JP2018200776A - セラミックヒータ及びグロープラグ - Google Patents

セラミックヒータ及びグロープラグ Download PDF

Info

Publication number
JP2018200776A
JP2018200776A JP2017104236A JP2017104236A JP2018200776A JP 2018200776 A JP2018200776 A JP 2018200776A JP 2017104236 A JP2017104236 A JP 2017104236A JP 2017104236 A JP2017104236 A JP 2017104236A JP 2018200776 A JP2018200776 A JP 2018200776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic heater
end side
resistance portion
resistance
conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017104236A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6951126B2 (ja
Inventor
洋平 菅
Yohei Suga
洋平 菅
竹内 裕貴
Hirotaka Takeuchi
裕貴 竹内
良仁 猪飼
Yoshihito Igai
良仁 猪飼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2017104236A priority Critical patent/JP6951126B2/ja
Publication of JP2018200776A publication Critical patent/JP2018200776A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6951126B2 publication Critical patent/JP6951126B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

【課題】消費電力を抑えることができ、かつ、耐久性を有するセラミックヒータ又はグロープラグを提供する。【解決手段】セラミックヒータにおいて、発熱部121は、第1導電部122から基体110の先端側に延びる第1抵抗部121Aと、第2導電部123から基体110の先端側に延びる第2抵抗部121Bと、第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bの先端側を連結する連結部121Cと、を備える。第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bには、曲げ部132,133がそれぞれ形成されている。曲げ部132,133は、セラミックヒータにおいて、表面の最高発熱温度に対して96%以上の温度となる表面を有する高温領域を通り、且つ軸線方向に直交する所定の断面Cs内に位置する。【選択図】図4

