以下、印刷サーバ装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素やステップは同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における印刷システムの概念図である。この印刷システムは、印刷サーバ装置1、1または2以上の端末装置2を備える。印刷サーバ装置1と1以上の各端末装置2(以下、単に“端末装置2”と記す)とは、例えば、LANやインターネットといったネットワーク、通信回線などを介して通信可能に接続される。印刷サーバ装置1は、例えば、この印刷システムを運営する会社のサーバ、クラウドサーバなどであるが、そのタイプは問わない。端末装置2は、例えば、この印刷システムを利用するユーザのPC、タブレット端末などであるが、そのタイプは問わない。
本印刷システムの概要を以下に説明する。1以上の各端末装置2は、一の印刷物を構成するための2以上の部品情報を、異なる時に送信し得る。印刷物とは、プリンタや印刷機などで印刷されるコンテンツをいう。コンテンツは、例えば、写真集、雑誌、カタログ、チラシなどを印刷するための印刷データであり、画像またはテキストのうち一種類以上の情報を含む。画像は、例えば、写真、イラスト、CG等の画像データである。印刷物は、一部であっても良いし、2部以上であっても良い。つまり、2部以上の印刷物を含む場合にも、単に印刷物と言っても良い。また、印刷物のタイプやデータ構造は問わない。以下では、一の印刷物を構成するための2以上の各情報(画像データ、テキストデータ等)を“部品情報”と呼ぶ場合がある。なお、部品情報とは、印刷物を構成するための情報である。部品情報は、例えば、画像データ、テキストデータ、ページ、ページの集合であるページ群(例えば、章、説など)、レイアウト情報、印刷物の属性値(例えば、色など)を示す情報、QRコード(登録商標)やバーコード等のコード、パッケージ等の形状情報、シリアルナンバー、部品指定情報等である。レイアウト情報は、通常、印刷物の中に部品情報を配置するための情報である。レイアウト情報は、部数の情報を含んでも良い。レイアウト情報は、テンプレートも含んでも良い。テンプレートとは、印刷物のページの背景を構成するための情報である。テンプレートは、例えば、ページの背景を構成する図柄、ページ内に配置される固定的なパーツ、ページのサイズ、印刷する紙の種類や印刷様式などの印刷方法の情報を含む。レイアウト情報は、いわゆる注文データも含んでも良い。注文データは、印刷物を注文する情報である。注文データは、例えば、部数、各部に含まれる部品情報のデータ、ページの順序を指定するデータ等である。また、シリアルナンバーは、例えば、印刷物のユニークなナンバー、シリアルナンバーの生成アルゴリズムを決定するための情報等である。シリアルナンバーの生成アルゴリズムを決定するための情報とは、例えば、増加させる数字(例えば、「1」)、演算式等である。さらに、部品指定情報とは、部品を指定する情報であり、例えば、部品を識別する部品識別子である。なお、部品指定情報により特定される部品情報(例えば、画像データ、テキストデータ等)は、通常、印刷サーバ装置が保持している。また、印刷物はそれ自体で完成した製品で無くても良く、例えば、冊子の一部のページのみ、箱の上ぶたのみ等でも良い。
異なる時に送信とは、2以上の各部品情報を、互いに異なるタイミングで、印刷サーバ装置1に送信することである。端末装置2は、例えば、2以上の部品情報のうち、一部の部品情報を先に送信し、残りの部品情報を後で送信する。ある部品情報を送信してから次の部品情報を送信するまでの時間は、例えば、数日でも、数か月でもよく、その長短は問わない。
印刷サーバ装置1は、一の印刷物を構成する2以上の部品情報を異なる時に受信し、当該一の印刷物を構成するための部品情報がすべて揃う前に、揃った1以上の部品情報を用いて、未完成の印刷物を構成する。以下では、こうして未完成の印刷物を構成する処理を“未完成印刷物構成処理”または“部分構成処理”と呼ぶ場合がある。
印刷サーバ装置1は、例えば、部品情報を受信したことをトリガーとして、未完成印刷物構成処理を実行してもよい。また、印刷サーバ装置1は、未完成印刷物構成処理によって得られた最新の未完成の印刷物(例えば、最後の部品以外は揃っている印刷物)と、少なくとも最後に受信した部品情報とを用いて、完成された印刷物を構成することもできる。
印刷物は、固定領域と可変領域とを有していてもよい。固定領域とは、そこに配置される部品情報が一の部品情報に決まっている領域をいう。可変領域とは、そこに配置される部品情報が2以上の部品情報のうちのいずれかである領域をいう。固定領域は、例えば、テンプレートで、可変領域は、例えば、画像データやテキストデータ等が配置される領域でも良い。つまり、固定領域と可変領域とが一部に重複していても良い。例えば、固定領域の中に可変領域が存在しても良いし、可変領域の中に固定領域が存在しても良い。印刷サーバ装置1は、揃った部品情報が、固定領域に対応する部品情報のみである場合に部分構成処理を実行し、可変領域に対応する部分情報を含む場合には部分構成処理を実行しなくてもよい。また、印刷サーバ装置1は、揃った部品情報の中に、一の可変領域に対応する2以上の部品情報が存在する場合は、当該可変領域に異なる部品情報を配置した2以上の未完成の印刷物を構成することも可能である。
印刷サーバ装置1は、印刷物に応じて、部分構成処理を行う場合と、部分構成処理を行わない場合とがあってもよい。印刷サーバ装置1は、例えば、印刷物の属性値に応じて、部分構成処理を行うか否かを自動決定することもできる。なお、部分構成処理を行わない場合は、印刷サーバ装置1は、通常、一の印刷物の完成に必要なすべての部品情報が揃った場合に、完成品の印刷物を構成する。
図2は、印刷サーバ装置1のブロック図である。印刷サーバ装置1は、格納部11、受信部12、処理部13、出力部14を備える。格納部11は、印刷物構成情報格納部111、部品情報格納部112を備える。受信部12は、部品関連情報受信部121を備える。処理部13は、部品情報蓄積部131、印刷物構成部132を備える。
格納部11は、各種の情報を格納し得る。各種の情報とは、例えば、印刷物構成情報、印刷サーバ装置1を識別する識別情報(例えば、MACアドレス、IPアドレスなど)、後述する未完成の印刷物、完成された印刷物、後述する未完成印刷物構成条件などである。
印刷物構成情報格納部111には、印刷物を構成するための情報である印刷物構成情報が格納される。印刷物構成情報は、一の印刷物を識別する印刷物識別子と、当該印刷物識別子で識別される印刷物を構成するための部品情報を識別する2以上の部品識別子とを含む。なお、印刷物識別子は、印刷物を識別できる情報であれば良く、印刷物名、数字列、アルファベット列等、問わない。また、部品識別子は、部品を識別できる情報であれば良く、部品名、数字列、アルファベット列等、問わない。また、一の部品識別子が1または2以上の印刷物構成情報の中に、複数回、出現する印刷物構成情報であっても良い。
通常、印刷物構成情報は、2以上の各部品情報のレイアウト(ページへの割り付け)を示すレイアウト情報をさらに含んでおり、一の印刷物は、2以上の部品情報と、レイアウト情報とを基に構成される。ただし、レイアウト情報は、必ずしも印刷物構成情報に含まれているとは限らず、例えば、印刷物関連情報と関連付けて、格納部11に格納されていてもよい。また、順序性を有する2以上の部品情報を並べるだけの場合等には、レイアウト情報はなくてもよい。なお、レイアウト情報のデータ構造や具体例については、後述する。
印刷物構成情報は、印刷物の属性値を有していてもよい。属性値とは、印刷物の性質に関する値、または印刷物に関して設定された値をいう。属性値は、例えば、ページ数、部数、納品先に関する情報(例えば、納品先名、納品先識別子等)、印刷物の種類を示す情報(例えば、チラシ、雑誌等)、製造工場を指定する情報、印刷物の紙質を指定する情報、印刷物の形状を指定する情報、印刷工程に関する情報(例えば、加工工程の数、後加工工程の有無)などである。
部品情報格納部112は、印刷物識別子に対応付けて、2以上の部品情報を格納し得る。部品情報格納部112に格納される部品情報は、後述する処理部13が生成した情報でも良い。
受信部12は、各種の情報を受信する。各種の情報とは、例えば、部品関連情報、本印刷システムへの会員登録のための情報、印刷物の発注のための情報などである。
部品関連情報受信部121は、部品識別子と、部品識別子で識別される部品情報とを有する部品関連情報を受信する。部品関連情報受信部121は、2以上の各部品関連情報を、異なる時に受信し得る。異なる時に受信とは、2以上の各部品情報を、互いに異なるタイミングで、端末装置2から受信することである。部品関連情報受信部121は、例えば、2以上の部品情報を順次受信したり、2以上の部品情報のうち、一部の部品情報を先に受信し、残りの部品情報を後で受信したりしてもよい。なお、部品関連情報受信部121は、2以上の端末装置2から、それぞれ異なるタイミングで部品関連情報を受信しても良いことは言うまでもない。また、部品関連情報受信部121が部品関連情報を受信する時間的な間隔は、例えば、3時間、2日、3週間等、問わない。
処理部13は、各種の処理を実行する。各種の処理とは、例えば、部品関連情報受信部121が部品関連情報を受信したか否かの判別、チェックのための操作の受け付け、構成処理などである。各種の処理とは、例えば、部品情報を生成する処理である。処理部13は、例えば、特定の情報(例えば、ユーザを識別するユーザ識別子、印刷物識別子など)を用いてQRコード(登録商標)やバーコード等のコードを生成したり、ユニークな印刷物識別子を生成する等しても良い。
部品情報蓄積部131は、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報を、当該部品情報と対になる部品識別子に対応付けて、部品情報格納部112に蓄積する。
印刷物構成部132は、印刷物構成情報に含まれる印刷物識別子と対になる2以上の部品識別子に対応する部品情報であり、印刷物構成情報に含まれる印刷物識別子で識別される印刷物を構成するすべての部品情報が揃う前に、印刷物識別子により識別される1以上の部品情報であり、部品情報格納部112に格納されている1以上の部品情報を用いて、未完成の印刷物を構成する。構成とは、1以上の部品情報に基づく画像やテキストを、印刷物のページ内に配置して、印刷物を印刷可能な状態にすることである。印刷物構成部132は、1以上の部品情報を、通常、印刷物構成情報に含まれるレイアウト情報に従ってページ内に配置することにより、未完成の印刷物を構成するが、デフォルトのレイアウト情報を用いたり、順序性を有する部品情報を順番に並べたりしてもよく、未完成の印刷物を構成する手法は問わない。なお、未完成の印刷物は、完成品の印刷物は、例えば、PDFファイル、JDF(Job Definition Format)、画像ファイル、Postscript等のスクリプトで記述されたファイル等であり、その構造は問わない。
印刷物構成部132は、過去に作成した未完成の印刷物に、新たに受信された部品情報を、レイアウト情報が示す位置に従い配置し、未完成の印刷物を構成しても良い。レイアウト情報は、例えば、部品情報を配置するページの指定およびページ内の位置の指定を含む。なお、かかる場合、印刷物構成部132は、過去に作成した未完成の印刷物が残らないようにすることは好適である。過去に作成した未完成の印刷物が残らないようにすることは、例えば、過去に作成した未完成の印刷物を削除すること、新たな未完成の印刷物を、過去に作成した未完成の印刷物に上書きすること等である。
また、印刷物構成部132は、最新に構成した未完成の印刷物と、部品関連情報受信部121が最後に受信した部品関連情報が有する部品情報とを用いて、完成された印刷物を構成する。なお、印刷物構成部132は、通常、最新に構成した未完成の印刷物と、かかる未完成の印刷物に含まれない部品情報であり、既に受信されているすべての部品情報をレイアウト情報に従って配置して、完成品の印刷物を構成する。なお、印刷物構成部132は、完成品の印刷物を構成しなくても良い。つまり、他の装置により、完成品の印刷物を構成しても良い。
部品情報が揃う前とは、未だ一部の部品情報が欠けていて、完成された印刷物は構成し得ないが、現存する部品情報を基に、未完成の印刷物を構成できる期間、またはそのような期間内の一の時点をいう。部品情報が揃う前とは、例えば、部品関連情報受信部121が最後の部品情報を受信する前、部品情報蓄積部131が最後の部品情報を蓄積する前などである。ただし、部品関連情報受信部121が最初の部品情報を受信してから最後の部品情報を受信するまでの間であれば、どの期間、どの時点もよい。
