JP5320626B2 - 化粧料及びその製造方法 - Google Patents
化粧料及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5320626B2 JP5320626B2 JP2009072289A JP2009072289A JP5320626B2 JP 5320626 B2 JP5320626 B2 JP 5320626B2 JP 2009072289 A JP2009072289 A JP 2009072289A JP 2009072289 A JP2009072289 A JP 2009072289A JP 5320626 B2 JP5320626 B2 JP 5320626B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cosmetic
- titanium oxide
- polysaccharide
- oil
- higher alcohol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Description
該多糖類の含有量は化粧料の全量に対して0.01重量%〜1重量%とされている乳化状態の化粧料において、
前記酸化チタン粉は表面に含水ケイ酸及び/又は含水アルミナを被覆した後200℃〜900℃で熱処理されていることを特徴とする。
それぞれの高級アルコールを0.4重量%以上使用しないと2種類以上の高級アルコールを使用した効果が得られない。また、2種類以上の高級アルコールの混合物の含有量が化粧料の全量に対して0.8重量%未満では、高級アルコールと多糖類の会合体の形成が困難となり、また、20重量%を超えて含有しても、さらなる分散安定化の効果は得られず無駄となり、製造コストの高騰化を引き起こすこととなる。さらに好ましいのは、高級アルコールが、ヘキサデカノール、オクタデカノール、エイコサノール及びドコサノールから選ばれた2種以上であり、選ばれた2種以上の各々が化粧料の全量に対して1重量%以上含まれ、その合計が化粧料の全量に対して2重量%〜10重量%含有されていることである。
油性成分(A)として、シリコーン油、フッ素化炭化水素及びその誘導体、炭化水素、脂肪酸、1価アルコールの脂肪酸エステル、動植物油脂、オキシカルボン酸エステル、多価アルコールの脂肪酸エステルであって融点が40℃未満のもの、及び液体ロウから選ばれた1種以上と、
油性成分(B)として、固体ロウ、2価の高級アルコール、環状アルコール及びその脂肪酸エステル、多価アルコールの脂肪酸エステルであって融点が40℃以上のもの、及びリン脂質から選ばれた1種以上を
重量比で上記油性成分(A)と上記油性成分(B)が2:1〜50:1となる範囲で含むことが好ましい(さらに好ましくは4:1〜30:1)。
油性成分(B)は、ミツロウ(蜜蝋)、水素添加ホホバ油、水添パーム油、キミルアルコール、バチルアルコール、コレステロール、ステアリン酸コレステリル、フィトステロール、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(2−オクチルドデシル・ベヘニル・フィトステリル)、トリミリスチン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、及び(アジピン酸・2−エチルヘキサン酸・ステアリン酸)グリセルオリゴエステル等から選ばれた1種以上であり、上記油性成分(A)と上記油性成分(B)を組み合わせて用いることができる。
すなわち、本発明の乳化状態の化粧料の製造方法は、
酸化チタン粉と、高級アルコールと、該高級アルコールを除く油性成分と、多糖類とを含有する乳化状態の化粧料の製造方法において、
酸化チタン粉の表面に含水ケイ酸及び/又は含水アルミナを被覆する酸化チタン被覆工程と、該表面被覆した酸化チタン粉を200℃〜900℃で熱処理する熱処理工程と、主鎖を構成する単糖類としてグルコース、グルクロン酸及びラムノースを含み、側鎖を構成する単糖類としてフコース又はマンノースを含む多糖類について、化粧料の全量に対して0.01重量%〜1重量%に相当する量を水及び/又は親水性溶媒に溶解させて多糖類溶液とする多糖類溶液調製工程と、該多糖類溶液と、該高級アルコールを化粧料の全量に対して0.8重量%〜20重量%に相当する量と、該油性成分を化粧料の全量に対して0.5重量%〜30重量%に相当する量と、前記の熱処理された酸化チタン粉を化粧料の1重量%〜20重量%の相当する量とを混合して60℃以上に加温しながら撹拌して乳化液とする乳化工程と、該乳化液を攪拌したまま40℃以下まで冷却する冷却工程とを有することを特徴とする。
さらには、多糖類としてウエランガム(CPケルコ社製)やダイユータンガム(CPケルコ社製)等を用いることもできる。これらの多糖類は、主鎖がグルクロン酸、グルコース及びラムノースからなり、側鎖はラムノースとされている。
そして、酸化チタン被覆工程では、該ゾルに、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウムなどの水溶性のアルミニウム塩を水に溶解して加える、あるいはケイ酸ナトリウムなどのケイ素の水溶性塩を水に溶解して加える、さらには、その両方を加えても良い。そして、pHを調節して含水ケイ酸及び/又は含水アルミナを析出させ、含水酸化チタンの表面に含水ケイ酸及び/又は含水アルミナを被覆させる。さらにこの工程を詳述すれば、例えば、必要に応じて酸化チタン(TiO2)濃度を50〜300g/lに調整した含水酸化チタンを含む分散液を40〜90℃、好ましくは60〜80℃の温度範囲に加熱しながら、この中にアルミニウムまたは、ケイ素の水溶性塩を添加し、次に水酸化ナトリウム、アンモニア水等のアルカリ性水溶液を添加して、好ましくはpHを6〜8に調整し中和する。
アミノ酸としては、例えばアスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、イソロイシン、オルチニン、グルタミン、グリシン、グルタミン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、システイン、シスチン、シトルリン、スレオニン、セリン、チロシン、トリプトファン、テアニン、バリン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリン、ピロリドンカルボン酸及びその塩等が挙げられる。
