JP2018184177A - 包装袋の皺発生防止治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】包装機で包装袋の開口部周縁を封止装置によって封止するときに、包装袋の開口部周縁に皺が発生するのを防止する。【解決手段】包装袋の皺発生防止治具50は、真空包装機10の密閉状態となるチャンバ12内で封止装置20によって包装袋の開口部周縁を封止するときに包装袋の開口部周縁に皺が発生するのを防止するものであり、真空包装機10のチャンバ12内に収容した封止装置20の近傍にて包装袋の開口部周縁の下側に設置される下側支え部材51と、下側支え部材51の上側に設置される上側押さえ部材52とを備えている。【選択図】図2
Description
本発明は、真空包装機等の包装機に用いられるものであり、包装機の密閉可能な状態としたチャンバ内に収容した包装袋の開口部周縁を封止装置によって封止するときに、包装袋の開口部周縁に皺が発生するのを防止する包装袋の皺発生防止治具に関する。
下記の特許文献1には食材、調理物等の被包装物を入れた包装袋を真空包装する真空包装機が開示されている。この真空包装機は、チャンバベースに蓋体を閉止させることにより密閉可能な状態で包装袋を収容するチャンバと、チャンバ内に設けられて包装袋の開口部周縁を上下から挟持した状態で封止する封止装置と、チャンバ内を脱気して負圧化させる真空ポンプとを備えている。この真空包装機の封止装置は、チャンバベースに上下に移動可能に支持された下側ブロックと、下側ブロックの上側でチャンバカバーの下面に設けた上側ブロックと、下側ブロックの上面に設けたヒータとを備えている。
この真空包装機で包装袋を真空包装するときには、包装袋の開口部周縁を下側ブロックに載せるようにしてチャンバベースに横たえて置いて、蓋体を閉めて密閉状態としてからチャンバ内を真空ポンプにより脱気する。チャンバ内の脱気しながら、封止装置の下側ブロックを上側ブロックに押し付けるように上昇させると、包装袋の開口部周縁は下側及び上側ブロックによって挟持され、包装袋の開口部周縁は下側ブロックに設けたヒータによって熱溶着されて封止され、包装袋は真空状態にて密封される。
上記のような真空包装機で包装袋を真空包装するときには、包装袋の開口部周縁は、密閉したチャンバ内にて、下側及び上側ブロックに挟持された状態でヒータによって熱溶着されて封止されている。このとき、包装袋の開口部周縁は上側ブロックと上昇する下側ブロックとの間で皺が発生した状態で挟まれることがあり、包装袋の封止された部分はこの皺によって隙間が生じて密封されないことがあった。包装袋が密封されないと、包装袋から被包装物が漏出することになるので、包装袋を皺がない状態となるまで何度も真空包装を繰り返さないといけなくなる。包装袋の開口部周縁を皺を伸ばしながら下側及び上側ブロックにより挟むようにすれば、包装袋を皺による隙間を生じさせないで密封できるものの、チャンバ内は密閉状態となっているので、包装袋の開口部周縁の皺を伸ばしながら、包装袋の開口部周縁を封止させることができなかった。本発明は、包装機で包装袋の開口部周縁を封止装置によって封止するときに、包装袋の開口部周縁に皺が発生するのを防止することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、チャンバベースに開閉自在な蓋体を閉止させることで密閉可能な状態として包装袋を収容するチャンバと、チャンバ内に設けられて包装袋の開口部周縁を上下から挟持した状態で封止する封止装置とを備え、チャンバ内を密閉状態で包装袋を封止装置により上下から挟持して開口部周縁を封止する包装機に用いられる包装袋の開口部周縁の皺発生を防止する包装袋の皺発生防止治具であり、封止装置の近傍にて包装袋の開口部周縁の下側に設置される下側支え部材と、下側支え部材の上側に設置される上側押さえ部材とからなることを特徴とする包装袋の皺発生防止治具を提供するものである。
上記のように構成した包装袋の皺発生防止治具においては、封止装置の近傍にて包装袋の開口部周縁の下側に設置される下側支え部材と、下側支え部材の上側に設置される上側押さえ部材とを備えたので、チャンバ内を密閉状態とする前に、包装袋の開口部周縁を皺が発生しない状態で下側支え部材と上側押さえ部材とにより予め挟んでおくことで、チャンバ内を密閉状態とした後で、包装袋の開口部周縁を封止装置により封止するときに、包装袋の開口部周縁を皺が発生しない状態で封止させることができ、包装袋を皺による隙間を生じさせないで密封できるようにすることができた。
