JP2018191563A - ミント香料の生葉感増強剤 - Google Patents

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Jin Kashiwabara
仁 柏原
幸宏 西川
Yukihiro Nishikawa
幸宏 西川
龍治 田川
Ryuji Tagawa
龍治 田川
仁 小原
Hitoshi Obara
仁 小原
真人 寺澤
Masato Terasawa
真人 寺澤
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Abstract

【課題】ミント香料において、ハッカ属植物のフレッシュでグリーンな生葉感を増強する生葉感付与増強剤を提供することである。【解決手段】トリメチルアミン及び/又はイソペンチルアミンを有効成分とすることを特徴とする、ミント香料の生葉感増付与強剤である。【選択図】なし

Description

本発明はミント香料に、シソ目シソ科ハッカ属(ミント属又はメンタ属ともいう)植物のフレッシュでグリーンな生葉感を付与増強するミント香料の生葉感増強剤、該生葉感増強剤を有効量含有するミント香味料組成物ならびにこれらを含有するミント風味飲食品又はミント風味口腔組成物に関する。
ミント系香料は、一般に、シソ科ハッカ属植物の精油であるペパーミントオイル、スペアミントオイル、薄荷油などを基本とし、飲食品用あるいは口腔用香料組成物といった各製品に応じて、最適の嗜好性、使用者の快適な使用感、各製品の機能や特性を考慮して、これら精油の構成成分である合成香料、例えばメントール、メントン、イソメントン、メントフラン、メンチルアセテート、L−カルボン、ジヒドロカルボン、プレゴン、イソプレゴール、イソプレギルアセテート、L−カルベオール、ピペリトン、ピペリトール、カルビルアセテート、ジヒドロカルビルアセテートおよび1,8−シネオール等を適宜補強して調合し製造されている。
ミントノートを有するフレーバーの製造に関しては、上記ミント精油および合成香料に加え、各種炭化水素類、アルコール類、エステル類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、フェノール類、ラクトン類、硫黄化合物類、窒素化合物類、酸類、天然香料類を用いて製造することが提案されている(特許文献1)。
最近ではより清涼感を求め、各種メントール誘導体や、皮膚感覚的冷涼剤(クーリングエージェント)などが開発されており、各種機能的用途に用いられることも多くなって来ており、従来品では必ずしも消費者の要求にかなわず、そこで、ミント系香料の新たなバリエーションの開発が進められている。
ハッカ属植物の精油を主体とした香料の香味改良方法としては、例えば、ポリゴジアール(タデ科植物のヤナギタデ等に含まれる辛味成分)を添加することによりミント系香料の冷涼感を増強する方法(特許文献2)が提案されている。
また、フトモモ科植物から得られるティーツリー精油を配合することにより、清涼感の強さを増強する方法が知られている(特許文献3)。
その一方で、天然風味を嗜好する世界的な風潮の中で、より自然なハッカ属植物精油の風味が求められており、ナチュラル感を増大するため各種手法が開発されてきている。
例えば、ミント系香料にラカンカ抽出物を添加することにより、ミント風味自体を増強する方法(特許文献4)が提案されている。しかしながら、より自然なミント風味という点では未だ開発の余地があった。
より自然な天然感を有するミント香料については、例えばミント類に1,3,5,8−ウンデカテトラエン類を添加する方法(特許文献5)提案されている。
また、ミント系香料に6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオン、4−エチルグアヤコールからなる群から選ばれる1種または2種以上を添加してミント風味を増強する方法(特許文献6)などが提案されている。
しかしながら、上記の技術はハッカ属植物体を水蒸気蒸留して得られる精油の香味改良であり、新鮮なハッカ属植物自体の香味が強調された自然で天然感あふれるミント香料を得るには至っていなかった。
その一方、ハーブに対する親近感を背景に、カクテル、チューハイ等の酒類、アイスク
リーム、チョコレートやケーキ等の菓子類、サラダ、茶・コーヒーなど種々の飲食品にハッカ属植物の生葉が使用される機会が増え、消費者のミント生葉特有の香味に対する嗜好が高まってきている。
特開2004−018431号公報 特開平07−145398号公報 特開平09−263786号公報 特開2015−140381号公報 特開2007−246682号公報 特開2013−107976号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来のミント系香料の改良方法では十分考慮されなかった、ハッカ属植物のフレッシュでグリーンな生葉感を付与増強するミント香料の生葉感付与増強剤、該生葉感付与増強剤を有効量含有するミント香味料組成物並びにこれらを含有するミント風味飲食品又はミント風味口腔組成物の提供である。
