JP2018057089A - ステッピングモータおよび自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステッピングモータへ供給される電流が遮断された後にも、ストッパとロータの接触部との接触状態を維持し、メータの指針を初期位置に保持すること。【解決手段】実施形態のステッピングモータは、ストッパと、ロータと、複数のコイルと、を備える。ロータは、ストッパと接触する接触部を有する。複数のコイルは、ロータを所定の回転方向に回動させる励磁ベクトルを形成する。そして、複数のコイルは、外部から供給される電流が遮断される前に、接触部をストッパに接触させるストッパ励磁ベクトルを形成し、接触部がストッパに接触した後に、ストッパ励磁ベクトルに対して所定の回転方向に所定の電気角を成す最終励磁ベクトルを形成する。【選択図】図5

Description

本発明は、ステッピングモータおよび自動車に関する。
従来、メータにおける指針の初期位置を保証するために、モータにストッパを内蔵し、ロータが360度回動できない構造のステッピングモータが知られている。かかるステッピングモータでは、メータの電源停止時に、ロータを所定の方向に回転させてストッパとロータの接触部とを接触させ、指針を初期位置に合わせてからステッピングモータへ供給される電流を遮断する処理が行われる。
特開平9−65699号公報
しかしながら、従来のステッピングモータでは、供給される電流が遮断された後に、ストッパとロータの接触部とが離間して指針が初期位置からずれるという不具合が生じる場合がある。なぜなら、従来のステッピングモータでは、供給される電流が遮断された状態でも、構成部材である磁石と鉄との磁気作用に起因するごく微少なトルク、いわゆる「コギングトルク」がロータに働いており、かかるコギングトルクがロータの接触部をストッパから離間させる方向に働く場合があるからである。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ステッピングモータへ供給される電流が遮断された後にも、ストッパとロータの接触部との接触状態を維持し、メータの指針を初期位置に保持することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係るステッピングモータは、ストッパと、ロータと、複数のコイルとを備える。前記ロータは、前記ストッパと接触する接触部を有する。前記複数のコイルは、前記ロータを所定の回転方向に回動させる励磁ベクトルを形成する。そして、前記複数のコイルは、外部から供給される電流が遮断される前に、前記接触部を前記ストッパに接触させるストッパ励磁ベクトルを形成し、前記接触部が前記ストッパに接触した後に、前記ストッパ励磁ベクトルに対して前記所定の回転方向に所定の電気角を成す最終励磁ベクトルを形成する。
本発明の一態様によれば、ステッピングモータへ供給される電流が遮断された後にも、ストッパとロータの接触部との接触状態を維持し、メータの指針を初期位置に保持することができる。
図1は、実施形態に係るステッピングモータの斜視図である。 図2は、実施形態に係るステッピングモータの側断面図である。 図3は、実施形態に係るステッピングモータを構成するロータの斜視図である。 図4は、実施形態に係るステッピングモータに接続された制御部を示すブロック図である。 図5は、実施形態に係るステッピングモータの電流遮断処理における励磁ベクトルとストッパとの位置関係を模式的に示す図である。 図6Aは、実施形態に係る最終励磁ベクトルの振幅値の制御方法の一例を示す図である。 図6Bは、実施形態に係る最終励磁ベクトルの振幅値の制御方法の別の例を示す図である。 図6Cは、実施形態に係る最終励磁ベクトルの振幅値の制御方法のさらに別の例を示す図である。 図7は、実施形態の変形例に係るステッピングモータの電流遮断処理における励磁ベクトルとストッパとの位置関係を模式的に示す図である。
