JP2018182793A - ステッピングモータおよび自動車 - Google Patents

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榮 藤谷
昌治 吉冨
Shoji Yoshitomi
昌治 吉冨
藤井 宏明
Hiroaki Fujii
宏明 藤井
卓 大倉
Suguru OKURA
卓 大倉
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Abstract

【課題】ステッピングモータにおいて回転むらを低減すること。【解決手段】実施形態のステッピングモータは、周方向に多極着磁される永久磁石を有するロータと、コイルを有し、第1相における励磁ベクトルを形成する第1ステータと、コイルを有し、第2相における励磁ベクトルを形成する第2ステータと、を備える。そして、第1相と第2相との位相差が電気角で90°より大きい。また、実施形態のステッピングモータにおいて、第1相と第2相との位相差が電気角で91°以上99°以下であるとよい。【選択図】図1

Description

本発明は、ステッピングモータおよび自動車に関する。
従来、車載用などのメータにおいて指針を回動させるモータとして、ステッピングモータが用いられている。かかるステッピングモータは、入力パルス数に応じて出力軸がステップ状に回転し、入力パルス周波数を一定にすれば出力軸の回転速度が一定となる定速性を有している。
特開平8−182301号公報
しかしながら、従来のステッピングモータは、巨視的には定速性を有している一方で、微視的には最大回転速度と最小回転速度との間を周期的に変動している。そして、メータにおいて指針を回動させる場合、かかる最大回転速度と最小回転速度との差である回転むらが問題となる恐れがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ステッピングモータにおいて回転むらを低減することを目的とする。
本発明の一態様に係るステッピングモータは、周方向に多極着磁される永久磁石を有するロータと、コイルを有し、第1相における励磁ベクトルを形成する第1ステータと、コイルを有し、第2相における励磁ベクトルを形成する第2ステータと、を備える。そして、前記第1相と前記第2相との位相差が電気角で90°より大きい。
本発明の一態様によれば、ステッピングモータにおいて回転むらを低減することができる。
図1は、第1の実施形態に係るステッピングモータの斜視図である。 図2は、第1の実施形態に係るステッピングモータの側断面図である。 図3は、第1の実施形態に係るステッピングモータに接続された制御部を示すブロック図である。 図4は、第1の実施形態に係るステッピングモータにおけるA相とB相との位相差に対する動的最大角度誤差の測定結果を示す図である。 図5は、第1の実施形態に係るB−EMF波形の一例を示す図である。 図6は、第1の実施形態の変形例1に係るステッピングモータにおけるロータマグネットの着磁状態を模式的に示す図である。 図7は、第1の実施形態の変形例2に係るステッピングモータにおけるロータマグネットの着磁状態を模式的に示す図である。 図8は、第2の実施形態に係るステッピングモータの側断面図である。 図9は、第2の実施形態に係るステッピングモータを構成するロータの斜視図である。 図10は、第2の実施形態に係るステッピングモータのA相ステータとB相ステータとで形成されるそれぞれの励磁ベクトルに対応する位置におけるコギングトルクの向きを模式的に示す図である。 図11は、第2の実施形態に係るストッパの位置を模式的に示す図である。 図12は、第2の実施形態の変形例3に係るストッパの位置を模式的に示す図である。 図13は、第2の実施形態の変形例4に係るストッパの位置を模式的に示す図である。 図14は、第2の実施形態の変形例5に係るストッパの位置を模式的に示す図である。 図15は、第2の実施形態の変形例6に係るストッパの位置を模式的に示す図である。 図16は、第2の実施形態の変形例7に係るストッパの位置を模式的に示す図である。
以下、実施形態に係るステッピングモータについて図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<第1の実施形態>
最初に、第1の実施形態に係るステッピングモータ1の構成について説明する。図1および図2は、第1の実施形態に係るステッピングモータ1を示している。図1は、第1の実施形態に係るステッピングモータ1の斜視図であり、図2は、第1の実施形態に係るステッピングモータ1の側断面図である。
ステッピングモータ1は、たとえば、図示しない指針式メータ(表示装置)における指針の回動を駆動するためのメータ用のステッピングモータであり、図2に示すように、ロータ10と、ステータ20と、エンドプレート30と、フロントプレート40とを備える。
ロータ10は、ステータ20の内部に回動可能に収容されている。ロータ10は、図2に示すように、シャフト11と、ロータマグネット12と、スリーブ13とを備える。
シャフト11は、アルミニウムと他の金属との合金で形成されたスリーブ13の中央に圧入されて固定されており、シャフト11はスリーブ13の軸となっている。円筒状のロータマグネット12は、ボンド磁石を射出成形して得られたものであり、スリーブ13の外周に装着されている。シャフト11は、ステッピングモータ1の回転軸を構成している。
また、ロータマグネット12は必要に応じて、その磁気特性を調整する(基本は、磁気特性を向上させるが、磁気的分布を調整する事もある。)為に、射出成型時に必要な直流磁場を掛け(着磁)、周方向に異なる磁極を有する、いわゆる異方性を有する磁石となっている。
ステータ20は、互いに同様の構成を有する環状の第1ステータ(以下、A相ステータと呼称する)21と第2ステータ(以下、B相ステータと呼称する)22とを備える。かかるA相ステータ21とB相ステータ22とは軸方向に並べて配置されることで、軸方向に同軸上に積層され、ステータ20は両者で2相構造となっている。以下においては、A相ステータ21の内部構造についてまず説明し、続いてB相ステータ22の内部構造について説明する。
