(第1実施形態)
以下、本発明の加熱封止装置を採用した真空包装機の第1実施形態を添付図面を参照して説明する。図1~図4に示したように、本発明の加熱封止装置を採用した真空包装機10(機器)は、チャンバカバー22の左右方向(B-B線に沿った方向)の中央部が上側に膨らむように突出して、ブロック肉のような高さの高い被包装物が収納された包装袋をチャンバ20内に収容可能としたものである。真空包装機10は、ケーシング11の上部に設けられたチャンバ20と、チャンバ20内にて包装袋の開口周縁部を密封する加熱封止装置30と、ケーシング11でチャンバ20の下側となる下部にチャンバ20内を脱気して負圧化させる真空ポンプ40とを備えている。
図1~図4に示したように、ケーシング11は、略直方体形状をし、ケーシング11の上部にはチャンバ20が設けられている。チャンバ20は、ケーシング11の上部に設けたチャンバベース21(基台)とチャンバカバー22とを備え、チャンバベース21の上側をチャンバカバー22により開閉自在に塞ぐことで内部に包装袋を収容する密閉空間が形成されている。
図2に示したように、チャンバベース21は、上面が開口した略直方体形状をした浅い箱形をし、ステンレス等の板金部材をプレス加工によって形成したものである。図3に示したように、チャンバベース21の前部には他の部分より浅く形成された段部21aが形成されており、段部21aの上側には加熱封止装置30を構成する下側ブロック31が上下動可能に設けられている。
図4に示したように、チャンバベース21の段部21aを除く部分は左右方向の中央部が最も低くなるように湾曲しており、チャンバ20内に収容する包装袋は最も低くなっている左右方向の中央部に置かれやすくなっている。包装袋はチャンバ20内で左右方向の中央に置かれることで、包装袋の開口周縁部は下側ブロック31の左右方向の中央部に載せられる。また、包装袋内にブロック肉等の高さの高い被包装物を入れているときには、包装袋の開口周縁部に皺を発生させないようにするために、包装袋内の被包装物はチャンバ20の前部に配置される下側ブロック31から後側に離した位置として前後方向(A-A線に沿った方向)の中間部に置かれる。
図1及び図2に示したように、チャンバカバー22は、チャンバベース21の上面開口を開閉自在に塞ぐ耐圧性のアクリル材、ポリカーボネート材またはポリエチレンテレフタラート材等の透明性のある材料を用いた蓋体であり、チャンバベース21との間に包装袋を収容する密閉空間を形成するものである。チャンバカバー22の後端部はケーシング11の後端部に水平軸線回りに回動可能に軸支されており、チャンバカバー22の前部は上下に回動可能となっている。図1に示したように、チャンバカバー22は水平位置にあるときにはチャンバベース21の上面開口を塞ぐ閉止位置となっている。図2に示したように、チャンバカバー22の前部を上側に回動させると、チャンバカバー22は傾斜位置になってチャンバベース21の上面を開放する開放位置となる。
図2及び図3に示したように、ケーシング11の後部にはガススプリング12が設けられており、ガススプリング12はチャンバカバー22の前部を上方に付勢しており、チャンバカバー22をチャンバベース21から開放する開放位置に付勢している。図2~図4に示したように、チャンバカバー22の下面の周縁部にはシール部材としてゴム製のパッキン23が設けられており、パッキン23はチャンバカバー22を閉じて閉止位置としたときにチャンバベース21とチャンバカバー22との間を気密にシールする。
図1、図3及び図4に示したように、チャンバカバー22は、左右方向の両側部に平坦な板状を呈した平坦部22aと、左右方向の中央部に上側に膨らむように突出する突出部22bを備えている。また、平坦部22aと突出部22bとの間には平坦部22aから突出部22bに立ち上がる立ち上がり部22cが形成されている。平坦部22aの下面はチャンバベース21の上縁部と当接する高さとなっており、チャンバベース21の左右両側部を覆っている。
図1及び図2に示したように、ケーシング11の右側面の前端部にはストッパ13が水平軸線回りに回動可能に設けられており、ストッパ13はチャンバカバー22の前部上面に係止して、チャンバカバー22をチャンバベース21の上面開口を塞ぐ位置に保持する機能を有している。
図5に示したように、ケーシング11の後部にはチャンバカバー22の閉止状態を検知するカバー検知器14が設けられている。カバー検知器14はリードスイッチ等の近接スイッチを用いたものであり、チャンバカバー22の後部にはカバー検知器14によりチャンバカバー22の閉止状態を検知させる磁石15が設けられている。チャンバカバー22がチャンバベース21の上面開口を塞ぐ閉止位置にあるときには、磁石15はカバー検知器14に近接し、カバー検知器14はオン信号を出力する。チャンバカバー22がチャンバベース21の上面開口を開放する開放位置にあるときには、磁石15はカバー検知器14から離間し、カバー検知器14はオフ信号を出力する。
図2、図3及び図5に示したように、チャンバ20の前部には加熱封止装置30が設けられている。加熱封止装置30はチャンバ20内に収容した包装袋の開口周縁部を熱溶着によって封止して包装袋を密封するものである。加熱封止装置30は包装袋の開口周縁部を挟持する下側及び上側ブロック31,32とを備えている。下側ブロック31はアルミニウム製の角パイプ部材よりなり、チャンバベース21の段部21aの上側に着脱可能かつ上下動可能に支持されている。上側ブロック32は弾性変形可能なシリコン製のブロック体よりなり、下側ブロック31の上側に対向する位置にて、チャンバカバー22の下面前部に取り付けられている。
下側ブロック31の上面には電気絶縁のために貼着されたテフロン(登録商標)製のテープを介してニクロム素材よりなる帯板状をしたヒータ33が設けられており、下側ブロック31の上面にはヒータ33の上面を覆うようにしてテフロン(登録商標)製のテープが貼着されている。図6に示したように、下側ブロック31の長手方向の両端部には上下方向の中間部に銅板よりなる左右一対の支持板31aが設けられており、これら支持板31aには上述したヒータ33の両端部が電気的に接続されている。
下側ブロック31の下部には、第1支持軸35aが下側から挿通される第1挿通孔31cと、第2支持軸35bが下側から挿通される第2挿通孔31eとが設けられている。具体的には、下側ブロック31の下面には、図6、図7及び図9に示したように、第1挿通孔31cを有する第1ガイド部材31b及び第2挿通孔31eを有する第2ガイド部材31dが設けられている。
