JP2009177884A - ブラシ及び回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】セグメントが周方向に複数配置された円筒状の整流子及びセグメントが放射方向に複数配置された平面状の整流子のどちらの場合であっても、整流子との間で良好な整流作用を生じさせることができるブラシを得る。
【解決手段】ブラシ10は、一端部が整流子のセグメントに摺接される摺接側端面10Aとされている。摺接側端面10Aは、矢印R方向視にて、低抵抗部36が円形状とされ、高抵抗部35が円環状とされ、全体として円形状を成している。すなわち、低抵抗部36は、その断面が円形状とされ、高抵抗部35は、その断面が円環状とされ、摺接側端面10Aは、断面が円形状とされている。
【選択図】図1
【解決手段】ブラシ10は、一端部が整流子のセグメントに摺接される摺接側端面10Aとされている。摺接側端面10Aは、矢印R方向視にて、低抵抗部36が円形状とされ、高抵抗部35が円環状とされ、全体として円形状を成している。すなわち、低抵抗部36は、その断面が円形状とされ、高抵抗部35は、その断面が円環状とされ、摺接側端面10Aは、断面が円形状とされている。
【選択図】図1
Description
本発明は、整流子に摺接されるブラシ、及び該ブラシを備えた回転電機に関する。
特許文献1には、セグメントが周方向に複数配置された円筒状の整流子に摺接される多層構造のブラシが開示されている。このブラシでは、低抵抗部を高抵抗部で挟み、高抵抗部から整流子の特定のセグメントに対する接触が開始されると共に反対側の高抵抗部で特定のセグメントに対する接触が終了することにより、整流改善を行っている。
特許文献2には、セグメントが放射方向に複数配置された平面状の整流子にブラシを接触させて給電するモータが開示されている。
特開2001−351758号公報
特開平9−74721号公報
しかしながら、従来の構成では、整流の改善を行うにあたり、円筒状の整流子及び平面状の整流子のセグメント形状に応じて、ブラシ形状を設定するため、数多くの種類のブラシが存在してしまうという問題があった。
本発明は、上記事実を考慮して、セグメントが周方向に複数配置された円筒状の整流子及びセグメントが放射方向に複数配置された平面状の整流子のどちらの場合であっても、整流子との間で良好な整流作用を生じさせることができるブラシを得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係るブラシは、整流子のセグメントに摺接される接触端面を有する低抵抗部と、前記整流子のセグメントに摺接される接触端面を有し、前記低抵抗部の外周を囲むと共に前記低抵抗部よりも電気抵抗値が高い高抵抗部と、を備えたことを特徴とする。
請求項1記載のブラシでは、セグメントが周方向に複数配置された円筒状の整流子がその周方向へ回転する場合において、高抵抗部の接触端面の外縁から接触(摺接)を開始し、その外縁に対向する外縁へ低抵抗部を通る直線方向へ接触しながら、その対向する外縁で接触を終了することができる。
また、セグメントが放射方向に複数配置された平面状の整流子が、その放射方向と直交する方向を軸方向として回転する場合においても、請求項1記載のブラシは、高抵抗部の接触端面の外縁から接触を開始し、その外縁に対向する外縁へ低抵抗部を通る円弧方向へ接触しながら、その対向する外縁で接触を終了することができる。
また、セグメントが放射方向に複数配置された平面状の整流子が、その放射方向と直交する方向を軸方向として回転する場合においても、請求項1記載のブラシは、高抵抗部の接触端面の外縁から接触を開始し、その外縁に対向する外縁へ低抵抗部を通る円弧方向へ接触しながら、その対向する外縁で接触を終了することができる。
このように、本ブラシでは、セグメントが周方向に複数配置された円筒状の整流子と、セグメントが放射方向に複数配置された平面状の整流子とのどちらの場合であっても、高抵抗部から接触開始し、高抵抗部で接触終了するため、特定のセグメントに対する接触開始時、終了時の接触抵抗が極めて高くなる。
このため、本ブラシでは、セグメントが周方向に複数配置された円筒状の整流子と、セグメントが放射方向に複数配置された平面状の整流子とのどちらの場合であっても、急激な電流変化が抑制されるので、安定した整流が果たされ、整流子との間で良好な整流作用を生じさせることができる。
このため、本ブラシでは、セグメントが周方向に複数配置された円筒状の整流子と、セグメントが放射方向に複数配置された平面状の整流子とのどちらの場合であっても、急激な電流変化が抑制されるので、安定した整流が果たされ、整流子との間で良好な整流作用を生じさせることができる。