Description

本発明は、セラミックヒータ及びグロープラグに関するものである。
従来、グロープラグなどに用いられるセラミックヒータとして、絶縁性セラミックからなる棒状の基体の内部に、導電性セラミックからなる折り返し形状の抵抗体を埋設したセラミックヒータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のセラミックヒータは、発熱部として構成された抵抗体の一部(小径部)の断面積と、この小径部の両端に接続されたリード部(大径部)の断面積との比率を所定範囲に規定することで、消費電力を抑制しつつ、急速昇温を可能としている。
特開2006−24394号公報
ところで、特許文献1のセラミックヒータを含む従来のセラミックヒータでは、発熱部の断面積を小さくすることで消費電力を抑えており、単に発熱部の断面積を小さくするだけでは、発熱部の強度の低下を招いてしまうという問題があった。しかも、発熱部の断面積を小さくすると、発熱部の体積の減少を伴うため、セラミックヒータの表面を目標温度に到達させるために、より発熱させなければならなくなる。その結果、熱応力が増大し、熱応力に起因する不具合(断線等)が発生しやすくなるため、通電耐久性が低下する虞がある。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、消費電力を抑えることができ、かつ、耐久性を有するセラミックヒータ又はグロープラグを提供することを目的とするものである。
本発明の一つの解決手段であるセラミックヒータは、
絶縁性セラミックからなり、後端側から先端側へ軸線方向に沿って延びる基体と、
導電性セラミックからなり、前記基体に埋設される抵抗体であり、前記基体の後端側に配置されて前記軸線方向に沿って延びる一対の導電部と、前記一対の導電部に接続するとともに、前記導電部からの通電によって発熱する発熱部と、を有する抵抗体と、を備え、
前記発熱部は、自身の後端側が一方の前記導電部の先端側に接続するとともに、一方の前記導電部から前記基体の先端側に延びる第1抵抗部と、自身の後端側が他方の前記導電部の先端側に接続するとともに、他方の前記導電部から前記基体の先端側に延びる第2抵抗部と、前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部の先端側を連結する連結部と、を備えるセラミックヒータであって、
前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部の少なくともいずれか一方に、所定方向に延びる基端側抵抗部と、前記基端側抵抗部よりも先端側において前記基端側抵抗部とは異なる方向に延びる先端側抵抗部と、前記基端側抵抗部と前記先端側抵抗部とを連結する曲げ部と、が形成され、
前記曲げ部は、前記セラミックヒータにおいて、表面の最高発熱温度に対して96%以上の温度となる表面を有する高温領域を通り、且つ前記軸線方向に直交する所定の断面内に位置する。
上記セラミックヒータは、第1抵抗部及び第2抵抗部の少なくともいずれか一方に曲げ部が形成されているため、発熱部において曲げ部付近の電流密度を局所的に高めることができる。しかも、曲げ部は、セラミックヒータにおいて、表面の最高発熱温度に対して96%以上の温度となる表面を有する高温領域を通り、且つ軸線方向に直交する所定の断面内に位置している。つまり、セラミックヒータの高温領域近傍で電流密度を高めることができ、高温領域において発熱を一層増大させることができる。ゆえに、高温領域の表面において温度がより急速に上昇しやすくなり、セラミックヒータの表面の温度を目標温度に到達させるために必要な消費電力が抑えられる。しかも、発熱部の断面積を大きく減少させずに上述の効果を生じさせることができるため、耐久性の低下を招きにくい。
上記セラミックヒータにおいて、曲げ部は、第1抵抗部及び第2抵抗部にそれぞれ形成されていてもよい。そして、第1抵抗部及び第2抵抗部のいずれの曲げ部も、高温領域を通り、且つ軸線方向に直交する所定の断面内にそれぞれ位置していてもよい。
このセラミックヒータは、第1抵抗部及び第2抵抗部のそれぞれで電流密度を高めることができるため、セラミックヒータの表面の温度を目標温度に到達させるために必要な消費電力がさらに抑えられる。しかも、第1抵抗部及び第2抵抗部のそれぞれの断面積を大きく減少させずに上述の効果を生じさせることができるため、耐久性の低下をさらに招きにくい。
その上、このセラミックヒータは、第1抵抗部及び第2抵抗部のそれぞれで電流密度を高めることができるため、第1抵抗部と第2抵抗部とが対向する対向方向において均熱化が図られる。
上記セラミックヒータにおいて、第1抵抗部及び第2抵抗部のいずれの曲げ部も、高温領域を通り、且つ軸線方向に直交する同一断面内に位置していてもよい。
このセラミックヒータは、第1抵抗部及び第2抵抗部のいずれの曲げ部も、軸線方向に直交する同一断面内に位置するため、第1抵抗部と第2抵抗部とが対向する対向方向において均熱化を図りつつ、軸線方向の所定位置付近(上記同一断面近傍)において発熱をより集中させることができる。
上記セラミックヒータにおいて、基体の表面と発熱部との間の最短距離が0.2mm以上であってもよい。
このセラミックヒータは、耐久性の低下を抑えた形で消費電力の抑制を図りつつ、基体の表面と発熱部との距離を確保することで、発熱部が外気にさらされにくくなり、耐腐食性を高めることができる。
上記セラミックヒータにおいて、先端側抵抗部は、基端側抵抗部に対して、第1抵抗部と第2抵抗部とが対向する対向方向及び軸線方向と直交する鉛直方向の一方側に傾斜する構成をなしていてもよい。
第1抵抗部と第2抵抗部とが対向する対向方向及び軸線方向と直交する方向(鉛直方向)の一方側に先端側抵抗部を傾斜させる構成とすれば、曲げ部の曲げ角度(基端側抵抗部に対する先端側抵抗部の傾斜角度)を大きくしやすい。
上記セラミックヒータにおいて、先端側抵抗部は、基端側抵抗部に対して、第1抵抗部と第2抵抗部とが対向する対向方向の一方側に傾斜する構成をなしていてもよい。
先端側抵抗部を、上記対向方向の一方側に傾斜させる構成とすれば、軸線方向及び対向方向と直交する鉛直方向に発熱部が嵩張らなくなり、先端側抵抗部が上記直交方向に嵩張ることに起因する製造上の手間又は負担を軽減することができるため、セラミックヒータを製造する上で有利な構成となる。
上記セラミックヒータは、抵抗体において一対の導電部と発熱部とが同一の材料によって形成されていてもよく、発熱部と一対の導電部とが異なる材料によって形成されていてもよい。抵抗体において一対の導電部と発熱部とが同一の材料によって形成されている場合、抵抗体の先端側における相対的に径が細い部分を「発熱部」とし、相対的に径が太い部分を「導電部」とすることができる。また、発熱部と一対の導電部とが異なる材料によって形成されている場合、抵抗体の先端側の材料の部分、即ち、基端側と異なる材料の部分を「発熱部」とし、抵抗体の基端側の材料の部分を「導電部」とすることができる。
本発明の他の解決手段であるグロープラグは、セラミックヒータとセラミックヒータを保持する金具とを備えるグロープラグであって、セラミックヒータが上記いずれかのセラミックヒータを含む。
このグロープラグにおいても、上述したセラミックヒータを含むので、セラミックヒータの表面の温度を目標温度に到達させるために必要な消費電力が抑えられる。しかも、発熱部の断面積を大きく減少させずに上述の効果を生じさせることができるため、耐久性の低下を招きにくい。
本発明によれば、消費電力を抑え、昇温性能を高め得るセラミックヒータ又はグロープラグを実現することができる。
第1実施形態のグロープラグの一例を示す断面概略図である。 第1実施形態のグロープラグのうち、第1態様のセラミックヒータを含む部分を拡大して示す拡大断面図である。 図2で示すセラミックヒータの一部を拡大して示す拡大断面図である。 図4(A)は、第1態様のセラミックヒータにおける発熱抵抗体を部分的に示す側面図であり、図4(B)は、図4(A)とは異なる方向から見た側面図である。 第2態様のセラミックヒータの一部を拡大して示す拡大断面図である。 第2態様のセラミックヒータにおける発熱抵抗体を部分的に示す側面図である。
A.第1実施形態
A1.グロープラグの構成
図1は、第1実施形態のグロープラグの一例を示す概略図である。図2は、図1で示すグロープラグ1のうちのセラミックヒータ40を含む部分を示す拡大断面図である。図1、図2において図示されたラインCLは、グロープラグ1の中心軸を示している。図1において図示された断面は、中心軸CLを含む断面であり、抵抗体120については省略して示している。図2において図示された断面は、抵抗体120に沿って切断した切断面を示すものである。図2において、曲げ部132,133(後述)よりも後端側の断面は、グロープラグ1の中心軸CLを含む断面であり、第1導電部122及び第2導電部123の各中心軸と基端側抵抗部134A,135Aの各中心軸とを通る面方向の断面となっている。図2において、曲げ部132,133よりも先端側の断面は、先端側抵抗部134B,135Bのそれぞれの中心軸C1,C2(図4)を含む断面であり、各中心軸C1,C2を通る面方向の断面となっている。
