JP2018199854A - 溶接用アルミニウム合金板及び溶接用アルミニウム合金板製造方法 - Google Patents

溶接用アルミニウム合金板及び溶接用アルミニウム合金板製造方法 Download PDF

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翔平 蓬田
俊哉 岡田
Toshiya Okada
俊哉 岡田
峰生 浅野
Mineo Asano
峰生 浅野
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Abstract

【課題】高い継手強度を有し、曲げ加工性に優れる溶接継手を得ることが出来る溶接用アルミニウム合金板を提供する。また、上記溶接用アルミニウム合金板製造方法を提供する。【解決手段】溶接用アルミニウム合金板は、Mg:5.0〜10.0%(mass%、以下同じ。)、Mn:0.5〜1.5%、B:0.0001〜0.01%、Si:0.4%以下、Fe:0.4%以下、Zn:0.2〜0.4%、Cr:0.2%以下、Cu:0.1%以下、Ti:0.1%以下、Zr:0.04%以下、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金から形成され、平均結晶粒径が100μm以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、溶接後の継手強度に優れた溶接用アルミニウム合金板及び溶接用アルミニウム合金板製造方法に関する。
近年、海上輸送用船舶やLNGタンク、化学プラントなどの溶接構造物にアルミニウム合金が用いられている。アルミニウム合金を適用する上では、各部位に必要とされる強度や耐食性、成形性、接合性などを満たす必要があり、種々の検討が成されている。
従来使用されている高強度溶接構造体用アルミニウム合金材としては、5083合金が知られている。前記5083合金は、Mgを4.0〜4.9mass%の間で含有するAl−Mg系合金であって、JIS規格における強度下限値は275MPaである。
Al−Mg系合金の溶接構造体を製造するための溶接方法としては、アーク溶接や電子ビーム溶接、レーザ溶接等が用いられる。また、溶接に際して溶加材を用いる場合には、JIS Z 3604に示される指針に沿った溶加材を選定することになる。すなわち、5083合金を溶接する場合に選択される溶加材は5183や5356、5556である。これは、溶接割れを抑制し、高い継手強度が得られるためである。
これに対し、アルミニウム合金材及び溶接継手の高強度化に対する要求が年々高まっている。前記アルミニウム合金材及び溶接継手の高強度化により、同一耐荷重における構成材料の必要厚さは薄くなり、さらに重量は減少することになる。したがって、材料費の低減が可能であるだけでなく、特に船舶などにおいては、同一体積のタンクにおける積載量の増加にもつながることとなる。
アルミニウム合金の溶接継手強度は、溶接した際に生じる熱影響部と溶接金属部の強度の関係によって決まる。熱影響部とは、JIS Z 3001−1によると、溶接の熱で組織、冶金的性質、機械的性質などが変化を生じた、溶融していない母材の部分とされている。また、アルミニウム建築構造設計規準では、溶接線中心から25mm以内の領域で軟化が起こり得る熱影響部として定めている。一方で、溶接金属とは、溶接部の一部で溶接中に溶融凝固した金属と定められている。すなわち、溶接継手を高強度化するためには、溶接時に生じる熱影響部(溶接線中心から25mm以内)と溶接金属部の両方を高強度化する必要がある。本発明のようなAl−Mg系合金は、非熱処理合金として知られており、溶接時に生じる熱影響部の強度はO材の強度と同等になる。したがって、非熱処理合金の溶接継手強度は使用するアルミニウム合金材のO材強度と形成される溶接金属部の強度のうち低い方に近い値になる。非熱処理型合金の溶接継手強度を高強度化するためには、O材の強度と溶接金属部の強度の両方を向上させることが必要である。
また、溶接構造体の製造においては、溶接継手の加工性も重要である。特に、最終的な製品形状を得るためには溶接継手を成形加工する場合が多いため、成形性や曲げ加工性の向上が必要とされている。一般的に、材料及び溶接継手の高強度化により成形性や曲げ加工性は低下するため、加工性を維持しつつ高強度化を実現することが重要である。
特許文献1には、高濃度のMgを含有する高強度アルミニウム溶接構造材が提案されている。しかしながら、溶接部における軟化が顕著であり、溶接部の高強度化が不十分である。また、使用するアルミニウム合金及び作製した溶接継手において、加工性の評価がされていないため、製品として必要な形状に曲げ加工が出来るか不明である。さらに、溶接部における金属組織の制御がなされていない為、目標とする特性を安定して満たすことが難しいといった問題があった。
