JP5280949B2 - 直流モータ - Google Patents

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Description

本発明は直流モータに関するものである。
従来、直流モータには、円筒状の電機子の内側に、界磁を有する回転子が配置されたものがある。例えば、特許文献1に記載された直流モータでは、電機子コアに電機子コイルを巻装してなる電機子と軸方向に対向する位置に整流子が配置されている。整流子は、電機子を保持するハウジングケースに固定されるとともに、円環状の板状をなしており、その内径及び外径が電機子の内径及び外径と略等しく形成されている。この整流子は、周方向に並設された複数のセグメントと、これらセグメントの軸方向の一端側に配置されて周方向に離間した位置にあるセグメント同士を短絡して同電位とする複数の接続線とを備えるとともに、複数のセグメントには前記電機子コイルが接続されている。また、電機子の内側には回転子が周方向に回転可能に配置されている。回転子の回転軸には、円筒状の固定部材を介してロータコアが固定されるともに、該ロータコアには、N極とS極とが周方向に交互となるように複数のマグネットが埋設されている。また、回転軸には、ブラシホルダが一体回転可能に固定されるとともに、該ブラシホルダは複数の給電ブラシ及び複数の整流ブラシを保持している。複数の給電ブラシは、それぞれ圧縮コイルばねにて付勢されることにより、ハウジングケースに固定されるとともに外部の電源装置に接続された円環状のスリップリングに摺接可能に押圧接触されている。また、複数の整流ブラシは、それぞれ圧縮コイルばねにて付勢されることにより、前記整流子のセグメントに摺接可能に押圧接触されている。
上記のような特許文献1に記載の直流モータでは、スリップリング、給電ブラシ、整流ブラシ及び整流子を介して電機子に電流が供給されると、電機子に対して回転子が回転される。同時に、回転子の回転に伴ってブラシホルダが回転するため、整流ブラシに摺接するセグメントが順次入れ替わり、電機子コイルが順次整流されていく。
国際公開第2006/025444号パンフレット
上記のような直流モータは、近年、モータの高出力化が望まれており、そのため、直流モータには大きな電流を供給することが望まれている。直流モータに大電流を供給するには、整流子が大電流に対応可能な構造である必要がある。そして、大電流に対応できる構造の整流子とするために、接続線を太くして接続線の断面積(即ち、電流が流れる方向と直交する方向の断面積)を大きくすることが考えられる。しかしながら、単純に接続線を太くすると、整流子が大型化されてしまう。そして、ハウジングケースの内部には、複数の給電ブラシ、複数の整流ブラシ及び複数の圧縮コイルばね等、多くの部品が収容されているため、ハウジングケースの内部において整流子を配置するためのスペースは限られている。従って、単純に接続線を太くして当該接続線の断面積を大きくした場合には、直流モータが大型化されてしまうという問題があった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、界磁を有する回転子が電機子の内側に配置された構成で、大電流の供給に対応可能な整流子を備えた直流モータを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数の電機子コイル有する円環状の電機子と、前記電機子の内側に配置され、回転軸、該回転軸に固定されたロータコア及び該ロータコアにて保持された界磁を有する回転子と、電流が供給されるスリップリングと、周方向に並設されるとともに前記電機子コイルが電機的に接続される複数のセグメント及び周方向に離れた位置にある前記セグメント同士を電気的に接続する接続線を有する整流子と、軸方向から前記スリップリングに摺接する複数の給電ブラシと、前記給電ブラシと電気的に接続されるとともに軸方向から前記整流子に摺接する複数の整流ブラシと、を備え、前記スリップリング、前記給電ブラシ、前記整流ブラシ及び前記整流子を介して前記電機子に電流が供給される直流モータであって、前記給電ブラシと前記整流ブラシとは互いに一体化されて複合ブラシとされ、前記ロータコアの内側に配置され前記複合ブラシを保持するブラシホルダと、前記複合ブラシを前記スリップリング及び前記整流子に直接又は相対的に押圧する押圧手段と、を備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、給電ブラシと整流ブラシとが一体化されて複合ブラシとされたため、電機子に給電を行うために備えられるブラシの数が減少される。更に、給電ブラシと整流ブラシとが一体化されて複合ブラシとされたことにより、従来のように給電ブラシをスリップリングに押圧するための押圧手段と整流ブラシを整流子に押圧するための押圧手段とをそれぞれ配置しなくてもよい。従って、押圧手段の数を減少させることできる。このように、直流モータの内部に配置される部品点数が減少されるため、直流モータを大型化することなく同直流モータの内部において整流子を配置するためのスペースを拡大することができる。そして、スペースが拡大された分だけ整流子を大型化することができるため接続線を太くして接続線の断面積(即ち、電流が流れる方向と直交する方向の断面積)を大きくすることが可能となる。従って、整流子を、大電流の供給に対応可能なものとすることができる。また、部品点数が減少することにより、直流モータの組み付けを容易に行うことができ、同直流モータの生産性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の直流モータにおいて、1つの前記押圧手段で、複数の前記複合ブラシを前記スリップリング及び前記整流子に対して直接又は相対的に押圧することをその要旨としている。
同構成によれば、1つの押圧手段で複数の複合ブラシをスリップリング及び整流子に対して直接又は相対的に押圧するため、更に部品点数が減少される。従って、直流モータの組み付けをより容易に行うことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の直流モータにおいて、前記スリップリングは、陽極側のスリップリングと陰極側のスリップリングとの一対設けられ、前記複合ブラシは2つのみ備えられ、一方の前記複合ブラシは、陽極側の前記スリップリングに直接又は相対的に押圧されるとともに周方向に離間した位置にある複数の前記セグメントに同時に接触し、他方の前記複合ブラシは、陰極側の前記スリップリングに直接又は相対的に押圧されるとともに周方向に離間した位置にある複数の前記セグメントに同時に接触することをその要旨としている。
同構成によれば、複合ブラシの数を最小限としたため、更に部品点数が減少される。また、各複合ブラシは、それぞれ同時に複数のセグメントに接触するため、大電流にも対応し易い。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のモータにおいて、前記ロータコアの軸方向の一方側に前記整流子が配置されるとともに、前記ロータコアの軸方向の他方側に前記スリップリングが配置され、1つの前記押圧手段にて前記スリップリング及び前記整流子の何れか一方を軸方向に付勢することにより、前記スリップリング及び前記整流子の何れか他方に向けて複数の前記複合ブラシを付勢することをその要旨としている。
同構成によれば、押圧手段は、スリップリング及び整流子の何れか一方を軸方向に付勢するものであるため、1つであっても、複数の複合ブラシを同時にスリップリング及び整流子の何れか他方に向けて付勢することができる。そして、押圧手段を1つのみとしたため、部品点数が減少される。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の直流モータにおいて、前記ロータコアの軸方向の一方側に前記整流子が配置されるとともに、前記ロータコアの軸方向の他方側に前記スリップリングが配置され、前記複合ブラシは、前記給電ブラシと前記整流ブラシとを導線で接続してなり、前記押圧手段は、各前記複合ブラシにおける前記給電ブラシと前記整流ブラシとの間で前記導線に沿って配置され前記給電ブラシと前記整流ブラシとを軸方向の両側に付勢する圧縮コイルばねであることをその要旨としている。