第1ガイド部材31bは、下側ブロック31の下部左側部に設けられている。第1ガイド部材31bは、図7及び図8に示したように、長方形状の板状部材であり、円筒状に凸設されたガイド部31b1が設けられている。ガイド部31b1は、第1支持軸35aを案内する第1挿通孔31cが形成されている。第1挿通孔31cは、第1支持軸35aが挿通可能である大径部31c1と、大径部31c1より小径であり第1支持軸35aと係合可能である小径部31c2とを備えている。
大径部31c1は、第1支持軸35aの外径より大きな内径の円弧状に形成された周壁面を有している。大径部31c1は、第1支持軸35aを上下に挿通させ、第1支持軸35aと係合しない。小径部31c2は、大径部31c1と連続して形成されている。このとき、第1挿通孔31cは、第1支持軸35aの環状溝35a1が大径部31c1と小径部31c2との間を往復動可能となるように構成されている。小径部31c2は、第1支持軸35aの外径(第1支持軸35aの周壁面の外径)より小さくかつ第1支持軸35aの環状溝35a1の外径より大きな内径の円弧状に形成された周壁面を有している。これにより、小径部31c2は、上下動を規制するように第1支持軸35aと係合し、第1支持軸35aを上下に挿通させない。
また、小径部31c2の軸方向の幅(厚み)は、環状溝35a1の溝幅より大きくなるように設定されている。これにより、小径部31c2と環状溝35a1が上下動を規制する状態(係合状態)にあっても、下側ブロック31は右端部を基点に左端部を傾動させることができる。小径部31c2の軸方向の幅、及び環状溝35a1の溝幅は、小径部31c2と環状溝35a1が係合状態にあっても、下側ブロック31の左端部を上側に移動させて(図9(c)参照)第2支持軸35bを第2挿通孔31eに着脱可能である値に設定されている。
このように、第1実施形態においては、第1挿通孔31cの小径部31c2は、第1支持軸35aが第1挿通孔31cに対して上下動を規制するように係合する係合部である。第1支持軸35aの環状溝35a1は、第1支持軸35aが第1挿通孔31cに対して上下動を規制するように係合部である小径部31c2に離脱可能に係合する被係合部である。具体的には、第1挿通孔31cの小径部31c2の上側開口周縁部と環状溝35a1の上壁35a2が係合することにより、第1挿通孔31cに対する第1支持軸35aの下側への相対移動を規制する。また、第1挿通孔31cの小径部31c2の下側開口周縁部と環状溝35a1の下壁35a3が係合することにより、第1挿通孔31cに対する第1支持軸35aの上側への相対移動を規制する。
第2ガイド部材31dは、下側ブロック31の下部右側部に設けられている。第2ガイド部材31dは、図6、図7及び図9に示したように、長方形状の板状部材であり、円筒状に凸設されたガイド部31d1が設けられている。ガイド部31d1は、第2支持軸35bを案内する第2挿通孔31eが形成されている。第2挿通孔31eは、第2支持軸35bが挿通可能であり、第2挿通孔31eの内径は、第2支持軸35bの外径より若干大径に形成されている。
図3、図5及び図6に示したように、チャンバベース21の段部21aの下面には下側ブロック31を上下に昇降させる左右一対の昇降機構34が設けられている。左右一対の昇降機構34は、左側に位置する第1昇降機構34aと右側に位置する第2昇降機構34bとから構成されている。第1昇降機構34aはチャンバベース21の段部21aの底壁を貫通する第1支持軸35aと、第1支持軸35aを上下動させる昇降シリンダ36とを備えている。なお、第1支持軸35aと第2支持軸35bは左右一対の支持軸35である。
図6及び図9に示したように、第1支持軸35aは、先端部を除いて軸方向全長に亘って同一外径の周壁面を有する円柱状に形成されている。第1支持軸35aの先端部には、第1挿通孔31cの小径部31c2に離脱可能に係合する被係合部としての環状溝35a1が設けられている。環状溝35a1は、円環状である上壁35a2及び円環状である下壁35a3を有している。環状溝35a1の周壁部(上壁35a2と下壁35a3との間に形成されている。)の外径は、第1支持軸35aの周壁面の外径より小径である。
図5及び図6に示したように、第1支持軸35aの軸方向の中間部には鍔部37が設けられており、鍔部37は昇降シリンダ36内を上部空間36aと下部空間36bとに気密に仕切っている。昇降シリンダ36の上部空間36aには第1支持軸35aの外周にバネ部材38が介装されており、バネ部材38は鍔部37を介して第1支持軸35aを下側に付勢している。
なお、鍔部37は外周縁が昇降シリンダ36に固定され内周縁が第1支持軸35aに固定されたダイアフラム37aを有している(図6参照)。これにより、第1支持軸35aは、昇降シリンダ36に対して相対回転しないように構成されている。この構成が第1支持軸35aの相対回転を規制する回転規制構造である。また、回転規制構造を、第1支持軸35a及び昇降シリンダ36にそれぞれ設けて相対回転を規制する係合凸部及び係合凹部から構成するようにしてもよい。
第2昇降機構34bはチャンバベース21の段部21aの底壁を貫通する第2支持軸35bと、第2支持軸35bを上下動させる昇降シリンダ36とを備えている。図6及び図9に示したように、第2支持軸35bは、軸方向全長に亘って同一外径の周壁面を有する円柱状に形成されている。図5及び図6に示したように、第2支持軸35bの軸方向の中間部には鍔部37が設けられており、鍔部37は昇降シリンダ36内を上部空間36aと下部空間36bとに気密に仕切っている。昇降シリンダ36の上部空間36aには第2支持軸35bの外周にバネ部材38が介装されており、バネ部材38は鍔部37を介して第2支持軸35bを下側に付勢している。
図6(a)に示したように、昇降機構34により支持軸35を上昇させていないときには、下側ブロック31は上側ブロック32と離間した封止用下降位置にある。このとき、電源に接続された第2支持軸35bの先端はヒータ33に接続された支持板31aの下面に当接せずに離間しており、ヒータ33は電源に対して電気的に接続されていない(非通電状態である)。