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検索した結果、特定の含窒素化合物がハッカ属植物のフレッシュでグリーンな生葉感を付与増強することを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、以下に示すとおりのものである。
(1)トリメチルアミン及び/またはイソペンチルアミンを有効成分とすることを特徴とする、ミント香料の生葉感付与増強剤。
(2)ミント香料と上記生葉感付与増強剤を含むミント香味料組成物であって、生葉感付与増強剤の含有量が0.01ppm〜10000ppmであることを特徴とする、ミント香味料組成物。
(3)前記ミント香味料組成物を0.001質量%〜5.0質量%含有することを特徴とする、ミント風味飲食品又はミント風味口腔組成物。
(4)ミント香料に、前記生葉感付与増強剤を0.01ppm〜10000ppm添加することを特徴とする、ミント香味料組成物の製造方法。
(5)ミント風味を有する飲食品又は口腔組成物に、前記生葉感付与増強剤を0.01ppb〜10000ppb添加することを特徴とする、ミント風味飲食品又はミント風味口腔組成物にミント生葉感を付与増強する方法。
(6)飲食品又は口腔組成物に、前記ミント香味料組成物を0.001質量%〜5.0質量%添加することを特徴とする、飲食品又は口腔組成物に生葉感のあるミント風味を付与する方法。
本発明のミント香料の生葉感付与増強剤は、通常のミント香料に有効量添加することにより、ハッカ属植物のフレッシュでグリーンな生葉感を付与し増強することができる。
〔1〕生葉感付与増強剤
本発明の生葉感付与増強剤の有効成分として用いられる特定の含窒素化合物とは、トリメチルアミンとイソペンチルアミンであり、いずれも試薬等として市販品を入手すること
ができる。
本発明でいう生葉感とは、摘みたてのミント生葉特有のグリーンなリーフ感であり、スイート感及びフレッシュ感を伴う風味である。
ここで、通常のミント香料は、製造段階の加工の程度や調合によって、ミント生葉感が幾分か感じられる程度のものから全く感じられない程度のものまで種々の製品が市販され流通しているが、本発明の生葉感付与増強剤をミント香料に添加することにより、生葉感ゼロのミント香料に対しては生葉感を付与し、一方、生葉感がある程度感じられるミント香料に対しては生葉感を増強することができる。
含窒素化合物のうち、トリメチルアミン((CH3)3N)は、アンモニア様の香気を有し、するめいか、脂肪分の少ない魚(にしん、ぼら、かたくちいわし等)の塩蔵品等の加工品、すずき等の生魚、乾燥ヤマドリダケ等の食品中に存在する成分であり、スナック菓子、焼菓子、肉製品、冷凍乳製品類、ゼラチン・プリン類、清涼飲料等様々な加工食品において香りの再現、風味の向上等の目的で添加されている。
また、含窒素化合物のうち、イソペンチルアミン((CH3)2CHCH2CH2NH2)はアンモニア様の香気を有し、食品用香料として使用され、トリュフ、ヤマドリダケ、ワイン、ルバーブ、コーヒー、ケール等の食品中に存在する成分であり、清涼飲料、ゼラチン・プリン類、肉製品、焼菓子、冷凍乳製品類、ソフト・キャンディー類等様々な加工食品において香りの再現、風味の向上等の目的で添加されている。
トリメチルアミンやイソペンチルアミンといったアンモニア様の香気を有する化合物が、ミント香料のフレッシュな生葉感増強作用を有することは意外であった。
本発明で用いられるトリメチルアミン及びイソペンチルアミンは、単独で用いることもできるが、両者を組み合わせて用いることもできる。これら組み合わせて用いる場合、通常はトリメチルアミンとイソペンチルアミンを0.1:99.9〜99.9:0.1の質量比で用いることができ、好ましくは1:99〜99:1の質量比で用いられ、さらに好ましくは5:95〜95:5の質量比で用いることができる。それぞれの化合物の存在比が0.1未満である場合、組み合わせによる効果が十分に発揮されない場合がある。
〔2〕ミント香料
本発明のミント香料とは、前述のようにペパーミントオイル、スペアミントオイル、薄荷油などハッカ属植物から水蒸気蒸留法により抽出される精油あるいはエキスを基本とし、これら天然香料単独あるいは2種以上を配合して製造できる。
さらにこれら精油等の構成成分である合成香料、例えばメントール、メントン、イソメントン、メントフラン、メンチルアセテート、L−カルボン、ジヒドロカルボン、プレゴン、イソプレゴール、イソプレギルアセテート、L−カルベオール、ピペリトン、ピペリトール、カルビルアセテート、ジヒドロカルビルアセテート、1,8−シネオール等を補強して製造できる。