印刷物構成部132は、未完成の印刷物を構成するか否かを、未完成印刷物構成条件を基に判別してもよい。未完成印刷物構成条件とは、未完成の印刷物の構成処理を実行するための条件であり、未完成の印刷物の構成処理を実行するトリガーを示す情報である。なお、未完成印刷物構成条件の内容は、問わない。
未完成印刷物構成条件は、例えば、部品情報格納部112に格納されている印刷物構成情報に含まれる印刷物識別子と対になる2以上の部品識別子に対応する部品情報であり、当該印刷物識別子で識別される印刷物を構成する部品情報の少なくとも1つが、部品関連情報受信部121によって受信された、または部品情報格納部112に格納されているという条件(これを“第一条件”という場合もある)を含んでいる。ただし、第一条件は、当該印刷物識別子で識別される印刷物を構成するすべての部品情報のうち所定数以上(例えば、2つ以上、3つ以上、…)が、部品関連情報受信部121によって受信された、または部品情報格納部112に格納されているという条件であってもよい。第一条件は、当該印刷物識別子で識別される印刷物を構成する部品情報のうち、部品関連情報受信部121によって受信された部品情報の数、または部品情報格納部112に格納されている部品情報の数に関する条件であれば、その内容は問わない。
また、印刷物が固定領域と可変領域とを有する場合、未完成印刷物構成条件は、第一条件に加えて、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報が、固定領域に対応する部品情報のみであるという第二条件をさらに含んでいてもよい。未完成印刷物構成条件は、第二条件だけでも良い。
または、印刷物が固定領域と可変領域とを有する場合、未完成印刷物構成条件は、第一条件に加えて、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報の中で、一の可変領域に対応する2以上の部品情報が存在するという第三条件をさらに含んでいてもよい。未完成印刷物構成条件は、第三条件だけでも良い。
例えば、未完成印刷物構成条件が第一条件のみを含む場合、印刷物構成部132は、当該印刷物識別子で識別される印刷物を構成する部品情報の少なくとも1つが部品情報格納部112に格納されていれば、未完成印刷物構成条件を満たしたと判別し、1つも格納されていなければ、未完成印刷物構成条件を満たしていないと判別してもよい。これについては、具体例1で説明する。
また、例えば、未完成印刷物構成条件が第一条件および第二条件を含む場合、印刷物構成部132は、当該印刷物識別子で識別される印刷物を構成する部品情報の少なくとも1つが部品情報格納部112に格納されていて、かつ、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報が、固定領域に対応する部品情報のみであれば、未完成印刷物構成条件を満たしたと判別してもよい。他方、当該印刷物識別子で識別される印刷物を構成する部品情報が1つも格納されていないか、または、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報が、可変領域に対応する部品情報のみであるか、若しくは固定領域に対応する部品情報と可変領域に対応する部品情報との両方を含んでいれば、印刷物構成部132は、未完成印刷物構成条件を満たしていないと判別してもよい。これについては、具体例2で説明する。
または、例えば、未完成印刷物構成条件が第一条件および第三条件を含む場合、印刷物構成部132は、当該印刷物識別子で識別される印刷物を構成する部品情報の少なくとも1つが部品情報格納部112に格納されていて、かつ、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報の中で、一の可変領域に対応する2以上の部品情報が存在していれば、未完成印刷物構成条件を満たしたと判別してもよい。他方、当該印刷物識別子で識別される印刷物を構成する部品情報が1つも格納されていないか、または、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報の中で、可変領域に対応する部品情報が1つも存在しないか、若しくは1つしか存在していなければ、印刷物構成部132は、未完成印刷物構成条件を満たしていないと判別してもよい。これについては、具体例3で説明する。
また、印刷物が2以上のページを有する場合、未完成印刷物構成条件は、第一条件に加えて、未完成または完成済みのページ数に関する第四条件を含んでいてもよい。未完成のページとは、そのページに配置されるべき部品情報が揃っていない(1つもないか、1つまたは2以上不足している)ページをいう。第四条件は、例えば、未完成のページが1ページだけである場合に、部品情報格納部112に格納されている1以上の部品情報を用いて未完成の印刷物を構成する、といった条件である。なお、未完成印刷物構成条件は、第四条件だけでも良い。
例えば、未完成印刷物構成条件が第一条件および第四条件を含む場合、印刷物構成部132は、未完成のページ数がただ1ページとなった時点で、未完成印刷物構成条件を満たしたと判別し、部品情報格納部112に格納されている1以上の部品情報と、印刷物構成情報格納部111に格納されているレイアウト情報2とを用いて、未完成の印刷物を構成してもよい。これについては、具体例4で説明する。
また、印刷物構成情報が、印刷物の属性値を有する場合、未完成印刷物構成条件は、印刷物の属性値に関する第五条件を含んでいてもよい。属性値は、例えばページ数であり、属性値がページ数である場合の第五条件は、例えば、印刷物の総ページ数が閾値以上の場合または総ページ数が閾値より多い場合に未完成の印刷物を構成する、といった条件である。なお、閾値は、例えば、「2」であり、総ページ数が2以上の場合に未完成の印刷物を構成する。
例えば、未完成印刷物構成条件が第五条件を含む場合、印刷物構成部132は、印刷物の総ページ数が閾値以上であれば、第五条件も満たすと判別して、未完成の印刷物を構成する一方、印刷物の総ページ数が閾値未満であれば、第五条件を満足していないと判別して、未完成の印刷物を構成する処理は行わなくてもよい。これについては、具体例5で説明する。
未完成印刷物構成条件は、上述した印刷物に関する条件以外の条件でも良い。未完成印刷物構成条件は、端末装置2等の外部の装置から指示が受け付けられたことでも良い。また、未完成印刷物構成条件は、例えば、印刷サーバ装置に関する条件でも良い。印刷サーバ装置に関する条件は、例えば、予め決められた条件を満たすほど印刷サーバ装置の負荷が小さい(例えば、CPUパワーが閾値以下しか使用されていない)こと、印刷サーバ装置にログインしているユーザ数が閾値以下であること等である。また、未完成印刷物構成条件は、時間に関する条件でも良い。時間に関する条件は、例えば、現在が予め決められた時間帯であること、現在時刻が予め決められた時刻になったこと、現在日が印刷物の納期に対して、予め決められたほど納期が迫っている日になったこと等である。また、未完成印刷物構成条件は、例えば、ユーザの操作に関する条件でも良い。ユーザの操作に関する条件とは、例えば、ユーザ(端末装置2)から何らかの操作があってから閾値時間の間、何らの操作が無いこと、ユーザ(端末装置2)から予め決められた操作があってから閾値時間の間、予め決められた操作が無いこと等である。
出力部14は、印刷物構成部132が構成した未完成の印刷物を出力する。また、出力部14は、印刷物構成部132が構成した完成された印刷物をも出力する。出力とは、例えば、ディスプレイへの表示、記録媒体への蓄積、外部の装置(印刷工場のサーバなど)への送信、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。出力部14は、通常、未完成の印刷物、完成された印刷物を、ディスプレイに表示したり、記録媒体に蓄積したり、外部の装置に送信したりするが、例えば、プリンタで印刷してもよく、出力の態様は問わない。
格納部11、印刷物構成情報格納部111、部品情報格納部112は、例えばハードディスクやフラッシュメモリといった不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。また、格納部11等に上述した各種の情報が記憶される過程は問わない。例えば、CD−ROMやメモリカードなどの着脱可能な記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、ネットワークや通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、キーボードやマウス等の入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
受信部12、部品関連情報受信部121は、通常、ネットワークカード等の通信モジュールで実現されるが、放送を受信するモジュールで実現されてもよい。つまり、受信部12、部品関連情報受信部121は、有線または無線の通信手段、または放送受信手段により実現され得る。
処理部13、部品情報蓄積部131、印刷物構成部132は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
出力部14は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えてもよい。出力部14は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
次に、印刷サーバ装置1の動作について図3のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS301)処理部13は、部品関連情報受信部121が端末装置2から部品関連情報を受信したか否かを判別する。部品関連情報受信部121が端末装置2から部品関連情報を受信したと判別されるとステップS302に進み、受信していないを判別されるとステップS309に進む。
(ステップS302)部品情報蓄積部131は、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報を、当該部品情報と対になる部品識別子に対応付けて、部品情報格納部112に蓄積する。
(ステップS303)印刷物構成部132は、印刷物構成情報格納部111に格納されている印刷物構成情報に含まれる印刷物識別子と対になる2以上の部品識別子に対応する部品情報であり、当該印刷物識別子で識別される印刷物を構成するすべての部品情報が揃ったか否かを判別する。詳しくは、印刷物構成部132は、当該印刷物構成情報に含まれる印刷物識別子と対になる2以上の部品識別子に対応する部品情報の全部が部品情報格納部112に格納されている場合、すべての部品情報が揃ったと判別し、かかる部品情報のどれも格納されていないか、または、かかる部品情報の一部しか格納されていない場合、部品情報は揃っていないと判別する。すべての部品情報が揃ったと判別されるとステップS307に進み、揃っていないと判別されるとステップS304に進む。
(ステップS304)印刷物構成部132は、未完成印刷物構成条件を満たしたか否かを判別する。未完成印刷物構成条件については、前述したブロック図による説明、後述する具体例の説明と重複するので繰り返さない。未完成印刷物構成条件を満たしたと判別されるとステップS305に進み、満たしていないと判別されるとステップS301に戻る。
(ステップS305)印刷物構成部132は、部品情報格納部112に格納されている部品情報であり、当該印刷物識別子で識別される印刷物を構成する1以上の部品情報を用いて、未完成の印刷物を構成する。望ましくは、印刷物構成部132は、最新に構成した未完成の印刷物と、少なくとも最後に受信した部品情報とを用いて、未完成の印刷物を構成する。印刷物構成部132は、例えば、最新に構成した未完成の印刷物に、かかる未完成の印刷物に含まれない部品情報であり、既に受信されているすべての部品情報をレイアウト情報に従って配置して、未完成の印刷物を構成する。
なお、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報の中で、可変領域に対応する2以上の部品情報が存在している場合、印刷物構成部132は、当該2以上の部品情報ごとに、当該2以上の各部品情報を可変領域に配置した2以上の未完成の印刷物を構成してもよい。
(ステップS306)出力部14は、印刷物構成部132が構成した未完成の印刷物を、例えば格納部11に蓄積する。ただし、出力部14は、未完成の印刷物を、例えばディスプレイ等の出力デバイスを介して出力してもよい。その後、ステップS301に戻る。
(ステップS307)印刷物構成部132は、部品情報格納部112に格納されている部品情報であり、当該印刷物識別子で識別される印刷物を構成するすべての部品情報を用いて、完成された印刷物を構成する。望ましくは、印刷物構成部132は、最新に構成した未完成の印刷物と、少なくとも最後に受信された部品情報とを用いて、完成された印刷物を構成する。