以下、中心軸CLのことを「軸線CL」とも呼び、中心軸CLと平行な方向を「軸線方向」とも呼ぶ。中心軸CLを中心とする円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、中心軸CLを中心とする円の円周方向を「周方向」とも呼ぶ。中心軸CLと平行な方向のうち、図1における下方向を第1方向D1と呼ぶ。第1方向D1は、後述する端子部材80からセラミックヒータ40に向かう方向である。図中の第2方向D2と第3方向D3とは、互いに垂直な方向であり、いずれも、第1方向D1と垂直な方向である。以下、第1方向D1を、先端方向D1とも呼び、第1方向D1の反対方向を、後端方向D1rとも呼ぶ。また、図1における先端方向D1側をグロープラグ1の先端側と呼び、図1における後端方向Dr1側をグロープラグ1の後端側と呼ぶ。
図1のように、グロープラグ1は、主体金具20と、中軸30と、セラミックヒータ40と、Oリング50と、絶縁部材60と、金属外筒70(以下、単に「外筒70」とも呼ぶ)と、端子部材80と、接続部材90と、を含む。
主体金具20は、中心軸CLに沿って延びる貫通孔20Aを有する筒状の部材である。主体金具20は、後端方向Dr1側の端部に形成された工具係合部28と、工具係合部28よりも先端方向D1側に設けられた雄ネジ部22と、を含む。工具係合部28は、グロープラグ1の脱着時に、図示しない工具と係合する部分である。雄ネジ部22は、図示しない内燃機関の取付孔に形成された雌ネジに螺合するためのネジ山を含んでいる。主体金具20は、導電性材料(例えば、炭素鋼等の金属)で形成されている。
主体金具20の貫通孔20Aには、中軸30が収容されている。中軸30は、丸棒状の部材である。中軸30は、導電性材料(例えば、ステンレス鋼)で形成されている。中軸30の後端方向Dr1側の端部である後端部39は、主体金具20の後端方向Dr1側の開口部20Bから後端方向Dr1に向かって突出している。
開口部20Bの近傍において、中軸30の外面と、主体金具20の貫通孔20Aの内面と、の間には、Oリング50が設けられている。Oリング50は、弾性材料(例えば、ゴム)で形成されている。主体金具20の開口部20Bには、リング状の絶縁部材60が装着されている。絶縁部材60は、筒状部62と、筒状部62の後端方向Dr1側に設けられたフランジ部68と、を含む。筒状部62は、中軸30の外面と、主体金具20の開口部20Bを形成する部分の内面と、の間に挟まれている。絶縁部材60は、例えば、樹脂によって形成されている。主体金具20は、これらOリング50及び絶縁部材60を介して、中軸30を支持している。
絶縁部材60の後端方向Dr1側には、端子部材80が配置されている。端子部材80は、キャップ状の部材であり、導電性材料(例えば、ニッケル等の金属)で形成されている。端子部材80と主体金具20との間には、絶縁部材60のフランジ部68が挟まれている。端子部材80には、中軸30の後端部39が挿入されている。端子部材80が加締められることによって、端子部材80が後端部39に固定されている。このような構造により、端子部材80と中軸30とが電気的に接続されている。
主体金具20の先端方向D1側の開口部20Cには、外筒70が固定されている。外筒70は、例えば、圧入や溶接などによって開口部20Cに固定されている。外筒70は、中心軸CLに沿って延びる貫通孔70Aを有する筒状の部材である。外筒70は、導電性材料(例えば、ステンレス鋼)で形成されている。
外筒70の貫通孔70Aには、通電によって発熱するセラミックヒータ40が挿入されている。セラミックヒータ40は、中心軸CLに沿って延びるように配置された棒状の部材である。外筒70は、セラミックヒータ40の先端部41が露出した状態で、セラミックヒータ40の中央部分の外周面を、保持している。セラミックヒータ40の後端部49は、主体金具20の貫通孔20Aに収容されている。
セラミックヒータ40の後端部49には、接続部材90が固定されている。接続部材90は、中心軸CLに沿って延びる貫通孔を有する円筒状の部材であり、導電性材料(例えば、ステンレス鋼)で形成されている。接続部材90の先端方向D1側には、セラミックヒータ40の後端部49が圧入されている。接続部材90の後端方向Dr1側には、中軸30の先端方向D1側の端部である先端部31が圧入されている。このような構造により、中軸30と接続部材90とが電気的に接続されている。
A2.セラミックヒータ40の構成
(第1態様)
次に、図2、図3などを参照し、第1態様のセラミックヒータ40について説明する。図2、図3では、第1態様のセラミックヒータ40の詳細を説明する。図2は、金属外筒70、接続部材90、セラミックヒータ40などを、より詳細に示す断面図である。図3は、図2mで示す断面図の一部を更に拡大した断面拡大図である。
図2のように、セラミックヒータ40は、後端側から先端側へ軸線CLと平行な方向(軸線方向)に沿って延びる丸棒状の基体110と、基体110の内部に埋設された略U字状の発熱抵抗体120(以下、単に「抵抗体120」と呼ぶ)とを含む。セラミックヒータ40は、材料を焼成することによって、形成される。
基体110は、絶縁性セラミック材料で形成されている。本実施形態では、基体110を形成するセラミック材料は、窒化珪素(Si)から主に成る。他の実施形態としては、基体110を構成する窒化珪素(Si)のうち、珪素(Si)の少なくとも一部がアルミニウム(Al)で置換され、窒素(N)の少なくとも一部が酸素(O)で置換されてもよい。
抵抗体120は、導電性セラミック材料で形成されている。抵抗体120を形成する導電性セラミック材料は、通電発熱できる導電性物質であればよく、本実施形態では、炭化タングステン(WC)と窒化珪素との混合物が用いられる。他の実施形態としては、二珪化モリブデン(MoSi)と窒化珪素との混合物等が用いられてもよい。
基体110の先端部(すなわち、セラミックヒータ40の先端部41)は、先端側に向かって徐々に細くなっている。抵抗体120の電気伝導率は、基体110の電気伝導率よりも高い。抵抗体120は、通電がなされることによって発熱する。
図2のように、抵抗体120は、2本のリード部として構成される第1導電部122、第2導電部123と、第1導電部122及び第2導電部123に接続された発熱部121と、電極取出部124、125と、を含んでいる。第1導電部122、第2導電部123は、一部が基体110の後端110A側に配置されて後端110A側から先端110B側に向かって軸線方向に沿って延びる一対の導電部である。第1導電部122、第2導電部123の各々は、セラミックヒータ40の後端部49から先端部41の近傍まで軸線CLと平行に延びている。第1導電部122と第2導電部123は、中心軸CLを挟んでおおよそ対称な位置に配置されている。第1導電部122から第2導電部123へ向かう方向が、第3方向D3である。
図3のように、発熱部121は、上述した導電部からの通電によって発熱する部分であり、第1抵抗部121Aと、第2抵抗部121Bと、連結部121Cと、を備える。第1抵抗部121Aは、自身の後端側が一方の導電部(第1導電部122)の先端側に接続するとともに、第1導電部122から基体110の先端側に延びている。第2抵抗部121Bは、自身の後端側が他方の導電部(第2導電部123)の先端側に接続するとともに、第2導電部123から基体110の先端側に延びている。連結部121Cは、第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bのそれぞれの先端側を連結する構成をなす。抵抗体120は、発熱部121と一対の導電部(第1導電部122及び第2導電部123)とが同一の材料によって形成されている。図3等で示す例では、抵抗体120の先端側における相対的に径が細い部分が発熱部121であり、相対的に径が太い部分が一対の導電部(第1導電部122及び第2導電部123)である。
図3、図4のように、発熱部121において、第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bには、曲げ部132,133がそれぞれ形成されている。なお、図4(A)は、セラミックヒータ40(図3等)を所定方向(第1抵抗部121Aと第2抵抗部121Bとが対向する方向)一方側から見たときの側面図であり、基体110については二点鎖線の仮想線で外形のみを示している。即ち、図4(A)は、抵抗体120(図3等)の一部を一方側から見た側面図を、基体110の外形(仮想線)とともに示す図となっている。図4(B)は、セラミックヒータ40(図3等)を所定方向他方側(図4(A)とは反対側)から見たときの側面図であり、基体110については二点鎖線の仮想線で外形のみを示している。図4(B)は、抵抗体120(図3等)の一部を所定方向他方側から見た側面図を、基体110の外形(仮想線)とともに示す図となっている。