糖およびその誘導体としては、ハチミツ、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、ペンタエリスリトール、フルクトース、デキストリン及びその誘導体、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、トレハロース、ブドウ糖、POEメチルグルコシド、加水分解水添デンプン、グルコシドトレハロース等が挙げられる。
また、親水性ポリマーとしては、例えばキサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、フコイダン、クインシードガム、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン、カードラン、ジェランガム、フコゲル、カゼイン、ゼラチン、デンプン、コラーゲンなどの天然高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、セルロース結晶体、デンプン・アクリル酸ナトリウムグラフト重合体、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキシドなどの合成高分子などが挙げられる。
このほか、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライトなどの無機鉱物などを併用することもできる。
また、低分子1価アルコールとしてはエタノール等、低分子多価アルコールとしては、、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ブタノール、プロパノール、ペンタンジオール、オクタンジオール、1−(2−エチルヘキシル)グリコールエーテル等が挙げられる。
実施例1の化粧料は、表1に示す組成の化粧料である。この表においてa区分は多価アルコール及び含水ケイ酸・含水アルミナ被覆熱処理酸化チタンであり、b区分は高級アルコール及び高級アルコール以外の油性成分であり、c区分は多糖類水溶液である。
すなわち、グルコース〔和光純薬工業(株)製、試薬〕40.0g、リン酸水素二カリウム〔和光純薬工業(株)製、試薬〕4.0g、リン酸二水素カリウム〔和光純薬工業(株)製、試薬〕2.0g、塩化ナトリウム〔和光純薬工業(株)製、試薬〕0.1g、硫酸マグネシウム〔和光純薬工業(株)製、試薬〕0.2g、硝酸カリウム〔和光純薬工業(株)製、試薬〕1.0g、イーストエキストラクト〔オキソイド(OXOID)社製〕1.5gをイオン交換水に溶解し、水酸化ナトリウムあるいは硫酸を用いpH6.5に調整し、全量を1000mLとした。この水溶液150mLを500mLの三角フラスコに取り、オートクレーブにより加熱滅菌(121℃、15分間)した後、室温まで戻し、アルカリゲネス レータスB−16株細菌(FERM BP−2015)を1白金耳接種し、30℃にて6日間振とう培養(180rpm)した。培養終了後、培養物に約3倍容量のイソプロピルアルコールを加えて攪拌混合し、析出した凝集物を濾過、回収、減圧下にて乾燥してアルカリゲネス レータスB−16株細菌の産出多糖類(A−1)を得た。この多糖類は、1HNMR及び13CNMRによる分析から、下記化学式(化3)に示す2種類の多糖類を含んでいることが分かっており、フコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースをモル比1:2:1:1で構成される多糖類を主成分とし、この他フコースとマンノースをモル比1:1で構成される多糖類を含み、その存在比は7:1(重量比)である。尚、構成単糖類は、多糖類を硫酸で加水分解した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析した。
<酸化チタン被覆工程>
四塩化チタン300gを1Lの純水に室温で溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより、コロド状の非晶質水酸化チタンを析出させ、さらに室温で1時間放置させることにより、ルチル型の微小酸化チタンゾルを得た。この微小酸化チタンゾルを攪拌しながら温度を80℃まで上げ、この温度を維持しながらケイ酸ナトリウムの50重量%水溶液を8g添加した。次いでアルミン酸ナトリウム30重量%水溶液を0.5g添加した後、硫酸(1規定)にて、60分間かけてpHが7.5前後になるまでゆっくりと添加した。そして、室温で1時間撹拌することにより、微小酸化チタンゾルが含水シリカ及び含水アルミナで表面被覆された酸化チタンの微粒子を得た。
<熱処理工程>
熱処理工程として、上記酸化チタン被覆工程で得られた含水シリカ及び含水アルミナで表面被覆された酸化チタン微粒子からなる洗浄ケーキを450℃で3時間焼成した後、ハンマータイプミルで粉砕して、親水性の含水ケイ酸・含水アルミナ被覆熱処理酸化チタン粉を得た。粒径は0.05から1μmの間に分布し、平均粒径は0.2μmであった。
上記多糖類(A−1)を精製水に加えて80℃に加温し、ディスパーザーによって撹拌混合して、c区分の多糖類(A−1)溶液とする。
そして、第1乳化工程として、上記a区分の成分(すなわち多価アルコールと含水ケイ酸・含水アルミナ被覆熱処理酸化チタン(B−1))を計量し、80℃に加温して撹拌し、酸化チタン分散液とした。
次に第2乳化工程として、多糖類溶液調製工程で得られた多糖類(A−1)溶液と、第1乳化工程で得られた酸化チタン分散液とをホモジナイザー又はホモミキサーを用いて8000rpmで混合撹拌を行い、第2乳化工程の乳化液を得た。
そして、さらに第3乳化工程として上記b区分の成分(すなわち高級アルコールとしてヘキサデカノール及びオクタデカノールの混合物及びその他の油性成分)を第2乳化工程の乳化液に徐々に添加し、10分間攪拌を継続して第3乳化工程の乳化液を得た。
最後に、冷却工程として、第3乳化工程で得られた乳化液を室温まで冷却して、実施例1の化粧料を得た。
