JP2018193538A - 短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の紫外線吸収剤ではカットしづらい380nm〜400nmの波長範囲と、目に悪影響を及ぼす400nmから420nmの波長範囲を合わせた、短波長領域の可視光線をカットできる光線吸収剤及び短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムを提供すること。【解決手段】式(1)で表されるアントラセン化合物であることを特徴とする短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤。Rは炭素数1から12の酸素原子を含んでもよいアルキル基、X、Yは炭素数1から8のアルキル基を表す。【選択図】図1

Description

本発明は、可視光線及び紫外線吸収剤に関し、特に380nmから420nmの短波長領域の可視光線の吸収性に優れた化合物に関するものである。
地球に降り注ぐ太陽からの電磁放射には、電波、ミリメートル波、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線(UV−AおよびUV−B)、X線およびガンマ線が含まれている。その中で、可視光線は波長が750nmから380nmの範囲であり、紫外線は380nmから10nmの範囲の光を称している。このなかで380nmから400nmの範囲は、可視光領域と分類されることもあれば、紫外領域と分類されることもある。
光のエネルギーは、波数に比例して大きくなる。すなわち、波長が短くなるほど光の持つエネルギーは大きくなる。よって、可視光より紫外線の方が物質に対する影響が大きく、可視光線でも短波長領域の光の方が物質に対する影響が大きいといえる。これらの紫外線や短波長領域の可視光線の光は物質に吸収された時、その物質の構造を変化させる作用がある。また、逆に長波長の光は物質を透過する性質があり物質の深部に到達ことができるが、短波長の光は物質表面でほぼ吸収される。
一般に、紫外線は波長によってUV−A(長波長紫外線)、UV−B(中波長紫外線)、UV−C(短波長紫外線)の3つに区分される。UV−Cは、生物のDNAの吸収スペクトルが 250nm近辺に存在しており、かつそのエネルギーが大きいため、DNAに当該紫外線が照射されるとDNAを構成する原子が励起され、皮膚がん発現のリスクを伴うとされており、この波長の地上への到達を増加させるオゾンホールやオゾン層の破壊が懸念されてきた。また、UV−Bは、皮膚を日焼けさせるため、それを防ぐ日焼け止めクリームなどが多く開発されている。しかし、波長の長いUV−Aの危険性は近年まで軽視されてきた。UV−Aによる皮膚の加齢、DNAへのダメージ、皮膚がんへのリスクはゼロではない。UV−Aは上述のようにUV−Bより波長が長く、UV−Bより深く皮膚の中に浸透し、皮膚の張りを保つ弾性繊維を徐々に破壊し、張りの低下やしわをひきおこすといわれている。更に、UV−AはUV−Bと比べて、大気中での減衰が少なく、UV−Bの減少する冬期や朝夕でも比較的多く降り注いでいる。また、窓ガラスや車のウインドウ越しにも入り込む性質を持っている。
そのため、従来より、窓ガラスや車のウインドウにUV−A吸収剤を配合したり、皮膚につける日焼け止めクリームに配合したりされている。このUV−Aをカットする化合物としてベンゾトリアジン系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤などが種々検討されている。例えば、特許文献1から3には、近紫外領域をカットするトリスアリール−s−トリアジン化合物が開示されている。しかし、当該文献に開示されている化合物は、350nm付近に吸収を有しているものの、380から400nm付近の吸収は弱く、実用的ではなかった。
また、特許文献4には、UV−A領域に吸収を持つ紫外線吸収剤として、チヌビン(Tinuvin)327(チヌビンはビー・エー・エス・エフ社の登録商標)、チヌビン(Tinuvin)P、およびCGL777などが開示されているが、いずれも350nm付近に最大吸収を持ち、380から400nm付近の吸収は弱く、この380から400nmの波長を効率的にかっとできる化合物が望まれている。
一方、近年普及している電子画像表示装置が有する光源は、省エネルギー化の観点から、冷陰極蛍光管からLEDへの置き換えが進んでいる。このLEDバックライトには、冷陰極蛍光管に比べ385〜495nm付近の波長を有する光、いわゆるブルーライトの強度が大きくなっている。このブルーライトにより、表示装置を長く見る人に、眼精疲労やドライアイのような症状をひきおこす可能性が指摘されている。
このブルーライトを低減するする方法として、ブルーライトカットフィルムが提案されている。ブルーライトをカットする機能について、特許文献1には、385〜495nmの可視光線の少なくとも一部をカットできる光学フィルターとして、フラーレン類を含有することを特徴とする光学物品が報告されている。また、特許文献2及び3にはナフタルイミド骨格を有する化合物、ペリレン骨格を有する化合物を用いた光重合性組成物が開発されており、これを光重合して得られる重合被膜はブルーライトカット性能を有することが報告されている(特許文献5〜7)。
しかし、一般的なブルーライトカットフィルムは380nmから495nmのカットを目的としているが、実は、高エネルギー可視光線(HEV)と呼ばれる380nmから420nmまでの短波長帯域が目の色素であるルテインにダメージを与えやすいため、長期的には加齢性黄斑変性証の原因の一つとなる可能性があるといわれており、この帯域をカットすることが重要であるといわれている。しかし、この領域のみをカットする吸収剤やフィルムはあまり知られていない。
よって、人体の皮膚にダメージを与えやすいUV−A領域の紫外線、特に、従来の紫外線吸収剤ではカットしづらい380nm〜400nmの波長範囲と、目に悪影響を及ぼす400nmから420nmの波長範囲を合わせた、短波長領域の可視光線をカットできる短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤及び短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムが望まれている。
特開平8−53427号公報 特開平11−71356号公報 特開2011−164286号公報 特開2009−523625号公報 特開2007−093927号公報 特開2009−6513号公報 特開2016−006184号公報
そこで、本発明の目的は、UV−A領域の紫外線及び短波長領域の可視光線を吸収する化合物であって、特に、380〜420nmの波長範囲の光線を効率的に吸収して、遮光しつつ、420nm以上の可視光線に対して優れた透過性を有する化合物を提供することにある。
本発明者等は、長年アントラセン化合物の紫外線吸収について鋭意研究を続けてきた結果、アントラセン骨格のもつ置換基を変化させることによりその吸収波長を所望のものに変えることが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、特定の構造を有するアントラセン化合物が、UV−A領域の紫外線及び短波長領域の可視光線に吸収性を有しており、特に380〜420nmの波長範囲にその吸収ピークを有しており、優れた短波長領域の可視光線の吸収剤として用いることができることを見出したものである。さらに当該化合物は、420nm以上にほとんど吸収を持たずほとんど無色であり、可視光線に対して優れた透過性を有する化合物である。
すなわち、第一の発明は、下記一般式(1)で表されるアントラセン化合物であることを特徴とする短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤に存する。
一般式(1)において、Rは炭素数1から12の酸素原子を含んでいてもよいアルキル基を表し、X、Yは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1から8のアルキル基を表す。
第二の発明は、上記一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤及びUV−B吸収剤を含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に存する。
第三の発明は、上記一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤及びUV−A吸収剤を含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に存する。
第四の発明は、第一の発明に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤に、更に、ヒンダードアミン系安定剤を含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に存する。
第五の発明は、第二の発明又は第三の発明に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に、更に、ヒンダードアミン系安定剤を含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に存する。
第六の発明は、第一の発明に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤に、更に、酸化防止剤を含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に存する。
第七の発明は、第二の発明乃至第五の発明のいずれかひとつに記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に、更に、酸化防止剤を含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に存する。
