JP2016108317A - 疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体を配合した固体状組成物 - Google Patents

疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体を配合した固体状組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】水への分散性に優れ、水溶性高分子を含むO/W系化粧料に配合した際にもゲル化や粘度低下を起こさず優れた安定性と使用感を発揮でき、さらに貯蔵安定性にも優れた固体状組成物を提供する。【解決手段】疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体と、特定の非イオン性界面活性剤と多価アルコールを含み、水分含有量が5質量%以下である固体状組成物であって、前記微粒子無機粉体を40質量%以上含み、前記非イオン性界面活性剤は、1,3−ブチレングリコールに20質量%濃度で混合したとき、35℃において透明溶解及び又は微濁するものであり、前記多価アルコールと非イオン性界面活性剤との混合液が25℃で液状であり、その混合液量(ml)が混合液で測定した粉体の吸油量(ml/g)と粉体配合量(g)との乗数(ml)の0.5〜3倍である量で前記組成物中に配合された固体状組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体、多価アルコール及び、少なくとも1種類以上の非イオン性界面活性剤を含み、かつ水分含有量が5質量%以下である固体状組成物に関する。
近年、紫外線に対する意識の上昇から、サンケア製品が注目されている。これらは有機系UVフィルターと無機系UVフィルターが使用されているが、安全性などの面で無機系UVフィルターの要望は強く、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムのような微粒子無機粉体を日焼け防止剤として配合したサンカット化粧料が注目されている。
一般的に上記のようなサンカット化粧料は、油性媒体中に無機粉体が配合されているW/O系化粧料が用いられている。しかしながら、このようなW/O系化粧料の感触の悪さやクレンジングのしにくさから、近年では水に無機粉体が配合されているO/W系サンカット化粧料が注目されるようになった。
現在のO/W系化粧料には水相に水溶性高分子が使用され、その構造粘性により化粧料としての安定性が保たれているものが多い。上記水溶性高分子には水和部分がカルボン酸タイプのものとスルホン酸タイプのものが存在し、どちらも高分子の構造中にアニオン性基を含んでいる。
一方、微粒子無機粉体は、粒子の表面活性の抑制や、多価金属や金属イオンの溶出の抑制、親水性の向上等を目的としてシリカやアルミナ等の無機化合物での表面処理が行われている。しかしながら、最外層が無機化合物である無機粉体は、化粧料に配合した際にキシミ感が生じ、感触が悪いため好ましくない。例えば微粒子酸化チタンの場合、シリカで表面処理することにより微粒子酸化チタンの表面活性を封鎖すると共に、シリカの持つシラノール基の水和能を利用して親水性を向上させているが、化粧料に配合した場合、シラノール基の凝集性の強さによる製剤と肌とのキシミ感が生じ、感触が悪くなる。さらに、汗や水など対する耐水性にも劣る。また、このようなシリカ処理酸化チタンは、上記水溶性高分子を含むO/W系化粧料に多量に配合された場合、シラノール基の影響により、経時的に化粧料の粘度上昇やゲル化を起こすといった問題もあった。
そのため、微粒子無機粉体が凝集せずに無機粉体の性能を十分に発揮できること、かつ水溶性高分子を含むO/W系化粧料に粘度低下あるいは凝集によるゲル化を起こすことなく安定に配合できること、さらにキシミ感がなく感触的に優れ、汗や水などへの耐水性に優れること、を兼ね備えた化粧料用材料が求められていた。
例えば、特許文献1には感触の改良と無機粉体の分散性の向上を目的として、撥水性有機表面処理をした無機粉体を水に分散させた分散体と、その分散体を用いた化粧料が記載されている。一般的に無機粉体は一次粒子が強く凝集していることから、上記のように分散媒中に無機粉体を分散させた分散体が化粧料用材料として用いられているが、このような分散体は輸送コストが高く、貯蔵時に沈降が生じる等安定性にも問題がある。さらに、分散媒の存在により、化粧料を製造する際に原料の配合調整をしづらいというデメリットもあった。
