JP2018199660A - 化粧料用粉体およびこの化粧料用粉体を用いた化粧料ならびにこの化粧料用粉体の製造方法 - Google Patents
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詳しくは、温水に対する応答性を有する化合物(温水と接触した際に膨潤して柔軟な状態となる化合物、例えば酢酸ビニル共重合体エマルション)を用いながら、係る化合物に起因する刺激臭を特定の化合物を用いることで抑制し、皮膚への適用を可能にしたことを特徴とする化粧料用粉体に関するものである。
(A)疎水性付与化合物
(B)親水性付与化合物
(C)酢酸ビニル重合体エマルション、酢酸ビニル共重合体エマルション、アクリレーツコポリマー、アクリレーツコポリマーアンモニウム塩、アクリレーツコポリマーナトリウム塩、アクリレーツコポリマーの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩、ポリビニルアルコールから選ばれる一種以上の化合物
また、(A)、(B)の両成分の効果によって、皮膚(肌)への密着性が高い化粧料用粉体および化粧料を得ることができる。
まず、本発明の化粧料用粉体は、無機粉体の表面に、(A)疎水性付与化合物、(B)親水性付与化合物、(C)酢酸ビニル重合体エマルション、酢酸ビニル共重合体エマルション、アクリレーツコポリマー、アクリレーツコポリマーアンモニウム塩、アクリレーツコポリマーナトリウム塩、アクリレーツコポリマーの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩、ポリビニルアルコールから選ばれる一種以上の化合物という3種の成分による被膜が形成されていることを基本構造とするものである。
このように、本発明の化粧料用粉体は、(A)疎水性付与化合物、(B)親水性付与化合物という特定の2種の化合物を用いていることから、単独では刺激臭を放つ(C)成分を用いた場合でも、刺激臭の発生を抑制しつつ、耐水性と温水洗浄性を発現させることができるのである。
本発明の化粧料用粉体に用いられる疎水性付与化合物((A)成分)は、化粧料用粉体に耐水性、すなわち常温の水の場合には洗い落とすことができない性能を付与するためのものである。また、親水性付与化合物((B)成分)との併用効果によって、(C)成分から発生する刺激臭の抑制をするためのものである。また、水と接触した際に(B成分)との共存によって粉体自身が乳化作用を起こすことで、指などで擦るなどの僅かな力で塗布された皮膚などから容易に除去できるようにするためのものでもある。さらに、無機粉体に金属イオン成分が水に溶出しやすいものを用いる場合には金属イオン成分の溶出抑制剤として機能するものである。
シリコーンオイルとしては、メチコン、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン(ハイドロゲンジメチコン)、トリメチルシロキシケイ酸、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコンなどを挙げることができる。脂肪酸としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などを挙ることができる。アルキルシランとしては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n―プロピルトリメトキシシラン、n―プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン(トリエトキシカプリリルシラン)、デシルトリメトキシシランなどのアルコキシシランやヘキサメチルジシラザンなどのシラザンなどを挙げることができる。また、これらの化合物は単独で使用することも併用することもできる。
そしてこれらの中でも、高い耐水性を付与できる点からメチルハイドロジェンポリシロキサン(ハイドロゲンジメチコン)、オクチルトリエトキシシラン(トリエトキシカプリリルシラン)を用いることが好ましい。
本発明の化粧料用粉体に用いられる親水性付与化合物((B)成分)は、化粧料用粉体に親水性を付与するためのものである。
つまり、本発明の化粧料用粉体は、無機粉体の表面に親水性付与化合物((B)成分)が存在することによって、化粧料用粉体が水と接触した際に化粧料用粉体が水に濡れ易くなり、その後(A成分)との共存によって粉体自身が乳化作用を起こして、その結果、指などで擦るなどの僅かな力で塗布された皮膚などから容易に除去することができるようになるのである。また、疎水性付与化合物((A)成分)との併用効果によって、(C)成分から発生する刺激臭の抑制をするためのものである。
ここで、本発明の化粧料用粉体に用いられる親水性付与化合物((B)成分)としては、上記したオルトケイ酸テトラエチルのように、単独の状態では疎水性を示すものであっても、表面処理(無機粉体の表面に結合すること)によって親水基を形成するものも使用することができる。
