本願で開示する加熱調理器は、被調理物を入れる調理容器と、前記調理容器を収容または載置する調理器本体とを備え、前記調理器本体内に、前記調理容器を加熱する誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに電力を供給する電源回路と、前記電源回路からのノイズを低減するフィルタ回路と、商用電源に接続される電源コードとが配置され、前記調理器本体から外部への前記電源コードの引き出し方向が、前記調理器本体の左右方向中心線に対して、前記電源回路と、前記電源回路と前記誘導加熱コイルとの接続端子とが配置されている側とは異なる方向に設定されている。
本願で開示する加熱調理器は、誘導加熱コイルに電力を供給する電源回路と、電源回路と誘導加熱コイルとを接続する接続端子との配置位置と、商用電源に接続される電源コードの外部への引き出し方向とが、調理器本体の左右方向中心線に対して異なる側となるように設定されている。このため、ノイズ源である電源回路と接続端子とから空中を伝搬して電源コードに励起されるノイズ成分を低減させることができ、電源コードから外部へと漏洩する雑音端子電圧を効果的に低減することができる。
本願で開示する加熱調理器は、被炊飯物を入れる前記調理容器としての内鍋と、前記内鍋を取り出し可能に収容する内鍋収容部を有する前記調理器本体である炊飯器本体と、前記内鍋収容部を開閉可能に覆う蓋体とを備えた構成とすることができる。このようにすることで、雑音端子電圧を効果的に低減した炊飯器を得ることができる。
上記加熱調理器において、前記フィルタ回路が、調理器本体の前記左右方向中心線に対して、前記電源回路と、前記電源回路と前記誘導加熱コイルとの接続端子とが配置されている側とは異なる側に配置されていることが好ましい。このようにすることで、ノイズ源である電源回路と接続端子との間隔を確保することができ、フィルタ回路へのノイズの伝搬を低減することができる。
また、前記調理器炊飯器本体からの前記電源コードの引き出し位置が、前記フィルタ回路が搭載された回路基板の下限位置よりも低い位置に設定されていることが好ましい。このようにすることで、フィルタ回路と引き出された電源コードとの距離を確保でき、高周波ノイズの伝搬を効果的に低減することができる。
さらに、本願で開示する加熱調理器では、前記電源コードの余剰部分を巻き取るコードリールを備えることができる。
以下、本願で開示する加熱調理器の実施形態として、誘導加熱コイルにより生じる渦電流で内鍋を加熱する誘導加熱方式の炊飯器で、かつ、内鍋内部の圧力を圧力弁により調節して圧力炊飯を行う炊飯器を例示して説明する。なお、本実施形態で例示する炊飯器は、蓄熱性を高めておいしいご飯を炊くことができる非金属製のコーティング層を備えた内鍋を備えた炊飯器である。
(実施の形態)
図1は、本実施形態にかかる加熱調理器である炊飯器の外観を示す斜視図であり、蓋体を閉じた状態の斜視図である。また、図2は、本実施形態にかかる炊飯器において、蓋体を開けた状態を示す斜視図である。
図1および図2に示すように、本実施形態の炊飯器は、米と水、さらに、具入り炊飯モードでは野菜や豆類、肉類などの各種の具材である被炊飯物(被調理物)を入れる調理容器としての内鍋30と、この内鍋30を内鍋収容部20aに収容することができる調理容器本体である炊飯器本体20と、炊飯器本体20の内鍋収容部20aの上方を開閉可能に覆う蓋体10とを有している。
蓋体10の後方側、すなわち、図1における右上奥方向の側には、炊飯器内部の圧力を調節する調圧機構の上端部分に位置する、蒸気放出口11aを備えたスチームキャップ11が配置されている。