実施例2では、実施例1において使用した多糖類(A−1)に替えて、多糖類(A−2)を用いた。この多糖類(A−2)は、多糖類(A−1)を以下に示す方法で精製したものである。
すなわち、多糖類(A−1)の0.5重量%水溶液を準備し、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを12に調整する。そして、この溶液をイオン交換樹脂「ダイヤイオンHPA−75(OH−)」(商品名)(日本錬水(株)製)のカラムを用いて8Ru以下で処理し、さらに濾過助剤「ラジオライトRL700」及び5μmメンブランフイルターで濾過を行い、タンパク質、核酸、微生物類等を除去した。こうして得られた濾液に希塩酸を添加してpHを7としてから減圧濃縮し、濃縮液にアセトンを加えることによって多糖類を沈澱させ、ろ別する。こうして得た多糖類を10倍量のアセトンで洗浄し、精製された多糖類(A−2)を得た。この多糖類(A−2)は、1HNMR及び13CNMR等による分析から、フコース:グルコース:グルクロン酸:ラムノース=1:2:1:1で構成されていることが分かった。また、GPCによる分子量測定の結果、分子量は約5,000万であった。
実施例3では、実施例1において使用した多糖類(A−1)に替えて、多糖類(A−3)を用いた。この多糖類(A−3)は、市販の多糖類(「アルカシーラン」(商品名);伯東(株)製)〔INCIname:Alcaligenes Polysacchaides、伯東(株)製〕をそのまま用いた。
この多糖類(A−3)は、フコース:グルコース:グルクロン酸:ラムノースの単糖構成比が1:2:1:1であり、分子量は106〜109程度の多糖類と、フコースとマンノースが1:1の繰り返し構造であって、分子量が103〜107の多糖類との混合物である。
実施例4では、実施例1において使用した多糖類(A−1)に替えて、多糖類(A−4)を用いた。この多糖類(A−4)は、スフィンゴモナス・トゥルーペリSPH−011株細菌(FERM BP−08582)の産出する多糖類の粗製品であり、以下のようにして調製した。
すなわち、下記組成の培地50Lを、マルビシエンジニアリング社製の90Lの発酵槽に入れ、滅菌後、スフィンゴモナス・トゥルーペリSPH−011株細菌(FERM BP−08582)を接種し、培養を行った。
<培地の組成>(1リットル当たり)
グルコース 〔和光純薬工業(株)製〕 4.00g
リン酸水素二カリウム〔和光純薬工業(株)製〕 0.40g
リン酸二水素カリウム〔和光純薬工業(株)製〕 0.20g
塩化ナトリウム 〔和光純薬工業(株)製〕 0.01g
硫酸マグネシウム 〔和光純薬工業(株)製〕 0.02g
硝酸カリウム 〔和光純薬工業(株)製〕 0.10g
イーストエキストラクト
[「Hy−Yeast 142」(商品名);シグマ社製]
0.15g
実施例5では、実施例1において使用した多糖類(A−1)に替えて、多糖類(A−5)を用いた。この多糖類(A−5)は、スフィンゴモナス・トゥルーペリSPH−011株細菌に替えて、スフィンゴモナス・トゥルーペリSPH−012株細菌(FERM BP−08579)を用いたこと以外は、多糖類(A−4)と同様の方法で調製しており、詳細な説明を省略する。多糖類(A−5)について、1HNMR及び13CNMRの測定、及び多糖類を硫酸で加水分解した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析を行なった結果、フコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースをモル比1:2:1:1で構成される多糖類を主成分とし、この他フコースとマンノースをモル比1:1で構成される多糖類を含むことが分かった。
実施例6では、実施例1において使用した多糖類(A−1)に替えて、多糖類(A−6)を用いた。この多糖類(A−6)は、実施例4で用いた多糖類(A−4)を以下のようにして精製したものである。
すなわち、多糖類(A−4)の0.5重量%水溶液に、水酸化ナトリウムを0.02重量%濃度となるように添加し、一晩撹拌を行い、多糖類を分散させた。そして、121℃、10分間の条件で加熱して溶解させた。次に、遠心分離(40,000G、40分)を行うことによって菌体を除去した。菌体除去の確認は、上清の透明度で判断した。そして、濾過助剤「ラジオライトRL700」及び5μmメンブランフイルターで濾過を行ない、ろ過残渣を得た。こうして得られたろ過残渣に再度、体積として約100倍量の純水を足し、撹拌した後、再濾過をおこなう。この操作を5回繰り返し水不溶成分の脱塩を行なった。メンブレンフィルターシステムによりある程度脱水したゲル状の水不溶成分をそのまま常温減圧乾燥し、多糖類(A−6)(精製品)を得た。
実施例7では、実施例1において使用した多糖類(A−1)に替えて、多糖類(A−7)を用いた。この多糖類(A−7)は、実施例5で用いた多糖類(A−5)を実施例6と同様の方法で精製したものである。
比較例1では、実施例1において使用した含水ケイ酸・含水アルミナ被覆熱処理酸化チタン(B−1)に替えて、熱処理前の含水ケイ酸・含水アルミナ被覆非熱処理酸化チタンを用いた。この含水ケイ酸・含水アルミナ被覆非熱処理酸化チタンの製造方法は、以下の通りである。すなわち、四塩化チタン300gを1Lの純水に室温で溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液で中和することで、コロド状の非晶質水酸化チタンを析出させた。そのまま室温で1時間放置することによりルチル型の微小酸化チタンゾルを得た。この微小酸化チタンゾルを攪拌しながら80℃に昇温し、この温度を維持しながら、ケイ酸ナトリウム50重量%水溶液を8g添加した。次いでアルミン酸ナトリウム30重量%水溶液を0.5g添加した後、硫酸(1規定)にて、60分間かけてpHが7.5前後になるまでゆっくりと中和した。そのまま室温にて、1時間撹拌することで、含水シリカ及び含水アルミナで表面被覆された親水性の酸化チタンを得た。これを200メッシュのナイロンにて濾過し、純水にて3回洗浄を行い、乾燥したのち、ハンマータイプミルで粉砕して含水ケイ酸・含水アルミナ被覆非熱処理酸化チタン微粒子を得た。このものの粒径は0.05から1μmの間に分布し、平均粒径は0.2μmであった。
