以下、図面を参照して本発明に係る照明器具の実施形態について説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
[実施形態1]
まず、図1を参照して、実施形態1に係る照明器具1について説明する。図1は、実施形態1に係る照明器具1を示す図である。
図1に示すように、照明器具1は、ダクトレール100に取り付けられて使用される。本実施形態において、ダクトレール100は、天井面Cに固定されている。
次に、図2を参照して、実施形態1に係る照明器具1及びダクトレール100の構成について説明する。図2は、実施形態1に係る照明器具1及びダクトレール100の構成を示す斜視図である。
図2に示すように、照明器具1は、灯具2、本体3、及びカバー部材10を備える。以下では、照明器具1において、灯具2が配置される側を照明器具1の下側とし、その反対側を照明器具1の上側として本実施形態を説明する。また、照明器具1において、カバー部材10が配置される側を照明器具1の右側とし、その反対側を照明器具1の左側として本実施形態を説明する。更に、照明器具1を左側から見たときの右側を照明器具1の前側とし、その反対側を照明器具1の後ろ側として本実施形態を説明する。
灯具2は、光を出射する。灯具2は、例えば、LED(Light Emitting Diode)基板を有する。本実施形態において、灯具2は、スポットライトである。LED基板は、LEDを含む。LEDは、光源の一例である。
本体3は、灯具2を支持する。本体3は、ダクトレール100に装着自在である。カバー部材10は、本体3に着脱自在である。
ダクトレール100は、レールベース101を有する。レールベース101は、直線状に延設される。図2に示す例において、レールベース101は、左右方向に沿って延設される。
レールベース101は、下壁101aを有する。下壁101aは、ダクトレール100の下面を構成する。レールベース101の下壁101aには、挿通溝101bが形成される。挿通溝101bは、レールベース101が延びる方向に延在する。挿通溝101bは、レールベース101の内部と連通するスリットである。
レールベース101は、2つの導体部102、及び2つのプラグ支持部103を内部に有する。2つの導体部102、及び2つのプラグ支持部103は、レールベース101が延びる方向に延在する。
2つの導体部102は、挿通溝101bを挟んで対向する。各導体部102には、外部電源電圧が印加される。
2つのプラグ支持部103は、2つの導体部102の下方に設けられる。2つのプラグ支持部103は、挿通溝101bを挟んで対向する。
続いて、図3及び図4を参照して、実施形態1に係る本体3の構成について説明する。図3は、実施形態1に係るカバー部材10が取り外された照明器具1を示す斜視図である。詳しくは、図3は、右後方の下方から灯具2及び本体3を見た図を示す。
図3に示すように、本体3は、階段形状の筐体30を有する。筐体30は、後壁31(壁部の一例)、及び階段形状の下壁32を有する。後壁31と下壁32とは直交する。また、筐体30は、図2を参照して説明した灯具2を支持する支持面32sを有する。支持面32sは、下壁32の下面によって構成される。したがって、後壁31は、支持面32sと直交する。なお、後壁31の上端31tは、筐体30の上端30tの一部を構成する。また、支持面32sは、本体3の下面を構成する。
本体3は、ガイド部4、及び係止部5を有する。本実施形態において、ガイド部4及び係止部5は、筐体30に形成されている。
ガイド部4は、図2を参照して説明したカバー部材10の本体3への取り付けをガイドする。詳しくは、ガイド部4は、カバー部材10を係止部5までガイドする。
ガイド部4は、第1ガイド溝41を有する。第1ガイド溝41は、筐体30の後壁31に形成される。詳しくは、筐体30の後壁31は、凹部を有する。第1ガイド溝41は、筐体30の後壁31の凹部によって構成される。また、後壁31の上端31tは、後壁31の上端31tの他の部分よりも一段下がっている段差部31dを有する。第1ガイド溝41は、筐体30の後壁31の下端31uから段差部31dまで連続して設けられる。第1ガイド溝41は、底部41aを有する。
係止部5は、図2を参照して説明したカバー部材10を係止する。係止部5は、第1係止部51を有する。第1係止部51は、後壁31の段差部31dによって構成される。後壁31の凹部は、段差部31dと接続する。したがって、第1係止部51は、第1ガイド溝41の底部41aと接続する。換言すると、第1係止部51は、第1ガイド溝41の上端に接続する。
