JP2018505905A - 局所医薬製剤 - Google Patents

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Abstract

本明細書に記載されるのは、NSAIDの適用のための局所組成物であって、当該組成物は、多価アルコール、グリコールエーテル、高級脂肪酸のエステル及び水を含む残留担体系(residual carrier system)中に活性成分としてNSAIDの溶液又は懸濁液を含有し、そして当該残留担体系の成分は重量パーセントで以下の濃度:多価アルコール50〜90%;グリコールエーテル7.5〜40%;エステル0.5〜5%;及び水10%まで、を有する。当該組成物又は当該残留担体系のいずれかは、周囲条件で単相である。当該組成物はまた、揮発性溶媒、例えばエタノール又はイソプロピルアルコールを含有してもよい。

Description

発明の分野
本発明は局所医薬製剤に関し、特に、鎮痛目的で下層組織への局部経皮的送達のための非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の適用のための局所製剤を提供する。
発明の背景
疼痛及び炎症の緩和のため、及び運動性の回復のために、下層組織への局部送達のための局所適用を対象とした、ゲル、クリーム及びスプレーの形態でのNSAID含有製剤を提供することは既に知られている。しかしながら、いくつかのNSAIDは、それ自体で、又は他の薬剤との相互作用において望ましくない副作用を示し、この理由のために、適用部位の下の局部組織標的における治療活性の有効量を提供し、同時に全身循環における一般的な取り込みを防止する、局所製剤を提供することが継続して必要とされている。その目的は、全身的有害事象、例えば胃、肝臓、腎臓及び他の影響の可能性なしに局所的有効性を提供することである。既知の局所製剤の有効性は、経口投与用組成物の有効性とは有利には比較にならないが、しかしながら、全身循環における一般的な取り込みを有する。
多くのNSAID薬が、サリチル酸塩、インドメタシン、ピロキシカム、ケトプロフェン、ジクロフェナクなどを含む、局所−局部送達用に製剤化されている。局所的皮膚、局部又は経皮治療目的であっても、有効な局所療法は、標的部位での治療薬濃度の達成を必要とし、他の物質間での薬効及び皮膚浸透の程度に依存する。局所局部目的のために、ジクロフェナク、ケトロラク及びケトプロフェンが好ましく;特に、ジクロフェナクについての有効性係数(効力に対するその皮膚浸透の比)は、正しい薬物選択の重要性を示す103程度の因子によってピロキシカムの有効性係数よりも大きい。ジクロフェナク及びケトプロフェンは、他の薬物と比較してより速いそれらの全身クリアランスに基づいて特に好ましい。全体的に、ジクロフェナクは一般的に、局所局部適用のために好ましいNSAIDであると考えられている。他のジクロフェナク製剤は経口療法から得られる有効性よりも劣る有効性を示すが、変形性関節症(ostheoarthritis)の治療における使用のための1%ジクロフェナクナトリウムゲルの試験は有効性及び安全性を実証した。現在利用可能な製剤の1つは、「Voltarol Emulgel P」として市販されており、100gのゲルあたり1gのジクロフェナクナトリウムに相当する、1.16%のジクロフェナクジエチルアンモニウムを含有する。
局所適用後の最適な利益対リスク比を達成する観点から、皮膚における個々の薬物代謝の速度(迅速な代謝は局所的有効性の可能性を減少させることになる)、及び全身循環からのクリアランス(遅いクリアランスは血漿中で蓄積する治療レベルをもたらす傾向がある)を考慮することが適切であり、これらの因子は異なる薬物間でかなり変化する。イン・ビボのヒト研究から、4%ジクロフェナクナトリウムゲルの局所適用が、3日間毎日3回服用した治療的経口用量の15mgジクロフェナクよりも、約60倍低下した血漿濃度を有するにもかかわらず、2〜3倍高い皮膚濃度を達成することが見出されている。
ジクロフェナク塩のある種の現在入手可能な製剤は、揮発性溶媒、例えばエタノール又はイソプロパノールあるいはそれらの混合物と組み合わせた、不揮発性溶媒、例えばプロピレングリコールの使用に基づく。揮発性溶媒の目的は、可溶性を増加させ、また、使用時の蒸発に伴う容積の減少、ひいては不揮発性の残留相におけるジクロフェナク濃度の増大をもたらすことである。残留相におけるジクロフェナク塩の過飽和が起こる可能性があるが、拡散は絶対ジクロフェナク濃度よりもむしろ化学ポテンシャルの機能であるので、いずれにしても、経皮浸透プロセスを促進する残留相の飽和度である。例として、ポリエチレングリコール中のジクロフェナク酸の飽和溶解度は11.18%w/wであるが、プロピレングリコール中の飽和溶解度はわずか1.16%w/wである。それにもかかわらず、これらのそれぞれの系からのジクロフェナクのフラックス(flux)間に顕著な差はなく、実際に、プロピレングリコール中のジクロフェナク酸の塩の飽和溶解度は約50%w/wであるため、極度に高濃度の塩が使用されるか、又は極度に低いパーセンテージの残留相溶媒が使用されない限り、飽和、より具体的には過飽和を達成するのは非常に困難である。製剤のpHもまた、より低いpH値、例えばpH3.5〜5.5が、ジクロフェナクの溶解度を低下させ、従って高飽和又は過飽和した残留相の達成を促進する際にジクロフェナクのフラックス又は活性状態を高めるように、溶解度に影響を与え得る。
