する。修飾プロセスは結晶の表面をほんの僅かしか変化させないが、修飾に伴う利点は明らかに多数あり、膜、発泡体およびその他の固体構造体の構築において非常に重要である。

Claims (78)

  1. ナノ結晶セルロース(NCC)エステルの製造方法であって、
    少なくとも1種の酸の存在下で、少なくとも1種のエステル源でNCCを処理するステップを備え、前記少なくとも1種の酸の量が、NCCの重量と比較して0.01%−10%であることを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記少なくとも1種の酸が、鉱酸および有機酸のなかから選択されることを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、
    前記少なくとも1種の酸が、HCl、HPO、HSOおよび過塩素酸のなかから選択される鉱酸であることを特徴とする方法。
  4. 請求項1に記載の方法において、
    前記少なくとも1種の酸が、p−トルエンスルホン酸、クエン酸および酒石酸のなかから選択される有機酸であることを特徴とする方法。
  5. 請求項3に記載の方法において、
    前記鉱酸がHSOであることを特徴とする方法。
  6. 請求項1に記載の方法において、
    前記少なくとも1種の酸の量が、NCCの重量と比較して、0.01%−9%、0.01%−8%、0.01%−7%、0.01%−6%、0.01%−5%、0.01%−4%、0.01%−3%、0.01%−2%、0.01%−1%、0.1%−10%、0.1%−9%、0.1%−8%、0.1%−7%、0.1%−6%、0.1%−5%、0.1%−4%、0.1%−3%、0.1%−2%、または0.1%−1%であることを特徴とする方法。
  7. 請求項1に記載の方法において、
    前記少なくとも1種の酸が硫酸であり、その量が0.1%−5%であることを特徴とする方法。
  8. 請求項1に記載の方法において、
    前記少なくとも1種の酸が硫酸であり、その量が0.1%−1%であることを特徴とする方法。
  9. 請求項1に記載の方法において、
    前記少なくとも1種の酸が硫酸であり、その量が0.5%−1%であることを特徴とする方法。
  10. 請求項1に記載の方法において、
    前記少なくとも1種のエステル源が、少なくとも1種の酸無水物、少なくとも1種のカルボン酸、少なくとも1種のカルボン酸塩および少なくとも1種のハロゲン化アシルのなかから選択されることを特徴とする方法。
  11. 請求項10に記載の方法において、
    前記少なくとも1種のエステル源が、少なくとも1種の酸無水物および少なくとも1種のカルボン酸のなかから選択されることを特徴とする方法。
  12. 請求項11に記載の方法において、
    前記少なくとも1種のエステル源が、少なくとも1種の酸無水物または少なくとも1種のカルボン酸であることを特徴とする方法。
  13. 請求項11に記載の方法において、
    前記少なくとも1種のエステル源が、少なくとも1種の酸無水物と少なくとも1種のカルボン酸との組合せであることを特徴とする方法。
  14. 請求項1に記載の方法において、
    少なくとも1種の酸の存在下でNCCを少なくとも1種の酸無水物で処理するステップを含み、前記少なくとも1種の酸が0.01%−10%の量であることを特徴とする方法。
  15. 請求項1に記載の方法において、
    少なくとも1種の酸の存在下でNCCを少なくとも1種のカルボン酸で処理するステップを含み、前記少なくとも1種の酸が0.01%−10%の量であることを特徴とする方法。
  16. 請求項1に記載の方法において、
    少なくとも1種の酸の存在下でNCCを少なくとも1種の酸無水物および少なくとも1種のカルボン酸で処理するステップを含み、前記少なくとも1種の酸が0.01%−10%の量であることを特徴とする方法。
  17. 請求項1乃至16の何れか一項に記載の方法において、
    40−110℃の温度で行われることを特徴とする方法。
  18. 請求項1乃至16の何れか一項に記載の方法において、
    110℃未満の温度で行われることを特徴とする方法。
  19. 請求項18に記載の方法において、
