JP2018184330A - 流動性の高いコンクリート - Google Patents

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Abstract

【課題】単位セメント量を抑えた流動性の高いコンクリートであり、さらに、施工の際にハンドリングが容易であるコンクリートを提供すること。【解決手段】 セメント、水、骨材、増粘剤、及び粉体状である高性能減水剤を含む流動性の高いコンクリートであって、前記増粘剤は、水溶性セルロースエーテル、消泡剤、及びガム類を含み、水セメント比が46.1%以上65%以下であり、スランプフローが35cm以上75cm以下である、流動性の高いコンクリート。また、粉体状である高性能減水剤を、骨材およびセメントを水に溶解させた後に添加して製造することを特徴とする、上記流動性の高いコンクリートの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、流動性の高いコンクリートに関する。
一般的に使用されるコンクリート(普通コンクリート)に混和剤を添加して得られる流動性の高いコンクリートが知られている。流動性の高いコンクリートには、普通コンクリートと異なる配合で混和剤(減水剤)を添加して得られる高流動コンクリートや中流動コンクリートと呼ばれるものがある。
高流動コンクリートは、スランプフロー50〜70cm程度の高い流動性を有するため、コンクリート自体が鉄筋構造の隙間を通過し、型枠の隅々まで均質に充填できる。従って、コンクリート施工時の締固め作業(型枠に流し込んだコンクリートに対してバイブレータによる振動を与える作業)を省略できるため、施工性が格段に向上する。
また、中流動コンクリートは、スランプフロー35〜50cm程度の高い流動性を有するため、普通コンクリートに比べて流動性や鉄筋構造への充填性が高く、締固め作業を簡略化できる。
特開2012−116671号公報
しかしながら、高流動コンクリートや中流動コンクリートは、高い流動性に見合った材料分離抵抗性を確保するために、普通コンクリートよりも単位セメント量(粉体量)を増大させる必要がある。
たとえば、一般的な土木分野で使用される普通コンクリートの単位セメント量は300kg/m程度以下であるのに対し、高流動コンクリートでは、たとえば500kg/m以上の単位セメント量を必要とする。
また、混和剤として、特許文献1のような、増粘成分を含有した一液タイプの高性能AE減水剤が知られている。しかし、このような高性能AE減水剤を添加した場合であっても、高流動コンクリートで単位セメント量が400kg/m以上、中流動コンクリートで単位セメント量が350kg/m以上が必要となる。
すなわち、従来の高流動コンクリートや中流動コンクリートは、単位セメント量が多くなるため、単位セメント量に対する単位水量の割合(水セメント比)が小さくなる。また、単位セメント量が増大することにより、セメントの水和発熱量が増加し、コンクリート硬化時にひび割れ等が生じやすくなる。更に、単位セメント量の増加によるコンクリートの材料コストが増大する。
本発明は、単位セメント量を抑えた流動性の高いコンクリートを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、出願人は、鋭意検討の結果、
セメント、水、骨材、増粘剤、及び粉体状である高性能減水剤を含む流動性の高いコンクリートであって、
前記増粘剤は、水溶性セルロースエーテル、消泡剤、及びガム類を含み、
水セメント比が46.1%以上65%以下であり、
スランプフローが35cm以上75cm以下である、流動性の高いコンクリートにかかる発明にいたった。
なお、本発明において、前記流動性の高いコンクリートは、2012年制定コンクリート標準示方書[施工編]で規定される充填高さが30cm以上(障害:ランク2)、前記スランプフローが55cm以上75cm以下、且つ500mmフロー到達時間が3〜15秒の高流動コンクリートであることが好ましい。
また、本発明において、前記流動性の高いコンクリートは、東・中・西日本高速道路トンネル施工管理要領で規定される充填高さが28cm以上(障害:ランク3)であり、且つ前記スランプフローが35cm以上50cm以下の中流動コンクリートであることが好ましい。
また、本発明において、前記水の単位水量は、前記流動性の高いコンクリート1mあたり、185kg以下であることが好ましい。
さらに、本発明は、粉体状である高性能減水剤を、セメント、骨材、および増粘剤を水に溶解させた後に添加して製造することを特徴とする、流動性の高いコンクリートの製造方法に関する。
本発明の流動性の高いコンクリートによれば、単位セメント量を抑えることができる。さらに、粉体であるため、液状である場合に比べ、施工の際にハンドリングが容易である。
==実施形態==
本実施形態は、セメント、水、骨材、増粘剤、及び粉体状である高性能減水剤を含む流動性の高いコンクリートに関する。本実施形態において、流動性の高いコンクリートは、高流動コンクリート(自己充填コンクリート)及び中流動コンクリートを含む。
高流動コンクリートとは、2012年制定コンクリート標準示方書[施工編]で規定される充填高さが30cm以上(障害:ランク2)であり、且つスランプフローが55cm以上75cm以下のコンクリートをいう。また、JIS A 1123に基づくブリーディング率が普通コンクリートと同等以下であることが好ましい。高流動コンクリ―トは、たとえば、鉄筋コンクリート構造(RC構造)を採用する構造物に用いられる。
一方、中流動コンクリートとは、東・中・西日本高速道路トンネル施工管理要領で規定される充填高さが28cm以上(障害:ランク3)であり、且つスランプフローが35cm以上50cm以下のコンクリートをいう。また、中流動コンクリートは、JIS A 1123に基づくブリーディング率が普通コンクリートと同等以下であることが好ましい。中流動コンクリートは、たとえば、トンネルの覆工コンクリートに用いられる。
[セメント、水、骨材]
セメント、水、骨材は、通常のコンクリート作製時に使用される様々な材料を用いることができる。
セメントは、たとえば、ポルトランドセメント(普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント等)や混合セメント(高炉セメント、フライアッシュセメント等)である。水は、たとえば上水道水や、JIS A 5308に示される「上水道水以外の水」である。
本実施形態に係る流動性の高いコンクリートにおける水セメント比は46.1%以上65%以下である。たとえば、流動性の高いコンクリートにおける単位水量がコンクリート1mあたり175kgの場合、流動性の高いコンクリートにおける単位セメント量は、コンクリート1mあたり269kg〜380kgとなる。
なお、コンクリート1mあたりの単位水量について、土木分野では175kg以下が好ましいとされ、建築分野では185kg以下が好ましいとされている。
骨材は、粗骨材及び細骨材を含む。
粗骨材は、砕石、川砂利、山砂利、陸砂利等である。細骨材は、陸砂、川砂、山砂、珪砂、砕砂等である。本実施形態に係る流動性の高いコンクリートに対する粗骨材の単位量は、好ましくはコンクリート1mあたり700kg〜1100kgである。本実施形態に係る流動性の高いコンクリートに対する細骨材の単位量は、好ましくはコンクリート1mあたり700kg〜1100kgである。なお、2012年制定コンクリート標準示方書[施工編]では、粗骨材寸法40mmの骨材を用いる場合の最低セメント量の目安を250kg/m以上とされており、粗骨材寸法20mmの骨材を用いる場合の最低セメント量の目安を270kg/m以上とされている。
[増粘剤]
増粘剤は、流動性の高いコンクリートの粘性を高め、材料分離を抑制するために用いられる。増粘剤の添加量は、好ましくはコンクリート1mあたり15g〜250gである。本実施形態に係る増粘剤は、水溶性セルロースエーテル、消泡剤、及びガム類を含む。
水溶性セルロースエーテルは、非イオン性であり、流動性の高いコンクリートの材料分離抑制、ブリーディングの低減による耐久性の向上、強度及び品質のバラツキ低減が可能な点において、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースが好ましい。
