JP2018186755A - 反応安定性向上微粒子混合食品 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、素錠の表面に、ゼイン、プルラン、マルチトール等をコートした糖衣錠が記載されており、安定性と速やかな崩壊性を有する糖衣錠ができるとしている。
しかしながら、糖衣錠は、ある程度大きなサイズに錠剤化してなる錠剤(素錠)の表面に対して、塗膜形成材がコートされているものであり、「有効成分自体である微粒子」の表面がコートされているものではない。
また、被覆の目的や被覆されたものの用途が、褐変防止用でもメイラード反応抑制用でもなかった。従って、2種類の物質の共存下での問題点、すなわち2種類の物質の反応による問題点を解決したものでもなかった。そのため、2種類の化合物の共存を必須の態様(条件)としたものではなかった。
また、例えば、食品に多用されている澱粉は、主たる化学構造では一見アルデヒド基を有さないが、澱粉も分子末端等に還元性基を若干は含むものである。また、還元性を有さないとされているスクロース(ショ糖)も若干は加水分解して還元性を有する単糖を生成しており、それがメイラード反応を起こす。
あるいは、健康食品分野では、経時によってこのような褐変が生じるために、アミン化合物と還元性化合物の共存を避ける必要があり、混合食品である健康食品の製品自体の範囲がそもそも制限されていた。
また、健康食品や一般食品では、製品(成分組成等)に多様性が要求されるが、独自の形態によってメイラード反応を抑制して褐変を防止して製品に多様性をもたらそうとする発明課題自体がそもそも殆どなかった。
該食品a及び該食品bの両方が微粒子の状態であって、少なくとも一方の微粒子の表面が可食性塗膜形成材で表面コートされているか、又は、該食品a若しくは該食品bの一方だけが微粒子の状態であって、該微粒子の表面が可食性塗膜形成材で表面コートされていることを特徴とする混合食品を提供するものである。
以下、主食、副食、間食等のあらゆる形の「一般食品」や、顆粒剤、粉剤、錠剤、カプセル剤等のあらゆる剤型の「健康食品」を総合して、単に「食品」と略記することがある。また、飼料やペット用餌も「食品」に含まれる。
更に、健康食品等の場合、有効成分自体の変色が大きな問題になることは勿論、「食品の一種である(食品に概念的に含まれる)カプセル皮膜」の変色も大きな問題となる。
また、後者のカプセル剤の場合、例えばアミン化合物であるゼラチンをカプセル皮膜として使用することが多いが、経時によって該皮膜の内側に斑点状等の褐変が生じる場合がある。本発明によれば、このような褐変を防止又は抑制できるので保存安定性がよくなり、保存方法に幅ができると共に、実質的な使用期限を延長させたり、有効成分の下限値を下回らせたりしないことができる。
本発明の混合食品は、アミン化合物を含有する食品a、及び、還元性を有する化合物を含有する食品bが共存してなっており、
該食品a及び該食品bの両方が微粒子の状態であって、少なくとも一方の微粒子の表面が可食性塗膜形成材で表面コートされているか、又は、
該食品a若しくは該食品bの一方だけが微粒子の状態であって、該微粒子の表面が可食性塗膜形成材で表面コートされていることを特徴とする。
限定はないが、具体的には、食品a又は食品bの全体に対して、例えば、0.01質量%以上含有される場合が挙げられ、好ましくは0.1質量%以上含有され、特に好ましくは1質量%以上含有される場合が挙げられる。上限は特に限定はなく100質量%でもよい。
本発明の混合食品は、用途が限定された「褐変防止用混合食品」であることが好ましい。「褐変」とはメイラード反応等によって引き起こされる変色のことを言う。また、本発明において「微粒子」と「粉末」は、互いに読み替えることができるものとする。
<<アミン化合物>>
本発明の混合食品において、上記食品aが含有するアミン化合物としては、還元性を有する化合物とメイラード反応をし得るアミン化合物であれば特に限定はないが、具体的には例えば、アミノ酸、アミノ糖、それらのアセチル化物、それらのグリコリル化物、それらの重合物、該重合物の誘導体、それらの塩等が挙げられる。