請求項2記載の発明に係るブラシは、前記低抵抗部は、断面が円形状とされ、前記高抵抗部は、前記低抵抗部の外周に同心円状に配置され、断面が円環状とされていることを特徴とする。
請求項2記載のブラシでは、セグメントが周方向に複数配置された円筒状の整流子がその周方向へ回転する場合において、円環状の高抵抗部の外縁から接触(摺接)を開始し、その外縁に対向する外縁へ低抵抗部を通る直線方向へ接触しながら、その対向する外縁で接触を終了することができる。
また、セグメントが放射方向に複数配置された平面状の整流子が、その放射方向と直交する方向を軸方向として回転する場合においても、請求項2記載のブラシは、円環状の高抵抗部の外縁から接触を開始し、その外縁に対向する外縁へ低抵抗部を通る円弧方向へ接触しながら、その対向する外縁で接触を終了することができる。
また、セグメントが放射方向に複数配置された平面状の整流子が、その放射方向と直交する方向を軸方向として回転する場合においても、請求項2記載のブラシは、円環状の高抵抗部の外縁から接触を開始し、その外縁に対向する外縁へ低抵抗部を通る円弧方向へ接触しながら、その対向する外縁で接触を終了することができる。
このため、セグメントが周方向に複数配置された円筒状の整流子と、セグメントが放射方向に複数配置された平面状の整流子とのどちらの場合であっても、特定のセグメントに対し、接触開始に際して接触幅が徐々に増され、接触終了に際して接触幅が減じられる。
これにより、本ブラシでは、セグメントとの接触幅が一定である構成と比較して、特定のセグメントに対する接触(整流作用)の初期及び終期で接触面積が小さくなり、接触抵抗が大きくなる。
これにより、本ブラシでは、セグメントとの接触幅が一定である構成と比較して、特定のセグメントに対する接触(整流作用)の初期及び終期で接触面積が小さくなり、接触抵抗が大きくなる。
このため、本ブラシでは、セグメントが周方向に複数配置された円筒状の整流子と、セグメントが放射方向に複数配置された平面状の整流子とのどちらの場合であっても、安定した整流が果たされ、整流子との間で良好な整流作用を生じさせることができる。
請求項3記載の発明に係る回転電機は、請求項1又は請求項2記載のブラシと、前記低抵抗部に接続され、前記ブラシへ給電するための給電配線と、を備えたことを特徴とする。
請求項3記載の回転電機では、ブラシへ給電するための給電配線が、ブラシの低抵抗部に接続されているので、ブラシへの給電が向上する。
本発明の実施形態に係るブラシ10、及び該ブラシ10が適用された回転電機としてのモータについて、図面に基づいて説明する。
(モータの全体構成)
まず、本発明の実施形態に係るブラシ10が適用されたモータ11の概略全体構成について説明する。
まず、本発明の実施形態に係るブラシ10が適用されたモータ11の概略全体構成について説明する。
図5(A)には、モータ11の概略全体構成が側断面図にて示されており、図5(B)には、図5(A)の5B−5B線に沿った軸直角断面図が示されている。なお、図5(A)及び図5(B)に適宜示す矢印Pは、後述のコンミテータ28の周(回転)方向を示し、矢印Aは後述のコンミテータ28の軸線方向を示し、矢印Rは後述のコンミテータ28の径方向を示すものとする。
これらの図に示される如く、モータ11はヨーク12を備えており、ヨーク12は回転軸又は出力軸であるアーマチャシャフト14を回転自在に軸支している。具体的には、アーマチャシャフト14は、その一端部がヨーク12の軸線方向一端部に設けられた軸受16によって、その他端側がヨーク12の軸線方向他端部に設けられた軸受18によって、それぞれヨーク12に対し回転自在に軸支されている。このアーマチャシャフト14は、その他端部がヨーク12の外側に突出している。
このヨーク12内には、電機子としてのアーマチャ20が収容されている。アーマチャ20は、アーマチャシャフト14に同軸的に固着されたコア(鉄心)22に巻線(コイル)24が巻き回されて構成されている。また、ヨーク12の内周面には、それぞれアーマチャ20の外周面に対向する一対のマグネット26が固着されている。この実施形態では、図5(B)に示される如く2極12スロットの構成が例示されている。
また、アーマチャ20には、整流子としてのコンミテータ28が設けられている。コンミテータ28は、複数のセグメント30が周方向に等間隔で配置されて全体として略円筒状又は環状に形成されており、アーマチャシャフト14に同軸的に固着されている。周方向に隣り合うセグメント30間には、絶縁部31が配設されている。また、各セグメント30は、アーマチャ20の対応する巻線24にそれぞれ電気的に接続されている(図示省略)。
