JP2018505918A - 予備成形触媒によるポリイソプレンのバルク重合 - Google Patents

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Abstract

ポリイソプレンを製造するための方法であって、本方法は、1,3−ブタジエンの存在下で予備成形されたランタニド系触媒を調製する工程、及び予備成形触媒をイソプレンへ導入することにより重合混合物(本重合混合物は、当該重合混合物の総重量に対して20重量%未満の有機溶媒を含む)を形成する工程を含む。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2014年11月17日出願の米国特許仮出願番号第62/080,612号の利益を主張するものであり、同仮出願は、参考として本明細書に組み込まれている。
(発明の分野)
本発明の実施形態は、イソプレンを予備成形されたランタニド系触媒系により重合させる方法に関する。
共役ジエンポリマーは、溶液重合によってほとんどの場合生産されているが、この場合、共役ジエンモノマーは、不活性溶媒又は希釈剤中で重合させられる。溶媒は、反応物質及び生成物を可溶化し、反応物質及び生成物の担体として機能し、重合反応の熱の伝達に役立ち、また、重合速度を適度に抑える働きをする。溶媒は更に、重合混合物(セメントとも呼ばれる)の攪拌及び移動を容易にするが、これは、セメントの粘度が、溶媒の存在によって減少するからである。しかし、溶媒の存在は、多くの困難を呈する。溶媒は、ゴムと分離しなければならず、その後再利用のためにリサイクルされるか、あるいは処分される。溶媒を回収及びリサイクルする費用は、生産されるゴムの費用に大きく上乗せされ、精製後にリサイクルされた溶媒は、重合触媒を害するであろう不純物をまだいくらか保持し得るというリスクが常に存在する。また、芳香族炭化水素等の一部の溶媒は、環境的懸念を引き起こす場合がある。更に、溶媒の除去が困難な場合には、ポリマー生成物の純度に影響が及ぶ場合もある。
バルク重合(塊状重合とも呼ばれる)において、モノマーは、任意の溶媒の不在又は実質的に不在下で重合され、事実上、モノマー自体が希釈剤として機能する。バルク重合は、本質的に無溶剤のため、汚染リスクが少なく、生成物の分離が簡易化される。バルク重合は、多くの経済的利点を提供し、これには、新たな設備能力に対するより低い資本費用、作業するためのより低いエネルギー費用、及び作業するためのより少ない人員が挙げられる。また、溶剤不使用という特徴により、排出物及び廃水の汚染の低減という環境的利点がもたらされる。
多くの触媒系及び技術が、1,3−ブタジエンの重合のために有用であることが判明している一方、イソプレンを重合させることは問題を提示する場合がある。例えば、ランタニド系触媒によって触媒されたポリイソプレンのバルク重合は、長い重合時間という結果をもたらす緩慢な重合速度にさいなまれ、それにより大規模な(商業的)プロセスでの使用が制限されてしまう。また、ポリイソプレン生成物は、広分子量分布を特徴とする。これらの問題点を克服する試みとしては、この方法は触媒の費用及び得られるポリイソプレン生成物の費用を増大させはするが、より多くのアルキルアルミニウム化合物の使用が挙げられる。
従って、イソプレンのバルク重合用の触媒及び技術を開発する要求が存在する。
本発明の1つ以上の実施形態は、ポリイソプレンを製造するための方法を提供し、本方法は、1,3−ブタジエンの存在下で予備成形されたランタニド系触媒を調製する工程、及び予備成形触媒をイソプレンへ導入することにより重合混合物(本重合混合物は、当該重合混合物の総重量に対して20重量%未満の有機溶媒を含む)を形成する工程を含む。
依然として本発明の他の実施形態は、ポリイソプレンを製造するための方法を提供し、本方法は、1,3−ブタジエンの存在下でランタニド系触媒を予備成形する工程、及びイソプレンを、重合混合物(当該重合混合物の総重量に対して20重量%未満の有機溶媒を含む重合混合物)中に存在するランタニド系触媒により、重合させること、とを含む。
本発明の実施形態は、1,3−ブタジエンの存在下でランタニド系触媒を予備成形することを含む、ポリイソプレンを生成するプロセスの発見に少なくとも部分的に基づいている。有利には、1,3−ブタジエンの存在下でランタニド系触媒を予備成形するプロセスにおいてポリイソプレンが調製される場合に、得られたポリイソプレンポリマーがより狭い幅の分子量分布を有するということが見出されている。更に、予備成形触媒は、アルキル化剤の使用量を増加させて使用することに依存せず、より速い重合反応速度論を提供する。
本発明の実施は必ずしも、いずれかの特定のランタニド系触媒系を選択することによって限定されない。1つ以上の実施形態では、用いられる触媒系には、(a)ランタニド含有化合物、(b)アルキル化剤、及び(c)ハロゲン源が含まれる。別の実施形態では、非配位アニオン又は非配位アニオン前駆体を含有する化合物をハロゲン源の代わりに用いることができる。これらの又は別の実施形態では、他の有機金属化合物、ルイス塩基、及び/又は触媒改質剤は、前述した構成成分又は成分に加えて用いることができる。例えば、一実施形態では、ニッケル含有化合物を、米国特許第6,699,813号に開示された分子量調節剤として用いることができる。なおこの文献は、本明細書において参照により組み込まれている。
前述したように、本発明で用いるランタニド系触媒系には、ランタニド含有化合物を含めることができる。本発明で有用なランタニド含有化合物は、以下のうち少なくとも1種の原子を含む化合物である。ランタン、ネオジム、セリウム、プラセオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、及びジジム。一実施形態では、これらの化合物には、ネオジム、ランタン、サマリウム、又はジジムを含めることができる。本明細書で用いる場合、用語「ジジム」は、モナズ砂から得られる希土類元素の市販の混合物を示すものとする。加えて、本発明で有用なランタニド含有化合物は、元素ランタニドの形態とすることができる。
ランタニド含有化合物中のランタニド原子は、種々の酸化状態であってもよく、例えば、限定するものではないが、0、+2、+3、及び+4の酸化状態であってもよい。一実施形態では、三価のランタニド含有化合物(ここで、ランタニド原子は、+3の酸化状態である)を用いることができる。好適なランタニド含有化合物には、ランタニドカルボキシレート、ランタニド有機ホスフェート、ランタニド有機ホスホネート、ランタニド有機ホスフィナート、ランタニドカルバメート、ランタニドジチオカルバメート、ランタニドキサンテート、ランタニドβ−ジケトネート、ランタニドアルコキシド又はアリールオキシド、ランタニドハライド、ランタニド疑似ハライド、ランタニドオキシハライド、及び有機ランタニド化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
1つ以上の実施形態では、ランタニド含有化合物を炭化水素溶媒(例えば、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、又は脂環式炭化水素)中で可溶性とすることができる。しかし、炭化水素不溶性のランタニド含有化合物も、本発明で有用な場合があり、なぜならば、それを重合媒体中で懸濁させて触媒活性種を形成することができるからである。
説明を簡単にするために、有用なランタニド含有化合物の更なる説明では、ネオジム化合物に焦点を合わせるが、当業者であれば、他のランタニド金属に基づく同様の化合物を選択することができるであろう。
好適なネオジムカルボキシレートには、ネオジムホルメート、ネオジムアセテート、ネオジムアクリレート、ネオジムメタクリレート、ネオジムバレレート、ネオジムグルコネート、ネオジムシトレート、ネオジムフマレート、ネオジムラクテート、ネオジムマレエート、ネオジムオキサレート、ネオジム2−エチルヘキサノエート、ネオジムネオデカノエート(別名、ネオジムベルサターテ)、ネオジムナフテネート、ネオジムステアレート、ネオジムオレエート、ネオジムベンゾエート、及びネオジムピコリネートが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なネオジム有機ホスフェートには、ネオジムジブチルホスフェート、ネオジムジペンチルホスフェート、ネオジムジヘキシルホスフェート、ネオジムジヘプチルホスフェート、ネオジムジオクチルホスフェート、ネオジムビス(1−メチルヘプチル)ホスフェート、ネオジムビス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ネオジムジデシルホスフェート、ネオジムジドデシルホスフェート、ネオジムジオクタデシルホスフェート、ネオジムジオレイルホスフェート、ネオジムジフェニルホスフェート、ネオジムビス(p−ノニルフェニル)ホスフェート、ネオジムブチル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ネオジム(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)ホスフェート、及びネオジム(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフェートが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なネオジム有機ホスホネートには、ネオジムブチルホスホネート、ネオジムペンチルホスホネート、ネオジムヘキシルホスホネート、ネオジムヘプチルホスホネート、ネオジムオクチルホスホネート、ネオジム(1−メチルヘプチル)ホスホネート、ネオジム(2−エチルヘキシル)ホスホネート、ネオジムデシルホスホネート、ネオジムドデシルホスホネート、ネオジムオクタデシルホスホネート、ネオジムオレイルホスホネート、ネオジムフェニルホスホネート、ネオジム(p−ノニルフェニル)ホスホネート、ネオジムブチルブチルホスホネート、ネオジムペンチルペンチルホスホネート、ネオジムヘキシルヘキシルホスホネート、ネオジムヘプチルヘプチルホスホネート、ネオジムオクチルオクチルホスホネート、ネオジム(1−メチルヘプチル)(1−メチルヘプチル)ホスホネート、ネオジム(2−エチルヘキシル)(2−エチルヘキシル)ホスホネート、ネオジムデシルデシルホスホネート、ネオジムドデシルドデシルホスホネート、ネオジムオクタデシルオクタデシルホスホネート、ネオジムオレイルオレイルホスホネート、ネオジムフェニルフェニルホスホネート、ネオジム(p−ノニルフェニル)(p−ノニルフェニル)ホスホネート、ネオジムブチル(2−エチルヘキシル)ホスホネート、ネオジム(2−エチルヘキシル)ブチルホスホネート、ネオジム(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)ホスホネート、ネオジム(2−エチルヘキシル)(1−メチルヘプチル)ホスホネート、ネオジム(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスホネート、及びネオジム(p−ノニルフェニル)(2−エチルヘキシル)ホスホネートが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なネオジム有機ホスフィネートには、ネオジムブチルホスフィネート、ネオジムペンチルホスフィネート、ネオジムヘキシルホスフィネート、ネオジムヘプチルホスフィネート、ネオジムオクチルホスフィネート、ネオジム(1−メチルヘプチル)ホスフィネート、ネオジム(2−エチルヘキシル)ホスフィネート、ネオジムデシルホスフィネート、ネオジムドデシルホスフィネート、ネオジムオクタデシルホスフィネート、ネオジムオレイルホスフィネート、ネオジムフェニルホスフィネート、ネオジム(p−ノニルフェニル)ホスフィネート、ネオジムジブチルホスフィネート、ネオジムジペンチルホスフィネート、ネオジムジヘキシルホスフィネート、ネオジムジヘプチルホスフィネート、ネオジムジオクチルホスフィネート、ネオジムビス(1−メチルヘプチル)ホスフィネート、ネオジムビス(2−エチルヘキシル)ホスフィネート、ネオジムジデシルホスフィネート、ネオジムジドデシルホスフィネート、ネオジムジオクタデシルホスフィネート、ネオジムジオレイルホスフィネート、ネオジムジフェニルホスフィネート、ネオジムビス(p−ノニルフェニル)ホスフィネート、ネオジムブチル(2−エチルヘキシル)ホスフィネート、ネオジム(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)ホスフィネート、及びネオジム(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィネートが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なネオジムカルバメートには、ネオジムジメチルカルバメート、ネオジムジエチルカルバメート、ネオジムジイソプロピルカルバメート、ネオジムジブチルカルバメート、及びネオジムジベンジルカルバメートが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なネオジムジチオカルバメートには、ネオジムジメチルジチオカルバメート、ネオジムジエチルジチオカルバメート、ネオジムジイソプロピルジチオカルバメート、ネオジムジブチルジチオカルバメート、及びネオジムジベンジルジチオカルバメートが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なネオジムキサンテートには、ネオジムメチルキサンテート、ネオジムエチルキサンテート、ネオジムイソプロピルキサンテート、ネオジムブチルキサンテート、及びネオジムベンジルキサンテートが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なネオジムβ−ジケトネートには、ネオジムアセチルアセトネート、ネオジムトリフルオロアセチルアセトネート、ネオジムヘキサフルオロアセチルアセトネート、ネオジムベンゾイルアセトネート、及びネオジム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なネオジムアルコキシド又はアリールオキシドには、ネオジムメトキシド、ネオジムエトキシド、ネオジムイソプロポキシド、ネオジム2−エチルヘキソキシド、ネオジムフェノキシド、ネオジムノニルフェノキシド、及びネオジムナフトキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なネオジムハライドには、ネオジムフルオリド、ネオジムクロリド、ネオジムブロミド、及びネオジムヨージドが挙げられるが、これらに限定されない。好適なネオジム疑似ハライドには、ネオジムシアニド、ネオジムシアネート、ネオジムチオシアネート、ネオジムアジド、及びネオジムフェロシアニドが挙げられるが、これらに限定されない。好適なネオジムオキシハライドには、ネオジムオキシフルオリド、ネオジムオキシクロリド、及びネオジムオキシブロミドが挙げられるが、これらに限定されない。ルイス塩基(例えばテトラヒドロフラン(「THF」))を、このクラスのネオジム化合物を不活性有機溶媒中に可溶化しやすくするために用いてもよい。ランタニドハライド、ランタニドオキシハライド、又はハロゲン原子を含有する他のランタニド含有化合物を用いる場合、ランタニド含有化合物は任意選択的に、ランタニド系触媒系におけるハロゲン源の全部又は一部を提供してもよい。
本明細書で用いる場合、有機ランタニド化合物という用語は、少なくとも1つのランタニド−炭素結合を含有する任意のランタニド含有化合物を指す。これらの化合物は主に、排他的ではないが、シクロペンタジエニル(「Cp」)、置換シクロペンタジエニル、アリル、及び置換アリル配位子を含有する化合物である。好適な有機ランタニド化合物には、CpLn、CpLnR、CpLnCl、CpLnCl、CpLn(シクロオクタテトラエン)、(CMeLnR、LnR、Ln(アリル)、及びLn(アリル)Cl(Lnは、ランタニド原子を表わし、Rはヒドロカルビル基を表わす)が挙げられるが、これらに限定されない。1つ以上の実施形態では、本発明で有用なヒドロカルビル基は、へテロ原子、例えば、窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄、及びリン原子等を含有していてもよい。
前述したように、本発明で用いるランタニド系触媒系には、アルキル化剤を含めることができる。1つ以上の実施形態では、ヒドロカルビル化剤とも呼ばれるアルキル化剤には、1つ以上のヒドロカルビル基を別の金属に移すことができる有機金属化合物が含まれる。概ね、これらの薬剤には、陽性金属、例えば第1族、第2族、及び第3族金属(IA族、IIA族、及びIIIA族金属)の有機金属化合物が含まれる。本発明で有用なアルキル化剤には、有機アルミニウム化合物及び有機マグネシウム化合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で用いる場合、有機アルミニウム化合物という用語は、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合を含有する任意のアルミニウム化合物を指す。1つ以上の実施形態では、炭化水素溶媒に可溶性である有機アルミニウム化合物を用いることができる。本明細書で用いる場合、有機マグネシウム化合物という用語は、少なくとも1つのマグネシウム−炭素結合を含有する任意のマグネシウム化合物を指す。1つ以上の実施形態では、炭化水素に可溶性である有機マグネシウム化合物を用いることができる。後に詳細に説明するように、好適なアルキル化剤のいくつかの種をハライドの形態とすることができる。アルキル化剤にハロゲン原子が含まれる場合、アルキル化剤はまた、前述の触媒系におけるハロゲン源の全部又は一部として機能する場合がある。
1つ以上の実施形態では、ランタニド系触媒系において用いることができる有機アルミニウム化合物には、一般式AlR3−n(式中、各Rは独立に、アルミニウム原子に炭素原子を介して結合される一価の有機基であってもよく、各Xは独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシレート基、アルコキシド基、又はアリールオキシド基であってもよく、nは1〜3の範囲の整数であってもよい)によって表わされるものが含まれる。1つ以上の実施形態では、各Rは独立に、ヒドロカルビル基、例えば、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、アラルキル、アルカリル、アリル、及びアルキニル基であってもよく、各基は、1個の炭素原子(又は基を形成するのに適切な最小数の炭素原子)から最大で約20個の炭素原子を含有している。これらのヒドロカルビル基には、へテロ原子、例えば、限定するものではないが、窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄、及びリン原子を含有していてもよい。
一般式AlR3−nによって表わされる有機アルミニウム化合物の種類には、トリヒドロカルビルアルミニウム、ジヒドロカルビルアルミニウムヒドリド、ヒドロカルビルアルミニウムジヒドリド、ジヒドロカルビルアルミニウムカルボキシレート、ヒドロカルビルアルミニウムビス(カルボキシレート)、ジヒドロカルビルアルミニウムアルコキシド、ヒドロカルビルアルミニウムジアルコキシド、ジヒドロカルビルアルミニウムハライド、ヒドロカルビルアルミニウムジハライド、ジヒドロカルビルアルミニウムアリールオキシド、及びヒドロカルビルアルミニウムジアリールオキシド化合物が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、アルキル化剤には、トリヒドロカルビルアルミニウム、ジヒドロカルビルアルミニウムヒドリド、及び/又はヒドロカルビルアルミニウムジヒドリド化合物を含めることができる。一実施形態では、アルキル化剤に有機アルミニウムヒドリド化合物が含まれる場合、前述のハロゲン源は、スズハライドによって提供することができ、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第7,008,899号に開示されている。
好適なトリヒドロカルビルアルミニウム化合物には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリ−n−ペンチルアルミニウム、トリネオペンチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリス(2−エチルヘキシル)アルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリス(1−メチルシクロペンチル)アルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ−p−トリルアルミニウム、トリス(2,6−ジメチルフェニル)アルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジエチルフェニルアルミニウム、ジエチル−p−トリルアルミニウム、ジエチルベンジルアルミニウム、エチルジフェニルアルミニウム、エチルジ−p−トリルアルミニウム、及びエチルジベンジルアルミニウムが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なジヒドロカルビルアルミニウムヒドリド化合物には、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジ−n−プロピルアルミニウムヒドリド、ジイソプロピルアルミニウムヒドリド、ジ−n−ブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジ−n−オクチルアルミニウムヒドリド、ジフェニルアルミニウムヒドリド、ジ−p−トリルアルミニウムヒドリド、ジベンジルアルミニウムヒドリド、フェニルエチルアルミニウムヒドリド、フェニル−n−プロピルアルミニウムヒドリド、フェニルイソプロピルアルミニウムヒドリド、フェニル−n−ブチルアルミニウムヒドリド、フェニルイソブチルアルミニウムヒドリド、フェニル−n−オクチルアルミニウムヒドリド、p−トリルエチルアルミニウムヒドリド、p−トリル−n−プロピルアルミニウムヒドリド、p−トリルイソプロピルアルミニウムヒドリド、p−トリル−n−ブチルアルミニウムヒドリド、p−トリルイソブチルアルミニウムヒドリド、p−トリル−n−オクチルアルミニウムヒドリド、ベンジルエチルアルミニウムヒドリド、ベンジル−n−プロピルアルミニウムヒドリド、ベンジルイソプロピルアルミニウムヒドリド、ベンジル−n−ブチルアルミニウムヒドリド、ベンジルイソブチルアルミニウムヒドリド、及びベンジル−n−オクチルアルミニウムヒドリドが含まれるが、これらに限定されない。
