JP5396334B2 - 湯沸し器及びその温度検知具の組み付け方法 - Google Patents
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温度検知具は、蓋体の内部に設けられる蒸気通路からの蒸気の温度を検知するものであるから、当然、容器本体の上方開口部近くに固着する必要がある。特に、把手を備えた湯沸し器では、その把手の上部を容器本体の上方開口部近くに固着することもあり、温度検知具の周りはスペース的にあまり余裕のない部位なので、温度検知具の両端側に螺着具のためのスペースを要することには問題があった。
その特徴構成は、前記温度検知具を保持する保持部材の一端側に形成された固着用孔を有する第1板部分が、前記固着用孔に挿通される螺着具により前記容器本体における上方開口部の周縁に固着されるとともに、前記温度検知具を挟んで前記螺着具と反対側において、前記保持部材の他端側に形成された第2板部分が、前記第2板部分の中央に前記温度検知具を保持した状態で、前記把手に設けられた押し付け部材により前記容器本体における上方開口部の周縁に押し付けられて固定されている点にある。
そして、温度検知具を保持する保持部材の他端側が、温度検知具を挟んで螺着具と反対側において、把手に設けられた押し付け部材により容器本体に押し付けられて固定されるので、温度検知具を保持する保持部材は、その一端側が螺着具により容器本体に固着されて他端側が押し付け部材により容器本体に押し付けられて固定されることになり、その結果、保持部材の一端側のみを螺着具により固着する構成であるにもかかわらず、容器本体に対して温度検知具を確実に固着することができる。
したがって、蓋体の内部に設けられる蒸気通路との相対位置関係も所望どおりとなり、蒸気通路からの蒸気の温度を確実に検知することができる。
そして、蓋体を閉じた状態で蒸気通路に連通する検知用開口部が、その傾斜周縁部に形成されているのであるが、蓋体を閉じた状態で検知用開口部の周部を密閉するパッキンが蓋体に設けられているので、蓋体を閉じてさえすれば、蓋体に設けられたパッキンは、傾斜周縁部に対して適切な圧力で押圧される。その結果、傾斜周縁部に形成される検知用開口部の周部は、パッキンによって適切な圧力で密閉され、蒸気通路からの蒸気が検知用開口部から外部へ漏出することが防止される。
そして、その後、把手を容器本体に固着することにより、把手に設けられた押し付け部材が保持部材の他端側を容器本体に押し付けて、保持部材を容器本体に固定することになるので、温度検知具の組み付け作業を容易、確実に行うことができる。
湯沸し器の一例である電気ケトルは、図1〜図4に示すように、電源プレートPとその電源プレートPに載置自在なケトル本体Kとを備えている。
ケトル本体Kの内部には、湯水を貯留する貯留部1が設けられ、ケトル本体Kの外周部には、ケトル本体Kを持ち上げるための把手2が設けられ、ケトル本体Kの外周部の上部側には、貯留部1内の湯水を注ぐ注ぎ口3が設けられていて、把手2と注ぎ口3が、ケトル本体Kの上部の中心に対して互いに反対側に振り分けて設けられている。
ケトル本体Kは、内部に貯留部1を有して上方が開口した概ね有底円筒状の容器本体100と、その容器本体100の上方開口部を開閉する概ね円盤状の蓋体200とを備えて構成され、容器本体100の外周部に把手2が固着されている。
それに対し、電源プレートPには、電源コード(図示省略)を通して供給される電力を外部に出力する給電機構7が上面の中央部に位置する状態で備えられ、ケトル本体Kを電源プレートPに載置した給電姿勢において、受電機構5と給電機構7とが導通状態に接続されて、給電機構7から受電機構5を介して電気ヒータ4に給電されて、貯留部1内の湯水が加熱されるように構成される。そして、把手2を把持してケトル本体Kを持ち上げて傾けることにより、貯留部1内の湯水を注ぎ口3から注ぐことになる。
容器本体100は、有底円筒状の外郭部材11の上方開口部に周縁部材12を嵌め込むと共に、その周縁部材12に有底円筒状の貯留部1を吊り下げ支持して構成され、更に、中空状の把手2が周縁部材12と外郭部材11とに跨って固着されている。
