JP7046323B2 - 多層被覆製剤 - Google Patents

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Description

本発明は多層被覆製剤に関するものであり、更に詳しくは、特定の剤型の製剤表面に、少なくとも3層の特定の層を有する多層被覆製剤に関するものである。
医薬品の製薬分野においては、粉末や顆粒の表面に、腸溶性機能を持たせた被覆液を塗布・乾燥させたものが古くから知られている。
また、粉末や顆粒ではなくカプセル剤や錠剤についても、胃液によって速やかに溶解して崩壊してしまうと、内容物、薬剤等が、胃の中に放出されることとなり、それらが分解・変質等して薬効が失活したり、薬効の持続性が低下したり、胃に障害を与えたり、副作用が生じたりして問題を生じさせることがある。そして、それらの問題点を解決するために、腸溶剤が用いられることが知られている。
特許文献1には、ゼラチンと可塑剤からなる皮膜基材に、カルシウムイオンで架橋された水溶性多糖類が配合された腸溶性ソフトカプセル剤が記載されている。
また、特許文献2には、ゼラチン、多価アルコール、多糖類、アルカリ金属塩及び水を含有するソフトカプセル剤において、特定の多糖類を用いることが記載されている。
特許文献3には、アルギン酸の水溶性塩と、ゼラチン、寒天、カードラン等を含有するフィルムからなる腸溶性カプセルが記載され、該アルギン酸の水溶性塩は、水溶液としたときに特定の粘度を与えるものを使用することが記載されている。
また、特許文献4には、ゼラチンを含有せず、トウモロコシ澱粉と「エステル化度とアミド化度が特定された低メトキシルペクチン」等を含有するソフトカプセル皮膜が記載され、該皮膜は腸溶性を有するとされている。
しかしながら、これらは、カプセル剤の皮膜の改良であり皮膜自体に腸溶性を持たせるもので、該皮膜に対して更に層を設けて腸溶性にするものではなかった。
一方、腸溶性を特殊な加工で付与したり、層を更に設けて腸溶性にしたりする技術は、製造工程が増えて製造が難しくなる、製造コストの上昇を招く、種々のバラツキが生じる等の理由から、むしろ少ない。
ただ、特許文献5には、ゼイン、セラック及び界面活性剤を含有する腸溶性の外殻の内部に内容物が密閉された腸溶性カプセルであって、該内容物がゼラチン及びグリセリンを含有する被覆材によって被覆されて、該外殻の内部に密閉されている形態が記載されている。確かに特許文献5の形態は、内容物が被覆材で被覆され、その外側が外殻で覆われている。
しかしながら、この形態は、カプセル剤や錠剤の製剤表面に、更に被覆材と外殻と言った2層が付与されているのではなく、内容物自体が被覆材と外殻で覆われているに過ぎない。また、腸溶性の外殻が最表面にあるために、服用する際に味や臭いがすると言った問題点があった。
また、特許文献6には、カプセル皮膜側又はカプセル皮膜により被包された被包側に、アルカリ処理ゼラチン及びカラギーナンを腸溶性付与剤として含有する腸溶性カプセルが記載されている。
しかしながら、この形態は、カプセル皮膜に腸溶性付与剤を含有させただけであり、層の数等の層構成や各層の機能等に改良を加えたものではなかった。
薬局用医薬品や一般用医薬品、特に健康食品等では、味及び/又は臭いのマスキングが強く要求されるが、前記したような公知技術では、その性能が不十分であった。また、胃液や崩壊試験第1液に対する耐性、すなわち崩壊時間の延長が十分ではなく腸溶性に劣る場合があった。
特開平04-027352号公報 特開2009-185022号公報 特開2009-196961号公報 特開2015-189684号公報 特開2004-018443号公報 特開2017-039657号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、製剤自体(全体)として胃液での崩壊を抑制し、その結果、優れた腸溶性を有すると共に、味及び/又は臭いが遮断された多層被覆製剤を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、カプセル剤又は錠剤の製剤表面に対して、それぞれ特定の機能を有する層を、少なくとも3層設けることによって、上記課題を解決し、胃での崩壊時間を延長させ優れた腸溶性を付与でき、腸溶性層を唾液に溶解させないようにできるため、味及び/又は臭いを抑制できることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤、又は、錠剤の製剤表面に、下から順に、少なくとも、該製剤表面の凹凸を軽減させるための平滑化層、胃液での崩壊を抑制するための腸溶性層、並びに、該腸溶性層を水若しくは唾液から保護するため、及び/又は、該腸溶性層の味若しくは臭いを遮断するためのプロテクト層を有することを特徴とする多層被覆製剤を提供するものである。
本発明によれば、前記問題点と上記課題を解決し、平滑化層とプロテクト層によって、製剤として胃での崩壊時間を延長させ、腸で初めて崩壊すると言った優れた腸溶性を付与できる。
また、プロテクト層によって、味及び/又は臭いを有することが多い「腸溶性層を構成する成分」を、水や唾液に溶解させないようにできるため、服用したときに、特に腸溶性層を構成する成分の味及び/又は臭いを抑制できて服用し易くできる。特に腸溶性を上げるために(胃液への溶解を抑制するために)、腸溶性層に酢酸等の酸を含有させることがあるが、その際、該酸の味及び/又は臭いを抑制できる。
なお、以下、上記「腸溶性層を構成する成分」を、該腸溶性層に含有される配合成分や、該腸溶性層を形成する高分子成分をも含め「腸溶剤」と略記することがある。
腸溶性層は、腸液や「液を評価用に再現した崩壊試験第2液や溶解試験第2液」には速やかに溶解し、胃液や「胃液を評価用に再現した崩壊試験第1液や溶解試験第1液」には難溶性にし、その結果、胃では崩壊せずに腸で初めて崩壊させるために使用する。
