JP2018531147A6 - 硫化水素の選択的除去のための方法 - Google Patents

硫化水素の選択的除去のための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硫化水素の選択的除去のための方法を提供する。
【解決手段】
二酸化炭素及び硫化水素を含む流体ストリームからの硫化水素の選択的除去のための吸収剤は、a)式(I)のアミン化合物
【図1】
Figure 2018531147

(式中のX、R〜R、x、y及びzは、明細書中に定義する。)、及びb)非水溶媒を含み、該吸収剤は、20質量%未満の水を含む。また、二酸化炭素及び硫化水素を含む流体ストリームから硫化水素を選択的に除去する方法であって、該流体ストリームを吸収剤と接触させる方法も記載する。該吸収剤は、高い取り込み容量、高い循環容量、良好な再生能及び低粘度を特徴とする。

Description

本発明は、流体ストリームからの硫化水素の選択的除去のための、特に二酸化炭素に対してより優先される硫化水素の選択的除去のための、吸収剤及び方法に関する。
天然ガス、製油所ガス又は合成ガス等の流体ストリームからの酸性ガス、例えばCO、HS、SO、CS、HCN、COS又はメルカプタンの除去は、様々な理由により重要である。硫黄化合物が、天然ガス中に高頻度で同伴している水の中に腐食作用を有する酸を形成するため、天然ガス中の硫黄化合物の含量は、適切な処理手段を用いて天然ガス供給源において直接低減しなければならない。従って、パイプライン内での天然ガスの輸送又は天然ガス液化プラント内での天然ガスのさらなる処理(LNG=液化天然ガス)のためには、硫黄含有不純物に関する所与の限度を観測しなければならない。さらに、数多くの硫黄化合物は、低濃度においてさえ悪臭を放ち、有毒である。
二酸化炭素は、他の物質の中でもとりわけ天然ガスから除去しなければならない。それは、パイプラインガス又は販売ガス(sales gas)として使用する場合に高濃度のCOが気体の発熱量を低減するからである。さらに、COは、流体ストリーム中に高頻度で同伴している水分と一緒になって、パイプ及び弁の中に腐食を起こし得る。その一方、低すぎる濃度のCOも同様に、この結果として気体の発熱量が高くなり過ぎる可能性があるため、望ましくない。一般的に、パイプラインガス又は販売ガスのCO濃度は、1.5体積%と3.5体積%の間である。
酸性ガスは、無機塩基又は有機塩基の水溶液によるスクラビング操作を用いて除去される。酸性ガスが吸収剤に溶解すると、塩基と一緒になってイオンを形成する。吸収媒体は、より低い圧力への減圧及び/又はストリッピングによって再生することができる、この場合、上記イオン種は、逆反応して、酸性ガスを形成し、及び/又は水蒸気によってストリッピングされる。再生工程後、吸収剤は、再使用することができる。
すべての酸性気体、特にCO及びHSを真に実質的に除去する方法は、「全吸収」と呼ばれる。特定の場合においては対照的に、例えば下流側のクラウスプラント用として発熱量に関して最適化されたCO/HS比を得るために、COよりHSを優先的に吸収することが望ましいこともある。この場合は、「選択的スクラビング」について言及している。好ましくないCO/HS比は、COS/CSが形成され、クラウス触媒がコーキングすること、又は発熱量が小さくなりすぎることにより、クラウスプラントの性能及び効率を損なう可能性がある。
2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エタノール等の大きな立体障害のある第二級アミン及びメチルジエタノールアミン(MDEA)等の大きな立体障害のある第三級アミンは、COに対してより優先されるHSへの速度論的な選択性を示す。上記大きな立体障害のあるアミンは、COと直接反応せず、代わりにCOが、ゆっくりした反応でアミン及び水と反応して、重炭酸塩を生成する。対照的に、HSは、アミン水溶液中で直ちに反応する。従って、このような大きな立体障害のあるアミンは、CO及びHSを含む気体混合物からのHSの選択的除去に特に適している。
硫化水素の選択的除去は、低い酸性ガス分圧を有する流体ストリームの場合に、例えばテールガス中に利用されることが多く、又は酸性ガス富化(AGE)の場合に、例えばクラウス法前のHSの富化のために利用されることが多い。
パイプラインガス用の天然ガス処理の場合においてもまた、COに対してより優先されるHSの選択的除去が望ましいこともある。大抵の場合、天然ガス処理の目的は、HSとCOとを同時に除去することであり、このとき、所与のHS限度を観測しなければならないが、COの完全な除去は不要である。パイプラインガスに一般的な仕様は、約1.5体積%から約3.5体積%のCO及び4ppmv未満のHSとなるような酸性ガス除去を要求する。この場合、最大のHS選択性は、望ましくない。
DE3717556A1は、第三級アミン及び/又は立体障害のある第一級又は第二級アミンをジアミノエーテル又はアミノアルコールの形態で含む水性スクラビング溶液によって、CO含有気体から硫黄化合物を選択的に除去する方法を記載している。
ImらはEnergy Environ.Sci.、2011、4、4284−4289で、立体障害のあるアルカノールアミンのCO吸収の仕組みを記載している。COは、アルカノールアミンのヒドロキシル基と独占的に反応して、双性イオンカーボネートを得ることが見出された。XuらはInd.Eng.Chem.Res.2002、41、2953−2956で、メチルジエタノールアミン溶液による流体ストリームからのHSの除去において、水含量の低減がより高い選択性を引き起こすと述べている。
US2015/0027055A1は、立体障害のある末端エーテル化アルカノールアミンを含む吸収剤によって、CO含有気体混合物からHSを選択的に除去する方法を記載している。アルカノールアミンの末端エーテル化と水の排除で、より高いHS選択性が可能となることが見出された。
流体ストリームからのHSの選択的除去に適したアミン及び非水溶媒中のその溶液は、比較的高い粘度を有することが多い。しかしながら、エネルギー的に有利な方法の形態を可能にするために、HS−選択的アミン又は吸収剤の粘度は最小限でなければならない。
DE3717556A1 US2015/0027055A1
Energy Environ.Sci.、2011、4、4284−4289 Ind.Eng.Chem.Res.2002、41、2953−2956