好適なヒドロカルビルアルミニウムジヒドリドには、エチルアルミニウムジヒドリド、n−プロピルアルミニウムジヒドリド、イソプロピルアルミニウムジヒドリド、n−ブチルアルミニウムジヒドリド、イソブチルアルミニウムジヒドリド、及びn−オクチルアルミニウムジヒドリドが含まれるが、これらに限定されない。
好適なジヒドロカルビルアルミニウムハライド化合物には、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジ−n−ブチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジ−n−オクチルアルミニウムクロリド、ジフェニルアルミニウムクロリド、ジ−p−トリルアルミニウムクロリド、ジベンジルアルミニウムクロリド、フェニルエチルアルミニウムクロリド、フェニル−n−プロピルアルミニウムクロリド、フェニルイソプロピルアルミニウムクロリド、フェニル−n−ブチルアルミニウムクロリド、フェニルイソブチルアルミニウムクロリド、フェニル−n−オクチルアルミニウムクロリド、p−トリルエチルアルミニウムクロリド、p−トリル−n−プロピルアルミニウムクロリド、p−トリルイソプロピルアルミニウムクロリド、p−トリル−n−ブチルアルミニウムクロリド、p−トリルイソブチルアルミニウムクロリド、p−トリル−n−オクチルアルミニウムクロリド、ベンジルエチルアルミニウムクロリド、ベンジル−n−プロピルアルミニウムクロリド、ベンジルイソプロピルアルミニウムクロリド、ベンジル−n−ブチルアルミニウムクロリド、ベンジルイソブチルアルミニウムクロリド、及びベンジル−n−オクチルアルミニウムクロリドが含まれるが、これらに限定されない。
好適なヒドロカルビルアルミニウムジハライド化合物には、エチルアルミニウムジクロリド、n−プロピルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、n−ブチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド、及びn−オクチルアルミニウムジクロリドが含まれるが、これらに限定されない。
一般式AlR3−nによって表わされ得るアルキル化剤として有用な他の有機アルミニウム化合物には、ジメチルアルミニウムヘキサノエート、ジエチルアルミニウムオクトエート、ジイソブチルアルミニウム2−エチルヘキサノエート、ジメチルアルミニウムネオデカノエート、ジエチルアルミニウムステアレート、ジイソブチルアルミニウムオレエート、メチルアルミニウムビス(ヘキサノエート)、エチルアルミニウムビス(オクトエート)、イソブチルアルミニウムビス(2−エチルヘキサノエート)、メチルアルミニウムビス(ネオデカノエート)、エチルアルミニウムビス(ステアレート)、イソブチルアルミニウムビス(オレエート)、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジイソブチルアルミニウムフェノキシド、メチルアルミニウムジメトキシド、エチルアルミニウムジメトキシド、イソブチルアルミニウムジメトキシド、メチルアルミニウムジエトキシド、エチルアルミニウムジエトキシド、イソブチルアルミニウムジエトキシド、メチルアルミニウムジフェノキシド、エチルアルミニウムジフェノキシド、及びイソブチルアルミニウムジフェノキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
ランタニド系触媒系においてアルキル化剤として用いるのに適した別のクラスの有機アルミニウム化合物は、アルミノキサンである。アルミノキサンには、以下の一般式によって表わすことができるオリゴマー直線状アルミノキサンと、
Figure 2018505918

以下の一般式によって表わすことができるオリゴマー環式アルミノキサン
Figure 2018505918

(式中、xは1〜約100、又は約10〜約50の範囲の整数であってもよく、yは2〜約100、又は約3〜約20の範囲の整数であってもよく、各Rは独立に、アルミニウム原子に炭素原子を介して結合される一価の有機基であってもよい)と、を含めることができる。一実施形態では、各Rは独立に、ヒドロカルビル基、例えば、限定するものではないが、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、アラルキル、アルカリル、アリル、及びアルキニル基であってもよく、各基は、1個の炭素原子(又は基を形成するのに適切な最小数の炭素原子)から最大で約20個の炭素原子を含有している。これらのヒドロカルビル基はまた、へテロ原子、例えば、限定するものではないが、窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄、及びリン原子を含有していてもよい。なお、本出願で用いるアルミノキサンのモル数とは、オリゴマーアルミノキサン分子のモル数ではなく、アルミニウム原子のモル数を指すことに留意すべきである。この慣習は、アルミノキサンを用いる触媒系の技術分野において広く用いられている。
アルミノキサンの調製は、トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を水と反応させることによって行うことができる。この反応は、(1)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を有機溶媒中に溶解した後に水と接触させる方法、(2)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を、例えば金属塩に含有される結晶体の水又は無機若しくは有機化合物に吸着された水と反応させる方法、又は(3)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を、重合するモノマー又はモノマー溶液の存在下で水と反応させる方法、等の既知の方法により行なうことができる。
好適なアルミノキサン化合物には、メチルアルミノキサン(「MAO」)、改質メチルアルミノキサン(「MMAO」)、エチルアルミノキサン、n−プロピルアルミノキサン、イソプロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、n−ペンチルアルミノキサン、ネオペンチルアルミノキサン、n−ヘキシルアルミノキサン、n−オクチルアルミノキサン、2−エチルヘキシルアルミノキサン、シクロヘキシルアルミノキサン、1−メチルシクロペンチルアルミノキサン、フェニルアルミノキサン、及び2,6−ジメチルフェニルアルミノキサンが含まれるが、これらに限定されない。改質メチルアルミノキサンの形成は、当業者に既知の技術を用いて、メチルアルミノキサンのメチル基の約20〜80%を、C〜C12ヒドロカルビル基、好ましくは、イソブチル基と置換することによって可能である。
1つ以上の実施形態では、アルミノキサンを単独で又は他の有機アルミニウム化合物と組み合わせて用いることができる。一実施形態では、メチルアルミノキサンと、少なくとも1種の他の有機アルミニウム化合物(AlR3−n等)、例えば、ジイソブチルアルミニウムヒドリドとを、組み合わせて用いることができる。米国特許出願公開第2008/0182954号には、アルミノキサン及び有機アルミニウム化合物を組み合わせて用いることができる他の例が示されており、この文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
前述したように、ランタニド系触媒系において有用なアルキル化剤には、有機マグネシウム化合物を含めることができる。1つ以上の実施形態では、使用できる有機マグネシウム化合物には、一般式MgR(式中、各Rは独立に、マグネシウム原子に炭素原子を介して結合される一価の有機基であってもよい)によって表わされるものが含まれる。1つ以上の実施形態では、各Rは独立に、ヒドロカルビル基、例えば、限定するものではないが、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリール、アラルキル、アルカリル、及びアルキニル基であってもよく、各基は、1個の炭素原子(又は基を形成するのに適切な最小数の炭素原子)から最大で約20個の炭素原子を含有している。これらのヒドロカルビル基にはまた、へテロ原子、例えば、限定するものではないが、窒素、酸素、ケイ素、硫黄、及びリン原子を含有していてもよい。
一般式MgRで表わされ得る好適な有機マグネシウム化合物には、ジエチルマグネシウム、ジ−n−プロピルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム、及びジベンジルマグネシウムが挙げられるが、これらに限定されない。
アルキル化剤として用いることができる別のクラスの有機マグネシウム化合物は、一般式RMgX(式中、Rは、マグネシウム原子に炭素原子を介して結合される一価の有機基であってもよく、Xは、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシレート基、アルコキシド基、又はアリールオキシド基であってもよい)で表わされ得る。アルキル化剤が、ハロゲン原子を含む有機マグネシウム化合物である場合、有機マグネシウム化合物は、触媒系において、アルキル化剤とハロゲン源の少なくとも一部との両方として機能することができる。1つ以上の実施形態では、Rは、ヒドロカルビル基、例えば、限定するものではないが、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリール、アラルキル、アルカリル、及びアルキニル基であってもよく、各基は、1個の炭素原子(又は基を形成するのに適切な最小数の炭素原子)から最大で約20個の炭素原子を含有している。これらのヒドロカルビル基はまた、へテロ原子、例えば、限定するものではないが、窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄、及びリン原子を含有していてもよい。一実施形態では、Xは、カルボキシレート基、アルコキシド基、又はアリールオキシド基であってもよく、各基は、1〜約20の範囲の炭素原子を含有している。
一般式RMgXで表わされ得る有機マグネシウム化合物の種類には、ヒドロカルビルマグネシウムヒドリド、ヒドロカルビルマグネシウムハライド、ヒドロカルビルマグネシウムカルボキシレート、ヒドロカルビルマグネシウムアルコキシド、及びヒドロカルビルマグネシウムアリールオキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