また、上記ミント精油および合成香料に加え、各種炭化水素類、アルコール類、エステル類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、フェノール類、ラクトン類、硫黄化合物類、窒素化合物類、酸類等の合成香料を用いて製造することもできる。
本発明のミント香料に用いることのできる前記合成香料の例としては、例えばアセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムアルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸3−ブテニル、イソチオシアン酸4−ペ
ンテニル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸3−メチルチオプロピル、イソチオシアネート類、
イソブタノール、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エステル類、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2−エチル−3,6−ジメチルピラジン、エチルバニリン、エーテル類、オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、
酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、高級脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、テルピネオール、リモネン、ピネン、ミルセン、タピノーレン、
テルペン系炭化水素類、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロパノール、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、
プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオール等の合成或いは天然由来の香料が挙げられる。
〔3〕ミント香味料組成物
ミント香味料組成物は、上記のミント香料と生葉感付与増強剤からなる。
本発明でいうミント香味料組成物とは、飲食品に生葉感のあるミント風味を付与する素材であり、いわゆるミント様食品香料と比べて、その使用方法、添加量及び添加効果において同様のものであるが、ミント香味料組成物は飲食品にミントの香りのみならず、生葉感に富んだミントの味をも付与することを意図することで異なっており、英語で言うMINT
FLAVORに該当するものである。
前記アミン化合物の一般的なミント香料への添加量は、トリメチルアミンの場合は通常0.01ppm〜1000ppm、好ましくは0.1ppm〜100ppm、より好ましくは1ppm〜50ppmの濃度範囲であり、イソペンチルアミンの場合は通常0.01ppm〜10000ppm、好ましくは0.05ppm〜5000ppm、より好ましくは0.1ppm〜1000ppmの濃度範囲である。
上記濃度で添加したときに、本発明の効果である、ハッカ属植物のフレッシュでグリーンな生葉感を付与増強することができる。
添加量が0.01ppm未満であるときは添加効果が十分でない場合があり、10000ppmを超えた場合は、やや人工的な風味に感じられる場合がある。
本発明においては、前記アミン化合物に加えて、特定の含硫化合物を併用することにより、さらに生葉感効果を増大させることができる。
本発明で併用できる具体的な含硫化合物としては、1−メトキシ−3−メチルブタン−
3−チオール、2−メチル−1−ブタンチオール、2−メルカプト−3−ブタノール、3−メチル−2−ブタンチオール、4−メルカプト−4−メチル−2−ペンタノール、3−メルカプト−2−ペンタノン、3−メルカプトヘキシル アセテート、3−メルカプトヘキシル ブチレート、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテート、3−メルカプト−3−メチルブチル フォーメート、エチル チオアセテート、S−メチル ヘキサンチオエート、ゼストリル(2,8−エピチオ−p−メンタン)、イソアミルメルカプタン、3−メチルブテン−1−チオール、4−メチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、3−メチルチオヘキシル アセテート、S−メチル 2−メチルブタンチオエート、2−メチルチオエタノール、3−メチルチオプロピル アセテート、3−メルカプト−3−メチルブタン−1−オール、3−メルカプトヘキシル ヘキサノエート、3−メルカプト−2−ブタノン、メチル メチルチオアセテート、エチル メチルチオアセテート、からなる群から選ばれる1種または2種以上である。