タンパク質等、それらの重合物(の誘導体)は、一般に「アミン化合物」と言われない場合があったとしても、それらがメイラード反応をする場合にはアミン基を若干でも含有しているので、本発明では「アミン化合物」と言う。
また、下記する「上記食品aが含有するアミン化合物」は、後述する可食性塗膜形成材で表面コートされる(側の)食品が含有するものでもよいし、表面コートされない(側の)食品が含有するものでもよい。
また、上記「それらのグリコリル化物」としては、上記アミノ酸若しくはアミノ糖のアミノ基のHがグリコリル基(−COCH2OH)で置換されたもの等が挙げられる。
実際、ゼラチンをカプセル皮膜とするカプセル剤の内側は、内容物との間でメイラード反応をして斑点状等の褐変を引き起こす場合がある。
なお、食品bの側が表面コートされて、ここで言う「アミン化合物(を含有する食品a)」の側が表面コートされない場合もあり得る(本発明に含まれる)。
上記「アミン化合物を含有する食品a」としては、上記アミン化合物自体からなる食品aでもよく、上記アミン化合物と「その他の化合物」を含有するものでもよい。
例えば、健康食品の場合、上記アミン化合物単独では好適に微粒子化し難い場合等は、「その他の化合物」との混合物で微粒子を形成してもよく、上記アミン化合物単独では効果が強過ぎる場合は、「その他の化合物」で希釈してもよい。
「その他の化合物」を含有する場合、該「その他の化合物」としては、限定はないが、例えば、各種可食性の、賦形剤、増量剤、希釈剤、担体、微粒子形成剤、防腐剤、カプセル形成剤等が挙げられ、後述する芳香性物質、呈味性物質等も挙げられる。
また、「アミン化合物を含有する食品a」としては、上記したもの以外に、例えば、肉、魚貝、卵、豆、穀物等が挙げられる。
その場合の「アミン化合物」とは、肉、魚貝、卵、豆、穀物等の食品に含有されるアミン化合物である(を指す)。例えば、肉、魚貝、卵、豆、穀物等に含有されるタンパク質等が挙げられる。その場合の「その他の化合物」とは、食品aに含有されるアミン化合物以外のものである(を指す)。
また、食品bの方が微粒子であり表面コートされていて、食品aの方は微粒子でなくてもよい。
<<還元性を有する化合物>>
本発明の混合食品において、上記食品bが含有する還元性を有する化合物としては、アミン化合物とメイラード反応をし得るものであれば特に限定はないが、還元性を有する糖若しくは還元性を有する糖由来化合物であることが好ましい。
該「還元性を有する糖」としては、ケトン基を有するケトース、アルデヒド基を有するアルドースが挙げられる。該還元性を有する糖としては、全ての単糖;ラクトース、アラビノース、マルトース等のマルトース型二糖やオリゴ糖;等が挙げられる。
「フルクトース(果糖)」は、主たる化学式ではケトースであるが、アルデヒド基を有する化学構造に転移しているアルドースも含むものであり、「澱粉」も分子末端等に還元性基を含むものである。
食品bだけが微粒子になっていれば、食品bは可食性塗膜形成材で表面コートされていることが必須である。もし、食品aと食品bの両方が微粒子になっていて、一方の微粒子のみが表面コートされている場合は、食品bは表面コートされる側であってもされない側であってもよい。
上記「還元性を有する化合物を含有する食品b」としては、上記還元性を有する化合物自体からなるものでもよく、上記還元性を有する化合物と「その他の化合物」を含有するものでもよい。
例えば、健康食品の場合、上記還元性を有する化合物単独では好適に微粒子化し難い場合等は、「その他の化合物」との混合物で微粒子を形成してもよく、上記還元性を有する化合物単独では効果が強過ぎる場合は、「その他の化合物」で希釈してもよい。
「その他の化合物」を含有する場合、該「その他の化合物」としては、各種可食性の、賦形剤、増量剤、希釈剤、担体、微粒子形成剤、防腐剤、カプセル形成剤等が挙げられ、後述する芳香性物質、呈味性物質等も挙げられる。
また、「還元性を有する化合物を含有する食品b」としては、上記したもの以外に、例えば、発酵が必要なパン;発酵が必要でない蒸しパン;せんべい、クッキー、(パン)ケーキ等の菓子;団子;うどん、スパゲッティ等の麺;飯;たこ焼き、お好み焼き、クレープ、ホットケーキ等の粉物;饅頭;等が挙げられる。