図4(A)のように、第1抵抗部121Aは、所定方向に延びる基端側抵抗部134Aと、基端側抵抗部134Aよりも先端側において基端側抵抗部134Aとは異なる方向に延びる先端側抵抗部134Bと、を有している。そして、基端側抵抗部134Aと先端側抵抗部134Bとを連結する形態で曲げ部132が形成されている。図3、図4(A)の例では、基端側抵抗部134Aは軸状に構成され、グロープラグ1(図1)の中心軸CLと平行に直線状に延びている。先端側抵抗部134Bは、軸状に構成され、先端側抵抗部134Bに対して所定の「鉛直方向」の一方側に傾斜する構成をなしている。ここでいう「鉛直方向」とは、第1抵抗部121Aと第2抵抗部121Bとが対向する対向方向と直交し、且つ上記軸線方向と直交する方向であり、先端方向D1及び後端方向D1rに沿う方向である。また、先端側抵抗部134Bは、基端側抵抗部134Aの軸(本第1態様では、グロープラグ1(図1)の中心軸CLに平行な軸)に対して角度θ1だけ傾斜した形態で直線状に延びている。図4(A)において、角度θ1は、先端側抵抗部134Bの中心を通る仮想線である中心軸C1と、基端側抵抗部134Aの軸(本第1態様では、グロープラグ1(図1)の中心軸CLと平行な方向(軸線方向))とのなす角度である。曲げ部132は、基端側抵抗部134Aと先端側抵抗部134Bとを連結する角部として構成されており、発熱部121を通電したときに電流密度が局所的に高められる形状となっている。
図4(B)のように、第2抵抗部121Bは、第1抵抗部121Aと同様の形状をなす。第2抵抗部121Bは、所定方向に延びる基端側抵抗部135Aと、基端側抵抗部135Aよりも先端側において基端側抵抗部135Aとは異なる方向に延びる先端側抵抗部135Bと、を有する。そして、基端側抵抗部135Aと先端側抵抗部135Bとを連結する形態で曲げ部133が形成されている。図3、図4(B)の例でも、基端側抵抗部135Aは軸状に構成され、グロープラグ1(図1)の中心軸CLと平行に直線状に延びている。先端側抵抗部135Bは、軸状に構成され、基端側抵抗部135Aに対して上記「鉛直方向」の一方側に傾斜する構成をなしている。つまり、先端側抵抗部135Bは、「鉛直方向」において、図4(A)で示す先端側抵抗部134Bが傾斜する側と同じ側に傾斜している。また先端側抵抗部135Bは、基端側抵抗部135Aの軸(本第1態様では、グロープラグ1(図1)の中心軸CLに平行な軸)に対して角度θ2だけ傾斜した形態で直線状に延びている。図4(B)において、角度θ2は、先端側抵抗部134Bの中心を通る仮想線である中心軸C2と、基端側抵抗部135Aの軸(本第1態様では、グロープラグ1(図1)の中心軸CLと平行な方向(軸線方向))とのなす角度である。曲げ部133は、基端側抵抗部135Aと先端側抵抗部135Bとを連結する角部として構成されており、発熱部121を通電したときに電流密度が局所的に高められる形状となっている。
図4の例では、図4(A)で示す角度θ1と図4(B)で示す角度θ2とが同一となっている。つまり、先端側抵抗部134Bの軸線方向に対する傾斜角度と、先端側抵抗部135Bの軸線方向に対する傾斜角度は同一となっている。角度θ1、θ2は、例えば5°以上25°以下の範囲であることが、より望ましい。なお、図4(A)で示す角度θ1と図4(B)で示す角度θ2とが異なっていてもよい。
図3のように、第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bのそれぞれに形成された曲げ部132,133のいずれも、軸線方向と直交する同一断面Cs内に位置する。断面Csは、セラミックヒータ40において所定の「高温領域」を通り、且つ軸線方向に直交する断面である。「高温領域」とは、発熱部121の通電時に、セラミックヒータ40の表面の最高発熱温度に対して96%以上の温度となる表面を有する領域である。図3では、発熱部121の通電時に、セラミックヒータ40の表面温度が、表面の最高発熱温度に対して96%以上の温度となる領域を符号ARで概念的に示している。つまり、発熱部121の通電時には、軸線方向において符号ARの範囲で、表面温度が最高発熱温度に対して96%以上の温度となり、セラミックヒータ40においてこの範囲の表面部付近が「高温領域」に相当する。断面Csは、このような「高温領域」を通る断面となっている。
セラミックヒータ40において、基体110の表面と発熱部121との間の最短距離tが0.2mm以上となっている。本構成では、図4(A)のように発熱部121の所定位置(具体的には、連結部121Cの所定位置P1)と基体110の先端部付近の所定位置P2との間が最短距離tとなっており、この最短距離tを0.2mm以上とすることで、耐腐食性を高めている。また、最短距離tは、例えば、1.5mm以下とすることができる。
A3.変形例
(第2態様)
次に、図5、図6を参照し、第1態様のセラミックヒータ40の一部を変形した第2態様のセラミックヒータ240及びグロープラグ201について説明する。なお、図5において図示された断面は、グロープラグ201を抵抗体220に沿って切断した切断面を部分的に示すものである。この図5は、グロープラグ1の中心軸CL、第1導電部122及び第2導電部123の各中心軸、基端側抵抗部234A,235Aの各中心軸、先端側抵抗部234B,235Bの各中心軸を含む断面であり、これら中心軸を通る面方向の断面となっている。図6は、セラミックヒータ240(図5)を所定方向(第1抵抗部221Aと第2抵抗部221Bとが対向する方向)の一方側から見たときの側面図であり、基体210については二点鎖線の仮想線で外形のみを示している。即ち、図6は、抵抗体220(図5等)の一部を一方側から見た側面図を、基体210の外形(仮想線)とともに示す図となっている。
図5で示すグロープラグ201及びセラミックヒータ240は、セラミックヒータ240以外の部分は、図1、図2で示す第1態様のグロープラグ1及びセラミックヒータ40のそれぞれと同一の構成をなす。セラミックヒータ240は、基体210及び発熱部221以外はセラミックヒータ40と同一である。図5で示すセラミックヒータ240において、抵抗体220は、発熱部221のみが第1態様の抵抗体120と異なる。基体210は、抵抗体を埋設する位置が変更されている点以外は、第1態様のセラミックヒータ40(図2)の基体110と同一の構成をなす。なお、図5、図6では、図2等で示す第1態様のセラミックヒータ40及びグロープラグ1と同様の部分については、これらの各部分と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5で示す第2態様のセラミックヒータ240及びグロープラグ201も第1態様のセラミックヒータ40及びグロープラグ1の基本的特徴を含む。セラミックヒータ240は、後端側から先端側へ軸線方向に沿って延びる基体210と抵抗体220とを備える。抵抗体220は、第1態様と同様の一対の導電部(第1導電部122及び第2導電部123)と、発熱部221とを有する。第1導電部122及び第2導電部123は、基体210の後端側に配置されて軸線方向に沿って延びている。発熱部221は、第1導電部122及び第2導電部123に接続するとともに、この導電部からの通電によって発熱する構成をなす。発熱部221は、第1導電部122及び第2導電部123と同一の材料によって構成されるとともに、第1導電部122及び第2導電部123よりも断面積が小さい構成となっている。
図5のように、発熱部221は、第1抵抗部221Aと、第2抵抗部221Bと、連結部221Cと、を備える。図5、図6のように、第1抵抗部221Aは、自身の後端側が第1導電部122の先端側に接続するとともに、第1導電部122から基体210の先端側に延びる。第2抵抗部221Bは、自身の後端側が第2導電部123の先端側に接続するとともに、第2導電部123から基体210の先端側に延びる。連結部221Cは、第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bの先端側を連結する。
第1抵抗部221A及び第2抵抗部221Bには曲げ部232,233がそれぞれ形成されている。第1抵抗部221Aは、所定方向に延びる基端側抵抗部234Aと、基端側抵抗部234Aよりも先端側において基端側抵抗部234Aとは異なる方向に延びる先端側抵抗部234Bと、を有している。そして、基端側抵抗部234Aと先端側抵抗部234Bとを連結する形態で曲げ部232が形成されている。図5の例では、基端側抵抗部234Aは軸状に構成され、グロープラグ201の中心軸CLと平行に直線状に延びている。先端側抵抗部234Bは、軸状に構成され、先端側抵抗部234Bに対して所定の「対向方向」の一方側に傾斜する構成をなしている。「対向方向」とは、軸線方向と直交する方向のうち、第1抵抗部221Aと第2抵抗部221Bとが対向する方向であり、第3方向D3に沿う方向である。先端側抵抗部234Bは、基端側抵抗部234Aの軸C4(本第2態様では、グロープラグ201の中心軸CLに平行な軸)に対して所定角度θ4だけ傾斜した形態で直線状に延びている。角度θ4は、先端側抵抗部234Bの中心を通る仮想線である中心軸C3と、基端側抵抗部234Aの軸C4(本第2態様では、グロープラグ201の中心軸CLと平行な方向(軸線方向))とのなす角度である。曲げ部232は、基端側抵抗部234Aと先端側抵抗部234Bとを連結する角部として構成されており、発熱部221を通電したときに電流密度が局所的に高められる形状となっている。