水−エタノール及びグリセロール−プロピレングリコール混合物中でジクロフェナク酸を使用する試みは、製剤の2.5〜5重量%のジクロフェナク酸の濃度に基づいて行われており、そのような用量は、2.5mg/cm2/時の製品適用速度を前提とする効果的であるが本質的に非全身性の局部量を送達すべきであることが計算されている。しかしながら、ジクロフェナク酸の飽和溶解度は純粋エタノール中であってもわずか5%w/wであり、またプロピレングリコール中での飽和溶解度は例えばグリセロールと比較して、約1%w/wと比較的高いため、低いパーセンテージのプロピレングリコールが使用されない限り、低い過飽和度しか達成することができないことは明らかである。高級アルコール、例えばプロパノール又はイソプロパノールは、エタノールの部分的又は全体的置換物として使用することができるが、ジクロフェナク酸についてのそれぞれの飽和溶解度は、3〜4%の範囲であり、従ってエタノールよりも低いことが見出されている。
Carrara(米国特許出願公開第2005/0244522号明細書)は、クリーム形態でジクロフェナクジエチルアンモニウムを含む様々な薬物を送達するために、ジエチレングリコールエーテル及び、場合によりプロピレングリコールと組み合わせた天然の(植物由来の)肌浸透促進剤の使用を記載している。ジクロフェナクのイン・ビトロでの浸透はVoltarolゲルの約2倍である。Bauer(EP1588697)は、クリーム形態でジクロフェナク酸及びリシン塩を含む様々な薬物を送達するために、オキシエチレンまたはオキシプロピレン乳化親油性相を含有し、場合によりプロピレングリコール及びミリスチン酸イソプロピルを含有する、アクリレートハイドロゲルを記載している。国際公開第2010/087947号は、抗酸化剤、界面活性剤などと共に、様々な有機溶媒及びエモリエント剤、例えば油、脂肪酸又はエステル中の、ジクロフェナクの油性溶液を開示している。国際公開第93/00873号は、ジクロフェナクの局所適用のための水性ゲルを記載しており、当該ゲルは経皮フラックスを増強するために、水、低分子量アルコール又はグリコール及びエーテルアルコール及び脂肪アルコールエステルを含有する。米国特許出願公開第2007/0280972号明細書は、揮発性及び不揮発性溶媒並びにゲル化剤を含み、それによって皮膚への適用時に、揮発性溶媒が蒸発し、ゲル化剤が剥離又は洗浄によって除去可能な固体ゲル層を形成する、ゲル組成物を記載している。Davis(国際公開第2008/110741号)は、NSAIDの局所適用のための組成物を記載し、当該組成物は、多価アルコール、グリコールエーテル及び高級脂肪酸のエステルを含む担体系中に活性成分としてNSAIDの溶液又は懸濁液を含有し、当該担体系は周囲温度で単相として存在し、一般的に低級アルコール希釈剤を含み、水は本質的に担体系に存在しない。
NSAIDSの増強された皮膚浸透のための局所製剤を設計する際に、これまでに、全体として、すなわち皮膚への適用前に、組成物中のNSAIDの溶解度を増加させる努力が主として成されてきた。しかしながら、当該組成物が揮発性溶媒を含有する場合、当該溶媒は皮膚への組成物の適用時に蒸発し、そのフラックスは、全体としての組成物中のあるいは残留不揮発性相中のNSAIDの絶対濃度にではなく、むしろ残留相中のNSAIDの飽和度に依存することが現在認識されている。それゆえ、これまでに追及された目標とは対照的に、飽和濃度が比較的低く、結果として、揮発性成分が蒸発する際に、残留相中のNSAIDの濃度が飽和又はさらには過飽和を達成する可能性がより高くなり、したがってNSAIDフラックスを最適化し、かつ皮膚浸透を促進するような、NSAIDに対して比較的低い溶媒和力を有する残留相溶媒又は溶媒混合物を使用することが重要である。角質層(stratum corneum)の浸透を可能にし又は促進するために、NSAIDが脂溶性であることも望ましい。
上記の国際公開第2008/110741号に開示された組成物は、本質的に無水であり、水の存在は単相系に対して作用し、したがって皮膚浸透を阻害すると考えられてきた。水は(存在すれば)、揮発性溶媒として作用することとなり、組成物の肌への適用時に肌から蒸発し、従って組成物又は残留相の浸透特性に影響を及ぼさないと考えられた。
現在、国際公開第2008/110741号に記載された組成物に関する先の理解とは対照的に、水は多価アルコールと平衡混合物を形成し、従って肌への組成物の適用時に全蒸発しないことが分かった。それゆえ、揮発性溶媒として作用する代わりに、水は多価アルコールによって部分的に保持され、従って残留相の成分として残る。多価アルコールと併せて、水は混和性共溶媒を形成し、NSAIDの飽和濃度を低下させ、残留相中のそのフラックスを増強する。それゆえ、以前に支持されていた理解とは対照的に、水は、残留相中で(及び残留相から)フラックス(したがって、皮膚浸透)を増大させる助けとなる。