同構成によれば、各複合ブラシにおいては、給電ブラシと整流ブラシとの間に配置された圧縮コイルばねによって、給電ブラシ及び整流ブラシの両方が軸方向に付勢される。従って、従来のように給電ブラシを軸方向に押圧する圧縮コイルばねと整流ブラシを軸方向に押圧する圧縮コイルばねとをそれぞれ備えなくてもよいため、圧縮コイルばねの数が減少される。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の直流モータにおいて、前記界磁は、N極とS極とが周方向に交互となるように周方向に複数配置され、前記複合ブラシは、前記整流子に摺接する整流側摺接部を有し、前記整流側摺接部は、前記界磁の周方向の中央部を通り径方向に延びる前記界磁の中心線上に配置されていることをその要旨としている。
同構成によれば、磁束は、界磁の周方向の中央部から隣の界磁の周方向の中央部に向けて流れる。そのため、整流が行われて電流の向きが切り替わる整流側摺接部が、界磁の中心線上に配置されることにより、トルクの発生に貢献しない無駄な磁束が生じることを抑制することができる。
本発明によれば、界磁を有する回転子が電機子の内側に配置された構成で、大電流の供給に対応可能な整流子を備えた直流モータを提供することができる。
第1の実施形態の直流モータの概略構成図。 第1の実施形態の直流モータの断面図。 整流子の拡大断面図。 (a)及び(b)は第1の実施形態の複合ブラシの拡大斜視図。 第2の実施形態の複合ブラシの拡大斜視図。 第2の実施形態の直流モータの概略構成図。 第2の実施形態の直流モータの断面図。 第3の実施形態の直流モータの概略構成図。 第3の実施形態の直流モータの断面図。 (a)及び(b)は第3の実施形態の複合ブラシの拡大斜視図。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、第1の実施形態の直流モータの概略構成図である。図1に示すように、直流モータの外郭であるハウジングケース10は、軸方向に2つに分割された第1及び第2のケース11,12から構成されている。
図1において左側に位置する第1のケース11は、円筒状の第1の支持部11aと、該第1の支持部11aの軸方向の一端(図1において左側の端部)を閉塞する第1の閉塞部11bとから構成され、略有底円筒状をなしている。また、図1において右側に位置する第2のケース12は、前記第1の支持部11aと同じ外径及び内径を有する円筒状の第2の支持部12aと、該第2の支持部12aにおける第1のケース11と反対側の軸方向の端部を閉塞する第2の閉塞部12bとから構成され、有底円筒状をなしている。そして、第1及び第2のケース11,12の互いに対向する開口部には、第1及び第2の支持部11a,12aの内径を拡径してなる第1及び第2の支持段部11c,12cがそれぞれ形成されている。尚、第1のケース11と第2のケース12とは、軸方向に貫通する螺子(図示略)にて互いに連結固定されている。
第1のケース11及び第2のケース12は、略円環状の電機子21を軸方向の両側から挟持して支持するとともに、該電機子21は、略円環状の電機子コア22に複数の電機子コイル23を巻装して形成されている。図2に示すように、電機子コア22は、金属磁性材料よりなり、外周側に設けられた円筒状のヨーク部22aと、該ヨーク部22aの内周面から径方向内側に向かって延びる36本のティース22bとから構成されている。この電機子コア22の外径は、前記第1及び第2の支持部11a,12aの内径より大きく、且つ前記第1及び第2の支持部11a,12aの外径より小さい値とされている。そして、複数の電機子コア22は、周方向に隣り合うティース22b間の空間を通るように電機子コア22に対して巻回されるとともに、電機子コイル23の巻き始め及び巻き終わりの端部は、電機子コア22の軸方向の一端側(第2の閉塞部12b側)に引き出されている(図1参照)。
このような電機子21は、図1に示すように、ヨーク部22aの軸方向の両端部が、前記第1のケース11の第1の支持段部11c及び第2のケース12の第2の支持段部12cにそれぞれ係合した状態で第1及び第2のケース12にて支持されている。
電機子21における第2の閉塞部12b側の軸方向の端部には、樹脂モールドにより整流子31が一体に固定されている。整流子31は、周方向に並設された36個のセグメント32と、周方向に離れた位置にあるセグメント32同士を短絡する36本の接続線33とから構成されている。尚、図1では、36個のセグメント32のうち2つのみを図示するとともに、36本の接続線33のうち2本のみを図示している。
図3に示すように、導電性の金属材料よりなる各セグメント32は、軸方向から見た形状が径方向内側の端部から径方向外側の端部に向かうに連れて周方向の幅が広くなる扇形をなす板状のセグメント本体32aと、該セグメント本体32aの径方向外側の端部から該セグメント本体32aの厚さ方向に突出した外周側接続部32bと、同セグメント本体32aの径方向内側の端部から外周側接続部32bと同方向に突出した内周側接続部32cとが一体に形成されてなる。そして、各セグメント32は、周方向から見た形状が略コ字状をなしている。また、各セグメント32において、セグメント本体32aにおける外周側接続部32b及び内周側接続部32cと反対側の端面(即ち図3において紙面奥側の端面)は、平坦な摺接面32d(図1参照)となっている。
そして、36個のセグメント32は、その摺接面32dが、電機子21の軸方向と直交する同一平面内に配置されるように周方向に並設されるとともに、周方向に隣り合うセグメント32間には隙間が設けられており互いに非接触となっている。また、図1に示すように、36個のセグメント32は、その摺接面32dが、電機子21の軸方向の一端部側、即ち第2のケース12の第2の閉塞部12bと反対側を向くように配置されている。更に、周方向に並設された36個のセグメント32の外径は電機子21の内径と略等しく、同セグメント32の内径は後述の回転軸42の外径よりも僅かに大きな値となっている。そして、周方向に並設された36個のセグメント32に対し、外周側接続部32bと内周側接続部32cとの間に36本の前記接続線33が配置されている。
図3に示すように、各接続線33は、短冊状の銅板を厚さ方向に湾曲するとともに、その長手方向の両端部を屈曲して形成されている。尚、接続線33は導線にて形成されてもよい。そして、36本の接続線33は、厚さ方向が周方向に沿うように、且つ軸方向と短手方向とが一致するように配置されている。また、接続線33の径方向外側の端部は、セグメント32の外周側接続部32bに溶接等により接続されるとともに、同接続線33の径方向内側の端部は、同接続線33の径方向外側の端部が接続されたセグメント32から反時計方向に90°離れた位置にあるセグメント32の内周側接続部32cに溶接等により接続されている。このように、各接続線33は、周方向に90°離間した位置にあるセグメント32同士を電気的に接続している(短絡して同電位としている)。
そして、図1及び図3に示すように、周方向に隣り合う9対のセグメント32であって合計18個のセグメント32の外周側接続部32bには、前記電機子コイル23の端部23aが溶接等によりそれぞれ接続されている。尚、電機子コイル23の端部23aが接続された一対のセグメント32と、電機子コイル23の端部23aが接続された別の一対のセグメント32との間には、電機子コイル23の端部が直接接続されないセグメント32が2つずつ介在されている。
図1に示すように、電機子21及び整流子31(即ち36個のセグメント32及び36本の接続線33)をモールドするモールド樹脂34は、絶縁性の樹脂材料よりなり、ティース22bの径方向対側の先端面及びヨーク部22aにおける外周面を露出させるとともにセグメント32の摺接面32dを露出させて、電機子21及び整流子31を一体化している。そして、モールド樹脂34は、周方向に隣り合うセグメント32間に介在されて周方向に隣り合うセグメント32同士を絶縁するとともに、周方向に隣り合う接続線33間に介在されて周方向に隣り合う接続線33同士の短絡を抑制している。また、モールド樹脂34は、セグメント32と接続線33との軸方向の隙間にも介在されて、溶接によるセグメント32と接続線33との接合部以外の部位で、セグメント32と接続線33とが接触して短絡されることを抑制している。
