JP6947946B1 - テリパラチド又はその塩を含有する安定な液状医薬製剤 - Google Patents
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Abstract
Description
成分1)テリパラチド又はその塩
成分2)以下の条件1)〜3)全てを充足する成分
条件1)医薬品添加物である
条件2)有機酸又は無機酸(酸a)或いはそれらの塩であって、酸aのpKaのうち、pH4.0〜6.0の範囲にpKaは存在せず、かつ、酸aの少なくともいずれか1つのpKaが4.0未満である、有機酸又は無機酸或いはそれらの塩である
条件3)酸aの分子量が70〜180の範囲である。
[2] 成分1及び成分2を含有し、pHが4.0以上6.0以下である液状医薬製剤;
成分1)テリパラチド又はその塩
成分2)以下の条件1)〜4)全てを充足する成分
条件1)医薬品添加物である
条件2)有機酸(酸a)又はその塩であって、酸aのpKaのうち、pH4.0〜6.0の範囲にpKaは存在せず、かつ、酸aの少なくともいずれか1つのpKaが4.0未満である、有機酸又はその塩である
条件3)酸aの分子量が70〜180の範囲である
条件4)酸aが環状基を有しているカルボン酸である。
[3] 成分1及び成分2を含有し、pHが4.0以上6.0以下である液状医薬製剤;
成分1)テリパラチド又はその塩
成分2)以下の条件1)〜4)全てを充足する成分
条件1)医薬品添加物である
条件2)無機酸(酸a)又はその塩であって、酸aのpKaのうち、pH4.0〜6.0の範囲にpKaは存在せず、かつ、酸aの少なくともいずれか1つのpKaが4.0未満である、無機酸又はその塩である
条件3)酸aの分子量が70〜180の範囲である
条件4)酸aが硫黄原子を含む無機酸である。
[4] テリパラチド又はその塩がテリパラチド酢酸塩である、[1]〜[3]のいずれかに記載の液状医薬製剤。
[5] テリパラチド又はその塩の1回投与当たりの含有量がテリパラチド換算で28.2μgである、[1]〜[4]のいずれかに記載の液状医薬製剤。
[6] 成分1と成分2の質量比が1:15以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の液状医薬製剤。
[7] 酸aがカルボン酸である有機酸又は無機酸或いはそれらの塩である、[1]に記載の液状医薬製剤。
[8] 成分2が、ピルビン酸、サリチル酸、チオグリコール酸、乳酸、マレイン酸、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、フェニルアラニン、プロリン、亜硫酸、硫酸、ピロ亜硫酸、及び、リン酸からなる群より選ばれる有機酸又は無機酸、あるいはそれらの塩である、[1]に記載の液状医薬製剤。
[9] 成分2が、サリチル酸、フェニルアラニン、チロシン、及び、トリプトファンからなる群より選ばれる有機酸又はその塩である、[2]に記載の液状医薬製剤。
[10] 成分2が、亜硫酸、硫酸、及び、ピロ亜硫酸からなる群より選ばれる無機酸又はその塩である、[3]に記載の液状医薬製剤。
[11] 成分1を含有し、pHが4.0以上6.0以下である液状医薬製剤の保存方法であって、以下の条件1)〜3)全てを充足する成分2を同液状医薬製剤に含有せしめて保存する工程を含む、液状医薬製剤の保存方法;
成分1)テリパラチド又はその塩
成分2)以下の条件1)〜3)全てを充足する成分
条件1)医薬品添加物である
条件2)有機酸又は無機酸(酸a)或いはそれらの塩であって、酸aのpKaのうち、pH4.0〜6.0の範囲にpKaは存在せず、かつ、酸aの少なくともいずれか1つのpKaが4.0未満である、有機酸又は無機酸或いはそれらの塩である
条件3)酸aの分子量が70〜180の範囲である。
[12] 成分1を含有し、pHが4.0以上6.0以下である液状医薬製剤における、成分1の安定化方法であって、以下の条件1)〜3)全てを充足する成分2を同液状医薬製剤に含有せしめる工程を含む、成分1の安定化方法;
成分1)テリパラチド又はその塩
成分2)以下の条件1)〜3)全てを充足する成分
条件1)医薬品添加物である
条件2)有機酸又は無機酸(酸a)或いはそれらの塩であって、酸aのpKaのうち、pH4.0〜6.0の範囲にpKaは存在せず、かつ、酸aの少なくともいずれか1つのpKaが4.0未満である、有機酸又は無機酸或いはそれらの塩である