一般式RMgXによって表わされ得る好適な有機マグネシウム化合物には、メチルマグネシウムヒドリド、エチルマグネシウムヒドリド、ブチルマグネシウムヒドリド、ヘキシルマグネシウムヒドリド、フェニルマグネシウムヒドリド、ベンジルマグネシウムヒドリド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリド、ヘキシルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムクロリド、ベンジルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムブロミド、ヘキシルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムブロミド、ベンジルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムヘキサノエート、エチルマグネシウムヘキサノエート、ブチルマグネシウムヘキサノエート、ヘキシルマグネシウムヘキサノエート、フェニルマグネシウムヘキサノエート、ベンジルマグネシウムヘキサノエート、メチルマグネシウムエトキシド、エチルマグネシウムエトキシド、ブチルマグネシウムエトキシド、ヘキシルマグネシウムエトキシド、フェニルマグネシウムエトキシド、ベンジルマグネシウムエトキシド、メチルマグネシウムフェノキシド、エチルマグネシウムフェノキシド、ブチルマグネシウムフェノキシド、ヘキシルマグネシウムフェノキシド、フェニルマグネシウムフェノキシド、及びベンジルマグネシウムフェノキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
前述したように、本発明で用いるランタニド系触媒系には、ハロゲン源を含めることができる。本明細書で用いる場合、ハロゲン源という用語は、少なくとも1つのハロゲン原子を含む任意の物質を指す。1つ以上の実施形態では、ハロゲン源の少なくとも一部を、前述したランタニド含有化合物及び/又は前述したアルキル化剤のいずれかによって提供することが、これらの化合物に少なくとも1つのハロゲン原子が含有されているときに可能である。言い換えれば、ランタニド含有化合物は、ランタニド含有化合物とハロゲン源の少なくとも一部との両方として機能することができる。同様に、アルキル化剤は、アルキル化剤とハロゲン源の少なくとも一部との両方として機能することができる。
別の実施形態では、ハロゲン源の少なくとも一部は、触媒系において、別個で異なるハロゲン含有化合物の形態で存在することができる。1つ以上のハロゲン原子を含有する種々の化合物(又はそれらの混合物)をハロゲン源として用いることができる。ハロゲン原子の例には、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素が挙げられるが、これらに限定されない。2種類以上のハロゲン原子の組み合わせを用いることもできる。炭化水素溶媒に可溶性であるハロゲン含有化合物が、本発明で用いるのに適している。しかし、炭化水素不溶性のハロゲン含有化合物は、重合系において懸濁させて触媒活性種を形成することができるため、やはり有用である。
使用できる有用な種類のハロゲン含有化合物には、元素ハロゲン、混合ハロゲン、ハロゲン化水素、有機ハライド、無機ハライド、金属ハライド、及び有機金属ハライドが挙げられるが、これらに限定されない。
好適な元素ハロゲンには、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素が挙げられるが、これらに限定されない。好適な混合ハロゲンのいくつかの具体例には、一塩化ヨウ素、一臭化ヨウ素、三塩化ヨウ素、及び五フッ化ヨウ素が挙げられる。
好適なハロゲン化水素には、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、及びヨウ化水素が挙げられるが、これらに限定されない。
好適な有機ハライドには、t−ブチルクロリド、t−ブチルブロミド、アリルクロリド、アリルブロミド、ベンジルクロリド、ベンジルブロミド、クロロ−ジ−フェニルメタン、ブロモ−ジ−フェニルメタン、トリフェニルメチルクロリド、トリフェニルメチルブロミド、ベンジリデンクロリド、ベンジリデンブロミド、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ベンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミド、プロピオニルクロリド、プロピオニルブロミド、メチルクロロホルメート、及びメチルブロモホルメートが挙げられるが、これらに限定されない。
好適な無機ハライドには、リントリクロリド、リントリブロミド、リンペンタクロリド、リンオキシクロリド、リンオキシブロミド、ボロントリフルオリド、ボロントリクロリド、ボロントリブロミド、シリコンテトラフルオリド、シリコンテトラクロリド、シリコンテトラブロミド、シリコンテトラヨージド、ヒ素トリクロリド、ヒ素トリブロミド、ヒ素トリヨージド、セレンテトラクロリド、セレンテトラブロミド、テルルテトラクロリド、テルルテトラブロミド、及びテルルテトラヨージドが挙げられるが、これらに限定されない。
好適な金属ハライドには、スズテトラクロリド、スズテトラブロミド、アルミニウムトリクロリド、アルミニウムトリブロミド、アンチモントリクロリド、アンチモンペンタクロリド、アンチモントリブロミド、アルミニウムトリヨージド、アルミニウムトリフルオリド、ガリウムトリクロリド、ガリウムトリブロミド、ガリウムトリヨージド、ガリウムトリフルオリド、インジウムトリクロリド、インジウムトリブロミド、インジウムトリヨージド、インジウムトリフルオリド、チタンテトラクロリド、チタンテトラブロミド、チタンテトラヨージド、亜鉛ジクロリド、亜鉛ジブロミド、亜鉛ジヨージド、及び亜鉛ジフルオリドが挙げられるが、これらに限定されない。
好適な有機金属ハライドには、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジエチルアルミニウムフルオリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、メチルアルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジブロミド、メチルアルミニウムジフルオリド、エチルアルミニウムジフルオリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソブチルアルミニウムセスキクロリド、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムヨージド、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムブロミド、ベンジルマグネシウムクロリド、トリメチルスズクロリド、トリメチルスズブロミド、トリエチルスズクロリド、トリエチルスズブロミド、ジ−t−ブチルスズジクロリド、ジ−t−ブチルスズジブロミド、ジブチルスズジクロリド、ジブチルスズジブロミド、トリブチルスズクロリド、及びトリブチルスズブロミドが挙げられるが、これらに限定されない。
1つ以上の実施形態では、ランタニド系触媒系には、非配位アニオン又は非配位アニオン前駆体を含有する化合物を含めることができる。1つ以上の実施形態では、非配位アニオン又は非配位アニオン前駆体を含有する化合物を、前述したハロゲン源の代わりに用いることができる。非配位アニオンは、立体的に嵩高いアニオンであり、立体障害があるために、例えば、触媒系の活性中心と配位結合を形成することはない。本発明で有用な非配位アニオンには、テトラアリールボレートアニオン及びフッ素化テトラアリールボレートアニオンが挙げられるが、これらに限定されない。また、非配位アニオンを含有する化合物は、対カチオン、例えば、カルボニウム、アンモニウム、又はホスホニウムカチオンを含有することができる。例示的な対カチオンには、トリアリールカルボニウムカチオン及びN,N−ジアルキルアニリニウムカチオンが挙げられるが、これらに限定されない。非配位アニオン及び対カチオンを含有する化合物の例には、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、及びN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートが挙げられるが、これらに限定されない。
非配位アニオン前駆体もこの実施形態では用いることができる。非配位アニオン前駆体とは、反応条件下で非配位アニオンを形成することができる化合物である。有用な非配位アニオン前駆体には、トリアリールホウ素化合物、BR(ここで、Rは、電子求引性の高いアリール基、例えば、ペンタフルオロフェニル又は3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基である)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明で用いる予備成形したランタニド系触媒組成物は、1,3−ブタジエンモノマーの存在下で、前述の触媒成分を組み合わせること又は混合することにより形成されてよい。1つ以上の活性触媒種は、ランタニド系触媒構成成分の組み合わせから得られると考えられるが、種々の触媒構成成分又は成分間の相互作用又は反応の程度は、それほど正確には分かっていない。従って、用語「触媒組成物」は、構成成分の単純混合物、物理的若しくは化学的な引力によって生じる種々の構成成分の合成物、構成成分の化学反応生成物、又は前述の組み合わせを包含するように用いている。いくつかの要因が、触媒構成成分のうちのいずれか1つの最適濃度に影響を及ぼす場合がある。例えば、触媒構成成分は相互作用して活性種を形成する場合があるため、任意の1つの触媒構成成分に対する最適濃度が、他の触媒構成成分の濃度に依存する場合がある。
1つ以上の実施形態では、ランタニド含有化合物に対するアルキル化剤のモル比(アルキル化剤/Ln)は、約0.5:1〜約20:1、別の実施形態では、約1:1〜約12:1、別の実施形態では、約2:1〜約10:1、別の実施形態では、約3:1〜約8:1、及び別の実施形態では、約4:1〜約6:1で変動してもよい。有利には、1つ以上の実施形態では、ランタニド含有化合物に対するアルキル化剤のモル比(アルキル化剤/Ln)は、10:1未満、別の実施形態では、8:1未満、及び別の実施形態では、7:1未満である。
アルミノキサン及び少なくとも1種の他の有機アルミニウム剤の両方をアルキル化剤として用いるこれらの実施形態では、アルミノキサンに対するその他の有機アルミニウム組成物のモル比(アルミノキサン/Al)は、約0.5:1〜約5:1、別の実施形態では、約1:1〜約4:1、及び別の実施形態では、約2:1〜約3:1で変動してもよい。
ランタニド含有化合物に対するハロゲン含有化合物のモル比は、ハロゲン源中のハロゲン原子のモル数に対するランタニド含有化合物中のランタニド原子のモル数の比率(ハロゲン/Ln)の観点から最良に記述される。1つ以上の実施形態では、ハロゲン/Lnモル比は、約0.5:1〜約20:1、別の実施形態では、約1:1〜約10:1、別の実施形態では、約2:1〜約6:1で変動してもよい。
更に別の実施形態では、ランタニド含有化合物に対する非配位アニオン又は非配位アニオン前駆体のモル比(An/Ln)は、約0.5:1〜約20:1、別の実施形態では、約0.75:1〜約10:1、別の実施形態では、約1:1〜約6:1であってもよい。
上記に示したように、1,3−ブタジエンモノマーの存在下で活性触媒組成物を予備成形する。即ち、1,3−ブタジエンモノマーの存在下で、重合系以外で触媒成分を予備混合する(即ち、イソプレン以外で相当量のポリイソプレン生成物を形成することを目的としている)。1つ以上の実施形態では、種々の触媒成分を導入することで、目的とする温度が生じる。これらの、又はその別の実施形態では、予備成形触媒は、重合系(即ち、イソプレンモノマー)へ当該触媒を導入することに先立って熟成される。得られた触媒組成物は、予備成形触媒又は予備成形活性触媒と呼ばれることもある。得られた予備成形触媒は、後に使用するために保存してもよく、又は重合させられるイソプレンへと直接供給してもよい。