しかし、該腸溶性層の厚さが1個の製剤表面の中でも不均一であったり、局所的に薄い場所があったりすると、その場所から溶解が始まり、製剤全体として胃液中での崩壊時間が短くなることを見出した。
それを解決するためには、通常は、該腸溶性層を厚くしたり、腸溶剤の胃液又は溶解試験第1液に対する溶解性を更に低下させたりせざるを得ないが、そうすると、腸内での崩壊性が劣る、口腔内での味若しくは臭いの問題が生じる、製造工程でバラツキが生じる、腸溶性層(腸溶剤)が無駄になる、等の種々の問題が発生した。
また、製剤の種類によっては、腸溶性層において局所的に薄い場所が発生するのを避けられない場合があった。
例えば、ソフトカプセル剤の場合、その表面には微細な凹凸があるため、その上の腸溶性層が不均一になる(例えば、腸溶性層の膜厚が該凹凸に対応して不均一となる)。本発明者は、微細な凹凸がソフトカプセル剤の表面にあり、該凹凸が腸溶性層の崩壊時間に影響を及ぼすことを見出して本発明に至った。
また、錠剤においても、その表面には凹凸があり上記問題が生じた。
更に、ハードカプセル剤の場合には、該カプセルの接合部分に段差があり、その段差部分の上の腸溶性層において局所的に薄い場所が発生する。該接合部分にバンドシールを設けて該段差を軽減することも知られているが、該バンドシールを設けても腸溶性層に局所的に薄い場所ができ、十分な崩壊時間の延長にはなり難かった。
具体的には例えば、一般に、平滑化層がない場合、腸溶性層があることによる「崩壊試験第1液での崩壊時間」は30~60分であるところ、平滑化層がある場合、腸溶性層があることによる該時間は、例えば120分以上にまで延長させることが可能となった。
作用・機序は以下には限定されないが、第1層(平滑化層)を設けないと、製剤表面が不均一になり(例えば、局所的に第2層(腸溶性層)の薄い場所が生じ)、その箇所からの「微量の溶解開始」が引き金となって、製剤自体(製剤全体)の胃液に対する崩壊時間を短縮させていると考えられる。
本発明では、製剤表面に第1層として、該製剤表面の凹凸を軽減させるための平滑化層を設けることによって、胃液や溶解(崩壊)試験第1液に対する製剤表面での溶解性を均一にし、胃での崩壊時間の延長が達成できた。すなわち、製剤表面が、凹凸が多く荒れた状態だと、その上にコートされた第2層(腸溶性層)も均一な状態でコートされず、崩壊時間が短くなる。具体的には、例えば、第1層(平滑化層)がある場合には、崩壊試験第1液で2時間以上崩壊がなかったものが、第1層(平滑化層)がないと、崩壊試験第1液で、2時間未満で崩壊した。
前記したように、腸溶性層を厚くしたり、腸溶性層の胃液又は溶解試験第1液に対する溶解性を低下させたりすると、前記した問題点が生じることがあるところ、本発明によれば、第1層(平滑化層)を設けることによって、上記問題を生じさせずに崩壊時間を延ばす、すなわち腸溶性を上げることができる。
また、第2層(腸溶性層)より上に、更に第3層としてプロテクト層を設けることによって、該腸溶性層が「製剤を飲み込むときの水や唾液」に溶解することを阻害し、その結果、特に腸溶性層の有する味や臭いが少なく(味や臭いを感じず)、服用し易い製剤を提供することができる。
更に、第3層(プロテクト層)を設けないと、製剤を飲み込むときの水や口腔内の唾液によって、腸溶性層が一部又は局所的に溶解が開始される。そうすると、胃に達する前に第2層(腸溶性層)が不均一・不安定になり、胃に到達した後に胃で崩壊し易くなってしまう。
本発明によれば、第3層(プロテクト層)を設けることによっても崩壊時間を延ばす、すなわち腸溶性を上げることができる。
本発明においては、上記3層の相乗効果によって、前記した優れた多層被覆製剤を提供することが可能となった。特に崩壊時間に関しては、第1層(平滑化層)と第3層(プロテクト層)の相乗効果によって、崩壊時間を延長させ、第2層(腸溶性層)の有する腸溶性を上げることが可能となった。
本発明の多層被覆製剤の層構成を示す概略断面図である。
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的態様に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
本発明の多層被覆製剤は、ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤、又は、錠剤の製剤表面に、下から順に、少なくとも、該製剤表面の凹凸を軽減させるための平滑化層、胃液での崩壊を抑制するための腸溶性層、並びに、「該腸溶性層を水若しくは唾液から保護するため、及び/又は、該腸溶性層の味若しくは臭いを遮断するため」のプロテクト層を有することを特徴とする。
本発明においては、図1に示したように、製剤表面に下(該製剤表面に近い側)から順に、平滑化層、腸溶性層、及び、プロテクト層を設けることが必須であるが、平角化層を「第1層」と、腸溶性層を「第2層」と、プロテクト層を「第3層」と記載することがある。
なお、本発明の多層被覆製剤は、図1に示したように、製剤表面に少なくとも上記3層を有することが必須であるが、製剤表面と第1層との間や上記3層のそれぞれの間に別の層を設けることは、本発明から排除はされない。ただ、製剤表面に上記3層のみが設けられているものが好ましい。
図1は正円で総括して概念的に示したものであって、本発明の多層被覆製剤は、実際は、ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤、又は、錠剤の形状を有している。また、図1の各層の厚さは、製剤全体の大きさに対して拡大して、模式的に書かれている。
上記少なくとも3層がコートされる対象の「製剤」としては、ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤、又は、錠剤であることが必須である。