本発明の目的は、二酸化炭素及び硫化水素を含む流体ストリームからの硫化水素の選択的除去に適した吸収剤を提供することであった。吸収剤は、高い取り込み容量、高い循環容量、良好な再生能及び低粘度を有するべきである。二酸化炭素及び硫化水素を含む流体ストリームから硫化水素を選択的に除去する方法も提供するものである。
この目的は、二酸化炭素及び硫化水素を含む流体ストリームからの硫化水素の選択的除去のための吸収剤であって、
a)式(I)のアミン化合物
Figure 2018531147
(式中、XはO又はNRであり、Rは水素又はC〜C−アルキルであり、RはC〜C−アルキルであり、R、R及びRは独立して、水素及びC〜C−アルキルから選択され、R及びRは独立してC〜C−アルキルであり、RはC〜C−アルキルであり、x及びyは2〜4の整数であり、zは1〜3の整数であるが、ただし、Rが水素である場合には、Rは第二級又は第三級炭素原子を介して窒素原子に直接結合したC〜C−アルキルである。)及び、
b)非水溶媒、
を含む吸収剤であって、20質量%未満の水を含む該吸収剤によって達成される。
好ましい一実施形態では、アミン化合物は一般式(II)
Figure 2018531147
(式中、R及びR10は独立してアルキルであり、R11は水素又はアルキルであり、R12、R13及びR14は独立して、水素及びC〜C−アルキルから選択され、R15及びR16は独立してC〜C−アルキルであり、x及びyは2〜4の整数であり、zは1〜3の整数である。)の化合物である。
好ましくは、R12、R13及びR14は水素である。好ましくは、R15及びR16は独立してメチル又はエチルである。好ましくは、x=2である。好ましくは、y=2である。好ましくは、z=1又は2、特に1である。
好ましい複数の実施形態では、R及びR10はメチルでR11は水素であり、又はR、R10及びR11はメチルであり、又はR及びR10はメチルでR11はエチルである。
好ましくは、一般式(II)の化合物は、2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジメチルアミン、2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジエチルアミン、2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジプロピルアミン、2−(2−イソプロピルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジメチルアミン、2−(2−イソプロピルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジエチルアミン、2−(2−イソプロピルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジプロピルアミン、2−(2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エトキシ)エチル−N,N−ジメチルアミン、2−(2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エトキシ)エチル−N,N−ジエチルアミン、2−(2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エトキシ)エチル−N,N−ジプロピルアミン、2−(2−tert−アミルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジメチルアミン、2−(2−(1−メチル−1−エチルプロピルアミノ)エトキシ)エチル−N,N−ジメチルアミン、及び2−(2−tert−アミルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジメチルアミンから選択される。
特に好ましい一実施形態において、式(II)の化合物は、2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジメチルアミン(TBAEEDA)である。
好ましい一実施形態において、アミン化合物は一般式(III)
Figure 2018531147
(式中、R17及びR18は独立してC〜C−アルキルであり、R19、R20及びR22は独立して、水素及びC〜C−アルキルから選択され、R21はC〜C−アルキルであり、R23及びR24は独立してC〜C−アルキルであり、x及びyは2〜4の整数であり、zは1〜3の整数である。)の化合物である。
好ましくは、R17、R18、R21、R23及びR24は、独立してメチル又はエチルである。好ましくは、R19、R20及びR22は、水素である。好ましくは、x=2である。好ましくは、y=2である。好ましくは、z=1又は2、特に1である。
好ましくは、式(III)の化合物は、
ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、ペンタエチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、ペンタメチルジブチレントリアミン、ヘキサメチレントリエチレンテトラミン、ヘキサエチレントリエチレンテトラミン、ヘキサメチレントリプロピレンテトラミン及びヘキサエチレントリプロピレンテトラミン、から選択される。
特に好ましい一実施形態において、式(III)の化合物はペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)である。
好ましい一実施形態において、アミン化合物は一般式(IV)
Figure 2018531147
(式中、R25及びR26は独立してC〜C−アルキルであり、R27、R28及びR29は独立して、水素及びC〜C−アルキルから選択され、R30及びR31は独立してC〜C−アルキルであり、x及びyは2〜4の整数であり、zは1〜3の整数である。)の化合物である。
好ましくは、R25、R26、R30、及びR31は、独立してメチル又はエチルである。好ましくは、R27、R28及びR29は、水素である。好ましくは、x=2である。好ましくは、y=2である。好ましくは、z=1又は2、特に1である。
好ましくは、式(IV)の化合物は、ビス(2−(ジメチルアミノ)エチル)エーテル(BDMAEE)、ビス(2−(ジエチルアミノ)エチル)エーテル、ビス(2−(ジプロピルアミノ)エチル)エーテル、ビス(2−(ジメチルアミノ)プロピル)エーテル、ビス(2−(ジメチルアミノ)ブチル)エーテル、2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)エトキシ−N,N−ジメチルアミン、2−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)エトキシ−N,N−ジエチルアミン、2−(2−(ジメチルアミノ)プロポキシ)プロポキシ−N,N−ジメチルアミン及び2−(2−(ジエチルアミノ)プロポキシ)プロポキシ−N,N−ジエチルアミンから選択される。