1つ以上の実施形態では、予備成形触媒内の1,3−ブタジエンの量は、ランタニド含有化合物の量に関して記載されてよい。例えば、予備成形触媒は、ランタニド含有化合物のミリモルに対して1,3−ブタジエンモノマーを、約30〜約300ミリモル、別の実施形態では、約40〜約150ミリモル、及び別の実施形態では、約50〜約70ミリモルで、含んでもよい。
1つ以上の実施形態では、1,3−ブタジエンモノマーの存在下で触媒成分を導入する温度は、約0〜約40℃、別の実施形態では、約10〜約35℃、及び別の実施形態では、約20〜約30℃であってよい。
予備成形触媒を、段階的な方法又は同時の方法にて調製してよい。一実施形態では、最初にランタニド含有化合物を1,3−ブタジエンモノマーへと導入し、使用する場合には、続いてアルキル化剤を、また続いて次にハロゲン含有化合物を、又は非配位アニオン若しくは非配位アニオン前駆体を導入する。別の実施形態では、2つの触媒成分を予備混合してよく(例えば、ランタニド含有化合物及びアルキル化剤)、次に前記混合物を1,3−ブタジエンモノマーへと導入してよく、また次に残りの触媒成分(例えば、ハロゲン含有化合物)を導入してよい。
1つ以上の実施形態では、1,3−ブタジエン以外のモノマー(例えば、イソプレン)の実質的不存在下にて触媒を予備成形するが、これは、触媒、その使用、又は得られるポリマーにかなりの影響を有すると思われるその他のモノマー(例えば、イソプレン)の量が不存在であることを意味する。特定の実施形態では、その他のモノマーが完全に不存在下で触媒を予備成形する(例えば、予備成形触媒組成物にはイソプレンがない)。
1つ以上の実施形態では、予備成形触媒は使用に先立って熟成される(即ち、重合させられるイソプレンへの添加に先立つ)。1つ以上の実施形態では、予備成形触媒を少なくとも3分、別の実施形態では少なくとも5分、また別の実施形態では少なくとも10分、熟成させてよい。これらの又は別の実施形態では、予備成形触媒を最大で120分、別の実施形態では最大で45分、また別の実施形態では最大で20分、熟成させてよい。これらの又は別の実施形態では、上述のように約0〜約40℃、別の実施形態では、約10〜約35℃、また別の実施形態では、約20〜約30℃の温度にて、触媒を熟成させる。
予備成形触媒を、任意の周知の容器にて調製してよい。例えば、触媒をバッチにて予備成形し、静置ポットを使用することができる。あるいは、インライン予備成形の手順により予備成形触媒を調製してもよく、それにより、触媒成分を供給ライン内へ導入し、ここで、1,3−ブタジエンの存在下で触媒成分を混合する。
1つ以上の実施形態では、溶媒を担体として用いて、触媒及び/又は触媒成分を溶解するか又は懸濁させて、触媒及び/又は触媒成分を重合系へ送達することを促進してよい。別の実施形態では、モノマーを担体として用いることができる。更に別の実施形態では、触媒成分を、あらゆる溶媒も用いることなくそれらの純粋な状態で導入することができる。
1つ以上の実施形態では、好適な溶媒としては、触媒の存在下でモノマーを重合する間に、伝搬ポリマー鎖への重合も取り込みも受けない、有機化合物のようなものが挙げられる。1つ以上の実施形態では、これらの有機種は、周囲温度及び圧力で液体である。1つ以上の実施形態では、これらの有機溶媒は、触媒に対して不活性である。例示的な有機溶媒には、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、及び脂環式炭化水素のような低い又は比較的低い沸点を有する炭化水素が挙げられる。芳香族炭化水素の非限定的な例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、及びメシチレンが挙げられる。脂肪族炭化水素の非限定的な例としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、イソペンタン、イソヘキサン、イソペンタン、イソオクタン、2,2−ジメチルブタン、石油エーテル、ケロシン、及び石油スピリットが挙げられる。また、脂環式炭化水素の非限定的な例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、及びメチルシクロヘキサンが挙げられる。上記の炭化水素の混合物もまた、使用することができる。当技術分野では既知であるように、環境上の理由から、脂肪族炭化水素及び脂環式炭化水素を用いることが望ましい場合がある。低沸点の炭化水素溶媒は典型的に、重合が終了したらポリマーから分離される。
有機溶媒の他の例としては、一般に油展ポリマーに使用される炭化水素油を含む高分子量の高沸点炭化水素が挙げられる。これらのオイルの例には、パラフィン系オイル、芳香油、ナフテン系オイル、ヒマシ油以外の植物油、及び低PCAオイル、例えばMES、TDAE、SRAE、重ナフテン系オイルが挙げられる。これらの炭化水素は不揮発性であるため、それらは典型的に、分離する必要がなく、ポリマー内に取り込まれたままである。
本発明に従ったポリマーの製造は、触媒的に有効量の、予備成形された活性触媒の存在下で、イソプレンを重合させることにより実施可能である。予備成形触媒、イソプレン、及び任意の溶剤を用いる場合、これらは反応性ポリマーを形成する重合混合物を形成する。用いるべき予備成形触媒の量は、種々の要因、例えば、用いる触媒の種類、構成成分の純度、重合温度、所望の重合速度及び重合転化率、所望の分子量、及び多くの他の要因の相互作用に依存する場合がある。従って、具体的な触媒の量については、触媒的に有効な量の触媒を用いてもよいと言う以外に、明確に述べることはできない。
1つ以上の実施形態では、重合させられるイソプレンに添加する予備成形触媒の量は、重合させられるイソプレンモノマーの重量と比較した予備成形触媒内のランタニド含有化合物のミリモルに基づいて、定量化してよい。1つ以上の実施形態では、約0.001〜約2ミリモル、別の実施形態では、約0.005〜約1ミリモル、及び更に別の実施形態では、約0.01〜約0.2ミリモルの、イソプレンモノマー100グラム当たりのランタニド含有化合物が用いられる。
本発明に従って、予備成形触媒によるイソプレンの重合を、溶媒を実質的に含まない、又は最小量の溶媒を含むバルク重合系にて実施する。当業者であれば、バルク重合プロセス(即ち、イソプレンモノマーが溶媒として作用するプロセス)の利益を理解し、また従って、重合系に含まれる溶媒の量が、バルク重合を行なうことによって求められる利益に悪影響を及ぼす量よりも少ないことを理解するであろう。1つ以上の実施形態では、重合混合物の溶媒含有量は、重合混合物の総重量に対して、約20重量%未満、別の実施形態では約10重量%未満、更に別の実施形態では約5重量%未満であってもよい。別の実施形態では、重合混合物には、使用する原材料に固有の溶媒以外の溶媒は含有されていない。更に別の実施形態では、重合混合物には実質的に溶媒がなく、これは、そうでなければかなりの影響を重合プロセスに及ぼす量の溶媒が存在していないことを指す。実質的に溶媒がない重合系は、実質的に溶媒を含まないと言ってもよい。特定の実施形態では、重合混合物には溶媒がない。
重合は、当該技術分野で知られている任意の従来の重合容器内で行なってもよい。1つ以上の実施形態では、溶液重合を従来の攪拌槽型反応器内で行なうことができる。別の実施形態では、バルク重合を従来の攪拌槽型反応器内で行なうことが、特にモノマー転化が約60%未満である場合に可能である。更に別の実施形態では、特にバルク重合プロセスにおけるモノマー転化が約60%よりも高い場合(典型的に、高粘性のセメントが得られる)、バルク重合を細長い反応器(重合下の粘性のあるセメントがピストンによって又は実質的にピストンによって駆動されて動く)内で行なってもよい。例えば、セメントが自浄式1軸スクリュー又は2軸スクリュー撹拌器によって押し出される押出機が、この目的に適している。有用なバルク重合プロセスの例は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7,351,776号に開示されている。
1つ以上の実施形態では、重合に対して使用する構成成分をすべて単一容器(例えば、従来の攪拌槽型反応器)内で混合することができ、重合プロセスのすべての工程をこの容器内で行なうことができる。別の実施形態では、2つ以上の構成成分を1つの容器内で事前に組み合わせて、それから別の容器に移すことができ、その別の容器でモノマー(又は少なくともその大部分)の重合を行なってもよい。
重合は、バッチプロセス、連続プロセス、又は半連続プロセスとして行なうことができる。半連続プロセスでは、モノマーを必要に応じて断続的に充填して、すでに重合したモノマーと入れ替える。1つ以上の実施形態では、重合が進む条件を制御して、重合混合物の温度を、約−10℃〜約200℃、別の実施形態では約0℃〜約150℃、また別の実施形態では約20℃〜約100℃の範囲に維持しても良い。特定の実施形態では、少なくとも30℃の温度で重合を実施する又は少なくとも重合の一部を実施し、別の実施形態では少なくとも40℃、別の実施形態では少なくとも50℃で実施する。
1つ以上の実施形態では、重合の熱を取り除くことを、熱的に制御された反応器ジャケットによる外部冷却、反応器に接続された還流凝縮器を用いることによるモノマーの気化及び凝縮による内部冷却、又は2つの方法の組み合わせによって行なってもよい。また、重合条件を制御して、重合を行なう圧力を約0.01メガパスカル〜約5メガパスカル(約0.1気圧〜約50気圧)、別の実施形態では、約0.05メガパスカル〜約2メガパスカル(約0.5気圧〜約20気圧)、別の実施形態では、約0.1メガパスカル〜約1メガパスカル(約1気圧〜約10気圧)にしてもよい。1つ以上の実施形態では、重合を行ない得る圧力には、大部分のモノマーが確実に液相となる圧力が含まれる。これらの又は別の実施形態では、重合混合物を嫌気条件下に維持してもよい。
得られた反応性ポリマーの、若干又はすべてのポリマー鎖は、重合混合物を急冷する前に反応性末端を備え得る。本発明に従って調製した反応性ポリマーは、疑似リビングポリマーと呼ばれることもある。1つ以上の実施形態では、反応性ポリマーを含む重合混合物は、活性重合混合物と呼ばれることもある。反応性末端を所有するポリマー鎖のパーセンテージは、種々の要因(例えば、触媒の種類、モノマーの種類、構成成分の純度、重合温度、モノマー転化、及び多くの他の要因)に依存する。1つ以上の実施形態では、ポリマー鎖の少なくとも約60%が反応性末端を有し、別の実施形態では、ポリマー鎖の少なくとも約70%が反応性末端を有し、別の実施形態では、ポリマー鎖の少なくとも約80%が反応性末端を有し、更に別の実施形態では、ポリマー鎖の少なくとも約90%が反応性末端を有している。
本発明の重合プロセスにより生成したポリイソプレンが疑似リビング特性を有する故に、所望により重合混合物へ官能化剤を導入して、官能性ポリマーが得られるように任意の反応性ポリマー鎖と反応させる。1つ以上の実施形態では、重合混合物を急冷剤と接触させることに先立って、官能化剤を導入する。別の実施形態では、急冷剤により重合混合物を部分的に急冷した後に官能化を導入してよい。