以下、実施形態に係るステッピングモータについて図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<ステッピングモータの構成>
最初に、実施形態に係るステッピングモータの構成について説明する。図1および図2は、実施形態に係るステッピングモータ1を示している。図1は、実施形態に係るステッピングモータ1の斜視図であり、図2は、実施形態に係るステッピングモータ1の側断面図である。
ステッピングモータ1は、例えば図示しない指針式メータ(表示装置)における指針の回動を駆動するためのメータ用のステッピングモータであり、図2に示すように、ロータ10と、ステータ20と、エンドプレート30と、フロントプレート40とを備える。
ロータ10は、ステータ20の内部に回動可能に収容されている。ロータ10は、図2に示すように、シャフト11と、ロータマグネット12と、スリーブ13とを備える。
シャフト11は、アルミ合金からなるスリーブ13の軸心に圧入されて固定されている。円筒状のロータマグネット12は、ボンド磁石を射出成形して得られたものであり、スリーブ13の外周に装着されている。シャフト11は、ステッピングモータ1の回転軸を構成している。
また、ロータマグネット12は必要に応じて、その磁気特性を調整する(基本は、磁気特性を向上させるが、磁気的分布を調整する事もある。)為に、射出成型時に必要な直流磁場を掛け、異方性の磁石にすることができる。
ステータ20は、同じ構成を有する環状のA相ステータ21とB相ステータ22とを備える。かかるA相ステータ21とB相ステータ22は軸方向に並べて配置されることで、軸方向に同軸上に積層され、ステータ20は両者で2相構造となっている。A相ステータ21とB相ステータ22とは同じ構成であることから、以下ではA相ステータ21について説明し、B相ステータ22の説明は省略する。
図2に示すように、A相ステータ21は、カップ状ヨーク(第1ヨーク)23と、円板状ヨーク(第2ヨーク)24と、ボビン25と、コイル26とを備える。
カップ状ヨーク23は、カップ状の外形を有し、軟磁性の鋼板で形成され、円板状ヨーク24と軸方向(図2で上下方向)で離間するように組まれている。カップ状ヨーク23は底板23bを有する。そして、かかる底板23bの中央部に形成された開口の周縁には、軸方向に突出する複数の極歯23aが櫛歯状に形成されている。
円板状ヨーク24は、円板状の外形を有し、軟磁性の鋼板で形成され、円板状ヨーク24の外周縁がカップ状ヨーク23の内周面に嵌着されている。また、円板状ヨーク24の中央部に形成された開口の周縁には、軸方向に突出する複数の極歯24aが櫛歯状に形成されている。そして、カップ状ヨーク23の極歯23aと円板状ヨーク24の極歯24aとは、周方向に交互に噛み合わされている。
ボビン25は、絶縁性の樹脂で形成され、ボビン25の周縁の一部に端子台25aが一体成形によって形成されている。かかる端子台25aには複数の端子ピン27a〜27dが設けられ、端子ピン27a〜27dには、コイル26の端末26aが絡げられて接続されている。
コイル26は、ボビン25に巻回され、カップ状ヨーク23と円板状ヨーク24との間であって極歯23a、24aの外周側に配置されている。
上記構成を有するA相ステータ21およびB相ステータ22は、樹脂により積層状態に一体に組み付けられて、モールド成形されている。以下、この樹脂を「モールド樹脂」と呼称する。このモールド樹脂50は、カップ状ヨーク23の極歯23aと円板状ヨーク24の極歯24aとの間に充填されている。
そして、ステッピングモータ1は、B相ステータ22側の一端部(図2では上端部)がエンドプレート30で閉塞され、A相ステータ21側の他端部(図2では下端部)がフロントプレート40で閉塞されている。
円形状のエンドプレート30は、上述のモールド樹脂50の一体成形により形成されている。エンドプレート30の中央部には、貫通孔(ロータ支持部)30aが形成されており、かかる貫通孔30aにシャフト11の一端部が貫通され、かつ回動可能に支持されている。