(ステップS308)出力部14は、印刷物構成部132が構成した完成された印刷物を、例えば格納部11に蓄積する。ただし、出力部14は、完成された印刷物を、例えばディスプレイ等の出力デバイスを介して出力してもよい。その後、ステップS301に戻る。
(ステップS309)処理部13は、完成された印刷物を送信するか否かを判別する。この判別結果は、例えば、完成された印刷物が格納部11に蓄積されたことに応じて、または、端末装置2からの送信要求に応じて、完成された印刷物を送信する、と判断する。ただし、完成された印刷物を送信するためのトリガーは問わない。完成された印刷物を送信すると判別された場合はステップS310に進み、送信しないと判別された場合はステップS301に戻る。
(ステップS310)出力部13は、格納部11から完成された印刷物を取得し、端末装置2に送信する。その後、ステップS301に戻る。
なお、図3のフローチャートに従う処理は、例えば、電源オンまたはプログラムの起動に応じて開始し、電源オフまたはプログラムの終了に応じて終了する。
なお、図3のフローチャートに示した処理は、印刷物構成情報格納部111に一の印刷物に対応する印刷物構成情報が格納されている場合の処理であるが、2以上の印刷物に対応する印刷物構成情報が格納されている場合には、これと同様の処理を2以上、並列に、または時分割で行えばよい。
以下、本実施の形態における印刷システムの具体的な動作例について説明する。なお、以下の説明は、例示に過ぎず、種々の変更が可能であり、本発明を何ら限定するものではない。
印刷システムの概念図は図1である。印刷サーバ装置1は、例えば、印刷システムを運営する会社のオペレータによって操作される。端末装置2は、例えば、印刷システムを利用する出版社や家庭のユーザによって操作される。
印刷サーバ装置1のブロック図は図2である。印刷物構成情報格納部111には、1以上の印刷物情報が格納されている。1以上の印刷物情報とは、例えば、図4に示すような印刷物構成情報1,印刷物構成情報2,…である。印刷物構成情報1は、印刷物Xを識別する印刷物識別子“X”と、印刷物Xを構成するための3つの部品情報を識別する部品識別子“X1”,“X2”,“X3”と、後述するレイアウト情報1とを有する。なお、部品識別子“Xi”は、印刷物Xのi番目の部品を意味する(iは自然数)。
印刷物構成情報2は、印刷物Yを識別する印刷物識別子“Y”と、印刷物Yを構成するための8つの部品情報を識別する部品識別子“Y(1,1)”,“Y(1,2)”,“Y(2,1)”,…,“Y(4,2)”と、後述するレイアウト情報2とを有する。なお、部品識別子“Y(j,i)”は、印刷物Yの第jページのi番目の部品を意味する(j,iは自然数)。なお、印刷物構成情報2は、4ページであり、8つの部品情報から構成される印刷物の構成のための情報である。しかし、かかることは説明の便宜上であり、印刷物構成情報2は、数百、数千、数万、数十万等の多数ページを有し、数百以上(例えば、数千万)の部品情報から構成される印刷物の構成のための情報であることは好適である。
印刷物Xは、例えば、片面印刷のチラシであり、部品識別子“X1”,“X2”,“X3”と対になる3つの部品情報で構成される。印刷物Yは、例えば、4ページからなるパンフレットであり、部品識別子“Y(1,1)”,“Y(1,2)”,…,“Y(4,2)”と対になる8つの部品情報で構成される。詳しくは、印刷物Yの第1ページは、部品識別子“Y(1,1)”,“Y(1,2)”と対になる2つの部品情報で構成され、…、第4ページは、2つの部品情報Y(4,1)”,“Y(4,2)で構成される。
印刷物構成情報1,印刷物構成情報2,…は、例えば、端末装置2の記録媒体(以下、“端末格納部”と記す場合がある)にも格納されている。加えて、端末格納部には、部品識別子“X1”と対になる部品情報(例えば、ファイル識別子“AAA.txt”で識別されるテキストファイル)、部品識別子“X2”と対になる部品情報(例えば、ファイル識別子“BBB.jpg”で識別される画像ファイル)、部品識別子“X3”と対になる部品情報(例えば、ファイル識別子“CCC.txt”で識別されるテキストファイル)が格納されている。
また、端末格納部には、部品識別子“Y(1,1)”と対になる部品情報(例えば、ファイル識別子“aaa.txt”で識別されるテキストファイル)、部品識別子“Y(1,2)”と対になる部品情報(例えば、ファイル識別子“bbb.jpg”で識別される画像ファイル)、部品識別子“Y(2,1)”と対になる部品情報(例えば、ファイル識別子“ccc.txt”で識別されるテキストファイル)、…、部品識別子“Y(4,2)”と対になる部品情報(例えば、ファイル識別子“hhh.jpg”で識別される画像ファイル)が格納されている。
部品情報格納部112には、印刷物構成情報格納部111に格納されている1以上の各印刷物情報が有する印刷物識別子と対になる2以上の部品識別子が格納されている。印刷物構成情報格納部111に格納されている1以上の印刷物情報とは、上記の印刷物構成情報1,印刷物構成情報2,…である。1以上の各印刷物情報が有する印刷物識別子と対になる2以上の部品識別子とは、例えば、図5に示すような、印刷物識別子Xと対になる部品識別子“X1”,“X2”,“X3”、印刷物識別子Yと対になる部品識別子“Y(1,1)”,“Y(1,2)”,…,“Y(4,2)”である。部品情報格納部112は、かかる2以上の部品識別子と対になる部品情報を格納し得るが、いずれの部品情報も、未だ部品情報格納部112に格納されていない。
印刷物Xは、上記の部品識別子“X1”,“X2”,“X3”に対応する3つの領域を有している。3つの領域とは、例えば、図6に示す領域E1,E2,E3である。また、印刷物Yは、上記の部品識別子に対応する8つの領域を有している。8つの領域とは、例えば、図7に示す領域E(1,1),E(1,2),…,E(4,2)である。なお、図示された領域は、いずれも矩形の領域であるが、例えば円形の領域などでもよく、領域の形状は問わない。
印刷物構成情報が有するレイアウト情報は、例えば、図8に示すように、ページIDと、相対位置情報と、部品識別子との組を、2組以上、含む。なお、ページIDと相対位置情報と部品識別子との組の個数(組数)は、印刷物構成情報と対になる印刷物を構成する部品情報の数に対応している。対応しているとは、通常、部品情報の数と組数が等しいことであるが、異なっていてもよい。
ページIDとは、ページを識別する識別子である。ページIDは、例えば、1,2,…といったページ番号であるが、ページを識別し得る情報であれば何でもよい。相対位置情報とは、ページ内における部品情報の相対位置を示す情報である。相対位置情報は、例えば、部品情報が配置される領域の中心点の座標(x、y)の形式で表現される。ただし、例えば領域が矩形領域である場合は、その領域の始点座標(左上座標)および終点座標(右下座標)で表現されてもよく、相対位置情報の表現形式は問わない。
図8には、印刷物Yに対応する印刷物構成情報2が有するレイアウト情報2が例示されている。印刷物Yが8つの部品情報で構成されるため、レイアウト情報2は、ページIDと相対位置情報と部品識別子との組を、8組、有する。レイアウト情報2が有する8組とは、ページID“1”と相対位置情報“(x1a,y1a)”と部品識別子“Y(1,1)”との組、ページID“1”と相対位置情報“(x1b,y1b)”と部品識別子“Y(1,2)”との組、ページID“2”と相対位置情報“(x2a,y2a)”と部品識別子“Y(2,1)”との組、…、ページID“4”と相対位置情報“(x4b,y4b)”と部品識別子“Y(4,2)”との組である。
(具体例1)
具体例1は、印刷物Xを構成する場合の動作例である。具体例1での未完成印刷物構成条件は、印刷物を構成するすべての部品情報のうち、未格納の部品情報が1つだけである場合に、部品情報格納部112に格納されている1以上の部品情報を用いて未完成の印刷物を構成する、という条件(第一条件)である。
端末装置2は、部品識別子“X1”と部品情報“AAA.txt”とを有する部品関連情報1、部品識別子“X2”と部品情報“BBB.jpg”とを有する部品関連情報2、部品識別子“X3”と部品情報“CCC.txt”と有する部品関連情報3を、異なる時に印刷サーバ装置1に送信する。例えば、ある日の午前中に、まず部品関連情報1を送信し、続いて部品関連情報3を送信し、その日の午後に、部品関連情報2を送信したとする。
端末装置2から部品関連情報1が送信されると、印刷サーバ装置1において、部品関連情報受信部121が部品関連情報1を受信し、部品情報蓄積部131は、部品関連情報1が有する部品情報“AAA.txt”を部品識別子“X1”に対応付けて、部品情報格納部112に蓄積する。印刷物構成部132は、未だ部品識別子“X2”に対応する部品情報と部品識別子“X3”に対応する部品情報とが部品情報格納部112に格納されていないため、部品情報は揃っていないと判別し、未完成印刷物構成条件を満たしたか否かをさらに判別する。なお、印刷物構成部132が、部品情報が揃ったと判断する方法、または部品情報が揃ってないと判断する方法は、問わない。印刷物構成部132は、格納部11のレイアウト情報を参照し、部品情報格納部11の中に、一の印刷物のレイアウト情報に規定されたすべての部品情報が存在する場合に、部品情報が揃ったと判断しても良い。また、印刷物構成部132は、外部の装置(例えば、端末装置2)から受信された注文データを参照し、印刷物を構成するための情報を含む注文データに定義されているすべての部品情報が部品情報格納部11の中に存在する場合に、部品情報が揃ったと判断しても良い。印刷物構成部132は、レイアウト情報や注文データ等の部品情報以外の情報を参照し、部品情報が揃ったか否かを判断しても良い。
この時点では、未格納の部品情報が2つであるため、印刷物構成部132は、未完成印刷物構成条件を満たしていないと判別し、未完成の印刷物を構成することは行わない。
続いて、端末装置2から部品関連情報3が送信されると、印刷サーバ装置1において、部品関連情報受信部121が部品関連情報3を受信し、部品情報蓄積部131は、部品関連情報3が有する部品情報“CCC.txt”を部品識別子“X3”に対応付けて、部品情報格納部112に蓄積する。印刷物構成部132は、未だ部品識別子“X2”に対応する部品情報が部品情報格納部112に格納されていないため、部品情報は揃っていないと判別し、未完成印刷物構成条件を満たしたか否かをさらに判別する。
この時点で、未格納の部品情報がただ1つであるため、印刷物構成部132は、未完成印刷物構成条件を満たしたと判別し、部品情報格納部112に格納されている2つの部品情報“AAA.txt”および“CCC.txt”と、印刷物構成情報格納部111に格納されているレイアウト情報1とを用いて、未完成の印刷物を構成する。具体的には、印刷物構成部132は、図6に示した領域E1〜E3を有するページに対し、部品情報“AAA.txt”に基づくテキスト(例えば“○○山から上る初日の出”といった見出し)を領域E1に配置し、さらに、部品情報“CCC.txt”に基づくテキスト(例えば、“○○湖の畔で撮影した写真であり…”といった文章)を領域E3に配置することによって、未完成の印刷物を構成し、格納部11に蓄積する。
出力部14は、格納部11に格納されている未完成の印刷物を、ディスプレイ等の出力デバイスを介して出力する。これにより、例えば、ディスプレイに、未完成の印刷物の印刷イメージが表示される。印刷サーバ装置1のオペレータは、ディスプレイ上の印刷イメージを見ながら、未完成の印刷物のチェックを行うことができる。
こうして、未格納の(または未受信の:以下同様)部品情報があと1つとなった時点で、格納済みの1以上の部品情報を用いて未完成の印刷物を構成し、出力することで、オペレータは、印刷物が完成する前に、チェックの作業を開始できる。
その後、端末装置2から部品関連情報2が送信されると、印刷サーバ装置1において、部品関連情報受信部121が部品関連情報2を受信し、部品情報蓄積部131は、部品関連情報2が有する部品情報“BBB.jpg”を部品識別子“X2”に対応付けて、部品情報格納部112に蓄積する。印刷物構成部132は、部品識別子“X1”に対応する部品情報“AAA.txt”、部品識別子“X2”に対応する部品情報“BBB.jpg”、および部品識別子“X3”に対応する部品情報“CCC.txt”が部品情報格納部112に格納されているため、すべての部品情報が揃ったと判別し、格納部11に格納されている未完成の印刷物と、部品関連情報受信部121が最後に受信した部品情報“BBB.jpg”とを用いて、完成された印刷物を構成する。具体的には、印刷物構成部132は、未完成の印刷物が有する領域E2に、部品識別子“X2”に対応する部品情報“BBB.jpg”に基づく画像を配置することで、完成された印刷物を構成し、格納部11に蓄積する。