図4は、実施形態1に係るカバー部材10が取り外された照明器具1を示す他の斜視図である。詳しくは、図4は、右前方の上方から灯具2及び本体3を見た図を示す。筐体30は、前壁33(壁部の一例)を更に有する。前壁33は、図3を参照して説明した支持面32sと直交する。なお、前壁33の上端33tは、筐体30の上端30tの一部を構成する。
本体3は、ガイド部4、及び係止部5に加え、操作部6、プラグ部7、電源部8、及びケーブル収容部9を有する。電源部8は、筐体30の内部に配置される。ケーブル収容部9は、筐体30の外部に配置される。詳しくは、ケーブル収容部9は、電源部8よりも一段下がった部分に配置される。ケーブル収容部9は、前壁33の上端33tよりも上方に突出する。
ガイド部4は、第2ガイド溝42を更に有する。第2ガイド溝42は、筐体30の前壁33に形成される。詳しくは、筐体30の前壁33は、凹部を有する。第2ガイド溝42は、筐体30の前壁33の凹部によって構成される。また、前壁33の上端33tは、前壁33の上端33tの他の部分よりも一段下がっている段差部33dを有する。第2ガイド溝42は、前壁33の下端33uから段差部33dまで連続して設けられる。第2ガイド溝42は、底部42aを有する。
係止部5は、第2係止部52を更に有する。第2係止部52は、前壁33の段差部33dによって構成される。前壁33の凹部は、段差部33dと接続する。したがって、第2係止部52は、第2ガイド溝42の底部42aと接続する。換言すると、第2係止部52は、第2ガイド溝42の上端に接続する。
操作部6は、操作ベース61と、軸部62と、操作レバー63とを有する。
軸部62は、軸心Xを中心として回転自在に操作ベース61によって支持される。軸部62は、操作ベース61側を基端として、操作ベース61から上方に向けて突出する。
操作レバー63は、軸心Xを中心として回転自在に操作ベース61によって支持される。詳しくは、操作レバー63は、操作ツマミ631及びシャフト632を有する。操作ツマミ631は、シャフト632の先端側と接続する。シャフト632は、操作ベース61が有する右端面61aに形成された溝61bに挿通される。シャフト632の基端は、操作ベース61の内側において軸部62に固定されている。したがって、操作レバー63は、溝61bに沿って移動し、軸心Xを中心として回転することができる。
プラグ部7の姿勢は、操作部6を操作することによって変化する。詳しくは、プラグ部7は、操作レバー63を回転させることにより、軸心Xを中心として回転する。
プラグ部7は、支柱部71と、プラグ端子72と、レール係合部73とを有する。
支柱部71は、軸部62と接続し、軸部62側を基端として上方に向けて延びる。支柱部71は、軸部62に固定される。したがって、支柱部71は、軸部62の回転に応じて軸心Xを中心として回転する。
プラグ端子72は、支柱部71の周面から突出する。プラグ端子72は、支柱部71の回転に応じて、軸心Xを中心として回転する。プラグ端子72は、軸心Xを中心として回転することによって、図2を参照して説明した導体部102と接続する姿勢となる。また、プラグ端子72が導体部102と接続する姿勢から軸心Xを中心として回転すると、プラグ端子72と導体部102との接続が解除される。プラグ端子72が導体部102と接続すると、導体部102からの外部電源電圧が電源部8へ供給される。詳しくは、本体3は、電源部8とプラグ端子72とを電気的に接続するケーブルを有する。軸部62及び支柱部71は、内部空間を有する。プラグ端子72は、支柱部71の内部空間から支柱部71の外方に向けて突出する。ケーブルは、支柱部71の内部空間において、プラグ端子72と接続し、支柱部71及び軸部62の内部空間を通って電源部8と接続する。
レール係合部73は、支柱部71の周面に設けられる。レール係合部73は、プラグ端子72よりも下方に配置される。レール係合部73は、支柱部71の回転に応じて、軸心Xを中心として回転する。レール係合部73は、軸心Xを中心として回転することによって、図2を参照して説明したプラグ支持部103に係合する姿勢となる。レール係合部73がプラグ支持部103に係合すると、本体3がダクトレール100に固定(装着)される。具体的には、レール係合部73は、プラグ支持部103とレールベース101の下壁101aとによって挟持される。また、レール係合部73がプラグ支持部103と係合される姿勢から軸心Xを中心として回転すると、レール係合部73とプラグ支持部103との係合が解除される。プラグ端子72と導体部102との接続が解除され、且つ、レール係合部73とプラグ支持部103との係合が解除されると、本体3をダクトレール100から取り外すことができる。