アルキルセルロースとしては、DSが好ましくは1.0〜2.2、より好ましくは1.2〜2.0のメチルセルロース、DSが好ましくは1.0〜2.2、より好ましくは1.2〜2.0のエチルセルロース等が挙げられる。ヒドロキシアルキルセルロースとしては、MSが好ましくは0.1〜3.0、より好ましくは0.5〜2.8のヒドロキシエチルセルロース、MSが好ましくは0.05〜3.3、より好ましくは0.1〜3.0のヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。ヒドロキシアルキルアルキルセルロースとしては、DSが好ましくは1.0〜2.2、より好ましくは1.2〜2.0、MSが好ましくは0.05〜0.6、より好ましくは0.10〜0.5のヒドロキシエチルメチルセルロース、DSが好ましくは1.0〜2.2、より好ましくは1.2〜2.0、MSが好ましくは0.05〜0.6、より好ましくは0.10〜0.5のヒドロキシプロピルメチルセルロース、DSが好ましくは1.0〜2.2、より好ましくは1.2〜2.0、MSが好ましくは0.05〜0.6、より好ましくは0.10〜0.5のヒドロキシエチルエチルセルロースが挙げられる。
なお、DSは、置換度(degree of substitution)を表し、セルロースのグルコース環単位当たりに存在するアルコキシ基の個数であり、MSは、置換モル数(molar substitution)を表し、セルロースのグルコース環単位当たりに付加したヒドロキシアルコキシ基の平均モル数である。
上記アルキル基の置換度及びヒドロキシアルキル基の置換モル数の測定方法としては、第17改正日本薬局方記載のヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の置換度分析方法により測定できる値を換算することで求めることができる。
水溶性セルロースエーテルの20℃における2質量%又は1質量%の水溶液粘度は、コンクリートに所定の粘性を与える点から、B−H型粘度計の20rpmにおいて、好ましくは30(2質量%)〜30,000(1質量%)mPa・s、より好ましくは80(2質量%)〜25,000(1質量%)mPa・s、更に好ましくは350(2質量%)〜20,000mPa・s(1質量%)である。なお、水溶性セルロースエーテルの粘度は、50,000mPa・s以下は2質量%水溶液により、それを超える粘度の場合は1質量%水溶液により測定した。
消泡剤は、高性能AE減水剤と増粘剤を混合した場合の水溶性セルロースエーテルの安定化という点において、オキシアルキレン系、シリコーン系、アルコール系、鉱油系、脂肪酸系、脂肪酸エステル系等が使用される。
オキシアルキレン系消泡剤としては、たとえば、(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素原子数8以上の高級アルコールや炭素原子数12〜14の2級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール,3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等が挙げられる。
シリコーン系消泡剤としては、たとえば、ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等が挙げられる。
アルコール系消泡剤としては、たとえば、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等が挙げられる。
鉱油系消泡剤としては、たとえば、灯油、流動パラフィン等が挙げられる。
脂肪酸系消泡剤としては、たとえば、オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
脂肪酸エステル系消泡剤としては、たとえば、グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等が挙げられる。
水溶性セルロースエーテルの抑泡に必要な消泡剤の添加量(通常、水溶性セルロースエーテルに対して5〜10質量%)以上を添加することにより、塩析に対する安定化が増すことができる。この理由としては、消泡剤中の何らかの成分(界面活性剤)が塩析している水溶性セルロースエーテルの表面に吸着し、安定化させていると推定される。
ガム類は、消泡剤と同様、水溶性セルロースエーテルの安定化において有効であり、ダイユータンガム、ウェランガム、キサンタンガム、ジェランガムから選ばれる一種類又は二種類以上のガム類を用いることが好ましい。
