JP2018515724A - フラップ軸またはアクチュエータ軸を支持するニードル軸受ユニット、およびガス制御フラップアッセンブリ - Google Patents

Abstract

本発明は、外レース（２）と、外レース（２）内に配置されるニードルケージ（４）と、ニードルケージ（４）内で案内されるニードル形の転動体（５）と、を備える、フラップ軸またはアクチュエータ軸（８）を支持するニードル軸受ユニット（１）であって、外レース（２）は、缶形に形成されており、外レース（２）の第１の端部（２ａ）に缶底（３ａ）を有し、さらに、ニードルケージ（４）内に配置される内レース（２０）が存在し、内レース（２０）は、内レース（２０）の、缶底（３ａ）とは反対側の端部に、外レース（２）に向かう内レースつば（２０ｂ）を有し、かつ外レース（２）は、外レース（２）の第２の端部（２ｂ）に缶つば（３ｂ）を有し、缶つば（３ｂ）は、内レース（２０）を外レース（２）内に保持すべく内レースつば（２０ｂ）を囲繞することを特徴とする、フラップ軸またはアクチュエータ軸（８）を支持するニードル軸受ユニット（１）に関する。さらに本発明は、回転可能なフラップ軸（８）と、フラップ軸（８）に配置されるガス制御フラップ（９）と、少なくとも１つの本発明に係るニードル軸受ユニット（１）と、を備えるガス制御フラップアッセンブリ（１０）に関する。

Description

本発明は、外レースと、外レース内に配置されるニードルケージと、ニードルケージ内で案内されるニードル形の転動体と、を備える、フラップ軸またはアクチュエータ軸を支持するニードル軸受ユニットに関する。さらに本発明は、回転可能なフラップ軸と、フラップ軸に配置されるガス制御フラップと、を備えるガス制御フラップアッセンブリに関する。

フラップ軸またはアクチュエータ軸を支持する転がり軸受ユニット、特にニードル軸受ユニットが公知である。例えば、独国特許出願公開第１０２００６０５３７１６号明細書は、冒頭で述べた形態の転がり軸受ユニットを開示しており、この転がり軸受ユニットは、フラップ軸をガスフラップ制御アッセンブリに支持するために使用される。この転がり軸受ユニットでは、複数のシールリングが使用され、これらのシールリングは、外レース内に収容されており、フラップ軸の回転軸線に沿って流動する流体に対して密封作用を奏するように形成されている。この転がり軸受ユニットでは、スリーブ形の外レースの両端部にシールリングが設けられている。

この転がり軸受ユニットでは、転動体が直接フラップ軸上を転動する。このことは、摩耗が強まるという問題に至る。それゆえ、一般的には、研削され硬質クロムめっきが施された端部を有するフラップ軸が、ニードル軸受ユニットのための支持体として使用される。軸端部の準備は、手間がかかり高価である。

本発明の課題は、特に簡単かつ低コストに製造可能な、フラップ軸またはアクチュエータ軸を支持するニードル軸受ユニットを提供することである。さらに本発明の課題は、このようなニードル軸受ユニットを備えるガス制御フラップアッセンブリを提供することである。

上記課題は、外レースと、外レース内に配置されるニードルケージと、ニードルケージ内で案内されるニードル形の転動体と、を備える、フラップ軸またはアクチュエータ軸を支持するニードル軸受ユニットにおいて、外レースは、缶形に形成されており、外レースの第１の端部に缶底を有し、さらに、ニードルケージ内に配置される内レースが存在し、内レースは、内レースの、缶底とは反対側の端部に、外レースに向かう内レースつばを有し、かつ外レースは、外レースの第２の端部に缶つばを有し、缶つばは、内レースを外レース内に保持すべく内レースつばを囲繞することによって解決される。