特表平11−507102号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、高い継手強度を有し、曲げ加工性に優れる溶接継手を得ることが出来る溶接用アルミニウム合金板を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、上記溶接用アルミニウム合金板製造方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る溶接用アルミニウム合金板は、
Mg:5.0〜10.0%(mass%、以下同じ。)、Mn:0.5〜1.5%、B:0.0001〜0.01%、Si:0.4%以下、Fe:0.4%以下、Zn:0.2〜0.4%、Cr:0.2%以下、Cu:0.1%以下、Ti:0.1%以下、Zr:0.04%以下、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金から形成され、平均結晶粒径が100μm以下である、
ことを特徴とする。
上記の溶接用アルミニウム合金板において、
板厚50mmの当該アルミニウム合金板同士を、溶接ワイヤに直径4.8mmのA5183合金を使用し、溶接電流が800A、溶接電圧が34Vの溶接条件において、片側1パス、両側2パスでMIG溶接した際の溶接継手において、熱影響部の最大結晶粒径をA、溶接金属部の平均結晶粒径をBとした時に、A≦100μm、B≦120μmが成り立つ、
こととしてもよい。
前記Aと前記Bとの間にB/A≦1.2の関係が成り立つ、
こととしてもよい。
調質Oにおける引張強さが300MPa以上である、
こととしてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る溶接用アルミニウム合金板製造方法は、
Mg:5.0〜10.0%(mass%、以下同じ。)、Mn:0.5〜1.5%、B:0.0001〜0.01%、Si:0.4%以下、Fe:0.4%以下、Zn:0.2〜0.4%、Cr:0.2%以下、Cu:0.1%以下、Ti:0.1%以下、Zr:0.04%以下、残部Al及び不可避的不純物からなる溶接用アルミニウム合金板製造方法であって、
アルミニウム合金を溶解調整する溶解工程と、
溶解調整されたアルミニウム合金溶湯を鋳造する鋳造工程と、
鋳塊を460〜540℃の温度で1〜24時間加熱処理する均質化処理工程と、
均質化処理した鋳塊を開始温度400℃〜540℃で熱間圧延する熱間圧延工程と、
340〜420℃の温度で1時間以上保持する焼鈍工程と、を含む、
ことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る溶接用アルミニウム合金板製造方法は、
Mg:5.0〜10.0%(mass%、以下同じ。)、Mn:0.5〜1.5%、B:0.0001〜0.01%、Si:0.4%以下、Fe:0.4%以下、Zn:0.2〜0.4%、Cr:0.2%以下、Cu:0.1%以下、Ti:0.1%以下、Zr:0.04%以下、残部Al及び不可避的不純物からなる溶接用アルミニウム合金板製造方法であって、
アルミニウム合金を溶解調整する溶解工程と、
溶解調整されたアルミニウム合金溶湯を鋳造する鋳造工程と、
鋳塊を460〜540℃の温度で1〜24時間加熱処理する均質化処理工程と、
均質化処理した鋳塊を開始温度400℃〜540℃、終了温度340℃以上として熱間圧延する熱間圧延工程と、を含む、
ことを特徴とする。
本発明に係る溶接用アルミニウム合金板は、高い継手強度を有し、曲げ加工性に優れるという格別の効果を奏するものである。また、本発明により、上記の溶接用アルミニウム合金板を製造することができる。
本発明者等は誠意研究を重ねた結果、溶接用アルミニウム合金板の組成及び金属組織を調整することにより、曲げ加工性を低下させることなく、安定的に高い継手強度を有する溶接継手を得ることが可能であることを見出して本発明を完成するに至った。
以下、本発明に係る溶接用アルミニウム合金板について詳細に説明する。
1、アルミニウム合金板の化学組成
まず、本発明に係る溶接用アルミニウム合金板を構成する成分組成について説明する。この合金組成を大きく分類すると、必須元素としてMg、Mn及びB、規制元素としてSi、Fe、Zn、Cr、Cu、Ti及びZrに分けられる。本発明に係る溶接用アルミニウム合金板は、これらの合金成分組成を調整することにより、高い継手強度と曲げ加工性を示す。
1−1、必須元素