図2に示すように、A相ステータ21は、カップ状ヨーク(第1ヨーク)23aと、円板状ヨーク(第2ヨーク)24aと、ボビン25aと、コイル26aとを備える。
カップ状ヨーク23aは、カップ状の外形を有し、軟磁性体の鋼板で形成され、軸方向(図2で上下方向)において円板状ヨーク24aと離間するように組まれている。カップ状ヨーク23aは底板23abを有する。そして、かかる底板23abの中央部に形成された開口の周縁には、軸方向に突出する複数の極歯23aaが櫛歯状に形成されている。
円板状ヨーク24aは、軸方向から見て、円板状の外形を有する平面形状を備え、軟磁性体の鋼板で形成され、円板状ヨーク24aの外周縁がカップ状ヨーク23aの内周面に嵌着されている。また、円板状ヨーク24aの中央部に形成された開口の周縁には、軸方向に突出する複数の極歯24aaが櫛歯状に形成されている。そして、カップ状ヨーク23aの極歯23aaと円板状ヨーク24aの極歯24aaとは、周方向に交互に噛み合わされている。
ボビン25aは、絶縁性を有する樹脂部材で形成され、ボビン25aの周縁の一部に端子台25aaが一体成形によって形成されている。また、コイル26aは、ボビン25aに巻回され、カップ状ヨーク23aと円板状ヨーク24aとの間であって極歯23aa、24aaの外周側に配置されている。
B相ステータ22は、A相ステータ21と同様、カップ状ヨーク(第1ヨーク)23bと、円板状ヨーク(第2ヨーク)24bと、ボビン25bと、コイル26bとを備える。
カップ状ヨーク23bは、カップ状の外形を有し、軟磁性体の鋼板で形成され、軸方向において円板状ヨーク24bと離間するように組まれている。カップ状ヨーク23bは底板23bbを有する。そして、かかる底板23bbの中央部に形成された開口の周縁には、軸方向に突出する複数の極歯23baが櫛歯状に形成されている。
円板状ヨーク24bは、軸方向から見て、円板状の外形を有する平面形状を備え、軟磁性体の鋼板で形成され、円板状ヨーク24bの外周縁がカップ状ヨーク23bの内周面に嵌着されている。また、円板状ヨーク24bの中央部に形成された開口の周縁には、軸方向に突出する複数の極歯24baが櫛歯状に形成されている。そして、カップ状ヨーク23bの極歯23baと円板状ヨーク24bの極歯24baとは、周方向に交互に噛み合わされている。
ボビン25bは、絶縁性を有する樹脂部材で形成され、ボビン25bの外周部の一部に端子台25baが一体成形によって形成されている。また、コイル26bは、ボビン25bに巻回され、カップ状ヨーク23bと円板状ヨーク24bとの間であって極歯23ba、24baの外周側に配置されている。
そして、端子台25aaおよび端子台25baには複数の端子ピン27a〜27dが設けられ、端子ピン27a〜27dには、コイル26aの端末26aaおよびコイル26bの端末26baが絡げられて接続されている。
上記構成を有するA相ステータ21およびB相ステータ22は、樹脂により積層状態に一体に組み付けられて、モールド成形されている。以下、この樹脂を「モールド樹脂」と呼称する。このモールド樹脂50は、A相ステータ21の極歯23aaと極歯24aaとの間、およびB相ステータ22の極歯23baと極歯24baとの間に充填されている。
ここで、第1の実施形態に係るステッピングモータ1は、図1に示すように、A相ステータ21とB相ステータ22とが、A相ステータ21のA相に対してB相ステータ22のB相の成す電気角90°から、所定の距離Lだけ周方向に相対的にずらして配置されている。
第1の実施形態では、A相ステータ21に対して、B相ステータ22がCW(時計回り)方向に所定の距離Lだけ周方向にずらされて配置されている。なお、以下において、CW方向またはCCW(反時計回り)方向と呼称する場合は、図1に示すように、シャフト11を手前に見た場合における回転方向とする。なぜなら、ステッピングモータ1は、通常はシャフト11の先端に指針を挿入した状態でメータに搭載され、シャフト11を手前に見た状態で用いられるからである。
かかるA相ステータ21とB相ステータ22とのずらしは、たとえば、以下のように実施される。上述のモールド成形の際に、所定の距離Lを保証するように、A相ステータ21とB相ステータ22との位置関係をアジャストする位置決めピンが金型の中に用意されている。そして、A相ステータ21とB相ステータ22とに、それぞれ上述の位置決めピンに対応する孔部(図示せず)を形成し、かかる孔部と位置決めピンとを係合した状態でモールド成形を行う。
これにより、ステッピングモータ1において、A相ステータ21とB相ステータ22とを、電気角90°から所定の距離Lだけ周方向に相対的にずらして配置させることができる。この所定の距離Lの詳細については後述する。
ステッピングモータ1の構成についての説明に戻る。ステッピングモータ1は、B相ステータ22側の一端部(図2では上端部)がエンドプレート30で閉塞され、A相ステータ21側の他端部(図2では下端部)がフロントプレート40で閉塞されている。
円形状のエンドプレート30は、上述のモールド樹脂50の一体成形により形成されている。エンドプレート30の中央部には、貫通孔(ロータ支持部)30aが形成されており、かかる貫通孔30aにシャフト11の一端部が貫通され、かつ回動可能に支持されている。
樹脂で形成された円形状のフロントプレート40は、A相ステータ21の円板状ヨーク24aに嵌着されるとともに、A相ステータ21のカップ状ヨーク23aにカシメ固定されている。フロントプレート40の中央部には貫通孔(ロータ支持部)40aが形成されており、かかる貫通孔40aにシャフト11が貫通され、かつ回動可能に支持されている。
また、フロントプレート40の外周部の一部には、径方向に突出する端子部40bが形成されている。かかる端子部40bはカップ状ヨーク23aの外周から外側に突出しており、端子部40bには、軸方向(図2で上下方向)に延びる複数の外部端子ピン41a〜41dが設けられている。