これにより、ニードルケージと、外レースの第１の端部の缶底との間に設けられるシールリングは、省略することができる。これにより、本発明に係るニードル軸受ユニットは、外レースと、ニードルケージと、転動体と、内レースとから形成される。これらの個別部材からのニードル軸受ユニットの形成は、迅速かつ安価に実施可能である。

内レースつばと缶つばとの間に形成されるギャップは、好ましくは１ｍｍ未満、特に０．７ｍｍ未満のギャップ寸法を有する。その際、ギャップは、ギャップシールまたはラビリンスシールを形成し、ギャップシールまたはラビリンスシールは、シールリングの代わりとすることができる。

内レースが、深絞り加工され、硬化された内レースであると、有利である。特に鋼または特殊鋼、特にＸ５ ＣｒＮｉ１８１０が、内レースを形成するために使用される。代替的な実施の形態では、内レースは、切削加工により製造されていてもよいし、一部で非切削加工、一部で切削加工により形成されていてもよい。

好ましくは、内レースは、０．５〜３ｍｍの範囲の壁厚さを有する。これにより、内レースをフラップ軸またはアクチュエータ軸に圧入することは、問題なく可能である。

缶形の外レースも、好ましくは鋼または特殊鋼、特にＸ５ ＣｒＮｉ１８１０から形成されており、軟質のものまたは硬化された質のものが使用されてもよい。缶形の外レースが非切削加工、特に深絞り加工により製造されていると、有利である。外レースは、代替的な実施の形態では、切削加工により製造されていてもよいし、一部で非切削加工、一部で切削加工により形成されていてもよい。

ニードルケージは、好ましくはプラスチック、鋼またはステンレス鋼から形成されている。

ニードル軸受ユニットの好ましい一実施の形態では、さらに、ニードルケージと内レースつばとの間に配置された少なくとも１つのシールリングが存在する。このシールリングは、単数または複数のシールリップを有していてもよい。好ましくは、シールリングは、ニトリルゴム（ＮＢＲ）またはフッ素ゴム（ＦＰＭ）から形成される。

上記課題は、さらに、回転可能なフラップ軸と、フラップ軸に配置されるガス制御フラップと、を備えるガス制御フラップアッセンブリにおいて、フラップ軸は、少なくとも片側で本発明に係るニードル軸受ユニットにより支持されており、フラップ軸の一方の端部は、缶形の外レース内に導入され、内レースは、フラップ軸の端部に圧入により被嵌されて結合されていることによって解決される。これにより、フラップ軸の低コストかつ耐久性のある支持が達成される。一般的に実施されるフラップ軸の研削および硬質クロムめっきは、内レースが転動体のための転動面として用いられ、かつ軸方向の軸遊びを減じるので、行わずともよい。特に、硬化された内レースが使用されると、内レースの領域における摩耗が軽減される。

好ましくは、フラップ軸は、ガス制御フラップの一方の側で本発明に係るニードル軸受ユニットにより支持されており、ガス制御フラップの反対側で別のニードル軸受ユニットにより支持されており、この別のニードル軸受ユニットは、スリーブ形の別の外レースであって、この別の外レースの第１の端部および第２の端部に、フラップ軸に向かうそれぞれ１つのつばを有する外レースと、この別の外レース内に配置される別のニードルケージと、この別のニードルケージ内で案内されるニードル形の転動体と、少なくとも１つの別のシールリングと、を有し、上述の別のニードルケージは、一方では、上述の別の外レースの第１の端部のつばに隣接し、他方では、上述の別のニードルケージと、上述の別の外レースの第２の端部のつばとの間に、上述の少なくとも１つの別のシールリングが配置されている。

上述の別のニードル軸受ユニットの上述の別の外レースの第１の端部に設けられたつばは、好ましくは、フラップ軸の外径より最大で０．１〜１ｍｍ大きい内径を有することで、フラップ軸に対するギャップシールを形成する。これにより形成されるギャップシールは、十分に、上述の別の外レースの第１の端部に設けられるシールリングの代わりとなる。

