JP2019118224A - ステータ、モータ、及びステータの製造方法 - Google Patents

ステータ、モータ、及びステータの製造方法 Download PDF

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【課題】メインヨークの外周面に補助ヨークが配置されたステータにおいて、補助ヨークとメインヨークの間に隙間がない状態で、密着させて組み付けたステータ、モータ、及びステータの製造方法を提供する。【解決手段】回転軸11に固定された電機子12を格納する回転電機(モータM)のステータ2である。ステータ2は、円筒状に形成されたメインヨーク21と、メインヨークの外周面に配置された補助ヨーク22と、メインヨーク21の内部において電機子12の外側面と対向するように配置される界磁用のマグネット23を有している。そして、補助ヨーク22は、メインヨーク21が変形しない接圧で、メインヨーク本体部21Bの外周面に隙間が無い状態で密着している。【選択図】図1

Description

本発明は直流モータのステータ、モータ、及びステータの製造方法に係り、特に、ヨークに特徴を有するステータ、モータ、及びステータの製造方法に関するものである。
直流モータの構成は、一例を挙げると、回転軸に固定された電機子及び整流子と、この電機子の外側を被覆するカップ状のヨークと、このヨークの内壁面に固定された界磁用のマグネット等を有して構成されている。このマグネットは、ヨーク内部に電機子を配設した際に、電機子の側面と対面するように構成されている。
そして、カップ状のヨークの開口側はブラケットにより閉塞されている。なお、ブラケットには、回転軸を突出させるための孔が形成されており、この構成により、回転軸の出力側端部は、出力側へと突出できるように構成されている。また、ヨークの底部とブラケットの孔部付近には、軸受が配設されており、これらの軸受によって回転軸は回転可能に支持される。また、ブラケットには、ブラシが配置されており、このブラシの径方向内側端部が整流子に摺接するように構成されている。これにより、外部電源に接続されたブラシから、整流子へと電流が供給される。そして、整流子による整流により電流方向が切り替えられる電機子と、界磁用のマグネットとの相互作用によって、この電機子は回転し、ロータとして機能する。
上記のようなヨークは、単に、電機子を被覆したりマグネットを支持したりするだけのものではなく、磁気回路としての役割を果たすものである。このため、磁気回路を構築するために、ヨークの肉厚を所定以上確保する必要がある。
しかしながら、従来のヨークは、磁気回路として必要な肉厚を素材板厚として絞ることにより製造されるため、磁気回路として必要の無い部分の肉厚もまた、磁気回路として必要な部分と同様の肉厚に形成される。つまり、磁気回路として必要の無い部分の肉厚が大きくなることとなる。このため、素材費用が大きくなるとともに、ヨークの質量が大きくなるという問題があった。よって、このような問題を解決するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、直流電動機のフレーム構造が開示されている。本技術においては、回転子鉄心は、カップ状のフレーム(メインヨークに相当)に囲繞されており、このフレームの円筒部外側面には、リング状の補助フレームが配置されている。このように構成されていることで、全体としては、肉厚の小さいフレームを作成し、磁気回路として肉厚を大きくする必要がある部分は、補助フレーム(補助ヨークに相当)を巻装することにより、磁気回路として必要な肉厚を確保することができる。そして、補助フレームを用いることで、磁気回路として必要な部分のみ肉厚を大きくし、その他の部分は肉厚を小さくすることができる。この結果、フレームの素材費用低減及び軽量化を図ることができる。
ところで、上記の補助ヨークは、メインヨークに対して圧入されることで当該メインヨークに組み付けられることがある。この際、補助ヨークをメインヨークに対してスムーズに組み付けられるのが望ましい。一方、補助ヨークをメインヨークに圧入する際にメインヨークに対して補助ヨークから過度な接触圧が作用すると、メインヨークの外周面に形成されたメッキ膜が剥離したり、メインヨークの内側に配置された界磁用のマグネットが破損したりする虞がある。
また、メインヨークに補助ヨークを組み付けることで構成されたステータを備えるモータが車両に搭載され、その車両が走行している際に上下振動が発生すると、その振動は、上記のステータまで伝達される。これにより、補助ヨークに対して負荷荷重が作用する虞がある。
本出願人は、上記不都合を解決するために、メインヨークの外周面に配置された補助ヨークを用いたステータにおいて、補助ヨークは、前記メインヨークの径方向において前記メインヨークの外周面と前記補助ヨークの内周面との間に隙間が形成された状態で前記メインヨークに嵌め込まれて前記メインヨークに溶接されており、前記メインヨークにおける前記補助ヨークの溶接箇所は、前記メインヨークの周方向においてスポット状に存在している技術を提案している(特許文献2)。
実開平6−031354号公報 特開2017−135970号公報
上記特許文献2によれば、メインヨークと補助ヨークとを組み合わせることで、磁気回路を構成するヨークが形成されている。そして、ヨークを形成するにあたり、補助ヨークをメインヨークに対してスムーズに組み付けることが可能で、補助ヨークをメインヨークに組み付ける際には、補助ヨークからメインヨークに作用する接触圧が抑えられ、この結果、補助ヨークの組み付け時にメインヨークにおいてメッキ膜の剥離やマグネットの破損が生じるのを回避することが可能となることが期待されている。