また、食品aの方が微粒子であり表面コートされていて、食品bの方は微粒子でなくてもよい。
本発明における可食性塗膜形成材は、食に適した物質であり(すなわち可食性であり)、固形物の表面に対して被膜を作るようなものであればどのような物質でもよいが、好ましいものとして、多糖、オリゴ糖、単糖、糖アルコール、有機酸、タンパク質、ペプチド、ガム、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、乳化剤等や、これらの誘導体や組合せが挙げられる。すなわち、本発明は、該可食性塗膜形成材が、多糖、オリゴ糖、単糖、糖アルコール、有機酸、タンパク質、ペプチド、ガム、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、乳化剤、及び、これらの誘導体からなる群から選ばれた1種以上の物質を含有する混合食品であることが好ましい。
また、上記多糖は、微粒子化したものでもよく、ナノ粒子にまで微粒化されていてもよい。
具体的には、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、オクテニルコハク酸澱粉等が挙げられる。これらは(一部)塩であってもよい。
また、上記単糖としては、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース等が挙げられる。
上記糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール等が挙げられる。
上記タンパク質又はペプチドとしては、例えば、ゼイン、ゼラチン、コラーゲン、これらの分解物等が挙げられる。
上記脂肪酸エステルとしては、上記脂肪酸等が結合したグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
また、上記ワックスとしては、セラック、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス等が挙げられる。
上記乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられる。
本発明の混合食品は、
(1)上記した食品a及び食品bの両方が微粒子の状態であって、少なくとも一方の微粒子の表面が可食性塗膜形成材で表面コートされているか、又は、
(2)上記食品a若しくは食品bの一方だけが微粒子の状態であって、該微粒子の表面が可食性塗膜形成材で表面コートされていることを特徴とする。
ここで、「微粒子」とは、平均粒径が2mm以下のものを言い、1mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.3mm以下が特に好ましい。また、下限は特に限定はないが、平均粒径として0.1μm以上が好ましく、1μm以上が特に好ましい。
また、該微粒子は、一次粒子でもよく、図5(d)に示したように、一次粒子が複数個で形成された二次粒子でもよい。
上記した「微粒子の表面が可食性塗膜形成材で表面コートされている」とは、図5(a)(b)のように一次粒子であれ、図5(d)のように二次粒子であれ、微粒子1個ずつがそれぞれ表面コートされている形態を含むことは勿論のこと、図5(c)に示したように、複数個の微粒子がまとまって表面コートされている形態をも含む。
また、通常は微粒子が単独で存在していても、可食性塗膜形成材で表面コートする際に、複数個の微粒子がまとまって、その最表面が可食性塗膜形成材で表面コートされ、図5(c)のようになった形態も本発明に含まれる。
なお、図5(c)に示したように、微粒子同士の間に隙間がある場合、その隙間に可食性塗膜形成材が入り込んでいてもいなくてもよい。
限定はされないが、上記(1)のように、上記食品a及び食品bの両方共が微粒子の状態であることが、本発明の効果をより奏するために好ましい。
限定はされないが、更に、微粒子状の食品a及び微粒子状の食品bが混合された、錠剤、顆粒剤若しくは散剤の状態の(健康)食品が好ましく、微粒子状の食品a及び微粒子状の食品bが混合されたものを内包したカプセル状の(健康)食品も好ましい。