第2抵抗部221Bは、所定方向に延びる基端側抵抗部235Aと、基端側抵抗部235Aよりも先端側において基端側抵抗部235Aとは異なる方向に延びる先端側抵抗部235Bと、を有している。そして、基端側抵抗部235Aと先端側抵抗部235Bとを連結する形態で曲げ部233が形成されている。図5の例では、基端側抵抗部235Aは軸状に構成され、中心軸CLと平行に直線状に延びている。先端側抵抗部235Bは、軸状に構成され、先端側抵抗部235Bに対して「対向方向」の一方側に傾斜する構成をなしている。即ち、「対向方向」において、先端側抵抗部234Bが傾斜する側と先端側抵抗部235Bが傾斜する側とが同じ側となっている。先端側抵抗部235Bは、基端側抵抗部235Aの軸C6(本第2態様では、グロープラグ201の中心軸CLに平行な軸)に対して所定角度θ3だけ傾斜した形態で直線状に延びている。角度θ3は、先端側抵抗部235Bの中心を通る仮想線である中心軸C5と、基端側抵抗部235Aの軸C6(本第2態様では、グロープラグ201の中心軸CLと平行な方向(軸線方向))とのなす角度である。図5の例では、軸線方向に対する先端側抵抗部234Bの傾斜角度θ4と、軸線方向に対する先端側抵抗部235Bの傾斜角度θ3が同一となっているが、異なっていてもよい。曲げ部232は、基端側抵抗部234Aと先端側抵抗部234Bとを連結する角部として構成されており、発熱部221を通電したときに電流密度が局所的に高められる形状となっている。
第1抵抗部221A及び第2抵抗部221Bのそれぞれに形成された曲げ部232,233のいずれも、軸線方向と直交する同一断面Cs内に位置する。断面Csは、上述の「高温領域」を通り、且つ軸線方向に直交する断面である。図5では、発熱部221の通電時に、セラミックヒータ240の表面温度が、表面の最高発熱温度に対して96%以上の温度となる領域を符号ARで概念的に示している。発熱部221の通電時には、軸線方向において符号ARの範囲で、表面温度が最高発熱温度に対して96%以上の温度となり、セラミックヒータ240においてこの範囲の表面部付近が「高温領域」に相当する。断面Csは、このような「高温領域」を通る断面となっている。
図5のように、セラミックヒータ240は、基体210の表面と発熱部221との間の最短距離tが0.2mm以上となっている。本構成では、図5のように発熱部221の所定位置(具体的には、連結部221Cの所定位置P3)と基体210の先端部付近の所定位置P4との間が最短距離tとなっており、この最短距離tを0.2mm以上とすることで、耐腐食性を高めている。また、最短距離tは、例えば、1.5mm以下とすることができる。
A4.効果
図3、図4のように、第1態様のセラミックヒータ40は、第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bに曲げ部132,133が形成されているため、曲げ部132,133付近の電流密度を局所的に高めることができる。しかも、曲げ部132,133は、セラミックヒータ40において、表面の最高発熱温度に対して96%以上の温度となる表面を有する「高温領域」を通り、且つ軸線方向に直交する所定の断面Cs内に位置している。つまり、セラミックヒータ40の「高温領域」の近傍で電流密度を高めることができ、「高温領域」において発熱を一層増大させることができる。ゆえに、「高温領域」の表面において温度がより急速に上昇しやすくなり、セラミックヒータ40の表面の温度を目標温度に到達させるために必要な消費電力が抑えられる。しかも、発熱部121の断面積を大きく減少させずに上述の効果を生じさせることができるため、耐久性の低下を招きにくい。なお、第2態様のセラミックヒータ240(図5)でも同様の効果が生じる。
特に、相対的に細く形成された第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bに曲げ部132,133が形成されているため、電流密度がより高まりやすく、セラミックヒータ40の表面を局所的に昇温させる効果がより一層生じやすい。
第1態様のセラミックヒータ40は、第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bの両方に曲げ部132,133がそれぞれ形成されている。そして、第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bに形成された曲げ部132,133のいずれも、上述の「高温領域」を通り、且つ上述の軸線方向に直交する所定の断面内にそれぞれ位置している。このセラミックヒータ40は、第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bのそれぞれで電流密度を高めることができるため、セラミックヒータ40の表面の温度を目標温度に到達させるために必要な消費電力がさらに抑えられる。しかも、第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bのそれぞれの断面積を大きく減少させずに上述の効果を生じさせることができるため、耐久性の低下をさらに招きにくい。その上、このセラミックヒータ40は、第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bのそれぞれで電流密度を高めることができるため、第1抵抗部121Aと第2抵抗部121Bとが対向する対向方向において均熱化が図られる。なお、第2態様のセラミックヒータ240(図5)でも同様の効果が生じる。
第1態様のセラミックヒータ40は、第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bに形成された曲げ部132,133のいずれもが同一断面Cs内に位置し、この断面Csは、上述の「高温領域」を通り、且つ上述の軸線方向に直交する断面である。このように曲げ部132,133のいずれもが軸線方向に直交する同一断面Cs内に位置するため、第1抵抗部121Aと第2抵抗部121Bとが対向する対向方向において均熱化を図りつつ、軸線方向の所定位置付近(上記同一断面Cs近傍)において発熱をより集中させることができる。なお、第2態様のセラミックヒータ240(図5)でも同様の効果が生じる。
第1態様のセラミックヒータ40は、基体110の表面と発熱部121との間の最短距離tが0.2mm以上となっている。このセラミックヒータ40は、耐久性の低下を抑えた形で消費電力の抑制を図りつつ、基体110の表面と発熱部121との距離を確保することで、発熱部121が外気にさらされにくくなり、耐腐食性を高めることができる。なお、第2態様のセラミックヒータ240(図5)でも同様の効果が生じる。
第1態様のセラミックヒータ40は、第1抵抗部121A及び第2抵抗部121Bをそれぞれ構成する先端側抵抗部のいずれもが、連結される基端側抵抗部の各々に対して上述の「鉛直方向」の一方側に傾斜する構成をなしている。「鉛直方向」は、上述の「対向方向」及び上述の「軸線方向」と直交する方向であり、このように「鉛直方向」の一方側に先端側抵抗部を傾斜させる構成とすれば、曲げ部132,133の曲げ角度(基端側抵抗部に対する先端側抵抗部の傾斜角度)を大きくしやすくなる。
第2態様のセラミックヒータ240は、第1抵抗部221A及び第2抵抗部221Bをそれぞれ構成する先端側抵抗部のいずれもが、連結される基端側抵抗部に対して、上述の「対向方向」の一方側に傾斜する構成をなしている。このように、先端側抵抗部を「対向方向」の一方側に傾斜させる構成とすれば、図6のように「鉛直方向」において発熱部221が嵩張らなくなり、先端側抵抗部が上記直交方向に嵩張ることに起因する製造上の手間又は負担(例えば金型設計の複雑化等)を軽減することができるため、セラミックヒータ40を製造する上で有利になる。
A5.評価試験
次に、本発明の効果を検証するために行った試験の結果について説明する。
検証試験に用いる実施例1〜7として、7種類のセラミックヒータを用意した。7種類のセラミックヒータは、発熱部の形状と、発熱部の形状に合わせた基体の内部形状のみが異なり、それ以外の構成は同一である。具体的には、実施例1〜5、7として図2〜図4で示す第1態様のセラミックヒータ40を用意した。実施例1〜5、7は、それぞれ曲げ部の位置、セラミックヒータ40の表面(外表面)と発熱部121との最短距離t、又は曲げ部132,133の角度θ1、2が異なっている。また、実施例6として図5、図6で示す第2態様のセラミックヒータ240を用意した。
表1で示す「曲げ部の位置」の値は、軸線方向と直交し且つ曲げ部を通る断面におけるセラミックヒータ40の表面の温度が、セラミックヒータ40の表面の最高発熱温度に対してどの程度の割合であるかを示す値である。例えば、実施例1のセラミックヒータは、曲げ部132,133(図3、図4)の位置が、セラミックヒータ40の表面(ヒータ表面)の最高発熱温度に対して96%となるヒータ表面の位置を通り、且つ軸線方向に直交する断面内の位置である。また、実施例6のセラミックヒータは、曲げ部232,233(図5、図6)の位置が、セラミックヒータ40の表面(ヒータ表面)の最高発熱温度に対して96%となるヒータ表面の位置を通り、且つ軸線方向に直交する断面内の位置である。