電源部8には、プラグ端子72を介してダクトレール100から外部電源電圧が供給される。電源部8は、外部電源電圧を内部電源電圧に変換して灯具2に供給する。
ケーブル収容部9は、プラグ部7と電源部8とを接続するケーブル、及び灯具2と電源部8とを接続するケーブルなどを内部に収容する。ケーブル収容部9は、左右方向に長い略直方体の形状を有する。ケーブル収容部9は、図2を参照して説明したレールベース101に形成された挿通溝101bに挿通可能な大きさである。詳しくは、ケーブル収容部9の前後方向(短手方向)の長さは、挿通溝101bの前後方向(短手方向)の長さよりも短い。なお、ケーブル収容部9の左右方向(長手方向)の長さは、挿通溝101bの前後方向(短手方向)の長さよりも長い。
また、ケーブル収容部9は、ダクトレール100に対する本体3の前後方向の位置を決定する。詳しくは、ケーブル収容部9は、ダクトレール100に本体3を取り付ける際、その長手方向が、挿通溝101bが延びる方向と一致するように、挿通溝101bに挿通される。これにより、ダクトレール100に対する本体3の前後方向の位置が決定される。
次に、図5(a)及び図5(b)を参照して、実施形態1に係る操作部6及びプラグ部7について更に説明する。図5(a)及び図5(b)は、実施形態1に係る本体3の構成を示す平面図である。
図5(a)及び図5(b)に示すように、操作部6の操作ベース61の右端面61aを上方から見たときの形状は、略円弧形状である。
操作ツマミ631を上方から見たときの形状は、略三角形であり、操作ツマミ631は、頂点63tを有する。操作ツマミ631が軸心Xを中心として回転すると、頂点63tは、軌跡Tに沿って移動する。以下では、軌跡Tを「頂点63tの移動軌跡T」と記載し、操作ツマミ631の頂点63tの位置を「操作レバー63の位置」と記載する。なお、頂点63tの移動軌跡Tは、操作部6の操作ベース61の右端面61aを上方から見たときの形状と略同心円である。
プラグ端子72は、第1プラグ端子721及び第2プラグ端子722を有する。第1プラグ端子721及び第2プラグ端子722は、互いに対向する。第1プラグ端子721及び第2プラグ端子722は、支柱部71の周面から支柱部71の径方向の外方へ向けてそれぞれ突出する。
レール係合部73は、上方から見たときの形状は、略長方形である。レール係合部73は、図2を参照して説明したレールベース101に形成された挿通溝101bに挿通可能な大きさである。詳しくは、レール係合部73の短手方向の長さは、挿通溝101bの前後方向(短手方向)の長さよりも短い。なお、レール係合部73の長手方向の長さは、挿通溝101bの前後方向(短手方向)の長さよりも長い。
レール係合部73は、第1レール係合部731及び第2レール係合部732を有する。第1レール係合部731及び第2レール係合部732は、互いに対向する。第1レール係合部731及び第2レール係合部732は、支柱部71の周面に配置され、支柱部71の径方向の外方へ向けてそれぞれ突出する。
図5(a)に示すように、操作レバー63の位置が第1の位置P1である場合、プラグ端子72及びレール係合部73は、略左右方向に延在する。詳しくは、第1プラグ端子721及び第1レール係合部731は、支柱部71の左側に位置し、第2プラグ端子722及び第2レール係合部732は、支柱部71の右側に位置する。以下、図5(a)に示すプラグ部7の姿勢を「第1の姿勢」と記載する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、操作レバー63を第1の位置P1から第2の位置P2まで移動させると、プラグ部7は、軸心Xを中心に回転する。詳しくは、プラグ端子72及びレール係合部73は、軸心Xを中心に略90°回転し、略前後方向に延在する。詳しくは、第1プラグ端子721及び第1レール係合部731は、支柱部71の前側に位置し、第2プラグ端子722及び第2レール係合部732は、支柱部71の後ろ側に位置する。以下、図5(b)に示すプラグ部7の姿勢を「第2の姿勢」と記載する。