1つ以上の実施形態では、官能化剤には、本発明によって生成される反応性ポリイソプレンと反応可能な化合物又は試薬が含まれ、その結果、ポリイソプレンに、官能化剤とは反応していない増殖鎖とは異なる官能基が付与される。官能基は、他のポリマー鎖(伝搬及び/若しくは非伝搬)と反応的若しくは相互作用的であってもよいし、又はポリイソプレンと組み合わせてもよい他の成分、例えば補強充填剤(例えば、カーボンブラック)と反応的若しくは相互作用的であってもよい。1つ以上の実施形態では、官能化剤と反応性ポリイソプレンとの間の反応は、添加又は置換反応を介して進む。
有用な官能化剤には、化合物として、単純に官能基をポリマー鎖の末端に付与することを2つ以上のポリマー鎖を互いに結合することなく行なうもの、並びに化合物として、2つ以上のポリマー鎖を互いに結合又は接合することを機能的結合を介して行なって単一の巨大分子を形成するものが含まれていても良い。後者のタイプの官能化剤はカップリング剤と称されることもある。
1つ以上の実施形態では、官能化剤には、へテロ原子をポリマー鎖に添加又は付与するであろう化合物が含まれる。特定の実施形態では、非官能化ポリイソプレンから調製される同様のカーボンブラック充填された加硫物と比較して、官能化ポリイソプレンから調製されるカーボンブラック充填された加硫物の50℃ヒステリシスロスを低減させる、官能基をポリマー鎖に付与して官能化ポリイソプレンを形成する化合物のようなものが官能化剤として挙げられる。1つ以上の実施形態では、このヒステリシスロスの低減は、少なくとも5%、別の実施形態では、少なくとも10%、及び別の実施形態では、少なくとも15%である。
1つ以上の実施形態では、好適な官能化剤としては、疑似リビングポリマーと反応してよい基を含有するような化合物(例えば、本発明に従って生成されるようなもの)が挙げられる。代表的官能化剤としては、ケトン、キノン、アルデヒド、アミド、エステル、イソシアネート、イソチオシアネート、エポキシド、イミン、アミノケトン、アミノチオケトン、及び酸無水物が挙げられる。これらの化合物の例は、米国特許第4,906,706号、同第4,990,573号、同第5,064,910号、同第5,567,784号、同第5,844,050号、同第6,838,526号、同第6,977,281号、及び同第6,992,147号、米国特許公開第2006/0004131(A1)号、同第2006/0025539(A1)号、同第2006/0030677(A1)号、及び同第2004/0147694(A1)号、日本国特許出願第05−051406(A)号、同第05−059103(A)号、同第10−306113(A)号、及び同第11−035633(A)号に開示されている。なお、これらの文献は、参照により本明細書に組み込まれている。官能化剤のその他の例としては、米国特許公開第2007/0149717号に記載されたアジン化合物、米国特許公開第2007/0276122号に開示されたヒドロベンズアミド化合物、米国特許公開第2008/0051552号に開示されたニトロ化合物、及び米国特許公開第2008/0146745号に開示された保護オキシム化合物が挙げられ、これらの文献はすべて参照により本明細書に組み込まれている。
特定の実施形態では、用いられる官能化剤は、四塩化錫などの金属ハロゲン化物、四塩化ケイ素などのメタロイドハロゲン化物、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)などのカルボン酸エステル金属塩の錯体、テトラエチルオルトシリケートなどのアルコキシシラン、及びテトラエトキシ錫などのアルコキシ錫を含むが、これらに限定されないカップリング剤であってよい。単独又はその他の官能化剤との組み合わせのいずれかで、カップリング剤を用いることができる。官能化剤の組み合わせは、任意のモル比にて使用されてよい。
重合混合物に導入する官能化剤の量は、重合を開始させるために使用される触媒の種類及び量、官能化剤の種類、官能化の所望レベル及びその他多くの要因を含む、各種要因に依存し得る。1つ以上の実施形態では、官能化剤の量は、ランタニド含有化合物のモル当たり、約1〜約200モルの範囲であってもよく、別の実施形態では、約5〜約150モル、及び別の実施形態では、約10〜約100モルの範囲であってよい。
反応性ポリマー鎖が高温で緩慢に自己停止する故に、一実施形態では、一度重合温度のピークが観察されれば、官能化剤を重合混合物に添加してよい。別の実施形態では、重合温度がピークに到達した後に、約25〜35分以内に官能化剤を添加してよい。
1つ以上の実施形態では、所望のモノマー転化率に達した後であって、しかしプロトン性水素原子を含有する急冷剤を添加する前に、官能化剤を重合混合物へ導入してよい。1つ以上の実施形態では、少なくとも5%、別の実施形態では少なくとも10%、別の実施形態では少なくとも20%、別の実施形態では少なくとも50%、及び別の実施形態では少なくとも80%のモノマー転化率後に、官能化剤を重合混合物へ添加する。これらの又はその別の実施形態では、90%のモノマー転化率に先立って、別の実施形態では70%のモノマー転化率に先立って、別の実施形態では50%のモノマー転化率に先立って、別の実施形態では20%のモノマー転化率に先立って、及び別の実施形態では15%のモノマー転化率に先立って、官能化剤を重合混合物へ添加する。1つ以上の実施態様では、完全な又は実質的に完全なモノマー転化の後に、官能化剤を添加する。特定の実施形態では、本明細書に組み込まれている米国特許公開第2009/0043046号に開示されているように、ルイス塩基の導入に先立って、それと共に、又はその直後に、官能化剤を重合混合物に導入してよい。
1つ以上の実施形態では、重合(又は、少なくともその一部)が実施される位置(例えば、容器内)で、官能化剤を重合混合物に導入してよい。別の実施形態では、重合(又は、少なくともその一部)が生じる位置とは異なる位置で、官能化剤を重合混合物に導入してよい。例えば官能化剤は、下流反応器若しくはタンク、インライン反応器若しくはミキサー、押出機、又は脱揮発槽を含む下流容器内で、重合混合物に導入してよい。
一度官能化剤が重合混合物に導入されると、及び/又は所望の反応時間が提供されると、重合混合物に急冷剤を加えて、いずれの残留反応性ポリマー鎖及び触媒又は触媒組成物をも、不活性化することができる。急冷剤は、プロトン性化合物であってよく、これには、アルコール、カルボン酸、無機酸、水、又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、参考として本明細書に組み込まれている米国特許公開第2009/0043055号に開示されるように、急冷剤としてポリヒドロキシ化合物が挙げられる。酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを添加することを、急冷剤の添加と一緒に、添加する前に、又は添加した後に行なってもよい。使用する酸化防止剤の量は、ポリイソプレン生成物の約0.2重量%〜約1重量%の範囲であってもよい。急冷剤及び酸化防止剤を、純材料として添加してよい、又は必要に応じて、重合混合物への添加に先立って、炭化水素溶媒中若しくは共役ジエンモノマー中に溶解させてよい。更に加えて、ポリイソプレン生成物は、オイルをポリイソプレンに添加することによって油展することができ、これは、モノマー内で溶解又は懸濁されたポリマーセメント又はポリマーの形態であってもよい。本発明の実施では、添加してもよいオイル量を限定してはおらず、したがって従来量を添加してもよい(例えば、5〜50phr)。使用してもよい有用なオイル又は伸展剤としては、芳香族油、パラフィン系油、ナフテン系油、ヒマシ油以外の植物油、MES、TDAE、及びSRAEなどの低PCA油、並びに重ナフテン系油が挙げられるが、これらに限定されない。
重合混合物を急冷させた後、重合混合物の種々の成分を回収してもよい。1つ以上の実施形態では、未反応モノマーを重合混合物から回収することができる。例えば、当該技術分野で既知の技術を用いてモノマーを重合混合物から蒸留することができる。1つ以上の実施形態では、液化器を用いてモノマーを重合混合物から取り出してもよい。モノマーを重合混合物から取り出した後、モノマーを精製してもよいし、貯蔵してもよいし、かつ/又はリサイクルして重合プロセスに戻してもよい。
ポリイソプレン生成物を重合混合物から回収することを、当該技術分野で周知の技術を用いて行なってもよい。1つ以上の実施形態では、脱溶媒及び乾燥技術を用いてもよい。例えば、ポリイソプレンの回収を、重合混合物を加熱されたスクリュー装置(例えば、脱溶媒押出機)に通すことによって行なうことができるが、この装置では、適温(例えば、約100℃〜約170℃)にて、また、大気又は準大気圧の下、蒸発により揮発性物質が除去される。この処理は、未反応モノマー並びに任意の低沸点溶媒を取り除くのに役立つ。あるいは、重合混合物に蒸気脱溶媒を施し、続いて得られたポリイソプレンのクラムを熱風トンネル内で乾燥させることにより、ポリイソプレンを回収することもできる。ポリイソプレンの回収はまた、重合混合物をドラム乾燥機上で直接乾燥させることにより、行なうこともできる。
1つ以上の実施形態では、本発明に従って調製されるポリイソプレンは、不飽和を含有してよい。これらの又は別の実施形態では、ポリイソプレンは加硫性である。1つ以上の実施形態では、ポリイソプレンは0℃未満のガラス転移温度(T)を有することができ、別の実施形態では−20℃未満、別の実施形態では−30℃未満を有することができる。一実施形態では、ポリイソプレンは単一のガラス転移温度を示す場合がある。特定の実施形態では、ポリイソプレンを水素化してもよい、又は部分水素化してもよい。
1つ以上の実施形態では、本発明に従い調製したポリイソプレンは、シス−1,4−ポリジエンであって、シス−1,4−結合含有量が60%を超えるもの、別の実施形態では、約75%を超えるもの、別の実施形態では、約90%を超えるもの、及び別の実施形態では、約95%を超えるものを有し得えて、ここでパーセンテージは、ジエンマー単位の数に基づいており、シス−1,4結合対ジエンマー単位総数を採用している。また、ポリイソプレンは、1,2−結合含有量が約7%未満、別の実施形態では、5%未満、別の実施形態では、2%未満、別の実施形態では、1%未満であってもよく、ここでパーセンテージは、ジエンマー単位の数に基づいており、1,2−結合対ジエンマー単位総数を採用している。ジエンマー単位の残部には、トランス−1,4−結合を採用してもよい。シス−1,4−、1,2−、及びトランス−1,4−結合含有量の測定を赤外分光法によって行なってもよい。
1つ以上の実施形態では、本発明に従って調製したポリイソプレンの数平均分子量(M)は、約120kg/モル〜約400kg/モルであってよく、別の実施形態では、約150kg/モル〜約350kg/モル、別の実施形態では、約180kg/モル〜約300kg/モル、及び別の実施形態では、約200kg/モル〜約250kg/モルであってよく、問題のポリイソプレンのためにゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定し、ポリスチレン標準及びマルク−ハウインク定数を用いて検量を行う。1つ以上の実施形態では、ポリイソプレンの分子量分布又は多分散度(M/M)は5.8未満であってよく、別の実施形態では5.5未満、別の実施形態では5.0未満、別の実施形態では4.8未満、別の実施形態では4.6未満、別の実施形態では4.3未満、及び別の実施形態では4.0未満であってよい。1つ以上の実施形態では、ポリイソプレンは、少なくとも15、別の実施形態では少なくとも25、及び別の実施形態では少なくとも40の、ムーニー粘度(ML1+4@100℃)により特徴付けることができる。