Mg:5.0〜10.0mass%
Mgはアルミニウム中で固溶、析出することにより、材料強度を向上させる添加元素である。Mgの添加量が5.0mass%未満では、材料の強度が低く、高強度な溶接継手を得ることが出来ない。Mgの添加量が10.0mass%を上回ると、材料自体の曲げ加工性が低下し、さらに応力腐食割れが発生しやすくなる。望ましいMgの添加量は5.4〜7.0mass%である。
Mn:0.50〜1.5mass%
Mnはアルミニウム中で固溶、析出することにより、材料強度を向上させる添加元素である。Mnの添加量が0.50mass%未満では、材料の強度が低く、高強度な溶接継手を得ることが出来ない。Mnの添加量が1.5mass%を上回ると、Al−Fe−Mn系の化合物が粗大化し、曲げ加工性が低下する。望ましいMnの添加量は0.65〜1.5mass%である。
B:0.0001〜0.010mass%
Bはアルミニウムの鋳造及び溶接工程における溶融・凝固の過程において結晶粒形成の核となる元素であり、母材及び溶接金属部の結晶粒を微細化する添加元素である。Bの添加量が0.0001mass%未満では、十分な結晶粒微細化効果が得られない。Bの添加量が0.010mass%を上回ると、粗大な凝集物がアルミニウム中に形成され、圧延性、曲げ加工性が低下する。望ましいBの添加量は、0.001〜0.010mass%である。
1−2、規制元素
Si:0.40mass%以下
Siは、溶接において割れの発生を引き起こす成分であるためアルミニウム合金中にSiが含有されることは好ましくない。Siの含有量が0.40mass%より多いと、溶接時に割れが発生し易くなる。従って、Siの含有量を0.40mass%以下に規制する。Siの含有量は、0.25mass%以下に規制するのが好ましいが、Siの含有量を極めて低い値で管理することは製造上困難であることから、その下限値は製造上可能な範囲で自ずと決められる。
Fe:0.40mass%以下
Feは、アルミニウム合金中においてAl−Fe系及びAl−Fe−Mn系金属間化合物として存在し、曲げ加工性を低下させる。Feの含有量が0.40mass%より多いと、粗大な前記金属間化合物が形成されて、熱間圧延時や曲げ加工時に割れ発生し易くなる。従って、Feの含有量を0.40mass%以下に規制する。Feの含有量は低い程好ましいが、Feの含有量を極めて低い値で管理することは製造上困難であることから、その下限値は製造上可能な範囲で自ずと決められる。
Zn:0.20〜0.40%
Znは、母材及び溶接金属部の結晶粒微細化に寄与する添加元素である。Znの添加量が0.2%未満では、十分な効果が得られない。Znの添加量が0.40%を上回ると、溶接割れや応力腐食割れを生じ易くなる。
Cr:0.20mass%以下
Crは、アルミニウム合金中においてAl−Cr系金属間化合物として存在し、アルミニウム合金及び溶接継手の曲げ加工性を低下させる成分であるため、アルミニウム合金中にCrが含有されることは好ましくない。Crの含有量が0.20mass%を超えると、曲げ加工性が低下する。従って、Crの含有量を0.20mass%以下に規制する。Crの含有量は、0.050mass%未満に規制するのが好ましく、0%が最も好ましい。
Cu:0.10mass%以下
Cuは、溶接の際に割れの発生を引き起こす成分であるためアルミニウム合金中にCuが含有されることは好ましくない。Cuの含有量が0.10mass%を超えると、溶接時に割れが発生し易くなる。従って、Cuの含有量を0.10mass%以下に規制する。Cuの含有量は、0.050mass%未満に規制するのが好ましく、0mass%が最も好ましい。
Ti:0.10mass%以下
Tiは、アルミニウムの鋳造工程における溶融・凝固の過程において結晶粒形成の核となる元素であり、母材の結晶粒を微細化する添加元素であるが、溶接金属部の結晶粒微細化への寄与は小さい添加元素である。また、Tiの添加量が多いと粗大な凝集物や酸化物として取り込まれることでアルミニウム合金及び溶接継手の曲げ加工性を低下させる。Tiの含有量が0.10mass%を超えると、曲げ加工性が低下する。従って、Tiの含有量を0.10mass%以下に規制する。
Zr:0.040mass%以下
Zrは、アルミニウム合金中においてAl−Zr系金属間化合物として存在し、アルミニウム合金及び溶接継手の曲げ加工性を低下させる成分であるため、アルミニウム合金中にZrが含有されることは好ましくない。Zrの含有量が0.040mass%を超えると、曲げ加工性が低下する。従って、Zrの含有量を0.040mass%以下に規制する。Zrの含有量は、0.010mass%未満に規制するのが好ましく、0mass%が最も好ましい。