図2を参照して説明したレールベース101の挿通溝101bに挿通された状態で、プラグ部7が第2の姿勢になると、プラグ端子72は、図2を参照して説明した導体部102と接続し、レール係合部73は、図2を参照して説明したプラグ支持部103と係合する。レール係合部73がプラグ支持部103に係合すると、レール係合部73がプラグ支持部103に固定されて、本体3がダクトレール100に装着される。
図5(a)に示すように、プラグ部7が第1の姿勢である場合、ケーブル収容部9の長手方向(左右方向)と、プラグ部7が延在する方向(レール係合部73の長手方向)とは一致する。したがって、プラグ部7及びケーブル収容部9をレールベース101の挿通溝101bに挿通させることができる。一方、図5(b)に示すように、プラグ部7が第2の姿勢である場合、ケーブル収容部9の長手方向(左右方向)と、プラグ部7が延在する方向(レール係合部73の長手方向)とが一致しない。したがって、プラグ部7及びケーブル収容部9をレールベース101の挿通溝101bに挿通させることができない。
本体3をダクトレール100に装着させる場合、作業員は、まず、操作レバー63を操作することによってプラグ部7の姿勢を第1の姿勢にする。本実施形態では、操作レバー63の位置を第1の位置P1にする。次いで、図2を参照して説明したレールベース101の挿通溝101bにプラグ部7及びケーブル収容部9を挿通させた後、操作レバー63の位置を第1の位置P1から第2の位置P2へ移動させる。この結果、プラグ部7の姿勢が第1の姿勢から第2の姿勢へ遷移して、本体3がダクトレール100に装着される(固定される)。
一方、本体3をダクトレール100から取り外す場合、作業員は、操作レバー63を操作することによって、プラグ部7の姿勢を第2の姿勢から第1の姿勢にする。本実施形態では、操作レバー63の位置を第2の位置P2から第1の位置P1にする。これにより、プラグ部7の姿勢がレールベース101の挿通溝101bを挿通可能な姿勢となる。次いで、作業員は、本体3を下方へ移動させることにより、本体3をダクトレール100から取り外す。
次に、図6〜図11を参照して、実施形態1に係るカバー部材10の本体3への取付方法について説明する。まず、図6(a)〜図6(c)を参照して、実施形態1に係るカバー部材10の構成について説明する。図6(a)〜図6(c)は、実施形態1に係るカバー部材10の構成を示す図である。詳しくは、図6(a)は、実施形態1に係るカバー部材10を右前方の上方から見た図であり、図6(b)は、図6(a)に示すカバー部材10を右後方の下方から見た図を示し、図6(c)は、図6(a)に示すカバー部材10を左側から見た図を示す。
図6(a)〜図6(c)に示すように、カバー部材10は、カバーベース11(ベース部の一例)を有する。カバーベース11は、階段形状を有する。カバーベース11を右方向から見たときの形状は、図3を参照して説明した筐体30を右方向から見たときの形状と略一致する。
カバーベース11は、主壁111、第1側壁112、第2側壁113、及び階段形状の下壁114を有する。第1側壁112は、主壁111の後端に接続し、第2側壁113は、主壁111の前端に接続する。下壁114は、主壁111の下端と接続する。第1側壁112、第2側壁113、及び下壁114は、主壁111側を基端として主壁111と直交する方向に延びる。第1側壁112と第2側壁113とは、前後方向において互いに対向する。下壁114の下面は、カバー部材10の階段形状の下面(ベース面の一例)を構成する。
カバー部材10は、係合部12及び突起部13を更に有する。
係合部12は、図3及び図4を参照して説明したガイド部4と係合する。係合部12は、第1係合部121及び第2係合部122を有する。第1係合部121及び第2係合部122は、前後方向において互いに対向する。
第1係合部121は、カバーベース11の第1側壁112の先端部に設けられる。第1係合部121は、第1側壁112よりも第2側壁113側に向けて突出する。本実施形態において、第1係合部121は、第1側壁112の下端から突起部13まで連続して上下方向に形成される。
第2係合部122は、カバーベース11の第2側壁113の先端部に設けられる。第2係合部122は、第2側壁113よりも第1側壁112側に向けて突出する。本実施形態において、第2係合部122は、第2側壁113の下端から突起部13まで連続して上下方向に形成される。
