概して、多数の異なるヌクレオチド領域を増幅する場合に非特異的増幅産物(例えば、プライマーダイマー)を減少させることにより標的特異的増幅産物を増幅する又はその増幅を改善する為に使用され得る方法、組成物、システム、及びキットが本明細書中で記載される。これらの方法、組成物、システム、及びキットは、典型的には、異常なDNA構造を認識しそれに結合する、及び/若しくは異常なDNA構造を切断する1種以上のリゾルバーゼを含む、又は1種類以上のリゾルバーゼの使用を含む。
例えば、本明細書中で提供される方法は、マルチプレックス増幅(例えば、PCR)プロトコール又は複数のDNAプライマー若しくはオリゴヌクレオチドを含む任意の他の方法の改良に使用され得る。より詳細には、本明細書中で提供される方法は、マルチプレックスPCRプロトコール又は複数のDNAプライマー若しくはオリゴヌクレオチドを含む任意の他の方法において非特異的増幅産物を減少させる為に使用され得る。本明細書中で開示される方法は、非特異的増幅産物が除去され、標的DNAアンプリコンが保存されるようにマルチプレックスPCR反応を実行する為の最適化されたプロトコールを提供する。全体として、上記方法は、改良された核酸ライブラリーの調製方法に関し得る。
1つの態様では、増幅反応による非特異的増幅産物を減少させる為の方法が提供される。上記方法は、少なくとも1つの標的核酸を含む核酸試料を提供する工程を含み得る。核酸はRNA又はDNAであり得る。DNAは、ゲノムDNA又はcDNA又はそれらの任意の組み合わせであり得る。DNAは一本鎖又は二本鎖であり得る。DNAは、真核生物細胞、古細菌細胞、細菌細胞、マイコバクテリア細胞、バクテリオファージ、DNAウイルス、若しくはRNAウイルスに由来し得るか、又はRNAから変換され得る。いくつかの場合では、DNAは哺乳動物に由来し得る。いくつかの場合では、DNAはヒトに由来し得る。DNAは未修飾(例えば、メチル化、グリコシル化等)の状態であり得、又は修飾された状態でもあり得る。核酸は増幅反応において使用され得る。増幅反応で使用される核酸は、少なくとも1つの標的核酸配列を含み得る。標的核酸配列とは、核酸の混合物の中で、(例えば標的特異的プライマーを用いて)標的化され、富化される核酸配列を総称的に指す。増幅反応は、複数のDNAプライマー又はオリゴヌクレオチドをそれらの対応している標的に対してハイブリダイズさせる工程を伴う、任意の方法であり得る。増幅はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であり得る。ある例では、増幅反応はマルチプレックスPCRである。他の例では、増幅反応は、2以上の対のオリゴヌクレオチドを用いるライゲーションエクステンション(ligation extension)、ネストマルチプレックスPCR(nested multiplex PCR)、全ゲノム増幅、全エキソン増幅又は等温増幅反応等による増幅であり得る。一例として、マルチプレックスPCRは、複数のアンプリコンを生じるように、1つの容器(即ち、チューブ、ウェル、バイアル等)の中での複数の標的核酸の同時増幅を提供する。マルチプレックスPCRは一般に、複数の標的核酸を選択的に富化できる複数の標的特異的プライマー対の使用を伴う。複数の標的特異的プライマー対は、10未満〜100,000超のプライマー対であり得る。ある場合では、複数の標的特異的プライマー対は、少なくとも10対の標的特異的プライマー対を含む。別の場合では、複数の標的特異的プライマー対は、約10〜約100のプライマー対を含む。別の場合では、複数の標的特異的プライマー対は、約100〜約1,000のプライマー対を含む。更に別の場合では、複数の標的特異的プライマー対は、約1,000〜約100,000のプライマー対を含む。更なる場合では、複数の標的特異的プライマー対は100,000超のプライマー対を含む。
プライマーは、未修飾の塩基及び/若しくはホスホジエステル結合、又は修飾された塩基及び/若しくはホスホジエステル結合、保護されていない5’末端若しくは保護された5’末端、5’リン酸化末端又は5’非リン酸化末端を含み得る。プライマー対は、アンプリコンの長さが100塩基対未満から1000塩基対を上回るまでになり得るように設計され得る。本開示において想定されるマルチプレックスPCR反応は、PCR反応において一般的に使用される熱安定性DNAポリメラーゼにより行われ得る。熱安定性DNAポリメラーゼは野生型であり得、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性、若しくは3’−5’エキソヌクレアーゼ活性及び5’−3’エキソヌクレアーゼ活性の両方を有し得るか、又はより高い忠実度の為の熱安定性ポリメラーゼの混合物であり得るか、又は長いアンプリコンを合成できるか、又はより速い合成速度を有する。適切な熱安定性DNAポリメラーゼの一例は、Taq DNAポリメラーゼであり得る。PCRについての熱プロフィール(温度及び時間)が最適化され得、プライマー濃度もまた、最高の性能に達するように最適化され得る。最後に、アンプリコンの最適な増幅を促し得る任意の添加物が使用され得る。これらの添加物として、ジメチルスルホキシド、ベタイン、ホルムアミド、Triton X−100、Tween 20、Nonidet P−40、4−メチルモルホリンN−オキサイド、塩化テトラメチルアンモニウム、7−デアザ−2’−デオキシグアノシン、L−プロリン、ウシ血清アルブミン、トレハロース、及びT4遺伝子の32タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に記載の方法は、標的特異的プライマーを使用して標的核酸を増幅する工程を含み得る。ここでは、増幅工程により複数の標的特異的増幅産物及び複数の非特異的増幅産物が生じる。マルチプレックスPCR反応は、複数の標的特異的増幅産物及び複数の非特異的増幅産物を含む複数の増幅産物を生じ得る。いくつかの場合では、複数の標的特異的増幅産物が、増幅反応における最も豊富な増幅産物であり得(即ち、増幅反応産物の50%超)、他の場合では、複数の非特異的増幅産物が、増幅反応における最も豊富な増幅産物であり得る。いくつかの場合では、非特異的増幅産物が減少した増幅反応を生じるように(即ち、標的特異的増幅産物が増幅反応における最も豊富な増幅産物となるように)、非特異的増幅産物を除去する又は減少させることが望まれ得る。
非特異的増幅産物は、多くの場合、増幅反応中の標的特異的増幅産物を分析する能力を妨げる可能性がある、マルチプレックスPCR反応の望ましくない副産物である。非特異的増幅産物の形成は、マルチプレックスPCR反応において利用されるプライマー対の数に依存し得る。増幅反応における非特異的増幅産物の形成は、以下を含む多数の要因に依存し得る複雑なプロセスであり得る:使用されるプライマー対の数、反応の温度、反応における塩濃度、プライマーの長さ、プライマーのGC含有量、二次構造の形成、及びプライマー−プライマー結合とプライマー−鋳型結合との間での競合。マルチプレックスPCRの早期サイクルでは、非特異的増幅産物は、プライマー間での部分的なアニーリング、若しくはプライマー−鋳型DNA間での部分的なアニーリングにより、又はプライマー及び/若しくはプライマーと鋳型DNAとの有意な塩基対合を伴わない凝集により、最初に形成される。マルチプレックスPCRのこれらの早期段階では、これらの非特異的増幅産物は、それらの構造の一部として、完全にはマッチしていないDNAの領域を含有し得る(即ち、部分的にアニーリングした部分は、完全にはマッチしていないDNA構造を含有し、新しく合成された部分は、完全にマッチした二本鎖DNAである)。マルチプレックスPCRのより後期のサイクルでは、これらの完全にはマッチしていない領域が、完全にマッチした二本鎖DNAとなる(即ち、非特異的増幅産物の全体構造は完全に塩基対合した二本鎖DNAとなる)。
驚くべきことに、本発明者らは、限られた数のPCRサイクル(即ち、8〜28サイクル)内で、異常なDNA構造の切断を支援する条件下でマルチプレックスPCR産物をT4エンドヌクレアーゼVIIで処理することにより、非特異的増幅産物を減少させることができることを決定した。T4エンドヌクレアーゼVII及びT7エンドヌクレアーゼI等は、広範囲に及ぶ基質を有する酵素の群に属する。T4エンドヌクレアーゼVII及びT7エンドヌクレアーゼIが、完全にマッチした二本鎖DNAとは異なる様々な異常なDNA構造を認識し、異常なDNA構造の開始部位から1〜10塩基以内でDNAの一方又は両方のストランドを切断することが、一連の刊行物において報告されている。これらの異常なDNA構造としては、分岐したDNA、Y構造、十字部、ヘテロデュブレックスループ、かさ高い付加物、一本鎖突出、ミスマッチ、ホリデー構造又はジャンクション、及び他の種の完全にはマッチしていないDNAが挙げられる。これらは更に、一本鎖DNAフラグメントの3以上のストランドを含有する構造を含み得る。これらは、有意な塩基対合を持たないプライマー又はプライマー−鋳型DNAの凝集体であり得る。驚くべきことに、マルチプレックスPCRの最初の8〜28サイクルで形成される非特異的増幅産物は、T4エンドヌクレアーゼVIIと類似する活性を持つ酵素により切断され得る、様々な異常な二本鎖及び一本鎖DNA構造を含む。マルチプレックスPCRの最初の8〜28サイクルで生じる非特異的増幅産物をT4エンドヌクレアーゼVIIでの切断により除去することができる方法、組成物、システム、及びキットが本明細書に記載される。これらの発見は本開示の方法についての特別な用途である。
本明細書に記載の方法は、増幅反応を、非特異的増幅産物を切断する為の酵素と接触させることにより、複数の切断された非特異的増幅産物を生じさせる工程を更に含み得る。本明細書中で使用される場合は、用語「接触工程、接触させること(contacting)」は、本明細書に記載されるように、そのような酵素を既存の混合物に導入することと同等である。本開示の方法は、異常なDNA構造を認識して切断し得る様々な酵素を使用できる。いくつかの場合は、本明細書中で開示される方法を実行する為に有用な酵素は異常DNA構造特異的酵素である。用語「異常DNA構造特異的酵素」は、異常なDNA構造に結合し、切断する酵素を指すものとして本明細書中で使用される。複数形は、異常なDNA構造に結合し、切断する複数の酵素をいうように本明細書中で使用されるであろう。異常DNA構造特異的酵素は一般的には、不完全にマッチした(即ち、非相補的な)塩基の少なくとも2つの対のストレッチにおいて、異常な二本鎖DNA構造の近傍で又は異常な二本鎖DNA構造の中でいずれかのストランド(即ち、センス又はアンチセンス)上に少なくとも1つの断裂又は切断事象を起こす少なくとも1つの活性を有するが、これに限定されない。これらの異常DNA構造特異的酵素は、異常なDNA構造の切断に限定されない複数の酵素活性を有し得る。異常DNA構造特異的酵素は、DNA骨格のホスホジエステル結合を切断し、二本鎖DNAの一本鎖の中に断裂又はニックを生じさせることができる。本明細書中で開示される異常DNA構造特異的酵素は、ホリデー構造又はジャンクション、分岐したDNA、Y構造、十字部、ヘテロデュブレックスループ、かさ高い付加物、一本鎖突出、ミスマッチ、及び他の種の完全にはマッチしていないDNAを含むがこれらに限定されない、様々な異常なDNA構造を認識できる。これらは更に、一本鎖DNAフラグメントの3以上のストランドを含む構造を含み得る。これらは、有意な塩基対合を持たないプライマー又はプライマー−鋳型DNAの凝集体であり得る。いくつかの場合では、異常DNA構造特異的酵素は、特定のタイプの異常なDNA構造を認識できる。他の場合は、異常DNA構造特異的酵素は、2以上のタイプの異常なDNA構造を認識できる。本明細書中で提供される方法は、複数の標的特異的増幅産物及び複数の非特異的増幅産物を含む増幅反応において生じた異常なDNA構造を認識して切断できる異常DNA構造特異的酵素を組み合わせることができる。いくつかの場合では、異常DNA構造特異的酵素は、非特異的増幅産物を選択的に切断できる。いくつかの場合では、異常DNA構造特異的酵素は、非特異的増幅産物及び標的特異的増幅産物の両方を切断できる。いくつかの例では、異常DNA構造特異的酵素は、標的特異的増幅産物の量を減少させることなく、増幅反応中の非特異的増幅産物の量を減少させることができる。他の例では、非特異的増幅産物及び標的特異的増幅産物の両方を減少させることができる。いくつかの場合は、増幅反応は、非特異的増幅産物を実質的に含まないものであり得る。非特異的増幅産物を実質的に含まないことは、増殖反応中の非特異的増幅産物の量が、50%を上回って、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%まで減少したことを意味し得る。
本明細書中で提供される方法において異常なDNA構造を切断する為に利用できる、異常DNA構造特異的酵素の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ファージT7由来のバクテリオファージホリデージャンクションリゾルバーゼT7エンドヌクレアーゼI、又はファージT3、YeO3−12由来のそのホモログ;ファージT4由来のT4エンドヌクレアーゼVII、又はファージYeO3−12、L5、D29由来のそのホモログ;ラムダファージ由来のRap、ポックスウイルス由来のA22、又はファージP22、H−19B、933W、21、PS34、VT2−Sa、D3由来のそれらのホモログ;ファージbIL66/67/70由来のRuvC様エンドヌクレアーゼ、又はファージsk1、c2、vML3、712由来のそのホモログ;r1t由来のRusA、ファージSPP1由来のG44P、又はファージTuc、ul36、g1e、82、HK122/97、PVL、TM4、A118由来のそれらのホモログ;flapエンドヌクレアーゼ(FEN)、又は細菌、古細菌、及び真核生物細胞由来のそのホモログ;エンドヌクレアーゼV、又は大腸菌(E. coli)エンドヌクレアーゼV、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)エンドヌクレアーゼVを含む、細菌、古細菌、及び真核生物細胞由来のそのホモログ;RuvC、RecU、Hjc、Hje、Hjr、CCE1、YDC2、XPGクラス:GEN1/Yen1、UvrCクラス:Slx1−Slx4、ERCC4クラス:Xpf(Xpf−Ercc1)、Mus81(MUS81−EME1/Mms4)を含む、細菌、古細菌、及び真核生物由来の構造特異的エンドヌクレアーゼ;細菌由来のミスマッチ修復酵素MutHLS;真菌及び植物由来の一本鎖特異的ヌクレアーゼ。これらは、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)由来のS1ヌクレアーゼ、ペニシリウム−シトリヌ(Penicillium citrinum)由来のP1ヌクレアーゼ、マングビーンヌクレアーゼ、又はCELヌクレアーゼファミリー(CEL I及びSP1)を含む。本明細書中で提供される方法において異常なDNA構造に結合するが、これを切断しないように利用され得る酵素の例としては、細菌由来のMutS又はヒトエンドヌクレアーゼVが挙げられるが、これらに限定されない。具体的な例では、異常DNA構造特異的酵素は、T7エンドヌクレアーゼI又はT4エンドヌクレアーゼVIIであり得る。本明細書に記載の開示の方法を実行できる、原則として任意の異常DNA構造特異的酵素又はその突然変異体が想定されることが理解されるものとする。より詳細には、異常なDNA構造を切断する又はそれに結合できる任意の異常DNA構造特異的酵素又はその突然変異体を使用できる。
開示の他の方法では、非特異的増幅産物を、異常なDNA構造の切断を伴わずに増幅反応から除去することができる。この場合、複数の標的特異的増幅産物及び非特異的増幅産物を含む増幅反応を、DNAミスマッチ結合タンパク質と接触させることができる。このタイプのタンパク質は、DNAミスマッチ修復経路(DNA合成又は組換えの際にDNAミスマッチを認識し修復する為のシステム)に関与する酵素であり得る。これらの例では、DNAミスマッチ結合タンパク質は、核酸試料中の、対合していない塩基のストレッチを含むDNA塩基対ミスマッチ(即ち、非相補的な塩基の対合)に選択的に結合できる。これらの例では、非特異的増幅産物はDNAミスマッチ結合タンパク質に選択的に結合でき、一方、標的特異的増幅産物はDNAミスマッチ結合タンパク質には結合しないであろう。本明細書に記載の方法において有用なDNAミスマッチ結合タンパク質は、核酸試料中の少なくとも1つのDNAミスマッチを認識して結合し得る任意のDNAミスマッチ結合タンパク質であり得る。1つの特別な例では、DNAミスマッチ結合タンパク質はMutSであり得る。MutSは細菌(いくつかの場合では、大腸菌(E. coli)又はサーマス・アクアチカス(T. aquaticus))に由来し得る。いくつかの場合では、DNAミスマッチ結合タンパク質は固体支持体上に固定化され得る。この例では、非特異的増幅産物は固体支持体上に吸着され、増幅反応から除去され得る。特別な例が開示されているが、原則として、非特異的増幅産物を選択的に結合できるあらゆる物質を使用できる。
いくつかの場合では、上記方法は、増幅反応から切断された非特異的増幅産物を除去する工程を含み得る。他の場合では、切断された非特異的増幅産物は除去されない。切断された非特異的産物は、エキソヌクレアーゼにより小さいオリゴヌクレオチド及びヌクレオチドに更に消化され得る。これらは、二本鎖DNA特異的エキソヌクレアーゼ及び一本鎖DNA特異的エキソヌクレアーゼを含む。いくつかの場合では、エキソヌクレアーゼは、ラムダエキソヌクレアーゼ、大腸菌(E. coli)エキソヌクレアーゼI、又は2つの組み合わせであり得る。この例では、エキソヌクレアーゼでの消化により標的特異的増幅産物の末端を保護することが所望される場合がある。この場合は、エキソヌクレアーゼは非特異的増幅産物を消化し、標的特異的増幅産物は消化しない。1つの例では、標的特異的増幅産物を消化から保護する工程は、標的特異的増幅産物の末端へのアダプターの連結を含み得る。これらのアダプターは、センスストランドの3’末端に複数の連続するホスホロチオエートを有し得る。ホスホロチオエートは、ヌクレアーゼによる切断に耐える正常なDNAの変異体である。いくつかの場合では、アダプターは、センスストランドの3’末端に3個、4個、5個、6個、又は7個以上の連続するホスホロチオエートを含み得る。1つの例では、アダプターは、以下により詳細に記載されるように、次世代シーケンシング用のライブラリーを作製する為に使用されるアダプターであり得る。アダプターは更に、バーコード又はタグを含み得る。アダプターが連結された標的DNAフラグメントは、PCRにより更に増幅され得る。いくつかの場合では、アダプターはセンスストランドの5’末端でリン酸化される。いくつかの場合では、アダプターのアンチセンスストランドの3’末端は、チミジン(T)突出を有し得る。この例では、アダプターのT突出は、末端修復されたA末端標的特異的増幅産物に連結され得る。