周縁部材12の上方周縁、換言すると、容器本体100における上方開口部の周縁は、図5及び図6に拡大して示すように、上方ほど外側に延出する傾斜周縁部12aに構成され、その傾斜周縁部12aに近接して把手2の上端部が固着されると共に、蒸気通路20、21(詳細は後述する)を通して貯留部1から導かれる蒸気の温度を検知する温度検知具13が、その傾斜周縁部12aに固定されている。
そして、図示は省略するが、外郭部材11の底部と貯留部1の底部との間の空間に制御部が設けられ、その制御部が、操作盤6からの指令や温度検知具13の検出情報に基づいて電気ヒータ4への通電の制御等を行うように構成されている。
容器本体100の周縁部材12には、注ぎ口3の下方部分を構成する溝状部12mが形成され(図3参照)、蓋体200の蓋本体部材14には、注ぎ口3の上方部分を構成する庇部14eが設けられている。
そして、周縁部材12の溝状部12mの上方を蓋本体部材14の庇部14eが覆う状態となる蓋体装着時の相対位置関係で、蓋体200を容器本体100の上方開口部に装着すると、周縁部材12の溝状部12mと蓋本体部材14の庇部14eにより、筒状の注ぎ口3が形成されることになる。
そして、蓋本体部材14には、図4において注ぎ口3内に破線矢印にて示すように、基端が容器連通空間18に臨んで注ぎ口3内に延びる注ぎ用通路19、及び、基端が容器連通空間18に臨んで先端が蓋体200の上面部にまで延びる蒸気放出用の蒸気通路20が形成され、その蒸気放出用の蒸気通路20の先端開口部が蒸気口10として機能する。
その蓋本体部材14には、図4において蒸気通路20内等に破線矢印にて示すように、蒸気放出用の蒸気通路20から分岐する温度検知用の蒸気通路21が形成され、図5に示すように、その温度検知用の蒸気通路21は、その先端が、蓋体200が容器本体100に装着された状態で、蓋本体部材14の側周部において、傾斜周縁部12aに形成された検知用開口部12bに連通するように構成されて、その検知用開口部12bに臨むように温度検知具13が設けられている。
他方、容器本体100の周縁部材12の外径側には、雌ねじ部を有する円柱状の雌ねじ部材12cが一体的に突設されると共に、保持部材23の固定位置を確定するための複数の位置決め用突起12dが一体的に突設されている。
その保持部材23の他端側、つまり、温度検知具13を挟んでボルト24と反対側の端部は、把手2の上部に一体的に設けられた断面L字状の押し付け部材2a(図10、図11参照)により容器本体100の傾斜周縁部12aに押し付けられ、その結果、温度検知具13は、保持部材23を介して検知用開口部12bに臨む状態で固定されている。
その後、図9に示すように、保持部材23の固着用孔23bにボルト24を挿通して雌ねじ部材12cの雌ねじ部に螺合し、その螺合操作の際、位置決め用突起12dによって保持部材23の共回りが防止され、温度検知具13は所定の位置に確実に固定される。そして、最後に、図10に示すように、把手2を容器本体100に固着するのであり、その把手2の固着によって、把手2に設けられた押し付け部材2aが、保持部材23の他端側を容器本体100に押し付けて固定する。
その蓋側パッキン26は、蓋体200の蓋本体部材14に固定される本体部分26aと検知用開口部12bの周部に密接する中空のパッキン部26bを備えている。そのパッキン部26bの容器本体100側の面は、蓋体200を閉じた状態で周縁部材12の傾斜周縁部12aに沿う傾斜密閉面26cを備えている。
そして、蓋側パッキン26の本体部分26aとパッキン部26bには、貫通孔26dが形成されていて、蓋体200を閉じた状態で、その貫通孔26dが、温度検知用の蒸気通路21と傾斜周縁部12aの検知用開口部12bとを互いに連通させて、貯留部1からの蒸気を蒸気放出用と温度検知用の蒸気通路20、21を介して温度検知具13の温度検知部に導くように構成されている。
したがって、電気ヒータ4による加熱で貯留部1内の水が沸騰して蒸気が発生すると、その蒸気が蒸気放出用の蒸気通路20を通って蒸気口10から放出されると共に、温度検知用の蒸気通路21から蓋側パッキン26の貫通孔26dを通って検知用開口部12bに導かれて温度検知具13により温度検知される。そして、温度検知具13が蒸気の温度を検知すると、制御部が電気ヒータ4への通電を遮断するのである。