そして、外部端子ピン41a〜41dと端子ピン27a〜27dとのそれぞれの先端部同士は、抵抗溶接やレーザ溶接等の手段によって互いに固着され、固着接点42を介して電気的に接続されている。
図3は、第1の実施形態に係るステッピングモータ1に接続された制御部2を示すブロック図である。制御部2は、ステッピングモータ1のA相ステータ21のコイル26aと、B相ステータ22のコイル26bとに接続されている。
そして、制御部2は、コイル26a、26bによってステッピングモータ1の内部に形成される励磁ベクトルを制御し、励磁ベクトルを制御することによりロータ10の回動を制御する。制御部2は、ステッピングモータ1に内蔵されていてもよいし、ステッピングモータ1の外部に設けられていてもよい。
図4は、第1の実施形態に係るステッピングモータ1におけるA相とB相との位相差θに対する動的最大角度誤差ΔΦmaxの測定結果を示す図である。かかる測定結果のうち、ステッピングモータ1におけるA相とB相との位相差θについては、B−EMF(Back ElectroMotive Force)法で測定した。かかるB−EMF法の詳細については後述する。
また、ステッピングモータ1の動的最大角度誤差ΔΦmaxは、ステッピングモータ1の回転むらの程度を示す指標であり、値が小さいほど回転むらが小さいことを示している。
動的最大角度誤差ΔΦmaxは、ステッピングモータ1が1電気サイクル(第1の実施形態では40°)移動した際の最大位置誤差値Δφmaxと最小位置誤差値Δφminとを求め、以下の式(1)から計算することができる。
ΔΦmax=(Δφmax−Δφmin)/2 (°)(機械角)・・・(1)
ここで、図4に示すように、第1の実施形態では、回転方向(CW方向またはCCW方向)にかかわらず、2相ステッピングモータで理想的とされるA相とB相との位相差90°(電気角)より、位相差θを大きくすることによって、動的最大角度誤差ΔΦmaxを小さくすることができる。すなわち、第1の実施形態によれば、ステッピングモータ1におけるA相とB相との位相差θを電気角で90°より大きくすることによって、回転むらを低減することができる。
なお、第1の実施形態では、図1に示したように、A相ステータ21とB相ステータ22とを、電気角90°から所定の距離Lだけ周方向に相対的にずらして配置したことにより、A相とB相との位相差θを90°より大きくすることができる。換言すると、A相ステータ21とB相ステータ22とは、上述の位相差θに対応する距離Lだけ周方向に相対的にずらして配置されている。
たとえば、ステッピングモータ1が36ステップ、外径20(mm)であり、θ=94°とした場合、距離Lは(94−90)/360×(2π×10)/9=0.0775(mm)となる。すなわち、A相ステータ21とB相ステータ22とは、かかるA相ステータ21またはB相ステータ22の半径と、位相差θから90°を引いた値(この場合、単位はラジアン)との積である距離Lだけ、周方向に相対的にずらして配置されている。
第1の実施形態では、A相ステータ21とB相ステータ22とを上述のように周方向に相対的にずらして配置することにより、A相ステータ21とB相ステータ22とに印加される電圧の波形の位相差を一般的な値である90°に保ったとしても、A相とB相との位相差θを90°より大きくすることができる。
したがって、位相差を90°からずらした電圧の波形を用いなくともよいことから、安価な通常仕様の制御部2を用いることができるため、低コストで回転むらを低減することができる。
また、第1の実施形態では、A相とB相との位相差θを電気角で91°以上99°以下にするとよい。これにより、図4に示すように、動的最大角度誤差ΔΦmaxをより小さくすることができることから、回転むらをより低減することができる。
さらに、第1の実施形態にかかるステッピングモータ1をメータに搭載することにより、指針の回転むらが小さく、表示品位の高いメータを実現することができる。
また、ステッピングモータ1が搭載されるメータは、たとえば、自動車に搭載される車載用のメータであるとよい。これにより、指針の回転むらが小さく、表示品位の高いメータが搭載される自動車を実現することができる。また、かかる自動車は、ステッピングモータ1に電流を供給する外部電源を備えていても構わない。
<A相とB相との位相差評価方法>
ここまで述べたように、第1の実施形態では、A相ステータ21とB相ステータ22とを電気角で90°からずらして配置することにより、回転むらをより低減することができる。したがって、A相とB相との位相差θは非常に重要な要素である。そこで、以下においては、作製されたステッピングモータ1において、A相とB相との位相差θを評価する方法の一例について説明する。
まずは、ステップ数Sのステッピングモータ1を治具に固定して、さらにシャフト11に、慣性モーメントが大きく回転むらが小さい外部駆動源を同芯よく結合する。次に、かかる外部駆動源を一定の回転数N(rpm)で回転させる。
次に、ステッピングモータ1のA相ステータ21とB相ステータ22とから出力される、いわゆるB−EMF波形を取り出す。図5は、第1の実施形態に係るB−EMF波形の一例を示す図である。そして、A相ステータ21から出力されるB−EMF波形Waと、B相ステータ22から出力されるB−EMF波形Wbとの時間差Δt(ms)を測定する。
ここで、以下に示す式(2)から、A相とB相との位相差θを計算することができる。
θ=Δt/(1000/(N/60)/(S/4))×360 (°)・・・(2)
上述のいわゆるB−EMF法によると、磁気的要素を全周積分した代表値として、A相およびB相の誘導起電力が生成される特徴がある。そのため、かかる誘導起電力は各極歯23aa、23ba、24aa、24baの一つ一つの影響度を平均化したものと考えることができる。したがって、第1の実施形態におけるA相とB相との位相差を議論する際には、非常に適している。