条件3)酸aの分子量が70〜180の範囲である。
[13] 成分1を含有し、pHが4.0以上6.0以下である液状医薬製剤における、成分1の分解を抑制する方法であって、以下の条件1)〜3)全てを充足する成分2を同液状医薬製剤に含有せしめる工程を含む、成分1の分解抑制方法;
成分1)テリパラチド又はその塩
成分2)以下の条件1)〜3)全てを充足する成分
条件1)医薬品添加物である
条件2)有機酸又は無機酸(酸a)或いはそれらの塩であって、酸aのpKaのうち、pH4.0〜6.0の範囲にpKaは存在せず、かつ、酸aの少なくともいずれか1つのpKaが4.0未満である、有機酸又は無機酸或いはそれらの塩である
条件3)酸aの分子量が70〜180の範囲である。
[14] 成分1を含有し、pHが4.0以上6.0以下である液状医薬製剤の製造方法であって、以下の条件1)〜3)全てを充足する成分2を同液状医薬製剤に含有せしめる工程を含む、液状医薬製剤の製造方法;
成分1)テリパラチド又はその塩
成分2)以下の条件1)〜3)全てを充足する成分
条件1)医薬品添加物である
条件2)有機酸又は無機酸(酸a)或いはそれらの塩であって、酸aのpKaのうち、pH4.0〜6.0の範囲にpKaは存在せず、かつ、酸aの少なくともいずれか1つのpKaが4.0未満である、有機酸又は無機酸或いはそれらの塩である
条件3)酸aの分子量が70〜180の範囲である。
本発明の一態様において、液状医薬製剤は、後述のテリパラチド又はその塩(成分1)を含有する液状の医薬製剤であれば、その形態は特に限定されない。例としては、経口投与用製剤(内服剤)又は非経口投与用製剤が挙げられるが、非経口投与用製剤が好ましい。非経口投与用製剤の例としては、外用剤等の局所投与用製剤や注射剤等の全身投与用製剤が挙げられるが、全身投与用製剤が好ましく、特に注射剤が好ましい。また、全身投与の具体的な投与経路としては、静脈内投与、筋肉内投与、皮内投与、皮下投与用等が挙げられるが、皮下投与が好ましい。即ち、本発明の一態様において、液状医薬製剤としては、好ましくは皮下投与用液状医薬製剤又は注射用液状医薬製剤を例示でき、最も好ましくは皮下注射用液状医薬製剤が例示される。
本発明の一態様において、ヒトPTH(1−34)は、ヒト副甲状腺ホルモンであるヒトPTH(1−84)のアミノ酸配列において、N末端側からみて第1番目から第34番目までのアミノ酸残基からなる部分アミノ酸配列で示されるペプチドである。
本発明に係る液状医薬製剤は、1以上の有機酸又は無機酸或いはそれらの塩(成分2)が含まれている点に1つの特徴点を有する。このような液状医薬製剤においては、好ましくは、成分1の安定性に寄与し得、中でも成分1の長期保存安定性に寄与し得る。別の態様として、成分2は成分1の分解の抑制に寄与し得る。保存安定性が高いとは、液状医薬製剤が一定条件において保管された場合に、液状医薬製剤における成分1がその含量を維持、又は本発明の構成が採用されない場合(比較例又は対照例)に比して成分1の含量がより維持されることをいう。また、分解の抑制とは、液状医薬製剤が一定条件において保管された場合に、液状医薬製剤における成分1が分解することによる、成分1の含量低下が実質的に確認されないか、又は含量低下が本発明の構成が採用されない場合(比較例又は対照例)に比して低減していることをいう。
本発明において、医薬品添加物とは、医薬品添加剤とも呼ばれ、製剤に含まれる有効成分(テリパラチド又はその塩)以外の成分で、有効成分及び製剤の有用性を高める、製剤化を容易にする、品質の安定化を図る、または使用性を向上させるなどの目的で用いられる成分であって、当業者であれば容易に認識される成分である。医薬品添加物は、具体的には、医薬品添加物辞典「日本医薬品添加剤協会、薬事日報社(2016年)」に記載されるものでよく、安定化剤、抗酸化剤、等張化剤、pH調整剤、保存剤、無痛化剤、溶解剤、溶解補助剤等を挙げることができる。
本発明において有機酸とは、炭素を主成分として、酸性の性質を有する有機化合物の総称を意味する。有機酸としては、例えば、カルボン酸、スルホン酸、フェノール類を挙げることができ、中でもカルボン酸が好ましい。カルボン酸は、少なくとも1つのカルボキシ基(−COOH)を有する有機酸であって、一般的に、R-COOH(Rは一価の官能基)と表すことができる。カルボキシ基が2つある酸はジカルボン酸、カルボキシ基が3つある酸はトリカルボン酸と呼ばれることもある。
