JP2018207760A - ブラシホルダ装置及びそれを搭載したブラシ付きモータ - Google Patents

ブラシホルダ装置及びそれを搭載したブラシ付きモータ Download PDF

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康明 篠▲崎▼
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Abstract

【課題】安価なコストで製造可能とした上で、ブラシの保持機能及び放熱機能を十分に達成できるブラシホルダ装置及びそれを搭載したブラシ付きモータを提供する。【解決手段】ブラシアーム21のアーム本体24の先端に連結部26を介して一体的に折返し面25を形成して折り返すことにより、ブラシアーム21を全体としてアーム本体24上に折返し面25が重ねられた形状とする。アーム本体24に第1保持孔24a及び第1弾性係合片24bを形成し、折返し面25に第2保持孔25a及び第2弾性係合片25bを形成し、第1及び第2保持孔24a,25a内にブラシ22の係合部22aを挿入して、第1弾性係合片24bの間及び第2弾性係合片25bの間に係合部22aを挟持してブラシ22の脱落を防止する。【選択図】図9

Description

本発明は、アーマチャ(電機子)への給電のためにブラシを支持してコミテータ(整流子)の外周面に摺接させるブラシホルダ装置及びそれを搭載したブラシ付きモータに関する。
この種のブラシ付きモータは、ハウジングの内周面にステータを構成する界磁マグネットを固定すると共に、ハウジング内で回転可能に支持された回転軸上にロータを構成するアーマチャ及びコミテータを設けている。ハウジング内にはブラシホルダ装置の一対のブラシベースを固定し、それらのブラシベース上にブラシアームの基端を固定すると共に、各ブラシアームの先端側にブラシを固定している。ブラシアームの撓みに伴う弾性によりモータの運転中のブラシはコミテータの外周面に摺接し、これにより通電するアーマチャの巻線とそれらの巻線に流れる電流の向きを連続的に切替えてロータの回転を継続させる。
複数極の接点からなるコミテータとの摺接によりブラシには周期的な力が作用するため、ブラシを強固に保持する保持機能がブラシアームに要求されると共に、ブラシに発生した熱を逃がす放熱機能も要求される。この点に着目した技術として特許文献1に記載されたものを挙げることができる。
特許文献1の技術は、上記したブラシの保持機能及び放熱機能を達成するためにホルダを追加している。ブラシアームはアーム本体とホルダとから構成され、アーム本体の先端側にはブラシの係合部が挿入される四角形状の第1保持孔を貫設し、その周縁の相対向する2辺を一対の第1弾性係合片として切起し形成している。ホルダには第1保持孔と同形状をなす第2保持孔を貫設し、その周縁の第1弾性係合片を避けた残りの2辺に相当する箇所を一対の第2弾性係合片として切起し形成している。
互いの保持孔を一致させてアーム本体上にホルダを重ねると共に、ホルダ側に突設したボス部をアーム本体側のボス孔に嵌合させた上で、治具によりボス部を潰してカシメ接合している。その後に保持孔内にブラシの係合部を挿入すると、第1弾性係合片の間及び第2弾性係合片の間にそれぞれ係合部が弾性をもって挟持され、ブラシホルダ装置の組付が完了する。
このように構成された特許文献1のブラシホルダ装置は、第1及び第2弾性係合片の挟持によりブラシアームにブラシが強固に保持されると共に、アーム本体のみならずホルダも放熱作用を奏する。加えて、所期のブラシ圧を得るためにブラシアームは弾性に富んだベリリウム銅等の若干高価な材料を用いるものの、ホルダにはそれほど高い弾性は要求されない。そこで、安価な燐青銅等の材料でホルダを製作することにより製造コストの低減を図っている。
特開2002−233111号公報
上記のように特許文献1のブラシホルダ装置ではブラシの保持機能及び放熱機能については達成しているものの、ホルダの材質変更によるコスト低減に関しては今一つ思惑通りではなかった。