いくつかの場合では、本明細書中で記載される増幅産物は、次世代シーケンシング用のライブラリーを調製する為に使用され得る。次世代シーケンシングの用途に有用なアダプターを、上記のように、標的特異的増幅産物の末端に連結させることができる。いくつかの場合では、アダプターは、センスストランドの3’末端に複数の連続するホスホロチオエートを有し得る。いくつかの場合では、アダプターは、センスストランドの3’末端に3個、4個、5個、6個、又は7個以上の連続するホスホロチオエートを含み得る。アダプターは、次世代シーケンシングプラットフォーム上で有用なシーケンシングアダプター(例えば、イルミナ・トゥルーシーク・アダプター(Illumina TruSeq adapter))であり得る。例えば、本発明の方法は、米国特許第5,750,341号(メルセビッツ(Macevicz)著);同第6,306,597号(メルセビッツ(Macevicz)著);及び同第5,969,119号(メルセビッツ(Macevicz)著)に記載されているような、イルミナ株式会社(Illumina)により市販されている方法による次世代シーケンシングに有用である。
別の場合では、本開示は、次世代シーケンシング用のアダプターが連結されたライブラリーを調製する為のキットを提供する。この例では、キットは、マルチプレックスPCR反応を実行する為、及び非特異的増幅産物を減少させる為の上記で開示された任意の試薬、並びに、ライブラリーの調製の為の更なる試薬を含み得る。ライブラリーの調製用の更なる試薬は、末端修復に適している酵素及び緩衝液(例えば、クレノウポリメラーゼ(Klenow polymerase)及び/又はT4 DNAポリメラーゼ)、増幅末端の5’末端のリン酸化に適している酵素及び緩衝液(例えば、T4ポリヌクレオチドキナーゼ)、Aテーリング(A-tailing)に適している酵素及び緩衝液(例えば、Taq DNAポリメラーゼ)、連結反応を実行する為に適しているアダプター、DNAリガーゼ、及び緩衝液、エキソヌクレアーゼ(例えば、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼI)、並びに、アダプターが連結された核酸を増幅する為のPCRプライマーを含み得るが、これらに限定されない。アダプターは、複数のホスホロチオエートを含むアダプター、及び/又は次世代シーケンシング.に適しているアダプターを含む、本明細書中で開示される任意のアダプター又はそれらの組み合わせであり得る。DNAリガーゼは、T4 DNAリガーゼと、9°N(商標)DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、Tth DNAリガーゼ、Tfi DNAリガーゼ、及びアンプリガーゼ(Ampligase)(登録商標)からなる群より選択される少なくとも1つの更なるリガーゼとを含み得る。アダプターが連結された核酸の増幅に使用されるPCRプライマーは、アダプター配列の少なくとも一部にアニーリングする配列を含み得る。
別の場合では、本開示は、マルチプレックスPCR反応、及び非特異的増幅産物を減少させる為の代替的な方法を実行する為のキットを提供する。この例では、キットは、マルチプレックスPCR反応での使用に適している試薬(例えば、限定ではないが、緩衝液、dNTP、及びDNAポリメラーゼ(例えば、Taq DNAポリメラーゼ)を含み得る。マルチプレックスPCR反応で使用される複数のプライマー対は別々に販売されているものであってよい。いくつかの場合では、プライマー対は注文品である。いくつかの場合では、プライマー対は注文者により選択される。いくつかの場合では、プライマー対は標的特異的プライマー対である。他の場合では、プライマー対はランダムプライマー対であり得る。プライマー対は、10〜100,000超のプライマー対を含み得る。キットは更に、DNAミスマッチ結合タンパク質(例えば、MutS)を含み得る。いくつかの場合では、表面にMutSが結合させられた固体支持体がキットの中に提供され得る。他の場合では、MutS及び固体支持体は、固体支持体にMutSを結合させる為に適している試薬とは別に提供され得る。キットは更に、本開示の方法を実行する為に適している任意の適切な洗浄緩衝液、溶離緩衝液等を含み得る。
本開示の特定の態様及び図がここで詳細に参照されるであろう。そのような態様は例として提供されるにすぎない。おびただしい数のバリエーション、変更、及び置き換えが、本開示から逸脱することなくここで当業者には思い浮かぶであろう。
図1では、マルチプレックスPCRが、鋳型DNA、プライマー、dNTP、及び熱安定性DNAポリメラーゼを用いて行われる。プライマーの対の数は、1つのチューブ又はウェルの中の1つの反応において、10未満〜100,000超の任意の数であり得る。PCR産物は、標的DNAフラグメント(即ち、アンプリコン)及び異常なDNA構造を含有する様々な非特異的産物を含む。上記産物は、異常なDNA構造の近傍で二本鎖を切断し、一方、標的DNAフラグメントは完全なまま残すT4エンドヌクレアーゼVIIと接触させられる。標的DNAフラグメントは、切断された非特異的産物を除去する為の更なる精製を用いて又はそれを伴わずに得られ、様々な下流での用途に使用される。大腸菌(E. coli)エキソヌクレアーゼIが、一本鎖DNAを小さいオリゴヌクレオチド及びヌクレオチドに分解する為に、マルチプレックスPCR後にT4エンドヌクレアーゼVIIと共に使用され得る。標的DNAフラグメントは、ニックトランスレーションにより蛍光又は放射性同位体で標識され、マイクロアレイ、ハイブリダイゼーション、又は検出及び診断の為の他の技術で分析され得る。更に、標的DNAフラグメント中のニックは、以下の酵素の任意の1つで埋めることができる:9°N(商標)DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、Tth DNAリガーゼ、Tfi DNAリガーゼ、アンプリガーゼ(Ampligase)(登録商標)等。ネストプライマーがマルチプレックスPCRにおいて使用される限りは、ニックの充填後、DNAフラグメントをPCRによって更に増幅できる。
図1では、マルチプレックスPCRで生じた非特異的増幅産物を除去する為の手順の模式図は、マルチプレックスPCR後に、非特異的増幅産物がリゾルバーゼ(この例では、T4エンドヌクレアーゼVII)で切断され得、随意に精製によって除去され得ることを示している。標的アンプリコンは続く工程で直接使用され得るか、又は収量を増大させるか又はアダプターのような更なる配列を付加するかのいずれかの為にPCRの更なる回が行われ、ライブラリーとして使用されるかのいずれかであり得る。
或いは、又は更に、ポリヌクレオチド中の異常に結合するタンパク質(例えば、リゾルバーゼ)が、非特異的結合増幅産物を単に切断するのではなく、非特異的結合増幅産物に結合し、除去する為に使用され得る。例えば、リゾルバーゼ又はリゾルバーゼの異常に結合する部分は、固相基体に繋がれ得る。図2は、マルチプレックスPCRで生じた非特異的増幅産物を除去する為の手順の模式図である。マルチプレックスPCR後に、非特異的増幅産物は、固定化されたMutS又は様々な生物由来の固定化されたMutSの組み合わせの上に吸着され、一方、標的DNAフラグメントは溶液中に存在し、非特異的産物から分離される。固定化されたMutSは、カラム又はカートリッジの中に含有され得、大腸菌(E. coli)又はサーマス・アクアチカス(Thermus aquaticus)由来のものであり得る。MutSは、ポリヌクレオチド中の異常に結合する為の1つ以上の結合部位を含む。
図2では、マルチプレックスPCRが、鋳型DNA、プライマー、dNTP、及び好熱性DNAポリメラーゼを用いて行われる。プライマーの対の数は、1つのチューブ又はウェルの中の1つの反応において、10未満〜100,000超の任意の数であり得る。PCR産物は、標的DNAフラグメント(即ち、アンプリコン)及び異常なDNA構造を含有する様々な非特異的産物を含む。これらのPCR産物は、固定化されたMutS又は様々な生物由来の固定化されたMutSの組み合わせと接触させられる。非特異的産物は固定化されたタンパク質上に吸着され、一方、標的DNAフラグメントは溶液中に存在し、非特異的産物から分離される。上記のように、固定化されたMutSは、大腸菌(E. coli)又はサーマス・アクアチカス(Thermus aquaticus)に由来のものであり得る。
本明細書に記載の任意の方法がライブラリーを作製する為に使用され得る。ライブラリーは、例えば、シーケンシングに使用され得る。これは図3及び図21Aで説明される。図3は、マルチプレックスPCRで生じた非特異的増幅産物を除去する為の手順、及び標的アンプリコン由来のライブラリーの模式図である。手順は、DNAフラグメントの末端の末端修復、非特異的産物の切断、アダプターの連結、連結されていないアダプターの除去、及びライブラリーの更なる増幅を含む。
図3では、マルチプレックスPCRが、鋳型DNA、リン酸化されていないプライマー、dNTP、及び熱安定性DNAポリメラーゼを用いて行われる。プライマーの対の数は、1つのチューブ又はウェルの中の1つの反応において、10未満〜100,000超の任意の数であり得る。産物は、標的DNAフラグメント(即ち、アンプリコン)、及び異常なDNA構造を含有する様々な非特異的産物を含む。PCR後、上記産物は、T4 DNAポリメラーゼにより末端修復されて平滑末端が作製され、その後、T4ポリヌクレオチドキナーゼにより5’末端がリン酸化され、その後、Taqポリメラーゼにより、dATPを含有する緩衝液中で3’末端にAが付加される。上記産物は、次いで、異常なDNA構造で又は異常なDNA構造の近くで二本鎖を切断し、一方、標的DNAフラグメントは完全なまま残すT4エンドヌクレアーゼVIIと接触させられる。次いで、DNA混合物がアダプターと連結される。アダプターは、センスストランドの3’末端に3個から6個の連続するホスホロチオエートを含有する(図3では*N3’により示される)。DNA混合物が大腸菌(E. coli)エキソヌクレアーゼI及びラムダエキソヌクレアーゼにより消化される場合では、標的DNAフラグメントは、アダプターにより両側が保護され、一方、全ての他のDNAフラグメントは小さいオリゴヌクレオチド及びヌクレオチドに分解される。標的DNAフラグメントは、非特異的産物の破片を除去する為の更なる精製を伴って、又はそのような精製を伴わずに、様々な下流での用途に使用され得る。
より詳細には、アダプターはセンスストランドの5’末端でリン酸化される。アンチセンスストランドの3’末端は、末端修復されたPCR産物とのT−A連結を可能にする余分なTを含有する。
更に詳細には、連結反応は、T4 DNAリガーゼと、以下のDNAリガーゼのうちの1つとを含む:9°N(商標)DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、Tth DNAリガーゼ、Tfi DNAリガーゼ、アンプリガーゼ(Ampligase)(登録商標)等。
図4は、マルチプレックスPCRで生じた非特異的増幅産物を除去する為の予想される手順及び標的アンプリコン由来のライブラリーの模式図である。この手順では、リン酸化されたプライマーが使用される。上記手順は、DNAフラグメントの末端の末端修復、非特異的産物の切断、アダプターの連結、連結されていないアダプターの除去、及びライブラリーの更なる増幅を含む。図4では、マルチプレックスPCRにおいてリン酸化されたプライマーが使用される。PCRは、鋳型DNA、リン酸化されたプライマー、dNTP、及び熱安定性DNAポリメラーゼを用いて行われる。プライマーの対の数は、1つのチューブ又はウェルの中の1つの反応において、10未満〜100,000超の任意の数であり得る。産物は、標的DNAフラグメント(即ち、アンプリコン)、及び異常な構造を含有する様々な非特異的産物を含む。上記産物は、異常なDNA構造の近傍で二本鎖を切断し、一方、標的DNAフラグメントは完全なまま残すT4エンドヌクレアーゼVIIと接触させられる。次いで、DNA混合物がアダプターと連結される。アダプターは、センスストランドの3’末端に3個から6個の連続するホスホロチオエートを含有する(図4では*N3’により示される)。DNA混合物が大腸菌(E. coli)エキソヌクレアーゼI及びラムダエキソヌクレアーゼにより消化される場合では、標的DNAフラグメントは、アダプターにより両側が保護され、一方、全ての他のDNAフラグメントは小さいオリゴヌクレオチド及びヌクレオチドに分解される。標的DNAフラグメントは、非特異的産物の破片を除去する為の更なる精製を伴って、又はそのような精製を伴わずに、様々な下流での用途に使用され得る。より詳細には、アダプターは、センスストランドの5’末端でリン酸化され得る。アンチセンスストランドの3’末端は、PCR産物とのT−A連結を可能にする余分なTを含有する。更に詳細には、連結反応は、T4 DNAリガーゼと、以下のDNAリガーゼのうちの1つとを含み得る:9°N(商標)DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、Tth DNAリガーゼ、Tfi DNAリガーゼ、アンプリガーゼ(Ampligase)(登録商標)等。アダプターの連結及び非特異的産物の除去の後、標的DNAフラグメントはPCRにより更に増幅され得る。
図5は、マルチプレックスPCRで生じた非特異的増幅産物を除去する為の手順の別のバリエーション、及び標的アンプリコン由来のライブラリーの模式図を示す。この手順では、連結されていないアダプターは消化によって除去されない。この手順は、DNAフラグメントの末端の末端修復、非特異的産物の切断、アダプターの連結、及びライブラリーの更なる増幅を含む。図5では、マルチプレックスPCRは、鋳型DNA、リン酸化されていないプライマー、dNTP、及び熱安定性DNAポリメラーゼを用いて行われる。プライマーの対の数は、1つのチューブ又はウェルの中の1つの反応において、10未満〜100,000超の任意の数であり得る。産物は、標的DNAフラグメント(即ち、アンプリコン)、及び異常な構造を含有する様々な非特異的産物を含む。上記産物は、T4 DNAポリメラーゼにより末端修復されて平滑末端が作製され、その後、T4ポリヌクレオチドキナーゼにより5’末端がリン酸化され、その後、Taqポリメラーゼにより、dATPを含有する緩衝液中で3’末端にAが付加される。上記産物は、次いで、異常なDNA構造の近傍で二本鎖を切断し、一方、標的DNAフラグメントは完全なまま残すT4エンドヌクレアーゼVIIと接触させられる。その後、DNA混合物がアダプターと連結される。連結された標的DNAフラグメントはPCRにより更に増幅される。
アダプターはセンスストランドの5’末端でリン酸化され得る。アンチセンスストランドの3’末端は、末端修復されたPCR産物とのT−A連結を可能にする余分なTを含有する。アダプターはホスホロチオエートを含有しない。連結反応は、T4 DNAリガーゼと、以下のDNAリガーゼのうちの1つとを含み得る:9°N(商標)DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、Tth DNAリガーゼ、Tfi DNAリガーゼ、アンプリガーゼ(Ampligase)(登録商標)等。
以下の実施例は、本発明の様々な実施形態を説明する目的の為に提供され、いずれにしても本発明を限定するようには意味されない。本実施例は、本明細書に記載の方法と共に、好ましい実施形態を代表的に表しており、例示であり、そして本発明の範囲を限定するようには意図されない。特許請求の範囲により定義される本発明の意図に含まれる本発明の中での変更及び他の用途を、当業者は思い浮かべるであろう。
実施例1
実施例1は、上で簡単に論じたように図1に示されており、鋳型DNA、プライマー、dNTP、及び熱安定性DNAポリメラーゼを用いるマルチプレックスPCRの模式図を示す。
実施例2
実施例2は、上で論じたように図2に示されており、鋳型DNA、プライマー、dNTP、及び好熱性DNAポリメラーゼを用いるマルチプレックスPCRの1つの方法である。
実施例3
上で簡単に論じた図3に示した実施例3は、鋳型DNA、リン酸化されていないプライマー、dNTP、及び熱安定性DNAポリメラーゼを用いるマルチプレックスPCRの1つの方法である。
実施例4
上で簡単に論じた図4に示した実施例4は、マルチプレックスPCRにおいて使用されるリン酸化されたプライマーを用いるマルチプレックスPCRの1つの方法である。
実施例5
図5に示し、上で簡単に論じた実施例5は、鋳型DNA、リン酸化されていないプライマー、dNTP、及び熱安定性DNAポリメラーゼを用いるマルチプレックスPCRの模式図である。
実施例6:反応条件の最適化
本明細書に記載の任意の方法で、リゾルバーゼ条件(濃度、緩衝液、インキュベーション/処理時間、及び/又は温度)を決定できる。上記複数の標的特異的増幅産物のかなりの割合を維持しつつ、鋳型依存性プライマー伸張反応による非特異的増幅産物を減少させる為の、リゾルバーゼの使用についての一般的なパラメーターが本明細書中で提供される。例えば、一般的には、標的特異的増幅産物のかなりの割合を維持しつつ、リゾルバーゼで非特異的増幅産物を切断することは、非特異的増幅産物及び複数の標的特異的増幅産物を、約0.2U〜1000Uのリゾルバーゼに対して、0.5分〜60分、16℃〜37℃で曝露することを含み得る。図6A〜7Bはそのような範囲の決定を説明している。図6A及び6Bは、207対のプライマーが関係するマルチプレックスPCRにおいて非特異的増幅産物を除去する為に使用できる濃度の範囲を見出す為の、T4エンドヌクレアーゼVIIの滴定を説明している。T4エンドヌクレアーゼVIIの効果は、残留している標的DNAの量又は残留しているプライマーダイマーの量のいずれかによりアッセイした。以下に更に詳細に記載するように、約0.5〜20の範囲(例えば、およそ10単位)のT4エンドヌクレアーゼVIIが十分であることが明らかになった。図7A〜7Bは、207対のプライマーを含むマルチプレックスPCRにおいて非特異的増幅産物を除去する為の最適な時間を見出す為の、T4エンドヌクレアーゼVIIの時間経過の例を示す。T4エンドヌクレアーゼVIIの効果は、残留している標的DNAの量のいずれかによりアッセイした。約0.5分〜20分(例えば、5分)のインキュベーションが十分であることが明らかになった。