こうして、未格納の部品情報があと1つとなった時点で構成した未完成の印刷物と、最後に受信した当該1つの部品情報とを用いて、印刷物を完成するための全ての部品が揃ってから、完成品の印刷物を構成するまでの時間を短縮できる。
一般には、未完成印刷物構成条件は、未格納の部品情報がi個以下(iは、印刷物Xを構成する部品情報の総数よりも小さい自然数。本例では、総数が3なので、i=1、またはi=2のいずれか)である場合に、部品情報格納部112に格納されている1以上の部品情報を用いて未完成の印刷物を構成する、という条件であってもよい。この場合、印刷物構成部132は、未格納の部品情報の数がi個となった時点で、格納済みの1以上の部品情報を用いて未完成の印刷物(第1稿)を構成し、出力部14は、当該未完成の印刷物を出力するので、オペレータは、印刷物が完成する前に、チェックの作業を開始できる。
以降、未格納の部品情報の数が、印刷物Xを構成する部品情報の総数よりも1少ない数(本例では3−1=2)となるまでの期間、部品関連情報受信部121が新たな部品関連情報を受信するたびに、印刷物構成部132は、最新に構成した未完成の印刷物(本例では第1稿)と、最後に受信された部品情報(本例では2番目の部品情報)とを用いて、新たな未完成の印刷物(第2稿)を構成し、出力部14は、当該新たな未完成の印刷物を出力する。これにより、オペレータは、部品情報の受信に応じてチェック作業を進めることができる。
そして、最後(本例では3番目)の部品情報が受信された時、印刷物構成部132は、最新に構成した未完成の印刷物(最新稿:本例では第2稿)と、当該最後の部品情報とを用いて、完成された印刷物を構成し、出力部14は、当該完成された印刷物を出力する。この場合も、印刷物を完成するための全ての部品が揃ってから、完成品の印刷物を構成するまでの時間を短縮できる。
なお、上記の未完成印刷物構成条件が有する閾値iは、可変であってもよい。その場合、例えば、処理部13が、オペレータによる数値の入力をキーボード等の入力デバイスを介して受け付け、印刷物構成部132は、未完成印刷物構成条件が有する閾値iに当該入力値をセットして、未完成の印刷物の構成を行ってもよい。これにより、閾値iに応じて、チェック作業を開始できるタイミングが変わるので、オペレータは、例えば、閾値iを大きくすることで、チェック作業をより早く開始できる。なお、処理部13は、印刷物の属性値(例えば、ページ数、部数等)に応じて、閾値iを決定しても良い。処理部13は、例えば、印刷物の属性値をパラメータとする増加関数により、閾値iを決定しても良い。
または、未完成印刷物構成条件は、例えば、受信済みの部品情報がj個以上(jは、印刷物Xを構成する部品情報の総数よりも小さい自然数。本例では、j=1、またはj=2のいずれか)である場合に、部品情報格納部112に格納されている1以上の部品情報を用いて未完成の印刷物を構成する、という条件であってもよい。この場合、印刷物構成部132は、j番目の部品情報が受信された時、当該部品情報を用いて未完成の印刷物(第1稿)を構成し、出力部14は、当該未完成の印刷物を出力するので、オペレータは、印刷物が完成する前に、チェック作業を開始できる。
また、印刷物構成部132は、{j+1}番目の部品情報が受信された時、先に構成した未完成の印刷物(第1稿)と、当該{j+1}番目の部品情報とを用いて、新たな未完成の印刷物(第2稿)を構成し、出力部14は、当該新たな未完成の印刷物を出力する。
以降、受信済みの部品情報の数が、印刷物Xを構成する部品情報の総数よりも1少ない数(本例では3−1=2)となるまでの期間、部品関連情報受信部121が新たな部品関連情報を受信するたびに、印刷物構成部132は、最新に構成した未完成の印刷物(本例では第1稿)と、最後に受信された部品情報(本例では2番目の部品情報)とを用いて、新たな未完成の印刷物(第2稿)を構成し、出力部14は、当該新たな未完成の印刷物を出力する。これにより、オペレータは、部品情報の受信に応じてチェック作業を進めることができる。
そして、印刷物構成部132は、最後(本例では3番目)の部品情報が受信された時、最新に構成した未完成の印刷物(本例では第2稿)と、当該最後の部品情報とを用いて、完成された印刷物を構成し、出力部14は、当該新たな未完成の印刷物を出力する。この場合も、部品情報がすべて揃ってから完成品を構成し終えるまでの時間を短縮できる。
(具体例2)
具体例2は、印刷物Xを構成する場合の他の動作例である。なお、先行する具体例と重複する動作については、説明を省略または簡略化する場合がある(以下同様)。
本例では、印刷物は、固定領域と可変領域とを有する。本例における未完成印刷物構成条件は、具体例1における第一条件に加えて、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報が、固定領域に対応する部品情報のみであるという条件(第二条件)をさらに含んでいる。
例えば、図6に示した印刷物Xにおいて、領域E1およびE2は固定領域であり、領域E3が可変領域であるとする。そして、可変領域である領域E3に対応する部品情報3として、例えば、一般向けの文章、子供向けの文章といった、2種類以上の部品情報3a,3b,…が存在している。
端末装置2から部品関連情報1および部品関連情報3aが順次送信されたとすると、印刷サーバ装置1において、部品関連情報1が受信され、さらに部品関連情報3aが受信された時点で、印刷物構成部132は、第一条件を満たしたと判別する。しかし、後者の部品関連情報3が可変領域に対応しているため、印刷物構成部132は、第二条件を満たしていないと判別し、未完成の印刷物を構成する処理は行わない。
これに対し、端末装置2から部品関連情報1および部品関連情報2が順次送信されたとすると、印刷サーバ装置1において、部品関連情報1が受信され、さらに部品関連情報2が受信された時点で、印刷物構成部132は、第一条件を満たしたと判別する。また、受信されたいずれの部品情報も固定領域に対応しているため、印刷物構成部132は、第二条件も満たしたと判別し、未完成の印刷物を構成する。
受信した部品関連情報が有する部品情報が、可変領域に対応する部品情報を含んでいると、当該可変領域に対応する別の部品情報が後に送られてきて、未完成の印刷物の再構成を要する可能性があるが、本例では、受信した部品関連情報が有する部品情報が固定領域に対応する部品情報のみである場合に限って、未完成の印刷物を構成できる。
(具体例3)
具体例3は、印刷物Xを構成する場合のその他の動作例である。本例でも、印刷物は、固定領域と可変領域とを有する。また、図6に示した印刷物Xにおいて、領域E1およびE2は固定領域であり、領域E3が可変領域である。そして、可変領域である領域E3に対応する部品情報3として、例えば、一般向けの文章、子供向けの文章といった、2種類以上の部品情報3a,3b,…が存在している。
本例における未完成印刷物構成条件は、具体例1における第一条件に加えて、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報の中に、可変領域に対応する2以上の部品情報が存在するという条件(第三条件)をさらに含んでいる。
端末装置2から、部品関連情報1および部品関連情報3aが順次送信されたとすると、印刷サーバ装置1において、部品関連情報1が受信され、さらに部品関連情報3aが受信された時点で、印刷物構成部132は、第1条件を満たすと判別する。しかし、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報の中に、可変領域に対応するものは部品関連情報3aしか存在しないため、第三条件を満たしていないと判別し、未完成の印刷物を構成する処理は行わない。
その後、端末装置2から部品関連情報3bが送信されたとすると、印刷サーバ装置1において、その部品関連情報3bが受信された時点で、印刷物構成部132は、第1条件を満たし、かつ第二条件も満たすと判別する。そして、印刷物構成部132は、可変領域である領域E3に、部品情報3aに基づくテキストを配置した未完成の印刷物(一般向けバーション)と、部品情報3bに基づくテキストを配置した未完成の印刷物(子供向けバーション)とを構成し、出力部14は、印刷物構成部132が構成した2種類の未完成の印刷物のイメージを出力する。こうして、可変領域に異なる部品情報を配置した未完成の印刷物を、2種類、または2を超える種類、構成し、出力することで、オペレータは、2種類以上の未完成の印刷物ごとに校正作業を行うことができる。
(具体例4)
具体例4は、印刷物Yを構成する場合の動作例である。本例での未完成印刷物構成条件は、未完成のページが1ページだけ(一般には、kページ以下:kは、印刷物Yの総ページ数よりも小さい自然数。本例では、総ページ数が4なので、i=1、i=2、またはi=3のいずれか)である場合に、部品情報格納部112に格納されている1以上の部品情報を用いて未完成の印刷物を構成する、という条件(第四条件)である。
端末装置2は、部品識別子“Y(1,1)”と部品情報“aaa.txt”とを有する部品関連情報(1,1)、部品識別子“Y(1,2)”と部品情報“bbb.jpg”とを有する部品関連情報(1,2)、部品識別子“Y(2,1)”と部品情報“ccc.txt”とを有する部品関連情報(2,1)、…、部品識別子“Y(4,2)”と部品情報“hhh.jpg”とを有する部品関連情報(4,2)とを異なる時に送信する。例えば、端末装置2は、ある日の午前中に、6つの部品関連情報(1,1)〜(3,2)を順次送信し、その日の午後に、2つの部品関連情報(4,1)および(4,2)を送信したとする。
端末装置2から部品関連情報(1,1)が送信されると、印刷サーバ装置1において、部品関連情報受信部121が部品関連情報(1、1)を受信し、部品情報蓄積部131は、部品関連情報1が有する部品情報“aaa.txt”を部品識別子“Y(1,1)”に対応付けて、部品情報格納部112に蓄積する。印刷物構成部132は、未だ部品識別子“Y(1,2)”〜“Y(4,2)”に対応する7つの部品情報が部品情報格納部112に格納されていないため、部品情報は揃っていないと判別し、未完成印刷物構成条件を満たしたか否かをさらに判別する。
この時点では、未完成のページ数が8ページであるため、印刷物構成部132は、未完成印刷物構成条件を満たしていないと判別し、未完成の印刷物を構成することは行わない。
以降、端末装置2から6つの部品関連情報(1,2)〜(3,2)が順次送信され、印刷サーバ装置1において、部品関連情報受信部121が部品関連情報(1,2)〜(3,2)を順次受信し、部品情報蓄積部131は、部品関連情報(1,2)〜(3,2)が有する部品情報“bbb.jpg”〜“fff.jpg”を、部品識別子“Y(1,2)”〜“Y(4,2)”に対応付けて、部品情報格納部112に順次蓄積する。
そして、6番目の部品関連情報(3,2)が有する部品情報“fff.jpg”が部品識別子“Y(3,2)”に対応付けて部品情報格納部112に蓄積された時点で、未完成のページ数がただ1ページとなったため、印刷物構成部132は、未完成印刷物構成条件を満たしたと判別し、部品情報格納部112に格納されている7つの部品情報“aaa.txt”〜“fff.jpg”と、印刷物構成情報格納部111に格納されているレイアウト情報2とを用いて、未完成の印刷物を構成する。
具体的には、印刷物構成部132は、図7に示した2つの領域E(1,1)およびE(1,2)を有する第1ページに対し、部品情報“aaa.txt”に基づくテキストを相対位置情報(x1a,y1a)に対応する領域E(1,1)に配置し、さらに、部品情報“bbb.jpg”に基づく画像を相対位置情報(x1b,y1b)に対応する領域E(1,2)に配置することによって、完成された第1ページを構成する。印刷物構成部132は、同様の手順で、完成された第2ページ、完成された第3ページをも構成する。
印刷物構成部132は、こうして完成された第1ページ〜第3ページと、未完成の第4ページとを有する未完成の印刷物(第1稿)を、格納部11に蓄積する。出力部14は、格納部11に格納されている未完成の印刷物を、ディスプレイ等の出力デバイスを介して出力する。これにより、例えば、ディスプレイに、当該未完成の印刷物の印刷イメージが表示される。この場合、出力部14は、例えば、格納部11に格納されている未完成の印刷物が有するページの全部を出力してもよいし、完成されたページのみを出力し、未完成のページは出力しなくてもよい。または、出力部14は、完成されたページと、未完成のページのうち、1以上の部品情報が配置されたページとを出力し、1つの部品情報も配置されていないページは出力しなくてもてもよい。オペレータは、ディスプレイ上の印刷イメージを見ながら、未完成の印刷物の校正を行うことができる。処理部13は、入力デバイスを介して、校正のための操作を受け付け、格納部11に格納されている未完成の印刷物に対して構成処理を施す。