第八の発明は、第一の発明に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤に、更に、一重項酸素クエンチャーを含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に存する。
第九の発明は、第二の発明乃至第七の発明のいずれかひとつに記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に、更に、一重項酸素クエンチャーを含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に存する。
第十の発明は、第一の発明に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤を含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムに存する。
第十一の発明は、第二の発明乃至第九の発明のいずれかひとつに記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物を有効成分として含有する短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムに存する。
第十二の発明は、ガラス基材、金属基材又は酸素バリアフィルム上に、第一の発明に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤又は、第二の発明乃至第九の発明のいずれかひとつに記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物を含有する光重合性組成物を塗布し、該塗膜上に更に酸素バリアフィルムを被せたのち、光照射してフィルム状に重合硬化させた重合皮膜であることを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムに存する。
第十三の発明は、酸素バリアフィルムの酸素透過度が、20℃、ドライ条件で100cm/(m・day・atm)以下である、第十二の発明に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムに存する。
第十四の発明は、短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムを含む積層体であって、該積層体が2つの高度酸素バリアフィルム層を有し、その高度酸素バリアフィルム層間に、第十の発明乃至第十三の発明のいずれかひとつに記載の短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムを含むことを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルム積層体に存する。
第十五の発明は、短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムを含む積層体であって、該積層体がガラス基板と高度酸素バリアフィルム層を有し、そのガラス基板と高度酸素バリアフィルム層の間に、第十の発明乃至第十三の発明のいずれかひとつに記載の短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムを含むことを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルム積層体に存する。
第十六の発明は、高度酸素バリアフィルムの酸素透過度が、20℃、ドライ条件で10cm/(m・day・atm)以下である、第十四の発明又は第十五の発明に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルム積層体に存する。
本発明における、「短波長領域の可視光線」とは、可視光短波長領域の光線を意味し、380nm〜420nmの波長領域の光線を称する。
本発明の特定の構造を有するアントラセン化合物は、短波長領域の可視光線及び紫外線に対して優れた吸収性を有しており、特に380〜420nmの波長範囲にその吸収極大があり、優れた短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤として用いることができる。さらに当該化合物は、ほとんど無色であり、可視光線に対して優れた透過性を有する化合物である。
本発明の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤の一例である9,10−ジブトキシアントラセンのUV吸収曲線と比較例として従来UV−A吸収剤として使用されているチヌビンP及びチヌビン326のUV吸収曲線である。 実施例2と比較例2の耐光性試験テストサンプルの形状を示した図。
<短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤>
本願発明の特定の構造を有するアントラセン化合物は、上記一般式(1)で表されるアントラセン化合物である。
一般式(1)において、Rは炭素数1から12の酸素原子を含んでいてもよいアルキル基を表し、X、Yは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1から8のアルキル基を表す。
Rで表される炭素数1から12の酸素原子を含んでいてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、2-ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル基等が挙げられる。X又はYで表される炭素数1から8のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、たとえば次の化合物が挙げられる。すなわち、X及びYが共に水素原子である場合の例としては、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ビス(n−プロポキシ)アントラセン、9,10−ビス(n−ブトキシ)アントラセン、9,10−ビス(n−ペンチルオキシ)アントラセン、9,10−ビス(n−ヘキシルオキシ)アントラセン、9,10−ビス(n−ヘプチルオキシ)アントラセン、9,10−ビス(n−オクチルオキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)アントラセン、9,10−ビス(ノニルオキシ)アントラセン、9,10−ビス(デシルオキシ)アントラセン、9,10−ビス(ウンデシルオキシ)アントラセン、9,10−ビス(ドデシルオキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、9,10−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−メトキシエトキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−エトキシエトキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−メトキシプロポキシ)アントラセン、9,10-ビス(2−アセトキシエトキシ)アントラセン、9,10−ビス−(2−アセトキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−ベンゾイルオキシエトキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−ベンゾイルプロポキシ)アントラセン、9,10−ビス(2−メトキシアミノカルボニルオキシ)アントラセン等が挙げられる。
次に、X及び/又はYがアルキル基である場合としては、2−メチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−メチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2−メチル−9,10−ビス(n−プロポキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(n−ブトキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(n−ペンチルオキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(n−ヘキシルオキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(n−ヘプチルオキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(n−オクチルオキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(ノニルオキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(デシルオキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(ウンデシルオキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(ドデシルオキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)アントラセン、2−メチル−9,10−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ビス(n−プロポキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(n−ブトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(n−ペンチルオキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(n−ヘキシルオキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(n−ヘプチルオキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(n−オクチルオキシ)アントラセン,2−エチル−9,10−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(ノニルオキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(デシルオキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(ウンデシルオキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(ドデシルオキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)アントラセン等が挙げられる。