好ましくは、上述の別のニードル軸受ユニットの上述の別の外レースの第１の端部は、ガス制御フラップに面して配置されている。これとは異なり、上述の別の外レースの第２の端部が、ガス制御フラップに面して配置されていてもよい。

本発明に係るニードル軸受ユニットおよび本発明に係るガスフラップ制御アッセンブリは、特に内燃機関の分野、特に自動車産業の内燃機関の分野で使用するのに好適である。

図１ないし５は、本発明に係るニードル軸受ユニットと、本発明に係るニードル軸受ユニットを備えて形成されるガスフラップ制御アッセンブリとを例示するものである。

ニードル軸受ユニットの断面図である。 ガスフラップ制御アッセンブリの断面図である。 １つのシールリングを備える第１の別のニードル軸受ユニットの断面図である。 ２つのシールリングを備える第２の別のニードル軸受ユニットの断面図である。 第３の別のニードル軸受ユニットの断面図である。

図１は、ニードル軸受ユニット１を断面図で示している。ニードル軸受ユニット１は、外レース２と、外レース２内に配置されるニードルケージ４と、ニードルケージ４内で案内されるニードル形の転動体５とを備える。外レース２は、缶形に形成されており、外レース２の第１の端部２ａに缶底３ａを有する。さらに、ニードルケージ４内に配置される内レース２０が存在し、内レース２０は、内レース２０の、缶底３ａとは反対側の端部に、外レース２に向かう内レースつば２０ｂを有する。外レース２は、外レース２の第２の端部２ｂに缶つば３ｂを有し、缶つば３ｂは、内レース２０を外レース２内に保持すべく内レースつば２０ｂを囲繞している。内レース２０は、本実施の形態では、深絞り加工され、硬化された内レース２０である。

図２は、ガス案内管路１７を有するガスフラップ制御アッセンブリ１０を断面図で示している。図１に付したものと同じ符号は、同じ要素を指している。フラップ軸８は、ガス案内管路１７の領域で、図１に示したニードル軸受ユニット１と、さらに、図３に示す別のニードル軸受ユニット１１とを介して回転可能に支持されている（双方向矢印参照）。フラップ軸８には、ガス制御フラップ９が配置されており、ガス制御フラップ９は、フラップ軸８とともに、ガス１８を案内するガス案内管路１７内で連動する。フラップ軸８の一方の端部は、ニードル軸受ユニット１の缶形の外レース２内に導入されており、内レース２０は、フラップ軸８の端部に圧入により被嵌されて結合されている（図１も参照）。フラップ軸８方向で流動するガス１８の部分に対するシールリング６の遮断方向は、矢印（図１参照）で示した。

内レース２０は、内レース２０の、ガス制御フラップ９に面した側に、フラップ軸８から離れる方向に向かう内レースつば２０ｂを有する。缶形の外レース２は、外レース２の、ガス制御フラップ９に面した側に、フラップ軸８に向かう缶つば３ｂを有する。内レース２０を缶形の外レース２内に保持すべく、缶つば３ｂは、内レースつば２０ｂを囲繞しており、０．７ｍｍ未満のギャップ寸法を有するギャップＳが形成されている。ギャップＳは、ギャップシールまたはラビリンスシールを形成する。この点において、ニードル軸受ユニット１の代替的な形態では、シールリング６は、この場合省略してもよい。