本実施形態にかかる炊飯器では、蓋体10を閉じたときに蓋体10の手前側に位置する部分に、ユーザが炊飯器を操作する操作部12が配置されている。操作部12は、炊飯器の電源ON/OFFや、タイマー炊飯や保温などの各種の機能を選択する複数個の操作ボタン12a、炊飯プログラムの選択や時・分を設定する複数の選択ボタン12b、操作内容や炊飯器の状態を表示する表示パネル12cとで構成されている。また、操作部12のさらに前方側には、蓋体10のロックを解除するロックボタン13が配置されている。蓋体10は、蓋体10を炊飯器本体20に対して回動可能に固着するヒンジ機構に備えられたスプリングコイルによって付勢されていて、ユーザがロックボタン13を押下すると、後方側に開いて図2に示す状態となる。
図2に示すように、炊飯器本体20の内鍋収容部20aは、その内側に内鍋30がちょうど収まる大きさの有底筒状となっている。
本実施形態の炊飯器では、樹脂製の枠体として構成される内鍋収容部20aの底面の裏側部分に第1の誘導加熱コイルである円環状の第1のワークコイルが、また、内鍋収容部20aの側面部分の外側に第2の誘導加熱コイルである中空円筒状の第2のワークコイルが配置されている。第1のワークコイルと第2のワークコイルに高周波電圧を印加することで磁界成分が発生し、それぞれ、内鍋収容部20aの枠体を介して対向する内鍋30の底面部分、および、側面部分に渦電流を生じさせてその抵抗により内鍋を加熱する。なお、図2において、図面の煩雑化を避けるために第1のワークコイルと第2のワークコイルとの図示は省略する。
内鍋収容部20aの底面中央部分には、図示を省略するセンターセンサが配置されている。センターセンサは、炊飯器本体20の底部から上方に向かってバネなどの弾性手段を用いて付勢されていて、内鍋収容部20a内に内鍋30が収容された際に、内鍋30の底面の中心部分に接触して内鍋30の温度を正確に検出することができるようになっている。なお、センターセンサは、上面に温度検出面を配置した熱電対やサーミスタなどの熱電素子をはじめとする一般的な温度検出部材で構成することができる。
図2に示すように、蓋体10の内側面には、蓋体10が閉じたときに内鍋30の上面の開口部分を覆う内蓋14が配置され、内蓋14の一部分には、調圧孔15aと負圧パッキン15bとを有する調圧機構15が配置されている。本実施形態の炊飯器では、昇温工程や炊き上げ工程などの炊飯プログラム中の高温で実行される炊飯工程で、内鍋30内の圧力を1気圧以上として被炊飯物の沸騰温度を100度以上とする加圧炊飯が行われ、しっかりと水分を蒸発させてよりおいしくご飯を炊くことができる。
図3は、本実施形態にかかる炊飯器の基本的な構成を示すブロック図である。
なお、図3に示される各ブロックは、本実施形態にかかる炊飯器の動作に関与する各構成部分をその機能面で区別して示しているものであり、炊飯器内部に配置される実際の部品の区別とは異なっている。このため、図3において、一つのブロックとして示されるものが複数の構成部品で構成されていたり、反対に、複数のブロックの機能を果たす回路部品が一つの基板上に搭載されていたりする場合がある。
図3に示すように、本実施形態にかかる炊飯器は、被炊飯物31が収容される内鍋30の温度を検出するセンターセンサ21からの情報を得て、制御回路51が、内鍋30を加熱する誘導加熱コイルに電力を供給する電源回路43、内鍋30の上方を覆う蓋体10に配置された調圧弁などを制御する調圧機構15の動作を制御して、炊飯プログラムを実行する。
なお、制御回路51には、ユーザからの操作を受け付けるとともにユーザに炊飯器の動作状況などを報知する操作部12の操作ボタン12a、12b、表示パネル12cなどを動作させる入出力部52、炊飯工程における経過時間をカウントするタイマー部53、炊飯プログラムや入出力部52の表示パネル12cでの表示内容を記憶する記憶部54などが接続されていて、制御回路51による炊飯プログラムの実行に寄与している。