そしてこれらの中でも、皮膚への密着性および、疎水性付与化合物((A)成分)との併用による粉体自身の乳化作用をより効果的に発現させることができる点からオルトケイ酸テトラエチル、メチルポリシリケートを用いることが好ましい。
本発明の化粧料用粉体に用いられる(C)成分は、化粧料用粉体に温水に対する応答性を付与するためのものである。すなわち、(C)成分として列記した化合物は温水と接触した際に膨潤して柔軟な状態となる性質(平易な表現をするとふやける性質)を有していることから、本発明の化粧料用粉体は(C)成分を含有していることによって、化粧料用粉体が温水と接触した際に、まず(C)成分が膨潤して柔軟な状態となる(ふやける)ことになり、その結果、塗布されている皮膚などから化粧料用粉体を浮き上がらせること(除去し易い状態とすること)ができるのである。そしてその後上記したように、疎水性付与化合物((A)成分)と親水性付与化合物((B)成分)とが水(温水)を介して粉体自身に乳化作用を起こすことで、指などで擦るなどの僅かな力で塗布されている皮膚などから容易に除去することができるようになるのである。
さらに、酢酸ビニル共重合体エマルションとしては、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルション、エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルション、ポリビニルアルコールを挙げることができる。
そしてこれらの中でも、高い温度応答性を付与できる点から酢酸ビニル共重合体エマルションを用いることが好ましい。
なおこの際、無機粉体に水酸化アルミニウム処理が行われている酸化チタンなどの加工を施した粉体を用いる場合には、(C)成分の化粧料用粉体における含有量は係る加工が施された後の加工粉体に対して0.1〜5.0wt%とすることが好ましく、その中でも0.5〜2.0wt%とすることが好ましいことになる。
本発明の化粧料用粉体に用いられる無機粉体は、化粧料用粉体としての基本性能である隠蔽性や着色性を付与するためのものである。また、酸化チタン、酸化亜鉛など用いる粉体によっては隠蔽性や着色性に加えて紫外線の遮蔽性も付与するものとなる。
このような無機粉体としては、雲母、セリサイト、シリカ、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン、酸化ビスマス、酸化セリウム、シリコンパウダー、タルク、窒化ホウ素などの顔料を挙げることができる。また、これらの顔料は単独で使用することも併用することもできる。
本発明の化粧料用粉体を用いた化粧料としては、ファンデーション、コンシーラー、BBクリーム、プライマー、メイクアップ下地、頬紅、日焼け止め、口紅、アイライナー、アイシャドウ、マスカラ、ネイルケアなどを挙げることができる。
本発明の化粧料用粉体の製造方法は、(C)成分の有する温水応答性をより効果的に発現させるために、以下の工程によって製造することが好ましい。
次に、前処理が終わった処理粉体と(C)成分(温水応答性付与化合物)を混合する処理工程を行うことによって、本発明の化粧料用粉体を作製する。
このように、本発明の化粧料用粉体は前処理工程と処理工程という2段階の工程によって作製することによって、常温の水では耐水性を示す一方、温水では洗浄性を発現し、さらに酢酸臭などの刺激臭の発生を抑制することができるという技術的効果を発現させることができるのである。
まず、前処理工程によって無機粉体の表面に疎水性付与化合物((A)成分)と親水性付与化合物((B)成分)の被膜が形成されることになるが、この状態は図1に示すような無機粉体の表面に(A)、(B)の各化合物が林立しているような状態となっているものと考えられる。
次に、処理工程によって処理粉体に(C)成分が処理されることになるが、この際(C)成分は(A)、(B)の各化合物が林立した状態を覆うような形態となるのではなく、無機粉体の表面に林立している(A)成分の疎水基と(B)成分の親水基のそれぞれが有する電気的な吸引力によって、(C)成分が(A)成分や(B)成分に吸着するような状態、すなわち、図1に示すような、(C)成分が無機粉体の表面に林立している(A)、(B)の各化合物の隙間に入り込んで留まっているような形態となっているものと考えられる。
そして、このように(C)成分が(A)成分や(B)成分に吸着されているような状態((A)、(B)の各化合物の隙間に入り込むような形態)となっていることによって、刺激臭の発生が抑制されているもの(刺激臭が化粧料用粉体の外部に出て行かないことになっているもの)と考えられる。
また、(A)、(B)、(C)の各成分の無機粉体に対する含有量については表1にまとめて示す。なお、各例で用いた原料の中には、水溶液品など100%純品でないものがあるが、それらについては必要な有効成分量となるよう計算して配合した。従って、各例中や表中の重量は有効成分としての数値である。