もちろん、外部駆動源との機械的連結をロスなく行ったうえで、外部駆動源の回転変動が無視できる程度の慣性モーメント効果を利用しながら、測定時の回転数Nを設定すれば、繰返し精度よく、位相差θを測定することが容易である。また、B−EMF法には原則、直流分が重畳することがないので、直流成分による測定誤差が含まれることはない。
万が一、何らかの要因で、直流成分による重畳(いわゆるDCオフセット成分)が含まれる場合には、B−EMF波形WaおよびB−EMF波形Wbから、かかるDCオフセット成分を差し引いた波形での位相差を算出すればよい。
なお、位相差θを測定する手法は上述のB−EMF法に限られない。たとえば、A相のゼロクロス点でトリガをかけ、B相のゼロクロス点までの時間差をカウンタなどで測定し、かかる時間差を回転角に換算してもよい。
<第1の実施形態における変形例>
上述の第1の実施形態では、A相ステータ21とB相ステータ22との位置を距離Lだけ周方向に相対的にずらすことにより、A相とB相との位相差θを90°より大きくしている。一方で、A相ステータ21とB相ステータ22との位置を相対的にずらすのではなく、A相とB相とに対応するロータマグネット12の着磁状態を周方向に相対的にずらすことによっても、位相差θを90°より大きくすることができる。ここでは、変形例として、かかるロータマグネット12における着磁状態の具体例について示す。
図6は、第1の実施形態の変形例1に係るステッピングモータ1におけるロータマグネット12の着磁状態を模式的に示す図である。図6では、ロータマグネット12のうち、シャフト11が突出する側(図では上側)の半分がA相ステータ21に向かい合う第1着磁部12aであり、シャフト11が突出する側とは反対側(図では下側)の半分がB相ステータ22に向かい合う第2着磁部12bである。
なお、図6では、一例として、ロータマグネット12が中心角を18等分した18極着磁である場合について示している。また、第1着磁部12aと第2着磁部12bとの間には、A相とB相の中立箇所12cが設けられる。
ここで、図6に示すように、変形例1では、ロータ10をCW回転させる場合、第1着磁部12aが第2着磁部12bより機械角で角度Δθ(°)相対的に進ませるように、ロータマグネット12を着磁している。これにより、B−EMF波形で見た場合、着磁のずらしがないロータマグネット12と比較して、A相がB相よりさらに角度Δθだけ進み、位相差θは(90+Δθ×(S/4))(°)(S:ステップ数)となることから、位相差θが90°以上となる。
すなわち、変形例1に示すように、A相とB相とに対応するロータマグネット12の着磁状態を周方向に相対的にずらすことにより、A相とB相との位相差θを90°以上にすることができる。したがって、変形例1によれば、第1の実施形態と同様に、ステッピングモータ1の回転むらを低減することができる。
図7は、第1の実施形態の変形例2に係るステッピングモータ1におけるロータマグネット12の着磁状態を模式的に示す図である。図7に示すように、変形例2は、ロータマグネット12の着磁に傾斜をつける、いわゆるスキュー着磁を行った例である。
変形例2においては、ロータ10をCW回転させる場合、第2着磁部12bが第1着磁部12aより機械角で角度Δθ(°)相対的に遅らせるようにスキュー角を持たせて、ロータマグネット12を着磁している。これにより、変形例1と同様に、変形例2でもA相とB相との位相差θを90°以上にすることができる。
すなわち、変形例2によれば、ロータマグネット12のスキュー着磁を行うことにより、ステッピングモータ1の回転むらを低減することができる。
なお、変形例1または変形例2における周方向のずらし量は、たとえば、外形;φ20mm、ステップ数Sが36、ロータマグネット12の外径がφ9mmのモータで、Δθ=10(°)の場合、10/360×(π×(36/4))/9=0.0872(mm)となる。
また、変形例1および変形例2では、第1の実施形態と同様に、A相ステータ21とB相ステータ22とに印加される電圧の波形の位相差を一般的な値である90°に保ったとしても、A相とB相との位相差θを90°より大きくすることができる。
したがって、変形例1および変形例2によれば、位相差を90°からずらした電圧の波形を用いなくともよいことから、安価な通常仕様の制御部2を用いることができるため、低コストで回転むらを低減することができる。
<第2の実施形態>
つづいて、第2の実施形態に係るステッピングモータ1の構成について、図8および図9を参照しながら説明する。図8は、第2の実施形態に係るステッピングモータ1の側断面図である。
なお、第2の実施形態は、A相とB相との位相差θを電気角で90°より大きくした点については第1の実施形態と同様である一方で、新たにストップ部14およびストッパ60が設けられている点が異なる。したがって、第1の実施形態と重複する部分については、記載を省略する場合がある。
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様、A相ステータ21とB相ステータ22とが、A相ステータ21のA相に対してB相ステータ22のB相の成す電気角90°から、所定の距離Lだけ周方向に相対的にずらして配置されている(図1参照)。
さらに、第2の実施形態のステッピングモータ1では、図8に示すように、ロータマグネット12の一端面(図8では上端面)に、ロータマグネット12とは同心状に環状のストップ部14が形成されている。図9は、第2の実施形態に係るステッピングモータ1を構成するロータ10の斜視図である。そして、図9に示すように、ストップ部14の外周部の一部には、径方向に突出する接触部14aが形成されている。
ストップ部14は、ロータマグネット12の射出成形時に一体成形で形成されている。ロータマグネット12は、上述のように周方向に複数の磁極が並ぶように多極着磁されており、ロータマグネット12を着磁する際、同時にストップ部14も接触部14aを含めて着磁されている。
また、図8に示すように、エンドプレート30の所定箇所にはスタッド孔30bが形成されており、このスタッド孔30bに外側からストッパ(スタッド)60が挿通され、固定されている。かかるストッパ60は、非磁性金属によって形成されている。