様々な活性により異常なDNA構造の近傍でDNAを切断できる酵素が多く存在するが、T7エンドヌクレアーゼI、T4エンドヌクレアーゼVII、並びに大腸菌(E. coli)及びサーモトガ・マリティマ(T. maritima)由来のエンドヌクレアーゼVは市販されている。T7エンドヌクレアーゼI及びT4エンドヌクレアーゼVIIはいずれも、様々な異常なDNA構造に対して強力な活性を有することが報告されている。T7エンドヌクレアーゼIは6ヌクレオチドまでの長さの5’突出末端を生じ、一方、T4エンドヌクレアーゼVIIは同じ長さの3’突出末端を生じる。これらの2つのエンドヌクレアーゼはまた、一本鎖DNAに対して強い活性を有する。これらは機能的に互換性がある。エンドヌクレアーゼVは、DNA中のデオキシアデノシンの脱アミノ化産物であるデオキシイノシンを認識するDNA修復酵素と考えられており、多くの場合はデオキシイノシン3’エンドヌクレアーゼと呼ばれる。エンドヌクレアーゼVは様々な異常なDNA構造に対して弱い活性を有する。これらの酵素は全て、二本鎖DNA上にランダムなニックを作製する。多量の酵素を用いて長時間インキュベートすると、二本鎖DNAはDNAフラグメントのより小さい断片に徐々に切断されるであろう。これらの理由から、T4エンドヌクレアーゼVIIを以下の実験で使用したが、他のリゾルバーゼを使用してもよく、本明細書に記載の方法、キット、及び組成物はT4エンドヌクレアーゼVIIに限定されない。
T4エンドヌクレアーゼVIIの最適濃度を見出す為に、本発明者らはマルチプレックスPCRを実行し、次いで、T4エンドヌクレアーゼVIIを使用して増幅産物を処理した。小さいDNAフラグメントを磁性ビーズでの1回の精製により除去した。得られたDNAを、バイオアナライザー(BioAnalyzer)の高感度チップでアッセイした。
イオンアンプリシーク(商標)ホットスポットキャンサーパネルv2(Ion AmpliSeqTM hotspot cancer panel v2)(ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4475346)のプライマーパネルをマルチプレックスPCRに使用した。このプライマーパネルは、50の発癌遺伝子及び腫瘍抑制遺伝子に由来するおよそ2,800のCOSMIC突然変異を網羅する。これは1つのプールの中に207のプライマー対を有する。マルチプレックスPCR反応を10μl中で行った。以下の構成成分を0.2mlの薄壁PCRチューブ(トーマスサイエンティフィック社(Thomas Scientific)、スナップストリップIIナチュラル0.2ml PCRストリップチューブ(Snapstrip II natural 0.2ml PCR strip tube)、カタログ番号1228F73)のそれぞれに添加した:5μlの2倍に濃縮したプライマープール、1μlの10×PCR緩衝液(1×PCR緩衝液:それぞれ50mMのTrisHCl(pH8.3)、50mMのKCl、5mMのMgCl2、0.8mMのdNTP)、2μlのオムニ・クレンタックDNAポリメラーゼ(Omni KlenTaq DNA polymerase)(4.2単位/μl)(エンザイマティック社(Enzymatics)、P7500−LC−F)、1μlの10ng/μlのヒトDNA(コーリエル社(Coriell Institute)、NA12878)、及び1μlの蒸留水。
0.2mlの薄壁PCRチューブに付属のキャップで蓋をし、3秒間軽くボルテックスし、そしてミニセントリフュージ(mini centrifuge)(ピペットコム社(Pipette.com)、マイフュージ12プレイスミニセントリフュージ(MyFuge 12 place mini centrifuge)、カタログ番号C1012)の中で3秒間回転させた。PCR反応混合物の表面を覆う為の鉱油は必要なかった。チューブをサーモスサイクラー(thermos cycler)(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated)、ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4314878)の中に置いた。
PCRは、最初に2分間98℃に保持し、続いて、98℃で15秒間の変性及びアニーリング及び60℃で4分間の合成を17サイクル行った。サイクル後、反応物を次の工程に進めるまで10℃に保持した。
PCR後、以下の構成成分を上記反応物に直接添加した:10μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、1μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で10分間インキュベートした。
インキュベーション後、反応を1ulの0.5MのEDTAで停止させた。DNAを、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。常磁性ビーズはアムスバイオ・エル・シー・シー社(Amsbio LLC)(アムスバイオ・エル・シー・シー社(Amsbio LLC)、MagSi−NGSprep、カタログ番号MD61021)によるものであった。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、次に、増幅させて混合したアンプリコンの体積の1.6倍に相当する64μlのMagSi−NGSprepビーズを、増幅させたアンプリコンを含有するチューブに添加した。チューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。次いで、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。マグネティックラックの内側の磁石は、ケイ・ジェイ・マグネティクス社(KJ Magnetics)によるものであった(ケイ・ジェイ・マグネティクス社(KJ Magnetics)、カタログ番号D4X0DIA−N52)。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを取り出さずに、150μlの新しく作った70%エタノールをチューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージで3秒間回転させた。チューブの内側に残留しているエタノールの全ての液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、40μlの蒸留水をチューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を新しいチューブに移した。DNAフラグメントをこの方法によって計2回、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズを用いて精製した。最後の精製の後、DNAフラグメントを5μlの蒸留水中に溶離させ、以下の工程においてアッセイした。
DNAフラグメントの大きさ、濃度、及び純度を2100バイオアナライザー機器(2100 BioAnalyzer instrument)(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号G2938B)でアッセイした。前の工程で得た1μlの精製したDNAフラグメントを高感度DNA分析キット(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号5067−4626)で、供給業者により提供される方法に従ってアッセイした。上記のように、図6Aは、37℃で10分間、0〜200単位のT4エンドヌクレアーゼVII(T4E7とも呼ばれる)により処理した、残留している標的DNAを示している。残留している標的DNAは、期待される大きさのPCR産物をいう。本発明者らは、二本鎖DNAがより高濃度のT4エンドヌクレアーゼVIIで分解されることを観察した。これは、類似する大きさの非特異的産物を酵素により除去されて、標的DNAが後に残ったこともまた示し得る。
図6Bは、37℃で10分の0〜200単位のT4E7 T4エンドヌクレアーゼVIIにより、残存しているプライマーダイマーを示している。非特異的増幅産物の量は減少した。加えて、本発明者らは、バイオアナライザー(BioAnalyzer)でアッセイすることにより、非特異的増幅産物の大きさがより小さくシフトしたことを観察した。これは、非特異的増幅産物がT4エンドヌクレアーゼVIIによって少なくとも1回切断されたことを示している。これらは、選択的消化及び/又はポリメラーゼ連鎖反応の更なる回のような更なるアプローチによる、これらのフラグメントの除去を容易にするであろう。
非特異的増幅産物は、一度切断された後に除去することができるので、上記結果は、限定されたT4エンドヌクレアーゼVIIの活性が十分であることを示している。これにより、標的DNAを維持し、一方で非特異的増幅産物を除去することができる。
マルチプレックスPCRを上記のように行った。PCR後、以下の構成成分を上記反応物に直接添加した:10μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、1μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で様々な時間インキュベートした。インキュベーション後、上記のように反応を停止させ、DNAを精製し、バイオアナライザー(BioAnalyzer)でアッセイした。
第1の実験では、T4エンドヌクレアーゼVIIの効果を5分のインターバルで20分までアッセイした(図7A)。本発明者らは、低濃度(5単位)のT4エンドヌクレアーゼVIIを用いた標的DNAの段階的な減少、及び10単位のT4エンドヌクレアーゼVIIでの標的DNAの急な減少を観察した。第2の実験では、T4エンドヌクレアーゼVIIの効果を1分のインターバルで9分までアッセイした(図7B)。この滴定により、37℃で5分の10単位のT4エンドヌクレアーゼVIIが非特異的増幅産物を除去する為に十分であることが明らかになった。
図8Aは、非特異的増幅産物により生じる典型的なバックグランドを示している例示的なマルチプレックス増幅反応を説明している。この実施例における標的特異的増幅産物は、塩基対の大きさ(bp)についての相対的な蛍光強度(蛍光単位の量、FU)を示しているグラフに基づくと、サイズマーカーの間で、非特異的増幅産物(「マルチプレックスPCRにより生じたバックグラウンド」)に実質的に圧倒されている。
実施例7
図8Bは、図1及び図3〜5で例示した方法と同様に、マルチプレックス増幅手順において非特異的増幅産物を減少させ、標的特異的増幅産物を明らかにする為のリゾルバーゼ(例えば、T4エンドヌクレアーゼVII)の使用を説明している。図8Bでは、リゾルバーゼは、示したような1つ以上の異常なポリヌクレオチド構造(例えば、ホリデー構造若しくはジャンクション、分岐したDNA、Y構造、十字部、ヘテロデュブレックスループ、かさ高い付加物、一本鎖突出、DNAミスマッチ、又は完全にはマッチしていないDNA)を有すると仮定される、バックグラウンドである非特異的増幅産物を標的とする。
図8C及び8Dは、この方法の実施例を説明する。イオンアンプリシーク(商標)ホットスポットキャンサーパネルv2(Ion AmpliSeqTM hotspot cancer panel v2)(ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4475346)のプライマーパネルをマルチプレックスPCRで使用した。このプライマーパネルは、50の発癌遺伝子及び腫瘍抑制遺伝子に由来するおよそ2,800のCOSMIC突然変異を網羅する。これは1つのプールの中に207のプライマー対を有する。マルチプレックスPCR反応を10μl中で行った。以下の構成成分を0.2mlの薄壁PCRチューブ(トーマスサイエンティフィック社(Thomas Scientific)、スナップストリップIIナチュラル0.2ml PCRストリップチューブ(Snapstrip II natural 0.2ml PCR strip tube)、カタログ番号1228F73)のそれぞれに添加した:5μlの2倍に濃縮したプライマープール、1μlの10×PCR緩衝液(1×PCR緩衝液:それぞれ50mMのTrisHCl(pH8.3)、50mMのKCl、5mMのMgCl2、0.8mMのdNTP)、2μlのオムニ・クレンタックDNAポリメラーゼ(Omni KlenTaq DNA polymerase)(4.2単位/μl)(エンザイマティック社(Enzymatics)、P7500−LC−F)、1μlの10ng/μlのヒトDNA(コーリエル社(Coriell Institute)、NA12878)、及び1μlの蒸留水。
0.2mlの薄壁PCRチューブに付属のキャップで蓋をし、3秒間軽くボルテックスし、そしてミニセントリフュージ(ピペットコム社(Pipette.com)、マイフュージ12プレイスミニセントリフュージ(MyFuge 12 place mini centrifuge)、カタログ番号C1012)の中で3秒間回転させた。PCR反応混合物の表面を覆う為の鉱油は必要なかった。チューブをサーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated)、ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4314878)の中に置いた。
PCRは、最初に2分間98℃に保持し、続いて、98℃で15秒間の変性及びアニーリング及び60℃で4分間の合成を15サイクル行った。サイクル後、反応物を次の工程に進めるまで10℃に保持した。
PCR後、以下の構成成分を上記反応物に直接添加した:10μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、1μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で10分間インキュベートした。
反応後、DNAを、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。常磁性ビーズはアムスバイオ・エル・シー・シー社(Amsbio LLC)(アムスバイオ・エル・シー・シー社(Amsbio LLC)、MagSi−NGSprep、カタログ番号MD61021)によるものであった。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、次に、増幅させて混合したアンプリコンの体積の1.6倍に相当する64μlのMagSi−NGSprepビーズを、増幅させたアンプリコンを含有するチューブに添加した。チューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。次いで、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。マグネティックラックの内側の磁石は、ケイ・ジェイ・マグネティクス社(KJ Magnetics)によるものであった(ケイ・ジェイ・マグネティクス社(KJ Magnetics)、カタログ番号D4X0DIA−N52)。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを取り出さずに、150μlの新しく作った70%エタノールをチューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージで3秒間回転させた。チューブの内側に残留しているエタノールの全ての液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、40μlの蒸留水をチューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を新しいチューブに移した。DNAフラグメントをこの方法によって計2回、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズを用いて精製した。最後の精製の後、DNAフラグメントを5μlの蒸留水中に溶離させ、以下の工程においてアッセイした。
DNAフラグメントの大きさ、濃度、及び純度を2100バイオアナライザー機器(2100 BioAnalyzer instrument)(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号G2938B)でアッセイした。前の工程で得た1μlの精製したDNAフラグメントを高感度DNA分析キット(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号5067−4626)で、供給業者により提供される方法に従ってアッセイした。結果を図8C及び8Dに示す。図8Cは、T4エンドヌクレアーゼVIIによる消化前の標的アンプリコン及び非特異的増幅産物の存在を示している。非特異的増幅産物は200bp〜2000bp超である。100bp〜200bpのピークが標的DNAフラグメントであった。図8Dは、T4エンドヌクレアーゼVIIでの消化後の効果を示している。200bp〜2000bp超の非特異的増幅産物を、T4エンドヌクレアーゼでの消化及びそれに続く精製により除去した。
実施例8
非特異的増幅産物の同様の減少を、図9A〜9Bに示すように、207対の長いプライマーを用いたマルチプレックスPCRにおいて見ることができる。この実施例では、5’CCTACACGACGCTCTTCCGATCT3’を各正方向プライマーの5’末端に付加し、5’TTCAGACGTGTGCTCTTCCGATCT3’を各逆方向プライマーの5’末端に付加したことを除いて、プライマーパネルは、イオンアンプリシーク(商標)ホットスポットキャンサーパネルv2(Ion AmpliSeqTM hotspot cancer panel v2)(ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4475346)のプライマーパネルと同じであった。これらの「長い」プライマーは、PCRの更なる回によるアンプリコン上へのアダプターの容易な付加を可能にする。