ダイユータンガムはD−グルコース、D−グルクロン酸、D−グルコースとL−ラムノース及び2つのL−ラムノースより構成されており、例えば、KELCO−CRETE DG−F(CP Kelco社)を用いることができる。
ウェランガムは、D−グルコース、D−グルクロン酸、L−ラムノースが2:2:1の割合で結合した主鎖に、L−ラムノースかL−マンノース側鎖が結合した構造である。たとえば、CP KELCO K1A−96(CP Kelco社)を用いることができる。
キサンタンガムは、セルロースと同様、主鎖がD−グルコースのβ−1,4結合であり、側鎖がマンノース2個とグルクロン酸1個より構成されている。例えば、KELZAN(三晶株式会社)を用いることができる。
ジェランガムは、D−グルコース、D−グルクロン酸、L−ラムノースが2:1:1の割合で結合した4つの糖を反復単位とするヘテロ多糖類である。例えば、KELCOGEL AFT(CP Kelco社)を用いることができる。
ガム類は粉体又は水溶液のいずれの形態で添加しても良いが、ウェランガム、キサンタンガム及びジェランガムは、水溶性セルロースエーテルの安定化の観点より、水溶液での添加が好ましい。
[高性能減水剤]
高性能減水剤は、流動性の高いコンクリートの凝集を抑制し、スランプフローを保持するために用いられる。高性能減水剤は、ポリカルボン酸系等、公知のものを使用できるが、本願発明においては、粉体であることを特徴とする。粉体であることにより、ハンドリングが容易であり、施工や長距離輸送の際に有効である。
[その他の混和材料]
本実施形態に係る流動性の高いコンクリートは、混和剤として、一般的なAE減水剤や空気量調整剤(AE剤や消泡剤)を含んでいてもよい。空気量調整剤は、流動性の高いコンクリートに対して所定の空気量を確保し、コンクリートの耐久性を得るために用いられる。その他、流動性の高いコンクリートは、乾燥収縮低減剤や膨張材を含んでいてもよい。
[流動性の高いコンクリートの製造方法]
本実施形態に係る流動性の高いコンクリートは、一般的なコンクリートと同様の製造方法に従って作製することが可能である。
たとえば、流動性の高いコンクリートは、まず骨材及びセメントを空練りした後、混和剤(増粘剤、粉体状である高性能減水剤等)及び水を投入し、更に練り混ぜることで作製できる。流動性の高いコンクリートは、レディーミクストコンクリートとして予め作製することも可能であるし、実際の現場で使用直前に作製することも可能である。
なお、増粘剤及び粉体状である高性能減水剤は、予め混合したものを投入することでもよい。或いは、混和剤以外を投入したベースコンクリートを製造した後、適宜のタイミングで混和剤を投入して練り混ぜることでもよい。
なお、セメント、水、骨材、増粘剤、及び粉体状である高性能減水剤の添加量は、上記高流動コンクリート及び中流動コンクリートの定義を満たす流動性の高いコンクリートが得られる範囲で適宜調整することが可能である。但し、本実施形態に係る流動性の高いコンクリートにおける水セメント比は46.1%以上65%以下となるように調整される。
==実施例==
[使用材料]
表1は、実施例または参考例で用いる使用材料を示したものである。
Figure 2018184330
全ての実施例及び全ての比較例において、セメント(C)は、太平洋セメント社製の普通ポルトランドセメント(密度3.16g/cm)を、セメント(BB)は、太平洋セメント社製の高炉セメントB種(密度3.04g/cm)を、それぞれ用いた。細骨材(S)は、千葉県木更津市産の陸砂(表乾密度2.61g/cm、吸水率1.70%、粗粒率2.68、実績率67.1%)を用いた。粗骨材(G)は、東京都青梅市産の砕石(区分:砕石2005、表乾密度2.65g/cm、吸水率1.15%、粗粒率6.58、実績率58.0%)を用いた。水(W)は、上水道水(密度1.00g/cm)を用いた。
一方、混和剤は、AE減水剤(WR)、高性能AE減水剤(SP)、粉体状である高性能減水剤(SP1、SP2)、空気量調整剤(AE剤:AE)、フライアッシュ(FA)、増粘剤(VMA)を適宜用いた。