上記一般式(1)で表されるアントラセン化合物は、対応する9,10−ジヒドロキシアントラセン化合物を公知の方法でアルキルエーテル化することにより製造することができる。
上記化合物の中でも、380nmから420nmの波長の光の吸収性特性の良さと合成が容易で高純度で得られるという点で、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセンが好ましい。
本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物は、短波長領域の可視光線及び紫外線の波長範囲の中でも、特に340nmから430nmの波長範囲にいくつかの吸収ピークを持ち、当該波長領域の少なくとも一部の光線を吸収して、その強度を低減することが可能な化合物である。特に、380〜420nmの間に強い二つの吸収ピークを持ち、従来の紫外線吸収剤ではカットしづらかった波長の光を低減することができることが特徴である。また、通常は、当該可視光に近い波長域の光線をカットすると光の黄味が強くなるという問題があるが、本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物を用いるとその問題が軽減されるという特徴を有する。
この詳細は明らかではないが、一般式(1)で表されるアントラセン化合物は短波長領域の可視光線のカット機能を有しているが、当該領域の光をカットしたにも関わらず黄味が強くならないのは、当該アントラセン化合物が光を吸収した後、一部の励起されたアントラセン化合物が吸光スペクトルとは鏡像関係にある蛍光スペクトルを可視光領域に発光するため、いわゆる蛍光増白作用を持つため、黄色味が強くなるという問題を軽減することを可能にしていると考えられる。
<短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物-1>
本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物の特徴のひとつは、320nmから420nmのUV−A及び短波長領域の可視光線の波長範囲のみに吸収を持ち、280nmから320nmのUV−Bの波長範囲及び、420nm以上の波長範囲に吸収を持たないことである。よって、UV−Bの波長範囲の光もカットしたい場合は、本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤と公知のUV−B吸収剤を併用し、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物として用いることができる。
用いられるUV−B吸収剤としては、特に限定されないが、以下のものが挙げられる。
例えばオクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)モノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAメチルエステル等のパラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、3−ベンジリデン−d1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、オクチルトリアゾン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤が挙げられる。中でも、オクチル−p−メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、4−メトキシケイヒ酸2−エチルヘキシル、ともいう)が好ましい。UV−B領域の紫外線吸収剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
UV−B吸収剤を併用する場合のUV−B吸収剤の使用量は任意に設定できるが、その使用量は、本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤とUV−B吸収剤の質量比で1対0.1から1対5の割合で用いることが好ましい。
<短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物-2>
また、本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤と公知のUV−A吸収剤を併用することも可能である。公知のUV−A吸収剤と本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物を併用することにより、特に、公知のUV−A吸収剤ではカットし難かった380nmから420nmの光のカット率を向上させることができる。
用いられるUV−A吸収剤としては、特に限定されないが、以下のものが挙げられる。UV−A領域の紫外線吸収剤としては、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンなどが挙げられる。中でも、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンが好ましい。これらのUV−A領域の紫外線吸収剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
UV−A吸収剤を併用する場合のUV−A吸収剤の使用量は任意に設定できるが、その使用量は、本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤とUV−A吸収剤の質量比で1対0.1から1対5の割合で用いることが好ましい。
本発明の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤は、酸素とUV光の存在により一部分解し、その短波長領域の可視光線及び紫外線を吸収する能力を減少する可能性があるため、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物には、酸素及び/又はUV光に対する安定剤や除去剤を共存させることが望ましい。例えば、光安定剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー、酸素吸収剤などである。特に、一重項酸素クエンチャーを共存させることが好ましい。
<光安定剤>
更にまた、本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤、または本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤を含有する短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物には、光安定剤を含有することができる。
光安定剤をさらに含有することにより、本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤の光による分解を抑制して、その安定性を高めることができる。
用いられる光安定剤としては、特に限定されないが、以下のものが挙げられる。特に、ヒンダードアミン系安定剤が好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノウンデカン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−ウンデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート、1,6−ジアミノヘキサンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン及びN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
光安定剤の含有量は任意に設定できるが、本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤又は一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤を含有する短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に対して質量比で1対0.1から1対5の割合で用いることが好ましい。
<酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー>
本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物であるUV−A吸収剤、または本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物であるUV−A吸収剤を含有する紫外線吸収剤組成物には、更に酸化防止剤及び/又は一重項酸素クエンチャーを含有することができる。
本発明で用いられる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ペンタエリスリトール系酸化防止剤等を挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、α−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、シナピルアルコール、ビタミンE、ヒドロキシフェニルプロピオネート系化合物、ヒドロキシベンジル系化合物、チオフェノール系化合物、アルカンジイルフェノール系化合物等を挙げることができる。