比較例2では、実施例1において使用した含水ケイ酸・含水アルミナ被覆熱処理酸化チタンに替えて、熱処理がなされていない含水ケイ酸・含水アルミナ被覆非熱処理酸化チタン(「MT−100SA」(商品名);テイカ(株)製)を用いた。
比較例3では、実施例1に用いたc区分の多糖類(A−1)を除き、替わりにa成分として界面活性剤であるショ糖ミリスチン酸ナトリウム(「M−160」(商品名);第一工業製薬(株)製)を1重量%加えた。
この場合、実施例1の<多糖類溶液調製工程>は無くなり、<第2乳化工程>は次のようになる。
<第2乳化工程>
次に第2乳化工程として、第1乳化工程で得られた酸化チタン分散液とc区分の精製水をホモジナイザー又はホモミキサーを用いて8000rpmで混合撹拌を行い、第2乳化工程の乳化液を得た。
実施例8の化粧料は、表2に示す組成の化粧料である。この表においてa区分は多価アルコールであり、b区分はステアリン酸によって疎水化処理されたステアリン酸被覆熱処理酸化チタン(B−2)と、高級アルコールと、高級アルコール以外の油性成分であり、c区分は多糖類(A−3)(「アルカシーラン」(商品名);伯東(株)製)〔INCIname:Alcaligenes Polysacchaides、伯東(株)製〕水溶液である。
<酸化チタン被覆工程>
四塩化チタン300gを1Lの純水に室温で溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより、コロド状の非晶質水酸化チタンを析出させ、さらに室温で1時間放置させることにより、ルチル型の微小酸化チタンゾルを得た。
次に微小酸化チタンゾルのスラリーを加熱し70℃とし、撹拌しながら硫酸アルミニウムの40重量%水溶液26gを30分間かけて少しずつ添加した。さらに水酸化ナトリウム20重量%溶液をpH7になるまで添加することで、含水アルミナを微小酸化チタンの表面に被覆させた。室温にて1時間放置後、200メッシュのナイロンにて濾過し、純水にて3回洗浄を行った。
<熱処理工程>
こうして得られた洗浄ケーキを450℃で3時間焼成した。さらに焼成した酸化チタンを500mlの純水中に分散させた後、サンドミルで湿式粉砕して、酸化チタン微粒子のスラリーとした。
<疎水化処理工程>
このスラリーを70℃に加熱攪拌し、そこに70℃に加熱したステアリン酸ナトリウム3gを投入し溶解させた。30分間攪拌をした後、30℃まで冷却してステアリン酸を該酸化チタン粒子上に被覆させた。これを200メッシュのナイロンにて濾過し、純水にて3回洗浄を行い、乾燥したのち、ハンマータイプミルで粉砕して親油性(疎水性)のステアリン酸被覆熱処理酸化チタンの微粒子を得た。粉砕後の被覆粉体粒径は0.05から1μmの間に分布し、平均粒径は0.2μmであった。
上記多糖類(A−3)を精製水に加えて溶解し80℃に加温後、ディスパーザーによって撹拌混合して、c区分の多糖類(A−3)溶液とする。
そして溶解工程として、上記区分aの成分(すなわち多価アルコール)を計量して80℃に加温し、さらに80℃に加温しておいた多糖類(A−3)溶液を加え、ホモジナイザー又はホモミキサーを用いて8000rpmで混合撹拌を行う。
次に分散工程として、上記b区分の成分(すなわちステアリン酸被覆熱処理酸化チタン、高級アルコールとしてエイコサノール及びドコサノールの混合物、及びその他の油性成分)を80℃に加温して分散させた液を上記溶解工程で得られた液に徐々に添加し、10分間攪拌を継続して乳化液とする。
最後に、冷却工程として、分散工程で得られた乳化液を室温まで冷却して、実施例8の化粧料を得た。
比較例4では、実施例8において使用したステアリン酸被覆熱処理酸化チタンに替えて、熱処理がなされておらず、ステアリン酸によって疎水化処理のみがなされたステアリン酸被覆非熱処理酸化チタン(B−5)を用いた。以下にステアリン酸被覆非熱処理酸化チタン(B−5)の製造方法を以下に示す。
すなわち、四塩化チタン300gを1Lの純水に室温で溶解し、さらに水酸化ナトリウム水溶液で中和して、コロド状の非晶質水酸化チタンを析出させる。そして、さらに室温で1時間放置させることにより、ルチル型の微小酸化チタンゾルを得た。この微小酸化チタンゾルのスラリーを70℃に加熱し、硫酸アルミニウムの40重量%水溶液26gをよく攪拌しながら、30分間かけて添加した。さらに水酸化ナトリウム20重量%溶液をpH7になるまで添加することで、含水アルミナを微小酸化チタン表面に被覆させた。次に、このスラリーを70℃に加熱し、ステアリン酸ナトリウム3gを70℃に保ちながらよく攪拌しながら投入し溶解させた。そして、30分間攪拌をした後、30℃まで冷却してステアリン酸を該酸化チタン粒子上に被覆させた。この分散液を濾過し、洗浄し、乾燥したのち、ハンマータイプミルで粉砕して親油性(疎水性)のステアリン酸被覆非熱処理酸化チタンの微粒子を得た。粉砕後の被覆粉体粒径は0.05から1μmの間に分布し、平均粒径は0.2μmであった。
比較例5では、実施例8において使用したステアリン酸被覆熱処理酸化チタンに替えて、含水アルミナで被覆後、熱処理することなくステアリン酸被覆して疎水化処理がなされ非熱処理酸化チタン(B−6)(「MT−01」(商品名);テイカ(株)製)を用いた。
実施例9の化粧料は、表3に示す組成の化粧料である。この表においてa区分は多価アルコールであり、b区分はポリシロキサンによって疎水化処理されたポリシロキサン被覆熱処理酸化チタン(B−3)と、高級アルコールと、高級アルコール以外の油性成分とからなり、c区分は多糖類(A−3)(「アルカシーラン」(商品名);伯東(株)製)〔INCIname:Alcaligenes Polysacchaides、伯東(株)製〕水溶液である。
<疎水化処理工程>
上記、含水アルミナ被覆熱処理酸化チタンを500mlの純水中に分散させた後、サンドミルで湿式粉砕して、酸化チタン微粒子のスラリーとした。この酸化チタン微粒子のスラリーをヘンシェルミキサーで攪拌しながら、メチル水素ポリシロキサンを6g添加した後、150℃で加熱処理をすることで、酸化チタン粒子上にポリシロキサンを被覆させた。加熱処理後の酸化チタン粒子をハンマータイプミルで粉砕して親油性(疎水性)のポリシロキサン被覆熱処理酸化チタン(B−3)を得た。粉砕後の被覆粉体粒径は0.05から1μmの間に分布し、平均粒径は0.2μmであった。