該ソフトカプセル剤としては、表面張力や油溶性・親水性の差を利用して液中で製造されるようなシームレスソフトカプセル剤も、例えばロータリーダイ等を用いて製造されるようなシームありソフトカプセル剤、すなわちダイ式ソフトカプセル剤も含まれる。
ソフトカプセル剤又はハードカプセル剤の殻材の材質としては限定されず、牛、豚、魚等に由来する(加工)ゼラチン等のタンパク質;(加工)デンプン等の植物に由来する多糖類;カラギーナン等の海草(海藻)に由来する多糖類;ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース誘導体;等が挙げられる。
ソフトカプセル剤の場合、殻材として優れている点以外にも、殻材表面に生じる微細な凹凸が問題になり易く(生じ易く)、本発明の前記した効果が得られ易い点から、具体的には、上記した中でも、牛、豚、魚等に由来する(加工)ゼラチン;カラギーナン等の海草(海藻)に由来する多糖類;等が特に好ましい。
殻材には、可塑剤、増粘剤、着色剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、付着防止剤等の配合剤を含有させることができる。中でも、特に、可塑剤、着色剤等が含有されていると、得られた殻材の表面に微細な凹凸が生じ易く、本発明の前記した平滑化層の効果が得られ易い点等から、それらが含有される殻材の上に、すなわち、そのようなカプセル剤の製剤表面に、上記した3層を設けることが特に好ましい。
ハードカプセル剤の場合には、段差部分をバンドシール等で覆って該段差を軽減することも考えられるが、それでもその部分の直上から腸溶性層の崩壊が起きる場合がある。本発明によれば、段差部分から崩壊が開始することを、平滑化層(及びプロテクト層)によって抑制できる。
ハードカプセル剤の場合には、限定はされないが、殻材の段差部分をバンドシール等で覆ってから、平滑化層を設けることが特に好ましい。
錠剤の場合は、有効成分(薬効成分)の粉末や賦形剤の粉末等が、該錠剤の最表面に出ているために、その製剤表面には凹凸がある。該賦形剤としては、特に限定はなく、乳糖、デンプン、デキストリン、難消化性デキストリン、ショ糖、シリカ等の一般的なものが使用できる。
特に、素粒子の大きな粉末の場合には、錠剤表面に凹凸が生じ易く、本発明の前記した効果が得られ易い点等から、その上に上記平滑化層を設けることが特に好ましい。
ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤、錠剤の形状や大きさは限定されず、公知の形状や大きさすべてに本発明は適用される。
<平滑化層>
本発明の多層被覆製剤は、上記製剤表面に第1層として、「該製剤表面の凹凸を軽減させるための平滑化層」が設けられている。
上記平滑化層は、本発明の前記効果を奏するものであれば特に限定はないが、多糖、オリゴ糖、単糖、糖アルコール、有機酸、タンパク質、ペプチド、脂肪酸エステル、ワックス、乳化剤、及び、これらの誘導体よりなる群から選ばれた1種以上の可食性被覆材を含有するもの(それらの組み合わせ)であることが好ましい。
<<平滑化層の可食性被覆材>>
「平滑化層の可食性被覆材」としては、食に適した物質であり(すなわち可食性であり)、皮膜を形成するようなものであれば特に限定はない。
具体的には、上記多糖としては、例えば、澱粉、澱粉分解物、加工澱粉、デキストリン、難消化性デキストリン、イソマルトデキストリン、シクロデキストリン、ガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸カルシウム等のアルギン酸塩、ペクチン、セルロース、寒天、プルラン、カードラン、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸、フコイダン等が挙げられる。上記多糖は、粉末化したものでもよく、ナノ粉末にまで微粒化されたものでもよい。
上記「多糖若しくは多糖の誘導体」としては、例えば、ガム、プルラン、デキストリン、難消化性デキストリン、寒天、カラギーナン、アルギン酸(塩)、ペクチン、澱粉、加工澱粉等がより好ましい。
上記ガムとしては、グァーガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、キサンタンガム、タマリンドガム等が特に好ましいものとして挙げられる。また、上記加工澱粉としては、多糖のコハク酸誘導体、酸化澱粉等が特に好ましいものとして挙げられる。
更に、上記「多糖の誘導体(多糖を化学修飾等した糖誘導体)」としては、多糖の、ヒドロキシプロピル化物、メチル化物、ヒドロキシプロピルメチル化物、カルボキシメチル化物、加水分解物、発酵物等が好ましいものとして挙げられる。
具体的には、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、オクテニルコハク酸澱粉等が、被覆性、平滑化性等の点から特に好ましいものとして挙げられる。これらは(一部)塩であってもよい。
以下、例えば「HPMC」等のように、それぞれの化合物を、上記括弧内のみで略記することがある。
また、上記多糖の発酵物としては、例えば、キサンタムガム等が挙げられる。
オリゴ糖とは二糖以上の糖を言う。上記オリゴ糖としては、例えば、大豆オリゴ糖、マルチトール、乳糖、ショ糖、ラクチュロース、マルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キトオリゴ糖等が挙げられる。
また、上記単糖としては、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、N-アセチルグルコサミン等が挙げられる。
上記糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール等が挙げられる。
上記有機酸としては、例えば、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酢酸、酒石酸、これらのカルシウム等の有機酸塩;ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等の脂肪酸;等が挙げられる。