この状態から、図6(b)に示したように、真空ポンプ40により昇降シリンダ36の上部空間36aを減圧して支持軸35をバネ部材38の付勢力に抗して上昇させると、支持軸35の上端が支持板31aの下面に当接し、さらに下側ブロック31を上側に持ち上げ、下側ブロック31が上側ブロック32に押圧する封止用上昇位置まで移動させる。このとき、電源に接続された左右一対の支持軸35の先端はヒータ33に接続された支持板31aの下面に当接しており、ヒータ33は電源に対して電気的に接続可能な状態となっている(通電可能状態となる)。
次に、下側ブロック31の組み付け方法について、図9を参照して説明する。最初に、図9(a)に示したように、第1挿通孔31cの大径部31c1が第1支持軸35aの上側に位置するように、下側ブロック31を第1支持軸35aと第2支持軸35bの上側に配置する。このとき、第2支持軸35bの上端面は、第2挿通孔31eに対向する位置に配置されてなく、第2挿通孔31eに対向する位置より大径部31c1と小径部31c2との中心間距離分だけ左側位置に位置している。
図9(a)に示した位置から下側ブロック31を下側に移動させると、図9(b)に示したように、第1支持軸35aは大径部31c1に挿入される。このとき、第2支持軸35bの上端面は、第2挿通孔31eに対向する位置に配置されてないので、第2支持軸35bの第2挿通孔31eへの挿通が規制され、下側ブロック31の右側は左側より高くなるように傾いている。図9(b)に示したように、第1支持軸35aが第1挿通孔31cの大径部31c1に上下動可能に挿通されるとともに、第2支持軸35bが第2挿通孔31eへの挿通が規制されている下側ブロック31の位置は、下側ブロック31を第1及び第2支持軸35a,35bに取り付けるための取付用位置とした第1位置である。
図9(b)に示した第1支持軸35aを大径部31c1に挿入した状態で、下側ブロック31を左側に移動させると、図9(c)に示したように、第1支持軸35aは第1挿通孔31c内を大径部31c1から小径部31c2に移動する。このとき、第1支持軸35aの環状溝35a1の周壁部が小径部31c2と係合しながら案内される。そして、下側ブロック31を中心間距離分だけ移動させると、第2挿通孔31eが第2支持軸35bの上側に位置するようになり、第2支持軸35bは第2挿通孔31eに対して挿通可能となる。
図9(c)に示した第1支持軸35aの環状溝35a1の周壁部を小径部31c2に係合させた状態で、図9(d)に示したように、下側ブロック31の右側部を下側に移動させると、第2支持軸35bは第2挿通孔31eに挿通される。このとき、第1支持軸35aの環状溝35a1の周壁部が小径部31c2に係合しているので、第1支持軸35aの第1挿通孔31cに対する上下動が規制されている。図9(d)に示したように、第1支持軸35aが第1挿通孔31cに対する上下動が規制されるとともに、第2支持軸35bは第2挿通孔31eに対して上下動可能に挿通された下側ブロック31の位置は、下側ブロック31を昇降機構34により上昇させて、包装袋の開口周縁部を下側及び上側ブロック31,32とともに挟持して包装袋の開口周縁部を封止するときのための封止用下降位置とした第2位置である。
下側ブロック31を取り外すときには、上述した下側ブロック31の組み付け方法と逆の手順で行う。図9(d)に示した状態で、下側ブロック31の右側部を上側に持ち上げると、図9(c)に示したように、第2挿通孔31eから第2支持軸35bが抜け、下側ブロック31は、右側を高く傾斜した状態となる。図9(c)に示した状態で、下側ブロック31を右側に移動させると、図9(b)に示したように、第1支持軸35aは第1挿通孔31c内を小径部31c2から大径部31c1に移動して、第1支持軸35aは第1挿通孔31cの大径部31c1に上下動可能に挿通された状態となる。図9(b)に示した状態から、下側ブロック31を上側に移動させると、図9(a)に示したように、第1支持軸35aが第1挿通孔31cから抜き取られ、下側ブロック31が一対の支持軸35から取り外される。
図5に示したように、ケーシング11内の下部には真空ポンプ40が設けられている。真空ポンプ40は主としてチャンバ20内の空気を吸引し、チャンバ20内の密閉空間の空気を排気して、チャンバ20内を負圧化するものである。ケーシング11内には真空ポンプ40とチャンバ20とを接続する吸引管(吸引経路)41が設けられており、吸引管41には真空弁42が介装されている。チャンバ20内の空気は真空弁42の開放によって真空ポンプ40に吸引可能となる。
吸引管41にはチャンバ20と真空弁42との間に外気を導入する外気導入管43が接続されており、外気導入管43は第1管部43aと、第1管部43aから分岐した第2管部43bとを備えている。第1及び第2管部43a,43bにはこれらを開閉する第1及び第2外気導入弁44,45が介装されている。第1外気導入弁44は第2外気導入弁45より弁口径が大きく形成されており、第1外気導入弁44を開放したときにはチャンバ20内に速く外気が導入され、第2外気導入弁45を開放したときには、チャンバ20内にゆっくりと外気が導入される。
吸引管41には外気導入管43の第1管部43aを介して圧力検出管46が接続されており、圧力検出管46にはチャンバ20の圧力を検出する真空計47が設けられている。チャンバ20内を真空ポンプ40により脱気していないときには、真空計47により検出されるチャンバ20内の圧力は大気圧と同じ100kPa(abs)であり、このときの真空度は0%である。チャンバ20内を真空ポンプ40により脱気して負圧化させ、真空計47により検出されるチャンバ内の圧力が0kPa(abs)であるときには、真空度は100%である。なお、真空計47によって直接検出されるのはチャンバ20内の圧力であるが、以後の説明では、真空計47によって検出された圧力をチャンバ20内の真空度Pに置き換えて説明をする。
吸引管41には真空ポンプ40と真空弁42との間からシリンダ管48が分岐しており、シリンダ管48は昇降シリンダ36の上部空間36aに接続されている。シリンダ管48には三方弁49が介装されており、三方弁49の2つのポートはシリンダ管48の真空ポンプ40側と昇降シリンダ36側に接続され、三方弁49の残る1つのポートは外気側に開放されている。三方弁49の真空ポンプ40側と昇降シリンダ36側を連通状態で真空ポンプ40を作動させると、昇降シリンダ36の上部空間36aは負圧化され、支持軸35はバネ部材38の付勢力に抗して上昇する。三方弁49の昇降シリンダ36側と外気側とを連通状態にすると、昇降シリンダ36の上部空間36aは負圧化されないようになり、支持軸35はバネ部材38の付勢力によって下降する。