その要因は、ブラシホルダ装置の製造工程の増加及び治具の消耗にあった。即ち、ホルダを追加することにより、アーム本体とは別にホルダをプレス成型する工程が新たに必要になると共に、ホルダをアーム本体に結合する工程も必要になり、製造作業の煩雑化ひいてはコスト高騰の要因になった。
また、カシメ接合はホルダをアーム本体に確実に結合する好適な手法ではある。しかし、ボス部を潰す際の治具の消耗が著しく、結果として治具の保守費用が嵩んでしまうことから、この点もコスト高騰の要因になった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、安価なコストで製造可能とした上で、ブラシの保持機能及び放熱機能を十分に達成することができるブラシホルダ装置及びそれを搭載したブラシ付きモータを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のブラシホルダ装置は、ブラシベース上に基端が固定されると共に先端側に第1保持孔が貫設され、該第1保持孔の周縁が相対向する一対の第1弾性係合片として切起し形成されたアーム本体と、前記アーム本体の一側から連結部を介して折り返されて該アーム本体に重ねられ、前記アーム本体の第1保持孔に対応して第2保持孔が形成されると共に、該第2保持孔の周縁の前記第1弾性係合片を避けた箇所が相対向する一対の第2弾性係合片として切起し形成された折返し面と、基端に形成された係合部が前記アーム本体の第1保持孔及び前記折返し面の第2保持孔に挿入されると共に、前記アーム本体の第1弾性係合片の間及び前記折返し面の第2弾性係合片の間にそれぞれ前記係合部が弾性をもって挟持されるブラシと備えていることを特徴とする(請求項1)。
このように構成したブラシホルダ装置によれば、ブラシの係合部は、第1弾性係合片の間に弾性を持って挟持されると共に、第2弾性係合片の間に弾性をもって挟持され、結果としてブラシがブラシアームに強固に保持される。またモータの運転中においてブラシに発生した熱はブラシアーム側に逃がされ、アーム本体及び折返し面から放熱される。
そして、ブラシアームの製造段階においては、アーム本体の一側に連結部を介して折返し面を一体的に形成し、アーム本体に対して折り返すことにより、第2保持孔及び第2弾性係合片を形成可能な面、即ち特許文献1の技術のホルダとして折返し面を機能させている。このため、アーム本体とは別に折返し面をプレス形成する工程が不要となると共に、折返し面をアーム本体に結合する工程も不要となることから、製造工程の増加が回避される。必然的に、アーム本体に折返し面を結合すべくカシメ接合の治具を使用する必要もなくなるため、治具の消耗も回避可能となる。
一方で本発明のブラシホルダ装置は、所期のブラシ圧を得るために、アーム本体のみならず折返し面も弾性に富んだ若干高価な材料が用いられる。このため、ホルダ側を安価な材料で製作可能な特許文献1の技術に比較すると、ブラシアームの材料費は多少高価なものとなる。しかし、材料費よりも製造コストに大きく影響する製造工程の増加及び治具の消耗の問題が解消されるため、トータル的には特許文献1の技術に比較して十分にコスト低減される。
その他の態様として、前記折返し面の各第2弾性係合片の幅が、前記アーム本体の切起し形成される以前の前記両第1弾性係合片の先端の間隔よりも広く設定されていることが好ましい(請求項2)。
このように構成したブラシホルダ装置によれば、アーム本体とは別個の折返し面の第2保持孔に第2弾性係合片が形成されることで、より広い幅を有する第2弾性係合片を形成可能となる。
その他の態様として、前記第1保持孔及び前記第2保持孔がそれぞれ四角形状をなして一致し、前記第1弾性係合片が、前記第1保持孔の相対向する2辺に切起し形成され、前記第2弾性係合片が、前記第1弾性係合片に対して直交するように前記第2保持孔の2辺に切起し形成されていることが好ましい(請求項3)。