また上記文献2によれば、メインヨークに補助ヨークを組み付けて構成されたステータを備える回転電機が車両に搭載されている場合、その車両が走行しているときに生じる上下振動によって補助ヨークに作用する負荷荷重を低減させる、という優れた効果を期待できるものである。
ところで、モータのメインヨークは一般的に絞り加工で製作される。よってマグネットを配置するヨーク内径側の精度は高いが、外径については板厚のバラツキ、金型の摩耗等によって制御が難しい。補助ヨークをメインヨークの外周へ配置しようとすると、メインヨークと補助ヨークのR違いによりエアギャップが発生し出力ロスへと繋がり、結果必要な出力を得る為にコストUP、質量増という問題があった。
特許文献2に記載の補助ヨークは、メインヨークの外周に配置されるが、メインヨークに対して補助ヨークから過度の接圧が作用し、メインヨークの外周面に形成されたメッキ膜が剥離したり、メインヨークの内側に配置された磁界用マグネットが破損するのを防ぐため、メインヨークと補助ヨークの間に隙間が形成された状態で前記補助ヨークが配置されるように構成される。
上記特許文献2の技術の隙間は空気であるため磁気を通さず、マグネットから生じた磁気は、メインヨークを通過することはできても、メインヨークから補助ヨークへ通過することができず、磁気損失を生じ、モータの出力損失につながる虞があった。
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決する事にあり、具体的にはメインヨークの外周面に補助ヨークが配置されたステータにおいて、メインヨークのメッキ膜の剥離や磁界マグネットの破損などを起こさずに、補助ヨークとメインヨークの間に隙間がない状態で、密着させて組み付けたステータ、モータ、及びステータの製造方法を提供することにある。
前記課題は、本発明のステータによれば、回転軸に固定された電機子を格納する回転電機のステータであって、該ステータは、円筒状に形成されたメインヨークと、該メインヨークの外周面に配置された補助ヨークと、前記メインヨークの内部において前記電機子の外側面と対向するように配置される界磁用のマグネットと、を有し、
前記補助ヨークは、前記メインヨークが変形しない接圧で、前記メインヨークに隙間が無い状態で密着していること、により解決される。
このように構成されているので、ステータをメインヨークと補助ヨークとを組み合わせることで、磁気回路を構成するヨークが形成され、補助ヨークをメインヨークに隙間が無い状態で密着させて組み付けられているので、補助ヨークとメインヨーク間のエアギャップが小さくなり、該エアギャップによって生じる磁気の出力損失を抑えることが可能である。
また、前記補助ヨークは、前記メインヨークに対して、溶接もしくは、かしめにより固定されていると好適である。
上記構成の補助ヨークは、溶接もしくは、かしめにより固定されているので、前記メインヨークに密着した状態から変化することを防ぐことができる。溶接はスポット溶接を含むもので、メインヨークに補助ヨークを溶接する際に、補助ヨークの全周に亘って溶接したり、スポット溶接を用いれば、より簡単に補助ヨークを溶接することが可能となる。
さらに、前記補助ヨークの径を調整する調整手段を有するように構成することができる。
このように、補助ヨークの径を調整する調整手段により、前記補助ヨークを前記メインヨークへ密着させる際、前記補助ヨークから前記メインヨークに対して作用する接圧が過度に大きなものとなるのを防ぐことができる。これにより、前記界磁用のマグネットを破損することなく、前記補助ヨークを前記メインヨークに密着状態を確認しながら組み付けることができる。
そして、前記調整手段は、補助ヨークの両端部を連結するねじ止め構造からなるように構成することができる。
このように、調整手段をねじ止め構造とすることにより、前記補助ヨークの前記メインヨークに対する接圧を可変的に調整することができる。
また調整手段は、前記補助ヨークとは別体で前記補助ヨークの外周に配置されるホースバンド構造からなるように構成することができる。
このように、調整手段をホースバンド構造とすることにより、前記補助ヨークを前記メインヨークへ、周方向全域にわたって確実に密着させて固定することができる。
前記ホースバンド構造は、前記補助ヨークの軸方向両端に配置されると好適である。
このようにすると、ホースバンド構造が、前記メインヨークの外形板厚のばらつきに影響されることなく、補助ヨークを前記メインヨークへ確実に密着させて固定することができる。
このとき、前記ホースバンド構造は、前記補助ヨークを前記メインヨークに固定した後、外すことができるように構成されていると好適である。
このように構成すると、前記補助ヨークを前記メインヨークに固定した後、外すことができるので、ステータにホースバンド構造のものを残すことが無く、モータ全体を小型軽量化にすることが可能となる。
また前記課題は、本発明のモータによれば、請求項1乃至7のいずれか一項記載のステータを備えることにより、解決される。
このようなステータを用いると、前記したステータの特徴を備えたモータを提供することができる。
前記課題は、本発明のステータの製造方法によれば、回転軸に固定された電機子を格納する回転電機のステータの製造方法であって、円筒状に形成されたメインヨークを製造する工程と、該工程で形成されたメインヨークの外周面に内径が変形可能な補助ヨークを配置する工程と、該配置された補助ヨークの径を調整手段によって調整する調整工程と、前記メインヨークの内部において前記電機子の外側面と対向するように界磁用のマグネットを配置する工程を有し、前記補助ヨークは、前記調整工程により、前記メインヨークが変形しない接圧で、前記メインヨークに密着している状態で、溶接もしくは、かしめにより固定する工程を備えていること、により解決される。
