JP2008150328A - ミスト式日焼け止め化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、本発明は、紫外線防御能および顔料分散安定性に優れるミスト式日焼け止め皮膚外用剤を提供することにある。
【解決手段】 水溶性高分子及び多価アルコールを含有し、ミスト状に噴霧して使用する水分散型の日焼け止め化粧料であって、含水ケイ酸もしくは無水ケイ酸により被覆してなる微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛を含有することを特徴とするミスト式日焼け止め化粧料を提供することにより、上記課題を解消できることを見いだしたもの。
【選択図】 なし
【解決手段】 水溶性高分子及び多価アルコールを含有し、ミスト状に噴霧して使用する水分散型の日焼け止め化粧料であって、含水ケイ酸もしくは無水ケイ酸により被覆してなる微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛を含有することを特徴とするミスト式日焼け止め化粧料を提供することにより、上記課題を解消できることを見いだしたもの。
【選択図】 なし
Description
本発明は、紫外線防御能および顔料分散安定性に優れるミスト式日焼け止め化粧料に関する。
本発明は、日常で使用する日焼け止め化粧料において、ミスト状で噴霧することで、肌の広い面にも塗布しやすく、紫外線防御能に優れ、通常の洗浄剤でも洗い落とせるミスト式の日焼け止め化粧料を得ることを目的とするものである。
日焼け止め化粧料は、主目的である紫外線防御能において、その持続性を主眼に置かれることから、特にシリコーン系オイルやシリコーン系界面活性剤を主体とする油中水型乳化物をその製剤系として採用されることが主流となっている。そのため、さっぱりとした使用感でありながら、高い紫外線防御能を長時間維持できる特性を持った製剤が一般的となっている。しかしながら、これらの欠点のひとつとして、紫外線防御能の持続性に優れる反面、通常の洗浄剤では洗い落としづらい点が挙げられる。また、製剤的にも高コストであり、安定性の高い処方を得るには高度な技術を要する点も挙げられる。また、油の使用感は、違和感や温熱感を感じるものであり、夏場に使用される化粧料においては、どうしても不快感を与えてしまう。
この課題に関する文献として、親水性の界面活性剤を含有せず、弱酸性で且つ皮膚に対して安全で、良好な使用感を有し、さらに耐水性が高く、化粧持続性の高い日焼け止め用水中油型乳化化粧料(特許文献1参照)がある。また、微粒子シリカを含む、汗耐性の水中油型高SPF日焼け止め処方物(特許文献2参照)、反応性シリル基を有するポリマーを皮膜剤として含有する水中油型乳化化粧料において、使用感、耐水性に優れ、日焼け止め化粧料としても有用な水中油型乳化化粧料(特許文献3参照)、リン脂質、HLB10以上の非イオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤、油溶性紫外線吸収剤、水、微生物産生多糖類を含有し、低粘度でありながら、経時での分離や粘度上昇などがなく安定性に優れ、さっぱりとしたみずみずしい感触を有する水中油型の日焼け止め料(特許文献4参照)などが開示されている。しかしながら、これらは水中油型乳化化粧料に関するものであり、水分散系での事例で、しかもミスト状の形態を呈するというものはない。
本発明においては、紫外線防御能に優れた顔料を高濃度含むにも関わらず、ミストとして噴霧することができ、しかも顔料分散性が良好で、経時的な顔料の凝集などを生じない安定性に優れたミスト式日焼け止め化粧料を提供する方法について鋭意検討した。
日焼け止め化粧料において、紫外線防御能に優れた顔料としては、微粒子酸化チタン及び微粒子酸化亜鉛が主に用いられる。これらを水中で分散させ、さらにミスト状に噴霧させるためには、可能な限り一次粒子状態を維持したまま分散可能な、良分散媒が必要とされる。分散性向上と凝集防止目的では、水溶性高分子が有効であるが、組合せによっては等電点凝集を生じ、逆の現象を生じてしまうことがある。わずかな凝集を生じただけでも、高濃度に顔料を配合した場合、ミスト状にすることは困難になる。
本発明者は、前記課題を解決するために研究を行った結果、水溶性高分子及び多価アルコールを含有し、ミスト状に噴霧して使用する水分散型の日焼け止め化粧料であって、含水ケイ酸もしくは無水ケイ酸により被覆してなる微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛を含有することを特徴とするミスト式日焼け止め化粧料を用いることで、これらの課題を解消できることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