WO2013/018827
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、水への分散性に優れ、かつ水溶性高分子を含むO/W系化粧料に配合した際にも優れた安定性と使用感を発揮できる化粧料用材料を提供するものである。さらに、貯蔵安定性にも優れた材料を提供するものである。
本発明者は鋭意検討した結果、疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体を、水を配合することなく特定の非イオン性界面活性剤と多価アルコールの混合液を所定量で配合することによって、貯蔵安定性がよく、化粧料に配合した際に優れた安定性と使用感を持つことを発見した。
すなわち本発明は、疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体と多価アルコール、及び、非イオン性界面活性剤を含み、かつ水分含有量が5質量%以下である組成物であって、上記微粒子無機粉体を40質量%以上含み、上記非イオン性界面活性剤は、1,3−ブチレングリコールに20質量%濃度で混合したとき、35℃において透明溶解及び又は微濁するものであり、上記多価アルコールと非イオン性界面活性剤との混合液が25℃で液状であり、その混合液量(ml)が混合液で測定した粉体の吸油量(ml/g)と粉体配合量(g)との乗数(ml)の0.5〜3倍である量で上記組成物中に配合された固体状組成物である。
上記微粒子無機粉体は、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化セリウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。上記微粒子無機粉体は、一部又は全部の表面がシリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ及びジルコニアからなる群より選択される少なくとも1種によって被覆されたものであることが好ましい。
上記多価アルコールは、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール及びヘプタンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の多価アルコールであることが好ましい。上記非イオン性界面活性剤は、水に20質量%で混合したとき、35℃において不溶又は白濁のものであることが好ましい。上記非イオン性活性剤は、オルガノポリシロキサン系の非イオン活性剤であるであることが好ましい。
本発明は、少なくとも1種類以上の非イオン性界面活性剤、疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体、及び多価アルコールを含む、微粒子無機粉体を40質量%以上の配合量で配合された固体状組成物である。この組成物は液状分散体と違い、貯蔵時に沈降を引き起こさない。さらに、アニオン性の水溶性高分子を使用したO/W系化粧料にこの組成物を配合すると、化粧料の粘度低下やゲル化などの問題を起こすことなく品質に優れ、キシミ感等の感触や撥水性等、使用感にも優れた化粧料を得ることができる。また、ビーズミルなどの特殊な分散機を使用せずとも容易に水中に分散し、化粧料や塗料への配合が簡便である。
本発明に使用する微粒子無機粉体の一次粒子サイズとしては、一般に紫外線吸収・散乱効果を有する平均粒子径が5〜200nmであることが好ましい。上記下限は、10nmであることが更に好ましく、上記上限は100nmであることが好ましい。なお、本明細書における粒子径は電子顕微鏡でランダムに選択した200個の粒子の粒子径を測定し、その一次粒子径の平均を算出するという方法によって測定した値である。
上記微粒子無機粉体としては、特に限定されず、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムを挙げることができ、2種以上を併用して使用しても、複合体であっても良い。