本発明のポリイソプレンポリマーは、タイヤ部品の製造に使用可能であるゴム組成物の調製に、特に有用である。ゴム配合技術及びそこで用いられる添加剤は、一般に、The Compounding and Vulcanization of Rubber,in Rubber Technology(2nd Ed.1973)に開示されている。
本発明のポリイソプレンを単独で又は他のエラストマー(即ち、ポリイソプレンとして、ゴム又はエラストマー特性を有する組成物を形成するために加硫処理が可能なもの)と共に用いることにより、ゴム組成物の調製を行なうことができる。使用してもよい他のエラストマーには、天然及び合成ゴムが含まれる。合成ゴムは典型的に、共役ジエンモノマーの重合、共役ジエンモノマーと他のモノマー(例えばビニル置換芳香族モノマー)との共重合、又はエチレンと1つ以上のα−オレフィン及び任意追加的に1つ以上のジエンモノマーとの共重合から得られる。
例示的なエラストマーとしては、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン−コ−イソプレン、ネオプレン、ポリ(エチレン−コ−プロピレン)、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、ポリ(スチレン−コ−イソプレン)、ポリ(スチレン−コ−イソプレン−コ−ブタジエン)、ポリ(イソプレン−コ−ブタジエン)、ポリ(エチレン−コ−プロピレン−コ−ジエン)、ポリスルフィドゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、及びこれらの混合物などが挙げられる。これらのエラストマーは、無数の巨大分子構造、例えば、直線状、分岐状、及び星形構造を有することができる。
ゴム組成物には、充填剤、例えば、無機及び有機充填剤が含まれていてもよい。有機充填剤の例には、カーボンブラック及びデンプンが含まれる。無機充填剤の例には、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マイカ、タルク(水和ケイ酸マグネシウム)、及びクレイ(水和アルミニウムシリケート)が挙げられる。カーボンブラック及びシリカは、タイヤの製造において用いられる最も一般的な充填剤である。ある実施形態では、異なる充填剤の混合物を有利に用いてもよい。
1つ以上の実施形態では、カーボンブラックには、ファーネスブラック、チャンネルブラック、及びランプブラックが含まれる。カーボンブラックのより具体的な例には、超摩耗ファーネスブラック、中間超摩耗ファーネスブラック、高磨耗ファーネスブラック、高速押出ファーネスブラック、微細ファーネスブラック、半強化ファーネスブラック、中級加工チャンネルブラック、ハード加工チャンネルブラック、導電性チャンネルブラック、及びアセチレンブラックが挙げられる。
特定の実施形態では、カーボンブラックの表面積(EMSA)は、少なくとも20m/g、別の実施形態では、少なくとも35m/gであってもよく、表面積値は、ASTM D−1765によって、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)技術を用いて決定することができる。カーボンブラックは、ペレット化された形態又はペレット化されていない綿状形態であり得る。カーボンブラックの好ましい形態は、ゴム化合物を混合するために使用される混合機器の種類に依存し得る。
ゴム組成物中で用いるカーボンブラックの量は、ゴム100重量部(phr)当たり最大で約50重量部であってもよく、約5〜約40phrが典型的である。
使用され得るいくつかの市販のシリカとしては、Hi−Sil(商標)215、Hi−Sil(商標)233、及びHi−Sil(商標)190(PPG Industries,Inc.;Pittsburgh,Pa.)が挙げられる。市販のシリカの他の供給業者としては、Grace Davison(Baltimore,Md.)、Degussa Corp.(Parsippany,N.J.)、Rhodia Silica Systems(Cranbury,N.J.)、及びJ.M.Huber Corp.(Edison,N.J.)が挙げられる。
1つ以上の実施形態では、シリカは、その表面積によって特徴付けることができ、これにより、その補強特性の尺度が与えられる。ブルナウアー−エメット−テラー(「BET」)法(J.Am.Chem.Soc.,vol.60,p.309 et seq.に記載されている)は、表面積を決定するための広く認められている方法である。シリカのBET表面積は、一般に450m/g未満である。表面積の有用な範囲としては、約32〜約400m/g、約100〜約250m/g、約150〜約220m/gが挙げられる。
シリカのpHは、概ね、約5〜約7若しくはわずかに7超えであるか、又は別の実施形態では、約5.5〜約6.8である。
1つ以上の実施形態では、シリカを充填剤として用いる場合(単独で又は他の充填剤と組み合わせて)、カップリング剤及び/又は遮蔽剤をゴム組成物に添加することを混合中に行なって、シリカのエラストマーとの相互作用を高めてもよい。有用なカップリング剤及び遮蔽剤は以下の文献に開示されている。米国特許第3,842,111号、第3,873,489号、第3,978,103号、第3,997,581号、第4,002,594号、第5,580,919号、第5,583,245号、第5,663,396号、第5,674,932号、第5,684,171号、第5,684,172号、第5,696,197号、第6,608,145号、第6,667,362号、第6,579,949号、第6,590,017号、第6,525,118号、第6,342,552号、及び第6,683,135号。これらは本明細書において参照により組み込まれている。
ゴム組成物中で用いるシリカの量は、約1〜約100phr、又は別の実施形態では、約5〜約80phrであってもよい。有用な上限範囲は、シリカによって与えられる高粘性によって限定される。シリカをカーボンブラックと共に用いるとき、シリカの量を約1phr程度に低くすることができる。シリカの量が低いため、使用するカップリング剤及び遮蔽剤の量を少なくすることができる。概ね、カップリング剤及び遮蔽剤の量は、使用するシリカの重量に対して、約4%〜約20%の範囲である。
硫黄又は過酸化物系硬化系を含む、多数のゴム硬化剤(加硫剤とも呼ばれる)が用いられてもよい。硬化剤は、Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,Vol.20,pgs.365〜468,(3rd Ed.1982)、特に、Vulcanization Agents and Auxiliary Materials,pgs.390〜402、及びA.Y.Coran,Vulcanization,Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,(2nd Ed.1989)に記載されており、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。加硫剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
ゴム配合において典型的に用いられる他の成分もまた、ゴム組成物に添加されてもよい。これらには、促進剤、促進活性剤、油、可塑剤、蝋、スコーチ防止剤、加工助剤、酸化亜鉛、粘着付与樹脂、強化用樹脂、ステアリン酸などの脂肪酸、解こう剤、及び、酸化防止剤及びオゾン劣化防止剤などの劣化防止剤が挙げられる。特定の実施形態では、用いられる油としては、従来から伸展油として用いられるものが挙げられ、これは前述している。
ゴム組成物のすべての成分は、標準的な混合機器、例えばバンバリー又はブラベンダーミキサ、押出機、ニーダー、及び2つの圧延ミルを用いて混合することができる。1つ以上の実施形態では、構成成分を2つ以上の段階で混合する。第1の段階(多くの場合、マスターバッチ混合段階とも呼ばれる)において、いわゆるマスターバッチ(典型的に、ゴム成分及び充填剤が含まれる)を調製する。早期加硫(別名スコーチ)を防止するために、マスターバッチから加硫剤を除外してもよい。マスターバッチの混合を、開始温度が約25℃〜約125℃、吐出温度が約135℃〜約180℃で行なってもよい。マスターバッチが調製されたらすぐに、加硫剤をマスターバッチに導入して混合することを、最終的な混合段階で行なっても良く、これを典型的に比較的低温で行なって、早期加硫が起きる可能性を小さくする。任意選択的に、しばしば再ミルと呼ばれる付加的な混合段階を、マスターバッチ混合段階と最終的な混合段階との間で用いることができる。ゴム組成物にシリカが充填剤として含まれる場合、1つ以上の再ミル段階が用いられることが多い。本発明のポリイソプレンを含む種々の構成成分の添加を、これらの再ミル中に行なうことができる。
シリカ充填されたタイヤ配合物に特に適用可能な混合手順及び条件は、米国特許第5,227,425号、同第5,719,207号、及び同第5,717,022号、並びに欧州特許第890,606号に記載されており、これらはすべて、参照により本明細書に組み込まれている。一実施形態では、最初のマスターバッチの調製は、カップリング剤及び遮蔽剤が実質的にない状態でポリイソプレン及びシリカを含めることによって行なう。
本発明のポリイソプレンから調製されるゴム組成物が特に有用であるのは、タイヤ部品、例えばトレッド、サブトレッド、側壁、ボディプライスキム、ビーズ充填剤などを形成する場合である。1つ以上の実施形態では、これらのトレッド又は側壁配合物には、約10重量%〜約100重量%、別の実施形態では約35重量%〜約90重量%、及び別の実施形態では約50重量%〜約80重量%(配合物内のゴムの総重量に基づく)の本発明のポリイソプレンが含まれていても良い。
ゴム組成物をタイヤの製造において用いる場合、これらの組成物を処理してタイヤ部品にすることを、普通のタイヤ製造技術、例えば、標準的なゴム成形技術、成型技術、及び硬化技術により行なうことができる。典型的に、加硫は、加硫性組成物を成形型内で加熱することによって達成される。例えば、成形型は、約140℃〜約180℃に加熱されてもよい。硬化又は架橋されたゴム組成物は、加硫ゴム(一般的に熱硬化性の三次元ポリマー網状組織を含有する)と呼ばれることもある。充填剤及び加工助剤などの他の成分は、架橋された網状組織全体に亘って一様に分散してもよい。空気入りタイヤは、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,866,171号、同第5,876,527号、同第5,931,211号、及び同第5,971,046号に記載されるように作製され得る。
本発明の実施を示すために、以下の実施例が調製され、試験された。しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲を制限するものとして見なされるべきではない。特許請求の範囲が本発明を定義するものとする。