このように構成したブラシホルダ装置によれば、四角形状の第1及び第2保持孔の周囲全体を第1及び第2弾性係合片の形成に利用可能となる。
その他の態様として、前記折返し面を、前記アーム本体の先端を折り返して形成することが好ましい(請求項4)。
このように構成したブラシホルダ装置によれば、アーム本体の先端を折り返して折返し面が形成される。結果として材料の板材を略I字状に打ち抜くため、板材の歩留まりが良好なものとなる。また、アーム本体と折返し面とを連結する連結部がブラシアームの先端から張り出すが、ブラシアームの先端にはデッドスペースが存在するため、連結部のためのスペース確保の必要がない。
また別の態様として、請求項1乃至4に記載のブラシホルダ装置を搭載してブラシ付きモータを構成することが望ましい(請求項5)。
このように構成したブラシ付きモータによれば、そのブラシホルダ装置により請求項1乃至4に記載した作用効果が得られる。
本発明のブラシホルダ装置及びそれを搭載したブラシ付きモータによれば、安価なコストで製造可能とした上で、ブラシの保持機能及び放熱機能を十分に達成することができる。
実施形態のブラシ付きモータを示す断面図である。 エンドベル内のブラシホルダ装置をフロント側から見た図である。 ブラシアームを示す正面図である。 ブラシアームを示す側面図である。 第1及び第2保持孔の断面形状を示す図3のV-V線断面図である。 第1及び第2保持孔の断面形状を示す図4のVI-VI線断面図である。 折曲前のブラシアームを示す展開図である。 ブラシの係合部を挿入保持したときのブラシアームの状態を示す図5に対応する断面図である。 ブラシの係合部を挿入保持したときのブラシアームの状態を示す図6に対応する断面図である。 実施形態及び特許文献1のブラシホルダ装置のブラシ抜け耐力をCu含有カーボンブラシで比較した試験結果を示す図である。 実施形態及び特許文献1のブラシホルダ装置のブラシ抜け耐力をCu非含有カーボンブラシで比較した試験結果を示す図である。 アーム本体の端縁に折返し面を一体的に形成して折り返した別例を示す図5に対応する図である。 折曲前の別例のブラシアームを示す展開図である。
以下、本発明を具体化したブラシホルダ装置、及びそれを搭載したブラシ付きモータの一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のブラシ付きモータを示す断面図であり、図中の左方がモータのフロント側に相当し、右方がモータのリア側に相当する。
モータ1のハウジング2は、金属ケース3及び合成樹脂製のエンドベル4により構成されている。金属ケース3はリア側に向けて開口する有底円筒状をなし、その開口部を閉塞するように、エンドベル4を金属ケース3の開口端の段差部に嵌め込み、金属ケース3の開口端の一部を切り曲げすることでエンドベル4をかしめ固定している。
金属ケース3の内周面には2極の界磁マグネット5が接着剤により固定され、これらの界磁マグネット5とヨークとして機能する金属ケース3とによりステータ6(固定子)が構成されている。界磁マグネット5の内側にはロータ7(回転子)が配設され、ロータ7は回転軸8、アーマチャ9(電機子)及びコミテータ10(整流子)から構成されている。
ロータ7の回転軸8のフロント側は金属ケース3内の軸受12により回転可能に支持され、回転軸8のリア側はエンドベル4内の軸受13により回転可能に支持され、この回転軸8が金属ケース3からフロント側に突出してモータ1の出力軸として機能する。
アーマチャ9は、回転軸8上に固定されたコア14に3極の巻線15を巻回して構成され、コア14の外周面と界磁マグネット5の内周面との間には磁気ギャップとして所定のクリアランスが形成されている。コミテータ10はエンドベル4内に位置するように回転軸8上に設けられて周方向に3極に分割され、図示はしないが巻線15の各極に対して電気的に接続されている。
回転軸8上のアーマチャ9とコミテータ10との間には冷却ファン16が装着され、回転軸8と共に冷却ファン16が回転してアーマチャ9や以下に述べるブラシホルダ装置18を冷却する機能を奏する。