図2、図3及び図5に示したように、チャンバ20内には収容した包装袋の膨らみを検知する膨らみ検知部50が設けられている。膨らみ検知部50はチャンバカバー22の下面前部に水平軸線回りに回動可能に支持された検知プレート51と、検知プレート51の後端に固定した磁石52と、検知プレート51の位置を検出するリードスイッチ等の近接スイッチよりなる膨らみ検知器53とを備えている。
検知プレート51は下側及び上側ブロック31,32と同様に左右方向に延びる帯板形状をしている。検知プレート51は、チャンバカバー22の下面の上側ブロック32の直ぐ後側に配置され、後側が上下動するように水平軸線回りに回動可能に支持されている。検知プレート51の左端部の後端には磁石52が固定されており、磁石52は検知プレート51の回動によって上下動する。チャンバ20内に収容した包装袋が膨らんでいないときには、検知プレート51は斜め下方に傾斜しており、検知プレート51の後端の磁石52はチャンバ20内の下部に位置(下位置)する(図3及び図5の実線にて示した)。チャンバ20内に収容した包装袋が膨らんだときには、検知プレート51は膨らんだ包装袋によって持ち上げられて回動し、検知プレート51の後端の磁石52はチャンバ20内の上部に位置(上位置)する(図3及び図5の二点鎖線で示した)。
膨らみ検知器53は、包装袋が膨らんだときに上側に回動する検知プレート51の後端の磁石52の位置を検知することで包装袋の膨らみを検知するものである。膨らみ検知器53はチャンバベース21の外側にて上位置となった検知プレート51の磁石52に対向する位置に配置されている。包装袋が膨らんでなくて検知プレート51の磁石52が下位置にあるときには、膨らみ検知器53は下位置にある磁石52が離間していることでオフ信号を出力する。包装袋が膨らんで検知プレート51の磁石52が上位置にあるときには、膨らみ検知器53は上位置にある磁石52が近接することでオン信号を出力する。
さらに、上記のように構成した真空包装機10の包装プログラムを実行したときの作動について説明する。真空包装機10においては、チャンバ20内にて封止用下降位置(図6(a)参照)にある下側ブロック31に包装袋の開口周縁部を載置し、真空ポンプ40によりチャンバ20内を減圧する。チャンバ20内が所定の真空度となった後、真空ポンプ40により左右の昇降シリンダ36の上部空間36aが減圧され、左右の支持軸35がバネ部材38の付勢力に抗して上昇する。このとき、支持軸35は先ず下側ブロック31の支持板31aに当接し、さらに、下側ブロック31を封止用上昇位置(図6(b)参照)まで上昇させ、上側ブロック32に押圧させる。このとき、下側ブロック31に載置した包装袋の開口周縁部は下側ブロック31と上側ブロック32とにより挟まれて保持される。この状態にて、ヒータ33は電源から支持軸35及び支持板31aを介して通電されることにより発熱し、上側及び下側ブロック31,32に挟持された包装袋の開口周縁部は熱溶着されて密封される。その後、第1外気導入弁44及び/または第2外気導入弁45を開放させることで、チャンバ20内に大気が導入されて、チャンバ20内が大気圧に戻るとともに、昇降シリンダ36の上部空間36aも大気が導入されることにより、支持軸35はバネ部材38の付勢力により再び下降し、下側ブロック31は封止用下降位置まで戻る。
上記のように構成した第1実施形態に係る真空包装機10の加熱封止装置30は、チャンバベース21(基台)上に上下動可能に設けられて、上部にヒータ33を有した下側ブロック31と、下側ブロック31の上側に設けられて、下側ブロック31を上側に移動させたときに下側ブロック31と共に熱溶着可能な包装袋を挟持する上側ブロック32と、チャンバベース21に設けられて下側ブロック31を上下動させる昇降機構34と、を備えている。昇降機構34は、上下動可能に設けた第1支持軸35a及び第2支持軸35bにより下側ブロック31を上下動可能に支持し、ヒータ33は、通電されて、下側ブロック31及び上側ブロック32によって挟持された包装袋の開口周縁部を熱溶着して封止する。
この加熱封止装置30において、下側ブロック31の下部には、第1支持軸35aが下側から挿通される第1挿通孔31cと、第2支持軸35bが下側から挿通される第2挿通孔31eとを備え、第1挿通孔31cには第1支持軸35aが第1挿通孔31cに対して上下動を規制するように係合する小径部31c2(係合部)を設け、第1支持軸35aには第1支持軸35aが第1挿通孔31cに対して上下動を規制するように小径部31c2に離脱可能に係合する環状溝35a1(被係合部)を設け、下側ブロック31が第1位置にあるときには、小径部31c2が環状溝35a1と非係合状態にあって第1支持軸35aが第1挿通孔31cに対して上下動可能に挿通されるとともに、第2支持軸35bの第2挿通孔31eへの挿通が規制され、下側ブロック31を第1位置から第2位置に移動させると、小径部31c2が環状溝35a1と係合状態となって第1支持軸35aの第1挿通孔31cに対する上下動が規制されるとともに、第2支持軸35bが第2挿通孔31eに対して上下動可能に挿通されている。
包装プログラムを実行して、封止用下降位置である第2位置に位置させた下側ブロック31を封止用上昇位置まで上昇させて、下側及び上側ブロック31,32によって挟持された包装袋の開口周縁部を熱溶着して封止したときに、包装袋の開口周縁部の熱溶着した部分が下側ブロック31と上側ブロック32とを一時的に弱く接着させることがある。この加熱封止装置30においては、第2位置に位置する下側ブロック31が第1支持軸35a及び第2支持軸35bに取り付けられているとき、第1支持軸35aの環状溝35a1(被係合部)が第1挿通孔31cの小径部31c2(係合部)に係合した係合状態により、第1支持軸35aは第1挿通孔31cから抜けるのが防止されている。これにより、チャンバカバー22の開放に伴って、包装袋の開口周縁部の熱溶着した部分が下側ブロック31と上側ブロック32とを接着させた状態で上側ブロック32に上向きの力が作用しても、下側ブロック31は上側ブロック32とともに持ち上がらないようにすることができる。