また、ヨーク12内には、一対のブラシ10が該ヨーク12に対して回転不能に配設されている。具体的には、各ブラシ10は、図5(A)に示される如く、コンミテータ28の軸線に対し対称に配置されたブラシホルダ32内にコンミテータ28の外周面に対して接離可能に収容されると共に、スプリング34にてコンミテータ28側(径方向内向き)に付勢されている。これにより、各ブラシ10は、コンミテータ28の外周面(セグメント30)に常時接触するようになっている。なお、図5(B)では、ブラシホルダ32の図示を省略している。
また、各ブラシ10には、ブラシ10へ給電するための給電配線としてのピッグテール15がそれぞれ接続されている(図1(A)、図1(C)及び図2参照)。
これにより、モータ11では、コンミテータ28が軸心廻りに回転(ヨーク12すなわちブラシ10に対し相対回転)することで、該コンミテータ28とブラシ10とが摺接しつつ整流が行なわれ、アーマチャ20に電機子電流が流れる構成とされている。なお、ピッグテール15は、後述する低抵抗部36でブラシ10に接続されている。
これにより、モータ11では、コンミテータ28が軸心廻りに回転(ヨーク12すなわちブラシ10に対し相対回転)することで、該コンミテータ28とブラシ10とが摺接しつつ整流が行なわれ、アーマチャ20に電機子電流が流れる構成とされている。なお、ピッグテール15は、後述する低抵抗部36でブラシ10に接続されている。
以上説明したように、この実施の形態に係るモータ11は、マグネット式の直流モータであり、複数のセグメント30が周方向に等間隔で配置された略円筒状又は環状のコンミテータ28を有している。この実施形態では、モータ11は、正逆回転可能な構成とされている。
(ブラシの詳細構成)
次に、コンミテータ28及びブラシ10の詳細構成を説明する。
次に、コンミテータ28及びブラシ10の詳細構成を説明する。
図1(A)〜図1(C)には、ブラシ10が平面図、正面図、側断面図にて示されており、図2には、ブラシ10が斜視図にて示されている。また、図3には、ブラシ10とコンミテータ28との接触関係が模式的に示されており、図4(A)〜図4(B)には、コンミテータ28との摺接状態のブラシ10が背面図(径方向外側から見た図又は断面図)にて示されている。なお、各図に適宜示す矢印Pは、モータ11においてコンミテータ28の周(回転)方向を、矢印Aはモータ11においてコンミテータ28の軸線方向を、矢印Rはモータ11においてコンミテータ28の径方向を示すものとする(後述のモータ13においては、これらの方向は変化する)。
これらの図に示される如く、ブラシ10は、円柱状に形成された低抵抗部36と低抵抗部36の外周に同心円状に配置された円筒状の高抵抗部35とを有しており、全体として円柱形状に形成されている。
低抵抗部36は、高抵抗部35に対し電気抵抗の低い材料(一般的なブラシ材料)で構成されており、高抵抗部35に対し電気抵抗値が低くされている。本実施形態では、高抵抗部35と低抵抗部36で2層構造を形成し、高抵抗部35と低抵抗部36とは、互いに電気的に導通されている。
このブラシ10は、矢印R方向の一端面がコンミテータ28(を構成する各セグメント30)との摺接側端面10Aとされている。
摺接側端面10Aは、矢印R方向視にて、低抵抗部36が円形状とされ、高抵抗部35が円環状とされ、全体として円形状を成している。すなわち、低抵抗部36は、その断面が円形状とされ、高抵抗部35は、その断面が円環状とされ、摺接側端面10Aの全体は、その断面が円形状とされている。
摺接側端面10Aは、矢印R方向視にて、低抵抗部36が円形状とされ、高抵抗部35が円環状とされ、全体として円形状を成している。すなわち、低抵抗部36は、その断面が円形状とされ、高抵抗部35は、その断面が円環状とされ、摺接側端面10Aの全体は、その断面が円形状とされている。
なお、本実施形態では、摺接側端面10Aが平面状に形成され、ブラシ10の軸方向と直交する面をなすので、低抵抗部36は、コンミテータ28を構成する各セグメント30に接触する接触端面が円形状とされ、高抵抗部35は、コンミテータ28を構成する各セグメント30に接触する接触端面が円環状とされ、摺接側端面10Aは、コンミテータ28を構成する各セグメント30に接触する接触端面が円形状とされている。