本発明において無機酸とは、塩素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子等の炭素原子以外の非金属原子を含む酸をいう。無機酸としては、例えば、リン酸、ピロリン酸、過リン酸、硫酸、亜硫酸、チオ硫酸、ピロ亜硫酸、硝酸、亜硝酸、塩酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、過酸化水素、フッ素化水素酸、過硫酸などが挙げられる。これらの中では、特に、塩素原子、硫黄原子、リン原子を含む無機酸が好ましく、硫黄原子を含む無機酸が最も好ましい。
(A)本発明の安定化効果のメカニズムに関する考察
(A−1)主にテリパラチド又はその塩の脱アミド及び/又はアスパラギン酸残基異性化(Asp異性化)という分解の抑制作用という機序を通じた本発明の安定化効果の可能性に関する考察
差分指標1は、Δaであり、下記式:
Δa=[成分2存在時の一定期間保存後のテリパラチド残存率(a2)]−[成分2非存在時の一定期間保存後のテリパラチド残存率(a1)]
で表される。
差分指標2(%)は、「差分指標2(%)」=Δa /(100-a1)×100(%)で表される。
分母の「100-a1」は、成分2非存在時の一定期間保存後のテリパラチド以外の成分(テリパラチド不純物)量(厳密にはテリパラチド不純物割合)を意味しており、従って、分母の数値が大きいほど、不安定であることを意味する。そして、後記の実施例2、4を例にすると、pHが上昇すると、当該「100-a1」は大きくなっている(すなわちpHが大きくなるほど不安定)。そうすると、当該「100-a1」を分母に持つ差分指標2は、成分2に特段の安定化増強効果が無い限り、「不安定であるほど」その数値が小さくなる、つまり「pHが上昇するほど」その数値が小さくなる方向に進む筈であり、比較例2では、pHの上昇に伴い差分指標2’が低下している。一方、実施例2、4のように成分2を含む場合、pHが上昇するにつれて差分指標2が逆に大きくなっている。本明細書では、これをもって「pHの上昇に伴う安定化増強効果」という。テリパラチド不純物には、特許文献4に記載のテリパラチドの脱アミド体(N16→iso-D16、N16→D16)又はAsp異性化体(D30→iso-D30)を含み得る。
本明細書では、さらに「(b1-b2)/b1×100(%)」を差分指標2’(%)と表記している。「Δa /(100-a1)×100(%)」の差分指標2(%)と「(b1-b2)/b1×100(%)」の差分指標2’(%)は、厳密には異なる。しかし、前者は、「テリパラチド不純物(脱アミド体(N16→iso-D16、N16→ D16)又はAsp異性化体(D30→iso-D30)を含み得る)のΔ」に着目し、後者は、「テリパラチド脱アミド体及びAsp異性化体の合計のΔ」に着目したものであり、いずれも脱アミド体(N16→iso-D16、N16→ D16)又はAsp異性化体(D30→iso-D30)を含むテリパラチド不純物に着目している点で共通するため、同様の評価指標といえる。
本発明に係る有機酸又は無機酸(酸a)或いはそれらの塩は、酸aの分子量が所定範囲にあることを1つの特徴とする。このような特徴によって、酸aは、pHの上昇に依存する非線形的な安定化効果(差分指標1)及びpHの上昇に伴う安定化増強効果(差分指標2)を奏し得ると考えられる。
いずれのpKaもpH4.0〜6.0の範囲に存在しない有機酸であって、少なくともいずれか1つのpKaが4.0未満である有機酸であり、かつ、その分子量が70〜180の範囲である有機酸として、以下の酸を例示することができる。
本発明に係る液状医薬製剤に緩衝剤を含ませてもよいし、含ませなくてもよい。ここで、緩衝剤は液状医薬製剤のpHを安定化させることができる、医薬分野で一般的に使用されるものであれば特に限定されない。このようにpHを一定に保とうとする働きを緩衝作用といい、その作用を示す尺度を緩衝能という(非特許文献12)。