そして、ストッパ60は、エンドプレート30の内面(スリーブ13に対向する内面)よりも内側に突出している。これにより、ロータ10が回動した場合、ストッパ60と、ロータマグネット12のストップ部14に形成されている接触部14aとが当接し、ロータ10の回動が制限されるようになっている。すなわち、ロータ10は、ストッパ60と接触する接触部14aを有する。
図10は、第2の実施形態に係るステッピングモータ1のA相ステータ21とB相ステータ22とで形成されるそれぞれの励磁ベクトルに対応する位置におけるコギングトルクの向きを模式的に示す図である。
なお、ここでいう励磁ベクトルとは、コイル26a、26bに流す直流電流の合成でロータ10とステータ20で構成されたエアギャップ中につくられた磁界をいい、この磁界によりロータマグネット12を磁気的に安定な位置に停止させる静的なベクトルをいう。
図10では、無負荷状態でA相ステータ21のコイル26aのみが正方向に励磁された状態における励磁ベクトル(力)の方向を、A相の+方向の軸としている。また、無負荷状態でB相ステータ22のコイル26bのみが正方向に励磁された状態における励磁ベクトル(力)の方向を、B相の+方向の軸としている。すなわち、A相による軸とB相による軸とで、2次元座標系が構成されている。
たとえば、コイル26aの正方向は、図3においてロータ10の径方向でかつ右方の外側に向いた方向であり、コイル26bの正方向は、図3においてロータ10の径方向でかつ上方の外側に向いた方向である。また、たとえば、A相の+方向は、図3においてロータ10の径方向でかつ右方の外側に向いた方向であり、B相の+方向は、図3においてロータ10の径方向でかつ上方の外側に向いた方向である。
また、ステッピングモータ1では、外部から供給される電流が遮断された状態でも、構成部材である磁石と鉄との磁気作用に起因するごく微小なトルク、いわゆる「コギングトルク」がロータ10に働いている。
ここで、第1の実施形態で示したように、A相とB相との位相差θを90°より大きくした場合、かかるコギングトルクの向きが図10に示した向きとなることが、本発明者の研究により明らかとなった。
具体的には、A相で励磁される励磁ベクトルAに対応する位置にロータ10の接触部14aが位置する場合は、コギングトルクがCW方向を向いており、A相とB相とで励磁される励磁ベクトルA*Bに対応する位置に接触部14aが位置する場合も、コギングトルクがCW方向を向いている。
また、B相で励磁される励磁ベクトルBに対応する位置に接触部14aが位置する場合は、コギングトルクがCCW方向を向いており、/A相とB相とで励磁される励磁ベクトル/A*Bに対応する位置に接触部14aが位置する場合も、コギングトルクがCCW方向を向いている。
また、/A相で励磁される励磁ベクトル/Aに対応する位置に接触部14aが位置する場合は、コギングトルクがCW方向を向いており、/A相と/B相とで励磁される励磁ベクトル/A*/Bに対応する位置に接触部14aが位置する場合も、コギングトルクがCW方向を向いている。
また、/B相で励磁される励磁ベクトル/Bに対応する位置に接触部14aが位置する場合は、コギングトルクがCCW方向を向いており、A相と/B相とで励磁される励磁ベクトルA*/Bに対応する位置に接触部14aが位置する場合も、コギングトルクがCCW方向を向いている。
すなわち、上述の第1の実施形態にかかるステッピングモータ1において、コギングトルクは、励磁ベクトルA*Bと励磁ベクトルBとの間にある吸引点70a、または励磁ベクトル/A*/Bと励磁ベクトル/Bとの間にある吸引点70bに向かうように形成される。さらに、かかるコギングトルクは励磁ベクトル/A*Bと励磁ベクトル/Aとの間にある離反点71a、または励磁ベクトルA*/Bと励磁ベクトルAとの間にある離反点71bから離れるように形成されることが、本発明者の研究により明らかとなった。
かかる研究結果に基づいて、第2の実施形態では、図11に示す位置にストッパ60を配置する。図11は、第2の実施形態に係るストッパ60の位置を模式的に示す図である。なお、第2の実施形態にかかるステッピングモータ1は、CW回転のメータに用いられ、メータの原点(たとえば、メータのゼロ指示位置)に対応する位置にストッパ60が配置される。
すなわち、第2の実施形態では、外部からの電流が遮断される際に、メータの回転方向とは逆方向のCCW方向にロータ10を回転させて、接触部14aをストッパ60に当接させる。また、第2の実施形態では、図11に示すように、ストッパ60を/B相からCW方向に電気角で角度θ1(°)ずらした位置に配置する。なお、角度θ1は、たとえば電気角で45°程度である。
そして、第2の実施形態においては、図11に示すように、かかるストッパ60の位置ではCCW方向を向くコギングトルクにより、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、接触部14aがストッパ60に押しつけられる。これにより、接触部14aがストッパ60から離間することを抑制することができる。
したがって、第2の実施形態によれば、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、ストッパ60と接触部14aとの接触状態を維持し、メータの指針を初期位置に保持することができる。なお、第2の実施形態において、角度θ1は、電気角で0°〜45°の範囲に設定するとよい。
<第2の実施形態における変形例>
つづいて、第2の実施形態における各種変形例について、図12〜図16を参照しながら説明する。なお、上述の第1の実施形態における変形例では、2つの変形例をそれぞれ変形例1、2として記載したことから、以下の第2の実施形態における各種変形例では、変形例3、4、・・として記載する。
図12は、第2の実施形態の変形例3に係るストッパ60の位置を模式的に示す図である。なお、変形例3にかかるステッピングモータ1は、CCW回転のメータに用いられ、メータの原点に対応する位置にストッパ60が配置される。