平均一次粒子径が0.25μmである酸化チタンに水酸化アルミニウム被覆処理を施した無機粉体(テイカ社製:MP−1133)100gと、(A)成分としてメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業社製:KF−9901)0.6gと、(B)成分としてオルトケイ酸テトラエチル(信越化学工業社製:KBE−04)を有効成分として0.6g混合し、卓上ブレンダー(ワ−リング社製ボトルブレンダー:7011HBC)にて20分間撹拌(前処理)を行った。
次に、上記系中に(C)成分としてアクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルション(大同化成工業社製:ビニゾール2140L)を有効成分として2.0g投入し、さらに卓上ブレンダーで20分間撹拌(処理)を行った。
次に、攪拌後の処理粉体を乾燥機に入れて105℃で2時間乾燥し、その後ピンミルにて粉砕を行うことによって実施例1の化粧料用粉体を作製した。
アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルションの投入量を有効成分として1.0gとした以外は実施例1と同様の操作を行うことによって実施例2の化粧料用粉体を作製した。
アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルションの投入量を有効成分として4.0gとした以外は実施例1と同様の操作を行うことによって実施例3の化粧料用粉体を作製した。
アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルションの投入量を10.0gとした以外は実施例1と同様の操作を行うことによって実施例4の化粧料用粉体を作製した。
メチルハイドロジェンポリシロキサンの投入量を2.0gとした以外は実施例1と同様の操作を行うことによって実施例5の化粧料用粉体を作製した。
オルトケイ酸テトラエチルの投入量を有効成分として1.8gとした以外は実施例1と同様の操作を行うことによって実施例6の化粧料用粉体を作製した。
メチルハイドロジェンポリシロキサンの代わりにオクチルトリエトキシシラン(モメンティブ社製:A−137)0.6g、オルトケイ酸テトラエチルの代わりにメチルポリシリケート(三菱ケミカル社製:MS51)を有効成分として0.6gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行うことによって実施例7の化粧料用粉体を作製した。
アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルションの投入量を有効成分として0.5gとした以外は実施例7と同様の操作を行うことによって実施例8の化粧料用粉体を作製した。
アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルションの投入量を有効成分として5.0gとした以外は実施例7と同様の操作を行うことによって実施例9の化粧料用粉体を作製した。
メチルハイドロジェンポリシロキサンの配合量を0.3gとした以外は、実施例1と同様の操作を行うことによって実施例10の化粧料用粉体を作製した。
オルトケイ酸テトラエチルの配合量を0.1gとした以外は、実施例1と同様の操作を行うことによって実施例11の化粧料用粉体を作製した。
無機粉体として、水酸化アルミニウム被覆処理を施した酸化チタン100gを用いる代わりにセリサイト(三信鉱工社製:セリサイトFSE)100gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことによって実施例12の化粧料用粉体を作製した。
アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルションの代わりに、アクリル酸アルキル共重合体エマルション(大同化成工業社製:ビニゾール1086WP)を有効成分として1.0gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことによって実施例13の化粧料用粉体を作製した。
まず、実施例1で用いた水酸化アルミニウム被覆処理を施した酸化チタン1kgと、メチルハイドロジェンポリシロキサン6gと、オルトケイ酸テトラエチルを有効成分として6gと、イソプロピルアルコール3kgを混合した。
次に、上記混合物をサンドグラインダーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて解砕した後、卓上型ニーダー(増田理化工業社製:PNV−5H)にて減圧しながら加熱することでイソプロピルアルコールを留去した。