マルチプレックスPCR、並びに、それに続く処理及びアッセイを実施する方法は、上記実施例7の方法と同じであった。結果を図9A〜9Bに示す。図9Aは、T4エンドヌクレアーゼVIIでの消化の前の、長いプライマーを用いたマルチプレックスPCRの結果を示している。図9Bは、T4エンドヌクレアーゼVIIでの消化による非特異的増幅産物の除去を示している。
実施例9:マルチプレックスPCRにおけるポリメラーゼ
一般的には、任意の適切なポリメラーゼが、本明細書中で記載される増幅(マルチプレックス増幅)を実行する為に使用され得る。本明細書中で記載される方法、組成物、及びキットは、様々な酵素に対応している。図10A〜10Fは、マルチプレックスPCRにおける様々なポリメラーゼ酵素の使用を説明している。各実施例において、マルチプレックスPCRを、5単位のプラチナタック(Platinum taq)(図10A)、チタンタック(Titanium taq)(図10B)、オムニ・クレンタック(Omni Klen taq)(図10C)、タッククレノウ(Taq Klenow)(図10D)、KOD DNAポリメラーゼ(図10E)、及びTfi DNAポリメラーゼ(図10F)を各マルチプレックスPCR反応で使用したことを除いて、上記実施例6に記載したように行った。PCR後、以下の構成成分を上記反応物に直接添加した:10μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、1μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で5分間インキュベートした。インキュベーション後、0.5MのEDTAで反応を停止させた。DNAを、実施例6で記載したように、精製し、バイオアナライザー(BioAnalyzer)でアッセイした。結果は、プラチナタック(Platinum taq)、チタンタック(Titanium taq)、及びオムニ・クレンタック(Omni Klen taq)は比較可能な量の標的アンプリコンを生じ、一方、タッククレノウ(Taq Klenow)、KOD DNAポリメラーゼ、及びTfi DNAポリメラーゼは非常に多量の非特異的増幅産物を生じたことを示している。この実施例では、プラチナタック(Platinum taq)、チタンタック(Titanium taq)、及びオムニ・クレンタック(Omni Klen taq)がマルチプレックスPCRに好ましいものであり得る。
実施例10
マルチプレックスPCR中のプライマー濃度を滴定できる。この実施例では、20、30、40、50nMの207対のプライマーを各マルチプレックスPCR反応において使用したことを除いて、実施例6で記載したようにマルチプレックスPCRを行った。PCR後、以下の構成成分を上記反応物に直接添加した:10μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、1μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で5分間インキュベートした。インキュベーション後、0.5MのEDTAで反応を停止させた。DNAを、実施例6で記載したように、精製し、バイオアナライザー(BioAnalyzer)でアッセイした。結果を図11に示す。この実験は、高濃度のプライマーがより多量の標的アンプリコンをもたらしたことを示していた。
実施例11
マルチプレックスPCRのアニーリング及び伸張時間もまた、図12に示すように、本明細書中で記載される効果を最適化する為に調整できる。この実施例では、1分、2分、3分のアニーリング及び伸張時間を各マルチプレックスPCR反応において使用したことを除いて、実施例6で記載したようにマルチプレックスPCRを行った。PCR後、以下の構成成分を上記反応物に直接添加した:10μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、1μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で5分間インキュベートした。インキュベーション後、0.5MのEDTAで反応を停止させた。DNAを、実施例6で記載したように、精製し、バイオアナライザー(BioAnalyzer)でアッセイした。結果を図12に示す。この実験は、1分のアニーリング及び伸張が、より多量の標的アンプリコンをもたらしたことを示していた。
実施例12
上記のように、多数のプライマー対を本明細書に記載の方法において使用でき、それでもなお非特異的増幅産物の実質的な減少を生じさせることができる。例えば、図13は、2915対のプライマーを含むマルチプレックスPCRにおける非特異的増幅産物の除去を説明している。
プライマーパネルはキアゲン・ジーンリード・ディー・エヌ・エー・シーク・ヒト乳癌パネル(Qiagen GeneRead DNAseq human breast cancer panel)(キアゲン社(Qiagen)、カタログ番号NGHS−001X−12)であった。このパネルは、2915対のプライマーで268621の標的塩基の44の遺伝子を網羅し、各プールがおよそ730のプライマー対を含有する4つのプールに分けられている。このパネルについては、20×シーケンシング深度中央値で98.2%のカバー率、96.8%の特異性、91%の均一性が報告されている。このパネルの各プライマー中にはウラシルヌクレオチドは存在せず、また、いずれの他の塩基の修飾も存在しない。このプライマーパネルは2倍濃縮されている。従って、4回のPCR反応をプライマーの4つのプールのそれぞれを用いて行い、各反応の全PCR体積の50%が4つのプールのそれぞれであった。
各マルチプレックスPCR反応を10μlで行った。以下の構成成分を0.2mlの薄壁PCRチューブ(トーマスサイエンティフィック社(Thomas Scientific)、スナップストリップIIナチュラル0.2ml PCRストリップチューブ(Snapstrip II natural 0.2ml PCR strip tube)、カタログ番号1228F73)のそれぞれに添加した:5μlの2倍に濃縮したプライマープール、1μlの10×PCR緩衝液(1×PCR緩衝液:それぞれ50mMのTrisHCl(pH8.3)、50mMのKCl、5mMのMgCl2、0.8mMのdNTP)、2μlのオムニ・クレンタックDNAポリメラーゼ(Omni KlenTaq DNA polymerase)(4.2単位/μl)(エンザイマティック社(Enzymatics)、P7500−LC−F)、1μlの10ng/μlのヒトDNA(コーリエル社(Coriell Institute)、NA12878)、及び1μlの蒸留水。キアゲン・ジーンリード・ディー・エヌ・エー・シーク・ヒト乳癌パネル(Qiagen GeneRead DNAseq human breast cancer panel)については4つのマルチプレックスPCR反応が存在した。
0.2mlの薄壁PCRチューブに付属のキャップで蓋をし、3秒間軽くボルテックスし、そしてミニセントリフュージ(ピペットコム社(Pipette.com)、マイフュージ12プレイスミニセントリフュージ(MyFuge 12 place mini centrifuge)、カタログ番号C1012)の中で3秒間回転させた。PCR反応混合物の表面を覆う為の鉱油は必要なかった。チューブをサーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated)、ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4314878)の中に置いた。以下の2種類の温度プロフィールをプライマーパネルのそれぞれについて実行した。
キアゲン・ジーンリード・ディー・エヌ・エー・シーク・ヒト乳癌パネル(Qiagen GeneRead DNAseq human breast cancer panel)については、PCRを、最初に2分間98℃に保持し、続いて、98℃で15秒間の変性及びアニーリング及び60℃で4分間の合成を15サイクル行った。サイクル後、反応物を次の工程に進めるまで10℃に保持した。
インキュベーション後、反応混合物を、緩衝液を交換せずにこの工程に直接進めた。以下の構成成分を、各上記反応物に直接添加した:40μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、4μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で5分間インキュベートした。
インキュベーション後、0.5MのEDTAで反応を停止させた。DNAを、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、128μlのMagSi−NGSprepビーズを各チューブに添加した。これらのチューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。その後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを動かさずに、150μlの新しく作った70%エタノールを各チューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させた。チューブの内側に残留している全てのエタノールの液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、5μlの蒸留水を各チューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を新しいチューブに移し、以下の工程においてアッセイした。
DNAフラグメントの大きさ、濃度、及び純度を2100バイオアナライザー機器(2100 BioAnalyzer instrument)(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号G2938B)でアッセイした。前の工程で得た1μlの精製したDNAフラグメントを高感度DNA分析キット(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号5067−4626)で、供給業者により提供される方法に従ってアッセイした。結果を図13に示す。
実施例13
図14は、16000対のプライマーを必要とするマルチプレックスPCRにおける非特異的増幅産物の除去の一例を説明している。この実施例では、プライマーパネルは、イオンアンプリシーク(商標)コンプリヘンシブ・キャンサー・パネル(Ion AmpliSeq(商標)comprehensive cancer panel)(ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4477685)であった。このプライマーパネルは、頻繁に突然変異する、学術論文に記載されている409の重要な腫瘍抑制遺伝子及び発癌遺伝子の全てのエキソンを網羅する。これは、4つのプールの中に16000のプライマー対を有し、各プールがおよそ4,000のプライマー対を有する。アンプリコンの長さは125〜175塩基対までの範囲であり、標的領域はおよそ173万塩基を網羅する。ライブラリーをこのパネル及びライフテクノロジーズ社(Life Technologies)のイオンアンプリシーク(商標)ライブラリーキット2.0(Ion AmpliSeq(商標)Library Kit 2.0)を用いて作製し、ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)のイオン・ピー・ジー・エム(商標)システム(Ion PGM(商標)system)でシーケンシングした場合、このパネルは、97%の標的塩基(1回の実行あたりで、マップされた全塩基のうち、標的領域にマップされた塩基)について>20%のシークエンシング深度中央値で94%のカバー率が報告されている。マルチプレックスPCRでは、4つのプライマープールのそれぞれに鋳型としての10ngのヒトゲノムDNAが必要であり、パネル全体を網羅する為には合計40ngが必要である。このプライマーパネルの各プライマーの中には少なくとも1つのウラシルヌクレオチドが存在する。このプライマーパネルは2倍濃縮されている。従って、4つのPCR反応をプライマーの4つのプールのそれぞれを用いて行った。
各マルチプレックスPCR反応を10μlで行った。以下の構成成分を0.2mlの薄壁PCRチューブ(トーマスサイエンティフィック社(Thomas Scientific)、スナップストリップIIナチュラル0.2ml PCRストリップチューブ(Snapstrip II natural 0.2ml PCR strip tube)、カタログ番号1228F73)のそれぞれに添加した:5μlの2倍に濃縮したプライマープール、1μlの10×PCR緩衝液(1×PCR緩衝液:それぞれ50mMのTrisHCl(pH8.3)、50mMのKCl、5mMのMgCl2、0.8mMのdNTP)、2μlのオムニ・クレンタックDNAポリメラーゼ(Omni KlenTaq DNA polymerase)(4.2単位/μl)(エンザイマティック社(Enzymatics)、P7500−LC−F)、1μlの10ng/μlのヒトDNA(コーリエル社(Coriell Institute)、NA12878)、及び1μlの蒸留水。イオンアンプリシーク(商標)コンプリヘンシブ・キャンサー・パネル(Ion AmpliSeq(商標)comprehensive cancer panel)については4つのマルチプレックスPCR反応が存在し、キアゲン・ジーンリード・ディー・エヌ・エー・シーク・ヒト乳癌パネル(Qiagen GeneRead DNAseq human breast cancer panel)については4つのマルチプレックスPCR反応が存在した。
0.2mlの薄壁PCRチューブに付属のキャップで蓋をし、3秒間軽くボルテックスし、そしてミニセントリフュージ(ピペットコム社(Pipette.com)、マイフュージ12プレイスミニセントリフュージ(MyFuge 12 place mini centrifuge)、カタログ番号C1012)の中で3秒間回転させた。PCR反応混合物の表面を覆う為の鉱油は必要なかった。チューブをサーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated)、ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4314878)の中に置いた。以下の2種類の温度プロフィールをプライマーパネルのそれぞれについて実行した。
PCRは、最初に2分間98℃に保持し、続いて、98℃で15秒間の変性及びアニーリング及び60℃で8分間の合成を13サイクル行った。サイクル後、反応物を次の工程に進めるまで10℃に保持した。
インキュベーション後、反応混合物を、緩衝液を交換せずにこの工程に直接進めた。以下の構成成分を、各上記反応物に直接添加した:20μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、2μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で5分間インキュベートした。
反応後、DNAを、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、128μlのMagSi−NGSprepビーズを各チューブに添加した。これらのチューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。その後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを動かさずに、150μlの新しく作った70%エタノールを各チューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させた。チューブの内側に残留している全てのエタノールの液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、10μlの蒸留水を各チューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を新しいチューブに移し、以下の工程においてアッセイした。
DNAフラグメントの大きさ、濃度、及び純度を2100バイオアナライザー機器(2100 BioAnalyzer instrument)(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号G2938B)でアッセイした。前の工程で得た1μlの精製したDNAフラグメントを高感度DNA分析キット(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号5067−4626)で、供給業者により提供される方法に従ってアッセイした。結果を図14に示す。
実施例14
本明細書に記載の方法は、非常に小さい及び/又は損傷したDNA鋳型を用いる場合(特に、鋳型としてのFFPE DNAを伴うマルチプレックスPCRにおける非特異的増幅産物の除去の為を含む)にもなお使用できる。この実施例では、10ngのFFPE DNAを各マルチプレックスPCR反応において使用したことを除いて、実施例6で記載したようにマルチプレックスPCRを行った。PCR後、以下の構成成分を上記反応物に直接添加した:10μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、1μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で5分間インキュベートした。インキュベーション後、0.5MのEDTAで反応を停止させた。DNAを、実施例6で記載したように精製し、バイオアナライザー(BioAnalyzer)でアッセイした。結果を図15に示す。この実験は、207対のプライマー及び10ngのFFPA DNAを含むマルチプレックスPCRにより非特異的増幅産物が効率よく除去されたことを示していた。
実施例15
本明細書に記載の方法を使用して、リン酸化されたプライマーを含むマルチプレックスPCRを試みた。イオンアンプリシーク(商標)ホットスポットキャンサーパネルv2(Ion AmpliSeqTM hotspot cancer panel v2)(ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4475346)のプライマーパネルをT4ポリヌクレオチドキナーゼによって5’末端でリン酸化した。次いで、プライマーをマルチプレックスPCR反応において10μl中で50nMで使用した。その後、マルチプレックスPCR及びDNA精製を実施例8に記載したように行った。精製したDNAを20μlの蒸留水の中でマグネティックビーズから溶離させた。