樹脂からなる円形状のフロントプレート40は、A相ステータ21の円板状ヨーク24に嵌着されるとともに、A相ステータ21のカップ状ヨーク23にカシメ固定されている。フロントプレート40の中央部には貫通孔(ロータ支持部)40aが形成されており、かかる貫通孔40aにシャフト11が貫通され、かつ回動可能に支持されている。
また、フロントプレート40の周縁の一部には、径方向に突出する端子部40bが形成されている。かかる端子部40bはカップ状ヨーク23の外周から外側に突出しており、端子部40bには、軸方向(図2で上下方向)に延びる複数の外部端子ピン41a〜41dが設けられている。
そして、外部端子ピン41a〜41dと端子ピン27a〜27dとのそれぞれの先端同士は、抵抗溶接やレーザ溶接等の手段によって互いに固着され、固着接点42を介して電気的に接続されている。
ここで、実施形態のステッピングモータ1は、ロータマグネット12の一端面(図2では上端面)に、ロータマグネット12とは同心状に環状のストップ部14が形成されている。図3は、実施形態に係るステッピングモータ1を構成するロータ10の斜視図である。そして、図3に示すように、ストップ部14の周縁の一部には、径方向に突出する接触部14aが形成されている。
ストップ部14は、ロータマグネット12の射出成形時に一体成形で形成されている。ロータマグネット12は周方向に多極着磁されており、ロータマグネット12を着磁する際、同時にストップ部14も接触部14aを含めて着磁されている。
また、図2に示すように、エンドプレート30の所定箇所にはスタッド孔30bが形成されており、このスタッド孔30bに外側からストッパ(スタッドピン)60が挿通され、固定されている。ストッパ60は、非磁性金属によって形成されている。
ストッパ60は、エンドプレート30の内面よりも内側に突出している。そして、ロータ10が回動した場合、ストッパ60と、ロータマグネット12のストップ部14に形成されている接触部14aとが当接し、ロータ10の回動が制限されるようになっている。
図4は、実施形態に係るステッピングモータ1に接続された制御部2を示すブロック図である。制御部2は、ステッピングモータ1のA相ステータ21(図2参照)およびB相ステータ22(図2参照)のそれぞれのコイル26に接続されている。
そして、制御部2は、複数のコイル26によってステッピングモータ1の内部に形成される励磁ベクトルを制御し、励磁ベクトルを制御することによりロータ10の回動を制御する。制御部2は、ステッピングモータ1に内蔵されていてもよいし、ステッピングモータ1の外部に設けられていてもよい。
<ステッピングモータの電流遮断処理の概要>
続いて、実施形態に係るステッピングモータ1に供給される電流が遮断される際の処理(以下、「電流遮断処理」とも呼称する。)の概要について説明する。図5は、実施形態に係るステッピングモータ1の電流遮断処理における励磁ベクトルを示す図である。
なお、ここで言う励磁ベクトルとは、各コイル26に流す直流電流の合成でロータ10とステータ20で構成されたエアギャップ中につくられた磁界をいい、この磁界によりロータマグネット12を磁気的に安定な位置に停止させる静的なベクトルをいう。
図5では、無負荷状態でA相ステータ21(図2参照)のコイル26(図2参照)のみが励磁された状態における力の方向を、A相の+方向の軸(+縦軸)としている。また、無負荷状態でB相ステータ22(図2参照)のコイル26のみが励磁された状態における力の方向を、B相の+方向の軸(+横軸)としている。すなわち、A相による縦軸とB相による横軸とで、2次元座標系が構成されている。そして、ストッパ60は、/B相(−横軸)に対応する位置に配置されている。
なお、以降の説明において、励磁されたA相ステータ、/A相ステータ、B相ステータ、/B相ステータの状態の力の方向は、無負荷状態における方向だが、これに限定されず、負荷状態における方向であっても構わない。