特に好ましい一実施形態において、式(IV)の化合物は、ビス(2−(ジメチルアミノ)エチル)エーテル(BDMAEE)である。
一般式(I)の化合物は、立体障害のある第二級アミノ基又は第三級アミノ基の形態で存在するアミノ基のみを含む。
第二級炭素原子は、立体障害のある位置への結合とは別に、2つの炭素−炭素結合を有する炭素原子を意味すると理解される。第三級炭素原子は、立体障害のある位置への結合とは別に、3つの炭素−炭素結合を有する炭素原子を意味すると理解される。
立体障害のある第二級アミノ基は、アミノ基の窒素原子の直接隣の少なくとも1個の第二級又は第三級炭素原子の存在を意味すると理解される。立体障害のあるアミンだけでなく、適切なアミン化合物は、また、先行技術において大きな立体障害のあるアミンと呼ばれる1.75を超える立体パラメータ(タフト定数)Eを有する化合物を含む。
一般式(I)の化合物は高い塩基性を有する。好ましくは、20℃におけるアミンの第1のpKは、少なくとも8、より好ましくは少なくとも9、及び最も好ましくは少なくとも10である。好ましくは、アミンの第2のpKは少なくとも6.5、より好ましくは少なくとも7、及び最も好ましくは少なくとも8である。アミンのpK値は一般に、塩酸による滴定によって、例えば実施例に示すように、測定される。
一般式(I)の化合物は更に、低粘度において注目に値する。低粘度は、取り扱いにおいて有利である。好ましくは、一般式(I)の化合物は、25℃で、0.5〜12mPa・sの範囲、より好ましくは0.6〜8mPa・sの範囲、最も好ましくは0.7〜5mPa・sの範囲の動粘度を有する。粘度を測定するための適切な方法は、実施例に明記されている。
一般式(I)の化合物は、一般に、水と完全に混和する。
一般式(I)の化合物は、様々な方法で調製することができる。調製の一様式では、第一の工程で、適切なジオールを以下のスキームに従って、第二級アミンRNHと反応させる。この反応は適切には、水素化/脱水素化触媒、例えば銅含有水素化/脱水素化触媒の存在下の水素の存在下で、160〜220℃で行われる。
Figure 2018531147
得られた化合物を、以下のスキームに従ってアミンR−NHと反応させ、一般式(I)の化合物を得ることができる。この反応は適切には、水素化/脱水素化触媒、例えば銅含有水素化/脱水素化触媒の存在下の水素の存在下で、160〜220℃で行われる。
Figure 2018531147
〜R基及び係数x、y及びzは、上記の定義及び定義中の好ましい例に対応する。
吸収剤は、吸収剤の質量を基準として、好ましくは10質量%〜70質量%、より好ましくは15質量%〜65質量%、及び最も好ましくは20質量%〜60質量%の一般式(I)の化合物を含む。
一実施形態において、吸収剤は、一般式(I)の化合物以外の第三級アミン若しくは大きな立体障害のある第一級アミン及び/又は大きな立体障害のある第二級アミンを含む。大きな立体障害は、第一級又は第二級窒素原子の直接隣の第三級炭素原子を意味すると理解される。これら複数の実施形態において、吸収剤は、一般式(I)の化合物以外の第三級アミン若しくは大きな立体障害のあるアミンを、吸収剤の質量を基準として一般に5質量%〜50質量%、好ましくは10質量%〜40質量%、及びより好ましくは20質量%〜40質量%の量で含む。
一般式(I)の化合物以外の適切な第三級アミンa)には、
1. ビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアミン(メチルジエタノールアミン、MDEA)、トリス(2−ヒドロキシエチル)アミン(トリエタノールアミン、TEA)、トリブタノールアミン、2−ジエチルアミノエタノール(ジエチルエタノールアミン、DEEA)、2−ジメチルアミノエタノール(ジメチルエタノールアミン、DMEA)、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール(N,N−ジメチルプロパノールアミン)、3−ジエチルアミノ−1−プロパノール、2−ジイソプロピルアミノエタノール(DIEA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)メチルアミン(メチルジイソプロパノールアミン、MDIPA)等の第三級アルカノールアミン;
2. 3−メトキシプロピルジメチルアミン等のターシャリーアミノエーテル;
3. N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチル−N’,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン(TMPDA)、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,3−プロパンジアミン(TEPDA)、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジエチルエチレンジアミン(DMDEEDA)、1−ジメチルアミノ−2−ジメチルアミノエトキシエタン(ビス[2−(ジメチルアミノ)エチル]エーテル)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(TEDA)、テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン等のターシャリーポリアミン、例えばビス−ターシャリージアミン;
及びこれらの混合物が特に挙げられる。
第三級アルカノールアミン、すなわち、窒素原子に結合した少なくとも1個のヒドロキシアルキル基を有するアミンが一般に、好ましい。メチルジエタノールアミン(MDEA)が、特に好ましい。
一般式(I)の化合物以外の大きな立体障害のある適切なアミン(すなわち、第一級又は第二級窒素原子の直接隣に第三級炭素原子を有するアミン)には、
1. 2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エタノール(TBAEE)、2−(2−tert−ブチルアミノ)プロポキシエタノール、2−(2−tert−アミルアミノエトキシ)エタノール、2−(2−(1−メチル−1−エチルプロピルアミノ)エトキシ)エタノール、2−(tert−ブチルアミノ)エタノール、2−tert−ブチルアミノ−1−プロパノール、3−tert−ブチルアミノ−1−プロパノール、3−tert−ブチルアミノ−1−ブタノール、及び3−アザ−2,2−ジメチルヘキサン−1,6−ジオール等の大きな立体障害のある第二級アルカノールアミン;