    前記温度が、50−110℃、50−100℃、50−90℃、50−80℃、50−70℃、60−110℃、60−100℃、60−90℃、60−80℃、60−70℃、70−110℃、70−100℃、70−90℃、70−80℃、80−110℃、80−100℃、または80−90℃であることを特徴とする方法。
  20. 請求項1に記載の方法において、
    40−110℃の温度で、少なくとも1種の酸の存在下でNCCを少なくとも1種のエステル源で処理するステップを含み、前記少なくとも1種の酸が0.01%−10%の量であることを特徴とする方法。
  21. 請求項1に記載の方法において、
    40−110℃の温度で、少なくとも1種の酸の存在下でNCCを少なくとも2種のエステル源で処理するステップを含み、前記少なくとも1種の酸が0.01%−10%の量であることを特徴とする方法。
  22. 請求項21に記載の方法において、
    前記少なくとも2種のエステル源が、2またはそれ以上の異なる酸無水物および2またはそれ以上の異なるカルボン酸、またはそれらの混合物のなかから選択されることを特徴とする方法。
  23. 請求項22に記載の方法において、
    前記少なくとも2種のエステル源が、少なくとも1種の無水物および少なくとも1種のカルボン酸を含むことを特徴とする方法。
  24. 請求項1乃至23の何れか一項に記載の方法において、
    前記少なくとも1種のエステル源が無水酢酸であることを特徴とする方法。
  25. 請求項1乃至24の何れか一項に記載の方法において、
    前記少なくとも1種のエステル源が酢酸であることを特徴とする方法。
  26. 請求項1に記載の方法において、
    40−110℃の温度で、少なくとも1種の酸の存在下でNCCを酢酸および無水酢酸で処理するステップを含むことを特徴とする方法。
  27. 請求項1に記載の方法において、
    酢酸とNCCの比が5〜20:1であり、無水酢酸とNCCの比が0.5〜2:1であることを特徴とする方法。
  28. 請求項1乃至27の何れか一項に記載の方法により得られるNCCエステル。
  29. 請求項28に記載のNCCエステルにおいて、
    前記NCCエステルがNCCアセテートであることを特徴とするNCCエステル。
  30. 請求項28に記載のNCCエステルまたは請求項29に記載のNCCアセテートを含む配合物。
  31. 請求項30に記載の配合物において、
    前記配合物が、0.1−5%のNCCエステルまたはNCCアセテートを含むエタノール溶液であることを特徴とする配合物。
  32. 請求項28に記載のNCCエステルを含む固体膜。
  33. 請求項32に記載の固体膜において、
    NCCエステルがNCCアセテートであることを特徴とする固体膜。
  34. 請求項28に記載のNCCエステルを含む発泡体材料。
  35. 3またはそれ以上の材料膜を含む多層積層構造体であって、前記3またはそれ以上の材料膜のうちの少なくとも一つが、請求項28に記載のNCCエステルの膜または層であることを特徴とする多層積層構造体。
  36. 請求項28に記載のNCCエステルを含む材料シート。
  37. 請求項30または31に記載の配合物において、
    少なくとも1種の添加剤をさらに含むことを特徴とする配合物。
  38. 請求項37に記載の配合物において、
    前記少なくとも1種の添加剤が、セルロース、セルロースパルプ、少なくとも1種のセルロース誘導体、少なくとも1種のナノセルロース材料、少なくとも1種のポリマー、少なくとも1種の保存剤、少なくとも1種の洗剤、少なくとも1種の可塑剤および少なくとも1種のヘミセルロースのなかから選択されていることを特徴とする配合物。
  39. 請求項38に記載の配合物において、
    前記少なくとも1種の添加剤が、少なくとも1種のヘミセルロースであることを特徴とする配合物。
  40. 請求項39に記載の配合物において、
    前記少なくとも1種のヘミセルロースがキシログルカンであることを特徴とする配合物。
  41. 請求項37乃至40の何れか一項に記載の配合物において、
    少なくとも10重量%の固形分を含むことを特徴とする配合物。
  42. NCCおよびキシログルカンを含む配合物。
  43. 請求項42に記載の配合物において、