微粒子無機粉体の形状としては、球状、棒状、針状、紡錘状、板状、六角板状、針状凝集体等、任意の形状のものを使用することができる。なお、棒状、針状、紡錘状粒子の場合は上記平均粒子径を短軸側の長さで、板状の場合は面の最大内接円の平均直径で規定する。
またこれらの微粒子無機粉体は、他の無機化合物で被覆し、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムの表面活性を封鎖した複合粉体上に疎水性有機表面処理を施したものであることが好ましい。当該表面処理無機化合物は、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、ジルコニアの1種及び又は2種以上が挙げられる。その被覆量は、処理後の無機粉体の全量に対して、1〜25質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。なお、水酸化アルミニウムなど、水中で解離し多価金属イオンを生じるものを使用する場合は、水溶性高分子を含む化粧料に配合した際に、水系中にアルミニウムイオンが溶出し、アニオン性水溶性高分子が粘度低下を起こすため、その使用量は限定され、10質量%以下とすることが好ましい。更に、このような観点からみて、イオン溶出を生じないシリカなどが好ましい。
微粒子無機粉体の疎水性有機表面処理剤としては、メチルハイドロジェンシロキサンポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルポリシロキサンとのコポリマー、トリメトキシシリル基やトリエトキシシリル基等の反応性トリアルコキシシリル基含有ジメチルポリシロキサン、同反応性基含有アルキル変性ポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、アルキルシラン、アルキルチタネート、金属石鹸等が挙げられ、少なくとも1種以上の化合物を公知の方法で処理することができる。これら疎水性有機表面処理剤で処理されることにより、被覆無機材料の親水性基が封鎖され、水溶性高分子を含む化粧料に配合した際に、無機粉体と水溶性高分子とのゲル形成が阻害されると共に、使用時のキシミ感をなくすことができ耐水性も向上する。
上記無機粉体の疎水性有機処理においては、処理後の無機粉体の全量に対して、2〜15質量%の有機処理が施されたものであることが好ましく、2質量%以下では、疎水性が不十分であり、15質量%以上では疎水性が頭打ちとなる。より好ましくは、4〜12質量%の有機処理が施されたものである。
上記固体状組成物は、上記無機粉体を組成物全量に対して、40質量%以上含むものである。当該配合量とすることで、化粧料材料として少量で効果に必要な量を配合できるという点で好ましい。上記組成物中の無機粉体の配合量は、60質量%以上であることがより好ましい。配合量の上限は特に限定されるものではないが、95質量%以下であることが好ましく、より好ましくは90質量%以下である。
本発明の固体状組成物は、多価アルコールを含有する。多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオールから選ばれる1種及び又は2種以上であることが好ましく、特にブチレングリコール、ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオールが好ましい。この多価アルコールは、固体組成物中に2〜30質量%含有することが好ましい。上記下限は5質量%であることがより好ましく、上記上限は25質量%であることがより好ましい。このような多価アルコールを配合することによって、非イオン性界面活性剤が粉体表面により均一に配向でき、化粧料配合時に処方系が安定するものと考えられる。
本発明の固体状組成物は、非イオン性界面活性剤を含有する。非イオン性界面活性剤は、1種のみの使用であってもよいし、2種以上を組みあわせて使用してもよい。上記非イオン性界面活性剤は、1,3−ブチレングリコールに20質量%濃度で混合したとき、35℃において透明溶解又は微濁する非イオン性界面活性剤(非イオン性界面活性剤が室温にてペースト状〜固体の場合は加温して均一にしたのち35℃にして確認)である。なお、2種以上の非イオン性界面活性剤を組み合わせて使用する場合は、固体状組成物中に配合する混合比で混合した非イオン性界面活性剤について上述した試験を行った場合に、透明溶解又は微濁することが必要である。