突起部13(被係止部の一例)は、図3を参照して説明した係止部5に係止される。突起部13は、第1突起部131及び第2突起部132を有する。
第1突起部131は、第1係合部121の上端部と接続する。第1突起部131は、第1係合部121よりも第2側壁113側に向けて突出する。図6(c)に示すように、第1突起部131は、第1当接面131a及び先端131bを有する。第1当接面131aは、下壁114と対向する。第1当接面131aは、第1側壁112から離れるにつれて、下壁114から遠ざかるように傾斜している。
第2突起部132は、第2係合部122の上端部と接続する。第2突起部132は、第2係合部122よりも第1側壁112側に向けて突出する。第2突起部132は、第2当接面132a及び先端132bを有する。第2当接面132aは、下壁114と対向する。第2当接面132aは、第2側壁113から離れるにつれて、下壁114から遠ざかるように傾斜している。
次に、図7〜図11を参照して、実施形態1に係るカバー部材10の本体3への取付方法について説明する。図7及び図8は、実施形態1に係るカバー部材10の本体3への取付方法を示す図である。図9及び図10は、実施形態1に係る照明器具1の構成を示す斜視図である。図11は、実施形態1に係る照明器具1の構成を示す平面図である。なお、図7及び図9は、右後方の下方から見た照明器具1を示す。図8及び図10は、右前方の上方から見た照明器具1を示す。
図7及び図8に示すように、カバー部材10を本体3に取り付ける場合、作業者は、カバー部材10を第1移動方向D1(照明器具1の下方から上方に向かう方向)へ移動させる。詳しくは、作業者は、カバー部材10の突起部13をガイド部4に係合させて、カバー部材10を第1移動方向D1へ移動させる。
この結果、図9に示すように、カバー部材10が本体3に取り付けられる。カバー部材10が本体3に取り付けられると、本体3の下面と、カバー部材10の下面(ベース面)との上下方向の位置が一致する。
詳しくは、筐体30の下壁32は、前方部321、段差部322、及び後方部323を有する。カバーベース11の下壁114は、前方部115、段差部116、及び後方部117を有する。カバー部材10が本体3に取り付けられると、筐体30の前方部321によって構成される本体3の下面と、カバーベース11の前方部115によって構成されるカバー部材10の下面との上下方向の位置が一致する。また、筐体30の段差部322によって構成される本体3の下面と、カバーベース11の段差部116によって構成されるカバー部材10の下面との前後方向の位置が一致する。更に、筐体30の後方部323によって構成される本体3の下面と、カバーベース11の後方部117によって構成されるカバー部材10の下面との上下方向の位置が一致する。したがって、照明器具1(特に本体3側)に凹凸が少なくなり、照明器具1の美観を向上させることができる。
照明器具1は、ダクトレール100に取り付けられると、筐体30の後方部323によって構成される本体3の下面と、カバーベース11の後方部117によって構成されるカバー部材10の下面との上下方向の位置が、図2を参照して説明したダクトレール100の下面(レールベース101の下壁101aによって構成される下面)の上下方向の位置と略一致する。したがって、照明器具1とダクトレール100との凹凸が少なくなり、照明器具1を取り付けた際の美観が向上する。
一般的に、照明器具の美観は、灯具と本体とのサイズのバランスに依存する。具体的には、灯具が本体に対して目立つことが好ましい。灯具は、光源としてLEDを採用することにより小型化しやすい。これに対して、本体は、電源回路に多数の電子部品やケーブルが実装されるため小型化しにくい。灯具のサイズに対して本体のサイズが大きくなると、灯具よりも本体が目立ち、照明器具の美観が低下する。一方、本実施形態のように、本体3(筐体30)を階段形状とすることで、ダクトレール100に装着された本体3が目立ちにくくなり、灯具2を相対的に目立たせることができる。この結果、灯具に対して本体が大きい場合であっても、照明器具の美観の低下が抑制される。更に、ダクトレールが平面天井に直接装着されている場合、本体に加え、ダクトレールも目立ちにくくなる。この結果、灯具が更に目立つこととなり、照明器具の美観が向上する。