この第1実施形態では、第1支持軸35aの先端部には被係合部として環状溝35a1を設け、第1挿通孔31cは、第1支持軸35aの外径より大きな内径の円弧状に形成された周壁面を有する大径部31c1と、大径部31c1と連続して形成されて第1支持軸35aの外径より小さくかつ環状溝35a1の外径より大きな内径の円弧状に形成された周壁面を有する係合部としての小径部31c2とを備え、下側ブロック31が第1位置にあるときには第1支持軸35aは大径部31c1に上下動可能に挿通され、下側ブロック31が第2位置にあるときには小径部31c2が第1支持軸35aの環状溝35a1の上壁35a2に係合することにより、下側ブロック31の上下動が規制されている。このように第1実施形態では、比較的簡単な構成によって、第1支持軸35aが第1挿通孔31cから抜けないようにして、下側ブロック31が上側ブロック32とともに持ち上がらないようにすることができる。
また、下側ブロック31を第1支持軸35a及び第2支持軸35bに取り付ける際には、最初に、第1支持軸35aを第1挿通孔31cに挿通させて下側ブロック31を第1位置に配置し、次に、第2支持軸35bを第2挿通孔31eに挿通させるように下側ブロック31を第1位置から第2位置に移動させて、下側ブロック31を第1支持軸35a及び第2支持軸35bに取り付けることができる。下側ブロック31を第1支持軸35a及び第2支持軸35bから取り外す際には、最初に、第1支持軸35aを第1挿通孔31cに挿通したままで第2支持軸35bを第2挿通孔31eから抜き取って、下側ブロック31を第2位置から第1位置に移動させ、次に、第1支持軸35aを第1挿通孔31cから抜き取ることで、下側ブロック31を第1支持軸35a及び第2支持軸35bから取り外すことができる。このように、下側ブロック31を上側ブロック32とともに持ち上がらないような構造としても、下側ブロック31を第1及び第2支持軸35a,35bに対して容易に着脱することができる。
また、加熱封止装置30においては、第1挿通孔31cには第1支持軸35aが第1挿通孔31cに対して上下動を規制するように係合する小径部31c2が設けられ、第1支持軸35aには第1支持軸35aが第1挿通孔31cに対して上下動を規制するように小径部31c2に離脱可能に係合する環状溝35a1が設けられている。さらに、第2支持軸35b及び第2挿通孔31eには、これらが互いに係合する係合構造は設けられていない。これにより、第1支持軸35aは、第1挿通孔31cのみに組み付け可能であり、第2挿通孔に取り付けることができないので、下側ブロック31を一対の支持軸35に対して逆向きに取り付けるのを防止することができる。
なお、上述した第1実施形態では、ダルマ孔形状の第1挿通孔31cの長手方向(大径部31c1と小径部31c2の中心を結ぶ線に沿った方向)を第1ガイド部材31bの長手方向に沿って延設するように形成したが、ダルマ孔形状の第1挿通孔31cを第1ガイド部材31bの長手方向に対して傾斜させて延設(傾斜方向)するように形成してもよい。これによれば、第1支持軸35aは、下側ブロック31に対して下側ブロック31の長手方向に沿って直線的に移動するのでなく、下側ブロック31に対して前記傾斜方向に沿って直線的に移動することが可能となる。よって、熱溶着後にチャンバカバー22を開く際に、上側ブロック32に接着した下側ブロック31は挿通可能な第2支持軸35b側から持ち上がり下側ブロック31が第2支持軸35b側に向けて斜め上方に引っ張られたとしても、第1位置に位置する下側ブロック31は第2位置に移動されないので、第1支持軸35aが第1挿通孔31cから抜けるのを防止することができる。よって、熱溶着後にチャンバカバー22を開く際に、下側ブロック31が一対の支持軸35a,35bから抜けるのをより確実に防止することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の加熱封止装置を採用した真空包装機の第2実施形態を図10~12を参照して説明する。上述した第1実施形態の加熱封止装置30においては、下側ブロック31を直動(または平行移動)させて第1位置と第2位置との間を移動する構成としたが、これに代えて、第2実施形態の加熱封止装置30においては、下側ブロック31を第1支持軸135aまわりに回動させて第1位置と第2位置との間を移動する構成としている。
第1支持軸135aは、図10に示したように、先端部を除いて円柱状に形成されており、周壁面135a1と上端面135a2とを有している。第1支持軸135aの先端部(上端部、上端面135a2)は、例えば、上側から視ていわゆるIカット形状に形成されており、上端面135a2の左右両端部側に位置する一対の支持軸凹部135a3,135a3と、上端面135a2の前後両端部側に位置する一対の溝部135a4,135a4を備えている。支持軸凹部135a3は、円柱状をした側面である周壁面135a1の先端部の左右側部(一部)を内側に凹むように形成されている。支持軸凹部135a3は、上側から視て弓形形状に形成されている。
溝部135a4は、支持軸凹部135a3の下部に連続して形成されており、後述する挿通孔凸部131c1(係合部)と係合する被係合部として機能する。溝部135a4は、一対の支持軸凹部135a3,135a3間を連続するように形成されており、一対の上壁135a5,135a5、第1支持軸135aの大径部135a8の環状上端面の一部をなす一対の下壁135a6,135a6、及び第1支持軸135aの小径部135a9(大径部135a8より小径である。)の周壁面をなす周側壁135a7を有している。なお、一対の上壁135a5,135a5は、小径部135a9の周壁面から外側に突出するように形成された凸部の下壁ということもできる。
第1支持軸135aが挿通可能な第1挿通孔131cは、図11に示したように、第1ガイド部材131bに形成されている。第1ガイド部材131bは、例えば長方形状の板状部材である。第1挿通孔131cは、内側に突出するように形成した係合部としての一対の挿通孔凸部131c1,131c1を備えている。一対の挿通孔凸部131c1,131c1は、第1挿通孔131cの互いに対向する部位(前後両端部位)に設けられている。第1挿通孔131cの上側から視た形状は、第1支持軸135aの先端部を上から視た形状とほぼ同一(相似)であり、第1支持軸135aの先端部は第1挿通孔131cより若干小さく形成されている。