2. 2−アミノ−2−メチルプロパノール(2−AMP);2−アミノ−2−エチルプロパノール;及び2−アミノ−2−プロピルプロパノール等の大きな立体障害のある第一級アルカノールアミン;
3. 1,2−ビス(tert−ブチルアミノエトキシ)エタン、ビス(tert−ブチルアミノエチル)エーテル等の大きな立体障害のあるアミノエーテル;
及びこれらの混合物が特に挙げられる。
大きな立体障害のある第二級アルカノールアミンが一般に好ましい。2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エタノール(TBAEE)が、特に好ましい。
好ましくは、吸収剤は立体障害のない第一級アミン又は立体障害のない第二級アミンを全く含まない。立体障害のない第一級アミンは、水素原子又は第一級若しくは第二級炭素原子のみが結合している第一級アミノ基を有する化合物を意味すると理解される。立体障害のない第二級アミンは、水素原子又は第一級炭素原子のみが結合している第二級アミノ基を有する化合物を意味すると理解される。立体障害のない第一級アミン又は立体障害のない第二級アミンは、CO吸収の強力な活性剤として作用する。吸収剤中にそれらが存在すると、吸収剤のHS選択性が失われる可能性がある。
一般に、吸収剤の粘度は特定の限度を超えてはならない。吸収剤の粘度が増加するにつれて、より粘稠な液体中の反応物の拡散速度が遅くなるため、液体界面層の厚さが増加する。この増加は、流体ストリームから吸収剤への化合物の物質移動の減少を引き起こす。この減少は、例えば、プレートの数を増やしたり、パッキング高さを上げたりすることによって弱められる可能性があるが、吸収装置の大規模化につながるという欠点がある。さらに、吸収剤の粘度が高いと、装置内の熱交換器に圧力降下が生じ、熱伝達が悪くなる可能性がある。
本発明の吸収剤は、一般式(I)の化合物が高濃度であっても、驚くべきことにその粘度は低い。吸収剤の粘度は、比較的低いことが有利である。25℃における(未取り込みの)吸収剤の動粘度は、好ましくは0.5〜40mPa・sの範囲、より好ましくは0.6〜30mPa・sの範囲、及び最も好ましくは0.7〜20mPa・sの範囲である。
立体障害のあるアミン及び第三級アミンは、COに対してより優先されるHSへの速度論的な選択性を示す。これらのアミンは、COと直接反応せず、代わりにCOが、ゆっくりした反応でアミンと及び水などのプロトン供与体と反応して、イオン性生成物をもたらす。
一般式(I)の化合物及び/又は溶媒を介して吸収剤に導入されるヒドロキシル基は、プロトン供与体である。吸収剤中のヒドロキシル基の供給量が低いと、CO吸収はより困難になると考えられる。従って、ヒドロキシル基密度が低いとHS選択性の増加がもたらされる。ヒドロキシル基密度を介して、COに対してより優先されるHSの吸収剤の所望の選択性を確立することが可能である。水は、特に高いヒドロキシル基密度を有する。従って非水溶媒の使用は、高いHS選択性をもたらす。
吸収剤は、20質量%未満の水を、好ましくは15質量%未満の水を、より好ましくは10質量%未満の水を、最も好ましくは5質量%未満の水を、例えば3質量%未満の水を含む。吸収剤中の水、プロトン供与体の供給量が多いと、HS選択性が低減される。
非水溶媒は、好ましくは、
〜C10アルコール、例えばn−ブタノール、n−ペンタノール及びn−ヘキサノール;
ケトン、例えばシクロヘキサノン;
エステル、例えば酢酸エチル及び酢酸ブチル;
ラクトン、例えばγ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン及びε−カプロラクトン;
第三級カルボキサミドのようなアミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド;又はN−ホルミルモルホリン及びN−アセチルモルホリン;
ラクタム、例えばγ−ブチロラクタム、δ−バレロラクタム及びε−カプロラクタム及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP);
スルホン、例えばスルホラン;
スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);
グリコール、例えばエチレングリコール(EG)及びプロピレングリコール;
ポリアルキレングリコール、例えばジエチレングリコール(DEG)及びトリエチレングリコール(TEG);
ジ−又はモノ(C−アルキルエーテル)グリコール、例えばエチレングリコールジメチルエーテル;
ジ−又はモノ(C−アルキルエーテル)ポリアルキレングリコール、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル及びトリエチレングリコールジメチルエーテル;
環状尿素、例えばN,N−ジメチルイミダゾリジン−2−オン及びジメチルプロピレン尿素(DMPU);
チオアルカノール、例えばエチレンジチオエタノール、チオジエチレングリコール(チオジグリコール、TDG)及びメチルチオエタノール;
及びそれらの混合物、から選択される。
より好ましくは、非水溶媒は、スルホン、グリコール及びポリアルキレングリコールから選択される。最も好ましくは、非水溶媒はスルホンから選択される。好ましい非水溶媒はスルホランである。
吸収剤は、腐食抑制剤、酵素、消泡剤等の添加剤も含んでよい。一般に、このような添加剤の量は、吸収剤の約0.005質量%〜約3質量%の範囲である。
吸収剤は、少なくとも1.1、より好ましくは少なくとも2、及び最も好ましくは少なくとも5のHS:CO取り込み容量比を有することが好ましい。
S:CO取り込み容量比は、40℃及び周囲圧力(約1bar)でCO及びHSを吸収剤に取り込んだ場合に、平衡状態下で最大HS取り込みを最大CO取り込みで割った商を意味すると理解される。適切な試験方法については、実施例に明記する。HS:CO取り込み容量比は、予測されるHS選択性の指標として役立つ。HS:CO取り込み容量比が高いほど、予測されるHS選択性は高い。
好ましい実施形態では、吸収剤の最大のHS取り込み容量は、実施例で測定して、少なくとも5m(STP)/t、より好ましくは少なくとも8m(STP)/t、及び最も好ましくは少なくとも12m(STP)/tである。