具体的に、液体状のAE減水剤(WR)は、BASFジャパン社製のマスターポゾリス(リグニンスルホン酸)No.70を用いた。液体状の高性能AE減水剤(SP)は、BASFジャパン社製のマスターグレニウムSP−8SV(ポリカルボン酸エーテル系化合物)、粉体状の高性能減水剤(SP1)は、株式会社日本シーカ製のシーカ・ビスコクリート125パウダー(変性ポリカルボキシレイト、保持成分含有タイプ)、粉体状の高性能減水剤(SP2)は、株式会社日本シーカ製のシーカ・ビスコクリート225パウダー(変性ポリカルボキシレイト、保持成分未含有)、フライアッシュ(FA)は、JID II種適合品、(密度3.04g/cm)、空気量調整剤(AE剤:AE)は、BASFジャパン社製のマスターエア775Sを用いた。
増粘剤(VMA)は、信越化学工業株式会社製の剤を用いた。この増粘剤は、水溶性セルロースエーテル62.5質量%、消泡剤18.75質量%、キサンタンガム18.75質量%からなる。水溶性セルロースエーテルとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを用い、DS:1.5、MS:0.21、20℃における1質量%水溶液粘度がB−H型粘度計の20rpmにおいて15,400mPa・sのものを用いた。消泡剤は、SNデフォーマー14HP、サンノプコ社製、オキシアルキレン系消泡剤である。キサンタンガムは、三晶株式会社製、KELZANである。
[使用材料の配合]
表2−6は、実施例及び比較例における使用材料の配合を示したものである。
Figure 2018184330
Figure 2018184330
Figure 2018184330
Figure 2018184330
Figure 2018184330
(実施例1、2)
実施例1、2は、次のようにして高流動コンクリートを作製したものである。なお、実施例3および4以外では、セメントには普通ポルトランドセメントを用いた。
(1)(ベースコンクリートの製造)
まず、骨材およびセメントを投入し、ミキサで10秒間空練りを行った。その後、(SP1、SP2およびVMAを除く)混和剤および水を投入し、ミキサで90秒間練混ぜを行った。なお、ミキサとしては、強制二軸練りミキサを用いた。
(2)(高流動コンクリートの製造(後添加))
ベースコンクリート品質試験後に、全試料をミキサに戻し、SP1やSP2およびVMAを投入し、ミキサで60秒間練混ぜを行った。
(参考例1)
参考例1は、高性能減水剤を粉体のSP1、SP2から液体状の高性能AE減水剤であるSPに替えたこと以外は、上記実施例1、2に準ずる。
(実施例3、4)
実施例3、4は、実施例1、2とはセメントの種類を変え、次のようにして中流動コンクリートを作製したものである。実施例3はセメントに高炉セメントB種を用いたものである。また、実施例4中の表中における単位量「C」とは、普通ポルトランドセメントを255kg/mとフライアッシュを63kg/mの合計量318kg/mである。
(1)(ベースコンクリートの製造)
まず、骨材およびセメントを投入し、ミキサで10秒間空練りを行った。その後、(SP1およびVMAを除く)混和剤および水を投入し、ミキサで60秒間練混ぜを行った。なお、ミキサとしては、強制二軸練りミキサを用いた。
(2)(高流動コンクリートの製造(後添加))
ベースコンクリート品質試験後に、全試料をミキサに戻し、SP1およびVMAを投入し、ミキサで60秒間練混ぜを行った。
(実施例5、6)
実施例5、6は、SP1、SP2およびVMAを製造時に添加したものである。具体的には、骨材・セメント、増粘剤を投入し、ミキサで10秒間空練りを行った。その後、混和剤および水を投入し、ミキサで90秒間練混ぜを行った。なお、ミキサとしては、強制二軸練りミキサを用いた。粉体状高性能減水剤は、セメントに混合し投入した。
(実施例7、8)
実施例7、8は、ベースコンクリートの水準を下げ、中流動コンクリートを用いたものである。具体的には、次のようにしてコンクリートを作製したものである。
(1)(ベースコンクリートの製造)
まず、骨材およびセメントを投入し、ミキサで10秒間空練りを行った。その後、(SP1およびVMAを除く)混和剤および水を投入し、ミキサで60秒間練混ぜを行った。なお、ミキサとしては、強制二軸練りミキサを用いた。
(2)(中流動コンクリートの製造(後添加))
ベースコンクリート品質試験後に、全試料をミキサに戻し、SP1およびVMAを投入し、ミキサで60秒間練混ぜを行った。
(実施例9−10)