上記脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリンに上記脂肪酸等が結合したグリセリン脂肪酸エステル等が好ましいものとして挙げられる。
上記タンパク質とペプチドは、何れもアミノ酸が縮合したものであり、本発明で「ペプチド」はタンパク質より縮合数が小さいものを言い、通常は50個以下の長さであり、オリゴペプチド、ポリペプチド等が含まれる。
上記タンパク質又はペプチドとしては、例えば、ツェイン、ゼラチン、コラーゲン、卵白、卵白加水分解物、ホエイ、エラスチン、これらの分解物等が挙げられる。
また、上記ワックスとしては、セラック、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス等が挙げられる。
上記乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられる。
本発明においては、上記「平滑化層の可食性被覆材」が、プルラン、デキストリン、アラビアガム、ペクチン、カラギーナン、アルギン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、澱粉、酸化澱粉、セラック、卵白、卵白加水分解物、乳ホエイ、エラスチン、又は、グリセリン脂肪酸エステルであることが特に好ましい。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
平滑化層によって、荒れている製剤表面が好適に平滑化され、その上の腸溶性層が、胃液や溶解試験第1液若しくは崩壊試験第1液の浸食に対して均一となり、その結果、製剤として崩壊時間が延長される。平滑化層によって、後述する腸溶性層の有する本来の効果を十分に発揮させることができるようになる。
上記「平滑化層の可食性被覆材」は、被覆性・塗膜性が良好、味・臭いがない若しくは少ない、層に可塑性・柔軟性を与える、等の点から特に好ましい。
上記「平滑化層の可食性被覆材」は、前記した物質を単独で用いてもよいが、被覆性、表面均一性等を向上させる点から、前記した物質の2種以上を同時に溶解して被覆して平滑化層とすることも好ましい。
また、上記平滑化層は、「該平滑化層だけがない場合の崩壊試験第1液での崩壊時間」を1.5倍以上15倍以下にするように設計されているものであることが好ましい。より好ましくは2倍以上10倍以下であり、特に好ましくは2.5倍以上7倍以下である。
本発明は、崩壊試験第1液での崩壊時間が120分より長い多層被覆製剤でもある。
<腸溶性層>
本発明の多層被覆製剤は、上記製剤表面に第2層として、「胃液での崩壊を抑制するための腸溶性層」が設けられている。腸溶性層は、胃の中で分解・変質等して薬効が失活したり、薬効の持続性が低下したり、胃に障害を与えたり、副作用が生じたりすることを抑制する。
腸溶性層を構成する腸溶剤としては、特に限定はなく、可食性で、胃液で溶け難く腸液で溶け易いもの全てが挙げられる。また、前記した特許文献に記載されているものも挙げられる。また、上記「平滑化層の可食性被覆材」の項で、「多糖若しくは多糖の誘導体」として挙げたもののうち腸溶性のあるものも挙げられる。
限定はされないが、具体的には、例えば、セラック等のフェノール基を有する天然由来物;ツェイン等のタンパク質;カラギーナン、ペクチン(酸)、キトサン等の多糖類;オイドラギット(登録商標)等のポリ(メタ)アクリレート(メタクリル酸-メタクリル酸エステル共重合体等);酢酸フタル酸セルロース、セルロース・ヒドロキシプロピルメチル・フタレート(ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)等のカルボン酸基を有するセルロース誘導体;等が挙げられる。
また、カルシウムイオン等の2価以上の金属イオンで架橋して胃液に対する溶解性を抑えたものも挙げられる。また、酢酸等の可食性のカルボン酸化合物も挙げられる。
<プロテクト層>
本発明の多層被覆製剤は、上記製剤表面に第3層として、「腸溶性層を水若しくは唾液から保護するため、及び/又は、腸溶性層の味若しくは臭いを遮断するためのプロテクト層」が設けられている。
上記プロテクト層は、本発明の前記効果を奏するものであれば特に限定はないが、多糖、オリゴ糖、単糖、糖アルコール、有機酸、タンパク質、ペプチド、脂肪酸エステル、ワックス、乳化剤、及び、これらの誘導体よりなる群から選ばれた1種以上の可食性被覆材を含有するもの(それらの組み合わせ)であることが好ましい。
<<プロテクト層の可食性被覆材>>
「プロテクト層の可食性被覆材」としては、食に適した物質であり(すなわち可食性であり)、皮膜を形成するようなものであれば特に限定はないが、上記「平滑化層の可食性被覆材」の項で挙げものと同一のものが挙げられる。
「好ましいもの」、「より好ましいもの」、「特に好ましいもの」も、上記「平滑化層の可食性被覆材」の項で、「好ましいもの」、「より好ましいもの」、「特に好ましいもの」として挙げたものと同一のものが挙げられる。更に、上記「プロテクト層の可食性被覆材」が、プルラン、デキストリン、アラビアガム、ペクチン、カラギーナン、アルギン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、澱粉、酸化澱粉、セラック、卵白、卵白加水分解物、乳ホエイ、エラスチン、又は、グリセリン脂肪酸エステルであることが特に好ましい。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
プロテクト層は、プロテクト層の下に存在する第2層である腸溶性層の味若しくは臭いを遮断する。具体的には、前記した、セラック;酢酸等の可食性カルボン酸化合物;等の腸溶剤には、味若しくは臭いのあるもの(強いもの)があり、後述するプロテクト層が効果を発揮する。