ヒドロキシフェニルプロピオネート系化合物の具体例としては、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエトキシ]−2,4,8,10−テロラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール-ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ-ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3,5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]メタン等を挙げることができる。
ヒドロキシベンジル系化合物の具体例としては、1,3,5,−トリメチル−2,4,6,−トリス(3',5'−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−イソシアヌレイト等を挙げることができる。
チオフェノール系化合物の具体例としては、4,4'−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、 チオメチルフェノール系化合物の具体例としては、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール等を挙げることができる。
アルカンジイルフェノール系化合物の具体例としては、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等を挙げることができる。
リン系酸化防止剤の具体例としては、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(ノニルフェニル)ホスフェート、2−エチルフェニルジフェニルホスフェート、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチル−1−フェニルオキシ)(2−エチルヘキシルオキシ)ホスホラス、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、オクタデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4'−ジイルビスホスフォナイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル、ホスフォン酸等を挙げることができる。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、チオプロピオネート系化合物、メルカプトベンズイミダゾール系化合物を挙げることができる。 チオプロピオネート系化合物の具体例としては、2,2−ビス({[3−(ドデシルチオ)プロピオニル]オキシ}メチル)−1,3−プロパンジイル−ビス[3−(ドデシルチオ)プロピオナート]、ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等を挙げることができる。メルカプトベンズイミダゾール系化合物の具体例としては、2−メルカプトベンズイミダゾール等を挙げることができる。
フェノール構造を有する酸化防止剤の市販品としては、例えばアデカスタブAO−20、同AO−30、同AO−40、同AO−50、同AO−60、同AO−70、同AO−80、同AO−330(以上、ADEKA社)、sumilizerGM、同GS、同MDP−S、同BBM−S、同WX−R、同GA−80(以上、住友化学社)、IRGANOX1010、同1035、同1076、同1098、同1135、同1330、同1726、同1425WL、同1520L、同245、同259、同3114、同565、IRGAMOD295(以上、ビー・エー・エス・エフ社)、ヨシノックスBHT、同BB、同2246G、同425、同250、同930、同SS、同TT、同917、同314(以上、エーピーアイコーポレーション社)等が挙げられる。
更に、カロチノイド、タンニン類、フラボノイド、トコフェロール類等が挙げられる。具体的には、α−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン、ユビキノン、トコトリエノール、リコピン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、クリプトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、イソゼアキサンチン、ロドキサンチン、カプサンチン、クロセチン等のカロチノイド、2,5−ジメチルフラン、2−メチルフラン、2,5−ジフェニルフラン、1,3−ジフェニルイソベンゾフラン、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン、アラニン又はそのアルキルエステル;ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、カテキン、タンニン酸、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のタンニン類、ルチン等のフラボノイド、トコフェロールなどのトコフェロール類などが挙げられる。これらの化合物は一重項酸素クエンチャーとしても用いられることがある。
本発明で用いることができる一重項酸素クエンチャーとしては、一重項状態の酸素からのエネルギー移動により一重項酸素を失活させ得る化合物であれば用いることができる。本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物は、UV−Aを吸収する能力を有するが、UV−Aを吸収した励起状態のアントラセン化合物が、系内に酸素が存在するときにはその酸素と反応して一重項酸素を生成し、その一重項酸素により、アントラセン化合物及び/又は他の添加物を分解する可能性がある。その反応を防ぐ目的で、本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物を含有するUV−A吸収剤には、一重項酸素クエンチャーを含有することが好ましい。
一重項酸素クエンチャーとしては、例えば、テトラメチルエチレン、シクロペンテン、シクロヘキセン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、1,3−シクロペンタジエン、α−テルピネン等のエチレン性化合物;ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン(1,4―ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタン)、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、N−エチルイミダゾール、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(3−メチルフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン、N−イソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール等のアミン類;ナフタレン、ジメチルナフタレン、ピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テトラセン、ペンタセン、ルブレン、3,4−ベンゾフルオランスレン、2,3−ベンゾフルオレン、1,12−ベンゾペリレン、3,4−ベンゾピレン、4,5−ベンゾピレン、及びこれらのアルキル置換体等の縮合多環芳香族化合物;1,3−ジフェニルイソベンゾフラン、1,2,3,4−テトラフェニル−1,3−シクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン等の芳香族化合物等を挙げることができる。
更に、一重項酸素クエンチャーとして、硫黄原子を有する化合物を配位子とする金属錯体を挙げることができる。このような一重項酸素クエンチャーとしては、例えば、ビスジチオ−α−ジケトン、ビスフェニルジチオール、及びチオビスフェノールを配位子とする、ニッケル錯体、コバルト錯体、銅錯体、マンガン錯体、白金錯体等の遷移金属キレート化合物を挙げることができる。遷移金属キレート化合物の具体例としては、例えば、ビス(ジチオベンジル)ニッケル、ビス(4−ジメチルアミノジチオベンジル)ニッケル、ビス(ジチオビアセチル)ニッケル、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル、ビス(オクチルフェニル)サルファイドニッケル、ビス(1,2−ジチオフェノレート)ニッケル テトラブチルアンモニウム塩、ビス(チオカテコール)ニッケル テトラブチルアンモニウム塩、ビス(4,4'−ジ−tert−ブチル−ジチオベンジル)ニッケル、ビス(4,4'−ジイソプロピルジチオベンジル)ニッケル、4−N,N−ジエチルスルファモイル−1,2−ベンゼンジチオールニッケル及びその誘導体が挙げられる。コバルト、銅、マンガン、白金錯体についても同様の化合物を挙げることができる。