なお、本明細書において「透明溶解」とは、得られた混液の35℃における光路長10mmでのヘーズ値が10未満であることを意味し、「微濁」とは得られた混液の35℃における光路長10mmでのヘーズ値が10以上、且つ、全光透過率が30%以上である状態であることを意味する。
このような非イオン性界面活性剤を使用することで、粒子表面に効率的に非イオン性界面活性剤による層を作ることが出来るという効果が得られる。上記非イオン性界面活性剤の配合量は、固体状組成物全量に対して、1〜30質量%含有するものであることが好ましい。上記下限は、2質量%であることがより好ましく、3質量%であることが更に好ましい。上記上限は、25質量%
であることがより好ましく、20質量%であることが更に好ましい。
さらに上記非イオン性界面活性剤は、水に20質量%濃度で混合したとき、35℃において不溶又は白濁する非イオン性界面活性剤(非イオン性界面活性剤が室温にてペースト状〜固体の場合は加温して均一にしたのち35℃にして確認)であることがより好ましい。このような非イオン性界面活性剤を用いることにより、化粧料の作製時に水への分散性が高くなり、得られる化粧料の感触および安定性をより優れたものとすることができる。なお、2種以上の非イオン性界面活性剤を組み合わせて使用する場合は、固体状組成物中に配合する混合比で混合した非イオン性界面活性剤について、上述した試験を行った場合に不溶又は白濁することが必要である。
なお、本明細書において「不溶」とは、混合させても溶け残りが生じたり、又は、一見混濁したように見えても1時間経過後には相分離してしまったりする状態を意味し、「白濁」とは得られた混液の35℃における光路長10mmでのヘーズ値が10以上、且つ、全光透過率が30%未満である状態であることを意味する。
このような界面活性剤のHLBは、6以上12以下であることが望ましい。HLBが12を超える非イオン性界面活性剤だけを使用した固体状組成物は、O/W系化粧料へ配合した場合、非イオン性界面活性剤の水への溶解性が高過ぎるため粉への吸着性が悪くなり、O/W系化粧料の粘度上昇を起こしやすく、耐水性が悪くなりやすい。また非イオン性界面活性剤のHLBが6未満の場合は、水への分散性が悪い固体状組成物ができてしまう。なお、本明細書においてHLBは、W.C.Grifinnによって定義された次式によって求める。NHLB=(E+P)/5(NHLB:HLB値、E:ポリオキシエチレン部の分散剤分子全体に対する質量%、P:多価アルコール部の分散剤分子全体に対する質量%)
非イオン性界面活性剤の種類としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン基を有するオルガノポリシロキサン、ポリグリセリン基を有するオルガノポリシロキサン、糖鎖を有するオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
中でも、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン基を有するオルガノポリシロキサンを非イオン性界面活性剤として使用することが好ましい。
更には、上述したようなオルガノポリシロキサン系の非イオン界面活性剤が最も好ましく、オルガノポリシロキサン系の非イオン界面活性剤を使用した場合、組成物の安定性、化粧料において使用したときの使用感等において、特に優れた効果を得ることができる。
上記多価アルコールと非イオン性界面活性剤との合計の混合液量は、配合する多価アルコールと非イオン界面活性剤の混合液で測定した粉体の吸油量(ml/g)と粉体配合量(g)との乗数(ml)の0.5〜3倍である量で上記固体状組成物中に配合されることが好ましく、更に1〜2倍であることが更に好ましい。この量より少ない配合量であれば化粧料の水相に配合しにくく、この量より多い配合量であれば固体状組成物から油が浮き出て固体状組成物が不均一化する等の問題が発生する。なお、上記吸油量は後述する実施例に記載の方法で測定した値である。
