JP2018188399A - テリパラチドのプレフィルドシリンジ製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】スクシンイミド体およびRRT0.87における類縁物質の増加を抑えたテリパラチドのプレフィルドシリンジ製剤を提供することを目的とする。【解決手段】プレフィルドシリンジに、テリパラチドもしくはテリパラチド酢酸塩およびメチオニンを含み、かつpHが4.5〜5.1である水溶液が充填されてなる製剤である。好ましい1つの実施形態では、pHは4.7〜4.9であり、さらに好ましい1つの実施形態では、5℃で2年保存した場合におけるスクシンイミド体およびRRT0.87における類縁物質の含有量が、面積百分率法で、1%以下である。【選択図】図1
Description
本発明は、テリパラチドのプレフィルドシリンジ製剤に関する。
テリパラチドは、ヒトパラトルモン(PTH)のN末端から34個のアミノ酸を切り出したポリペプチドで構成される副甲状腺ホルモンであり、血中カルシウム濃度の調節に関与する。テリパラチドを有効成分として含む製剤は、骨粗鬆症の治療薬である。わが国では、ペプチド合成により製造されたテリパラチド酢酸塩を含む治療薬(テリボン(登録商標:非特許文献1))と、遺伝子組換え技術を用いた細胞より産生されたテリパラチド(遺伝子組換え体)を含む治療薬(フォルテオ(登録商標:非特許文献2))の2種類が存在する。テリボン(登録商標)は、用時溶解型凍結乾燥製剤であり、週1回院内にて投与される。一方、フォルテオ(登録商標)は、プレフィルドシリンジ製剤であり、1日1回自身で投与する。
テリボン(登録商標)は、用時溶解型凍結乾燥製剤であり、かつ有効成分の量が56.5μgと少ないことから、溶解操作において水溶液のロスが発生しないよう慎重に調製しなければならず、プレフィルドシリンジ製剤化が望まれている。この際、フォルテオ(登録商標)の処方を参考に、pH3.8〜4.5の範囲で製剤化すると、スクシンイミド体の増加が懸念された。一方、pHを5.1よりも高い製剤にすると、RRT0.87における類縁物質の増加が懸念された。
「テリボン(登録商標)」添付文書
「フォルテオ(登録商標)」添付文書
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、スクシンイミド体およびRRT0.87における類縁物質の増加を抑えたテリパラチドのプレフィルドシリンジ製剤を提供することにある。
本発明は、プレフィルドシリンジに、テリパラチドもしくはテリパラチド酢酸塩およびメチオニンを含み、かつpHが4.5〜5.1である水溶液が充填されてなる製剤である。
1つの実施形態では、pHは4.7〜4.9である。
1つの実施形態では、5℃で2年保存した場合におけるスクシンイミド体およびRRT0.87における類縁物質の含有量が、面積百分率法で、テリパラチドと各類縁物質の合計量に対して1%以下である。
1つの実施形態では、pHは4.7〜4.9である。
1つの実施形態では、5℃で2年保存した場合におけるスクシンイミド体およびRRT0.87における類縁物質の含有量が、面積百分率法で、テリパラチドと各類縁物質の合計量に対して1%以下である。
本発明によれば、安定なテリパラチドのプレフィルドシリンジ製剤を提供することができる。
以下、本発明について詳述する。なお、本発明は下記のみによって限定されるものではなく、本発明はその目的を達成する限りにおいて種々の実施形態を有し得る。
本発明は、テリパラチドもしくはテリパラチド酢酸塩およびメチオニンを含み、かつpHが4.5〜5.1である水溶液(以下、「テリパラチドを含む水溶液」と称する)が充填されてなるプレフィルドシリンジ製剤である。
プレフィルドシリンジは、シリンジバレルと、前記シリンジバレルの先端を密封する封止キャップと、前記シリンジバレル内に収納され、前記シリンジバレル内を液密に摺動可能なガスケットにて構成される。後述するテリパラチドを含む水溶液は、前記プレフィルドシリンジに充填されてなる。具体的には、後述するテリパラチドを含む水溶液は、前記シリンジバレル内に収納される。
プレフィルドシリンジの部材を構成する材料としては、テリパラチドが過度に吸着しない材料であれば、特に限定されるものではない。シリンジバレルの材料は主にポリエチレンおよびポリプロピレンなどのプラスチックが採用される。また、封止キャップ及びガスケットの材料は、ブチルゴムおよびイソプレンゴム等の合成ゴム、SEBSおよびSEPS等の熱可塑性エラストマー、これらエラストマーとポリプロピレン又はポリエチレンとの組成物等が採用される。
シリンジバレルの容量は、テリパラチドの投与量に応じて適宜設定されるため、特に限定されるものではない。例えば、テリパラチドの投与量がテリボン(登録商標)と同じ56.5μgである場合は、シリンジバレルの容量は0.5〜5mLのものが好適に採用される。
テリパラチドを含む水溶液は、テリパラチドもしくはテリパラチド酢酸塩およびメチオニンを含む。
テリパラチドは、ヒトパラトルモン(PTH)のN末端から34個のアミノ酸を切り出したポリペプチドで構成される副甲状腺ホルモンである。その製造方法は、ペプチド合成法または遺伝子組換え法のいずれでもあってよい。
メチオニンはDL体またはL体のいずれであってもよい。メチオニンの添加量は、テリパラチド1重量部に対し5重量部以上添加すれば、テリパラチドを安定にさせるが、水溶液の溶解度等を鑑みて5〜4,000重量部、好ましくは、5〜400重量部で設定される。
