JP2018179039A - 円すいころ軸受 - Google Patents

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Tomoki Matsushita
知樹 松下
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Abstract

【課題】円すいころ軸受に備わる保持器の内鍔と内輪との間の隙間を小さくして軸受回転トルクの低減を図る。【解決手段】保持器40の小径側の第一環状部41は、内輪20の小鍔部22を取り囲む内鍔45を有する。保持器40は、内鍔45から小鍔部22の外径面24に向けて突き出た形状で周方向に並ぶ複数の内方突起53を有する。内方突起53は、保持器40の振れ回り時、小鍔部22の外径面24と流体潤滑状態で摺接する。【選択図】図1

Description

この発明は、円すいころ軸受に関する。
例えば、自動車のトランスミッションの軸、デファレンシャルの軸等、各種機械装置の回転軸を支持する用途において、従来、円すいころ軸受が用いられている。軸受内部の潤滑には液体の潤滑油を用いる油潤滑方式が一般的である。その潤滑油の供給方式としては、機械装置の運転中、ギヤの回転に伴う潤滑油の撹拌などによって当該潤滑油が軸受にはね飛ばされる跳ね掛け潤滑法、又は軸受の一部をオイルバス中に浸ける油浴潤滑法が一般的である。
円すいころ軸受では、運転中に軸受内部で生じるポンプ作用や遠心力の影響により、外部の潤滑油が軸受内部へ流入する。保持器と内輪との間の隙間から保持器と内輪の軌道面との間へ流入する潤滑油の量が多くなると、円すいころによる潤滑油の攪拌抵抗が大きくなり、軸受回転トルクが増加する。
自動車のトランスミッションやデファレンシャルに使用される円すいころ軸受では、近年、自動車の省燃費化を目的に軸受の回転トルクの低減が求められている。この要求に応えるには、前述の攪拌抵抗を抑えることが有効である。このため、低粘度潤滑油の使用又は少油量化の傾向にある。少油量化を図る目的で、保持器と内輪との間の隙間から保持器と内輪の軌道面との間へ流入する潤滑油の量を制限することが行われている。
特許文献1に開示された円すいころ軸受では、内輪を取り囲む内鍔を有する樹脂製のかご形保持器を備え、その内鍔と内輪の小鍔部との間に設定された径方向の隙間が、当該小鍔部の外径の2.0%以下に設定されていることにより、保持器と内輪との間から内輪の軌道面上へ流入する潤滑油が制限されている。
また、特許文献2、3に開示された円すいころ軸受では、内輪の小鍔部よりも軸方向外部側の位置に小鍔部よりも小径な円筒面を有し、当該円筒面と保持器の内鍔とが狭い隙間で径方向に対向し、当該内鍔と小鍔部とが狭い隙間で軸方向に対向するラビリンスが形成されていることにより、保持器と内輪との間から内輪の軌道面上へ流入する潤滑油の量をより少なくすることができる。
特許第5031220号公報 特開2015−194243号公報 特許第4314430号公報
しかしながら、軸受運転中に保持器の内鍔と内輪とが直接に接触すると、これらの間の周速差から引き摺りトルクが生じるため、軸受回転トルクを増加させることになる。これを避けるには、保持器の内鍔と内輪との間の隙間を径方向に小さく設定することが考えられるが、隙間の設定には限界がある。
例えば、普通自動車のトランスミッション又はデファレンシャルに組み込まれるような大きさの軸受では、一般に、転動体案内方式の保持器が採用されている。転動体案内方式では、保持器が内輪、外輪と接触せず、円すいころのみで径方向に案内されるように設計されている。このため、軸受運転中に保持器の振れ回りが発生した場合でも、保持器が内輪、外輪と摺接しないようにしなければならず、保持器の内鍔と内輪との間の隙間で潤滑油の流入量を制限することに限界がある。
また、特許文献2、3のように特殊な段付き内輪の採用によってラビリンスの流入制限性能を強化すると、内輪の加工費が高くなる問題がある。内輪の段付き加工費を無くす、又は軽減する上で、保持器の内鍔と内輪との間の隙間を小さくすることで流入制限性能を向上させることが好ましい。
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、円すいころ軸受に備わる保持器の内鍔と内輪との間の隙間を小さくして軸受回転トルクの低減を図ることにある。