すなわち、変形例3では、外部からの電流が遮断される際に、メータの回転方向とは逆方向のCW方向にロータ10を回転させて、接触部14aをストッパ60に当接させる。また、変形例3では、図12に示すように、ストッパ60をA相からCW方向に電気角で角度θ2(°)ずらした位置に配置する。なお、角度θ2は、たとえば電気角で22.5°程度である。
そして、変形例3においては、図12に示すように、かかるストッパ60の位置ではCW方向を向くコギングトルクにより、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、接触部14aがストッパ60に押しつけられる。これにより、接触部14aがストッパ60から離間することを抑制することができる。
したがって、変形例3によれば、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、ストッパ60と接触部14aとの接触状態を維持し、メータの指針を初期位置に保持することができる。なお、変形例3において、角度θ2は、電気角で0°〜45°の範囲に設定するとよい。
図13は、第2の実施形態の変形例4に係るストッパ60の位置を模式的に示す図である。なお、変形例4にかかるステッピングモータ1は、第2の実施形態と同様、CW回転のメータに用いられ、メータの原点に対応する位置にストッパ60が配置される。
すなわち、変形例4では、外部からの電流が遮断される際に、CCW方向にロータ10を回転させて接触部14aをストッパ60に当接させる。また、変形例4では、図13に示すように、ストッパ60をB相からCW方向に電気角で角度θ3(°)ずらした位置に配置する。なお、角度θ3は、たとえば電気角で20°程度である。
そして、変形例4においては、図13に示すように、かかるストッパ60の位置ではCCW方向を向くコギングトルクにより、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、接触部14aがストッパ60に押しつけられる。これにより、接触部14aがストッパ60から離間することを抑制することができる。
したがって、変形例4によれば、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、ストッパ60と接触部14aとの接触状態を維持し、メータの指針を初期位置に保持することができる。なお、変形例4において、角度θ3は、電気角で0°〜45°の範囲に設定するとよい。
図14は、第2の実施形態の変形例5に係るストッパ60の位置を模式的に示す図である。なお、変形例5にかかるステッピングモータ1は、変形例3と同様、CCW回転のメータに用いられ、メータの原点に対応する位置にストッパ60が配置される。
すなわち、変形例5では、外部からの電流が遮断される際に、CW方向にロータ10を回転させて接触部14aをストッパ60に当接させる。また、変形例5では、図14に示すように、ストッパ60を/A相からCW方向に電気角で角度θ4(°)ずらした位置に配置する。なお、角度θ4は、たとえば電気角で40°程度である。
そして、変形例5においては、図14に示すように、かかるストッパ60の位置ではCW方向を向くコギングトルクにより、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、接触部14aがストッパ60に押しつけられる。これにより、接触部14aがストッパ60から離間することを抑制することができる。
したがって、変形例5によれば、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、ストッパ60と接触部14aとの接触状態を維持し、メータの指針を初期位置に保持することができる。なお、変形例5において、角度θ4は、電気角で0°〜45°の範囲に設定するとよい。
ここまで示したように、第2の実施形態および変形例3〜5によれば、外部からの電流が遮断される際のロータ10の回転方向を基準として、上流側に離反点71aまたは離反点71bが位置し、下流側に吸引点70aまたは吸引点70bが位置するようにストッパ60を配置する。これにより、外部からの電流が遮断される際に、いずれの回転方向にロータ10が回転する場合においても、接触部14aがストッパ60から離間することを抑制することができる。
最後に、CW回転のメータにもCCW回転のメータにも共用可能であるステッピングモータ1への適用例について、図15および図16を参照しながら説明する。図15は、第2の実施形態の変形例6に係るストッパの位置を模式的に示す図である。
図15に示す変形例6では、外部からの電流が遮断される際に、CW方向にロータ10を回転させる場合に接触部14aと当接する第1ストッパ60aと、CCW方向にロータ10を回転させる場合に接触部14aと当接する第2ストッパ60bとが両方備えられる。
ここで、第1ストッパ60aは、上述した変形例3におけるストッパ60と同じ位置(図12参照)に設けられ、第2ストッパ60bは、上述した第2の実施形態におけるストッパ60と同じ位置(図11参照)に設けられる。
また、変形例6では、図15に示すとおり、離反点71bを含み第1ストッパ60aと第2ストッパ60bとに挟まれる範囲が、指針の動作範囲として設定される。
ここで、変形例6にかかるステッピングモータ1をCCW回転のメータ(すなわち、電流が遮断される際にはCW方向に回転するメータ)に用いる場合には、メータの原点に対応する位置に第1ストッパ60aを配置する。
これにより、図15に示すように、かかる第1ストッパ60aの位置ではCW方向を向くコギングトルクにより、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、接触部14aが第1ストッパ60aに押しつけられる。これにより、接触部14aが第1ストッパ60aから離間することを抑制することができる。
さらに、変形例6にかかるステッピングモータ1をCW回転のメータ(すなわち、電流が遮断される際にはCCW方向に回転するメータ)に用いる場合には、メータの原点に対応する位置に第2ストッパ60bを配置する。