本発明のミスト式日焼け止め化粧料は、紫外線防御能に優れた顔料を高濃度含むにも関わらず、ミストとして噴霧することができ、しかも顔料分散性が良好で、経時的な顔料の凝集などを生じない安定性に優れた性能を達成できる。
本発明の実施の形態を説明する。
本発明に用いる含水ケイ酸もしくは無水ケイ酸により被覆してなる微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛において、核となっている微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛は、紫外線を遮蔽及び散乱させる目的で用いられるもので、平均一次粒子径が1〜50nmのものが好ましく、粒子の形状としては、球状、板状、紡錘状、針状等の何れでも用いることができる。微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛は、そのサイズから、一次粒子の表面活性が極度に高いことから凝集を生じやすく、特に微粒子酸化チタンにおいては、一般的にアルミナなどの無機酸化物で被覆することで表面活性を抑止したものが使われている。未被覆のタイプだとその表面活性に起因して問題を生じる場合が多い。本発明の日焼け止め化粧料においては、その表面活性を抑えると伴に、分散安定性及びミスト形状を保つ上で、無水ケイ酸もしくは含水ケイ酸、いわゆる酸化ケイ素により被覆したものが用いられる。微粒子酸化チタンの場合、ケイ酸被覆の前に、例えば、アルミナ、酸化ジルコニウム等であらかじめ表面処理したものを使用しても良い。ケイ酸被覆微粒子酸化チタン、酸化亜鉛におけるケイ酸の被覆量は、隠蔽力、顔料分散安定性、表面活性の点から、ケイ酸被覆微粒子酸化チタン、酸化亜鉛の質量に対して5〜30%が好ましい。ケイ酸の被覆量が5%未満では、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛の表面活性の低減効果が十分ではなく、30%を超えると効果の向上が見られず、使用感を損なう場合がある。ケイ酸被覆微粒子酸化チタンの市販品としては、含水ケイ酸被覆タイプのMICRO TITANIUM DIOXIDE SMT-100WR(テイカ(株)社製)および無水ケイ酸被覆タイプのCONCELIGHT WP-10S(触媒化成工業(株)社製)を例示することができる。微粒子酸化亜鉛は、表面活性が酸化チタンほど高くはないことから、非被覆タイプでも、実用上では問題を生じない程度の分散性を示すが、無水ケイ酸もしくは含水ケイ酸により被覆したものが望ましい。
含水ケイ酸もしくは無水ケイ酸により被覆してなる微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛の、化粧料中における分散状態での平均粒子径は50〜1000nmが好ましく、特に1000nmを越えると、ミスト状での噴霧が困難になってくる。
含水ケイ酸もしくは無水ケイ酸により被覆してなる微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛の配合量としては、ミスト式日焼け止め化粧料全量に対し、0.5〜15質量%を用いることができるが、0.5質量%未満では、充分な紫外線防御能を示さず、15質量%を越えると、ミスト状での噴霧に支障が生じる場合があり、さらに経時的な凝集を生じたりする。1〜10質量%が特に好ましい。
本発明に用いる水溶性高分子は、その一部が顔料表面に吸着することで、顔料間の相互間力が低減し、顔料分散を向上させる働きがある。また、過剰になった水溶性高分子が、顔料同士の衝突を妨げ、経時的な凝集を抑止する。微粒子の顔料を用いる場合、その表面活性が高いために、相互間力も強く、長期間にわたる顔料分散性に充分配慮する必要がある。水溶性高分子を用いない場合、本発明のケイ酸被覆微粒子酸化物であれば、一旦一次粒子で分散されるが、分散粒子が沈降、沈積してケーキングを起こし、均一に再分散しない問題が生じる。このような理由から、本発明の水分散系の製剤においては、水溶性高分子の存在は必須である。
本発明に用いる水溶性高分子としては、ノニオン性高分子のセルロース系高分子が挙げられ、また、アニオン性高分子としては、カルボキシビニルポリマーを代表とするポリアクリル系高分子や、キサンタンガム,カラギーナン,ヒアルロン酸,アルカリゲネス産生多糖体,アルギン酸塩などの天然多糖類などを挙げることができる。本発明の必須成分であるケイ酸被覆微粒子酸化物は、その表面活性が酸化ケイ素の性質を有することから、分散安定性の上では、これら水溶性高分子の性質の影響を受けにくいが、長期間での分散安定性や、凝集性を考慮すると、これらのうち、キサンタンガム,カラギーナン,ヒアルロン酸,アルカリゲネス産生多糖体,アルギン酸塩などの天然多糖類系高分子が好ましい。安定性かつ使用感においては、アルカリゲネス産生多糖体、アルギン酸塩が特に好ましいものであった。