また、プロテクト層がないと、水や唾液によって、その下に存在する腸溶性層が一部又は局所的に溶解し、該腸溶性層が不安定になり(例えば層厚が不均一になり)、胃に到達した後に早期に崩壊してしまう。プロテクト層を設けることによって、該腸溶性層が安定になり、結果として該崩壊時間を延ばせ腸溶性を上げることができる。すなわち、プロテクト層によって、前述した腸溶性層の有する本来の効果を十分に発揮させることができるようになる。
前記した通り平滑化層は崩壊試験第1液に対する崩壊時間を延長させるが、プロテクト層も崩壊試験第1液に対する崩壊時間を延長させる。従って、腸溶性層が本来有する腸溶性(胃での不溶性)を、腸溶性層の下に平滑化層を設け、かつ腸溶性層の上にプロテクト層を設けることによって相乗的に向上させることができる。
上記した特に好ましい「プロテクト層の可食性被覆材」は、被覆性・塗膜性が良好、味・臭いがない、層に可塑性・柔軟性を与える、平滑化層との相乗効果で崩壊時間を更に延ばせる等の点から特に好ましい。
上記「プロテクト層の可食性被覆材」は、前記した物質を単独で用いてもよいが、被覆性、表面均一性等を向上させる点から、前記した物質の2種以上を同時に溶解して被覆してプロテクト層とすることも好ましい。
<各層の被覆量(層厚)>
上記平滑化層の層厚(被覆量)は、1個ずつで見るとバラツキはあるが、平均で3.5μm以上500μm以下であることが好ましく、10μm以上150μm以下であることがより好ましく、35μm以上50μm以下であることが特に好ましい。
下限が上記以上であると、腸溶性層が均一となり崩壊試験第1液に対しての崩壊時間を延ばすことができる。一方、上限が上記以下であると、崩壊試験第2液や溶解試験第2液に対して十分早く崩壊又は溶解し、また平滑化層が無駄に厚過ぎると言うことがない。
上記腸溶性層の層厚(被覆量)は、1個ずつで見るとバラツキはあるが、平均で2.5μm以上400μm以下であることが好ましく、8μm以上100μm以下であることがより好ましく、25μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
下限が上記以上であると、崩壊試験第1液や溶解試験第1液に対して抵抗でき、崩壊時間を十分長くすることができる。一方、上限が上記以下であると、崩壊試験第2液や溶解試験第2液に対して十分早く崩壊又は溶解し、製造時に被覆ムラができ難く、腸溶剤の味や臭いを抑えられ、また腸溶性層が無駄に厚過ぎると言うことがない。
上記プロテクト層の層厚(被覆量)は、1個ずつで見るとバラツキはあるが、平均で1μm以上1000μm以下であることが好ましく、3μm以上500μm以下であることがより好ましく、10μm以上250μm以下であることが更に好ましく、15μm以上100μm以下であることが特に好ましい。
下限が上記以上であると、腸溶性層の味や臭いを抑制でき、また、腸溶性層が唾液等で不安定(不均一)になり崩壊試験第1液で早期に崩壊してしまうことを抑制できる。すなわち、腸溶性層を唾液に対して安定化させて胃での崩壊時間を延ばすことができる。一方、上限が上記以下であると、崩壊試験第2液や溶解試験第2液に対して十分早く崩壊又は溶解し、またプロテクト層が無駄に厚過ぎると言うことがない。
また、該プロテクト層に、着色性、遮光性等の他の機能をも持たせる場合や、極めて味や臭いの強い腸溶性層の場合等は、上記した層厚の範囲の上の方、例えば100μm以上の範囲が好ましい。
各層の層厚(被覆量)の大きさ(厚さ)の順は、着色性、遮光性等の他の機能を必要としない場合には、本発明の前記効果を得るために、プロテクト層≦腸溶性≦平滑化層、又は、プロテクト層≦平滑化層≦腸溶性層であることが好ましく、また、プロテクト層が他の2層より薄いことや、平滑化層がプロテクト層より厚いことが特に好ましい。
平滑化層、腸溶性層及びプロテクト層の合計の層厚(被覆量)は、特に限定はないが、10μm以上1000μm以下であることが好ましく、20μm以上300μm以下であることがより好ましく、50μm以上100μm以下であることが特に好ましい。
<多層被覆製剤の製造方法>
本発明における多層被覆製剤の製造方法は、前記した各層の効果を十分に発揮するようにコートできれば特に限定はないが、(好ましくはコーティングパンを有する)自動コーティング法、ドラムコーティング法、(好ましくはコーティングパンを有する)手掛け(てがけ)のコーティング法等が好ましい。
上記被覆方法に用いる装置としては特に限定はなく、市販のものも好適に用いられる。
自動コーティング法に用いられる装置としては、(株)パウレック製のパウレックコーター、フロイント産業(株)製のアクアコーター等が挙げられる。
各層の被覆に際しては湿式法で被覆することが好ましいが、該被覆に先立って被覆液を調製する。平滑化層の可食性被覆材、腸溶性層の腸溶剤、プロテクト層の可食性被覆材を溶解又は微分散する溶媒・分散媒は、溶解及び/又は分散が可能で、食に適しているものであればどのようなものでもよいが、純水、pH調整水等の水;エタノール;それらの混合溶媒等を用いることが好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例中の「%」は、それが質量に関するものは「質量%」を意味する。また、実施例中の物質や製剤の密度(比重)は、1g/cmと換算して問題がない(換算できる)。各製剤の表面積はそれで推認することができる。
製造例1
<ソフトカプセル剤の製造方法>
ゼラチン100質量部とグリセリン50質量部を水80質量部に溶解させてソフトカプセルの皮膜液を調製した。
該皮膜液から水を留去しつつ皮膜を作り、内容液としてドコサヘキサエン酸(以下、単に「DHA」と略記する)単独を用いて、ロータリーダイによって、OVAL型No.5のロータリーダイ式ソフトカプセルを製造した。
1個のソフトカプセルは、内容液(DHA)300mg、(乾燥)皮膜(ゼラチン/グリセリン=2/1(質量部))150mgで構成されていた。