また、カプセルの内包物が微粒子の状態の食品a若しくはbであり、(微粒子の状態ではない)カプセル皮膜が食品b若しくはaである場合も本発明に含まれる(「a」「b」は同順)。この場合、内包物である微粒子は可食性塗膜形成材で表面コートされている。
なお、メイラード反応が起り易い食品aと食品bの組み合わせの場合等には、両方の微粒子が可食性塗膜形成材で表面コートされていることも好ましい。
可食性塗膜形成材を目的とする微粒子にコートする方法は、限定はされないが、湿式造粒コーティング法、乾式造粒コーティング法等の何れでもよく、用手法でもコーティングが可能である。
湿式造粒コーティング法としては、例えば、撹拌造粒法、流動層造粒法、側方スプレー式流動層造粒法、転動流動層造粒法、ワースター流動層造粒法、押出造粒法、浸漬法等が挙げられるが、限定されるものではない。
一方、乾式造粒コーティング法としては、例えば、加熱撹拌造粒法、溶融造粒法、押出造粒法、ボールミルコーティング法、ドライ撹拌造粒法等が挙げられるが、限定されるものではない。
また、用手法としては、表面コートされる微粒子に、可食性塗膜形成材を溶媒に溶解したコーティング溶液を噴霧して練合し、乾燥及び粉砕を繰り返す方法等が挙げられる。
<表面コートされた食品aの調製−1>
GABA粉末500gを転動流動層型コーティング装置MP−01(株式会社パウレック製)に入れ、インペラー回転数300rpm、吸気温度70℃、吸気量0.7m3/minに設定し、水1000mL中に水溶性セラック50gを含む水溶液を噴霧しながら表面コート(被覆化)を行い、平均粒子径が100μmのセラックコート化GABA粉末を得た(図1(a))。
コート化していないGABA粉末3gと、グルコース粉末3gを10mLのサンプルビン中で均一に混合し、50℃で16時間静置した。その結果、図1(b)に示す通り、白色から黒色に褐変するメイラード反応が認められた。
実施例1で得られたセラックコート化GABA粉末3gと、グルコース粉末3gを10mLのサンプルビン中で均一に混合して得られた粉末状食品を、50℃で16時間静置したが、図1(c)に示す通り、色の変化は殆ど認められなかった。
<表面コートされた食品aの調製−2>
GABA粉末500gに、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)の20質量%エタノール溶液を250mL噴霧し、該粉末が造粒しないように撹拌した。その後、50℃、3時間乾燥して、HPCコート化GABA粉末を得た。
<表面コートされた食品bの調製−1>
グルコース粉末500gを転動流動層型コーティング装置MP−01に入れ、インペラー回転数300rpm、吸気温度70℃、吸気量0.7m3/minに設定し、水1000mL中に水溶性セラック50gを含む水溶液を噴霧しながら被覆化を行い、平均粒子径300μmのセラックコート化グルコース粉末を得た。
<表面コートされた食品bの調製−2>
グルコース粉末500gに、HPCの20質量%エタノール溶液を250mL噴霧し、該粉末が造粒しないように撹拌した。その後、50℃、3時間乾燥して、HPCコート化グルコース粉末を得た。
比較例1で使用した静置前の混合粉末と、比較例1で得られた静置後の混合粉末を、それぞれ1%(w/v)になるように、精製水にて溶解し、それぞれ465nmの吸光度(Ab465)を測定した。なお、当該波長における吸光度が0.8を超える場合には、吸光度が0.8以下になるように精製水にて希釈を行い、測定後、その値に希釈率を積算し、1%(w/v)の吸光度に換算した。
その結果、静置前の吸光度は0.001であったが、静置後の吸光度は2.763であり、吸光度の変化が大きく、測定値においても、強いメイラード反応が起きていると判断できる結果が得られた。
その結果、静置前の吸光度は0.013であり、静置後の吸光度は0.014であり、吸光度の変化は殆どなく、測定値においても、メイラード反応が起きていないと判断できる結果が得られた。
[メイラード抑制率(%)]
=100×[1−(0.014−0.013)/(2.763−0.001)]
=100