エンドベル4内には、コミテータ10を内包するようにブラシホルダ装置18が配設されており、このブラシホルダ装置18の構成について以下に説明する。
図2はエンドベル4内のブラシホルダ装置18をフロント側から見た図である。
図1,2に示すように、エンドベル4内のコミテータ10を中心とした180°対向する位置にはそれぞれ金属製のブラシベース19が固定され、各ブラシベース19には端子20が一体形成または接続されている。各端子20はエンドベル4内から外部のリア側に向けて突出し、外部電源と接続された図示しない給電ケーブルを接続可能となっている。
各ブラシベース19上の一側にはブラシアーム21(詳しくは、後述するアーム本体24)の固定面21a(基端)がカシメ等により固定され、ブラシベース19を介してブラシアーム21は端子20と電気的に接続されている。固定面21aの近傍においてブラシアーム21には所定の曲率をなすR部21bが形成され、このR部21bを介してブラシアーム21は全体として「く」字状をなすように折曲形成されて先端をコミテータ10側に指向させている。
各ブラシアーム21の先端にはカーボン製のブラシ22が固定され、各ブラシ22はコミテータ10を挟んで180°対向して位置している。結果として一対のブラシアーム21及びブラシ22は、コミテータ10を中心として点対称となる互い違いの位置関係に配置されている。
なお、端子20の配置など設計的な事情によっては、一対のブラシアーム21は、コミテータ10の中心を通る直線に関して線対称に配置してもよい。
各ブラシアーム21はベリリウム銅等の弾性に富んだ板材から製作され、その基端側の領域を除いてフロント側及びリア側の端縁21cが直角に折曲されている。これによりブラシアーム21は基端側の領域には弾性が付与されると共に、それ以外の領域には剛性が付与され、基端側の領域を撓ませて弾性によりそれぞれのブラシ22をコミテータ10の外周面に当接させている。
給電ケーブルから端子20に給電されると、ブラシアーム21、ブラシ22及びコミテータ10を介しアーマチャ9の巻線15に電流が流されてコア14に磁界が発生し、界磁マグネット5の磁界との吸引及び反発作用によりロータ7が回転する。ロータ7の回転に伴って各ブラシ22がコミテータ10の外周面に摺接して、アーマチャ9の複数の巻線15の内で通電させる巻線15や流す電流の向きを連続的に切り替え、 それに伴ってコア14の磁界が連続的に変化してロータ7が回転し続ける。
ところで、[発明が解決しようとする課題]で述べたように、特許文献1のブラシホルダ装置では、ホルダの追加によりブラシの保持機能及び放熱機能を達成しているものの、製造コストが高騰するという新たな問題が生じた。
このような不具合を鑑みて本発明者は、ブラシホルダ装置をトータルコストの観点から考察した。特許文献1の技術は、アーム本体に対してホルダを別部品とすることで、安価な材料でホルダを製作可能とした。この点ではコスト低減に貢献するものの、同時にホルダの追加は、より大きくコストに影響する製造工程の増加及び治具の消耗を引き起こすことから、トータル的にはコストが高騰してしまう。
ホルダを別部品としている限り製造工程の増加は回避できず、ホルダをアーム本体に確実に結合するためにカシメ接合が必要なため治具の消耗も回避できない。コスト低減のためには、ホルダの材料費の節減よりも、これらの製造工程の増加及び治具の消耗を回避することを優先すべきである。
以上の過程を経て本発明者は、アーム本体に対してホルダを一体化する対策を見出した。即ち、アーム本体と一体でホルダ(以下に述べる折返し面25に相当)を形成すれば、アーム本体とは別にホルダをプレス形成する工程は不要となり、且つ、ホルダをアーム本体に結合する工程も不要となることから、製造工程の増加を回避できる。必然的に、結合のためにカシメ接合の治具を使用する必要もなくなるため、治具の消耗も回避できる。