ここで、ステッピングモータ1が指針を表示するメータに搭載された場合、ストッパ60は、例えばメータの原点(例えば、メータのゼロ指示位置)に対応する位置に配置され、接触部14a(図3参照)は、例えばメータの指針に対応する位置に配置される。
そして、A相ステータ21およびB相ステータ22の複数のコイル26で形成される励磁ベクトルに、接触部14aが引っ張り込まれるようにロータ10(図2参照)が回動する。換言すると、励磁ベクトルの向きに対応した位置に向かって接触部14aが回動する。
なお、本実施形態ではCW(時計回り)回転のステッピングモータ1について示しており、電流遮断処理は図5に示すようにCCW(反時計回り)回転で実施される。しかしながら、ステッピングモータ1は、CCW回転のステッピングモータでもよい。その場合、電流遮断処理はCW回転で実施すればよい。
上述の構成を有するステッピングモータ1の電流遮断処理の手順は以下の通りである。まず、ロータ10にCCW回転のトルクがかかるように、複数のコイル26が所定の励磁ベクトルを形成する。これにより、接触部14aはCCW方向に回転してストッパ60に向かい、ストッパ60に到達して接触する。なお、接触部14aがストッパ60に到達した際、複数のコイル26は、ストッパ60の位置に対応する/B相励磁のストッパ励磁ベクトルE0を形成している。このストッパ励磁ベクトルE0は、ロータ10を所定の回転方向に回転させて、接触部14aをストッパ60に接触させる励磁ベクトルである。
ここで、かかる所定の励磁ベクトルとしては、例えば、最初に/B相励磁のストッパ励磁ベクトルE0が形成される。続いて、/A相励磁の励磁ベクトル、B相励磁の励磁ベクトル、A相励磁の励磁ベクトル、/B相励磁のストッパ励磁ベクトルE0の順に励磁ベクトルが形成され、これら4つの励磁ベクトルを1サイクルとして、励磁が所定のサイクル数くり返される。
この所定のサイクル数としては、例えば、ステッピングモータ1が磁極数18極、基本ステップ角10°の場合、かかる1サイクル(1電気サイクル)の励磁により、ロータ10は機械角で10×4=40°回転することから、ロータ10を360°回転させ、確実に接触部14aをストッパ60に到達させるためには、最低360÷40=9サイクル励磁すればよい。
なお、かかる所定の励磁ベクトルは、上述の例に限定されず、接触部14aがCCW方向に回転してストッパ60に向かい、ストッパ60に到達するように構成されていれば、どのような励磁ベクトルが形成されてもよい。
そして、接触部14aがストッパ60に到達した後、複数のコイル26は、最後に最終励磁ベクトルEfを形成して、電流遮断処理を完了させる。ここで、最終励磁ベクトルEfは、ストッパ励磁ベクトルE0に対してCCW方向に所定の電気角を成す励磁ベクトルである。換言すると、最終励磁ベクトルEfは、ストッパ60の位置に対応する箇所からCCW方向の下流側に位置している。なお、最終励磁ベクトルEfの大きさはストッパ励磁ベクトルE0の大きさに対して任意に設定でき、大きく、小さく、或いは同じにして構わない。
ここで、かかる最終励磁ベクトルEfに起因する残留磁気により、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、接触部14aはストッパ60よりも下流側に引き寄せられ、ストッパ60に押しつけられる。これにより、接触部14aがストッパ60から離間することを抑制することができる。
したがって、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、ストッパ60と接触部14aとの接触状態を維持し、メータの指針を初期位置に保持することができる。
また、実施形態において、最終励磁ベクトルEfは、ストッパ励磁ベクトルE0に対してCCW方向に鋭角の電気角となる励磁ベクトルであるとよい。換言すると、図5に示す角度θ1を、電気角で鋭角にするとよい。角度θ1を電気角で鋭角にすることにより、供給される電流が遮断された後に、接触部14aがストッパ60から離間することを効果的に抑制することができる。