食品aとして実施例1で得られたセラックコート化GABA粉末1gと、食品bとして、コート化していない種々の化合物の粉末を混合し、70℃、湿度50%の環境下で24時間静置した。対照として、食品aとしてコート化していないGABA粉末1gと、食品bとして種々の化合物の粉末を同条件で静置した。
結果を以下の表1に示す。
食品aとして、実施例3で得られたHPCコート化GABA粉末1gと、食品bとして、コート化していない種々の化合物の粉末とを、実施例6と同様に評価した。
結果を以下の表2に示す。
食品bとして、「実施例4で得られたセラックコート化グルコース粉末1g、若しくは、実施例5で得られたHPCコート化グルコース粉末1g」と、食品aとして、コート化していない種々の化合物の粉末とを、実施例6と同様に評価した。
ただし、静置条件は、50℃、湿度40%の環境下で24時間静置した。
結果を以下の表3に示す。
食品aとして、実施例1で得られたセラックコート化GABA粉末1gと、食品bとして、コート化していない種々の化合物の粉末とを、実施例6と同様に評価した。
ただし、静置条件は、50℃、湿度40%の環境下で24時間静置した。
結果を以下の表4に示す。
食品aとして、実施例3で得られたHPCコート化GABA粉末1gと、食品bとして、コート化していない種々の化合物の粉末とを、実施例6と同様に評価した。
ただし、静置条件は、50℃、湿度40%の環境下で24時間静置した。
結果を以下の表5に示す。
セラックコート化GABA粉末2kgとグルコース粉末1kgを混合後、流動層造粒機(フロイント工業社製FLO−5)に投入した。風量は、0.5m3/minとし、風の温度は給気70℃及び排気35℃とした。結合剤として、0.6%(w/v)のグアガム水溶液を上部からスプレーしながら、1時間処理を行なった。結合剤は、混合粉末100質量部に対して20質量部になるよう噴霧した。その結果、2.9kgの顆粒状食品を得ることができた(図2(a))。
実施例44で作製した顆粒状食品を、40℃で4週間静置したが、顆粒状食品の色の変化は、ほとんど認められなかった(図2(b))。
GABA粉末2kgとグルコース粉末1kgを混合後、流動層造粒機(フロイント工業社製FLO−5)に投入した。風量は、0.5m3/minとし、風の温度は給気70℃及び排気35℃とした。結合剤として、0.6%(w/v)のグアガム水溶液を上部からスプレーしながら、1時間処理を行なった。結合剤は、混合粉末100質量部に対して20質量部になるよう噴霧した。その結果、3.0kgの顆粒状食品を得ることができた。
比較例3で作製した顆粒状食品を40℃で4週間静置したところ、顆粒状食品はメイラード反応により黒変化した(図2(c))。
セラックコート化GABA粉末25g、グルコース粉末25g、結晶セルロース49g、及び、ステアリン酸カルシウムを良く混合し、32メッシュサイズの網目を有する篩にて篩通した。この混合粉末を、卓上ハードカプセル充填機(アキュレス社製モデル100)にて、3号のゼラチンハードカプセル(カプスゲル社製)に充填した。1粒に粉末が200mg充填されたカプセル化食品500粒を作製した(図3(a))。
実施例46で作製したカプセル化食品を、40℃で4週間静置したが、内容物である混合粉末の色の変化は、ほとんど認められなかった(図3(b))。
GABA粉末25g、グルコース粉末25g、結晶セルロース49g、及び、ステアリン酸カルシウムを良く混合し、32メッシュサイズの網目を有する篩にて篩通した。この混合粉末を、卓上ハードカプセル充填機(アキュレス社製モデル100)にて、3号のゼラチンハードカプセル(カプスゲル社製)に充填した。1粒に粉末が200mg充填されたカプセル化食品を500粒作製した。
比較例5で作製したカプセル化食品を、40℃で4週間静置したところ、内容物である混合粉末はメイラード反応により黒変化した(図3(c))。
セラックコート化GABA粉末25g、グルコース粉末25g、結晶セルロース25g、マルチトール22g、微粒二酸化ケイ素1g、及び、ステアリン酸カルシウム2gを、32メッシュサイズの網目を有する篩にて篩通した。この混合粉末を、500μmにて篩過した。この混合粉末を、φ9.0mmサイズの杵臼をセットした打錠機SEワークプレス(岡田精工社製)を用いて、打錠圧力1000kgfにて打錠化を行った。質量が約300mgの錠剤型食品を308粒作製した(図4(a))。