以上の知見の下に、本実施形態ではアーム本体に対して折返し面を一体的に形成して特許文献1の技術のホルダとして機能させており、その詳細を以下に説明する。
図3はブラシアーム21を示す正面図、図4はブラシアーム21を示す側面図、図5は第1及び第2保持孔の断面形状を示す図3のV-V線断面図、図6は第1及び第2保持孔の断面形状を示す図4のVI-VI線断面図、図7は折曲前のブラシアーム21を示す展開図である。
端的に表現すると、本実施形態のブラシアーム21はアーム本体24と折返し面25とからなり、特に図6に示すように、アーム本体24の先端(一側)に連結部26を介して一体的に形成した折返し面25を反コミテータ10側に折り返すことにより、全体としてアーム本体24上に折返し面25が重ねられた形状をなしている。
このため製造段階では、図7に示すようにベリリウム銅等の板材がプレスで打ち抜かれてアーム本体24と折返し面25とが一体で形成されると共に、双方の間には折返し面25を折り返すための連結部26となる領域Eが形成される。そして、プレスにより領域Eを湾曲形成するとアーム本体24上に折返し面25が重ねられ、アーム本体24と折返し面25とが連結部26で連結されたブラシアーム21の全体形状が形作られる。連結部26を湾曲形成しているのは、ベリリウム銅等の弾性材料を鋭角に折曲したときの割れを防止するためである。
そして、このようにして形成されたアーム本体24の基端には上記R部21bを介して固定面21aが形成され、アーム本体24のフロント側及びリア側に剛性確保のための端縁21cが折曲されている。折返し面25の前後幅(図7の左右方向)は、アーム本体24の端縁21c間よりも若干狭く設定され、これにより端縁21cと干渉することなく折返し面25がアーム本体24上に重ねられる。
なお、図5,6に示すように本実施形態では、ブラシ22が固定されていない状態でアーム本体24と折返し面25とは僅かな間隙を介して相対向しているが、これに限ることはなく、アーム本体24と折返し面25とを隙間無く密着させてもよい。
図4〜6に示すように、アーム本体24の先端側には四角形状の第1保持孔24aが貫設され、折返し面25には同形状の第2保持孔25aが貫設され、折返し面25が折り返された状態では第2保持孔25aが第1保持孔24aと一致している。第1保持孔24aの相対向する2辺、詳しくはアーム本体24の幅方向の2辺には、それぞれ反コミテータ10側に向けて第1弾性係合片24bが立設されている。
また、第2保持孔25aの相対向する2辺、詳しくは第1弾性係合片24bを避けたアーム本体24の長手方向の2辺には、それぞれ反コミテータ10側に向けて第2弾性係合片25bが立設されている。結果として第1弾性係合片24bと第2弾性係合片25bとは互いに直交して配置され、これらの第1及び第2弾性係合片24b,25bにより、第1及び第2保持孔24a,25aの周囲全てが取り囲まれている。
これらの弾性係合片24b,25bは所謂切起しにより形成されており、そのために図7に示すプレス打ち抜きの段階では、第1及び第2保持孔24a,25aは四角形状ではなく、その周縁の相対向する2辺にそれぞれの弾性係合片24b,25bの領域が形作られている。そして、切起しにより弾性係合片24b,25bの領域が略直角に折曲されることにより、図4〜6に示すように各保持孔24a,25aがほぼ完全な四角形状になると共に、その周縁の相対向する2辺に弾性係合片24b,25bが立設される。その後に上記のように領域Eが湾曲形成されて、所期のブラシアーム21の全体形状が形作られる。
図5,6から判るように、各弾性係合片24b,25bはそれぞれの保持孔24a,25a内に向けて湾曲した断面形状をなしている。なお、折返し面25の第2保持孔25aの2辺に対して第2弾性係合片25bの幅が若干短いのは、第1弾性係合片24bとの干渉防止のためである。