本発明はまた、二酸化炭素及び硫化水素を含む流体ストリームから硫化水素を選択的に除去する方法であって、その方法において流体ストリームを吸収剤と接触させ、取り込み済み吸収剤及び処理済み流体ストリームを得る方法に関する。
本発明の方法は、COに対してより優先される硫化水素の選択的除去に適している。本文脈で、「硫化水素への選択性」は、次の商
Figure 2018531147
(式中、y(HS)feedは、最初期の流体中のHSのモル比率(mol/mol)であり、y(HS)treatは、処理済み流体中のモル比率であり、y(COfeedは、最初期の流体中のCOのモル比率であり、y(COtreatは、処理済み流体中のCOのモル比率である。)の値を意味すると理解されている。硫化水素への選択性は、好ましくは少なくとも1.1、さらにより好ましくは少なくとも2、及び最も好ましくは少なくとも4である。
いくつかの場合、例えば、パイプラインガス又は販売ガスとして使用するために天然ガスから酸性ガスを除去する場合、二酸化炭素の全吸収は望ましくない。一実施形態において、処理済み流体ストリーム中の残留二酸化炭素含量は、少なくとも0.5体積%、好ましくは少なくとも1.0体積%、及びより好ましくは少なくとも1.5体積%である。
本発明の方法は、すべての種類の流体の処理に適している。流体は、第一には、天然ガス、合成ガス、コークス炉ガス、クラッキングガス、石炭ガス化ガス、サイクルガス、ランドフィルガス及び燃焼ガス等の気体であり、第二には、LPG(液化石油ガス)又はNGL(天然ガス液体)等の吸収剤と本質的に混和しない流体である。本発明の方法は、炭化水素含有流体ストリームの処理に特に適している。存在する炭化水素は例えば、メタン等のC1〜4炭化水素、エチレン若しくはプロピレン等の不飽和炭化水素、又はベンゼン、トルエン若しくはキシレン等の芳香族炭化水素等、脂肪族炭化水素である。
本発明による方法は、CO及びHSの除去に適している。二酸化炭素及び硫化水素に加えて、COS及びメルカプタン等の他の酸性気体も流体ストリーム中に存在することができる。さらに、SO、SO、CS及びHCNを除去することもできる。
好ましい複数の実施形態において、流体ストリームは、炭化水素を含む流体ストリーム、特に天然ガスストリームである。より好ましくは、流体ストリームは、1.0体積%を超える炭化水素、さらにより好ましくは5.0体積%を超える炭化水素、最も好ましくは15体積%を超える炭化水素を含む。
流体ストリーム中での硫化水素分圧は一般的に、少なくとも2.5mbarである。好ましい複数の実施形態において、少なくとも0.1bar、特に少なくとも1barの硫化水素分圧と、少なくとも0.2bar、特に少なくとも1barの二酸化炭素分圧が、流体ストリーム中に存在する。より好ましくは、流体ストリーム中に少なくとも0.1barの硫化水素分圧及び少なくとも1barの二酸化炭素分圧が存在する。さらにより好ましくは、流体ストリーム中に少なくとも0.5barの硫化水素分圧及び少なくとも1barの二酸化炭素分圧が存在する。記載した分圧は、吸収工程において吸収剤と最初に接触するときの流体ストリームに基づいている。
好ましい複数の実施形態において、少なくとも1.0bar、より好ましくは少なくとも3.0bar、さらにより好ましくは少なくとも5.0bar、及び最も好ましくは少なくとも20barの全圧が、流体ストリーム中に存在する。好ましい複数の実施形態において、最大180barの全圧が、流体ストリーム中に存在する。全圧は、吸収工程において吸収剤と最初に接触するときの流体ストリームに基づいている。
本発明の方法において、流体ストリームが、吸収工程において吸収器内で吸収剤と接触し、この結果、二酸化炭素及び硫化水素が、少なくとも部分的にスクラビングされる。これにより、CO及びHSが激減した流体ストリーム並びにCO及びHSを取り込んだ吸収剤が得られる。
使用される吸収器は、慣例的なガススクラビング工程において使用されるスクラビング装置である。適切なスクラビング装置は例えば、不規則充填物、規則充填物を有する塔並びにトレーを有する塔、メンブレンコンタクター、半径流スクラバー、ジェットスクラバー、ベンチュリスクラバー及び回転噴霧式スクラバーを有する塔であり、好ましくは、規則充填物を有する塔、不規則充填物を有する塔及びトレーを有する塔であり、より好ましくは、トレーを有する塔及び不規則充填物を有する塔である。流体ストリームは好ましくは、塔内で向流の状態の吸収剤によって処理される。一般に、流体は、塔の下部領域に供給され、吸収剤は、塔の上部領域に供給される。トレー塔内には、液体が流れ伝うことになるシーブトレー、バブルキャップトレー又はバルブトレーが据え付けられている。不規則充填物を有する塔には、相異なる成形品を充填することができる。熱及び物質移動は、通常約25mmから約80mmまでのサイズの成形品に起因する、表面積の増大によって改良される。公知の例は、ラシヒリング(中空シリンダー)、ポールリング、Hiflowリング及びIntaloxサドル等である。不規則充填物は、塔内に(層として)整然とした態様で導入することもできるし、又は不規則的に導入することもできる。可能な材料には、ガラス、セラミック、金属及びプラスチックが挙げられる。規則充填物は、整然とした不規則充填物のさらなる発展形である。規則充填物は、一定の構造を有する。この結果、充填物の場合、気体流中の圧力損失を低減することができる。規則充填物、例えば織物型充填物又はシート金属充填物には、様々な設計が存在する。使用される材料は、金属、プラスチック、ガラス及びセラミックであってよい。
吸収工程における吸収剤の温度は一般に、約30℃から100℃までであり、塔が使用される場合は、例えば、塔の頂部において30℃から70℃までであり、塔の底部において50℃から100℃までである。
本発明の方法は、1つ又は複数の吸収工程、特に連続する2つの吸収工程を含んでもよい。吸収は、連続する複数の構成要素工程において実施してもよく、この場合、酸性気体成分を含む粗製ガスが、構成要素工程のそれぞれにおいて吸収剤の部分ストリームと接触する。粗製ガスが接触する吸収剤は、酸性気体をあらかじめ部分的に取り込んでいてもよく、このことは、粗製ガスが接触する吸収剤が例えば、下流側の吸収工程から第1の吸収工程にリサイクルされた吸収剤であってもよいし、又は部分的に再生済みの吸収剤であってもよいことを意味する。2段階吸収の性能に関しては、公報EP0159495、EP0190434、EP0359991及びWO00100271を参照する。
当業者は、吸収工程における条件、例えば、特に詳細には吸収剤/流体ストリーム比、吸収器の塔の高さ、不規則充填物やトレー若しくは規則充填物のような吸収器内の接触促進用内部部材の種類、及び/又は再生した吸収剤の取り込み残分等の、条件を変化させることにより、定義した選択性で高レベルの硫化水素除去を達成することができる。