表1で示す「発熱部径」は、発熱部の径であり、例えば、実施例1〜5、7のセラミックヒータでは、図3、図4で示す発熱部121のうち、高温領域ARを通り、軸線方向に直交する断面の円相当径である。実施例6のセラミックヒータでは、図5、図6で示す発熱部221のうち、高温領域ARを通り、軸線方向に直交する断面の円相当径である。表1で示す「表面との距離」は、セラミックヒータの表面(外表面)と発熱部との最短距離であり、例えば、実施例1〜5、7のセラミックヒータでは、図3、図4で示すセラミックヒータ40の表面と発熱部121との最短距離tである。実施例6のセラミックヒータでは、図5、図6で示すセラミックヒータ240の表面と発熱部221との最短距離tである。表1で示す「曲げ部の角度」は、例えば、実施例1〜5、7のセラミックヒータでは、図4で示す角度θ1、2であり、実施例6のセラミックヒータでは、図5で示す角度θ3、4である。
また、比較例1〜3として、3種類のセラミックヒータを用意した。比較例1、2は、図2〜図4で示す第1態様のセラミックヒータ40を、曲げ部が設けられていない構成に変更したものである。即ち、図4で示す角度θ1、2を0°にしたものである。この点以外の条件は、表1の通りである。比較例3は、図2〜図4で示す第1態様のセラミックヒータ40を若干変更し、曲げ部の位置を94%に相当する位置に変更したものである。比較例3は、図3、図4で示すセラミックヒータ40において、曲げ部132,133の位置が、セラミックヒータ40の表面(ヒータ表面)の最高発熱温度に対して94%となるヒータ表面の位置を通り、且つ軸線方向に直交する断面内の位置となっている。この点以外の条件は、表1の通りである。
このように準備した実施例1〜7及び比較例1〜3のセラミックヒータのそれぞれに対して、消費電力を測定する試験を行った。消費電力を測定する試験の条件は、次の通りである。
試験対象となるセラミックヒータに対し一定の直流電圧を印加し、この一定の直流電圧の印加状態でセラミックヒータの表面温度が1200℃で飽和した際の投入電力(消費電力)を測定した。表面温度が1200℃に到達した際の投入電力が40W未満であった場合の判定を「〇」とし、40W以上であった場合の判定を「×」とした。「○」と判定される場合とは、より少ない投入電力でセラミックヒータの表面をより高温とすることができることを意味する。実施例1〜7及び比較例1〜3についての消費電力の測定結果、及び判定結果は表1の通りである。
また、実施例1〜7及び比較例1〜3のセラミックヒータのそれぞれに対して、通電耐久性試験を行った。通電耐久性試験の条件は、次の通りである。
試験対象となるセラミックヒータに対して、通電開始後2秒で1350℃となるように電圧を印加し、その後、通電停止を行い、この通電停止の間、セラミックヒータを圧縮空気で強制冷却する。このサイクルを繰り返し行った。そして、50000サイクルを超えても1350℃まで昇温できる場合を「○」、50000サイクル前に断線して通電できなくなった場合を「×」とした。実施例1〜7及び比較例1〜3のそれぞれについて、通電耐久性試験の測定結果、及び判定結果は表1の通りである。
また、実施例1〜7及び比較例1〜3のセラミックヒータのそれぞれに対して、オイル腐食試験を行った。オイル腐食試験の条件は、次の通りである。
試験対象となるセラミックヒータをディーゼルエンジンオイルに浸し、その後、セラミックヒータをディーゼルエンジンオイルから取り出した。そして、セラミックヒータの表面にディーゼルエンジンオイルが付着した状態で、セラミックヒータの表面温度が1350℃に達するように印加電圧を制御してグロープラグに2分間通電した後、通電を停止して冷却する操作を1サイクルとして10000サイクル連続して行った。10000サイクルの時点で抵抗体が露出していない場合の判定を「〇」とし、10000サイクル未満で抵抗体が露出した場合の判定を「×」とした。実施例1〜7及び比較例1〜3のそれぞれについて、オイル腐食試験の測定結果及び判定結果は表1の通りである。
Figure 2018200776
表1で示す通り、実施例1〜7のいずれも、セラミックヒータの表面温度が1200℃で飽和した際の投入電力(消費電力)が比較例1よりも小さい。その理由は、高温領域付近に曲げ部を設けたことにより高温領域の昇温性能が一層高められ、より少ない投入電力でセラミックヒータの表面をより高温とすることができたためであると考えられる。
また、実施例1〜7のいずれも、比較例2よりも通電耐久性が高くなっている。その理由は、比較例2のセラミックヒータは発熱部径が小さいため強度が劣り、しかも、発熱部の体積が相対的に小さいため表面を目標温度に到達させるためにより発熱させる必要があるため、熱応力に対して十分な強度が確保されず、早期に断線が生じたためと考えられる。
また、実施例1〜7のいずれも、セラミックヒータの表面温度が1200℃で飽和した際の投入電力(消費電力)が比較例3よりも小さい。その理由は、比較例3は、ヒータ表面の最高発熱温度の位置から曲げ部までの距離が実施例1〜7よりも大きくなり、「高温領域」の温度上昇に曲げ部が寄与する度合いが小さくなり、その分、最高発熱温度の位置近傍を目標温度に上昇させるための電力が増加するためと考えられる。
このことから、第1抵抗部及び第2抵抗部の少なくともいずれか一方に曲げ部が形成されているため、発熱部において曲げ部付近の電流密度を局所的に高めることができる。しかも、曲げ部は、セラミックヒータにおいて、表面の最高発熱温度に対して96%以上の温度となる表面を有する高温領域を通り、且つ軸線方向に直交する所定の断面内に位置している。つまり、セラミックヒータの高温領域近傍で電流密度を高めることができ、高温領域において発熱を一層増大させることができる。ゆえに、高温領域の表面において温度がより急速に上昇しやすくなり、セラミックヒータの表面の温度を目標温度に到達させるために必要な消費電力が抑えられる。しかも、発熱部の断面積を大きく減少させずに上述の効果を生じさせることができるため、耐久性の低下を招きにくい。
また、実施例1〜6のいずれも、オイル腐食試験が実施例7よりも良好であった。その理由は、実施例1〜6は、セラミックヒータの表面から抵抗体までの最短距離が十分に確保されているためと考えられる。一方、実施例7は、抵抗体がセラミックヒータの表面に近すぎるため、表面温度が高くなり、腐食が促進されたものと考えられる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態の各態様に限定されるものではなく、例えば次のような例も本発明の技術的範囲に含まれる。
第1実施形態の各態様の説明では、発熱部と、リード部として機能する一対の導電部とを同一の1種類の材料によって一体的に構成した抵抗体(発熱抵抗体)を例示した。しかし、この例に限定されず、発熱部と一対の導電部とを、電気抵抗率の異なる別々の導電性セラミック材料によってそれぞれ構成してもよい。このように、発熱部と一対の導電部とが異なる材料によって形成されている場合、抵抗体の先端側の材料の部分、即ち、基端側と異なる材料の部分を「発熱部」とし、抵抗体の基端側の材料の部分を「導電部」とすることができる。
第1実施形態の各態様の説明では、第1抵抗部及び第2抵抗部のそれぞれに曲げ部が形成されていたが、曲げ部は、いずれか一方のみに形成されていてもよい。
第1実施形態の各態様の説明では、第1抵抗部及び第2抵抗部のそれぞれに曲げ部が1つずつ形成されていたが、曲げ部は、第1抵抗部又は第2抵抗部において曲げ部が複数位置に形成されていてもよい。
第1実施形態の各態様の説明では、第1抵抗部及び第2抵抗部のいずれの曲げ部も軸線方向と直交する同一断面内にそれぞれ位置していたが、第1抵抗部の曲げ部と第2抵抗部の曲げ部が軸線方向においてずれていてもよい。
第1実施形態の各態様の説明では、第1抵抗部の先端側抵抗部が基端側抵抗部に対して傾斜する側と、第2抵抗部の先端側抵抗部が基端側抵抗部に対して傾斜する側と、が同じ側であったが、互いに異なる側に傾斜してもよい。
第1実施形態の各形態の説明、及び第2実施形態の各形態の説明では、第1抵抗部及び第2抵抗部のそれぞれの先端側抵抗部が基端側抵抗部に対して「鉛直方向」に傾斜したり、「対向方向」に傾斜したりしていたが、先端側抵抗部が基端側抵抗部に対して他の方向に傾斜していても良い。
第1実施形態の各態様の説明では、曲げ部が角部として構成されていたが、凸側の表面が湾曲面として構成された湾曲部として構成されていてもよい。湾曲面を有する曲げ部である場合、上述の「高温領域」を通り、且つ上述の「軸線方向」に直交する断面内に曲げ部の湾曲面が位置する構成であればよい。この場合であっても、曲げ部(湾曲部)の基端側及び先端側に直線状の基端側抵抗部及び先端側抵抗部を配置し、これらのなす角度が所定角度範囲内になるように曲げた構成とすればよい。この場合も、基端側抵抗部を軸線方向に沿って配置し、先端側抵抗部を軸線方向に対し5°以上25°以下の角度範囲で傾斜させればよい。
1,201…グロープラグ
20…主体金具(金具)
110,210…基体
120,220…発熱抵抗体(抵抗体)
121,221…発熱部
121A,221A…第1抵抗部
121B,221B…第2抵抗部
121C,221C…連結部
122…第1導電部(導電部)
123…第2導電部(導電部)
132,133,232,233…曲げ部
134A,135A,234A,235A…基端側抵抗部
134B,135B,234B,235B…先端側抵抗部
40,240…セラミックヒータ
CL…軸線