以上のアーム本体24及び折返し面25の保持孔24a,25a内にブラシ22を挿入保持するために、ブラシ22の基端には第1及び第2保持孔24a,25aと対応する断面四角形状をなす係合部22aが形成されている。そして、図5に示すように、一対の第1弾性係合片24bの先端の間隔A1はブラシ22の係合部22aの一方の辺の寸法B1よりも若干小さく設定され、図6に示すように、一対の第2弾性係合片25bの先端の間隔A2はブラシ22の係合部22aの他方の辺の寸法B2よりも若干小さく設定されている。
図8はブラシ22の係合部22aを挿入保持したときのブラシアーム21の状態を示す図5に対応する断面図、図9はブラシ22の係合部22aを挿入保持したときのブラシアーム21の状態を示す図6に対応する断面図である。
以下の説明では、各図に示すブラシアーム21の姿勢で下方よりブラシ22を組み付ける場合を述べるが、その姿勢に関しては作業が実施し易いように任意に変更可能である。
組付けの際のブラシアーム21は、図5,6中に逆△印で示すように、図示しない治具等を利用して折返し面25の上方への位置変位を規制しておく。ブラシアーム21の各保持孔24a,25a内に下方よりブラシ22の係合部22aを挿入すると、まず係合部22aは第1保持孔24a内に侵入し、これと並行して第1弾性係合片24bの先端と接触して撓ませながら押し広げる。係合部22aとの接触により第1弾性係合片24bは上方への力を受け、連結部26を撓ませながらアーム本体24の上面が折返し面25の下面に密着する。
さらに係合部22aは第2保持孔25a内に侵入し、これと並行して第2弾性係合片25bの先端と接触して撓ませながら押し広げる。そして、係合部22aの基端に形成された段差部22bがアーム本体24の下面に当接すると、ブラシ22の組付作業が完了する。
組付完了後のブラシ22の係合部22aは、第1弾性係合片24bの間に弾性を持って挟持されると共に、第2弾性係合片25bの間に弾性をもって挟持され、これにより第1及び第2保持孔24a,25a内から下方へのブラシ22の脱落が防止される。
ブラシ22の組付過程においてアーム本体24に対して折返し面25を密着させているのは、ブラシ22の抜け耐力(脱落に抗する力)を高めるためである。即ち、アーム本体24と折返し面25との間に間隙が形成されている場合、脱落方向の力がブラシ22に作用した当初はアーム本体24の第1弾性係合片24bだけがブラシ22の脱落に抗し、ブラシ22が脱落方向に移動して連結部26の撓みにより折返し面25がアーム本体24に密着した時点で、初めて第2弾性係合片25bが脱落に抗する。
アーム本体24に折返し面25が密着していれば、脱落方向の力がブラシ22に作用した当初から第1及び第2弾性係合片24b,25bが共にブラシ22の脱落に抗するため、結果としてブラシ22の抜け耐力を高めてブラシ22の脱落を一層確実に防止できることになる。但し、ブラシ22の組付過程で必ずしもアーム本体24に折返し面25を密着させる必要はなく、双方の間に間隙が形成されていてもよい。
図10,11は本実施形態及び特許文献1のブラシホルダ装置18のブラシ抜け耐力を比較した試験結果を示す図である。
Cu(銅)を含有したカーボンブラシ(図10)及びCuを含有しないカーボンブラシ(図11)を用いてそれぞれ試験を実施したが、何れの試験においても本実施形態のブラシホルダ装置18は特許文献1のものに対して同等以上の抜け耐力が達成されることを確認した。
そして、以上のようにしてブラシ22を組み付けられたブラシアーム21がブラシベース19上に固定された上で、モータ1のエンドベル4内に配設される。ブラシ22の段差部22bがアーム本体24の下面に接触し、ブラシ22の係合部22aが各弾性係合片24b,25bの先端に接触しているため、それらの接触箇所を経て電流が流れてコミテータ10への給電がなされる。