上記多糖類(A−3)を精製水に加えて溶解し80℃に加温後、ディスパーザーによって撹拌混合して、c区分の多糖類(A−3)溶液とする。
そして溶解工程として、上記区分aの成分(すなわち多価アルコール)を計量して80℃に加温し、さらに80℃に加温しておいた多糖類(A−3)溶液を加え、ホモジナイザー又はホモミキサーを用いて8000rpmで混合撹拌を行う。
次に分散工程として、上記b区分の成分(すなわちポリシロキサン被覆熱処理酸化チタン(B−3)、高級アルコールとしてオクタデカノール及びドコサノールの混合物、及びその他の油性成分)を80℃に加温して分散させた液を上記溶解工程で得られた液に徐々に添加し、10分間攪拌を継続して乳化液とする。
最後に、冷却工程として、分散工程で得られた乳化液を室温まで冷却して、実施例9の化粧料を得た。
比較例6の化粧料は、表4に示す組成の化粧料である。この表においてa区分は多価アルコール、界面活性剤としてのショ糖ミリスチン酸エステル、及び精製水からなり、b区分はジメチルポリシロキサン−メチルポリシロキサン共重合体で疎水化処理されたジメチコン/メチコン コポリマー被覆酸化チタン(B−8)と各種ポリシロキサンからなり、c区分は油性成分からなっている。
(1)b区分のジメチルポリシロキサン−メチルポリシロキサン共重合体で疎水化処理されたジメチコン/メチコン コポリマー被覆酸化チタン(B−8)及び各種ポリシロキサンを80℃で混合する。
(2)c区分の油性成分を計量し、80℃にて混合して均一溶液とする。
(3)a区分の多価アルコール、界面活性剤としてのショ糖ミリスチン酸エステル、及び精製水を計量し、80℃にて混合して均一溶液とする。
(4)b区分のジメチコン/メチコン コポリマー被覆酸化チタン(B−8)分散液にa区分の多価アルコール及びショ糖ミリスチン酸エステル水溶液を少しずつ加えて分散液を得る。
(5)手順(4)で得た分散液を撹拌しつつ、c区分の油性成分溶液を徐々に添加し、添加終了後さらに10分間攪拌を継続した後、室温まで冷却して比較例6の化粧料を得た。
実施例10の化粧料は、表5に示す組成の化粧料である。この表においてa区分は多価アルコール及び親水性の含水ケイ酸・含水アルミナ被覆熱処理酸化チタン(B−1)であり、b区分は高級アルコール及び油性成分からなり、c区分は多糖類(A−3)(「アルカシーラン」(商品名);伯東(株)製)〔INCIname:Alcaligenes Polysacchaides、伯東(株)製〕)水溶液にクエン酸ナトリウムが添加されており、d区分はL−アスコルビン酸グルコシド及びL−アルギニンの水溶液である。
<多糖類溶液調製工程>
上記多糖類(A−3)とクエン酸ナトリウムを精製水に加えて80℃に加温後、ディスパーザーによって撹拌混合して、c区分の多糖類(A−3)溶液とする。
そして、第1乳化工程として、上記区分aの成分(すなわち多価アルコールと含水ケイ酸・含水アルミナ被覆熱処理酸化チタン(B−1))を計量し、80℃に加温して撹拌し、酸化チタン分散液とする。
次に第2乳化工程として、多糖類溶液調製工程で得られた多糖類(A−3)溶液と、第1乳化工程で得られた酸化チタン分散液とをホモジナイザー又はホモミキサーで、8000rpmで混合撹拌を行う。
そして、さらに第3乳化工程として上記b区分の成分(上記各種高級アルコールの混合物及びその他の油性成分)を第2乳化工程の乳化液に徐々に添加し、10分間攪拌を継続して第3乳化工程の乳化液を得た。
最後に、冷却工程として、第3乳化工程で得られた乳化液を室温まで冷却し、さらにd区分の溶液を加えて撹拌混合し、実施例10の化粧料を得た。
実施例11では、実施例10において使用したc区分のクエン酸ナトリウムの替わりに、クエン酸カリウムを同量用いた。それ以外は実施例10の化粧料と同様であり、説明を省略する。
実施例12では、実施例10において使用したc区分のクエン酸ナトリウムの替わりに、クエン酸を同量用いた。それ以外は実施例10の化粧料と同様であり、説明を省略する。
実施例13では、実施例10において使用したc区分のクエン酸ナトリウムを添加しなかった。それ以外は実施例10の化粧料と同様であり、説明を省略する。
実施例14の化粧料は、表6に示す組成の化粧料である。この表においてa区分は多価アルコール及び防腐剤としてのメチルパラベンであり、b区分はステアリン酸によって疎水化処理されたステアリン酸被覆熱処理酸化チタン(B−2)と、高級アルコールと、高級アルコール以外の油性成分であり、c区分は多糖類(A−3)(「アルカシーラン」(商品名);伯東(株)製)〔INCIname:Alcaligenes Polysacchaides、伯東(株)製〕)及びクエン酸ナトリウムを含有する水溶液であり、d区分はL−アスコルビン酸グルコシド及びL−アルギニン水溶液である。
上記多糖類(A−3)とクエン酸ナトリウムを精製水に加えて80℃に加温後、ディスパーザーによって撹拌混合して、c区分の多糖類(A−3)溶液とする。
そして溶解工程として、上記区分aの成分(すなわち多価アルコール及びメチルパラベン)を計量して80℃に加温し、さらに80℃に加温しておいた多糖類(A−3)溶液を加え、ホモジナイザー又はホモミキサーで、8000rpmで混合撹拌を行う。
次に分散工程として、上記b区分の成分(すなわちステアリン酸被覆熱処理酸化チタン(B−2)、高級アルコール及びその他の油性成分)を80℃に加温して分散させた液を上記溶解工程で得られた液に徐々に添加し、10分間攪拌を継続して乳化液とする。
最後に、冷却工程として、分散工程で得られた乳化液を室温まで冷却し、さらにd区分の溶液を加えて撹拌混合し、実施例14の化粧料を得た。
実施例15では、実施例14において使用したc区分のクエン酸ナトリウムを加えなかった。それ以外は実施例14の化粧料と同様であり、説明を省略する。
実施例16の化粧料は、表7に示す組成の化粧料である。この表においてa区分は多価アルコールであり、b区分はポリシロキサンによって疎水化処理されたポリシロキサン被覆熱処理酸化チタン(B−3)と、高級アルコールと、高級アルコール以外の油性成分であり、c区分は多糖類(A−3)(「アルカシーラン」(商品名);伯東(株)製)〔INCIname:Alcaligenes Polysacchaides、伯東(株)製〕及びクエン酸ナトリウムを含有する水溶液であり、d区分はL−アスコルビン酸グルコシド及びL−アルギニン水溶液である。