国際公開第2008/110741号に記載された組成物において、多価アルコール、好ましくはグリコールは、活性成分を角質層バリアにおいて可溶性にし、また、エステルの溶解度を増大させる。エステル、好ましくは極性脂質は、角質層バリアを通る拡散又は輸送速度を増加させる効果を有する。しかしながら、多価アルコール及びエステルは記載された組成物に非混和性であり、したがって活性成分のための均質な単相担体系を形成しない。グリコールエーテルは、共溶媒として含まれ、多価アルコールとエステルの中間の極性を有し、他の2つの成分を可溶化するのに少なくとも十分な量で存在し、均質な単相担体系を提供する。記載された組成物は、角質層を通る拡散性を効果的に増大させるために、(残留相に基づいて)少なくとも2%のエステル、従って可溶化を達成するために必要とする濃度、例えば30〜50%以上のグリコールエーテル溶媒を含有する。しかしながら、グリコールエーテルはまた、ジクロフェナクにとって優れた溶媒であり、従って担体系においてジクロフェナクの飽和度を低下させる。この理由のために、また、そのような組成物への繰り返し又は長期間曝露した後の皮膚炎症又はアレルギー性皮膚炎に関連する任意の懸念を軽減するために、グリコールエーテル溶媒の濃度を低下することが望ましいと考えられ得る。
発明の概要
第1の態様では、本発明は、NSAIDの適用のための局所組成物であって、当該組成物が、多価アルコール、グリコールエーテル、高級脂肪酸のエステル及び水を含む残留担体系(residual carrier system)中に活性成分としてNSAIDの溶液又は懸濁液を含有し、当該残留担体系の成分が、重量パーセントで以下の濃度:
多価アルコール 50〜90
グリコールエーテル 7.5〜40
エステル 0.5〜5
水 最大で10
を有し、
ここで、当該組成物又は当該残留担体系のいずれかが、周囲条件下で単相である、
組成物を提供する。
前記成分の好ましい重量パーセントの範囲は以下の通りである:
多価アルコール 55〜80
グリコールエーテル 15〜35
エステル 1〜5
水 2.5〜10。
前記成分のより好ましい重量パーセントの範囲は以下の通りである:
多価アルコール 50〜70
グリコールエーテル 25〜35
エステル 2.5〜5
水 2.5〜10(好ましくは5〜10)。
前記成分のさらにより好ましい重量パーセントの範囲は以下の通りである:
多価アルコール 60〜65
グリコールエーテル 25〜30
エステル 2.5〜4
水 5〜10。
組成物又は担体系が「単相」であることは、組成物又は担体系を構成する成分が、平衡状態で、均質であり、したがって均一な物理的及び化学的特性を有する系を形成することを意味する。組成物又は担体系を形成する成分は、均質な溶液を形成するためにそれらが存在するパーセンテージにおいて、全て可溶性である。
対照的に、2相系は、異なる物理的及び/又は化学的特性を有し(例えば水及び油)、識別可能な相境界によって互いに分離する、2つの異なる相を有する。
好ましくは、前記組成物は周囲条件で単相である。好ましくは、前記残留担体系は周囲条件で単相である。いくつかの実施形態では、前記組成物及び前記残留担体系のいずれも周囲条件で単相である。
前記担体系及び/又は前記組成物は周囲条件で単相である。「周囲条件」とは、ほとんどの気候条件での室温、例えば5℃〜40℃を意味するが、冷蔵庫保存を可能にするために0℃まで低下した温度の可能性を含む。いくつかの実施形態では、前記組成物及び/又は残留担体系は体温、例えば約37℃で単相である。
上述した本発明に係る組成物において、残留担体系成分のパーセンテージは、全組成物に対するものではなく、全残留担体系に対するものである。しかしながら、各担体系成分及び全残留担体系(又は残留相)のパーセンテージを決定する場合、これは、肌への使用の適用前の、揮発性成分を含む「新品の(as new)」全製剤内のそれらの成分の分析によって行われるべきである。しかしながら、使用中に揮発性成分が追い出されることになり、したがって残留相が残ると理解されるべきである。
残留相においては、一部の水は蒸発する可能性があるので、全製剤中よりも少ない水が存在する可能性がある。しかしながら、その成分のパーセンテージが上記の範囲内にあるかどうかを評価するために、全残留担体系及び残留担体系中の水のパーセンテージを決定する目的で、「新品の」全製剤が分析されるべきである。
実際には、残留相に保持される水の正確な量は、周囲雰囲気の温度及び相対湿度に依存することになる。そのように残留相を分析することが望まれる場合、全製剤は揮発性が蒸発することになる条件に従うべきであり、それに従って、疑わしいことを避けるために、残留相は31℃の温度及び31.9%の相対湿度で試験されるべきである。揮発性成分を蒸発させるために全製剤が放置される期間は、残留相に保持される水の量に影響すべきではない。しかしながら、実際には全製剤は30分間を超えて放置されるべきではない。好ましくは、全製剤は残留相の含水量を試験する前に約20分間放置される。残留相は、全製剤におけるように、他の成分、すなわち多価アルコール、グリコールエーテル及びエステル、の同量を含有すべきであるが、これらは当業者によって容易に測定することもできる。この方法は残留担体系が単相であるかどうかを決定することにも使用することができる。
本明細書において、用語「揮発性」は、皮膚への組成物の適用時に蒸発する成分を認定するために使用され、それらの成分、それ自体が32℃の温度(ヒトの皮膚の正常温度)で1時間以下、好ましくは30分以下の半減期を有することを意味する。