このよう構成した第1挿通孔131cの形状と第1支持軸135aの先端部の形状とを合わせるように、第1ガイド部材131bを第1支持軸135aに対して配置すると、第1支持軸135aの先端部は第1挿通孔131cに挿通可能である。また、第1挿通孔131cに第1支持軸135aの先端部を挿通した後に、第1ガイド部材131bを90度回動させると、一対の挿通孔凸部131c1,131c1が一対の溝部135a4,135a4に上下に係合した状態(係合状態)となる。すなわち、挿通孔凸部131c1の上面が溝部135a4の上壁135a5と係合することで、第1支持軸135aが第1ガイド部材131bに対して下側に相対的に移動するのが規制される。また、挿通孔凸部131c1の下面が溝部135a4の下壁135a6と係合することで、第1支持軸135aが第1ガイド部材131bに対して上側に相対的に移動するのが規制される。
また、挿通孔凸部131c1(第1ガイド部材131b)の厚み(上下方向の厚み)は、溝部135a4の溝幅より小さくなるように設定されている。これにより、第1ガイド部材131bが第1支持軸135aから抜けない状態にあっても、第1ガイド部材131bは制限範囲内で自由に移動可能であり、下側ブロック31は左端部を基点に右端部を傾けることができる。すなわち、下側ブロック31の右側を左側より高くなるように傾斜した状態で下側ブロック31を回動することが可能となる。
下側ブロック31の組み付け方法について、図12を参照して説明する。なお、図12においては、第1支持軸135aと第1ガイド部材131bの関係を示し、第1ガイド部材131bが設けられている下側ブロック31を省略している。最初に、第1挿通孔131cが第1支持軸135aの上側に位置し、第2挿通孔31eが設けられている他端側を後側に向けて延設するように、下側ブロック31を配置する。このとき、図12(a)に示したように、第1挿通孔131cの形状と第1支持軸135aの先端部の形状とを合わせるように、第1ガイド部材131bが第1支持軸135aに対向して配置されている。さらに、第2支持軸35bの上端面は、第2挿通孔31eに対向する位置に配置されていない。
このように配置されている下側ブロック31を下側に移動させると、第1支持軸135aは第1挿通孔131cに挿入される。このとき、第2支持軸35bの上端面は、第2挿通孔31eに対向する位置に配置されてないので、第2支持軸35bの第2挿通孔31eへの挿通が規制される。このように、第1支持軸135aが第1挿通孔131cに上下動可能に挿通されるとともに、第2支持軸35bが第2挿通孔31eへの挿通が規制されている下側ブロック31の位置は、下側ブロック31を第1及び第2支持軸135a,35bに取り付けるための取付用位置とした第1位置である(図12(a)参照)。
次に、第1支持軸135aを第1挿通孔131cに挿入した状態で、下側ブロック31を右側部を持ち上げながら時計回りに回動させる。このとき、挿通孔凸部131c1が第1支持軸135aの溝部135a4と係合しながら案内される。そして、下側ブロック31を90度だけ回動させると、第2挿通孔31eが第2支持軸35bの上側に位置するようになり、第2支持軸35bは第2挿通孔31eに対して挿通可能となる。
そして、挿通孔凸部131c1を第1支持軸135aの溝部135a4に係合させた状態で、下側ブロック31の右側部を下側に移動させると、第2支持軸35bは第2挿通孔31eに挿通される。このとき、挿通孔凸部131c1が第1支持軸135aの溝部135a4に係合しているので、第1支持軸135aの第1挿通孔131cに対する上下動が規制されている。このように、第1支持軸135aが第1挿通孔131cに対する上下動が規制されるとともに、第2支持軸35bが第2挿通孔31eに対して上下動可能に挿通された下側ブロック31の位置は、下側ブロック31を昇降機構34により上昇させて、包装袋の開口周縁部を下側及び上側ブロック31,32とともに挟持して包装袋の開口周縁部を封止するときのための封止用下降位置とした第2位置である(図12(b)参照)。
さらに、下側ブロック31を取り外すときには、上述した下側ブロック31の組み付け方法と逆の手順で行う。最初に、封止用下降位置にある下側ブロック31の右側部を上側に持ち上げると、第2挿通孔31eから第2支持軸35bが抜け、下側ブロック31は、右側を高く傾斜した状態となる。次に、下側ブロック31を反時計回りに90度だけ回動させると、下側ブロック31は第1位置に移動され、図12(a)に示したように、第1支持軸135aは第1挿通孔131cに上下動可能な挿通状態となる。そして、下側ブロック31を上側に移動させると、第1支持軸135aが第1挿通孔131cから抜き取られ、下側ブロック31が一対の支持軸135a,35bから取り外される。
上記のように構成した第2実施形態に係る真空包装機10の加熱封止装置30は、下側ブロック31の下部には、第1支持軸135aが下側から挿通される第1挿通孔131cと、第2支持軸35bが下側から挿通される第2挿通孔31eとを備え、第1挿通孔131cには第1支持軸135aが第1挿通孔131cに対して上下動を規制するように係合する挿通孔凸部131c1(係合部)を設け、第1支持軸135aには第1支持軸135aが第1挿通孔131cに対して上下動を規制するように挿通孔凸部131c1に離脱可能に係合する溝部135a4(被係合部)を設け、下側ブロック31が第1位置にあるときには、挿通孔凸部131c1が溝部135a4と非係合状態にあって第1支持軸135aが第1挿通孔131cに対して上下動可能に挿通されるとともに、第2支持軸35bの第2挿通孔31eへの挿通が規制され、下側ブロック31を第1位置から第2位置に移動させると、挿通孔凸部131c1が溝部135a4と係合状態となって第1支持軸135aの第1挿通孔131cに対する上下動が規制されるとともに、第2支持軸35bが第2挿通孔31eに対して上下動可能に挿通される。このようにしたときにも、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、第2実施形態の加熱封止装置30においては、第1支持軸135aの先端部は、柱状をした側面の一部を内側に凹むように形成した支持軸凹部135a3と、支持軸凹部135a3の下部に連続して形成された被係合部としての溝部135a4とを備え、第1挿通孔131cは、内側に突出するように形成した係合部としての挿通孔凸部131c1を備え、下側ブロック31が第1位置にあるときには、支持軸凹部135a3が挿通孔凸部131c1を通過させて、第1支持軸135aは第1挿通孔131cに上下動可能に挿通され、第1支持軸135aを第1挿通孔131cに挿通した後で下側ブロック31を第1位置から第2位置に回動によって移動させたときには、挿通孔凸部131c1が第1支持軸135aの溝部135a4の上壁135a5に係合することにより下側ブロック31の上下動が規制される。これにより、比較的簡単な構成によって確実に第1支持軸135aが第1挿通孔131cから抜けないようにして、下側ブロック31が上側ブロック32とともに持ち上がらないようにすることができる。