モータ1の運転中において、ブラシ22の係合部22aに対する第1及び第2弾性係合片24b,25bの挟持によりブラシ22はブラシアーム21に強固に保持されているため、ブラシアーム21からのブラシ22の脱落によるトラブルを未然に防止できる。また、ブラシ22はコミテータ10との摩擦やコミテータ10との間で生じた火花により熱を発生するが、その熱は上記したアーム本体24の下面や各弾性係合片24b,25bとの接触箇所を経てブラシアーム21側に逃がされ、アーム本体24及び折返し面25から放熱される。結果としてブラシ22の保持機能及び放熱機能の何れについても、特許文献1のブラシホルダ装置に比して遜色のない結果が得られる。
以上のように本実施形態のブラシホルダ装置18は、プレスの打ち抜きによりアーム本体24の先端に連結部26を介して折返し面25を一体的に形成し、アーム本体24に対して折返し面25を折り返すことにより、第2保持孔25a及び第2弾性係合片25bを形成可能な面、即ち特許文献1の技術のホルダとして折返し面25を機能させている。このため、アーム本体24とは別に折返し面25をプレス形成する工程が不要となると共に、折返し面25をアーム本体24に結合する工程も不要となることから、製造工程の増加を回避することができる。必然的に、アーム本体24に折返し面25を結合すべくカシメ接合の治具を使用する必要もなくなるため、治具の消耗も回避することができる。
一方で本実施形態のブラシホルダ装置18は、所期のブラシ圧を得るために、アーム本体24のみならず折返し面25も弾性に富んだベリリウム銅等の若干高価な材料が用いられることになる。このため、ホルダ側を安価な燐青銅等の材料で製作可能な特許文献1の技術に比較すると、ブラシアーム21の材料費は多少高価なものとなる。しかし、上記のように材料費よりも製造コストに大きく影響する製造工程の増加及び治具の消耗の問題を解消していることから、トータルコストの観点からは特許文献1の技術に比較して大幅に製造コストを低減することができる。
加えて、図7の展開図から明らかなように、折返し面25の各第2弾性係合片25bの幅C1を、アーム本体24の切起し形成される以前の両第1弾性係合片24bの先端の間隔C2よりも広く設定している。
本実施形態のように折返し面25を設けない場合、アーム本体24の第1保持孔24aには、第1弾性係合片24bに加えて残りの2辺に弾性係合片を追加する必要が生じる。しかし、既に第1弾性係合片24bが形成されているため、追加可能な弾性係合片は、切起し形成される以前の両第1弾性係合片24bの先端の間隔C2よりも狭い幅に制限されてしまう。
アーム本体24とは別個の折返し面25の第2保持孔25aに第2弾性係合片25bを形成することで、より広い幅C1を有する第2弾性係合片25bを形成できることから、結果として十分なブラシ22の保持強度を達成することができる。
また本実施形態では、アーム本体24側の一対の第1弾性係合片24bと折返し面25側の一対の第2弾性係合片25bとを互いに直交して配置している。このため、四角形状の第1及び第2保持孔24a,25aの周囲全体を第1及び第2弾性係合片24b,25bの形成に利用でき、この要因もブラシ22の保持強度の向上に貢献する。
ところで本実施形態のブラシホルダ装置18は、アーム本体24の先端に折返し面25を一体的に形成して折り返したが、これに限るものではない。例えば図12の別例に示すように、アーム本体24のフロント側やリア側の端縁21c(一側)に連結部26を介して折返し面25を一体的に形成して折り返してもよい。
この場合でも実施形態と同様のブラシ22の保持機能及び放熱機能が得られる。但し、図13の折曲前の展開図に示すように、プレスによる打ち抜きが略L字状となるため、板材の歩留まりの点で、図7に示す略I字状に打ち抜く実施形態の方が良好である。