吸収剤/流体ストリーム比が小さいと、選択性が高まる。吸収剤/流体ストリーム比がより大きいと、選択的吸収が低下する。COはHSよりも緩慢にしか吸収されないため、滞留時間が短いときよりも長いときにより多くのCOが吸収される。従って、塔が高いほど、選択的吸収の低下がもたらされる。液ホールドアップが比較的高いトレー又は規則充填物も同様に、選択的吸収を低下させる。再生時に導入した加熱エネルギーを、再生した吸収剤の取り込み残留分を調整するのに使用することができる。再生した吸収剤の取り込み残留分量が低いほど、吸収が改善される。
本方法は、好ましくはCO及びHSを取り込んだ吸収剤を再生する再生工程を含む。再生工程において、CO及びHS及び任意にさらなる酸性気体成分を、CO及びHSを取り込んだ吸収剤から放出して、再生済み吸収剤を得る。再生済み吸収剤は続いて、吸収工程に循環処理されるのが好ましい。一般に、再生工程は、加熱する手段、減圧する手段及び不活性流体によってストリッピングする手段のうちの少なくとも1つを含む。
再生工程は好ましくは、例えばボイラー、自然循環蒸発装置、強制循環蒸発装置又は強制循環フラッシュ蒸発装置による、酸性気体成分を取り込んだ吸収剤の加熱を含む。吸収された酸性ガスは、溶液の加熱によって得られた水蒸気によってストリッピングされる。水蒸気ではなく、窒素等の不活性流体を使用することもできる。脱着装置内の絶対圧力は、通常0.1barから3.5barまでであり、好ましくは1.0barから2.5barまでである。温度は、通常50℃から170℃までであり、好ましくは80℃から130℃までであるが、温度は当然ながら、圧力に依存する。
再生工程は、減圧を代替的に又はさらに含み得る。この減圧は、吸収工程の実施のときに存在する高い圧力から低い方の圧力となるように、取り込み済み吸収剤を少なくとも1回減圧することを含む。減圧は例えば、スロットルバルブ及び/又は減圧タービンによって達成することができる。減圧段階を伴う再生は、例えば公報US4,537,753及びUS4,553,984に記載されている。
酸性気体成分は再生工程において例えば、減圧塔、例えば垂直に若しくは水平に据え付けられたフラッシュ容器の中で放出され得、又はインターナル入りの向流塔の中で放出され得る。
再生塔も同様に、不規則充填物を有する塔、規則充填物を有する塔又はトレーを有する塔であってよい。再生塔は、加熱装置、例えば循環ポンプ付きの強制循環蒸発装置を底部に有する。再生塔は、放出された酸性ガス用の出口を頂部に有する。同伴している吸収媒体蒸気は、凝縮器内で凝縮し、塔に再循環される。
再生が相異なる圧力で実施される複数の減圧塔を、直列に接続することができる。例えば、再生は、吸収工程における酸性気体成分の分圧より約1.5bar高いのが一般的な高圧の予備減圧塔、及び低圧、例えば絶対圧力として1barから2barまでの主減圧塔の中で実施することができる。2つ以上の減圧段階を伴う再生は、公報US4,537、753、US4,553、984、EP0159495、EP0202600、EP0190434及びEP0121109に記載されている。
存在する成分が最適に調和しているため、本発明の吸収剤は、大きな酸性気体の取り込み容量を有するが、容易に再度脱着することもできる。このようにして、本発明による方法におけるエネルギー消費及び溶媒循環を著しく抑制することができる。
本発明を、添付の図面及び下記の例によって詳細に説明する。
本発明による方法の実施に適したプラントの概略図である。
図1によれば、入口Zを経由して、硫化水素及び二酸化炭素を含む適切に前処理された気体が、吸収剤用管路1.01を経由して供給された再生済み吸収剤と吸収器A1内で向流の状態で接触する。吸収剤が、気体から硫化水素及び二酸化炭素を吸収によって除去し、これにより、硫化水素及び二酸化炭素が激減した清浄な気体が、オフガス管路1.02を経由して送り出される。
吸収剤用管路1.03と、CO及びHSを取り込んだ吸収剤が、吸収剤用管路1.05の中を通って誘導された再生済み吸収剤からの熱によって加熱されることになる熱交換器1.04と、吸収剤用管路1.06とを経由して、CO及びHSを取り込んだ吸収剤が、脱着塔Dに供給され、再生される。
吸収器A1と熱交換器1.04との間には、1つ以上のフラッシュ容器が設けられていてもよく(図1には図示せず)、フラッシュ容器において、CO及びHSを取り込んだ吸収剤は、例えば3barから15barまでとなるように減圧される。
脱着塔Dの下側部分からは、吸収剤が、ボイラー1.07内に誘導され、加熱される。生じる水蒸気は、脱着塔Dにリサイクルされるが、再生済み吸収剤は、吸収剤用管路1.05と、再生済み吸収剤がCO及びHSを取り込んだ吸収剤を加熱し、同時に、再生済み吸収剤自体は冷えることになる熱交換器1.04と、吸収剤用管路1.08、冷却装置1.09と、吸収剤用管路1.01とを経由して、吸収器A1に送り戻される。示したボイラーの代わりに、自然循環蒸発装置、強制循環蒸発装置又は強制循環フラッシュ蒸発装置等、エネルギー導入のための他の熱交換器方式を使用することもできる。これらの蒸発装置方式の場合、再生済み吸収剤と蒸気との混相ストリームを、脱着塔Dの底部に帰還させて、水蒸気と吸収剤との相分離を実施する。熱交換器1.04に向かう再生済み吸収剤は、脱着塔Dの底部から蒸発装置への循環ストリームから抜き出され、又は、脱着塔Dの底部から別個の管路を経由して熱交換器1.04に直接至るように誘導される。
脱着塔Dにおいて放出されたCO及びHSを含有する気体は、オフガス管路1.10を経由して脱着塔Dを退出する。CO及びHSを含有する気体は、相分離を統合した凝縮器1.11内に誘導され、同伴している吸収剤蒸気から分離される。このプラント及び本発明による方法の実施に適した他のすべてプラントにおいて、凝縮及び相分離は、互いに対して離れたところに存在してもよい。続いて、凝縮物が、吸収剤用管路1.12の中を通って脱着塔Dの上部領域に誘導され、CO及びHSを含有する気体が、気体用管路1.13を経由して排出される。
本発明を、下記の例によって詳細に説明する。
以下の略語を使用した。
AEPD:2−アミノ−2−エチルプロパン−1,3−ジオール
BDMAEE:ビス(2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル)エーテル
EG:エチレングリコール
MDEA:メチルジエタノールアミン
PMDETA:ペンタメチレンジエチレントリアミン