さらに、この加熱封止装置30では、下側ブロック31を第1支持軸135a及び第2支持軸35bから取り外す際には、最初に、第1支持軸135aを第1挿通孔131cに挿通したままで第2支持軸35bを第2挿通孔31eから抜き取り、その後、下側ブロック31を第2位置から第1位置に回動させ、次に、第1支持軸135aを第1挿通孔131cから抜き取ることとなる。よって、熱溶着後にチャンバカバー22を開く際に、上側ブロック32とともに下側ブロック31が第2支持軸35b側から持ち上がって下側ブロック31が右斜め上方に引っ張られたとしても、下側ブロック31は第2位置に回動されないので、第1支持軸135aが第1挿通孔131cから抜けるのを防止することができる。これにより、熱溶着後にチャンバカバー22を開く際に、下側ブロック31が一対の支持軸135a,35bから抜けるのをより確実に防止することができる。
また、上述した第2実施形態では、支持軸凹部135a3及び挿通孔凸部131c1をそれぞれ2つ設けるようにしたが、これに限らず、1つだけ設けるようにしてもよく、3つ以上設けるようにしてもよい。上述した第2実施形態では、支持軸凹部135a3を弓形形状に形成するようにしたが、これに限らす、方形状や三角形状に形成するようにしてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の加熱封止装置を採用した真空包装機の第3実施形態を図13~図15を参照して説明する。上述した第2実施形態の加熱封止装置30においては、第1支持軸135aの先端部に支持軸凹部135a3を形成するとともに第1挿通孔131cに挿通孔凸部131c1を形成したが、これに代えて、第3実施形態の加熱封止装置30においては、第1支持軸235aの先端部に支持軸凸部235a3を形成するとともに第1挿通孔231cに挿通孔凹部231c1を形成している。
第1支持軸235aは、図13に示したように、先端部を除いて円柱状に形成されており、周壁面235a1と上端面235a2とを有している。第1支持軸235aの先端部(上端部、上端面235a2)は、例えば、上側から視ていわゆるスケルトンキー用の鍵穴形状(以下、単に鍵穴形状という。円形部分と円形部分の一部を外側に突出させた突出部とから構成された形状である。)に形成されており、支持軸凸部235a3を備えている。支持軸凸部235a3は、円柱状をした側面である周壁面235a1の先端部の左側部(一部)を外側に突出するように形成されている。支持軸凸部235a3は、上側から視て方形状に形成されている。支持軸凸部235a3の形状は、方形状に限られず、円弧状でもよく三角形状でもよい。支持軸凸部235a3の数は、本第3実施形態では1つであるが、複数でもよい。支持軸凸部235a3は、後述する第1挿通孔231cの周縁部231c2(被係合部)と係合する係合部として機能する。
第1支持軸235aが挿通可能な第1挿通孔231cは、図14に示したように、第1ガイド部材231bに形成されている。第1ガイド部材231bは、例えば長方形状の板状部材である。第1挿通孔231cは、鍵穴形状に形成されており、外側に凹むように形成した挿通孔凹部231c1を備えている。挿通孔凹部231c1は上側から視て方形状に形成されている。挿通孔凹部231c1の形状は、方形状に限られず、円弧状でもよく三角形状でもよい。挿通孔凹部231c1の数は、本第3実施形態では、1つであるが、複数でもよい。挿通孔凹部231c1は、第1挿通孔231cの後側部に設けられている。第1挿通孔231cの上側から視た形状は、第1支持軸235aの先端部を上から視た形状とほぼ同一(相似)であり、第1支持軸235aの先端部は第1挿通孔231cより若干小さく形成されている。
このよう構成した第1挿通孔231cの形状と第1支持軸235aの先端部の形状とを合わせるように、第1ガイド部材231bを第1支持軸235aに対して配置すると、第1支持軸235aの先端部は第1挿通孔231cに挿通可能である。さらに、第1挿通孔231cに第1支持軸235aの先端部を挿通した後に、第1ガイド部材231bを90度回動させると、支持軸凸部235a3が被係合部としての第1挿通孔231cの周縁部231c2に上下に係合可能な状態(係合可能状態)となる。すなわち、支持軸凸部235a3の下面が第1挿通孔231cの周縁部231c2の上面と係合することで、第1支持軸235aが第1ガイド部材231bに対して下側に相対的に移動するのが規制される。なお、第1支持軸235aが第1ガイド部材231bに対して上側に相対的に移動するのを規制する構成は採用されていない。
また、第1支持軸235aと第1挿通孔231cとの径方向の隙間(クリアランス)は、支持軸凸部235a3の径方向の突出長より小さくなるように設定されている。これにより、第1ガイド部材231bが第1支持軸235aから抜けない状態にあっても、第1ガイド部材231bは制限範囲内で自由に移動可能であり、下側ブロック31は左端部を基点に右端部を傾けることができる。すなわち、下側ブロック31の右側を左側より高くなるように傾斜した状態で下側ブロック31を回動することが可能となる。なお、前記隙間が支持軸凸部235a3の突出長より大きい場合には、支持軸凸部235a3の下面が第1挿通孔231cの周縁部231c2の上面と係合せず、第1支持軸235aが第1挿通孔231cに上下に係合しない。
下側ブロック31の組み付け方法について、図15を参照して説明する。なお、図15においては、第1支持軸235aと第1ガイド部材231bの関係を示し、第1ガイド部材231bが設けられている下側ブロック31を省略している。最初に、第1挿通孔231cが第1支持軸235aの上側に位置し、第2挿通孔31eが設けられている他端側を後側に向けて延設するように、下側ブロック31を配置する。このとき、図15(a)に示したように、第1挿通孔231cの形状と第1支持軸235aの先端部の形状とを合わせるように、第1ガイド部材231bが第1支持軸235aに対向して配置されている。さらに、第2支持軸35bの上端面は、第2挿通孔31eに対向する位置に配置されていない。