本実施形態にかかる炊飯器では、上述のように内鍋30を加熱する誘導加熱コイルとして、内鍋30の底面に対向して配置された円環状の第1のワークコイル41と、内鍋30側面の下側部分に対向して内鍋30を取り囲むように配置された第2のワークコイル42とを備えている。これら2つのワークコイル41、42は、それぞれ一対の接続端子44a、44bによって電源回路43に接続されている。なお、以下の説明において、電源回路43と、電源回路43とワークコイル41、42とを接続する接続端子44a、44bとを併せて電源回路部45と称することがある。ワークコイル41、42は、電源回路43から供給される高周波電圧によって誘導磁界が生成され、この誘導磁界によって内鍋30に生じる渦電流で内鍋30が加熱される。
図4に電源回路の回路構成図を示す。
本実施形態の炊飯器の電源回路43は、図4に示すような一般的な高圧スイッチング回路(インバータ回路)として構成することができ、商用電源である交流電源61からの交流電圧に接続されたダイオードブリッジ62、チョークコイル63、平滑コンデンサ64からなる整流回路の出力に、ワークコイル41、42と共振コンデンサ65との並列体と、IGBTやMOSFETなどで構成されるスイッチング素子66とが直列に接続されている。
なお、スイッチング素子66を制御する制御回路51は、商用電源61から得られた交流電圧を所定の直流電圧(一例として5V)に変換して動作電源としている。制御回路51からスイッチング素子66の端子に印加される制御信号に応じて、ワークコイル41、42に印加される電圧値と印加タイミングとが変化して、ワークコイル41、42から内鍋30に印加される加熱量が変化する。
このような電源回路43において、スイッチング素子66では高い周波数でオン/オフが切り換えられるためスイッチング素子66自体が、高周波電源ノイズのノイズ源となる。また、スイッチング素子66と直列に接続された誘導加熱コイル41、42の接続端子44は、両端子間に高周波の電圧が印加されることから、スィッチング素子66と同様に高周波電源ノイズのノイズ源となる。
図3に示すように、本実施形態にかかる炊飯器では、ノイズ源となる電源回路43と電源コード47との間に、電源ラインを介して伝搬するノイズをキャンセルするフィルタ回路46が配置されている。フィルタ回路46は、高周波成分のノイズを除去するコンデンサやチョークコイルなどを用いて、除去すべきノイズの周波数成分に対応させた電気回路として構成することができる。また、除去するノイズも、コモンモードのノイズとノーマルモードのノイズとの、いずれか一方、または、両方を除去する構成を適宜選択することができる。
図5は、本実施形態にかかる炊飯器の炊飯器本体における底面部分の内部構成を示した下面図である。
図5では、炊飯器本体20の外郭を構成する樹脂製筐体を取り除いて、炊飯器本体20の底面側から見た状態を示している。
図5において、一点鎖線70は、炊飯器本体20の左右方向中心線、すなわち、図1、または、図2に示したように、操作部12を手前側とする通常の使用状態における炊飯器の左右方向の中心を通り、炊飯器の前方と後方とを結ぶ線を示している。なお、本実施形態の炊飯器では、炊飯器本体20の左右方向中心線70が、内鍋30の底面中央に当接するように内鍋収容部20aの中心に配置されているセンターセンサ21を支持するセンターセンサ基板75の中央部分を通っている。
図5は、通常の使用状態を示す図1、図2とは上下方向が反転しているため、図5に矢印71として示す側が、炊飯器における左右方向中心線70の右側となる。同様に、図5に矢印72として示す側が、炊飯器における左右方向中心線70の左側となる。以下の説明で左右の方向を説明するに当たっては、炊飯器の通常の使用状態における左右方向を用いて、矢印71側を右側、矢印72側を左側と称することとする。なお、図5においては、図5の上方側が炊飯器本体20の後方(奥)側、図5の下方側が炊飯器本体20の前方(手前)側となる。