DNAフラグメントを、先に精製したDNA溶液に対して以下を添加することにより合計40μlの中で平滑末端にした:4μlの10×ブラントエンドバッファー(Blunt end Buffer)(1×ブラントバッファー(blunt buffer):それぞれ50mMのTris−HCl(pH7.6)、10mMのMgCl2、10mMのβ−メルカプトエタノール、1mMのATP、0.4mMのdNTP)、12単位のT4 DNAポリメラーゼ(モレキュラー・クローニング・ラボラトリーズ(Molecular Cloning laboratories)、カタログ番号T4DP−100)、40単位のポリヌクレオチドキナーゼ(モレキュラー・クローニング・ラボラトリーズ(Molecular Cloning laboratories)、カタログ番号T4PK−100)。各チューブの中の反応混合物を、最初にミニセントリフュージの中で3秒間軽く回転させてチューブの底に全ての液滴を集め、3秒間ボルテックスし、その後、再び3秒間回転させて反応物の均一性を確保した。チューブを室温で10分間インキュベートした。
反応後、実施例8で記載したように、DNAを1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。DNAを20μlの蒸留水の中でマグネティックビーズから溶離させた。
以下の構成成分を精製したDNA溶液に添加した:4μlの10×Aテーリングバッファー(A-tailing buffer)(1×Aテーリングバッファー(A-tailing buffer):50mMのTrisHCl(pH8.3)、50mMのKCl、1.5mMのMgCl2)、0.5μlの100mMのATP、1μlのオムニ・クレンタックDNAポリメラーゼ(Omni KlenTaq DNA polymerase)(4.2単位/μl)、及び蒸留水で40μLまで。各チューブの中の反応混合物を、最初にミニセントリフュージの中で3秒間軽く回転させてチューブの底に全ての液滴を集め、3秒間ボルテックスし、その後、再び3秒間回転させて反応物の均一性を確保した。チューブを72℃で10分間インキュベートした。
インキュベーション後、反応混合物を、緩衝液を交換せずにこの工程に直接進めた。以下の構成成分を、各上記反応物に直接添加した:20μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、2μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で5分間インキュベートした。
反応後、実施例8で記載したように、DNAを1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製し、10μlの蒸留水の中で溶離させた。
アダプターの連結の為に、2つのオリゴヌクレオチドをインテグレイティッドDNAテクノロジーズ株式会社(Integrated DNA Technologies)により合成した。一方のオリゴは、イルミナ・トゥルーシーク・ユニバーサルアダプター(Illumina TruSeq universal adapter)(5’AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACTCTTTCCCTACACGACGCTCTTCCGATC*T3’)と同じヌクレオチド配列を有しており、他方は、トゥルーシーク・アダプター・インデックス1(TruSeq adapter index 1)(5’PGATCGGAAGAGCACACGTCTGAACTCCAGTCACATCACGATCTCGTATGCCGTCTTCT*G*C*T*T*G3’)と同じ配列を有する。ここでは、*は、配列に更に付加されたホスホロチオエート結合を表す。二本鎖アダプターを作製する為に、上記オリゴを、0.2mlの薄壁PCRチューブ中の100μlの全量の中で、1×T4 DNAリガーゼ緩衝液(50mMのTrisHCl(pH7.5)、10mMのMgCl2、1mMのATP、10mMのDTT)中に、それぞれ10μMで一緒に混合した。チューブをサーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated))の中に置き、95℃で2分間、75℃で1分間、55℃で1分間加熱し、次の工程に進めるまで25℃に保持した。
以下の構成成分を上記DNA溶液に添加した:4μlのT4 DNAリガーゼ緩衝液、2μlの10μMのアダプター、1μlのT4 DNAリガーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0202S)、1μlの9°N(商標)DNAリガーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0238S)、及び蒸留水で40μLまで。16℃で15分間、次いで45℃で15分間インキュベートした。
以下の構成成分を上記反応に直接添加した:1ulのラムダエキソヌクレアーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0262S)、1ulの大腸菌(E. coli)エキソヌクレアーゼI(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0293S)。反応物を37℃で5分間インキュベートした。
反応後、DNAを、実施例8に記載したように、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製し、20μlの蒸留水の中で溶離させた。
上記工程により得たDNAフラグメントを、PCRによって5サイクル更に増幅した。以下の構成成分を上記DNA溶液に添加した:5μlの10×PCR緩衝液、2.5μlの10μMのプライマーミックス、2μlのオムニ・クレンタック・ポリメラーゼ(Omni KlenTaq polymerase)(4.2単位/μl)、及び蒸留水で50μlまで。PCRを、サーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated))で、98℃で2分間の変性、その後、98℃で15秒、58℃で1分の5サイクルにより実行し、その後、次の工程に進めるまで10℃に保持した。
PCRに使用したプライマーは以下であった:5’AATGATACGGCGACCACCGA3’及び5’CAAGCAGAAGACGGCATACGAGAT3’。これらのオリゴは、インテグレイティッドDNAテクノロジーズ株式会社(Integrated DNA Technologies)により合成した。
最後に、DNAを、実施例8に記載したように、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製し、20μlのTE緩衝液の中で磁気ビーズから溶離させた。
ライブラリーの大きさ、濃度、及び純度を2100バイオアナライザー機器(2100 BioAnalyzer instrument)(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号G2938B)でアッセイした。先の工程で得た各ライブラリー1μlを高感度DNA分析キット(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号5067−4626)で、供給業者により提供される方法に従ってアッセイした。結果を図16に示す。この実施例では、連結及び2回目のPCRの後、有意な量の標的アンプリコンは生じなかった。
実施例16
連結されていないアダプターを除去する工程を含まないライブラリーの作製を、本明細書に記載の方法を使用してうまく実行できた。その後、マルチプレックスPCR及びDNA精製を実施例8に記載したように行った。精製したDNAを20μlの蒸留水の中でマグネティックビーズから溶離させた。
DNAフラグメントを、先に精製したDNA溶液に対して以下を添加することにより合計40μlの中で平滑末端にした:4μlの10×ブラントエンドバッファー(Blunt end Buffer)(1×ブラントバッファー(blunt buffer):それぞれ50mMのTris−HCl(pH7.6)、10mMのMgCl2、10mMのβ−メルカプトエタノール、1mMのATP、0.4mMのdNTP)、12単位のT4 DNAポリメラーゼ(モレキュラー・クローニング・ラボラトリーズ(Molecular Cloning laboratories)、カタログ番号T4DP−100)、40単位のポリヌクレオチドキナーゼ(モレキュラー・クローニング・ラボラトリーズ(Molecular Cloning laboratories)、カタログ番号T4PK−100)。各チューブの中の反応混合物を、最初にミニセントリフュージの中で3秒間軽く回転させてチューブの底に全ての液滴を集め、3秒間ボルテックスし、その後、再び3秒間回転させて反応物の均一性を確保した。チューブを室温で10分間インキュベートした。
反応後、実施例8で記載したように、DNAを1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。DNAを20μlの蒸留水の中でマグネティックビーズから溶離させた。
以下の構成成分を精製したDNA溶液に添加した:4μlの10×Aテーリングバッファー(A-tailing buffer)(1×Aテーリングバッファー(A-tailing buffer):50mMのTrisHCl(pH8.3)、50mMのKCl、1.5mMのMgCl2)、0.5μlの100mMのATP、1μlのオムニ・クレンタックDNAポリメラーゼ(Omni KlenTaq DNA polymerase)(4.2単位/μl)、及び蒸留水で40μLまで。各チューブの中の反応混合物を、最初にミニセントリフュージの中で3秒間軽く回転させてチューブの底に全ての液滴を集め、3秒間ボルテックスし、その後、再び3秒間回転させて反応物の均一性を確保した。チューブを72℃で10分間インキュベートした。
インキュベーション後、反応混合物を、緩衝液を交換せずにこの工程に直接進めた。以下の構成成分を、各上記反応物に直接添加した:20μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、2μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で5分間インキュベートした。
反応後、実施例8で記載したように、DNAを1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製し、10μlの蒸留水の中で溶離させた。
アダプターの連結の為に、2つのオリゴヌクレオチドをインテグレイティッドDNAテクノロジーズ株式会社(Integrated DNA Technologies)により合成した。一方のオリゴは、イルミナ・トゥルーシーク・ユニバーサルアダプター(Illumina TruSeq universal adapter)(5’AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACTCTTTCCCTACACGACGCTCTTCCGATC*T3’)と同じヌクレオチド配列を有しており、他方は、トゥルーシーク・アダプター・インデックス1(TruSeq adapter index 1)(5’PGATCGGAAGAGCACACGTCTGAACTCCAGTCACATCACGATCTCGTATGCCGTCTTCT*G*C*T*T*G3’)と同じ配列を有する。ここでは、*は、配列に更に付加されたホスホロチオエート結合を表す。二本鎖アダプターを作製する為に、上記オリゴを、0.2mlの薄壁PCRチューブ中の100μlの全量の中で、1×T4 DNAリガーゼ緩衝液(50mMのTrisHCl(pH7.5)、10mMのMgCl2、1mMのATP、10mMのDTT)中に、それぞれ10μMで一緒に混合した。チューブをサーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated))の中に置き、95℃で2分間、75℃で1分間、55℃で1分間加熱し、次の工程に進めるまで25℃に保持した。
以下の構成成分を上記DNA溶液に添加した:4μlのT4 DNAリガーゼ緩衝液、2μlの10μMのアダプター、1μlのT4 DNAリガーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0202S)、1μlの9°N(商標)DNAリガーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0238S)、及び蒸留水で40μLまで。16℃で15分間、その後45℃で15分間インキュベートした。
反応後、DNAを、実施例8に記載したように、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製し、20μlの蒸留水の中で溶離させた。
上記工程により得たDNAフラグメントを、PCRによって5サイクル更に増幅した。以下の構成成分を上記DNA溶液に添加した:5μlの10×PCR緩衝液、2.5μlの10μMのプライマーミックス、2μlのオムニ・クレンタック・ポリメラーゼ(Omni KlenTaq polymerase)(4.2単位/μl)、及び蒸留水で50μlまで。PCRを、サーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated))で、98℃で2分間の変性、その後、98℃で15秒、58℃で1分の5サイクルにより実行し、その後、次の工程に進めるまで10℃に保持した。
PCRに使用したプライマーは以下であった:5’AATGATACGGCGACCACCGA3’及び5’CAAGCAGAAGACGGCATACGAGAT3’。これらのオリゴは、インテグレイティッドDNAテクノロジーズ株式会社(Integrated DNA Technologies)により合成した。
最後に、DNAを、実施例8に記載したように、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製し、20μlのTE緩衝液の中で磁気ビーズから溶離させた。
ライブラリーの大きさ、濃度、及び純度を2100バイオアナライザー機器(2100 BioAnalyzer instrument)(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号G2938B)でアッセイした。先の工程で得た各ライブラリー1μlを高感度DNA分析キット(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号5067−4626)で、供給業者により提供される方法に従ってアッセイした。結果を図17に示す。いくつかの非特異的産物が最終的なライブラリーの中に存在していた。
実施例17
本明細書に記載の方法を使用してライブラリーを作製できる。例えば、図18は、2915対のプライマーを含むライブラリーの生産において非特異的増幅産物を除去する為のリゾルバーゼの使用の結果を説明している。
この実施例では、実施例8で記載したようなプライマーパネルキアゲン・ジーンリード・ディー・エヌ・エー・シーク・ヒト乳癌パネル(Qiagen GeneRead DNAseq human breast cancer panel)(キアゲン社(Qiagen)、カタログ番号NGHS−001X−12)を使用して、ライブラリーを作製する為のワークフローを試験した。その後、マルチプレックスPCR及びDNA精製を実施例8に記載したように行った。精製したDNAを20μlの蒸留水の中でマグネティックビーズから溶離させた。
DNAフラグメントを、先に精製したDNA溶液に対して以下を添加することにより合計40μlの中で平滑末端にした:4μlの10×ブラントエンドバッファー(Blunt end Buffer)(1×ブラントバッファー(blunt buffer):それぞれ50mMのTris−HCl(pH7.6)、10mMのMgCl2、10mMのβ−メルカプトエタノール、1mMのATP、0.4mMのdNTP)、12単位のT4 DNAポリメラーゼ(モレキュラー・クローニング・ラボラトリーズ(Molecular Cloning laboratories)、カタログ番号T4DP−100)、40単位のポリヌクレオチドキナーゼ(モレキュラー・クローニング・ラボラトリーズ(Molecular Cloning laboratories)、カタログ番号T4PK−100)。各チューブの中の反応混合物を、最初にミニセントリフュージの中で3秒間軽く回転させてチューブの底に全ての液滴を集め、3秒間ボルテックスし、その後、再び3秒間回転させて反応物の均一性を確保した。チューブを室温で10分間インキュベートした。
反応後、実施例8で記載したように、DNAを1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。DNAを20μlの蒸留水の中でマグネティックビーズから溶離させた。
以下の構成成分を精製したDNA溶液に添加した:4μlの10×Aテーリングバッファー(A-tailing buffer)(1×Aテーリングバッファー(A-tailing buffer):50mMのTrisHCl(pH8.3)、50mMのKCl、1.5mMのMgCl2)、0.5μlの100mMのATP、1μlのオムニ・クレンタックDNAポリメラーゼ(Omni KlenTaq DNA polymerase)(4.2単位/μl)、及び蒸留水で40μLまで。各チューブの中の反応混合物を、最初にミニセントリフュージの中で3秒間軽く回転させてチューブの底に全ての液滴を集め、3秒間ボルテックスし、その後、再び3秒間回転させて反応物の均一性を確保した。チューブを72℃で10分間インキュベートした。
インキュベーション後、反応混合物を、緩衝液を交換せずにこの工程に直接進めた。以下の構成成分を、各上記反応物に直接添加した:20μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、2μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で5分間インキュベートした。