Claims (7)

  1. 絶縁性セラミックからなり、後端側から先端側へ軸線方向に沿って延びる基体と、
    導電性セラミックからなり、前記基体に埋設される抵抗体であり、前記基体の後端側に配置されて前記軸線方向に沿って延びる一対の導電部と、前記一対の導電部に接続するとともに、前記導電部からの通電によって発熱する発熱部と、を有する抵抗体と、を備え、
    前記発熱部は、自身の後端側が一方の前記導電部の先端側に接続するとともに、一方の前記導電部から前記基体の先端側に延びる第1抵抗部と、自身の後端側が他方の前記導電部の先端側に接続するとともに、他方の前記導電部から前記基体の先端側に延びる第2抵抗部と、前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部の先端側を連結する連結部と、を備えるセラミックヒータであって、
    前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部の少なくともいずれか一方に、所定方向に延びる基端側抵抗部と、前記基端側抵抗部よりも先端側において前記基端側抵抗部とは異なる方向に延びる先端側抵抗部と、前記基端側抵抗部と前記先端側抵抗部とを連結する曲げ部と、が形成され、
    前記曲げ部は、前記セラミックヒータにおいて、表面の最高発熱温度に対して96%以上の温度となる表面を有する高温領域を通り、且つ前記軸線方向に直交する所定の断面内に位置する、
    セラミックヒータ。
  2. 前記曲げ部は、前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部にそれぞれ形成され、
    前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部のいずれの前記曲げ部も、前記高温領域を通り、且つ前記軸線方向に直交する所定の断面内にそれぞれ位置する、
    請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部のいずれの前記曲げ部も、前記高温領域を通り、且つ前記軸線方向に直交する同一断面内に位置する、
    請求項2に記載のセラミックヒータ。
  4. 前記基体の表面と前記発熱部との間の最短距離が0.2mm以上である、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のセラミックヒータ。
  5. 前記先端側抵抗部は、前記基端側抵抗部に対して、前記第1抵抗部と前記第2抵抗部とが対向する対向方向及び前記軸線方向と直交する鉛直方向の一方側に傾斜する構成をなす、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のセラミックヒータ。
  6. 前記先端側抵抗部は、前記基端側抵抗部に対して、前記第1抵抗部と前記第2抵抗部とが対向する対向方向の一方側に傾斜する構成をなす、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のセラミックヒータ。
  7. セラミックヒータと、前記セラミックヒータを保持する金具と、を備えるグロープラグであって、
    前記セラミックヒータは、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のセラミックヒータを含むグロープラグ。
JP2017104236A 2017-05-26 2017-05-26 セラミックヒータ及びグロープラグ Active JP6951126B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017104236A JP6951126B2 (ja) 2017-05-26 2017-05-26 セラミックヒータ及びグロープラグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017104236A JP6951126B2 (ja) 2017-05-26 2017-05-26 セラミックヒータ及びグロープラグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018200776A true JP2018200776A (ja) 2018-12-20
JP6951126B2 JP6951126B2 (ja) 2021-10-20