製造例2
<ハードカプセル剤の製造方法>
乳酸菌30質量部、食品加工用澱粉粉末265質量部、ステアリン酸カルシウム粉末3質量部、固結防止剤(微粉末シリカ)2質量部を混合して内容物とした。
該内容物を、HPMCを主とするカプセル剤皮に内包して、2号HPMCハードカプセルを製造した。1個のハードカプセルは、内容物300mg、及び、カプセル剤皮60mgで構成されていた。
その後、バンドシール(質量3mg)で、段差部分を覆って以下のコーティング工程に供した。
製造例3
<錠剤の製造方法>
無臭ニンニク粉末100質量部、乳糖とマルチトールとの混合粉末101質量部、(微)結晶セルロース90質量部、グァーガム適量(微量)、シュガーエステル9質量部を混合し打錠して、9.0mmφの錠剤を製造した。1粒の錠剤は、300mgであった。
製造例4
<ソフトカプセル剤の第1層目、第2層目コーティング>
実施例1で得られたソフトカプセル剤5000gを、パウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「99%エタノール66.5%に対し、精製水28%、HPMC5%、及び、グリセリン脂肪酸エステル0.5%からなる第1層コーティング液」2100gを噴霧し、平滑化層(第1層)を設け、5100gの第1層コーティングソフトカプセル剤を得た。
得られた第1層コーティングソフトカプセル剤の5000gを、それぞれパウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「95%エタノール69.5%に対し、セラック溶液30%、及び、グリセリン脂肪酸エステル0.5%からなる第2層コーティング液」2100gを噴霧し、腸溶性層(第2層)を設け、5125gの第1・2層コーティングソフトカプセル剤を得た。
後記の実施例7、8、9を行なうために、上記第1層コーティングと、それに次ぐ第2層コーティングを3回繰り返し、3倍量の15375gの第1・2層コーティングソフトカプセル剤を得た。
製造例5
実施例4において、第1層コーティング液2100gを噴霧したことに代えて、第1層コーティング液3150gを噴霧した以外は実施例4と同様にして、平滑化層(第1層)を設け、5140gの第1層コーティングソフトカプセル剤を得た。
次いで、実施例4と同様にして、腸溶性層(第2層)を設け、第1・2層コーティングソフトカプセル剤を得た。
後記の実施例7、8、9を行なうために、上記第1層コーティングと、それに次ぐ第2層コーティングを3回繰り返し、3倍量の第1・2層コーティングソフトカプセル剤を得た。
製造例6
実施例4において、第1層コーティング液2100gを噴霧したことに代えて、第1層コーティング液4200gを噴霧した以外は実施例4と同様にして、平滑化層(第1層)と腸溶性層(第2層)を設け、5200gの第1・2層コーティングソフトカプセル剤を得た。
製造例7
<ソフトカプセル剤の第3層目コーティング>
実施例4で得られた第1・2層コーティングソフトカプセル剤5000gを、パウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「99%エタノール66.5%に対し、精製水28%、HPMC5%、及び、グリセリン0.5%からなる第3層コーティング液」425gを噴霧し、5025gの第1・2・3層コーティングソフトカプセル剤を得た。
製造例8
<ソフトカプセル剤の第3層目コーティング>
実施例7において、第3層コーティング液425gを噴霧したことに代えて、第3層コーティング液850gを噴霧した以外は実施例7と同様にして、プロテクト層(第3層)を設け、5050gの第1・2・3層コーティングソフトカプセル剤を得た。
製造例9
<ソフトカプセル剤の第3層目コーティング>
実施例7において、第3層コーティング液425gを噴霧したことに代えて、第3層コーティング液2550gを噴霧した以外は実施例7と同様にして、プロテクト層(第3層)を設け、5150gの第1・2・3層コーティングソフトカプセル剤を得た。
製造例10
<ハードカプセル剤の第1層目、第2層目コーティング>
実施例2で製造したハードカプセル剤5000gを、パウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「99%エタノール66.5%に対し、精製水28%、HPMC5%、及び、グリセリン脂肪酸エステル0.5%よりなる第1層コーティング液」3150gを噴霧し、平滑化層(第1層)を設け、5140gの第1層コーティングハードカプセル剤を得た。
得られた第1層コーティングハードカプセル剤5000gをパウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「95%エタノール69.5%に対し、セラック溶液30%、及び、グリセリン脂肪酸エステル0.5%からなる第2層コーティング液」2100gを噴霧し、腸溶性層(第2層)を設け、5125gの第1・2層コーティングハードカプセル剤を得た。
製造例11
<ハードカプセル剤の第3層目コーティング>
実施例10で得られた第1・2層コーティングハードカプセル剤5000gを、パウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「99%エタノール66.5%に対し、精製水28%、HPMC5%、及び、グリセリン0.5%からなる第3層コーティング液」850gを噴霧し、プロテクト層(第3層)を設け、5050gの第1・2・3層コーティングハードカプセル剤を得た。
製造例12
<錠剤の1層目、2層目コーティング>
実施例3で得られた錠剤5000gを、パウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「99%エタノール66.5%に対し、精製水28%、HPMC5%、及び、グリセリン脂肪酸エステル0.5%からなる第1層コーティング液」3150gを噴霧し、平滑化層(第1層)を設け、5140gの第1層コーティング錠剤を得た。