また、本実施形態では、低抵抗部36の断面が真円形状とされると共に、高抵抗部35の断面が低抵抗部36と同心円の円環状とされており、ブラシ10中央部の低抵抗部36の全周を囲むように、高抵抗部35が配置される。
以上により、ブラシ10は、図4(A)及び図4(B)に示される如く、コンミテータ28の特定のセグメント30に対し、高抵抗部35の外縁10Bから接触を開始し、外縁10Bに対向する外縁10Aへ低抵抗部36の中心を通る直線方向Sへ接触しながら、高抵抗部35の外縁10Bで接触を終了する構成とされている。
また、図1(B)に示される如く、高抵抗部35の幅B2は、低抵抗部36の半径B1の1/3以下とされている。
さらに、図3に示される如くブラシ10は、3つのセグメント30に同時に接触しない(3つのセグメント30に跨らない)ように、ブラシ10の直径Dが設定されている。具体的には、矢印R方向におけるブラシ10の長さをL、矢印R方向におけるセグメント30の幅をLsとし、矢印R方向における各セグメント30間の幅(絶縁部31の幅)Liとした場合において、ブラシ10の直径Dは、D<Ls+2×Liを満たすように設定されている。
なお、ブラシ10は、図6(A)及び図6(B)に示される如く、矢印A方向視でコンミテータ28(セグメント30)の外周面に沿った円弧状に、摺接側端面110Aを予め形成したブラシ110を用いても良い。ブラシ110では、摺接側端面110Aが使用に伴い摩耗される前から、該摺接側端面110Aを略全面に亘ってセグメント30に接触させることができる構成とされる。
(セグメントが放射方向に複数配置された平面状のコンミテータを有するモータにブラシ10を適用した例)
ここで、本実施形態に係るブラシ10は、図7に示される如く、セグメント33が放射方向に複数配置された平面状の整流子としてコンミテータ29を有する回転電機としてのモータ13に適用することが可能である。
ここで、本実施形態に係るブラシ10は、図7に示される如く、セグメント33が放射方向に複数配置された平面状の整流子としてコンミテータ29を有する回転電機としてのモータ13に適用することが可能である。
なお、モータ13は、モータ11におけるコンミテータ28、セグメント30及び絶縁部31の構成、ブラシ10の配置位置を替えたものであり、基本構成はモータ11と同様である。
コンミテータ29は、図7に示される如く、扇状に形成されたセグメント33が放射方向に等間隔で複数配置されおり、アーマチャシャフト14に同軸的に固着されている。隣り合うセグメント33間には、絶縁部35が配設されている。
また、各セグメント33は、アーマチャの対応する巻線にそれぞれ電気的に接続されている(図示省略)。
また、各セグメント33は、アーマチャの対応する巻線にそれぞれ電気的に接続されている(図示省略)。
また、モータ13のヨーク内には、一対のブラシ10が該ヨークに対して回転不能に配設されている。具体的には、各ブラシ10は、コンミテータ29の円形状の平面に対して接離可能にされると共に、スプリング等によりコンミテータ29側に付勢されている。これにより、各ブラシ10は、コンミテータ29の円形状の平面(セグメント33)に常時接触するようになっている。
また、各ブラシ10には、ブラシ10へ給電するための給電配線としてのピッグテール15がそれぞれ接続されている。このピッグテール15は、低抵抗部36でブラシ10に接続されている。
この構成において、ブラシ10は、コンミテータ29の特定のセグメント33に対し、高抵抗部35の外縁10Bから接触を開始し、外縁10Bに対向する外縁10Aへ低抵抗部36を通る円弧方向Eへ接触しながら、高抵抗部35の外縁10Bで接触を終了する構成とされている。
(本実施形態の作用)
次に、実施形態の作用を説明する。
次に、実施形態の作用を説明する。
上記構成のブラシ10が適用されたモータ11(複数のセグメント30が周方向に等間隔で配置された略円筒状又は環状のコンミテータ28を有するモータ)では、各ブラシ10がコンミテータ28との相対回転によって該コンミテータ28を構成する各セグメント30と摺接することで、整流が行なわれる。これにより、アーマチャ20の巻線24に流れる電機子電流の方向が適宜切り替えられ、該巻線24及びマグネット26の磁力によるアーマチャ20すなわちアーマチャシャフト14の回転が維持される。