このように配置されている下側ブロック31を下側に移動させると、第1支持軸235aは第1挿通孔231cに挿入される。このとき、第2支持軸35bの上端面は、第2挿通孔31eに対向する位置に配置されてないので、第2支持軸35bの第2挿通孔31eへの挿通が規制される。このように、第1支持軸235aが第1挿通孔231cに上下動可能に挿通されるとともに、第2支持軸35bが第2挿通孔31eへの挿通が規制されている下側ブロック31の位置は、下側ブロック31を第1及び第2支持軸235a,35bに取り付けるための取付用位置とした第1位置である(図15(a)参照)。
次に、第1支持軸235aを第1挿通孔231cに挿入した状態で、下側ブロック31を右側部を持ち上げながら時計回りに回動させる。この回動中において、支持軸凸部235a3が第1挿通孔231cの周縁部231c2と係合可能な状態にある。そして、下側ブロック31を90度だけ回動させると、第2挿通孔31eが第2支持軸35bの上側に位置するようになり、第2支持軸35bは第2挿通孔31eに対して挿通可能となる。
そして、下側ブロック31の右側部を下側に移動させると、第2支持軸35bは第2挿通孔31eに挿通される。このとき、支持軸凸部235a3が第1挿通孔231cの周縁部231c2に係合可能な状態にあるので、第1支持軸235aの第1挿通孔231cに対する上下動が規制されている。このように、第1支持軸235aが第1挿通孔231cに対する上下動が規制されるとともに、第2支持軸35bが第2挿通孔31eに対して上下動可能に挿通された下側ブロック31の位置は、下側ブロック31を昇降機構34により上昇させて、包装袋の開口周縁部を下側及び上側ブロック31,32とともに挟持して包装袋の開口周縁部を封止するときのための封止用下降位置とした第2位置である(図15(b)参照)。
さらに、下側ブロック31を取り外すときには、上述した下側ブロック31の組み付け方法と逆の手順で行う。最初に、封止用下降位置にある下側ブロック31の右側部を上側に持ち上げると、第2挿通孔31eから第2支持軸35bが抜け、下側ブロック31は、右側を高く傾斜した状態となる。次に、下側ブロック31を反時計回りに90度だけ回動させると、下側ブロック31は第1位置に移動され、図15(a)に示したように、第1支持軸235aは第1挿通孔231cに上下動可能な挿通状態となる。そして、下側ブロック31を上側に移動させると、第1支持軸235aが第1挿通孔231cから抜き取られ、下側ブロック31が一対の支持軸235a,35bから取り外される。
上記のように構成した第3実施形態に係る真空包装機10の加熱封止装置30は、下側ブロック31の下部には、第1支持軸235aが下側から挿通される第1挿通孔231cと、第2支持軸35bが下側から挿通される第2挿通孔31eとを備え、第1支持軸235aには第1支持軸235aが第1挿通孔231cに対して上下動を規制するように係合する支持軸凸部235a3(係合部)を設け、第1挿通孔231cには第1支持軸235aが第1挿通孔231cに対して上下動を規制するように支持軸凸部235a3に離脱可能に係合する第1挿通孔231cの周縁部231c2(被係合部)を設け、下側ブロック31が第1位置にあるときには、支持軸凸部235a3が第1挿通孔231cの周縁部231c2と非係合状態にあって第1支持軸235aが第1挿通孔231cに対して上下動可能に挿通されるとともに、第2支持軸35bの第2挿通孔31eへの挿通が規制され、下側ブロック31を第1位置から第2位置に移動させると、支持軸凸部235a3が第1挿通孔231cの周縁部231c2と係合状態となって第1支持軸235aの第1挿通孔231cに対する上下動が規制されるとともに、第2支持軸35bが第2挿通孔31eに対して上下動可能に挿通される。このようにしたときにも、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、第3実施形態の加熱封止装置30においては、第1支持軸235aの先端部は、柱状をした側面の一部を外側に突出するように形成した係合部としての支持軸凸部235a3を備え、第1挿通孔231cは、第1支持軸235aを挿通させるときに支持軸凸部235a3を通過させるために外側に凹むように形成した挿通孔凹部231c1を備え、下側ブロック31が第1位置にあるときには、挿通孔凹部231c1が支持軸凸部235a3を通過させて、第1支持軸235aは第1挿通孔231cに上下動可能に挿通され、第1支持軸235aを第1挿通孔231cに挿通した後で下側ブロック31を第1位置から第2位置に回動によって移動させたときには、支持軸凸部235a3が被係合部としての第1挿通孔231cの周縁部231c2に係合することにより下側ブロック31の上下動が規制されている。これにより、比較的簡単な構成によって確実に第1支持軸235aが第1挿通孔231cから抜けないようにして、下側ブロック31が上側ブロック32とともに持ち上がらないようにすることができる。
さらに、この加熱封止装置30では、下側ブロック31を第1支持軸235a及び第2支持軸35bから取り外す際には、最初に、第1支持軸235aを第1挿通孔231cに挿通したままで第2支持軸35bを第2挿通孔31eから抜き取り、その後、第1支持軸235aを第1挿通孔231cに挿通したまま下側ブロック31を第2位置から第1位置に回転させた後に第1支持軸235aを第1挿通孔231cから抜き取ることとなる。よって、熱溶着後にチャンバカバー22を開く際に、上側ブロック32とともに下側ブロック31が第2支持軸35b側から持ち上がって下側ブロック31が右斜め上方に引っ張られたとしても、下側ブロック31は第2位置に回動されないので、第1支持軸235aが第1挿通孔231cから抜けるのを防止することができる。これにより、熱溶着後にチャンバカバー22を開く際に、下側ブロック31が一対の支持軸235a,35bから抜けるのをより確実に防止することができる。
また、上記の実施形態においては、本発明を真空包装機10に使用する加熱封止装置に採用したが、単に加熱封止装置として使用するものに採用するようにしてもよい。
なお、上述した各支持軸35a,35bは、柱状であればよく、円柱状に限られず、例えば、角柱状でもよい。