アルカリゲネス産生多糖体は、アルカリゲネス属(Alcaligenes SP.)細菌に属するアルカリゲネスレータスB−16株細菌培養産物である多糖類で、優れた顔料分散性、優れた増粘性、保湿性を有する親水性高分子である。使用感的にもあっさりとした感触で、肌に適用した場合でも、べたつかない特性がある。またこの多糖類は低濃度でも充分な分散安定性が得られる。アルカリゲネス産生多糖体は、「アルカシーラン」(伯東(株)社製)として市販されている。また、アルギン酸塩は、化粧料などに一般に用いられるアルギン酸カリウムや、アルギン酸ナトリウムを用いることができる。
水溶性高分子は、単独でも良いし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。先に述べたように、水溶性高分子は、その一部がケイ酸被覆微粒子酸化物の表面に吸着することで、顔料間の相互間力が低減し、顔料分散を向上させる働きがある。その配合量としては、ミスト式日焼け止め化粧料全量に対し、0.001〜5質量%を用いることができるが、0.001質量%未満では、充分な吸着層が形成されないために、沈積によるケーキングで、再分散性に問題が生じる。また、5質量%を越えると、粘度が高すぎてミスト状に噴霧できなくなる。0.01〜1質量%が特に好ましい。
本発明に用いる多価アルコールとしては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジグリセリン、ジプロピレングリコールから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。本発明の皮膚外用剤においては、微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛の粒子が細かいことの影響から、肌に適用した場合に、止まり感が生じてしまう問題がある。この解消にグリセリン、1,3−ブチレングリコールが有効であり、本発明に用いる多価アルコールとしては、グリセリンが特に好ましい。
多価アルコールの配合量としては、ミスト式日焼け止め化粧料全量に対し、0.5〜20質量%を配合することができる。0.5質量%未満では、上記の顔料の影響による使用感の低下がみられ、20質量%を越えると、べたつきが顕著に現われ、肌に違和感や不快感を感じてくる。0.5〜15質量%が特に好ましい。
本発明の日焼け止め化粧料には、必須成分としての水溶性高分子、多価アルコール、微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛のほかに、本発明品の効果を損なわない範囲で、一般的な化粧料や医薬部外品などに配合される他の成分、例えば界面活性剤,保湿剤,有機粉体,紫外線吸収剤,pH調整剤,キレート剤,薬剤,香料,樹脂,その他アルコール類などを、適宜必要に応じて配合することができる。
本発明のミスト式日焼け止め化粧料には、実質油分を含有しないが、5質量%以下で、可溶化状態、もしくはマイクロエマルション状態であれば、流動性の低下がミスト形態に影響せず、配合は可能である。
次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明の日焼け止め化粧料は、これらに限定されるものではない。
表1に本発明の実施例1〜3と、その比較として比較例1〜3を示す。また、それぞれの噴霧試験結果と安定性試験結果についても表1に示す。噴霧試験はミスト式容器にての噴霧状態を観察した。安定性試験は、透明容器に保存し、25℃下にて1週間の凝集状態の変化を目視にて評価した。評価基準を下記に示す。
[噴霧試験]
◎:良好な状態でミスト状に噴霧できる
△:噴霧可能だがきれいなミスト状を呈さない
×:全くミスト状を呈さない
[安定性試験]
○:分散状態良好
△:若干凝集傾向が見られる
×:顕著な凝集が観察
[噴霧試験]
◎:良好な状態でミスト状に噴霧できる
△:噴霧可能だがきれいなミスト状を呈さない
×:全くミスト状を呈さない
[安定性試験]
○:分散状態良好
△:若干凝集傾向が見られる
×:顕著な凝集が観察
製造方法:
成分1〜7を順次混合したのち、高剪断型の分散機を用いて混合均一化する。
成分1〜7を順次混合したのち、高剪断型の分散機を用いて混合均一化する。