得られた第1層コーティング錠剤5000gを、パウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「95%エタノール69.5%に対し、セラック溶液30%、及び、グリセリン脂肪酸エステル0.5%kらなる第2層コーティング液」2100gを噴霧し、腸溶性層(第2層)を設け、5125gの第1・2層コーティング錠剤を得た。
製造例13
<錠剤の3層目コーティング>
実施例12で得られた第1・2層コーティング錠剤5000gを、パウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「99%エタノール66.5%に対し、精製水28%、HPMC5%、及び、グリセリン0.5%からなる第3層コーティング液」850gを噴霧し、プロテクト層(第3層)を設け、5050gの第1・2・3層コーティング錠剤を得た。
製造例14
<ソフトカプセル剤の1層目なし>
実施例1で得られたソフトカプセル剤5000gを、パウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「95%エタノール69.5%に対し、セラック溶液30%、及び、グリセリン脂肪酸エステル0.5%からなる第2層コーティング液」2100gを噴霧し、腸溶性層(第2層)を設け、5125gの第2層コーティングソフトカプセル剤を得た。
得られた第2層コーティングソフトカプセル剤5000gを、パウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「99%エタノール66.5%に対し、精製水28%、HPMC5%、及び、グリセリン0.5%からなる第3層コーティング液」850gを噴霧し、プロテクト層(第3層)を設け、5050gの第2・3層コーティングソフトカプセル剤を得た。
製造例15
<ハードカプセル剤の1層目なし>
実施例2で得られたハードカプセル剤5000gを、パウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「95%エタノール69.5%に対し、セラック溶液30%、及び、グリセリン脂肪酸エステル0.5%からなる第2層コーティング液」2100g噴霧し、腸溶性層(第2層)を設け、5125gの第2層コーティングハードカプセル剤を得た。
得られた第2層コーティングハードカプセル剤5000gを、パウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「99%エタノール66.5%に対し、精製水28%、HPMC5%、及び、グリセリン0.5%からなる第3層コーティング液」850gを噴霧し、プロテクト層(第3層)を設け、5050gの第2・3層コーティングハードカプセル剤を得た。
製造例16
<錠剤の1層目なし>
実施例3で得られた錠剤5000gを、パウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「95%エタノール69.5%に対し、セラック溶液30%、及び、グリセリン脂肪酸エステル0.5%からなる第2層コーティング液」2100gを噴霧し、腸溶性層(第2層)を設け、5125gの第2層コーティング錠剤を得た。
得られた第2層コーティング錠剤5000gを、パウレックコーターPRC-07型((株)パウレック製)に入れ、給気温度28℃、アトマイズ空気圧0.26MPa、パターン空気圧0.1MPa、風量3m/minに設定し、「99%エタノール66.5%に対し、精製水28%、HPMC5%、及び、グリセリン0.5%からなる第3層コーティング液」850gを噴霧し、プロテクト層(第3層)を設け、5050gの第2・3層コーティング錠剤を得た。
表1に、製造例の各層のコーティング率を示す。
ここで、「コーティング率」とは、コートされるソフトカプセル剤、ハードカプセル剤又は錠剤の質量に対する各層の質量の割合(質量%)を示す。「コーティング率」は、コーターに投入したソフトカプセル剤、ハードカプセル剤又は錠剤の全質量と、各層のコーティング液に含有される「溶媒を除いた不揮発分」の全質量から求められる。
Figure 0007046323000001
1個(粒)1個(粒)で見るとバラツキはあるが、製造例8において、平滑化層は38~47μm、腸溶性層は27~34μm、平滑化層は11~14μmの範囲に入っていた。そして、他の製造例についても、表1の「%」は、上記を参考にして比例計算で、「μm」に換算できる。
試験例1
<崩壊時間の評価方法>
自動検知式崩壊試験機ZT-722(EWEKA社製)を用いて常法に従って崩壊時間を測定した。試験液として、日本薬局方に準じた崩壊試験第1液(pH1.2)及び崩壊試験第2液(pH6.8)を用い、該試験液を37℃に設定し、各実施例・比較例につき6個(6カプセル又は6錠)の崩壊時間を測定し、その相加平均値を算出し、以下の判定基準で判定した。
表2に崩壊時間の判定結果を示す。
<崩壊時間の判定基準1>
[崩壊試験第1液の場合]
○:120分以上でも崩壊しなかった
△:60分以上120分未満で崩壊した
×:30分以上60分未満で崩壊した
<崩壊時間の判定基準2>
[崩壊試験第2液の場合]
○:30分以下で崩壊した
×:30分以下では崩壊しなかった
試験例2
<口腔内での腸溶性層の溶解性の評価方法>
<苦味の評価方法>
口腔内での腸溶性層の溶解性の有無(量)を評価するため、5人の被験者に、製造例4~16のカプセル又は錠剤それぞれ1個を口に含んでもらい、苦味を感じ始める時間を測定してもらい、5人の相加平均を求め、以下の判定基準で判定した。
苦味が感じた場合は、腸溶性層が口腔内で溶解したことを示す。
表2に、口腔内での腸溶性層の溶解性(苦味)の判定結果を合わせて示す。
<口腔内での腸溶性層の溶解性の判定基準>
<苦味の判定基準>