これにより、図15に示すように、かかる第2ストッパ60bの位置ではCCW方向を向くコギングトルクにより、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、接触部14aが第2ストッパ60bに押しつけられる。これにより、接触部14aが第2ストッパ60bから離間することを抑制することができる。
すなわち、変形例6によれば、上述の位置に第1ストッパ60aおよび第2ストッパ60bを設けることにより、CW回転のメータにもCCW回転のメータにも共用可能であるステッピングモータ1を実現することができる。
図16は、第2の実施形態の変形例7に係るストッパの位置を模式的に示す図である。なお、変形例7は、上述の変形例6とは異なる位置に第1ストッパ60aおよび第2ストッパ60bを設ける例である。
図16に示す変形例7では、変形例6と同様に、外部からの電流が遮断される際に、CW方向にロータ10を回転させる場合に接触部14aと当接する第1ストッパ60aと、CCW方向にロータ10を回転させる場合に接触部14aと当接する第2ストッパ60bとが両方備えられる。
ここで、第1ストッパ60aは、上述した変形例5におけるストッパ60と同じ位置(図14参照)に設けられ、第2ストッパ60bは、上述した変形例4におけるストッパ60と同じ位置(図13参照)に設けられる。
また、変形例7では、図16に示すとおり、離反点71aを含み第1ストッパ60aと第2ストッパ60bとに挟まれる範囲が、指針の動作範囲として設定される。
ここで、変形例7にかかるステッピングモータ1をCCW回転のメータ(すなわち、電流が遮断される際にはCCW方向に回転するメータ)に用いる場合には、メータの原点に対応する位置に第1ストッパ60aを配置する。
これにより、図16に示すように、かかる第1ストッパ60aの位置ではCW方向を向くコギングトルクにより、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、接触部14aが第1ストッパ60aに押しつけられる。これにより、接触部14aが第1ストッパ60aから離間することを抑制することができる。
さらに、変形例7にかかるステッピングモータ1をCW回転のメータ(すなわち、電流が遮断される際にはCCW方向に回転するメータ)に用いる場合には、メータの原点に対応する位置に第2ストッパ60bを配置する。
これにより、図16に示すように、かかる第2ストッパ60bの位置ではCCW方向を向くコギングトルクにより、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、接触部14aが第2ストッパ60bに押しつけられる。これにより、接触部14aが第2ストッパ60bから離間することを抑制することができる。
すなわち、変形例7によれば、上述の位置に第1ストッパ60aおよび第2ストッパ60bを設けることにより、CW回転のメータにもCCW回転のメータにも共用可能であるステッピングモータ1を実現することができる。
なお、変形例6および変形例7では、第1ストッパ60aと第2ストッパ60bとを異なる2つの部位で形成した例について示したが、同じ1つの部位で第1ストッパ60aと第2ストッパ60bを形成してもよい。この場合、たとえば、1つのストッパ60を、上述した第1ストッパ60aの位置から第2ストッパ60bの位置まで、指針動作範囲ではない範囲を周方向に延びるように形成すればよい。
さらに、第1ストッパ60aの位置と第2ストッパ60bの位置との組み合わせは、図15や図16に示した組み合わせに限られない。たとえば、第1ストッパ60aが変形例3におけるストッパ60と同じ位置(図12参照)に設けられ、第2ストッパ60bが変形例4におけるストッパ60と同じ位置(図13参照)に設けられていてもよい。
また、第1ストッパ60aが変形例5におけるストッパ60と同じ位置(図14参照)に設けられ、第2ストッパ60bが第2の実施形態におけるストッパ60と同じ位置(図11参照)に設けられていてもよい。
上述したように、第1の実施形態によれば、A相とB相との位相差θが電気角で90°より大きくなるようにステッピングモータ1を構成することにより、ステッピングモータ1の回転むらを低減することができる。また、第2の実施形態によれば、かかるステッピングモータ1においてストッパ60を所定の位置に配置することにより、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、接触部14aがストッパ60から離間することを抑制することができる。したがって、供給される電流が遮断された後にも、ストッパ60と接触部14aとの接触状態を維持し、メータの指針を初期位置に保持することができる。
なお、上記の各実施形態では、ダイレクト駆動型のステッピングモータ1について説明したが、減速器一体内蔵型モータ(ギアードモータ)に適用してもよい。一方で、上記の各実施形態は、ダイレクト駆動型のステッピングモータに適用したほうが、より好ましい。
なぜなら、ダイレクト駆動型のステッピングモータ、特に計器用モータは、指示精度を確保するために軸受摺動損失トルクがきわめて小さく設定されていることから、構成部材である磁石と鉄との磁気作用に起因するコギングトルクが微小な値であったとしても、ストッパ60とロータ10の接触部14aとの接触状態を安定して維持することができるからである。
以上のように、実施形態に係るステッピングモータ1は、周方向に多極着磁される永久磁石(ロータマグネット12)を有するロータ10と、コイル26aを有し、第1相(A相)における励磁ベクトルを形成する第1ステータ(A相ステータ21)と、コイル26bを有し、第2相(B相)における励磁ベクトルを形成する第2ステータ(B相ステータ22)と、を備える。そして、第1相(A相)と第2相(B相)との位相差θが電気角で90°より大きい。これにより、ステッピングモータ1の回転むらを低減することができる。