電機子21の内側には、回転子41が周方向に回転可能に配置されている。この回転子41は、直流モータの径方向の中央部に配置される回転軸42と、該回転軸42に固定されたロータコア43と、該ロータコア43の外周面に固着された8個のマグネット(界磁)44とを備えている。
円柱状の回転軸42は、前記第1の閉塞部11bの径方向の中央部に設けられた軸受45aと、前記第2の閉塞部12bの径方向の中央部に設けられ前記軸受45aと対をなす軸受45bとによって、軸方向の両端部が軸支されている。また、回転軸42は、前記整流子31の径方向の中央部を貫通しており、前記整流子31は、その内径が回転軸42の外径よりも僅かに大きな値に設定されている。そして、回転軸42における第2の閉塞部12b寄りの位置にロータコア43が固定されている。
図2に示すように、ロータコア43は、軸方向から見た形状が正八角形状をなす筒状をなしている。そして、ロータコア43の径方向の中央部には、該ロータコア43を軸方向に貫通する固定孔43aが形成されるとともに、ロータコア43は、該固定孔43a内に前記回転軸42が圧入されることにより同回転軸42に対して固定されている。また、ロータコア43の外周面を構成する8つの平面には、長方形の板状をなすマグネット44がそれぞれ固着されるとともに、8個のマグネット44は、N極とS極とが周方向に交互となるようにロータコア43に対して配置されている。また、8個のマグネット44は、周方向に等角度間隔(即ち45°間隔)に配置され、径方向外側の側面が電機子コア22の内周面(即ちティース22bの先端面)に対応した円弧状をなすとともに、それぞれ電機子21と径方向に対向している。
また、ロータコア43には、周方向に等角度間隔となる8か所に収容孔43bが形成されている。この収容孔43bは、8個のマグネット44の周方向位置に対応して形成されており、各収容孔43bの周方向の中央を通り径方向に延びる中心線L1は、各マグネット44の周方向の中央を通り径方向に延びる中心線L2と一致する。そして、各収容孔43bは、ロータコア43を軸方向に貫通するとともに(図1参照)、軸方向と直交する方向に沿って切った断面形状が、径方向内側から径方向外側に向かうに連れて周方向の幅が広くなる略扇形状をなしている。また、収容孔43bの径方向外側の内側面における周方向に中央部には、径方向外側に向かって凹設された係合凹部43cが形成されている。係合凹部43cは、軸方向に沿って延びるとともに、軸方向と直交する方向に沿って切った断面形状が矩形状をなしている。
図1及び図2に示すように、各収容孔43bには、それぞれブラシホルダ46が収容されている。各ブラシホルダ46は、絶縁性の樹脂材料よりなり、収容孔43bの内周面に対応した筒状をなしている。即ち、各ブラシホルダ46は、軸方向と直交する方向に沿って切った断面形状が、径方向内側から径方向外側に向かうに連れて周方向の幅が広くなる略扇形状をなすとともに、ブラシホルダ46の径方向外側の側壁には、その周方向の中央部に径方向外側に突出するように凹設された断面矩形状の凸部収容部46aが形成されている。また、各ブラシホルダ46の軸方向の長さは、ロータコア43の軸方向の長さと等しく形成されている。そして、各ブラシホルダ46は、各収容孔43bに軸方向から挿入され、その外周面が収容孔43bの内周面に当接するとともに、凸部収容部46aが係合凹部43c内に配置される。
各ブラシホルダ46内には、それぞれ導電性を有する複合ブラシ50が収容されている。本実施形態では、合計8個の複合ブラシ50のうち周方向に1つ置きの4個が陽極側の複合ブラシ51であり、残りの4個が陰極側の複合ブラシ52である。
図4(a)は、陽極側の複合ブラシ51の斜視図である。尚、図4(a)及び図4(b)において、軸方向、径方向及び周方向は、複合ブラシ50が直流モータの内部に配置された場合における方向である。図4(a)に示すように、柱状のブラシ本体部50aは、ブラシホルダ46の内部に対応した形状をなしており(図2参照)、軸方向と直交する方向に沿って切った断面形状が扇形状をなすとともに、その径方向外側の側面には周方向の中央部に径方向外側に突出する係合凸部50bが一体に形成されている。ブラシ本体部50aは、その軸方向の長さがブラシホルダ46の軸方向の長さよりも短く形成されるとともに、係合凸部50bは、軸方向に沿ってブラシ本体部50aの一端から他端まで延びている。
また、ブラシ本体部50aにおける軸方向の一端面(図4(a)において右側の端面)には、整流側摺接部50cが一体に形成されている。整流側摺接部50cは、ブラシ本体部50aの軸方向の一端面における径方向外側寄りの部位であって周方向の中央部となる部位及び係合凸部50bの軸方向の一端部(図4(a)において右側の端部)から軸方向に沿って突出しており、直方体状をなしている。また、整流側摺接部50cの周方向の幅は、周方向に並ぶ3つのセグメント32(図3参照)を同時に跨がない幅に設定されている。
更に、ブラシ本体部50aにおける軸方向の他端面(図4(a)において左側の端面)には、第1の給電側摺接部50dが一体に形成されている。第1の給電側摺接部50dは、ブラシ本体部50aの軸方向の他端面における径方向内側の端部から軸方向に沿って突出しており、軸方向から見た形状が、径方向内側から径方向外側に向かうに連れて周方向の幅が広くなる台形状をなしている。
このような陽極側の複合ブラシ51の軸方向の長さ、即ち整流側摺接部50cの先端面から第1の給電側摺接部50dの先端面までの長さは、ブラシホルダ46の軸方向の長さよりも長く形成されている(図1参照)。
図4(b)は、陰極側の複合ブラシ52の斜視図である。陰極側の複合ブラシ52は、陽極側の複合ブラシ51と同様に、ブラシ本体部50a、係合凸部50b及び整流側摺接部50cを有する。そして、ブラシ本体部50aにおける軸方向の他端面(図4(b)において左側の端面)には、第2の給電側摺接部50eが一体に形成されている。第2の給電側摺接部50eは、ブラシ本体部50aの軸方向の他端面における径方向外側の端部から軸方向に沿って突出している。また、陰極側の複合ブラシ52の軸方向の長さ、即ち整流側摺接部50cの先端面から第2の給電側摺接部50eの先端面までの長さは、陽極側の複合ブラシ51の軸方向の長さと等しく、ブラシホルダ46の軸方向の長さよりも長く形成されている(図1参照)。
図1及び図2に示すように、陽極側の複合ブラシ51及び陰極側の複合ブラシ52は、係合凸部50bが凸部収容部46a内に配置されるように軸方向からブラシホルダ46に挿入され、ロータコア43を軸方向に貫通して同ロータコア43の軸方向の両側から、整流側摺接部50c及び第1及び第2の給電側摺接部50d,50eが突出する。それとともに、整流側摺接部50cの先端面が、整流子31の摺接面32dに軸方向から当接する。このようにロータコア43に形成された収容孔43b内に配置されたブラシホルダ46内に配置されることにより、各複合ブラシ50は、ロータコア43の内側に配置されている。また、ブラシホルダ46に収容された8個の複合ブラシ50において、4つの第1の給電側摺接部50dは、4つの第2の給電側摺接部50eよりも外周側に位置する。更に、8個の整流側摺接部50cは、周方向に等角度間隔(即ち45°間隔)に配置されるとともに、各整流側摺接部50cにおける回転軸42からの径方向の距離が等しくなっている。また、各整流側摺接部50cの周方向の中央を通り径方向に延びる中心線L3は、各マグネット44の中心線L2と一致している。