○:10秒以上でも苦味を感じなかった
△:5秒以上10秒未満で苦味を感じた
×:5秒未満で苦味を感じた
試験例3
<最初の唾液(水)を考慮した崩壊時間の評価方法>
最初に、pH=7.0の中性の水(純水)に10秒間浸漬し、次いで、取り出して直ぐに崩壊試験第1液に浸漬した以外は、上記の<崩壊時間の評価方法>と同様に評価を行い、上記の<崩壊時間の判定基準1>[崩壊試験第1液の場合]と同様の判定基準で判定した。
表2に、この「中性水を通した後の崩壊試験第1液での崩壊時間」の判定結果を合わせて示す。
<総合評価>
総合評価の判定を以下のように行った。
崩壊時間の評価において、崩壊試験第1液では120分以上でも崩壊せず(判定「○」のみ)、かつ崩壊試験第2液では30分以下で崩壊し(判定「○」のみ)、かつ口腔内で5秒未満では苦味を感じず(腸溶性層の口腔内での溶解が殆どなく、苦味のマスキングができていて)(試験例2の判定「○」又は「△」)、かつ試験例3で判定「○」のものを、総合評価「○」と判定した。
そして、上記基準で総合評価「○」と判定されなかったものを、総合評価「×」と判定した。
表2に、総合評価の判定結果を合わせて示す。
Figure 0007046323000002
試験例1で、平滑化層(第1層)が存在すると、崩壊試験第1液での崩壊時間が長く良好であったが、それに対応する製剤で平滑化層(第1層)が存在しないものは、崩壊試験第1液での崩壊時間が短く不良であった(比較例6、7、8)。そのことは、3種の製剤全てに対して言えた。
試験例2で、プロテクト層(第3層)が存在すると、口腔内での腸溶性層の溶解性(苦味)が良好であった。それに対し、プロテクト層(第3層)が存在しないと、該評価が不良であった(比較例1~5)。また、プロテクト層(第3層)が厚いものは、薄いものに比べ口腔内での該評価が良好であった(実施例1と実施例2、3の比較)。
試験例3で、「唾液等を代替した純水」中に浸漬した後に、崩壊試験第1液での崩壊時間を測定すると、プロテクト層(第3層)が存在すると、該評価が良好であったが(実施例1~5)、プロテクト層(第3層)が存在しないと、該評価が何れも「△」であった(比較例1~5)。平滑化層(第1層)とプロテクト層(第3層)が存在すると、最初に中性水に浸漬しても(唾液で製剤が濡れることを想定しても)、崩壊試験第1液での崩壊時間を長くできて、腸溶性層(第2層)の腸溶性(胃液で崩壊し難い性質)を相乗的に遺憾なく発揮できるようになった。
なお、腸溶性層(第2層)がない場合は、平滑化層(第1層)やプロテクト層(第3層)があってもなくても、また、どの剤型でも、試験例1の崩壊試験第1液での崩壊時間は、何れも10分未満であった。
実施例の3層の多層被覆製剤は全て総合評価が「○」であったが、比較例の2層の被覆製剤は全て総合評価が「×」であった。
実施例6
製造例8(第1・2・3層コーティングソフトカプセル剤)、製造例11(第1・2・3層コーティングハードカプセル剤)、製造例13(第1・2・3層コーティング錠剤)において、平滑化層(第1層)とプロテクト層(第3層)のコーティング液の「HPMC5%、及び、グリセリン0.5%」を、何れも「HPC5%」又は「プルラン10%」にそれぞれ代えた以外は、同様にして多層被覆製剤を調製した。
同様に評価したところ、崩壊試験第1液及び崩壊試験第2液での崩壊時間は何れも「○」であり(試験例1)、腔内での腸溶性層の溶解性(苦味)も「○」であり(試験例2)、中性水を通した後の崩壊試験第1液での崩壊時間は何れも「○」であり(試験例3)、総合評価は何れも「○」であった。
本発明の多層被覆製剤は、腸溶性層の種々の効果が遺憾なく発揮されるので、医療用医薬品分野、一般用医薬品分野、健康食品分野、一般食品分野等に広く利用されるものである。
1 平滑化層(第1層)
2 腸溶性層(第2層)
3 プロテクト層(第3層)
4 ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤、又は、錠剤である製剤

Claims (7)

  1. ソフトカプセル剤、又は、ハードカプセル剤の製剤表面に、下から順に、少なくとも、該製剤表面の凹凸を軽減させるための平滑化層、胃液での崩壊を抑制するための腸溶性層、並びに、該腸溶性層を水若しくは唾液から保護するため、及び/又は、該腸溶性層の味若しくは臭いを遮断するためのプロテクト層を有する健康食品である多層被覆製剤であって、
    該平滑化層がヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、及び、グリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする多層被覆製剤。
  2. 上記平滑化層の層厚が、3.5μm以上500μm以下である請求項1に記載の多層被覆製剤。
  3. 上記平滑化層の層厚が、35μm以上50μm以下である請求項1に記載の多層被覆製剤。
  4. 上記腸溶性層の被覆量が、2.5μm以上400μm以下である請求項1ないし請求項の何れかの請求項に記載の多層被覆製剤。
  5. 上記腸溶性層の被覆量が、25μm以上40μm以下である請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の多層被覆製剤。
  6. 上記プロテクト層の被覆量が、1μm以上1000μm以下である請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の多層被覆製剤。
  7. 上記平滑化層が、「該平滑化層だけがない場合の崩壊試験第1液での崩壊時間」を1.5倍以上15倍以下にするように設計されているものである請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の多層被覆製剤。
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