図３は、フラップ軸８を支持する別のニードル軸受ユニット１１を断面図で示しており、この別のニードル軸受ユニット１１は、スリーブ形の別の外レース１２と、この別の外レース１２内に配置される別のニードルケージ１４と、この別のニードルケージ１４内で案内される別のニードル形の転動体１５と、別のシールリング１６とを備える。スリーブ形の別の外レース１２は、この別の外レース１２の第１の端部１２ａおよび第２の端部１２ｂにそれぞれ１つのつば１３ａ，１３ｂを有する。ニードルケージ１４は、一方では、この別の外レース１２の第１の端部１２ａのつば１３ａに隣接する。他方、この別のニードルケージ１４と、上述の別の外レース１２の第２の端部１２ｂのつば１３ｂとの間には、上述の別のシールリング１６が配置されている。フラップ軸８方向で流動する流体に対する上述の別のシールリング１６の遮断方向を、矢印で示した。上述の別の外レース１２の第１の端部１２ａに設けられたつば１３ａは、フラップ軸８の外径Ｄより最大で０．１〜１ｍｍ大きい内径ｄを有することで、ガス制御フラップアッセンブリ１０（図２参照）のフラップ軸８に対するギャップシールを形成する。

図４は、２つの別のシールリング１６ａ，１６ｂを備える第２の別のニードル軸受ユニット１１’を断面図で示している。図３に付したものと同じ符号は、同じ要素を指している。フラップ軸８方向で流動する流体に対する上述の別のシールリング１６ａ，１６ｂの遮断方向を、矢印で示した。

図５は、シールリング６を備える第３の別のニードル軸受ユニット１１’’を断面図で示している。図１に付したものと同じ符号は、同じ要素を指している。フラップ軸またはアクチュエータ軸（図５には図示せず）方向で流動する流体に対する上述の別のシールリング６の遮断方向を、矢印で示した。別の外レース１２の第１の端部１２ａに設けられたつば１３ａは、Ｕ字断面の形状で形成されており、別のニードルケージ１４により形成される中空室７内に入り込む。これにより、つば１３ａは、上述の別のニードルケージ１４を上述の別の外レース１２内に保持する。

最低限のシールリング６，１６で済む、特に簡単かつ低コストに製造可能なガスフラップ制御アッセンブリ１０が得られる。

なお、図１ないし５は、本発明に係るニードル軸受ユニットあるいはガスフラップ制御アッセンブリの実施例を示したにすぎない。例えばガスフラップ制御アッセンブリのフラップ軸は、２つの本発明に係るニードル軸受ユニットにより支持されていてもよい。

１ ニードル軸受ユニット
２ 缶形の外レース
２ａ 缶形の外レースの第１の端部
２ｂ 缶形の外レースの第２の端部
３ａ 缶底
３ｂ 缶つば
４ ニードルケージ
５ 転動体
６ シールリング
７ 中空室
８ フラップ軸
９ ガス制御フラップ
１０ ガス制御フラップアッセンブリ
１１，１１’，１１’’ 別のニードル軸受ユニット
１２ スリーブ形の別の外レース
１２ａ 別の外レースの第１の端部
１２ｂ 別の外レースの第２の端部
１３ａ，１３ｂ つば
１４ 別のニードルケージ
１５ 別の転動体
１６，１６ａ，１６ｂ 別のシールリング
１７ ガス案内管路
１８ ガス
２０ 内レース
２０ｂ 内レースつば
Ｄ フラップ軸の外径
ｄ つば１３ａにおける内径
Ｓ ギャップ

Claims (10)