本発明の固体状組成物は、その製造方法を限定されるものではないが、多価アルコールと非イオン性界面活性剤と疎水性有機表面処理された無機粉体を羽根型ミキサー、コーンミキサー、ニーダー、二軸混練機、ロール機、造粒機等を用いて混合することによって得ることができる。あらかじめ多価アルコールと非イオン性界面活性剤を混合し、得られた混合液に上記無機粉体を添加して混合してもよいし、多価アルコールと非イオン性界面活性剤と上記無機粉体を同時に添加して混合してもよい。混合して得られた固体状組成物は、必要に応じて粒状やヌードル状等に成形してもよい。
本発明の固体状組成物には、組成物の性能を損なわない範囲で必要に応じて、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、感光素、フェノキシエタノール等の防菌防腐剤や抗菌剤等を添加することができる。
本発明の固体状組成物は水分含有量が5質量%以下の固体状組成物である。上記水分含有量は、後述する実施例に記載の方法で測定した値である。その上限は5質量%以下が好ましく、更に2質量%以下が好ましい。上記水分含有量が5質量%を超える場合は、貯蔵時の安定性が悪くなるため好ましくない。
このようにして得られた疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体の固体状組成物は、紫外線遮断効果を有する化粧料を作成するための成分として有用である。この場合、本発明の固体状組成物のみを紫外線遮断成分としても良いが、微粒子無機粉体の油系分散体や有機紫外線吸収剤等を併用しても良い。
また、このようにして得られた疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体の固体状組成物を水系塗料などに使用しても良い。本発明の固体状組成物は撹拌機だけでも容易に水へ分散するために、ビーズミルなどの高価な分散機が不要となるメリットがある。
さらに、本発明の固体状組成物は、アニオン性の水溶性高分子と併用される化粧料の処方において、特に好適に使用することができる。すなわち、本発明の固体状組成物を使用することによって、アニオン性の水溶性高分子と併用しても粘度低下やゲル化等を生じることがない、という利点を有するものでもある。このようなアニオン性の水溶性高分子としては、例えば、カルボキシビニルポリマー等を挙げることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚,特に断らない限り、以下に記載する「%」は「質量%」を意味する。
表1、表2において、混合液量、吸油量、粉体配合量、粒度分布D10、D50、D90、水分含有量および貯蔵安定性は以下のようにして得られる値である。
混合液量とは、25℃での多価アルコールと非イオン性界面活性剤との混液の配合重量、配合容量のことである。
吸油量とは、JIS K5101の方法により、測定油として配合時と同比率で混合した多価アルコールと非イオン性界面活性剤との混合液を用いて得た値である。
粉体配合量とは、処理に用いた粉体の総重量である。
粒度分布D10、D50、D90とは、実施例及び比較例で得られた組成物50gに水50gを加え、撹拌機でリパルプした時の粒度分布を粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−750)で測定した値であり、それぞれ10wt%、50wt%、90wt%積算径を表す。なお、測定液は粒度分布測定装置で測定できる程度にリパルプ液を水で希釈したものを用いた。
水分含有量とは、水分気化装置を用いて実施例および比較例で得られた固体状組成物0.2gを150℃で10分間加熱し、水分自動測定器(平沼産業株式会社製AQL−6A)に導入する方法で測定した値である。
貯蔵安定性とは、実施例及び比較例で得られた組成物を1週間、室温で静置した際に油の分離や、粉体と液状成分が分離するかどうかを評価したものである。変化がなかったものを良好とする。
(実施例1)シリカとシリコーンで表面処理された酸化亜鉛(粒子径:35nm、表面処理量:表面処理された酸化亜鉛全量に対しシリカが5質量%、シリコーンが6質量%)3kgとポリエーテル変性シリコーン(KF−6013:信越化学工業製)250gと1,3−ブチレングリコール500gとの混合液750gを羽根型ミキサーに投入し、1000rpmで30分間混合した。得られた組成物は粘土様の固体状であった。山中式土壌硬度計でその組成物の固さを測定したところ、1.6kg/cm2であった。また、使用した混合液での粉体の吸油量は0.16ml/gであり、(吸油量)×(粉体配合量)は480mlであった。得られた固体状組成物は、無機粉末の分散性が高く、貯蔵安定性にも優れた組成物であった。なお、35℃で使用した上記非イオン性界面活性剤であるポリエーテル変性シリコーン(KF−6013)2.0gを1,3−ブチレングリコール8.0gと混合した場合は微濁し、水8.0gと混合した場合は白濁した。