上記例示した一重項酸素クエンチャーの中でも、硫黄化合物や金属塩を含まない、テトラメチルエチレン、シクロペンテン、シクロヘキセン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、1,3−シクロペンタジエン、α−テルピネン等のエチレン性化合物;ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン(1,4―ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタン)、N−エチルイミダゾール、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(3−メチルフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン、N−イソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール等のアミン類;ナフタレン、ジメチルナフタレン、ピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テトラセン、ペンタセン、ルブレン、3,4−ベンゾフルオランスレン、2,3−ベンゾフルオレン、1,12−ベンゾペリレン、3,4−ベンゾピレン、4,5−ベンゾピレン、及びこれらのアルキル置換体等の縮合多環芳香族化合物;1,3−ジフェニルイソベンゾフラン、1,2,3,4−テトラフェニル−1,3−シクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン等の芳香族化合物等が好ましい。
本発明において、酸化防止剤及び/又は一重項酸素クエンチャーは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、光安定剤と合わせて使用することもできる。
酸化防止剤及び/又は一重項酸素クエンチャーの含有量は任意に設定できるが、本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物であるUV−A吸収剤又は一般式(1)で表されるアントラセン化合物であるUV−A吸収剤を含有する紫外線吸収剤組成物に対して質量比で1対0.1から1対5の割合で用いることが好ましい。
<酸素吸収剤>
本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物であるUV−A吸収剤、または本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物であるUV−A吸収剤を含有する紫外線吸収剤組成物には、更に酸素吸収剤(脱酸素剤)を存在させることができる。酸素吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉等の金属粉;糖、糖アルコール、グリセリン、アスコルビン酸等のレダクトンなどが挙げられる。これらは、酸化されることにより、雰囲気中の酸素を吸着及び除去して、脱酸素剤として機能する。これら酸素吸収剤は、光重合性組成物に含有させることもできるし、光重合性組成物が存在する系内に存在させることもできる。
<短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムの調製>
本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤又は本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物を含有する短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物は、そのまま他の化合物と混合して、または溶媒と混合してあるいはペースト状にして用いることができる。例えば、PMMAやABS等の樹脂へ、本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤又は本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物を含有する短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物を練り込んだり、樹脂とともに溶媒に溶解又は分散させて添加したりして、短波長領域の可視光線のカット効果を持つプレート,シートやフィルム等として用いることができる。更にまた、重合性化合物中に本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤又は本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物を含有する短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物を配合した後、当該重合性化合物を熱又は光重合することにより、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤を含有する硬化物、特にフィルム状物とすることもできる。
フィルム状とする場合には、本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤を含有する光重合性組成物を調製し、当該光重合性組成物を重合硬化する方法が簡便である。すなわち、本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤及び必要であれば光重合開始剤を光重合性化合物に添加し、光重合性組成物を調製して、当該光重合性組成物に光エネルギーを照射することにより、重合硬化させることが可能である。もちろん、熱重合性組成物とすることも可能であるが、光重合の方が簡便で透明性が高いので、好ましい。
<光重合性組成物>
当該光重合性組成物は、光カチオン重合性組成物であっても、光ラジカル重合性組成物であってもよい。
<光重合開始剤>
本発明の光重合性組成物に用いられる光重合開始剤について説明する。光重合開始剤としては、オニウム塩、ベンジルメチルケタール系光重合開始剤、α−ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤、α−アミノフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、ビイミダゾール系光重合開始剤などが挙げられる。
まず初めに、オニウム塩としては、通常スルホニウム塩またはヨードニウム塩が使用される。スルホニウム塩としては、アリールスルホニウム塩が好ましく、S,S,S’、S’−テトラフェニル−S,S’−(4,4’−チオジフェニル)ジスルホニウム ビスヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニル−4−フェニルチオフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートが挙げられ、例えばダウ・ケミカル製、商品名:UVI6992、サンアプロ社製 商品名:CPI−100P、ビー・エ−・エス・エフ社製 商品名:イルガキュア270(イルガキュアは、ビー・エー・エス・エフ社の登録商標)を用いることが出来る。一方、ヨードニウム塩としては、アリールヨードニウム塩が好ましく、4−イソブチルフェニル−4’−メチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−イソプロピルフェニル−4’−メチルフェニルヨードニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートが挙げられ、例えばビー・エ−・エス・エフ社製、商品名:イルガキュア250又は、ソルベイジャパン社製、商品名:PHOTOINITIATOR 2074を用いることが出来る。
ベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」ビー・エー・エス・エフ社製)等が挙げられる。α−ヒドロキシアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名「イルガキュア1173」ビー・エー・エス・エフ社製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア184」ビー・エー・エス・エフ社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名「イルガキュア2959」ビー・エー・エス・エフ社製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−1−オン(商品名「イルガキュア127」ビー・エー・エス・エフ社製)が挙げられる。
また、アセトフェノン系ラジカル重合開始剤であるアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−エトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−イソプロポキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−イソブトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル系ラジカル重合開始剤であるベンジル、4,4’−ジメトキシベンジル、アントラキノン系ラジカル重合開始剤である2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−フェノキシアントラキノン、2−(フェニルチオ)アントラキノン、2−(ヒドロキシエチルチオ)アントラキノン等も用いることができる。
<重合性化合物>
次に、重合性化合物について説明する。重合性化合物としては、カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物のどちらも用いることができる。まず初めに、カチオン重合性化合物である場合を説明する。