こうして、未完成のページがあと1ページとなった時点で、格納済みの1以上の部品情報を用いて未完成の印刷物を構成し、出力することで、オペレータは、印刷物が完成する前に、チェックの作業を開始できる。
その後、端末装置2から7番目の部品関連情報(4,1)が送信されると、印刷サーバ装置1において、この部品関連情報(4,1)が受信され、これが有する部品情報“ggg.txt”が、部品識別子“Y(4,1)”に対応付けて、部品情報格納部112に蓄積される。印刷物構成部132は、未完成のページがあと1ページであるため、格納部11に格納されている未完成の印刷物(第1稿)が有する第4ページの領域E(4,1)に部品情報“ggg.txt”配置することで、新たな未完成の印刷物(第2稿)を構成し、出力する。これにより、オペレータは、部品情報の受信に応じて校正作業を進めることができる。
次いで、端末装置2から最後の部品関連情報(4,2)が送信されると、印刷サーバ装置1において、この部品関連情報(4,2)が受信され、これが有する部品情報“hhh.jpg”が、部品識別子“Y(4,2)”に対応付けて、部品情報格納部112に蓄積される。印刷物構成部132は、印刷物Yを構成するための8個の部品情報がすべて揃ったため、格納部11に格納されている最新の未完成の印刷物(第2稿)が有する第4ページの領域E(4,2)に部品情報“hhh.jpg”配置することで、完成された印刷物を構成し、出力する。
こうして、最新に構成した未完成の印刷物と、最後に受信した当該1つの部品情報とを用いて、完成された印刷物を構成することで、印刷物を完成するための全ての部品が揃ってから、完成品の印刷物を構成するまでの時間を短縮できる。
なお、未完成印刷物構成条件は、未完成のページがkページ以下(kは、印刷物Yの総ページ数よりも小さい自然数。本例では、総ページ数が4なので、k=1、k=2、またはk=3のいずれか)である場合に、部品情報格納部112に格納されている1以上の部品情報を用いて未完成の印刷物を構成する、という条件であってもよい。また、この未完成印刷物構成条件が有する閾値kは、可変であってもよい。
または、未完成印刷物構成条件は、例えば、完成したページ数がmページ以上(mは、印刷物Yの総ページ数よりも小さい自然数。本例では、m=1、m=2、またはm=3のいずれか)である場合に、部品情報格納部112に格納されている1以上の部品情報を用いて未完成の印刷物を構成する、という条件であってもよい。
なお、印刷物Yのような、2以上のページを有する印刷物であっても、2以上の各ページを区別せず、具体例1のものと同様の未完成印刷物構成条件を用いて、未完成の印刷物を構成して構わない。
(具体例5)
具体例5は、印刷物Yを構成する場合の他の動作例である。本例では、印刷物構成情報は、印刷物の属性値を有する。属性値は、例えば、ページ数である。本例における未完成印刷物構成条件は、印刷物の属性値に関する条件(第五条件)を含む。第五条件は、例えば、印刷物の総ページ数が閾値(本例では2ページ)以上の場合に未完成の印刷物を構成する、といった条件である。
例えば、図4において、印刷物構成情報2は、印刷物Yのページ数に関する属性値“4”を有する。また、印刷物構成情報3は、印刷物Xのページ数に関する属性値“1”を有する。印刷物構成部132は、印刷物Yに関して、印刷物の総ページ数が4ページで、閾値以上なので、第五条件も満足すると判別し、未完成の印刷物を構成する。これに対し、印刷物構成部132は、印刷物Xに関して、印刷物の総ページ数が1ページで、閾値未満なので、第五条件を満足していないと判別し、未完成の印刷物を構成する処理は行わない。
なお、印刷物構成情報が有する属性値は、例えば、部数であってもよい。この場合、第五条件は、印刷物の発行部数が閾値(本例では100部)以上またはそれより多い場合に未完成の印刷物を構成する、といった条件である。例えば、印刷物構成情報2は、印刷物Yの部数に関する属性値“50”を有し、印刷物構成情報3は、印刷物Zの部数に関する属性値“200”を有する。印刷物構成部132は、印刷物Yに関して、第4条件を満足したと判別した場合、第五条件も満足すると判別し、未完成の印刷物を構成するのに対し、印刷物構成部132は、印刷物Zに関して、第4条件を満足したと判別した場合には、第五条件を満足していないと判別し、未完成の印刷物を構成する処理は行わなくてもよい。
また、印刷物構成情報が有する属性値は、例えば、印刷物の種類(例えば、チラシ、パンフレット、書籍等)であってもよい。その場合、印刷物構成部132は、例えば、特定の種類の印刷物(例えば書籍)に関しては、未完成の印刷物を構成するが、他の種類の印刷物(例えばチラシやパンフレット)に関しては、未完成の印刷物を構成する処理は行わなくてもよい。または、印刷物構成部132は、例えば、特定の種類の印刷物に関しては、部数に関わらず未完成の印刷物を構成するが、他の種類の印刷物(例えばチラシやパンフレット)に関しては、部数が閾値以上またはそれより多い場合に未完成の印刷物を構成し、部数が閾値未満または以下の場合には、未完成の印刷物を構成する処理は行わなくてもよい。
また、印刷物構成情報が有する属性値は、例えば、予め管理(格納部11等に格納)されている印刷物の納品先であってもよい。その場合、印刷物構成部132は、特定の納品先(例えば、会員登録を行った納品先)に関しては、未完成の印刷物を構成するが、他の納入先(例えば、会員登録を行っていない納入先)に関しては、未完成の印刷物を構成する処理は行わなくてもよい。
こうして、印刷物構成情報が特定の属性値を有する印刷物に限って、未完成の印刷物を構成し、出力することができる。
(他の具体例)
なお、未完成印刷物構成条件は、例えば、上述したような第一条件のみを含んでいてもよい。この場合、例えば、部品情報の受信のたびに、未完成印刷物構成処理が実行される。
また、未完成印刷物構成条件は、例えば、完成された出版物の構成に必要な2以上の部品情報のうち一定割合以上の又は一定割合を超える部品情報が揃ったら、未完成の印刷物を構成する、といった条件であってもよい。一定割合とは、必要な部品情報の数に対する、揃った部品情報の数の割合であってもよいし、必要な部品情報の情報量に対する、揃った部品情報の情報量の割合であってもよく、その算出方法は問わない。また、一定割合は、例えば、90%、8割、半分などであるが、その値は問わない。
以上、本実施の形態によれば、一の印刷物を識別する印刷物識別子と、印刷物識別子で識別される印刷物を構成するための部品情報を識別する2以上の部品識別子とを含む印刷物構成情報が格納される印刷物構成情報格納部111と、印刷物識別子に対応付けて2以上の部品情報が格納される部品情報格納部112と、部品識別子と部品識別子で識別される部品情報とを有する2以上の各部品関連情報を、異なる時に受信する部品関連情報受信部121と、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報を、部品情報と対になる部品識別子に対応付けて部品情報格納部112に蓄積する部品情報蓄積部131と、印刷物構成情報に含まれる印刷物識別子と対になる2以上の部品識別子に対応する部品情報であり、印刷物構成情報に含まれる印刷物識別子で識別される印刷物を構成するすべての部品情報が揃う前に、印刷物識別子により識別される1以上の部品情報であり、部品情報格納部112に格納されている1以上の部品情報を用いて、未完成の印刷物を構成する印刷物構成部132とを具備し、印刷物構成部132は、最新に構成した未完成の印刷物と、部品関連情報受信部121が最後に受信した部品関連情報が有する部品情報とを用いて、完成された印刷物を構成する印刷サーバ装置1により、一の印刷物を構成する2以上の部品情報がすべて揃う前に、揃った1以上の部品情報を用いて、未完成の印刷物を構成できる。そのため、部品情報がすべて揃ってから完成品を構成し終えるまでの時間を短縮できる。
また、上記印刷サーバ装置1において、印刷物構成部132は、部品関連情報受信部121が部品関連情報を受信したことをトリガーとして、部品関連情報が有する部品情報を含む1以上の部品情報を用いて、未完成の印刷物を構成することにより、部品関連情報の受信に応じて、未完成の印刷物を構成できる。また、部品関連情報を受信するたびに、完成された印刷物により近づいた、新たな未完成の印刷物を構成できる。
また、上記印刷サーバ装置1において、印刷物構成部132は、最新に構成した未完成の印刷物と、部品関連情報受信部121が最後に受信した部品関連情報が有する部品情報とを用いて、完成された印刷物を構成することにより、完成された印刷物を効率よく構成できる。
また、上記印刷サーバ装置1において、印刷物は、固定領域と可変領域とを有し、印刷物構成部132は、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報が、固定領域に対応する部品情報のみである場合、印刷物構成情報に含まれる印刷物識別子で識別される印刷物を構成するすべての部品情報が揃う前に、印刷物識別子により識別される1以上の部品情報であり、部品情報格納部112に格納されている1以上の部品情報を用いて、未完成の印刷物を構成することにより、受信した部品関連情報が有する部品情報が固定領域に対応する部品情報のみである場合に限って、未完成の印刷物を構成できる。
また、上記印刷サーバ装置1において、印刷物は、固定領域と可変領域とを有し、印刷物構成部132は、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報の中で、一の可変領域に対応する2以上の部品情報が存在する場合、2以上の部品情報ごとに、2以上の各部品情報を可変領域に配置した2以上の未完成の印刷物を構成することにより、可変領域に異なる部品情報を配置した未完成の印刷物を、2種類以上、構成できる。
また、上記印刷サーバ装置1において、印刷物構成部132は、印刷物に応じて、未完成の印刷物を構成する場合と、未完成の印刷物を構成しない場合とがあることにより、特定の印刷物に限って、未完成の印刷物を構成できる。
また、上記印刷サーバ装置1において、印刷物構成情報は、印刷物の属性値を有し、印刷物構成部132は、印刷物の属性値に応じて、未完成の印刷物を構成する場合と、未完成の印刷物を構成しない場合とがあることにより、印刷物構成情報が特定の属性値を有する印刷物に限って、未完成の印刷物を構成できる。
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現してもよい。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布してもよい。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布してもよい。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、コンピュータを上記各部として機能させるためのプログラムであり、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、このプロムラムは、コンピュータがアクセス可能な記録媒体は、一の印刷物を識別する印刷物識別子と、当該印刷物識別子で識別される印刷物を構成するための部品情報を識別する2以上の部品識別子とを含む印刷物構成情報が格納される印刷物構成情報格納部111と、印刷物識別子に対応付けて2以上の部品情報が格納される部品情報格納部112とを格納しており、コンピュータを、部品識別子と当該部品識別子で識別される部品情報とを有する2以上の各部品関連情報を、異なる時に受信する部品関連情報受信部121と、部品関連情報受信部121が受信した部品関連情報が有する部品情報を、当該部品情報と対になる部品識別子に対応付けて部品情報格納部112に蓄積する部品情報蓄積部131と、印刷物構成情報に含まれる印刷物識別子と対になる2以上の部品識別子に対応する部品情報であり、印刷物構成情報に含まれる印刷物識別子で識別される印刷物を構成するすべての部品情報が揃う前に、印刷物識別子により識別される1以上の部品情報であり、部品情報格納部112に格納されている1以上の部品情報を用いて、未完成の印刷物を構成する印刷物構成部132として機能させるプログラムである。
図9は、上記プログラムを実行して、印刷サーバ装置1を実現するサーバ900の外観の一例を示す図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。図9において、サーバ900は、CD−ROMドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、ディスプレイ904とを備える。なお、キーボード902やマウス903やディスプレイ904をも含むシステム全体をコンピュータと呼んでもよい。