(実施例2)シリカとシリコーンで表面処理された酸化亜鉛(粒子径:35nm、表面処理量:表面処理された酸化亜鉛全量に対しシリカ5質量%、シリコーン4質量%)3kgとポリエーテル変性シリコーン(KF−6013:信越化学工業製)250gと1,3−ブチレングリコール500gとの混合液750gを羽根型ミキサーに投入し、300rpmで10分間混合した。得られた組成物はフレーク様の固体状であった。また、使用した混合液での粉体の吸油量は0.18ml/gであり、(吸油量)×(粉体配合量)は540mlであった。得られた固体状組成物は、無機粉末の分散性が高く、貯蔵安定性にも優れた組成物であった。
(実施例3)シリカとシリコーンで表面処理された酸化亜鉛(粒子径:35nm、表面処理量:表面処理された酸化亜鉛全量に対しシリカが5質量%、シリコーンが6質量%)3kgとポリエーテル変性シリコーン(KF−6013:信越化学工業製)140gと1,3−ブチレングリコール280gとの混合液420gを羽根型ミキサーに投入し、1000rpmで30分間混合した。得られた組成物は粉末様の固体状であった。また、使用した混合液での粉体の吸油量は0.16ml/gであり、(吸油量)×(粉体配合量)は480mlであった。得られた固体状組成物は、無機粉末の分散性が高く、貯蔵安定性にも優れた組成物であった。
(実施例4)シリカとシリコーンで表面処理された酸化チタン(粒子径:15nm、表面処理量:表面処理された酸化チタン全量に対しシリカが20質量%、シリコーンが8質量%)2kgとポリエーテル変性シリコーン(KF−6013:信越化学工業製)480gと1,3−ブチレングリコール520gとの混合液1kgを羽根型ミキサーに投入し、300rpmで20分間混合した。得られた組成物はフレーク様の固体状であった。また、使用した混合液での粉体の吸油量は0.32ml/gであり、(吸油量)×(粉体配合量)は640mlであった。得られた固体状組成物は、無機粉末の分散性が高く、貯蔵安定性にも優れた組成物であった。
(実施例5)シリカとシリコーンで表面処理された酸化亜鉛(粒子径:35nm、表面処理量:表面処理された酸化亜鉛全量に対しシリカが5質量%、シリコーンが6質量%)3kgとポリエーテル変性シリコーン(KF−6013:信越化学工業製)400gと1,3−ブチレングリコール800gとの混合液1200gを羽根型ミキサーに投入し、1000rpmで30分間混合した。得られた組成物は粘土様の固体状であった。山中式土壌硬度計でその組成物の固さを測定したところ、1.0kg/cm2であった。また、使用した混合液での粉体の吸油量は0.16ml/gであり、(吸油量)×(粉体配合量)は480mlであった。得られた固体状組成物は、無機粉末の分散性が高く、貯蔵安定性にも優れた組成物であった。
(実施例6)シリカとシリコーンで表面処理された酸化亜鉛(粒子径:35nm、表面処理量
:表面処理された酸化亜鉛全量に対しシリカが5質量%、シリコーンが4質量%)3kgとポリエーテル変性シリコーン(KF−6011:信越化学工業製)250gと1,3−ブチレングリコール500gとの混合液750gを羽根型ミキサーに投入し、1000rpmで30分間混合した。得られた組成物は粘土様の固体状であった。また、使用した混合液での粉体の吸油量は0.18ml/gであり、(吸油量)×(粉体配合量)は480mlであった。得られた固体状組成物は、無機粉末の分散性が高く、貯蔵安定性にも優れた組成物であった。なお、35℃で使用した上記非イオン性界面活性剤であるポリエーテル変性シリコーン(KF−6011)2.0gを1,3−ブチレングリコール8.0gと混合した場合は微濁し、水8.0gと混合した場合は透明であった。