次に、得られた乾燥物にアクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルションを実施例1と同じ含有量となるように加えるとともに、乾燥物の重量の3倍量のイソプロピルアルコールを加えて、再度サンドグラインダーミルを用いて解砕した後、卓上型ニーダーにて減圧しながら加熱することでイソプロピルアルコールを留去した。
最後に、得られた処理粉体を乾燥機に入れ、105℃で2時間乾燥し、ピンミルにて粉砕を行うことによって実施例14の化粧料用粉体を作製した。
オルトケイ酸テトラエチルを用いない以外は、実施例1と同様の操作を行うことによって比較例1の化粧料用粉体を作製した。
オルトケイ酸テトラエチルを用いない以外は、実施例2と同様の操作を行うことによって比較例2の化粧料用粉体を作製した。
メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いない以外は、実施例1と同様の操作を行うことによって比較例3の化粧料用粉体を作製した。
オルトケイ酸テトラエチル、メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いない以外は、実施例1と同様の操作を行うことによって比較例4の化粧料用粉体を作製した。
オルトケイ酸テトラエチル、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルションを用いない以外は、実施例1と同様の操作を行うことによって比較例5の化粧料用粉体を作製した。
具体的には、12人の被験者に以下の手順で試験を行ってもらい、5段階評価によって評価をしてもらうことによって行った。各項目における12人の評価結果の平均値を表1、2に示す。また、実施例1および比較例5の化粧料用粉体の密着性、耐水性、温水洗浄性の評価結果(写真)を図2に示す。
まず、化粧料用粉体を4cm×4cm程度の範囲で、腕の任意の位置に塗り広げる。
次に、塗布部を指の腹で20往復擦り、化粧料用粉体の腕からの剥がれ度合いを以下の5段階評価によって評価をしてもらった。
5:塗布部に変化無し。
4:あまり剥がれない。
3:どちらとも言えない。
2:やや剥がれる。
1:すぐに剥がれる。
まず、化粧料用粉体を4cm×4cm程度の範囲で、腕の任意の位置に塗り広げる。
次に、塗布部分の臭いを嗅ぐことによって、臭気を以下の5段階評価によって評価をしてもらった。
5:臭いが感じられない。
4:あまり臭いが感じられない。
3:異臭・刺激臭があることは感じられるが明確でない。
2:異臭・刺激臭を少し感じる。
1:異臭・刺激臭を強く感じる。
まず、化粧料用粉体を4cm×4cm程度の範囲で、腕の任意の位置に塗り広げる。
次に、塗布した部分を流水中に浸し、塗布部の上半分を指の腹で20往復擦った。そして、上半分の部分における化粧料用粉体の剥がれ度合いを以下の5段階評価によって評価をしてもらった。
5:塗布部に変化無し。
4:塗布部は殆ど剥がれない。
3:塗布部が一部剥がれそうである。
2:塗布部がやや剥がれた。
1:塗布部が完全に剥がれた。
まず、化粧料用粉体を4cm×4cm程度の範囲で、腕の任意の位置に塗り広げる。
次に、塗布した部分を40℃のお湯に浸しながら、塗布部の下半分を指の腹で20往復擦った。そして、下半分の部分における化粧料用粉体の剥がれ度合いを以下の5段階評価によって評価をしてもらった。
5:塗布部が完全に剥がれた。
4:塗布部がやや剥がれた。
3:塗布部が一部剥がれそうである。
2:塗布部は殆ど剥がれない。
1:塗布部に変化無し。
また、図2に示すとおり、実施例1と比較例5の化粧料用粉体は(B)成分、(C)成分の有無以外は同じ組成であるが、実施例1の化粧料用粉体は水による洗浄では洗い落とされない(耐水性を有する)が温水による洗浄では洗浄されていることがわかる。一方、比較例5の化粧料用粉体は温水による洗浄でも化粧料用粉体が残ってしまうという結果となった。
さらに、4項目の評価結果の合計値を比較した場合でも、実施例の化粧料用粉体は比較例の化粧料用粉体に比べて高い性能を示す結果となり、バランスの取れた化粧料用粉体であることがわかった。
具体的には、まず比較例1、2の化粧料用粉体については、耐水性に関しては良好な評価結果となった((A)成分による効果と思われる)が、(B)成分がないことから、その他の評価項目については実施例の化粧料用粉体に比べて悪い結果となった。特に、臭気評価については著しく悪い結果となった。
次に、比較例3の化粧料用粉体については、温水洗浄性に関しては良好な評価結果となった((C)成分による効果と思われる)が、(A)成分がないことから、その他の評価項目については実施例の化粧料用粉体に比べて悪い結果となった。特に、耐水性と臭気評価については著しく悪い結果となった。