1−3、その他の元素
また、本発明に係るAl合金の残部は、Alと不可避的不純物とからなる。ここで、不可避的不純物は、各々が0.050mass%以下で、かつ、合計で0.150mass%以下であれば、本発明で得られるAl合金材としての特性を損なうことはない。
2、アルミニウム合金板の平均結晶粒径
本発明に係るアルミニウム合金板は、組成範囲の材料であって平均結晶粒径が100μm以下である。結晶粒径は金属材料の強度を決定付ける一つの因子であり、その影響度はホール・ペッチの式に則ることが知られている。したがって、材料強度は結晶粒径が小さいほど、高くなる。さらに、結晶粒径が小さいほど、曲げ加工性が高くなる。したがって、曲げ加工性を低下させることなく、高い継手強度を有する溶接継手を得るためには、平均結晶粒径を制御する必要がある。
アルミニウム合金板の平均結晶粒径が100μmを上回ると、母材及び溶接継手の強度、溶接継手の曲げ加工性が低下する。アルミニウム合金板の好ましい平均結晶粒径は80μm以下である。また、平均結晶粒径が微細であるほど、その効果が高くなるため下限値は定めないが、使用する合金組成と製造方法によって自ずと決まる。本発明に係るアルミニウム合金板の場合、平均結晶粒径の下限は15μm程度である。
3、板厚50mmの当該アルミニウム合金板同士を、溶接ワイヤにφ(直径)4.8mmのA5183合金を使用し、溶接電流が800A、溶接電圧が34Vの溶接条件において、片側1パス、両側2パスでMIG溶接した際の溶接継手における熱影響部の最大結晶粒径Aと溶接金属部の平均結晶粒径Bとの関係
本発明に係る板厚50mmのアルミニウム合金板同士を溶接ワイヤにφ4.8mmのA5183合金を使用し、溶接電流が800A、溶接電圧が34Vの溶接条件において、片側1パス、両側2パスでMIG溶接により接合した接合体の熱影響部の最大結晶粒径をA、溶接金属部における平均結晶粒径をBとした時に、各結晶粒径A、BはそれぞれA≦100μm、B≦120μmであることが望ましい。溶接金属部及び熱影響部の平均結晶粒径は、継手の強度、曲げ加工性などに影響を与え、結晶粒径が微細であるほど安定して目標とする特性を満たすことがわかっている。本試験条件においてA≦100μm、B≦120μmを満たす場合には、他の溶接方法であっても優れた継手の強度と曲げ加工性を示す。一方、本試験条件においてA>100μm、B>120μmが成り立つ場合には、溶接継手の強度及び曲げ加工性が低下する場合がある。A、B何れも、小さいほど継手強度、曲げ加工性が向上するため下限値は定めないが、本発明に係るアルミニウム合金板の場合、下限は15μm程度である。
また、本発明に係るアルミニウム合金の溶接接合体においては、B/A≦1.2の関係が成り立つことが望ましい。接合体の熱影響部では、溶接時の熱によって再結晶や結晶粒成長が促進される。したがって、接合体の溶接金属部を除く領域において最も粗大な結晶粒が存在するのが熱影響部となる。溶接部の平均結晶粒径が、熱影響部に存在する最大の結晶粒に対して大きくなりすぎないことで、高強度化かつ曲げ加工性に優れる溶接継手を得ることが出来る。前記A、Bにおいて、B/A≦1.2の関係が成り立つ場合には、継手強度及び曲げ加工性に優れる溶接継手が得られる。一方、前記平均結晶粒径の関係においてB/A>1.2が成り立つ場合には、継手強度及び曲げ加工性が低下する場合がある。B/Aの値は小さいほどその効果が高くなるため下限値は定めないが、使用するアルミニウム合金板と溶接方法によって自ずと決まる。
溶接方法としては、電子ビーム溶接やレーザ溶接、アーク溶接等が適用される。また、溶加材を使用する場合は、JIS Z 3232及びJIS Z 3604に示されるA5183合金やA5356合金、A5556合金等を適用出来る。
4、調質Oにおけるアルミニウム合金板の引張強さ
本発明に係るアルミニウム合金板は、調質Oにおける引張強さが300MPa以上であることが望ましい。溶接継手の強度は、母材となるアルミニウム合金板のO材強度と溶接金属部の強度の関係で決まり、溶接金属部の強度がアルミニウム合金板のO材強度よりも高い場合には、継手の強度がアルミニウム合金板のO材強度に近い値となる。したがって、高い継手強度を有する溶接継手を得るためには、調質Oにおけるアルミニウム合金板の強度を高める必要がある。調質Oにおけるアルミニウム合金板の引張強さが300MPa未満であると、溶接金属部の強度が高くても継手強度は低下する。アルミニウム合金板の引張強さが高いほど、その効果が高くなるため上限は定めないが、使用するアルミニウム合金板の組成や金属組織によって自ずと決まる。なお、望ましい引張強さは320MPa以上である。