1. 外レース（２）と、
   前記外レース（２）内に配置されるニードルケージ（４）と、
   前記ニードルケージ（４）内で案内されるニードル形の転動体（５）と、
   を備える、フラップ軸またはアクチュエータ軸（８）を支持するニードル軸受ユニット（１）であって、
   前記外レース（２）は、缶形に形成されており、前記外レース（２）の第１の端部（２ａ）に缶底（３ａ）を有し、
   さらに、前記ニードルケージ（４）内に配置される内レース（２０）が存在し、前記内レース（２０）は、前記内レース（２０）の、前記缶底（３ａ）とは反対側の端部に、前記外レース（２）に向かう内レースつば（２０ｂ）を有し、かつ
   前記外レース（２）は、前記外レース（２）の第２の端部（２ｂ）に缶つば（３ｂ）を有し、前記缶つば（３ｂ）は、前記内レース（２０）を前記外レース（２）内に保持すべく前記内レースつば（２０ｂ）を囲繞する
   ことを特徴とする、フラップ軸またはアクチュエータ軸を支持するニードル軸受ユニット。
2. 前記内レース（２０）は、深絞り加工され、硬化された内レース（２０）であることを特徴とする、請求項１記載のニードル軸受ユニット。
3. 前記内レース（２０）は、０．５〜３ｍｍの範囲の壁厚さを有することを特徴とする、請求項１または２記載のニードル軸受ユニット。
4. 前記内レースつば（２０ｂ）と前記缶つば（３ｂ）との間に形成されるギャップが、１ｍｍ未満、特に０．７ｍｍ未満のギャップ寸法を有することを特徴とする、請求項１から３までのいずれか１項記載のニードル軸受ユニット。
5. さらに、前記ニードルケージ（４）と前記内レースつば（２０ｂ）との間に配置された少なくとも１つのシールリング（６）が存在することを特徴とする、請求項１から４までのいずれか１項記載のニードル軸受ユニット。
6. 回転可能なフラップ軸（８）と、
   前記フラップ軸（８）に配置されるガス制御フラップ（９）と、
   を備えるガス制御フラップアッセンブリ（１０）であって、
   前記フラップ軸（８）は、少なくとも片側で請求項１から５までのいずれか１項記載のニードル軸受ユニット（１）により支持されており、前記フラップ軸（８）の一方の端部は、缶形の前記外レース（２）内に導入され、前記内レース（２０）は、前記フラップ軸（８）の前記端部に圧入により被嵌されて結合されていることを特徴とするガス制御フラップアッセンブリ。
7. 前記フラップ軸（８）は、前記ガス制御フラップ（９）の一方の側で前記ニードル軸受ユニット（１）により支持されており、前記ガス制御フラップの反対側で別のニードル軸受ユニット（１１，１１’，１１’’）により支持されており、前記別のニードル軸受ユニット（１１，１１’，１１’’）は、スリーブ形の別の外レース（１２）であって、前記別の外レース（１２）の第１の端部（１２ａ）および第２の端部（１２ｂ）に、前記フラップ軸（８）に向かうそれぞれ１つのつば（１３ａ，１３ｂ）を有する外レース（１２）と、前記別の外レース（１２）内に配置される別のニードルケージ（１４）と、前記別のニードルケージ（１４）内で案内されるニードル形の転動体（１５）と、少なくとも１つの別のシールリング（１６）と、を有し、前記別のニードルケージ（１４）は、一方では、前記別の外レース（１２）の前記第１の端部（１２ａ）の前記つば（１３ａ）に隣接し、他方では、前記別のニードルケージ（１４）と、前記別の外レース（１２）の前記第２の端部（１２ｂ）の前記つば（３ｂ）との間に、前記少なくとも１つの別のシールリング（１６）が配置されていることを特徴とする、請求項６記載のガス制御フラップアッセンブリ。
8. 前記別のニードル軸受ユニット（１１，１１’，１１’’）の前記別の外レース（１２）の前記第１の端部（１２ａ）に設けられた前記つば（１３ａ）は、前記フラップ軸（８）の外径（Ｄ）より最大で０．１〜１ｍｍ大きい内径（ｄ）を有することで、前記フラップ軸（８）に対するギャップシールを形成することを特徴とする、請求項７記載のガス制御フラップアッセンブリ。
9. 前記別の外レース（１２）の前記第１の端部（１２ａ）は、前記ガス制御フラップ（９）に面して配置されていることを特徴とする、請求項７または８記載のガス制御フラップアッセンブリ。
10. 前記別の外レース（１２）の前記第２の端部（１２ｂ）は、前記ガス制御フラップ（９）に面して配置されていることを特徴とする、請求項７または８記載のガス制御フラップアッセンブリ。

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