上記のように構成した包装袋の皺発生防止治具においては、下側支え部材の上面と上側押さえ部材の下面の少なくとも一方には凹部が形成するのが好ましい。このようにしたときには、チャンバ内を密閉状態とした後であっても、包装袋内に含まれる気体を開口部から放出させてから包装袋も開口部周縁を封止するときに、包装袋内に含まれる気体を下側支え部材の上面と上側押さえ部材との間で凹部を通過させて包装袋の開口部から放出させることができるようになった。
上記のように構成した包装袋の皺発生防止治具においては、上側押さえ部材の端部は下側支え部材の端部に回動可能に支持されるのが好ましい。このようにしたときには、上側押さえ部材を回動させるだけで下側支え部材の上側に設置でき、包装袋の開口部周縁を挟みやすくすることができた。
以下、本発明の包装袋の皺発生防止治具の一実施形態を添付図面を参照して説明する。本発明の包装袋の皺発生防止治具は、真空包装機等の包装機で包装袋を密封するのに用いるものであり、特に、密閉状態にしたチャンバ内で包装袋を密封するのに使用するのに適したものである。
包装袋の皺発生防止治具50を使用する真空包装機10は、図1に示したように、ケーシング11の上部に設けたチャンバ12と、チャンバ12内に設けた封止装置20と、ケーシング11の下部に設けられてチャンバ12内を脱気して負圧化させる真空ポンプ30とを備えている。チャンバ12は、密閉状態で包装袋を収容可能としたものであり、上面が開口した浅い皿形をしたチャンバベース13と、チャンバベース13の上面開口を開閉自在に塞ぐ耐圧性のアクリル板よりなる蓋体14とを備えた耐圧容器である。蓋体14は、前端側が上下に移動可能となるように、後端部がケーシング11の後端部に水平軸線回りに回動可能に支持されている。蓋体14の下面の周部にはシール部材としてゴム製のパッキン(図示省略)が設けられており、パッキンはチャンバベース13と蓋体14との間を気密にシールしている。
封止装置20は、包装袋の開口部周縁を封止して、包装袋を密封するものであり、チャンバ12の前部に設けられている。封止装置20はこの実施形態ではヒータ23によって包装袋の開口部周縁を熱溶着させて封止して、包装袋を密封するものである。封止装置20は、チャンバベース13の前部に設けた下側ブロック21と、蓋体14の下面にて下側ブロック21の上側に設けた上側ブロック22と、下側ブロック21の上面に設けたヒータ23とを備えている。
下側ブロック21は左右方向に延びる角形パイプを用いたものであり、チャンバベース13の前部にて上下に移動可能に支持されている。チャンバベース13の下側には下側ブロック21を上下に移動させる昇降機構24が設けられており、下側ブロック21は上側ブロック22に密着する位置と下側に離れた位置とで上下に移動可能となっている。
上側ブロック22は左右方向に延びる弾性変形可能なシリコン製のブロック体よりなり、下側ブロック21の上側にて蓋体14の前部下面に設けられている。ヒータ23は下側ブロック21の上面に設けられた左右方向に延びるニクロム素材よりなる帯板材を用いたものである。ヒータ23は通電によって発熱して包装袋の開口部周縁を熱溶着させるものである。
封止装置20により包装袋を密封するときには、図2(a)に示したように、下側ブロック21の上側に包装袋の開口部周縁を載せるようにして、包装袋をチャンバベース13に寝かせる(横たえる)ように置く。下側ブロック21を昇降機構24によって上側ブロック22に押し付ける位置まで上側に移動させると、包装袋の開口部周縁は下側及び上側ブロック21,22によって挟持され、この状態で、ヒータ23を通電させて発熱させると、包装袋の開口部周縁は熱溶着によって封止され、包装袋は密封されるようになる。
ケーシング11内には真空ポンプ30が設けられており、真空ポンプ30は吸引管路31によってチャンバ12に接続されている。吸引管路31には真空弁32が介装されており、チャンバ12内の空気は真空弁32の開放によって真空ポンプ30によって吸引可能となる。吸引管路31には外気導入弁33が介装されており、チャンバ12内には外気導入弁33を開放することによって外気が導入される。吸引管路31には真空計34が介装されており、真空計34は吸引管路31を介してチャンバ12内の圧力を検出している。