図10は、サーバ900の内部構成を示す図である。図10において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905に加えて、MPU911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915と、インターネット等のネットワークへの接続を提供するネットワークカード916と、を備える。
サーバ900に、印刷サーバ装置1の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921に記憶されて、CD−ROMドライブ905に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、インターネット等のネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは、実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。また、CD−ROM921に代えて他の着脱可能な記録媒体(例えば、DVDやメモリカード等)を介して、プログラムがサーバ900に読み込まれてもよい。
プログラムは、コンピュータの詳細を示す901に、印刷サーバ装置1の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能やモジュールを呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。サーバ900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるネットワークカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
なお、実施の形態1では、レンダリングについては特に言及していないが、例えば、印刷物構成部132が、一の印刷物を構成する2以上の部品情報がすべて揃った後に、それら2以上の部品情報を用いて、印刷物ごと又はページごとにレンダリングを行ってもよいし、または、図示しないレンダリング部が、部品情報がすべて揃う前に、部品ごとにレンダリングを行うことは好適である。
レンダリングとは、例えば、情報を可視化する処理であるといってもよいし、部品情報を、部品の画像である部品画像に変換する処理であるとうこともできる。レンダリングは、より特定的には、例えば、加工や編集等の処理に適したベクトル形式のデータを、ラスタ出力を行うプリンタやディスプレイ等の出力デバイスに適合するビットマップ形式に変換する処理であるといってもよい。また、レンダリングは、例えば、ある種類(例えば、JPEG等)のビットマップデータを、別の種類(例えば、GIF等)のビットマップデータに変換する処理も含むと考えてもよい。さらに、レンダリングは、例えば、ビットマップデータの画質(例えば、画素数、色、明るさ等)を変更する処理をも含むと考えても構わない。
実施の形態2では、部品情報がすべて揃う前に、部品ごとにレンダリングを行う印刷サーバ装置について説明する。なお、実施の形態1と同じ動作を行う構成要素には、同じ参照番号を付し、説明を省略している、また、実施の形態1と一部異なる動作を行う構成要素には、同じ参照番号に添え字を付し、相違点だけを説明している。さらに、実施の形態1と共通の事項についての説明も省略している。
(実施の形態2)
本実施の形態における印刷システムの概念図は、図1と同様でよい。ただし、以下で図1を参照する場合、印刷サーバ装置1は、印刷サーバ装置1aと読み替える。この印刷システムは、印刷サーバ装置1a、および1または2以上の端末装置2を備える。前述した印刷サーバ装置1に対する印刷サーバ装置1aの主要な相違は、一の印刷物を構成する2以上の部品情報がすべて揃う前に、部品ごとにレンダリングを行う点である。
図11は、印刷サーバ装置1aのブロック図である。印刷サーバ装置1aは、格納部11a、受信部12、処理部13a、および出力部14を備える。格納部11aは、印刷物構成情報格納部111、部品情報格納部112、および部品画像格納部113を備える。受信部12は、部品関連情報受信部121を備える。処理部13aは、部品情報蓄積部131、印刷物構成部132a、レンダリング部133、および部品画像蓄積部134を備える。
印刷サーバ装置1aを構成する格納部11aは、各種の情報を格納し得る。各種の情報とは、例えば、前述した印刷物構成情報、前述した部品情報、および後述する部品画像などである。
なお、部品情報は、具体的には、例えば、ベクトルデータであってもよい。ベクトルデータとは、部品を構成する点や線、円、矩形等の1以上のオブジェクトを、例えば、“点”や“線”等の種類情報と、座標や長さや方向等を示す1以上の数値との組の集合で表現する形式のデータであるといってもよい。ベクトルデータは、例えば、Illustrator(登録商標)やPhotoshop(登録商標)等のデータであるが、その種類は問わない。
ベクトルデータは、後述するレンダリング部133によってビットマップデータに変換された後、プリンタ等に出力される。ビットマップデータとは、ラスタデータと同義であり、例えば、画素の集合であるといってもよい。画素とは、画像の最小単位であり、例えば、RGBやYUV等の色情報を有する。ビットマップデータは、例えば、GIFやJPEG等であるが、その種類は問わない。
または、部品情報は、例えば、元々、ビットマップデータでもよい。一の印刷物を構成する2以上の部品情報の中に、ベクトル形式の部品情報と、ビットマップ形式の部品情報とが含まれていてもよい。なお、その場合、後述するレンダリング部133は、ベクトル形式の部品情報についてのみ、ビットマップ形式に変換するレンダリングを行えばよく、元々ビットマップ形式である部品情報については、かかるレンダリングを行う必要がない。ただし、レンダリング部133は、ビットマップ形式の部品情報についても、例えば、別の種類のビットマップ形式への変換、または画質の調整のうち1種類以上の処理は行ってよい。
部品画像格納部113には、1または2以上の部品画像が格納される。部品画像は、例えば、上述したような画素の集合で構成される。部品画像は、具体的には、上述したようなビットマップデータであってもよい。
部品画像格納部113は、例えば、部品情報格納部112に格納されている2以上の部品情報に対応する2以上の部品画像を格納し得る。部品画像格納部113に格納される2以上の部品画像は、例えば、後述するレンダリング部133が、2以上の各部品情報をレンダリングし、取得した2以上の画像でもよい。
処理部13aは、各種の処理を実行する。各種の処理とは、例えば、前述した部品情報蓄積部131、後述する印刷物構成部132a、後述するレンダリング部133、および後述する部品画像蓄積部134などの処理である。
レンダリング部133は、レンダリングを行う。レンダリングは、例えば、ベクトルデータをビットマップデータに変換する処理、ある種類のビットマップデータを別の種類のビットマップデータに変換する処理、または画質を調整する処理のうちの1種類以上の処理、および処理結果のフレームメモリへの展開等の処理を含んでいてもよい。
レンダリング部133は、通常、部品ごとにレンダリングを行う。部品ごととは、1または2以上の部品情報ごとに、レンダリングを行うことである。レンダリング部133は、例えば、部品情報格納部112に格納されている1以上の各部品情報に対してレンダリングを行い、部品の画像である1以上の部品画像を取得する。
レンダリング部133は、例えば、部品関連情報受信部121が部品情報を受信したことに応じて、または部品情報蓄積部131が部品情報を蓄積したことに応じて、当該部品情報に対するレンダリングを行い、当該部品情報に対応する部品画像を取得してもよい。
または、レンダリング部133は、1以上の各部品情報のレンダリングを行うか否かを、レンダリング条件を基に判別し、レンダリング条件を満たしたことをトリガーとして、当該部品情報のレンダリングを行うことは好適である。
レンダリング条件とは、レンダリングを行うか否かの判断のための条件である。レンダリング条件は、例えば、タイミングに関する条件を含んでもよい。タイミングに関する条件は、例えば、部品関連情報受信部121が部品情報を受信したことでも、部品情報蓄積部131が部品情報を蓄積したことでもよいし、後述するタイミング情報でも構わない。タイミングに関する条件は、例えば、設定されている時刻になったこと、外部から取得された情報が条件に合致したこと等でも良い。外部から取得された情報が条件に合致したことは、例えば、外部の図示しないサーバから取得されたニュースの情報、天気の情報が条件に合致すること、受注したことが内容から判断されるメールが受信されたこと等である。
また、レンダリング条件は、例えば、受信された部品情報の量に関する条件でも良い。量に関する条件は、例えば、完成された印刷物の構成に必要な2以上の部品情報のうちx%以上の又はこれを超える数の部品が受信または蓄積されたことでもよいし、前実施の形態における未完成印刷物構成条件と同様の条件でも構わない。量に関する条件は、例えば、蓄積された部品情報のデータサイズがyMB以上またはyMBより大きくなった等でも良い。また、量に関する条件は、例えば、部品情報の数が条件を満たすほど多いこと等である。
さらに、レンダリング条件は、例えば、部品の属性値に関する条件を含んでいてもよい。その場合、レンダリング部133は、各部品の属性値に応じて、レンダリングを行う場合と、レンダリングを行わない場合とがある。
属性値とは、部品の属性を示す情報である。属性値は、例えば、データタイプ、データ量、更新日であるが、レンダリングに要する時間などでもよい。データタイプとは、部品情報の形式を示す情報である。データタイプは、例えば、テキストデータ、画像データ、ベクトルデータ、ビットマップデータ等であってもよい。データ量とは、部品情報のデータ量を示す情報である。データタイプまたはデータ量のうち1種類以上の情報は、例えば、部品情報格納部112に格納された1以上の各部品情報に含まれている。なお、レンダリングに要する時間は、部品情報のレンダリングを行う際の所要時間であり、例えば、データタイプおよびデータ量を基に算出されてもよい。
具体的には、属性値がデータタイプである場合、レンダリング条件は、例えば、「当該部品情報のデータタイプが、画像データの場合は、当該部品情報の受信または蓄積の後、直ぐにレンダリングを行い、テキストデータの場合は、最後の部品情報の受信または蓄積の後にレンダリングを行う」であってもよい。また、レンダリング条件は、例えば、「画像データでも、ベクトルデータの場合は、 ビットマップデータへの変換および画質調整等を含むレンダリングを行い、ビットマップの場合は、 ビットマップデータへの変換を除いたレンダリングを行う。」であってもよい。また、レンダリング条件は、例えば、「部品情報のデータタイプがベクトルデータまたはテキストデータである場合、当該部品情報の受信または蓄積の後、直ぐにレンダリングを行い、他のデータタイプの場合は、最後の部品情報の受信または蓄積の後にレンダリングを行う」でも良い。また、属性値がデータタイプである場合、レンダリング条件は、例えば、「当該属性値が画像のブレンドモードが指定されている場合、当該部品情報の受信または蓄積の後、直ぐにレンダリングを行う」でも良い。
また、属性値がデータ量である場合、レンダリング条件は、例えば、「当該部品情報のデータ量が、閾値より大または閾値以上の場合はレンダリングを行い、閾値以下または閾値より小の場合は、最後の部品情報の受信または蓄積の後にレンダリングを行う」等であってもよい。
また、属性値がレンダリングに要する時間である場合、レンダリング条件は、例えば、「当該部品情報のレンダリングに要する時間が、閾値より大または閾値以上の場合はレンダリングを行い、閾値以下または閾値より小の場合は、最後の部品情報の受信または蓄積の後にレンダリングを行う」等であってもよい。
また、属性値がデータ量である場合、レンダリング条件は、受信された部品情報のデータ量が予め決められた条件を満たすほど大きい(例えば、データ量が1MB以上または1MBより大きい)こと、データ量が予め決められた条件を満たすほど小さい(例えば、データ量が1KB以下または1KBより小さい)ことである。
また、属性値が部品情報の中のテキストの属性値でも良い。テキストの属性値は、例えば、テキストデータの言語、テキストデータが複数のページに跨がっていること、特定の文字列(例えば、「男性」)を含むこと等である。
また、レンダリング条件は、画像の解析結果に基づく情報を用いた条件でも良い。例えば、レンダリング条件は、画像である部品情報を画像分析し、画像の中の人物が笑顔であることでも良い。