図5に示すように、本実施形態にかかる炊飯器では、電源回路43、第1のワークコイル41の接続端子44aが、左右方向中心線70の右側(矢印71方向)の後方側部分に配置されている。なお、第2のワークコイル42は図5では見えていないが、第2のワークコイル42の接続端子44bも左右方向中心線70の右側(矢印71方向)の後方側部分に配置されている。すなわち、本実施形態にかかる炊飯器では、電源回路43と接続端子44とを含む電源回路部45が、炊飯器本体20の左右方向中心線70の右側(矢印71方向)に配置されている。
一方、本実施形態にかかる炊飯器では、フィルタ回路46は、炊飯器本体20の左右方向中心線70に対して左側(矢印72方向)の後方部分に配置されている。なお、電源回路部45とフィルタ回路46とは、炊飯器本体において左右方向の中心部分の後方側に配置されている冷却ファン74を介して、左右方向の略対称となる位置に配置されている。このようにすることで、電源回路部45とフィルタ回路46とを、炊飯器本体20の中央部分に位置する内鍋収容部20aと平面視略矩形状の炊飯器本体20の外郭との間の間隙部分に、互いの距離がより大きくなる状態で配置することができ、電源回路部45からフィルタ回路46への漏洩電波の干渉を最低限に抑えることができる。
冷却ファン74の後方側には、電源コード47の余剰部分を巻き取るコードリール73が配置されている。本実施形態の炊飯器では、コードリール73は、その巻き取り面が垂直方向となるように、炊飯器本体20の後端部分に配置されている。このように、コードリール73をその巻き取り面が垂直方向となるように配置することで、略円筒形状である内鍋収容部20aと炊飯器本体20の外郭との間隔が狭い部分でも、コードリール73を配置することができ、炊飯器本体20を平面視した際の面積拡大を防止することができる。
本実施形態にかかる炊飯器では、コードリール73に巻き取られている電源コード47は、先端のプラグ48が炊飯器本体20の左側(矢印72)側に向くように配置されている。このため、電源コード47の引き出し方向は、電源回路43と、ワークコイル41との接続端子44とが配置されている側(矢印71側)とは、炊飯器本体20の左右方向中心線70に対して反対側となっている。このようにすることで、本実施形態にかかる炊飯器では、電源コード47を伝って外部へと伝搬する雑音端子電圧を低減することができる。
図6は、本実施形態にかかる炊飯器において、電源ラインを伝搬して外部へと漏出するノイズの伝搬状況を説明するためのイメージ図である。
図6では、電源コードからワークコイルまでの炊飯器本体内における電源ラインを太白線で示すと共に、この電源ラインを伝って伝搬するノイズと、空気中を伝わってリード線などに誘起されることで伝搬するノイズの流れを説明したものである。なお、図6では、電源回路やワークコイル、フィルタ回路、コードリール、電源コードなどの各構成部材の相対的な配置関係を、図5で示した本実施形態にかかる炊飯器の下面図における配置と同じとなるようにして記載している。
前述のように、誘導加熱コイルであるワークコイルに高周波電圧を印加し、ワークコイルから生じる誘導磁界により内鍋表面に生じる渦電流によって内鍋を温める誘導加熱方式の炊飯器では、電源回路におけるIGBTなどのスイッチング素子とワークコイルとが高周波ノイズのノイズ源81となる。
図6に示すように、ノイズ源81であるワークコイルやスイッチング素子で生じた高周波ノイズは、電気回路の配線や他の電気素子を介して電源回路を伝わり(図中矢印86a)、さらに、炊飯器本体内で電源供給のために用いられている電源リードを介してフィルタ回路まで伝搬する(図中矢印86b)。このノイズの伝搬は、電源ラインを逆向きにたどる直接的な伝搬であるため、電源回路や電源リードは一つ目のノイズ伝搬部82、さらに、フィルタ回路は2つめのノイズ伝搬部83と考えることができる。
フィルタ回路は高周波ノイズを除去するように構成されているため、電源ラインをたどってきたノイズの流れ(矢印86a、86b)は、フィルタ回路でとまりその先の電源コードへは基本的には伝わらないと考えることができる。