本発明に使用することができる光カチオン重合性化合物としてはエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物が挙げられる。エポキシ化合物として一般的なものは脂環式エポキシ化合物、エポキシ変性シリコーン、芳香族グリシジル化合物である。脂環式エポキシ化合物としては3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダウ・ケミカル社製UVR6105、UVR6110、ダイセル社製セロキサイド2021P(セロキサイドは株式会社ダイセルの登録商標)、1,2−エポキ−4−ビニルシクロヘキサン(ダイセル社製セロキサイド2000)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート等が挙げられ、この中でも、特に3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを用いることが好ましい。芳香族グリシジル化合物としては2,2’−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパンが挙げられる。ビニルエーテル化合物としてはメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。又、エポキシ変性シリコーンとしては、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のUV−9300を用いることが出来る。
次に、重合性化合物がラジカル重合性化合物である場合を説明する。
光ラジカル重合性化合物としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の二重結合を有する有機化合物を用いることができる。これらのラジカル重 合性化合物のうち、フィルム形成能等の面から、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル(以下、両者をあわせて「(メタ)アクリル酸エステル」という)が好 ましい。(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリ ル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチ ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリ ブタジエンアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコーン樹脂アクリレート、イミドアクリレート等が挙げられる。これらの光ラジカル重合性化合物は、単一化合物でも二種以上の混合物であっても良い。
<光重合性組成物>
本発明の一般式(1)に表されるアントラセン化合物、上述の光重合開始剤及び上述の重合性化合物を混合することにより、光重合性組成物とすることができる。一般式(1)に表されるアントラセン化合物と光重合開始剤を別々に重合性化合物に添加することも可能であるが、一般式(1)に表されるアントラセン化合物と光重合開始剤をあらかじめ混合した後に、重合性化合物に添加することも可能である。
本発明の光カチオン重合性組成物又は光ラジカル重合性組成物における一般式(1)に表されるアントラセン化合物の使用量は、光重合性組成物に対して0.0025重量%以上、5重量%未満の範囲、好ましくは0.0125重量%以上、2.5重量%未満である。0.0025重量%未満だと短波長可視光カット効果が乏しく、一方5重量%以上だと光重合させて得られる重合物の物性を悪化させるため好ましくない。
本発明の光カチオン重合性組成物又は光ラジカル重合性組成物における光重合開始剤の使用量は、光重合性組成物に対して0.0025重量%以上、5重量%未満の範囲、好ましくは0.0125重量%以上、2.5重量%未満である。0.0025重量%未満だと光重合性組成物を光重合させるのに時間がかかってしまい、一方5重量%以上だと光重合させて得られる重合物の硬度が低下し、重合物の物性を悪化させるため好ましくない。
<溶剤>
本発明の光重合性組成物は、一般に基材の上に薄く塗布して用いられるため、塗工性が良好となるとの観点から、更に、溶剤を含むのが好ましい。もちろん、無溶剤でも問題はない。溶剤は、上述した各成分を溶解することができるものであれば特に限定されない。例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチケトン(MIBK)、シクロヘキサノンのようなケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、イソプロピルアルコール(IPA)のようなアルコール;シクロヘキサンのようなシクロアルカン;トルエン、キシレン、ベンジルアルコールのような芳香族炭化水素化合物が挙げられる。なかでも、溶解性、乾燥性や塗装性に優れるという観点から、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、MIBKが好ましい。溶剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、溶剤をもいる場合のその含有量は、塗工性の観点から、光重合性組成物の全量中、0.1〜85質量%であるのが好ましい。
<レベリング剤>
本発明の組成物は、溶剤を含む場合、更に、レベリング剤を含むのが好ましい。レベリング剤としては、例えば、シリコーン系レベリング剤、アクリル系レベリング剤、ビニル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤等が挙げられる。これらのうち、重合皮膜の均一性を高め、結果として、重合皮膜の透明性が良好となるという理由から、アクリル系レベリング剤を用いるのが好ましい。
本発明においては、任意のレベリング剤の含有量は、塗工性の観点から、光重合性組成物の全量中、0.01〜3質量%であるのが好ましい。
<フィルムの調製>
本発明の短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムは、基材上に上記光重合性組成物を塗布し、光を照射することにより重合硬化させ重合皮膜を形成することにより製造することができる。
<基材>
基材としては特に限定されず、その構成材料としては、例えば、プラスチック、ゴム、ガラス、金属、セラミック等が挙げられる。ここで、プラスチックは、熱重合性樹脂および熱可塑性樹脂のいずれであってもよく、その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィン系重合体(単独重合体、共重合体、水素添加物を含む。例えば、COPやCOC)、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。また、上記基材は、例えば、コロナ処理のような表面処理がなされていてもよい。また、上記基材の形態は特に限定されないが、フィルム状であるのが好ましい。これらの中で、ガラス基材、金属基材又は酸素バリアフィルムを基材とすることが好ましい。これらの酸素非透過性の基材を用い、更に、酸素バリアフィルを被せることにより、本発明の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤を含有する光重合性組成物を安定的にフィルム状とすることができる。
上述した方法で調製した光重合性組成物を基材上に塗布し、硬化させ、基材上に重合性皮膜を形成する。
基材および重合皮膜の厚さは特に制限されないが、基材の厚さは50〜300μm程度であるのが好ましく、重合皮膜の厚さは0.1〜100μm程度であるのが好ましい。
例えば、フィルム状の基材上に、本発明の光重合性組成物を塗工し、乾燥し、紫外線を照射する工程を有する方法が挙げられる。ここで、本発明の光重合性組成物を基材上に塗工する方法は特に限定されず、例えば、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート等の公知の塗布方法を採用できる。また、塗工後に乾燥させる温度は、20〜110℃であるのが好ましい。
また、本発明の光重合性組成物を重合させる際に使用する紫外線の照射量(積算光量)として、速重合性、作業性の観点から、10〜1000mJ/cmが好ましい。紫外線を照射するために使用する装置は特に制限されない。例えば、次のような従来公知のものが挙げられる。このようにして調製した膜に、250〜500nmの波長範囲を含む紫外線を1〜1000mW/cm程度の強さで光照射することにより光重合物を得ることができる。用いる光源としてはメタルハライドランプ、キセノンランプ、405nmUV−LED、395nmUV−LED、385nmUV−LED、365nmUV−LED、青色LED、白色LED、フュージョン社製のDバルブ、Vバルブ等が挙げられる。また、太陽光で光重合することも可能である。また、重合させるに際し加熱を併用してもよい。中でも、特に405nmUV−LED,395nmUV−LEDが好ましい。
本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤を含有する光重合性組成物において、本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物は紫外線を吸収するにもかかわらず、紫外線を用いた光重合を阻害せず、速やかに重合硬化する点も優れている。
本発明の光重合性組成物を光重合するときに、基材上に塗布した光重合性組成物上に酸素バリアフィルムをかぶせたのち、光照射してフィルム状に重合硬化させることが好ましい。光照射時に酸素が存在すると光重合反応中に活性酸素が生成し本発明の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤を分解する反応が一部進行する。そこで、塗布した光重合性組成物上に酸素バリアフィルムを被せることにより、該分解反応を防ぐことができる。
光重合性組成物の上に被せる酸素バリアフィルムとしては、20℃ドライ条件で、酸素透過度100cm/(m・day・atm)以下であることが好ましい。
酸素透過性の測定は、JISK7126−2:2006に示された測定方法に準じて、酸素透過度計を用いて測定して求められる。
酸素透過度は、フィルムの素材によって異なるが、フィルムの厚みの影響も受ける。よって、酸素透過度100cm/(m・day・atm)以下のフィルムとしては、例えば、エチレン含有率56%のエチレン−ビニルアルコール共重合物であれば、1μm程度のものも使用可能である。ポリエチレンテレフタレートは10μm以上、ナイロン6であれば20μm以上の膜厚のフィルムが挙げられる。
<短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルム>