反応後、実施例8で記載したように、DNAを1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製し、10μlの蒸留水の中で溶離させた。
アダプターの連結の為に、2つのオリゴヌクレオチドをインテグレイティッドDNAテクノロジーズ株式会社(Integrated DNA Technologies)により合成した。一方のオリゴは、イルミナ・トゥルーシーク・ユニバーサルアダプター(Illumina TruSeq universal adapter)(5’AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACTCTTTCCCTACACGACGCTCTTCCGATC*T3’)と同じヌクレオチド配列を有しており、他方は、トゥルーシーク・アダプター・インデックス1(TruSeq adapter index 1)(5’PGATCGGAAGAGCACACGTCTGAACTCCAGTCACATCACGATCTCGTATGCCGTCTTCT*G*C*T*T*G3’)と同じ配列を有する。ここでは、*は、配列に更に付加されたホスホロチオエート結合を表す。二本鎖アダプターを作製する為に、上記オリゴを、0.2mlの薄壁PCRチューブ中の100μlの全量の中で、1×T4 DNAリガーゼ緩衝液(50mMのTrisHCl(pH7.5)、10mMのMgCl2、1mMのATP、10mMのDTT)中に、それぞれ10μMで一緒に混合した。チューブをサーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated))の中に置き、95℃で2分間、75℃で1分間、55℃で1分間加熱し、次の工程に進めるまで25℃に保持した。
以下の構成成分を上記DNA溶液に添加した:4μlのT4 DNAリガーゼ緩衝液、2μlの10μMのアダプター、1μlのT4 DNAリガーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0202S)、1μlの9°N商標)DNAリガーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0238S)、及び蒸留水で40μLまで。16℃で15分間、次いで45℃で15分間インキュベートした。
以下の構成成分を上記反応に直接添加した:1ulのラムダエキソヌクレアーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0262S)、1ulの大腸菌(E. coli)エキソヌクレアーゼI(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0293S)。反応物を37℃で5分間インキュベートした。
反応後、DNAを、実施例8に記載したように、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製し、20μlの蒸留水の中で溶離させた。
上記工程により得たDNAフラグメントを、PCRによって5サイクル更に増幅した。以下の構成成分を上記DNA溶液に添加した:5μlの10×PCR緩衝液、2.5μlの10μMのプライマーミックス、2μlのオムニ・クレンタック・ポリメラーゼ(Omni KlenTaq polymerase)(4.2単位/μl)、及び蒸留水で50μlまで。PCRを、サーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated))で、98℃で2分間の変性、その後、98℃で15秒、58℃で1分の5サイクルにより実行し、その後、次の工程に進めるまで10℃に保持した。
PCRに使用したプライマーは以下であった:5’AATGATACGGCGACCACCGA3’及び5’CAAGCAGAAGACGGCATACGAGAT3’。これらのオリゴは、インテグレイティッドDNAテクノロジーズ株式会社(Integrated DNA Technologies)により合成した。
最後に、DNAを、実施例8に記載したように、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製し、20μlのTE緩衝液の中で磁気ビーズから溶離させた。
ライブラリーの大きさ、濃度、及び純度を2100バイオアナライザー機器(2100 BioAnalyzer instrument)(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号G2938B)でアッセイした。先の工程で得た各ライブラリー1μlを高感度DNA分析キット(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号5067−4626)で、供給業者により提供される方法に従ってアッセイした。結果を図18に示す。この実施例では、標的増幅産物が200〜300bpの間のピークにより示される。ごくわずかなバックグラウンドが上記で議論したリゾルバーゼ処理後に残っている。
実施例18
図19は、シーケンシング用の207対のプライマーを用いて作製したライブラリーの別の例を説明している。この実施例では、イオンアンプリシーク(商標)ホットスポットキャンサーパネルv2(Ion AmpliSeqTM hotspot cancer panel v2)(ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4475346)のプライマーパネルをマルチプレックスPCRにおいて使用した。このプライマーパネルは、50の発癌遺伝子及び腫瘍抑制遺伝子に由来するおよそ2,800のCOSMIC突然変異を網羅する。これは1つのプールの中に207のプライマー対を有する。マルチプレックスPCR反応を10μl中で行った。以下の構成成分を0.2mlの薄壁PCRチューブ(トーマスサイエンティフィック社(Thomas Scientific)、スナップストリップIIナチュラル0.2ml PCRストリップチューブ(Snapstrip II natural 0.2ml PCR strip tube)、カタログ番号1228F73)のそれぞれに添加した:5μlの2倍に濃縮したプライマープール、1μlの10×PCR緩衝液(1×PCR緩衝液:それぞれ50mMのTrisHCl(pH8.3)、50mMのKCl、5mMのMgCl2、0.8mMのdNTP)、2μlのオムニ・クレンタックDNAポリメラーゼ(Omni KlenTaq DNA polymerase)(4.2単位/μl)(エンザイマティック社(Enzymatics)、P7500−LC−F)、1μlの10ng/μlのヒトDNA(コーリエル社(Coriell Institute)、NA12878)、及び1μlの蒸留水。
0.2mlの薄壁PCRチューブに付属のキャップで蓋をし、3秒間軽くボルテックスし、そしてミニセントリフュージ(ピペットコム社(Pipette.com)、マイフュージ12プレイスミニセントリフュージ(MyFuge 12 place mini centrifuge)、カタログ番号C1012)の中で3秒間回転させた。PCR反応混合物の表面を覆う為の鉱油は必要なかった。チューブをサーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated)、ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4314878)の中に置いた。
PCRは、最初に98℃で2分間保ち、続いて、98℃で15秒間の変性及びアニーリング及び60℃で4分間の合成を17サイクル行った。サイクル後、反応物を次の工程に進めるまで10℃に保持した。
PCR後、常磁性ビーズを用いてDNAを吸着し、次いで上記常磁性ビーズを70%のエタノールで洗浄して、タンパク質、dNTP、塩、及びPCRプライマーの部分を取り除く除去した。常磁性ビーズはアムスバイオ・エル・シー・シー社(Amsbio LLC)(アムスバイオ・エル・シー・シー社(Amsbio LLC)、MagSi−NGSprep、カタログ番号MD61021)によるものであった。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、次に、増幅させて混合したアンプリコンの体積の1.6倍に相当する64μlのMagSi−NGSprepビーズを各チューブに添加した。これらのチューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。その後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。マグネティックラックの内側の磁石は、ケイ・ジェイ・マグネティクス社(KJ Magnetics)によるものであった(ケイ・ジェイ・マグネティクス社(KJ Magnetics)、カタログ番号D4X0DIA−N52)。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを動かさずに、150μlの新しく作った70%エタノールを各チューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させた。チューブの内側に残留している全てのエタノールの液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、20μlの蒸留水を各チューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を、それぞれ新しいチューブに移した。
DNAフラグメントを、先に精製したDNA溶液に対して以下を添加することにより合計40μlの中で平滑末端にした:4μlの10×ブラントエンドバッファー(Blunt end Buffer)(1×ブラントバッファー(blunt buffer):それぞれ50mMのTris−HCl(pH7.6)、10mMのMgCl2、10mMのβ−メルカプトエタノール、1mMのATP、0.4mMのdNTP)、12単位のT4 DNAポリメラーゼ(モレキュラー・クローニング・ラボラトリーズ(Molecular Cloning laboratories)、カタログ番号T4DP−100)、40単位のポリヌクレオチドキナーゼ(モレキュラー・クローニング・ラボラトリーズ(Molecular Cloning laboratories)、カタログ番号T4PK−100)。各チューブの中の反応混合物を、最初にミニセントリフュージの中で3秒間軽く回転させてチューブの底に全ての液滴を集め、3秒間ボルテックスし、その後、再び3秒間回転させて反応物の均一性を確保した。チューブを室温で10分間インキュベートした。
反応後、DNAを、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、64μlのMagSi−NGSprepビーズを各チューブに添加した。これらのチューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。その後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを動かさずに、150μlの新しく作った70%エタノールを各チューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させた。チューブの内側に残留している全てのエタノールの液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、20μlの蒸留水を各チューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を、それぞれ新しいチューブに移した。
以下の構成成分を精製したDNA溶液に添加した:4μlの10×Aテーリングバッファー(A-tailing buffer)(1×Aテーリングバッファー(A-tailing buffer):50mMのTrisHCl(pH8.3)、50mMのKCl、1.5mMのMgCl2)、0.5μlの100mMのATP、1μlのオムニ・クレンタックDNAポリメラーゼ(Omni KlenTaq DNA polymerase)(4.2単位/μl)、及び蒸留水で40μLまで。各チューブの中の反応混合物を、最初にミニセントリフュージの中で3秒間軽く回転させてチューブの底に全ての液滴を集め、3秒間ボルテックスし、その後、再び3秒間回転させて反応物の均一性を確保した。チューブを72℃で10分間インキュベートした。
インキュベーション後、反応混合物を、緩衝液を交換せずにこの工程に直接進めた。以下の構成成分を、各上記反応物に直接添加した:20μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、2μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で5分間インキュベートした。
反応後、DNAを、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、128μlのMagSi−NGSprepビーズを各チューブに添加した。これらのチューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。その後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを動かさずに、150μlの新しく作った70%エタノールを各チューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させた。チューブの内側に残留している全てのエタノールの液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、10μlの蒸留水を各チューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を、それぞれ新しいチューブに移した。
アダプターとの連結の為に、2つのオリゴヌクレオチドをインテグレイティッドDNAテクノロジーズ株式会社(Integrated DNA Technologies)により合成した。一方のオリゴは、イルミナ・トゥルーシーク・ユニバーサルアダプター(Illumina TruSeq universal adapter)(5’AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACTCTTTCCCTACACGACGCTCTTCCGATC*T3’)と同じヌクレオチド配列を有しており、他方は、トゥルーシーク・アダプター・インデックス1(TruSeq adapter index 1)(5’PGATCGGAAGAGCACACGTCTGAACTCCAGTCACATCACGATCTCGTATGCCGTCTTCT*G*C*T*T*G3’)と同じ配列を有する。ここでは、*は、配列に更に付加されたホスホロチオエート結合を表す。二本鎖アダプターを作製する為に、上記オリゴを、0.2mlの薄壁PCRチューブ中の100μlの全量の中で、1×T4 DNAリガーゼ緩衝液(50mMのTrisHCl(pH7.5)、10mMのMgCl2、1mMのATP、10mMのDTT)中に、それぞれ10μMで一緒に混合した。チューブをサーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated))の中に置き、95℃で2分間、75℃で1分間、55℃で1分間加熱し、次の工程に進めるまで25℃に保持した。
以下の構成成分を上記DNA溶液に添加した:4μlのT4 DNAリガーゼ緩衝液、2μlの10μMのアダプター、1μlのT4 DNAリガーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0202S)、1μlの9°N(商標)DNAリガーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0238S)、及び蒸留水で40μLまで。16℃で15分間、次いで45℃で15分間インキュベートした。
以下の構成成分を上記反応に直接添加した:1ulのラムダエキソヌクレアーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0262S)、1ulの大腸菌(E. coli)エキソヌクレアーゼI(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0293S)。反応物を37℃で5分間インキュベートした。
反応後、DNAを、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、64μlのMagSi−NGSprepビーズを各チューブに添加した。これらのチューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。その後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを動かさずに、150μlの新しく作った70%エタノールを各チューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させた。チューブの内側に残留している全てのエタノールの液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、20μlの蒸留水を各チューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を、それぞれ新しいチューブに移した。
上記工程により得たDNAフラグメントを、PCRによって5サイクル更に増幅した。以下の構成成分を上記DNA溶液に添加した:5μlの10×PCR緩衝液、2.5μlの10μMのプライマーミックス、2μlのオムニ・クレンタック・ポリメラーゼ(Omni KlenTaq polymerase)(4.2単位/μl)、及び蒸留水で50μlまで。PCRを、サーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated))で、98℃で2分間の変性、次いで、98℃で15秒、58℃で1分の5サイクルにより実行し、その後、次の工程に進めるまで10℃に保持した。
PCRに使用したプライマーは以下であった:5’AATGATACGGCGACCACCGA3’及び5’CAAGCAGAAGACGGCATACGAGAT3’。これらのオリゴは、インテグレイティッドDNAテクノロジーズ株式会社(Integrated DNA Technologies)により合成した。