一方、ノイズ源81であるスイッチング素子やワークコイルからは、接続端子などを放射源とする放射ノイズ(図中矢印87)が伝搬する。この放射ノイズ86によってノイズが励起されるために、コードリールを第1の受信部84と、コードリールから引き出された電源コードを第2の受信部85と把握することができる。
放射ノイズ87は、ノイズ源81である電源回路や接続端子との物理的な距離が大きくなるほど伝搬度合いが小さくなる。本実施形態にかかる炊飯器では、電源コードの引き出し方向を、炊飯器本体内部における電源回路部とは反対の方向としているため、ノイズ源81である電源回路や接続端子から、電源コードへのノイズの伝搬87bを低減することができる。また、電源コードの引き出し方向を図6における右側方向とすることで、電源コードの余剰部分を収納するコードリールの位置も、電源コードの引き出し方向を左側とした場合に比べて図6中の右方向に位置させることができ、ノイズ源81からコードリールへのノイズの伝搬87aも小さく抑えることができる。
空気中を伝搬するノイズは、ノイズ源81であるスイッチング素子や接続端子以外にも、伝送部82における電源回路の各端子部分や、電源リードを介して電源回路に接続された他の電気回路、フィルタ回路の端子部分からも放射される(87c、87d、87e)。しかし、これら伝送部82からの放射ノイズ(87c、87d、87e)は、ノイズ源81からの放射ノイズ(87a、87b)と比較して弱い。このため、受信部85である電源コードとの距離が短くても、電源コイルに励起されるノイズは小さい。
なお、図5に示すように、本実施形態の炊飯器ではフィルタ回路46を電源コードの引き出し方向と同じ側(矢印72側)に配置しており、また、電源コードを引き出すコードリール73とフィルタ回路46とを炊飯器本体20の後方部分の内鍋収容部20aと筐体との間に配置しているため、フィルタ回路46と引き出された電源コード47との間隔は基本的に短くなる。本実施形態の炊飯器では、電源コード47の引き出し位置を、フィルタ回路46が搭載された回路基板の下限位置よりも下側とすることで、電源コード47をフィルタ回路46からできるだけ遠ざけて、フィルタ回路46が搭載された回路基板からの放射ノイズ87eが電源コード47に伝搬することを極力抑えている。
以上の通り、本実施形態にかかる炊飯器では、電源回路43と電源コード47との間に電源ノイズを除去するフィルタ回路46を配置することで、電源ラインを経由してノイズ源81から電源コード47に伝搬するノイズを除去すると共に、電源コード47の引き出し方向を、炊飯器本体20の左右方向中心線70に対してノイズ源81である電源回路部45が配置されている方向とは異なる方向に設定することで、ノイズ源81から電源コード47への放射ノイズの伝搬を抑えて、電源コード47から外部へと伝搬するノイズの低減を実現している。
図7〜図9は、本実施形態の炊飯器と、2つの比較例の炊飯器における雑音端子電圧の測定結果を示すグラフである。
図7は、図5に炊飯器本体内部の配置位置を示した本実施形態にかかる炊飯器における端子雑音電圧の特性図である。これに対し、図8は、第1の比較例としての炊飯器における雑音端子電圧の特性図であり、本実施形態の炊飯器とはコードリール73の配置方向を逆向きにして、電源回路43や接続端子43が配置されている方向と同じ右方向(矢印71の方向)に電源コード47が引き出されるように設定された炊飯器での特性を示している。図9は、さらに別の第2の比較例の炊飯器における雑音端子電圧の特性図であり、電源コード47の引き出し方向は第1の比較例の炊飯器と同様に設定し、電源回路43と電源コード47との間にアルミシートを配置して電源コード47をシールドした場合の特性測定の結果を示している。