また、属性値が更新日の場合、レンダリング条件は、例えば、部品情報の更新日が特定の日以降であること、部品情報の更新日がX日以上経過していること等である。
さらに、レンダリング条件は、例えば、部品情報を図示しないデータベース(外部のサーバに存在しても良い)を照合し、部品情報が存在すること、または部品情報がデータベース内のデータと整合が取れていること等でも良い。
レンダリング部133は、例えば、部品情報の受信または蓄積に応じて、当該部品情報のレンダリングを行うか否かの判断を行ってもよい。
また、レンダリング部133は、例えば、部品情報格納部112に格納されている1以上の各部品情報と対に、レンダリング済みか否かを示すフラグを保持している。レンダリング部133は、上記のように、部品情報の受信または蓄積に応じて、当該部品情報のレンダリングを行うか否かの判断を行った後、さらに、部品情報格納部112に格納されている1以上の各部品情報のレンダリングを行うか否かの判断を、当該部品情報と対に保持しているフラグを参照して行うことは好適である。
また、レンダリング部133は、例えば、判断を行うタイミングを示すタイミング情報を保持しており、上記のように、部品情報の受信または蓄積に応じて判断を行うのに加えて、または、これに代えて、このタイミング情報に従って判断を行ってもよい。
さらに、一の部品識別子が1または2以上の印刷物構成情報の中に、複数回、出現する印刷物構成情報を使用する場合、レンダリング部133は、当該一の部品識別子で識別される部品情報に対して、一度、レンダリングの処理を行い、当該一の部品識別子で識別される他の部品情報にはレンダリングの処理を行わないことをレンダリング条件としても良い。つまり、レンダリングが行われた一つの画像情報は、1または2以上の印刷物の中に重複して使用されることがあることは言うまでもない。
部品画像蓄積部134は、部品画像を部品画像格納部113に蓄積する。部品画像蓄積部134は、例えば、レンダリング部133が取得した部品画像を、当該部品画像と対になる部品識別子に対応付けて、部品画像格納部113に蓄積する。
印刷物構成部132aは、基本的には、前実施例の印刷物構成部132と同様の手順で印刷物を構成する。すなわち、印刷物構成部132aは、部品情報がすべて揃った後に、完成された印刷物を構成することができる。また、印刷物構成部132aは、部品情報がすべて揃う前に、未完成の印刷物を構成することもできる。
ただし、印刷物構成部132aは、完成された印刷物または未完成の印刷物を構成する際に、印刷物ごと又はページごとのいずれのレンダリングも行わない。これに代えて、印刷物構成部132aは、後述するレンダリング部133および部品画像蓄積部134の処理の結果として、部品画像格納部113に格納されている2以上の部品画像を合成することにより、完成された印刷物または未完成の印刷物を構成する。
詳しくは、印刷物構成部132aは、印刷物構成情報格納部111に格納されている印刷物構成情報に含まれる印刷物識別子で識別される印刷物を構成する2以上の部品情報がすべて揃った後、当該2以上の部品画像を、部品画像格納部113から取得し、合成することにより、当該印刷物識別子で識別される印刷物を構成することができる。
また、本実施の形態では、部品情報がすべて揃う前に、当該印刷物識別子により識別される1以上の部品情報に対応する1以上の部品画像が部品画像格納部113に格納されていることから、印刷物構成部132aは、部品画像格納部113に格納されている1以上の部品画像を合成することにより、未完成の印刷物を構成することもできる。
次に、印刷サーバ装置1aの動作について図12のフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートは、図3のフローチャートに対し、ステップS301でNOの場合に実行されるステップS301a〜S301cを追加したものである。
(ステップS301)処理部13aは、部品関連情報受信部121が端末装置2から部品関連情報を受信したか否かを判別する。部品関連情報受信部121が端末装置2から部品関連情報を受信したと判別されるとステップS302に進み、受信していないを判別されるとステップS301aに進む。
(ステップS301a)レンダリング部133は、レンダリング条件を満たした部品情報があるか否かを判断する。レンダリング条件を満たした部品情報がある場合はステップS301bに進み、ない場合はステップS309に進む。
(ステップS301b)レンダリング部133は、当該部品情報をレンダリングし、部品画像を取得する。
(ステップS301c)部品画像蓄積部134は、レンダリング部133が取得した部品画像を、当該部品画像と対になる部品識別子に対応付けて、部品画像格納部113に蓄積する。その後、ステップS301に戻る。
ステップS302以降の処理は、次の点を除き、図3と同様である。すなわち、ステップS307において、印刷物構成部132aは、部品画像格納部113に格納されている2以上の部品画像を合成することにより、完成された印刷物を構成する。また、ステップS305において、印刷物構成部132aは、部品画像格納部113に格納されている1以上の部品画像を合成することにより、未完成の印刷物を構成する。
次に、本実施の形態における印刷システムの具体的な動作例について説明する。この動作例は、以下を除き、前実施形態における動作例と同様である。
部品情報格納部112には、部品識別子に対応付けて、例えば、図13に示すような1以上の部品情報が、印刷物ごとに格納される。部品情報は、例えば、部品情報本体、および属性値を有する。部品情報本体は、画像データまたはテキストデータ等のファイルであり、例えば、“AAA.ai”または“CCC.txt”等のファイル識別子に対応付いている。属性値は、例えば、データタイプに関する属性値、またはデータ量に関する属性値などである。
印刷物ごとの1以上の部品情報とは、例えば、印刷物識別子“X”に対応する部品識別子“X1”〜“X3”で識別される3つの部品情報、および印刷物識別子“Y”に対応する部品識別子“Y(1、1)”〜“Y(4,2)”で識別される8つの部品情報などである。
上記3つの部品情報のうち、例えば、部品識別子“X1”で識別される部品情報は、部品情報本体“AAA.ai”と、データタイプに関する属性値“画像(ベクトル)”とを有する。“ai”は、Illustrator(登録商標)に対応する拡張子であり、“画像(ベクトル)”は、ベクトル形式の画像データであることを示す属性値である。同様に、部品識別子“X2”で識別される部品情報は、部品情報本体“BBB.jpg”と、データタイプに関する属性値“画像(ビットマップ)”とを有する。“画像(ビットマップ)”は、ビットマップ形式の画像データであることを示す属性値である。部品識別子“X3”で識別される部品情報は、部品情報本体“CCC.txt”と、データタイプに関する属性値“テキスト”とを有する。
上記8つの部品情報のうち、部品識別子“Y(1,1)”で識別される部品情報は、部品情報本体“aaa.psd”と、データ量に関する属性値“1MB”とを有する。“psd”は、Photoshop(登録商標)に対応する拡張子であり、“1MB”は、当該部品情報のデータ量が1MBであることを示す。同様に、部品識別子“Y(4,2)”で識別される部品情報は、部品情報本体“bbb.psd”と、データ量に関する属性値“3MB”とを有する。部品識別子“Y(4,2)”で識別される部品情報は、部品情報本体“hhh.txt”と、データ量に関する属性値“100KB”とを有する。
部品画像格納部113には、部品識別子に対応付けて、例えば、図14に示すような1以上の部品画像が、印刷物ごとに格納される。印刷物ごとの1以上の部品画像とは、例えば、印刷物識別子“X”に対応する部品識別子“X1”〜“X3”で識別される3つの部品情報と対になる3つの部品画像、および印刷物識別子“Y”に対応する部品識別子“Y(1,1)”〜“Y(4,2)”で識別される8つの部品情報と対になる8つの部品画像などである。
上記3つの部品画像とは、例えば、部品識別子“X1”で識別される部品情報が有する部品情報本体“AAA.ai”のレンダリングにより得られる部品画像“aaa.gif”、部品識別子“X2”で識別される部品情報が有する部品情報本体“BBB.jpg”と同じ部品画像“BBB.jpg”、および部品識別子“X3”で識別される部品情報が有する部品情報本体“CCC.txt”のレンダリングにより得られる部品画像“CCC.gif”である。なお、“gif”とは、GIFに対応する拡張子である。
上記8つの部品画像とは、例えば、部品識別子“Y(1、1)”で識別される部品情報が有する部品情報本体“aaa.psd”のレンダリングにより得られる部品画像“aaa.gif”、部品識別子“Y(1,2)”で識別される部品情報が有する部品情報本体“bbb.psd”のレンダリングにより得られる部品画像“bbb.gif”、…および部品識別子“Y(4、2)”で識別される部品情報が有する部品情報本体“hhh.txt”のレンダリングにより得られる部品画像“hhh.gif”などである。
現時点では、部品情報格納部112には、印刷物識別子(“X”,“Y”等)、および部品識別子(“X1”〜“X3”,Y(1,1)〜Y(4,2)等)だけが格納され、部品情報は未だ格納されていない。部品画像格納部113にも、印刷物識別子および部品識別子だけが格納され、部品画像は未だ格納されていない。なお、格納されている印刷物識別子および部品識別子は、印刷物構成情報格納部111から取得された情報である。
いま、端末装置2が、部品識別子“X1”と部品情報“AAA.ai”とを有する部品関連情報(以下、1つ目の部品関連情報と記す場合がある)を印刷サーバ装置1に送信したとする。
印刷サーバ装置1aにおいて、部品関連情報受信部121が上記1つ目の部品関連情報を受信し、部品情報蓄積部131は、部品識別子“X1”に対応付けて、部品情報本体“AAA.ai”および属性値“画像(ベクトル)”を含む部品情報(1つ目の部品情報)を、部品情報格納部112に蓄積する。
なお、部品情報蓄積部131は、例えば、ファイル識別子に含まれる拡張子と、データタイプに関する属性値との対の集合である対応情報を保持している。拡張子と属性値との対の集合とは、例えば、“ai”と“画像(ベクトル)”との対、“jpg”と“画像(ビットマップ)”との対、および“txt”と“テキスト”との対などである。部品情報蓄積部131は、受信された部品情報本体“AAA.ai”の拡張子“ai”と対になる属性値“画像(ベクトル)”を、この対応情報を用いて取得することができる。
一方、レンダリング部133は、例えば、データタイプに関するレンダリング条件、およびデータ量に関するレンダリング条件などを保持している。データタイプに関するレンダリング条件は、「当該部品情報のデータタイプが、ベクトル形式の画像データの場合は、当該部品情報の受信または蓄積の後、直ぐにレンダリングを行い、テキストデータの場合は、最後の部品情報の受信または蓄積の後にレンダリングを行い、ビットマップの場合は、ベクトル形式からビットマップ形式への変換以外のレンダリングを行う」である。データ量に関するレンダリング条件は、「当該部品情報のデータ量が、閾値“2MB”より大または“2MB”以上の場合はレンダリングを行い、閾値“2MB”以下または“2MB”より小の場合は、最後の部品情報の受信または蓄積の後、または未完成印刷物構成条件を満たした時点で、レンダリングを行う」である。
レンダリング部133は、上記1つ目の部品関連情報の受信または上記1つ目の部品情報の蓄積に応じて、レンダリング条件を満たした部品情報があるか否かを判断する。ここでは、上記1つ目の部品情報がベクトル形式の画像データであるため、レンダリング部133は、受信または蓄積の後、直ぐに、部品情報本体“AAA.ai”のレンダリングを行い、部品画像“AAA.gif”を取得する。
部品画像蓄積部134は、レンダリング部133が取得した部品画像“AAA.gif”を、当該部品画像と対になる部品識別子“X1”に対応付けて、部品画像格納部113に蓄積する。
例えば、その2時間後、端末装置2が、部品識別子“X2”と部品情報“BBB.jpg”とを有する部品関連情報(2つ目の部品関連情報)を印刷サーバ装置1に送信したとする。
印刷サーバ装置1aにおいて、部品関連情報受信部121が上記2つ目の部品関連情報を受信し、部品情報蓄積部131は、部品識別子“X2”に対応付けて、部品情報本体“BBB.jpg”および属性値“画像(ビットマップ)”を含む部品情報(2つ目の部品情報)を、部品情報格納部112に蓄積する。