上記多糖類(A−3)とクエン酸ナトリウムを精製水に加えて80℃に加温後、ディスパーザーによって撹拌混合して、c区分の多糖類(A−3)溶液とする。
そして溶解工程として、上記区分aの成分(すなわち多価アルコール)を計量して80℃に加温し、さらに80℃に加温しておいた多糖類(A−3)溶液を加え、ホモジナイザー又はホモミキサーで、8000rpmで混合撹拌を行う。
次に分散工程として、上記b区分の成分(すなわちポリシロキサン被覆熱処理酸化チタン(B−3)、高級アルコール及びその他の油性成分)を80℃に加温して分散させた液を上記溶解工程で得られた液に徐々に添加し、10分間攪拌を継続して乳化液とする。
最後に、冷却工程として、分散工程で得られた乳化液を室温まで冷却し、さらにd区分の溶液を加えて撹拌混合し、実施例16の化粧料を得た。
以上のようにして製造した実施例1〜9及び比較例1〜5の化粧料について、安定性試験及び耐水性試験を行なった。
(安定性試験)
調製直後の化粧料を200mlの試料瓶に取り、栓をして5℃、50℃及びサイクル試験(−10℃で1日間と50℃で1日間とを繰り返す試験)の条件で恒温器内に静置し、1週間後及び3カ月後に目視観察した。目視観察による安定性の評価は、次のように行なった。
安定:目視により、分離・沈澱が認められない。
離水分離:目視により、水相の分離及び/又は沈澱物の生成が認められる。
一辺が30mmのNo.2ろ紙(アドバンティック社製)の裏面に、調製した直後の化粧料0.5gを均一に塗布し、105℃で1時間の乾燥を行なった後、重量を測定する(浸漬前重量)。そして100mlの精製水を入れた200mlのビーカーの中に、化粧料を塗布した面を下にして乾燥させたろ紙を30分浸漬する。そして、ろ紙を水中から引き上げ、再び105℃で1時間の乾燥を行ない、再び重量を測定する(浸漬後の重量)。そして下記の式に従い、流出比を求め、耐水性を評価した。
・流出割合(%)=(浸漬前重量―浸漬後の重量)/浸漬前重量×100
・水溶性成分配合割合(%)
=水溶性成分配合量(%)/{100−精製水配合量(%)}×100
・流出比=流出割合(%)/水溶性成分配合割合(%)
上記試験にて、供試化粧料に配合された水溶性成分のみが流出した場合は、流出比は1.00になる。供試化粧料に配合された水溶性成分以外の成分が水中に流出する場合には流出比は1.00以上になるが、水溶性成分以外の成分の流出が少ないほど、流出比は1.00に近く耐水性が高い。
ここで、供試化粧料に配合された水溶性成分は、表1〜表3のa区分の各種多価アルコールとc区分の多糖類である。
結果を表8に示す。
これは、実施例1〜9及び比較例3の化粧料において用いられた酸化チタン粉が熱処理を行っているのに対し、比較例1、2、4、5において用いられた酸化チタン粉が含水ケイ酸・含水アルミナ、あるいはステアリン酸で被覆されているものの、熱処理されていないため、アルミニウムイオンなどの多価金属イオンが溶出し易く、これによって多糖類が凝集し、離水分離を起こしたことによるものと推測される。
これは、実施例1〜9及び比較例1、2、4、5の化粧料では、特定の多糖類を用いているため、試験に用いた精製水と、ろ紙に塗布された化粧料に配合された酸化チタン・油性成分は乳化せず、ろ紙から精製水側に流出しにくい(耐水性が高い)のに対し、特定の多糖類の替わりに界面活性剤(ショ糖ミリスチン酸ナトリウム)を用いた比較例3の化粧料では、該界面活性剤の乳化力により、精製水と、化粧料に配合された酸化チタン・油性成分が乳化し、ろ紙から精製水側に流出してしまう(耐水性が低い)ためである。
これは、実施例10〜12、14、16の化粧料では、L−アスコルビン酸グルコシドが配合されていても、表面電位を負にする作用のあるクエン酸やクエン酸塩が更に配合されているため、安定な乳化分散状態を保つことができたのに対し、実施例13、15では、クエン酸やクエン酸塩が配合されていないため、L−アスコルビン酸グルコシドの配合による乳化分散の不安定化を防止できなかったことによる。以上の結果から、クエン酸やクエン酸塩の化粧料への配合は、L−アスコルビン酸グルコシド等による化粧料の乳化分散の不安定化を防止することが判った。
化粧料の化粧落としの容易さについて評価するため、実施例1、8、9及び比較例6の化粧料について、せっけん洗浄試験及び拭き取り試験を行なった。すなわち、10人の試験者に対して、調製した直後の実施例1、8、9及び比較例6の化粧料各2gを、白浮きが消えるまで顔に延ばし、馴染ませた。そして1時間が経過して十分に水分が蒸発した後、石けんで顔を洗浄し、供試化粧料の除去度合いの評価を行った。評価方法は被験者の官能評価とし、洗顔後、べたつきがなく、さっぱりとした良好な感触が得られたか否かで評価した。また洗顔後、シクロペンタシロキサン(「KF−995」(商品名);信越化学工業(株)製)を1g湿潤させたコットンで、顔についた化粧料のふき取りを行り、拭き取ったコットンに酸化チタンが付着したかどうかを目視で評価した。コットンに酸化チタンが付着すると、コットンは白くなる。結果を表10に示した。
Claims (16)
- 酸化チタン粉と、高級アルコールと、該高級アルコールを除く油性成分と、主鎖を構成する単糖類としてグルコース、グルクロン酸及びラムノースを含み側鎖を構成する単糖類としてフコース又はマンノースを含む多糖類と、を含有し、
該多糖類の含有量は化粧料の全量に対して0.01重量%〜1重量%とされている乳化状態の化粧料において、
前記酸化チタン粉は表面に含水ケイ酸及び/又は含水アルミナを被覆した後200℃〜900℃で熱処理されていることを特徴とする乳化状態の化粧料。 - 前記酸化チタン粉は熱処理後に疎水化処理が施されていることを特徴とする請求項1記載の乳化状態の化粧料。
- 疎水化処理は酸化チタン粉の粒子表面を高級脂肪酸又はポリシロキサンによって被覆することによりなされていることを特徴とする請求項1又は2記載の乳化状態の化粧料。
- 前記多糖類には少なくとも下記の一般式(化1)の繰り返し単位で表される多糖類が含まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の乳化状態の化粧料。