テリパラチドを含む水溶液は、そのpHを4.5〜5.1の範囲で設定する。テリパラチドを含む水溶液のpHが4.5よりも小さいと、テリパラチドの類縁物質の1つであるスクシンイミド体の量が経時的に増加する。一方で、テリパラチドを含む水溶液のpHが5.1よりも大きいと、テリパラチドの類縁物質の1つであるRRT0.87の類縁物質の量が経時的に増加する。RRT0.87の類縁物質は、HPLC(UV214nm)で測定した場合におけるリテンションタイム0.87に生じるピークに由来する類縁物質を指す。この両類縁物質の経時的増加をバランスよく抑制できる観点で、テリパラチドを含む水溶液のpHは、4.7〜4.9の範囲で設定するのが好ましい。テリパラチドを含む水溶液のpHは、酢酸または酢酸塩にて調整する。
テリパラチドを含む水溶液は、テリパラチドをより安定化させるために、例えば、スクロース、グルコース、トレハロース、ラフィノース、マンニトール、ソルビトールおよびイノシトール等の糖類、フェノール、グリセリンおよびプロピレングリコール等のアルコールを適宜添加してもよい。糖類は、例えば、テリパラチド1重量部に対し50〜40,000重量部、アルコールは例えば、1〜1,000重量部が挙げられる。
本発明のテリパラチドのプレフィルドシリンジ製剤は、5℃で2年保存した場合におけるスクシンイミド体およびRRT0.87の類縁物質の含有量が1%以下である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
注射用水1mLあたり、酢酸ナトリウム3.4mg、メチオニン2.0mg、フェノール0.5mg、マンニトール20.0mgを溶解した。酢酸でpHを4.5に調整した後、1mLあたりテリパラチド56.5μgを溶解することで、テリパラチドを含む水溶液を調製した。このテリパラチドを含む水溶液をプレフィルドシリンジに充填した。
注射用水1mLあたり、酢酸ナトリウム3.4mg、メチオニン2.0mg、フェノール0.5mg、マンニトール20.0mgを溶解した。酢酸でpHを4.5に調整した後、1mLあたりテリパラチド56.5μgを溶解することで、テリパラチドを含む水溶液を調製した。このテリパラチドを含む水溶液をプレフィルドシリンジに充填した。
(実施例2)
テリパラチドを含む水溶液のpHを4.9に調整した以外は実施例1と同様にプレフィルドシリンジ製剤を製造した。
テリパラチドを含む水溶液のpHを4.9に調整した以外は実施例1と同様にプレフィルドシリンジ製剤を製造した。
(実施例3)
テリパラチドを含む水溶液のpHを5.1に調整した以外は実施例1と同様にプレフィルドシリンジ製剤を製造した。
テリパラチドを含む水溶液のpHを5.1に調整した以外は実施例1と同様にプレフィルドシリンジ製剤を製造した。
(実施例4)
フェノールを添加しなかったこと以外は実施例2と同様にプレフィルドシリンジ製剤を製造した。
フェノールを添加しなかったこと以外は実施例2と同様にプレフィルドシリンジ製剤を製造した。
(実験例1:総類縁物質の含有割合(%)の測定)
実施例1〜4で得られた製剤を25℃で1ヶ月間保存した。保存開始時点、保存開始から0.25、0.5、1ヶ月後の各時点における各製剤中のテリパラチドの類縁物質であるスクシンイミド体およびRRT0.87の類縁物質の量をHPLC(UV214nm)でそれぞれ測定した。類縁物質量の含有割合を、テリパラチドを含む各ピーク面積の合計量に対する各類縁物質のピーク面積の百分率として算出した。得られた結果について、スクシンイミド体の量の経時変化を図1に、RRT0.87の類縁物質の量の経時変化を図2に示す。
実施例1〜4で得られた製剤を25℃で1ヶ月間保存した。保存開始時点、保存開始から0.25、0.5、1ヶ月後の各時点における各製剤中のテリパラチドの類縁物質であるスクシンイミド体およびRRT0.87の類縁物質の量をHPLC(UV214nm)でそれぞれ測定した。類縁物質量の含有割合を、テリパラチドを含む各ピーク面積の合計量に対する各類縁物質のピーク面積の百分率として算出した。得られた結果について、スクシンイミド体の量の経時変化を図1に、RRT0.87の類縁物質の量の経時変化を図2に示す。
図1に示すように、pHが低くなるにつれてスクシンイミド体の増加が見られた。実施例1よりもpHを低くすると、5℃で2年保存した場合におけるスクシンイミド体の含有量が1%を超える可能性が極めて高いことが示唆された。
一方、図2に示すように、pHが高くなるにつれてRRT0.87の類縁物質の増加が見られた。実施例3よりもpHを高くすると、5℃で2年保存した場合におけるRRT0.87の類縁物質の含有量が1%を超える可能性が極めて高いことが示唆された。
以上、図1および図2の結果を勘案すると、pH4.5〜5.1の範囲が、スクシンイミド体およびRRT0.87の類縁物質の両方の類縁物質の増加を抑制できることが示唆された。
本発明によれば、安定したテリパラチドのプレフィルドシリンジ製剤を提供することができる。
Claims (3)
- テリパラチドのプレフィルドシリンジ製剤であって、
プレフィルドシリンジに、
テリパラチドもしくはテリパラチド酢酸塩およびメチオニンを含み、かつpHが4.5〜5.1である水溶液が充填されてなる製剤。 - pHが、4.7〜4.9である請求項1に記載の製剤。
- 5℃で2年保存した場合におけるスクシンイミド体およびRRT0.87の類縁物質の含有量が、面積百分率法で、1%以下である請求項1または2に記載の製剤。
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