実施例9−10は、高流動コンクリートについて、経時におけるスランプフローの変化を測定したものである。 また、SP1、SP2およびVMAを製造時に添加したものである。具体的には、骨材・セメント、増粘剤を投入し、ミキサで10秒間空練りを行った。その後、混和剤および水を投入し、ミキサで90秒間練混ぜを行った。なお、ミキサとしては、強制二軸練りミキサを用いた。粉体状高性能減水剤は、セメントに混合し投入した。
[コンクリートの測定]
実施例で作製したコンクリートに対し、充填高さ(cm)、スランプ(cm)、スランプフロー(cm)、ブリーディング率(%)などを測定した。なお、各実施例においては、空気量が4.5±1.5%(一般的なコンクリートの空気量の範囲)となるよう配合設計した。
充填高さ、スランプ、スランプフローに関し、各実施例は、2012年制定コンクリート標準示方書[施工編]の規定に基づいて測定を行なった。なお、実施例7および8にかかる中流動コンクリートにおける充填試験では、障害条件をランク3とし、それ以外ではランク2とした。前記障害条件や各コンクリートの要求性能については、表7で示す通りである。また、充填高さ、スランプフローに関しては、東・中・西日本高速道路トンネル施工管理要領の規定に基づいて測定を行った。
Figure 2018184330
ブリーディング率は、JIS A 1123に基づいて測定を行った。
[測定値、判定結果]
表8は測定値を示す。各測定値は、練り上がりから5分経過した時点でサンプリングしたコンクリートの値である。
Figure 2018184330
実施例1〜10と、参考例1との比較から明らかなように、水セメント比が55.0〜60.0%と大きい値を示す場合であっても、参考例1の液体である高性能液体減水剤を添加した際と同等程度以上の物性を示す高流動コンクリートが得られた。
また、実施例1〜4、7および8と、実施例5、6、9および10との比較から明らかなように、高流動コンクリートを得るためには、増粘剤及び高性能減水剤を添加するタイミングは特に限定されない。
また、実施例9および10は、経時のスランプロスの結果を表したものであるが、練上がりから早い時間でスランプロスし、施工面で有利なことがわかる。2012年制定コンクリート標準示方書[施工編]では、「高流動コンクリートの側圧は液圧として設計することを原則とする」としている。これは高流動コンクリートはスランプロスが生じにくく、長時間にわたり側圧が作用するためであるが、今回の実施例のように、紛体状の高性能減水剤を用いた本発明の高流動コンクリートは、スランプロスを生じ易いため、側圧の作用が小さくなり、型枠、支保工の過大な補強が不要となる。
上記実施形態、実施例及び比較例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (5)

  1. セメント、水、骨材、増粘剤、及び粉体状である高性能減水剤を含む流動性の高いコンクリートであって、
    前記増粘剤は、水溶性セルロースエーテル、消泡剤、及びガム類を含み、
    水セメント比が46.1%以上65%以下であり、
    スランプフローが35cm以上75cm以下である、流動性の高いコンクリート。
  2. 前記流動性の高いコンクリートは、2012年制定コンクリート標準示方書[施工編]で規定される充填高さが30cm以上(障害:ランク2)、前記スランプフローが55cm以上75cm以下の高流動コンクリートであることを特徴とする請求項1記載の流動性の高いコンクリート。
  3. 前記流動性の高いコンクリートは、東・中・西日本高速道路トンネル施工管理要領で規定される充填高さが28cm以上(障害:ランク3)であり、且つ前記スランプフローが35cm以上50cm以下の中流動コンクリートであることを特徴とする請求項1記載の流動性の高いコンクリート。
  4. 前記水の単位水量は、前記流動性の高いコンクリート1mあたり、185kg以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の流動性の高いコンクリート。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の流動性の高いコンクリートの製造方法であって、粉体状である高性能減水剤を、骨材およびセメントを水に溶解させた後に添加して製造することを特徴とする、流動性の高いコンクリートの製造方法。
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