図1に示すように、前記第1の閉塞部11bの内側面には、円環状のガイド部材61が回転軸42と同軸となるように固定されるとともに、該ガイド部材61の内側には、スリップリングホルダ62が配置されている。スリップリングホルダ62は、絶縁性の樹脂材料よりなり、円筒状の被ガイド部62aと、該被ガイド部62aの軸方向の一端(ロータコア43側の軸方向の端部であって図1において右側の端部)を略閉塞するように設けられた円環状の固定保持部62bとが一体に形成されてなる。
被ガイド部62aは、ガイド部材61の内側で回転軸42と同軸となるように配置されるとともに、その外径がガイド部材61の内径と略等しく形成され、ガイド部材61の内周面に沿って軸方向に移動可能である。
また、固定保持部62bの外側面(即ちロータコア43と軸方向に対向する面)には、一対のスリップリング63,64が固定されている。即ち、本実施形態の直流モータは、ロータコア43の軸方向の一方側に整流子31が配置され、軸方向の他方側のスリップリング63,64が配置された構成となっている。
一対のスリップリング63,64は、直径の異なる円環状をなし、回転軸42を中心として同心状に配置されている。また、各スリップリング63,64におけるロータコア43側の軸方向の端面は、軸方向と直交する平面状をなしている。尚、本実施形態では、内周側のスリップリング63は陽極側のスリップリングとされ、外周側のスリップリング64は陰極側のスリップリングとされている。そして、各スリップリング63,64には、固定保持部62b及びガイド部材61を通って直流モータの外部に引き出された給電線65がそれぞれ接続されており、該給電線65を介して外部の電源装置から電流が供給される。
また、一対のスリップリング63,64には、ロータコア43側の軸方向の端面に、前記複合ブラシ50の第1及び第2の給電側摺接部50d,50eの先端面が当接されている。詳しくは、内周側のスリップリング63には、軸方向に対向する陽極側の複合ブラシ51の第1の給電側摺接部50dの先端面が軸方向から当接されるとともに、外周側のスリップリング64には、軸方向に対向する陰極側の複合ブラシ52の第2の給電側摺接部50eの先端面が軸方向から当接される。即ち、一対のスリップリング63,64は、前記整流子31との間に複合ブラシ50が介在されるように配置されている。
また、被ガイド部62aの内側であって、固定保持部62bと第1の閉塞部11bとの間には、1つの圧縮コイルばね66(押圧手段)が配置されている。圧縮コイルばね66は、軸方向の一端部が軸受45aの外周で第1の閉塞部11bの内側面に当接するとともに、軸方向の他端部が固定保持部62bの内側面(即ち第1の閉塞部11b側の面)に当接しており、スリップリングホルダ62を軸方向に沿ってロータコア43側に付勢している。この圧縮コイルばね66の付勢力により、スリップリングホルダ62ごとスリップリング63,64が複合ブラシ50側に押圧され、更に、スリップリング63,64に押圧された複合ブラシ50が軸方向に沿って整流子31側に付勢されて整流子31に押圧される。即ち、圧縮コイルばね66の付勢力により、各複合ブラシ50は相対的にスリップリング63,64押圧されるとともに、整流子31に直接的に押圧される。
上記のように構成された直流モータは、外部の電源装置から給電線65を介してスリップリング63,64に供給された電流は、複合ブラシ50の第1及び第2の給電側摺接部50d,50eからブラシ本体部50aを通って整流側摺接部50cに流れ、更に、整流側摺接部50cが接触したセグメント32から直接又は接続線33を通って電機子コイル23に供給される。すると、電機子21にて磁界が発生し、該磁界に応じて回転子41が回転する。回転子41の回転に伴って、ロータコア43と共に複合ブラシ50が回転するため、整流子31において、整流側摺接部50cが接触されるセグメント32が順次切り替わり、それによって順次電機子コイル23の整流が行われ、回転軸42が連続的に回転される。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)給電ブラシと整流ブラシとが一体化されて複合ブラシ50(51,52)とされたため、電機子21に給電を行うために備えられるブラシの数が減少される。更に、給電ブラシと整流ブラシとが一体化されて複合ブラシ50とされたことにより、従来のように給電ブラシをスリップリングに押圧するための圧縮コイルばねと整流ブラシを整流子に押圧するための圧縮コイルばねとをそれぞれ配置しなくてもよい。従って、ブラシを付勢する圧縮コイルばねの数を減少させることできる。このように、直流モータの内部に配置される部品点数が減少されるため、直流モータを大型化することなく同直流モータの内部において整流子31を配置するためのスペースを拡大することができる。そして、スペースが拡大された分だけ整流子31を大型化することができるため接続線33を太くして接続線33の断面積(即ち、電流が流れる方向と直交する方向の断面積)を大きくすることが可能となる。従って、整流子31を、大電流の供給に対応可能なものとすることができる。また、部品点数の多さのために従来は複雑であった直流モータの構造が、部品点数が減少したことにより簡略化されたため、直流モータの組付け性が向上される。その結果、直流モータの組み付けを容易に行うことができ、同直流モータの生産性を向上させることができる。
(2)1つの圧縮コイルばね66で8個の複合ブラシ50をスリップリング63,64及び整流子31に対して直接又は相対的に押圧するため、複合ブラシ50を付勢する圧縮コイルばね66の数が最少である。従って、直流モータの組み付けをより容易に行うことができる。
(3)圧縮コイルばね66は、スリップリング63,64を保持したスリップリングホルダ62を付勢することによりスリップリング63,64を軸方向に付勢するものであるため、1つであっても、スリップリング63,64に当接した8個の複合ブラシ50を同時に整流子31に向けて付勢することができる。そして、圧縮コイルばね66を1つのみとしたため、部品点数の減少に貢献できる。
(4)整流側摺接部50cは、その中心線L1が、それぞれマグネット44の中心線L2と一致する。即ち、整流側摺接部50cは、マグネット44の中心線L2上に配置されている。一般的に、マグネット44の磁束は、マグネット44の周方向の中央部から隣のマグネット44の周方向の中央部に向けて流れる。そのため、整流が行われて電流の向きが切り替わる整流側摺接部50cが、マグネット44の中心線L2上に配置されることにより、トルクの発生に貢献しない無駄な磁束が生じることを抑制することができる。
(5)電機子21と整流子31とは、モールド樹脂34によってモールドされて一体化されている。そのため、直流モータの組付け時には、電機子21と整流子31を一体化された1つの部品として扱うことができる。従って、部品点数が減少されて直流モータの組付けを更に容易に行うことができる。また、整流子31がモールド樹脂34によって電機子21に一体化されたことにより、整流子31を収容する第2のケース12が、整流子31を保持するために複雑化されることが抑制される。
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、本実施形態では、上記第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
図6は、第2の実施形態の直流モータの概略構成図である。電機子21の内側に配置された回転子71は、直流モータの径方向の中央部に配置される回転軸72と、該回転軸72に固定されるロータコア73と、該ロータコア73の外周面に固着された8個のマグネット44とを備えている。
円柱状の回転軸72は、直流モータの内部で整流子31の径方向の中央部を貫通して配置されるとともに、軸方向の両端部が軸受45a,45bによって軸支されている。そして、回転軸72の軸方向の中央部よりも第2の閉塞部12b寄りの部位には、外周面にセレーションが形成されるとともに、このセレーションが形成された部位に、ブラシホルダ74を介して前記ロータコア73が固定されている。