上記の含硫化合物は、前記アミン化合物1質量部に対し、通常は0.01〜1000質量部、好ましくは0.05〜500質量部、より好ましくは0.1〜100質量部の量範囲で添加したときに、本発明の効果である、ハッカ属植物のフレッシュな生葉感をさらに付与増強することができる。
添加量が0.01質量部未満であるときは添加効果が十分でない場合があり、1000質量部を超えた場合は、やや人工的な風味に感じられる場合がある。
本発明のミント香味料組成物は、各種の態様に製剤化して用いることが好ましい。そのような製剤化としては、溶剤に希釈して水溶性液体製剤や油溶性液体製剤、さらには乳化した乳化製剤が例示される。乳化製剤に陥られる乳化剤としては、例えば加工澱粉、エンジュサポニン、キラヤ抽出物、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、植物性ステロール、植物レシチン、スフィンゴ脂質、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ダイズサポニン、胆汁末、動物性ステロール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、分別レシチン、ユッカフォーム抽出物、卵黄レシチン、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80等が例示され、アルコール、多価アルコール、糖類などと併用されて乳化製剤とすることが好ましい。
またさらに、本発明の香味料組成物は乳化処理後、噴霧乾燥等の粉末化処理することにより粉末製剤とすることも可能である。その場合、前記乳化剤に加えて各種安定剤や賦形剤を使用することが好ましい。そのような安定剤の例としては、アラビアゴム、デキストリン、ゼラチン、シクロデキストリン、メチルセルロース、ペクチン、ゼラチン加水分解物、カラギーナン、ジェランガム、ファーセレラン、アルギン酸、酵素分解レシチン、カゼイン、キサンタンガム、プルラン、寒天及びローカストビーンガム等が例示される。また、賦形剤の例としては、糖類や糖アルコールを使用することが好ましく、例えば糖類としては、グルコース、フラクトース、ガラクトースなどの単糖類、ショ糖、マルトースなどの二糖類、澱粉を液化し得られる澱粉部分分解物などが例示され、また、糖アルコールとしては、ソルビトール、キシリトール、エリスリトールなどが例示される。
本発明の香味料組成物には、上記製剤化の際に更に他の食品添加物、例えば甘味料、着色料、保存料、酸化防止剤、苦味料、酸味料、強化剤および製造用剤などを添加して用いることもできる。
〔4〕生葉感付与増強剤の適用対象
本発明の生葉感付与増強剤は、通常は単独で使用せずに、ミント香料と組み合わせたミント香味料組成物の態様で、ミント風味を付与したい飲食品又は口腔組成物に適用する。
しかし、ミント風味をすでに有している飲食品又は口腔組成物に対しては、ミントの生
葉感付与増強を目的として生葉感付与増強剤のみ単独で使用することができる。
すなわち、ミント風味を有する飲食品又は口腔組成物に、生葉感付与増強剤を0.01ppb〜10000ppb添加することによって、ミント風味を有する飲食品又は口腔組成物にミント生葉感を付与増強することができる。
〔5〕ミント香味料組成物の適用対象
生葉感付与増強剤を含むミント香味料組成物を添加する対象は、ミント風味を付与する飲食品又は口腔組成物であれば特に限定されることはなく、例えば果汁飲料類、果実酒類、リキュール類、炭酸飲料、清涼飲料、ドリンク剤類、乳飲料類の如き飲料類;アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディー類の如き冷菓類;ゼリー、プリンなどのデザート類;ケーキ、チョコレート、チューインガム、キャンディーなどの洋菓子類;羊羹などの和菓子類;ジャム類;ハーブティー類、歯磨きや洗口液等の口腔用製品などを例示することができる。
本発明のミント香味料組成物の飲食品又は口腔組成物へ添加量は、一般的には0.001質量%〜5.0質量%、好ましくは0.01質量%〜3.0質量%、より好ましくは0.05質量%〜2.0質量%で使用することができ、ミント風味と共にミント生葉感を付与することができる。
なお、本発明のミント香味料組成物を飲食品又は口腔組成物の製造工程で添加するタイミングについては、通常の香料と同様に任意の工程や段階で添加できる。
次に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、本発明で用いられるトリメチルアミン、イソペンチルアミン、その他香料については市販品を入手して使用した。
〔製造例1〕
下記処方にしたがい、ミント香料を調製した。
Figure 2018191563
〔実施例1〕
製造例1で調製したミント香料に対して、本発明の生葉感付与増強剤であるトリメチルアミンを0.3ppm添加し、シュガーキャンディー用のミント香味料組成物を調製した。