本発明においては、組成物中のNSAIDは、好ましくは唯一の活性成分として、ジクロフェナク、ケトロラク及びケトプロフェンから選択され得る。使用され得る他のNSAIDSは、ナプロキセン及びセレコキシブを含む。前記NSAIDは塩形態又は酸形態で有り得る。好ましい実施形態では、前記NSAIDはジクロフェナクである。前記NSAIDはジクロフェナク塩、例えばジエチルアミン塩であってもよく、又はジクロフェナク酸であってもよい。本発明に係る組成物中の活性成分としての使用に好ましいNSAIDは、ジクロフェナクであり、それは疼痛及び炎症に関連するそのシクロオキシゲナーゼ活性に起因し、並びに、効力に対する皮膚浸透のその数値比が他のNSAIDの全てではないにしても大半に勝っているためである。ジクロフェナクの酸形態は、ジクロフェナク酸の使用によって増加した皮膚浸透が生じると考えられているため、好ましい。酸形態はまた、塩形態よりも溶解性が低く、それによって揮発性成分の蒸発時に残留相において飽和又は過飽和を達成することがより容易である。
本発明に係る組成物に水を含めることにより、多価アルコールとの平衡混合物を形成し、したがって皮膚浸透フラックス又は活性状態を増強するだけでなく、多価アルコールによるNSAIDのエステル化が阻止又は防止され得る。エステル化され得るNSAIDには、カルボン酸基を含むものが挙げられる。それゆえ、いくつかの実施形態では、組成物中のNSAIDはカルボン酸基を含むNSAIDである。カルボン酸基を含むNSAIDには、それらの酸形態での、ジクロフェナク、ケトロラク、ケトプロフェン及びナプロキセンが挙げられる。したがって、本発明において、NSAIDは、それらの酸形態での、ジクロフェナク、ケトロラク、ケトプロフェン及びナプロキセンから選択され得る。好ましい実施形態では、組成物中のNSAIDはジクロフェナク酸である。
ジクロフェナク酸は25℃で4+/−0.2のpKaを有し、それゆえ、組成物が、4.0以下のpHを有し、イオン化を防止するか又は少なくとも阻止し、したがって脂質溶解性を高めることが好ましい。しかしながら、保存時の安定性を向上するために、7に近いpH(中性)が望ましく、従ってpHを上昇させるために中和剤を含めることが望ましい場合がある。好適な中和剤には、有機アミン、例えばジエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ラウリルスルフェート、トロメタミン、ジイソプロパノールアミン及びエチレンジアミンが挙げられる。好適な無機中和剤には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び液体アンモニアが挙げられる。中和剤は水混和性であることが望ましく、かつ本明細書に定義された揮発性でもある場合に有利であり、それによって、使用時及び皮膚への適用時に、中和剤が他の揮発性成分とともに蒸発することになり、したがって、残りの(残留)相のpHが最適な皮膚浸透のために好ましい値に向かって低下することになる。液体アンモニアはこの要件を満たす無機中和剤として同定することができるが、ジエチルアミンは使用され得る有機中和剤の一例である。このようにして、当該組成物は、皮膚への適用前、及び揮発性成分のいずれかの蒸発前に、5〜8のpH、より好ましくは、6〜8、及びさらにより好ましくは、6.5〜7.5のpHを有し得る。さらに、当該組成物は、皮膚への適用後、及び揮発性成分の蒸発後に、5以下のpH、より好ましくは、4.5以下、及びさらにより好ましくは、4以下のpHを有し得る。
水の含有は、特にpHが5未満又はより顕著には4.5未満である組成物中において、NSAIDのエステル化を防止又は阻止するので、有利である。言い換えれば、それは酸形態を安定化させるのに役立つ。水はまた、より高いpH、約pH6.5〜7.5を有する組成物における皮膚透過性を増強するように作用することができ、さらに、及びNSAIDの溶解度を低下させる非溶媒として作用し、したがって、揮発性成分が蒸発する際にその活性状態を高め得る。しかしながら、水はまた、エステル成分に対する組成物の可溶化力を低下させ、その飽和溶解度を低下させ、それによって単相系を損なうことなく収容できるエステルの最大量を減少させるので、上記の有益な特性のための非常に少ない水と、有効性に不十分なエステルをもたらす過剰な水との間のバランスを取るべきである。したがって、組成物中の水の量は、いずれの場合にも、NSAIDの沈殿及び/又は当該系のエステル成分の分離を回避する観点から、組成物が含有することができ、かつ依然として単相系のままである、最大量よりも低くあるべきである。当業者は、現在の開示を考慮して、試行錯誤によって前記最大量を容易に決定することができるであろう。水の最小量に関して、多価アルコールはもともと、いくらかの水を含むことになる。添加された水の最小量は、多価アルコール:グリコールエーテルの所定の比率のためのエステル濃度の相境界に影響を及ぼすものであるが、ほとんどの目的のために最小水濃度は残留相(上記に定義された)に基づいて1%であろう。いくつかの実施形態では、最小水濃度は、残留相に基づいて2%、又は好ましくは2.5%で有り得る。
本発明に係る組成物は、感染又は損傷標的部位上で摩擦作用によって皮膚に指で局所適用される場合、20〜50ミクロンの薄膜を形成し、そこから揮発性成分が蒸発して残留相を残し、角質層を通って下層組織に吸収されるようになる。残留相は一定期間にわたって継続的に活性成分を放出し、標的部位に持続的な用量を提供する。本発明に係る組成物は好ましくは、ローション、クリーム又はゲルの形態であり、必要に応じて賦形剤成分をさらに含み、好ましくは希釈剤として揮発性溶媒を含む。