5、溶接用アルミニウム合金板の製造方法
次に、本発明に係る溶接用アルミニウム合金板の製造工程について詳述する。本発明に係る溶接用アルミニウム合金板の製造方法は、基本的には、アルミニウム合金板材の常法に従って製造することができるが、その製造工程のうちの溶解・鋳造工程・均質化工程・熱間圧延工程・焼鈍工程において所定の合金組成及び金属組織に調整することによって、継手強度と曲げ加工性に優れた溶接用アルミニウム合金板材とすることが可能となる。
本発明に係る溶接用アルミニウム合金板の製造方法は、アルミニウム合金溶湯を本発明に係るAl合金の成分範囲内に溶解調整する溶解工程と;溶解調整された溶湯を鋳造して鋳塊を得る鋳造工程と;鋳塊を特定条件で保持する均質化処理工程と;均質化処理した鋳塊を特定の条件で熱間圧延する熱間圧延工程と;必要に応じて熱間圧延材を特定の条件で冷間圧延する冷間圧延工程と;必要に応じて焼鈍処理工程と;を備える。
5−1、溶解工程
溶解工程としては、アルミニウム合金溶湯を本発明に係るアルミニウム合金の成分範囲内に溶解調整を行い、当該アルミニウム合金溶湯に対して、脱ガス処理や不純物を除去するための濾過処理などを行う。
5−2、鋳造工程
鋳造工程としては、半連続鋳造法(DC(Direct Chill)鋳造法またはホットトップ鋳造法)又は連続鋳造法(CC(Continuous Casting)鋳造法)によって鋳塊(スラブ)に製造する。鋳造後には、引き続き行われる熱間圧延に備えて、必要に応じて鋳塊表面の鋳肌を削り取る面削を行ってもよく、面削は後述する均質化処理後に行ってもよい。
5−3、均質化処理工程
均質化処理工程としては、通常、アルミニウム合金の鋳造の凝固時に形成される凝固組織に特徴的な濃度偏析を解消して均一化させるために均質化処理が施される。均質化処理温度は460〜540℃である。均質化処理温度が460℃未満であると充分な均質化効果が得られない。一方、均質化処理温度が540℃を超えると鋳塊が溶融する虞があるため好ましくない。また、処理時間は1〜24時間である。処理時間が1時間未満であると充分な均質化効果が得られない。一方、処理時間が24時間を超えると生産性が低下する。また、特に規定するものではないがAl−Mg系合金の均質化処理時にはβ相の溶融温度である450℃より低い温度で保持を行い、十分に固溶・拡散させた後に昇温を続ける2段あるいは多段の加熱パターンが用いられることも多い。
5−4、熱間圧延工程
鋳塊からアルミニウム合金板へと加工するために、熱間圧延が施される。熱間圧延の条件は、工業的に均一に圧延加工が出来る条件を選定する必要がある。本発明に係るアルミニウム合金板は、400℃〜540℃の間で熱間加工を開始するのが望ましい。400℃未満では変形抵抗が増加し、圧延荷重が高くなりすぎるため生産性が低下する。また540℃を超えると鋳塊が溶融する虞があることに加え、熱間圧延時に割れが発生することがある。好ましい熱間圧延開始温度は440〜520℃である。
5−5、冷間圧延工程
最終製品の形状及び強度に精度良く仕上げるため、熱間圧延の後、冷間圧延を行ってもよい。冷間圧延工程を実施する場合には、最終的な特性に影響しないため、本発明の効果を奏する範囲で適宜選択される。
5−6、焼鈍工程
良好な冷間加工性を保持するために、冷間加工の前、途中及び後の少なくともいずれかにおいて、焼鈍を施してもよい。また、アルミニウム合金板及び溶接継手の結晶粒径を制御し、強度及び曲げ加工性を高めるために、最終板厚を熱間圧延工程にて仕上げる場合においても焼鈍を実施するのが望ましい。本発明の効果を奏する焼鈍温度の範囲は340℃〜420℃である。焼鈍温度が340℃未満であると焼鈍効果が十分ではない。一方、焼鈍温度が420℃を超えると結晶粒成長が促進され、粗大な結晶粒を形成する虞がある。また、処理時間は0.5〜8時間である。処理時間が0.5時間未満であると充分な焼鈍効果が得られなくなる、一方、処理時間が8時間を超えると生産性が低下する。さらに、最終板厚を熱間圧延工程にて仕上げる場合においては、熱間圧延終了時の温度を340℃以上とすることで最終焼鈍を実施した場合と同等の曲げ加工性が得られる。したがって、熱間圧延終了時の温度を340℃以上とすることで、最終焼鈍工程を省略することが可能である。
以下に、本発明の実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、表1に示す成分組成のAl合金を常法の半連続鋳造法(DC鋳造)により溶解鋳造して、鋳塊を製造した。なお、表1の化学成分において、「−」は当該化学成分が検出限界未満であることを示す。
Figure 2018199854