上記の課題を達成するため、この発明は、小端面と大端面とを有する円すいころと、外周に設けられた軌道面と、前記円すいころの前記小端面を受ける小鍔部と、前記円すいころの前記大端面を案内する大鍔部とを有する内輪と、内周に設けられた軌道面を有し、前記内輪と同軸に設けられる外輪と、樹脂によって形成された保持器と、を備え、前記保持器は、第一環状部と、当該第一環状部に比して大径な第二環状部と、当該第一環状部と当該第二環状部との間をポケットに区切る柱部とを有し、前記円すいころは、前記ポケットに収容されており、前記保持器の前記第一環状部は、前記柱部よりも小径で全周に連続すると共に前記内輪を取り囲む内鍔を有する円すいころ軸受において、前記保持器は、前記内鍔から前記内輪に向けて突き出た形状で周方向に並ぶように配置されかつ当該内輪と流体潤滑状態で摺接できる複数の内方突起を有する構成を採用したものである。
上記構成によれば、保持器の振れ回り時、内鍔の周方向複数箇所で突き出た内方突起は、内輪と摺接することができる。その摺接の際、その内方突起と内輪との間の周速差により、これらの間で潤滑油が周方向に引き摺られる。軸受内部のポンプ作用で潤滑油が吸い込まれるような軸受回転速度では、その内方突起と内輪との間で生じるくさび効果によって、その内方突起と内輪とを分離する油膜が形成される。これにより、その内方突起と内輪とが直接接触しない流体潤滑状態を実現することが可能である。流体潤滑状態であれば、その摺接部で引き摺りトルクが殆ど発生しない。その流体潤滑状態の実現に要する内方突起の高さは微小なものでよい。このため、保持器の内鍔と内輪との間に設定する径方向の隙間を小さくすることが可能である。また、これら内方突起の体積は、保持器の内鍔と内輪との間において隙間を減らすことになる。このように保持器の内鍔と内輪との間の隙間を小さくして軸受回転トルクの低減を図ることができる。
例えば、前記保持器の振れ回り時に、前記保持器の前記内方突起と前記内輪の前記小鍔部の外径面が当接する。このようにすると、保持器の振れ回り時に内方突起と内輪との摺接を許容しつつ、内鍔と内輪との間を全周で小さくすることができ、特に自動車の駆動力伝達系において動力損失を抑えるのに好適な円すいころ軸受とすることができる。
前記保持器の前記内方突起は、前記内輪の前記小鍔部の外径面と流体潤滑状態で摺接するように配置されているとよい。このようにすると、特殊な段付き内輪の採用が不要になる。
例えば、前記保持器の前記内方突起は、周方向に沿った断面で円弧状である。
例えば、前記保持器の前記第一環状部は、前記内鍔の内径上の位置から外径側に向かって前記第二環状部側へ傾斜した形状の端面を有するとよい。このようにすると、外部から供給される潤滑油は、第一環状部の端面に沿って外径側へ流れ易くなる。このため、潤滑油が保持器の内鍔と内輪との間の隙間に入り難くなる。
また、前記保持器の前記第一環状部は、前記円すいころの中心軸と対向する位置よりも小径な領域で当該円すいころの前記小端面から軸方向に遠ざかる形状であるとよい。このようにすると、円すいころの小端面と保持器との間での潤滑油のせん断抵抗を低減することができ、軸受回転トルクの低減に有利である。
また、前記保持器の前記柱部は、前記円すいころと周方向に接触するころ案内面と、当該ころ案内面から周方向に凹んだ凹部とを有し、当該凹部の少なくとも一部分は、径方向外向きに開放した形状であるとよい。このようにすると、円すいころと柱部との間での潤滑油のせん断抵抗を低減することができる。また、保持器の内鍔と内輪との間の隙間から保持器と内輪の軌道面との間に流入した潤滑油を早期に凹部から外輪側へ逃がし、ポンプ作用での排出を促進することができる。
例えば、前記柱部の前記凹部は、前記第一環状部と軸方向に対向する領域で軸方向に前記第二環状部側へ沿った形状であって、当該第一環状部よりも大径な領域で少なくとも軸方向一方側へ沿った形状であるとよい。このような形状の凹部であれば、保持器の全部を軸方向に二分割された金型で一体に形成することができる。
保持器と外輪との間でも積極的に潤滑油の流入を制限してもよい。
例えば、前記内輪と同軸に配置される外輪をさらに備え、前記保持器は、前記第一環状部から前記外輪に向けて突き出た形状で周方向に並ぶように配置された複数の外方突起を有するとよい。このようにすると、内方突起と内輪間の場合と同様に保持器の振れ回り時に保持器の外方突起と外輪の摺接を許容可能なため、第一環状部と外輪との間に設定する径方向の隙間を小さくして軸受回転トルクの低減を図ることができる。
例えば、前記保持器の前記外方突起は、周方向に沿った断面で円弧状である。
この発明に係る円すいころ軸受は、自動車の動力伝達経路に含まれた回転軸を支持する用途であって、跳ね掛け又は油浴潤滑法で潤滑油を外部から軸受内部へ供給する用途に好適である。この発明に係る円すいころ軸受は、前述のように軸受回転トルクを低減することが可能なため、自動車の動力損失を低減して低燃費化に貢献することができる。
この発明は、上記構成の採用により、円すいころ軸受に備わる保持器の内鍔と内輪との間に設定する径方向の隙間を小さくして軸受回転トルクの低減を図ることができる。