さらに、実施形態においては、角度θ1を電気角で10°〜45°の範囲にすることが好ましく、角度θ1を電気角で10°〜23°の範囲にすることがより好ましい。角度θ1をかかる範囲にすることにより、供給される電流が遮断された後に、接触部14aがストッパ60から離間することをより効果的に抑制することができる。
なお、上述の電流遮断処理を実施することにより、メータの電源が停止された後に、指針がメータのゼロ指示位置を超えてプラスに表示される現象を抑制できることから、指針表示の信頼性が高いメータを実現することができる。
また、ステッピングモータ1が搭載されるメータは、例えば、自動車に搭載される車載用のメータであるとよい。これにより、指針表示の信頼性が高いメータが搭載される自動車を実現することができる。また、かかる自動車は、ステッピングモータ1に電流を供給する外部電源を備えていても構わない。
<最終励磁ベクトルの振幅値の制御方法>
続いて、図6A〜図6Cを参照しながら、最終励磁ベクトルEfの振幅値の制御方法について説明する。図6Aは、実施形態に係る最終励磁ベクトルEfの振幅値の制御方法の一例を示す図であり、複数のコイル26(図2参照)で形成される励磁ベクトルが最終励磁ベクトルEf(図5参照)に到達した時点を時間ゼロとした場合の、最終励磁ベクトルEfの振幅値(大きさ、電圧値)|Ef|の推移を示している。
図6Aに示すように、複数のコイル26は、まず、最終励磁ベクトルEfを、所定の時間(Δthold)、所定の振幅値(|Ef|hold)で励磁ホールドする。次に、複数のコイル26は、振幅値|Ef|を所定の時間(Δtreduce)かけて、所定の振幅値(|Ef|min)まで順次下げていき、最後に、所定の時間(Δtreduce)経過したところで、振幅値|Ef|をゼロにする。
このように最終励磁ベクトルEfの振幅値|Ef|が時間の経過とともに減少するように制御しながら電流遮断処理を実施することにより、供給される電流が遮断された後に、接触部14aがストッパ60から離間することを顕著に抑制することができる。
続いて、上述の各パラメータのうち、(1)Δthold、(2)Δtreduce、(3)|Ef|minの好ましい条件について、それぞれ以下に述べる。
(1)の励磁ホールドする時間Δtholdは、例えば、0.05(s)〜1.0(s)の範囲にすればよい。なお、Δtholdは、より具体的には、指針を含む慣性モーメントの大きさと、励磁ホールド状態でのステッピングモータ1の発生トルクとに基づいて求めることができる。
ストッパ60がある位置から1電気サイクルだけ上流側にある磁気的に安定な位置(例:/B相)にメータの指針を飛ばし、指針に生じた振動の波形(以下、「振動波形」とも呼称する)からΔtholdを算定する。特に振動が減衰していく過程における波形の変化を観測する。
ここで、振動波形は、時間の経過とともに減衰していく振動の波形をいう。なお、ストッパ60の位置で振動波形を観測すれば、接触部14aとストッパ60が干渉しているので、異なった振動波形となる。そこで、ストッパ60がある位置から1電気サイクルだけ上流側にある磁気的に安定な位置に飛ばして振動波形を観測する必要がある。
Δtholdの算出方法は、例えば以下の通りである。まず、メータの指針をシャフト11(図2参照)に取り付け、所定の条件で励磁ホールド状態とする。この際、指針や接触部14a(図2参照)は励磁安定点で停止する。この状態から指針に力を加えて指針を励磁安定点からずらし、さらに加えた力を解除すると、指針は振動し、最終的には励磁安定点で再度停止する。かかる指針の振動は、ある種の減衰振動と見なすことができる。
ここで、かかる減衰振動の固有振動数fo(Hz)を測定して、3×(1/fo)〜20×(1/fo)の範囲にΔtholdを設定することが好ましい。