ここで、本実施形態に係るモータ11では、コンミテータ28の回転に伴って、ブラシ10のセグメント30Aへの接触(給電)状態から、該セグメント30Aに周方向に隣接するセグメント30Bへの接触状態に移行することで、各巻線24の電機子電流の方向がアーマチャ20の回転(角位置)に依存することなく空間的に一定に維持される。以下、図4(A)に示される如く、セグメント30Aに接触するブラシ10がセグメント30Bへ接触(整流)を開始してから、図4(B)に示される如くブラシ10がセグメント30Aとの接触を終了するまでの区間を単位整流区間として、本実施形態の作用効果を説明する。
図8は、単位整流区間でのモータ回転角を横軸とし、ブラシ10とセグメント30A及びセグメント30Bとの接触抵抗を縦軸とした線図である。この図に比較例として太い実線及び細い破線にて示される如く、ブラシ10と同じ最大接触面積でかつ矢印P方向の各部でセグメント30との接触幅が一定である(矢印P方向の縁部がセグメント30の縁部と平行である)ブラシでは、セグメント30に対する接触初期及び終期で接触面積が大きいため、単位整流区間の初期及び終期での接触抵抗が十分に大きくなく、不足整流が生じる場合がある。この不足整流に伴う接触(整流)終了時の残留電流により、比較例ブラシとコンミテータとの接触面からの火花(火花放電)の発生が懸念され、このような火花の発生は、耐久性の悪化、磁気音や電磁ノイズの発生の原因となる。
これに対してブラシ10が適用されたモータ11では、円環状の高抵抗部35の外縁10Bからセグメント30への接触が開始され、円環状の高抵抗部35の外縁10Aでセグメント30との接触が終了されるため、接触開始直後及び接触終了直前の各区間で接触面積の変化率が小さい。しかも、ブラシ10では、単位整流区間の初期及び終期で主に高抵抗部35がセグメント30に接触するため、該単位整流区間の初期及び終期で接触抵抗がさらに大きくなる。
さらに、ブラシ10では、整流開始の際には、摺接側端面10Aとセグメント30との接触面積に占める高抵抗部35の接触面積の比率が徐々に減り、整流終了の際には、摺接側端面10Aとセグメント30との接触面積に占める高抵抗部35の接触面積の比率が徐々に増す期間が生じる。これらにより、ブラシ10では、図8に太い実線及び細い実線にて示される如く、単位整流区間の初期及び終期で接触抵抗が十分に大きくなる。
特に、ブラシ10では、単位整流区間で常に高抵抗部35がセグメント30Bに接触した状態が維持される。このため、高抵抗部35による抵抗整流が行なわれる時間が長く確保される。
一方、ブラシ10が適用されたモータ13(セグメント33が放射方向に複数配置された平面状のコンミテータ29を有するモータ)においても、セグメント33Aに接触するブラシ10がセグメント30Bへ接触(整流)を開始してからブラシ10がセグメント30Aとの接触を終了するまでの区間を単位整流区間とすると、円環状の高抵抗部35の外縁10Bからセグメント33への接触が開始され、円環状の高抵抗部35の外縁10Aでセグメント33との接触が終了されるため、接触開始直後及び接触終了直前の各区間で接触面積の変化率が小さい(図7参照)。しかも、ブラシ10では、単位整流区間の初期及び終期で主に高抵抗部35がセグメント33に接触するため、該単位整流区間の初期及び終期で接触抵抗がさらに大きくなる。
さらに、ブラシ10では、整流開始の際には、摺接側端面10Aとセグメント33との接触面積に占める高抵抗部35の接触面積の比率が徐々に減り、整流終了の際には、摺接側端面10Aとセグメント33との接触面積に占める高抵抗部35の接触面積の比率が徐々に増す期間が生じる。これらにより、ブラシ10では、図8に太い実線及び細い実線にて示される如く、単位整流区間の初期及び終期で接触抵抗が十分に大きくなる。
特に、ブラシ10では、単位整流区間で常に高抵抗部35がセグメント33Bに接触した状態が維持される。このため、高抵抗部35による抵抗整流が行なわれる時間が長く確保される。
以上により、本実施形態に係るブラシ10では、セグメントが周方向に複数配置された円筒状の整流子及びセグメントが放射方向に複数配置された平面状の整流子のどちらの場合であっても、図8に示される如く、良好(直線)整流の整流曲線(波形)が得られる。これにより、ブラシ10が適用されたモータ11では、火花の発生が効果的に防止又は抑制され、耐久性の向上、磁気音や電磁ノイズの防止が図られる。
そして、ブラシ10では、良好整流が得られるので、摺接側端面10Aに占める低抵抗部36の面積を相対的に増すことができる。これにより、ブラシ10は、コンミテータ28(を介してアーマチャ20)に十分な電流を供給し得る低抵抗部36の面積を確保することができる。
ブラシ10では、整流開始、終了の際にセグメント30に対する接触面積を減じると共に該接触部分を高抵抗部35とすることで、十分な電流を供給し得る低抵抗部36の面積を確保することができ、適正なトルク特性を得ることができる。