また、図12の別例では連結部26がフロント側またはリア側に張り出すため、そのスペースを確保すべくモータ1の全長の拡大が必要になる可能性もある。図2から判るように、各ブラシアーム21の先端には何ら利用されないデッドスペースが存在し、実施形態ではそのデッドスペース内にブラシアーム21の連結部26が位置するため、モータ1の大型化の要因にはなり得ない。よって、別例においても本発明が想定する作用効果を十分に得られるが、実施形態のようにアーム本体24の先端に折返し面25を形成した方が、製造コスト及び省スペースの何れの面でも優れる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、ステータ6を2極、アーマチャ9を3極としたブラシ付きモータ1及び当該モータ1に搭載されるブラシホルダ装置18に具体化した。しかし、ブラシ付きモータであれば仕様は上記実施形態に限定されるものではなく、その極数等を任意に変更可能である。
また上記実施形態では、アーム本体24及び折返し面25にそれぞれ四角形状の保持孔24a,25aを貫設したが、各保持孔24a,25aの形状は四角形状に限ることはなく、各保持孔24a,25aの周縁に相対向する一対の弾性係合片24b,25bを切起し形成したものであれば、各保持孔24a,25aの形状は任意に変更可能である。
18 ブラシホルダ装置
19 ブラシベース
21a 固定面(基端)
22 ブラシ
22a 係合部
24 アーム本体
24a 第1保持孔
24b 第1弾性係合片
25 折返し面
25a 第2保持孔
25b 第2弾性係合片
26 連結部

Claims (5)

  1. ブラシベース上に基端が固定されると共に先端側に第1保持孔が貫設され、該第1保持孔の周縁が相対向する一対の第1弾性係合片として切起し形成されたアーム本体と、
    前記アーム本体の一側から連結部を介して折り返されて該アーム本体に重ねられ、前記アーム本体の第1保持孔に対応して第2保持孔が形成されると共に、該第2保持孔の周縁の前記第1弾性係合片を避けた箇所が相対向する一対の第2弾性係合片として切起し形成された折返し面と、
    基端に形成された係合部が前記アーム本体の第1保持孔及び前記折返し面の第2保持孔に挿入されると共に、前記アーム本体の第1弾性係合片の間及び前記折返し面の第2弾性係合片の間にそれぞれ前記係合部が弾性をもって挟持されるブラシと
    を備えたことを特徴とするブラシホルダ装置。
  2. 前記折返し面の各第2弾性係合片の幅は、前記アーム本体の切起し形成される以前の前記両第1弾性係合片の先端の間隔よりも広く設定された
    ことを特徴とする請求項1に記載のブラシホルダ装置。
  3. 前記第1保持孔及び前記第2保持孔はそれぞれ四角形状をなして一致し、
    前記第1弾性係合片は、前記第1保持孔の相対向する2辺に切起し形成され、
    前記第2弾性係合片は、前記第1弾性係合片に対して直交するように前記第2保持孔の2辺に切起し形成された
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のブラシホルダ装置。
  4. 前記折返し面は、前記アーム本体の先端を折り返して形成された
    ことを特徴とする請求項1乃至3に記載のブラシホルダ装置。
  5. 請求項1乃至4に記載のブラシホルダ装置を搭載したブラシ付きモータ。
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DE102019210447A1 (de) * 2019-07-16 2021-01-21 Robert Bosch Gmbh Bürstenhalter für eine elektrische Maschine, sowie elektrische Maschine, sowie Verfahren zum Herstellen eines solchen Bürstenhalters
DE102021207795A1 (de) 2021-07-21 2023-01-26 Robert Bosch Gesellschaft mit beschränkter Haftung Bürstenhalter und elektrische Maschine mit einem Bürstenhalter

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