絶縁性の樹脂材料よりなるブラシホルダ74は、略円筒状をなしており、その径方向の中央部に軸方向に貫通した結合孔74aを有する。そして、該結合孔74a内に前記回転軸72が嵌入されることにより、ブラシホルダ74は、回転軸72におけるセレーションが形成された部位とセレーション結合して該回転軸72に対して一体回転可能に固定されている。また、図7に示すように、ブラシホルダ74の外周面には、周方向に等角度間隔(即ち45°間隔)となる8箇所に、径方向外側に突出した係合凸部74bが形成されるとともに、各係合凸部74bは、軸方向に沿ってブラシホルダ74の軸方向の一端から他端まで延びている。また、各係合凸部74bは、軸方向と直交する方向に沿って切った断面形状が矩形状をなしている。
前記ロータコア73は、軸方向から見た形状が正八角形状をなす筒状をなすとともに、その軸方向の長さは、ブラシホルダ74の軸方向の長さよりも長く形成されている(図6参照)。そして、ロータコア73の外周面を構成する8つの平面には、N極とS極とが周方向に交互となるようにマグネット44がそれぞれ固着されている。また、ロータコア73の径方向の中央部を軸方向に貫通した収容孔73aは、断面円形状をなすとともに、その内径は、係合凸部74bを除くブラシホルダ74の外径と等しく形成されている。更に、収容孔73aの内周面には、周方向に等角度間隔となる8箇所であって、各マグネット44の周方向の中央に対応した8箇所に、径方向外側に向かって凹設された係合凹部73bが形成されている。これらの係合凹部73bは、ブラシホルダ74の外周面に形成された8個の係合凸部74bに対応して形成されており、軸方向に沿って延びるとともに、軸方向と直交する方向に沿って切った断面形状が矩形状をなしている。
そして、ロータコア73は、各係合凹部73b内に係合凸部74bがそれぞれ挿入されるように収容孔73a内にブラシホルダ74を挿入することにより同ブラシホルダ74に外嵌されて固定される。即ち、ブラシホルダ74は、ロータコア73の内側に収容されている。また、図6に示すように、ロータコア73における整流子31と対向する軸方向の端面と、ブラシホルダ74における整流子31と対向する軸方向の端面とが軸方向と直交する同一平面内に配置されている。そして、ロータコア73の収容孔73a内では、ブラシホルダ74と、ロータコア73における整流子31と反対側の軸方向の端面との間に空間Sが形成されている。
図6及び図7に示すように、ブラシホルダ74には、周方向に等角度間隔となる8箇所に、軸方向に貫通した保持孔74cが形成されている。各保持孔74cは、ブラシホルダ74における外周縁寄りの部位で、各マグネット44の周方向の中央部に対応した8箇所に形成されている。本実施形態では、各保持孔74cにおける回転軸72からの径方向の距離は、陽極側のスリップリング64における回転軸72からの径方向の距離と等しくなっている。そして、各保持孔74cは、軸方向から見た形状が径方向に長い長方形状をなすとともに、各保持孔74cの周方向の中央を通り径方向に延びる中心線L4は、マグネット44の中心線L2と一致する。尚、各保持孔74cの周方向の幅は、周方向に並ぶ3つのセグメント32(図3参照)を同時に跨がない幅に設定されている。このようなブラシホルダ74は、2つの複合ブラシ81,82を保持している。
図5は、2つの複合ブラシ81,82の斜視図であって、直径方向に切った半分を図示している。そして、図5における複合ブラシ81と複合ブラシ82との位置関係は、直流モータの内部に配置されたときの位置関係と等しい。複合ブラシ81,82は、何れも導電性を有する。内周側に配置された陽極側の複合ブラシ81は、円筒状の第1の給電側摺接部81aと、該給電側摺接部81aから延びる4つの第1の整流側摺接部81bとから構成されている。図6に示すように、第1の給電側摺接部81aは、陽極側のスリップリング63の内径及び外径と略等しい内径及び外径を有する円筒状をなすとともに、第1の給電側摺接部81aの軸方向の長さは、同第1の給電側摺接部81aがブラシホルダ74とスリップリング63との間の空間Sに収まる長さに設定されている。尚、第1の給電側摺接部81aにおいて、第1の整流側摺接部81bと反対側の軸方向の端面は、陽極側のスリップリング63に押圧接触される第1の接触面81cとなる。
図5乃至図7に示すように、4つの第1の整流側摺接部81bは、ブラシホルダ74に設けられた8つの保持孔74cのうち周方向に1つ置きの4つの保持孔74cに対応して形成されている。詳述すると、4つの第1の整流側摺接部81bは、第1の給電側摺接部81aの軸方向の一端部(図7において右側の端部)に周方向に等角度間隔(即ち90°間隔)に形成されている。そして、各第1の整流側摺接部81bは、第1の給電側摺接部81aの軸方向の一端部(図7において右側の端部)から径方向に沿って径方向外側に延びた後に軸方向に沿って第1の接触面81cと反対側(即ち図7において右側)に延びている。更に、各第1の整流側摺接部81bは、第1の整流側摺接部81bが設けられた側の第1の給電側摺接部81aの軸方向の端面からその先端面までの長さがブラシホルダ74の軸方向の長さより長く形成されている。また、各第1の整流側摺接部81bにおける軸方向に延びる部位は、複合ブラシ81の径方向の中央からの径方向の距離が、前記保持孔74cにおけるブラシホルダ74の径方向の中央からの径方向の距離と等しい。更に、各第1の整流側摺接部81bにおける軸方向に延びる部位は、その長手方向(軸方向に同じ)と直交する断面の形状が、軸方向から見た保持孔74cの形状と同様に、径方向に長い長方形状をなすとともに、4つの第1の整流側摺接部81bの先端面は軸方向と直交する同一平面内に位置する。そして、陽極側の複合ブラシ81の外径(即ち4つの第1の整流側摺接部81bの径方向外側の側面を通る円の直径)は、陰極側のスリップリング64の外径と略等しく、4つの第1の整流側摺接部81bの径方向内側の側面を通る円の直径は、同スリップリング64の内径と略等しくなっている。また、複合ブラシ81の軸方向の長さは、ロータコア73の軸方向の長さよりも長く形成されている。
外周側に配置された陰極側の複合ブラシ82は、円筒状の第2の給電側摺接部82aと、該給電側摺接部82aから延びる4つの第2の整流側摺接部82bとから構成されている。第2の給電側摺接部82aは、陰極側のスリップリング64の内径及び外径と略等しい内径及び外径を有する円筒状をなしている。そして、第2の給電側摺接部82aの軸方向の長さは、前記第1の給電側摺接部81aにおける第1の接触面81cと、第1の整流側摺接部81bの基端側の端面との間の間隔よりも短い長さに設定されている。尚、第2の給電側摺接部82aにおいて、第2の整流側摺接部82bと反対側の軸方向の端面は、陰極側のスリップリング64に押圧接触される第2の接触面82cとなる。
4つの第2の整流側摺接部82bは、前記第1の整流側摺接部81bと同様に、ブラシホルダ74に設けられた8つの保持孔74cのうち周方向に1つ置きの4つの保持孔74cに対応して形成されている。詳述すると、4つの第2の整流側摺接部82bは、第2の給電側摺接部82aにおける第2の接触面82cと反対側の軸方向の端面から軸方向に沿って第2の接触面82cと反対側(即ち図7において右側)に延びるとともに、周方向に等角度間隔(即ち90°間隔)に形成されている。そして、各第2の整流側摺接部82bは、軸方向の長さがブラシホルダ74の軸方向の長さより長く形成されている。また、各第2の整流側摺接部82bは、複合ブラシ82の径方向の中央からの径方向の距離が、前記保持孔74cにおけるブラシホルダ74の径方向の中央からの径方向の距離と等しい。更に、各第2の整流側摺接部82bは、その長手方向(軸方向に同じ)と直交する断面の形状が、軸方向から見た保持孔74cの形状と同様に、径方向に長い長方形状をなしている。また、各第2の整流側摺接部82bの径方向の幅は、第2の給電側摺接部82aの径方向の幅と等しく形成されている。また、4つの第2の整流側摺接部82bの先端面は、4つの第1の整流側摺接部81bと同様に、軸方向と直交する同一平面内に位置する。そして、陰極の複合ブラシ82の外径及び内径は、陰極側のスリップリング64の外径及び内径と略等しいとともに、陰極側の複合ブラシ82の軸方向の長さは、陽極側の複合ブラシ81の軸方向の長さと等しく形成されている。