TBAEE:2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エタノール
TBAAEDA:2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジメチルアミン
TDG:チオジグリコール
TEG:トリエチレングリコール
実施例1:2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジメチルアミン(TBAEEDA)の調製
長さ0.9m、内径28mmの油加熱ガラス製反応器に石英ウールを充填した。反応器に200mLのV2Aメッシュリング(直径5mm)、その上に100mLの銅触媒(担体:アルミナ)及び最後に600mLのV2Aメッシュリング(直径5mm)を充填した。
続いて、触媒を以下のように活性化した:160℃で2時間の期間にわたり、H(5体積%)及びN(95体積%)からなる気体混合物を100L/hで触媒上に通過させた。その後、触媒を180℃の温度にさらに2時間維持した。続いて、200℃で1時間の期間にわたり、H(10体積%)及びN(90体積%)からなる気体混合物を触媒上に通過させ、次いで200℃で30分の期間にわたってH(30体積%)及びN(70体積%)からなる気体混合物を通過させ、最後に200℃で1時間の期間にわたり、Hを通過させた。
50g/hの、tert−ブチルアミン(TBA)と2−[ジメチルアミノ(エトキシ)]エタン−1−オール(DMAEE、CAS1704−62−7、Sigma−Aldrich)の混合物(TBA:DMAEE質量比=4:1)を、水素と共に200℃で触媒上に通過させた(40L/h)。反応生産物をジャケット付きコイル凝縮器を用いて凝縮させ、ガスクロマトグラフィー(カラム:Restekの30m Rtx−5アミン、内径:0.32mm、d:1.5μm、温度プログラム4℃/分のステップで60℃〜280℃)を用いて分析した。以下の分析値はGC面積パーセントで報告する。
GC分析は、使用されたDMAEEを基準として96%の転化率を示し、2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジメチルアミン(TBAEEDA)は73%の選択率で得られた。粗生成物を蒸留により精製した。標準圧力下で過剰のtert−ブチルアミンを除去した後、目標生成物を8mbarで>97%の純度で95℃のボトム温度及び84℃の蒸留温度で単離した。
実施例2:pK値及びpK値の温度依存性
様々なアミン化合物のpK値は、20℃又は120℃で濃度0.01mol/kgで、検討中の解離段階の半当量点のpHを塩酸(第1解離段階0.005mol/kg;第2解離段階:0.015mol/kg;第3解離段階:0.025mol/kg)を添加して測定することによって測定した。測定は、容器中の液体が窒素で覆われた恒温のジャケット付き閉塞容器を使用して行った。Hamilton Polylite Plus 120 pH電極を使用し、これをpH7及びpH12緩衝溶液で較正した。
第三級アミンMDEAのpKを比較のため報告する。結果を以下の表に示す。
Figure 2018531147
pKaの顕著な温度依存性の結果は、吸収工程において存在する比較的低い温度では、pKが高くなるほど、効率的な酸性ガス吸収が促進されるが、脱着工程において存在する比較的より高い温度では、pKが低くなるほど、吸収された酸性ガスの放出が支援されることである。吸収温度におけるアミンのpKと、脱着温度におけるアミンのpKとの差異が大きいと、再生エネルギーが比較的小さくなることが予想されている。
実施例3:取り込み容量、循環容量とHS:CO取り込み容量比
取り込み実験とその後ストリッピング実験を行った。
5℃で動作するガラス凝縮器を、恒温ジャケット付きのガラスシリンダーに取り付けた。これにより、吸収剤の部分蒸発による試験結果の歪みを防止した。ガラスシリンダーに、最初に約100mLの未取り込みの吸収剤(水中のアミン30質量%)を充填した。吸収容量を測定するために、周囲圧力及び40℃で、8L(STP)/hのCO又はHSをフリットを介して約4時間の期間にわたり吸収液に通過させた。続いて、CO又はHSの取り込みを以下のように測定した:
Sの測定は、硝酸銀溶液による滴定によって行った。この目的のために、分析するサンプルを約2質量%の酢酸ナトリウム及び約3質量%のアンモニアと一緒に水溶液中に秤量した。続いて、HS含有量を硝酸銀溶液による電位差変曲点滴定によって測定した。変曲点において、HSはAgSとして完全に結合する。CO含量は全無機炭素(TOC−Vシリーズ、島津製作所)として測定した。
同一の装置構成を80℃に加熱し、取り込み済み吸収剤を導入してNストリーム(8L(STP)/h)によりストリッピングすることによって、取り込んだ溶液をストリッピングした。60分後、サンプルを採取し、吸収剤のCO又はHS取り込みを上記のように測定した。
取り込み実験終了時の取り込みとストリッピング実験終了時の取り込みの差で、それぞれの循環容量が求められる。HS:CO取り込み容量比は、HS取り込みをCO取り込みで割った商として計算される。循環HS容量とHS:CO取り込み容量比の積を効率係数σと言う。
S:CO取り込み容量比は、予想されるHS選択性の指標となる。効率係数σは、HS:CO取り込み容量比及びHS容量を考慮して、流体ストリームからの選択的HS除去に対する適合性の観点から吸収剤を評価するために使用することができる。結果を表1に示す。
Figure 2018531147
表1の実施例から明らかなように、水性吸収剤は高い循環HS容量を有するが、より低い効率係数σを有する。本発明の非水性吸収剤(所与のアミン化合物についての)は、より高い効率係数σを示す。
実施例5:熱安定性
ハステロイシリンダー(10mL)に吸収剤(30質量%のアミン溶液、8mL)を最初に充填し、シリンダーを閉じた。シリンダーを160℃まで125時間で加熱した。溶液の酸性ガス取り込みは、COが20m(STP)/tsolventとHSが20m(STP)/tsolventであった。アミンの分解レベルは、実験前後にガスクロマトグラフィーで測定したアミン濃度から算出した。結果を次の表に示す。
Figure 2018531147
TBAEEDAがMDEAよりも高い熱安定性を有することは明らかである。
実施例6:粘度
様々な化合物の動粘度を、粘度計(Anton Paar Stabinger SVM3000粘度計)で測定した。
結果を以下の表に示す:
Figure 2018531147
さらに、様々な吸収剤(酸性ガス取り込みなし)の動粘度を同じ機器で測定した。