本発明の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤を含む短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムは、使用条件によっては、時間の経過とともに、その短波長領域の可視光線及び紫外線カット能力が低下する場合がある。この短波長領域の可視光線及び紫外線カット能力の低下は、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤に光で励起された活性酸素が接触して、酸化反応などにより短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤の一部分解することなどに由来すると考えられる。
そこで、本発明の短波長領域の可視光線及び紫外線フィルムの長期安定性を高めるために、短波長領域の可視光線及び紫外線フィルムを光透過度が高く酸素バリア性の優れた高度酸素バリアフィルムでカバーすることが好ましい。
その一つ方法として、本発明の短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムを2つの高度酸素バリアフィルム層によってサンドイッチした積層構造とすることが好ましい。
またもう一つ方法として、本発明の短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムの一方をガラス基板とし、他方を高度酸素バリアフィルム層とし、この両者によりサンドイッチされた積層構造とすることが好ましい。
このような積層構造とすることにより、本発明の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤が紫外線照射下において、酸素と接触することが避けられ、長期に安定的に短波長領域の可視光線及び紫外線カット能力を持続することが可能となる。
用いられる高度酸素バリアフィルムとしては、酸素透過度が、10cm/(m・day・atm)以下であることが好ましい。より好ましくは、1cm/(m・day・atm)以下、より好ましくは、0.1cm/(m・day・atm)以下である。酸素透過度は低いほど好ましく、可視光領域における全光線透過率は高いほど好ましい。
このような高度酸素バリアフィルムとしては、高分子フィルムの表面に無機酸化物から成る薄膜を真空蒸着法又はプラズマ化学気相成長(CVD)法等の真空プロセスで形成してバリア層を設けたものが一般的である。フィルム状のガラスも用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムやナイロンフィルムの上にアルミナや酸化珪素などの蒸着層を設けたものなどが挙げられる。
本発明の本発明の一般式(1)で表されるアントラセン化合物を含有する短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物を含有する重合性組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、充填剤、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、アンチブロック剤、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、艶消し剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、滑剤、可塑剤、撥水剤、染料、顔料のような添加剤を更に含有することができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定さ
れない。
<UVスペクトルの測定>
測定試料溶液は、測定試料をアセトニトリル(和光純薬)に濃度が10ppmとなるように添加し、完全に溶解することにより調製した。該試料溶液を光路長1cmの石英セルに気泡が生じないように約八分目の高さまで入れ、UV2600(島津製作所製)にセットして、UVスペクトルを測定した。
〔実施例1〕
本発明の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤である9,10−ジブトキシアントラセン(DBA)のUVスペクトルを測定し、385nmと405nmにおける吸光度を表1に記載した。
[比較例1]
比較例として、公知の紫外線吸収剤であるチヌビンP、チヌビン326を実施例と同様にしてUVスペクトルを測定して、385nmと405nmにおける吸光度を表2に記載した。
表1と表2を比較することにより明らかなように、本発明の一般式(1)で表される短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤は、385nmと405nmの吸光度が大きく、また、図1からも明らかなように、380nmから420nmの光をよく吸収することがわかる。一方、420nm以上の可視光部に吸収はほとんどないことがわかる。他方、従来より用いられているUV−A吸収剤のチヌビンPやチヌビン326は、385nm及び405nmの吸光度は小さく、380nmから420nmの光を十分カットできないことがわかる。
[実施例2]
<短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤の安定化>
短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤は一重項酸素が共存することで分解されるが、一重項酸素が共存しないように一重項酸素を生成する酸素を除去することで短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤の安定化することができる。
短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤として9,10−ジブトキシアントラセン(DBA)を1−メチル−2−ピロリドン(東京化成社製)に1wt%溶解させ、この溶液をステンレスカップに入れた。このステンレスカップを酸素濃度0.1ppm以下のグローブボックスの中に投入し、ステンレスカップ内の溶液をグローブボックス内の雰囲気ガスで20mL/分の速度でバブリングを実施し、溶液内の酸素を完全に追い出した。このステンレスカップにPETフィルムと石英ガラスで蓋をし、酸素不透過性の袋(ハイバリア彊美人、クリロン化成社製)の中に投入し、併せて袋内部に侵入してくる微量酸を除去できるように酸素吸収剤として鉄粉系酸素吸収剤のセキュール(ニッソーファイン社製、セキュールはニッソーファイン社の登録商標)を投入した。この袋をヒートシーリングで完全に密封し、グローブボックスから取り出した(図2)。これを耐光性試験機(アトラス・サンテストCPS+、東洋精機社製)に投入し、4時間光を照射した。その後、光照射前後の9,10−ジブトキシアントラセンの量を高速液体クロマトグラフィで定量し、9,10−ジブトキシアントラセンの残存割合を算出した。その結果を表3に示す。
〔比較例2〕
9,10−ジブトキシアントラセンを1−メチル−2−ピロリドン(東京化成社製)に1wt%溶解させ、この溶液をステンレスカップに入れた。空気中で、このステンレスカップにPETフィルムと石英ガラスで蓋をし、酸素不透過性の袋(ハイバリア彊美人、クリロン化成社製)の中に投入し、袋をヒートシーリングで完全に密封した(図2)。この他は実施例2と同様な操作を実施した。その結果を表3に示す。
表3を見て分かるように、実施例2では酸素が系内から除去されている為、一重項酸素が生成されない。その為、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤が一重合酸素によって分解されないことを示している。一方、比較例2では酸素が系内に存在している為、酸素が励起され、これにより生じた一重項酸素によって短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤が分解されていることが分かる。従って、酸素または一重項酸を除去することで短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤が安定して存在でき、短波長領域の可視光線及び紫外線を吸収することができることを示している。
(実施例3)
短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤として9,10−ジブトキシアントラセン(DBA)を1−メチル−2−ピロリドン(東京化成社製)に1wt%添加し、酸化防止剤としてIRGANOX1010(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF社製、IRGANOXはBASF社の登録商標))を5wt%添加した。この溶液をステンレスカップに入れ、PETフィルムと石英ガラスで蓋をした。これを耐光性試験機(アトラス・サンテストCPS+,東洋精機社製)に投入し、4時間光を照射した。その後、光照射前後の9,10−ジブトキシアントラセン(DBA)の量を高速液体クロマトグラフィで定量し、9,10−ジブトキシアントラセン(DBA)の残存割合を算出した。その結果を表4に示す。
(実施例4)
実施例3においてIRGANOX1010の代わりにアデカスタブAO−80(3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエトキシ]−2,4,8,10−テロラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、ADEKA社製、アデカスタブはADEKA社の登録商標)を5wt%添加した他は同様の操作を行った。その結果を表4に示す。
〔比較例3〕
実施例3においてIRGANOX1010を添加しなかった他は同様の操作を行った。その結果を表4に示す。