(比較例1)シリカとシリコーンで表面処理された酸化亜鉛(粒子径:35nm、表面処理量:表面処理された酸化亜鉛全体に対しシリカが5質量%、シリコーンが6質量%)3kgとポリエーテル変性シリコーン(KF−6013:信越化学工業製)80gと1,3−ブチレングリコール130gとの混合液210gを羽根型ミキサーに投入し、1000rpmで30分間混合した。得られた組成物は粉末様の固体状であった。使用した混合液での粉体の吸油量は0.16ml/gであり、(吸油量)×(粉体配合量)は480mlであった。得られた固体状組成物は、水への分散性が悪い組成物であった。
(比較例2)シリカとシリコーンで表面処理された酸化亜鉛(粒子径:35nm、表面処理量:表面処理された酸化亜鉛全体に対しシリカが5質量%、シリコーンが6質量%)3kgとポリエーテル変性シリコーン(KF−6013:信越化学工業製)900gと1,3−ブチレングリコール1800gとの混合液2700gを羽根型ミキサーに投入し、1000rpmで30分間混合した。得られた組成物はペースト状であった。また、使用した混合液での粉体の吸油量は0.16ml/gであり、(吸油量)×(粉体配合量)は480mlであった。得られた固体状組成物は、無機粉体と油が分離し、貯蔵安定性の悪い組成物であった。
(比較例3)シリカとシリコーンで表面処理された酸化亜鉛(粒子径:35nm、表面処理量:表面処理された酸化亜鉛全体に対しシリカが5質量%、シリコーンが6質量%)3kgとポリエーテル変性シリコーン(KF−6017:信越化学工業製)250gと1,3−ブチレングリコール500gとの混合液750gを羽根型ミキサーに投入し、300rpmで30分間混合した。得られた組成物はフレーク様の固体状であった。また、使用した混合液での粉体の吸油量は0.16ml/gであり、(吸油量)×(粉体配合量)は480mlであった。得られた固体状組成物は水へ分散しなかった。なお、35℃で使用した上記非イオン性界面活性剤であるポリエーテル変性シリコーン(KF−6017)2.0gを1,3−ブチレングリコール8.0gと混合した場合は白濁し、水8.0gと混合した場合は溶けなかった。
(比較例4)シリカとシリコーンで表面処理された酸化亜鉛(粒子径:35nm、表面処理量:表面処理された酸化亜鉛全体に対しシリカが5質量%、シリコーンが6質量%)3kgとポリエーテル変性シリコーン(KF−6013:信越化学工業製)625gと1,3−ブチレングリコール1250gとの混合液1875gを羽根型ミキサーに投入し、300rpmで30分間混合した。得られた組成物は粘土様の固体状であった。また、使用した混合液での粉体の吸油量は0.16ml/gであり、(吸油量)×(粉体配合量)は480mlであった。この時の混合液量は1858mlであり、混合液量を(吸油量)×(粉体配合量)で割った比率は3.87であった。この得られた粘土様の固体状組成物95gに水5gを足して混練したところ、粘度5000mPa・sの液状となり、1週間後には液状成分と粉体が分離した上澄みが発生し、貯蔵安定性が悪い組成物であった。この水を追加した組成物の水分含水量は5.98%であった。
表1および2におけるA÷B(混合液量÷(吸油量)×(粉体量))が0.5〜3の範囲にある場合は、きれいに水中に分散し、分散度も高く、貯蔵安定性にも優れている。一方、範囲外である比較例1は水への分散性の悪い組成物であった。また、同じく範囲外である比較例2では固体状の組成物が得られず、油と粉体が分離し不均一となり貯蔵安定性に劣っていた。1,3−ブチレングリコールに白濁する非イオン性界面活性剤を用いた比較例3では水分散できず、粒度分布が測定できなかった。さらに、水分含有量が5質量%以上の比較例4では、油と粉体が分離し不均一となり貯蔵安定性に劣っていた。今回の結果は単純な水のみの系での結果であったが、化粧料や塗料においても同様の傾向である。
〔非イオン性界面活性剤の種類と水分散性に関する比較〕実施例1(非イオン性界面活性剤としてKF−6013を用いたもの)および実施例6(非イオン性界面活性剤としてKF−6011を用いたもの)について、水分散性の比較を行った。実施例1および実施例6で得られた固体状組成物80gに水20gを加え、撹拌機にて混合した。得られた混合物の状態を確認したところ、実施例1と水の混合物は粘度が8220mPa・sであったのに対し、実施例6と水の混合物は粘土のような状態で流動性が乏しく、粘度を測定することができなかった。なお、上記粘度はB型粘度計(東京計器製)で測定した値である。したがって、実施例1の方が実施例6よりも水への分散性が良いことがわかった。すなわち、水に20質量%濃度で混合したとき、35℃において不溶又は白濁する非イオン性界面活性剤(非イオン性界面活性剤が室温にてペースト状〜固体の場合は加温して均一にしたのち35℃にして確認)である、非イオン性界面活性剤を含む固体状組成物の方が、水への分散性により優れることがわかった。