(2)の振幅値|Ef|を順次下げていく時間Δtreduceは、Δtholdと同程度の時間にするのが好ましい。Δtreduceは、例えば、0.05(s)〜1.0(s)の範囲にすればよい。また、Δtreduceは、より具体的には、3×(1/fo)〜20×(1/fo)の範囲に設定することが好ましい。また、振幅値|Ef|を減少させる際には、例えば図6Aに示すように、振幅値|Ef|を線形的に減少させるとよい。
一方で、振幅値|Ef|は、必ずしも線形的に減少させる必要はない。図6Bは、実施形態に係る最終励磁ベクトルEfの振幅値|Ef|の制御方法の別の例を示す図である。図6Bに示すように、振幅値|Ef|をステップ状に減少させてもよい。この場合、例えば、振幅値|Ef|を0.5(V)ステップで減少させればよい。
(3)の最終励磁ベクトルEfの励磁を停止する際の振幅値|Ef|minは、1.0(V)以下であることが好ましく、限りなくゼロ(V)に近い値であることがより好ましい。
また、最終励磁ベクトルEfの励磁を停止する直前に、各コイル26を駆動する全てのHブリッジの上側スイッチまたは下側スイッチを同時にオンして、各コイル26をスイッチで短絡状態(短絡モード)にした後に励磁電流を遮断すると、さらに高い効果を得ることができる。
図6Cは、実施形態に係る最終励磁ベクトルEfの振幅値|Ef|の制御方法のさらに別の例を示す図である。図6Cに示すように、上述の励磁ホールドを省略して、最終励磁ベクトルEfに到達した時点から振幅値|Ef|を|Ef|minまで順次下げてもよい。
なお、この場合、時間ゼロから振幅値|Ef|を|Ef|minまで減少させる時間Δtreduceは、図6Aおよび図6Bに示した励磁ホールドする場合のΔtholdとΔtreduceとを合計した値よりも、幾分長めに設定することが好ましい。また、図6Cでは、振幅値|Ef|を線形的に減少させた例について示しているが、振幅値|Ef|をステップ状に減少させてもよい。
さらに、最終励磁ベクトルEfの振幅値|Ef|を減少させるパターンは、単調減少であれば図6A〜図6Cに示した線形的な減少やステップ状の減少に限られず、例えば、2次関数的に減少させてもよい。
<変形例>
続いて、実施形態にかかるステッピングモータ1の変形例について説明する。図7は、変形例に係るステッピングモータ1の電流遮断処理における励磁ベクトルを示す図である。なお、図7は、実施形態における図5に対応している。
変形例に係るステッピングモータ1は、最終励磁ベクトルEfに到達するまでの励磁ベクトルの構成が上述の実施形態と異なる。その他の点は実施形態と同様であり、共通の構成については同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
図7に示すように、接触部14a(図2参照)がストッパ60に到達し、ストッパ励磁ベクトルE0が形成された後、複数のコイル26(図2参照)は、中間励磁ベクトルE1、中間励磁ベクトルE2の順に形成してから、最後に最終励磁ベクトルEfを形成して、電流遮断処理を完了させる。
ここで、中間励磁ベクトルE1、E2は、ストッパ励磁ベクトルE0と最終励磁ベクトルEfとの間に位置する励磁ベクトルであり、中間励磁ベクトルE2は中間励磁ベクトルE1よりCCW方向の下流側に位置している。すなわち、複数のコイル26は、電源遮断処理において、ストッパ励磁ベクトルE0、中間励磁ベクトルE1、中間励磁ベクトルE2、最終励磁ベクトルEfの順に励磁ベクトルを段階的にCCW方向の下流側に位置させている。
このように、ストッパ励磁ベクトルE0からCCW方向の下流側に段階的に励磁ベクトルを位置させ、最後に最終励磁ベクトルEfを形成することにより、供給される電流が遮断された後に、接触部14aがストッパ60から離間することを顕著に抑制することができる。
中間励磁ベクトルE1、E2は、1つであってもよいし、互いに異なる向きで2つ以上設けられていてもよい。中間励磁ベクトルE1、E2を互いに異なる向きで2つ以上設けることにより、さらに高い効果を得ることができる。さらに、いわゆるマイクロステップ制御を用いて、励磁ベクトルを小さなステップ角度でストッパ励磁ベクトルE0から最終励磁ベクトルEfまで滑らかに回転させると、より好ましい。