上記のような陽極側の複合ブラシ81は、周方向に1つ置きの合計4つの保持孔74cに、4つの第1の整流側摺接部81bを挿入することよりブラシホルダ74に対して配置される。そして、ブラシホルダ74に対して配置された複合ブラシ81は、第1の給電側摺接部81aが前記空間Sに配置されるとともに、同第1の給電側摺接部81aは、回転軸72と同軸状に配置される。更に、複合ブラシ81は、その軸方向の両端部がロータコア73の軸方向の両端から軸方向に突出し、第1の給電側摺接部81aの第1の接触面81cが陽極側のスリップリング63に軸方向から当接するとともに、4つの第1の整流側摺接部81bの先端面が整流子31の摺接面32dに軸方向から当接する。即ち、複合ブラシ81は、第1の整流側摺接部81bにおいて、周方向に90°間隔となる4つのセグメント32に同時に接触する。
同様に、陰極側の複合ブラシ82は、周方向に1つ置きの残りの4つの保持孔74cに、4つの第2の整流側摺接部82bを挿入することよりブラシホルダ74に対して配置される。即ち、第1の整流側摺接部81bと第2の整流側摺接部82bとが周方向に交互に配置される。そして、ブラシホルダ74に対して配置された複合ブラシ82は、第2の給電側摺接部82aが前記空間S内で第1の給電側摺接部81aの外周に配置されるとともに、同第2の給電側摺接部82aは、回転軸72を中心として第1の給電側摺接部81aと同心状に配置されている。また、複合ブラシ82は、その軸方向の両端部がロータコア73の軸方向の両端から軸方向に突出し、第2の給電側摺接部82aの第2の接触面82cが陰極側のスリップリング64に軸方向から当接するとともに、4つの第2の整流側摺接部82bの先端面が整流子31の摺接面32dに軸方向から当接する。即ち、複合ブラシ82は、第2の整流側摺接部82bにおいて、周方向に90°間隔となる4つのセグメント32に同時に接触する。
そして、図7に示すように、保持孔74cにそれぞれ挿入された第1及び第2の整流側摺接部81b,82bは、その周方向の中央を通り径方向に延びる中心線L5,L6が、各マグネット44の中心線L2とそれぞれ一致する。そして、これらの複合ブラシ81は、回転軸72の回転に伴ってロータコア73と共に一体回転可能である。
また、図6に示すように、スリップリングホルダ62の内側に配置された1つの圧縮コイルばね66が、スリップリングホルダ62を軸方向に沿ってロータコア73側に付勢するため、この圧縮コイルばね66の付勢力により、スリップリングホルダ62ごとスリップリング63,64が複合ブラシ81,82側に押圧され、更に、スリップリング63,64に押圧された複合ブラシ81,82が整流子31側に付勢されて整流子31に押圧される。即ち、圧縮コイルばね66の付勢力により、各複合ブラシ81,82は相対的にスリップリング63,64押圧されるとともに、整流子31に直接的に押圧される。
そして、上記のような直流モータでは、外部の電源装置から給電線65を介してスリップリング63,64に供給された電流は、第1及び第2の給電側摺接部81a,82aから第1及び第2の整流側摺接部81b,82bに流れ、更に、第1及び第2の整流側摺接部81b,82bが接触したセグメント32から直接又は接続線33を通って電機子コイル23に供給される。すると、電機子21にて磁界が発生し、該磁界に応じて回転子71が回転する。回転子71の回転に伴って、ロータコア73と共に複合ブラシ81,82が回転するため、整流子31において、第1及び第2の整流側摺接部81b,82bが接触されるセグメント32が順次切り替わり、それによって順次電機子コイル23の整流が行われ、回転軸72が連続的に回転される。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態の(1)乃至(5)の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏することができる。
(6)直流モータは、陽極側の複合ブラシ81と陰極側の複合ブラシ82とをそれぞれ1つずつ備えている。即ち、複合ブラシの数が最小限となっている。そのため、更に部品点数が減少されることから、より組付け性が向上されて直流モータの生産性が向上される。また、各複合ブラシ81,82は、それぞれ同時に複数のセグメント32に接触するため、大電流にも対応し易い。
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。尚、本実施形態では、前記第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
図8は、第3の実施形態の直流モータの概略構成図である。
第1のケース11の内側には、略円環状のスリップリングホルダ101が固定されている。絶縁性の樹脂材料よりなるスリップリングホルダ101は、第1の閉塞部11bと反対側(即ち直流モータの内部側)の軸方向の端部に一対のスリップリング63,64を保持している。これらスリップリング63,64には、スリップリングホルダ101の内部を通って直流モータの外部に引き出された給電線102を介して外部の電源装置から電流が供給される。
電機子21の内側に配置された回転子111は、直流モータの径方向の中央部に配置された回転軸42と、該回転軸42に固定されたロータコア112と、該ロータコア112の外周面に固着された8個のマグネット44とを備えている。
回転軸42における第2の閉塞部12b寄りの位置にロータコア112が固定されている。図9に示すように、略円筒状のロータコア112は、軸方向から見た形状が正八角形状をなすとともに、ロータコア112の外周面を構成する8つの平面には、N極とS極とが周方向に交互となるようにマグネット44がそれぞれ固着されている。図8に示すように、ロータコア112における整流子31側の軸方向の端部には8つの平面に対応した8箇所にマグネット44における整流子31側の軸方向の端面に当接する位置決め部112aが径方向外側に向けて延設されており、該位置決め部112aによって各マグネット44のロータコア112に対する軸方向の位置決めがなされている。
ロータコア112には、整流子31と反対側(即ち図8において左側)に開口する収容凹部112bが凹設されている。収容凹部112bは、ロータコア112における整流子31と反対側の軸方向の端部から軸方向に沿って整流子31側に凹設されるとともに、その深さは、マグネット44の軸方向の長さと略等しく、更に軸方向から見た形状が円形状をなしている。また、収容凹部112bの底部中央には、固定のために回転軸42が嵌入される固定孔112cが軸方向に貫通して形成されるとともに、該固定孔112cの周囲には、周方向に等角度間隔(即ち45°間隔)となる8箇所であって8個のマグネット44の周方向の中央部に対応した8箇所に挿通孔112dが軸方向に貫通して形成されている。尚、図8には、8つの挿通孔112dのうち2つのみを図示している。また、図9に示すように、収容凹部112bの内周面には、周方向に等角度間隔(即ち45°間隔)となる8箇所であって8個のマグネット44の周方向の中央部に対応した8箇所に、径方向外側に向かって凹設された係合凹部112eが形成されている。各係合凹部112eは、軸方向に沿って収容凹部112bの開口部から底部まで延びるとともに、軸方向と直交する方向に沿って切った断面形状が矩形状をなしている。
収容凹部112bには、円筒状のブラシホルダ113が収容されている。ブラシホルダ113は、絶縁性の樹脂材料よりなるとともに、ブラシホルダ113の軸方向の長さは、収容凹部112bの深さと等しく形成されている。また、ブラシホルダ113の外周面には、周方向に等角度間隔(45°間隔)となる8か所に、径方向外側に突出した係合凸部113aが形成されている。これらの係合凸部113aは、ロータコア112の収容凹部112bの内周面に形成された8個の係合凹部112eに対応して形成されており、軸方向に沿ってブラシホルダ113の軸方向の一端から他端まで延びるとともに、軸方向と直交する方向に沿って切った断面形状が矩形状をなしている。また、ブラシホルダ113の径方向の中央部には、軸方向に貫通した断面円形状の貫通孔113bが形成されている。ブラシホルダ113は、貫通孔113bに回転軸42が挿通されるとともに、8個の係合凸部113aが8個の係合凹部112e内にそれぞれ挿入された状態で収容凹部112b内に収容されている。