- 前記酸化チタン粉は化粧料の全量に対して1重量%〜20重量%含有されており、前記高級アルコールは化粧料の全量に対して0.8重量%〜20重量%含有されており、前記高級アルコールを除く油性成分は化粧料の全量に対して0.5重量%〜30重量%含有されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の乳化状態の化粧料。
- 前記高級アルコールは、融点が45℃以上の高級アルコールを2種以上含有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の乳化状態の化粧料。
- 前記2種以上の高級アルコールの混合比は、最大配合量となる高級アルコールと最少配合量となる高級アルコールと混合比が1:1〜5:1の範囲であることを特徴とする請求項6記載の乳化状態の化粧料。
- 前記高級アルコールは、ヘキサデカノール、オクタデカノール、エイコサノール及びドコサノールから選ばれた2種以上であり、選ばれた2種以上の各々が化粧料の全量に対して0.4重量%以上含まれ、その合計が化粧料の全量に対して0.8重量%〜20重量%含有されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の乳化状態の化粧料。
- 前記油性成分が、少なくとも
油性成分(A)として、シリコーン油、フッ素化炭化水素及びその誘導体、炭化水素、脂肪酸、1価アルコールの脂肪酸エステル、動植物油脂、オキシカルボン酸エステル、多価アルコールの脂肪酸エステルであって融点が40℃未満のもの、及び液体ロウから選ばれた1種以上と、油性成分(B)として、固体ロウ、2価の高級アルコール、環状アルコール及びその脂肪酸エステル、多価アルコールの脂肪酸エステルであって融点が40℃以上のもの、及びリン脂質から選ばれた1種以上を、重量比で上記油性成分(A)と上記油性成分(B)が2:1〜50:1となる範囲で含むことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の乳化状態の化粧料。 - 前記油性成分(A)は、ジメチルポリシロキサン、トリメチルポリシロキサン、スクワラン、パラフィン(炭素数16から炭素数50までのn−炭化水素単独あるいはそれらの混合物)、流動パラフィン、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソステアリル、トリエチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸の混合酸)グリセリル、ぶどう種子油、ローズヒップ油、ヒマワリ油、オリブ油、アボカド油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、シア油、及びホホバ油から選ばれた1種以上であり、前記油性成分(B)は、ミツロウ(蜜蝋)、水素添加ホホバ油、水添パーム油、キミルアルコール、バチルアルコール、コレステロール、ステアリン酸コレステリル、フィトステロール、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(2−オクチルドデシル・ベヘニル・フィトステリル)、トリミリスチン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、及びヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルから選ばれた1種以上であり、前記油性成分(A)と上記油性成分(B)とを組み合わせて用いることを特徴とする請求項9記載の乳化状態の化粧料。
- 前記化粧料は、界面活性剤を実質的に含まない請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の乳化状態の化粧料。
- クエン酸及び/又はクエン酸塩を化粧料の全量に対して0.01重量%〜1重量%含有することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の乳化状態の化粧料。
- 多糖類がランダムな粒径の微粒子に細分化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の乳化状態の化粧料。
- 酸化チタン粉と、高級アルコールと、該高級アルコールを除く油性成分と、多糖類とを含有する乳化状態の化粧料の製造方法において、
該酸化チタン粉の表面に含水ケイ酸及び/又は含水アルミナを被覆する酸化チタン被覆工程と、該含水ケイ酸及び/又は含水アルミナで被覆した酸化チタン粉を200℃〜900℃で熱処理する熱処理工程と、
主鎖を構成する単糖類としてグルコース、グルクロン酸及びラムノースを含み、側鎖を構成する単糖類としてフコース又はマンノースを含む多糖類について、化粧料の全量に対して0.01重量%〜1重量%に相当する量を水及び/又は親水性溶媒に溶解させて多糖類溶液とする多糖類溶液調製工程と、
該多糖類溶液と、該高級アルコールを化粧料の全量に対して0.8重量%〜20重量%に相当する量と、該油性成分を化粧料の全量に対して0.5重量%〜30重量%に相当する量と、前記の熱処理された酸化チタン粉を化粧料の1重量%〜20重量%の相当する量とを混合して60℃以上に加温しながら撹拌して乳化液とする乳化工程と、
該乳化液を攪拌したまま40℃以下まで冷却する冷却工程とを有することを特徴とする乳化状態の化粧料の製造方法。 - 前記乳化工程は、前記熱処理後に疎水化処理がなされていない酸化チタン粉を多価アルコールに分散させる第1乳化工程と、該第1乳化工程で得られた分散液に多糖類溶液を加えて混合する第2乳化工程と、該第2乳化工程で得られた分散液に高級アルコールと、高級アルコールを除く油性成分とを加えて混合する第3乳化工程とからなることを特徴とする請求項14記載の乳化状態の化粧料の製造方法。