なお、実施形態において、ストッパ励磁ベクトルE0から最終励磁ベクトルEfまでの励磁は、中断せずに連続的に行うとよい。もし仮に、ストッパ励磁ベクトルE0を形成した後に励磁を中断しなければならない場合は、ステッピングモータ1の電気的時定数(例えば、1ms)よりも短い時間の中断にすればよい。
また、実施形態において、ストッパ励磁ベクトルE0から最終励磁ベクトルEfまでの励磁ベクトルは、一時的にでもCW方向には逆回転させず、全行程でCCW方向に正回転させるとよい。さらに、ストッパ励磁ベクトルE0から最終励磁ベクトルEfまでに至る時間は、100(ms)〜500(ms)であれば好ましく、時間が長いほどより好ましい。
上述したように、実施形態によれば、ストッパ60の位置に対応するストッパ励磁ベクトルE0を下流側に回転させた励磁ベクトルである最終励磁ベクトルEfを形成してから電流遮断処理を完了させることにより、供給される電流が遮断された後にも、残留磁気により接触部14aはストッパ60に押しつけられる。これにより、接触部14aがストッパ60から離間することを抑制することができることから、供給される電流が遮断された後にも、ストッパ60と接触部14aとの接触状態を維持し、メータの指針を初期位置に保持することができる。
なお、上記の実施形態では、2相のステッピングモータ1について説明したが、電流遮断処理時に励磁ベクトルの向きや励磁時間などが調整可能であれば、どのような種類のモータであってもよい。また、上記の実施形態では、ダイレクト駆動型のステッピングモータ1について説明したが、減速器一体内蔵型モータ(ギアードモータ)に適用してもよい。
さらに、上記の実施形態では、ストッパ60を/B相に対応する位置に配置した場合について説明したが、ストッパ60の配置はこれに限られない。例えば、ストッパ60をB相、A相、/A相に対応する位置に配置してもよい。
以上のように、実施形態に係るステッピングモータ1は、ストッパ60と、ロータ10と、複数のコイル26とを備える。ロータ10は、ストッパ60と接触する接触部14aを有する。複数のコイル26は、ロータ10を所定の方向に回動させる励磁ベクトルを形成する。そして、複数のコイル26は、外部から供給される電流が遮断される前に、接触部14aをストッパ60に接触させるストッパ励磁ベクトルE0を形成し、接触部14aがストッパ60に接触した後に、ストッパ励磁ベクトルE0に対して所定の回転方向に位置させた最終励磁ベクトルEfを形成する。これにより、ステッピングモータ1へ供給される電流が遮断された後にも、ストッパ60とロータ10の接触部14aとの接触状態を維持し、メータの指針を初期位置に保持することができる。
また、実施形態に係るステッピングモータ1は、コイル26が最終励磁ベクトルEfを形成した後に、外部から供給される電流が遮断される。これにより、ステッピングモータ1の電流遮断処理を適切に完了させることができる。
また、実施形態に係るステッピングモータ1において、最終励磁ベクトルEfは、ストッパ励磁ベクトルE0に対して所定の回転方向に鋭角の電気角を成す励磁ベクトルである。これにより、供給される電流が遮断された後に、接触部14aがストッパ60から離間することを効果的に抑制することができる。
また、実施形態に係るステッピングモータ1において、最終励磁ベクトルEfは、ストッパ励磁ベクトルE0に対して所定の回転方向に10°〜45°の範囲となる電気角を成す励磁ベクトルである。これにより、供給される電流が遮断された後に、接触部14aがストッパ60から離間することをより効果的に抑制することができる。
また、実施形態に係るステッピングモータ1において、最終励磁ベクトルEfの大きさは、時間の経過とともに減少する。これにより、供給される電流が遮断された後に、接触部14aがストッパ60から離間することを顕著に抑制することができる。