また、図8及び図9に示すように、ブラシホルダ113におけるスリップリング63,64と対向する軸方向の端部には、周方向に等角度間隔(即ち45°間隔)となる8箇所であって各マグネット44の周方向の中央部に対応した8箇所に保持凹部113cが軸方向に凹設されている。保持凹部113cは、軸方向から見た形状が、径方向内側から径方向外側に向かうに連れて周方向の幅が広くなる扇形状をなすとともに、各保持凹部113cの底面には、該底面の径方向外側の端部であって周方向の中央部となる位置にブラシホルダ113を軸方向に貫通する保持孔113dが形成されている。8個の保持孔113dは、軸方向と直交する方向の断面形状が径方向内側から径方向外側に向かうに連れて周方向の幅が広くなる台形状をなすとともに、前記収容凹部112bの底部に形成された8個の挿通孔112dと軸方向に並んでいる。
上記のようなブラシホルダ113は8個の複合ブラシ120を保持している。8個の複合ブラシ120のうち、4個の複合ブラシ120は陽極側の複合ブラシ121であり、残りの4個の複合ブラシ120は陰極側の複合ブラシ122である。
図10(a)に示すように、陽極側の複合ブラシ121は、整流側摺接部120aと、第1の給電部120bと、これら整流側摺接部120aと第1の給電部120bとを連結して一体化する導線120cとから構成されている。
整流側摺接部120aは、前記保持孔113d(図9参照)に対応した形状をなしており、長手方向と直交する断面形状が台形状をなす柱状をなすとともに、整流側摺接部120aは、保持孔113dの軸方向の長さよりも短く形成されている(図8参照)。
第1の給電部120bは、前記保持凹部113c(図8参照)に対応した扇形状の板状をなす基部120dと、該基部120dと一体に形成された第1の給電側摺接部120eとから構成されている。基部120dは、その厚さ方向の一端面において整流側摺接部120aの長手方向の一端面と導線120cにて連結されている。尚、導線120cは、襞状に屈曲されており長手方向に伸縮可能である。また、第1の給電側摺接部120eは、基部120dの厚さ方向の他端面(即ち導線120cと反対側の厚さ方向の端面)における径方向内側の端部(図8参照)から同基部120dの厚さ方向に沿って突出形成されている。そして、整流側摺接部120aと基部120dとの間には、導線120cに沿うように圧縮コイルばね123が配置されている。この圧縮コイルばね123は、その内側を導線120cが軸方向に貫通するように、即ち導線120cの外周を囲繞するように配置されている。
図10(b)に示すように、陰極側の複合ブラシ122は、陽極側の複合ブラシ121と同様の整流側摺接部120aと、第2の給電部120fと、これら整流側摺接部120aと第2の給電部120fとを連結して一体化する導線120cとから構成されている。
第2の給電部120fは、第1の給電部120bと同様の基部120dと、該基部120dと一体に形成された第2の給電側摺接部120gとから構成されている。即ち、陰極側の複合ブラシ122は、陽極側の複合ブラシ121と比較すると給電側摺接部の構成が異なる。第2の給電側摺接部120gは、基部120dの厚さ方向の他端面(即ち導線120cと反対側の厚さ方向の端面)における径方向外側の端部(図8参照)から同基部120dの厚さ方向に沿って突出形成されている。また、整流側摺接部120aと基部120dとの間には、導線120cに沿うように圧縮コイルばね123が配置されている。この圧縮コイルばね123は、その内側を導線120cが軸方向に貫通するように、即ち導線120cの外周を囲繞するように配置されている。
そして、図8及び図9に示すように、陽極側の4つの複合ブラシ121は、ブラシホルダ113において、周方向に1つ置きの4つの保持凹部113c及び保持孔113d内に収容されるとともに、陰極側の4つの複合ブラシ122は、残りの4つの保持凹部113c及び保持孔113d内に収容されている。詳しくは、第1及び第2の給電部120b,120fはそれぞれ保持凹部113c内に収容されるとともに、整流側摺接部120a、導線120c及び圧縮コイルばね123はそれぞれ保持孔113d内に配置されている。そして、各整流側摺接部120aの長手方向の片側端面(導線120cと反対側の端面)が、整流子31の摺接面32dに軸方向から当接するとともに、各整流側摺接部120aの周方向の中央を通り径方向に延びる中心線L7は、各マグネット44の中心線L2と一致する。また、4つの第1の給電側摺接部120eの先端面がそれぞれ陽極側のスリップリング63に軸方向から当接するとともに、4つの第2の給電側摺接部120gの先端面がそれぞれ陰極側のスリップリング64に軸方向から当接している。
そして、整流側摺接部120aと第1及び第2の給電部120b,120fとの間に配置された圧縮コイルばね123が、整流側摺接部120aを軸方向に沿って整流子31側に付勢するとともに、第1及び第2の給電部120fを軸方向に沿ってスリップリング63,64側に付勢するため、この圧縮コイルばね123の付勢力により、各整流側摺接部120aが整流子31に直接的に押圧され、第1及び第2の給電側摺接部120e,120gがスリップリング63,64に直接的に押圧される。
上記のように構成された直流モータでは、外部の電源装置から給電線102を介してスリップリング63,64に供給された電流は、第1及び第2の給電側摺接部120e,120gから、基部120d及び導線120cを通って整流側摺接部120aに流れ、更に、整流側摺接部120aが接触したセグメント32から直接又は接続線33を通って電機子コイル23に供給される。すると、電機子21にて磁界が発生し、該磁界に応じて回転子111が回転する。回転子111の回転に伴って、ロータコア112と共に複合ブラシ121,122が回転するため、整流子31において、整流側摺接部120aが接触されるセグメント32が順次切り替わり、それによって順次電機子コイル23の整流が行われ、回転軸42が連続的に回転される。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、上記第1の実施形態の(1)、(4)及び(5)の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏することができる。
(7)各複合ブラシ120においては、第1及び第2の給電部120b,120fと整流側摺接部120aの間に配置された圧縮コイルばね123によって、第1及び第2の給電部120b,120f並びに整流側摺接部120aの両方が軸方向に付勢される。従って、従来のように給電ブラシを軸方向に押圧する圧縮コイルばねと整流ブラシを軸方向に押圧する圧縮コイルばねとをそれぞれ備えなくてもよいため、圧縮コイルばね123の数が減少される。その結果、直流モータの組付け性が向上されて生産性が向上される。
(8)圧縮コイルばね123は、第1の給電部120b及び第2の給電部120fの何れか一方と整流側摺接部120aとが両端部に接続された導線120cが貫通された状態で、第1の給電部120b及び第2の給電部120fの何れか一方と整流側摺接部120aとの間に配置されている。従って、直流モータの組付け時には、複合ブラシ120及び圧縮コイルばね123を一体化された1つの部品として扱うことができる。従って、直流モータの組付けを更に容易に行うことができる。
尚、本発明の各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、整流側摺接部50c,81b,82b,120aは、何れも、その中心線L3,L5,L6,L7が、マグネット44の中心線L2と一致している。しかしながら、整流側摺接部50c,81b,82b,120aは、その中心線L3,L5,L6,L7がマグネット44の中心線L2とずれるように配置されてもよい。