次に、この鋳塊を表2に示す均質化処理条件及び熱間圧延条件にて均質化と熱間圧延を実施し、板厚50mmの熱間圧延板を得た。その後、表2に示す最終焼鈍条件にて最終焼鈍を行い、材料特性評価用試料とした。
Figure 2018199854
得られた材料の特性評価として、平均結晶粒径、曲げ加工性、引張強さ、調質Oにおける引張強さの測定を行った。各評価方法の詳細は以下に記す。
<平均結晶粒径>
作製した試料を圧延方向に垂直な断面で切りだし、鏡面研磨を施した後にEBSD分析にて結晶粒の観察を行った。観察位置は、板厚の1/4、1/2、3/4位置とし、すべての測定結果の平均値を平均結晶粒径とした。
<曲げ加工性>
JIS Z 2248に準拠する方法で曲げ試験を実施した。試験片は板厚25mmの減厚試験片とし、押し曲げ法にて180度曲げ試験を行った。試験後の試験片について対し肉眼で観察を行い、3mm以上の割れが発生したものを「×」、0〜3mmの割れが発生したものを「○」、サンプル表面に割れが生じなかったものを「◎」として評価した。
<引張強さ>
JIS Z 2241に準拠する方法で引張試験を実施した。試験片は、作製した試料の圧延方向に垂直な方向より、φ20mmの丸棒を採取し、JIS4号試験片に加工した。作製した試験片を用いて引張試験を実施し、引張強さを測定した。
<調質Oにおける引張強さ>
作製した試料の中で加工ひずみが残存している物についてのみ、さらに焼鈍温度350℃、保持時間2時間で焼鈍を行い、上記と同様の方法にて引張試験を行った。
表3及び表4には、作製した試料の評価結果を示す。
Figure 2018199854
Figure 2018199854
本発明に従う合金組成である発明例1〜42は、平均結晶粒径、曲げ加工性、引張強さ、調質Oにおける引張強さが優れたアルミニウム合金であった。
これに対し、比較例1では、Mg濃度が低いため、アルミニウム合金の強度及び調質Oにおける引張強さが低下した。
比較例2では、Mg濃度が高いため、曲げ加工性が低下した。
比較例3では、Mn濃度が低いため、調質Oにおける引張強さが低下した。
比較例4では、Mn濃度が高いため、曲げ加工性が低下した。
比較例6では、B濃度が高いため、曲げ加工性が低下した。
比較例8では、Fe濃度が高いため、曲げ加工性が低下した。
比較例9では、Zn濃度が低いため、母材の結晶粒径が粗大化した。
比較例11では、Crの濃度が高いため、曲げ加工性が低下した。
比較例13では、Tiの濃度が高いため、曲げ加工性が低下した。
比較例14では、Zrの濃度が高いため、曲げ加工性が低下した。
比較例15では、均質化温度が低いため、十分に均質化が行われず、引張強さが低下した。
比較例16では、均質化温度が高過ぎたため、加熱時に鋳塊が溶融した。
比較例17では、均質化時間が短いため、十分に均質化が行われず、引張強さが低下した。
比較例18では、熱間圧延前の加熱温度が低いため、所定の厚さまでの熱間圧延が出来なかった。
比較例19では、熱間圧延前の加熱温度が高いため、加熱時に鋳塊が溶融し、熱間圧延時に割れが発生した。
比較例20では、熱間圧延終了時の温度が低く、最終焼鈍を省略したため、加工組織の割合が高くなり、曲げ加工性が低下した。
比較例21では、最終焼鈍の温度が低いため、圧延時の加工ひずみが十分に回復せず、曲げ加工性が低下した。
比較例22では、最終焼鈍の温度が高いため、平均結晶粒径が粗大化した。
比較例23では、最終焼鈍の時間が短いため、圧延時の加工ひずみが十分に回復せず、曲げ加工性が低下した。
比較例5、7、10、12では、本発明の合金組成範囲外の試料ではあるが、母材の評価としては、優れた特性を有していた。
次に、溶接継手評価用試料として、表1に記す組成にて作製した鋳塊に対して、均質化温度500℃、保持時間1時間にて均質化処理を施した後、熱間圧延開始温度を480℃、終了温度を320℃となるように熱間圧延を実施し、板厚50mm、8mm、3mmの熱間圧延板を得た。その後、板厚3mmの熱間圧板についてのみ冷間圧延工程にかけ、板厚1mmの冷間圧延板とした。前記熱間圧延板と冷間圧延板を焼鈍温度350℃、保持時間2時間にて最終焼鈍を行い、溶接継手評価用試料とした。
溶接継手作製においては、MIG溶接、電子ビーム溶接(以下、EBW)、レーザ溶接(以下、LBW)を用いた。板厚50mmの試料に対してはMIG溶接とEBWを、板厚8mmの試料に対してはMIG溶接を、板厚1mmの試料に対してはLBWをそれぞれ適用した。詳細は以下に記す。
<MIG溶接による板厚50mm溶接継手作製方法>