また、実施形態に係るステッピングモータ1において、複数のコイル26は、接触部14aをストッパ60に接触させた後に、ストッパ励磁ベクトルE0と最終励磁ベクトルEfとの間に位置する中間励磁ベクトルE1、E2を形成し、中間励磁ベクトルE1、E2を形成後に、最終励磁ベクトルEfを形成する。これにより、供給される電流が遮断された後に、接触部14aがストッパ60から離間することを顕著に抑制することができる。
また、実施形態に係るステッピングモータ1において、中間励磁ベクトルE1、E2は、互いに異なる向きで2つ以上設けられる。これにより、接触部14aがストッパ60から離間することを、さらに高い効果で抑制することができる。
また、実施形態に係るステッピングモータ1は、メータの指針を回動させる。これにより、指針表示の信頼性が高いメータを実現することができる。
また、実施形態に係る自動車は、ステッピングモータ1と、指針を有するメータと、ステッピングモータ1に電流を供給する外部電源と、を備える。これにより、指針表示の信頼性が高いメータが搭載された自動車を実現することができる。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1 ステッピングモータ
2 制御部
10 ロータ
11 シャフト
12 ロータマグネット
13 スリーブ
14 ストップ部
14a 接触部
20 ステータ
21 A相ステータ
22 B相ステータ
23 カップ状ヨーク
24 円板状ヨーク
25 ボビン
26 コイル
27a〜27d 端子ピン
30 エンドプレート
40 フロントプレート
41a〜41d 外部端子ピン
42 固着接点
50 モールド樹脂
60 ストッパ
E0 ストッパ励磁ベクトル
Ef 最終励磁ベクトル
E1、E2 中間励磁ベクトル

Claims (9)

  1. ストッパと、
    前記ストッパと接触する接触部を有するロータと、
    前記ロータを所定の回転方向に回動させる励磁ベクトルを形成する複数のコイルと、
    を備え、
    前記複数のコイルは、
    外部から供給される電流が遮断される前に、前記接触部を前記ストッパに接触させるストッパ励磁ベクトルを形成し、
    前記接触部が前記ストッパに接触した後に、前記ストッパ励磁ベクトルに対して前記所定の回転方向に所定の電気角を成す最終励磁ベクトルを形成する、
    ステッピングモータ。
  2. 前記コイルが前記最終励磁ベクトルを形成した後に、前記外部から供給される電流は遮断される、
    請求項1に記載のステッピングモータ。
  3. 前記ストッパ励磁ベクトルに対して前記最終励磁ベクトルが成す前記電気角は、
    鋭角である、
    請求項1または2に記載のステッピングモータ。
  4. 前記電気角は10°〜45°の範囲である、
    請求項1〜3のいずれか一つに記載のステッピングモータ。
  5. 前記最終励磁ベクトルの大きさは、
    時間の経過とともに減少する、
    請求項1〜4のいずれか一つに記載のステッピングモータ。
  6. 前記複数のコイルは、
    前記接触部を前記ストッパに接触させた後に、前記ストッパ励磁ベクトルと前記最終励磁ベクトルとの間に位置する中間励磁ベクトルを形成し、
    前記中間励磁ベクトルを形成後に、前記最終励磁ベクトルを形成する、
    請求項1〜5のいずれか一つに記載のステッピングモータ。
  7. 前記中間励磁ベクトルは、
    互いに異なる向きで2つ以上設けられる、
    請求項6に記載のステッピングモータ。
  8. メータの指針を回動させる、
    請求項1〜7のいずれか一つに記載のステッピングモータ。
  9. 請求項8に記載のステッピングモータと、
    前記指針を有するメータと、
    前記ステッピングモータに電流を供給する外部電源と、
    を備える自動車。
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