〔実施例2〕
製造例1で調製したミント香料に対して、本発明の生葉感付与増強剤であるイソペンチ
ルアミンを0.1ppm添加し、シュガーキャンディー用のミント香味料組成物を調製した。
〔比較例1〕
製造例1で調製したミント香料に対して、比較例として3−メチル−2,4−ノナンジオンを0.3ppm添加し、比較例1のミント香味料組成物を調製した。
〔比較例2〕
製造例1で調製したミント香料に対して、比較例として4−エチルグアヤコールを、前記特許文献6において提案されている適正添加量を参考に0.3ppm添加し、比較例2のミント香味料組成物を調製した。
〔試験例1〕
実施例1、2及び比較例1、2について、ミント香味料組成物の生葉感増強効果について評価を行った。評価ベースは、砂糖(日新製糖グラニュー糖)、水あめ(日本澱粉工業社製)、水の混合物を150℃まで炊きあげ、その後120℃まで急冷し、実施例1、2と比較例1、2のミント香味料組成物をそれぞれ1質量%添加し、次いで常法により成形したシュガーキャンディーを用いた。
評価は熟練したパネル10名で行い、表2に記載された各項目について、コントロールの強度を各4点とした以下の7段階評価とし、その平均値を求めた。
コントロールは製造例1のミント香料とし、評価結果を表2に示した。
非常に弱い:1点
弱い:2点
わずかに弱い:3点
コントロール:4点
わずかに強い:5点
強い:6点
非常に強い:7点
Figure 2018191563
表2の結果から、本発明のミント生葉感付与増強剤を配合したミント香味料組成物は、シュガーキャンディーにミント風味を付与するとともに、ミントの生葉感である、特有のグリーン感、特有のフレッシュ感を増強していることが示された。
〔実施例3〕
製造例1で調製したミント香料に対して、本発明の生葉感付与増強剤であるトリメチルアミンを0.03ppm添加し、シュガーレスガム用のミント香味料組成物を調製した。
〔実施例4〕
製造例1で調製したミント香料に対して、本発明の生葉感付与増強剤であるイソペンチルアミンを1ppm添加し、シュガーレスガム用のミント香味料組成物を調製した。
〔試験例2〕
実施例3、4及び比較例2について、ミント香味料組成物を使用したシュガーレスガムの生葉感増強効果について評価を行った。評価ベースは、チューインガムベース(ナチュラルベース社製)25部、キシリトール(三菱商事フードテック社製)40部、マルチトール(三菱商事フードテック社製)19部、還元パラチノース(三井製糖社製)16部を混合・混練後、実施例3、4及び比較例2のミント香味料組成物を1質量%添加し、次いで常法により成形し、本発明のシュガーレスガムを調製し用いた。
評価は熟練したパネル10名で行い、試験例1と同様の評価方法で行い、その平均値を求めた。コントロールは製造例1のミント香料を使用したシュガーレスガムとし、評価結果を表3に示した。
Figure 2018191563
表3の結果から、本発明のミント香味料組成物を使用したシュガーレスガムは、ミントの生葉感である、特有のグリーン感、特有のフレッシュ感を増強されていることが示された。
本発明により、生葉感を付与増強させたミント香味料組成物を得ることができ、該香味料組成物を添加することで、フレッシュなミント感を有するミント風味飲食品又はミント風味口腔組成物を得ることができる。
従って、現在市販されているミント系香料のバリエーションが増えて、嗜好性が多様化した消費者のニーズに応じることができるので、飲食品又は口腔組成物の需要の増大につながる。

Claims (6)

  1. トリメチルアミン及び/又はイソペンチルアミンを有効成分とすることを特徴とする、ミント香料の生葉感付与増強剤。
  2. ミント香料と請求項1に記載の生葉感付与増強剤を含むミント香味料組成物であって、生葉感付与増強剤の含有量が0.01ppm〜10000ppmであることを特徴とする、ミント香味料組成物。
  3. 請求項2に記載のミント香味料組成物を0.001質量%〜5.0質量%含有することを特徴とする、ミント風味飲食品又はミント風味口腔組成物。
  4. ミント香料に、請求項1に記載の生葉感付与増強剤を0.01ppm〜10000ppm添加することを特徴とする、ミント香味料組成物の製造方法。
  5. ミント風味を有する飲食品又は口腔組成物に、請求項1に記載の生葉感付与増強剤を0.01ppb〜10000ppb添加することを特徴とする、ミント風味飲食品又はミント風味口腔組成物にミント生葉感を付与増強する方法。
  6. 飲食品又は口腔組成物に、請求項2に記載のミント香味料組成物を0.001質量%〜5.0質量%添加することを特徴とする、飲食品又は口腔組成物に生葉感のあるミント風味を付与する方法。
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