前記多価アルコールは好ましくはグリコールである。前記グリコールは、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−プロパンジオールブチレングリコール、ヘキシレングリコール及びグリセロールなどを含む、3〜6個の炭素原子を有するグリコールから選択され得る。好ましい実施形態では、前記多価アルコールはプロピレングリコールであってもよい。
前記高級脂肪酸のエステルは極性脂質であってもよい。前記極性脂質は、高級脂肪酸のエステルの例示的なサブクラスとして、C10〜C20飽和カルボン酸の分枝鎖アルキルエステル、例えばラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル又はモノラウリン酸プロピレングリコールを含んでもよい。好ましくは、前記極性脂質はC10〜C16飽和カルボン酸の分枝鎖アルキルエステルを含む。さらに例示的なエステルは、ステアリン酸グリセリル及びトリグリセリド、例えばMiglyol 812又はLabrafil MI944CSを含み得る。いくつかの実施形態では、前記極性脂質はC12〜C20飽和カルボン酸の分枝鎖アルキルエステルを含み得る。好ましい実施形態では、前記エステルはミリスチン酸イソプロピルであってもよい。
便宜上、多価アルコールとの共溶媒と呼ばれるグリコールエーテルは、好ましくはジエチレングリコールエーテル、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテル(トランスクトール(Transcutol)(登録商標))である。他のグリコールエーテルは、フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル及びArlamol PS15を含み得る。
本発明に係る組成物中のNSAIDの量は、最大で10重量%で有り得る。いくつかの実施形態では、NSAIDは最大で7.5重量%で存在し得る。他の実施形態では、NSAIDは最大で5重量%又は最大で2.5重量%で存在し得る。NSAIDの塩が使用される場合、前記濃度は遊離酸又は塩基に関する。様々な実施形態では、NSAIDは0.5重量%〜10重量%で存在する。特定の実施形態では、NSAIDは1重量%〜10重量%で存在する。好ましい実施形態では、NSAIDは、0.5重量%〜6重量%で又は1重量%〜5重量%で存在する。上記のパーセンテージは、全製剤に対するものである。
好ましい実施形態では、前記組成物は、残留担体系に基づいて重量パーセントとして表される、5重量%〜9重量%の水、6重量%〜8重量%の水、又は約7重量%の水を含む。
前記エステルは好ましくは、2.7%〜4.5%、より好ましくは3%〜4%、より好ましくはさらに3.25%〜3.75%、例えば約3.5%の範囲であり、全ての濃度は残留担体系に基づく重量パーセントとして表される。
前記グリコールエーテルは好ましくは、残留担体系に基づいて15重量%〜35重量%、より好ましくは25重量%〜30重量%、例えば約28重量%の範囲である。
前記多価アルコールは好ましくは、残留担体系に基づいて55重量%〜80重量%、より好ましくは60重量%〜65重量%、例えば約62重量%の範囲である。
担体系の成分についての上記濃度範囲内では、水は多価アルコールの5%〜12.5%の比率で存在してもよく、そしてグリコールエーテルに対する多価アルコール(水を含む)の比率は、好ましくは80:20〜60:40、より好ましくは75:25〜65:35の範囲である。
好ましくは、本発明に係る組成物はまた、揮発性溶媒を含み、当該揮発性溶媒は、担体系の他の成分とともに、飽和レベルで活性成分を可溶化し、そして皮膚への適用時に蒸発し、したがって活性成分を残留相中で過飽和に向けて又は過飽和に誘導し、活性成分の増強されたフラックスをもたらす。本発明での使用に適した揮発性溶媒は、最大で5個の炭素原子を含む低級アルコール、例えばエタノール又はイソプロピルアルコール(IPA)、及び液相ケトンを含む。いくつかの実施形態では、当該揮発性溶媒はエタノール及び/又はイソプロピルアルコール(IPA)で有り得る。揮発性溶媒は、組成物の総重量に対して15〜50重量%の範囲で有り得る。いくつかの実施形態では、揮発性溶媒は、組成物の総重量に対して15〜40重量%の範囲で有り得る。あるいは、揮発性溶媒は、組成物の総重量に対して15〜30重量%の範囲で、全組成物に基づいて20〜28重量%の範囲で、20〜27重量%の範囲で、又は20〜26重量%の範囲で有り得る。
本明細書におけるケトンに関して「液相」とは、周囲温度で液体である、式R−C(O)−Rを有するケトンを意味し、ここで、R基は、同一又は異なり、かつ、OH、ハロゲン、アセチル(それによってケトンがアセチルアセトンである)によって場合により置換されているアルキル基であるか、あるいはその化学的性質又はその電子分布に対する効果のために、溶媒の溶解特性又は使用時のその蒸発速度を高めるその他の基である。したがって、アセトンよりも高級な同族体、例えば、メチルエチルケトン又はジエチルケトン、が使用されてもよいが、アセトンは、エノール形態がより安定である、ケト−エノール互変異変換を受けるその能力のために特に有用であると考えられる。実際に、アセチルアセトンはまた、ケト−エノール互変異変換を受ける可能性があり、実質的にエノール形態として存在する。