本発明の一態様において、液状医薬製剤のpHは特に限定されないが、液状医薬製剤のpHは、好適には以下を例示できる。即ち、中性又は酸性(pHが8.0以下)であることができ、下限としては例えば3.6以上、3.8以上、4.0以上、4.1以上、4.2以上、4.4以上、4.5以上、4.6以上、4.7以上、4.8以上、4.9以上、5.0以上、5.1以上、5.2以上、5.3以上、5.4以上、又は5.5以上とすることが好ましい。また、上限としては例えば7.0以下、6.5以下、6.4以下、6.3以下、6.2以下、6.1以下、又は6.0以下とすることが好ましい。中でも、6.0以下とすることが好ましく、更には、4.0以上かつ6.5以下、4.0以上かつ6.0以下、4.5以上かつ6.0以下、5.0以上かつ6.0以下、又は5.5以上かつ6.0以下とすることが好ましい。ここで、それぞれのpHの下限値に係る「以上」を「超過」に、それぞれのpHの上限値に係る「以下」を「未満」とした態様もここに開示されている。最も好ましいpHとして、「5.0を超過して6.0以下」及び「4.0を超過して6.0以下」を挙げることができる。
本発明に係る液状医薬製剤は、成分1や成分2と異なる他の成分、例えば、安定化剤、抗酸化剤、等張化剤、保存剤、無痛化剤、溶解剤、溶解補助剤などを適宜に含有することができる
本発明の一態様において、成分1を含有し、pHが4.0以上6.0以下である液状医薬製剤の製造方法であって、以下の条件1)〜3)全てを充足する成分2を同液状医薬製剤に含有せしめる工程を含む、液状医薬製剤の製造方法を提供する。
成分2)以下の条件1)〜3)全てを充足する成分
条件1)医薬品添加物である
条件2)有機酸又は無機酸(酸a)或いはそれらの塩であって、酸aのpKaのうち、pH4.0〜6.0の範囲にpKaは存在せず、かつ、酸aの少なくともいずれか1つのpKaが4.0未満である、有機酸又は無機酸或いはそれらの塩である
条件3)酸aの分子量が70〜180の範囲である。
本発明に係る液状医薬製剤は、凍結乾燥製剤から再構成されてなる液状医薬製剤の態様を含んでもよい。また、本発明の液状医薬製剤は、凍結乾燥製剤から再構成されてなる液状医薬製剤ではなくてもよい。従来、テリパラチド又はその塩を含有する凍結乾燥製剤を用時に生理食塩水等に溶解させて液状医薬製剤とすることが知られているが、本発明の一態様において、液状医薬製剤は、このような凍結乾燥製剤の再溶解品(用時調製品)であってもよく、このような凍結乾燥製剤を経ない製剤(予め液剤化された製剤)であってもよい。
本発明の一態様において、成分1を含有する液状医薬製剤は、前記成分2を添加することにより成分1を安定化することができる。成分2は前記の有機酸又は無機酸或いはそれらの塩から1又は2種類以上を適宜に選択することができる。
成分2)以下の条件1)〜3)全てを充足する成分
条件1)医薬品添加物である
条件2)有機酸又は無機酸(酸a)或いはそれらの塩であって、酸aのpKaのうち、pH4.0〜6.0の範囲にpKaは存在せず、かつ、酸aの少なくともいずれか1つのpKaが4.0未満である、有機酸又は無機酸或いはそれらの塩である
条件3)酸aの分子量が70〜180の範囲である。
本発明の一態様において、成分1を含有する液状医薬製剤は、前記成分2を添加することにより成分1の分解を抑制することができる。成分2は前記の有機酸又は無機酸或いはそれらの塩から1又は2種類以上を適宜選択することができる。
成分2)以下の条件1)〜3)全てを充足する成分
条件1)医薬品添加物である
条件2)有機酸又は無機酸(酸a)或いはそれらの塩であって、酸aのpKaのうち、pH4.0〜6.0の範囲にpKaは存在せず、かつ、酸aの少なくともいずれか1つのpKaが4.0未満である、有機酸又は無機酸或いはそれらの塩である
条件3)酸aの分子量が70〜180の範囲である。
本発明の一態様として、成分1を含有し、pHが4.0以上6.0以下である液状医薬製剤の保存方法であって、以下の条件1)〜3)全てを充足する成分2を同液状医薬製剤に含有せしめて保存する工程を含む、液状医薬製剤の保存方法を提示することができる;
成分1)テリパラチド又はその塩
成分2)以下の条件1)〜3)全てを充足する成分
条件1)医薬品添加物である
条件2)有機酸又は無機酸(酸a)或いはそれらの塩であって、酸aのpKaのうち、pH4.0〜6.0の範囲にpKaは存在せず、かつ、酸aの少なくともいずれか1つのpKaが4.0未満である、有機酸又は無機酸或いはそれらの塩である
条件3)酸aの分子量が70〜180の範囲である。
(1)サリチル酸ナトリウム添加による安定性試験に供した液状医薬製剤の製造
下記表4にしたがって処方101〜107、対照処方101〜104を調製した。