この発明の実施形態に係る円すいころ軸受を示す縦断正面図 図1の円すいころ軸受の左側面図 図1の保持器の外径側の外観を示す部分拡大斜視図 図3中のIV−IV線の切断面の輪郭形状を示す部分拡大断面図 図1中のV−V線の切断面を示す部分拡大断面図 図1の保持器を射出成形する金型構造を示す部分断面図 図1の保持器の内方突起又は外方突起の流体潤滑状態を示す作用図 図1の円すいころ軸受を組み込んだ自動車用デファレンシャルの一例を示す断面図 図1の円すいころ軸受を組み込んだ自動車用トランスミッションの一例を示す断面図
以下、この発明の実施形態に係る円すいころ軸受を添付図面の図1〜図4に基づいて説明する。
図1、図2に示す円すいころ軸受1は、所定数の円すいころ10と、内輪20と、外輪30と、保持器40とを備える。
ここで、図1は、この円すいころ軸受1の設計上の回転中心である軸受中心軸C1と、円すいころ10の回転中心である中心軸C2とを含む仮想アキシアル平面上における断面を示し、特に、保持器40の振れ回り時の様子を示すものである。このため、保持器40の中心軸C3は、軸受中心軸C1から図中下方向に偏った位置にある。内輪20、外輪30及び保持器40は、本来、軸受中心軸C1と同軸に配置されるべきものである。内輪20が回転、外輪30が静止する状態の内輪回転方式で軸受回転がなされる場合、軸受中心軸C1は内輪20の中心軸と考えてよい。以下では、軸受中心軸C1に沿った方向のことを単に「軸方向」という。この軸方向は、図1中において、紙面左右方向に相当する。また、その正規配置において軸受中心軸C1に対して直角な方向のことを単に「径方向」という。この径方向は、図1中において、紙面上下方向に相当する。また、その正規配置におい軸受中心軸C1周りの円周方向のことを単に「周方向」という。また、図1の断面上において円すいころ10の中心軸C2に沿った方向のことを単に「ころ中心軸方向」という。
図1、図2に示すように、円すいころ10は、小端面11と、大端面12と、円すい状に形成された転動面13とを有する転動体となっている。小端面11は、円すいころ10の小径側の側面であって、内輪20の軌道面21、外輪30の軌道面31を転がることのない表面部分である。大端面12は、円すいころ10の大径側の側面であって、内輪20の軌道面21、外輪30の軌道面31を転がることのない表面部分である。円すいころ10の側面は、円すいころ10の中心軸方向に露出する円すいころ10の表面部分である。
内輪20は、外周に円すい状の内輪軌道面21と、円すいころ10の小端面11を受ける小鍔部22と、円すいころ10の大端面12を案内する大鍔部23とを有する軌道輪となっている。小鍔部22、大鍔部23は、それぞれ周方向に沿った全周連続部となっている。小鍔部22は、円筒状の外径面24を有する。
外輪30は、内周に円すい状の外輪軌道面31と、内輪20の小鍔部22と径方向に対向する対向面32とを有する軌道輪となっている。本実施形態では、対向面32は、円筒面である。外輪30は、内輪20と同軸に配置される。
円すいころ10の大端面12と内輪20の大鍔部23とは、この円すいころ軸受1に対する予圧により、ころ中心軸方向に接触する状態とされる。軸受運転中、円すいころ10は、内輪20の軌道面21と外輪30の軌道面31との間に介在し、円すいころ10の中心軸C2回りに回転しながら、転動面13が軌道面21、31上を転がる。この際、円すいころ10の大端面12は、内輪20の大鍔部23に対して周方向に滑り、大鍔部23は、当該大端面12を周方向に案内する。
円すいころ10、内輪20及び外輪30は、それぞれ鋼、例えば軸受鋼によって一体に形成されている。
保持器40は、第一環状部41と、第一環状部41に比して大径な第二環状部42と、第一環状部41と第二環状部42との間をポケット43に区切る複数の柱部44とを有する。
保持器40は、合成樹脂により形成されている。その合成樹脂は、例えば、強化繊維が含まれた繊維強化樹脂であってもよい。保持器40は、軸方向に二分割された金型によって形成されている。
第一環状部41は、保持器40の小径側で周方向に連続する保持器部分となっている。第二環状部42は、保持器40の大径側で周方向に連続する保持器部分となっている。第二環状部42の外径は、第一環状部41の外径よりも大径である。
ポケット43は、保持器40に形成された、円すいころ10を収容するための空間である。 柱部44は、隣接するポケット43、43間を周方向に分離するように第一環状部41と第二環状部42間に亘る保持器部分となっている。柱部44は、第一環状部41と第二環状部42とを連結している。
保持器40におけるポケット43の数は、内輪20の軌道面21と外輪30の軌道面31との間に配置される円すいころ10の総数と同数になっている。円すいころ10は、この大端面12を第二環状部42側へ向けた姿勢でポケット43に収容されている。保持器40は、軸受運転中、円すいころ10間の周方向間隔を柱部44で所定に保ちながら回転する。
第一環状部41は、柱部44よりも小径で全周に連続すると共に内輪20を取り囲む内鍔45を有する。内鍔45は、小鍔部22の外径面24を常に取り囲む位置にある。
第一環状部41は、軸方向外部側に向かって露出する円すい状の端面46を有する。この端面46は、内鍔45の内径上の位置P1から外径側に向かって第二環状部42側へ傾斜した形状である。この位置P1は、内鍔45の内径を規定する縁部分である。端面46は、第一環状部41の外径寄りの位置P2まで連続する。この位置P2は、柱部44の外径面47を規定する円すい状の延長上にある。
第一環状部41は、図1に示すように、円すいころ10の中心軸C2と対向する位置P3よりも小径な領域で当該円すいころ10の小端面11から軸方向に遠ざかる形状である。第一環状部41のうち、位置P3よりも大径な領域には、ころ中心軸方向に直角な方向に延びるポケット面48が含まれている。
保持器40の外周側から柱部44付近を視た斜視図を図3に示す。図3中のIV−IV線で柱部44を切断した断面の輪郭形状のみを図4に示す。図1中の軸方向のV−V線で凹部50を切断した断面を図5に示す。図1中において軸方向に第二環状部42側に向かう方向は、図5中の上方向に相当する。
図1、図3、図4に示すように、柱部44は、周方向に対称形であり、その周方向の両側にころ案内面49と、凹部50、平坦面51とを有する。ころ案内面49は、円すいころ10の転動面13と周方向に接触する。凹部50は、ころ案内面49から周方向に凹んでおり、円すいころ10の転動面13と接触しない。平坦面51は、第二環状部42の第一環状部41側の内周縁と同径の位置P4から軸方向に第一環状部41側へ延びて外径面47まで連続する。
ころ案内面49は、円すいころ10の中心軸C2よりも大径な位置にあり、径方向に所定の範囲内で円すいころ10の転動面13と周方向に接触することができる。ころ案内面49は、平坦面51及び外径面47から内径側へ連続する。ころ案内面49は、軸方向に第二環状部42側に向かって開放した平面状である。ころ案内面49は、周方向から視ると、第二環状部42側の内周の直近に一端部を有し、この一端部から第一環状部41まで連続すると共に、第一環状部41に向かう途中で分岐して柱部44の外径面47まで連続する。
図1に示すような保持器40の振れ回りは、保持器40がころ案内面49と円すいころ10との間に設定されたポケットすきま分だけ径方向に動くことで発生する事象である。内輪20及び外輪30と保持器40とが所定範囲内の同軸性を有する状態で軸受が回転する通常の軸受回転時、保持器40は、柱部44のころ案内面49と円すいころ10の転動面13との接触によって径方向に案内される。軸受回転中、何らかの原因で保持器40に振れ回りが発生し、かつ、保持器40と内輪20とが摺接すると引き摺りトルクが発生するため、保持器40の耐久性を確保する必要がある。
図3、図4に示すように、凹部50の少なくとも一部分は、径方向外向きに開放した形状である。
より具体的には、図3、図4に示す凹部50は、柱部44の小径側の端から軸方向に所定幅をもって径方向外向きに開放した形状である。凹部50は、後述する通り、第1環状部41を形成する金型(雌型)とは、別の金型(雄型)によって形成される。
図3〜図5に示すように、凹部50と柱部44の外径面47との境界となる縁は、外径面47における第一環状部41側の端部に連続する第一外径縁e1と、第一外径縁e1の第二環状部42側の端から周方向に連続する第二外径縁e2とからなる。凹部50ところ案内面49との境界となる縁は、第二外径縁e2から軸方向に第二環状部42側へ延びる軸方向縁e3と、軸方向縁e3の第二環状部42側の端から第一外径縁e1に沿った方向に延びる直線縁e4とからなる。凹部50は、直線縁e4と第一外径縁e1とを繋ぐようにころ案内面49に対して周方向に傾斜した平面と、この平面と直線縁e4と第二外径縁e2とを繋ぐ平面とで構成されている。これら両平面の全部は、軸方向に沿う。ここで、軸方向に沿うとは、軸方向に平行な場合だけでなく、金型を軸方向に分離可能な範囲内で、軸方向に対する傾斜(抜き勾配)又はアンダーカットを有する場合を含む意味である。
その金型を図6に示す。図6では、柱部形状を転写する金型表面を周方向から視た様子を描いている。図6中左側の雌金型Fdは、保持器左側面に現れる表面の略全部の形状を転写する。図6中左側の雌金型Fdで転写しない左側面部分は、図1、図3に示す第二環状部42の内周中央のリブ状突部のみである。図6中右側の雄金型Mdは、雌金型Fdで転写できない保持器表面部の全部を転写する。
図3〜図5と図6とを見比べると理解できるように、雌金型Fdは、柱部44の外径面47の形状を転写する傾斜部f1と、傾斜部f1から突出したコア部f2とを有する。また、コア部f2は、柱部44の平坦面51、平坦面51から大径な柱部44の周方向端面部分、及び位置P4より大径な第二環状部42の左側面部分の形状を転写する。
一方、雄金型Mdは、保持器40の右側面、保持器40の内周全面、第一環状部41の右側面全部、第二環状部42の右側面全部、柱部44の平坦面51より小径な領域全部を転写する。雄金型Mdは、柱部44の内径面52の形状を転写する傾斜部m1と、傾斜部m1から突出したコア部m2とを有する。コア部m2は、ころ案内面49の形状を転写する平面部ms1と、凹部50の形状を転写する突面部ms2と、第一環状部41の右側面の形状を転写する端面部ms3とを有する。図6に示す雄金型Mdを軸方向(図中右方)に分離する際、コア部m2の突面部ms2は軸方向に引っ掛かることなく、分離可能である。
図1、図2及び図7に示すように、保持器40は、内鍔45から内輪20に向けて突き出た形状の多数の内方突起53を有する。内方突起53は、周方向に一定の間隔dで並ぶように配置されている。内方突起53は、内鍔45の内径から径方向の高さhを有する。これら内方突起53は、内輪20の小鍔部22の外径面24と常に径方向に対向する位置にある。
内鍔45と小鍔部22の外径面24との間には、径方向の隙間(g/2)が設定されている。隙間(g/2)は、内鍔45の内径と、内輪20の小鍔部22の外径面24との直径差の半分に相当する。
内方突起53は、図7に示すように、内輪20の小鍔部22との間にくさび状の隙間を形成する。ここで、くさび状の隙間とは、周方向に当該内方突起53側に向かって次第に半径方向に狭くなる隙間のことをいう。
内方突起53は、周方向に沿った断面で円弧状の表面を有する。ここで、周方向に沿った断面とは、内輪20の小鍔部22の外径面24に直交しかつ周方向に沿って延びる仮想面で内方突起53を切断したときの内方突起53の断面のことをいう。この断面形状において、前述の円弧状の曲率半径Rは、例えば、0.1mm以上、9.0mm未満に設定することができる。
内鍔45の内径に対する内方突起53の高さhは、前述の曲率半径Rよりも小さく、例えば、0.01mm以上、0.50mm未満に設定することができる。
周方向に隣り合う内方突起53間の間隔dは、保持器40の振れ回り時に内鍔45と内輪20との直接接触をどの周方向領域でも許すことのないように設定されている。この間隔は、例えば、0.0mm以上、3.0mm以下に設定することができる。
図1、図2に示すように、内方突起53と小鍔部22の外径面24との間には、径方向の隙間(δ/2)が設定されている。隙間(δ/2)は、内方突起53の突先端における内径と、小鍔部22の外径面24の外径との直径差の半分に相当する。隙間(δ/2)は、例えば、0.5mm以下である。
保持器40と内輪20間に介在する潤滑油が存在しない場合、保持器40が軸受中心軸C1から径方向の一方向(図1例では図中下方向)に(δ/2)だけ振れたとき、多数の内方突起53の中で、その振れ方向と周方向に180°反対の周方向一部領域を通過する内方突起53(図1、2中、最上部付近の内方突起53)のみが小鍔部22の外径面24と直接接触する一方、その振れ方向に対応の周方向一部領域を通過する内方突起53(図1、図2中、最下部付近の内方突起53)と小鍔部22の外径面24との間に隙間δが生じることになる。
この円すいころ軸受1は、跳ね掛け又は油浴潤滑方式で使用される。軸受回転中、外部から供給される潤滑油は、内鍔45と小鍔部22の外径面24との間に設定された径方向の隙間(δ/2)や、内方突起53と小鍔部22の外径面との間のくさび状の隙間を通じて保持器40と内輪20の軌道面21との間へ流入する。外輪30の軌道面31と円すいころ10の転動面13間付近では、軸受回転速度が高くなる程、ポンプ作用が強くなり、また、内輪20の小鍔部22の外径面24と保持器40の内方突起53との間の周速差が大きくなる。保持器40の振れ回りが生じると、図1、図2例のように、内方突起53が小鍔部22の外径面24に接近する。そうすると、図6に示すように、前述の流入する潤滑油の一部は、当該接近する内方突起53と小鍔部22の外径面24との間のくさび状の隙間に引き摺り込まれる。このため、当該接近する内方突起53と小鍔部22の外径面24との間では、くさび効果により、油膜形成が促進される。軸受内部のポンプ作用で潤滑油が吸い込まれるような所定速度以上の軸受回転速度の場合、前述のくさび効果が強く、当該接近する内方突起53と小鍔部22の外径面24とを完全に分離する油膜の形成が可能である。このため、当該接近する内方突起53は、小鍔部22の外径面24と流体潤滑状態で摺接する。
ここで、流体潤滑状態は、流体力学的な原理によって潤滑油の流体膜(油膜)を二面間に形成し、摩擦面の直接接触が生じていない状態のことをいう。二面間の最小油膜厚さが二乗平均粗さと比較して大きい、一般に三倍以上である場合に流体潤滑状態であるとみなすことができる。流体潤滑状態になると、摺動抵抗がほぼ零になる。ここで、二乗平均粗さは、JIS規格のB0601:2013で規定された二乗平均平方根粗さRqのことをいう。
また、図1、図2に示すように、保持器40は、第一環状部41から外輪30に向けて突き出た形状の多数の外方突起54を有する。
外方突起54は、周方向に一定の間隔で並び、断面円弧状の表面を有し、第一環状部41に対して径方向に高さを有する点で内方突起53と共通し、これら間隔、円弧状の曲率半径、高さの各値が内方突起53と異なる点で相違するだけである。このため、図6を参照し、同図中に外方突起54を理解する場合の符号を併記する。
外方突起54は、外輪30との間にくさび状の隙間を形成する。外方突起54の間隔dは、保持器40の振れ回り時に第一環状部41と外輪30との直接接触をどの周方向領域でも許すことのないように設定されている。
図2の外方突起54と内方突起53の比較から分かるように、外方突起54の周方向間隔と円弧状の曲率半径は、それぞれ内方突起53の間隔、曲率半径よりも大きい。
図1に示すように、外方突起54と外輪30の円筒面32との間には、径方向の隙間(δ/2)が設定されている。(δ/2)>(δ/2)の関係にある。保持器40の振れ回り時、外方突起54と外輪30とが摺接するよりも前の時期に、内方突起53が内輪20に摺接し、保持器40が径方向に案内される。所定未満の軸受回転速度のとき、外方突起54が外輪30に摺接することはない。所定以上の高い軸受回転速度のとき、遠心力で第一環状部41が拡径し、外方突起54が外輪30に接近し、円筒面32と流体潤滑状態で摺接することができる(図7参照)。
この円すいころ軸受1は、上述のようなものであり、軸受内部のポンプ作用で潤滑油が吸い込まれるような軸受回転速度で保持器40の振れ回りが生じたとき、内鍔45の周方向複数箇所で突き出た内方突起53は、くさび効果により、内輪20と流体潤滑状態で摺接することができる(図1、図2、図7参照)。これにより、内方突起53と内輪20との摺接部で引き摺りトルクが殆ど発生しない。その流体潤滑状態の実現に要する内方突起53の高さhは微小なものであるから、内鍔45と内輪20との間に設定する径方向の隙間(g/2)を小さくすることが可能である。また、これら内方突起53の体積は、内鍔45と内輪20との間において隙間を減らすことになる。このように、この円すいころ軸受1は、保持器40の内鍔45と内輪20との間の隙間を小さくして潤滑油の流入制限性能を向上させ、これにより軸受内部での攪拌抵抗を低減し、ひいては軸受回転トルクの低減を図るができる。
また、この円すいころ軸受1は、保持器の振れ回り時に、前記保持器の前記内方突起と前記内輪の前記小鍔部の外径面が当接するので(図1参照)、保持器40の振れ回り時に内方突起53と内輪20との摺接を許容しつつ、内鍔45と内輪20との間を全周で小さくすることができ、特に自動車の駆動力伝達系において動力損失を抑えるのに好適な円すいころ軸受とすることができる。
また、この円すいころ軸受1は、保持器40の内方突起53が内輪20の小鍔部22の外径面24と流体潤滑状態で摺接するように配置されているので(図1、図2、図7参照)、特殊な段付き内輪を採用することなく、潤滑油の流入制限性能を向上させることができる。
また、この円すいころ軸受1は、保持器40の内方突起53は、周方向に沿った断面で円弧状であるので(図2、図7参照)、内輪20との間にくさび状の隙間を形成し、くさび効果によって流体潤滑状態を実現することができる。
また、この円すいころ軸受1は、保持器40の第一環状部41が内鍔45の内径上の位置P1から外径側に向かって第二環状部42側へ傾斜した形状の端面46を有するので(図1参照)、外部から供給される潤滑油が第一環状部41の端面46に沿って流れ易くなり、内鍔45と内輪20との間の隙間に入り難くなる。
また、この円すいころ軸受1は、保持器40の第一環状部41が円すいころ10の中心軸C2と対向する位置P3よりも小径な領域で円すいころ10の小端面11から軸方向に遠ざかる形状であるので(図1参照)、円すいころ10の小端面11と保持器40の第一環状部41との間での潤滑油のせん断抵抗を低減することができる。
また、この円すいころ軸受1は、保持器40の柱部44が円すいころ10と周方向に接触するころ案内面49と、ころ案内面49から周方向に凹んだ凹部50とを有し、凹部50の少なくとも一部分が径方向外向きに開放した形状であるので(図1、図3、図4参照)、円すいころ10の転動面13と柱部44との間での潤滑油のせん断抵抗を低減することができる。また、保持器40の内鍔45と内輪20との間の隙間から保持器40と内輪20の軌道面21との間に流入した潤滑油を早期に凹部50から外輪20側へ逃がし、ポンプ作用での排出を促進することができる。
特に、この円すいころ軸受1は、その凹部50が第一環状部41と軸方向に対向する領域で軸方向に第二環状部42側へ沿った形状であって、第一環状部41よりも大径な領域で少なくとも軸方向一方側に開放した形状であるので、保持器40の全部を軸方向に二分割された金型Fd、Mdで一体に形成することができる(図1、図5、図6参照)。
また、この円すいころ軸受1は、保持器40の第一環状部41から外輪30に向けて突き出た形状で周方向に並ぶように配置されかつ外輪30と流体潤滑状態で摺接する複数の外方突起54を有するので(図1、図2、図7参照)、保持器40の振れ回り時に外方突起54と外輪30の摺接を許容可能なため、第一環状部41と外輪30との間に設定する径方向の隙間を小さくして軸受回転トルクの低減を図ることができる。
また、この円すいころ軸受1は、保持器40の外方突起54が周方向に沿った断面で円弧状であるので(図2、図7参照)、外輪30との間にくさび状の隙間を形成し、くさび効果によって流体潤滑状態を実現することができる。
なお、内方突起53又は外方突起54における円弧状の曲率半径を大きくする程、くさび効果が発生し易くなる。また、第一環状部41に対する内方突起53又は外方突起54の高さhを小さくする程、第一環状部41と内輪20又は外輪30との間の隙間を全周で小さくすることができる。また、周方向に隣り合う内方突起53間又は外方突起54間の間隔dを小さくする程、内輪20又は外輪30のある周方向一部領域を通過する内方突起53又は外方突起54の1回転当りの通過回数が多くなるので、流体潤滑状態を維持し易くなる。
また、内方突起53や外方突起54は、周方向断面において三角状、台形状等、くさび状の隙間を形成可能な適宜の表面形状に変更してもよいが、内方突起53や外方突起54の円弧状のように、内方突起又は外方突起の周方向中央を通る仮想アキシアル平面(軸受中心軸C1を含む仮想平面)を境界として周方向に対称な形状を採用するが好ましい。これは、保持器40の第一環状部41と内輪20又は外輪30間で潤滑油が引き摺られる方向が周方向のいずれであっても、同様に流体潤滑状態を実現することができるためである。
また、内方突起53と内輪20との間に設定する径方向の隙間(δ/2)と、外方突起54と外輪30との間に設定する径方向の隙間(δ/2)とを同等に設定してもよいが、寸法管理が困難になるので、この円すいころ軸受1のように、攪拌抵抗の低減に有利な内方突起53を優先的に摺接させる方がよい。
上述の実施形態に係る円すいころ軸受の使用例を図8に基づいて説明する。図8は、自動車用デファレンシャルの一例を示すものである。
図8に示すデファレンシャルは、ハウジング101に対して2つの円すいころ軸受102、103で回転自在に支持されたドライブピニオン104と、このドライブピニオン104に噛み合うリングギヤ105と、このリングギヤ105が取り付けられ、一対の円すいころ軸受106でハウジング101に対して回転自在に支持された差動歯車ケース107と、この差動歯車ケース107の中に配設されたピニオン108と、ピニオン108と噛み合う一対のサイドギヤ109とを備え、これらがギヤオイルの封入されたハウジング101内に収納されている。このギヤオイルは、各円すいころ軸受102、103、106の潤滑油にもなっており、跳ね掛け又は油浴潤滑法により軸受側面に供給される。
例えば、ドライブピニオン104のシャフトを支持する円すいころ軸受102、103では、図1に示す外輪30の軌道面31における円すい角(全角)が40°〜60°の間に設定される。図8に示す円すいころ軸受102、103には、低粘度で潤滑な潤滑油(デフオイル)が流入するため、軸受内部での攪拌抵抗が大きくなり、軸受回転トルクが大きくなり易い。このため、円すいころ軸受102、103への潤滑油の流入制限を積極的に行うことが好ましい。
上述の実施形態に係る円すいころ軸受の別の使用例を図9に基づいて説明する。図9は、自動車用トランスミッションの一例を示すものである。