また、実施形態に係るステッピングモータ1において、ロータ10は、シャフト11と、ロータマグネット12と、スリーブ13とを備える。これに限定されず、ロータ10はシャフト11と、ロータマグネット12とを備えていてもよい。また、ロータ10はシャフト11と、樹脂製のスリーブ13と、焼結させたロータマグネット12とを備えていてもよく、シャフト11と、樹脂製のスリーブ13と、焼結されたロータマグネット12と、アルミニウム等の金属材料で形成されたストップ部14とを備えていても構わない。
また、実施形態に係るステッピングモータ1において、第1相(A相)と第2相(B相)との位相差θが電気角で91°以上99°以下である。これにより、ステッピングモータ1の回転むらをさらに低減することができる。
また、実施形態に係るステッピングモータ1において、第1ステータ(A相ステータ21)に対する第2ステータ(B相ステータ22)の位置を周方向に相対的にずらすことにより、第1相(A相)と第2相(B相)との位相差θを電気角で90°より大きくする。これにより、低コストで回転むらを低減することができる。
また、実施形態に係るステッピングモータ1において、ロータ10の永久磁石(ロータマグネット12)は、第1ステータ(A相ステータ21)に向かい合う第1着磁部12aと、第2ステータ(B相ステータ22)に向かい合う第2着磁部12bとを有し、第1着磁部12aに対する第2着磁部12bの位置を周方向に相対的にずらすことにより、第1相(A相)と第2相(B相)との位相差θを電気角で90°より大きくする。これにより、低コストで回転むらを低減することができる。
また、実施形態に係るステッピングモータ1は、ストッパ60と、ロータ10に設けられストッパ60と接触する接触部14aとをさらに備える。そして、外部から供給される電流が遮断される際に、第1ステータ(A相ステータ21)と第2ステータ(B相ステータ22)とに起因して発生するコギングトルクにより、接触部14aがストッパ60を押圧する回転方向にロータ10を回転させる。これにより、供給される電流が遮断された後にも、ストッパ60と接触部14aとの接触状態を維持し、メータの指針を初期位置に保持することができる。
また、実施形態に係るステッピングモータ1において、ストッパ60は、回転方向が時計回りである場合に接触部14aに押圧される第1ストッパ60aと、回転方向が反時計回りである場合に接触部14aに押圧される第2ストッパ60bと、を有する。これにより、CW回転のメータにもCCW回転のメータにも共用可能であるステッピングモータ1を実現することができる。
また、実施形態に係るステッピングモータ1は、メータの指針を回動させる。これにより、指針表示の信頼性が高いメータを実現することができる。
また、実施形態に係る自動車は、ステッピングモータ1と、指針を有するメータと、ステッピングモータ1に電流を供給する外部電源と、を備える。これにより、指針表示の信頼性が高いメータが搭載された自動車を実現することができる。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1 ステッピングモータ
2 制御部
10 ロータ
11 シャフト
12 ロータマグネット
12a 第1着磁部
12b 第2着磁部
13 スリーブ
14 ストップ部
14a 接触部
20 ステータ
21 A相ステータ
22 B相ステータ
23a、23b カップ状ヨーク
24a、24b 円板状ヨーク
25a、25b ボビン
26a、26b コイル
27a〜27d 端子ピン
30 エンドプレート
40 フロントプレート
41a〜41d 外部端子ピン
42 固着接点
50 モールド樹脂
60 ストッパ
60a 第1ストッパ
60b 第2ストッパ
70a、70b 吸引点
71a、71b 離反点

Claims (8)

  1. 周方向に多極着磁される永久磁石を有するロータと、
    コイルを有し、第1相における励磁ベクトルを形成する第1ステータと、
    コイルを有し、第2相における励磁ベクトルを形成する第2ステータと、
    を備え、
    前記第1相と前記第2相との位相差が電気角で90°より大きい
    ステッピングモータ。
  2. 前記第1相と前記第2相との位相差が電気角で91°以上99°以下である、
    請求項1に記載のステッピングモータ。
  3. 前記第1ステータに対する前記第2ステータの位置を前記周方向に相対的にずらすことにより、前記第1相と前記第2相との位相差を電気角で90°より大きくする
    請求項1または2に記載のステッピングモータ。
  4. 前記ロータの前記永久磁石は、前記第1ステータに向かい合う第1着磁部と、前記第2ステータに向かい合う第2着磁部とを有し、
    前記第1着磁部に対する前記第2着磁部の位置を前記周方向に相対的にずらすことにより、前記第1相と前記第2相との位相差を電気角で90°より大きくする
    請求項1または2に記載のステッピングモータ。
  5. ストッパと、前記ロータに設けられ前記ストッパと接触する接触部とをさらに備え、
    外部から供給される電流が遮断される際に、前記第1ステータと前記第2ステータとに起因して発生するコギングトルクにより、前記接触部が前記ストッパを押圧する回転方向に前記ロータを回転させる、
    請求項1〜4のいずれか一つに記載のステッピングモータ。
  6. 前記ストッパは、前記回転方向が時計回りである場合に前記接触部に押圧される第1ストッパと、前記回転方向が反時計回りである場合に前記接触部に押圧される第2ストッパと、を有する
    請求項5に記載のステッピングモータ。
  7. メータの指針を回動させる、
    請求項1〜6のいずれか一つに記載のステッピングモータ。
  8. 請求項7に記載のステッピングモータと、
    前記指針を有するメータと、
    前記ステッピングモータに電流を供給する外部電源と、
    を備える自動車。
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