次に、比較例4の化粧料用粉体については、温水洗浄性に関しては良好な評価結果となった((C)成分による効果と思われる)が、その他の評価項目については実施例の化粧料用粉体に比べて悪い結果となった。特に、(A)成分がないことから、耐水性については著しく悪い結果となり、(A)成分と(B)成分の両方を具備していないことから、臭気評価については最も悪い結果となった。
次に、比較例5の化粧料用粉体については、耐水性と臭気評価に関しては良好な評価結果となった((A)成分による効果と(C)成分がないことによるものと思われる)が、その他の評価項目については実施例の化粧料用粉体に比べて悪い結果となった。
次に、表4に記載の各材料を別途ビーカー中で80℃にて加熱溶解して混合し、B相を作製した。
次に、A相にB相を投入し、卓上ブレンダーにて混合を行った。
最後に、混合物を取り出し、ハンマーミルで粉砕して、実施例15の化粧料(ファンデーション)を作製した。
また、表3の実施例1の化粧料用粉体の代わりに、比較例5の化粧料用粉体を用いた以外は上記と同様にして比較例6の化粧料(ファンデーション)を作製した。
一方、比較例6の化粧料は、耐水性と臭気評価に関しては良好な評価結果となった((A)成分による効果と(C)成分がないことによるものと思われる)が、その他の評価項目については実施例15の化粧料に比べて悪い結果となった。
また、成分(A)、(B)の処理によって、肌への密着性が高い化粧料用粉体を得ることができることがわかった。
2 無機粉体
3 疎水性付与化合物((A)成分)
4 親水性付与化合物((B)成分)
5 (C)成分(温水応答性付与化合物)
Claims (8)
- 無機粉体の表面に、
次の成分(A)〜(C)による被膜が形成されていることを特徴とする化粧料用粉体。
(A)疎水性付与化合物
(B)親水性付与化合物
(C)酢酸ビニル重合体エマルション、酢酸ビニル共重合体エマルション、アクリレーツコポリマー、アクリレーツコポリマーアンモニウム塩、アクリレーツコポリマーナトリウム塩、アクリレーツコポリマーの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩、ポリビニルアルコールから選ばれる一種以上の化合物
- 前記(A)成分が、
メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチコン、ステアリン酸、イソステアリン酸、オクチルトリエトキシシランから選ばれる一種以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料用粉体。
- 前記(B)成分が、
アルミニウムの酸化物、アルミニウムの水酸化物、アルギン酸ナトリウム、ポリエーテル変性シリコーン、オルトケイ酸テトラエチル、メチルポリシリケートから選ばれる一種以上の化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧料用粉体。
- 前記酢酸ビニル共重合体エマルションが、
アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルション、エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルション、ポリビニルアルコールから選ばれる一種以上の共重合体エマルションであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の化粧料用粉体。
- 前記(C)成分の含有量が、
無機粉体に対して0.1〜5重量%であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の化粧料用粉体。
- 前記無機粉体が、
雲母、セリサイト、シリカ、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン、酸化ビスマス、酸化セリウム、シリコンパウダー、タルク、窒化ホウ素から選ばれる一つ以上の顔料からなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の化粧料用粉体。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の化粧料用粉体を配合したことを特徴とする化粧料。
- 無機粉体の表面に、疎水基を持つ化合物および親水基を持つ化合物を処理する前処理工程と、
前記前処理工程後の無機粉体に対し、酢酸ビニル重合体エマルション、酢酸ビニル共重合体エマルション、アクリレーツコポリマー、アクリレーツコポリマーアンモニウム塩、アクリレーツコポリマーナトリウム塩、アクリレーツコポリマーの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩、ポリビニルアルコールから選ばれる一種以上の化合物を処理する処理工程を備えることを特徴とする化粧料用粉体の製造方法。
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