    セルロース、セルロースパルプ、少なくとも1種のセルロース誘導体、少なくとも1種のナノセルロース材料、少なくとも1種のポリマー、少なくとも1種の保存剤、少なくとも1種の洗剤および少なくとも1種の可塑剤のなかから選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含むことを特徴とする配合物。
  44. 請求項42に記載の配合物において、
    当該配合物が水性であることを特徴とする配合物。
  45. 請求項42に記載の配合物において、
    少なくとも10重量%の固形分を含むことを特徴とする配合物。
  46. 請求項42に記載の配合物において、
    NCCとキシログルカンの比が、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2または1:1であることを特徴とする配合物。
  47. 請求項42に記載の配合物において、
    NCCの量が2−9重量%であり、キシログルカンの量が1−8重量%であることを特徴とする配合物。
  48. 請求項42乃至47の何れか一項に記載の配合物において、
    キシログルカンがタマリンドカーネルパウダー(TKP)であるか、またはタマリンドカーネルパウダー(TKP)由来のものであることを特徴とする配合物。
  49. 請求項48に記載の配合物において、
    TKPが、20−50%のキシログルカン、20−100%のキシログルカン、45−70%のキシログルカン、45−100%のキシログルカン、70−100%のキシログルカン、20%を超えるキシログルカン、40%を超えるキシログルカン、50%を超えるキシログルカン、60%を超えるキシログルカン、70%を超えるキシログルカン、80%を超えるキシログルカンまたは90%を超えるキシログルカンを含むように選択されていることを特徴とする配合物。
  50. 請求項42乃至49の何れか一項に記載の配合物から形成された固体膜またはコーティング。
  51. 請求項42乃至49の何れか一項に記載の配合物から形成された発泡体材料。
  52. 3またはそれ以上の材料膜からなる多層積層構造体であって、前記3またはそれ以上の材料膜のうちの少なくとも一つが、請求項42乃至49の何れか一項に記載の配合物から形成された膜または層であることを特徴とする多層積層構造体。
  53. 請求項42乃至49の何れか一項に記載の配合物から形成された材料シート。
  54. 請求項50に記載の固体膜またはコーティングにおいて、
    請求項42乃至49の何れか一項に記載の配合物を基材の表面上に塗布して前記配合物を乾燥させることにより形成されたものであることを特徴とする固体膜またはコーティング。
  55. セルロース繊維および少なくとも1種のヘミセルロースの水性分散液であって、セルロースの乾燥重量と比較して、少なくとも3%(w/v)のセルロースおよび10−30%の少なくとも1種のヘミセルロースを含むことを特徴とする水性分散液。
  56. セルロース繊維および少なくとも1種のヘミセルロースを含む発泡体材料。
  57. NCCジアルデヒド、少なくとも1種のヘミセルロースおよび少なくとも1種の架橋剤の架橋により形成された架橋NCC材料。
  58. 請求項57に記載の材料において、
    NCCジアルデヒドが予め調製されたものであることを特徴とする材料。
  59. 請求項57に記載の材料において、
    NCCジアルデヒドがインサイチュで調製されたものであることを特徴とする材料。
  60. 請求項59に記載の材料において、
    架橋NCCが、少なくとも1種のヘミセルロースおよび少なくとも1種の架橋剤の存在下で、NCCおよび少なくとも1種の酸化剤を反応させることによって形成されたものであることを特徴とする材料。
  61. 請求項57乃至60の何れか一項に記載の材料において、
    少なくとも1種のヘミセルロースがTKPであることを特徴とする材料。
  62. 請求項57乃至61の何れか一項に記載の材料において、
    少なくとも1種のヘミセルロースがキシログルカンであることを特徴とする材料。
  63. 請求項57乃至62の何れか一項に記載の材料において、