- 前記乳化工程は、多価アルコールに多糖類溶液を加えて溶解する溶解工程と、該溶解工程で得られた溶液に、前記熱処理後に疎水化処理された酸化チタン粉と、高級アルコールと、高級アルコールを除く油性成分とを加えて混合する分散工程とからなることを特徴とする請求項14記載の乳化状態の化粧料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009072289A JP5320626B2 (ja) | 2009-03-24 | 2009-03-24 | 化粧料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009072289A JP5320626B2 (ja) | 2009-03-24 | 2009-03-24 | 化粧料及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010222305A JP2010222305A (ja) | 2010-10-07 |
JP5320626B2 true JP5320626B2 (ja) | 2013-10-23 |
Family
ID=43039889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009072289A Expired - Fee Related JP5320626B2 (ja) | 2009-03-24 | 2009-03-24 | 化粧料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5320626B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013006822A (ja) * | 2011-05-24 | 2013-01-10 | Kanagawa Univ | 乳化物及び乳化物の製造方法 |
JP5747720B2 (ja) * | 2011-07-29 | 2015-07-15 | 株式会社リコー | エマルジョンインキ |
JP6445787B2 (ja) * | 2014-05-28 | 2018-12-26 | 株式会社ファンケル | 日焼け止め化粧料 |
CN106038416B (zh) * | 2016-07-19 | 2019-04-16 | 欧标(广州)化妆品有限公司 | 一种清凉组合物及含有清凉组合物的药品和化妆品 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007039362A (ja) * | 2005-08-02 | 2007-02-15 | Pola Chem Ind Inc | 製造用のスラリー及びそれを含有する皮膚外用剤 |
JP5207426B2 (ja) * | 2006-06-30 | 2013-06-12 | 学校法人神奈川大学 | 化粧料及びその製造方法 |
-
2009
- 2009-03-24 JP JP2009072289A patent/JP5320626B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010222305A (ja) | 2010-10-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5207426B2 (ja) | 化粧料及びその製造方法 | |
JP5728388B2 (ja) | 水中油型乳化化粧料 | |
KR101100623B1 (ko) | 분말 함유 수중유형 유화 조성물 | |
JP6733549B2 (ja) | 水中油型乳化化粧料 | |
JP5043235B2 (ja) | 油性分散体およびこの油性分散体を配合した化粧料 | |
JP4250551B2 (ja) | 化粧料 | |
JP4947267B2 (ja) | 化粧料およびその製造方法 | |
JP2000309505A (ja) | 粉末化粧料 | |
JP5320626B2 (ja) | 化粧料及びその製造方法 | |
WO2012017733A1 (ja) | 皮膚化粧料 | |
JP5792493B2 (ja) | 油中水型乳化化粧料 | |
JP2000309506A (ja) | 粉末化粧料 | |
JP5633951B2 (ja) | 化粧料およびその製造方法 | |
EP3154504B1 (en) | Compositions and methods for enhancing the topical application of a color cosmetic | |
JP2006342140A (ja) | 油中水型乳化組成物及び化粧料 | |
JP6802629B2 (ja) | 水系分散体、化粧料及びその製造方法 | |
WO2016121761A1 (ja) | 分散体、その製造方法及び化粧料 | |
JP2008150328A (ja) | ミスト式日焼け止め化粧料 | |
JP5131799B2 (ja) | 金属酸化物微粒子分散液およびその製造方法 | |
JP2022177621A (ja) | 油中水型乳化化粧料 | |
WO2016121760A1 (ja) | 分散体 | |
JP2022102581A (ja) | 水中油型乳化化粧料 | |
JP2004224731A (ja) | 皮膚外用剤組成物、皮膚外用剤及びこれらの製造方法 | |
WO2022138486A1 (ja) | 水中油型乳化化粧料 | |
JP5536721B2 (ja) | 油の微細分散組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110606 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20110606 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121017 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121106 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130625 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130627 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |