(実施形態)
(1)照明装置の全体構成
以下、実施形態に係る照明装置200について、図面を参照して説明する。
照明装置200は、図1〜4に示すように、照明器具1と、取付ベース100と、を備える。
照明器具1は、電池パック8を電源として光源30を点灯させる。取付ベース100は、照明器具1が取り付けられる。取付ベース100は、照明器具1が着脱可能に取り付けられるベース本体101と、ベース本体101に保持された複数(4個)のマグネット110と、を含む。
照明装置200は、マグネット110を備えているので、例えば、磁性体により形成された構造物(例えば、スチール製のデスク、金属製の柱、分電盤)等に固定して使用することができる。
(2)照明器具の構成
照明器具1は、可搬型の照明器具である。照明器具1は、より詳細には、ランタン、投光器等として使用可能である。
以下、照明器具1の構造について図5〜13に基づいて説明する。
照明器具1は、ベース2と、複数(ここでは、2つ)の光源ユニット3と、連結装置4と、回路ユニット(図示せず)と、を備える。照明器具1では、電池パック8が着脱可能に装着される装着部9(図10参照)が、ベース2に設けられている。電池パック8は、ベース2に設けられた装着部9に装着されることにより、回路ユニットと電気的に接続される。複数の光源ユニット3の各々は、光源30を備える。光源30は、1つのLEDモジュール31(LED:Light Emitting Diode)を含む。連結装置4は、複数の光源ユニット3をベース2に連結する。回路ユニットは、複数の光源ユニット3を点灯させる点灯回路と、点灯回路を制御する制御部と、を含む。回路ユニットは、ベース2に収納されている。回路ユニットは、電池パック8から給電される。
ベース2は、偏平な直方体状に形成されており、厚さ方向の第1面21及び第2面22(図5C参照)を有する。また、ベース2は、長手方向の一端側が開放されている。ベース2は、電気絶縁性を有する。ベース2は、例えば、ABS樹脂により形成されている。
ベース2には、回路ユニット等も収容されている。電池パック8は、ベース2に設けられた装着部9(図10参照)に着脱可能に装着される。
電池パック8は、2個の二次電池(例えば、リチウムイオン電池)と、ハウジング本体81と、外カバー82と、を備える。ハウジング本体81は、偏平な略直方体状であり、2個の二次電池等を収容している。外カバー82は、筒状であり、ハウジング本体81の長手方向の一端においてハウジング本体81を囲んでいる。ここで、外カバー82は、ハウジング本体81から離れている。電池パック8は、外カバー82に、一対の操作片85が形成されている。一対の操作片85の各々は、外カバー82の一部により構成されている。電池パック8は、外カバー82の周方向において一対の操作片85の各々の両側にスリット87が形成されている。これにより、一対の操作片85の各々は、厚み方向に撓み可能となっている。また、電池パック8は、一対の操作片85の各々の先端から突出した一対のフック86を備えている。
電池パック8は、ハウジング本体81内において2個の二次電池が直列接続されている。電池パック8の定格電圧は、7.2Vである。電池パック8としては、例えば、パナソニック株式会社製のリチウムイオン電池パックであるEZ9L21(品番)を用いることができる。
装着部9は、図10に示すように、ベース2に設けられ、電池パック8が着脱可能に装着される。装着部9は、電池パック8のハウジング本体81において外カバー82により囲まれていない差込部83を収容する凹部90を備える。
装着部9は、凹部90の内周面に、一対のフック86の各々が引っ掛かる一対の溝96が形成されている。
照明器具1では、装着部9に電池パック8を取り付けるときには、電池パック8の差込部83を装着部9に差し込めばよい。これにより、照明器具1では、電池パック8の一対の電源端子と装着部9の一対の接続端子とが一対一で電気的に接続され、かつ、一対のフック86の各々が装着部9の一対の溝96に一対一で引っ掛かる。
装着部9から電池パック8を取り外すときには、一対の操作片85を互いに近づく向きに押し込んで一対のフック86の各々が一対の溝96に引っ掛かった状態を解除し、電池パック8を装着部9から引き抜けばよい。
光源ユニット3は、図5A、5C、7及び8に示すように、光源30と、ケース32と、を有する。光源30は、ケース32に収納されている。光源30は、1つのLEDモジュール31を含んでいる。LEDモジュール31は、LED311と、LED311が実装された回路基板312と、を含んでいる。また、LEDモジュール31は、光源ユニット3と回路ユニットとを接続する給電用リード線等が接続されるコネクタ34を含んでいる。
LED311は、例えば、表面実装型LEDである。LED311の光源色は、例えば、JIS Z9112:2012で定義されているLEDの光源色の相関色温度に基づいて設定されているのが好ましい。LED311の光源色は、昼白色であるがこれに限らず、例えば、電球色でもよい。
回路基板312は、一例として、プリント配線板により構成されている。プリント配線板は、熱伝導率が高いのが好ましい。プリント配線板は、一例として、金属ベースプリント配線板である。回路基板312を構成するプリント配線板は、金属ベースプリント配線板に限らず、例えば、CEM−3(Composite Epoxy Materials-3)の規格を満たすガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂銅張積層板から形成されていてもよい。
LEDモジュール31は、複数(16個)のLED311を含んでいる。LEDモジュール31では、回路基板312が、長尺の平板状に形成されている。LEDモジュール31は、16個のLED311が回路基板312上において回路基板312の長手方向に沿って8個ずつ二列に並んで配置されている。LEDモジュール31では、各列の8個のLED311が直列接続され、8個のLED311の直列回路同士が並列接続されている。また、光源30では、10個のLED311が直列接続されるように2つのLEDモジュール31の回路基板312の導体部同士がリード線によって接続されている。LEDモジュール31では、各列の8個のLED311が、回路基板312の長手方向において略等間隔で並んでいる。ここでいう「略等間隔」とは、厳密に同じ間隔でなくてもよく、所定の範囲内の間隔であればよい。
ケース32は、長尺のパネル状に形成されている。ケース32の厚さ方向から見たケース32の外周形状は、略長方形状である。ケース32は、図9に示すように、ボディ321と、枠体323と、カバー322と、を有する。ボディ321は、光源30を保持する。カバー322は、光源30を覆うように、枠体323を介してボディ321に結合されている。ケース32では、カバー322の表面の一部が、光出射面3222を構成している。ボディ321は、ABS樹脂等により形成されている。カバー322は、ポリカーボネート等により形成されている。光源ユニット3では、光源30から放射された光が光出射面3222から出射される。
照明器具1は、上述のように、複数(2つ)の光源ユニット3とベース2とを連結する連結装置4を備える。連結装置4は、複数の光源ユニット3の各々を第1軸50(図9参照)の周り及び第1軸50に交差する第2軸60(図9参照)の周りで回転可能とするように構成されている。連結装置4は、軸体7(図9参照)と、ホルダ20と、複数(2つ)のヒンジ装置5と、複数(2つ)の回転機構6(図9参照)と、を備える。
照明器具1では、軸体7により第1軸50が規定される。言い換えれば、照明器具1では、軸体7の軸線が、第1軸50を構成している。軸体7は、シャフト71を含んでいる。軸体7は、ホルダ20に保持されている。ホルダ20は、中空円柱状である。ホルダ20は、ベース2の第1面21から突出している。ここにおいて、ホルダ20は、ベース2に一体に形成されている。ホルダ20は、ベース2の短手方向に沿った方向が軸方向となるように配置されている。ホルダ20は、軸方向の両端の各々にホルダ20の両端間の部位よりも外径の小さな軸部201を有する。軸体7は、ホルダ20の一対の軸部201の各々の孔204に挿通されている。
ヒンジ装置5は、光源ユニット3を第1軸50の周りにおいて第1位置(以下、「基準位置」ともいう)と第2位置(以下、「展開位置」ともいう)との間で回転可能となるように光源ユニット3をベース2に連結する。基準位置は、複数の光源ユニット3の各々において他の光源ユニット3と先端同士が最も近づく位置(図11に実線で示した光源ユニット3の位置)である。展開位置は、複数の光源ユニット3の各々において基準位置から最大回転角だけ回転させた位置(図11に二点鎖線で示した光源ユニット3の位置)である。
ヒンジ装置5は、軸受部51と、リング部52と、連結部53と、ヒンジ部54と、アーム55と、を有する。
軸受部51は、円筒状に形成されている。軸受部51は、軸体7に回転可能に支持される。
リング部52は、軸受部51を囲んでいる。リング部52は、軸受部51と同心的に配置されている。リング部52の内径は、軸受部51の外径よりも大きい。リング部52は、リング部52の径方向において軸受部51から離れている。
連結部53は、軸受部51とリング部52との間に配置され、軸受部51とリング部52とを連結している。
ヒンジ部54は、ホルダ20の2つの軸部201のうち軸受部51から遠い位置にある軸部201に回転可能に保持される。軸部201は、ヒンジ部54と同心的に配置されている。
アーム55は、リング部52とヒンジ部54とを連結している。アーム55は、リング部52及びヒンジ部54それぞれの径方向外向きに突出している。アーム55は、リング部52及びヒンジ部54と一緒に回転する。照明器具1では、アーム55に光源ユニット3が結合されている。
また、ヒンジ装置5は、クリック板56と、クリック用部材57と、復帰ばねと、を更に有する。
クリック板56は、円弧状であり、連結部53に重ねて配置され連結部53に固定されている。クリック板56は、ホルダ20の軸部201との対向面に、半球状の複数の凹部561が形成されている。複数の凹部561の大きさは、同じである。複数の凹部561は、クリック板56の周方向において略等間隔で並んでいる。複数の凹部561は、アーム55が第1軸50の回りにおいて第1の規定角度範囲(例えば、90度)で回転可能となるように配置されている。
クリック用部材57は、ホルダ20内に配置される円柱状の台座と、軸部201における先端壁202の円形状の孔203を通して軸部201から突出するクリック用突起572と、を有する。台座は、孔203の内径よりも外径の大きな鍔部を一体に有する。台座は、その軸方向が第1軸50と平行となるようにホルダ20内に配置される。クリック用突起572は、半球状である。クリック用突起572は、クリック板56の複数の凹部561の各々に出入り可能である。復帰ばねは、コイルばねである。復帰ばねは、クリック用部材57の鍔部に、クリック用突起572を軸部201から突出させる向きの力を与えている。これにより、クリック用突起572は、軸部201から突出する位置と突出しない位置との間で移動可能となっている。照明器具1では、使用者が光源ユニット3を第1軸50の周りで回転させたときに、光源ユニット3の位置を所望の回転位置に維持しやすくなる。また、照明器具1では、使用者が光源ユニット3を回転させたときに使用者がクリック感を得ることが可能となる。
照明器具1は、上述のように複数のヒンジ装置5を備え、複数の光源ユニット3の各々が基準位置から展開位置に回転するときの回転方向が異なるように構成されている。より詳細には、照明器具1では、2つのヒンジ装置5でクリック板56同士が第1軸50の方向において重ならないように配置されている。以下では、説明の便宜上、2つの光源ユニット3のうち一方の光源ユニット3を光源ユニット3Aと称し、他方の光源ユニット3を光源ユニット3Bと称することもある。図11の例では、光源ユニット3Aが光源ユニット3Aの基準位置に在り、光源ユニット3Bが光源ユニット3Bの基準位置に在る。また、図11では、光源ユニット3Aの展開位置まで回転させた光源ユニット3Aを二点鎖線で示してあり、光源ユニット3Bの展開位置まで回転させた光源ユニット3Bを二点鎖線で示してある。ヒンジ装置5による第1軸50の周りの光源ユニット3の基準位置から展開位置への回転角は、略90度である。
回転機構6は、光源ユニット3を第1軸50に交差する第2軸60の周りで回転可能となるように光源ユニット3をヒンジ装置5に連結する。
回転機構6は、軸部61と、軸受部62と、を有する。軸部61は、光源ユニット3の長手方向の一端で光源ユニット3に連結されている。軸部61は、光源ユニット3においてヒンジ装置5のアーム55に対向する面から突出している。軸部61は、円筒状である。軸受部62は、アーム55に設けられ軸部61を回転可能に保持する。照明器具1では、軸受部62により第2軸60が規定される。照明器具1では、軸部61内に、一対の給電用リード線等が通されている。一対の給電用リード線は、光源ユニット3と点灯回路とを電気的に接続するための一対のリード線である。
回転機構6では、軸部61は、第2軸60の周りで360度よりも小さい規定の角度範囲(例えば、330度)で回転可能となるようにアーム55に連結されている。回転機構6による第2軸60の周りの光源ユニット3の回転角は、略330度である。
複数の回転機構6は、複数の光源ユニット3それぞれが基準位置に在るときに複数の光源ユニット3が集まっていて複数の光源ユニット3それぞれの光出射面3222が外側を向いた基準状態となるように複数の光源ユニット3の各々の第2軸60の周りの回転範囲を規定している。複数の光源ユニット3は、個々に第1軸50の周り及び第2軸60の周りで回転可能である。ただし、複数の光源ユニット3それぞれが基準位置に在るときには、複数の光源ユニット3それぞれは、第1軸50の周りの回転のみが可能であり、第2軸60の周りの回転が禁止される。複数の光源ユニット3のうち少なくとも1つの光源ユニット3が基準位置から第1軸50の周りに回転した位置にあれば、複数の光源ユニット3それぞれは、第2軸60の周りの回転が可能となる。図12では、複数の光源ユニット3の各々を第2軸60の周りで90度回転させた例を示してある。
照明器具1では、連結装置4により、2つの光源ユニット3の光出射面3222同士を対向させることも可能である。
照明器具1では、上述の回路ユニットは、装着部9に装着された電池パック8から給電されて複数の光源ユニット3の各々の光源30を点灯させることができるように構成されている。より詳細には、回路ユニットは、電池パック8から給電されてLEDモジュール31を点灯させる点灯回路を有する。また、回路ユニットは、電池パック8から供給される直流電圧を所定の電源電圧にDC−DC変換して点灯回路へ与える電源回路を有する。電源回路は、例えば、昇圧チョッパ回路である。点灯回路は、例えば、スイッチング素子、抵抗及び制御用IC(Integrated Circuit)等を構成要素として含む定電流回路である。したがって、点灯回路は、LEDモジュール31へ定電流を供給することができる。定電流回路は、例えば、降圧チョッパ回路である。スイッチング素子は、例えば、エンハンスメント型のnチャネルMOSFETである。制御用ICは、スイッチング素子のオン、オフを制御する。制御用ICは、スイッチング素子のオンオフを制御することにより、定電流回路からLEDモジュール31に供給する定電流の電流値の大きさを調整するように構成されている。LEDモジュール31を定格点灯させるときの電流値は、例えば、280mAである。また、LEDモジュール31を定格点灯時の光出力の10%の光出力となるように調光点灯させるときの電流値は、例えば、28mAである。
また、回路ユニットは、電池パック8から供給される直流電圧を所定の制御電圧(例えば、5V)にDC−DC変換して制御部へ与える制御電源回路を有する。制御電源回路は、例えば、三端子レギュレータ及びコンデンサ等を含んでいる。制御部は、マイコン(Microcontroller)を含む。マイコンは、プログラムに従って動作するプロセッサと、プロセッサを動作させるプログラムを格納するためのメモリ及び作業用のメモリと、を備えた1チップのデバイスとして構成される。制御部は、マイコンにプログラムを実行させることにより、実現することができる。
照明器具1は、光源ユニット3の全点灯(定格点灯)、調光点灯及び消灯を指示するための操作スイッチを備えている。操作スイッチは、押釦スイッチである。操作スイッチは、制御部に電気的に接続されている。ベース2は、操作スイッチの押釦121(図5参照)を露出させる孔211(図5C参照)を有する。
照明器具1では、操作スイッチが操作されたときに回路ユニットの制御部が操作信号を取得する。ここにおいて、「制御部が操作信号を取得する」とは、制御部が、操作スイッチが操作されたことを検知することであってもよい。制御部は、操作スイッチが操作される度に操作信号を取得する。制御部は、操作信号を取得する度に、複数の光源ユニット3を全点灯状態、第1調光点灯状態、第2調光点灯状態、消灯状態の順に変化させるように構成されている。これにより、照明器具1は、多様な照明シーンを実現することが可能となる。光源ユニット3の第1調光点灯状態の場合の光出力は、例えば、全点灯状態の場合の光出力の50%であり、第2調光点灯状態の場合の光出力は、例えば、全点灯状態の場合の光出力の10%であり、消灯状態の場合の光出力は、全点灯状態の場合の光出力の0%である。制御部は、点灯回路に光源ユニット3の光出力の大きさを指示するための調光信号を出力する出力部を有している。
照明器具1は、器具本体11と、土台12と、を含んでいる。器具本体11は、ベース2と、連結装置4と、装着部9と、2つの光源ユニット3と、を含んでいる。土台12は、器具本体11に固定されている。より詳細には、土台12は、複数の螺子129(図6参照)によってベース2に固定されている。土台12は、器具本体11を支持可能である。土台12は、例えば、ABS樹脂等により形成されている。
照明器具1は、器具本体11と土台12とにより回転可能に保持された吊り下げ用フック18を更に備える。ここにおいて、土台12は、ベース2の長手方向に沿った一対の側壁120を含んでいる。また、一対の側壁120は、器具本体11側及びベース2の短手方向に沿った方向の両側が開放された一対の溝17を有している。
吊り下げ用フック18は、一対の軸部181を有している。より詳細には、吊り下げ用フック18は、図9に示すように、一対のJ字状のフック本体部180と、一対のフック本体部180の基端から互いに近づく向きに突出した一対の軸部181と、一対のフック本体部180の先端同士を連結している弧状の連結部182と、を有する。
器具本体11は、一対の軸部181のそれぞれを受ける一対のクリック壁部19(図6参照)を有する。一対のクリック壁部19は、ベース2の第2面22から突出し、土台12の一対の側壁120の間に位置している。一対のクリック壁部19は、一対の軸部181それぞれが出入り可能な複数の軸受凹部191を有する。複数の軸受凹部191は、ベース2の長手方向に沿って並んでいる。
照明器具1では、一対のクリック壁部19を備えているので、吊り下げ用フック18の一対の軸部181をベース2の長手方向に沿って移動させることができ、かつ、一対の軸部181を受けている一対の軸受凹部191を中心として吊り下げ用フック18を回転させることができる(図6、8、10及び13参照)。照明器具1は、例えば、図13に示すように吊り下げ用フック18を90度回転させた状態で吊り下げて使用することが可能である。照明器具1は、吊り下げ用フック18を備えることにより、より多様な配光を実現することが可能となる。土台12は、図10に示すように吊り下げ用フック18を仮保持する保持爪122を有している。
(取付ベース)
以下、取付ベース100について図1〜4、14〜18に基づいて説明する。
取付ベース100は、照明器具1が着脱可能に取り付けられるベース本体101と、ベース本体101に保持された複数(4つ)のマグネット110(図2、3、16及び17参照)と、を含む。4つのマグネット110の各々は、矩形板状である。
ベース本体101の厚さ方向(図3の上下方向、図15Bの左右方向)の一方側から見たベース本体101の外周形状は、略長方形状である。ベース本体101は、合成樹脂(例えば、ABS樹脂)等により形成されている。
4個のマグネット110は、ベース本体101の四隅の近くに配置されている。ベース本体101は、裏面(照明器具1とは反対側の面)において短手方向の両側に、2個のマグネット110等を収納する2つの収納凹所112が形成されている。
取付ベース100は、図17に示すように、2つのマグネット保持体113と、2つの板114と、4本の螺子115と、2つの保護シート117と、を更に含んでいる。
2つのマグネット保持体113の各々は、長尺であり、マグネット保持体113の長手方向の両端においてマグネット110を保持している。2つのマグネット保持体113の各々は、金属製である。2つのマグネット保持体113の各々は、その長手方向に直交する断面形状がU字状である。2つの板114の各々は、2つのマグネット保持体113のうち一対一に対応するマグネット保持体113に保持されている2つのマグネット110の間に配置されている。2つの板114の各々の材料は、合成樹脂である。
取付ベース100には、1つのマグネット保持体113と1つの板114と2つのマグネット110とを1セットとして収納する収納凹所112が、2つ形成されている。一対一に対応するマグネット保持体113及び板114は、収納凹所112に収納され、2本の螺子115によって、ベース本体101に固定されている。
2つの保護シート117の各々は、2つのマグネット110を覆っている。ここにおいて、2つの保護シート117の各々は、1つのマグネット保持体113と1つの板114と2つのマグネット110と2本の螺子115の頭部とを覆うように配置されている。
2つの保護シート117の各々は、マグネット110及び取付ベース100の設置対象物の表面等を保護するために設けられている。保護シート117は、例えば、矩形板状のゴムである。保護シート117の厚さについては、取付ベース100をマグネット110の磁力を利用して取付ベース100を金属製の構造物等に固定するのが妨げられないように決めればよい。
取付ベース100は、マグネット110を含んでいるので、例えば、図18に示すように、金属製の壁400に固定することができる。
また、取付ベース100は、吊紐250(図18参照)を通す複数(2つ)の孔109を有する。これにより、取付ベース100では、例えば、2つの孔109に通された吊紐250を壁400に固定されているフック410に引っ掛けることが可能となる。
(照明装置の詳細)
照明装置200は、上述のように、照明器具1と、取付ベース100と、を備える。
照明器具1は、取付ベース100のベース本体101に向かって突出した係止爪15(図6参照)を含んでいる。一方、取付ベース100は、フック105を更に含んでいる。フック105は、ベース本体101からベース本体101の厚さ方向に沿った方向へ突出している。より詳細には、フック105は、ベース本体101から照明器具1に向かって突出している。フック105は、ベース本体101に照明器具1が取り付けられた状態で係止爪15に引っ掛かる。フック105は、ベース本体101の厚さ方向の一方側から見てU字状である。フック105は、後述のレール部102から離れるほどベース本体101からの突出寸法が徐々に大きくなっている。照明器具1は、2つの係止爪15(図6参照)を含んでいる。2つの係止爪15は、土台12に設けられている。2つの係止爪15は、ベース本体101の短手方向に沿った方向において互いに離れている。
取付ベース100は、厚み方向に可撓性を有する撓み部106を更に含んでいる。撓み部106の厚み方向は、ベース本体101の厚さ方向と同じである。フック105は、撓み部106から撓み部106の厚み方向において照明器具1に向かって突出している。
取付ベース100におけるベース本体101は、長尺のレール部102(図3、4A〜4C、14、15A及び15B参照)を含んでいる。
一方、照明器具1は、ガイド溝13(図3、5C、6及び8参照)を有する。ガイド溝13は、ベース本体101側及びレール部102の長手方向に沿った方向の一端側が開放されており、一端側からレール部102が出入り可能である。ガイド溝13は、照明器具1における土台12に形成されている。
レール部102は、長尺のレール本体103と、レール本体103の幅方向の両側面から互いに離れる向きに突出した一対の張出片104と、を含む。
照明器具1は、レール本体103の幅方向に沿ったガイド溝13の両側面から互いに近づく向きに突出している一対のガイド片14を含む。一対のガイド片14は、図3に示すように、ベース本体101の厚さ方向において一対の張出片104に重なる。照明装置200では、図3に示すように、ガイド溝13の底面と一対のガイド片14との距離が、ガイド溝13の底面と一対の張出片104との距離よりも長い。
取付ベース100に照明器具1を取り付ける際には、例えば、図4Aに示すようにレール部102の長手方向においてフック105側とは反対側に照明器具1のガイド溝13の長手方向の一端側が位置するように取付ベース100と照明器具1とを対向させる。
その後、図4Bに示すように、ガイド溝13にレール部102が挿入されるように、取付ベース100と照明器具1との少なくとも一方をレール部102の長手方向に沿った方向に動かす。
さらに、図4Cに示すように、一対のガイド片14の一部と一対の張出片104とが重なるように取付ベース100と照明器具1との少なくとも一方をレール部102の長手方向に沿った方向に動かす。このとき、係止爪15がフック105に当たると撓み部106が撓み、照明器具1の2つの係止爪15がフック105を乗り越えると撓み部106が元の位置に戻り、2つの係止爪15がフック105に引っ掛かる。これにより、取付ベース100に照明器具1が取り付けられる。
取付ベース100から照明器具1を取り外す際には、使用者が撓み部106を指等で押えて撓ませることで係止爪15がフック105に引っ掛かっている状態を解除してから、照明器具1と取付ベース100との少なくとも一方をレール部102の長手方向に沿った方向において互いに離れるように動かせばよい。
照明装置200では、取付ベース100は、図4A、14、15A及び15Bに示すように、逆挿入防止突起107を更に含む。逆挿入防止突起107は、取付ベース100のレール部102がガイド溝13に対して規定の向きとは逆の向きから挿入されるのを防止する。逆挿入防止突起107は、ベース本体101からガイド溝13の底面に向かって突出している。逆挿入防止突起107の先端がレール本体103の先端面を含む平面よりも照明器具1側に突出している。逆挿入防止突起107は、レール部102の長手方向においてフック105側に配置されている。逆挿入防止突起107は、レール部102の長手方向においてレール部102とフック105との間にあり、レール部102と繋がっている。逆挿入防止突起107は、レール部102の長手方向においてフック105からは離れている。
照明器具1における土台12は、ガイド溝13の幅方向(図6の上下方向)の両側にある一対の側壁120(図9参照)を含む。一対の側壁120は、器具本体11側及び幅方向に沿った方向の両側が開放された一対の溝17を有する。
照明装置200は、上述のように、吊り下げ用フック18を更に備えている。吊り下げ用フック18の一対の軸部181は、一対の溝17にガイド溝13とは反対側から通されている。また、器具本体11は、上述のように一対のクリック壁部19を含む。一対のクリック壁部19は、ガイド溝13内に露出しており一対の軸部181を受ける。一対のクリック壁部19は、一対の軸部181それぞれが出入り可能な複数の軸受凹部191を有する。複数の軸受凹部191は、ガイド溝13の長手方向に並んでいる。照明装置200では、照明器具1が吊り下げ用フック18を備えることにより、照明器具1を取付ベース100に取り付けていない状態で使用する場合に、より多様な配光を実現することが可能となる。
上記の実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
例えば、照明器具1では、2つの光源ユニット3を備えているが、光源ユニット3の数は2つに限らず、3つ以上でもよいし、1つでもよい。また、照明器具1及び器具本体11は、2つの光源ユニット3を含んでいるが、光源ユニット3を含まない構成であってもよい。
また、取付ベース100におけるマグネット110の数は、4個に限らず、例えば、1個でもよいし、4個以外の複数でもよい。
また、照明器具1は、電池パック8を構成要素として含まないが、電池パック8を構成要素として含んでいてもよい。また、電池パック8における二次電池の数は、2個に限らず、例えば、1個でもよいし、3個以上でもよい。
また、取付ベース100は、2つのマグネット保持体113と、2つの板114と、4本の螺子115と、を備えているが、これらを備えずに、例えば、マグネット110がベース本体101に形成された収納凹所に収納され、接着剤等によって固定されていてもよい。
また、取付ベース100は、吊紐250(図18参照)を通す2つの孔109を有するが、孔109の数は、2つに限らず、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。また、取付ベース100において孔109は、必須の構成ではない。
(まとめ)
第1の態様に係る照明装置(200)は、電池パック(8)を電源として光源(30)を点灯させる照明器具(1)と、照明器具(1)が取り付けられる取付ベース(100)と、を備える。取付ベース(100)は、照明器具(1)が着脱可能に取り付けられるベース本体(101)と、ベース本体(101)に保持されたマグネット(110)と、を含む。
第1の態様に係る照明装置(200)は、設置場所の自由度をより高めることが可能となる。
第2の態様に係る照明装置(200)では、第1の態様において、照明器具(1)は、ベース本体(101)に向かって突出した係止爪(15)を含む。取付ベース(100)は、ベース本体(101)から照明器具(1)に向かって突出し、ベース本体(101)に照明器具(1)が取り付けられた状態で係止爪(15)に引っ掛かるフック(105)を更に含む。
第2の態様に係る照明装置(200)は、取付ベース(100)に対して照明器具(1)を、より確実に取り付けることが可能となる。これにより、取付ベース(100)に対して取り付けられた照明器具(1)が取付ベース(100)から脱落するのを防止することが可能となる。
第3の態様に係る照明装置(200)では、第2の態様において、取付ベース(100)は、厚み方向に可撓性を有する撓み部(106)を更に含む。フック(105)は、撓み部(106)から厚み方向において照明器具(1)に向かって突出している。
第3の態様に係る照明装置(200)は、取付ベース(100)から照明器具(1)を取り外しやすくなる。
第4の態様に係る照明装置(200)では、第1乃至3の態様のいずれか一つにおいて、ベース本体(101)は、長尺のレール部(102)を含む。照明器具(1)は、ガイド溝(13)を有する。ガイド溝(13)は、ベース本体(101)側及びレール部(102)の長手方向に沿った方向の一端側が開放されており、一端側からレール部(102)が出入り可能である。レール部(102)は、長尺のレール本体(103)と、レール本体(103)の幅方向の両側面から互いに離れる向きに突出した一対の張出片(104)と、を含む。照明器具(1)は、レール本体(103)の幅方向に沿ったガイド溝(13)の両側面から互いに近づく向きに突出し、一対の張出片(104)に重なる一対のガイド片(14)を含む。ガイド溝(13)の底面と一対のガイド片(14)との距離が、ガイド溝(13)の底面と一対の張出片(104)との距離よりも長い。
第4の態様に係る照明装置(200)は、一対のガイド片(14)と一対の張出片(104)とを摺りながら移動させることで、照明器具(1)を取付ベース(100)に対してスライド可能に取り付けることが可能となる。
第5の態様に係る照明装置(200)では、第4の態様において、取付ベース(100)は、逆挿入防止突起(107)を更に含む。逆挿入防止突起(107)は、取付ベース(100)のレール部(102)がガイド溝(13)に対して規定の向きとは逆の向きから挿入されるのを防止する。
第5の態様に係る照明装置(200)は、取付ベース(100)のレール部(102)がガイド溝(13)に対して規定の向きとは逆の向きから挿入されるのを防止することが可能となる。
第6の態様に係る照明装置(200)では、第5の態様において、逆挿入防止突起(107)は、ベース本体(101)からガイド溝(13)の底面に向かって突出している。逆挿入防止突起(107)の先端がレール本体(103)の先端面を含む平面よりも照明器具(1)側に突出している。
第6の態様に係る照明装置(200)は、逆挿入防止突起(107)の先端がガイド溝(13)の底面に当たることにより、取付ベース(100)のレール部(102)がガイド溝(13)に対して規定の向きとは逆の向きから挿入されるのを防止することが可能となる。
第7の態様に係る照明装置(200)では、第5又は6の態様において、照明器具(1)は、器具本体(11)と、器具本体(11)に固定され器具本体(11)を支持可能な土台(12)と、を含む。ガイド溝(13)は、土台(12)に形成されている。
第7の態様に係る照明装置(200)では、照明器具(1)が土台(12)を含むので、照明器具(1)を取付ベース(100)に取り付けずに床上等に設置することが可能となる。
第8の態様に係る照明装置(200)では、第7の態様において、土台(12)は、ガイド溝(13)の幅方向の両側にある一対の側壁(120)を含む。一対の側壁(120)は、器具本体(11)側及び幅方向に沿った方向の両側が開放された一対の溝(17)を有する。照明装置(200)は、吊り下げ用フック(18)を更に備える。吊り下げ用フック(18)は、一対の溝(17)にガイド溝(13)とは反対側から通された一対の軸部(181)を有する。吊り下げ用フック(18)は、照明器具(1)に回転可能に保持されている。器具本体(11)は、一対のクリック壁部(19)を含む。一対のクリック壁部(19)は、ガイド溝(13)内に露出しており一対の軸部(181)を受ける。一対のクリック壁部(19)は、一対の軸部(181)それぞれが出入り可能な複数の軸受凹部(191)を有する。複数の軸受凹部(191)は、ガイド溝(13)の長手方向に並んでいる。
第8の態様に係る照明装置(200)は、吊り下げ用フック(18)の一対の軸部(181)をガイド溝(13)の長手方向に沿って移動させることができ、かつ、一対の軸部(181)を受けている一対の軸受凹部(191)を中心として吊り下げ用フック(18)を回転させることができるので、設置場所の自由度を更に高めることが可能となる。
第9の態様に係る照明装置(200)では、第1乃至8の態様のいずれか一つにおいて、取付ベース(100)は、吊紐(250)を通す孔(109)を有する。
第9の態様に係る照明装置(200)は、照明装置(200)の落下をより確実に防止することが可能となる。
第10の態様に係る照明器具(1)は、第1乃至9の態様のいずれか一つの照明装置(200)の取付ベース(100)に着脱可能に取り付けられ、電池パック(8)を電源として光源(30)を点灯させる。
第10の態様に係る照明器具(1)は、設置場所の自由度をより高めることが可能となる。
第11の態様に係る取付ベース(100)は、電池パック(8)を電源として光源(30)を点灯させる照明器具(1)が着脱可能に取り付けられるベース本体(101)と、ベース本体(101)に保持されたマグネット(110)と、を備える。
第11の態様に係る取付ベース(100)では、設置場所の自由度をより高めることが可能となる。