なお、図7〜図9の雑音端子電圧は、IEC(International Electrotechnical Commission)のノイズ規制規格CISPR(Comite International Special des Perturbations Radioelectriques)のEN61000−6−4に基づいて、LISN(Line Impewdance Stabilization Network :電源インピーダンス安定化回路網)を用いて測定した。
図7に示す本実施形態の炊飯器からの雑音端子電圧は、0.01MHzから30MHzまでのすべての周波数帯域において、図中点線で示すCISPRの許容値を下回っている。特に、0.5MHzから30MHzの周波数帯域において図8に示す比較例1の炊飯器のノイズレベルと比較して、10dB以上低くなっていることがわかる。
これに対し、比較例1の炊飯器では、0.5MHzから30MHzの周波数帯域において、準尖頭値の許容値56dB(μV)を満たしていない。一方、第2の比較例の炊飯器でも、CISPRの許容値を満たしているが、本実施形態の炊飯器では、第2の比較例の炊飯器のようなシールド部材を配置していないため、第2の比較例の炊飯器と同等な雑音端子電圧特性を、電源コードの引き出し方向の設定のみで実現できていることとなり、より低コストで漏洩ノイズの少ない炊飯器を実現できていることがわかる。
以上説明したように、本実施形態の炊飯器では、電源コードの引き出し方向を規定するだけで、追加の部材を用いることなく電源コードから外部へと伝搬する漏洩ノイズを低減することができる。
なお、上記の実施形態において、内鍋を加熱する誘導加熱コイルとして、2つのワークコイルを備えたものを例示したが、本願にかかる炊飯器としては、誘導加熱コイルを1つ、または、3つ以上備えることができることは言うまでもない。
また、上記実施形態においては、内鍋内の空間の圧力を制御する調圧機構を備え加圧炊飯を行う炊飯器を例示したが、本願で開示する炊飯器において加圧炊飯を行うことは必須ではない。同様に、上記実施形態では、非金属製のコーティング層を備えた内鍋を備えた炊飯器を例示したが、内釜の素材として、ステンレスや動などを用いた金属製の内鍋やいわゆる土釜タイプの非金属製の内鍋を備えた炊飯器として実現することができる。
また、炊飯器の蓋体の形状、操作部の配置位置など炊飯器の形状、デザインなども自由に設計することができる。
なお、上記実施形態では、電源コードの余剰部分を巻き取るコードリールを備えた炊飯器を例示したが、コードリールを用いずに、電源回路に接続された電源コードが炊飯器本体から外方へと延出する炊飯器とすることができる。この場合において、炊飯器本体からの電源コードの引き出し方向とは、炊飯器本体に形成される電源コードのインレットの延出方向を意味する。
以上、本願で開示する加熱調理器について炊飯器を例示して説明したが、本願で開示する、誘導加熱コイルに電力を供給する電源回路などからの高周波ノイズが電源コードを伝わって漏洩する雑音端子電圧を低減できる構成は、ホームベーカリー、フードプロセッサーなど、被調理物を収容した調理容器を誘導加熱コイルで加熱して調理する加熱調理器全般に同様に採用でき、同様の効果を奏することができる。
なお、炊飯器以外の誘導加熱方式の加熱調理器の場合、加熱調理器としての構成は炊飯器とは異なる様々な形態が想定できる。例えば、被調理物を入れた調理容器を調理器本体から取り出し可能とするのではなく、調理器本体内に調理容器が固定されている加熱調理器が考えられる。また、調理容器を調理器本体上に載置して、調理容器の底面に対向するように調理器本体内に配置された誘導加熱コイルを用いて、調理容器内の被調理物を加熱する構成が想定できる。さらに、調理容器を調理器本体内部に取り出し可能に収容する構成の場合であっても、調理容器の上方を覆う蓋体を備えた構造ではなく、調理器本体の側面に形成された容器取り出し口から調理容器を略水平方向に、取り出し・収納可能な構成とすることもできる。