表4を見て分かるように、実施例3および4では添加されている酸化防止剤(IRGANOX1010、アデカスタブAO−80)によって酸素ラジカルがトラップされるので、酸素によってDBA(短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤)が分解するのを抑制していることを示している。一方、比較例3では酸化防止剤が添加されていない為、系内に存在する酸素によりDBA(短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤)が分解されていることを示している。従って、酸素ラジカルをトラップする酸化防止剤を用いることで、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤の安定性を高めることできることを示している。
(実施例5)
実施例3においてIRGANOX1010の代わりにアデカスタブAO−40(ADEKA社製、アデカスタブはADEKA社の登録商標)を5wt%添加した他は同様の操作を行った。その結果を表5に示す。
(実施例6)
実施例3においてIRGANOX1010の代わりに2,5−ジメチルフラン(DMF、和光純薬)を5wt%添加した他は同様の操作を行った。その結果を表5に示す。
表5を見て分かるように、酸化防止剤であるアデカスタブAO−40や2,5−ジメチルフランによっても同様に、酸素ラジカルがトラップされるので、酸素によってDBA(短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤)が分解するのを抑制していることを示している。一方、比較例3では酸化防止剤が添加されていない為、系内に存在する酸素によりDBA(短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤)が分解されていることを示している。従って、酸素ラジカルをトラップする酸化防止剤を用いることで、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤の安定性を高めることできることを示している。2,5−ジメチルフランは、一重項酸素クエンチャーとしての効果もあり、アデカスタブAO−40よりDBA残存割合が高いと推測される。
(実施例7)
実施例3においてIRGANOX1010の代わりに一重項酸素クエンチャーであるトリエチレンジアミン(TEDA、1,4―ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタン、東京化成)を5wt%添加した他は同様の操作を行った。その結果を表6に示す。
(実施例8)
実施例3においてIRGANOX1010の代わりにアデカスタブAO−40を5wt%とトリエチレンジアミン(TEDA、1,4―ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタン、東京化成)を5wt%添加した他は同様の操作を行った。その結果を表6に示す。
一方、表6を見て分かるように、一重項酸素クエンチャーであるトリエチレンジアミン(TEDA)を添加した場合は、きわめてDBA(短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤)の残存率が高く、更に、酸化防止剤であるアデカスタブAO−40と一重項クエンチャーのトリエチレンジアミン(TEDA)を併用することでより、更に残存率が高くなることがわかる。当該結果より、一重項酸素を捕捉することにより、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤の分解を極めて抑制していることが分かる。


Claims (16)

  1. 下記一般式(1)で表されるアントラセン化合物であることを特徴とする短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤。

    (一般式(1)において、Rは炭素数1から12の酸素原子を含んでいてもよいアルキル基を表し、X、Yは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1から8のアルキル基を表す。)
  2. 下記一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤及びUV−B吸収剤を含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物。

    (一般式(1)において、Rは炭素数1から12の酸素原子を含んでいてもよいアルキル基を表し、X、Yは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1から8のアルキル基を表す。)
  3. 下記一般式(1)で表されるアントラセン化合物である短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤及びUV−A吸収剤を含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物。

    (一般式(1)において、Rは炭素数1から12の酸素原子を含んでいてもよいアルキル基を表し、X、Yは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1から8のアルキル基を表す。)
  4. 請求項1に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤に、更に、ヒンダードアミン系安定剤を含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物。
  5. 請求項2又は3に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に、更に、ヒンダードアミン系安定剤を含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物。
  6. 請求項1に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤に、更に、酸化防止剤を含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物。
  7. 請求項2乃至5のいずれか一項に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に、更に、酸化防止剤を含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物。
  8. 請求項1に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤に、更に、一重項酸素クエンチャーを含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物。
  9. 請求項2乃至7のいずれか一項に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物に、更に、一重項酸素クエンチャーを含有することを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物。
  10. 請求項1に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤を有効成分として含有する短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルム。
  11. 請求項2乃至9のいずれか一項に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物を有効成分として含有する短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルム。
  12. ガラス基材、金属基材又は酸素バリアフィルム上に、請求項1に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤又は、請求項2乃至9のいずれか一項に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線吸収剤組成物を含有する光重合性組成物を塗布し、該塗膜上に更に酸素バリアフィルムを被せたのち、光照射してフィルム状に重合硬化させた重合皮膜であることを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルム。
  13. 酸素バリアフィルムの酸素透過度が、20℃、ドライ条件で100cm/(m・day・atm)以下である、請求項12に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルム。
  14. 短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムを含む積層体であって、該積層体が2つの高度酸素バリアフィルム層を有し、その高度酸素バリアフィルム層間に、請求項10乃至13のいずれか1項に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムを含むことを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルム積層体。
  15. 短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムを含む積層体であって、該積層体がガラス基板と高度酸素バリアフィルム層を有し、そのガラス基板と高度酸素バリアフィルム層の間に、請求項10乃至13のいずれか1項に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルムを含むことを特徴とする、短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルム積層体。
  16. 高度酸素バリアフィルムの酸素透過度が、20℃、ドライ条件で10cm/(m・day・atm)以下である、請求項14又は15に記載の短波長領域の可視光線及び紫外線カットフィルム積層体。

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