本発明に係るステータの製造方法によればメインヨークと補助ヨークとを組み合わせることで、磁気回路を構成するヨークが形成できる。そして、ヨークを形成するにあたり、補助ヨークをメインヨークに隙間なく密着させて組み付けることができる。
これにより、補助ヨークとメインヨーク間のエアギャップが小さくなり、該エアギャップによって生じる磁気の出力損失を抑えることが可能なステータを製造できる。
さらに本発明において、補助ヨークの径を調整する調整工程により、前記補助ヨークを前記メインヨークへ密着させる際、前記補助ヨークから前記メインヨークに対して作用する接圧が過度に大きなものとならないようにできる。これにより、前記界滋用のマグネットを破損することなく、前記補助ヨークを前記メインヨークに密着状態を確認しながら組み付けることができる。
また、上記構成の補助ヨークは、前記調整工程で内径側に力が加わり、補助ヨークがメインヨークに密着する際、前記メインヨークが変形せずに密着した状態することが可能となる。
前記調整工程は、前記補助ヨークを前記メインヨークに固定した後、外すことができる手段を用いるように構成することができる。
このように、補助ヨークを前記メインヨークに固定した後、外すことができる手段を用いているので、ステータに調整工程に関わるものを残すことが無く、モータ全体を小型軽量化に繋げることができる。
前記調整手段と、前記補助ヨークの両端部との間にはメインヨークに倣った形状の補助プレートを介在させる工程を備えるようにしてもよい。
このようにすると、補助ヨークと、調整手段の制御機構との当接部も、メインヨークの形状に沿って密着させることができる。
以上のように、本発明のステータ及びモータによれば、ステータをメインヨークと補助ヨークとを組み合わせることで、磁気回路を構成するヨークが形成され、補助ヨークをメインヨークに隙間が無い状態で密着させて組み付けられているので、補助ヨークとメインヨーク間のエアギャップが小さくなり、該エアギャップによって生じる磁気の出力損失を抑えることが可能である。
またステータの製造方法によれば、上記特徴を備えたステータを提供することができ、同効果を備えたモータを提供することができる。
また補助ヨークの径を調整する調整工程により、前記補助ヨークを前記メインヨークへ密着させる際、前記補助ヨークから前記メインヨークに対して作用する接圧が過度に大きなものとならないようにできる。これにより、前記界滋用のマグネットを破損することなく、前記補助ヨークを前記メインヨークに密着状態を確認しながら組み付けることができる。
本発明の一実施形態に係るモータの概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るモータの、車両における設置位置についての説明図である。 調整手段が補助ヨークと一体になった実施例の概略説明図であり、(A)は補助ヨークと調整手段との関係を示し、(B)は補助ヨークの径が縮小した状態を示す。 本発明の他の実施形態に係るモータの概略構成図である。 メインヨークと補助ヨークと調整手段を説明する概略斜視図である。 調整手段が補助ヨークと別体となった実施例の概略説明図であり、(A)は補助ヨークと調整手段との関係を示し、(B)は補助ヨークの径が縮小した状態を示す。 図6の変形例を示す実施例の概略説明図であり、(A)は補助ヨークと調整手段との間に補助プレートを用いるときの関係を示し、(B)は補助ヨークの径が縮小した状態を示す。 スポット溶接又はかしめ位置を説明する概略説明図であり、(A)は補助ヨークと調整手段との関係を示し、(B)は調整手段を外した状態を示す。 調整手段をワンアクションで操作できる実施例の説明図であり、(A)は補助ヨークと調整手段との関係を示し、(B)は調整手段を外した状態を示す。
以下では、本発明の具体的な実施形態(以降、本実施形態)について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
図は本発明の実施例を示すものであり、図1はモータの概略構成図、図2はモータの、車両における設置位置についての説明図、図3は調整手段が補助ヨークと一体になった実施例の概略説明図であり、(A)は補助ヨークと調整手段との関係を示し、(B)は補助ヨークの径が縮小した状態を示す。
図4〜図6は他の実施例を示すモータの概略構成図、図5はメインヨークと補助ヨークと調整手段を説明する概略斜視図、図6は調整手段が補助ヨークと別体となった実施例の概略説明図であり、(A)は補助ヨークと調整手段との関係を示し、(B)は補助ヨークの径が縮小した状態を示すものである。
図7は図6の変形例を示す実施例の概略説明図であり、(A)は補助ヨークと調整手段との間に補助プレートを用いるときの関係を示し、(B)は補助ヨークの径が縮小した状態を示すものである。
図8はスポット溶接又はかしめ位置を説明する概略説明図であり、(A)は補助ヨークと調整手段との関係を示し、(B)は調整手段を外した状態を示すものである。
図9は調整手段をワンアクションで操作できる実施例の説明図であり、(A)は補助ヨークと調整手段との関係を示し、(B)は調整手段を外した状態を示すものである。
以下に説明する実施形態は、補助ヨークを用いて磁気回路としての機能を発揮するステータであって、補助ヨークをメインヨークに対して容易に固定することが可能なステータ及びその製造方法に関するものである。因みに、以下の説明中、「出力側」は、モータの動力が伝達されていく側を意味し、図1では紙面の左側に相当する。また、「基端部側」は、出力側とは反対側を意味し、図1では紙面の右側に相当する。なお、図1及び2を参照しながら本発明のステータを利用したモータ(以下、モータM)の基本構成を説明する。なお、以下に説明するモータMの構成は、一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
モータMは、回転電機の一例であり、具体的には、図1に図示した構造の直流モータである。また、本実施形態に係るモータMは、自動車(車両)に搭載されており、例えば自動車の電動パワーステアリング装置に使用され、図2に示すようにハンドル5のステアリングシャフト6に取り付けられている。
より詳しく説明すると、モータMは、図2に示すように、横置きの姿勢にてステアリングシャフト6に取り付けられている。このモータMは、回転軸11の軸方向(以下、単に軸方向)が自動車の高さ方向に対して直交した状態で車内に配置されている。ここで、自動車の高さ方向は、自動車が水平面上を走行しているときの鉛直方向と一致する。したがって、以下では、特に断る場合を除き、自動車の高さ方向を「鉛直方向」と呼ぶこととする。
モータMの構成機器について説明すると、モータMは、図1に示すように、ロータ1と、ステータ2と、エンドプレート3と、ブラシ4と、を有する。ロータ1は、図1に示すように、回転中心となる回転軸11と、電機子12と、整流子13と、を有する。
電機子12は、回転軸11に固定された状態で回転軸11と一体回転可能に組み付けられており、ロータコア12Aと、ロータコア12Aに巻装されるコイル12Bとによって構成されている。
整流子13は、円筒形状をしており、回転軸11において電機子12よりも出力側に固定されており、回転軸11と一体的に回転するように構成されている。また、整流子13(正確には、整流子13の構成部品として円周状に並んだ整流子片の各々)は、電機子12を構成するコイル12Bと電気的に接続されている。
本例のステータ2は、電機子12を格納する有底円筒状の部品であり、有底円筒状に形成されたメインヨーク21と、メインヨーク21の外側に配置される補助ヨーク22と、界磁用のマグネット23と、を有して構成されている。
メインヨーク21は、カップ形状の磁性体であり、磁性体からなる素材(メインヨーク形成用板素材)を、底部とは反対側に開口部を有するように絞り加工されることで成形されている。メインヨーク21の底部の中央部分には、基端部側に突出するカップ形状の軸受配設部21Aが形成されている。軸受配設部21Aの内部には円環状のボール軸受K1が配置されており、このボール軸受K1により回転軸11の基端部側の端部が回転可能に軸支されている。なお、メインヨーク21のうち、軸受配設部21A以外の部分を、以下では「メインヨーク本体部21B」と称する。
メインヨーク本体部21Bは、その内周面に貼設されたマグネット23、23間を磁束で結合して磁気回路を構成する役割を果たす。また、メインヨーク本体部21Bの出力側端部に設けられた開口部は、エンドプレート3(ブラシホルダを含む)によって閉塞されている。また、エンドプレート3の中央部には、回転軸11の出力側端部を貫通させるための貫通孔が形成されており、当該貫通孔の内壁面には円環状のボール軸受K2が配置されている。このボール軸受K2により、回転軸11の出力側の端部が回転可能に軸支されている。
さらに、エンドプレート3の基端部側の面にはブラシ4が配置されている。ブラシ4は、角柱状の部材であり、径方向中央側の端部が整流子13(厳密には、整流子13を構成する複数の整流子片の各々)の外側面と当接するように構成されている。そして、ブラシ4には不図示の外部電源から電流が供給され、この電流が整流子13により整流されて電機子12中のコイル12Bを流れる。
界磁用のマグネット23は、瓦型の永久磁石であり、メインヨーク本体部21Bの内側壁(内周面)に複数個、より厳密には極数に対応する個数だけ貼設されている。なお、以下に説明するモータMの構成例では4極の構造となっており、4個のマグネット23がメインヨーク21の内部に固定されている。各マグネット23は、メインヨーク本体部21Bの内部において、電機子12の外側面と対面するように配置されている。そして、電機子12中のコイル12B内に整流電流が流れると、当該電機子12とマグネット23との相互作用によりロータ1が回転する。
補助ヨーク22は、円環状の磁性体からなる部材であり、メインヨーク21の磁気回路としての役割を補強するためにメインヨーク本体部21Bの外周面(側胴部)に巻き付けた状態でメインヨーク21に固定されている。つまり、メインヨーク21と補助ヨーク22とは、協働して1個のヨークをなしている。
補助ヨーク22はバーリング加工したもので、メインヨーク21の底部からメインヨーク21に挿入するように配置し、その後、補助ヨーク22に取り付けられた調整手段により、補助ヨークの径を絞り(つまり径を縮ませ)、メインヨークが変形しないような接圧で、補助ヨーク22をメインヨーク本体部21Bに隙間なく密着させ一体化させる。
この状態で、補助ヨーク22は、メインヨーク本体部21Bに溶接(厳密には、スポット溶接)にて固定する。その後、マグネット23をメインヨーク本体部21Bの内側壁(内周面)に貼設する。
一般に、補助ヨーク22をメインヨーク本体部21Bに固定する際には、メインヨーク本体部21Bの外径精度を向上させる必要がある。一方、補助ヨーク22をメインヨーク本体部21Bに圧入によって補助ヨーク22を組み付けると、メインヨーク21が変形してしまうことがある。
そこで、補助ヨーク22をメインヨーク本体部21Bに対して隙間のある状態で取り付ける。そして、取り付けられた補助ヨーク22の径を調整する調整工程によって、補助ヨークの径を調整して(縮めて)メインヨーク本体部21Bと隙間なく密着させる。
補助ヨーク22は、径を調整する調整工程によって、メインヨーク本体部21Bが変形しない接圧によって径を調整し、メインヨーク本体部21Bとの間で。隙間が生じないように密着し、メインヨーク本体部21Bの外周に密着できるようにしてから、メインヨークと補助ヨークを溶接している。
具体的に説明すると、本例の補助ヨーク22は、図3(B)で示すように、Cリング型の補助ヨーク22をメインヨーク本体部21Bの外周に配置して、補助ヨーク22の径を調整する調整手段を有するように構成されている。これを詳しく説明すると、先ず補助ヨーク22は、内径が変形可能なような材料で形成され、その両端部に径を調整する調整手段25を備えている。この調整手段25は、本例では補助ヨーク22と一体に形成されている。具体的には、図3(A)で示すように、補助ヨーク22の両端部に、互いに当接可能な延出部25a,25bが形成され、この延出部25a,25bには、一本の調整ねじ26が螺合することが可能なねじ孔25cが形成されている。なお一方の延出部(本例では延出部25b)には調整ねじ26と螺合するナット27が配設させている。本例では延出部25bと固着されているが、ナット27は固着されないで、後付するように構成してもよい。
本例の補助ヨーク22は、例えばメインヨーク21の底から図1中の矢印方向に沿って挿入させることでメインヨーク本体部21Bの外周側に配置される。このとき、補助ヨーク22に設けられた調整手段としての調整ねじ26を回動して、径を縮めることにより、補助ヨーク22は、メインヨーク本体部21Bに隙間なく密着して取着される。つまり、二つの延出部25a,25bに形成されたねじ孔25cに螺合した調整ねじ26を、二つの延出部25a,25bが当接する方向に回動することにより、補助ヨーク22の両端部の延出部25a、25b間が縮まり、補助ヨーク22の径を調整(縮小)させるように構成されている。そして、図3(A)から図3(B)の状態のように、補助ヨーク22の径が縮んで(径を調整して)、メインヨーク本体部21Bの外周面と補助ヨーク22の内周面との間に隙間がなく、密着するようになっている。このように調整手段は、補助ヨークの両端部を連結するねじ止め構造からなっており、メインヨーク本体部21Bと補助ヨーク22は隙間なく密着するように構成されている。
補助ヨークの径の調整手段としてホースバンド構造を用いることが可能である。本例のホースバンド構造は、補助ヨーク22の径を調整(縮め)して、補助ヨーク22をメインヨーク本体部21Bに固定した後、ホースバンド構造の調整手段を外すことができるように構成されている。これを詳しく説明すると、調整手段としてのホースバンド構造からなる固定手段30により、メインヨーク21が変形しない接圧で、補助ヨーク22を締め付けて、補助ヨーク22の径を調整してメインヨーク本体部21Bと一体に形成されている。
これにより、絞り加工によって形成され、バラつきが生じる可能性のあるメインヨーク21の外径に、補助ヨーク22が倣うように固定される。つまりメインヨーク本体部21Bの外周に補助ヨーク22が、調整手段によって締め付けられ、径が変化してメインヨーク本体部21Bの外周に倣うように、隙間なく密着するのでエアギャップが小さくなる。
このように、補助ヨーク22の内周面がメインヨーク本体部21Bの外周面と対向するようにメインヨーク本体部21Bに組み付けられることで、メインヨーク21と共にヨークを構成している。
そして、補助ヨーク22の内周面がメインヨーク本体部21Bの外周面に隙間なく密着させた状態で、補助ヨーク22は、メインヨーク21に対して、溶接(スポット溶接を含む)もしくは、かしめにより固定されている。
なお、補助ヨーク22の固定は、溶接(スポット溶接を含む)又はかしめだけでなく、接着剤を用いて一体に形成してもよい。さらに、TOXかしめ(冷間組成成型を利用してボタン形状の接合部を形成して接合する方法)に換えても良い。
以上のように本実施形態では、補助ヨーク22がメインヨーク本体部21Bに対して隙間なく一体に形成されている。
次に、ステータ2Aの製造方法について、説明する。ステータの製造方法は、複数種類考えられる。
まず、メインヨーク21を絞り加工により形成する工程(メインヨーク形成工程)を行う。その後、補助ヨーク22をメインヨーク21の外周に配置する工程を行う。
この際、メインヨーク本体部21Bの外周面の形状に、補助ヨーク22の内周面が沿うようになっていない形状の場合があるので、メインヨーク形成工程で形成されたメインヨーク本体部の外周面に、内径が変形可能な補助ヨークを用いている。そして、配置された補助ヨークの径を調整する調整工程を行う。
すなわち、補助ヨークは、前記した調整手段を用いて補助ヨークの内面側がメインヨーク本体部の外周面に隙間なく密着するように、調整する(調整工程)。このとき、調整手段は、メインヨークが変形しない接圧で、メインヨークの外周面に密着している状態とする。
そして、補助ヨーク22がメインヨーク本体部21Bの外周面上の所定位置に達した後、補助ヨーク22をメインヨーク21に溶接する工程(溶接工程、スポット溶接を含む)を行う。その後、マグネット23をメインヨーク21内に固定する工程(マグネット固定工程)を行う。なお、本例では補助ヨーク22の軸方向長さ(全長)が各マグネット23の軸方向長さ(全長)よりも短くなるように構成されている。すなわち、メインヨーク21の外周面に対し、マグネット23の軸方向の長さよりも小さい軸方向の長さを有するように形成された補助ヨーク22を固定する。
このようにして、補助ヨークは、調整工程により、メインヨークが変形しない接圧で、前記メインヨークの外周面に密着している状態で、溶接又はかしめにより固定することになる。
また、メインヨーク21と補助ヨーク22を同時に絞り加工を行い、調整手段を組み付けるように構成してもよい。この場合、メインヨーク形成用板素材と補助ヨーク形成用板素材とを同時に絞り加工する。
より詳しくは、磁性体で構成された円盤形状の板体であるメインヨーク形成用板素材と、磁性体で構成された円盤形状の板体である補助ヨーク形成用板素材とを同心円状に積層した状態で、パンチホルダと第1ダイとの間に配置する。この際、メインヨーク形成用板素材と補助ヨーク形成用板素材とを積層し、径サイズを調整し、補助ヨーク22をメインヨーク本体部21Bの外側に形成する。
そして、積層状態にあるメインヨーク形成用板素材及び補助ヨーク形成用板素材を、パンチホルダと第1ダイとの間に挟持し、第1パンチを第1ダイに向かって進行させることにより一次絞りが行われる。この一次絞りが行われることにより、メインヨーク形成用板素材の外側面に補助ヨーク形成用板素材が配置された円筒部と、この円筒部の一端部と連続する半球状部分と、により構成されたカップ状の部材が形成される。
そして、上記の半球状部分に軸受配設部21Aを形成するために、当該軸受配設部21Aの形状に整合する形状を有する第2ダイをセットし、先端部分が軸受配設部21Aと整合する形状に形成された第2パンチを進行させる。このようにして、軸受配設部21Aの形状を形成する二次絞りが行われる。以上のような手順によりメインヨーク21と補助ヨーク22とを同時に絞り込むことで、メインヨーク21に対して補助ヨーク22が固定(配設)される。
その後、補助ヨークに調整手段を配置する。この調整手段は、メインヨークと補助ヨークの間に生じる隙間を、補助ヨークの径を小さく変形させることにより、隙間なく密着させるために、行うものである。
本例における調整手段は、図4〜図6で示されるように、補助ヨーク22とは別体で、補助ヨーク22外周に配置されるホースバンド構造からなる固定手段30から構成されている。固定手段30は、図6で示すように、円環状に形成された締め付けバンド31と、円環状の締め付けバンド31の径を縮めたり広げたりするように移動させるバンド駆動装置32とから構成されている。このバンド駆動装置32は、締め付けバンド31の長手方向に形成されたねじ孔(不図示)と、このねじ孔に螺合する回動ねじ33と、回動ねじ33の回動方向により、締め付けバンド31を長手方向に進退できるように構成されているものである。なお符号34は、回動ねじ33を正逆回動させることのできる駆動装置である。この駆動装置34により締め付けバンド31を長手方向に進退させ、締め付けの強度を調整することができる。このような構成としているので、補助ヨーク22がメインヨーク本体部21Bに対する密着状態であることを確認しながら締め付けることが出来る。
そして、図6(A)の状態から図6(B)の状態として、補助ヨーク22の径を調整して、メインヨーク本体部21Bに隙間なく密着させて固定できるように構成されている。
さらに述べると、締め付けバンド31の一方の端部31aは、上記バンド駆動装置32に固定されており、締め付けバンド31の他方の端部31b側が、上記バンド駆動装置32によって移動して円環状に形成された締め付けバンド31の径を調整可能としている。
このように、回動ねじ33の回動により締め付けバンド31を移動させる公知の送り機構を備えている。この、ホースバンド構造は、図5で示すように、補助ヨーク22の軸方向両端に二本、配置される。このように、ホースバンド構造の固定手段30を二本用いることにより、補助ヨーク22の軸方向両端にホースバンドを取り付けし、二か所で締め付ける事ができ、ヨークの絞り過程で出来てしまうテーパ形状に倣わせることが可能となる。
そして、本例では、ホースバンド構造は、前記補助ヨークを前記メインヨークに固定した後、外すことができるように構成されている。
以上のようなホースバンドとしては、ねじ式のもの、ワイヤー式のもの、クリップ式のもの、つまみ・安全キャップ付のもの、両ねじ式のものなど、公知の各種技術のものを用いることが可能である。
さらに、インシュロック(結束バンド)を用いるなど、各種固定し、径を調整する調整手段を用いることが可能である。
そして、いずれも取り外しが可能となっている。また取付も、メインヨーク22に挿入するのではなく、締め付けバンド31を巻き付けてから、バンド駆動装置32に挿入させて行うこともできる。
図7は、図6に示した例の変形例であり、図6と同一部材等には同一符号を付してその説明を省略する。
図7で示す例では、補助ヨーク22とホースバンド構造からなる固定手段30(バンド駆動装置32)との当接する部分は、ホースバンドの径を小さくして、メインヨーク本体部21Bの外周形状に、より倣うように、補助プレート40を用いて、円環状として補助ヨーク22の閉じていない開口部分に相当するように、固定手段30(バンド駆動装置32)と補助ヨーク22の間に介在させる(挟むようにする)。このように、補助プレート40を用いることにより、補助ヨークと調整手段の固定手段30(バンド駆動装置32)との当接部もメインヨーク本体部21Bの外周面に倣うようにすることが、より確実に可能となる。
上記のように、メインヨーク本体部21Bに補助ヨーク22を隙間なく密着させ固定した状態で、図8で示すように、補助ヨーク22は、メインヨーク21に対してスポット溶接されている。つまり、メインヨーク本体部21Bにおける補助ヨーク22の溶接箇所は、メインヨーク本体部21Bの周方向においてスポット状に存在している。また、溶接箇所は、鉛直方向において回転軸11の中心位置を基準として設定された位置に存在している。
溶接箇所(図8中、黒丸にて表記)は、鉛直方向において回転軸11の中心位置の直上位置に一つのみ存在しているが、かしめ、溶接は結合強度から考えると一箇所でよいが、バランスを考慮すると、対向する箇所で、2か所、できれば4箇所が好適である。
さらに、溶接箇所が三つ存在し、三つの溶接箇所のうちの一つが、回転軸11の中心位置を通って鉛直方向に平行な仮想面とメインヨーク21の外周面とが交差する箇所のうち、より上方に位置する交差箇所を溶接箇所とすることができる。また、残り二つの溶接箇所は、鉛直方向において回転軸11の中心位置よりも下方位置で、かつ、上記仮想面を境にして左右対称な位置に存在している。
そして、補助ヨーク22がメインヨーク21にスポット溶接されている箇所(溶接箇所)が鉛直方向において回転軸11の中心位置の直上位置に存在しているので、自動車走行時に生じる上下振動によって補助ヨーク22に作用する負荷荷重を、低減させることが可能となる。つまり、溶接箇所が回転軸11の中心位置から見たときに振動方向と略同じ方向に位置しているため、振動による補助ヨーク22への負荷荷重が抑えられるようになる。
なお、溶接箇所の位置については、上述した位置にも限定されるものではなく、溶接箇所が回転軸11の中心位置を基準として対称となる位置に複数存在しているように構成してもよい。より具体的に説明すると、二つの溶接箇所が、鉛直方向において回転軸11の中心位置よりも上方位置で、かつ、回転軸11の中心位置を通って鉛直方向に平行な仮想面を境にして左右対称な位置に存在するようにしてもよい。
上記実施例では、溶接箇所について限定的に記載したが、三つ、四つ以上存在してもよい。このとき、一つの溶接箇所は、鉛直方向において回転軸11の中心位置の直上位置又は直下位置に存在するとよい。
また、マグネットの後ろにかしめ、溶接をされるのではなく、マグネット間に溶接やかしめを形成して結合しているのは、マグネットを配置してかしめ、溶接で固定してしまうと、かしめ、溶接による変形でマグネットの配置が安定しない恐れがあるためである。
以上のように補助ヨーク22がスポット溶接にてメインヨーク21に固定されているので、補助ヨーク22の全周に亘って溶接(全周溶接)する場合と比較して、補助ヨーク22の溶接作業(固定作業)が容易となる。かかる効果は、特に溶接箇所が1か所のみである場合に顕著に奏される。
このように、補助ヨーク22は、補助ヨーク22とマグネット23との間にメインヨーク21を挟むように配置される。
つまり、前述したように、補助ヨーク22を調整する調整手段について、径を縮める際に、メインヨークが変形しない接圧で、前記メインヨークに隙間が無い状態で密着させることにより、補助ヨーク22からメインヨーク21に対して過度な接触圧が作用するのを抑えられた状態で、溶接、かしめ、その他の手段で補助ヨーク22はメインヨーク21に固定されている。
図9は、他の例を示すもので、締め付けバンド31をワンタッチでクランプして締め付ける方法を示すものである。本例においても、図6に示した例の変形例であり、図6と同一部材等には同一符号を付してその説明を省略する。
本例では、クランクレバー50を用いた例を示すものであり、締め付けバンド31の一方の端部31aはクランクレバー50の自由端部51に、端部が回転可能に固定されており、締め付けバンド31の一方の端部31bはクランクレバー50の途中の屈折部52に固定されている。この状態で、クランクレバー50の自由端部51を補助ヨーク22に当接させながら、クランクレバー50を図9(A)の矢印方向に回動するように動かすことにより、巻き付いた締め付けバンド31により、補助ヨーク22の外周を圧迫して径を縮小するようにして調整する。なおこのとき公知の圧接手段により、クランクレバー50の自由端部51側を補助ヨーク22に圧接するように構成することができる。
また、補助ヨーク22の配置は、メインヨーク21の周方向において、メインヨーク21の内周面に貼設されたマグネット23が存在する範囲内に配置されて構成されている。すなわち、補助ヨーク22のうちの少なくとも一部は、マグネット23の少なくとも一部と径方向に対向する位置に配置されている。
補助ヨーク22とマグネット23との関係からより好適なステータ2Aの構成について述べると、マグネット23の軸方向の長さと、補助ヨーク22の軸方向長さが、同じ、若しくは短くなるように構成されているとよい。つまり、補助ヨーク22は、その長さがマグネット23の長さ以下となるように構成されているのが望ましい。このような構成であれば、ヨーク素材の使用量が減ってヨークの製造コストが低減するようになる。
その後、マグネット23をメインヨーク21の所定位置に配置する。なお、補助ヨーク22の軸方向長さ(全長)が各マグネット23の軸方向長さ(全長)よりも短くなるように構成されている。なお、補助ヨーク22の軸方向長さ(全長)が各マグネット23の軸方向長さ(全長)よりも長くなるように構成してもよい。なお、マグネット23の固定方法については、特に限定されるものではなく、接着剤による貼り付け以外の方法、例えば、溶接によって固定してもよい。
より詳しく説明すると、一般的に、隣接するマグネット23、23間では磁束密度が最も高くなる。また、隣接するマグネット23、23間の領域のうち、軸方向中央部分が最も磁束密度が高くなり、軸方向中央部から基端部側及び出力側に向かうにつれて磁束密度が低くなっていく。このような磁束分布を考慮した上で、隣接するマグネット23、23間の軸方向中央部分を補助ヨーク22でカバーすれば、補助ヨーク22を含むヨーク全体が効果的に磁気回路を構成するようになる。
そして、補助ヨーク22を円環状とし、メインヨーク21の周方向において4個の間隙(マグネット23間の間隙)全てをカバーすることにできる。これにより、磁束密度の高いマグネット23、23間の中央部分が補助ヨーク22によって全てカバーされるようになる。この結果、補助ヨーク22自体の軸方向長さt2を小さくすることができ、その分、ヨーク(メインヨーク21及び補助ヨーク22)の軽量化及び製造コストの低下を図ることが可能となる。
<変形例>
メインヨーク本体部21Bの外径のマグネットを配置する箇所以外の部分に切削する箇所を作り、このマグネット配置部以外を切削するように構成する。例えば、メインヨーク自体を厚めにするために、メインヨーク形成用板素材を厚めのものを用いて、メインヨーク形成用板素材のマグネット配置部が判るように、溝、その他の手段により、しるしとなるように形成する。そして、しるしを付けて、マグネットが当たる部分以外を削ることによって、寸法管理が可能なようにすることができる。
また、補助ヨークを、展開図が梯子状に形成された薄肉の磁性体にすることもできる。この場合、補助ヨークは、展開図においては、略長方形状の板体に対し、極数分の孔部が形成された形状にする。なお、補助ヨーク(厳密には、補助ヨーク形成用板素材)は、円環状に丸められた際に一端部側の矩形切欠きが閉じて孔部が形成されるよう構成する。
また、展開状態の補助ヨークは、その長辺がメインヨーク本体部の外周長よりも僅かに大きくなるように構成されている。また、孔部は、補助ヨークの周方向において4カ所に形成されている。
そして、4個の孔部は、補助ヨークがメインヨーク本体部の外周面に配置された状態において、マグネットの配置位置と整合するように構成されている。より詳しく説明すると、磁束密度が低い部分に孔部が配置されるよう構成されている。これに対し、補助ヨークのうち、隣接する孔部間に位置する肉部は、隣接するマグネットの間(磁束密度が高い部分である)に配置されている。
1 ロータ、2 ステータ、
2A 第1ステータ、
3 エンドプレート、3A 貫通孔、4 ブラシ、
11 回転軸、12 電機子、
12A ロータコア、12B コイル、
13 整流子、
21 メインヨーク、21A 軸受配設部、21B メインヨーク本体部、
22 補助ヨーク、23 マグネット、
25 調整手段、25a,25b 延出部、25c ねじ孔、
26 調整ねじ、27 ナット、
30 固定手段、31 締め付けバンド、31a,31b 端部、
32 バンド駆動装置、33 回動ねじ、34 駆動装置、
40 補助プレート、
50 クランクレバー、51 自由端部、52 屈折部、
K1,K2 ボール軸受、
M モータ(回転電機)

Claims (11)

  1. 回転軸に固定された電機子を格納する回転電機のステータであって、該ステータは、円筒状に形成されたメインヨークと、該メインヨークの外周面に配置された補助ヨークと、前記メインヨークの内部において前記電機子の外側面と対向するように配置される界磁用のマグネットと、を有し、
    前記補助ヨークは、前記メインヨークが変形しない接圧で、前記メインヨークに隙間が無い状態で密着していることを特徴とするステータ。
  2. 前記補助ヨークは、前記メインヨークに対して、溶接もしくは、かしめにより固定されていることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
  3. 前記補助ヨークの径を調整する調整手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のステータ。
  4. 前記調整手段は、補助ヨークの両端部を連結するねじ止め構造からなることを特徴とする請求項3に記載のステータ。
  5. 前記調整手段は、前記補助ヨークとは別体で前記補助ヨークの外周に配置されるホースバンド構造からなることを特徴とする請求項3に記載のステータ。
  6. 前記ホースバンド構造は、前記補助ヨークの軸方向両端に配置されることを特徴とする請求項5に記載のステータ。
  7. 前記ホースバンド構造は、前記補助ヨークを前記メインヨークに固定した後、外すことができるように構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のステータ。
  8. 前記請求項1乃至7のいずれか一項に記載のステータを備えたモータ。
  9. 回転軸に固定された電機子を格納する回転電機のステータの製造方法であって、円筒状に形成されたメインヨークを製造する工程と、該工程で形成されたメインヨークの外周面に内径が変形可能な補助ヨークを配置する工程と、該配置された補助ヨークの径を調整手段によって調整する調整工程と、前記メインヨークの内部において前記電機子の外側面と対向するように界磁用のマグネットを配置する工程を有し、
    前記補助ヨークは、前記調整工程により、前記メインヨークが変形しない接圧で、前記メインヨークの外周面に密着している状態で、溶接もしくは、かしめにより固定する工程を備えていることを特徴とするステータの製造方法。
  10. 前記調整工程は、前記補助ヨークを前記メインヨークの外形に固定した後、外すことができる手段を用いることを特徴とする請求項9に記載のステータの製造方法。
  11. 前記調整手段と、前記補助ヨークの両端部との間にはメインヨークに倣った形状の補助プレートを介在させる工程を備えてなることを特徴とする請求項9に記載のステータの製造方法。
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