場合により、本発明に係る組成物は、NSAIDの溶解度を減少させ、したがってその活性状態を高めるための非溶媒として、残留担体系の一部として3つ以上のヒドロキシル基を含む多価アルコールを含有する。この目的のための例示的な多価アルコールには、全製剤の15重量%までの濃度での、グリセロール及びソルビトール、好ましくはグリセロールが含まれる。いくつかの実施形態では、当該多価アルコールは最大で12.5重量%で存在してもよい。他の実施形態では、当該多価アルコールは最大で10重量%、最大で7.5重量%、例えば、約5重量%で存在してもよい。好ましくは、多価アルコール(例えばグリセロール)の量は全組成物の0.5重量%〜15重量%である。いくつかの実施形態では、多価アルコール(例えばグリセロール)の量は全組成物の1重量%〜15重量%である。他の実施形態では、多価アルコール(例えばグリセロール)の量は全組成物の2重量%〜15重量%である。多価アルコールについて上述された上限値は、当該範囲にも適用する。それゆえ、例えば、多価アルコールは全組成物の1重量%〜10重量%又は1重量%〜7.5重量%で存在し得る。この成分は、存在する場合、本発明に係る組成物の担体系の必須成分として必要とされる多価アルコールに加えて存在する。単相を維持するために、多価アルコールの量はそれに応じて調整する必要がある。
不安定性の傾向を有し得る過飽和残留相における安定性を高めるために、組成物は薬物成分の再結晶を阻止するための抗核形成剤(antinucleating agent)も含むことが望ましく、それは取り込みに利用可能である量の低下につながることになる。核形成及び再結晶化は、より高い程度の過飽和が残留相において起こる場合に、最も問題となる可能性が高い。抗核形成剤は、アンチヌクレアント(antinucleant)ポリマーを含んでもよく、セルロース、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート;ピロリドン、例えばポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー;及びアクリレート/メタクリレートが含まれる。そのような抗核形成剤は、全組成物に基づいて、1重量%〜5重量%、1重量%〜3重量%、又は約2重量%で存在し得る。
本発明に係る組成物はまた、感覚シグナル、例えばメントール及び/又はユーカリ油を含んでもよい。適用直後にこれらの薬剤は肌に冷感を与え、これは使用者に好まれ、疼痛緩和の開始を告げる。あるいは、当該感覚シグナルは薬剤の適用後に肌に温感を与える薬剤であってもよい。
当該技術分野で知られている他の任意の成分が、意図される適用の様式に応じて製剤目的で本発明に係る組成物に追加されてもよく、増粘剤又はゲル化剤、例えば0.65CSTの粘度を有する、例えばジメチコンシリコーン溶液、スプレー製剤用の推進剤(propellants)などが含まれる。さらなる任意の成分、例えば芳香剤が本発明に係る組成物に追加されてもよい。
担体系成分の重量に関して、残留相を形成する担体系成分のパーセンテージを特定するのではなく、当該成分のパーセンテージは全製剤に対して特定され得る。これらのパーセンテージは全体としての組成物、すなわち皮膚に適用される前、及び揮発性成分のいずれかが蒸発する前の組成物に関する。
それゆえ、全製剤に関して、本発明に係る組成物は、重量パーセントで以下:
多価アルコール 20〜60
グリコールエーテル 5〜30
エステル 0.3〜3
水 2.5〜10
低級アルコール 20〜50
を含み得る。
好ましい実施形態では、全製剤に関して、本発明に係る組成物は、重量パーセントで以下:
NSAID 0.5〜5%
多価アルコール 25〜50
グリコールエーテル 10〜25
エステル 1〜2.5
水 2.5〜10
低級アルコール 20〜50
を含み得る。
好ましい実施形態では、全製剤に関して、本発明に係る組成物は、重量パーセントで以下:
多価アルコール 35〜50
グリコールエーテル 17.5〜25
エステル 1.75〜3.5
水 3.5〜7
低級アルコール 15〜30
を含み得る。
さらに、上述された様々な組成物は、ジメチコン(0.5〜2.5%又は1〜2%)及び/又はヒドロキシプロピルセルロース(1〜3%又は1.5〜2.5%)を含み得る。
発明の詳細な説明
本発明の実施形態をこれより、以下の添付の図面を参照して例として説明することになる。
図1は、プロピレングリコール(PG)、トランスクトール(T)及びミリスチン酸イソプロピル(IPM)を含むが、水を添加してない、担体系の比較目的の相図である。 図2は、水の添加の図1の相境界への影響を示すグラフである。
図1を参照すると、相図は、プロピレングリコールと共溶媒(トランスクトール)との混合物への、ミリスチン酸イソプロピルの添加の影響を示す。相境界は、極性脂質が単位の飽和熱動力学活性にある、単相系の点を結ぶ曲線によって表される。相境界の左側の領域は単相系に関連し、70:30グリコール:トランスクトールから10:90グリコール:トランスクトールまでの相境界曲線をたどるとわかるように、極性脂質濃度は、飽和が維持される間、増加され得る。トランスクトールとグリコールとの各比率について、プロットされた点は、当該系が単相を依然として維持しながら許容できるミリスチン酸イソプロピルの最大量を表す。
相図から、飽和量での極性脂質の含有を可能にすることに関して可能であると分かる異なる担体系は、ジクロフェナクについて異なる可溶化力を有する。