実施例1(1)において調製した処方101〜104、対照処方101〜104を用いて安定性試験を実施した。
(2)カラム:内径4.6mm、長さ150mmのステンレス管に3.5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填(Agilent Technologies社製のZorbax 300SB−C18、又は同等品)
(3)カラム温度:40℃付近の一定温度
(4)移動相
移動相A:無水硫酸ナトリウム28.4gを水900mLに溶かし、リン酸を加えてpH2.3に調整した後、水を加えて1000mLとする。この液900mLにアセトニトリル100mLを加える。
移動相B:無水硫酸ナトリウム28.4gを水900mLに溶かし、リン酸を加えてpH2.3に調整した後、水を加えて1000mLとする。この液500mLにアセトニトリル500mLを加える。
(5)移動相の送液
移動相A及び移動相Bの混合比を下記表6のように変えて濃度勾配制御する。
表中の数値は、保存前のテリパラチド量を100とした場合の2週間目あるいは4週間目に残存していたテリパラチド量の割合(%)を示す。
実施例1(1)において調製した処方104〜107、対照処方104を用いて安定性試験を実施した。
表中の数値は、保存前のテリパラチド量を100とした場合の2週間目あるいは4週間目に残存していたテリパラチド量の割合(%)を示す。
実施例1(2)において調製した処方1001〜1003、対照処方1001〜1003を用いて安定性試験を実施した。
試験結果を以下の表10に記す。
表中の数値は、保存前のテリパラチド量を100とした場合の2週間目あるいは4週間目に残存していたテリパラチド量の割合(%)を示す。
(1)処方の調製
下記表12にしたがって比較処方1〜2を調製した。注射用水800mLにD-マンニトール50mgを溶解させ、溶解液に注射用水を加えて1000mLにマスアップして溶解液を調製した。溶解液180mLを採取し0.01N塩酸でpHを4.0又は5.0に調整し、溶解液を加えて200mLまでメスアップすることで、原薬溶解用液を調製した。原薬溶解用液150mLに対して表12に記載の最終濃度になるようテリパラチド酢酸塩を添加することで薬液を調製した。薬液を無菌ろ過し、アンプルに充てん・熔閉して、比較処方1〜2を調製した。最終含有量のテリパラチド濃度の表記はテリパラチド酢酸塩濃度をテリパラチド換算で表記したものである。
調製した比較処方1〜4を用いて安定性試験を実施した。具体的には、各処方製剤を40℃/75%RHの安定性試験器に保存した後、2週間目、4週間目にサンプリングを行い、実施例2と同様にして高速液体クロマトグラフィーにより安定性を測定した。
試験結果を以下の表13に記す。表中の「40℃4W(a1)」又は「40℃4W(a2)」欄の数値は、保存前のテリパラチド量を100とした場合の4週間目に残存していたテリパラチド量の割合(%)を示す。
(1)処方の調製
特許文献4の実施例1に記載の方法に従って、表14に記載の比較処方5〜10を調製した。
特許文献4の実施例2に記載の方法に従って、表14に記載の比較処方5〜10を用いて安定性試験を実施した。
試験結果を以下の表15に記す。表中の「25℃3M(b1)」又は「25℃3M(b2)」は、3箇月後に存在していたテリパラチドの脱アミド体及びAsp異性化体量の合計の割合(%)から開始時に存在していたテリパラチドの脱アミド体及びAsp異性化体量の合計の割合(%)を差し引いた値(%)を示す。
Claims (1)
- 成分1を含有する液状医薬製剤の保存時における成分1の分解抑制方法であって、同製剤の調製時において、成分2を添加し、かつ、製剤のpHを5.1を超過して6.0以下とすることを特徴とする、成分1の分解抑制方法;
成分1)テリパラチド酢酸塩
成分2)以下の条件1)〜3)全てを充足する成分
条件1)医薬品添加物である
条件2)有機酸又は無機酸(酸a)或いはそれらの塩であって、酸aのpKaのうち、pH4.0〜6.0の範囲にpKaは存在せず、かつ酸aの少なくともいずれか1つのpKaが4.0未満である、有機酸又は無機酸或いはそれらの塩であり、ただし、有機酸は1つのカルボキシ基を有する有機酸であり、無機酸は硫黄原子を含む無機酸である
条件3)酸aの分子量が100〜160の範囲である。
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