〔実施例7〜12、比較例5〜8〕得られた実施例1〜6及び比較例1〜4の固体状組成物を用いて、以下に示す組成の実施例7〜12および比較例5〜8の日焼け止めO/Wクリームを表3の記載の配合で調製し、その品質を評価した。なお、化粧料中の無機粉体の配合量を16%にそろえるため、固体状組成物と水の配合量は、表4、5に記載の通りに調整している。
(製造方法)A:成分1〜4を混合し、加熱する。B:成分5〜11を均一に混合し、加熱する。C:BにAを添加して乳化し、冷却してそれぞれの日焼け止めO/Wクリーム(実施例7〜12、比較例5〜8)を得た。
評価は次のように行った。1.日焼け止めO/Wクリームの安定性調整した日焼け止めO/Wクリームを50℃で1か月静置した後、増粘がみられるかどうかを確認した。[評価基準]◎:増粘していない。○:わずかに増粘している。△:増粘している。×:著しく増粘してゲルになっている。2.使用感評価専門評価パネル20名による使用テストを行い、塗布時ののび広がりの良さ、後肌のきしみ感のなさ、並びに日焼け止め効果について下記基準より5段階評価し、さらにその平均点をもとめ判定した。[評価基準]5点:非常に良好4点:良好3点:普通2点:やや不良1点:不良[判定]◎:平均点4.5以上○:平均点3.5以上4.5未満△:平均点2.5以上3.5未満×:平均点2.5未満3.総合評価◎:安定性、使用感、共に特に優れる。○:安定性、使用感、共に優れる。△:粘度上昇がみられる、或いは使用感において劣る。×:安定性が悪く、使用感も劣る。
実施例1〜6で得られた固体状組成物を含む日焼け止めO/Wクリームは、経時変化を起こさず安定で、使用感にも優れるものであった。一方、比較例1〜4で得られた固体状組成物を含む焼け止めO/Wクリームは、安定性や使用感に関して十分でないものであった。
本発明の固体状組成物は、化粧料分野や塗料分野において好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. 疎水性有機表面処理された微粒子無機粉体と多価アルコール、及び、非イオン性界面活性剤を含み、かつ水分含有量が5質量%以下である組成物であって、上記微粒子無機粉体を40質量%以上含み、上記非イオン性界面活性剤は、1,3−ブチレングリコールに20質量%濃度で混合したとき、35℃において透明溶解及び又は微濁するものであり、上記多価アルコールと非イオン性界面活性剤との混合液が25℃で液状であり、その混合液量(ml)が混合液で測定した粉体の吸油量(ml/g)と粉体配合量(g)との乗数(ml)の0.5〜3倍である量で上記組成物中に配合された固体状組成物。
  2. 上記微粒子無機粉体は、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化セリウムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の固体状組成物。
  3. 上記微粒子無機粉体は、一部又は全部の表面がシリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ及びジルコニアからなる群より選択される少なくとも1種によって被覆されたものである請求項1または2に記載の固体状組成物。
  4. 上記多価アルコールは、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール及びヘプタンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の多価アルコールである、請求項1〜3のいずれかに記載の固体状組成物。
  5. 上記非イオン性界面活性剤は、水に20質量%で混合したとき、35℃において不溶又は白濁のものである、請求項1〜4のいずれかに記載の固体状組成物。
  6. 非イオン性活性剤がオルガノポリシロキサン系の非イオン活性剤である、請求項1〜5のいずれかに記載の固体状組成物。
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