    セルロース、セルロースパルプ、セルロース誘導体、少なくとも1種の追加のナノセルロース材料、少なくとも1種の発泡体材料、少なくとも1種の界面活性剤、少なくとも1種のポリマー、少なくとも1種の保存剤、少なくとも1種の洗剤、少なくとも1種の可塑剤、少なくとも1種の液体キャリアおよび少なくとも1種の充填剤から選択される少なくとも1種の添加剤の存在下で架橋が行われることを特徴とする材料。
  64. 請求項57乃至63の何れか一項に記載の材料において、
    少なくとも1種の架橋剤が、ジアミンおよびポリアミンのなかから選択されることを特徴とする材料。
  65. 請求項64に記載の材料において、
    ジアミンがヒドラジドであることを特徴とする材料。
  66. 請求項64に記載の材料において、
    架橋剤が、カルバジン酸アミド、N−エチルカルバジン酸アミド、N−エチル−N−プロピルカルバジン酸アミド、N−カプリル−N−ラウリルカルバジン酸アミド、カルバジン酸t−ブチル、カルバジン酸エチル、カルバジン酸メチル、カルバジン酸フェニル、カルバジン酸ミリスチル、安息香酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、オキサミン酸ヒドラジド、フェニル酢酸ヒドラジド、パルミチン酸ヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジドおよびアジピン酸ジヒドラジドのなかから選択されることを特徴とする材料。
  67. 請求項66に記載の材料において、
    少なくとも1種の架橋剤がアジピン酸ジヒドラジドであることを特徴とする材料。
  68. 請求項57乃至67の何れか一項に記載の材料において、
    少なくとも1種の酸化剤が、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸、o−ヨードキシ安息香酸、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム、過酸化尿素、TEMPO誘導試薬および組成物、クロロクロム酸ピリジニウムおよび過マンガン酸塩材料のなかから選択されることを特徴とする材料。
  69. 請求項68に記載の材料において、
    酸化剤が、過ヨウ素酸ナトリウムまたは過ヨウ素酸であることを特徴とする材料。
  70. 請求項57乃至69の何れか一項に記載の材料において、
    架橋プロセスが、NCCの複数のヒドロキシル基の対応するアルデヒドへの酸化を可能にする条件において、少なくとも1種の酸化剤の存在下で少なくとも1種のヘミセルロースおよびNCCを混合するステップと、その後に少なくとも1種の架橋剤を添加するステップとを含むことを特徴とする材料。
  71. 請求項57乃至69の何れか一項に記載の材料において、
    架橋プロセスが、予め調製されたNCCアルデヒドを少なくとも1種のヘミセルロースおよび少なくとも1種の架橋剤と混合し、それによりNCCアルデヒドと少なくとも1種のヘミセルロースとの架橋を引き起こすステップを含むことを特徴とする材料。
  72. 請求項57乃至71の何れか一項に記載の材料において、
    架橋プロセスが、NCC酸化の完了前または架橋プロセスの完了前に添加された少なくとも1種の添加剤の存在下で行われることを特徴とする材料。
  73. 請求項72に記載の材料において、
    少なくとも1種の添加剤が、セルロースパルプまたはセルロース誘導体であることを特徴とする材料。
  74. 請求項57乃至73の何れか一項に記載の材料において、
    固体構造体の調製方法に使用するためのものであることを特徴とする材料。
  75. 請求項74に記載の材料において、
    前記固体構造体が発泡体であることを特徴とする材料。
  76. 少なくとも1種のNCC材料を含むバリア膜であって、NCC材料が、NCCエステル、架橋NCC、およびNCCと少なくとも1種のヘミセルロースとの組合せのなかから選択されることを特徴とするバリア膜。
  77. 請求項76に記載のバリア膜において、
    NCCエステルがNCCアセテートであることを特徴とするバリア膜。
  78. 請求項76に記載のバリアにおいて、
    少なくとも1種のヘミセルロースがキシログルカンであることを特徴とするバリア。
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