・上記第3の実施形態では、圧縮コイルばね123は、その内側を導線120cが貫通するように配置されているが、導線120cに沿って配置されて第1及び第2の給電部120b,120f並びに整流側摺接部120aの両方を軸方向に付勢可能であれば、内側を導線120cが貫通していなくてもよい。
・上記第1及び第2の実施形態では、スリップリングホルダ62に固定されたスリップリング63,64を圧縮コイルばね66によって複合ブラシ50,81,82に向けて軸方向に付勢することにより、相対的に複合ブラシ50,81,82をスリップリング63,64に押圧するとともに、同複合ブラシ50,81,82を整流子31に(直接)押圧している。しかしながら、整流子31を圧縮コイルばね66によって複合ブラシ50,81,82に向けて軸方向に付勢することにより、相対的に複合ブラシ50,81,82を整流子31に(直接)押圧するとともに、同複合ブラシ50,81,82をスリップリング63,64に押圧する構成としてもよい。このようにしても、上記第1及び第2の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
・上記第2の実施形態では、複合ブラシ81,82は、陽極側と陰極側に対応して1つずつ設けられたものである。しかしながら、複合ブラシ81は、それぞれ第1の整流側摺接部81bを有するように周方向に複数分割されてもよいとともに、複合ブラシ82は、それぞれ第2の整流側摺接部82bを有するように周方向に複数分割されてもよい。このようにしても、上記した(1)乃至(4)と同様の作用効果を奏することができる。
・上記第1及び第2の実施形態では、1つの圧縮コイルばね66にて2つのスリップリング63,64を軸方向に押圧しているが、各スリップリング63,64を押圧する圧縮コイルばねをそれぞれ設けてもよい。このようにしても、上記した(1)と同様の作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、複合ブラシ50,81,82,120をスリップリング63,64及び整流子31に対して軸方向に直接又は相対的に押圧する押圧手段として、圧縮コイルばね66,123を用いたが、この押圧手段は、圧縮コイルばね66,123に限らない。例えば、押圧手段は、板ばね等圧縮コイルばね以外のばねであってもよい。
・上記各実施形態では、電機子21及び整流子31は、モールド樹脂34にてモールドされて一体化されているが、一体化されなくてもよい。この場合、整流子31は、電機子21とは別体で設けられ、例えば、絶縁性の樹脂材料よりなる保持部にてセグメント32及び接続線33を部分的に埋設して構成されるとともに、電機子21若しくは第2のケース12に対して固定される。
・上記各実施形態において、電機子コア22のティース22bの数、セグメント32の数、接続線33の本数、回転子41,71,111に備えられるマグネット44の数、複合ブラシ50,81,82,120の数等は適宜変更してもよい。
上記各実施形態及び上記各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項5に記載の直流モータにおいて、前記圧縮コイルばねは、その内側を前記導線が軸方向に貫通するように配置されていることを特徴とする直流モータ。同構成によれば、圧縮コイルばねは、給電ブラシと整流ブラシとが両端部に接続された導線が貫通された状態で、給電ブラシと整流ブラシとの間に配置されている。従って、直流モータの組付け時には、複合ブラシ及び圧縮コイルばねを一体化された1つの部品として扱うことができる。従って、直流モータの組付けを更に容易に行うことができる。
21…電機子、23…電機子コイル、31…整流子、32…セグメント、33…接続線、41,71,111…回転子、42,72…回転軸、43,73,112…ロータコア、44…界磁としてのマグネット、46,74,113…ブラシホルダ、50,51,52,81,82,120,121,122…複合ブラシ、50c,120a…整流ブラシとしての整流側摺接部、50d,81a…給電ブラシとしての第1の給電側摺接部、50e,82a…給電ブラシとしての第2の給電側摺接部、63,64…スリップリング、66,123…押圧手段としての圧縮コイルばね、81b…整流ブラシとしての第1の整流側摺接部、82b…整流ブラシとしての第2の整流側摺接部、120b…給電ブラシとしての第1の給電部、120c…導線、120f…給電ブラシとしての第2の給電部、L2…中心線。

Claims (6)

  1. 複数の電機子コイルを有する円環状の電機子と、
    前記電機子の内側に配置され、回転軸、該回転軸に固定されたロータコア及び該ロータコアにて保持された界磁を有する回転子と、
    電流が供給されるスリップリングと、
    周方向に並設されるとともに前記電機子コイルが電機的に接続される複数のセグメント及び周方向に離れた位置にある前記セグメント同士を電気的に接続する接続線を有する整流子と、
    軸方向から前記スリップリングに摺接する複数の給電ブラシと、
    前記給電ブラシと電気的に接続されるとともに軸方向から前記整流子に摺接する複数の整流ブラシと、
    を備え、前記スリップリング、前記給電ブラシ、前記整流ブラシ及び前記整流子を介して前記電機子に電流が供給される直流モータであって、
    前記給電ブラシと前記整流ブラシとは互いに一体化されて複合ブラシとされ、
    前記ロータコアの内側に配置され前記複合ブラシを保持するブラシホルダと、
    前記複合ブラシを前記スリップリング及び前記整流子に直接又は相対的に押圧する押圧手段と、
    を備えたことを特徴とする直流モータ。
  2. 請求項1に記載の直流モータにおいて、
    1つの前記押圧手段で、複数の前記複合ブラシを前記スリップリング及び前記整流子に対して直接又は相対的に押圧することを特徴とする直流モータ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の直流モータにおいて、
    前記スリップリングは、陽極側のスリップリングと陰極側のスリップリングとの一対設けられ、
    前記複合ブラシは2つのみ備えられ、一方の前記複合ブラシは、陽極側の前記スリップリングに直接又は相対的に押圧されるとともに周方向に離間した位置にある複数の前記セグメントに同時に接触し、他方の前記複合ブラシは、陰極側の前記スリップリングに直接又は相対的に押圧されるとともに周方向に離間した位置にある複数の前記セグメントに同時に接触することを特徴とする直流モータ。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のモータにおいて、
    前記ロータコアの軸方向の一方側に前記整流子が配置されるとともに、前記ロータコアの軸方向の他方側に前記スリップリングが配置され、
    1つの前記押圧手段にて前記スリップリング及び前記整流子の何れか一方を軸方向に付勢することにより、前記スリップリング及び前記整流子の何れか他方に向けて複数の前記複合ブラシを付勢することを特徴とする直流モータ。
  5. 請求項1に記載の直流モータにおいて、
    前記ロータコアの軸方向の一方側に前記整流子が配置されるとともに、前記ロータコアの軸方向の他方側に前記スリップリングが配置され、
    前記複合ブラシは、前記給電ブラシと前記整流ブラシとを導線で接続してなり、
    前記押圧手段は、各前記複合ブラシにおける前記給電ブラシと前記整流ブラシとの間で前記導線に沿って配置され前記給電ブラシと前記整流ブラシとを軸方向の両側に付勢する圧縮コイルばねであることを特徴とする直流モータ。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の直流モータにおいて、
    前記界磁は、N極とS極とが周方向に交互となるように周方向に複数配置され、
    前記複合ブラシは、前記整流子に摺接する整流側摺接部を有し、前記整流側摺接部は、前記界磁の周方向の中央部を通り径方向に延びる前記界磁の中心線上に配置されていることを特徴とする直流モータ。
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