板厚50mmの試料に対し、ルート面20mm、開先角度90°のX開先となるように開先加工を施し、MIG溶接用試料とした。溶接時のルートギャップは0mmとした。溶接には大電流MIG溶接機を使用し、電極ワイヤとしてSi:0.25%、Fe:0.20%、Cu:0.01%、Mn:0.73%、Mg:5.02%、Cr:0.11%、Zn:0.05%、Ti:0.11%、残部Al及び不可避的不純物からなるφ4.8mmのA5183WY材を使用した。溶接電流800A、溶接電圧34V、溶接速度30cm/min、両側2パスにてMIG溶接を実施し、評価用溶接継手を作製した。
<EBWによる板厚50mm溶接継手作製方法>
板厚50mmの試料の端面をフライス加工にて平面とし、EBW用試料とした。溶接時の開先形状はI開先とし、突合せ部中央に電子ビームを照射し1パス貫通溶接にて継手を作製した。溶接条件は、ビーム電流180mA、加速電圧30kV、溶接速度5cm/minとした。なお、溶接時に溶加材は使用していない。
<MIG溶接による板厚8mm溶接継手作製方法>
板厚8mmの試料に対し、ルート面1mm、開先角度60°のX開先となるように開先加工を施し、MIG溶接用試料とした。溶接時のルートギャップは0mmとした。溶接にはMIG溶接機を使用し、電極ワイヤとしてSi:0.25%、Fe:0.20%、Cu:0.01%、Mn:0.73%、Mg:5.02%、Cr:0.11%、Zn:0.05%、Ti:0.11%、残部Al及び不可避的不純物からなるφ1.6mmのA5183WY(JIS Z 3232)材を使用した。溶接電流300A、溶接電圧32V、溶接速度50cm/min、両側2パスにてMIG溶接を実施し、評価用溶接継手を作製した。
<LBWによる板厚1mm溶接継手作製方法>
板厚1mmの試料の端面をフライスにて平面とし、LBW用試料とした。溶接時の開先形状はI開先とし、突合せ部中央にレーザを照射し1パス貫通溶接にて継手を作製した。用いた溶接機は、最大出力2kWのファイバーレーザである。溶接条件は、出力2kW、溶接速度15m/minとした。なお、溶接時に溶加材は使用していない。
以上で作製した溶接継手に対し、溶接時の溶接割れ、溶接金属部の平均結晶粒径、熱影響部の最大結晶粒径、溶接継手の曲げ加工性、溶接継手の引張強さをそれぞれ評価した。各評価方法の詳細は以下に記す。
<溶接割れ>
溶接部の外観及び溶接断面の観察より、溶接部に発生した割れを評価した。溶接部の外観観察では、溶接時に付着したスマット等をワイヤブラシで除去した後に、肉眼で割れの有無を評価した。また、溶接部の断面観察では、溶接方向に垂直な断面を切り出し、鏡面研磨を実施後、光学顕微鏡にて割れの有無を評価した。上記観察により、外観及び溶接部断面で割れが見られなかったものを「○」、外観と溶接部断面の何れかで割れが見られたものを「×」として評価した。
<溶接金属部の平均結晶粒径>
溶接方向に垂直な断面で切り出し、鏡面研磨を施した後にEBSD分析にて結晶粒の観察を行った。観察位置は、板厚の1/4、1/2、3/4位置とし、すべての測定結果の平均値を平均結晶粒径とした。
<熱影響部の最大結晶粒径>
溶接方向に垂直な断面で切り出し、鏡面研磨を施した後にEBSD分析にて結晶粒の観察を行った。観察位置は、溶融境界部から母材部側の溶けていない領域で、両側25mmの幅をそれぞれ観察した。観察した結晶粒の中でもっとも大きいものの結晶粒径を熱影響部の最大結晶粒径(B)とし、溶接金属部の平均結晶粒径(A)との関係(B)/(A)を算出した。
<溶接継手の曲げ加工性>
JIS Z 3122に準拠する方法で曲げ試験を実施した。板厚50mmの溶接継手については側曲げ試験を、その他の継手については表曲げ及び裏曲げ試験を実施した。試験後の試験片について対し肉眼で観察を行い、3mm以上の割れが発生したものを「×」、0〜3mmの割れが発生したものを「○」、サンプル表面に割れが生じなかったものを「◎」として評価した。
<溶接継手の引張強さ>
JIS Z 3121に準拠する方法で溶接継手の引張試験を実施した。作製した溶接継手に対し、溶接部が引張試験片の中央部に位置するように溶接方向に対して垂直な方向に試験片を採取し、引張試験を実施した。
表5〜表7に、それぞれの溶接継手の評価結果を示す。
Figure 2018199854
Figure 2018199854
Figure 2018199854
本発明の範囲内である合金組成の材料を使用して作製した溶接継手については、全て優れた特性を有していた(発明例43〜130)。
これに対し、本発明の範囲外である材料を使用して作製した溶接継手では、何れかの評価において、特性が劣ることが確認された。
すなわち、比較例24、38、52、66では、Mg濃度が低いため、継手強度が低下した。
比較例25、39、53、67では、Mg濃度が高いため、溶接継手の曲げ加工性が低下した。
比較例26、40、54、68では、Mn濃度が低いため、継手強度が低下した。