このように、本実施形態に係るブラシ10では、セグメントが周方向に複数配置された円筒状の整流子及びセグメントが放射方向に複数配置された平面状の整流子のどちらの場合であっても、整流子との間で良好な整流作用を生じさせることができる。換言すれば、モータ11及びモータ13で、ブラシ10を共通化することが可能となる。
また、本実施形態では、ブラシ10へ給電するためのピッグテール15が、ブラシ10の低抵抗部36に接続されているので、ブラシ10への給電が向上する。
さらに、ブラシ10は、断面が円形状の低抵抗部36と、その外周に配置された断面が円環状の高抵抗部35とで構成され、コンミテータ28の回転方向である矢印P方向に対称に形成されているため、コンミテータ28すなわちアーマチャ20(アーマチャシャフト14)の回転方向に依らず、上記の作用効果を奏する。
なお、本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、本発明においては、摺接側端面10Aの中央部に配置された低抵抗部36の外周が、高抵抗部35で囲まれていれば良く、低抵抗部36及び高抵抗部35は、図9(A)〜図9(C)に示される如く、任意の形状とすることができる。
図9(A)に示す例では、低抵抗部36は断面が楕円形状であると共に高抵抗部35は断面が楕円状の円環状とされている。また、図9(B)に示す例では、低抵抗部36は断面が円形状であると共に高抵抗部35は外縁が四角形状とされた環状に形成されている。また、図9(C)に示す例では、低抵抗部36は断面がひし形状であると共に高抵抗部35がひし形の環状とされている。
10・・・ブラシ、11・13・・・モータ(回転電機)、15・・・ピッグテール(給電配線)、28・29・・・コンミテータ(整流子)、30・33・・・セグメント、35・・・高抵抗部、36・・・低抵抗部、
Claims (3)
- 整流子のセグメントに摺接される接触端面を有する低抵抗部と、
前記整流子のセグメントに摺接される接触端面を有し、前記低抵抗部の外周を囲むと共に前記低抵抗部よりも電気抵抗値が高い高抵抗部と、
を備えたことを特徴とするブラシ。 - 前記低抵抗部は、断面が円形状とされ、
前記高抵抗部は、前記低抵抗部の外周に同心円状に配置され、断面が円環状とされていることを特徴とする請求項1記載のブラシ。 - 請求項1又は請求項2記載のブラシと、
前記低抵抗部に接続され、前記ブラシへ給電するための給電配線と、
を備えたことを特徴とする回転電機。
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JP2008011647A JP2009177884A (ja) | 2008-01-22 | 2008-01-22 | ブラシ及び回転電機 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008011647A Pending JP2009177884A (ja) | 2008-01-22 | 2008-01-22 | ブラシ及び回転電機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009177884A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11670901B2 (en) | 2018-10-22 | 2023-06-06 | Denso Corporation | Electrical contact device and rotating electric machine including the electrical contact device |
-
2008
- 2008-01-22 JP JP2008011647A patent/JP2009177884A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11670901B2 (en) | 2018-10-22 | 2023-06-06 | Denso Corporation | Electrical contact device and rotating electric machine including the electrical contact device |
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