レンダリング部133は、上記2つ目の部品関連情報の受信または上記2つ目の部品情報の蓄積に応じて、レンダリング条件を満たした部品情報があるか否かを判断する。ここでは、上記2つ目の部品情報がビットマップ形式の画像データであるため、レンダリング部133は、ベクトル形式からビットマップ形式への変換は行わず、画質調整等のみを行い、当該2つ目の部品情報と同じ部品画像“BBB.jpg”を取得する。
部品画像蓄積部134は、レンダリング部133が取得した部品画像“BBB.jpg”を、当該部品画像と対になる部品識別子“X2”に対応付けて、部品画像格納部113に蓄積する。
他方、印刷物構成部132aは、未完成印刷物構成条件として、「未格納の部品情報があと1つとなった時点で未完成の印刷物を構成する」を保持している。この時点で、部品情報格納部112には、完成された印刷物Xを構成するための上記3つの部品情報のうち、部品識別子“X1”および“X2”で識別される2つの部品情報が格納されたことになる。このため、印刷物構成部132aは、印刷物Xに関し、未格納の部品情報はあと1つであり、未完成印刷物構成条件を満たしたと判断する。そこで、印刷物構成部132aは、部品識別子“X1”および“X2”で識別される2つの部品情報に対応する2つの部品画像“AAA.gif”および“BBB.jpg”を部品画像格納部113から取得し、当該2つの部品画像を合成することにより、未完成の印刷物Xを構成する。
例えば、その1時間後、端末装置2が、部品識別子“32”と部品情報“CCC.txt”とを有する部品関連情報(3つ目の部品関連情報)を印刷サーバ装置1に送信したとする。
印刷サーバ装置1aにおいて、部品関連情報受信部121が上記3つ目の部品関連情報を受信し、部品情報蓄積部131は、部品識別子“X3”に対応付けて、部品情報本体“CCC.txt”および属性値“テキスト”を含む部品情報(3つ目の部品情報)を、部品情報格納部112に蓄積する。
レンダリング部133は、上記3つ目の部品関連情報の受信または上記部品情報の蓄積に応じて、レンダリング条件を満たした部品情報があるか否かを判断する。ここでは、上記3つ目の部品情報がテキストデータであるため、レンダリング部133は、上記レンダリング条件により、最後の部品情報の受信または蓄積の後にレンダリングを行うと判断する。ただし、上記3つ目の部品情報は最後の部品情報であるため、レンダリング部133は、この時点でレンダリング条件を満たしたと判断し、部品情報本体“CCC.txt”のレンダリングを行い、部品画像“CCC.gif”を取得する。
部品画像蓄積部134は、レンダリング部133が取得した部品画像“CCC.gif”を、当該部品画像と対になる部品識別子“X3”に対応付けて、部品画像格納部113に蓄積する。
これにより、部品情報格納部112には、完成された印刷物Xを構成するための上記3つの部品情報がすべて格納され、かつ、部品画像格納部113には、当該3つの部品情報に対応する3つの部品画像が格納されたことになる。そこで、印刷物構成部132aは、印刷物Xに関し、すべての部品情報が揃ったと判断し、部品画像格納部113から3つの部品情報を取得する。そして、印刷物構成部132aは、取得した3つの部品画像を合成することにより、完成された印刷物Xを構成する。
こうして、完成された印刷物Xを構成するための3つの部品情報がすべて揃う前に、部品ごとにレンダリングを行い、部品画像を蓄積しておくことで、部品情報がすべて揃ってから印刷物Xを構成するまでの時間が短縮される。また、未完成の印刷物Yを構成するのにかかる時間も短縮される。
なお、印刷物Yに関する処理は、以下のようになる。この処理は、レンダリングを行うか否かを部品情報ごとに判断するためのレンダリング条件が、データ量に関するレンダリング条件である点を除き、印刷物Xに関する上記処理と同様である。
いま、端末装置2が、部品識別子“Y(1,1)”と部品情報“aaa.psd”とを有する部品関連情報(1つ目の部品関連情報)を印刷サーバ装置1aに送信したとする。
印刷サーバ装置1aにおいて、部品関連情報受信部121が上記1つ目の部品関連情報を受信し、部品情報蓄積部131は、部品識別子“Y(1,1)”に対応付けて、部品情報本体“aaa.psd”および属性値“1MB”を含む部品情報(1つ目の部品情報)を、部品情報格納部112に蓄積する。なお、部品関連情報には、通常、部品情報のデータ量を示す情報も含まれており、部品情報蓄積部131は、例えば、1つ目の部品関連情報からデータ量“1MB”を取得し、これを属性値とすればよい。
レンダリング部133は、上記1つ目の部品関連情報の受信または上記1つ目の部品情報の蓄積に応じて、レンダリング条件を満たした部品情報があるか否かを判断する。ここでは、上記1つ目の部品情報のデータ量が1MBであるため、レンダリング部133は、データ量に関するレンダリング条件を用いて、最後の部品情報の受信または蓄積の後、または未完成印刷物構成条件を満たした時点で、レンダリングを行うと判断し、現時点ではレンダリングを行わない。
例えば、その30分後、端末装置2が、部品識別子“Y2”と部品情報“bbb.jpg”とを有する部品関連情報(2つ目の部品関連情報)を印刷サーバ装置1に送信したとする。
印刷サーバ装置1aにおいて、部品関連情報受信部121が上記2つ目の部品関連情報を受信し、部品情報蓄積部131は、部品識別子“Y2”に対応付けて、部品情報本体“bbb.psd”および属性値“3MB”を含む部品情報(2つ目の部品情報)を、部品情報格納部112に蓄積する。
レンダリング部133は、上記2つ目の部品関連情報の受信または上記2つ目の部品情報の蓄積に応じて、レンダリング条件を満たした部品情報があるか否かを判断する。ここでは、上記2つ目の部品情報のデータ量が3MBであるため、レンダリング部133は、データ量に関するレンダリング条件を満たしたと判断し、部品情報本体“bbb.psd”のレンダリングを行い、部品画像“bbb.gif”を取得する。
部品画像蓄積部134は、レンダリング部133が取得した部品画像“bbb.gif”を、当該部品画像と対になる部品識別子“Y(1,2)”に対応付けて、部品画像格納部113に蓄積する。
以降、端末装置2から、3つ目以降の部品関連情報が、適宜な時間間隔で送信される。印刷サーバ装置1aにおいて、部品関連情報受信部121が3つ目以降の各部品関連情報を受信し、部品情報蓄積部131は、3つ目以降の各部品情報を部品情報格納部112に蓄積する。レンダリング部133は、3つ目以降の各部品関連情報の受信または3つ目以降の各部品情報の蓄積に応じて、当該部品情報のデータ量がレンダリング条件を満たしたか否かを判断し、レンダリング条件を満たした部品情報のレンダリングを行い、部品画像を取得する。部品画像蓄積部134は、取得された部品画像を、当該部品画像と対になる部品識別子に対応付けて、部品画像格納部113に蓄積する。
その後、端末装置2から、8つ目以降の部品関連情報が送信される。印刷サーバ装置1aにおいて、部品関連情報受信部121が8つ目以降の部品関連情報を受信し、部品情報蓄積部131は、8つ目の部品情報を部品情報格納部112に蓄積する。レンダリング部133は、8つ目の部品関連情報の受信または8つ目の部品情報の蓄積に応じて、当該8つ目の部品情報のデータ量がレンダリング条件を満たしたか否かを判断する。ここでは、8つ目の部品情報のデータ量が1MBであるため、レンダリング部133は、データ量に関するレンダリング条件を用いて、現時点ではレンダリングを行わないと判断する。ただし、8番目の部品情報は、最後の部品情報であるため、レンダリング部133は、レンダリングを行うと判断し、部品情報本体“hhh.txt”のレンダリングを行い、部品画像“hhh.gif”を取得する。さらに、レンダリング部133は、部品情報格納部112から、未だレンダリングしていない“aaa.psd”等の部品情報を取得する。そして、レンダリング部133は、取得した“aaa.psd”等の部品情報のレンダリングを行い、“aaa.gif”等の部品画像を取得する。
部品画像蓄積部134は、取得された“hhh.gif”および“aaa.gif”等の部品画像を、当該部品画像と対になる部品識別子“Y(4,2)”および“Y(1,1)”等に対応付けて、部品画像格納部113に蓄積する。
これにより、部品情報格納部112には、完成された印刷物Yを構成するための上記8つの部品情報がすべて格納され、かつ、部品画像格納部113には、当該8つの部品情報に対応する8つの部品画像が格納されたことになる。そこで、印刷物構成部132aは、印刷物Yに関し、すべての部品情報が揃ったと判断し、部品画像格納部113から8つの部品情報を取得する。そして、印刷物構成部132aは、取得した8つの部品画像を合成することにより、完成された印刷物Yを構成する。
こうして、完成された印刷物Yを構成するための8つの部品情報がすべて揃う前に、部品ごとにレンダリングを行い、部品画像を蓄積しておくことで、部品情報がすべて揃ってから印刷物Yを構成するまでの時間が短縮される。
なお、部品情報がすべて揃う前に、未完成印刷物構成条件を満たした場合には、印刷物構成部132aは、その時点で部品画像格納部113に格納されている1以上の部品情報を合成することにより、未完成の印刷物Yを構成する。こうして、未完成の印刷物Yを構成するのにかかる時間も短縮される。
以上、本実施の形態によれば、記録媒体は、一の印刷物を識別する印刷物識別子に対応付けて2以上の部品情報が格納される部品情報格納部112と、2以上の部品情報に対応する2以上の部品画像が格納される部品画像格納部113とを具備し、印刷サーバ装置1aは、部品情報格納部112に格納されている1以上の各部品情報に対してレンダリングを行い、部品の画像である部品画像を取得し、取得した部品画像を部品画像格納部113に蓄積し、部品画像格納部113に格納されている2以上の部品画像を合成することにより、印刷物を構成するので、部品情報がすべて揃ってから、高速に、完成された印刷物を構成できる。
また、印刷サーバ装置1aは、当該部品情報に対するレンダリングを行うか否かを、レンダリングを行うための条件であるレンダリング条件を基に判別し、レンダリング条件を満たしたことをトリガーとして、当該部品情報に対するレンダリングを行い、部品画像を取得するので、部品情報がすべて揃ってから完成品を構成し終えるまでの時間を短縮できる。
また、レンダリング条件は、タイミングに関する条件を含み、印刷サーバ装置1aは、部品識別子と当該部品識別子で識別される部品情報とを有する2以上の各部品関連情報を、異なる時に受信し、受信した部品関連情報が有する部品情報を、当該部品情報と対になる部品識別子に対応付けて部品情報格納部に蓄積し、部品情報を受信したことに応じて、または部品情報蓄積部が部品情報を蓄積したことに応じて、当該部品情報に対するレンダリングを行うことにより、出来るだけ早いタイミングでレンダリングが行え、部品情報がすべて揃ってから完成品を構成し終えるまでの時間を短縮できる。
また、レンダリング条件は、部品の属性値に関する条件を含み、印刷サーバ装置1aは、部品の属性値に応じて、レンダリングを行う場合と、レンダリングを行わない場合とがあることにより、部品の属性値に応じて、適切に、事前にレンダリングを行うことができる。
また、記録媒体は、印刷物識別子と、印刷物識別子で識別される印刷物を構成するための部品情報を識別する2以上の部品識別子とを含む情報であり、完成された印刷物の構成を示す情報である印刷物構成情報が格納される印刷物構成情報格納部111をさらに具備し、印刷サーバ装置1aは、印刷物構成情報に含まれる印刷物識別子と対になる2以上の部品識別子に対応する部品情報であり、印刷物構成情報に含まれる印刷物識別子で識別される印刷物を構成するすべての部品情報が揃う前に、印刷物識別子により識別される1以上の部品情報に対応する1以上の部品画像であり、部品画像格納部113に格納されている1以上の部品画像を合成することにより、未完成の印刷物を構成するので、部品情報がすべて揃ってから完成品を構成し終えるまでの時間を短縮できる。
なお、本実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。つまり、コンピュータがアクセス可能な記録媒体は、一の印刷物を識別する印刷物識別子に対応付けて2以上の部品情報が格納される部品情報格納部112と、2以上の部品情報に対応する2以上の部品画像が格納される部品画像格納部113とを具備し、このプログラムは、コンピュータを、部品情報格納部112に格納されている1以上の各部品情報に対してレンダリングを行い、部品の画像である部品画像を取得するレンダリング部133と、レンダリング部133が取得した部品画像を部品画像格納部113に蓄積する部品画像蓄積部134と、部品画像格納部113に格納されている2以上の部品画像を合成することにより、印刷物を構成する印刷物構成部132aとして機能させるためのプログラムである。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。