また、弁体28の上下動により注ぎ口3からの貯留部1内の湯水の流出を許容する開き状態と阻止する閉じ状態とに切り換え自在な弁機構Vも設けられ、弁操作具9を押し下げると、図外の連動機構を介して弁機構Vが開き、押し下げを解除すると、弁操作具9が弾性復帰して、弁機構Vが閉じるように構成されている。
このような構成からなる蓋体200は、容器本体100の上方開口部に載置して下方に押し下げることにより、一対のフック部材8が、容器本体100に設けられた凹部29(図3参照)に弾性的に嵌まり込んで、蓋体200が閉じ位置で容器本体100に保持され、一対のフック部材8を両側から挟む状態で把持して互いに近接させることにより、フック部材8が凹部29から外れて、そのまま蓋体200を持ち上げることで、容器本体100から取り外すことができるように構成されている。
(A)上記実施形態では、容器本体100の周縁部材12に保持部材23の固定位置を確定するための位置決め用突起12dを突設した例を示したが、この位置決め用突起12dは必ずしも必要なものではなく、位置決め用突起12dをなくして実施することもでき、また、位置決め用突起12dを設ける場合、その位置決め用突起12dの個数については任意に設定することができる。
そして、本発明は、先の実施形態で示した電気ケトルに限らず、例えば、電気ポットにおいても適用可能である。
更に、保持部材23の一端側を単一のボルト24により容器本体100に固着した例を示したが、保持部材23の一端側を複数本のボルト24により容器本体100に固着して実施することもできる。
2 把手
2a 押し付け部材
12a 傾斜周縁部(上方開口部の周縁)
12b 検知用開口部
12d 位置決め用突起
13 温度検知具
20、21 蒸気通路
23 保持部材
23b 固着用孔
23c 第2板部分
23d 第1板部分
24 ボルト(螺着具)
26 蓋側パッキン(パッキン)
26c 傾斜密閉面
100 容器本体
200 蓋体
Claims (5)
- 上方が開口し、内部に貯留部を有する容器本体と、その容器本体の上方開口部を開閉する蓋体と、前記貯留部の蒸気を外部に放出するために前記蓋体の内部に設けられる蒸気通路と、その蒸気通路からの蒸気の温度を検知するために前記容器本体における上方開口部の周縁に固定される温度検知具と、前記容器本体における上方開口部の周縁に固着される把手とを備えている湯沸し器であって、
前記温度検知具を保持する保持部材の一端側に形成された固着用孔を有する第1板部分が、前記固着用孔に挿通される螺着具により前記容器本体における上方開口部の周縁に固着されるとともに、前記温度検知具を挟んで前記螺着具と反対側において、前記保持部材の他端側に形成された第2板部分が、前記第2板部分の中央に前記温度検知具を保持した状態で、前記把手に設けられた押し付け部材により前記容器本体における上方開口部の周縁に押し付けられて固定されている湯沸し器。 - 前記容器本体に対して前記保持部材の固定位置を確定するための位置決め用突起が、前記容器本体から突設されている請求項1に記載の湯沸し器。
- 前記容器本体における上方開口部の周縁が、上方ほど外側に延出する傾斜周縁部に構成され、前記蓋体を閉じた状態で前記蒸気通路に連通する検知用開口部が、前記傾斜周縁部に形成されて、その検知用開口部に前記温度検知具が臨むように構成され、前記蓋体を閉じた状態で前記検知用開口部の周部を密閉するパッキンが、前記蓋体に設けられている請求項1又は2に記載の湯沸し器。
- 前記パッキンの前記容器本体側の面が、前記蓋体を閉じた状態で前記傾斜周縁部に沿う傾斜密閉面を備えている請求項3に記載の湯沸し器。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の湯沸し器に固定される温度検知具の組み付け方法であって、
前記温度検知具を保持する状態で前記保持部材の一端側に形成された固着用孔を有する第1板部分を、前記固着用孔に挿通される螺着具により前記容器本体における上方開口部の周縁に固着し、その後、前記把手を前記容器本体における上方開口部の周縁に固着することによって、その把手に設けられた前記押し付け部材により前記保持部材の他端側に形成された第2板部分を、前記第2板部分の中央に前記温度検知具を保持した状態で、前記容器本体における上方開口部の周縁に押し付けて固定する温度検知具の組み付け方法。
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