なお、図3及び図4を参照して説明した第1ガイド溝41の底部41aと第2ガイド溝42の底部42aとの間の離間距離は、図6(a)〜図6(c)を参照して説明したカバー部材10の第1係合部121と第2係合部122との間の離間距離(カバー部材10の前後方向の長さ)と略一致する。換言すると、第1ガイド溝41の底部41aと第2ガイド溝42の底部42aとの間の離間距離は、第1突起部131の先端131bと第2突起部132の先端132bとの間の離間距離よりも長い。したがって、突起部13がガイド部4に係合している間、カバー部材10は、前後方向(第1突起部131と第2突起部132とが互いに離れる方向)に押し広げられている。
図10に示すように、突起部13がガイド部4の上端を越えて、後壁31の段差部31d、及び前壁33の段差部33d(ガイド部4の上端)に到達すると、突起部13が係止部5に係止される。詳しくは、カバー部材10は、突起部13が後壁31の段差部31d、及び前壁33の段差部33dに到達すると、押し広げられた状態から、押し広げられる前の状態に戻ろうとして、第1突起部131の第1当接面131aが第1ガイド溝41の上端に載り、第2突起部132の第2当接面132aが第2ガイド溝42の上端に載る。この結果、図10及び図11に示すように、第1突起部131の第1当接面131aが第1係止部51に係止され、第2突起部132の第2当接面132aが第2係止部52に係止される。これにより、カバー部材10が本体3に取り付けられる。なお、突起部13が係止部5に係止されている状態において、突起部13の上端と筐体30の上端30tとの上下方向の位置は、略一致している。
一方、カバー部材10を本体3から取り外す場合、作業員は、カバー部材10に対して、第1突起部131と第2突起部132との間の離間距離を広げるための力を加える。この結果、突起部13と係止部5との係止状態が解除され、作業者は、カバー部材10を第2移動方向D2(照明器具1の上方から下方へ向かう方向)へ移動させることができる。この結果、カバー部材10は、本体3から取り外れる。
また、図10及び図11に示すように、カバー部材10が本体3に取り付けられると、操作ツマミ631(操作部6)は、カバー部材10によって覆われる。これにより、作業員の手が誤って操作ツマミ631に触れることを抑制することができる。例えば、照明器具1が既に取り付けられたダクトレール100に、別の照明器具1を更に取り付ける作業中に、作業員が、既に取り付けられた照明器具1の操作ツマミ631に誤って触れてしまうことを抑制することができる。この結果、照明器具1のダクトレール100からの脱落を抑制することができる。
また、図11に示すように、本実施形態において、カバーベース11の主壁111は、第1の位置P1から第2の位置P2への操作ツマミ631の移動及び第2の位置P2から第1の位置P1への操作ツマミ631の移動を妨げるように配置される。詳しくは、操作ツマミ631は、第1の位置P1から第2の位置P2へ移動する前に主壁111に当接し、且つ、第2の位置P2から第1の位置P1へ移動する前に主壁111に当接する。つまり、カバーベース11の主壁111は、操作ツマミ631の第1の位置P1と第2の位置P2との間の移動軌跡Tの略中央の位置よりも操作ベース61に近い位置に配置される。換言すると、カバーベース11の主壁111は、移動軌跡Tの内側に配置される。
図11に示す例では、カバーベース11の主壁111は、操作ツマミ631が第1の位置P1及び第2の位置P2から略移動しないように配置される。換言すると、主壁111の内側面の左右方向の位置が第1の位置P1及び第2の位置P2の左右方向の位置と略一致する。この結果、照明器具1のサイズがよりコンパクトになる。
また、カバー部材を備えていない構成の場合、例えば、地震などに起因する建物の揺れにより振動が照明器具に繰り返し加わると、操作ツマミが移動する可能性がある。これに対し、本実施形態では、操作ツマミ631の移動がカバー部材10によって規制されている。このため、カバー部材を備えない構成に比べ、操作ツマミ631の移動を防止することができる。この結果、ダクトレール100(プラグ支持部103)とプラグ部7との係合状態を維持することができる。
以上、本発明の実施形態1について説明した。本実施形態によれば、作業員の手が誤って操作ツマミ631に触れることを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、操作部6がカバー部材10によって覆われる。この結果、美観が向上する。また、隣接する照明器具1の間に隙間が形成されないようにダクトレール100に取り付けることができる。この結果、美観が向上する。