以上の結果より、比較例1から3は、実施例と比較して本発明の特性である良好なミスト状を呈さず、顔料凝集も確認された。
以下、その他本発明の実施例を記載する。
[実施例4]ミスト式日焼け止め化粧料
1.グリセリン 5.0(質量%)
2.含水ケイ酸被覆微粒子酸化チタン水分散体 4.0
(40質量%水分散体)
3.含水ケイ酸被覆微粒子酸化亜鉛水分散体 3.0
(40質量%水分散体)
4.アルカリゲネス産生多糖体 0.05
5.精製水 84.45
6.フェノキシエタノール 0.5
7.エタノール 3.0
製造方法:
成分1〜7を順次混合したのち、高剪断型の分散機を用いて混合均一化する。
1.グリセリン 5.0(質量%)
2.含水ケイ酸被覆微粒子酸化チタン水分散体 4.0
(40質量%水分散体)
3.含水ケイ酸被覆微粒子酸化亜鉛水分散体 3.0
(40質量%水分散体)
4.アルカリゲネス産生多糖体 0.05
5.精製水 84.45
6.フェノキシエタノール 0.5
7.エタノール 3.0
製造方法:
成分1〜7を順次混合したのち、高剪断型の分散機を用いて混合均一化する。
[実施例5]ミスト式日焼け止め化粧料
1.グリセリン 1.0(質量%)
2.含水ケイ酸被覆微粒子酸化チタン水分散体 10.0
(40質量%水分散体)
3.アルカリゲネス産生多糖体 0.05
4.アルギン酸カリウム 0.05
5.精製水 85.4
6.フェノキシエタノール 0.5
7.エタノール 3.0
製造方法:
成分1〜7を順次混合したのち、高剪断型の分散機を用いて混合均一化する。
1.グリセリン 1.0(質量%)
2.含水ケイ酸被覆微粒子酸化チタン水分散体 10.0
(40質量%水分散体)
3.アルカリゲネス産生多糖体 0.05
4.アルギン酸カリウム 0.05
5.精製水 85.4
6.フェノキシエタノール 0.5
7.エタノール 3.0
製造方法:
成分1〜7を順次混合したのち、高剪断型の分散機を用いて混合均一化する。
[実施例6]ミスト式日焼け止め化粧料
1.1,3−ブチレングリコール 8.0(質量%)
2.無水ケイ酸被覆微粒子酸化亜鉛水分散体 10.0
(40質量%水分散体)
3.キサンタンガム 0.1
4.精製水 81.8
5.パラオキシ安息高酸メチル 0.1
製造方法:
成分1〜5を順次混合したのち、高剪断型の分散機を用いて混合均一化する。
1.1,3−ブチレングリコール 8.0(質量%)
2.無水ケイ酸被覆微粒子酸化亜鉛水分散体 10.0
(40質量%水分散体)
3.キサンタンガム 0.1
4.精製水 81.8
5.パラオキシ安息高酸メチル 0.1
製造方法:
成分1〜5を順次混合したのち、高剪断型の分散機を用いて混合均一化する。
本発明の日焼け止め用化粧料は、以上の実施例4〜6においても、本発明の特性であるミスト状の噴霧が可能であり、紫外線防御能及び顔料分散安定性に優れた性能を達成できることが確認された。
Claims (1)
- 水溶性高分子及び多価アルコールを含有し、ミスト状に噴霧して使用する水分散型の日焼け止め化粧料であって、含水ケイ酸もしくは無水ケイ酸により被覆してなる微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛を含有することを特徴とするミスト式日焼け止め化粧料。
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JP2006340319A JP2008150328A (ja) | 2006-12-18 | 2006-12-18 | ミスト式日焼け止め化粧料 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013063918A (ja) * | 2011-09-15 | 2013-04-11 | Mandom Corp | 整髪用ミスト化粧料 |
JP2015024973A (ja) * | 2013-07-26 | 2015-02-05 | 株式会社ダイゾー | エアゾール式泡沫状日焼け防止剤 |
KR20210130717A (ko) | 2019-02-15 | 2021-11-01 | 닛신 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 화장료용 안료의 수분산체 및 그 제조 방법 |
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2006
- 2006-12-18 JP JP2006340319A patent/JP2008150328A/ja active Pending
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