図9に示すトランスミッションは、段階的に変速比を変化させる多段変速機になっており、その回転軸(例えば入力軸201および出力軸202)を回転可能に支持する円すいころ軸受203〜208を備えている。図示のトランスミッションは、エンジンの回転が入力される入力軸201と、入力軸201と平行に設けられた出力軸202と、入力軸201から出力軸202に回転を伝達する複数のギヤ列209〜212と、各ギヤ列209〜212と入力軸201または出力軸202との間に組み込まれた図示しないクラッチとを有する。トランスミッションは、クラッチを選択的に係合させることで使用するギヤ列209〜212を切り替え、入力軸201から出力軸202に伝達する回転の変速比を変化させるものである。出力軸202の回転は出力ギヤ213に出力され、その出力ギヤ213の回転がディファレンシャルギヤ等に伝達される。入力軸201と出力軸202は、それぞれ対応の円すいころ軸受203、204又は円すいころ軸受205、206で回転可能に支持されている。また、このトランスミッションは、ギヤの回転に伴う潤滑油(ミッションオイル)のはね掛けにより、潤滑油が各円すいころ軸受203〜208の側面にかかるようになっている。
図8、図9に例示するように、この円すいころ軸受102、103、106、203〜208は、図1〜7に示す円すいころ軸受を使用している。そのため、デファレンシャル又はトランスミッション内で跳ね掛け又は油浴潤滑法により供給される潤滑油が軸受内部へ流入することを制限し、軸受内部で生じる潤滑油の攪拌抵抗やせん断抵抗による軸受回転トルクを低減することができるものなので、自動車の動力損失を低減して低燃費化に貢献することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 円すいころ
11 小端面
12 大端面
13 転動面
20 内輪
21 軌道面
22 小鍔部
23 大鍔部
30 外輪
40 保持器
41 第一環状部
42 第二環状部
43 ポケット
44 柱部
45 内鍔
46 端面
49 ころ案内面
50 凹部
53 内方突起
54 外方突起
1、102、103、106、203〜208 円すいころ軸受

Claims (10)

  1. 小端面と大端面とを有する円すいころと、
    外周に設けられた軌道面と、前記円すいころの前記小端面を受ける小鍔部と、前記円すいころの前記大端面を案内する大鍔部とを有する内輪と、
    内周に設けられた軌道面を有し、前記内輪と同軸に設けられる外輪と、
    樹脂によって形成された保持器と、
    を備え、
    前記保持器は、第一環状部と、当該第一環状部に比して大径な第二環状部と、当該第一環状部と当該第二環状部との間をポケットに区切る柱部とを有し、
    前記円すいころは、前記ポケットに収容されており、
    前記保持器の前記第一環状部は、前記柱部よりも小径で全周に連続すると共に前記内輪を取り囲む内鍔を有する円すいころ軸受において、
    前記保持器は、前記内鍔から前記内輪に向けて突き出た形状で周方向に並ぶように配置されかつ当該内輪と流体潤滑状態で摺接できる複数の内方突起を有することを特徴とする円すいころ軸受。
  2. 前記保持器の振れ回り時に、前記保持器の前記内方突起と前記内輪の前記小鍔部の外径面が当接する請求項1に記載の円すいころ軸受。
  3. 前記保持器の前記内方突起は、前記内輪の前記小鍔部の外径面と流体潤滑状態で摺接できるように配置されている請求項1又は2に記載の円すいころ軸受。
  4. 前記保持器の前記内方突起は、周方向に沿った断面で円弧状である請求項1から3のいずれか1項に記載の円すいころ軸受。
  5. 前記保持器の前記第一環状部は、前記内鍔の内径上の位置から外径側に向かって前記第二環状部側へ傾斜した形状の端面を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の円すいころ軸受。
  6. 前記保持器の前記第一環状部は、前記円すいころの中心軸と対向する位置よりも小径な領域で当該円すいころの前記小端面から軸方向に遠ざかる形状である請求項1から5のいずれか1項に記載の円すいころ軸受。
  7. 前記保持器の前記柱部は、前記円すいころと周方向に接触するころ案内面と、当該ころ案内面から周方向に凹んだ凹部とを有し、当該凹部の少なくとも一部分は、径方向外向きに開放した形状である請求項1から6のいずれか1項に記載の円すいころ軸受。
  8. 前記柱部の前記凹部は、前記第一環状部と軸方向に対向する領域で軸方向に第二環状部側へ沿った形状であって、当該第一環状部よりも大径な領域で少なくとも軸方向一方側へ沿った形状である請求項7に記載の円すいころ軸受。
  9. 前記保持器は、前記第一環状部から前記外輪に向けて突き出た形状で周方向に並ぶように配置された複数の外方突起を有する請求項1から8のいずれか1項に記載の円すいころ軸受。
  10. 前記保持器の前記外方突起は、周方向に沿った断面で円弧状である請求項9に記載の円すいころ軸受。
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