以下の実施例において、ポリマーサンプルのムーニー粘度(ML1+4)は、100℃で、大きなロータが付いたMonsantoムーニー粘度計と、1分間の予備時間と、4分間の実行時間とを使用して求められた。ポリマーサンプルの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって求められた。ポリマーサンプルのシス−1,4−結合、トランス−1,4−結合、及び3,4−結合含有量は、13CNMR分光法によって決定した。
(実施例1)
機械式攪拌装置(シャフト及びブレード)付きの1ガロンのステンレスシリンダーからなる重合反応器は、高粘度ポリマーセメントの混合が可能であった。反応器の上部は、重合の間を通して反応器の内側で発生したイソプレンの蒸気を、運搬、凝縮、及びリサイクルするための還流凝縮器システムに接続された。反応器には、冷水で冷やされる冷却ジャケットも付けた。重合の熱は、一部は、還流凝縮器システムの使用による内部冷却によって、また一部は、冷却ジャケットへの熱移動による外部冷却によって、消散された。
反応器は、乾燥窒素流で徹底的にパージされ、その後、136gの乾燥イソプレンモノマーを反応器に充填し、反応器を65℃まで熱し、続いて、還流凝縮器システムの上部から、液体イソプレンが反応器内からなくなるまでイソプレンの蒸気をガス抜きすることによって、イソプレンの蒸気と入れ替えた。冷却水を、還流凝縮器及び反応器ジャケットに適用し、2500gのイソプレンモノマーが、反応器内に充填された。モノマーを、32℃で温度調節した後、予備成形した触媒を反応器へ充填することにより重合を開始させたが、この触媒を以下の順番(すなわち、ヘキサン中で21.3重量%の1,3−ブタジエンを7.8g、ヘキサン中で0.125Mのネオジム2−エチルヘキシルホスフェート(NdP)を4.0mL、ヘキサン中で1.0Mのジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAH)を5.0mL、及びヘキサン中で0.107Mのジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)を9.4mlの順)で混合することにより調製し、また混合物を15分間熟成させた。開始から22.5分後、重合混合物を1820gのヘキサン中に溶解させた6.0mLのイソプロパノールで希釈し、またこのバッチを、15gの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを含有する8Lのイソプロパノール中に滴下することにより、重合を停止させた。凝固したポリマーをドラム乾燥させた。ポリマーの特性決定データについては、表1を参照のこと。
Figure 2018505918
(実施例2)
ヘキサン中で21.9重量%のイソプレンを12.8g及びヘキサン中で1.0MのDIBAHを6.0mL使用したことを除き、実施例1に記載したものと同じ手順を実施例2で使用した。ポリマーの特性決定データについては、表1を参照のこと。
実施例1及び実施例2を比較したところ、1,3−ブタジエンの存在下で触媒を予備成形した場合に、イソプレンとは対照的に、バルク重合速度が増大した。1,3−ブタジエンの存在下でバルク重合により調製されるポリイソプレンは、同一のポリマー微細構造を維持する一方、より狭い幅の分子量分布を有する。1,3−ブタジエンの存在下で触媒を予備成形する場合に、類似したムーニー粘度を得るために、より少ないジイソブチルアルミニウム水素化物(DIBAH)が必要である。実施例1及び実施例4を比較したところ、ブタジエンの存在下で触媒を予備成形させた場合に、NdP等量当たり同一のDIBAHにて、重合速度が増大した。
(実施例3)
ヘキサン中で1.0MのDIBAHを4.0mL使用したことを除き、実施例1に記載したものと同じ手順を実施例3で使用した。ポリマーの特性決定データについては、表1を参照のこと。
(実施例4)
ヘキサン中で21.9重量%のイソプレンを11.4g及びヘキサン中で1.0MのDIBAHを5.0mL使用したことを除き、実施例2に記載したものと同じ手順を実施例4で使用した。ポリマーの特性決定データについては、表1を参照のこと。
実施例3及び実施例4を比較したところ、1,3−ブタジエンの存在下で触媒を予備成形した場合に、イソプレンとは対照的に、バルク重合速度が増大した。1,3−ブタジエンの存在下でバルク重合により調製されるポリイソプレンは、同一のポリマー微細構造を維持する一方、より狭い幅の分子量分布を有する。1,3−ブタジエンの存在下で触媒を予備成形する場合に、類似したムーニー粘度を得るために、より少ないDIBAHが必要である。実施例3及び実施例6を比較したところ、ブタジエンの存在下で触媒を予備成形させた場合に、NdP等量当たり同一のDIBAHにて、重合速度が増大した。
(実施例5)
ヘキサン中で1.0MのDIBAHを3.0mL使用したことを除き、実施例1に記載したものと同じ手順を実施例5で使用した。ポリマーの特性決定データについては、表1を参照のこと。
(実施例6)
ヘキサン中で21.9重量%のイソプレンを11.7g及びヘキサン中で1.0MのDIBAHを4.0mL使用したことを除き、実施例2に記載したものと同じ手順を実施例6で使用した。ポリマーの特性決定データについては、表1を参照のこと。
実施例5及び実施例6を比較したところ、1,3−ブタジエンの存在下で触媒を予備成形した場合に、イソプレンとは対照的に、バルク重合速度が増大した。1,3−ブタジエンの存在下でバルク重合により調製されるポリイソプレンは、同一のポリマー微細構造を維持する一方、より狭い幅の分子量分布を有する。1,3−ブタジエンの存在下で触媒を予備成形する場合に、類似したムーニー粘度を得るために、より少ないDIBAHが必要である。
本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない様々な修正及び変更が当業者には明らかであろう。本発明は、本明細書に記載の例示的な実施形態に正式に限定されるものではない。

Claims (20)

  1. ポリイソプレンを製造するための方法であって、
    (i)1,3−ブタジエンの存在下で、予備成形されたランタニド系触媒を調製する工程、及び
    (ii)前記予備成形触媒をイソプレンに導入することにより、重合混合物を形成することであって、前記重合混合物が、前記重合混合物の総重量に対して20重量%未満の有機溶媒を含んで、前記重合混合物を形成する工程、を含む、方法。
  2. 予備成形されたランタニド系触媒を調製する前記工程が、ランタニド含有化合物、アルキル化剤、ハロゲン源、及び1,3−ブタジエンを組み合わせることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記予備成形されたランタニド系触媒が、1,3−ブタジエンモノマーのミリモル当たり約30〜約300ミリモルのランタニド含有化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 予備成形されたランタニド系触媒を調製する前記工程が、約0〜約40℃にて行われる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記予備成形されたランタニド系触媒を、重合混合物を形成する前記工程に先立って、少なくとも3分間熟成させる工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  6. 予備成形されたランタニド系触媒を調製する前記工程が、1,3−ブタジエンモノマーを提供することと、ランタニド含有化合物を前記1,3−ブタジエンモノマーに導入することと、続いてアルキル化剤を前記1,3−ブタジエンモノマーに導入することと、続いてハロゲン源を前記1,3−ブタジエンモノマーに添加することと、を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 予備成形されたランタニド系触媒を調製する前記工程が、イソプレンの実質的不存在下で前記触媒を調製することを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記予備成形されたランタニド系触媒が、ランタニド含有化合物に対するアルキル化剤のモル比約0.5:1〜約20:1を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記予備成形されたランタニド系触媒が、ランタニド含有化合物に対するハロゲン含有化合物のモル比約0.5:1〜約20:1、又はランタニド含有化合物に対する非配位アニオンのモル比若しくは非配位アニオン前駆体のモル比約0.5:1〜約20:1を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記ポリイソプレンが、5.8未満の分子量分布を有する、請求項1に記載の方法。
  11. ポリイソプレンを製造するための方法であって、
    (i)1,3−ブタジエンの存在下で、ランタニド系触媒を予備成形する工程、及び
    (ii)前記重合混合物の総重量に対して20重量%未満の有機溶媒を含む重合混合物内に位置する前記ランタニド系触媒により、イソプレンを重合させる工程、を含む、方法。
  12. ランタニド系触媒を予備成形する前記工程が、ランタニド含有化合物、アルキル化剤、ハロゲン源、及び1,3−ブタジエンを組み合わせることを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 予備成形の前記工程が、1,3−ブタジエンモノマーのミリモル当たり約30〜約300ミリモルのランタニド含有化合物を含むランタニド系触媒を形成する、請求項11に記載の方法。
  14. 予備成形の前記工程が、約0〜約40℃で行われる、請求項11に記載の方法。
  15. 予備成形の前記工程において形成された、前記予備成形されたランタニド系触媒を、重合混合物を形成する前記工程に先立って、少なくとも3分間熟成させる工程を更に含む、請求項11に記載の方法。
  16. 予備成形する前記工程が、1,3−ブタジエンモノマーを提供することと、ランタニド含有化合物を前記1,3−ブタジエンモノマーに導入することと、続いてアルキル化剤を前記1,3−ブタジエンモノマーに導入することと、続いてハロゲン源を前記1,3−ブタジエンモノマーに添加することと、を含む、請求項11に記載の方法。
  17. 予備成形する前記工程が、イソプレンの実質的不存在下で前記触媒を調製することを含む、請求項11に記載の方法。
  18. 予備成形の前記工程が、ランタニド含有化合物に対するアルキル化剤のモル比約0.5:1〜約20:1を含む予備成形されたランタニド系触媒を形成する、請求項11に記載の方法。
  19. 予備成形の前記工程が、ランタニド含有化合物に対するハロゲン含有化合物のモル比約0.5:1〜約20:1、又はランタニド含有化合物に対する非配位アニオンのモル比若しくは非配位アニオン前駆体のモル比約0.5:1〜約20:1を含む、予備成形されたランタニド系触媒を形成する、請求項11に記載の方法。
  20. 前記ポリイソプレンが、5.8未満の分子量分布を有する、請求項11に記載の方法。
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