比較例27、41、55、69では、Mn濃度が高いため、溶接継手の曲げ加工性が低下した。
比較例28、56では、B濃度が低いため、溶接金属部の平均結晶粒径が大きく、継手の曲げ加工性が低下した。また、継手強度が低下した。
比較例42、70では、B濃度が低く、本発明の範囲外の合金組成ではあるが、優れた継手特性を有していた。
比較例29、43、57、71では、B濃度が高いため、溶接継手の曲げ加工性が低下した。
比較例30、44、58、72では、Si濃度が高いため、溶接時に割れが発生した。
比較例31、45、59、73では、Fe濃度が高いため、溶接継手の曲げ加工性が低下した。
比較例32、46、60、74では、Zn濃度が低いため、熱影響部における結晶粒径が粗大化し、曲げ加工性が低下した。
比較例33、47、61、75では、Zn濃度が高いため、溶接時に割れが発生した。
比較例34、48、62、76では、Cr濃度が高いため、溶接継手の曲げ加工性が低下した。
比較例35、63では、Cu濃度が高いため、溶接継手の曲げ加工性が低下した。
比較例49、77では、Cu濃度が高いため、溶接時に割れが発生した。
比較例36、50、64、78では、Ti濃度が高いため、溶接継手の曲げ加工性が低下した。
比較例37、51、65、79では、Zr濃度が高いため、溶接継手の曲げ加工性が低下した。

Claims (6)

  1. Mg:5.0〜10.0%(mass%、以下同じ。)、Mn:0.5〜1.5%、B:0.0001〜0.01%、Si:0.4%以下、Fe:0.4%以下、Zn:0.2〜0.4%、Cr:0.2%以下、Cu:0.1%以下、Ti:0.1%以下、Zr:0.04%以下、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金から形成され、平均結晶粒径が100μm以下である、
    ことを特徴とする溶接用アルミニウム合金板。
  2. 板厚50mmの当該アルミニウム合金板同士を、溶接ワイヤに直径4.8mmのA5183合金を使用し、溶接電流が800A、溶接電圧が34Vの溶接条件において、片側1パス、両側2パスでMIG溶接した際の溶接継手において、熱影響部の最大結晶粒径をA、溶接金属部の平均結晶粒径をBとした時に、A≦100μm、B≦120μmが成り立つ、
    ことを特徴とする請求項1に記載の溶接用アルミニウム合金板。
  3. 前記Aと前記Bとの間にB/A≦1.2の関係が成り立つ、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接用アルミニウム合金板。
  4. 調質Oにおける引張強さが300MPa以上である、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶接用アルミニウム合金板。
  5. Mg:5.0〜10.0%(mass%、以下同じ。)、Mn:0.5〜1.5%、B:0.0001〜0.01%、Si:0.4%以下、Fe:0.4%以下、Zn:0.2〜0.4%、Cr:0.2%以下、Cu:0.1%以下、Ti:0.1%以下、Zr:0.04%以下、残部Al及び不可避的不純物からなる溶接用アルミニウム合金板製造方法であって、
    アルミニウム合金を溶解調整する溶解工程と、
    溶解調整されたアルミニウム合金溶湯を鋳造する鋳造工程と、
    鋳塊を460〜540℃の温度で1〜24時間加熱処理する均質化処理工程と、
    均質化処理した鋳塊を開始温度400℃〜540℃で熱間圧延する熱間圧延工程と、
    340〜420℃の温度で1時間以上保持する焼鈍工程と、を含む、
    ことを特徴とする溶接用アルミニウム合金板製造方法。
  6. Mg:5.0〜10.0%(mass%、以下同じ。)、Mn:0.5〜1.5%、B:0.0001〜0.01%、Si:0.4%以下、Fe:0.4%以下、Zn:0.2〜0.4%、Cr:0.2%以下、Cu:0.1%以下、Ti:0.1%以下、Zr:0.04%以下、残部Al及び不可避的不純物からなる溶接用アルミニウム合金板製造方法であって、
    アルミニウム合金を溶解調整する溶解工程と、
    溶解調整されたアルミニウム合金溶湯を鋳造する鋳造工程と、
    鋳塊を460〜540℃の温度で1〜24時間加熱処理する均質化処理工程と、
    均質化処理した鋳塊を開始温度400℃〜540℃、終了温度340℃以上として熱間圧延する熱間圧延工程と、を含む、
    ことを特徴とする溶接用アルミニウム合金板製造方法。
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