図2を参照すると、プロピレングリコールに基づいて5%及び10%での水の存在が、いかにして、単相系に許容され得るミリスチン酸イソプロピルの量を減少させるかがわかる。
組成物中のジクロフェナクの濃度に関して、経皮吸収プロセスを維持するため、並びにIC90-99の範囲で阻害濃度をもたらす標的部位での治療組織レベルを達成するために十分な、用量レベルを提供することが望ましい。定常状態の血漿レベル、ジクロフェナククリアランス速度、及び局所製剤が局所的に適用される領域を考慮すると、本発明に係る組成物は、5〜25、好ましくは10〜20μg/cm2/時の標的イン・ビボフラックスを提供するように製剤化することができ、それは、1日2回(12時間)の投与計画を想定して、0.5〜5重量%のより広い範囲内において約2.5重量%のジクロフェナクの濃度を必要とする。あるいは、ジクロフェナクは、組成物の総重量に対して、0.5〜2.5重量%、例えば0.5〜1.5重量%の範囲で有り得る。
全体として、約0.5重量%〜5.0重量%の濃度の範囲でのジクロフェナクの飽和レベルを提供するため、並びにグリコール及び極性脂質成分を最適化するために、相境界上の又は相境界に近い、比較的グリコール富む担体系、すなわち、図1の相図の上部に位置するこれらの系を用いることが好ましい。
ヒト皮膚浸透のイン・ビボ速度を予測するために、イン・ビトロとイン・ビボ性能との間の相関関係が確立されているため、一般的にイン・ビトロでの実験を使用する。図1に示されたような系は、ヒトの皮膚を横切るフラックスの最適化されたレベル、並びに、対照としてのVoltarol Emulgelと比較したフラックスの非常に有意な増強を提供することが見出されている。
以下に記載した実施例において、全ての成分は米国薬局方(USP)の要件及び基準に準拠し、それはまた、本明細書及び特許請求の範囲の全体にわたって他の箇所で適切に適用する。
実施例1
例として、ジクロフェナク製剤を以下に示す。かっこ内の数字は、全体としての組成物に対するものではなく、担体系成分の総重量に対する、担体系成分の重量パーセントである。
Figure 2018505905
さらに、本発明に係る組成物を以下の表2及び3に記載する。表2では、当該組成物は10%の水を有するポリエチレングリコールの溶液(「PG10」)に基づいており、そして表3では、当該組成物は5%の水を有するポリエチレングリコールの溶液(「PG5」)に基づいている。当該溶液を異なる比率でトランスクトールと混合して、ストック溶液を形成し、そしてミリスチン酸イソプロピルを第2の非混和性相が明らかになるまで滴下する;相境界を直前の滴下(複数)の組成として記録する。組成物を20℃で調製した。量は使用された実際の重量から算出される重量パーセントである。
Figure 2018505905
Figure 2018505905
Figure 2018505905
Figure 2018505905
本発明に係る組成物を、イン・ビトロでのヒト皮膚を通してのジクロフェナクの浸透を決定するために試験した。これらの組成物は、先行技術の組成物に対して、ジクロフェナクの増加した浸透を提供することが示された。
本発明に係る組成物は、皮膚浸透について増強された結果を得たと考えられ、この結果は、増加したフラックスをもたらす飽和又は過飽和溶液としてのジクロフェナクの高い熱力学的活性;角質層中のジクロフェナク酸及び極性脂質の溶解度を高めるグリコールの能力;並びに、ジクロフェナク酸の拡散を増加させる角質層内の極性脂質の影響、の要因に起因する。これらの要因の各々は他から独立しているので、これらの1つにおける任意の増加は残りに乗算可能な効果を有する。

Claims (33)

  1. NSAIDの適用のための局所組成物であって、多価アルコール、グリコールエーテル、高級脂肪酸のエステル及び水を含む残留担体系(residual carrier system)中に活性成分としてNSAIDの溶液又は懸濁液を含有し、当該残留担体系の成分が重量パーセントで以下の濃度:
    多価アルコール 50〜90%
    グリコールエーテル 7.5〜40%
    エステル 0.5〜5%
    水 最大で10%
    を有し、
    ここで、当該組成物又は当該残留担体系のいずれかが周囲条件下で単相である、組成物。
  2. 前記組成物が周囲条件下で単相である、請求項1に記載の組成物。
  3. 2.5重量%〜10重量%の水を含有する、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 5重量%〜10重量%の水を含有する、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記活性成分としての前記NSAIDが、ジクロフェナク、ケトロラク、ケトプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブ、またはその塩から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記NSAIDがジクロフェナク酸である、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記担体系の前記多価アルコールが、グリコールを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