この真空包装機10は制御装置40を備えており、制御装置40はヒータ23、昇降機構24、真空ポンプ30、真空弁32、外気導入弁33及び真空計34に接続されている。制御装置40はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続されたCPU、RAM、ROM及びタイマ(いずれも図示省略)を備えている。制御装置40は、ROMにチャンバ12内の包装物を真空包装するための各種包装プログラムを備えており、真空計34の検出に基づいてヒータ23、昇降機構24、真空ポンプ30、真空弁32、外気導入弁33の作動を制御し、チャンバ12内の包装袋の開口部周縁を封止して、包装袋を真空状態で密封する。
次に、この真空包装機10を用いた包装プログラムの一例について説明する。食材や調理物等の被包装物を入れた包装袋の開口部周縁が下側ブロック21の上側に載るようにして、包装袋をチャンバベース13に寝かせる(横たえる)ように置く。チャンバベース13に対して蓋体14を閉じると、制御装置40は、真空ポンプ30を作動させ、真空弁32を開放させるとともに外気導入弁33を閉止させると、チャンバ12内は真空ポンプ30によって脱気されて負圧化する。
チャンバ12内の圧力が徐々に低下し、真空計34によって検出されるチャンバ12内の真空度が包装プログラムによって規定した所定の真空度以上となると、制御装置40は、真空弁32を閉止させてチャンバ12内の脱気を停止する。制御装置40は、昇降機構24によって下側ブロック21を上側ブロック22に密着させる位置まで上昇させて、包装袋の開口部周縁を下側及び上側ブロック21,22によって挟持させる。制御装置40は、ヒータ23に通電させて発熱させると、包装袋の開口部周縁が熱溶着によって閉じられて、包装袋が真空状態にて密封される。
この真空包装機10では、以下に説明する包装袋の皺発生防止治具50を用いることで、包装袋の開口部周縁を封止するときの皺の発生を防止して、包装袋の開口部周縁が皺によって密封できないのを防ぐようにしている。図2及び図3に示したように、包装袋の皺発生防止治具50は、下側ブロック21の後側に隣接する位置(近傍)に設置される下側支え部材51と、下側支え部材51の上側に設置される上側押さえ部材52とを備えている。下側支え部材51は略直方体形状をした棒状樹脂材を用いたものであり、下側ブロック21と同様に左右方向に延びている。下側支え部材51は下側ブロック21の直ぐ後側に着脱可能に設置され、下側支え部材51の高さは下側ブロック21と同じ高さとなっている。
上側押さえ部材52は、下側支え部材51と同様に左右方向に延びる棒状樹脂材を用いたものであり、下側支え部材51の上側に設置して包装袋の開口部周縁を挟むようにしたものである。図3に示したように、上側押さえ部材52の下面には複数の凹部52aが形成されており、凹部52aは下側支え部材51と上側押さえ部材52との間で包装袋に含まれる気体を開口部側に通過させる機能を有している。
この包装袋の皺発生防止治具50を用いて真空包装機10で包装袋を真空包装するときには、図2(a)に示したように、チャンバベース13の下側ブロック21の直ぐ後側に下側支え部材51を設置し、包装袋の開口部周縁が下側ブロック21と下側支え部材51の上側に載るようにして、包装袋をチャンバベース13に寝かせる(横たえる)ように置く。このあと、包装袋の開口部周縁を皺がないように延ばした後で、図2(b)に示したように、下側支え部材51の上側に包装袋の開口部周縁を挟むように上側押さえ部材52を設置する。この状態では、包装袋の開口部周縁は下側支え部材51と上側押さえ部材52とに挟まれているので、包装袋の開口部周縁は下側ブロック21の上側で動きにくくなる。この状態で、チャンバベース13に対して蓋体14を閉じて、チャンバ12内で蓋体14を閉めるときに発生する空気の流れが生じても、包装袋の開口部周縁は下側ブロック21の上側で皺が発生するように動かないようにすることができる。