結果を次の表に示す。
Figure 2018531147
本発明の吸収剤の動粘度は、比較例の動粘度よりもずっと低いことが明らかである。

Claims (12)

  1. 二酸化炭素及び硫化水素を含む流体ストリームからの硫化水素の選択的除去のための、
    a)式(I)のアミン化合物
    Figure 2018531147
    (式中、XはO又はNRであり、Rは水素又はC〜C−アルキルであり、RはC〜C−アルキルであり、R、R及びRは独立して、水素及びC〜C−アルキルから選択され、R及びRは独立してC〜C−アルキルであり、RはC〜C−アルキルであり、x及びyは2〜4の整数であり、zは1〜3の整数であるが、ただし、Rが水素である場合には、Rは第二級又は第三級炭素原子を介して窒素原子に直接結合したC〜C−アルキルである。)、及び
    b)非水溶媒、
    を含む吸収剤であって、前記吸収剤は20質量%未満の水を含む、吸収剤。
  2. 前記アミン化合物が、式(II)
    Figure 2018531147
    (式中、R及びR10は独立してアルキルであり、R11は水素又はアルキルであり、R12、R13及びR14は独立して、水素及びC〜C−アルキルから選択され、R15及びR16は独立してC〜C−アルキルであり、x及びyは2〜4の整数であり、zは1〜3の整数である。)の化合物である、請求項1に記載の吸収剤。
  3. 前記アミン化合物が、2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジメチルアミン、2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジエチルアミン、2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジプロピルアミン、2−(2−イソプロピルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジメチルアミン、2−(2−イソプロピルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジエチルアミン、2−(2−イソプロピルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジプロピルアミン、2−(2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エトキシ)エチル−N,N−ジメチルアミン、2−(2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エトキシ)エチル−N,N−ジエチルアミン、2−(2−(2−tert−ブチルアミノエトキシ)エトキシ)エチル−N,N−ジプロピルアミン、及び2−(2−tert−アミルアミノエトキシ)エチル−N,N−ジメチルアミンから選択される、請求項2に記載の吸収剤。
  4. 前記アミン化合物が、式(III)
    Figure 2018531147
    (式中、R17及びR18は独立してC〜C−アルキルであり、R19、R20及びR22は独立して、水素及びC〜C−アルキルから選択され、R21はC〜C−アルキルであり、R23及びR24は独立してC〜C−アルキルであり、x及びyは2〜4の整数であり、zは1〜3の整数である。)の化合物である、請求項1に記載の吸収剤。
  5. 前記アミン化合物が、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタエチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、ペンタメチルジブチレントリアミン、ヘキサメチレントリエチレンテトラミン、ヘキサエチレントリエチレンテトラミン、ヘキサメチレントリプロピレンテトラミン及びヘキサエチレントリプロピレンテトラミンから選択される、請求項4に記載の吸収剤。
  6. 前記アミン化合物が、式(IV)
    Figure 2018531147
    (式中、R25及びR26は独立してC〜C−アルキルであり、R27、R28及びR29は独立して、水素及びC〜C−アルキルから選択され、R30及びR31は独立してC〜C−アルキルであり、x及びyは2〜4の整数であり、zは1〜3の整数である。)の化合物である、請求項1に記載の吸収剤。
  7. 前記アミン化合物が、ビス(2−(ジメチルアミノ)エチル)エーテル、ビス(2−(ジエチルアミノ)エチル)エーテル、ビス(2−(ジプロピルアミノ)エチル)エーテル、ビス(2−(ジメチルアミノ)プロピル)エーテル、ビス(2−(ジメチルアミノ)ブチル)エーテル、2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)エトキシ−N,N−ジメチルアミン、2−(2−(ジエチルアミノ)エトキシ)エトキシ−N,N−ジエチルアミン、2−(2−(ジメチルアミノ)プロポキシ)プロポキシ−N,N−ジメチルアミン及び2−(2−(ジエチルアミノ)プロポキシ)プロポキシ−N,N−ジエチルアミンから選択される、請求項6に記載の吸収剤。
  8. 前記非水溶媒が、C〜C10アルコール、ケトン、エステル、ラクトン、アミド、ラクタム、スルホン、スルホキシド、グリコール、ポリアルキレングリコール、ジ−又はモノ(C−アルキルエーテル)グリコール、ジ−又はモノ(C−アルキルエーテル)ポリアルキレングリコール、環状尿素、チオアルカノール及びそれらの混合物から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収剤。
  9. 前記非水溶媒が、スルホン、グリコール及びポリアルキレングリコールから選択される、請求項8に記載の吸収剤。
  10. 前記吸収剤が、前記一般式(I)の化合物以外の第三級アミン又は大きな立体障害のあるアミンを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収剤。
  11. 二酸化炭素及び硫化水素を含む流体ストリームから硫化水素を選択的に除去する方法であって、前記流体ストリームを請求項1〜10のいずれか一項に記載の吸収剤と接触させ、取り込み済み吸収剤及び処理済み流体ストリームを得る方法。
  12. 前記取り込み済み吸収剤を、加熱、減圧、及び不活性流体によるストリッピングのうち少なくとも1つの手段によって再生する、請求項11に記載の方法。
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