反応後、DNAを、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、64μlのMagSi−NGSprepビーズを各チューブに添加した。これらのチューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。その後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを動かさずに、150μlの新しく作った70%エタノールを各チューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させた。チューブの内側に残留している全てのエタノールの液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、20μlの蒸留水を各チューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を、それぞれ新しいチューブに移した。
ライブラリーの大きさ、濃度、及び純度を2100バイオアナライザー機器(2100 BioAnalyzer instrument)(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号G2938B)でアッセイした。先の工程で得た各ライブラリー1μlを高感度DNA分析キット(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号5067−4626)で、供給業者により提供される方法に従ってアッセイした。結果を図19に示す。このライブラリーをシークマティック・エル・シー・シー社(SeqMatic LLC)(フリーモント(Fremont),CA 94539)によりシーケンシング及び分析し、結果を図22(表1)に示す。このライブラリーは300塩基対(例えば、200〜400bp)の主要なピークを有していた。表1は、207対のプライマーを用いたライブラリーのシーケンシング結果の質的確認を示している。詳細の最重要点は、PCT_PF_UQ_READS_ALIGNED 99.46%、PCT_AMPLIFIED_BASES 95.63%、平均値の≧20%にあるアンプリコンの百分率98.55%である。被覆率(PCT_TARGET_BASES_2X−PCT_TARGET_BASES_100X)は、この実施例では優れた(99.97〜100%)被覆率を示し、一方、均一性(98.55%の平均値の≧20%にあるアンプリコンの百分率)は極めて高かった。
実施例19
図20は、シーケンシング用の207対の長いプライマーを用いて本明細書に記載したように作製したライブラリーの別の例を示している。このライブラリーの分析を図23の表(表2)に示す。この実施例では、プライマーパネルは、5’CCTACACGACGCTCTTCCGATCT3’を各正方向プライマーの5’末端に付加し、5’TTCAGACGTGTGCTCTTCCGATCT3’を各逆方向プライマーの5’末端に付加したことを除いて、イオンアンプリシーク(商標)ホットスポットキャンサーパネルv2(Ion AmpliSeqTM hotspot cancer panel v2)(ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4475346)のプライマーパネルと同じであった。これらの「長い」プライマーは、PCRの更なる回によるアンプリコン上へのアダプターの容易な付加を可能にする。マルチプレックスPCR反応を10μl中で行った。以下の構成成分を0.2mlの薄壁PCRチューブ(トーマスサイエンティフィック社(Thomas Scientific)、スナップストリップIIナチュラル0.2ml PCRストリップチューブ(Snapstrip II natural 0.2ml PCR strip tube)、カタログ番号1228F73)のそれぞれに添加した:5μlの2倍に濃縮したプライマープール、1μlの10×PCR緩衝液(1×PCR緩衝液:それぞれ50mMのTrisHCl(pH8.3)、50mMのKCl、5mMのMgCl2、0.8mMのdNTP)、2μlのオムニ・クレンタックDNAポリメラーゼ(Omni KlenTaq DNA polymerase)(4.2単位/μl)(エンザイマティック社(Enzymatics)、P7500−LC−F)、1μlの10ng/μlのヒトDNA(コーリエル社(Coriell Institute)、NA12878)、及び1μlの蒸留水。
0.2mlの薄壁PCRチューブに付属のキャップで蓋をし、3秒間軽くボルテックスし、そしてミニセントリフュージ(ピペットコム社(Pipette.com)、マイフュージ12プレイスミニセントリフュージ(MyFuge 12 place mini centrifuge)、カタログ番号C1012)の中で3秒間回転させた。PCR反応混合物の表面を覆う為の鉱油は必要なかった。チューブをサーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated)、ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4314878)の中に置いた。
PCRは、最初に2分間98℃に保持し、続いて、98℃で15秒間の変性及びアニーリング及び60℃で4分間の合成を17サイクル行った。サイクル後、反応物を次の工程に進めるまで10℃に保持した。
PCR後、常磁性ビーズを用いてDNAを吸着し、次いで上記常磁性ビーズを70%のエタノールで洗浄して、タンパク質、dNTP、塩、及びPCRプライマーの部分を取り除く除去した。常磁性ビーズはアムスバイオ・エル・シー・シー社(Amsbio LLC)(アムスバイオ・エル・シー・シー社(Amsbio LLC)、MagSi−NGSprep、カタログ番号MD61021)によるものであった。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、次に、増幅させて混合したアンプリコンの体積の1.6倍に相当する64μlのMagSi−NGSprepビーズを各チューブに添加した。これらのチューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。その後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。マグネティックラックの内側の磁石は、ケイ・ジェイ・マグネティクス社(KJ Magnetics)によるものであった(ケイ・ジェイ・マグネティクス社(KJ Magnetics)、カタログ番号D4X0DIA−N52)。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを動かさずに、150μlの新しく作った70%エタノールを各チューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させた。チューブの内側に残留している全てのエタノールの液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、20μlの蒸留水を各チューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を、それぞれ新しいチューブに移した。
以下の構成成分を、各上記反応物に直接添加した:20μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、2μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で5分間インキュベートした。
反応後、DNAを、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、128μlのMagSi−NGSprepビーズを各チューブに添加した。これらのチューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。その後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを動かさずに、150μlの新しく作った70%エタノールを各チューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させた。チューブの内側に残留している全てのエタノールの液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、10μlの蒸留水を各チューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を、それぞれ新しいチューブに移した。
上記工程により得たDNAフラグメントを、PCRによって5サイクル更に増幅した。以下の構成成分を上記DNA溶液に添加した:5μlの10×PCR緩衝液、2.5μlの10μMのプライマーミックス、2μlのオムニ・クレンタック・ポリメラーゼ(Omni KlenTaq polymerase)(4.2単位/μl)、及び蒸留水で50μlまで。PCRを、サーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated))で、98℃で2分間の変性、その後、98℃で15秒、58℃で1分の5サイクルにより実行し、その後、次の工程に進めるまで10℃に保持した。
PCRに使用したプライマーは以下であった:5’AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACTCTTTCCCTACACGACGCTCTTCCGATCT3’及び5’GATCGGAAGAGCACACGTCTGAACTCCAGTCACATCACGATCTCGTATGCCGTCTTCTGCTTG3’。これらのオリゴは、インテグレイティッドDNAテクノロジーズ株式会社(Integrated DNA Technologies)により合成した。
ライブラリーの大きさ、濃度、及び純度を2100バイオアナライザー機器(2100 BioAnalyzer instrument)(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号G2938B)でアッセイした。先の工程で得た各ライブラリー1μlを高感度DNA分析キット(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号5067−4626)で、供給業者により提供される方法に従ってアッセイした。結果を図20に示す。このライブラリーをシークマティック・エル・シー・シー社(シークマティック・エル・シー・シー社(SeqMatic LLC))(フリーモント(フリーモント(Fremont)),CA 94539)によりシーケンシング及び分析し、結果を図23の表2に表した。このライブラリーは300塩基対(例えば、200〜400)の主要なピークを有していた。図23に示した207対の長いプライマーを用いたライブラリーのシーケンシング結果の質的確認は、PCT_PF_UQ_READS_ALIGNED 99.62%、PCT_AMPLIFIED_BASES 98.94%、及び高い均一性(例えば、平均値の≧20%にあるアンプリコンの百分率97.52%)を含む詳細の最重要点を示している。
実施例20
図21Aは、非特異的増幅産物を減少させる為のリゾルバーゼでの処理を含め本明細書に記載したように作製したライブラリーの別の例の結果を示している。ここでは、ライブラリーを、シーケンシング用の16000対のプライマーを用いて作製した。表3(図24)はこのライブラリーの分析を記載している。
プライマーパネルは、イオンアンプリシーク(商標)コンプリヘンシブ・キャンサー・パネル(Ion AmpliSeq(商標)comprehensive cancer panel)(ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4477685)であった。このプライマーパネルは、頻繁に突然変異する、学術論文に記載されている409の重要な腫瘍抑制遺伝子及び発癌遺伝子の全てのエキソンを網羅する。これは、4つのプールの中に16000のプライマー対を有し、各プールがおよそ4,000のプライマー対を有する。アンプリコンの長さは125〜175塩基対までの範囲であり、標的領域はおよそ173万塩基を網羅する。ライブラリーをこのパネル及びライフテクノロジーズ社(Life Technologies)のIon AmpliSeq(商標)Library Kit 2.0を用いて作製し、ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)のイオン・ピー・ジー・エム(商標)システム(Ion PGM(商標)system)でシーケンシングした場合、このパネルは、97%の標的塩基(1回の実行あたりマップされた全ての塩基のうち、標的領域にマップされた塩基)について>20%のシークエンシング深度中央値で94%のカバー率が報告されている。マルチプレックスPCRでは、4つのプライマープールのそれぞれに鋳型としての10ngのヒトゲノムDNAが必要であり、パネル全体を網羅する為には合計40ngが必要である。このプライマーパネルの各プライマーの中には少なくとも1つのウラシルヌクレオチドが存在する。このプライマーパネルは2倍濃縮されている。従って、4つのPCR反応をプライマーの4つのプールのそれぞれを用いて行った。
マルチプレックスPCR反応を10μl中で行った。以下の構成成分を0.2mlの薄壁PCRチューブ(トーマスサイエンティフィック社(Thomas Scientific)、スナップストリップIIナチュラル0.2ml PCRストリップチューブ(Snapstrip II natural 0.2ml PCR strip tube)、カタログ番号1228F73)のそれぞれに添加した:5μlの2倍に濃縮したプライマープール、1μlの10×PCR緩衝液(1×PCR緩衝液:それぞれ50mMのTrisHCl(pH8.3)、50mMのKCl、5mMのMgCl2、0.8mMのdNTP)、2μlのオムニ・クレンタックDNAポリメラーゼ(Omni KlenTaq DNA polymerase)(4.2単位/μl)(エンザイマティック社(Enzymatics)、P7500−LC−F)、1μlの10ng/μlのヒトDNA(コーリエル社(Coriell Institute)、NA12878)、及び1μlの蒸留水。イオンアンプリシーク(商標)コンプリヘンシブ・キャンサー・パネル(Ion AmpliSeq(商標)comprehensive cancer panel)について4つのマルチプレックスPCR反応が存在した。
0.2mlの薄壁PCRチューブに付属のキャップで蓋をし、3秒間軽くボルテックスし、そしてミニセントリフュージ(ピペットコム社(Pipette.com)、マイフュージ12プレイスミニセントリフュージ(MyFuge 12 place mini centrifuge)、カタログ番号C1012)の中で3秒間回転させた。PCR反応混合物の表面を覆う為の鉱油は必要なかった。チューブをサーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated)、ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、カタログ番号4314878)の中に置いた。以下の2種類の温度プロフィールをプライマーパネルのそれぞれについて実行した。
PCRは、最初に2分間98℃に保持し、続いて、98℃で15秒間の変性及びアニーリング及び60℃で8分間の合成を13サイクル行った。サイクル後、反応物を次の工程に進めるまで10℃に保持した。
PCR後、いずれかのイオンアンプリシーク(商標)コンプリヘンシブ・キャンサー・パネル(Ion AmpliSeq(商標)comprehensive cancer panel)のフルプライマーパネルを表している4つの反応を合わせて1つにし、40μlの増幅させたアンプリコンライブラリーの1つのチューブを得た。常磁性ビーズを用いてDNAを吸着し、次いで上記常磁性ビーズを70%のエタノールで洗浄して、タンパク質、dNTP、塩、及びPCRプライマーの部分を取り除く除去した。常磁性ビーズはアムスバイオ・エル・シー・シー社(Amsbio LLC)(アムスバイオ・エル・シー・シー社(Amsbio LLC)、MagSi−NGSprep、カタログ番号MD61021)によるものであった。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、次に、増幅させて混合したアンプリコンの体積の1.6倍に相当する64μlのMagSi−NGSprepビーズを各チューブに添加した。これらのチューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。その後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。マグネティックラックの内側の磁石は、ケイ・ジェイ・マグネティクス社(KJ Magnetics)によるものであった(ケイ・ジェイ・マグネティクス社(KJ Magnetics)、カタログ番号D4X0DIA−N52)。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを動かさずに、150μlの新しく作った70%エタノールを各チューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させた。チューブの内側に残留している全てのエタノールの液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、20μlの蒸留水を各チューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を、それぞれ新しいチューブに移した。