実施例48で作製した錠剤型食品を、40℃で4週間静置したが、色の変化はほとんど認められなかった(図4(b))。
GABA粉末25g、グルコース粉末25g、結晶セルロース25g、マルチトール22g、微粒二酸化ケイ素1g、及び、ステアリン酸カルシウム2gを、32メッシュサイズの網目を有する篩にて篩通した。この混合粉末を、500μmにて篩過した。この混合粉末を、φ9.0mmサイズの杵臼をセットした打錠機SEワークプレス(岡田精工社製)を用いて、打錠圧力1000kgfにて打錠化を行った。質量が約300mgの錠剤型食品を約298粒作製した。
比較例7で作製した錠剤型食品を、40℃で4週間静置したところ、錠剤型食品はメイラード反応により黒変化した(図4(c))。
Claims (12)
- アミン化合物を含有する食品a、及び、還元性を有する化合物を含有する食品bが共存してなる混合食品であって、
該食品a及び該食品bの両方が微粒子の状態であって、少なくとも一方の微粒子の表面が可食性塗膜形成材で表面コートされているか、又は、該食品a若しくは該食品bの一方だけが微粒子の状態であって、該微粒子の表面が可食性塗膜形成材で表面コートされていることを特徴とする混合食品。 - 上記可食性塗膜形成材が、多糖、オリゴ糖、単糖、糖アルコール、有機酸、タンパク質、ペプチド、ガム、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、乳化剤、及び、これらの誘導体からなる群から選ばれた1種以上の物質を含有する請求項1に記載の混合食品。
- 上記多糖の誘導体が、多糖の、ヒドロキシプロピル化物、メチル化物、ヒドロキシプロピルメチル化物、カルボキシメチル化物、又は、コハク酸誘導体である請求項2に記載の混合食品。
- 上記タンパク質又はペプチドが、ゼイン、ゼラチン、コラーゲン、又は、これらの分解物である請求項2又は請求項3の何れかの請求項に記載の混合食品。
- 上記可食性塗膜形成材が、更に、芳香性物質、呈味性物質、遮光剤、着色物質、可塑剤、酸素遮断物質、防湿剤、及び/又は、紫外線遮断物質を含有する請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の混合食品。
- 上記食品aが含有するアミン化合物が、アミノ酸、アミノ糖、それらのアセチル化物、それらのグリコリル化物、それらの重合物、該重合物の誘導体、又は、それらの塩である請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の混合食品。
- 上記食品bが含有する還元性を有する化合物が、還元性を有する糖若しくは還元性を有する糖由来化合物である請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の混合食品。
- 上記還元性を有する糖若しくは還元性を有する糖由来化合物が、グルコース(ブドウ糖)、マンノース、ガラクトース、フルクトース(果糖)、プシコース、ソルボース、タガトース、アロース、リボース、マルトース(麦芽糖)、ラクトース、メリビオース、ガラクトオリゴ糖、アラビノース、デキストリン、澱粉、又は、それらの誘導体である請求項7に記載の混合食品。
- 上記食品a及び上記食品bの両方が微粒子の状態である請求項1ないし請求項8の何れかの請求項に記載の混合食品。
- 上記食品a又は上記食品bの何れか一方のみの表面が可食性塗膜形成材で表面コートされている請求項1ないし請求項9の何れかの請求項に記載の混合食品。
- 褐変防止用である請求項1ないし請求項10の何れかの請求項に記載の混合食品。
- 上記混合食品が、粉末状食品、顆粒状食品、ソフトカプセル化食品、ハードカプセル化食品、錠剤型食品、又は、グミ状食品である請求項1ないし請求項11の何れかの請求項に記載の混合食品。
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