記グリコールがプロピレングリコールである、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記エステルが極性脂質を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記極性脂質が、C10〜C20飽和カルボン酸の分枝鎖アルキルエステルを含む、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記極性脂質がミリスチン酸イソプロピルを含む、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記グリコールエーテルがジエチレングリコールエーテルを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記ジエチレングリコールエーテルがジエチレングリコールモノエチルエーテルである、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記担体系が、グリコール、グリコールエーテル、C10〜C20飽和カルボン酸の分枝鎖アルキルエステル、及び水を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 前記NSAIDの量が、全製剤に対して0.5重量%〜10重量%である、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記NSAIDの量が、全製剤に対して0.5重量%〜6重量%である、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 揮発性溶媒も含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 前記揮発性溶媒が、最大で5個の炭素原子を含む低級アルコール又は液相ケトンを含む、請求項17に記載の組成物。
  19. 前記揮発性溶媒が、エタノール又はイソプロピルアルコールを含む、請求項18に記載の組成物。
  20. 前記溶媒が、全製剤に対して15重量%〜50重量%の範囲で存在する、請求項18又は19に記載の組成物。
  21. 3つ以上のヒドロキシル基を含む多価アルコールをさらに含有する、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
  22. 前記3つ以上のヒドロキシル基を含む多価アルコールが、グリセロール又はソルビトールである、請求項21に記載の組成物。
  23. 中和剤を含有する、請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
  24. 前記中和剤が揮発性である、請求項23に記載の組成物。
  25. 前記中和剤が液体アンモニアである、請求項23又は請求項24に記載の組成物。
  26. 適用前に、6〜8のpHを有する、請求項1から25のいずれか一項に記載の組成物。
  27. 適用後に、5以下のpHを有する、請求項1から26のいずれか一項に記載の組成物。
  28. 前記残留担体系の成分が、重量パーセントで以下の濃度:
    多価アルコール 50〜70%
    グリコールエーテル 25〜35%
    エステル 2.5〜5%
    水 5〜10%
    を有する、請求項1から27のいずれか一項に記載の組成物。
  29. 全組成物に関して、重量パーセントで以下の成分:
    多価アルコール 20〜60
    グリコールエーテル 5〜30
    エステル 0.3〜3
    水 2.5〜10
    低級アルコール 20〜50
    を含有する、請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物。
  30. 全組成物に関して、重量パーセントで以下の成分:
    NSAID 0.5〜5%
    多価アルコール 25〜50
    グリコールエーテル 10〜25
    エステル 1〜2.5
    水 2.5〜10
    低級アルコール 20〜50
    を含有する、請求項1から29のいずれか一項に記載の組成物。
  31. NSAIDの適用のための局所組成物であって、多価アルコール、グリコールエーテル、高級脂肪酸のエステル及び水を含む担体系中に活性成分としてNSAIDの溶液又は懸濁液を含有し、ここで、当該組成物は周囲条件で単相であり、その成分が、全組成物に対して重量パーセントで以下の濃度:
    多価アルコール 20〜60
    グリコールエーテル 5〜30
    エステル 0.3〜3
    水 2.5〜10
    低級アルコール 20〜50
    を有する、組成物。
  32. 重量パーセントで以下の成分:
    NSAID 0.5〜5%
    多価アルコール 25〜50
    グリコールエーテル 10〜25
    エステル 1〜2.5
    水 2.5〜10
    低級アルコール 20〜50
    を含有する、請求項31に記載の組成物。
  33. ヒト又は動物の身体の標的部位への適用による疼痛又は炎症の緩和における使用のための、請求項1から32のいずれか一項に記載の局所組成物。
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