DNAフラグメントを、先に精製したDNA溶液に対して以下を添加することにより合計40μlの中で平滑末端にした:4μlの10×ブラントエンドバッファー(Blunt end Buffer)(1×ブラントバッファー(blunt buffer):それぞれ50mMのTris−HCl(pH7.6)、10mMのMgCl2、10mMのβ−メルカプトエタノール、1mMのATP、0.4mMのdNTP)、12単位のT4 DNAポリメラーゼ(モレキュラー・クローニング・ラボラトリーズ(Molecular Cloning laboratories)、カタログ番号T4DP−100)、40単位のポリヌクレオチドキナーゼ(モレキュラー・クローニング・ラボラトリーズ(Molecular Cloning laboratories)、カタログ番号T4PK−100)。各チューブの中の反応混合物を、最初にミニセントリフュージの中で3秒間軽く回転させてチューブの底に全ての液滴を集め、3秒間ボルテックスし、その後、再び3秒間回転させて反応物の均一性を確保した。チューブを室温で10分間インキュベートした。
反応後、DNAを、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、64μlのMagSi−NGSprepビーズを各チューブに添加した。これらのチューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。その後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを動かさずに、150μlの新しく作った70%エタノールを各チューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させた。チューブの内側に残留している全てのエタノールの液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、20μlの蒸留水を各チューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を、それぞれ新しいチューブに移した。
以下の構成成分を精製したDNA溶液に添加した:4μlの10×Aテーリングバッファー(A-tailing buffer)(1×Aテーリングバッファー(A-tailing buffer):50mMのTrisHCl(pH8.3)、50mMのKCl、1.5mMのMgCl2)、0.5μlの100mMのATP、1μlのオムニ・クレンタックDNAポリメラーゼ(Omni KlenTaq DNA polymerase)(4.2単位/μl)、及び蒸留水で40μLまで。各チューブの中の反応混合物を、最初にミニセントリフュージの中で3秒間軽く回転させてチューブの底に全ての液滴を集め、3秒間ボルテックスし、その後、再び3秒間回転させて反応物の均一性を確保した。チューブを72℃で10分間インキュベートした。
インキュベーション後、反応混合物を、緩衝液を交換せずにこの工程に直接進めた。以下の構成成分を、各上記反応物に直接添加した:20μlの2×消化緩衝液(50mMのTris−HCl(pH8.0)、15mMのMgCl2、20mMのβ−メルカプトエタノール)、2μlのT4エンドヌクレアーゼVII(アフィメトリクス社(Affymetrix)、部品番号78300 50KU)、18ulの蒸留水。反応物を37℃で5分間インキュベートした。
反応後、DNAを、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、128μlのMagSi−NGSprepビーズを各チューブに添加した。これらのチューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。その後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを動かさずに、150μlの新しく作った70%エタノールを各チューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させた。チューブの内側に残留している全てのエタノールの液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、10μlの蒸留水を各チューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を、それぞれ新しいチューブに移した。
アダプターとの連結の為に、2つのオリゴヌクレオチドをインテグレイティッドDNAテクノロジーズ株式会社(Integrated DNA Technologies)により合成した。一方のオリゴは、イルミナ・トゥルーシーク・ユニバーサルアダプター(Illumina TruSeq universal adapter)(5’AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACTCTTTCCCTACACGACGCTCTTCCGATC*T3’)と同じヌクレオチド配列を有しており、他方は、トゥルーシーク・アダプター・インデックス1(TruSeq adapter index 1)(5’PGATCGGAAGAGCACACGTCTGAACTCCAGTCACATCACGATCTCGTATGCCGTCTTCT*G*C*T*T*G3’)と同じ配列を有する。ここでは、*は、配列に更に付加されたホスホロチオエート結合を表す。二本鎖アダプターを作製する為に、上記オリゴを、0.2mlの薄壁PCRチューブ中の100μlの全量の中で、1×T4 DNAリガーゼ緩衝液(50mMのTrisHCl(pH7.5)、10mMのMgCl2、1mMのATP、10mMのDTT)中に、それぞれ10μMで一緒に混合した。チューブをサーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96-well gold plated))の中に置き、95℃で2分間、75℃で1分間、55℃で1分間加熱し、次の工程に進めるまで25℃に保持した。
以下の構成成分を上記DNA溶液に添加した:4μlのT4 DNAリガーゼ緩衝液、2μlの10μMのアダプター、1μlのT4 DNAリガーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0202S)、1μlの9°N(商標)DNAリガーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0238S)、及び蒸留水で40μLまで。16℃で15分間、次いで45℃で15分間インキュベートした。
以下の構成成分を上記反応に直接添加した:1ulのラムダエキソヌクレアーゼ(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0262S)、1ulの大腸菌(E. coli)エキソヌクレアーゼI(ニュー・イングランド・バイオラボ社(New England BioLabs Inc.)、カタログ番号M0293S)。反応物を37℃で5分間インキュベートした。
反応後、DNAを、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、64μlのMagSi−NGSprepビーズを各チューブに添加した。これらのチューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。その後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを動かさずに、150μlの新しく作った70%エタノールを各チューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させた。チューブの内側に残留している全てのエタノールの液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、20μlの蒸留水を各チューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を、それぞれ新しいチューブに移した。
上記工程により得たDNAフラグメントを、PCRによって5サイクル更に増幅した。以下の構成成分を上記DNA溶液に添加した:5μlの10×PCR緩衝液、2.5μlの10μMのプライマーミックス、2μlのオムニ・クレンタック・ポリメラーゼ(Omni KlenTaq polymerase)(4.2単位/μl)、及び蒸留水で50μlまで。PCRを、サーモスサイクラー(ジーンアンプ(登録商標)PCRシステム9700 96ウェルゴールドプレーティッド(GeneAmp(登録商標)PCR system 9700 96−well gold plated))で、98℃で2分間の変性、次いで、98℃で15秒間、58℃で1分間の5サイクルにより実行し、その後、次の工程に進めるまで10℃に保持した。
PCRに使用したプライマーは以下であった:5’AATGATACGGCGACCACCGA3’及び5’CAAGCAGAAGACGGCATACGAGAT3’。これらのオリゴは、インテグレイティッドDNAテクノロジーズ株式会社(Integrated DNA Technologies)により合成した。
反応後、DNAを、1.6倍量のMagSi−NGSprepビーズで1回精製した。MagSi−NGSprepビーズをボルテックスにより容器内で均一になるように懸濁し、64μlのMagSi−NGSprepビーズを各チューブに添加した。これらのチューブを5秒間ボルテックスすることにより混合し、室温で5分間インキュベートした。その後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの上に2分間置いてビーズを捕捉した。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。マグネティックラックからチューブを動かさずに、150μlの新しく作った70%エタノールを各チューブに添加した。次いで、チューブをマグネットラック上で180度回転させて、各チューブの内壁の一方の側からビーズペレットを剥がし、反対側にペレットさせた。溶液が透明になった後、ビーズペレットをかき乱さないように上清を注意深くピペッティングにより取り出し、廃棄した。ビーズをこの方法で計2回、70%エタノールで洗浄した。最後の洗浄において70%エタノールをピペッティングにより取り出した後、チューブをミニセントリフュージの中で3秒間回転させた。チューブの内側に残留している全てのエタノールの液滴を、ビーズペレットをかき乱すことなく、ピペッティングにより取り出した。ビーズペレットを、チューブのキャップを開けてマグネットラック上で室温で3分間風乾させた。最後に、チューブをマグネティックラックから取り出し、20μlの蒸留水を各チューブに添加した。チューブを5秒間激しくボルテックスしてビーズを蒸留水に再懸濁させ、ミニセントリフュージの中で3秒間回転させ、マグネティックラックの中に2分間置いた。溶液が透明になった後、溶離したDNAフラグメントを含有する上清を、それぞれ新しいチューブに移した。
ライブラリーの大きさ、濃度、及び純度を2100バイオアナライザー機器(2100 BioAnalyzer instrument)(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号G2938B)でアッセイした。先の工程で得た各ライブラリー1μlを高感度DNA分析キット(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)、カタログ番号5067−4626)で、供給業者により提供される方法に従ってアッセイした。結果を図21Bに示す。このライブラリーをシークマティック・エル・シー・シー社(SeqMatic LLC)(フリーモント(Fremont),CA 94539)によりシーケンシング及び分析し、結果を表3(図24)に表した。図21Aで概要を説明したように、ライブラリー(次世代シーケンシングに使用できる)を、16000対のプライマー及びヒトゲノムDNA(NA12878)を用いて、実施例3に記載した方法により作製し、最終的なライブラリーを図21Bに示した。このライブラリーは、300塩基対(200〜400bp)の1つのピークがある。表3(図24)に示すように、16000対のプライマーを用いて作製したこのライブラリーのシーケンシング結果の質的確認は、高い被覆率と均一性の両方を生じる(例えば、PCT_PF_UQ_READS_ALIGNED 98.18%、PCT_AMPLIFIED_BASES 99.39%、平均値の≧20%にあるアンプリコンの百分率95.20%)。
本明細書中で使用されている用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定することを意図したものではない。例えば、本明細書中で使用される場合、単数形「ある(a、an)」、及び「上記(the)」は、文脈が明白にそうでないことを示していない限りは、複数形も同様に含むことが意図される。更に、用語「含む(comprise)」及び/又は「含む(comprising)」は、本明細書中で使用される場合、記載される特徴、工程、操作、要素、及び/又は構成成分の存在を明示するが、1つ以上の他の特徴、工程、操作、要素、構成成分、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除しないことが、理解されるであろう。本明細書中で使用される場合、用語「及び/又は(and/or)」は、関連する列挙された要素のうちの1つ以上の任意の組み合わせ及び全ての組み合わせを含み、「/」により省略される場合がある。
用語「第1の(first)」及び「第2(second)」は本明細書において様々な特徴/要素(工程を含む)を説明する為に使用され得るが、これらの特徴/要素は、文脈がそうでないことを示していない限りは、これらの用語によって限定されないものとする。これらの用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素と区別する為に使用され得る。従って、本発明の教示から逸脱することなく、以下で議論される第1の特徴/要素を、第2の特徴/要素と呼ぶことができ、同様に、以下で議論される第2の特徴/要素を第1の特徴/要素と呼ぶことができる。
本明細書及び以下の特許請求の範囲全体を通じて、文脈がそうでないことを求めていない限りは、用語「含む(comprise、comprises)」及び「含む(comprising)」のようなバリエーションは、様々な構成成分をその方法及び物品の中で一緒に利用できることを意味する(例えば、組成物、並びにデバイス及び方法を含む装置)。例えば、用語「含む(comprising)」は、任意の記載される要素又は工程の包含を暗に意味するものとして理解され、任意の他の要素又は工程の排除を意味するものとしては理解されないであろう。
明細書及び特許請求の範囲においてで使用され(実施例で使用される場合を含む)、そうでないことが明白に記載されていない場合は、用語「約(about)」又は「およそ(approximately)」が明記されていなくても、全ての数値に用語「約(about)」又は「およそ(approximately)」が先行するものとして読むことができる。表現「約(about)」又は「およそ(approximately)」は、大きさ及び/又は位置を説明する際に使用される場合があり、これは、記載された値及び/又は位置が、妥当な予想される値及び/又は位置の範囲内に収まることを指示する。例えば、ある数値は、記載された値(又は値の範囲)の+/−0.1%である値、記載された値(又は値の範囲)の±1%、記載された値(又は値の範囲)の±2%、記載された値(又は値の範囲)の±5%、記載された値(又は値の範囲)の±10%等の値を有し得る。文脈がそうでないことを示していない限りは、本明細書に提供される任意の数値はまた、約その値又はおよそその値も含むと理解されるものとする。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」もまた開示される。本明細書に記載の値の範囲は、その中に包含される全ての副範囲を含むことを意図している。ある値が、その値「以下」であると開示される場合は、当業者には適切に理解されているように、「その値以上」及び、値の間の可能な範囲もまた開示されることもまた理解される。例えば、値「X」が開示される場合、「X以下」及び「X以上」(ここでは、Xは数値である)もまた開示される。明細書全体を通して、データが多数の異なる形式で提供されいること、並びにこのデータが、終点及び始点、並びに複数のデータ点の任意の組み合せの範囲を表すこともまた理解される。例えば、特定のデータ点「10」と、特定のデータ点「15」とが開示される場合、10及び15より大きい、10及び15以上、10及び15未満、10及び15以下、並びに10及び15と等しいことが開示され、更には、10〜15も同様に開示されるとみなされることが理解される。また、2つの特定の単位間にある各単位もまた開示されることも理解される。例えば、10及び15が開示される場合は、11、12、13、及び14もまた開示される。
様々な説明の為の実施形態について上に記載してきたが、特許請求の範囲に記載されるような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態に対して任意の多数の変更を行うことができる。例えば、記載された様々な方法の工程が行われる順序は、代替的な実施形態では変更される場合があり、他の代替的な実施形態では、1つ以上の方法の工程が完全にスキップされる場合がある。様々なデバイス及びシステムの実施形態の随意の特徴を、いくつかの実施形態では含めることができ、また他の実施形態では含めないこともできる。従って、上記の説明は、主に例示を目的として提供されたものであり、特許請求の範囲に示される本発明の範囲を限定するものとして解釈してはならない。
本明細書に含まれる実施例及び図は、限定ではなく例示として、本主題を実施できる特定の実施形態を示している。上記のように、他の実施形態を例示した実施形態から利用及び導き出すことができ、その結果、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び論理的な置換及び変更を行うことができる。本主題のそのような実施形態は、本明細書において、単に便宜上、用語「発明(invention)」によって個別的及び/又は集合的に呼称され得るが、これは、2以上の発明が実際に開示されている場合に、本出願の範囲をいずれか1つの発明又は創造的な発想に自発的に限定することを意図するものではない。従って、特定の実施形態について本明細書中で説明及び記載してきたが、同じ目的を達成する為に算出される任意の構成で、示されている特定の実施形態を置換してもよい。本開示は、様々な実施形態のありとあらゆる応用形態又は変形形態を網羅することを意図している。上記説明を検討すれば、上記実施形態及び本明細書で詳細には説明されていない他の実施形態の組み合せが、当業者には明らかであろう。