また、本実施形態によれば、カバー部材10は、本体3から取外可能である(完全に分離する)。したがって、作業員は、カバー部材10を筐体30から取り外して操作ツマミ631を操作することができる。この結果、カバー部材10が本体3から分離しない構成に比べて、操作ツマミ631を容易に操作することができる。
また、本実施形態によれば、係合部12がカバーベース11の側壁(第1側壁112又は第2側壁113)の下端から突起部13まで連続して形成される。したがって、作業者は、カバー部材10の取付作業又は取外作業をより安定して行うことができる。この結果、カバー部材10への本体3の取付作業及び取外作業が容易になる。
なお、本実施形態において、係合部12がカバーベース11の側壁(第1側壁112又は第2側壁113)の下端から突起部13まで連続して形成される構成を説明したが、係合部12は、カバーベース11の側壁の下端から突起部13まで離散して形成される構成であってもよい。
また、本実施形態において、灯具2がスポットライトである構成について説明したが、灯具2は、例えば、ペンダントライトであってもよい。この場合、ペンダントライトで使用するケーブルは、カバー部材10と本体3との間の空間に収容され得る。
[実施形態2]
続いて、図12及び図13を参照して、本発明の実施形態2に係る照明器具1の構成について説明する。実施形態2では、カバー部材10が操作空間を備える点が、実施形態1と異なる。以下、実施形態2について実施形態1と異なる事項について説明し、実施形態1と重複する部分についての説明は割愛する。
図12は、実施形態2に係る照明器具1の構成を示す平面図である。
図12に示すように、本実施形態に係る照明器具1は、操作空間14を有する。操作空間14は、操作レバー63を第1の位置P1と第2の位置P2との間で移動させるための空間である。操作空間14は、カバー部材10(カバーベース11の主壁111)と本体3との間に形成される。詳しくは、カバーベース11の主壁111は、第1の位置P1から第2の位置P2への操作ツマミ631の移動及び第2の位置P2から第1の位置P1への操作ツマミ631の移動ができるように配置される。つまり、カバーベース11の主壁111は、操作ツマミ631の第1の位置P1と第2の位置P2との間の移動軌跡Tの略中央の位置よりも操作ベース61から遠い位置に配置される。換言すると、カバーベース11の主壁111は、操作ツマミ631の移動軌跡Tよりも外側に位置する。これにより、操作ツマミ631を第1の位置P1と第2の位置P2との間で移動させることができる。
図13は、実施形態2に係る照明器具1の取付状態を示す図である。本実施形態によれば、図13に示すように、複数の照明器具1が隙間なくダクトレール100に配置された場合であっても、作業者は、所望の照明器具1をダクトレール100から容易に取り外すことができる。詳しくは、一般的な複数の照明器具が隙間なくダクトレールに配置された場合、隣接する照明器具の間に操作ツマミを移動させるための空間を確保することができない。このため、複数の照明器具のうち、操作ツマミ側に他の照明器具が隣接している照明器具を取り外す(操作ツマミを操作する)には、操作ツマミ側に隣接する照明器具を取り外す必要がある。具体的には、一方の端に配置された照明器具から取外対象の照明器具に隣接する照明器具まで、ダクトレールから順次取り外し、取外対象の照明器具の操作ツマミを操作する必要がある。これに対し、本実施形態に係る照明器具1は、操作空間14を有する。したがって、複数の照明器具1が隙間なくダクトレール100に配置された場合であっても、取外対象以外の照明器具1をダクトレール100から取り外すことなく、取外対象の照明器具1をダクトレール100から取り外すことができる。この結果、照明器具1の取外作業の効率が向上する。
以上、本発明の実施形態について、図面(図1〜図13)を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態で示す形状等は、一例であって特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本発明の実施形態では、天井面Cに設けられる照明器具1を例に説明したが、本発明は、例えば、壁面に設けられる照明器具にも適用され得る。