Family

ID=64668239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017104236A Active JP6951126B2 (ja) 2017-05-26 2017-05-26 セラミックヒータ及びグロープラグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6951126B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009231161A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Ngk Spark Plug Co Ltd セラミックヒータ及びグロープラグ
JP2010182443A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Ngk Spark Plug Co Ltd セラミックヒータ及びグロープラグ
JP2016184592A (ja) * 2012-10-29 2016-10-20 京セラ株式会社 ヒータおよびこれを備えたグロープラグ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009231161A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Ngk Spark Plug Co Ltd セラミックヒータ及びグロープラグ
JP2010182443A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Ngk Spark Plug Co Ltd セラミックヒータ及びグロープラグ
JP2016184592A (ja) * 2012-10-29 2016-10-20 京セラ株式会社 ヒータおよびこれを備えたグロープラグ

Also Published As

Publication number Publication date
JP6951126B2 (ja) 2021-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5525106B2 (ja) セラミックグロープラグ
JP6951126B2 (ja) セラミックヒータ及びグロープラグ
JP6080578B2 (ja) グロープラグ
JP5988484B2 (ja) グロープラグ
JP4695536B2 (ja) グロープラグ
JP4126854B2 (ja) グロープラグ
JP3961847B2 (ja) グロープラグ
US10764968B2 (en) Heater and glow plug including the same
JP6786412B2 (ja) セラミックヒータ及びグロープラグ
JP6946048B2 (ja) グロープラグ
JP4510588B2 (ja) グロープラグ
JPH07282960A (ja) セラミックヒータ
JP6370754B2 (ja) セラミックヒータおよびグロープラグ
JP6869694B2 (ja) セラミックグロープラグ
JP6144609B2 (ja) セラミックヒータおよびグロープラグ
JP6567340B2 (ja) セラミックヒータ及びその製造方法、並びにグロープラグ及びその製造方法
JP4064277B2 (ja) セラミックヒータ
WO2017038694A1 (ja) ヒータおよびこれを備えたグロープラグ
JP6997731B2 (ja) グロープラグ
JP6725653B2 (ja) ヒータおよびこれを備えたグロープラグ
JP7045161B2 (ja) グロープラグ
JP6739312B2 (ja) グロープラグ
JP6101145B2 (ja) ヒータモジュールの製造方法、および、グロープラグの製造方法
JP6739313B2 (ja) グロープラグ
JP6535511B2 (ja) グロープラグおよび加熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210311

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210318

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210909

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6951126

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350