チャンバ12内を脱気して負圧化させると、包装袋内に残る空気(気体)や、負圧化されたことによって調理物等の被包装物から気化したガス(気体)が包装袋の開口部からチャンバ12内に放出されるが、包装袋内の空気やガス(気体)は下側支え部材51と上側押さえ部材52との間では上側押さえ部材52の下面に形成された複数の凹部52aを通って開口部からチャンバ12内に放出されるため、包装袋内の脱気に関して皺発生防止治具50が邪魔することがない。また、外付けの窒素などのガスボンベからチューブを介してケーシング11内に設けられたガス充填バルブに接続しチャンバ12内のガスノズルから包装袋内にガスを送る場合も邪魔することがない。
また、チャンバ12内を脱気させながら下側ブロック21を昇降機構24によって上側ブロック22に密着させる位置まで上昇させるときには、チャンバ12内が密閉状態であるために、包装袋の開口部周縁を手指で延ばしておくことができないが、包装袋の開口部周縁は下側支え部材51と上側押さえ部材52とに挟まれているので、下側ブロック21を昇降機構24によって上昇させているときにも、包装袋の開口部周縁に皺が発生するように動くのを防ぐことができる。
この実施形態の包装袋の皺発生防止治具50は、下側支え部材51と上側押さえ部材52とを互いに別体で設けたが、本発明はこれに限られるものでなく、図4に示したように、下側支え部材51の長手方向の端部に上側押さえ部材52の長手方向の端部を回動可能に支持させてもよい。
この実施形態の包装袋の皺発生防止治具50は、上側押さえ部材52の下面に包装袋内の気体を通過させる凹部52aを形成したが、本発明はこれに限られるものでなく、下側支え部材51の上面に凹部を形成したものであってもよい。さらに、凹部52aの形状は図に示した物に限られるものでなく、包装袋内の気体を通過させることができる形状であれば他の形状であってもよい。
この実施形態の包装袋の皺発生防止治具50では、下側支え部材51と上側押さえ部材52を封止装置20の下側ブロック21の近傍として直ぐ後側に隣接する位置に設置するようにしたが、本発明はこれに限られるものでなく、下側ブロック21の長手方向と交差(直交)する方向として直ぐ前側に隣接する位置に設置するようにしてもよい。
10…真空包装機、12…チャンバ、14…蓋体、20…封止装置、40…包装袋の皺発生防止治具、51…下側支え部材、52…上側押さえ部材、52a…凹部。
Claims (3)
- チャンバベースに開閉自在な蓋体を閉止させることで密閉可能な状態として包装袋を収容するチャンバと、前記チャンバ内に設けられて前記包装袋の開口部周縁を上下から挟持した状態で封止する封止装置とを備え、前記チャンバ内を密閉状態で前記包装袋を前記封止装置により上下から挟持して開口部周縁を封止する包装機に用いられる前記包装袋の開口部周縁の皺発生を防止する包装袋の皺発生防止治具であり、
前記封止装置の近傍にて前記包装袋の開口部周縁の下側に設置される下側支え部材と、前記下側支え部材の上側に設置される上側押さえ部材とを備えたことを特徴とする包装袋の皺発生防止治具。 - 請求項1に記載の包装袋の皺発生防止治具において、
前記下側支え部材の上面と前記上側押さえ部材の下面の少なくとも一方には凹部が形成されたことを特徴とする包装袋の皺発生防止治具。 - 請求項1に記載の包装袋の皺発生防止治具において、
前記上側押さえ部材の端部は前記下側支え部材の端部に回動可能に支持されたことを特徴とする包装袋の皺発生防止治具。
Priority Applications (1)
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Publications (1)
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Cited By (2)
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JP2021037980A (ja) * | 2019-09-02 | 2021-03-11 | ホシザキ株式会社 | 真空包装機 |
WO2022044993A1 (ja) * | 2020-08-25 | 2022-03-03 | 朝日産業株式会社 | 脱気装置 |
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